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特表2022-523723高感度集中計量・計数用部品管理キャビネット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】高感度集中計量・計数用部品管理キャビネット
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220419BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20220419BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
B65G1/137 C
G01G19/52 D
A47B55/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544461
(86)(22)【出願日】2020-01-19
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2020072986
(87)【国際公開番号】W WO2020168884
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】201910123360.3
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521336196
【氏名又は名称】西安永固鉄路器材有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】721007191
【氏名又は名称】魏 驍
(72)【発明者】
【氏名】魏群倉
(72)【発明者】
【氏名】陳春毅
(72)【発明者】
【氏名】魏驍
【テーマコード(参考)】
3B067
3F522
【Fターム(参考)】
3B067AA00
3F522BB01
3F522BB22
3F522CC09
3F522FF02
3F522FF28
3F522GG16
3F522GG17
3F522GG24
3F522HH02
3F522HH12
3F522LL43
(57)【要約】
本発明は、高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットであり、キャビネット本体、本体底部フレーム、支持機構と制御測量モジュールを含む。キャビネット本体は底部フレームの上に設置し、本体内にいくつか積み重ねた部品貯蔵用の引き出しを設置し、キャビネット底部フレームの上に計量ユニットを設置し、全部品管理キャビネットの重量をリアルタイムで計測する;上記の支持機構はキャビネットの底部フレームに一定の上方向への支持力を加え、支持力の値が部品無しのときのキャビネットのフレームの重量より小さい;制御測定モジュールは引き出しの開きを制御し、ロードセルのパラメータに基づいて、部品管理キャビネットの中の部品の数量を計算して表示する。支持機構は、測定している間、キャビネット本体に一定の上向き支持力を発生させ、キャビネットの自重を大幅に低減し、ロードセルの負荷範囲を低減できる同時に、測定精度には影響せず、ロードセルの測定範囲を効果的に縮小することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットであり、以下の特徴を有する。キャビネット本体(5)、支持機構(20)と制御測量モジュール(1)を含む。キャビネット本体(5)内にいくつか積み重ねた部品貯蔵用引き出し(2)を設置し、キャビネット本体(5)下方に計量ユニットを設置し、部品管理キャビネット全体の重量をリアルタイムに計測する;上記の支持機構(20)はキャビネット本体(5)に一定の上方向への支持力を加え、支持力の値が部品無しのときのキャビネットのフレームの重量より小さい;制御測定モジュール(1)は引き出しの開きを制御し、ロードセルのパラメータに基づいて、部品管理キャビネットの中の部品の数量を計算して表示する。
【請求項2】
請求項1に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。キャビネット本体(5)は、キャビネット底部フレーム(3)の上に設置され、計量ユニットは、キャビネットの底部フレーム(3)に設置された複数のロードセル(6)を含み、ロードセル(6)の固定端(11)はアジャスター(4)で固定され、可動端(10)はボルト(8)で本体底部フレーム(3)の鋼板(7)の上に接続される。部品管理キャビネットの重量が鋼板(7)を介してロードセル(6)に加えられ、部品管理キャビネットの重量を測定する。
【請求項3】
請求項1または2に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。支持機構(20)は、キャビネット底部フレーム(3)の下に設置された複数のピストンユニットであり、ピストンユニットは、シリンダ(31)およびシリンダ(31)内の上下スライドロッド(32)を含む。ロッド(32)の上端部(33)と中央部、およびシリンダ(31)のシリンダ本体との間に、それぞれ上部チャンバー(34)と中間チャンバー(35)を形成する。上部チャンバー(34)と中間チャンバー(35)間は、いくつかのオリフィス(36)によって接続されている。シリンダ(31)上端には、チェックバルブ(37)が設置され、上部チャンバー(34)への圧力媒体となる。
