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特表2022-523652医療用スタビライザハーネスの方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】医療用スタビライザハーネスの方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
A61H3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541724
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 US2020014491
(87)【国際公開番号】W WO2020150747
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/794,639
(32)【優先日】2019-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521318653
【氏名又は名称】エアーボーン モーターズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーセル,ジェシー アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】キメンティー,ジェフリー スコット
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA22
4C046AA29
4C046AA47
4C046BB01
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD02
4C046DD37
4C046DD38
4C046DD41
4C046EE09
4C046EE17
4C046EE24
4C046FF04
(57)【要約】
転倒しやすい人の怪我を防止するための、医療用スタビライザベルトまたはハーネスの方法および装置は、ベルトまたはハーネスとしてユーザが装着し、自立的に作動するように構成される。ベルトまたはハーネスに配置された電池パックによって電力が供給されることが好ましい。本発明は、ユーザがスリップまたは転倒しそうになるのを検知する中央コンピュータによって起動されるとき、強力な安定化効果を生成する複数のジャイロ駆動を含む。さらに、本医療用スタビライザベルトまたはハーネスは、回復期にバランスを取るのを支援することにより、理学療法において患者を補助することとなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着可能なユーザの安定化の方法であって、
ユーザに対してスタビライザ装置をハーネスで固定して連結するステップであって、前記スタビライザ装置は、強力なジャイロ力を生成する複数のハブレスモータを有する、ステップと、
前記複数のハブレスモータを使用して、前記装置で強力なジャイロ力を生成するステップと、
前記装置から前記ハーネスへと、前記ユーザに慣性を伝達し、人工的バランスを前記ユーザに対して生成するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記スタビライザ装置は、前記ユーザの腰、腕または脚のうち少なくとも1つに付けられる、請求項1に記載の装着可能なユーザの安定化の方法。
【請求項3】
前記スタビライザ装置は、前記スタビライザ装置が付けられる前記ユーザの位置条件に適合するようなサイズまたは形状のうち少なくとも1つによって構成可能である、請求項1に記載の装着可能なユーザの安定化の方法。
【請求項4】
前記スタビライザ装置は、前記ユーザの衣類に組み込まれるように構成可能である、請求項1に記載の装着可能なユーザの安定化の方法。
【請求項5】
装着可能な安定化装置であって、
複数の、フリーホイールの慣性生成リングと、
前記リングに取り付けられた複数の永久磁石と、
前記磁石に対して作用するように構成された複数の界磁コイルと、
前記リングを外部から支持するように構成された複数の軸受と、
前記界磁コイルにエネルギーを送るための電子制御装置と、
前記界磁コイルに電力を供給するように、エネルギーを前記制御装置に送るための電源と、
前記装置をユーザに取り付けるのに使用されるハーネスと、を備える装着可能な安定化装置。
【請求項6】
前記ユーザの位置を特定するように構成された、前記電子制御装置に接続された少なくとも1つのセンサをさらに備え、前記電子制御装置は、前記ユーザに対して人工的バランスを生成して転倒を回避するまたは転倒を最小限に抑えるために、前記ユーザの位置上の前記センサからの入力に反応して前記界磁コイルに送られる前記エネルギーを調整するようにさらに構成される、請求項4に記載の安定化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月20日に出願された、米国仮特許出願第62/794,639号の利益を主張するものであり、その内容が、その全体を本明細書に参照によって組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、障害のある人が安全に移動できるように支援するための医療機器の分野に関するものである。より具体的には、老人の転倒事故を最小限に抑えるための、および/または、理学療法によって支援するための自己駆動型のジャイロスコープ(姿勢制御装置)に関するものである。
【0003】
高齢者の移動を支援し、転倒を防止するための機器は数多く存在する。その多くは、歩行器や杖の形態である。身体障害者や高齢者向けに開発された車輪付きの歩行器からなる歩行補助具もその一例である。それらの歩行補助具は、移動やバランスをとるのに役立つが、つまずいたり、転んだりしたときにはほとんど役に立たない。65歳以上のアメリカ人の4人に1人は毎年転倒して、19分ごとに高齢者が転倒により病室で亡くなっている。本発明は、怪我や死亡、および、関連するコストを削減することを目的としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、転倒による怪我を最小限に抑え、理学療法において支援するために使用される医療用スタビライザを備える。本発明は、ユーザによって装着されるよう構成されている。駆動のための動力は、ユーザ近傍の、またはユーザに付された電池を動力源とすることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、強力な姿勢制御の安定化効果をもたらす複数のモータを含む。この駆動は、ベルトまたはハーネスに組み込まれ、本発明を装着する人が転倒しそうになると、周囲360度のどこかに転倒するのではなく、安定した直立体勢を回復させるような方法で調整する。
