(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/24 20060101AFI20220419BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220419BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220419BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220419BHJP
A61K 31/58 20060101ALI20220419BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220419BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220419BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20220419BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20220419BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20220419BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220419BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
A61K47/24
A61K47/12
A61K47/14
A61K9/48
A61K31/58
A61P35/00
A61K47/10
A61K47/22
A61P17/10
A61P17/14
A61K45/00
A61K31/573
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543509
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 CN2020073099
(87)【国際公開番号】W WO2020151633
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/073112
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521329442
【氏名又は名称】シェンチェン・ファーマシン・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゼレン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC18
4C076CC27
4C076DD37S
4C076DD39S
4C076DD41A
4C076DD46
4C076DD59S
4C076DD63
4C076FF34
4C076GG01
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB26
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA10
4C086DA12
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA11
4C086ZA89
4C086ZA92
4C086ZB26
(57)【要約】
親油性の医薬品有効成分、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド、界面活性剤および任意選択で抗酸化剤の混合物を含む医薬組成物が提供される。そのような医薬組成物を調製および使用するための方法も、記載される。そのような組合せの医薬品有効成分は、医薬品有効成分単独と比較して、改善されたバイオアベイラビリティーを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)4.0以上のオクタノール-水における算出logPを有する医薬品有効成分、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル;
b)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;および
c)リン脂質
を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記医薬品有効成分が、4.5以上の算出logPを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬品有効成分が、5以上の算出logPを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド中の前記医薬品有効成分の溶解度が、少なくとも25mg/mLである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラスマローゲン、スフィンゴミエリン、レシチンまたはホスファチジン酸である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記リン脂質がレシチンの構成成分である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記レシチンが卵黄から単離される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
a)4.0以上のオクタノール-水における算出logP、および3.0以上のpKaを有する、弱塩基性官能基を有する医薬品有効成分、またはその薬学的に許容される塩;
b)少なくとも1つの長鎖脂肪酸;および
c)リン脂質
を含む、医薬組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸がオレイン酸である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記リン脂質がホスファチジルコリンである、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記リン脂質が約100mg~約200mgの量で存在する、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項12】
リン脂質が、前記組成物の総重量の10%~20%を構成する、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項13】
リン脂質が、前記組成物の総重量の14%~17%を構成する、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸とリン脂質との重量比が1.5よりも大きい、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項15】
リン脂質が、80%よりも多いホスファチジルコリンを含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項16】
a)アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステル;
b)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;および
c)レシチン
を含む、医薬組成物。
【請求項17】
前記アビラテロンの薬学的に許容されるエステルが、アビラテロン酢酸エステルである、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
a)遊離塩基もしくは薬学的に許容される酸付加塩の形態の式(I)の化合物
【化1】
(式中、Xは
アンドロスタン-3α-または3β-オール、
アンドロスタ-5-エン-3α-または3β-オール、
アンドロスタ-4-エン-3-オン、
アンドロスタ-2-エン、
アンドロスタ-4-エン、
アンドロスタ-5-エン、
アンドロスタ-5,7-ジエン-3αまたは3β-オール、
アンドロスタ-1,4-ジエン-3-オン、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン-3-オール、
α-アンドロスタン-3-オン、
アンドロスタ-3,5-ジエン、
アンドロスタ-3,5-ジエン-3-オール、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン-3-オール、
5α-アンドロスタン-3-オン、
アンドロスタ-4-エン-3,11-ジオン、
6-フルオロアンドロスタ-4-エン-3-オン、および
アンドロスタン-4-エン-3,6-ジオン
からなる群から選択されるステロイドのA、BおよびC環の残基を表し、
その各々は、構造的に容認される場合、
3-エステルを形成すること
5,6位、6,7位、7,8位、9,11位および11,12位のいずれかに、1つまたは複数の炭素または炭素環二重結合を有すること
3-オキシムとして
3-メチレンとして
3-カルボキシレートとして
3-ニトリルとして
3-ニトロとして
3-デソキシ誘導体として
A、BまたはC環中に、1つまたは複数のヒドロキシ、ハロ、C
1~4-アルキル、トリフルオロ-メチル、C
1~4-アルコキシ、C
1~4-アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、オキソ、メチレンまたはアルケニル置換基を有すること、
19-ノルとなること
の1つまたは複数となるようにさらに誘導体化することができ;
R
1は、水素原子または1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R
4は、水素原子、ハロゲン原子または1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R
3置換基の各々は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子のアルキルもしくはアルコキシ基、ヒドロキシ基もしくは2~5個の炭素原子のアルキルカルボニルオキシ基を表すか、もしくは一緒になってオキソもしくはメチレン基を表すか、またはR
3基の一方およびR
4は、一緒になって二重結合を表し、他方のR
3基は水素原子もしくは1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子、または1~4個の炭素原子のアルキル基を表す);
b)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;および
c)レシチン
を含む、医薬組成物。
【請求項19】
前記化合物が、11位および12位で飽和であり、置換されていない、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記化合物が、
17-(3-ピリジル)アンドロスタ-5,16-ジエン-3β-オール、
17-(3-ピリジル)アンドロスタ-3,5,16-トリエン、
17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3-オン、
17-(3-ピリジル)エストラ-1,3,5[10],16-テトラエン-3-オール、
17-(3-ピリジル)-5α-アンドロスタ-16-エン-3α-オール、
17-(3-ピリジル)-5α-アンドロスタ-16-エン-3-オン、
17-(3-ピリジル)-アンドロスタ-4,16-ジエン-3,11-ジオン、
17-(3-ピリジル)-アンドロスタ-3,5,16-トリエン-3-オール、
6α-および6β-フルオロ-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3-オン、
17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3,6-ジオン、
3α-トリフルオロメチル-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-16-エン-3β-オール、
ならびにそれらの酸付加塩および3-エステル
から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
R
1が水素である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記化合物がアビラテロン酢酸エステルである、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記アビラテロン酢酸エステルが、25mg~200mgの量で存在する、請求項17または22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記アビラテロン酢酸エステルが、約50mg、約100mg、または約150mgの量で存在する、請求項17または22に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または前記少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、11個よりも多い炭素原子を含む、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または前記少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、12、14、16、18、20、22または24個の炭素原子からなる、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸グリセリドが1種類の脂肪酸グリセリドを含む、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸グリセリドが少なくとも2つの異なる脂肪酸グリセリドを含む、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸が1種類の長鎖脂肪酸を含む、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸が少なくとも2つの異なる長鎖脂肪酸を含む、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸が不飽和である、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸が飽和である、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸またはセロチン酸である、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸が、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノールエライジン酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、パウリン酸、ゴンドイン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサテトラエン酸、ドコサヘキサエン酸またはネルボン酸である、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または前記少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、100mg~約1000mgの量で存在する、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または前記少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、約700mgの量で存在する、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または前記少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、前記組成物の総重量の30%~95%を構成する、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または前記少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、前記組成物の総重量の60%~80%を構成する、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記レシチンに対する前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドの比が1.5より大きい。請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記レシチンが100mg~200mgの量で存在する、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドがオレイン酸である、請求項16または18に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記オレイン酸が600mg~800mgの量で存在する、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記アビラテロン酢酸エステル、前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド、および前記レシチンが、1:(4.66~14):(1~3)の重量比で存在し、前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドがオレイン酸である、請求項17または22に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記アビラテロン酢酸エステル、前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド、および前記レシチンが、約1:14:3、約1:7:1.5、または約1:4.66:1の重量比で存在し、前記少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドがオレイン酸である、請求項17または22に記載の医薬組成物。
【請求項45】
抗酸化剤をさらに含む、請求項1から44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記抗酸化剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、テルブテリルヒドロキノンまたはそれらの組合せである、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記抗酸化剤が、前記組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項49】
経口投与用に製剤化された、請求項1から48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
1日1回投薬のために製剤化された、請求項1から49のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
1日2回投薬のために製剤化された、請求項1から50のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
アンドロゲン受容体活性を調節するための方法であって、アンドロゲン受容体活性を調節する必要のある対象に、請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項53】
前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、膀胱がん、膵臓がん、肝細胞がん、腎臓がん、肝臓がん、唾液腺癌、脱毛、にきび、男性型多毛、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群、早発思春期、球脊髄性筋萎縮症または加齢黄斑変性症を処置するための方法であって、請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬組成物を、前記処置を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項54】
前立腺がんを処置するための方法であって、請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項55】
前記前立腺がんが、
去勢抵抗性前立腺がん;
転移性去勢抵抗性前立腺がん;
去勢再発性前立腺がん;
ハイリスク去勢感受性前立腺がん;
転移性ハイリスク去勢感受性前立腺がん;
ホルモン抵抗性前立腺がん;
ホルモン不応性前立腺がん;
アンドロゲン非依存性前立腺がん;
アンドロゲン遮断抵抗性前立腺がん;
アンドロゲン除去抵抗性前立腺がん;
アンドロゲン遮断非依存性前立腺がん;
抗アンドロゲン再発性前立腺がん;
既に過去にドセタキセルを含有する化学療法を受けた患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;
新規に診断されたハイリスク転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC);
アンドロゲン遮断療法の失敗後に無症状もしくは軽度の症状があり、化学療法が臨床的に未だ適応でない患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;および
ドセタキセルベースの化学療法レジメン中もしくはその後に疾患が進行した患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん
の1つまたは複数から選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
グルココルチコイドを投与するステップをさらに含む、請求項52から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
プレドニゾン、メチルプレドニゾン、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンを投与するステップをさらに含む、請求項52から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
化学療法剤を投与するステップをさらに含む、請求項52から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前立腺がんを処置するための方法であって、
a)約50mg~約250mgのアビラテロン酢酸エステル;
b)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;
c)界面活性剤;および
d)任意選択で抗酸化剤
を含む医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含み、
任意選択で、前記対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が、約1000mg未満である、方法。
【請求項60】
前記対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約500mg未満である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約250mg未満である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
医薬組成物を調製するための方法であって、
(a)医薬品有効成分、界面活性剤および任意選択で抗酸化剤を組み合わせるステップ;
