(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】描写および分類のための心電図処理システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/346 20210101AFI20220419BHJP
【FI】
A61B5/346
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544789
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(85)【翻訳文提出日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 IB2020050850
(87)【国際公開番号】W WO2020161605
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520060450
【氏名又は名称】カーディオログス テクノロジーズ エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジア
(72)【発明者】
【氏名】ポーミア, ロマン
(72)【発明者】
【氏名】スカベローネ, キアラ
(72)【発明者】
【氏名】ゴドフロア, シリル
(72)【発明者】
【氏名】バール, バンジャマン
(72)【発明者】
【氏名】フォンタナラヴァ, ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ガルデラ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ソルネ, マチウ
(72)【発明者】
【氏名】ボルディエ, トマ
(72)【発明者】
【氏名】プリオール, カレン
(72)【発明者】
【氏名】ド サン ビクトル, マリー-アルバーヌ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG01
4C127GG02
4C127GG10
4C127GG16
(57)【要約】
システムおよび方法が、相当量のECGデータを使用して、患者の心電図(ECG)データを分析するために提供される。本システムは、1つ以上のECG導線等の患者上に位置付けられる感知デバイスからECGデータを受信する。本システムは、心臓信号の描写ならびに種々の異常、条件、および/または記述子の分類のためのニューラルネットワークを使用して、ECGデータを処理および分析する、サーバ上で起動するECGプラットフォームと通信する、アプリケーションを含み得る。ECGプラットフォームはさらに、埋め込みおよび群化のためのニューラルネットワークおよび/またはアルゴリズムを使用して、ECGデータを処理および分析し得る。処理されたECGデータは、向上した正確度で、ユーザにとって使いやすい双方向様式において表示するために、サーバからコンピュータに通信されるグラフィックユーザインターフェースを発生させるために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の心電図(ECG)データを分析するためのコンピュータ化システムであって、前記ECGデータは、複数の時点を横断して1つ以上の電極によって発生され、複数の脈拍を含み、前記コンピュータ化システムは、
描写アルゴリズムを使用して、前記ECGデータを分析し、前記複数の時点における少なくとも1つの波の存在の可能性に対応する波情報を発生させることと、
少なくとも1つの波が存在し、複数の脈拍発現および脈拍消失を発生させることが判定される、前記複数の脈拍のうちの脈拍に関して、脈拍発現情報および脈拍消失情報を判定することと、
前記複数の脈拍発現および脈拍消失に基づいて、ECGデータの複数の脈拍部分を抽出することであって、前記ECGデータの複数の脈拍部分のうちの各脈拍部分は、前記複数の脈拍のうちの脈拍に対応する、ことと、
前記ECGデータの複数の脈拍部分に基づいて、前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定することであって、前記少なくとも2つの脈拍は、クラスタを形成する、ことと
を行うように構成される、コンピュータ化システム。
【請求項2】
前記コンピュータ化システムはさらに、
埋め込みアルゴリズムを使用して、前記ECGデータの複数の部分を分析し、前記複数の脈拍を表す埋め込みデータを発生させることと、
群化アルゴリズムを使用して、前記埋め込みデータを分析し、群データを発生させることと
を行うように構成され、
前記複数の脈拍のうちの前記少なくとも2つの脈拍は、前記群データに基づいて、ともに群化されることが判定される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項3】
群データは、2つの脈拍の間の距離に対応する、請求項2に記載のコンピュータ化システム。
【請求項4】
前記描写アルゴリズムは、第1のニューラルネットワークを利用し、前記埋め込みアルゴリズムは、第2のニューラルネットワークを利用する、請求項2に記載のコンピュータ化システム。
【請求項5】
前記群化アルゴリズムは、第3のニューラルネットワークを利用する、請求項4に記載のコンピュータ化システム。
【請求項6】
前記コンピュータ化システムはさらに、前記ECGデータに対応する不正確度に関して入力デバイスからユーザ入力データを受信するように構成される、請求項2に記載のコンピュータ化システム。
【請求項7】
前記コンピュータ化システムはさらに、前記ユーザ入力データに基づいて、前記描写アルゴリズム、埋め込みアルゴリズム、または群化アルゴリズムのうちの1つ以上を調節するように構成される、請求項6に記載のコンピュータ化システム。
【請求項8】
前記コンピュータ化システムはさらに、前記ユーザ入力データに基づいて、表示されたデータを修正するように構成される、請求項7に記載のコンピュータ化システム。
【請求項9】
前記ユーザ入力データは、1つ以上のQRSクラスタ、PVCクラスタ、またはPACクラスタを追加、削除、または分割することに対応する、請求項8に記載のコンピュータ化システム。
【請求項10】
前記埋め込みデータは、前記複数の脈拍のうちの脈拍毎にデータのベクトルを含む、請求項7に記載のコンピュータ化システム。
【請求項11】
前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定することはさらに、前記群データが閾値を満たすことを判定することを含む、請求項2に記載のコンピュータ化システム。
【請求項12】
前記コンピュータ化システムはさらに、グラフィックユーザインターフェース上に表示するために、前記クラスタを示す情報をコンピュータに伝送するように構成される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項13】
前記コンピュータ化システムはさらに、情報を発生させ、相互にわたってオーバーレイされる前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍を含む、少なくとも1つのオーバーレイを表示するように構成される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項14】
前記コンピュータ化システムはさらに、分類アルゴリズムを使用して、前記クラスタ内の前記脈拍を分析し、前記患者に関する心臓事象と関連付けられる、1つ以上の異常、条件、または記述子の存在の可能性を判定するように構成される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項15】
前記コンピュータ化システムはさらに、分類アルゴリズムを使用して、前記描写アルゴリズムからの前記波情報を分析し、前記患者に関する心臓事象と関連付けられる、1つ以上の異常、条件、または記述子の存在の可能性を判定するように構成される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項16】
前記波情報は、前記分類アルゴリズムに入力され、前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定するために別個に使用される、請求項15に記載のコンピュータ化システム。
【請求項17】
前記コンピュータ化システムはさらに、前記描写アルゴリズムを使用して、前記ECGデータを分析することに先立って、前記ECGデータを前処理し、前記ECGデータから雑音を除去するように構成される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項18】
前記コンピュータ化システムはさらに、精査のために、前記ECGデータおよび前記ECGデータに基づく情報をユーザアカウントに割り当てるように構成される、請求項1に記載のコンピュータ化システム。
【請求項19】
前記コンピュータ化システムはさらに、前記精査に基づいて、前記ユーザアカウントから、前記ECGデータおよび前記ECGデータに基づく情報に関するユーザ入力データを受信するように構成される、請求項18に記載のコンピュータ化システム。
【請求項20】
患者の心電図(ECG)データを分析するための方法であって、前記ECGデータは、複数の時点を横断して1つ以上の電極によって発生され、複数の脈拍を含み、前記方法は、
描写アルゴリズムを使用して、前記ECGデータを分析し、前記複数の時点における少なくとも1つの波の存在の可能性に対応する波情報を発生させることと、
少なくとも1つの波が存在し、複数の脈拍発現および脈拍消失を発生させることが判定される、前記複数の脈拍のうちの脈拍に関して、脈拍発現情報および脈拍消失情報を判定することと、
前記複数の脈拍発現および脈拍消失に基づいて、ECGデータの複数の脈拍部分を抽出することであって、前記ECGデータの複数の脈拍部分のうちの各脈拍部分は、前記複数の脈拍のうちの脈拍に対応する、ことと、
前記ECGデータの複数の脈拍部分に基づいて、前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定することであって、前記少なくとも2つの脈拍は、クラスタを形成する、ことと
を含む、方法。
【請求項21】
埋め込みアルゴリズムを使用して、前記ECGデータの複数の部分を分析し、前記複数の脈拍を表す埋め込みデータを発生させることと、
群化アルゴリズムを使用して、前記埋め込みデータを分析し、群データを発生させることと
をさらに含み、
前記複数の脈拍のうちの前記少なくとも2つの脈拍は、前記群データに基づいて、ともに群化されることが判定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ECGデータの精査のために、前記ECGデータおよび前記ECGデータに基づく情報をユーザアカウントに割り当てることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
1人以上の精査者による品質精査のために、前記ECGデータおよび前記ECGデータに基づく情報を提出することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記1人以上の精査者によって発生される、品質制御入力を受信することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
付加的品質制御精査のために、前記品質制御入力の表示を引き起こすことをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ECGデータに対応する不正確度に関して入力デバイスからユーザ入力データを受信することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記ユーザ入力データに基づいて、前記描写アルゴリズム、埋め込みアルゴリズム、または群化アルゴリズムのうちの1つ以上を調節することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
患者の心電図(ECG)データを分析するためのシステムであって、前記システムは、
実行されると、複数の時点にわたって前記患者のECGデータを取得するように構成される、第1の複数の命令であって、前記ECGデータは、1秒あたり少なくとも20個のサンプルのレートでサンプリングされ、前記第1の複数の命令はさらに、実行されると、少なくとも1つのサーバへの前記ECGデータの伝送を引き起こすように構成される、第1の複数の命令と、
実行されると、前記少なくとも1つのサーバに、
前記患者の前記ECGデータを受信することと、
異なる患者からの複数のECGデータセットから訓練される、少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、前記患者の前記ECGデータを分析することと、
前記ECGデータの分析に基づいて、1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在の可能性を定量化することと、
表示するために、前記少なくとも1つのサーバからコンピュータに、前記1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在に対応する情報を伝送することと
を行わせるように構成される、第2の複数の命令と、
前記コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、前記少なくとも1つのサーバからの前記伝送された情報に基づいて、前記1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在に対応する情報を表示させるように構成される、第3の複数の命令と
を備える、システム。
【請求項29】
前記第2の複数の命令はさらに、実行されると、前記少なくとも1つのサーバに前記ECGデータを前処理させるように構成され、これは、前記ECGデータから雑音を除去すること、または事前判定された基準周波数において前記ECGデータを表すことのうちの少なくとも1つを伴う、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記第2の複数の命令は、実行されると、描写のために前記ECGデータを第1のニューラルネットワークに適用する少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、前記患者の前記ECGデータを分析するように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記ECGデータを第1のニューラルネットワークに適用する少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、前記患者の前記ECGデータを分析することは、波情報を発生させる、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記第2の複数の命令はさらに、実行されると、1つ以上のクラスタ化アルゴリズムを使用して、前記波情報を分析し、前記波情報に対応する1つ以上のクラスタを識別するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記1つ以上のクラスタは、心室性期外収縮(PVC)クラスタまたは心房性期外収縮(PAC)クラスタのうちの1つ以上を含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第2の複数の命令は、実行されると、前記複数の時点のそれぞれにおけるP波、QRS群、またはT波のうちの少なくとも1つの存在の可能性を定量化する、請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記第2の複数の命令はさらに、実行されると、前記P波、QRS群、またはT波のうちの少なくとも1つに関して、少なくとも1つの発現および少なくとも1つの消失を計算するように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記第2の複数の命令はさらに、実行されると、前記第1のニューラルネットワークの発現、消失、または出力のうちの1つ以上から少なくとも1つの測定値を計算するように構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記第2の複数の命令は、実行されると、分類のために前記ECGデータを第2のニューラルネットワークに適用する少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、前記患者の前記ECGデータを分析するように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項38】
前記第2の複数の命令は、実行されると、前記1つ以上の異常、条件、または記述子の存在の可能性を定量化する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記第2の複数の命令はさらに、実行されると、閾値を前記第2のニューラルネットワークの出力の中の少なくとも1つの値に適用し、前記値が閾値を超える場合、前記1つ以上の異常、条件、または記述子に対応する、少なくとも1つの標識を割り当てるように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第2の複数の命令はさらに、実行されると、冗長標識を除去することによって、前記ECGデータを後処理するように構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記第3の複数の命令を実行する前記コンピュータは、前記第1の複数の命令を実行するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
実行されると、前記少なくとも1つのサーバに、前記1つ以上の異常、条件、または記述子の存在に対応する、少なくとも前記伝送された情報を含む、報告を発生させるように構成される、第4の複数の命令をさらに備える、請求項38に記載のシステム。
【請求項43】
実行されると、前記ECGデータに関連するユーザ入力を受信することと、前記少なくとも1つのサーバが、前記ユーザ入力を使用し、前記報告を発生させるように、前記コンピュータに、前記ユーザ入力を前記少なくとも1つのサーバに伝送させることとを行うように構成される、第5の複数の命令をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記報告は、時間の関数として前記患者の心拍数の密度を表す、少なくとも1つの心拍数密度プロットを含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
前記第3の複数の命令はさらに、前記コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、時間の関数として前記患者の心拍数の密度を表す、少なくとも1つの心拍数密度プロットを表示させるように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項46】
前記異なる患者からの前記複数のECGデータセットのうちの各セットは、前記ECGデータを取得するために使用された前記レートと等しいサンプリングレートで発生された、請求項38に記載のシステム。
【請求項47】
前記第2の複数の命令はさらに、前記ECGデータの中の複数の脈拍に対応する、複数の波情報を発生させるように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項48】
前記第2の複数の命令はさらに、前記少なくとも1つのサーバに、埋め込みアルゴリズムを使用して前記複数の波情報を分析させ、前記複数の脈拍のうちの2つ以上の脈拍の比較に対応する、複数の埋め込みデータを発生させるように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記複数の波情報のうちの各波情報は、ベクトルである、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記複数の埋め込みデータのうちの各埋め込みデータは、ベクトルである、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記埋め込みアルゴリズムは、複数のECGデータセットから訓練される、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
前記第2の複数の命令はさらに、群データを発生させるように、前記複数の埋め込みデータを群化アルゴリズムによって分析させ、前記群データは、前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍に合致する、請求項48に記載のシステム。
【請求項53】
前記第2の複数の命令はさらに、前記群データに基づいて、グラフィックユーザインターフェースを発生させるように構成される、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記第2の複数の命令はさらに、前記少なくとも1つのサーバに、前記グラフィックユーザインターフェースを前記コンピュータに伝送させる、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記グラフィックユーザインターフェースは、相互にわたってオーバーレイされる前記ECGデータの中の前記複数の脈拍のうちの少なくとも2つを含む、少なくとも1つの脈拍オーバーレイを備える、請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
