(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】露出したクリップを備える電子デバイスフリップチップパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20220419BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L23/36 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543137
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020014554
(87)【国際公開番号】W WO2020154364
(87)【国際公開日】2020-07-30
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(71)【出願人】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(72)【発明者】
【氏名】ウーチャン キム
(72)【発明者】
【氏名】ディビヤジャット ミシュラ
(72)【発明者】
【氏名】カート シンサボックス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェク アロラ
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA00
5F136BB04
5F136DA07
5F136DA08
5F136DA27
5F136EA12
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
パッケージされた電子デバイス(100)が、多層基板(106)であって、第1の側(103)と、第1の側(103)に沿って第1の複数の導電性構造(112、114、116)を有する第1の層(110)と、第2の複数の導電性構造(122、124、126)を有する第2の層(120)とを含む多層基板(106)、導電性構造(112、114)の第1のセットにはんだ付けされる半導体ダイ(101)、第1の層(110)の導電性構造(116、136)のうちの1つに及び半導体ダイ(101)の第2の側(105)に直接接続される導電性クリップ(108)、及び、半導体ダイ(101)と導電性クリップ(108)の一部とを封入するパッケージ構造(140)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージされた電子デバイスであって、
多層基板であって、第1の側と、第2の側と、第1の層であって、前記第1の層を介して前記第1の側まで延在する第1の複数の導電性構造を有する前記第1の層と、第2の層であって、前記第2の層を介して前記第2の側まで延在する第2の複数の導電性構造を有する前記第2の層とを含む、前記多層基板、
半導体ダイであって、電子構成要素と、前記電子構成要素の端子に電気的に接続される複数の導電性特徴とを含み、前記導電性特徴が前記半導体ダイの第1の側から外方に延在し、前記導電性特徴が、前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造の対応するものに直接接続されている、前記半導体ダイ、
前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造のうちの1つに直接接続され、前記半導体ダイの第2の側に直接接続される導電性クリップ、及び
前記半導体ダイと前記導電性クリップの一部とを封入するパッケージ構造、
を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージされた電子デバイスであって、
前記第1の複数の導電性構造が、
前記半導体ダイの第1の導電性特徴にはんだ付けされる第1の導電性構造、
前記半導体ダイの第2の導電性特徴にはんだ付けされる第2の導電性構造、及び
前記導電性クリップの第1の部分にはんだ付けされる第3の導電性構造、
を含み、
前記第2の複数の導電性構造が、
前記多層基板内で前記第1の導電性構造に電気的に接続される第4の導電性構造、及び
前記多層基板内で前記第3の導電性構造に電気的に接続される第5の導電性構造、
を含む、
パッケージされた電子デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のパッケージされた電子デバイスであって、
前記半導体ダイの前記電子構成要素がトランジスタであり、
前記半導体ダイの前記第1の導電性特徴が、前記トランジスタのドレイン端子に電気的に接続され、
前記半導体ダイの前記第2の導電性特徴が、前記トランジスタのソース端子に電気的に接続される、
パッケージされた電子デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記第2の複数の導電性構造が、前記多層基板内で前記第3の導電性構造に電気的に接続される第6の導電性構造をさらに含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項5】
請求項2に記載のパッケージされた電子デバイスであって、
前記多層基板が、前記第1の層と前記第2の層との間に配置される第3の層をさらに含み、前記第3の層が、
前記第1の層と前記第2の層との間に延在する導電性ビアであって、前記第1の複数の導電性構造の一部を、前記第2の複数の導電性構造の一部と個々に接続するための、前記導電性ビア、及び
前記導電性ビアの少なくとも一部を互いから分離する絶縁体構造、
を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記第3の層の前記絶縁体構造が積層ビルドアップ材料を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項7】