【請求項4】
請求項3に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。シリンダ(31)とロッド(32)との間にシール(38)が設置されている。
【請求項5】
請求項1または2に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。一種の支持機構(20)は、レバーカウンターウェイトユニットであり、レバー(41)の支点(42)はレバーベース(46)に設置され、短いレバーアーム端(43)はキャビネット本体(5)に上向きの力を与える。レバー(41)の長いレバーアーム端(44)はカウンターウェイト(45)としっかりと連結されている。
【請求項6】
請求項5に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。部品管理キャビネットの下に複数のレバーカウンターウェイトユニットが設置され、各レバー(41)の支点(42)が高さによって調節可能なレバーベース(46)の上に固定されている。短いレバーアーム端(43)の作用点はキャビネット本体底部フレーム(3)外周の鋼板(7)に設置され、レバー(41)の長いレバーアーム端(44)が重り(47)を介して同じカウンターウェイトと(45) しっかりと連結されている。
【請求項7】
請求項6に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。レバー(41)のトルク比は10-20:1なっている。
【請求項8】
請求項1に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。制御測定モジュール(1)は、上部コンピュータ、ユーザー認証ユニットおよび下部コンピュータを含み、上部コンピュータは、ユーザー認証ユニットに接続され、下部コンピュータは、計量ユニットと引き出しに設置された電子ロックに接続されている。下部コンピュータは引き出しの開きを制御し、部品の数量データを上部コンピュータにアップロードする。
【請求項9】
請求項2に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。鋼板(7)とロードセルの間に角ワッシャー(9)が設置される。
【請求項10】
請求項1に記載の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットは、以下の特徴を有する。部品管理キャビネットの四隅に複数のロードセル(6)が設置され、ロードセル(6)はビーム型ロードセルであり、ロードセル(6)にひずみゲージが貼り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫管理システムの技術分野に属し、インテリジェントな部品管理キャビネット、特に積層設置、集中管理式高感度計量部品管理キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイテクニカルインテリジェント制造とメンテナンス業界の部品管理において、人力作業に頼る場合、部品の補給が間に合わない、数量統計が正確でないなどの欠点があり、部品の入出庫における標准化、きめ細かな管理要求を満足させるため、このインテリジェントな部品管理技術を考案した。
【0003】
特許文献1では、一種の部品管理装置が開示されている。それには引き出し式のキャビネットを含み、このキャビネットにはボックス型フレームと複数の引き出しを含み、その引き出しには若干の部品貯蔵ユニットを設け、それぞれにロックする仕組みを備えている。本発明の有益な効果は、コンピュータ管理システムを用いることで、迅速に必要な部品を探すことができ、人手に頼ったタイムラグを避けることができる。しかし、部品の計量ユニットを設置していないため、引き出しの中の部品の数量を計測できず、部品のリアルタイムでの補充ができない。
【0004】
特許文献2では、数量表示付きインテリジェント部品管理キャビネットが開示されている。キャビネット、制御システム、計量機能を備えた複数の引き出しが含まれる。各部品の引き出しは電子ロックでキャビネットの上に固定され、部品の引き出しの下部にロードセルを設置し、部品の受取人を識別して管理するインテリジェント部品管理キャビネットで構成されている。リアルタイムで部品の数量を表示し、インターネットを通じてデータを集計し報告することができ、部品のリアルタイムできめ細かな管理を実現する。しかし、このキャビネットの問題点は、各引き出しにロードセルが設置されていることで、システムのコストが負担となり、計量の工程や測定の不確実性が増している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許「部品管理装置、201610303077.5」