(b)ステップ(a)の混合物を長鎖脂肪酸または脂肪酸グリセリド中に溶解するステップ;
(c)ステップ(b)の混合物をカプセル中に封入するステップ
を含む、方法。
【請求項63】
アンドロゲン受容体活性を調節するためまたは前立腺がんを処置するための医薬の調製における、請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項64】
請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、キット。
【請求項65】
カプセルの形態に製剤化された、請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項66】
a)アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステル;および
b)少なくとも1つの長鎖脂肪酸、好ましくはオレイン酸
を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む、2019年1月25日付で提出された特許出願PCT/CN2019/073112の利益を主張する。
【0002】
[0002]本発明は、医薬品分野に属し、具体的には医薬組成物ならびにこれらの調製方法および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]アビラテロンは、化学名(3S,8S,9S,10R,12R,14S)-10,12-ジメチル-17-ピリジン-3-イル)-2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オールであり、(3β)-17-(3-ピリジニル)-アンドロスタ-5,16-ジエン-3-オールとしても公知であり、17α-ヒドロキシラーゼ/C17,20-リアーゼ(CYP17)を阻害するアンドロゲン生合成阻害剤である。アビラテロン酢酸エステルは、インビボでアビラテロンに急速に変換されることが知られている。これらの構造を、以下に示す。
【0004】
【0005】
[0004]アビラテロン酢酸エステルは、親油性化合物であり、そのLogPは、化合物が実際的に水不溶性になるLogP=5.12である。市販のアビラテロン酢酸エステルは、食事とともに投与される場合、曝露の増大および高度なばらつきをもたらす可能性を有することが公知である。結果として、組成物は、食事の1時間前または2時間後のいずれかの空腹時に服用しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]改善された経口バイオアベイラビリティーを有し、より低い用量の投与を可能とし、食品摂取により引き起こされる吸収のばらつきを減少させ、インビボの対象間の吸収のばらつきを減少させる、アビラテロン酢酸エステルを含む組成物の必要性が存在する。より一般的には、改善された経口バイオアベイラビリティーをもたらし、より低い用量の投与を可能とするための、食品摂取により引き起こされる吸収のばらつきを減少させ、インビボの対象間の吸収のばらつきを減少させる、高度に親油性の医薬品有効成分の改善された製剤の必要性が存在する。
参照による組込み
[0006]本明細書において言及される全ての刊行物および特許出願は、各個別の刊行物または特許出願が具体的にかつ個別に参照により組み込まれることを示すように、同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]≧4.0のオクタノール-水における算出logPを有する医薬品有効成分、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル;少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;およびリン脂質を含む医薬組成物が本明細書において提供される。一部の実施形態では、医薬品有効成分は、表1または表2から選択される。医薬品有効成分が10mg~1000mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が20mg~500mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が最大200mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が約25mg、約50mg、約100mgまたは約150mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が組成物の総重量の最大約20%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が組成物の総重量の最大約15%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が組成物の総重量の最大約10%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が組成物の総重量の最大約5%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が親油性である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が4.5以上の算出logPを有する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。医薬品有効成分が5以上の算出logPを有する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド中の医薬品有効成分の溶解度が、少なくとも25mg/mLである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド中の医薬品有効成分の溶解度が、少なくとも50mg/mLである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド中の医薬品有効成分の溶解度が、少なくとも100mg/mLである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤をさらに含有する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、テルブテリルヒドロキノン(terbuteryl hydroquinone)またはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の約0.01%~約1%の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。経口投与用に製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。カプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。硬カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。軟カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。サイズ0またはサイズ00のカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。最大1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約0.5mL~約1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約8mm~約10mmの外径を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。長さ約20mm~約30mmのカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日1回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日2回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。
【0008】
[0008]アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容されるエステル;少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;およびリン脂質を含む医薬組成物が本明細書において提供される。アビラテロン酢酸エステルを含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、11個よりも多い炭素原子を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、13個よりも多い炭素原子を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、15個よりも多い炭素原子を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、12、14、16、18、20、22または24個の炭素原子を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、12、14、16、18、20、22または24個の炭素原子からなる医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸グリセリドが1種類の脂肪酸グリセリドを含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸グリセリドが少なくとも2つの異なる脂肪酸グリセリドを含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が少なくとも2つの異なる長鎖脂肪酸を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が1種類の長鎖脂肪酸を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が不飽和である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が飽和である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸またはセロチン酸である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が一価不飽和である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が多価不飽和である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、バクセン酸、α-リノレン酸またはエルカ酸である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸がオレイン酸である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸が、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、パウリン酸、ゴンドイン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサテトラエン酸、ドコサヘキサエン酸またはネルボン酸である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、100mg~約1000mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが250mg~約1000mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが500mg~約1000mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが600mg~約800mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが約700mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、組成物の総重量の30%~95%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、組成物の総重量の50%~90%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、組成物の総重量の60%~80%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドが、組成物の総重量の70%~80%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。リン脂質に対する少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドの比が1.5より大きい医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。リン脂質がレシチンの構成成分である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。4.0以上のオクタノール-水における算出logP、および3.0以上のpKaを有する、弱塩基性官能基を有する医薬品有効成分、またはその薬学的に許容される塩;少なくとも1つの長鎖脂肪酸;ならびにリン脂質を含む医薬組成物が本明細書において提供される。
【0009】
[0009]アビラテロン酢酸エステルまたはその薬学的に許容される塩;オレイン酸;およびリン脂質を含む医薬組成物が本明細書において提供される。リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラスマローゲン、スフィンゴミエリン、レシチンまたはホスファチジン酸である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。リン脂質がレシチンの構成成分である医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステルまたはその薬学的に許容される塩;オレイン酸;リン脂質および抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、テルブテリルヒドロキノンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の約0.01%~約1%の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。経口投与用に製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。カプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。硬カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。軟カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。サイズ0またはサイズ00のカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。最大1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約0.5mL~約1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約8mm~約10mmの外径を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。長さ約20mm~約30mmのカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日1回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日2回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。
【0010】
[0010]アビラテロン酢酸エステルまたはその薬学的に許容される塩;少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;およびレシチンを含む医薬組成物が本明細書において提供される。レシチンが約100mg~約200mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが約125mg~約175mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが約150mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが組成物の総重量の10%~20%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが組成物の総重量の12%~18%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが組成物の総重量の14%~17%を構成する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比が1.5より大きい、医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが、80%よりも多いホスファチジルコリンを含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンがホスファチジルコリンを80%~90%含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが卵黄から抽出される医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステルまたはその薬学的に許容される塩;オレイン酸;リン脂質および抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、テルブテリルヒドロキノンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の約0.01%~約1%の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。経口投与用に製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。カプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。硬カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。軟カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。サイズ0またはサイズ00のカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。最大1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約0.5mL~約1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約8mm~約10mmの外径を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。長さ約20mm~約30mmのカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日1回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日2回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。
【0011】
[0011]アビラテロン酢酸エステルまたはその薬学的に許容される塩;オレイン酸;レシチン;および任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書において提供される。アビラテロン酢酸エステルを含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステルが25mg~200mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステルが約50mg、約100mgまたは約150mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。オレイン酸が約700mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが100mg~200mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。レシチンが約150mgの量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。25mg~200mgのアビラテロン酢酸エステル;600mg~800mgのオレイン酸;100mg~200mgのレシチン;および任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書において提供される。約50mgのアビラテロン酢酸エステル;約700mgのオレイン酸;約150mgのレシチン;および任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約100mgのアビラテロン酢酸エステル;約700mgのオレイン酸;約150mgのレシチン;および任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約150mgのアビラテロン酢酸エステル;約700mgのオレイン酸;約150mgのレシチン;および任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステル、オレイン酸およびレシチンが1:14:3~1:4.66:1の重量比で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステル、オレイン酸およびレシチンが約1:14:3の重量比で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステル、オレイン酸およびレシチンが約1:7:1.5の重量比で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。アビラテロン酢酸エステル、オレイン酸およびレシチンが約1:4.66:1の重量比で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、テルブテリルヒドロキノンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の約0.01%~約1%の量で存在する医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。経口投与用に製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。カプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。硬カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。軟カプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。サイズ0またはサイズ00のカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。最大1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約0.5mL~約1.5mLの容積を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。約8mm~約10mmの外径を有するカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。長さ約20mm~約30mmのカプセル中にカプセル化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日1回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。1日2回投薬のために製剤化された医薬組成物が本明細書においてさらに提供される。