請求項5に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記第3の層の前記絶縁体構造がセラミック材料を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のパッケージされた電子デバイスであって、
前記パッケージ構造が、前記半導体ダイと前記導電性クリップの一部とを封入するモールド材料を含み、
前記パッケージ構造の前記モールド材料が、前記第1の層において、前記第1の複数の導電性構造の少なくとも一部を互いから分離し、
前記パッケージ構造の前記モールド材料が、前記第2の層において、前記第2の複数の導電性構造の少なくとも一部を分離する、
パッケージされた電子デバイス。
【請求項9】
請求項5に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記導電性クリップが、前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造の1つにはんだ付けされ、前記導電性クリップが、前記半導体ダイの前記第2の側にはんだ付けされる、パッケージされた電子デバイス。
【請求項10】
請求項2に記載のパッケージされた電子デバイスであって、
前記多層基板が、前記第1の層と前記第2の層との間に配置される第3の層をさらに含み、前記第3の層が、
前記第1層と前記第2層との間に延在する導電性ビアと、
前記導電性ビアの少なくとも一部を互いから分離する絶縁体構造と、
を含む、
パッケージされた電子デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記第3の層の前記絶縁体構造が積層ビルドアップ材料を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項12】
請求項10に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記第3の層の前記絶縁体構造がセラミック材料を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のパッケージされた電子デバイスであって、
前記パッケージ構造が、前記半導体ダイと前記導電性クリップの一部とを封入するモールド材料を含み、
前記パッケージ構造の前記モールド材料が、前記第1の層において、前記第1の複数の導電性構造の少なくとも一部を互いから分離し、
前記パッケージ構造の前記モールド材料が、前記第2の層において、前記第2の複数の導電性構造の少なくとも一部を分離する、
パッケージされた電子デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載のパッケージされた電子デバイスであって、前記導電性クリップが、前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造の1つにはんだ付けされ、前記導電性クリップが、前記半導体ダイの前記第2の側にはんだ付けされる、パッケージされた電子デバイス。
【請求項15】
請求項1に記載のパッケージされた電子デバイスであって、第2の半導体ダイをさらに含み、前記第2の半導体ダイが、前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造の対応するものに直接接続される第2の複数の導電性特徴を含む、パッケージされた電子デバイス。
【請求項16】
電子デバイスであって、
多層基板であって、
第1の複数の導電性構造を含む第1の層と、
第2の複数の導電性構造を含む第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層との間に配置される第3の層であって、前記第3の層が、前記第1の層と前記第2の層との間に延在して前記第1の複数の導電性構造の一部を前記第2の複数の導電性構造の一部と個別に接続するための導電性ビアと、前記導電性ビアの少なくとも一部を互いから分離する絶縁体構造とを含む、前記第3の層と、
を含む、前記多層基板、
半導体ダイであって、電子構成要素と、前記電子構成要素の端子に電気的に接続される複数の導電性特徴とを含み、前記導電性特徴が、前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造のうちの対応するものにはんだ付けされている、前記半導体ダイ、及び
前記第1の層の前記第1の複数の導電性構造の1つに直接はんだ付けされ、また、前記半導体ダイに直接接続される、導電性クリップ、
を含む、電子デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の電子デバイスであって、前記第3の層の前記絶縁体構造が積層ビルドアップ材料を含む、電子デバイス。
【請求項18】
請求項16に記載の電子デバイスであって、前記第3の層の前記絶縁体構造がセラミック材料を含む、電子デバイス。
【請求項19】
電子デバイスを作製する方法であって、
半導体ダイの第1の側の導電性特徴を多層基板の第1の層の導電性構造の第1のセットにはんだ付けすること、
前記多層基板及び前記半導体ダイに導電性クリップを取り付けることであって、
導電性クリップの第1の部分を前記第1の層の前記第1の側のさらなる導電性構造にはんだ付けすることと、
前記導電性クリップの第2の部分を前記半導体ダイの第2の側に取り付けることと、
を含む、前記導電性クリップを取り付けること、及び
前記半導体ダイと前記導電性クリップの一部とをパッケージ構造内に封入すること、