患者の心電図(ECG)データを分析するためのシステムであって、前記システムは、少なくとも1つのサーバ上に記憶された命令を備え、前記命令は、実行されると、前記少なくとも1つのサーバに、
複数の時点にわたって前記患者のECGデータのセットを受信することであって、前記ECGデータのセットは、1秒あたり少なくとも20個のサンプルのレートでサンプリングされる、ことと、
異なる患者から1秒あたり少なくとも20個のサンプルのサンプリングレートで発生される、ECGデータの複数のセットを使用して訓練される少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、前記患者のECGデータのセットを分析することと、
前記複数の時点のうちの各時点において、前記ECGデータのセットの前記分析に基づいて、1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在の可能性を定量化することと、
表示するために、前記1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在の前記可能性に対応する情報をコンピュータに伝送することと
を行わせるように構成される、システム。
【請求項57】
患者の心電図(ECG)データを分析するためのコンピュータ化方法であって、前記方法は、
複数の時点にわたって前記患者のECGデータのセットを受信することであって、前記ECGデータのセットは、サンプルレートでサンプリングされる、ことと、
ECGデータの複数のセットを使用して訓練される少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、前記患者のECGデータのセットを分析することであって、前記ECGデータの複数のセットの中の各セットは、異なる患者から前記サンプルレートで発生される、ことと、
各時点において、前記ECGデータのセットの前記分析に基づいて、1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせを識別することと、
表示するために、前記1つ以上の異常、条件、または記述子、またはそれらの任意の組み合わせを含む、情報をコンピュータに伝送することと
を含む、方法。
【請求項58】
前記患者のECGデータのセットを分析することは、前記ECGデータのセットからデータを破棄することなく、サンプリングされたECGデータのセット全体を分析することを含む、請求項57に記載のコンピュータ化方法。
【請求項59】
前記サンプルレートは、1秒あたり少なくとも20個のサンプルである、請求項57に記載のコンピュータ化方法。
【請求項60】
前記ECGデータの精査のために、前記ECGデータのセットおよび前記ECGデータのセットに基づく情報をユーザアカウントに割り当てることをさらに含む、請求項57に記載のコンピュータ化方法。
【請求項61】
1人以上の精査者による品質精査のために、前記ECGデータのセットおよび前記ECGデータのセットに基づく情報を提出することをさらに含む、請求項57に記載のコンピュータ化方法。
【請求項62】
前記1人以上の精査者によって発生される、品質制御入力を受信することをさらに含む、請求項61に記載のコンピュータ化方法。
【請求項63】
付加的品質制御精査のために、前記品質制御入力の表示を引き起こすことをさらに含む、請求項62に記載のコンピュータ化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年2月4日に出願され、米国特許出願公開第2019/0167143号として公開された、米国特許出願第16/267,380号の優先権を主張する。本願はまた、それぞれの内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2015年10月27日に出願され、米国特許出願公開第2017/0112401号として公開され、現在は米国特許第10,426,364号である、米国特許出願第14/924,239号、および2015年10月27日に出願された欧州出願第15191769.7号の優先権を主張する、第WO2017/072250号として公開された、第PCT/EP16/075972号の国内段階である、2018年4月27日に出願され、米国特許出願公開第2019/0223739号として公開された、米国特許出願第15/771,807号に関連する。本願はまた、それぞれの内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年8月25日に出願された米国仮出願第62/549,994号の優先権を主張する、2018年8月24日に出願され、第WO2019/038435号として公開された、第PCT/EP2018/072912号に関連する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、心電図(ECG)処理システム、例えば、人工知能を伴い、描写、分類、埋め込み、および群化機械学習機能性を有し、大量のECG関連データの可視化を促進する、ECGシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
心電図(ECG)は、心臓から、コンピューティングデバイスによってデジタル化および記録され得る電気心臓信号を受信する。ECGは、典型的には、患者上の具体的面積内に設置される、いくつかの電極によって感知される、心臓信号から発生される。これは、ほぼあらゆる医療従事者によって使用され得る、単純な非侵襲性ツールである。
【0004】
心臓信号は、1つまたは複数の同期化された時間信号から成る。
図1Aは、標準12誘導安静時ECGの記録を図示する。
図1Aに示されるように、各導線は、電気信号を発生させ、12個の電気信号をもたらす。
図1Aに図示されるECGは、12個の記録をもたらす、12本の導線を伴うが、いくつかのECGは、より少ない記録をもたらす、より少ない導線を伴い得る。
図1Aに示されるように、心臓信号は、通常、P波と、QRS群と、T波とを含む、繰り返しパターンを表示する。名前が示唆するように、QRS群は、Q波と、R波と、S波とを含む。例示的P波、QRS群、およびT波は、1つのR-R間隔を示す、1つの導線信号内の2~3つの脈拍に焦点を当てる、
図1Bに図示される。
【0005】
診断を行うために、訓練を受けた医療従事者が、ECG記録を分析し、任意の異常および/または発作を識別し得る。約150個の測定可能な異常が、現在、ECG記録上で識別され得ることが推定される。しかしながら、具体的専門知識および/または訓練が、ECGから異常を識別するために要求される。ECG分析は、適切な専門知識を有する医療従事者の費用を負担し得、そうでなければこれらの医療従事者へのアクセスを有する、それらの患者のみに利用可能である。
【0006】
遠隔心臓病学センターが、そうでなければこれらの訓練を受けた医療従事者へのアクセスを有し得ない患者にECG分析を提供するために開発されてきた。典型的には、ECG記録が、非専門家によって現場から離れて発生され、心臓専門医による、または専門ECG技術者による分析のために、遠隔心臓病学センターに送信される。結果は、概して、高品質であるが、プロセスは、遅く、高価であり得る。
【0007】
ソフトウェアシステムもまた、訓練を受けた専門家による分析の代替として、開発されてきた。現在のソフトウェアシステムは、多くの場合、誤検出をもたらす、低品質の解釈を提供する。現在、これらの解釈システムは、心臓信号についての2つのタイプの情報、すなわち、(1)描写と称される、波毎の時間的場所情報、および(2)分類と称される、心臓信号の分類を提供する、またはその異常を標識する、大域的情報を発生させ得る。
【0008】
描写に関して、2つの主要なアプローチが、心臓信号の波を見出すために使用される。第1のアプローチは、マルチスケールウェーブレット分析に基づく。本アプローチは、規定スケールにおいて所定の閾値に到達する、ウェーブレット係数を探す。(Martinez et al., A wavelet-based ECG delineator: evaluation on standard databases, IEEE transactions on biomedical engineering, Vol. 51, No. 4., April 2004, pp. 570-58、Almeida et al., IEEE transactions on biomedical engineering, Vol. 56, No. 8, August 2009, pp 1996-2005、Boichat et al., Proceedings of Wearable and Implantable Body Sensor Networks, 2009, pp. 256-261、Zoicas et al.に対する米国特許第8,903,479号参照)。通常のプロセスは、QRS群、次いで、P波、最後に、T波を識別することを伴う。本アプローチは、閾値の使用によって不安定にされ、複数のP波および「隠れた」P波を識別することができない。
【0009】
第2の描写アプローチは、隠れマルコフモデル(HMM)に基づく。本機械学習アプローチは、信号の現在の状態を、取り出すことが所望される隠れた変数として扱う(Coast et al., IEEE transactions on biomedical engineering, Vol. 37, No. 9, September 1990, pp 826-836、Hughes et al., Proceedings of Neural Information Processing Systems, 2004, pp 611-618、Trassenko et al.に対する米国特許第8,332,017号)。本アプローチは、上記に説明される第1の描写アプローチへの改良であるが、信号の表現が、手作りの「特徴」を使用して設計されなければならず、数学モデルが、これらの特徴に基づいて、波毎に適合されなければならない。十分な数の実施例に基づいて、アルゴリズムは、各波を認識することを習得し得る。しかしながら、本プロセスは、手作りの特徴へのその依存性に起因して、煩雑かつ不正確であり得る。具体的には、手作りされた特徴は、それらが習得されておらず、特徴を手作りするプロセスが重要情報を無視または排除している場合があるため、常に、準最適であろう。さらに、モデル、通常、ガウスは、うまく適合していない。また、現在のモデルは、隠れたP波を考慮することができない。
【0010】
分類に関して、現在のシステムでは、分析は、QRS群のみに実施される。例えば、QRS群の分析は、心室またはペース調整された脈拍を検出し得る。訓練は、特徴の手作りのセットおよび対応する脈拍標識を伴う(Chazal et al., IEEE Transactions on Biomedical Engineering, 2004, vol. 51, pp. 1196-1206)。上記に解析されるように、手作りされた特徴は、それらが習得されておらず、特徴を手作りするプロセスが重要情報を無視または排除している場合があるため、常に、準最適であろう。
【0011】
上記の問題を解決するために、近年の研究(Kiranyaz et al., IEEE Transactions on Biomedical Engineering, 2016, Vol. 63, pp 664-675)は、集約的に研究され、撮像の分野内で大きな結果を得ている、ニューラルネットワークと呼ばれる新規のアーキテクチャに目を向けてきた(Russakovsky et al., arXiv: 1409.0575v3, 30 January 2015)。ニューラルネットワークは、未加工または軽微に前処理されたデータから習得し、したがって、手作りの特徴の必要性を迂回する。ニューラルネットワークの適用は、上記に説明される描写および分類アプローチへの改良であるが、現在のシステムは、ある欠点を有する。例えば、現在のニューラルネットワークは、QRS特性評価のためのみに開発された。さらに、現在のニューラルネットワークは、周辺の脈拍からコンテキスト情報を捕捉することができない、脈拍毎の様式で情報を処理する。
【0012】
異常および/または心臓血管疾患検出を識別することに関して、殆どのアルゴリズムは、描写を使用して算出される時間的および形態学的インジケータ(例えば、PR間隔、RR間隔、QT間隔、QRS幅、STセグメントのレベル、T波の傾斜)に基づく、ルールを使用する。多くの場合、アルゴリズムは、心臓専門医によって設計される。(Prineas et al., The Minnesota Code Manual of Electrocardiographic Findings, Springer, ISBN 978-1-84882-777-6, 2009)。しかしながら、現在のアルゴリズムは、心臓専門医がECGを分析する方法を反映せず、粗雑な単純化である。例えば、グラスゴー大学アルゴリズムは、心臓専門医がECGを分析する方法を反映しない。(Statement of Validation and Accuracy for the Glasgow 12-Lead ECG Analysis Program, Physio Control, 2009.)
【0013】
学習アルゴリズムを使用する、より進歩した方法もまた、開発されてきた。Shen et al., Biomedical Engineering and Informatics (BMEI), 2010. vol. 3, pp. 960-964では、例えば、著者は、サポートベクトルマシンを使用し、脚ブロックを検出した。しかしながら、これらの方法では、もう一度、不変および安定性質を留保する様式で未加工データを表すことが必要である。
【0014】
より複雑なニューラルネットワークアーキテクチャが開発されてきたが、それらがECGに適用されたときに、限界が生じた。1つのチーム(Jin and Dong, Science China Press, Vol. 45, No 3, 2015, pp 398-416、CN104970789)は、完全ECG上の2項分類を提案し、故に、任意の分析されたECGのための唯一の分類を提供した。提案されたアーキテクチャは、導線を完全に接続された層の中に混合する前に、それらを独立して処理する、畳み込み層を使用した。著者らはまた、2項分析とは対照的に、いくつかのクラスの中で1つのクラスを取り出すことを目指した、マルチクラス分析も述べている。しかしながら、彼らは、複数の標識(例えば、異常)が心臓信号に割り当てられる、多標識分類を考慮しなかった。
【0015】
以前から公知のシステムおよび方法の前述の限界に照らして、ECGデータを正確かつ効率的に処理し、容易に理解可能である方法で本情報を提示することが望ましいであろう。例えば、特徴抽出を要求しない様式でECG信号の描写および分類を取得し、隠れたP波を識別し、複数の脈拍にわたってECG信号を分析し、心臓信号のための多標識分類を達成することが、望ましくあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第8,903,479号公報
【特許文献2】米国特許第8,332,017号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
(発明の要約)
本明細書で提供されるものは、向上した正確度および効率で、機械学習アルゴリズムならびに医療グレード人工知能を使用して、ECGデータを分析するためのシステムおよび方法である。具体的には、システムおよび方法が、人工知能および相当量のECGデータを使用して、患者の心電図(ECG)データを分析するために提供される。本システムは、1つ以上のECG導線等の患者上に位置付けられる感知デバイスからECGデータを受信する。本システムは、例えば、心臓信号の描写ならびに種々の異常、条件、および/または記述子の分類のためのニューラルネットワークを使用して、ECGデータを処理および分析する、サーバ上で起動するECGプラットフォームと通信する、アプリケーションを含んでもよい。ECGプラットフォームは、クラウド内のECGデータを処理および分析する、クラウドベースのECGプラットフォームであってもよい。処理されたECGデータは、向上した正確度で、ユーザにとって使いやすい双方向様式において表示するために、サーバから通信される。ともに、ECGアプリケーションおよびECGプラットフォームは、ECG処理システムを実装し、ECGデータを受信し、ECGデータを処理および分析し、システムデバイス上にECGデータを表示し、ECGデータを有する報告を発生させる。
【0018】
コンピュータ化システムが、複数の時点を横断して1つ以上の電極によって発生され、複数の脈拍を含む、患者のECGデータを分析するために本明細書で提供される。コンピュータ化システムは、描写アルゴリズムを使用して、ECGデータを分析し、複数の時点における少なくとも1つの波の存在の可能性に対応する波情報を発生させるように、さらに、少なくとも1つの波が存在し、複数の脈拍発現および脈拍消失を発生させることが判定される、複数の脈拍のうちの脈拍に関して、脈拍発現情報および脈拍消失情報を判定するように設計されてもよい。コンピュータ化システムはさらに、複数の脈拍発現および脈拍消失に基づいて、ECGデータの複数の脈拍部分を抽出し、ECGデータの複数の脈拍部分のうちの各脈拍部分は、複数の脈拍のうちの脈拍に対応し、ECGデータの複数の脈拍部分に基づいて、複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定するように設計されてもよく、少なくとも2つの脈拍は、クラスタを形成する。複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定することは、群データが閾値を満たすことを判定することを伴ってもよい。
【0019】
コンピュータ化システムはさらに、埋め込みアルゴリズムを使用して、ECGデータの複数の部分を分析し、複数の脈拍を表す埋め込みデータを発生させ、群化アルゴリズムを使用して、埋め込みデータを分析し、群データを発生させるように設計されてもよい。複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍は、群データに基づいて、ともに群化されることが判定されてもよい。群データは、2つの脈拍の間の距離に対応し得る。描写アルゴリズムは、第1のニューラルネットワークを利用してもよく、埋め込みアルゴリズムは、第2のニューラルネットワークを利用してもよい。群化アルゴリズムは、第3のニューラルネットワークを利用してもよい。コンピュータ化システムはさらに、ECGデータに関連する表示されたデータに対応する不正確度に関して、入力デバイスからユーザ入力データを受信するように設計されてもよい。コンピュータ化システムはさらに、ユーザ入力データに基づいて、描写アルゴリズム、埋め込みアルゴリズム、または群化アルゴリズムのうちの1つ以上を調節するように設計されてもよい。
【0020】
コンピュータ化システムはさらに、ユーザ入力データに基づいて、表示されたデータを修正するように設計されてもよい。ユーザ入力データは、1つ以上のQRSクラスタ、PVCクラスタ、もしくはPACクラスタを追加、削除、または分割することに対応し得る。埋め込みデータは、複数の脈拍のうちの脈拍毎にデータのベクトルを伴ってもよい。コンピュータ化システムはさらに、グラフィックユーザインターフェース上に表示するために、クラスタを示す情報をコンピュータに伝送するように設計されてもよい。コンピュータ化システムはさらに、情報を発生させ、相互にわたってオーバーレイされる複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍を含む、少なくとも1つのオーバーレイを表示するように設計されてもよい。コンピュータ化システムはさらに、分類アルゴリズムを使用して、クラスタ内の脈拍を分析し、患者に関する心臓事象と関連付けられる、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子の存在の可能性を判定するように設計されてもよい。
【0021】
コンピュータ化システムはさらに、分類アルゴリズムを使用して、描写アルゴリズムからの波情報を分析し、患者に関する心臓事象と関連付けられる、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子の存在の可能性を判定するように設計されてもよい。波情報は、分類アルゴリズムに入力され、複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定するために別個に使用されてもよい。コンピュータ化システムはさらに、描写アルゴリズムを使用して、ECGデータを分析することに先立って、ECGデータを前処理し、ECGデータから雑音を除去するように設計されてもよい。コンピュータ化システムは、精査のために、ECGデータおよびECGデータに基づく情報をユーザアカウントに割り当ててもよい。コンピュータ化システムは、精査に基づいて、ユーザアカウントから、ECGデータおよびECGデータに基づく情報に関するユーザ入力データを受信してもよい。
【0022】
