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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】水質を監視するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/18 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
G01N33/18 106A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021544850
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 AU2020050073
(87)【国際公開番号】W WO2020160599
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】2019900331
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521339164
【氏名又は名称】オズグリーン エナジー プロプライエトリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッケルベイ、レン
(57)【要約】
給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、給水ラインに流体結合するように構成された蓋に取り付けられた採水システムであって、ピット蓋であって、使用中にピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、ピット箱を覆うように配置されるように構成されており、ピット蓋は、採水装置に結合された使用中の下側部分を更に含み、採水装置は、ピット箱によって画定された内部容積内に配置されるように構成されており、採水装置は、給水ラインからの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために給水ラインに流体結合されている、ピット蓋と、採水装置と電子通信してピット蓋に隣接して配置され、水質パラメータを遠隔地に送信するためのデータ送信機と、を備えている、蓋に取り付けられた採水システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、前記水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、前記給水ラインに流体結合するように構成された蓋に取り付けられた採水システムであって、
ピット蓋であって、使用中に前記ピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、前記ピット箱を覆うように配置されるように構成されており、
前記ピット蓋は、採水装置に結合された使用中の下側部分を更に含み、前記採水装置は、前記ピット箱によって画定された内部容積内に配置されるように構成されており、前記採水装置は、前記給水ラインからの前記加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために前記給水ラインに流体結合されている、ピット蓋と、
前記採水装置と電子通信して前記ピット蓋に隣接して配置され、前記水質パラメータを前記遠隔地に送信するためのデータ送信機と、
を備えている、蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項2】
前記蓋に取り付けられた採水システムが前記給水ラインから容易に切り離されるように構成されるように、前記採水装置を前記給水ラインに結合するための1つ又は複数のコネクタ、好ましくは速結コネクタを更に備えている、請求項1に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項3】
前記採水装置が、以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するように構成されている、請求項1又は2に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項4】
前記給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にして前記給水ラインの前記過渡圧力を測定するために、前記給水ラインと結合された第1の採取ラインと、前記給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするための前記給水ラインと結合された第2の採取ラインであって、前記採取プローブは、前記採取チャンバに流入する水のサンプルの水質パラメータを採取するように構成されている、第2の採取ラインと、を更に備えている、請求項4に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項5】
前記動圧センサは、パイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するように構成されており、前記信号プロセッサは、前記パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定するために、過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されており、前記信号プロセッサは、制御ユニットと通信して、前記所定の基準が満たされたときに、1つ又は複数の追加の採水ステップを実行する、請求項4に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で前記採水システムを動作させるように構成されている、請求項5に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるようにプログラムされている、又はプログラム可能である、請求項5又は6に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項8】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記第1及び第2の採取ラインへの水の流れを制御するための採取弁を更に備えている、請求項4から7までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項9】
前記採取弁は、前記採取弁の遠隔作動を可能にするために、データ送受信機と電気的に通信している、請求項8に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項10】
前記採取弁は、プロセッサと通信して配置された不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って前記採取弁を作動させることで前記採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している、請求項8又は9に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項11】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記複数の採水チャンバに流れる水の圧力を低減するために、前記第2の採取ラインと流体連絡するように配置された減圧弁を更に備えている、請求項4から10までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項12】