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法であって、前記導電性クリップを前記多層基板及び前記半導体ダイに取り付ける前に、第2の半導体ダイを前記導電性構造の第2のセットにはんだ付けすることをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子回路は、特に動作周波数が高い場合、寄生インダクタンスによって生じる効率の低下や動作の劣化の影響を受けやすくなる。また、高周波デバイスは、動作温度が上昇すると効率が低下する。印刷回路基板(PCB)を介する底部側冷却のみを備える従来のデバイスパッケージの熱制限は、デバイスサイズ縮小を妨げ、デバイス電力密度の増大を阻止する。また、スイッチング回路の良好な電気的性能は、1つ又は複数の電力回路スイッチングトランジスタを含む半導体ダイの裏側を接地することによって向上する。ワイヤボンドダイ及びリードフレームによる現行のパッケージング解決策は、寄生インダクタンスが高く、頂部側冷却又は裏側ダイ接地を提供することができない。蓋付き埋め込みダイパッケージは、熱放散のために頂部側に蓋が付いた反転ダイ又はフリップチップを有するが、頂部側の接地接続は提供しない。他のフリップチップアプローチは、ダイ裏側への接地接続を実装していない。再配線層(RDL)を備える埋め込みダイ上に直接めっきされた銅層を有するさらなるパッケージは高価である。
【発明の概要】
【0002】
パッケージされた電子デバイスを、多層基板に取り付けられた反転ダイ及び導電性クリップ、並びに、半導体ダイと導電性クリップの一部とを封入するパッケージ構造と共に記載する。記載される例は、良好なダイ熱放散及び電気的性能を有する、コスト効率の良い電子デバイスパッケージング解決策を提供する。記載される例示のパッケージ電子デバイスは、第1の導電性構造を有する第1の層、及び、第2の導電性構造を備える第2の層を備える多層基板を含む。この例示のデバイスは、電子構成要素を備える半導体ダイも含む。半導体ダイは、電子構成要素の端子に電気的に接続され、第1の層の対応する導電性構造に直接接続される導電性特徴を含む。例示のデバイスはまた、第1の層の第1の導電性構造のうちの1つに直接接続される導電性クリップを含む。導電性クリップは、半導体ダイの側部に直接接続される。例示のデバイスはまた、半導体ダイと導電性クリップの一部とを封入するパッケージ構造を含む。
【0003】
或る例において、多層基板は、第1の層と第2の層との間に第3の層又は複数の中間層を含み、第1の導電性構造の幾つかを第2の導電性構造の幾つかと個別に接続する導電性ビアを備える。また、第3の層は、ビアを互いから分離する絶縁体構造を含む。一例において、多層基板は積層構造であり、積層(laminate)構造において、絶縁体構造が、積層ビルドアップ材料を含む。別の例において、多層基板は、セラミック又は絶縁金属基板(IMS)であり、この場合、絶縁体構造はセラミック材料を含む。一例において、パッケージ構造は、半導体ダイと、導電性クリップの一部とを封入するモールド材料を含む。一例におけるモールド材料は、第1の層において第1の導電性構造の少なくとも幾つかを互いから分離し、第2の層において第2の導電性構造の少なくとも幾つかを互いから分離する。一例において、導電性クリップは、第1の層の第1の導電性構造のうちの1つにはんだ付けされ、導電性クリップは半導体ダイにはんだ付け又はエポキシ接着される。一例において、デバイスは第2の半導体ダイも含み、第2の導電性特徴が、第1の層の導電性構造の対応するものに直接接続されている。
【0004】
電子デバイスを作製するための方法を記載する。この方法は、半導体ダイの第1の側の導電性特徴を、多層基板の第1の層の導電性構造の第1のセットにはんだ付けすることと、多層基板及び半導体ダイに導電性クリップを取り付けることとを含む。一例において、導電性クリップを取り付けることが、導電性クリップの第1の部分を、第1の層の第1の側のさらなる導電性構造にはんだ付けすることと、導電性クリップの第2の部分を半導体ダイの第2の側に取り付けることとを含む。一例において、導電性クリップの第2の部分が、半導体ダイの第2の側にはんだ付けされる。別の例において、導電性クリップの第2の部分は、半導体ダイの第2の側にエポキシ接着される。この方法はさらに、半導体ダイと導電性クリップの一部とをパッケージ構造内に封入することを含む。一例において、この方法はまた、導電性クリップを多層基板及び半導体ダイに取り付ける前に、第2の半導体ダイを導電性構造の第2のセットにはんだ付けすることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】多層積層構造を含む多層積層基板と露出クリップとを備えるフリップチップパッケージされた電子デバイスの断面側立面図である。
【0006】
【
図2】
図1の線2-2に沿って切り取られたパッケージされた電子デバイスの上部立面図である。
【0007】
【
図3】
図1の線3-3に沿って切り取られたパッケージ電子デバイスの断面頂部立面図である。
【0008】
【
図4】
図1の線4-4に沿って切り取られたパッケージされた電子デバイスの底部立面図である。
【0009】
【
図5】パッケージされた電子デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【0010】
【
図6】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【
図7】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【
図8】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【
図9】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【
図10】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【
図11】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【
図12】
図5の方法に従った製造を経る
図1~
図4のパッケージされた電子デバイスの側部立面図である。