【特許文献2】中国特許「数量表示付きインテリジェント部品管理キャビネット及び配送システム、201710769328.3」
【発明の概要】
【0006】
本発明は、高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットを提案し、一つの計量ユニットが上段のいくつかの部品の引き出しの重量を計量し、部品の重量に応じてカウント表示を行う。支持機構を採用してキャビネットの自重がロードセルの測定範囲に影響を与える問題を克服し、計量の感度を大幅に向上させた。
【0007】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットには、キャビネット本体、本体底部フレーム、支持機構と制御測量モジュールを含む。キャビネット本体は底部フレームの上に設置し、本体内にいくつか積み重ねた部品貯蔵用の引き出しを設置し、キャビネット底部フレームの上に計量ユニットを設置し、全部品管理キャビネットの重量をリアルタイムで計測する;上記の支持機構はキャビネットの底部フレームに一定の上方向への支持力を加え、支持力の値が部品無しのときのキャビネットのフレームの重量より小さい;制御測定モジュールは引き出しの開きを制御し、ロードセルのパラメータに基づいて、部品管理キャビネットの中の部品の数量を計算して表示する。
【0008】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットにおいての計量ユニットは、キャビネットの底部フレームに設置された複数のロードセルを含み、ロードセルの固定端はアジャスターで固定され、可動端はボルトで本体底部フレームの鋼板の上に接続される。部品管理キャビネットの重量が鋼板を介してロードセルに加えられ、部品管理キャビネットの重量を測定する。
【0009】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットにおいて、一種の支持機構は、キャビネット底部フレームの下に設置された複数のピストンユニットであり、ピストンユニットは、シリンダおよびシリンダ内の上下スライドロッドを含む。ロッドの上端部と中央部、およびシリンダのシリンダ本体との間に、それぞれ上部チャンバーと中間チャンバーを形成する。上部チャンバーと中間チャンバー間は、いくつかのオリフィスによって接続されている。シリンダ上端にはチェックバルブが設置され、上部チャンバーへの圧力媒体となる。
【0010】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットには、シリンダとロッドとの間にシールが設置されている。
【0011】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットにおいて、一種の支持機構は、レバーカウンターウェイトユニットであり、レバーの支点はレバーベースに設置され、短いレバーアーム端はキャビネット本体に上向きの力を与える。レバーの長いレバーアーム端はカウンターウェイトとしっかりと連結されている。
【0012】
上記の高感度集中計量・計量部品管理キャビネットでは、部品管理キャビネットの下に複数のレバーカウンターウェイトユニットが設置され、各レバーの支点が高さによって調節可能なレバーベースの上に固定されている。短いレバーアーム端の作用点は本体底部フレーム外周の鋼板に設置され、レバーの長いレバーアーム端が重りを介して同じカウンターウェイトとしっかりと連結されている。
【0013】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットのレバーのトルク比は10-20:1となっている。
【0014】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットにおいて、制御測定モジュールは、上部コンピュータ、ユーザー認証ユニットおよび下部コンピュータを含み、上部コンピュータは、ユーザー認証ユニットに接続され、下部コンピュータは、計量ユニットと引き出しに設置された電子ロックに接続されている。下部コンピュータは引き出しの開きを制御し、部品の数量データを上部コンピュータにアップロードする。
【0015】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットには、鋼板とロードセルの間に角ワッシャーが設置されている。
【0016】