複数の時点を横断して1つ以上の電極によって発生され、複数の脈拍を含む、患者の心電図(ECG)データを分析するための方法が、本明細書に説明される。本方法は、描写アルゴリズムを使用して、ECGデータを分析し、複数の時点における少なくとも1つの波の存在の可能性に対応する波情報を発生させることと、少なくとも1つの波が存在し、複数の脈拍発現および脈拍消失を発生させることが判定される、複数の脈拍のうちの脈拍に関して、脈拍発現情報および脈拍消失情報を判定することとを伴ってもよい。本方法はさらに、複数の脈拍発現および脈拍消失に基づいて、ECGデータの複数の脈拍部分を抽出することであって、ECGデータの複数の脈拍部分のうちの各脈拍部分は、複数の脈拍のうちの脈拍に対応する、ことと、ECGデータの複数の脈拍部分に基づいて、複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍がともに群化されるべきであることを判定することであって、少なくとも2つの脈拍は、クラスタを形成する、こととを伴ってもよい。
【0023】
本方法はさらに、埋め込みアルゴリズムを使用して、ECGデータの複数の部分を分析し、複数の脈拍を表す埋め込みデータを発生させることと、群化アルゴリズムを使用して、埋め込みデータを分析し、群データを発生させることとを伴ってもよい。複数の脈拍のうちの少なくとも2つの脈拍は、群データに基づいて、ともに群化されることが判定されてもよい。本方法はさらに、ECGデータの精査のために、ECGデータおよびECGデータに基づく情報をユーザアカウントに割り当てることを伴ってもよい。本方法はさらに、1人以上の精査者による品質精査のために、ECGデータおよびECGデータに基づく情報を提出することを伴ってもよい。本方法はさらに、1人以上の精査者によって発生される、品質制御入力を受信することを伴ってもよい。本方法はさらに、付加的品質制御精査のために、品質制御入力の表示を引き起こすことを伴ってもよい。本方法はさらに、ECGデータに基づく情報に対応する不正確度に関して入力デバイスからユーザ入力データを受信することを伴ってもよい。本方法はさらに、ユーザ入力データに基づいて、描写アルゴリズム、埋め込みアルゴリズム、または群化アルゴリズムのうちの1つ以上を調節することを伴ってもよい。本方法はさらに、品質精査のために、表示されたデータをユーザアカウントに割り当てることを伴ってもよい。
【0024】
患者のECGデータを分析するためのシステムは、一実施例では、実行されると、複数の時点にわたって患者のECGデータを取得するように設計される、第1の複数の命令を伴ってもよく、さらに、少なくとも1つのサーバへのECGデータの伝送を引き起こしてもよい。ECGデータは、1秒あたり少なくとも20個のサンプルのレート等の事前判定されたサンプリングレートでサンプリングされてもよい。ECGデータを分析するためのシステムはさらに、実行されると、少なくとも1つのサーバに、患者のECGデータを受信させ、異なる患者からの複数のECGデータセットから訓練される、少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、患者のECGデータを分析させ、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在の可能性を定量化させ、表示するために、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在に対応する情報を少なくとも1つのサーバから遠隔のコンピュータに伝送させるように設計される、第2の複数の命令を伴ってもよい。
【0025】
ECGデータを分析するためのシステムはさらに、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、少なくとも1つのサーバからの伝送された情報に基づいて、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在に対応する情報を表示させるように設計される、第3の複数の命令を伴ってもよい。異なる患者からの複数のECGデータセットのうちの各セットは、ECGデータを取得するために使用されるレートと等しいサンプリングレートで発生され得ることを理解されたい。さらに、第3の複数の命令を実行するコンピュータがまた、第1の複数の命令も実行し得ることを理解されたい。
【0026】
第2の複数の命令はさらに、実行されると、少なくとも1つのサーバに、ECGデータを前処理させてもよく、これは、ECGデータから雑音を除去すること、または事前判定された基準周波数においてECGデータを表すことを伴ってもよい。さらに、第2の複数の命令は、実行されると、描写のためにECGデータを第1のニューラルネットワークに適用する少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、患者のECGデータを分析してもよく、さらに、複数の時点のそれぞれにおけるP波、QRS群、またはT波のうちの少なくとも1つの存在の可能性を定量化してもよい。第2の複数の命令はさらに、P波、QRS群、またはT波のうちの少なくとも1つに関して、少なくとも1つの発現および少なくとも1つの消失を計算する、および/または第1のニューラルネットワークの発現、消失、もしくは出力のうちの1つ以上から少なくとも1つの測定値を計算してもよい。
【0027】
さらに、第2の複数の命令は、実行されると、分類のためにECGデータを第2のニューラルネットワークに適用する少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、患者のECGデータを分析し得ることを理解されたい。具体的には、第2の複数の命令は、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子の存在の可能性を定量化してもよく、閾値を第2のニューラルネットワークの出力の中の少なくとも1つの値に適用し、値が閾値を超える場合、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子に対応する、少なくとも1つの標識を割り当ててもよい。第2の複数の命令はまた、冗長標識を除去することによって、ECGデータを後処理してもよい。
【0028】
本システムはさらに、第4および/または第5の複数の命令を含んでもよい。第4の複数の命令は、実行されると、少なくとも1つのサーバに、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子の存在に対応する、少なくとも伝送された情報を含む、報告を発生させてもよい。第5の複数の命令は、実行されると、ECGデータに関連するユーザ入力を受信し、少なくとも1つのサーバが、ユーザ入力を使用し、報告を発生させるように、コンピュータに、ユーザ入力を少なくとも1つのサーバに伝送させてもよい。報告は、時間の関数として患者の心拍数の密度を表す、少なくとも1つの心拍数密度プロットを含んでもよい。第3の複数の命令はさらに、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、時間の関数として患者の心拍数の密度を表す、心拍数密度プロットを表示させるように構成されることを理解されたい。
【0029】
患者のECGデータを分析するためのシステムは、別の実施例では、実行されると、少なくとも1つのサーバに、複数の時点にわたって患者のECGデータのセットを受信させるように設計される、少なくとも1つのサーバ上に記憶された命令を伴ってもよい。ECGデータのセットは、1秒あたり少なくとも20個のサンプルのレート等の事前判定されたサンプリングレートでサンプリングされてもよい。命令はさらに、少なくとも1つのサーバに、少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、患者のECGデータのセットを分析させ、複数の時点のうちの各時点において、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子、またはそれらの任意の組み合わせの存在の可能性を定量化させ、表示するために、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子の存在の可能性に対応する情報をコンピュータに伝送させるように設計されてもよい。少なくとも1つのアルゴリズムは、異なる患者から1秒あたり少なくとも20個のサンプルのサンプリングレートで発生される、ECGデータの複数のセットを使用して訓練されてもよい。
【0030】
患者のECGデータを分析するためのコンピュータ化方法は、同様に、サンプルレートでサンプリングされる、複数の時点にわたる患者のECGデータのセットを受信することと、ECGデータの複数のセットを使用して訓練される少なくとも1つのアルゴリズムを使用して、患者のECGデータのセットを分析することとを伴ってもよい。ECGデータの複数のセットの中の各セットは、異なる患者から同一のサンプルレートで発生されてもよい。ECGデータを分析するためのコンピュータ化方法はさらに、各時点において、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子、またはそれらの任意の組み合わせを識別することを伴ってもよく、さらに、表示するために、1つ以上の異常、条件、もしくは記述子、またはそれらの任意の組み合わせを含む、情報をコンピュータに伝送することを伴ってもよい。コンピュータ化方法は、ECGデータのセットからデータを破棄することなく、サンプリングされたECGデータのセット全体を分析することを伴い得ることを理解されたい。コンピュータ化方法は、一実施例では、1秒あたり少なくとも20個のサンプルを伴ってもよい。
【0031】
コンピュータ化方法はさらに、ECGデータの精査のために、ECGデータのセットおよびECGデータのセットに基づく情報をユーザアカウントに割り当てることを伴ってもよい。コンピュータ化方法はさらに、1人以上の精査者による品質精査のために、ECGデータのセットおよびECGデータのセットに基づく情報を提出することを伴ってもよい。コンピュータ化方法はさらに、1人以上の精査者によって発生される、品質制御入力を受信することを伴ってもよい。本方法はさらに、付加的品質制御精査のために、品質制御入力の表示を引き起こすことを伴ってもよい。
【0032】
前述の概要は、例証的にすぎず、いかようにも限定的であることを意図していない。上記に説明される例証的側面、実施形態、および特徴に加えて、さらなる側面、実施形態、および特徴が、以下の図面ならびに発明を実施するための形態を参照することによって明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1B】
図1Bは、例示的P波、QRS群、およびT波の記録である。
【0034】
【
図2】
図2は、本開示の側面による、システムおよび方法を実行するための例示的コンポーネントを図示する略図である。
【0035】
【
図3A】
図3A-3Bは、それぞれ、例示的システムデバイスおよび例示的サーバの例示的ハードウェアならびにソフトウェアコンポーネントの概略図である。
【
図3B】
図3A-3Bは、それぞれ、例示的システムデバイスおよび例示的サーバの例示的ハードウェアならびにソフトウェアコンポーネントの概略図である。
【0036】
【
図4】
図4は、ECGデータを処理し、ECGデータを表示し、ECGデータを含む報告を発生させる例示的方法のフローチャートである。
【0037】
【
図5A】
図5A-5Bは、それぞれ、分析される波タイプ毎に、例示的ECG信号および第1のニューラルネットワークの例示的出力を表す、線グラフである。
【
図5B】
図5A-5Bは、それぞれ、分析される波タイプ毎に、例示的ECG信号および第1のニューラルネットワークの例示的出力を表す、線グラフである。
【0038】
【
図6A】
図6A-6Bは、それぞれ、畳み込みニューラルネットワークおよび回帰ニューラルネットワークの形態の分類ニューラルネットワークの例示的表現である。
【
図6B】
図6A-6Bは、それぞれ、畳み込みニューラルネットワークおよび回帰ニューラルネットワークの形態の分類ニューラルネットワークの例示的表現である。
【0039】
【
図7】
図7は、可変数の導線エントリおよび一定数の出力の例示的表現である。
【0040】
【
図8】
図8は、最近の開示の側面に従って発生されたR-Rプロットを有する、例示的ユーザインターフェースである。
【0041】
【
図9】
図9は、
図8に示されるR-Rプロットのズームイン図である。
【0042】
【
図10】
図10は、本開示の側面に従って発生された心拍数密度プロットを有する、例示的ユーザインターフェースである。
【0043】
【
図11】
図11は、心拍数密度プロットを発生させるための例示的アプローチを図示するフローチャートである。
【0044】
【
図12】
図12は、本開示の側面に従って発生された例示的心拍数密度プロットである。
【0045】
【
図13】
図13は、ズームインされた心拍数密度プロットを有する、例示的ユーザインターフェースである。
【0046】
【
図14A】
図14A-14Eは、同一の心臓信号から発生される種々のR-Rプロットおよび心拍数密度プロットの対照比較である。
【
図14B】
図14A-14Eは、同一の心臓信号から発生される種々のR-Rプロットおよび心拍数密度プロットの対照比較である。
【
図14C】
図14A-14Eは、同一の心臓信号から発生される種々のR-Rプロットおよび心拍数密度プロットの対照比較である。
【
図14D】
図14A-14Eは、同一の心臓信号から発生される種々のR-Rプロットおよび心拍数密度プロットの対照比較である。
【
図14E】
図14A-14Eは、同一の心臓信号から発生される種々のR-Rプロットおよび心拍数密度プロットの対照比較である。
【0047】
【
図15A】
図15A-15Dは、患者および処理されたECGデータに対応する情報を有し、心拍数密度プロットおよびECGストリップを表示する、ECG処理システムによって発生される例示的報告である。
【
図15B】
図15A-15Dは、患者および処理されたECGデータに対応する情報を有し、心拍数密度プロットおよびECGストリップを表示する、ECG処理システムによって発生される例示的報告である。
【
図15C】
図15A-15Dは、患者および処理されたECGデータに対応する情報を有し、心拍数密度プロットおよびECGストリップを表示する、ECG処理システムによって発生される例示的報告である。
【
図15D】
図15A-15Dは、患者および処理されたECGデータに対応する情報を有し、心拍数密度プロットおよびECGストリップを表示する、ECG処理システムによって発生される例示的報告である。
【0048】
【
図16A】
図16Aは、ECGデータを処理し、ECGデータを表示し、ECGデータを含む報告を発生させる例示的方法のフローチャートである。
【0049】
【
図17】
図17は、ECGデータを分析し、群化アルゴリズムを使用して類似脈拍を群化するための例示的プロセスである。
【0050】
【
図18】
図18は、複数の形態を図示する例示的グラフィックユーザインターフェースである。
【0051】
【
図19】
図19は、グラフィックユーザインターフェースの第3のグラフィックウィンドウを図示する。
【0052】
【
図20A】
図20Aおよび20Bは、例示的形態および脈拍オーバーレイを図示する。
【
図20B】
図20Aおよび20Bは、例示的形態および脈拍オーバーレイを図示する。
【0053】
【
図21】
図21は、異所性区間を図示する例示的グラフィックユーザインターフェースである。
【0054】
【
図22A】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22B】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22C】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22D】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22E】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22F】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22G】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22H】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22I】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22J】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22K】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22L】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22M】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22N】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22O】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【
図22P】
図22A-22Pは、ECG処理システムによって発生された例示的報告である。
【0055】
【
図23A】
図23A-23Dは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報を医療従事者に割り当てるためのユーザインターフェースを図示する。
【
図23B】
図23A-23Dは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報を医療従事者に割り当てるためのユーザインターフェースを図示する。
【
図23C】
図23A-23Dは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報を医療従事者に割り当てるためのユーザインターフェースを図示する。
【
図23D】
図23A-23Dは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報を医療従事者に割り当てるためのユーザインターフェースを図示する。
【0056】
【
図24A】
図24A-24Fは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報の品質制御ならびに品質精査のためのユーザインターフェースを図示する。
【
図24B】
図24A-24Fは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報の品質制御ならびに品質精査のためのユーザインターフェースを図示する。
【
図24C】
図24A-24Fは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報の品質制御ならびに品質精査のためのユーザインターフェースを図示する。
【
図24D】
図24A-24Fは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報の品質制御ならびに品質精査のためのユーザインターフェースを図示する。
【
図24E】
図24A-24Fは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報の品質制御ならびに品質精査のためのユーザインターフェースを図示する。
【
図24F】
図24A-24Fは、ECGデータおよびECGデータに基づく情報の品質制御ならびに品質精査のためのユーザインターフェースを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の前述および他の特徴は、付随する図面と併せて解釈される、以下の説明および添付の請求項から明白となるであろう。これらの図面が、本開示によるいくつかの実施形態のみを描写し、したがって、その範囲の限定と見なされるものではないことを理解して、本開示は、付随する図面の使用を通して、付加的特異性および詳細を伴って説明されるであろう。
【0058】
(発明の詳細な説明)
本発明は、システムデバイス上で起動されるECGアプリケーションと、サーバ上で起動されるECGプラットフォームとを伴う、医療グレード人工知能を有する心電図(ECG)処理システムを対象とする。ECGアプリケーションおよびECGプラットフォームは、機械学習アルゴリズムを使用して、ECGデータを処理および分析することによって、ECG処理システムを実装し、心臓信号の描写および種々の異常、条件、ならびに記述子の分類を達成する。サーバは、システムデバイスと異なる場所に位置してもよく、サーバは、相互と同一の物理的場所にある必要はない(例えば、サーバは、遠隔サーバであってもよい)。代替として、サーバおよびシステムデバイスは、(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)上の)同一の一般的面積内に位置してもよい。ECGプラットフォームは、クラウド内のECGデータを処理および分析することによってECG処理システムを実装し得る、クラウドベースのECGプラットフォームであってもよい。
【0059】