前記送信機は、前記ピット蓋に対して固定されたアンテナ要素を更に含み、前記アンテナ要素の上部は、前記水質パラメータに関連する情報を前記遠隔地に送信するために、前記ピット蓋の下側に隣接して配置されている、請求項1から11までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項13】
前記水質パラメータを遠隔に配置された処理ユニットに送信するための前記データ送信機は、前記遠隔に配置された処理ユニットと通信して、遠隔に配置された不揮発性記憶ユニットに書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、採取装置によって採取された前記1つ又は複数のサンプルの前記水質パラメータを受信して処理するように構成されている、請求項1から12までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項14】
前記データ送信機が遠隔サーバと有線又は無線通信するように構成されている、請求項1から13までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項15】
前記採水装置を前記ピット蓋の前記下側部分に取り付けるためのフレーム・アセンブリであって、前記ピット蓋の下側に結合されている、フレーム・アセンブリ、を更に備えている、請求項1から14までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項16】
前記水質パラメータに関連する情報を処理及び前記遠隔地に送信するための、前記採水装置及び前記データ送信機と通信する内臓型処理ユニットを更に備えている、請求項1から15までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項17】
前記採水装置の少なくとも一部をシーリング装置で封入するためのエンクロージャであって、前記シーリング装置は、前記エンクロージャと前記ピット蓋及び/又は前記採水装置との間にシールを形成するために提供される、エンクロージャを更に備えている、請求項1から16までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項18】
前記シーリング装置が、前記エンクロージャと前記ピット蓋及び/又は前記採水装置との間に前記シールを形成する前記エンクロージャの使用中の上部セクションに位置する、請求項17に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項19】
前記採水装置及び/又は前記ピット蓋と組み合わせた前記エンクロージャは、前記ピット蓋、採水装置、及び前記エンクロージャの組み合わせが水中に沈められたときに浮力になるのを防ぐために、負に浮力がある、請求項17又は18に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項20】
前記エンクロージャは、前記エンクロージャの内側からの水を前記エンクロージャの外側に排出することを可能にする出口開口部を更に備えている、請求項17から19までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項21】
前記出口が前記エンクロージャの使用中の下部セクションに配置されている、請求項20に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項22】
前記エンクロージャは、前記エンクロージャの前記使用中の下部セクションを形成するベースを含み、前記ベースは、前記ベースから前記ピット蓋に向かう方向に延在する直立した壁を含み、前記出口は前記エンクロージャの前記ベースに配置されている、請求項20又は21に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項23】
前記採水装置を通って流れる水の圧力を101キロパスカルより上に、好ましくは130キロパスカルから210キロパスカルの範囲に調節するための採取圧力調整器を更に備えている、請求項1から22までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項24】
給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、前記水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、前記給水ラインに流体結合するように構成された採水システムであって、前記採水システムは、
ピット箱によって画定された内部容積内のピット蓋の下側部分の下に配置されるように構成された採水装置であって、前記ピット蓋は、使用中に前記ピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置する前記ピット箱上に配置されるように構成されるように、前記ピット箱を覆うように配置されるように構成されており、
前記給水ラインからの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために、前記給水ラインに流体結合されている、採水装置と、
前記採水装置と電子通信して前記ピット蓋に隣接して配置され、前記水質パラメータを前記遠隔地に送信するためのデータ送信機と、
を備えている、採水システム。
【請求項25】
前記蓋に取り付けられた採水システムが前記給水ラインから容易に切り離されるように構成されるように、前記採水装置を前記給水ラインに結合するための1つ又は複数のコネクタ、好ましくは速結コネクタを更に備えている、請求項24に記載の採水システム。
【請求項26】
前記採水装置が、以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するように構成されている、請求項24又は25に記載の採水システム。
【請求項27】
前記給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にして前記給水ラインの前記過渡圧力を測定するために、前記給水ラインと結合された第1の採取ラインと、前記給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするための前記給水ラインと結合された第2の採取ラインであって、前記採取プローブは、前記採取チャンバに流入する水のサンプルの水質パラメータを採取するように構成されている、第2の採取ラインと、を更に備えている、請求項26に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項28】