上記の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットでは、部品管理キャビネットの四隅に複数のロードセルが設置され、ロードセルはビーム型ロードセルであり、ロードセル本体にひずみゲージが貼り付けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、独立した構成のロードセルで単一の部品を計量する従来の部品キャビネットの測定方法を変更し、複数の引き出しで構成され、複数の部品に適した、統一された計量、計測するインテリジェント管理キャビネットを提案する。キャビネットの底部には、1セット(4つの)ロードセルのみが設置されており、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、上部の多層引き出し内の多種類の部品の計量測定を完了し、リアルタイムで引き出し内の部品を計算できる。ただし、同時に一個の引き出ししか開放できない。キャビネット一式には、1セットのみのロードセルが装備されることで、多種類の部品の測定と管理を完了することができ、従来の計量管理システムと比較して、ユニットあたりのハードウェア構成コストが低く、システムの費用対効果が高い。
【0018】
本発明で使用するロードセルは、キャビネット全体の重量を測定する必要がある。その重量には、部品の重量だけでなく、キャビネットの自重も含まれている。構造の強度を満足するため、多くの場合、キャビネットの自重は、有効測定範囲の大部分を占める。一般的に、測定範囲の条件を満たすために、測定範囲の広いロードセルが必要である。しかし、ロードセルの測定範囲が広いほど、最小検出重量が大きくなり、感度が低く、測定精度が低下する。測定精度を確保し、測定範囲の無駄を効果的に低減するために、本発明は、キャビネットの底部に一組の独立した支持機構を追加し、測定している間、キャビネット本体に一定の上向き支持力を発生させ、キャビネットの自重を大幅に低減し、ロードセルの負荷範囲を低減できる同時に、測定精度には影響せず、ロードセルの測定範囲を効果的に縮小することができる。支持機構には、ピストン式支持機構とレバーカウンターウェイト支持機構の2つの構造形態がある。
【0019】
本発明で採用したピストン式支持機構は、構造が簡単で設置が容易であると同時に、ピストンの空圧・液圧を設定し、支持力を調整することができる特徴があり、キャビネットの重量に対応できる。この装置は、部品を出し入れする準静的条件下で、有効に一定の支持力を発揮し、測定精度を保証する。
【0020】
本発明で使用されるレバーカウンターウェイト支持機構は、4つの固定支点、4つのレバーレバーアームおよびカウンターウェイトから構成される。4つのレバーの短いレバーアームの端はキャビネット底部フレーム下部表面で上向きに支え、長いレバーアームの端は重りを介してカウンターウェイトに連結されている。テコの比率を大きくすることで、より小さなカウンターウェイトを使用でき、より大きな一定力の支持力を実現でき、キャビネット自体の重量を相殺する。同時に、複数のレバーが同じカウンターウェイトを共有し、構造が簡単で、キャビネットの範囲に応じてカウンターウェイトを調整するのに便利で、さまざまな仕様の部品のキャビネットに対して一定支持力の条件を満たすことができる。
【0021】
本発明の部品キャビネットは、4つの独立したアジャスターを備えたレバーアーム型ロードセルを採用し、ガススプリングと共に部品キャビネットを支持し、部品の重量変化の検出機能を有する。高精度な測定データ、シンプルな構造、容易な設置、テスト、メンテナンスのしやすさを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の初代積み重ね式部品管理キャビネットの構造概略図である。
図2】本発明の初代積み重ね式部品管理キャビネットの内部構造概略図である。
図3】本発明の制御測定モジュールの構成図である。
図4】本発明の下部コンピュータの構成原理図である。
図5】本発明のロードセルの設置図である。
図6】本発明のロードセルの原理図である。
図7】本発明の支持機構を備えた部品管理キャビネットの原理図である。
図8】ピストン型支持機構を採用した部品管理キャビネットの原理図である。(実施例1)
図9】ピストンユニットの構造図である。(実施例1)
図10】カウントウェイト支持機構および計量ユニットの構造図である。(実施例2)
図11図10の俯瞰図である。
図12図10の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1-3に示すように、同社が発明した初代多層引出し集中計量部品管理キャビネットには、キャビネット本体5、キャビネット底部フレーム3、および制御測定モジュール1が含まれている。キャビネット底部フレーム3の上にキャビネット5を設置し、キャビネット5の中に上下に積み重ねられた部品保管用の引き出し2が複数設けられており、部品は分類され異なる引き出しに設置されている。キャビネット底部フレーム3には1セットのロードセルを設置し、部品管理キャビネット全体の重量をリアルタイムで測定する。部品引き出しは、電子ロックによってキャビネット5に固定されている。ユーザーログインすることで、ユーザー認証ユニットによって引き出しの電子ロック機能で自動的に開く。
【0024】