【0011】
【
図13】多層セラミック又は絶縁金属基板と、露出クリップとを備えた、別の例のフリップチップパッケージされた電子デバイスの断面側立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面において、全体を通して同様の参照番号は同様の要素を示し、種々の特徴は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。以下の記載及び請求項において、「含む」、「有する」、「備える」という用語、又はそれらの変形は、「包含する」という用語と同様の方式で包括的であることを意図しており、「~を含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。また、「結合する」という用語は、間接的又は直接的な電気的又は機械的接続、又はそれらの組み合わせを含むことが意図されている。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスに結合するか又は第2のデバイスと結合される場合、その接続は、直接的な電気的接続を介するものであり得、又は1つ又は複数の介在デバイス及び接続を介した間接的電気的接続を介するものであり得る。
【0013】
図1~
図4は、第1の半導体ダイ101及び第2の半導体ダイ102を備える、一例のパッケージされた電子デバイス100を示す。例示のデバイス100は、複数の半導体ダイ101及び102を含むが、他の例において、単一の半導体ダイ、又は2つ以上の半導体ダイを含むこともできる。図示の例では、両方の半導体ダイが、多層基板106の導電性構造にフリップチップはんだ付けされた導電性特徴104を備える下側の第1の表面103を含む。例示の導電性特徴104は、半導体ダイ101及び102の下側の第1の側103から外方(例えば、下方)に延在する。銅パッド又は多層基板106の他の導電性構造にはんだ付け又はその他の方式で直接接続することができる、任意の適切な導電性特徴104を用いることができる。一例において、ダイ101及び102の導電性特徴104は、はんだバンプである。別の例において、導電性特徴104は銅ピラーである。
【0014】
一例において、ダイ101及び102は、
図7に関連して以下にさらに述べるように、1つ又は複数の電子構成要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、ダイオード等)を備えて作製される。一例において、第1のダイ101は、例えば、シリコンカーバイド(SiC)トランジスタ又は窒化ガリウム(GaN)トランジスタなどの高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの電力トランジスタを含む。例示のダイ101及び102はまた、1つ又は複数のメタライゼーション層を含み、メタライゼーション層は、上側103から外方に延在する、銅ピラー、はんだバンプ、又は他の導電性特徴104を有する上側103を備える。導電性特徴104の少なくとも幾つかは、1つ又は複数のメタライゼーション層を介して、ダイ101及び102内の1つ又は複数の電子構成要素の端子に電気的に接続される。この例において、ダイ101及び102は、フリップチップ取り付けプロセスを用いて、第1の側103の導電性特徴104を多層基板106の導電性構造上に下向きにはんだ付けするために、反転又は「フリップ」される。ダイ101及び102の反転された位置決めは、ダイの第2の側105を
図1において(例えば、正のZ方向に沿った)上向きのままにする。フリップチッププロセスは、ダイ101及び102を多層基板106の第1(例えば、上側の)側107に直接取り付ける。導電性特徴104の多層基板106の導電性構造への直接電気的接続は、有利にも、ワイヤボンディング又は他の相互接続技術に関連する寄生インダクタンスを緩和又は回避する。
【0015】
デバイス100は導電性クリップ108も含む。クリップ108は、アルミニウム、銅など、任意の適切な導電性材料とすることができる。導電性クリップ108は、多層基板106の第1の側107上の1つ又は複数の導電性構造に直接接続される。一例において、クリップ108の下側の第1の部分が、多層基板106の第1の側107の1つ又は複数の導電性構造に直接はんだ付けされる。また、導電性クリップ108は、第1の半導体ダイ101の第2の側105に直接接続される。一例において、導電性クリップ108の上側の第2の部分が、第1の半導体ダイ101の第2の側105の導電性特徴に直接はんだ付けされる。別の例において、導電性クリップ108の第2の部分が、第1の半導体ダイ101の第2の側105の一部にエポキシ接着される。一実装において、導電性クリップ108は、多層基板106の第1の側107の接地された導電性構造、例えば、接地接続にはんだ付けされる。
【0016】
図2~
図4も参照すると、
図2は、
図1の線2‐2に沿って切り取られたパッケージされた電子デバイス100の上面図を示す。
図1及び
図2の導電性クリップ108は、第2の半導体ダイ102の一部の上を延在し、且つ、第2の半導体ダイ102の一部から離間されている。この例では、クリップ108は、第1の半導体ダイ101の第2の側105にはんだ付けされているか又はエポキシ接着されているかにかかわらず、デバイス100の動作の間、第1の半導体ダイ101及び/又は第2の半導体ダイ102を電磁干渉(EMI)から保護するための接地シールドを提供する。
図1の例では、導電性クリップ108は、パッケージされた電子デバイス100の外に露出される上側の第1の側109を含む。クリップ108はまた、取り付けられた第1の半導体ダイ101からの熱放散を容易にするように機能する。使用時に、熱放散をさらに促進するために、導電性クリップ108の露出された第1の側109に、ヒートシンク(図示せず)が、はんだ付け、エポキシ接着、又は他の方式で取り付けられ得る。
【0017】