【0012】
[0012]アンドロゲン受容体活性を調節するための方法であって、アンドロゲン受容体活性を調節する必要のある対象に、本明細書において記載される医薬組成物を投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、医薬組成物は、表1または表2から選択される医薬品有効成分を含む。前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、膀胱がん、膵臓がん、肝細胞がん、腎臓がん、肝臓がん、唾液腺癌、脱毛、にきび、男性型多毛、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群、早発思春期、球脊髄性筋萎縮症または加齢黄斑変性症を処置するための方法であって、本明細書において記載される医薬組成物を、前記処置を必要とする対象に投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。前立腺がんを処置するための方法であって、本明細書において記載される医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。前立腺がんが、以下:去勢抵抗性前立腺がん;転移性去勢抵抗性前立腺がん;去勢再発性(castration-recurrent)前立腺がん;ハイリスク去勢感受性前立腺がん;転移性ハイリスク去勢感受性前立腺がん;ホルモン抵抗性前立腺がん;ホルモン不応性前立腺がん;アンドロゲン非依存性前立腺がん;アンドロゲン遮断(androgen deprivation)抵抗性前立腺がん;アンドロゲン除去抵抗性前立腺がん;アンドロゲン枯渇非依存性前立腺がん;抗アンドロゲン再発性前立腺がん;既に過去にドセタキセルを含有する化学療法を受けた患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;新規に診断されたハイリスク転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC);アンドロゲン遮断療法の失敗後に無症状もしくは軽度の症状があり、化学療法が臨床的に未だ適応でない患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;またはドセタキセルベースの化学療法レジメン中もしくはその後に疾患が進行した患者における転移性去勢抵抗性前立腺がんの1つまたは複数から選択される方法が本明細書においてさらに提供される。グルココルチコイドを投与するステップをさらに含む方法が本明細書においてさらに提供される。プレドニゾン、メチルプレドニゾン、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンを投与するステップをさらに含む方法が本明細書においてさらに提供される。化学療法剤を投与するステップをさらに含む方法が本明細書においてさらに提供される。
【0013】
[0013]前立腺がんを処置するための方法であって、(i)約50mg~約250mgのアビラテロン酢酸エステル;(ii)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;(iii)界面活性剤;および(iv)任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含み、任意選択で、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約1000mg未満である方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量は、約500mg未満である。一部の実施形態では、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量は、約250mg未満である。
【0014】
[0014]前立腺がんを処置するための方法であって、約50mg~約250mgのアビラテロン酢酸エステル;少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;リン脂質;および任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含み、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約1000mg未満である方法が本明細書において提供される。対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約500mg未満である方法が本明細書においてさらに提供される。対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約250mg未満である方法が本明細書においてさらに提供される。
【0015】
[0015]医薬組成物を調製するための方法であって、(a)医薬品有効成分、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を組み合わせるステップ;(b)ステップ(a)の混合物を長鎖脂肪酸または脂肪酸グリセリド中に溶解するステップ;(c)ステップ(b)の混合物をカプセル中に封入するステップを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、医薬品有効成分は、表1または表2から選択される。医薬品有効成分がアビラテロンまたはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容されるエステルである方法が本明細書においてさらに提供される。アビラテロンの薬学的に許容されるエステルがアビラテロン酢酸エステルである方法が本明細書においてさらに提供される。リン脂質がレシチンの構成成分である方法が本明細書においてさらに提供される。長鎖脂肪酸がオレイン酸である方法が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤をさらに含む組成物が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである、方法が本明細書においてさらに提供される。抗酸化剤が組成物の総重量の1%未満を構成する、方法が本明細書においてさらに提供される。
【0016】
[0016]一態様では、(i)4.0以上のオクタノール-水における算出logPを有する医薬品有効成分、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル;(ii)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;および(iii)リン脂質を含む医薬組成物が本明細書において記載される。一部の実施形態では、医薬品有効成分は、4.5以上の算出logPを有する。一部の実施形態では、医薬品有効成分は、表1または表2から選択される。一部の実施形態では、医薬品有効成分は、5以上の算出logPを有する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド中の医薬品有効成分の溶解度は、少なくとも25mg/mLである。一部の実施形態では、リン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラスマローゲン、スフィンゴミエリン、レシチンまたはホスファチジン酸である。一部の実施形態では、リン脂質はレシチンの構成成分である。一部の実施形態では、レシチンは卵黄から単離される。
【0017】
[0017]一態様では、(i)4.0以上のオクタノール-水における算出logP、および3.0以上のpKaを有する、弱塩基性官能基を有する医薬品有効成分、またはその薬学的に許容される塩;(ii)少なくとも1つの長鎖脂肪酸;ならびに(iii)リン脂質を含む医薬組成物が本明細書において記載される。一部の実施形態では、医薬品有効成分は、表1または表2から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸はオレイン酸である。一部の実施形態では、リン脂質はホスファチジルコリンである。一部の実施形態では、リン脂質は約100mg~約200mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の10%~20%を構成する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の14%~17%を構成する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸とリン脂質との重量比は、1.5よりも大きい。一部の実施形態では、リン脂質は、80%よりも多いホスファチジルコリンを含む。
【0018】
[0018]一態様では、(i)アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステル;(ii)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;および(iii)レシチンを含む医薬組成物が本明細書において記載される。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一態様では、(i)遊離塩基もしくは薬学的に許容される酸付加塩の形態の式(I)の化合物
【0019】
【0020】
(式中、Xは
アンドロスタン-3α-または3β-オール、
アンドロスタ-5-エン-3α-または3β-オール、
アンドロスタ-4-エン-3-オン、
アンドロスタ-2-エン、
アンドロスタ-4-エン、
アンドロスタ-5-エン、
アンドロスタ-5,7-ジエン-3αまたは3β-オール、
アンドロスタ-1,4-ジエン-3-オン、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン-3-オール、
α-アンドロスタン-3-オン、
アンドロスタ-3,5-ジエン、
アンドロスタ-3,5-ジエン-3-オール、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン-3-オール、
5α-アンドロスタン-3-オン、
アンドロスタ-4-エン-3,11-ジオン、
6-フルオロアンドロスタ-4-エン-3-オン、および
アンドロスタン-4-エン-3,6-ジオン
からなる群から選択されるステロイドのA、BおよびC環の残基を表し、
その各々は、構造的に容認される場合、
3-エステルを形成すること
5,6位、6,7位、7,8位、9,11位および11,12位のいずれかに、1つまたは複数の炭素または炭素環二重結合を有すること
3-オキシムとして
3-メチレンとして
3-カルボキシレートとして
3-ニトリルとして
3-ニトロとして
3-デソキシ誘導体として
A、BまたはC環中に、1つまたは複数のヒドロキシ、ハロ、C1~4-アルキル、トリフルオロ-メチル、C1~4-アルコキシ、C1~4-アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、オキソ、メチレンまたはアルケニル置換基を有すること、
19-ノルとなること
の1つまたは複数となるようにさらに誘導体化することができ;
R1は、水素原子または1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R4は、水素原子、ハロゲン原子または1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R3置換基の各々は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子のアルキルもしくはアルコキシ基、ヒドロキシ基もしくは2~5個の炭素原子のアルキルカルボニルオキシ基を表すか、もしくは一緒になってオキソもしくはメチレン基を表すか、またはR3基の一方およびR4は、一緒になって二重結合を表し、他方のR3基は水素原子もしくは1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、または1~4個の炭素原子のアルキル基を表す);
(ii)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;および(iii)レシチンを含む医薬組成物が本明細書において記載される。一部の実施形態では、化合物は、11位および12位で飽和であり、置換されていない。一部の実施形態では、化合物は、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-5,16-ジエン-3β-オール、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-3,5,16-トリエン、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3-オン、17-(3-ピリジル)エストラ-1,3,5[10],16-テトラエン-3-オール、17-(3-ピリジル)-5α-アンドロスタ-16-エン-3α-オール、17-(3-ピリジル)-5α-アンドロスタ-16-エン-3-オン、17-(3-ピリジル)-アンドロスタ-4,16-ジエン-3,11-ジオン、17-(3-ピリジル)-アンドロスタ-3,5,16-トリエン-3-オール、6α-および6β-フルオロ-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3-オン、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3,6-ジオン、3α-トリフルオロメチル-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-16-エン-3β-オール、ならびにそれらの酸付加塩および3-エステルから選択される。一部の実施形態では、R1は水素である。一部の実施形態では、化合物は表2の化合物である。一部の実施形態では、化合物はアビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、アビラテロン酢酸エステルは、25mg~200mgの量で存在する。一部の実施形態では、アビラテロン酢酸エステルは、約50mg、約100mgまたは約150mgの量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、11個よりも多い炭素原子を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、12、14、16、18、20、22または24個の炭素原子からなる。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸グリセリドは、1種類の脂肪酸グリセリドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸グリセリドは、少なくとも2つの異なる脂肪酸グリセリドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸は、1種類の長鎖脂肪酸を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸は、少なくとも2つの異なる長鎖脂肪酸を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸は不飽和である。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸は飽和である。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸またはセロチン酸である。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸は、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、パウリン酸、ゴンドイン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサテトラエン酸、ドコサヘキサエン酸またはネルボン酸である。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、100mg~約1000mgの量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、約700mgの量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、組成物の総重量の30%~95%を構成する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、組成物の総重量の60%~80%を構成する。一部の実施形態では、レシチンに対する少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドの比は、1.5より大きい。一部の実施形態では、レシチンは、100mg~200mgの量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、オレイン酸である。一部の実施形態では、オレイン酸は、600mg~800mgの量で存在する。一部の実施形態では、アビラテロン酢酸エステル、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド、およびレシチンは、1:(4.66~14):(1~3)の重量比で存在し、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、オレイン酸である。一部の実施形態では、アビラテロン酢酸エステル、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド、およびレシチンは、約1:14:3、約1:7:1.5、または約1:4.66:1の重量比で存在し、少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリドは、オレイン酸である。
【0021】
[0019]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、抗酸化剤をさらに含む。一部の実施形態では、抗酸化剤は、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、テルブテリルヒドロキノンまたはそれらの組合せである。一部の実施形態では、抗酸化剤は、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せである。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、経口投与用に製剤化される。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、1日1回投薬のために製剤化される。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、1日2回投薬のために製剤化される。
【0022】
[0020]一態様では、アンドロゲン受容体活性を調節するための方法であって、アンドロゲン受容体活性を調節する必要のある対象に、本明細書において記載される医薬組成物を投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。一態様では、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、膀胱がん、膵臓がん、肝細胞がん、腎臓がん、肝臓がん、唾液腺癌、脱毛、にきび、男性型多毛、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群、早発思春期、球脊髄性筋萎縮症または加齢黄斑変性症を処置するための方法であって、本明細書において記載される医薬組成物を、前記処置を必要とする対象に投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。一態様では、前立腺がんを処置するための方法であって、本明細書において記載される医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、前立腺がんは、以下:去勢抵抗性前立腺がん;転移性去勢抵抗性前立腺がん;去勢再発性前立腺がん;ハイリスク去勢感受性前立腺がん;転移性ハイリスク去勢感受性前立腺がん;ホルモン抵抗性前立腺がん;ホルモン不応性前立腺がん;アンドロゲン非依存性前立腺がん;アンドロゲン遮断抵抗性前立腺がん;アンドロゲン除去抵抗性前立腺がん;アンドロゲン枯渇非依存性前立腺がん;抗アンドロゲン再発性前立腺がん;既に過去にドセタキセルを含有する化学療法を受けた患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;新規に診断されたハイリスク転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC);アンドロゲン遮断療法の失敗後に無症状もしくは軽度の症状があり、化学療法が臨床的に未だ適応でない患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;およびドセタキセルベースの化学療法レジメン中もしくはその後に疾患が進行した患者における転移性去勢抵抗性前立腺がんの1つまたは複数から選択される。一部の実施形態では、方法は、グルココルチコイドを投与するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンを投与するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、化学療法剤を投与するステップを含む。
【0023】
[0021]一態様では、前立腺がんを処置するための方法であって、(i)約50mg~約250mgのアビラテロン酢酸エステル;(ii)少なくとも1つの長鎖脂肪酸または少なくとも1つの脂肪酸グリセリド;(iii)界面活性剤;および(iv)任意選択で抗酸化剤を含む医薬組成物を、前立腺がんの処置を必要とする対象に投与するステップを含み、任意選択で、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量が約1000mg未満である方法が本明細書において記載される。一部の実施形態では、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量は、約500mg未満である。一部の実施形態では、対象に投与されるアビラテロン酢酸エステルの総1日用量は、約250mg未満である。
【0024】
[0022]アンドロゲン受容体活性を調節するためまたは前立腺がんを処置するための医薬の調製における、記載された医薬組成物の使用が、本明細書において提供される。記載された医薬組成物を含むキットが、本明細書において提供される。カプセルの形態に製剤化された本明細書において記載されるような医薬組成物が、本明細書において提供される。