前記動圧センサは、パイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するように構成されており、前記信号プロセッサは、前記パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定するために、過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されており、前記信号プロセッサは、制御ユニットと通信して、前記所定の基準が満たされたときに、1つ又は複数の追加の採水ステップを実行する、請求項26又は27に記載の採水システム。
【請求項29】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で前記採水システムを動作させるように構成されている、請求項28に記載の採水システム。
【請求項30】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるようにプログラムされている、又はプログラム可能である、請求項28又は29に記載の採水システム。
【請求項31】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記第1及び第2の採取ラインへの水の流れを制御するための採取弁を更に備えている、請求項27から30までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項32】
前記採取弁は、前記採取弁の遠隔作動を可能にするために、データ送受信機と電気的に通信している、請求項31に記載の採水システム。
【請求項33】
前記採取弁は、プロセッサと通信して配置された不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って前記採取弁を作動させることで前記採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している、請求項31又は32に記載の採水システム。
【請求項34】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記複数の採水チャンバに流れる水の圧力を低減するために、前記第2の採取ラインと流体連絡するように配置された減圧弁を更に備えている、請求項27から33までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項35】
前記送信機は、前記ピット蓋に対して固定されたアンテナ要素を更に含み、前記アンテナ要素の上部は、前記水質パラメータに関連する情報を前記遠隔地に送信するために、前記ピット蓋の下側に隣接して配置されている、請求項24から34までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項36】
前記水質パラメータを遠隔に配置された処理ユニットに送信するための前記データ送信機は、前記遠隔に配置された処理ユニットと通信して、遠隔に配置された不揮発性記憶ユニットに書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、採取装置によって採取された前記1つ又は複数のサンプルの前記水質パラメータを受信して処理するように構成されている、請求項24から35までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項37】
前記データ送信機が遠隔サーバと有線又は無線通信するように構成されている、請求項24から36までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項38】
前記採水装置を前記ピット蓋の前記下側部分に取り付けるためのフレーム・アセンブリであって、前記ピット蓋の下側に結合されている、フレーム・アセンブリ、を更に備えている、請求項24から37までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項39】
前記水質パラメータに関連する情報を処理及び前記遠隔地に送信するための、前記採水装置及び前記データ送信機と通信する内臓型処理ユニットを更に備えている、請求項24から38までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項40】
採水方法であって、
ピット蓋の下側部分の下に採水装置を配置するステップであって、前記ピット蓋は、使用中に前記ピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、前記ピット箱を覆うように配置されるように構成されている、ステップと、
前記採水装置を流体結合するステップであって、給水ラインから加圧水を採取し、前記給水ラインからの前記加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得する、ステップと、
前記ピット蓋に隣接して配置されたデータ送信機によって、前記水質パラメータを遠隔地に送信するステップと、
を含む、採水方法。
【請求項41】
以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するステップを更に含む、請求項38に記載の採水方法。
【請求項42】
前記給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にし、前記給水ラインの前記過渡圧力を測定するために、第1の採取ラインを線の前記給水ラインと結合するステップと、
前記給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするために第2の採取ラインを前記給水ラインと結合し、前記採取チャンバに流入する前記水を採取して水質パラメータを採取するステップと、
を含む、請求項40又は41に記載の採水方法。
【請求項43】
前記第1及び第2の採取ラインと流体連絡するように構成された採取弁を作動させるステップを更に含み、前記採取弁は、不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って前記採取弁を作動させることで前記採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記送信機を使用して前記水質パラメータを遠隔地にある処理ユニットに送信するステップと、前記処理ユニットを使用して、前記処理ユニットと通信する不揮発性記憶装置に書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、前記採取装置によって採取された前記1つ又は複数のサンプルの前記水質パラメータを処理するステップと、を更に含む、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
動圧センサを使用してパイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するステップであって、前記信号プロセッサは、前記パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定し、それに応じて、前記所定の基準が満たされたときに制御ユニットに信号を伝達して、1つ又は複数の追加の採水ステップを実施することによって過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されている、ステップを含む、請求項42から44までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で前記採水システムを動作させるステップを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるステップを更に含む、請求項46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質を検査するための採水及び検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の方法、装置又は文書へのいかなる言及も、それらが共通の一般的知識の一部を形成した、又は形成する証拠又は承認を構成するものと見なされるべきではない。