制御測定モジュール1は、上部コンピュータ、ユーザー認証ユニット、およびいくつかの下部コンピュータを含み、各下部コンピュータは設置されている部品管理キャビネット内に設置されている。上位コンピュータはRS485バスを介して最大63セットの下部コンピュータを接続でき、1台の上部コンピュータは最大63セットの部品キャビネットを管理できる。上部コンピュータはヒューマンコンピューターインタラクションインターフェイスであり、タブレットの使用を推奨する。上部コンピュータは専用制御ソフトウェアを実行する。ソフトウェアのホーム画面には、複数のキャビネットと多層引き出しに保管されている部品の製品名、仕様、在庫数、および在庫不足警告量が表示され、カラーで引き出しの開閉状態が表示される。
【0025】
上位のコンピュータは、COMインターフェイス(またはUSBインターフェイス)を介してユーザー認証ユニットに接続され、ユーザーのID情報を読み取り、検証とログインを実行する。ユーザー認証ユニットは、非接触ICカード認識モジュール、指紋認識モジュール、顔認識モジュール、虹彩認識モジュールの1つまたは複数の組み合わせで構成される。複数の認識方法を採用することによって使いやすく、さまざまな使用環境と習慣に対応する。
【0026】
部品を出し入れするとき、下位コンピュータがキャビネットのボタンの動作を検出し、それに対応した引き出しの電子ロックを解除して、引き出しの開放を完了する。下位コンピュータを計量ユニットに接続して、重量測定と所定部品の引き出しの計量および表示を完了し、結果データを上位コンピュータにアップロードする。部品の出し入れが完了した後、ユーザーは手動で引き出しを直接閉めることができる。
【0027】
図4では、下位コンピュータは主にMCU、RS485トランシーバー、ロック制御回路、計量回路、および制御盤で構成されている。下位コンピュータのMCUは、RS485トランシーバーとRS485バスを介して上位コンピュータの電源ユニットを介してのコマンドとデータを送受信する。ロック制御回路は複数の電子ロックと接続し、引き出しを開放し、その状態を監視する。ロードセル回路モニタにてキャビネットの重量変化を測定し、測定データはリアルタイムでMCUにアップロードされる。制御盤は、キャビネットの番号と部品のリアルタイムの数量情報を表示するために使用される。
【0028】
上位コンピュータは、部品情報の編集とデータ構築、在庫表示、在庫警告、部品アクセス記録の検索、ユーザー管理、ネットワーク共有データなどの機能を備えている。入力インターフェイスを介して部品データベースを作成できる。下位コンピュータによってアップロードされた在庫データが収集され、リアルタイムで表示される。部品アクセスステートメントが自動的に生成され、同時に部品データベースが更新される。ケーブルまたはWi-fiでネットワークに接続され、データ情報を共有し、リモート管理を実現できる。
【0029】
実施方法として、制御測定モジュール1は電源ユニットを含み、それによって、ユーザーログインしたときに、複数の下位のコンピュータシステムに電力を供給する。アクセス操作を完了すると、電源がオフになり、ログオフする。それと同時に非ログイン状態におけるシステムの節電目的を果たす。
【0030】
図5および図6に示すように、計量ユニットには、キャビネット底部フレーム3に設置された4つのロードセル6を含む。4つのロードセル6は、それぞれ2本のボルトでキャビネット底部フレームの四隅に固定される。底部フレームの端部はそれぞれ一本のアジャスター4で地面12に固定される。4本のアジャスターを平らに調節し、4つのロードセル6によって出力された電気信号でキャビネットの重量を計測する。
【0031】
本発明のロードセルは、4線ビーム型ロードセル、2本の励磁電源入力線、2本のひずみ信号出力線を採用している。4つのロードセルによって出力された電気信号は並列に接続され、増幅およびAD変換回路で変換する。AD変換回路を介して収集された重量データに基づいて、部品を出し入れする前後の重量差を計算することができる。単一部品の事前に決めた比重量と比較し、部品の数量変化値を計算できる。この値は、部品を入れた場合は正であり、負の場合は部品を出したことを示す。この値は制御盤にリアルタイムで表示され、引き出しが閉じられると、計算された数値が上位のコンピュータにアップロードされる。
【0032】
図7に示すように、測定精度、および軽量・小型部品に対する分解能を改善するため、支持機構を備えた部品管理キャビネット構造を考案した。図1-6に示す初代の多層引き出し集中型計量部品管理キャビネットの例では、部品は引き出し2に収め、引き出し2はキャビネット5の中に設置され、キャビネット5はキャビネット底部フレーム3上に設置される(ここでは、引き出し2、キャビネット5、およびキャビネット底部フレーム3をまとめてフレームと呼ぶ)。強度を持たすため、部品を収めるフレームの重量は部品の総重量よりも大きくなることがあり、ロードセル6の有効測定範囲が圧迫される場合がある。一般的に、部品の測定範囲を確保するためには、測定範囲の広いロードセルを選択する必要があり、部品キャビネット全体の重量をその範囲内に収めなければならない。同時に、ロードセルはある程度の測定精度と分解能を備え、軽量部品の微量な変化を検知する必要がある。そのため、ロードセルは広範囲かつ高い分解能を同時に満たす必要があり、矛盾が生じる。