【0025】
[0023]本発明の新規の特性は、特に添付の特許請求の範囲によって記述される。本発明の特性および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的実施形態を記述する以下の詳細な説明、および添付の図面の参照により得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】[0024]インビボの経口バイオアベイラビリティー(AUCとして)(X軸)対パーセンタイルとしての水性相中のアビラテロンの量(Y軸)のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0025]本発明は、一般的に、本明細書においてさらに記載されるような、治療を必要とする対象における1つまたは複数の状態を緩和する、軽減するまたは取り除く治療として有用である医薬活性剤を含む組成物を対象とする。特に、医薬組成物、それらの調製方法および使用であって、医薬組成物が、親油性の医薬品有効成分(API)、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリドおよびリン脂質を、APIがAPI単独と比較して改善されたバイオアベイラビリティーを有するように組合せて含む医薬組成物、それらの調製方法および使用が、本明細書において記載される。
定義
[0026]具体的に記載されるかまたは文脈から明らかでない限り、本明細書において使用される場合、数または数の範囲に関する「約」という用語は、記載された数およびその数+/-10%、または範囲について列挙された値について、列挙された下限の10%を下回るおよび列挙された上限の10%を超えることを意味すると理解される。
【0028】
[0027]単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそうでないと明確に指示しない限り、複数の言及を含む。よって、例えば、「界面活性剤(the surfactant)」への言及は、1つまたは複数の特定の界面活性剤への言及を含み、「抗酸化剤(an antioxidant)」への言及は、そのような添加剤の1つまたは複数への言及を含む。
【0029】
[0028]「対象」という用語は、本明細書において使用される場合、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタまたは非ヒト霊長類、例えばサル、チンパンジーまたはヒヒ)を指す。
【0030】
[0029]「AUC」は、本明細書において使用される場合、ゼロ時間から無限大まで外挿した血漿薬物濃度対時間曲線下面積を指す。「Cmax」は、本明細書において使用される場合、薬物の血管外投薬後に血漿中で観察される最も高い薬物濃度を指す。「Tmax」は、本明細書において使用される場合、最大血漿濃度に達するときの、薬物の投与後の時間を指す。
【0031】
[0030]「有効量」および「十分な量」は、互換的に使用することができ、意図された目的または目標を達成するために十分である物質の量を指す。
[0031]「ステロイド」という用語は、本明細書において、ステロイドBおよびC環を有するが、A環の全てもしくは一部が欠けている、例えば環が閉じていない(2位もしくは3位のC原子または両方が欠失している)、またはシクロペンタンもしくはシクロヘキサン環の形態をとる、任意の化合物を含む。該用語は、特にA環中に環炭素原子の代わりに環窒素原子を有するアザステロイド、例えば4-アザステロイドも含む。
【0032】
[0032]「治療有効量」は、本明細書において記載される医薬組成物と関連して使用される場合、医薬活性剤を必要とする対象において治療結果をもたらすのに十分な、1つまたは複数の医薬活性剤の量である。医薬組成物中の1つまたは複数の構成成分の「量」は、単位用量あたりの量を指す。
【0033】
[0033]「治療学的に同等」は、本明細書において記載される医薬組成物と関連して使用される場合、医薬活性剤の遊離塩基またはアルコールの治療有効量と同等の、医薬活性剤の薬学的に許容される塩またはエステルの量または分量を指す。
脂質ベースの製剤のインビトロおよびインビボ評価
[0034]近年のレビューでは、脂質ベースの製剤についてのインビトロインビボ相関構築における進展が議論された(例えばFeeneyら、「50 years of oral lipid-based formulations: Provenance, progress and future perspectives」、Advanced Drug Delivery Reviews、2016年、101巻、167~194頁を参照されたい)。「Does in vitro LBF digestion data correlate with in vivo absorption?」と題されたこの記事の6.2節は、「製剤にインビトロの消化負荷試験(digestion challenge test)を行うことは、したがってより一般的となり、脂質担体が加水分解された後の薬物のGIの性質についていくらか推測することが可能となる」と述べている。該記事は、「製剤分散試験についての理論的根拠と一致して…水性相の薬物濃度を最大化すること(および薬物沈殿を最小化すること)は、油性製剤からのインビボの頑健な薬物吸収の傾向を最大化すると予測される。…消化試験は、したがって、インビボの良好な吸収の可能性が高い製剤を特定するための有用なスクリーニングツールを提供するが、他に有用な吸収をもたらすであろういくつかの製剤を除外することがある。」と続ける。この知識を考慮し、脂質製剤に関する当業者は、このアッセイを実行することに意欲をもち、不良な水性相薬物濃度を有する製剤が不良なインビボ吸収を必然的に有するかどうかが依然として不明であるため、次に水性相薬物濃度を最大化する製剤を優先的に選択するであろう。低い水性相薬物濃度を有するが、なお良好なインビボ吸収特性を有する製剤が、本明細書において記載される。一部の実施形態では、消化アッセイにおいて低い水性相薬物濃度を示すが、なお良好なインビボ吸収特性を示すアビラテロン酢酸エステル製剤が、本明細書において提供される。
医薬品有効成分(API)
[0035]本明細書において記載される様々な実施形態は、有効量の活性医薬剤(API)を含む組成物を対象とする。「活性医薬剤」、「API」、「薬物」、「医薬活性剤」、「生物活性剤」、「治療剤」および「活性剤」等は、互換的に使用することができ、有効量で投与される場合、身体に対する測定可能な有益な生理学的効果、例えば疾患または障害の処置における治療効果を有する物質、例えば化学化合物または複合体を指す。さらに、これらの用語が使用される場合、または特定の活性剤が具体的に名前または分類により特定される場合、そのような詳述は、活性剤それ自体、および薬学的に許容される、その薬理学的に活性な誘導体、または塩、薬学的に許容される塩、Nーオキシド、プロドラッグ、活性代謝物、異性体、断片、類似体、溶媒和物、水和物、放射性同位体等を制限されることなく含む、それらに有意に関連する化合物を含むことを意図することが理解される。
【0034】
[0036]分配係数(P)は、本明細書において言及される場合、平衡での、2つの非混和性の溶媒相の間の化合物の濃度の比である。最も一般的には、溶媒の一方は水であり、他方は疎水性、典型的に1-オクタノールである。比の対数は、以下に示すようなlogPである(慣習的に、親油性相が分子であり、親水性相が分母である):
【0035】
【0036】
logPは、親油性または疎水性の尺度である。疎水性は、薬物吸収、バイオアベイラビリティー、疎水性薬物-受容体相互作用、分子の代謝および毒性に影響を与える。親水性の化合物は、水(「好水性」)および極性溶媒に可溶性である。親油性化合物は、水(「嫌水性(water-fearing)」)および極性溶媒に溶解しにくいが、有機溶媒にはより可溶性である。よって:
低親水性=高親油性=高logP=不良な吸収。
高親水性=低親油性=低logP=良好な吸収。
当業者は、十分に吸収される合理的な傾向を有するために、化合物のlogPが5.0未満でなければならないことを示唆する、リピンスキーのルールオブファイブに精通する。
【0037】
[0037]分配係数は、実験で測定することができ、または算出により推測することができる。典型的に、算出logP値を、大半が薬物様である数千の分子のトレーニングセットについて実験で測定されたlogP値と適合計算することによる、logPを算出する(または予測する)ための様々な方法が開発された。logP算出は非常に頑健であり、多数の有機分子を正確に処理すると考えられる。例えば分子の50%超では、logPは誤差が0.25未満で予測され、一方で80%超では、誤差は0.5未満で予測される。構造の3.5%未満は、1.0よりも大きい誤差で予測される。測定logPと区別するために、算出logPは、clogPと書かれることがある。
【0038】
[0038]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは親油性である。一部の実施形態では、APIは極性溶媒に不溶性である。一部の実施形態では、APIは水性媒体に不溶性である。一部の実施形態では、APIは水に不溶性である。
【0039】
[0039]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、少なくとも2.5の算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.6の算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.7の算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.8の算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.9の算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.0より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.1より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.2より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.3より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.4より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.5より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.6より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.7より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.8より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、3.9より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.0より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.1より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.2より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.3より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.4より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.5より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.6より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.7より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.8より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、4.9より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.0より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.1より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.2より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.3より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.4より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.5より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.6より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.7より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.8より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、5.9より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.0より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.1より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.2より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.3より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.4より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.5より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.6より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.7より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.8より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、6.9より大きい算出logPを有する。一部の実施形態では、APIは、7.0より大きい算出logPを有する。代表的な小分子APIには、制限されることなく、表1に列挙されるものが挙げられる。
【0040】
【0041】
【0042】
[0040]酸解離定数Ka(または酸性度定数)は、溶液、典型的には水中の酸または塩基の強さの尺度である。これは、酸および塩基の化学的解離についての平衡定数である。水溶液中、酸解離の平衡は、
【0043】
【0044】
(式中、HAはA-(酸の共役塩基)および水素イオン(水分子と合わさりヒドロニウムイオン、H3O+を作製する)へと解離する酸である)
と書かれる。解離定数は、H2Oを除去して、
【0045】
【0046】
【0047】
とも書くことができる。
[0041]塩基の共役酸の解離の平衡は、
【0048】
【0049】
(式中、BH+(塩基の共役酸)は、B(遊離塩基)および水素イオンへと解離し、水分子と合わさりヒドロニウムイオン、H3O+を形成する)と書かれる。
解離定数は、H2Oを除去して、
【0050】
【0051】
【0052】
とも書くことができる。
Kaの対数値であるpKaは、酸または塩基の共役酸の強さ/弱さを表すために、より頻繁に使用される。
pKa=-log10(Ka)
[0042]pKaの値がより正になるにつれて、解離の程度はより小さくなり、酸はより弱くなる。一般的に、酸については:
pKa=-2~12→弱酸(水中でほぼ解離しないまたは部分的にのみ解離)
pKa<-2→強酸(水中で完全にまたはほぼ解離する)
一方、塩基については:
pKa<12→弱塩基(水中でほぼ解離しないまたは部分的にのみ解離)
pKa>12→強塩基(水中で完全にまたはほぼ解離する)
[0043]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは弱塩基である。一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは弱塩基の官能基を含む。一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、3.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、3.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、4.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、4.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、5.0以上のpKaを有する。
【0053】
[0044]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、遊離塩基の形態で存在する。一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、薬学的に許容される塩の形態で存在する。本明細書において使用される場合、薬学的に許容される塩には、これに限定されるものではないが、金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩およびリチウム塩;アルカリ土類金属、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等;有機アミン塩、例えばトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン塩等;無機酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等;有機酸塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩等;スルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等;ならびにアミノ酸塩、例えばアルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等が挙げられる。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、APIはアビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、アビラテロン酢酸エステルの薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1または2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0054】
[0045]薬学的に許容される塩には、重酒石酸塩、重酒石酸塩水和物、塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、重酒石酸塩ヘミ五水和物、ペンタフルオロプロピオン酸塩、臭化水素酸塩、ムチン酸塩、オレイン酸塩、第二リン酸塩、第一リン酸塩、酢酸塩三水和物、ビス(ヘプタフルオロブチレート)、ビス(ペンタフルオロプロピオネート)、ビス(ピリジンカルボキシレート)、ビス(トリフルオロアセテート)、クロルハイドレートおよび硫酸塩五水和物が挙げられる。他の代表的な薬学的に許容される塩には、例えば水溶性および非水溶性の塩、例えば酢酸塩、アムソン酸塩(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、カンファースルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フィウナレート(fiunarate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオネート(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシル-2-ナフトエート、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエート、エインボネート)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイドおよび吉草酸塩が挙げられる。水和物は、薬学的に許容される塩の別の例である。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1または2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。
【0055】
[0046]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、本明細書において記載される医薬組成物中に、少なくとも10mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも20mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも25mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも30mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも40mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも50mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも60mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも70mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも75mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも80mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも90mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも100mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも110mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも120mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも125mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも130mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも140mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも150mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも160mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも170mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも175mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも180mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも190mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも200mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、クロファジミンおよびニロチニブまたはパルボシクリブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0056】