【0006】
制御機構には、単純なオンまたはオフ、および、装置を起動するであろう今後起こりうる転倒を検出する電子機器システムを自立的に介することが備わっていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の好ましい実施例および代替実施例を、以下の図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
図1図1は本発明の斜視図である。
【0009】
図2図2はベルトまたはハーネスがない状態の本発明の部品である。
【0010】
図3図3は取り外し可能なストラップが付いたベルトまたはハーネスである。
【0011】
図4図4は軸カバーの断面図を含む、スタビライザノードの斜視図である。
【0012】
図5図5はスタビライザノードの分解図である。
【0013】
図6図6はスタビライザノードの断面図である。
【0014】
図7図7はジャイロ駆動ロータの斜視図である。
【0015】
図8図8はジャイロ駆動ステータの斜視図である。
【0016】
図9図9はハブレススタビライザノード、およびベルトまたはハーネスの、別実施形態の斜視図である。
【0017】
図10図10はハブレススタビライザノードの斜視断面図である。
【0018】
図11図11は、回転トルクを除去するために逆回転が可能な2つのノードを含む、組み立てられたハブレススタビライザノードである。
【0019】
図12図12は、制御装置ノードの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書では、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせを含む。本明細書では、単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈上明らかに別の意味を持たない限り、単数形だけでなく複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される「comprise(含む)」および/または「comprising(含む)」という用語は、記載された特徴、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するものであり、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの追加を排除するものではないことが理解されよう。
【0021】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されている技術用語および科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の技術を有する者が一般的に理解するのと同じ意味を持つ。さらに、一般的に使用されている辞書で定義されているような用語は、関連する技術と本開示の1つの文脈における意味と一致する意味を持つものとして解釈されるべきであり、本明細書では、明示的にそのように定義されていない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されることはないことが理解されよう。
【0022】
本発明を説明するにあたり、いくつかの技術やステップが開示されていることが理解されよう。これらの各々は、個々の利点を有し、また各々は、他の開示された技術の1つ以上(場合によっては全て)と組み合わせて使用することができる。したがって、明確にするために、この説明では、個々のステップの可能なすべての組み合わせを不必要に繰り返すことは控える。それにもかかわらず、本明細書および特許請求の範囲は、そのような組み合わせが完全に本発明および特許請求の範囲内であることを理解した上で読むべきである。
【0023】
装着可能な装身具における、転倒を制御し、および理学療法を支援する、新しい安定化ベルトまたはハーネスの方法および装置が本明細書で論じられている。以下の説明では、本発明が十分に理解されるように、説明の便宜上、多数の具体的な内容を記載している。しかし、当業者であれば、本発明はこれらの具体的な詳細がなくても実施することができることは明らかであろう。
【0024】
本開示は、本発明の例示として考慮されるべきものであり、本発明を図または以下の説明によって例示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0025】
本発明は、好適な実施形態を表した図面を参照して説明される。図1は、組み立てられた状態の本発明の斜視図である。図1および図2で示されているように、安定化ベルトまたはハーネスの方法および装置10は、スタビライザノード12と、制御および電源ノード14と、取り外し可能なストラップ16aを有するベルトまたはハーネス16と、ノードをベルトまたはハーネスに取り付ける器具(ハードウェア)18aと、内部ジャイロスコープ駆動ロータの中心を調整するために、アクセス用貫通部(access penetrations)をカバーする器具18bと、を含んでいる。一例として、器具18aおよび19bはスクリュー、ボルト、接着剤、または任意の適した方法であってもよい。図5図7に示されるように、スタビライザノードの各々は、組み立てられたときに、複数の永久磁石24を適所にロックする、少なくとも1つのジャイロスコープ駆動ロータの頂部20および底部22を含む。磁石の目的は2つの要素から成る。これらは、ステータの電磁界によって作用されるときに、ジャイロスコープロータの回転を発生させること、および、それらの質量および外周位置により、ジャイロ効果を増幅させることである。回転トルクを抑制するために、各スタビライザは、ロータが反対方向に回転する第2のスタビライザとペアにされてもよい。
【0026】
図5図6を参照してさらに示すように、鉄、鉄系組成、または任意の適切な材料による鉄の積層で構成されうるジャイロスコープステータ28により、銅、アルミニウム、または任意の適切な材料で構成された複数の界磁コイル30が位置決めされ、複数の界磁コイル30は、モータ制御装置を介して励磁されると、ジャイロスコープロータの磁石に作用する位相磁界を生成する。
【0027】