ECG処理システムを実装するために、システムデバイス上で起動するECGアプリケーションは、感知デバイスからECGデータ(すなわち、心臓信号)を受信してもよく、ECGデータをサーバ上で起動するECGプラットフォームに伝送してもよい。ECGプラットフォームは、第1および第2のニューラルネットワークを実行してもよく、ECGデータを第1および第2のニューラルネットワークに適用してもよい。第1のニューラルネットワークは、機械学習機能性を有する、描写ニューラルネットワークであってもよい。第2のニューラルネットワークは、機械学習機能性を有する、分類ニューラルネットワークであってもよい。第1および/または第2のニューラルネットワークの出力は、ECGデータの描写および分類を達成するように、ECGプラットフォームによって処理されてもよい。ECGデータおよび/またはECGプラットフォームによって発生されるデータは、ECGプラットフォームからECGアプリケーションに通信されてもよい。ECGアプリケーションは、ECGデータおよび/またはECGプラットフォームによって発生されるデータを双方向様式で表示させてもよい。ECGプラットフォームは、ECGデータおよび/またはECGプラットフォームによって発生されるデータを含む、報告を発生させてもよく、報告をECGアプリケーションに通信してもよい。
【0060】
ここで
図2を参照すると、心電図(ECG)処理システム10を実行するための例示的コンポーネントが、図示される。
図2は、ECG感知デバイス13、システムデバイス14、およびサーバ15、ならびにドライブ16を示す。
【0061】
ECG感知デバイス13は、ECGデータを発生させるための心臓の電気活動を感知するように設計される。例えば、感知デバイス13は、1つ以上の導線上に配置され得る、1つ以上の電極であってもよい。ECG感知デバイス13は、従来の12導線配列等のECG専用感知デバイスであってもよい、またはApple, Inc.(Cupertino, California)から入手可能なApple Watch等のECG発生のために心臓の電気活動を感知するための感知ハードウェアを伴う多目的デバイスであってもよい。感知デバイス13は、患者の胸部および/または患者の四肢の表面上に設置されてもよい。感知デバイス13は、感知デバイス13によって感知される電気信号が、ECGアプリケーション29によって受信され得るように、ECGアプリケーション29を起動するシステムデバイス14と電気通信してもよい。ECGアプリケーション29は、感知デバイス13に、ECGデータを感知または別様に取得させる命令を含んでもよい。
【0062】
システムデバイス14は、好ましくは、
図3Aを参照して下記に説明されるコンポーネントと、本明細書に説明される機能性とを有する、1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ等)である。ECGアプリケーション29を起動するシステムデバイス14は、任意の周知の有線または無線接続を介して、ECGプラットフォーム37を起動するサーバ15と接続してもよい。例えば、システムデバイス14は、周知の技術(例えば、WiFi、セルラー、ケーブル/同軸、および/またはDSL)を使用して、インターネットに接続してもよく、インターネットを経由してサーバ15と通信してもよい。
【0063】
サーバ15は、好ましくは、
図3Bを参照して下記に説明されるコンポーネントと、本明細書に説明される機能性とを有する、1つ以上のサーバである。サーバ15は、好ましくは、サーバ15が、1秒あたり少なくとも20個のサンプル、1秒あたり少なくとも250個のサンプル、または1秒あたり少なくとも1,000個のサンプル等の事前判定された閾値を上回るサンプリングレートを有する、心臓信号を処理および分析し得るように、システムデバイス14よりも優れた処理能力を有する。当業者に容易に明白となるであろうように、サーバ15は、共通の物理的場所に、または異なる物理的場所に位置する、複数のサーバを含んでもよい。好ましい実施形態では、サーバ15は、システムデバイス14と異なる(例えば、クラウド上の)遠隔場所に位置するが、サーバ15およびシステムデバイス14は、(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)上の)共通場所に位置してもよい。
【0064】
サーバ15は、随意に、ある患者、専門家、設備、および/またはデバイスに特有のデジタル情報を記憶することに向けられたメモリを有する、1つ以上のドライブであり得る、ドライブ16と通信してもよい。例えば、ドライブ16は、限定ではないが、揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性(例えば、読取専用メモリ(ROM))、フラッシュメモリ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ドライブ16は、サーバ15の中に組み込まれてもよい、またはサーバ15と別個かつ明確に異なり得、任意の周知の無線もしくは有線接続を経由してサーバ15と通信してもよい。
【0065】
ここで
図3A-3Bを参照すると、システムデバイス14およびサーバ15のハードウェアならびにソフトウェアコンポーネントを表す例示的機能ブロックが、示される。ここで
図3Aを参照すると、システムデバイス14のハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントは、1つ以上の処理ユニット21と、メモリ22と、記憶装置27と、通信ユニット23と、電源24と、入力デバイス25と、出力デバイス26とを含んでもよい。
【0066】
処理ユニット31は、協調オペレーティングシステム28およびECGアプリケーション29を起動し、本明細書に記載されるシステムデバイス14のタスクおよび動作を実施するように構成される、1つ以上のプロセッサであってもよい。メモリ22は、限定ではないが、揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性(例えば、読取専用メモリ(ROM))、フラッシュメモリ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。通信ユニット23は、限定ではないが、感知デバイス13およびサーバ15を含む、ECG処理システム10内の他のコンポーネントから情報を受信する、および/またはそこに情報を伝送してもよい。通信ユニット23は、任意のIEEE 802規格等の任意の周知の規格を経由したものを含む、任意の周知の有線または無線接続を経由して通信を促進する、任意の周知の通信インフラストラクチャであってもよい。電源24は、バッテリであってもよい、またはシステムデバイス14を壁コンセントもしくは任意の他の外部電源に接続してもよい。記憶装置27は、限定ではないが、例えば、磁気ディスク、光ディスク、またはテープ等のリムーバブルおよび/または非リムーバブル記憶装置を含んでもよい。
【0067】
入力デバイス25は、データをシステムデバイス14に入力するためにシステムデバイス14に結合される、またはその中に組み込まれる、1つ以上のデバイスであってもよい。入力デバイス25はさらに、例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス(例えば、マイクロホン)、タッチ入力デバイス(例えば、タッチパッドもしくはタッチスクリーン)、場所センサ、および/またはカメラを含んでもよい。出力デバイス26は、データを出力または別様に表示するためにシステムデバイス14に結合される、またはその中に組み込まれる、任意のデバイスであってもよく、少なくともディスプレイ17を含む。出力デバイス26はさらに、例えば、スピーカおよび/またはプリンタを含んでもよい。
【0068】
ECGアプリケーション29は、記憶装置27内に記憶され、処理ユニット21上で実行されてもよい。ECGアプリケーション29は、感知デバイス13およびサーバ15との情報の交換を促進することを含む、本明細書に記載されるシステムデバイス14の動作を実施するために好適な命令の1つ以上のセットを有する、ソフトウェアアプリケーションおよび/またはソフトウェアモジュールであってもよい。例えば、ECGアプリケーション29は、システムデバイス14に、感知デバイス13からECGデータを受信させ、感知デバイス13からECGデータを記録させ、ECGデータをサーバ15に通信させ、ECGデータを処理および分析するようにサーバ15に命令させ、サーバ15から処理および/または分析されたECGデータを受信させ、報告発生に関するユーザ入力をサーバに通信させ、未加工、分析された、ならびに/もしくは処理されたECGデータおよびそれに関連するデータを表示するために好適なグラフィックユーザインターフェースを発生させてもよい。
【0069】
オペレーティングシステム28は、記憶装置27内に記憶され、処理ユニット21上で実行されてもよい。オペレーティングシステム28は、システムデバイス14の一般的動作を制御するために好適であり得、ECGアプリケーション29と強調して稼働し、本明細書に説明されるシステムデバイス14の機能性を達成し得る。システムデバイス14はまた、随意に、グラフィックライブラリ、他のオペレーティングシステム、および/または任意の他のアプリケーションプログラムを起動してもよい。当然ながら、システムデバイス14は、
図3Aに図示されるものよりも付加的または少ないコンポーネントを含み得、1つを上回る各タイプのコンポーネントを含み得ることを理解されたい。
【0070】
ここで
図3Bを参照すると、サーバ15のハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントは、1つ以上の処理ユニット31と、メモリ32と、記憶装置35と、電源33と、通信ユニット34とを含んでもよい。処理ユニット31は、オペレーティングシステム36およびECGプラットフォーム37を起動し、本明細書に記載されるサーバ15のタスクおよび動作を実施するように構成される、1つ以上のプロセッサであってもよい。処理ユニット31に割り当てられるデータおよび処理タスクの量を前提として、処理ユニット31は、処理ユニット21と比較して優れた処理能力を有することを理解されたい。
【0071】
メモリ32は、限定ではないが、揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性(例えば、読取専用メモリ(ROM))、フラッシュメモリ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。記憶装置35は、限定ではないが、例えば、磁気ディスク、光ディスク、またはテープ等のリムーバブルおよび/または非リムーバブル記憶装置を含んでもよい。通信ユニット34は、限定ではないが、システムデバイス14および/またはドライブ16を含む、ECG処理システム10の他のコンポーネントから情報を受信する、ならびに/もしくはそこに情報を伝送してもよい。通信ユニット34は、任意の周知の有線または無線接続を経由して通信を促進する、任意の周知の通信インフラストラクチャであってもよい。電源33は、バッテリであってもよい、またはサーバ15を壁コンセントもしくは任意の他の外部電源に接続してもよい。
【0072】
オペレーティングシステム36およびECGプラットフォーム37は、記憶装置35内に記憶され、処理ユニット31上で実行されてもよい。オペレーティングシステム36は、サーバ15の一般的動作を制御するために好適であり得る。ECGプラットフォーム37は、命令の1つ以上のセットを有する、ソフトウェアアプリケーションおよび/またはソフトウェアモジュールであってもよい。ECGプラットフォーム37は、システムデバイス14から受信されるECGデータの処理および分析、報告発生を促進ならびに監視してもよく、別様に、本明細書に記載されるサーバ15の動作を実施するために好適であり得る。
【0073】
ECGプラットフォーム37は、限定ではないが、プリプロセッサ38と、デリネータ39と、分類器41と、埋め込み装置48および群化装置49を含み得る、クラスタ化装置42と、ポストプロセッサ43と、報告発生器44と、再電算機40とを含む、いくつかのサブモジュールおよび/またはアプリケーションを含んでもよい。各サブモジュールおよび/またはアプリケーションは、命令の1つ以上のセットを有する、別個のソフトウェアアプリケーションならびに/もしくはモジュールであってもよい。プリプロセッサ38は、未加工ECGデータを前処理してもよく、デリネータ39は、第1のニューラルネットワークを実行し、描写を達成してもよく、分類器41は、第2のニューラルネットワークを実行し、分類を達成してもよく、クラスタ化装置42は、第1のニューラルネットワークによって処理されたデータ内のクラスタを識別してもよく、ポストプロセッサ43は、第2のニューラルネットワークによって処理されたデータを後処理してもよく、埋め込み装置48は、1つ以上のアルゴリズムおよび/または第3のニューラルネットワークを実行し、埋め込みを達成してもよく、群化装置49は、1つ以上のアルゴリズムならびに/もしくは第4のニューラルネットワークを実行し、クラスタ群を発生させてもよく、報告発生器44は、未加工ECGデータおよびECGプラットフォーム37によって処理されたECGデータに基づいて報告を発生させてもよく、再電算機40は、ユーザ入力データに基づいて、埋め込み装置48および/または群化装置49を再算出ならびに/もしくは調節してもよい。例えば、再電算機40は、補正された波情報に基づいて、発作を再計算してもよい。ECGプラットフォーム37はまた、限定ではないが、ECGデータを処理および/または分析するようにシステムデバイス14から要求を受信すること、処理ならびに/もしくは分析されたECGデータをシステムデバイス14に通信すること、報告を発生させる要求を受信すること、システムデバイス14からユーザ相互作用および/または命令を要求ならびに/もしくは受信すること、報告発生に関してシステムデバイス14からユーザ入力データおよび/または命令情報を受信すること、ならびに/もしくは報告をシステムデバイス14に通信することを含む、種々の他の機能を実施してもよい。
【0074】
サーバ15はまた、随意に、グラフィックライブラリ、他のオペレーティングシステム、および/または任意の他のアプリケーションプログラムを起動してもよい。当然ながら、サーバ15は、
図3Bに図示されるものよりも付加的または少ないコンポーネントを含み得、1つを上回る各タイプのコンポーネントを含み得ることを理解されたい。
【0075】
図4は、ECG処理システム10を実装し、ECGデータを受信および記録し、ECGデータを処理および分析し、ECGデータを伴う報告を発生させるための例示的プロセスを図示し、さらに、ECG処理システム10のフロントエンド45とバックエンド46との間の情報のフローを示す。フロントエンド45は、システムデバイス14上で起動する、少なくともECGアプリケーション29を含む。バックエンド46は、サーバ15上で起動する、少なくともECGプラットフォーム37を含む。
【0076】
図4に示されるように、ステップ51では、ECGアプリケーション29は、システムデバイス14に、感知デバイス13から未加工ECGデータ52を受信および/または別様に取得させてもよい。例えば、ECGアプリケーション29は、感知デバイス13に心臓信号を感知させ、感知デバイス13によって感知された心臓信号をシステムデバイス14に通信させてもよい。未加工ECGデータは、感知デバイス13によって感知される心臓信号である。未加工ECGデータ52は、ECG処理システム10によって処理または分析されていない。未加工ECGデータ52は、好ましくは、複数の心拍にわたって1つの心拍あたり複数回サンプリングされる、データを伴う。感知デバイス13は、アナログ心臓信号をデジタル信号に変換し得る、
図2に示されていない異なるコンポーネントは、アナログ心臓信号をデジタル信号に変換し得る、またはECGアプリケーション29は、システムデバイス14に、アナログ心臓信号をデジタル信号に変換させ得ることを理解されたい。アナログおよびデジタルの両方の形態の未加工ECGデータは、本明細書では未加工ECGデータ52と称される。
【0077】
未加工ECGデータ52を受信することに応じて、ECGアプリケーション29は、システムデバイス14に未加工ECGデータ52を記録させてもよく、随意に、未加工ECGデータ52の一部または全てをシステムデバイス14に保存してもよい。上記に解説されるように、信号は、1つ以上の導線に対応し得る。複数の導線が、使用されるとき、全ての導線が、同時に処理されてもよい。各導線によって発生される心臓信号は、変動する長さを有し得ることを理解されたい。さらに、心臓信号は、短期(例えば、標準ECGでは10秒)または長期(ホルターでは数日)であり得ることを理解されたい。システムデバイス14は、随意に、ディスプレイ17上に未加工ECGデータ52またはその一部を表示してもよい。
【0078】
図4に示されるように、未加工ECGデータ52は、フロントエンド45からバックエンド46に伝送されてもよい。具体的には、ECGアプリケーション29は、システムデバイス14に、未加工ECGデータ52をサーバ15上で起動するECGプラットフォーム37に通信させてもよい。未加工ECGデータ52を受信することに応じて、ECGプラットフォーム37は、サーバ15に、未加工ECGデータ52の一部または全てをサーバ15に保存させてもよい。さらに、未加工ECGデータ52を受信した後、ECGプラットフォーム37は、未加工ECGデータ52をプリプロセッサ38によってステップ54において前処理させる。プリプロセッサ38は、ECGプラットフォーム37の独立型コンポーネントまたはデリネータ39のサブコンポーネントであり得ることを理解されたい。
【0079】
プリプロセッサ38は、未加工ECGデータから雑音等の心臓信号の妨害要素を除去することによって、未加工ECGデータ52またはその一部を処理してもよい。雑音フィルタリングに関して、多変数関数データ分析アプローチが、使用されてもよい(Pigoli and Sangalli. Computational Statistics and Data Analysis, Vol. 56, 2012, pp 1482-1498)。感知デバイス13によって感知される信号が、患者の移動に起因して変動し得るにつれて、未加工ECGデータ52の基準周波数は、プリプロセッサ38によって除去されてもよく、心臓信号は、選定された周波数において表されてもよい。患者の移動に対応する信号の周波数は、メディアンフィルタリングを使用して除去されてもよい(Kaur et al., Proceedings published by International Journal of Computer Applications, 2011, pp 30-36)。未加工ECGデータ52をプリプロセッサ38に適用することは、前処理されたECGデータ55を発生させる。本時点では、ECGプラットフォーム37は、前処理されたECGデータ55を、随意に、ディスプレイ17上に表示するために、システムデバイス14上で起動するECGアプリケーション29に通信させてもよい。ECGプラットフォーム37は、代替として、または加えて、前処理されたECGデータ55を、より詳細に議論される分類ステップ58において入力として使用させてもよい。
【0080】
ステップ56では、ECGプラットフォーム37は、前処理されたECGデータ55を描写のためにデリネータ39に適用させる。デリネータ39は、描写ニューラルネットワークである第1のニューラルネットワークを前処理されたECGデータ55に適用する。ニューラルネットワークは、オブジェクト(例えば、行列またはベクトル)を入力として取り込み、層と呼ばれる線形および非線形動作のセットを通して、別のオブジェクトを出力として生成し得る、数学構造またはアルゴリズムを指す。例えば、第1のニューラルネットワークの入力は、雑音および/または基準迷走を除去するように前処理される、1つ以上の多導線心臓信号であってもよい。
【0081】
前処理されたECGデータ55を第1のニューラルネットワークに適用するために、デリネータ39は、未加工ECGデータ52の一部または全てを、実数の行列であり得る、行列Xとして表させてもよい。例えば、行列Xは、下記により詳細に説明される、ネットワークを訓練するために使用される周波数におけるサイズm×nの行列であってもよい。定数「m」は、典型的には12である、感知デバイス13内の導線の数であってもよいが、任意の数の導線が、使用されてもよい。本実施例では、サンプルの数「n」は、fが心臓信号のサンプリング周波数である、心臓信号の持続時間「n/f」を提供する。サンプルレートは、事前判定されたレートを上回り、好ましくは、例えば、1秒あたり少なくとも20、少なくとも250、少なくとも500、または少なくとも1,000個のサンプル等、比較的高い。一実施形態では、サンプリングされたECGデータの全ては、ECGデータを除外することなく、処理アルゴリズムに入力するために、サーバに転送される。第1のニューラルネットワークに適用されるECGデータは、好ましくは、前処理されたECGデータ55であるが、前処理されていない心臓信号(すなわち、未加工ECGデータ52またはその一部)が、第1のニューラルネットワークに適用され得ることを理解されたい。
【0082】