[0047]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、本明細書において記載される医薬組成物中に、約10mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約20mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約25mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約30mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約40mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約50mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約60mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約70mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約75mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約80mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約90mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約100mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約110mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約120mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約125mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約130mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約140mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約150mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約160mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、170mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約175mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約180mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約190mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約200mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約225mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約250mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0057】
[0048]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、本明細書において記載される医薬組成物中に、1000mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、750mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、500mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、400mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、300mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、250mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、225mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、200mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、175mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、150mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、125mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、100mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、90mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、80mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、75mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、60mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、55mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、50mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0058】
[0049]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、本明細書において記載される医薬組成物中に、10mg~1000mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、20mg~500mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、20mg~400mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、20mg~300mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、25mg~250mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、30mg~200mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、約50mg、約100mgまたは約150mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、50mg、100mgまたは150mgの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0059】
[0050]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、医薬組成物の総重量の約5%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約10%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約15%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約20%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約25%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約30%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約40%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約50%を構成する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0060】
[0051]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、医薬組成物の総重量の最大5%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の最大10%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の最大15%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の最大20%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の最大50%を構成する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0061】
[0052]一部の実施形態では、本明細書において記載されるAPIは、医薬組成物の総重量の約5.5%%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約10.5%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約15%を構成する。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0062】
[0053]一部の実施形態では、長鎖脂肪酸またはその誘導体中の、本明細書において記載されるAPIの溶解度は、少なくとも25mg/mLである。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸またはその誘導体中のAPIの溶解度は、少なくとも30mg/mLである。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸またはその誘導体中のAPIの溶解度は、少なくとも40mg/mLである。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸またはその誘導体中のAPIの溶解度は、少なくとも50mg/mLである。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸またはその誘導体中のAPIの溶解度は、少なくとも75mg/mLである。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸またはその誘導体中のAPIの溶解度は、少なくとも100mg/mLである。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0063】
[0054]一態様では、本明細書において記載されるAPIは、遊離塩基もしくは薬学的に許容される酸付加塩の形態の式(I)の化合物
【0064】
【0065】
(式中、Xは
アンドロスタン-3α-または3β-オール、
アンドロスタ-5-エン-3α-または3β-オール、
アンドロスタ-4-エン-3-オン、
アンドロスタ-2-エン、
アンドロスタ-4-エン、
アンドロスタ-5-エン、
アンドロスタ-5,7-ジエン-3αまたは3β-オール、
アンドロスタ-1,4-ジエン-3-オン、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン-3-オール、
α-アンドロスタン-3-オン、
アンドロスタ-3,5-ジエン、
アンドロスタ-3,5-ジエン-3-オール、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン、
エストラ-1,3,5[10]-トリエン-3-オール、
5α-アンドロスタン-3-オン、
アンドロスタ-4-エン-3,11-ジオン、
6-フルオロアンドロスタ-4-エン-3-オン、および
アンドロスタン-4-エン-3,6-ジオン
からなる群から選択されるステロイドのA、BおよびC環の残基を表し、
その各々は、構造的に容認される場合、
3-エステルを形成すること
5,6位、6,7位、7,8位、9,11位および11,12位のいずれかに、1つまたは複数の炭素または炭素環二重結合を有すること
3-オキシムとして
3-メチレンとして
3-カルボキシレートとして
3-ニトリルとして
3-ニトロとして
3-デソキシ誘導体として
A、BまたはC環中に、1つまたは複数のヒドロキシ、ハロ、C1~4-アルキル、トリフルオロ-メチル、C1~4-アルコキシ、C1~4-アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、オキソ、メチレンまたはアルケニル置換基を有すること、
19-ノルとなること
の1つまたは複数となるようにさらに誘導体化することができ;
R1は、水素原子または1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R4は、水素原子、ハロゲン原子または1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R3置換基の各々は、独立して、水素原子もしくは1~4個の炭素原子のアルキルもしくはアルコキシ基、ヒドロキシ基もしくは2~5個の炭素原子のアルキルカルボニルオキシ基を表すか、もしくは一緒になってオキソもしくはメチレン基を表すか、またはR3基の一方およびR4は、一緒になって二重結合を表し、他方のR3基は水素原子もしくは1~4個の炭素原子のアルキル基を表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、または1~4個の炭素原子のアルキル基を表す)
である。
【0066】
[0055]式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は、11位および12位で飽和であり、置換されていない。式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は、11位および12位で飽和である。式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は、11位および12位で置換されていない。式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は、11位および/または12位で置換されている。一部の実施形態では、化合物は、11-オキソまたは11β-ヒドロキシを含む。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R1は水素である。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R1はメチルである。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R2は、水素、1~3個の炭素原子のアルキル、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R2は水素である。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R5の各々は、独立して、水素または1~3個の炭素原子のアルキルである。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R5の各々は水素である。式(I)の化合物の一部の実施形態では、R4は、水素または1~4個の炭素原子のアルキル基である。
【0067】
[0056]式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-5,16-ジエン-3β-オール、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-3,5,16-トリエン、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3-オン、17-(3-ピリジル)エストラ-1,3,5[10],16-テトラエン-3-オール、17-(3-ピリジル)-5α-アンドロスタ-16-エン-3α-オール、17-(3-ピリジル)-5α-アンドロスタ-16-エン-3-オン、17-(3-ピリジル)-アンドロスタ-4,16-ジエン-3,11-ジオン、17-(3-ピリジル)-アンドロスタ-3,5,16-トリエン-3-オール、6α-および6β-フルオロ-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3-オン、17-(3-ピリジル)アンドロスタ-4,16-ジエン-3,6-ジオン、3α-トリフルオロメチル-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-16-エン-3β-オール、ならびにそれらの酸付加塩および3-エステルから選択される。式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は3β-アルカノイルオキシ-17-(3-ピリジル)アンドロスタ-5,16-ジエンであり、アルカノイルオキシ基は、2~4個の炭素原子を有する。式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物はアビラテロン酢酸エステルである。
【0068】
[0057]式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は式(II)の構造を有する
【0069】
【0070】
(式中、X、R1、R2、R3およびR4は、式(I)において説明される)。
[0058]式(II)の化合物の一部の実施形態では、化合物は表2から選択される。
【0071】
【0072】
【0073】
[0059]式(I)の化合物の一部の実施形態では、化合物は式(III)の構造を有する
【0074】
【0075】
(式中、Yは、
【0076】
【0077】
であり、その各々は、構造的に容認される場合、さらに誘導体化されて3-エステルを形成することができる)。一態様では、APIを含む医薬組成物であって、APIが上記のような式(I)、式(II)または式(III)の構造を有する化合物である医薬組成物が本明細書において提供される。
長鎖脂肪酸および脂肪酸グリセリド
[0060]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは3.5より大きいかまたは4より大きいclogP、4より大きいclogPを有するAPIの溶解度を有する溶媒、および経口吸収強化剤を有する。一部の実施形態では、溶媒は、脂肪酸、脂肪酸エステル、植物油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エタノールおよびジエチレングリコールエーテルまたはそれらの組合せである。一部の実施形態では、溶媒は、脂肪酸、中鎖脂肪酸、グリセロール、ヒマシ油、エタノールおよびジエチレングリコールエーテルまたはそれらの組合せである。一部の実施形態では、溶媒は、脂肪酸、中鎖脂肪酸グリセリドまたはそれらの組合せである。一部の実施形態では、医薬組成物は、4より大きいclogPを有するAPI、および脂肪酸を含む。脂肪酸は、炭化水素鎖および末端カルボキシ(-COOH)基からなるカルボン酸である。炭化水素鎖は、飽和(炭素-炭素二重結合を含有しない)または、一価不飽和(1つの炭素-炭素二重結合を含有する)もしくは多価不飽和(1つを超える炭素-炭素二重結合を含有する)を含む不飽和であり得る。脂肪酸は、直鎖(または非分岐)炭素鎖である炭素鎖を含有することがあり、または分岐炭素鎖を含有することがある。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも12個の炭素原子を含むカルボン酸である。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも11個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも12個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも13個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも14個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも15個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも16個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも17個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも18個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも19個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも20個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも16個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、16個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、16個の炭素原子を含有する。直鎖飽和脂肪酸の例には、これらに限定されるものではないが、表3に列挙されるものが挙げられる。
【0078】
【0079】
[0061]直鎖不飽和脂肪酸の例には、これらに限定されるものではないが、表4に列挙されるものが挙げられる。
【0080】
【0081】
[0062]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、界面活性剤および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、界面活性剤はリン脂質である。一部の実施形態では、グリセリドは、グリセロールの脂肪酸エステルである。
【0082】
【0083】