【0033】
仮に、部品の重量を50kg、フレームの自重を50kgとすると、100kgの範囲を満たすC3クラスのロードセルを選択する必要がある。ロードセルの精度は全範囲の0.033%である。計量の不確かさは33gとなり、つまり、C3クラスのロードセルを備えた部品キャビネットが検知できる部品重量は33gであり、33g未満の部品については正確に検知またはカウントできない。
【0034】
キャビネットの下方に支持機構が設置されている場合は、40kgの一定の上向き支持力を利用し、キャビネットの自重の大部分を相殺する。ロードセルにかかる最大重量は60kgになるため、60kgの範囲のC3クラスのロードセルに切り替えることができ、計量の不確かさは20gになる。つまり、C3クラスのロードセルを備えた部品キャビネットの検知可能部品重量は20gで、検知の精度が向上する。
【0035】
上記のフレームの重量を相殺または低減するため、支持機構20は、一定の支持力を必要とする。すなわち、部品キャビネット内の部品の重量が変化しても、部品キャビネットの支持力は一定である。装置の安定性を確保するために、支持力は一般的に空の部品キャビネットの重量よりも小さくする必要があり、その差は約10kgに維持される。
【実施例1】
【0036】
図8および図9は実施例1にてピストン型支持機構を採用した部品管理キャビネットの構造図である。図8では、4つのロードセル6がキャビネット底部フレーム3の下に設置され、各ロードセル6はアジャスター4によって地面に支えられている。キャビネット底部フレーム3の両側の中央位置に一つのピストン式ガススプリングを設け、キャビネット本体を一定の力で支えることができる。
【0037】
ピストンユニットは、シリンダ31、シリンダ31内で上下にスライドできるロッド32、およびシール38を含む。ロッド32の上端部33は階段状構造であり、上端は厚く、中央は薄い;ロッド32の上端部33およびシリンダ31の上部カバーは、上部チャンバー34を構成する。ロッド32の中間部位外層およびシリンダ31のシリンダ本体にて中部チャンバー35を形成し、ロッド32の上端部33には、上部チャンバー34と中間チャンバー35を接続するいくつかのオリフィス36が設けられ、上部チャンバー34と中間チャンバー35内は気体または気液混合の圧力媒体で充満している。ロッド32が移動するとき、圧力媒体は2つの空のチャンバー内を流れることができる。
【0038】
シリンダ31の上端には、チェックバルブ37が設けられている。上部チャンバー34を設定圧力の気体または気液混合体で充填した後、チェックバルブ37は直ちにシールドされる。シリンダ31およびロッド32の間にはシール38が設けられ、シリンダ31内の圧力媒体の可動シーリングを実現する。圧力充填後、ロッド32は押し出され、密閉されたシリンダ31の特定の位置に留まり、その外に対する推力は一定である。使用とき、シリンダ31の上部は、キャビネット底部フレーム3の上端で支えられ、ロッド32の下端は、地面に支えられる。
【0039】
上記のピストンの一定の力で支える原理を説明するために、以下の説明をする。
【0040】
シリンダ31に気液が流入後、ロッド32全体がシリンダから伸び出ると仮定すると、このとき、シリンダ内の気液体積をC、圧力をP、ロッドの断面積をAとすると、ロッドの推力はF = APとなる。
【0041】
ロッドが密閉されたシリンダに距離sだけ押し込まれると仮定すると、ロッドの推力は次のようになる。
【0042】
【数1】
【0043】
上記の数式の導関数を求めると、推力の変化率は次のようになる。
【0044】
【数2】
【0045】
P = 1MPa、s = 50mm、ロッド径10mm、シリンダ長さ200mm、内径18mmの場合、つまり
【0046】
A=78.54mm2,C=5.089x104mm3。数式により、推力変化率は次のようになる。
【0047】
【数3】
【0048】
部品計量工程は準静的状態であり、ピストンは基本的に伸び縮みしない。部品を正常に出し入れする際に、ロードセルの変形量とキャビネット本体の変形量の合計は、0.1mmを超えない。よって、推力変化は0.0142N、約1.4gを超えないと考えられる。このように推力の変化はわずかであるため、支持力は一定と考えることができ、測定に影響を与えることはないと考えられる。
【実施例2】
【0049】
図10?12は、実施例2の支持機構20がレバーカウンターウェイトユニットである場合の動作原理を示し、4つの固定支点、4つのレバーレバーアームおよび一つのカウンターウェイトマウントで構成されている。4つのレバーの短いレバーアームの端はキャビネット底面で上向きに支えられ、長いレバーアームの端はカウンターウェイトにしっかりと接続されている。カウンターウェイトの重量は、4つのレバーの短いレバーアームの端で一定の上向きの支持力に変換され、キャビネットの重量の大部分を相殺する。部品を出し入れするとき、カウンターウェイトの重量は変わらないため、テコによるキャビネットの底部フレームへの支持力は一定である。
【0050】