第1のニューラルネットワークは、心臓信号内の複数の時点における1つ以上の波の存在の可能性に対応する値を出力として提供してもよい。時点は、未加工ECGデータによって決定付けられてもよく、システムデバイス14のユーザによって選択されてもよい、または事前プログラムされてもよい。第1のニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークであってもよく、好ましくは、完全畳み込みニューラルネットワークである。畳み込みニューラルネットワークは、習得される1つ以上の行列が、入力要素の完全な線形組み合わせをエンコードしないが、畳み込みを通して、心臓信号等の構造化された信号の全ての要素において同一のローカル線形組み合わせをエンコードする、特定のタイプのニューラルネットワークである(Fukushima, Biol. Cybernetics, Vol. 36, 1980, pp 193-202, LeCun et al., Neural Computation, Vol. 1, 1989, pp 541-551)。畳み込みネットワークのみを含有するネットワークは、完全畳み込みニューラルネットワークと呼ばれる。
【0083】
故に、ステップ56では、デリネータ39は、第1のニューラルネットワークに、心臓信号の各時点を読み取らせ、心臓信号の各時点を時空的に分析させ、1つ以上のタイプの波に対応する各時点においてスコアを割り当てさせる。このように、単一のステップで、心臓信号内のすべてのタイプの波が、分析されてもよく、各時点におけるそれらの存在の可能性が、定量化されてもよい。故に、デリネータ39によって発生される各スコアは、心臓信号の所与の時点における特定の波タイプの存在の可能性を示す。波タイプは、例えば、P波、Q波、R波、S波、Q波、R波、S波、QRS群、および/またはT波等の任意の周知の波タイプであってもよい。このように、デリネータ39は、複数の心拍を横断して1つの心拍あたり複数回サンプリングされる、データを処理してもよい。
【0084】
第1のニューラルネットワークの出力は、実数の行列であり得る、行列Yであってもよい。例えば、行列Yは、サイズp×nの行列であってもよい。行列Yは、心臓信号の各時点における波のタイプ毎にスコアを含んでもよい。行列Yでは、「n」は、行列Xに関して上記に議論されるように、サンプルの数であり、「p」は、波特性評価の数を加えた波タイプの数である。下記により詳細に解説されるように、波特性評価は、例えば、心臓信号内の波の伝導度、時期尚早性、異所性、および/または起源に対応し得る。一実施例では、波タイプは、(1)P波、(2)QRS群、および(3)T波を含み、波特性評価は、(1)早期波、(2)ペース調整された波、(3)心室QRS群、(4)接合部QRS群、(5)異所性P波、および(6)非伝導性P波を含む。故に、本実施例では、p=3+6=9である。各波タイプは、開始および終了点(すなわち、発現および消失)等のその波のある特性に従って表され得る。
【0085】
ここで
図5Aおよび5Bを参照すると、第1のニューラルネットワークの例示的出力が、複数のタイプの波に対応する各時点においてスコアを発生させることの値を図示するように、波タイプ毎にグラフに描かれる。具体的には、
図5Aは、描写ニューラルネットワークが、(異常がない)正常な心臓信号を処理した、例示的出力を図示し、
図5Bは、描写ニューラルネットワークが、例えば、房室ブロックに起因する、「隠れた」P波を有する心臓信号を処理した、例示的出力を図示する。
【0086】
ここで
図5Aを参照すると、4つの線グラフが、図示され、各グラフは、x軸上に時間を示す。線グラフ71は、複数の脈拍にわたって心臓信号を表す。プロットされた信号は、P波(点75)、QRS群(点76)、およびT波(点77)を有する、周知のECG波形を反映する。線グラフ72は、心臓信号内の同一の時点にわたるP波スコアのグラフである。同様に、線グラフ73および線グラフ74は、それぞれ、同一の時点にわたるQRSスコアおよびT波スコアのグラフである。線グラフ72-74毎のy軸は、0~1に及ぶ、各時点において割り当てられるスコアであり、0は、特定の波の存在の低い可能性を示し、1は、特定の波の存在の高い可能性を示す。例えば、線グラフ72は、点75の近傍の時点に対応する、スコア78におけるP波の存在の非常に高い可能性を示し、線グラフ73は、点76の近傍の時点に対応する、スコア79におけるQRS群の存在の非常に高い可能性を示し、線グラフ74は、点77の近傍の時点に対応する、スコア80におけるT波の存在の非常に高い可能性を示す。
【0087】
図5Bは、
図5Aのように、4つの線グラフ、すなわち、線グラフ71-74に類似する線グラフ81-82を図示する。具体的には、線グラフ81は、いくつかの脈拍にわたって心臓信号を表し、線グラフ82は、心臓信号にわたってP波スコアを表し、線グラフ83は、心臓信号にわたってQRSスコアを表し、線グラフ84は、心臓信号にわたってT波スコアを図示する。
図5Aと異なり、線グラフ81内のECG信号は、点85において示される隠れたP波等の隠れたP波を含む。隠れたP波は、T波等の別の波または群の間に生じるP波である。描写ネットワークによって処理される心臓信号が、高いサンプルレートを伴い、描写ネットワークが、各時点における波タイプ毎にデータを発生させるにつれて、取り出される出力は、隠れたP波を伴う場合等の同時に生じる2つの波を識別するために十分にロバストである(すなわち、十分なサンプル点を含む)。例えば、線グラフ82は、点85の近傍の時点に対応する、スコア86におけるP波の存在の非常に高い可能性を示す。故に、描写ニューラルネットワークは、各時点において1つだけの波を取り出すことに限定されず、したがって、任意の時点においていくつかの波を識別し得ることを理解されたい。さらに、1つ以上の導線からの信号が、第1のニューラルネットワークによって同時に処理され得ることを理解されたい。
【0088】
各波タイプ(例えば、P波、QRS群、T波等)に対応する各時点に割り当てられたスコアを使用して、デリネータ39は、心臓信号を後処理してもよい。後処理は、各時点に、いずれの波も割り当てない、1つまたはいくつかの並みを割り当てることと、識別された波のそれぞれの発現および消失を計算することと、随意に、波の特性評価を判定することとを伴う。波は、ある値が達成される場合、波がその時点で存在することを判定することによって、各時点に割り当てられてもよい。各波の「発現」および「消失」を算出することは、心臓信号内の各波の開始および終了の時点を算出することを伴い、開始は、「発現」と称され、終了は、「消失」と称される。これは、波タイプ毎に最高値の開始および終了に対応する時点を分析することを伴ってもよい。デリネータ39は、時期尚早性、伝導度、および異所性を識別することによって、波を特性評価してもよい。波特性評価は、各波および/または各脈拍の間のコンテキスト情報を活用する。例えば、ある閾値がある時点において達成される、または平均値がいくつかの時点にわたって達成される場合、早期標識が、波に適用されてもよい。
【0089】
心臓信号内の各波タイプの発現および消失を算出した後、デリネータ39は、大域的測定値を計算してもよい。大域的測定値は、各波タイプの発現および消失から導出され、波の間の間隔および波の持続時間等の心臓信号の特徴および特性に関し得る。例えば、大域的測定値は、限定ではないが、PR間隔、P波持続時間、QRS群持続時間、QRS軸、QT間隔、補正されたQT間隔(Qtc)、T波持続時間、JT間隔、補正されたJT間隔、心拍数、ST上昇、Sokolov指数、心室性期外収縮の数、心房性期外収縮(PAC)の数、非伝導性P波の比、および/またはペース調整された波の比を含んでもよい。
【0090】
デリネータ39はさらに、デリネータ39によって発生される情報のみから標識を推定してもよい。例えば、以下の標識、すなわち、短いPR間隔(すなわち、PR間隔<120ミリ秒)、第1度AVブロック(例えば、PR間隔>200ミリ秒)、軸偏位、長いQTc、短いQTc、広い複合頻脈、および/または心室内伝導ブロックが、デリネータ39によって推定されてもよい。デリネータ39によって発生される情報のみから判定される標識は、描写ベースの標識と称される。
【0091】
図4を再び参照すると、ECGプラットフォーム37は、ステップ56の出力(例えば、波情報62)ならびに前処理されたECGデータ55を、ステップ63におけるクラスタ化のために、クラスタ化装置42に通信または別様に適用させてもよい。波情報62は、発生される発現および消失、ならびに関連性がある持続時間を含む、PVC波およびPAC波に関するスコアを含んでもよい。クラスタ化装置42は、波情報62を処理し、心臓信号の持続時間の間にPACまたはPAV波のクラスタを識別してもよい。いったん識別されると、クラスタ化装置42は、クラスタ標識64を1つ以上の時間窓に割り当て、時間窓毎にPVCまたはPACクラスタのいずれかを識別してもよい。時間窓は、心臓信号内の2つの時点によって定義される。
【0092】
図4を再び参照すると、ECGプラットフォーム37はまた、ステップ56の出力(例えば、波情報57)ならびに前処理されたECGデータ55を、ステップ58における分類のために、分類器41に通信または別様に適用させてもよい。ステップ58における分類は、第2のニューラルネットワーク(すなわち、分類ニューラルネットワーク)を前処理されたECGデータ55に適用することを伴う。故に、一実施例では、第2のニューラルネットワークの入力は、前処理される可変長を伴う1つ以上の多導線心臓信号であってもよい。分類器41は、波情報57および/または患者の年齢を含む患者特有の情報もしくは任意の関連性がある臨床情報等の他の情報を処理してもよい。上記に解説されるように、ECGプラットフォーム37は、随意に、前処理されたECGデータ55を分類器41に直接通信させ、ステップ56における描写が必要ではない場合、分類器41によって処理させてもよい。このように、分類器41は、複数の心拍を横断して1つの心拍あたり複数回サンプリングされる、データを処理してもよい。
【0093】
第2のニューラルネットワークは、心臓信号の各時点における1つ以上の異常、条件、および/または記述子の存在の可能性に対応する値を有する、出力を発生させる。時点または時間窓が、ある異常、条件、および/または記述子に対応することが判定される場合、その異常、条件、および/または記述子に対応する標識が、その時点または窓に割り当てられるであろう。一実施例では、1つ以上の標識59が、スコアが事前判定された閾値を達成する場合、時点または時間窓に割り当てられてもよい。故に、多標識位置特定が、各時点において複数の値を発生させ、各時点において1つ以上の標識を割り当てることによって、異常、条件、および/または記述子に関して達成され得る。
【0094】
分類器41は、分類ニューラルネットワークの出力をサイズqのベクトルとして取り出してもよい。ベクトル内の値は、各時点または各時間窓における各標識の存在に対応する。例えば、分類ニューラルネットワークの出力は、ベクトルの要素毎の対応する標識、すなわち、右脚ブロック、心房細動、正常ECGを伴う、ベクトル[0.98:0.89;0.00]であってもよい。スコアは、0~1であってもよい。上記のベクトルに関して、0.5の閾値が、標識「右脚ブロック」および「心房細動」を、分類器41によって、スコアに対応する時点または時間窓に割り当てさせるであろう。閾値は、ユーザによって事前プログラムおよび/または選択され得、変動する程度の感度および特異性を提供するように修正され得ることを理解されたい。時点毎に1つ以上の標識を割り当てることによって、各標識に対応する発現および消失が、発作(例えば、異常発作)の持続時間を識別するように算出されてもよい。
【0095】
異常および条件は、心臓信号上で識別可能であり得る、任意の生理学的異常または条件を含んでもよい。現在、約150の測定可能な異常が、心臓信号記録上で識別され得る。異常および条件は、限定ではないが、洞房ブロック、麻痺、もしくは停止、心房細動、心房粗動、心房頻脈、接合部頻脈、上室性頻脈、洞頻脈、心室頻脈、ペースメーカ、心室性期外収縮、心房性期外収縮、第1度房室ブロック(AVB)、第2度モビッツ1型AVB、第2度モビッツ2型AVB、第3度AVB、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、左脚ブロック、右脚ブロック、心室内伝導遅延、左心室肥大、右心室肥大、急性心筋梗塞、陳旧性心筋梗塞、虚血、高カリウム血症、低カリウム血症、ブルガダ症候群、および/または長いQTcを含んでもよい。記述子は、「正常」または「雑音の多いECG」等の心臓信号の記述品質を含んでもよい。
【0096】
ステップ58において第2のニューラルネットワークを適用することに応じて、分類器41は、心臓信号の各時点ならびに各大域的測定値を読み取り、心臓信号の各時点および各大域的測定値を分析し、少なくとも2つの時点を集約することによって時間窓を算出し、時間窓毎にスコアを算出してもよく、スコアは、複数の非排他的標識に対応する。
【0097】
分類ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークまたは回帰ニューラルネットワークであってもよい。ここで
図6Aを参照すると、畳み込みニューラルネットワークの形態の分類ニューラルネットワークが、ECG信号に適用されて図示される。殆どの畳み込みニューラルネットワークは、分類を提供するように、いくつかの畳み込み層、次いで、標準層を実装する。ECG信号は、ローカルで情報を集約し、次いで、それを層毎に組み合わせ、ECGのマルチレベル多標識分類を生成する、ネットワークに入力として与えられる。標識毎に、スコアが提供される。
図6に示される畳み込みニューラルネットワークの標識は、心房細動(AFIB)と、右脚ブロック(RBBB)と、心室性期外収縮(PVC)とを含む。
【0098】
ここで
図6Bを参照すると、回帰畳み込みニューラルネットワークの形態の分類ニューラルネットワークが、図示される。
図6Aと同様に、ECG信号は、ネットワークに入力として与えられる。回帰畳み込みニューラルネットワークは、それが適用された前のオブジェクトのメモリを保つことが可能な特定の畳み込みニューラルネットワーク構造を指す。回帰畳み込みニューラルネットワークは、2つのサブネットワーク、すなわち、特徴を抽出し、心臓信号の全ての時点において算出される、畳み込みニューラルネットワークと、精緻化された出力を提供するために、時間を通して畳み込みニューラルネットワークの出力を蓄積する、その上のニューラルネットワークとから成る。このように、畳み込みニューラルネットワークは、その出力が回帰ニューラルネットワークによって時間的に蓄積されるであろう、パターン検出器として作用する。
【0099】
図6Bに示されるように、畳み込みニューラルネットワークの出力は、心室性期外収縮(PVC)および正常を含む、種々の時点における4つの標識を識別した。それらの標識は、次いで、精緻化された出力「心室性期外収縮」を生成した、第2のニューラルネットワークに適用された。本実施例では、ネットワークが、信号の第1の部分において心室性期外収縮(PVC、第5の最大脈拍)を正しく認識した一方、信号の第2の部分は、正常と見なされる。心臓信号が異常を含むと、これは、したがって、正常と見なされることができず、蓄積された出力は、したがって、PVCである。
【0100】
第1のニューラルネットワーク(すなわち、描写ニューラルネットワーク)および第2のニューラルネットワーク(すなわち、分類ニューラルネットワーク)は、本明細書に説明される挙動および機能性を達成するように訓練されなければならない。描写および分類実施形態の両方では、ネットワークは、例えば、Tensorflow、Theano、Caffe、またはTorch等のオープンソフトウェアを使用して表されてもよい。これらのツールは、ネットワークの出力を算出するため、および勾配降下を通してそれらのパラメータを更新するための機能を提供する。
【0101】
ニューラルネットワークを訓練することは、心臓信号および既知の出力を含有する多数のデータセットをニューラルネットワークに適用することを伴う。本明細書に説明されるシステムおよび方法を使用して、複数の患者を横断して収集される心臓信号を含有する、データセットのデータベースが、サーバ15および/またはドライブ16上に(例えば、クラウド内に)記憶されてもよい。データベース内のデータセットは、処理のためにシステムに入力される新しい心臓信号を分析するために、サーバ15によって使用されてもよい。好ましい実施形態では、訓練されたニューラルネットワークに適用される任意の心臓信号は、ニューラルネットワークを訓練するために使用されるデータセット内の心臓信号と同一のサンプリングレートおよび/または周波数を有するであろう。例えば、分類ニューラルネットワークの訓練は、心臓信号およびそれらの既知の描写を含有するデータセットから開始する。上記に解説されるように、心臓信号は、所定の周波数におけるサイズm×nの行列として表される。例えば、ネットワークは、250Hz、500Hz、または1,000Hzにおいて訓練されてもよいが、任意の周波数が、使用され得る。描写は、次いで、pが波のタイプの数である、サイズp×nの行列Yの形態で表される。各波は、例えば、(P,1.2秒,1.3秒)、(QRS,1.4秒,1.7秒)、(T,1.7秒,2.1秒)、(P,2.2秒,2.3秒)等のそれらの開始および終了点を伴って表される。本実施例では、行列Yの第1行は、P波に対応し、時間1.2秒および1.3秒、ならびに2.2秒および2.4秒において1の値を有し、そうでなければ0を有するであろう。行列Yの第2行は、QRS群に対応し、時間1.4秒および1.7秒において1の値を有し、そうでなければ0を有するであろう。最後に、行列Yの第3行は、T波に対応し、時間2.2秒および2.3秒において1の値を有し、そうでなければ0を有するであろう。ネットワークのパラメータは、次いで、既知の描写およびネットワークの出力を比較する、費用関数を減少させるように修正されてもよい。エントロピー横断エラー関数が、多標識(すなわち、所与の瞬間において複数の波を可能にする)を可能にするように使用される。本最小限化は、データセットの心臓信号毎に前述のステップを少なくとも1回繰り返して、勾配ステップを通して行われることができる。類似アプローチが、描写ニューラルネットワーク(すなわち、第2のニューラルネットワーク)を訓練するために使用され得ることを理解されたい。
【0102】
さらに、ECGプラットフォーム37は、本明細書に説明されるニューラルネットワークに、エントリにおいて異なる数の導線を有する心臓信号を処理させ得ることを理解されたい。例えば、ニューラルネットワークは、入力導線の数から独立し、したがって、任意の数の導線mを用いて心臓信号を処理し得る、ネットワークを取得するように、ネットワークの開始時に一連の層を備えてもよい。例えば、
図7は、2本の入力導線(m=2)および3つの出力信号(k=3)を図示する。しかしながら、同一の構造が、任意の数の入力導線mを処理することができ、依然として、固定数の入力信号が要求される、ネットワークの残りにフィードされ得る、同数の出力信号を提供するであろう。本理由により、入力導線の数は、変動し得、固定される必要はない。
【0103】
図7に示されるように、m本の入力導線からk個の信号を取得するために、導線は、k個のフィルタと導線毎の畳み込みを併用して、畳み込まれてもよい。信号は、次いで、m本の導線のk個の群を取得するために、畳み込みフィルタによって群化されてもよく、数学関数が、最終的に、k本の導線を取得するように各群に適用される。数学関数は、各時点において最大値であってもよい、または当業者に公知である任意の他の関数であってもよい。
【0104】
図4を再び参照すると、ステップ61では、ECGプラットフォーム37は、時間窓毎の標識(すなわち、標識)をポストプロセッサ43によって集約させ、処理された標識60を発生させてもよい。標識は、描写に基づいて大域的測定値から導出されてもよい。例えば、第1度房室ブロックに対応する標識は、200ミリ秒よりも長いPR間隔から導出されてもよい。上記に解説されるように、PR間隔は、描写に基づく大域的測定値である。ポストプロセッサ43はまた、描写ベースの標識を、同一の時点に対応する分類標識と集約してもよい。
【0105】
ポストプロセッサ43はまた、標識をフィルタ処理して冗長標識を除去する、標識の既知の階層に従って標識を組み立てる、または階層もしくは加重値に従って、あまり重要ではないことが公知である標識を無視してもよい。ポストプロセッサ43はまた、各異常の開始(発現)および終了(消失)時間を算出するように、時間を通して標識を集約してもよい。ポストプロセッサ43は、独立型コンポーネントであり得る、または分類器41のサブコンポーネントであり得ることを理解されたい。
【0106】
図4に示されるように、ステップ54、56、58、および61、随意に、63においてECGプラットフォーム37によってバックエンド46上で発生される情報は、ECGプラットフォーム37によってフロントエンド45上のECGアプリケーション29に通信されてもよい。ECGアプリケーション29は、前述の情報を、ステップ65において、システムデバイス14のディスプレイ17上に表示させてもよい。バックエンド46上で発生される情報は、ECGプラットフォーム37によって自動的に伝送されてもよい、またはECGプラットフォーム37は、ECGアプリケーション29によって要求されるまで情報をサーバ15上に記憶させてもよい。データを発生させることに応じて、ECGプラットフォーム37は、データがECGプラットフォーム37から利用可能であることをECGアプリケーション29に知らせるメッセージをECGアプリケーション29に伝送してもよい。
【0107】