さらに図4図6を参照してさらに示すように、中心軸32により、複数の固定ボルト38で適所にロックされた複数のローラー軸受34の間に、ジャイロスコープ駆動ロータが配置される。ジャイロスコープロータアセンブリは、炭素繊維複合体、アルミニウム、または任意の適した材料で構成されたハウジング頂部40とハウジング底部42との間で、複数のサークリップ36によって、中心に配置される。
【0028】
本発明は、ユーザが装着するように設計されているものの、歩行器、杖、松葉づえ、またはユーザを支える支援となるように使用される任意のものを安定させるように構成されることができる。その他の人間以外の用途として、自動車やトラックの横転を防止し、個人用飛行体の安定性を維持し、帆船やボートなどの動力付きおよび非動力のボートを安定させ、大風や地震など構造物の動作に影響を与える可能性のあるねじれを最小限に抑えるための静的構造物を安定させる、大型のものが含まれる。さらに、ペットの移動から輸送の支援、または、野生動物やショーのための動物の治療まで、さまざまな場面で動物に使用することができる。
【0029】
図10を参照してさらに示すように、別の実施形態では、スタビライザノード12は、その内側軸受交差支持部92に沿って支持されるステータを有するハブレス設計として構成されることができる。
【0030】
図9を参照してさらに示される別の実施形態では、スタビライザノードは、ユーザの腰を包囲するのに十分な大きさを有するとともに、ベルトまたはハーネス/ハーネス(図3参照)に連結され得る中心貫通部を有する設計(デザイン)を許容するハブレスのジャイロスコープ駆動ロータを有する。図10を参照してさらに示されるように、ハブレスのスタビライザノードは、外周に配置された複数の一体的磁石91を有する、少なくとも1つのジャイロスコープ駆動ロータ90から構成される。軸受支持面92が、ロータの内面に向かって一体化されている。ステータはアルミニウム、複合材または任意の適した材料で構成されることができる。界磁コイル94が付されたステータ93が、ロータを包囲している。強固な軽量複合素材、アルミニウム、または任意の適した材料で構成されることができるロータ用シェル95により、複数の軸98に取り付けられた複数のローラー軸受96を支持するフレームワーク97が配置される。スクリュー、接着剤、または任意の適した手段であってもよい器具99が、フレームワークをロータ用シェルに取り付けるために使用される。炭素繊維複合体、アルミニウム、または任意の適した材料で構成された外部シェル100が装置を包んでいる。別の実施形態では、図11を参照してさらに示すように、当該装置によって発生される回転トルクは、上下に配置された、第2の逆方向回転ハブレスジャイロスコープを採用するか、または、2つのハブレスロータを逆方向に回転するダブルステータ(double-sided stator)を使用することによって、減少され得る(図示せず)。
【0031】
医療用スタビライザベルトまたはハーネスの逆方向回転版は、人間への使用だけでなく、歩行器、杖、松葉づえ、または、ユーザ支援のために使用される用具を安定させるために使用されることができる。その他の人間以外の用途として、自動車やトラックの横転を防止し、個人用飛行体の安定性を維持し、帆船やボートなどの動力付きおよび非動力のボートを安定させ、大風や地震など構造物の動作に影響を与える可能性のあるねじれを最小限に抑えるための静的構造物を安定させる、大型のものが含まれる。さらに、ペットの移動から輸送の支援、または、野生動物やショーのための動物の治療まで、さまざまな場面で動物に使用することができる。
【0032】
図2を参照してさらに示すように、ユーザの動作を監視するために使用可能な制御装置14と、電池電源を含んでいる。制御装置は、常時オンに設定することも、電子機器で管理することも可能である。図12を参照してさらに示すように、制御装置は、好ましくは、動作検知コンポーネント、モータ制御装置、電池電源、および療法士による外部制御に利用可能な入力装置、および、可能な場合には外部電源を含む。外部電源は、電池電源を充電するために使用することもできる。
【0033】
別の実施形態では、当該装置は理学療法を支援するために使用され、ユーザがバランスを取るのを支援するために手動でオンまたはオフにすることができ、通常はより長いセッションのために外部から電源を供給する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態は、腰の周りに装着することを意図しているが、適切なサイズのものは、例えば、手足(appendage)の物理療法において、適切な場合には、体の任意の部分に装着することができる。スタビライザは、電動式で、必要な結果を得るためのニーズを満たすのに十分な人工的なバランスを作り出す大きさにすることができる。複数のユニットを積み重ねることで、全体の直径を最小限に抑えながら人工的なバランスを高めることができる。ユーザが様々な場所(例えば、各腕に1つ、各脚に1つ、腰の周りに1つ)に複数のユニットを採用してもよい。別の実施形態では、所望の結果を得るために、複数のスタビライザを衣類の様々な領域に組み込んでもよい。例えば、腕、脚、中心部分、または追加的バランスが必要な場所に近接して配置することができる。
【0035】
さらに別の実施形態では、スタビライザを利用して構造物の動きを制限し、外部からの影響による損害を最小限に抑えることができる。例えば、風による超高層ビルの揺れはスタビライザによって弱められる。ボート、車、飛行機などの移動体は、安定性を高めるためにスタビライザを組み込むことができる。本発明は、物理療法用の平行棒のような外部構造物を必要とせずに、バランスや抵抗を加えるように物理療法に使用することができる。本発明は、スポーツにおいて、例えば、スケートボード、サーフボード、馬、自転車などに乗るときに、追加的なバランスを加えることにより、アスリートがトレーニングをするために使用することができる。本発明は、体の不自由な人、例えば高齢者に人工的なバランスを提供し、スリップや転倒の事故を抑制する。また、本発明は、ユーザを監視し、転倒の可能性があることを示す信号を受けて作動させることができる。本発明は、常時オンまたは常時オフのモードで動作させることができる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態を図示して説明してきたが、上述したように、本発明の主旨と範囲から逸脱することなく多くの変更を加えることができる。したがって、本発明の範囲は、好ましい実施形態の開示によって限定されるものではない。代わりに、本発明は、以下の特許請求の範囲を参照して完全に確定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】