図1の例示の多層基板106は、多層積層基板構造である。別の実装(例えば、後述の
図13)において、多層基板106は、セラミック基板又は絶縁金属基板(IMS)である。
図1に示されるように、多層積層基板106は、第1の(例えば、頂部)側107における第1の層110、及び、底部の第2の層120を含む。多層基板106は、リードフレームでは不可能であるか又は非実用的な、信号配路及び相互接続位置を容易にする。
図1の例は、中間の第3の層130も含む。第1の層110は、第1の層110を介して多層基板106の第1の側107まで延在する、第1の複数の導電性構造112、114、及び116を含む。導電性構造112、114、及び116は、互いに横方向に離間して(例えば、
図1のX方向に沿って)配置される。また、導電性構造112、114、及び116は、第1の絶縁構造118によって互いから分離される。
【0018】
図1の例では、第1の導電性構造112が、半導体ダイ101の第1の導電性特徴104にはんだ付けされる。一例において、第1の半導体ダイ101はトランジスタ構成要素(例えば、後述の
図7のトランジスタ701)を含み、第2の半導体ダイ102はトランジスタドライバ回路(図示せず)を含む。この例では、半導体ダイ101の第1の導電性特徴104は、トランジスタのドレイン端子(
図1では「D」と標示されている)に電気的に接続される。第1の層110の第2の導電性構造114が、半導体ダイ101の第2の導電性特徴104にはんだ付けされ、第3の導電性構造116が、導電性クリップ108の第1の部分にはんだ付けされる。
図1の例では、半導体ダイ101の第2の導電性特徴104は、トランジスタのソース端子(
図1では「S」と標示されている)に電気的に接続される。一例において、ドライバ回路ダイ102は、トランジスタダイ101のソース端子を、回路接地ノード又は他の基準電圧ノードに接続し、第2のダイ102の対応する接地導電特徴104が、第3の導電性構造116にはんだ付けされる。
【0019】
図示の例では、導電性クリップ108の第1の部分が、多層基板106の第1の側107の第3の導電性構造116に直接はんだ付けされる。このようにして、導電性クリップ108は、回路接地に直接電気的に接続され、接地されたシールドをダイ101及び102に提供する。また、一例において、第1の半導体ダイ101が、第2の(例えば、上側の)側105に上側ボディコンタクト(
図1では図示せず、後述の
図7で図示されている)を含み、ボディコンタクトは、導電性クリップ108の第2の部分にはんだ付けされる。この実装において、導電性クリップ108は、半導体ダイ101のボディへのはんだ付けされた直接的な電気接地接続を提供する。
【0020】
図3は、第1の層110を通る線3-3に沿って切り取られた断面上面図であり、
図4は、
図1の線4-4に沿って切り取られた、パッケージされた電子デバイスの第2の(例えば、底部)層120の特徴を示す底面図である。第2の層120は、第2の複数の導電性構造122、124、126、及び128を含む。導電性構造122、124、126、及び128は、多層基板106の第2の層120を介して延在する。第2の複数の導電性構造は、第4の導電性構造122、第5の導電性構造124、及び第6の導電性構造126を含む。第4の導電性構造122は、多層基板106の第3の層130を介して、第1の層110の第1の導電性構造112に電気的に接続される。第5の導電性構造124は、第3の層130を介して第3の導電性構造116に電気的に接続される。図示された例示の第2の層120は、第6の導電性構造126も含む。第6の導電性構造126は、第3の層130を介して第3の導電性構造116に電気的に接続される。
【0021】
第3の層130は、第1の層110と第2の層120との間に延在する導電性ビア132、134、及び136を含む。ビア132、134、及び136は、アルミニウム、銅など、任意の適切な導電性材料とすることができる。また、第3の層130は、導電性ビア132、134、及び/又は136の少なくとも一部を互いから分離する絶縁体構造138を含む。
図1~
図4の積層基板の例において、第3の層130の絶縁体構造138は、積層ビルドアップ材料138を含む。図示の例では、多層基板106の絶縁体構造118、128、及び138は各々、積層ビルドアップ材料で構成される。一例において、ビルドアップ材料は、個々の層110、120、及び130の導電性構造又はビアの間のギャップに、プレス加工又はその他の方式で設置されるシートとして始まる。この手法はドライフィルム積層と呼ばれる。一例において、絶縁体構造118、128、及び138、ならびに構成要素ビルドアップ材料シートは、有機材料であるか又は有機材料を含む。
【0022】
パッケージされた電子デバイス100はパッケージ構造140も含む。パッケージ構造140は、例えば、モールドされたプラスチック材料、セラミック材料など、デバイス100の構成要素のすべて又は一部を封入するための任意の適切なパッケージ材料とし得る。パッケージ材料は、第1の(例えば、頂部)側141を含む。
図1の例では、導電性クリップ108の第1の側109は、パッケージ材料140の第1の側141を越えて垂直に延在し、クリップ108からの熱放散を可能にし、及び/又は、外部ヒートシンク(図示せず)のデバイス100への取り付けを可能にする。パッケージされた電子デバイス100はまた、第2の(例えば、底部)側142を含み、第2の複数の導電性構造122、124、及び126の露出された部分が
図1に示されている。使用時に、パッケージされた電子デバイス100の第2の側142の露出された導電性構造122、124、及び126は、ホストPCB(図示せず)にはんだ付けされて、ホストPCBの回路要素からの、半導体ダイ101、102、及び多層基板106によって形成される回路との電気的接続を提供する。
【0023】