[0063]グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドであり得、グリセロールは、1、2、または3つの脂肪酸とエステル化される。トリグリセリドについての当該技術分野における他の用語には、TG、トリアシルグリセロール、TAG、トリアシルグリセリド、脂肪等が挙げられ、本明細書において互換的に使用される。グリセリドは、1つまたは複数の炭化水素鎖上での置換により、さらに修飾されることがある。
【0084】
【0085】
[0064]モノおよびジグリセリドの例には、これらに限定されるものではないが、モノパルミトレイン、モノエライジン、モノカプロイン、モノカプリリン、モノカプリン、モノラウリン、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸/リノール酸グリセロール、モノリノール酸グリセリル、リシノレイン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、モノ-、ジオレイン酸グリセロール、パルミチン酸/ステアリン酸グリセリル、酢酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、クエン酸/乳酸/オレイン酸/リノール酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、カプリル酸モノ、ジグリセリド、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、モノおよびジアセチル化モノグリセリド、モノステアリン酸グリセリン、モノ-、ジグリセリドの乳酸エステル、ジカプロイン、ジカプリン、ジオクタノイン、ジミリスチン、ジパルミチン、ジステアリン、ジラウリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、脂肪酸のグリセロールエステル、1,2および1,3-ジオレイン、ジエライジン、ジリノレイン、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。他の脂肪酸には、ステアリルアルコール、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、およびそれらの対応する薬学的に許容される塩が挙げられる。好ましい脂肪酸および脂肪アルコール誘導体には、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アミドエステル(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミン、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよびミリストイルカルニチン)、ヒドロキシ酸を有するエステル(例えば、ステアロイル乳酸ナトリウム);糖エステル[例えば、乳酸ラウリル、モノカプリル酸グルコース、モノカプリル酸ジグルコース、ラウリン酸スクロース、モノラウリン酸ソルビタン(Arlacel(商標)20)、モノパルミチン酸ソルビタン(Span-40)、モノオレイン酸ソルビタン(Span-80)、モノステアリン酸ソルビタンおよびトリステアリン酸ソルビタン]、低級アルコールの脂肪酸エステル[例えば、オレイン酸エチル(Crodamol EO)、ミリスチン酸イソプロピル(Crodamol IPM)、および、パルミチン酸イソプロピル(Crodamol IPP)]、プロピレングリコールとのエステル[例えば、モノラウリン酸プロピレングリコール(Lauroglycol FCC)、リシノール酸プロピレングリコール(Propymuls)、モノオレイン酸プロピレングリコール(Myverol(商標)P-06)、モノカプリル酸プロピレングリコール(Capryol(商標)90)、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール(Captex(商標)200)、および、ジオクタン酸プロピレングリコール(Captex 800)]、グリセロールとのエステル[例えば、モノオレイン酸グリセリル(Peceol)、リシノール酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル(Capmul(商標)GDL)、ジオレイン酸グリセリル(Capmul GDO)、モノリノール酸グリセロール(Maisine(商標))、モノ/ジオレイン酸グリセリル(Capmul GMO-K)、カプリル酸/カプリン酸グリセリル(Capmul MCM)、カプリル酸モノ/ジグリセリド(Imwitor(商標)988)、モノおよびジアセチル化モノグリセリド(Myvacet(商標)9-45)]、トリグリセリド[例えば、トウモロコシ油、アーモンド油、ダイズ油、ヤシ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、Pureco 100、Hydrokote AP5、Captex 300、350、Miglyol 812、Miglyol 818、および、Gelucire 33/01)]、プロピレングリコールエステルとグリセロールエステルとの混合物[例えば、プロピレングリコールのオレイン酸エステルと、グリセロール(Arlacel 186)との混合物]、および、ポリグリセリド化脂肪酸、例えばオレイン酸ポリグリセリル(Ploral(商標)Oleique)、ジオレイン酸ポリグリセリル-2(Nikko] DGDO)、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-10(Nikkol Decaglyn 1-L)、オレイン酸ポリグリセリル-10(Nikkol Decaglyn 1-O)、および、モノ、ジオレイン酸ポリグリセリル-10(CaprolPEG 860(商標))が挙げられる。
【0086】
[0065]さらなる脂肪酸誘導体には、ポリエトキシ化脂肪酸(例えば、ラウリン酸PEG-8、オレイン酸PEG-8、ステアリン酸PEG-8、オレイン酸PEG-9、ラウリン酸PEG-10、オレイン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、ラウリン酸PEG-20、およびオレイン酸PEG-20)、PEG-脂肪酸ジエステル(例えば、ジラウリン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、ジステアリン酸PEG-20、ジラウリン酸PEG-32、およびジオレイン酸PEG-32)、PEG-脂肪酸モノおよびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(例えば、PEG化グリセロール12アシルオキシ-ステアレート、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、および、オレイン酸PEG-30グリセリル)、およびアルコール-油エステル交換生成物[例えば、ポリオキシル40ヒマシ油(Cremophor(商標)RH40)、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor EL、または、Incrocas35)、トリオレイン酸PEG-25(TAGAT(R)TO)、PEG-60トウモロコシグリセリド(Crovol M70)、PEG-60アーモンド油(Crovol A70)、PEG40パーム核油(Crovol PK70)、PEG-50ヒマシ油(Emalex C-50)、PEG-50硬化ヒマシ油(Emalex HC-50)、PEG-60硬化ヒマシ油(Cremophor RH60)、カプリル酸/カプリン酸PEG-8グリセリド(Labrasol(商標))、ラウロイルマクロゴール32グリセリド(Gelucire(商標)44/14)、リノレオイルマクロゴグリセリド(Labrafil(商標))、ステアロイルマクロゴール-32グリセリド(Gelucire 50/13)、およびカプリル酸/カプリン酸PEG-6グリセリド(Softigen(商標)767)]が挙げられる。
【0087】
[0066]一部の実施形態では、本明細書において記載される長鎖脂肪酸には、胆汁酸およびステロール誘導体が挙げられる。代表的な胆汁酸およびステロール誘導体には、これらに限定されるものではないが、コレート、ウルソデオキシコレート、ケノデオキシコレート、タウロケノデオキシコレート、タウロウルソデオキシコレート、グリコケノデオキシコレート、グリコウルソデオキシコレート、ステロール、および、ステロールエステルまたはエーテル、例えばPEG-24コレステロールエーテルが挙げられる。
【0088】
[0067]一部の実施形態では、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリドには、トコール誘導体が挙げられる。トコール誘導体には、トコール構造[2-メチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)クロマン-6-オール]、またはトコトリエノール構造[2メチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエニル)クロマン-6-オール(-of)]を有する物質の誘導体が挙げられる。特に、一般的にトコフェロールとして公知であるモノ-、ジ-、トリメチル-トコール、およびそれらの有機酸エステル、例えば酢酸、ニコチン酸、コハク酸およびポリエチレングリコールコハク酸エステルが挙げられる。例えば、酢酸a-トコフェロール、ニコチン酸a-トコフェロール、コハク酸aトコフェロール、コハク酸a-トコフェロールポリエチレングリコール(200~8000MW)、コハク酸aトコフェロールポリエチレングリコール400、コハク酸dl-a-トコフェロールポリエチレングリコール1000、およびコハク酸d-a-トコフェロールポリエチレングリコール1000(ビタミンE TPGS、Eastman Chemical Co.)が挙げられる。本発明の実施について、混合型のラセミ体(例えば、全てのラセミ体またはdl-)、および純粋なエナンチオマー(例えば、d-、l-またはRRR-)が好適である。好ましいトコール誘導体には、a-トコフェロールエステル、および、ポリエトキシ化されたa-トコフェロールエステルが挙げられる。より具体的に好ましいトコール誘導体には、a-トコフェロール、酢酸a-トコフェロール、ニコチン酸(nicotinoate)a-トコフェロール、コハク酸a-トコフェロール、コハク酸a-トコフェロールポリエチレングリコール、コハク酸a-トコフェロールポリエチレングリコール(200~8000MW)、コハク酸a-トコフェロールポリエチレングリコール400、コハク酸a-トコフェロールポリエチレングリコール1000、コハク酸dl-a-トコフェロールポリエチレングリコール1000、またはコハク酸d-a-トコフェロールポリエチレングリコール1000が挙げられる。
【0089】
[0068]本明細書において使用される場合、「長鎖脂質溶媒」という用語は、12個またはそれを超える炭素原子を含む薬学的に許容される脂質溶媒を指す。一部の実施形態では、長鎖脂質溶媒は、治療量のAPIを溶解することが可能である。長鎖脂質溶媒の例には、これらに限定されるものではないが、脂肪酸、グリセリド、植物油、水添植物油(hydro-vegetable oil)、動物油、PEG化グリセリド、ビタミンE誘導体およびそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、長鎖脂質溶媒は、少なくとも12個の炭素原子を含む。
界面活性剤
[0069]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、界面活性剤および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、界面活性剤は、疎水基(通常炭化水素鎖)および親水基を含む化合物または化合物の混合物である。これらは、溶解度強化剤、バイオアベイラビリティー強化剤、安定性強化剤、抗酸化剤および乳化剤を含む1つまたは複数の役割を果たすことができる。界面活性剤についての当該技術分野における他の用語には、乳化剤(emulsifier)、乳化剤(emulsifying agent)、表面活性剤、湿潤剤、懸濁化剤等が挙げられる。界面活性剤の例には、これらに限定されるものではないが、リン脂質、脂肪酸のスクロースエステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール Arlasolve、ポロキサマー、Labrafil、Labrasol、Tween 80等が挙げられる。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0090】
[0070]脂質は、非極性または有機溶媒に可溶性である一方で水および極性溶媒に不溶性である、脂肪酸およびその誘導体を指すことができる。脂質の分類には、これらに限定されるものではないが、脂肪酸、リン脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、ポリケチド、ステロール脂質、プレノール脂質等が挙げられる。一部の実施形態では、リン脂質は、リン酸基が結合しているグリセロールおよび2つの脂肪酸から作製される。リン脂質についての当該技術分野における他の用語には、グリセロリン脂質、ホスホグリセリド、ジアシルグリセリド等が挙げられる。リン酸基は、未修飾であるか(すなわち、以下の構造においてR=H)、または単純な有機分子、例えばこれに限定されるものではないが、コリン、エタノールアミンまたはセリンへの結合により修飾されることがある(すなわち、以下の構造においてR≠H)。リン脂質は、1つまたは複数の炭化水素鎖上での置換により、さらに修飾されることがある。
【0091】
【0092】
[0071]一部の実施形態では、リン脂質は、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質および/またはリン脂質誘導体から選択される。一部の実施形態では、グリセロリン脂質には、これらに限定されるものではないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトールおよびそれらの混合物が挙げられる。本発明によるリン脂質誘導体には、これらに限定されるものではないが、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタデアノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドニルホスファチジルコリン(DAPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)およびジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)等、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
[0072]一部の実施形態では、ホスファチジルコリンは、コリン基(Me3N+-CH2-CH2-O-)がリン酸基に付着するリン脂質である。
【0094】
【0095】
[0073]ホスファチジルコリンの非限定的な例は、以下に示す1-オレオイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリンである。
【0096】
【0097】
[0074]レシチンのUSP40の定義は、「主にホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジン酸からなり、様々な量の他の物質、例えばトリグリセリド、脂肪酸および炭水化物と併せて存在する、粗製の植物油供給源から分離されるような、アセトン不溶性ホスファチドの複合混合物」である。一部の実施形態では、レシチンはリン脂質の混合物である。レシチンは、これらに限定されるものではないが、卵、ダイズ、牛乳、海洋供給源、ナタネ、綿実およびヒマワリを含む様々な供給源から単離することができる。
【0098】
[0075]一部の実施形態では、界面活性剤はリン脂質である。一部の実施形態では、リン脂質はホスファチジルコリンである。一部の実施形態では、リン脂質はホスファチジルコリンを含む混合物である。一部の実施形態では、界面活性剤はレシチンである。一部の実施形態では、ホスファチジルコリンはレシチンである。一部の実施形態では、レシチンは、25%を超えるホスファチジルコリンを含有する。一部の実施形態では、レシチンは、80%を超えるホスファチジルコリンを含有する。一部の実施形態では、ホスファチジルコリンは卵起源である。一部の実施形態では、ホスファチジルコリンはダイズ起源である。
【0099】
[0076]一部の実施形態では、リン脂質は、本明細書において記載される医薬組成物中に、5mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、10mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、15mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、20mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、25mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、30mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、40mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、50mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、60mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、70mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、75mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、80mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、90mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、100mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、110mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、120mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、125mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、130mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、140mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、150mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、160mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、170mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、175mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、180mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、190mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、200mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、225mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、250mg以上の量で存在する。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0100】
[0077]一部の実施形態では、リン脂質は、本明細書において記載される医薬組成物中に、約5mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約10mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約15mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約20mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約25mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約30mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約40mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約50mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約60mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約70mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約75mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約80mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約90mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約100mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約110mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約120mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約125mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約130mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約140mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約150mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約160mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約170mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約175mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約180mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約190mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約200mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約225mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約250mgの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0101】