ECGアプリケーション29は、第PCT/EP2018/072912号(その内容全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、データ(例えば、未加工ECGデータ、前処理されたECGデータ、波情報、標識、ならびにステップ54、56、58、61、および/または63の間に発生される任意の他のデータ)を受信し、システムデバイス14に表示させてもよい。具体的には、第‘912号出願は、ECG信号、ECG信号の特徴、および/またはECG信号の記述子が、双方向様式で複数のフィールド表示内に表示され得ることを解説する。
【0108】
ここで
図8を参照すると、例示的表示、すなわち、双方向表示101が、図示される。双方向表示101は、第1の側面102と、第2の側面103とを含む。第1の側面102はさらに、ECG信号に対応するデータを含むプロット110を有する、第2のグラフィックウィンドウ105と、第1のグラフィックウィンドウ104とを含む。第1のグラフィックウィンドウ104は、ECG信号の大域的ビューを提供するプロット110を含む。
【0109】
ここで
図9を参照すると、第1のグラフィックウィンドウ104のズームインバージョンが、図示される。本例示的表示では、プロット110は、時間を通したR-R間隔(2つのQRS波の間の間隔)のプロットである、R-R間隔プロットである。
図9に示されるように、第1のグラフィックウィンドウ104の上側領域は、複数の標識ボタン109を備える。各標識ボタン109は、それに近接して、それが関連付けられる標識を説明するテキストを表示している。各標識ボタン109は、標識ボタン109がユーザによって選択されるとき、グラフィック部分111が、標識ボタン109と関連付けられる標識に対応する発作および/または事象の存在を視覚的に示すためにプロット110上に表示されるように、色と関連付けられる。これは、心臓信号に沿って事象および/または発作の具体的カテゴリの容易な識別を許容する、ユーザのための視覚的参照を提供する。
図9に図示される例示的表示では、二次標識112が、含まれる。本例示的表示では、二次標識112は、脈拍標識PVC(心室性期外収縮)およびPSVC(上室性期外収縮)を含むが、他の二次標識も含まれ得ることを理解されたい。標識PVCおよびPSVCと関連付けられるプロット110内の点は、黒色と異なる色の点の存在によって、
図9に示されるように着色される。
【0110】
第1のグラフィックウィンドウ104はさらに、プロット110の時間軸と平行に、時間バー115を備える。時間バー115は、発作または事象に関連付けられる時間周期が、着色されたセグメントとして表される、全ECG入手時間の線形表現を提供する。
図9に示されるように、時間バー115上のより濃い灰色のゾーンは、雑音の多い信号の時間周期(例えば、信号が、過剰にアーチファクトを含み、分析アルゴリズムが、描写および適切な検出を提案することができないとき)に対応する。第1のグラフィックウィンドウ104はさらに、双方向カーソル116を備える。ECGアプリケーション29を使用するユーザは、時間バー115に沿って双方向カーソル116を移動させ、全ECG入手時間に沿ってプロット110のナビゲーションを可能にしてもよい。第1のグラフィックウィンドウ104の右下隅では、第1のグラフィックウィンドウ104は、プロット110をズームインおよびアウトさせるように構成される、第2の双方向手段117を備える。
【0111】
図8を再び参照すると、第2の側面103は、複数の発作プロット106を含む。各発作プロット106は、検出された発作に対応するECGストリップの少なくとも1つのセグメントを表示し、持続時間(例えば、「持続時間:1時間38分」)および/または発作の開始時間(例えば、「第3日/09:39:30」)に関するテキストを含んでもよい。各発作プロット106は、報告に含むための対応する発作プロットを選択するための第3の双方向アイコン108を含む。各発作プロット106はさらに、ユーザが双方向表示101から個別のECGプロットを除去することを可能にする、第4の双方向アイコン107を含む。第2の側面103はさらに、発作プロット106のうちの1つ以上を説明するテキストを含んでもよい。
【0112】
双方向表示101はさらに、カーソル116によって選択される時点から開始する第2の時間窓内にECGストリップ118を含む、グラフィックウィンドウ105を含む。第2のグラフィックウィンドウ105はさらに、第2の時間窓を含む、第2の時間窓よりも大きい第3の時間窓内にECGストリップ119を含む。第3の時間窓は、第2の時間窓に対応する、影付き部分を含む。
【0113】
ここで
図10を参照すると、類似表示、すなわち、双方向表示121が、図示される。双方向表示121は、第1の側面122と、第2の側面123とを含む。第1の側面122はさらに、第1のグラフィックウィンドウ124と、第2のグラフィックウィンドウ125とを含む。第2の側面113は、上記に説明される第2の側面103と同一の機能性を有し、発作プロット106に類似する発作プロット126を含む。さらに、第2のグラフィックウィンドウ125は、第2のグラフィックウィンドウ105と同一の機能性を有し、ECGストリップ118およびECGストリップ119に類似するECGストリップ138およびECGストリップ139を含む。
【0114】
第1のグラフィックウィンドウ124は、プロット130を除いて第1のグラフィックウィンドウ104に類似する。第1のグラフィックウィンドウ104のように、第1のグラフィックウィンドウ124は、複数の標識ボタン109と同一の機能性を有する、複数の標識ボタン129と、二次標識112と同一の機能性を有する、二次標識132と、時間バー115およびカーソル116と同一の機能性を有する、時間バー135およびカーソル136と、第2の双方向手段117と同一の機能性を有する、第2の双方向手段137とを含む。プロット110と異なり、プロット130は、時間の関数としての心拍数の密度のヒストグラムの二変量強度プロット上の投影である、心拍数密度プロットである。
【0115】
ここで
図11を参照すると、プロット130等の心拍数密度プロットを発生させ、プロットするためのステップが、提供される。ステップ141では、ECGプラットフォーム37は、心臓信号(すなわち、ECGデータ)内のR-R間隔を算出する。例えば、ECGプラットフォーム37は、心臓信号を描写ニューラルネットワークに適用し、上記に説明されるように、RR間隔を判定してもよい。ステップ142では、ECGプラットフォーム37は、経時的に心拍数プロットを発生させてもよい。例示的心拍数プロット、すなわち、HRDP150が、
図12に示される。
【0116】
図12に示されるように、時間が、x軸に沿って投影され、心拍数(例えば、1分あたりの脈拍)が、y軸に沿って投影される。一実施形態では、時間および心拍数は両方とも、直線的にスケーリングされる。しかしながら、時間および/または心拍数は、対数的に、もしくは他の周知のスケールを使用してスケーリングされてもよい。簡単にするために、4つだけの心拍数が、
図12に示される。
【0117】
図11を再び参照すると、ステップ143では、ECGプラットフォーム37は、y軸およびx軸を、それぞれ、HRビンおよび時間ビンと称される基本要素に分割させてもよい。例えば、
図12では、HRビン151および時間ビン152が、図示される。HRビン151は、第1および第2の心拍数値(例えば、h
b
1およびh
b
2)によって定義される。同様に、時間ビン152は、第1および第2の時間値(例えば、t
b
1およびt
b
2)によって定義される。HRビンおよび時間ビンの交差は、ビンと称されるであろう。換言すると、ビンは、第1および第2の心拍数値ならびに第1および第2の時間値によって定義されるであろう。
図12では、ビン153が、図示され、HRビン151および時間ビン152によって定義される。
【0118】
図11を再び参照すると、ステップ144では、ECGプラットフォーム37は、各心拍をビンに割り当てさせるであろう。具体的には、所与の時間ビンの時間窓の間に生じる心拍(例えば、QRS群)が、その時間ビンに対応する列の算出に含まれる。さらに、その心拍に対応する心拍数は、時間ビンによって定義される列内でそれが属するHRビンを判定する。例えば、
図12では、心拍154および心拍155はそれぞれ、時間ビン152およびHRビン151内にそれぞれ該当する、対応する時間および心拍数値を有する。逆に、心拍156および心拍157はそれぞれ、時間ビン151の外側に該当する時間値を有し、したがって、いずれもビン153に含まれない。
【0119】
図11を再び参照すると、ステップ145では、ECGプラットフォーム47は、時間ビン毎の心拍数密度を計算するであろう。所与のビンに関して、個別の時間ビンおよび心拍数ビンによって画定される面積は、ビンに含まれる心拍の密度(すなわち、ビン内の心拍の数)に従って表されるであろう。各ビンは、次いで、密度に従って色分けされてもよい。例えば、各ビンは、例えば、灰色レベル等のある色合いまたはパターンを有してもよい。
図12の実施例では、ビンは、心拍数の密度が増加するにつれてより濃くなる灰色のレベルとして表されてもよい。
図12に示されるように、2つの心拍を含むビン153は、1つだけの心拍を伴うビンよりも暗い灰色の色合いであるが、3つ以上の心拍を有するビンよりも薄い灰色の色合いによって表されてもよい。
【0120】
好ましい実施形態では、密度は、HRビンの心拍数で除算されるビン内のR波の数の関数(例えば、時間窓の最小および最大境界の平均)として計算される。本密度の好ましい算出は、具体的ビンで費やされる時間を考慮する。例えば、3分の時間ビンでは、第1のHRビン内で50bpm(1分あたりの脈拍)の心拍数において100回の脈拍、第2のHRビン内で100bpmにおいて100回の脈拍が生じる場合、各ビン内に同数の脈拍が存在するであろうが、2分が50bpmにおいて費やされ、1分のみが100bpmにおいて費やされるであろう。したがって、本ビンは、脈拍の数のみが考慮される場合、同一の密度表現を有するであろう。しかしながら、心拍数で除算される脈拍の計数を考慮するとき、心拍数で除算することが、より高い加重をより低い心拍数値に与えるため、50bpmの心拍数ビンに対応する第1のビンは、100bpmの心拍数ビンに対応するビンよりも濃いであろう。好ましい実施形態は、したがって、脈拍の計数のみを考慮するよりも良好に本時間情報を捕捉する。
【0121】
図11を再び参照すると、ステップ146では、ECGプラットフォーム37は、ビン毎に心拍数密度をプロットするであろう。x軸の関数として自然に与えられる時間情報に加えて、列(時間ビン)内の時間情報を捕捉することは、プロット110内のR-Rプロット等のECG信号の他の形態の集約された表現より優れた様式で密度の表現を促進することを理解されたい。
【0122】
HR密度プロットのx軸の境界は、信号の開始および終了であり得ることを理解されたい。しかしながら、好ましい実施形態では、x軸の境界は、ユーザによって実施されるズームインおよびアウトのアクションとともに双方向性に変動し得る。y軸の境界は、本アクションを実施するときに固定されたままである。
図10を再び参照すると、プロット130は、心拍数密度プロットをズームインするために使用され得る、双方向手段137を含む。ズームアクションは、プロット表示のサイズのみを変化させ得る。代替として、ズームインおよびアウトすることは、時間ビンに対応する時間窓のサイズを変化させる。ズームインアクションを用いると、同数のピクセルを伴って表されるビンが、より短い時間窓を網羅する。ズームインすることは、したがって、より細かい時間分割、その結果として、より細かい時間情報を伴うヒストグラムの新しい算出を引き起こす。これは、ヒストグラムが任意のレベルのズームにおいて可読および有益の両方のままであるために、表示することを選定する時系列の関数として、変動するレベルの情報の集約を示す、ECG信号の表現を可能にする。ここで
図13を参照すると、双方向表示、すなわち、
図10の双方向表示に類似する双方向表示170が、図示される。双方向表示170は、ズームインされ、ズームインされた部分158を有するプロット159をもたらしている。
【0123】
図14A-Eは、典型的R-Rプロットと比べたHRDPの優位性を図示する。ここで
図14Aを参照すると、変動する結合を伴って非常に多数のPVCを有する、ホルターによって発生される信号が、R-Rプロット161および密度プロット162として図示される。密度プロット162では、基礎的調律が、線171として明確に可視である。さらに、補償的休止が、下に線172として図示される。R-Rプロット161では、本パターンは、あまり明確ではない。ここで
図14Bを参照すると、
図14Aのものよりも少ない期外収縮を有する、ホルターによって発生される信号が、R-Rプロット163および密度プロット164として図示される。主要調律は、密度プロット164に明確に図示され、R-Rプロット163ではあまり明確ではない。ここで
図14Cを参照すると、変動する伝導粗動を伴うホルターによって発生される信号が、R-Rプロット165および密度プロット166として図示される。
図14Cに示されるように、伝導粗動は、R-Rプロット165に出現する4つの広がった雲よりも密度プロット166内の4本の明確な黒色線によって強調される。ここで
図14Dを参照すると、恒久的心房細動を伴うホルターによって発生される信号が、R-Rプロット167および密度プロット168として図示される。本図に示されるように、密度プロット168は、細動内の心拍数の変動についてより精密な情報を与える。具体的には、より濃い下半分173は、より多くの時間が高い心拍数よりも低い心拍数において費やされることを示す。密度プロット168はさらに、上半分が増加する心拍数に対応して少しより濃くなる、急上昇を図示する。これらのニュアンスは、R-Rプロット167では可視ではない。ここで
図14Eを参照すると、発作性心房細動、そうでなければ規則的調律を有する、ホルターによって発生される信号が、R-Rプロット174および密度プロット175として図示される。規則的調律のパターンは、明確な黒色線が出現する密度プロット175では、より可視である。また、心房細動のパターンは、色も変化するにつれて、R-Rプロット174よりも密度プロット175で対照を成す(密度が減退し、プロットをより薄くする)。
【0124】
図4を再び参照すると、ステップ66では、ECGアプリケーション29を使用するユーザが、入力デバイス25を使用して、上記に説明される双方向アクティブ表示と相互作用し、報告を要求する、および/または報告をカスタマイズしてもよい。報告は、典型的には、心臓信号の部分を含み、異常および/または発作に関する情報(例えば、発作プロット)、および/または前処理(ステップ54)、描写(ステップ56)、分類(ステップ58)、クラスタ化(ステップ63)、ならびに/もしくは後処理(ステップ61)の間に発生される他の情報を伴ってもよい。報告はさらに、患者の氏名、年齢、既往歴、および/または他の医療情報等の患者特有の医療データを含んでもよい。任意の個別に識別可能な健康情報および/または保護された健康情報が、ECGアプリケーション29とECGプラットフォーム37との間で通信されるときに暗号化され得ることを理解されたい。
【0125】
上記に解説されるように、双方向表示内の双方向アイコンは、報告内に表示されるデータおよび画像を組み込むことに関与してもよい。例えば、第3の双方向アイコン108は、報告に対応する発作プロットを含むように、ECGアプリケーション29を使用するユーザによって選択されてもよい。故に、ステップ66では、ユーザは、報告を要求し得、報告に含まれるべきあるデータ(例えば、異常データ、発作データ、発作プロット等)等のカスタマイズされた特徴を選択してもよい。
【0126】
ステップ67では、ECGアプリケーション29は、報告に対する要求および選択されたカスタマイズ可能な特徴(例えば、報告に含まれるべきECGデータ)をECGプラットフォーム37に伝送してもよく、ECGプラットフォーム37は、要求および情報を受信してもよい。ECGプラットフォーム37は、要求を記録し、ECGアプリケーション29から受信される情報を保存してもよい。ステップ68では、ECGプラットフォーム37は、報告発生器44に、システムECGアプリケーション29から受信される情報に従って報告を発生させてもよい。
【0127】
ここで
図15A-15Dを参照すると、ステップ68において発生される例示的報告が、図示される。例示的報告の第1のページが、
図15Aに図示される。第1のページは、第1のセクション181、第2のセクション182、第3のセクション183、第4のセクション184、第5のセクション185、および第6のセクション186等のいくつかのセクションで提示されてもよい。第1のセクション181は、例えば、患者の氏名、主要な適応症、患者がペースメーカを有するかどうか、患者の生年月日、性別、および/または患者ID等の患者特有の情報を含んでもよい。第2のセクション182は、例えば、監視医師、機関の名称、分析の日程、および/または署名等の臨床医情報を含んでもよい。
【0128】
第3のセクション183は、ECGデータのプロットを含んでもよい。
図15Aでは、セクション183は、
図12に示されるものに類似する心拍数密度プロットを含む。示される時間窓は、デフォルト時間であってもよい、またはユーザ定義された時間窓であってもよい。
図12の心拍数密度プロットのように、ある標識が、密度プロット上の異常の発生を示すように選択されてもよい。時間窓は、通常、関連性がある発作および/または事象に従って選択される。しかしながら、R-Rプロット等の他のプロットも報告に含まれ得ることを理解されたい。
【0129】
第4のセクション184は、心臓信号記録からのメトリックを含んでもよい。例えば、第4のセクション184は、記録の持続時間、最大、最小、および平均心拍数、上室性期外収縮ならびに任意の患者誘起型事象、および/または心臓信号に関する任意の他のメトリックを含んでもよい。第5のセクション185は、検出される任意の発作に対応する情報を含んでもよい。例えば、第5のセクション185は、一時停止情報(計数および/または最長R-R間隔)、房室ブロック情報、心房細動/粗動情報、心室頻脈情報、他の上室性頻脈情報、ならびに/もしくは任意の発作または異常に関する任意の他の情報を含んでもよい。第6のセクション186は、例えば、発作および/または異常の要約、診断、ならびに/もしくは心臓信号から分析される、集約される、算出される、判定される、識別される、または別様に検出される任意の他の情報等の結果情報を含んでもよい。例えば、第6のセクション186は、発作性心房細動を伴う洞律動を識別してもよい。
【0130】
図15B-Dは、例示的報告の第2、第3、および第4のページを図示する。
図15B-Dに示されるように、報告はさらに、ユーザによって前もって選択された、またはデフォルト設定下で選択された、ECGストリップを含んでもよい。例えば、ユーザは、最大HRストリップ191、最小HRストリップ192、心房細動/粗動ストリップ193、他のSVTストリップ194、PSVCストリップ195、およびPVCストリップ196を選択してもよい。最大HRストリップ191は、所与の心臓信号記録の間の最大心拍数を示すECGストリップであってもよい。同様に、最小HRストリップ191は、所与の心臓信号記録の間の最小心拍数を示すECGストリップであってもよい。心房細動/粗動ストリップ193は、心房細動/粗動の各発作を示すECGストリップであってもよい。他のSVTストリップ194は、上室性頻脈の各発作を示すECGストリップであってもよい。PSVCストリップ195は、上室性期外収縮の発作を示すECGストリップであってもよい。PVCストリップ197は、心室性期外収縮の発作を示すECGストリップであってもよい。ECGストリップは、ユーザによって追加されるような関連する関連性がある関連付けられるメトリックおよびコメントを伴って表示されてもよい。
図15A-Bに示される報告は、例示的にすぎず、ステップ68において発生される報告は、異なる構造もしくは構成を有し得る、および/または異なるECGならびに本明細書で検討される患者関連情報を含み得ることを理解されたい。
【0131】
ここで
図16Aを参照すると、ECG処理システム10に実質的に類似するが、ステップ202-205を含む、ECG処理システム10’が、図示される。ECG処理システム10のように、ECG処理システム10’は、プリプロセッサ38によってステップ54において前処理されるように、バックエンド46において未加工ECGデータ52を受信し、波情報201を発生させるようにステップ56において描写のためにデリネータ39に適用され得る、前処理されたECGデータ55を発生させてもよい。波情報201は、波情報57(例えば、T波、P波、QRS群等の存在の可能性に対応するスコア)および/または波情報62(例えば、PVC波ならびにPAC波等に関するスコア)を含んでもよい。上記に解説されるように、デリネータ39の出力は、1つ以上のベクトルおよび/または行列であってもよい。
【0132】
波情報201はさらに、ECGデータ内の1つ以上の波および/または脈拍の発現ならびに消失についての情報を含んでもよい。例えば、ECGデータの全体を通した時点におけるあるタイプの波の存在の可能性に基づいて、デリネータ39は、1つ以上の波および/または脈拍の発現ならびに消失を判定してもよい。ステップ200では、クラスタ化装置42は、波情報201内の脈拍の発現および消失を使用し、ECGデータ(例えば、前処理されたECGデータ)から脈拍を抽出してもよい。これは、脈拍の発現時に開始し、消失時に終了する、ECGデータの部分を判定してもよい。これらの部分は、ECGデータから抽出され、脈拍として指定されてもよい。脈拍に対応するECGデータの部分は、ステップ202において入力として使用されてもよい。