第3の層130の導電性ビア132、134、及び136は、第1の層110の導電性構造112、114、及び116の幾つかを、第2の層120の導電性構造122、124、及び126の幾つかと個々に接続する。
図1の例では、第1のビア132が第1の半導体ダイ101のトランジスタドレインを、第1の層110の第1の導電性構造112を介して、第2の層120の第4の導電性構造122に直接に電気的に接続する。この例では、第4の導電性構造122は、PCB(図示せず)にはんだ付けされ得るパッケージされた電子デバイス100の底部側142においてドレイン接続を提供する。第3の層130の第2のビア134は、第3の導電性構造116から第2の層120の第5の導電性構造124へ接地ノードを電気的に接続する。また、第3の層130の第3のビア136は、第3の導電性構造116から第6の導電性構造126へ接地ノードを電気的に接続する。導電性構造124及び126は、デバイス100の底部側142において接地又はソース接続を提供し、これはユーザPCBにはんだ付けされ得る。
【0024】
図1におけるデバイス100の断面側面図は、
図2~
図4の線1‐1に沿って切り取られており、例示の多層基板106の全ての特徴を示すものではない。
図3は第1の層110の例示の頂部断面図を示し、第1の層110は第1の導電性構造112(「D」と標示されている)を含み、その一部が第1の層110の横方向縁部まで延在する。第1の層110の例示の第2の導電性構造114は、第1の半導体ダイ101と第2の半導体ダイ102(
図1)との間のソース接続(「S」と標示されている)を提供するために、右側よりも左側の方が広くなっている。第1の層110は、また、ドライバ回路ダイ102と第1の半導体ダイ101内のトランジスタのゲート端子との間のゲート制御信号相互接続を提供する導電性構造300(「G」と標示されている)を含む。この例におけるトランジスタゲート端子は、導電性構造300の頂部表面にはんだ付けされた第1の半導体ダイ101の対応する導電性特徴(図示せず)を介して接続される。この例における第2の半導体ダイ102は、導電性構造300の第2の端部にはんだ付けされる対応する導電性特徴(図示せず)を有するゲート制御信号出力を含む。導電性構造300により、ドライバダイ102は、第1の半導体ダイ101のトランジスタを動作させるためのゲート制御信号を提供し得る。また、
図3は、導電性クリップ108のための接地ノード接続を提供する第3の導電性構造116を図示する。また、第1の層110は、ドライバダイ102内の他の回路要素への接続、及び、ドライバダイ102内の他の回路要素への又はそこからの信号の配路を促進するために、導電性構造302をさらに含む。
【0025】
図4は、パッケージされた電子デバイス100の第2の層120の底面図を示す。第2の層120は、パッケージされた電子デバイス100の底部側142においてドレイン接続を提供する第4の導電性構造122を含む。また、第2の層120の底部側は、第5の導電性構造124(例えば、接地ノード接続)と、第6の導電性構造126(例えば、さらなる接地ノード接続)とを含む。
図4における例示の第2の層120は、さらなる導電性構造400の露出された部分も含む。
【0026】
例示のパッケージされた電子デバイス100は有利にも、1つ又は複数のフリップチップはんだ付けダイ101及び102を備えた多層基板106、ならびに、以前のパッケージ構成の種々の熱的及び電気的欠点を解決する導電性クリップ108を組み合わせる。例示のデバイス100の種々の特徴は、高出力密度及び低コストに関連する利点と組み合わせて、改善された高周波数動作のために、GaN、SiC、又は他のHEMTトランジスタ回路と関連して用いることができる。或る実装において、デバイス100は、以前の、ボンドワイヤに関連した寄生インダクタンスを伴うことなく、フリップチップGaNダイ101及びドライバ回路102のパッケージングを促進する。
【0027】
また、記載されたデバイス100は、良好な電気的性能のための、第1のダイ101の裏側105への接地されたクリップ取り付けと共に、頂部側の冷却を通して改善された熱放散のための、ダイ101の裏側に取り付けられた露出された導電性クリップ108を提供する。これは、フリップチップパッケージにおけるダイ裏側への接地接続を実装しない他の解決に比べて、大幅な改善を表している。デバイス100はまた、再配線層特徴を有する埋め込みダイパッケージング解決策と比較して、著しいコスト上の利点を提供する。また、多層基板106の使用は、有利にも、リードフレーム技術と比較して複雑な相互接続配路能力を促進する。加えて、例示の多層積層構造体106は、高周波回路応用例におけるさらなる改善のための低い電気的寄生を促進する。また、例示のデバイス100は、蓋付きCCCパッケージを用いることが不可能だった接地された裏側接続と組み合わせて、良好な熱放散を提供する。
図13に関連して以下でさらに述べるように、多層基板106は、多層積層基板(例えば、
図1~
図4)、セラミック基板、又は絶縁金属基板(例えば、IMS、
図13)を含む、様々な異なる構成を用いて実装し得る。
【0028】
次に、
図5~
図12を参照すると、
図5は、パッケージされた電子デバイスを作製するための例示の方法500を示す。一例において、方法500は、上述の
図1~
図4の例示のパッケージされた電子デバイス100を作製するために用いることができる。方法500は、
図13に関連して以下に記載される例示のデバイスなどの、他のパッケージされた電子デバイスを作製するために用いられ得る。方法500は、例示のデバイス100の作製に関連して以下に記載され、
図6~
図12は、方法500に従った作製を経るパッケージされた電子デバイス100を示す。
【0029】
例示の方法500は、502でのウェハ作製、及び504でのウェハ頂部へのはんだバンプ又は銅ピラーの形成を含む。