[0078]一部の実施形態では、リン脂質は、本明細書において記載される医薬組成物中に、25mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、30mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、40mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、50mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、60mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、70mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、75mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、80mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、90mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、100mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、110mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、120mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、125mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、130mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、140mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、150mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、160mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、170mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、175mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、180mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、190mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、200mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、225mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、250mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、300mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、500mg以下の量で存在する。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0102】
[0079]一部の実施形態では、リン脂質は、本明細書において記載される医薬組成物中に、50mg~500mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、75mg~300mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、100mg~200mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、125mg~175mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、約50、75、100、125、150、175、200、225、250、300、350、400、450または500mgの量で存在する。一部の実施形態では、リン脂質は、医薬組成物の総重量の5%~50%を構成する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の10%~20%を構成する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の14%~17%を構成する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の約15%を構成する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の約16%を構成する。一部の実施形態では、リン脂質は、組成物の総重量の約17%を構成する。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、0.75より大きい。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、1.0より大きい。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、1.1より大きい。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、1.2より大きい。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、1.3より大きい。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、1.4より大きい。一部の実施形態では、脂肪酸または脂肪酸グリセリドとレシチンとの重量比は、1.5より大きい。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
抗酸化剤
[0080]本明細書において記載される組成物は、任意選択で抗酸化剤を含むことができる。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物中のAPIおよび賦形剤の酸化および分解を減少させるために使用される。一部の実施形態では、抗酸化剤は、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸、システイン、没食子酸、グアヤク樹脂、メチオニン、リン酸、メタ重亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、セサモール、エデト酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、テルブテリルヒドロキノン、酒石酸、第三ブチルヒドロキノン、ビタミンE(トコフェロール)、チオグリセロール、チオグリコール酸またはそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、抗酸化剤は、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールまたはそれらの組合せである。
【0103】
[0081]一部の実施形態では、抗酸化剤は、本明細書において記載される医薬組成物中に、医薬組成物の総重量の2.0%未満の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の1.75%未満の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の1.25%未満の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の1.0%未満の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.1%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.2%を構成する。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.3%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.4%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.5%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.6%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.7%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.8%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.9%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約1.0%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約1.1%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約1.2%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約1.25%を構成する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.01%~約2%の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.1%~約1.75%の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.2%~約1.5%の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.3%~約1.25%の量で存在する。一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量の約0.4%~約1.1%の量で存在する。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
他の添加剤
[0082]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質ならびに任意選択で抗酸化剤および/または別の添加剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、医薬組成物中に慣習的に使用される他の添加剤を含むことができ、これらの添加剤は当業者に周知である。そのような添加剤には、これらに限定されるものではないが、抗接着剤(固着防止剤、滑剤、流動促進剤(flow promoter)、滑沢剤)(例えば、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(Carbosil、Aerosil)、微粉化シリカ(Syloid番号FP244、Grace U.S.A.)、ポリエチレングリコール、界面活性剤、ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸誘導体、デンプン、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ロイシン、PEG-4000およびラウリル硫酸マグネシウム)抗凝固剤(例えば、アセチル化モノグリセリド)、消泡剤(例えば、長鎖アルコールおよびシリコーン誘導体)、抗酸化剤(例えば、BHT、BHA、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、4ヒドロキシメチル2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、トコフェロール等)、結合剤(接着剤)、すなわち、粒子-粒子結合によって粉末化材料に粘着性の性質を与える薬剤(例えば、マトリックス結合剤(乾燥デンプン、乾燥糖)、フィルム結合剤(PVP、デンプンペースト、セルロース、ベントナイト、スクロース))、化学結合剤(例えば、ポリマー性セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、HPC、HPMC等、糖シロップ剤、コーンシロップ剤、水溶性多糖(例えば、アカシア、トラガント、グアー、アルギネート等)、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、寒天、スクロース、デキストロース、非セルロース結合剤(例えば、PVP、PEG、ビニルピロリドンコポリマー、アルファ化デンプン、ソルビトール、グルコース等)、緩衝剤、ここで酸は薬学的に許容される酸であり(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭素酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸等)、塩基は薬学的に許容される塩基である(例えば、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、水酸化マグネシウムアルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン)、または酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸および尿酸の薬学的に許容される塩、キレート剤(例えば、EDTAおよびEDTA塩)、凝固剤(例えば、アルギネート)着色料または不透明化剤(opaquant)(例えば、二酸化チタン、食用色素、レーキ、天然植物着色剤、酸化鉄、シリケート、スルフェート、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム)、冷却剤(例えばハロゲン化炭化水素(例えば、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、フルオロトリクロロメタン)、ジエチルエーテルおよび液体窒素)凍結保護物質(例えば、トレハロース、ホスフェート、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、デキストラン、マンニトール等)、希釈剤または充填剤(例えば、ラクトース、マンニトール、滑石、ステアリン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸、噴霧乾燥ラクトース、加水分解デンプン、直接圧縮可能なデンプン、微結晶セルロース、セルロース誘導体、ソルビトール、スクロース、スクロースベースの材料、硫酸カルシウム、第二リン酸カルシウムおよびデキストロース)、崩壊剤または超崩壊剤(super disintegrant)(例えば、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、デンプン誘導体、クレー、ガム、セルロース、セルロース誘導体、アルギネート、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムおよび微結晶セルロース)、水素結合剤(例えば、酸化マグネシウム)、芳香剤または減感剤(例えば、噴霧乾燥香料、精油およびエチルバニリン)、イオン交換樹脂(例えば、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、および第4級アンモニウム化合物)、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸エステル(例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル)、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、トリアセチン、プロピレングリコール、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル)、ヒマシ油、ソルビトールおよびジブチルセッケート(seccate))、保存剤(例えば、アスコルビン酸、ホウ酸、ソルビン酸、安息香酸、およびこれらの塩、パラベン、フェノール、ベンジルアルコール、および第4級アンモニウム化合物)、溶媒(例えば、アルコール、ケトン、エステル、塩素化炭化水素および水)天然甘味料(例えば、マルトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、グリセリンおよびデキストリン)および人工甘味料(例えば、アスパルテーム、サッカリンおよびサッカリン塩)を含む甘味料、ならびに濃厚剤(粘度改変剤、増粘剤)、(例えば、糖、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリマーおよびアルギネート)が挙げられる。
添加剤はまた、タンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、ムゼル(mussel)タンパク質、リポタンパク質)、炭水化物(例えば、アルギネート、カラギーナン、セルロース誘導体、ペクチン、デンプン、キトサン)、ガム(例えば、キサンタンガム、アラビアガム)、鯨ろう、天然または合成ワックス、カルナウバ(carnuaba)ろう、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸)、脂肪アルコール、糖、シェラック、例えば糖(例えば、ラクトース、スクロース、デキストロース)またはデンプンをベースとするもの、多糖類ベースのポリマー(例えば、マルトデキストリンおよびマルトデキストリン誘導体、デキストレート(dextrate)、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体)、セルロース誘導体ベースのポリマー(例えば、微結晶セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、トリメリト酸、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、無機物(例えば、リン酸二カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、滑石およびチタニア)、ポリオール(例えば、マンニトール、キシリトールおよびソルビトールポリエチレングリコールエステル)ならびにポリマー(例えば、アルギネート、ポリ(ラクチドコグリコリド)、ゼラチン、架橋ゼラチンおよび寒天-寒天)のような材料であることができる。
一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で吸着剤を含む。多数の吸着剤は固形、多孔性または超多孔性の吸着材料である。これらは、これらの構造中に無数のミクロまたはナノポアを含み、結果として、例えば500m2/gより大きい非常に大きな表面積となる。代表的な吸着剤には、制限されることなく、シリカ、活性炭、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよび珪藻土が挙げられる。さらなる一実施形態では、医薬組成物は、経口剤形、例えば錠剤またはカプセルである。
【0104】
[0083]所与の構成成分は、多くの場合、異なる分野の専門家により異なって分類されるか、または一般的にいくつかの異なる機能のいずれかのために使用されるか、または組成物中のレベルに依存して異なる機能を有し得るため、一般的な使用において上記に列挙された構成成分の間に相当の重複があることを理解されたい。よって、上記に列挙された構成成分は、単に例示として考えられるべきであり、本発明の組成物中に含むことができる構成成分の種類を限定しない。
経口剤形
[0084]本医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、散剤、坐剤、エマルション、懸濁液の形態、または使用に好適な他の形態をとる。好ましい医薬組成物は、経口送達のために製剤化される。一部の実施形態では、薬学的に許容されるビヒクルは、カプセルである。カプセルは、硬カプセルまたは軟カプセル、ゼラチンで作製されたプッシュ-フィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤(例えばグリセロールまたはソルビトール)で作製された軟質の密閉カプセルであり得る。一部の実施形態では、カプセルは、約1000mgの医薬組成物を含有する。一部の実施形態では、カプセルは、1000mg未満の医薬組成物を含有する。カプセルは、任意のサイズであることができる。標準サイズの例には、これらに限定されるものではないが、表5に列挙されるもの(#000、#00、#0、#1、#2、#3、#4および#5)が挙げられる。一実施形態では、医薬組成物は、硬カプセル中に充填された液体の剤形である。一実施形態では、医薬組成物は、軟カプセル中に充填された液体の剤形である。一部の実施形態では、医薬組成物は吸着剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤の剤形の吸着剤を含む。一実施形態では、医薬組成物は、多層錠の剤形である。一部の実施形態では、錠剤は、1、2、3、4またはそれを超える層を有する。一部の実施形態では、錠剤は、内核および外核を有する。例えば、参照により組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences、1658~1659頁(Alfonso Gennaro編、Mack Publishing Company、Easton Pa.、第18版、1990年)を参照されたい。一部の実施形態では、本明細書において使用されるカプセルは、サイズ#00または#0である。
【0105】
【0106】
投与の方法
[0085]本明細書において記載される医薬組成物は、疾患の処置または予防のために投与することができる。疾患または障害を処置または予防するために使用する場合、医薬組成物は、単独で、または他の薬剤と組み合わせて投与または塗布することができる。医薬組成物はまた、単独で、他の医薬活性剤と組み合わせて投与または塗布することができる。そのような治療有効量の本発明の医薬組成物の処置を必要とする対象への投与による処置および予防の方法が、本明細書において提供される。対象は、動物、例えば哺乳動物、例えばヒトであることができる。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0107】
[0086]一部の実施形態では、医薬組成物は、経口投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、経口の液体、半液体または半固形の剤形で投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、固形経口剤形として投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、液体経口剤形として投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、丸剤、錠剤、チュアブル錠、特殊錠剤(specialty tablet)、バッカル錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、カプセル、ゲルカプセル、軟ゲルカプセル、硬ゲルカプセル、特殊カプセル(specialty capsule)、バッカルカプセル、舌下カプセル、口腔内崩壊カプセル、散剤、顆粒剤、結晶または口腔内分散フィルム剤として投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、液体またはカプセルとして投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、軟ゲルカプセルとして投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、硬ゲルカプセルとして投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、定期的な間隔、例えば1日1回、1日2回または週単位で投与される。