【0133】
また、ステップ200では、クラスタ化装置42は、埋め込み装置48と、群化装置49とを含む、監視する、および/または実装してもよい。具体的には、ステップ200は、サブステップ202と、サブステップ204とを含んでもよく、クラスタ化装置42は、1つ以上の訓練されたニューラルネットワークであり得る、1つ以上のアルゴリズムを実行し、埋め込みデータ203、最終的には、群データ205を発生させてもよい。具体的には、サブステップ202では、埋め込み装置48は、訓練されたニューラルネットワークであり得る、1つ以上のアルゴリズムを実行し、埋め込みデータ203を発生させてもよい。ステップ200において抽出されるECGデータの部分は、埋め込み装置48に入力されてもよい。埋め込みデータ203は、埋め込み装置48のための入力として使用されるECGデータの脈拍部分を表す、1つ以上のベクトルであってもよい。このように、ECGデータ内で識別される脈拍は、ECGデータから抽出され、埋め込み装置48を使用して埋め込まれてもよい。一実施例では、埋め込みデータ203は、1つ以上の脈拍に対応し、それらを表す、1つ以上のベクトルおよび/または行列であってもよい。サブステップ204では、群化装置49は、埋め込まれたデータ203上で、訓練されたニューラルネットワークであり得る、1つ以上の群化アルゴリズムを実行し、群データ205を発生させてもよい。
【0134】
ECGデータの部分を抽出し、ECGデータの部分を埋め込み装置48に入力し、埋め込みデータ203を発生させ、埋め込みデータ203を群化装置49に入力するプロセスが、
図16Bにさらに詳細に図示される。
図16Bに示されるように、ECGデータ206の部分は、埋め込みのために、埋め込み装置48のための入力として使用されてもよい。ECGデータ206の部分は、脈拍の発現時に開始し、脈拍の消失時に終了する時間周期にわたる、ECGデータ(例えば、前処理されたECGデータ)の一部であってもよい。例えば、埋め込み装置48は、1つ以上のアルゴリズムを使用して、ECGデータ206の部分を処理し、埋め込みデータ203をもたらしてもよい。1つ以上のアルゴリズムは、1つ以上のニューラルネットワーク(例えば、埋め込みニューラルネットワーク)であってもよい。埋め込みデータ203は、1つ以上の脈拍ベクトル207であってもよい。脈拍ベクトル207は、ECGデータ206の部分を表すデータおよび/または値を含む、ベクトルであってもよい。
図16Bに示されるように、脈拍ベクトル207は、群化のために群化装置49に入力されてもよい。
【0135】
図16Aを再び参照すると、群化装置49は、1つ以上のアルゴリズムを使用して、脈拍に対応する埋め込みデータ203を処理し、2つ以上の脈拍の間の類似性に対応する群データ205をもたらしてもよい。1つ以上のアルゴリズムは、1つ以上のニューラルネットワーク(例えば、群化ニューラルネットワーク)であってもよい。群データ205は、埋め込みデータ203のベクトルの間の類似性および/または距離に対応する、1つ以上のスコアもしくは値を含んでもよい。類似性は、例えば、類似T波、P波、QRS群、または他の波、もしくは前述のうちのいずれかの間の類似距離等の類似特性および/または特徴を伴ってもよい。このように、群化装置49は、ECGデータの2つ以上の脈拍の間の類似性を定量化してもよい。群データ205に基づいて、クラスタ化装置49は、群データ205(例えば、スコアもしくは値)が、閾値差以内である、または閾値を満たすかどうか、したがって、対応する脈拍が、ともに群化または合致されるべきであるように、相互と十分に類似する(例えば、類似特性および/または特徴を有する)かどうかを判定してもよい。類似脈拍の群は、本明細書では形態および/またはクラスタと称され得る。
図16Aに示されるように、群データ205は、随意に、ステップ58において分類のために分類器41に適用されてもよい。
【0136】
図3A、3B、および16に示されるように、群データ205、および/または群データ205に基づく、もしくは別様にそれを組み込むグラフィックユーザインターフェースは、バックエンド46上のECGプラットフォーム37によって、フロントエンド45上のECGアプリケーション29に通信されてもよい。ECGアプリケーション29は、脈拍群化についての情報および/または群データ205を、ステップ65においてシステムデバイス14のディスプレイ17上に表示させてもよい。例えば、発作のタイプ(例えば、QRSクラスタ、PVCクラスタ、および/またはPACクラスタ)と関連付けられる脈拍に関する情報が、ディスプレイ17上に表示されてもよい。バックエンド46上で発生される情報は、ECGプラットフォーム37によって自動的に伝送されてもよい、またはECGプラットフォーム37は、ECGアプリケーション29によって要求されるまで情報をサーバ15上に記憶させてもよい。データを発生させることに応じて、ECGプラットフォーム37は、データがECGプラットフォーム37から利用可能であることをECGアプリケーション29に知らせるメッセージをECGアプリケーション29に伝送してもよい。ECGアプリケーション29は、データ(例えば、未加工ECGデータ、前処理されたECGデータ、波情報、標識、クラスタ、および/または形態、ならびにサブステップ202ならびに/もしくは204を含む、ステップ54、56、58、61、63、および200の間に発生される任意の他のデータ)を受信し、システムデバイス14に、本明細書および第WO2019/038435号(その内容全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような情報および/またはデータを表示させてもよい。
【0137】
ECGアプリケーション29を使用するユーザは、波情報、標識、発作、クラスタ、脈拍群化、および/または形態、ならびにステップ54、56、58、61、および200の間に発生される任意の他のデータを、ディスプレイ17上で閲覧してもよい。ステップ66では、ECGアプリケーション29を使用するユーザは、入力デバイス25を使用して、上記に説明される双方向表示と相互作用し、フロントエンド45上のECGアプリケーション29からバックエンド46上のECGプラットフォーム37に通信され得る、ユーザ入力データ69を発生させてもよい。例えば、ユーザは、ディスプレイ17上でQRSクラスタ、PVCクラスタ、および/またはPACクラスタを閲覧してもよい。入力デバイス25を使用して、ユーザは、ディスプレイ17と相互作用し、波情報、標識、発作、クラスタ、脈拍群化、および/または形態に関連性があるユーザ入力データ69、ならびにディスプレイ17上に提示される任意の他のデータを発生させてもよい。例えば、ユーザは、付加的クラスタおよび/または脈拍群を判定もしくは識別してもよい、類似クラスタならびに/もしくは脈拍群を識別する、関連付ける、および/またはマージしてもよい、不正確である、関連性がない、または誤標識されたクラスタならびに/もしくは脈拍群を削除してもよい、および/またはクラスタならびに/もしくは脈拍群を異なるサブセットに分割してもよい。加えて、ユーザ入力データ69は、下記に説明されるような削除および/または修正された形態に対応し得る。
【0138】
ユーザ入力69を受信することに応じて、バックエンド46上のECGプラットフォーム37は、ステップ70において、再電算機40にユーザ入力データ69を使用させ、デリネータ39、埋め込み装置48、および/または群化装置49を再訓練、修正、ならびに/もしくは調節させてもよい。例えば、ユーザ入力データ69は、群化データ205が不正確であったことを示し得る。再電算機40は、本情報を使用し、デリネータ39、埋め込み装置48、および/または群化装置49を再訓練ならびに/もしくは調節し、より正確な群化データ205を発生させてもよい。デリネータ39、埋め込み装置48、および/または群化装置49を再訓練することに応じて、ステップ200、サブステップ202、ならびに/もしくはサブステップ204のうちの1つ以上が、繰り返されてもよく、発生される情報(例えば、群データ205、発作、および/またはクラスタもしくは形態)が、上記に解説されるように、フロントエンド45上のECGアプリケーション29に送信され、ディスプレイ17上に表示され、ユーザによって閲覧されてもよい。群データ、発作、および/またはクラスタもしくは形態を再算出し、ディスプレイ17を介して同内容をユーザに提示することによって、ユーザは、処理システム10’を調節および別様に微調整してもよい。例えば、より正確な発作が、識別され得、波情報201、埋め込みデータ203、および/または群データ205の品質が、改良され得る。
【0139】
ここで
図17を参照すると、ECGデータを分析し、類似脈拍を群化するプロセスが、図示される。本プロセスは、概して、ステップ211において患者のECGデータを受信することを伴う。これは、ECGプラットフォーム37において未加工ECGデータ52を受信することを伴ってもよい。未加工ECGデータは、随意に、(例えば、雑音を除去するように)上記に説明されるように前処理されてもよい。ECGデータを受信することに応じて、ステップ212では、ECGデータは、波情報を発生させるように、少なくとも1つの描写アルゴリズムを使用して分析および/または処理されてもよい。埋め込みアルゴリズムは、1つ以上のアルゴリズムおよび/またはニューラルネットワークであってもよい。発生される波情報は、波情報201であってもよい。ステップ213では、脈拍発現および消失が、波情報から判定されてもよい。脈拍発現および消失に基づいて、消失に対応する時点から開始し、発現に対応する時点で終了するECGデータの一部が、ECGデータから抽出され、その特定の脈拍と関連付けられてもよい。ECGデータの複数の脈拍部分が、ステップ213において抽出されてもよい。ステップ214では、脈拍に対応するECGデータの部分が、埋め込みデータを発生させるように、埋め込みアルゴリズムを使用して分析および/または処理されてもよい。埋め込みデータは、埋め込みデータ203であってもよい。埋め込みアルゴリズムは、1つ以上のアルゴリズムおよび/またはニューラルネットワークであってもよい。埋め込みアルゴリズムによって発生される埋め込みデータは、脈拍に対応するECGデータの一部を表し得る。
【0140】
ステップ215では、埋め込みデータは、群データを発生させるように、群化アルゴリズムを使用して分析および/または処理されてもよい。群データは、群データ205であってもよい。群化アルゴリズムは、1つ以上のアルゴリズム(例えば、kmeans、dbscan)および/または訓練されたニューラルネットワークであってもよい。群化アルゴリズムは、好ましくは、複数のECGデータセットおよび/または種々の脈拍に対応するECGデータの部分から訓練される。ステップ216では、群データは、2つ以上の脈拍が類似する(例えば、ある特徴および/または特性を共有する)かどうかを判定するように分析されてもよい。例えば、群データ値が、脈拍の間の類似性を判定するように、範囲の閾値と比較されてもよい。群データ値が脈拍の間の類似性を示す場合(例えば、群データ値が閾値を満たした場合)、類似脈拍は、ともに群化されてもよい。
【0141】
ステップ217では、ECGデータ、波情報、標識、埋め込みデータ、群データ、脈拍の群、類似脈拍、クラスタ、発作、形態に関する情報、および/または前述のうちのいずれか(例えば、分析されたECGデータ)に基づく、もしくはそれを示す他の情報が、表示するためにECGプラットフォーム37からECGアプリケーション29に伝送されてもよい。分析されたECGデータの一部または全てが、グラフィックユーザインターフェース上に表示されてもよい。例えば、
図18に図示される双方向表示220に類似するグラフィックユーザインターフェースが、形態240および他の分析されたECGデータを表示してもよい。グラフィックユーザインターフェースは、
図20Bに図示されるように、その形態内のサンプル脈拍の脈拍オーバーレイ画像を含んでもよい。
【0142】
随意のステップ218では、分析されたECGデータを、1人以上の医療従事者と関連付けられる1つ以上のユーザアカウントに割り当てる要求が、ECGプラットフォーム37によって受信されてもよく、ECGプラットフォーム37は、分析されたECGデータをそのユーザアカウントに割り当ててもよい。分析されたECGデータを医療従事者(例えば、技術者、心臓専門医等)に割り当てることに加えて、本システムは、そのECGデータが精査のために医療従事者に割り当てられていることをその医療従事者に知らせてもよい。例えば、メッセージおよび/またはアラートが、その医療従事者に送信されてもよい。分析されたECGデータは、同様に、割り当て解除される、および/または再び割り当てられてもよい。随意のステップ218は、代替として、ステップ219、220、および/または221の後もしくは合間に、または任意の他の点において生じ得ることを理解されたい。随意のステップ219では、分析されたECGデータは、品質制御のために提出されてもよい、品質制御に対する要求は、ECGプラットフォーム37によって受信されてもよい、および/または分析されたECGデータは、1人以上の品質精査者(例えば、技術者)による精査のために、品質制御待ち行列内に入れられてもよい。
【0143】
随意のステップ220では、ECGプラットフォーム37は、1人以上の品質精査者(例えば、技術者)から品質制御入力を受信してもよい。品質制御入力は、分析されたECGデータの削除および/または修正された部分を含んでもよい。随意のステップ221では、ECGプラットフォーム37は、表示するために、品質制御入力をECGアプリケーション29に伝送してもよい。ECGアプリケーションは、削除および/または修正のために選択された、分析されたECGデータを示してもよい。ステップ220および/または221は、複数の品質制御精査者が分析されたECGデータを精査する場合、複数回繰り返されてもよい。例えば、第1の品質制御精査者は、分析されたECGデータがさらなる精査を要求することを示してもよく、第2の品質制御精査者は、分析されたECGデータおよび/または第1の品質制御精査の間に発生される品質制御入力を分析してもよい。
【0144】
ステップ222では、ECGプラットフォーム37は、ECGアプリケーション29からユーザ入力データを受信してもよい。例えば、医療従事者(例えば、割り当てられた医療従事者)は、分析されたECGデータおよび/または品質制御入力を精査してもよく、分析されたECGデータならびに/もしくは品質制御入力に関して(例えば、分析されたECGデータの不正確度に関して)ユーザ入力データを発生させてもよい。ユーザ入力データは、分析されたECGデータの一部または全ての削除および/または修正であってもよい。ユーザ入力データは、システムデバイス14の入力デバイス25によって発生され、ECGアプリケーション29からECGプラットフォーム37に伝送されてもよい。例えば、ユーザ入力データは、埋め込みデータおよび/または群データの正確度に対応し得る、グラフィックユーザインターフェースの正確度に対応し得る。
図20Aに関して下記に解説されるように、ユーザ入力データは、削除されている形態に対応し得る。例えば、臨床医は、表示された形態を精査した後、医療提供者または技術者が、その形態内のサンプル脈拍が異常ではなく正常であることを判定する場合、入力デバイス25を使用して、その形態を削除してもよい。
【0145】
随意のステップ223では、受信されたユーザ入力データおよび/または品質制御入力は、(例えば、再電算機40を使用して)描写アルゴリズム、分類アルゴリズム、群化アルゴリズム、ならびに/もしくは埋め込みアルゴリズムを訓練および/または修正するために、使用されてもよい。例えば、ユーザ入力データは、ある発作および/または脈拍群が削除されるべきである、ならびに/もしくは別様に不正確であることをECGプラットフォーム37に知らせてもよい。本情報は、描写アルゴリズム、分類アルゴリズム、群化アルゴリズム、および/または埋め込みアルゴリズムを再訓練または別様に修正し、これらのアルゴリズムによって発生される、波情報、標識、埋め込みデータ、ならびに/もしくは群データの品質を改良するために、使用されてもよい。
【0146】
随意のステップ224では、ECGデータ(例えば、前処理されたECGデータ)が、再分析されたECGデータ(例えば、波情報、標識、埋め込みデータ、群データ、脈拍の群、類似脈拍、クラスタ、発作、形態、および/または前述のうちのいずれかに基づく、もしくはそれを示す他の情報)を発生させるように、修正された描写アルゴリズム、分類アルゴリズム、群化アルゴリズム、ならびに/もしくは埋め込みアルゴリズムに基づいて、再分析および/または再計算されてもよい。ステップ225では、再分析されたECGデータ、および/または再分析されたECGデータを示す、もしくはそれに基づく他の情報が、表示するために、ECGプラットフォーム37からECGアプリケーション29に伝送されてもよい。データおよび/または情報は、グラフィックユーザインターフェース上に表示されてもよい。例えば、グラフィックユーザインターフェースは、ユーザ入力データにおいて命令されるような形態を削除するように更新されてもよい。加えて、または代替として、再算出された発作もしくはクラスタが、表示されてもよい。
【0147】
ここで
図18を参照すると、双方向表示220が、図示される。双方向表示220は、第1のグラフィックウィンドウ124に類似する第1のグラフィックウィンドウ221と、第2のグラフィックウィンドウ125に類似する第2のグラフィック222とを含む。双方向表示220はまた、報告を発生させるための報告作成ボタン225を含んでもよい。第1のグラフィックウィンドウ221は、ある時間周期にわたる複数の脈拍を図示してもよく、カーソル136に類似するカーソル224を含んでもよい。第2のグラフィックウィンドウ222は、カーソル224によって選択される複数の脈拍の領域のズームインされたビューを含んでもよい。双方向表示220はさらに、第1のグラフィックウィンドウ221内の分析または複数の脈拍についての付加的情報を含み得る、第3のグラフィックウィンドウ223を含んでもよい。例えば、第3のグラフィックウィンドウ233は、上記に説明されるように、ある類似性に基づいてともに合致または別様に群化された、複数の脈拍ストリップをそれぞれ含む、1つ以上の形態を図示してもよい。いくつかの実施形態では、脈拍ストリップは、時間的に複数の連続的な脈拍である。概して、ともに合致または別様に群化された複数の脈拍ストリップは、異なる時間間隔からのものであり、時間的に連続的なストリップではない。
【0148】
ここで
図19を参照すると、第3のグラフィックウィンドウ223が、図示される。示されるように、第3のグラフィックウィンドウ223は、形態分析、心室活動、またはナビゲーションウィンドウ259(
図21に示される)内に列挙される任意の他のカテゴリ等の第3のグラフィックウィンドウ223に表示されるべき情報を選択するためのカテゴリタブ231を含んでもよい。第3のグラフィックウィンドウ223はまた、カテゴリタブ231をさらに絞り込むためのサブタブ232をさらに含んでもよい。例えば、サブタブ232は、PVCおよびPSVC等の異常のタイプ、または「他の脈拍」等の一般的タブを含む。「形態分析」ウィンドウタブが、選択されるとき、形態233が、双方向表示220を使用して閲覧されてもよい。上記に解説されるように、形態233のうちの各形態は、群データに基づいてともに群化された脈拍ストリップの群を含んでもよい。例えば、各形態は、1つ以上の類似する特性もしくは品質を有する脈拍を含んでもよい。
【0149】
ここで
図20Aを参照すると、形態233のうちの1つの形態の例示である形態240が、図示される。形態240は、形態名241、形態ナビゲータ242、脈拍オーバーレイ243、報告に追加するボタン244、様々な情報245、時間識別子246、報告ボタン247、削除ボタン248、および脈拍ウィンドウ249を伴ってもよい。形態名241は、形態を識別してもよい。形態ナビゲータ242は、脈拍ウィンドウ249内で閲覧するべき形態240内の脈拍ストリップを選択するために使用されてもよい。形態ナビゲータ242に表示され得る脈拍ストリップは、その形態内の全脈拍ストリップのうちの脈拍ストリップのサブセットであってもよい。脈拍ストリップのサブセットは、全脈拍ストリップから無作為に選択される、または好ましい実施形態では、相互と最大の差異を有する、その形態内の脈拍ストリップに基づいて選択されてもよい。例えば、サブセットは、群データならびに/もしくは埋め込まれたデータを比較し、相互と最大の差異を伴うベクトルおよび/または行列値を有する、その形態内の脈拍ストリップを判定することによって発生されてもよい。このように、形態ナビゲータ242は、スコアに基づいて、形態に関して関連性がある脈拍ストリップを表示する。報告に追加するボタン244は、報告発生ボタン225を使用して、ECGプラットフォーム37によって発生されるべき報告に形態240を追加するために使用されてもよい。様々な情報245は、患者または形態についてのある情報を含んでもよい。例えば、様々な情報245は、患者がペースメーカを有することを識別してもよい。時間識別子246は、脈拍ウィンドウ249内のある点における時間を識別してもよい。例えば、ユーザは、脈拍ウィンドウ249内の点にわたってカーソルを設置してもよく、時間識別子246は、対応する時間を識別してもよい。報告ボタン247は、報告または報告テンプレートを開くために使用されてもよい。削除ボタン248は、形態240を削除するものであってもよい。例えば、形態240を精査した後、医療提供者または技術者は、形態内の脈拍が類似しない、正常である、および/または別様にともに群化されるべきではないことを決定してもよく、したがって、形態を削除することを決定してもよい。