図6は、一例を示し、この例では、複数の透視図ダイエリアを含むウェハ600を作製するためにプロセス604が実施され、ダイエリアの各々は、ウェハ600の第1の側601から外方に延在する、1つ又は複数の対応するはんだバンプ又は銅ピラー導電性特徴104を有する。例示のウェハ600はまた、裏側602を含む。
【0030】
また、方法500は、
図5における506において、ダイ分離又は個片化を含む。
図6におけるダイ600は、任意の適切な鋸切断、レーザー切断、エッチング、又は他の分離処理(図示せず)を用いて、複数の半導体ダイ(例えば、
図1における第1のダイ101)に分離され得る。
図7は、
図6のウェハ600から分離され、分離されたダイ101の第1の側103に導電性特徴104(例えば、銅ピラー又はんだバンプ)を形成するプロセス700を経る、例示の第1のダイ100の一部を示す。
【0031】
図7における例示の第1のダイ101は、半導体基板702(例えば、シリコン、窒化ガリウム、シリコンカーバイド、SOI(silicon-on-insulator)など)の上及び/又は中に形成されるトランジスタ構成要素701を含む。例示の第1のダイ101は単一のトランジスタ構成要素701を含むが、他の実装が、ダイ101内に形成された複数の電子構成要素を有する集積回路を含む。この例における処理されたダイ101は、トランジスタ構成要素701の対応する端子(ソース「S」、ドレイン「D」、ゲート「G」、及びバックゲートコンタクト)に個々に電気的に接続される、複数の導電性特徴104を含む。導電性特徴104は、アルミニウム、銅、はんだ材料、又は、多層基板106の第1の層110の導電性構造112、114のうちの対応するもの(例えば、
図1)への後続のはんだ付けに適したその他の導電性材料である。
【0032】
例示のダイ101は、基板702の上側表面又は上側の選択部分上に配置された絶縁構造703も含む。絶縁構造703は、幾つかの例においてシャロートレンチアイソレーション(STI)特徴又はフィールド酸化物(FOX)構造とし得る。例示のダイ101は、基板702の上方に配置された多層メタライゼーション構造も含む。メタライゼーション構造は、基板702の上に形成された第1の誘電体構造層704、並びに多レベル上側メタライゼーション構造706、710を含む。一例において、第1の誘電体構造層704は、トランジスタ701と基板702の上側表面との上に配置されるプレメタル誘電体(PMD)層である。一例において、第1の誘電体構造層704は、トランジスタ701、基板702、及び絶縁構造703の上に堆積される二酸化シリコン(SiO2)を含む。
【0033】
メタライゼーション構造は、トランジスタ701の様々な端子からPMD層704を介して延在するタングステンプラグ又はコンタクト705、ならびに本明細書では層間又はレベル間誘電体(ILD)層と呼ばれる、上にある誘電体層706及び710を含む。異なる実装において異なる数の層が用いられ得る。一例において、第1のILD層706及び最終ILD層710は、二酸化シリコン(SiO2)又は他の適切な誘電体材料で形成される。或る実装において、多層上側メタライゼーション構造の個々の層は、金属間誘電体(IMD、図示せず)サブ層と、IMDサブ層の上にあるILDサブ層とを含む、二段で形成される。個々のIMD及びILDサブ層は、例えばSiO2ベースの誘電材料など、任意の適切な1つ又は複数の誘電材料から形成し得る。
【0034】
第1のILD層706及び上側ILD層710は、下にある層の頂部表面上に形成されたアルミニウムなどの、導電性メタライゼーション相互接続構造708及び712、並びに、タングステンなどのビア709を含み、個々の層のメタライゼーション特徴708、712から、上にあるメタライゼーション層への電気接続を提供する。基板702、電子構成要素701、第1の誘電体構造層704、及び上側のメタライゼーション構造706、710は、上側又は表面103を有するダイ101を形成する。頂部メタライゼーション層710は、最頂部アルミニウムビアなどの例示の導電性特徴714を含む。導電性特徴714は、最頂部のメタライゼーション層710の頂部におけるダイ101の上側103における側又は表面を含む。任意の数の導電性特徴714を設けることができる。導電性特徴714のうちの1つ又は複数が、ダイ101のメタライゼーション構造を介してトランジスタ701と電気的に結合される。
【0035】
一例における上側ILD誘電体層710は、1つ又は複数のパッシベーション層716(例えば、保護オーバーコート(PO)及び/又はパッシベーション層)、例えば、窒化シリコン(SiN)、シリコンオキシナイトライド(SiO
xN
y)、又は二酸化シリコン(SiO
2)によって覆われる。一例において、1つ又は複数のパッシベーション層716が、導電性特徴714の一部を露出させて、特徴714の対応するコンタクト又は導電性特徴104への電気接続を可能にする、1つ又は複数の開口を含む。導電性特徴104は、メタライゼーション構造の第1の(例えば、上側の)側103から外方に(例えば、
図7の負の「Z」方向に沿って上方に)延在する。一例における導電性特徴104は、メタライゼーション構造の上側103から外方に延在する銅などの、導電性シード層を含む。一例において、導電性特徴104は導電性ピラーを含む。別の例において、導電性特徴104ははんだバンプである。
図7における例示のダイ101は、ダイ101の第2の側105上に形成された底部導電性特徴718(
図1では図示せず)も含む。
【0036】
方法500は、多層基板(例えば、上記の
図1106)の作製又は提供を備える
図5の508に続く。一例において、多層基板106は積層基板(例えば、
図1~
図4)である。別の例において、多層基板は、セラミック基板又は絶縁金属基板(例えば、後述の
図13)として508で作製される。
図8は、
図1~
図4に関連して図示及び上述した多層積層基板106を作成する積層プロセス800が実施される一例を示す。
【0037】
方法500は、多層基板上に1つ又は複数のダイを取り付ける、
図5の510で継続する。