【0003】
給水ライン(「水道本管」と呼ばれることが多い)を流れる水の水質を時々監視して、水が人間の消費に適していることを確認することは重要である。水質を監視する従来の方法の1つは、技術者を特定の水監視場所に派遣することである。技術者は給水設備にアクセスし、詳細な分析のために研究所に送られる水サンプルを収集する。結果が判明すると、給水施設は水質の問題に対処するために特定の措置を講じる必要があり得る。このような検査方法の問題の1つは、検査をリアルタイムで実行できず、潜在的な問題に対処する前に水質の問題が長期間続くことが多いことである。
【0004】
場合によっては、技術者は、様々な仕事へと持ち込まれる携帯型採取装置からなる携帯型検査装置を携帯することがある。改めて、携帯型検査装置は「1回限りの」検査の実施にのみ適しており、数日又は数か月程度の長期間に渡って継続的に水質(水質の変動を含む)を監視できない。
【0005】
長期間に渡って水質を監視できる水質監視装置を設置することは、比較的高価であり、公共の場で水質監視装置を設置する必要があることが多いため、困難である。その結果、そのような装置は破壊行為を受けやすく、盗まれる可能性さえある。更に、このような装置は通常自律的に動作し、運用上の変更は通常、技術者が設置場所と現場を物理的に訪問して変更を展開する必要があり、これも固有の運用上の課題を提示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記を考慮して、先行技術の問題のいくつかに対処し、水質を監視するための改善されたシステムを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は、給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、給水ラインに流体結合するように構成された蓋に取り付けられた採水システムであって、
ピット蓋であって、使用中にピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、ピット箱を覆うように配置されるように構成されており、
ピット蓋は、採水装置に結合された使用中の下側部分を更に含み、採水装置は、ピット箱によって画定された内部容積内に配置されるように構成されており、採水装置は、給水ラインからの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために給水ラインに流体結合されている、ピット蓋と、
採水装置と電子通信してピット蓋に隣接して配置され、水質パラメータを遠隔地に送信するためのデータ送信機と、
を備えている、蓋に取り付けられた採水システムを提供する。
【0008】
一実施例では、蓋に取り付けられた採水システムは、給水ラインから容易に切り離されるように構成されるように、採水装置を給水ラインに結合するための1つ又は複数のコネクタ、好ましくは速結コネクタを更に備えている。
【0009】
一実施例では、採水装置は、以下のパラメータ、即ち、(a)過渡圧力、(b)水の温度、
(c)水のpH、(d)酸化還元電位(ORP:Oxidation Reduction Potential)、(e)導電率(Ec)、(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するように構成されている。
【0010】
更なる実施例では、システムはまた、以下のパラメータ、即ち、次亜塩素酸濃度、残留消毒剤、TC濃度、濁度、全有機炭素濃度、総塩素濃度、結合塩素濃度、過酸化水素濃度、のうちの1つ又は複数を測定することができる。
【0011】
一実施例では、蓋に取り付けられた採水システムは、給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にして給水ラインの過渡圧力を測定するために、給水ラインと結合された第1の採取ラインと、給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするための給水ラインと結合された第2の採取ラインであって、採取プローブは、採取チャンバに流入する水のサンプルの水質パラメータを採取するように構成されている、第2の採取ラインと、を更に備えている。
【0012】
一実施例では、動圧センサは、パイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するように構成されており、信号プロセッサは、パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定するために、過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されており、信号プロセッサは、制御ユニットと通信して、所定の基準が満たされたときに、1つ又は複数の追加の採水ステップを実行する。
【0013】
一実施例では、制御ユニットは、所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で採水システムを動作させるように構成されている。
【0014】
一実施例では、制御ユニットは、所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるようにプログラムされている、又はプログラム可能である。
【0015】
一実施例では、採水装置は、給水ラインから第1及び第2の採取ラインへの水の流れを制御するための採取弁を更に備えている。
【0016】
一実施例では、採取弁は、採取弁の遠隔作動を可能にするために、データ送受信機と電気的に通信している。
【0017】
一実施例では、採取弁は、プロセッサと通信して配置された不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って採取弁を作動させることで採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している。
【0018】
一実施例では、採水装置は、給水ラインから複数の採水チャンバに流れる水の圧力を低減するために、第2の採取ラインと流体連絡するように配置された減圧弁を更に備えている。
【0019】
一実施例では、送信機は、ピット蓋に対して固定されたアンテナ要素を更に含み、アンテナ要素の上部は、水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、ピット蓋の下側に隣接して配置されている。
【0020】
一実施例では、水質パラメータを遠隔に配置された処理ユニットに送信するためのデータ送信機は、遠隔に配置された処理ユニットと通信して、遠隔に配置された不揮発性記憶ユニットに書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、採取装置によって採取された1つ又は複数のサンプルの水質パラメータを受信して処理するように構成されている。