図16および17に関して上記に解説されるように、形態を削除することは、グラフィックユーザインターフェース(例えば、双方向表示220)を改変してもよい、および/または群化アルゴリズムを、ニューラルネットワークを再訓練するように修正もしくは別様に改変させてもよい。
【0150】
ここで
図20Bを参照すると、脈拍オーバーレイ243が、拡大される。示されるように、脈拍オーバーレイ243は、単一のプロット上に形態240内のいくつかまたは全ての類似脈拍を表示してもよい。例えば、脈拍オーバーレイ243は、相互にわたってオーバーレイされる形態ナビゲータ242の脈拍ストリップのそれぞれからの単一の脈拍を表示してもよい。好ましい実施形態では、脈拍ストリップのそれぞれからの脈拍オーバーレイ243内の表示された脈拍は、個別の脈拍ストリップでは異常としてシステムによって識別される脈拍である。ECGプラットフォーム37は、波またはプロット特徴(P波、T波、QRS群)に従って脈拍を整合させてもよい。医療提供者または技術者は、脈拍オーバーレイ243を使用し、形態が異常である、類似するかどうか、および/または適切なサブタブ内で正確にカテゴリ化されているかどうかを判定してもよい。医療提供者または技術者が、形態内の脈拍が類似しない、正常である、および/または別様にともに群化されるべきではないことを判定した場合、医療提供者または技術者は、上記に説明されるように、削除ボタン248を使用して形態を削除してもよい。
【0151】
ここで
図21を参照すると、双方向表示250が、図示される。双方向表示250は、第1のグラフィックウィンドウ221に類似する第1のグラフィックウィンドウ251と、第2のグラフィックウィンドウ222に類似する第2のグラフィック252とを含む。第1のグラフィックウィンドウ251は、ある時間周期にわたる複数の脈拍を図示してもよく、カーソル224に類似するカーソル254を含んでもよい。第2のグラフィックウィンドウ252は、カーソル254によって選択される複数の脈拍の領域のズームインされたビューを含んでもよい。双方向表示250はさらに、1つ以上のカテゴリを図示する、第3のグラフィックウィンドウ253を含んでもよい。双方向表示250はまた、ナビゲーションウィンドウ254と、報告を発生させるための報告作成ボタン255とを含んでもよい。ナビゲーションウィンドウ259は、第3のグラフィックウィンドウ253内で閲覧されるべき種々のカテゴリを選択するために使用されてもよい。例えば、ナビゲーションウィンドウ259は、限定ではないが、最大HR、最小HR、AVブロック、他の脈拍ならびにPSVC等の形態分析、他のSVT等の上室活動、VT等の心室活動、および/または洞を含む、カテゴリを選択するために使用されてもよい。
【0152】
双方向表示250はまた、第1のグラフィックウィンドウ251内に含有される複数の脈拍の中の異所性区間を表示してもよい。異所性区間は、時間的に連続的である、3つ以上の異常な脈拍である。したがって、本明細書に説明されるシステムは、1列の3つ以上の異常な脈拍が、例えば、上記に説明される識別子を使用して識別されるときに、異所性区間を検出してもよい。第1のグラフィックウィンドウ251は、異所性区間の点において識別バー256を用いて異所性区間を識別してもよい。第2のグラフィックウィンドウ252は、第2のグラフィックウィンドウ252と異なる色であり得る異所性セクション257を用いて異所性区間の領域を識別してもよい。異所性セクション257内の各異所性脈拍が、各異所性脈拍の精密な場所を示す、異所性マーカ258を用いて識別されてもよい。
【0153】
報告作成ボタン255(
図18の報告作成ボタン225に類似する)を使うことによって、報告が、双方向表示250に図示されるECGデータに関して作成されてもよい。上記に解説されるように、双方向表示250を使用する医療提供者または技術者は、報告に含むように、ナビゲーションウィンドウ259を使用して表示される、形態、または種々の他の脈拍ストリップ、もしくは脈拍ストリップの群を選択してもよい。
図22A-22Pは、ECGプラットフォーム37およびECGアプリケーション29を使用して発生され得る例示的報告である、報告260を図示する。
【0154】
ここで
図22Aを参照すると、報告260は、患者についての情報と、医療提供者もしくは技術者についての情報と、報告の概要と、患者の心拍数(例えば、最大、最小、平均)についての情報と、異所性情報(例えば、上室性期外収縮、心室性期外収縮)と、患者事象についての情報と、ペース調整された脈拍についての情報と、最も顕著な所見、結果、および/または分析を含むことを識別する、所見セクションとを含む、カバーページ261を含んでもよい。カバーページ261はさらに、患者のECGデータに対応する顕著な脈拍ストリップを含んでもよい。例えば、顕著な脈拍ストリップは、限定ではないが、心房細動/粗動、他のSVT、一時停止、AVブロック、VTを含んでもよい。
【0155】
ここで
図22Bを参照すると、報告260は、ある時間周期(例えば、数時間)にわたる患者の心拍を図示し得る、心拍数傾向表示262を含んでもよい。心拍数傾向表示261はまた、経時的に表示された脈拍の異常を識別するための1つ以上の異常識別子263を含んでもよい。心拍数傾向表示はまた、PTEおよび/または心房細動/粗動を識別してもよい。ここで
図22Cを参照すると、報告260は、ある時間周期(例えば、数時間)にわたる患者の心拍数を表示し得る、心房細動/粗動表示264を含んでもよい。心房細動/粗動表示264は、患者が心房細動および/または粗動を被っている時間を表示するために使用されてもよい。心房細動/粗動表示264はさらに、負担割合、最長発作の時間の長さ、および最大心拍数を表示してもよい。
【0156】
ここで
図22Dを参照すると、報告260は、ある時間周期(例えば、数時間)にわたる患者の心拍数を表示し得、患者がPSVCを被っている時間を表示するために使用され得る、PSVC表示265を含んでもよい。PSVC表示265はさらに、PSVC値ならびにカプレット数および/または割合を表示してもよい。ここで
図22Eを参照すると、報告260は、ある時間周期(例えば、数時間)にわたる患者の心拍数を表示し得、患者がPVCを被っている時間を表示するために使用され得る、PVC表示266を含んでもよい。PVC表示266はさらに、PVC値および/または割合、PVCに関連性がある形態の数、カプレットの数ならびに/もしくは割合、二段脈数および/または割合、および三段脈数ならびに/もしくは割合を表示してもよい。
【0157】
ここで
図22Fを参照すると、報告260は、検出される患者症状を識別し得、患者事象の総数および症候性患者事象の数を含み得る、患者症状表示267を含んでもよい。患者症状表示267は、動悸、胸痛、目眩、失神、および他の症状に分けられてもよい。ここで
図22Gを参照すると、報告260は、心拍数変動性表示268と、QT分析表示269とを含んでもよい。心拍数変動性表示268は、心拍数分布および変動性を識別し、平均値、SDNN、SDANN、ASDNN、NN50、pNN50、RMSSD、VLF、LF、およびHF等の心拍数パラメータを表示してもよい。QT分析表示269は、経時的にQT分析を分析および表示し、最小QT、平均QT、最大QT、最小QTcB、平均QTcB、最大QTcB、およびQTcB>450ミリ秒等のパラメータを識別してもよい。
【0158】
ここで
図22Hを参照すると、報告260は、ストリップインデックス271を含んでもよい。ストリップインデックス271は、ID、日付および時間、カテゴリ、心拍数、患者事象、コメント、ならびにページのようなパラメータを含んでもよい。カテゴリは、最大HR、最小HR、洞、心房細動/粗動、VT、患者事象、PVC、心室カプレット、心室二段脈、PSVC、上室カプレット等の項目を含んでもよい。インデックスストリップ271は、あるカテゴリを表示する脈拍ストリップが見出され得る、報告ページ番号を見出すために使用されてもよい。
【0159】
ここで
図22Iを参照すると、報告260は、最大HR表示272、最小HR表示273、および洞表示274等の脈拍ストリップ表示を含んでもよい。最大HR表示272は、最大心拍数を伴う脈拍ストリップを表示してもよい。最小HR表示273は、最小心拍数を伴う脈拍ストリップを表示してもよい。洞表示274は、洞異常を伴う脈拍ストリップを表示してもよい。ここで
図22Jを参照すると、報告260は、洞表示274および心房細動/粗動表示275等の脈拍ストリップ表示を含んでもよい。心房細動/粗動表示275は、心房細動および/または粗動を示す脈拍ストリップを表示してもよい。ここで
図22Kを参照すると、報告260は、心房細動/粗動表示275およびVT表示276等の脈拍ストリップを含んでもよい。VT表示276は、VTを示す脈拍ストリップを表示してもよい。ここで
図22Lを参照すると、報告260は、VT表示276、患者事象表示277、およびPVC表示278等の脈拍ストリップを含んでもよい。患者事象表示277は、患者事象を示す脈拍ストリップを表示してもよい。PVC表示278は、PVCを示す脈拍ストリップを表示してもよい。
図22Mは、付加的PVC表示278を図示する。ここで
図22Nを参照すると、報告260は、心室カプレット279および心室二段脈281等の脈拍ストリップを含んでもよい。心室カプレット279は、1つ以上の心室カプレットを示す脈拍ストリップを表示してもよい。心室二段脈281は、心室二段脈を示す脈拍ストリップを表示してもよい。ここで
図22Oを参照すると、報告260は、PSVC表示282および上室カプレット表示283等の脈拍ストリップを含んでもよい。PSVC表示272は、PSVCを示す脈拍ストリップを表示してもよい。上室カプレット表示283は、1つ以上の上室カプレットを示す脈拍ストリップを表示してもよい。
図22Pはまた、上室カプレット表示283も図示する。
【0160】
ここで
図23A-23Dを参照すると、例示的プロセスおよびユーザインターフェースが、精査のために分析されたECGデータを割り当てるために図示される。例えば、
図23A-23Dは、ECGデータセットおよび/または分析されたECGデータの精査責任を1人以上の医療従事者に割り当てる、割り当て解除する、ならびに/もしくは再び割り当てるための例示的インターフェースおよびプロセスを図示する。
【0161】
ここで
図23A-Bを参照すると、(例えば、システムデバイス14上の)ECGアプリケーション29を介して表示されるグラフィックユーザインターフェースは、ECGデータ(例えば、ファイル)を1人以上の医療従事者に割り当てるために使用され得る、精査保留中ウィンドウ312を表示してもよい。精査保留中ウィンドウ312は、ECGデータ、および/または波情報、標識、群データ、埋め込みデータ、分類データ、描写データ、クラスタ、分析されたデータ、ならびに/もしくはECGデータに基づく、またはそれに対応する任意の他のデータに対応し得る、データステータス識別子304を含んでもよい。データステータス識別子304は、対応するデータが閲覧されたかどうか、およびそれを閲覧した者を示してもよい。データステータス識別子304はまた、該当する場合、データが割り当てられた医療従事者を示してもよい。例えば、データステータス識別子304は、ユーザまたはデータ識別子、ECGデータの持続時間に対応する持続時間値(例えば、1日)、アップロード日(例えば、データがECGプラットフォーム37にアップロードされた日付に対応する)、精査のステータスに対応する精査ステータス(例えば、分析のために返却、完了、品質制御保留中)、および/または品質制御もしくは精査のために対応するデータを提出した者についての情報、ならびに/もしくはデータが最後に修正されたときを含んでもよい。いずれのステータスも存在しない場合、データおよび/または分析は、アップロードされ、分析される準備ができていてもよい。ステータスが、「品質制御保留中」である場合、データおよび/または分析は、品質制御のために提出されてもよく、精査される準備ができていてもよい。ステータスが、「分析のために返却」である場合、データおよび/または分析は、精査されている場合があるが、依然として、さらなる精査を必要とする。ステータスが、「完了」である場合、データおよび/または分析は、精査されている場合があり、容認可能と見なされてもよい。
【0162】
データステータス識別子304は、データステータス識別子304を、医療従事者と関連付けられる1つ以上のユーザアカウントに割り当て、かつ割り当て解除するための割当メニュー341を含んでもよい。
図23A-Bに示されるように、割当メニュー341は、ユーザが、そのデータステータス識別子304、したがって、対応するデータを、識別される医療従事者に割り当てるための医療従事者の氏名を記入することを可能にしてもよい。代替として、または加えて、割当メニュー341は、その医療従事者をデータステータス識別子304に対応するECGデータに割り当てるために選択され得る、医療従事者の1つ以上の氏名を列挙してもよい。割当メニュー341はまた、割り当てられたデータステータス識別子304を割り当て解除するために使用されてもよい。割当メニュー341はまた、データステータス識別子が再び割り当てられ得る、医療従事者を列挙してもよい。
【0163】
ここで
図23Cを参照すると、精査保留中ウィンドウ312は、編成バー351と、データセレクタ352とを含んでもよい。データセレクタ352は、1つ以上のデータステータス識別子304を選択することに関与してもよい。編成バー351は、データステータス識別子304を編成する、および/または割り当てるために使用されてもよい。例えば、編成バー351上の変更ボタン353が、全ての選択されたデータステータス識別子をある医療従事者に割り当てる、割り当て解除する、および/または再び割り当てることに関与してもよい。このように、複数のデータステータス識別子304が、同時に割り当てられる、割り当て解除される、および/または再び割り当てられてもよい。
【0164】
ここで
図23Dを参照すると、精査保留中ウィンドウ312は、フィルタボタン361を含んでもよい。フィルタボタン361は、1つ以上のデータステータス識別子304をフィルタ処理するために使用されてもよい。
図23Dに示されるように、フィルタボタン361は、医療従事者によって精査保留中ウィンドウ312内でデータステータス識別子304をフィルタ処理することに関与してもよい。例えば、医療従事者「Stan Dupp」が、選択される場合、Stan Duppに割り当てられたデータステータス識別子304のみが、精査保留中ウィンドウ312に示されるであろう。他のフィルタ(日付、患者、品質精査ステータス等)も選択され得ることを理解されたい。
【0165】
ここで
図24A-Fを参照すると、例示的プロセスおよびユーザインターフェースが、1人以上の品質精査者(例えば、技術者)による品質精査のためにECGデータおよび/または分析されたECGデータを提出するために図示される。
図24A-Bに示されるように、ツールバー401が、ECGアプリケーション29および/またはECGプラットフォーム37によって発生されるユーザインターフェースの中に組み込まれてもよく、(例えば、品質制御ボタン402を使用して)品質制御(QC)のためにECGデータならびに/もしくはECGデータの分析を提出するために使用されてもよい。例えば、ECGプラットフォーム37は、群データ、埋め込みデータ、分類データ、描写データ、および/または分析されたECGデータを発生させてもよく、品質制御ボタン402は、品質制御のために前述のデータを提出することに関与してもよい。
【0166】
ここで
図24Bを参照すると、インターフェース403が、図示される。インターフェース403は、例えば、ワークリストインターフェースタブ、品質制御タブ405、アーカイブ、およびお気に入りタブを含み得る、ナビゲーション列406を表示する。インターフェース403は、例えば、品質制御精査者によって使用されてもよい。品質制御タブ405が関与するとき、1つ以上のデータステータス識別子404が、表示されてもよい。データステータス識別子404は、データステータス識別子304と同一であり得る、および/または品質制御についての情報(例えば、品質制御のために提出した者、提出日、最後の修正日、品質制御ステータス等)を含んでもよい。
【0167】
ここで
図24Cを参照すると、ECGアプリケーション29は、システムデバイス14に、品質制御精査のためにインターフェース411を表示させてもよい。インターフェース411は、保留中ウィンドウ412および精査ウィンドウ413を表示してもよい。保留中ウィンドウ412および精査ウィンドウ413はそれぞれ、1つ以上のデータステータス識別子404を含んでもよい。保留中ウィンドウ412は、品質制御精査保留中であるアップロードされたデータに対応する、1つ以上のデータステータス識別子を含んでもよい。精査されたウィンドウ413は、精査されているアップロードされたデータに対応する、1つ以上のデータステータス識別子404を含んでもよい。品質制御精査者(例えば、初期精査者、二次精査者等)は、インターフェース411を使用し、依然として精査される必要があるデータを判定する、および/または別様にあるデータが精査されるべきであるか、もしくは精査されたかどうかを判定してもよい。
【0168】
データステータス識別子404は、選択されたデータステータス識別子404と関連付けられるデータのさらなる品質制御分析のために選択されてもよい。データステータス識別子404を選択することに応じて、ECGアプリケーション29は、システムデバイス14に
図24D-Eを表示させてもよい。
図24D-Eは、それぞれ、データステータス識別子404に対応するECGデータストリップ424を図示する、分析インターフェース421および分析インターフェース422を図示する。ECGデータストリップ424は、ECGデータストリップの群(例えば、SVT、カプレット等)を識別し得るタブ423に従って、編成されてもよい。分析インターフェース421および分析インターフェース422は、品質制御精査の間に除去されたECGデータストリップ、ならびに残留する(すなわち、除去されていない)ECGデータストリップを閲覧するために使用されてもよい。除去ステータス425は、ECGデータストリップが除去されたかどうか、またはECGデータストリップが残留するものであるかどうかを示す。例えば、ユーザインターフェース421は、残留するECGデータストリップを図示し、ユーザインターフェース422は、除去されたECGデータストリップを図示する。このように、品質精査の間に行われる変更は、アーカイブに保管され、精査されてもよい。復元ボタン426が、残りのECGデータストリップとして再カテゴリ化されるように、ECGデータストリップの除去を取り消すことに関与してもよい。
【0169】
ここで
図24Fを参照すると、インターフェース431が、図示され、品質制御情報(例えば、保留中、合格、分析のために返却)を含む、報告を発生させるために使用されてもよい。インターフェース431は、報告オプションウィンドウ432、患者情報ウィンドウ433、臨床情報ウィンドウ434、結果ウィンドウ435、品質制御ウィンドウ436、患者メトリックウィンドウ437、および/または報告を発生させるウィンドウ438を含んでもよい。報告オプションウィンドウ432は、報告を発生させるためのいくつかのオプションを含んでもよく、さらに、報告に含まれるべきECGデータを選択するための1つ以上の導線の選択を許容し得る。患者情報433は、ECGデータが発生された患者に対応する識別および他の情報(例えば、氏名、患者識別子、主要な適応症、生年月日、ペースメーカの存在、性別等)を含んでもよい。臨床情報ウィンドウ434は、分析を行った医療従事者の氏名、日付、および/または機関の名称等のある臨床情報を含んでもよい。結果ウィンドウ435は、結果テンプレートおよび/またはメトリックを選択するために使用されてもよい。品質制御ウィンドウ436は、品質制御のステータス(例えば、保留中、合格、分析のために返却)を選択するために使用されてもよい。患者メトリックウィンドウ437は、監視の持続時間および/または分析される時間、心拍数情報、期外収縮(例えば、上室性期外収縮、心室性期外収縮)についての情報、患者事象、患者発作、および/または一時停止の発生等のある患者メトリックを表示してもよい。
【0170】
上記で本明細書に説明される動作のうちのいずれかは、少なくとも部分的に、コンピュータ可読メモリ上に記憶されたコンピュータ可読命令として実装され得ることを理解されたい。プロセッサによるコンピュータ可読命令の実行に応じて、コンピュータ可読命令は、ノードに動作を実施させてもよい。当然ながら、本明細書に説明される実施形態は、例証的であり、コンポーネントは、多種多様な異なる構成で配列され、代用され、組み合わせられ、設計され得、その全てが、検討され、本開示の範囲内に該当することを理解されたい。
【0171】
例証的実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的のために提示された。これは、開示される精密な形態に関して包括的または限定的であることを意図しておらず、修正および変形例が、上記の教示を踏まえて可能性として考えられる、または開示される実施形態の実戦から入手され得る。本発明の範囲は、請求項によって定義されることが意図される。
【国際調査報告】