条件
[0087]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、アンドロゲン受容体活性の調節を必要とする対象において、アンドロゲン受容体活性を調節するために使用することができる。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0108】
[0088]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、がんを処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、膀胱がん、膵臓がん、肝細胞がん、腎臓がん、肝臓がん、唾液腺癌、脱毛、にきび、男性型多毛、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群、早発思春期、球脊髄性筋萎縮症または加齢黄斑変性症を処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、前立腺がんを処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、去勢抵抗性前立腺がん、転移性去勢抵抗性前立腺がん、去勢再発性前立腺がん、ハイリスク去勢感受性前立腺がん、転移性ハイリスク去勢感受性前立腺がん、ホルモン抵抗性前立腺がん、ホルモン不応性前立腺がん、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン遮断抵抗性前立腺がん、アンドロゲン除去抵抗性前立腺がん、アンドロゲン遮断非依存性前立腺がん、抗アンドロゲン再発性前立腺がん、既に過去にドセタキセルを含有する化学療法を受けた患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん;新規に診断されたハイリスク転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)、アンドロゲン遮断療法の失敗後に無症状、軽度の症状があり、化学療法が臨床的に未だ適応でない患者における転移性去勢抵抗性前立腺がん、ドセタキセルベースの化学療法レジメン中もしくはその後に疾患が進行した患者における転移性去勢抵抗性前立腺がんの1つまたは複数を処置または予防するために使用することができる。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容されるエステルは、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0109】
[0089]一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、少なくとも1つの他の治療剤とともに併用療法において使用することができる。医薬組成物および治療剤は、相加的に、またはより好ましくは相乗的に作用することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、別の治療剤の投与と同時に投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、別の治療剤の投与の前またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、グルココルチコイドと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、親油性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および任意選択で抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、APIは、アビラテロンまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、アビラテロンの薬学的に許容される塩は、アビラテロン酢酸エステルである。一部の実施形態では、APIは、表1もしくは表2に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【実施例】
【0110】
実施例1
水性媒体中のアビラテロン酢酸エステルの溶解度
[0090]アビラテロン酢酸エステルを、10mLのガラスバイアル中、25℃で、撹拌しながら、様々な水性媒体(2~5mL)に添加した。さらなる溶解が観察できない場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。アビラテロン酢酸エステルが未だ溶解しているようである場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。このサイクルを、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次に遠心分離にかけ、上澄み液を精密濾過法により濾過した。濾液を希釈し、アビラテロン酢酸エステル含有量をHPLCにより決定した。溶解度を記録し、表6に示す。
【0111】
【0112】
実施例2
脂質(グリセリド)中のアビラテロン酢酸エステルの溶解度
[0091]アビラテロン酢酸エステルを、10mLのガラスバイアル中、25℃で、撹拌しながら、様々な脂質(2~5mL)に添加した。さらなる溶解が観察できない場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。アビラテロン酢酸エステルが未だ溶解しているようである場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。このサイクルを、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次に遠心分離にかけ、上澄み液を精密濾過法により濾過した。濾液を希釈し、アビラテロン酢酸エステル含有量をHPLCにより決定した。溶解度を記録し、表7に示す。
【0113】
【0114】
実施例3
脂肪酸中のアビラテロン酢酸エステルの溶解度
[0092]アビラテロン酢酸エステルを、10mLのガラスバイアル中、25℃で、撹拌しながら、様々な脂肪酸(2~5mL)に添加した。さらなる溶解が観察できない場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。アビラテロン酢酸エステルが未だ溶解しているようである場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。このサイクルを、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次に遠心分離にかけ、上澄み液を精密濾過法により濾過した。濾液を希釈し、アビラテロン酢酸エステル含有量をHPLCにより決定した。溶解度を記録し、表8に示す。
【0115】
【0116】
実施例4
界面活性剤中のアビラテロン酢酸エステルの溶解度
[0093]アビラテロン酢酸エステルを、10mLのガラスバイアル中、25℃で、撹拌しながら、様々な水性媒体(2~5mL)に添加した。さらなる溶解が観察できない場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。アビラテロン酢酸エステルが未だ溶解しているようである場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。このサイクルを、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次に遠心分離にかけ、上澄み液を精密濾過法により濾過した。濾液を希釈し、アビラテロン酢酸エステル含有量をHPLCにより決定した。溶解度を記録し、表9に示す。
【0117】
【0118】
実施例5
共溶媒中のアビラテロン酢酸エステルの溶解度
[0094]アビラテロン酢酸エステルを、10mLのガラスバイアル中、25℃で、撹拌しながら、様々な水性媒体(2~5mL)に添加した。さらなる溶解が観察できない場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。アビラテロン酢酸エステルが未だ溶解しているようである場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。このサイクルを、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次に遠心分離にかけ、上澄み液を精密濾過法により濾過した。濾液を希釈し、アビラテロン酢酸エステル含有量をHPLCにより決定した。溶解度を記録し、表10に示す。
【0119】
【0120】
実施例6
他の媒体中のアビラテロン酢酸エステルの溶解度
[0095]アビラテロン酢酸エステルを、10mLのガラスバイアル中、25℃で、撹拌しながら、様々な媒体(2~5mL)に添加した。さらなる溶解が観察できない場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。アビラテロン酢酸エステルが未だ溶解しているようである場合、懸濁液を、さらに24時間、25℃で撹拌した。このサイクルを、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次に遠心分離にかけ、上澄み液を精密濾過法により濾過した。濾液を希釈し、アビラテロン酢酸エステル含有量をHPLCにより決定した。溶解度を記録し、表11に示す。
【0121】
【0122】
実施例7
アビラテロン酢酸エステルを含む組成物
[0096]アビラテロン酢酸エステルを含む様々な組成物を、アビラテロン酢酸エステルおよび任意選択で他の構成成分を指示通りに脂肪酸または脂肪酸グリセリド中に溶解し、結果として生じた溶液の一部をカプセル中にカプセル化することにより調製した。アビラテロン酢酸エステルを含む組成物を、以下のように調製した:
[0097]製剤F1:アビラテロン酢酸エステル(10g)をオレイン酸(70g)中に溶解し、800mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0123】
[0098]製剤F2:アビラテロン酢酸エステル(5g)をオレイン酸(70g)中に溶解し、800mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
[0099]製剤F3:アビラテロン酢酸エステル(10g)をオクタン酸(50g)中に溶解し、800mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0124】
[00100]製剤F4:アビラテロン酢酸エステル(10g)およびレシチン(60g、20~30%のホスファチジルコリンを含有する、TCI Co.から)を、オレイン酸(30g)中に溶解し、1000mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0125】
[00101]製剤F5:アビラテロン酢酸エステル(10g)およびレシチン(30g、20~30%のホスファチジルコリンを含有する、TCI Co.から)を、オレイン酸(30g)中に溶解し、700mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0126】
[00102]製剤F6:アビラテロン酢酸エステル(10g)およびレシチン(15g、20~30%のホスファチジルコリンを含有する、TCI Co.から)を、オレイン酸(30g)中に溶解し、550mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0127】
[00103]製剤F7:アビラテロン酢酸エステル(10g)およびレシチン(15g、20~30%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、オレイン酸(70g)中に溶解し、950mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0128】
[00104]製剤F8:アビラテロン酢酸エステル(25g)およびレシチン(300g、20~30%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、オレイン酸(300g)中に溶解し、625mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0129】
[00105]製剤F9:アビラテロン酢酸エステル(5g)およびレシチン(10g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、カプリル酸/カプリン酸グリセリル(MCM)(40g)中に溶解し、450mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0130】
[00106]製剤F10:アビラテロン酢酸エステル(5g)およびレシチン(15g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、MCM(35g)およびオリーブ油(35g)中に撹拌しながら溶解して確実に完全溶解させ、550mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0131】
[00107]製剤F11:アビラテロン酢酸エステル(5g)およびレシチン(10g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、ヒマシ油(100g)中に溶解し、115mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0132】
[00108]製剤F12:アビラテロン酢酸エステル(5g)およびレシチン(10g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、ヒマシ油(25g)およびMCM(25g)中に溶解し、65mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0133】
[00109]製剤F13:アビラテロン酢酸エステル(5g)およびレシチン(15g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する、Croda Co.から)を、オリーブ油(35g)およびMCM(35g)中に溶解し、サイズ00#のカプセル中に封入し、各カプセルに50mgのアビラテロン酢酸エステルを含有させた。
【0134】
[00110]製剤F14:オレイン酸(10.5g)、labrasol(8.4g)、Tween 80(19.6g)およびTranscutol(31.5g)を一緒に混合し、透明溶液を得た。アビラテロン酢酸エステル(10g)を溶液中に溶解し、800mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。この製剤の一部を、撹拌することなく蒸留水に添加して(質量比1:10、1:100または1:1000)、長期間安定であり、沈殿または2相分離を有しない乳白色のエマルションを急速に形成させた。
【0135】
[00111]製剤F15:アビラテロン酢酸エステル(5g)を、オレイン酸(69g)とエタノール(2.8g)との混合物中に溶解した。ポロキサマー407(2g)を、水(1.2g)中に溶解した。2つの溶液を混合して透明溶液を得、800mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0136】
[00112]製剤F16:アビラテロン酢酸エステル(5g)を、オレイン酸(67g)とエタノール(2.8g)との混合物中に溶解した。ポロキサマー407(2g)を、水(1.2g)中に溶解した。2つの溶液を混合して透明溶液を得、800mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0137】
[00113]製剤F17:アビラテロン酢酸エステル(10g)およびレシチン(15g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する)を、オレイン酸(40g)中に溶解し、650mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0138】
[00114]製剤F18:アビラテロン酢酸エステル(10g)およびレシチン(30g、85~88%のホスファチジルコリンを含有する)を、オレイン酸(70g)中に溶解し、1100mgの結果として生じた混合物を、サイズ00#のカプセル中に封入した。
【0139】
[00115]製剤F1~F18についての単位用量あたりの様々な構成成分を、表12に示す。
【0140】
【0141】
[00116]以下の製剤を、製剤F1~F10について記載されるものと同じ手順により、表13に示す量で調製する。
【0142】
【0143】
実施例8
イヌにおけるZYTIGA(登録商標)の薬物動態
[00117]6匹のビーグル犬(雄3匹および雌3匹、Beijing Marshall Biotechnology Co.、Ltdから購入;平均体重6kg;平均年齢6ヶ月)に投与されたZYTIGA(登録商標)錠剤の薬物動態パラメーター。全てのイヌを投薬前12時間絶食させ(餌箱を取り除いた)、投薬前後2時間、飲水を取り除いた。各イヌに、2錠のZYTIGA(登録商標)錠剤(500mgのアビラテロン酢酸エステル)を経口で、投与中に50mLの水を伴って投与した。この試験を、3つの異なる機会において繰り返した。
【0144】
[00118]血液試料を、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、24時間に収集した。全血を遠心分離にかけ(5分、8000rpm)、血漿を96ウェルプレートに移し、-20℃で保管した。EDTA-2K+抗凝固イヌ血漿の濃度を、LC-MS/MSにより測定した。薬物動態パラメーターを、ノンコンパートメントモデル(WinNonlin 6.3ソフトウェア)を使用して算出した。
AUC0-tを、台形法により算出した
AUC0-∞=AUC0-t+Ct/ke(式中、Ct=最終血漿濃度;ke=クリアランス速度定数)
[00119]試験を3連で実施し、結果を表14に示す。
【0145】
【0146】
実施例9
イヌにおける製剤F1~F18の経口バイオアベイラビリティー
[00120]実施例7に記載されるように調製したアビラテロン酢酸エステル組成物のインビボの薬物動態特性(Tmax、Cmax、AUC)を、以下に記載するように、そのような組成物をビーグル犬に投与することにより調査した。
【0147】
6匹のビーグル犬(雄3匹および雌3匹、Beijing Marshall Biotechnology Co.,Ltdから購入;平均体重6kg;平均年齢6ヶ月)を、以下のように様々な時間で絶食させた:(a)投与前12時間、および(b)投与2時間前および2時間後。試験製剤(F1~F18)を、各イヌに経口投与した。血液試料を、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、24時間に収集し、アビラテロンの濃度を決定した。これらの測定から、Cmax、TmaxおよびAUCを算出し、表15に示す。ZYTIGAと比較した試験製剤の相対的なバイオアベイラビリティーを、試験製剤のAUC/ZYTIGA製剤のAUCの比として算出し、用量の差について調節し、最終列に示す。追加の実験において、F2、F4およびF7と類似した製剤は、4~10倍に近いAUCFを有する(データは示さず)。
【0148】
【0149】
実施例10
インビトロの消化アッセイ
[00121]インビトロ消化試験は、所望のインビボ吸収特性を有する製剤を特定するための有用なスクリーニングツールである。アッセイでは、脂質ベースの製剤を調査して、製剤の相の間の薬物の分布を明らかにする、すなわち(i)固形の沈殿物(「ペレット相」);(ii)水性ミセル相;および(iii)未消化/部分的に消化された油相(存在する場合)の間の薬物分配のパターンを決定する。水性相の薬物濃度を最大化すること(および薬物沈殿を最小化すること)は、脂質ベースの製剤からのインビボの薬物吸収を最大化すると予測され、すなわち、良好な消化後の可溶化をもたらす製剤は、典型的に良好なインビボの曝露をもたらすことが、一般的に理解される(例えばFeeneyら、「50 years of oral lipid-based formulations: Provenance, progress and future perspectives」、Advanced Drug Delivery Reviews、2016年、101巻、177~178頁を参照されたい)。
【0150】
[00122]インビトロ消化試験を、以下のように、製剤F1、F3、F4、F5、F6、F7、F14、F18およびF19について実施した。表16を参照されたい。トリス-マレイン酸塩(2mM)、塩化カルシウム(1.4mM、二水和物)、塩化ナトリウム(150mM)、タウロデオキシコール酸ナトリウム(3mM)およびホスファチジルコリン(0.75mM)を含有する絶食腸媒体(Fasted intestinal medium)を調製した。本明細書において記載されるような製剤(1g)を、絶食腸媒体(40mL)中に、37℃で、pHスタット滴定装置を使用して分散させた(LFCS Consortium;Williams, HDら、J. Pharm. Sci.101巻(2012年)3360~3380頁を参照されたい)。消化をブタ膵臓抽出物(4mL)の添加により開始し、pHを、水酸化ナトリウム(0.2Mまたは0.6M)を用いて、60分間、6.5に維持した。アリコートを除去し遠心分離にかけて、沈殿したアビラテロンを含有するペレット相;アビラテロンを自由溶液中に含有し、小ミセルおよび小胞中に可溶化した水性相;ならびに、存在する場合、未消化の油滴および/またはより大きなコロイド中に可溶化したアビラテロンを含有する脂質相からなる多相試料を製造した。
【0151】
[00123]各相中のアビラテロン濃度をHPLCにより測定し、各相中の量を表16に記載する。イヌにおける経口バイオアベイラビリティー試験からの、関連する製剤についてのAUCの結果(実施例4を参照されたい)も、表16に記載する。
図1は、インビボの経口バイオアベイラビリティー(AUCとして)対水性相中のアビラテロンの量のグラフィカルプロットを示し、2つの測定の間の不良な相関を実証し、本明細書において提供される製剤が、インビトロの予測データを考慮すると非常に良好なインビボのバイオアベイラビリティーをもたらすことを示す。
【0152】
【0153】
実施例11
医薬組成物
[00124]表17に記載される組成物を、一般的に本明細書において記載される方法を使用して、以下の成分を含むように調製した。
【0154】
【0155】
【0156】
[00125]本明細書において記載される特定の実施形態が、本明細書において示され記載されるが、そのような実施形態は、例としてのみ提示される。無数の変形物、変更物および代替物が、ここで本発明から逸脱することなく当業者に想到されるであろう。本明細書において記載される実施形態の様々な代替物が、本発明の実践において採用され得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が範囲を画定し、それにより、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにこれらの等価物が包含されることが意図される。
【国際調査報告】