図10において、レバー41は、支点42、短いレバーアーム端43、および長いレバーアーム端44を含む。レバー41の支点42は、高さ調節可能なレバーベース46上に設置され、短いレバーアーム端43がキャビネット底部フレーム3に対して鋼板7の下で支え、上向きの力がキャビネット底部フレーム3に加えられ、レバー41の長いレバーアーム端44は、カウンターウェイト45としっかり接続されている。
【0051】
図11に示すように、さらなる実施例として、短いレバーアーム端43の作用点は、キャビネット底部フレーム3の外周の鋼板7上に設定され、レバー41の長いレバーアーム端44が2つの重り47を介してカウンターウェイト45としっかり接続される。レバー41の断面は長方形で、湾曲モーメントを大きくした。カウントウェイト45は、キャビネット底部フレーム3の中央に設置され、カウントウェイトの中央にはセンターネジ48が設けられ、カウントウェイト45はセンターネジ48に固定されている。2つの重り47は中空構造で、センターねじ48上で貫通し、上重りの底部および下重りの上部にそれに対応した溝が設けられ、4つのレバー41の長いレバーアーム端部44は、それぞれ4つの角度から溝に圧着され、カウンターウェイト45としっかりと接続される。
【0052】
カウンターウェイト45は、さまざまなカウンターウェイトの要件に応じて簡単に交換できる。さらに、レバー41のトルク比は10?20:1とした。このように、小さなカウンターウェイトで大きいカウンターウェイトを実現でき、フレーム全体の重量をほぼ相殺できる。また、部品サンプリングとき一定の力で全体をサポートできる。同時に、各レバー41の支点42が高さ調整可能なレバーベース46に固定されることで、部品キャビネットアジャスター4の高さに適応しやすい。
【0053】
さらなる実施例として、4つのレバーベース46は、同一フレームを備えた底板上に設置することができ、安定した支えを実現し、設置しやすい。
【0054】
部品管理キャビネットの主な機能と操作手順を以下に詳しく説明する。
【0055】
1. ユーザー認証と電子帳簿管理。
【0056】
デバイスの上位コンピュータを起動して、システムユーザーインターフェースに入る。ユーザー認証ユニットは、最初にユーザーのIDを認識し、部品を出し入れする操作権限を確認する。そして、その後の部品を出し入れする履歴を記録し、保存する。
【0057】
2、部品リストの作成
【0058】
ユーザーインターフェースで、入荷部品のサイズに応じて適切な部品引き出しを割り当て、部品名、仕様、単位、補充リマインダー数量、備考などの情報を入力する。
【0059】
3、部品評定
【0060】
ユーザーインターフェースの部品仕様に対応するボタンを押すと、対応する部品引き出しが初期設定モードに入り、空の引き出しの重量を測定し、保存する。ユーザーインターフェースで入庫予定の部品数量を入力、確認し、引き出しが自動的に開く。この数量の部品を引き出しに入れた後、引き出しを閉じると、初期設定が完了する。
【0061】
4、部品の入出庫
【0062】
キャビネットの緑色のボタンを押すと、対応する部品の引き出しが自動的に開放し、モニタに既存の部品の数量がすぐに表示され、部品を直接に出し入れできる。部品を取り出すたびに、モニタ上の部品の数が1つ減少する。部品を入れると、モニタ上の部品の数が1つ増加する。手動で部品の引き出しを閉じると、入出庫操作が完了する。
【0063】
5、在庫確認とリモートデータ管理
【0064】
ユーザーは、ユーザーインターフェースのリストからキャビネット内の既存の部品の数量を簡単に照会でき、同時にローカルエリアネットワークを介して部品リストを共有し、容易にリモートでデータの収集と分析が可能である。
【0065】
6、在庫不足アラーム
【0066】
引き出し内の部品数量が事前に設定された量より少ない場合、ユーザーインターフェースはこの仕様部品の補充メッセージを表示する。
【0067】
本発明は、複数の高感度集中計量・計数用の部品管理キャビネットに基づくインテリジェント部品管理システムまたはインテリジェント部品管理倉庫を形成し、大規模生産ラインにおける複数部品の自動化管理、在庫不足アラーム、在庫統計、および自動帳簿記載などの機能を有し、倉庫内での無人化を実現し、サーバー端末の総括・データ管理を一元化し、部品の現代的、かつ洗練された管理を実現できる。
【符号の説明】
【0068】
1 制御測定モジュール
2 引き出し
3 キャビネット底部フレーム
4 アジャスター
5 キャビネット本体
6 ロードセル
7 鋼板
8 ボルト
9 角ワッシャー
10 可動端
11 固定端
12 地面
15 ケーブル出力端
20 支持機構
31 シリンダ
32 ロッド
33 上端
34 上部チャンバー
35 中間チャンバー
36 オリフィス
37 チェックバルブ
38 シール
39 ピストンベース
41 レバー
42 支点
43 短いレバーアーム
44 長いレバーアーム
45 カウンターウェイト
46 レバーベース
47 重り
48 センタースクリュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】