図9は一例を示しており、フリップチップダイ取り付けはんだ付けプロセス900が実施され、このプロセスにおいて、半導体ダイ101の第1の側103の導電性特徴104が、例示の多層積層基板106の第1の層110の導電性構造112、114及び116の第1のセットにはんだ付けされる。この例では、第1及び第2のダイ101及び102は、多層積層基板106の第1の側107上に同時又は個別に反転して配置され、デバイス100は、導電性構造112、114及び116とのはんだ接合を形成するために、はんだバンプ104のはんだ材料をリフローするために加熱される。
【0038】
図5の512において、この方法はさらに、導電性クリップを多層基板及び半導体ダイに取り付けることを含む。
図10は、導電性クリップ108の下側の第1の部分を第3の導電性構造116にはんだ付けする取り付けプロセス1000が実施される一例を示す。一例において、取り付けプロセス1000はまた、導電性クリップ108の上側の第2の部分を、第1の半導体ダイ101の第2の側105に(例えば、
図7の底部導電性特徴718に)はんだ付けする。この例では、第1の半導体ダイ101の第2の側105への導電性クリップ108のはんだ付け取り付けは、導電性クリップ108を介した導電性構造116における接地ノードへの電気的ボディ接続を提供する。別の例において、クリップ取り付けプロセス1000は、導電性クリップの第2の部分を第1の半導体ダイ101の第2の側105にエポキシ接着する。いずれの例においても、クリップは、第1及び第2の半導体ダイ101及び102の回路要素を保護するための接地されたシールドとして動作する。また、クリップ108を第1の半導体ダイ101の第2の側105に取り付けることにより、ダイ101からの熱を放散させる熱経路が提供される。前述したように、エンドユーザが、熱放出をさらに促進するために、ヒートシンクを導電性クリップ108の頂部側109に取り付けることができる。
【0039】
図5の514において、方法500はさらに、半導体ダイ101及び102と、導電性クリップ108の一部とをパッケージ構造内に封入することを含む。
図11は一例を示し、この例では、デバイス100の上側構造をプラスチックモールド材料140に封入するモールディングプロセス1100が実施される。この例では、モールディングプロセス1100はまず、モールドパッケージ構造140に、導電性クリップ108の頂部側109より上にある上側又は頂部表面141を提供する。
【0040】
図5の516において、例示の方法500はさらに、クリップ108の一部を露出させることを含む。
図12は一例を示し、この例では、モールドパッケージ構造140の頂部表面の一部を除去して、導電性クリップ108の頂部側109の上側部分を露出させる材料除去プロセス1200が実施される。
【0041】
別の可能な例において、セラミックパッケージ構造(図示せず)を用いて、半導体ダイ101、102の全て又は一部、及び導電性クリップ108の少なくとも一部を封入することもできる。
【0042】
図13は、多層セラミック又は絶縁金属基板1306を有するフリップチップパッケージと、露出されたクリップとを含む、別の例のパッケージング電子デバイス1300を示す。デバイス1300は、上述したように、第1及び第2の半導体ダイ101、102と導電性クリップ108を含む。この例では、多層基板1306は、第1の側107、第2の側142、第1の層1310、第2の層1320、及び第3の層1330を含む。第1の層1310は、第1の層1310を介して第1の側107まで延在する第1の複数の導電性構造1312、1314、及び1316を含み、第2の層1320は、第2の層1320を介して第2の側142まで延在する第2の複数の導電性構造1322、1324、及び1326を含む。第3の層1330は、それぞれ、第1の層1310と第2の層1320との間で第3の層1330を介して延在する、導電性ビア1332、1334、及び1336を含む。第3の層1300はまた、ビア1332、1334、及び1336を互いから分離する絶縁体構造1338を含む。この例における絶縁体構造1338は、セラミック材料1338を含む。
【0043】
一例における第1の層1300の導電性構造1312、1314及び1316は、DBC(direct bonded copper)基板として作成され、第3の層1300のセラミック絶縁体構造1338は誘電材料であり、ビア1332、1334及び1336は、第1の層1310と第2の層1320との間の電気的相互接続を提供する。この例ではさらに、パッケージ構造140は、半導体ダイ101と導電性クリップ108の上側部分とを封入するモールド材料を含む。この例におけるモールド材料140はまた、第1の層1310において、第1の複数の導電性構造1312、1314、及び/又は1316のうちの少なくとも幾つかを互いから分離する。また、
図13のモールド材料140は、パッケージ電子デバイス1300の底部の第2の層1320において第2の複数の導電性構造1322、1324、及び1326の少なくとも一部を分離する。
【0044】
記載されたパッケージング解決策は、リードフレーム設計の能力を超える複雑な信号配路を可能とするシンプルで低コストの実装により、良好な熱的及び電気的性能を促進する。露出されたクリップは、周囲又は取り付けられたヒートシンクへの熱放出を促進し、接地又はその他の基準電圧への接続を可能にする。多層基板により、埋め込みダイパッケージングの付加コスト及び複雑さなしに、ワイヤボンドパッケージの寄生インダクタンスの問題が回避される。また、多層基板は、リードフレームよりも複雑な配線を可能にする。例示の応用例には、HEMTデバイス(例えば、GaN又はSiCトランジスタ等)を有する電力回路が含まれ、単一パッケージングデバイス内に複数のダイを収容し得る。
【0045】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。
【国際調査報告】