【0021】
一実施例では、データ送信機が遠隔サーバと有線又は無線通信するように構成されている。
【0022】
一実施例では、採水システムは、採水装置をピット蓋の下側部分に取り付けるためのフレーム・アセンブリであって、ピット蓋の下側に結合されている、フレーム・アセンブリ、を更に備えている。
【0023】
一実施例では、前述のいずれか一項に記載の採水システムは、水質パラメータに関連する情報を処理及び遠隔地に送信するための、採水装置及びデータ送信機と通信する内臓型処理ユニットを更に備えている。
【0024】
別の態様では、本発明は、ピット箱を覆うように配置されるように構成されたピット蓋の下側部分に沿って又は隣接して配置され、採水装置の少なくとも一部をシーリング装置で封入するためのエンクロージャであって、シーリング装置は、エンクロージャとピット蓋及び/又は採水装置との間にシールを形成するために提供される、エンクロージャ、を備えている、蓋に取り付けられた採水システムを提供する。
【0025】
一実施例では、シーリング装置が、エンクロージャとピット蓋及び/又は採水装置との間にシールを形成するエンクロージャの使用中の上部セクションに位置する。
【0026】
一実施例では、採水装置及び/又はピット蓋と組み合わせたエンクロージャは、ピット蓋、採水装置、及びエンクロージャの組み合わせが水中に沈められたときに浮力になるのを防ぐために、負に浮力がある。
【0027】
一実施例では、エンクロージャは、エンクロージャの内側からの水をエンクロージャの外側に排出することを可能にする出口開口部を更に備えている。
【0028】
一実施例では、出口がエンクロージャの使用中の下部セクションに配置されている。
【0029】
一実施例では、エンクロージャは、エンクロージャの使用中の下部セクションを形成するベースを含み、ベースは、ベースからピット蓋に向かう方向に延在する直立壁を含み、出口はエンクロージャのベースに配置されている。
【0030】
一実施例では、採水システムは、採水装置を通って流れる水の圧力を101キロパスカルより上に、好ましくは130キロパスカルから210キロパスカルの範囲に調節するための採取圧力調整器を更に備えている。
【0031】
本発明は、蓋に取り付けられた採水システムに決して限定されない。別の態様では、本発明は、給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、給水ラインに流体結合するように構成された採水システムであって、採水システムは、
ピット箱によって画定された内部容積内のピット蓋の下側部分の下に配置されるように構成された採水装置であって、前記ピット蓋は、使用中にピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、ピット箱を覆うように配置されるように構成されており、
給水ラインからの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために、給水ラインに流体結合されている、採水装置と、
採水装置と電子通信してピット蓋に隣接して配置され、水質パラメータを遠隔地に送信するためのデータ送信機と、
を備えている、採水システム、を提供する。
【0032】
別の態様では、本発明は、採水方法であって、
ピット蓋の下側部分の下に採水装置を配置するステップであって、ピット蓋は、使用中にピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、ピット箱を覆うように配置されるように構成されている、ステップと、
採水装置を流体結合するステップであって、給水ラインから加圧水を採取し、給水ラインからの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得する、ステップと、
ピット蓋に隣接して配置されたデータ送信機によって、水質パラメータを遠隔地に送信するステップと、
を含む、採水方法、を提供する。
【0033】
一実施例では、採水方法は、以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するステップを含む。
【0034】
一実施例では、採水方法は、給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にし、給水ラインの過渡圧力を測定するために、第1の採取ラインを線の給水ラインと結合するステップと、給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするために第2の採取ラインを給水ラインと結合し、採取チャンバに流入する水を採取して水質パラメータを採取するステップと、を含む。
【0035】
一実施例では、採水方法は、第1及び第2の採取ラインと流体連絡するように構成された採取弁を作動させるステップを更に含み、採取弁は、不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って採取弁を作動させることで採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している。
【0036】
一実施例では、採水方法は、送信機を使用して水質パラメータを遠隔地にある処理ユニットに送信するステップと、処理ユニットを使用して、処理ユニットと通信する不揮発性記憶装置に書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、採取装置によって採取された1つ又は複数のサンプルの水質パラメータを処理するステップと、を更に含む。
【0037】
一実施例では、採水方法は、動圧センサを使用してパイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するステップであって、信号プロセッサは、パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定し、それに応じて、所定の基準が満たされたときに制御ユニットに信号を伝達して、1つ又は複数の追加の採水ステップを実施することによって過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されている、ステップを含む。
【0038】
一実施例では、採水方法は、所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で採水システムを動作させるステップを更に含む。
【0039】
一実施例では、採水方法は、所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるステップを更に含む。
【0040】
本発明の好ましい特徴、実施例、及び変形例は、本発明を実施するために当業者に十分な情報を提供する以下の詳細な説明から識別され得る。詳細な説明は、いかなる形であれ、前述の発明の概要の範囲を制限するものと見なされるべきではない。詳細な説明では、次のようにいくつかの図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施例による、蓋に取り付けられた採水及び検査システム10の使用中の斜視図である。
図2】蓋に取り付けられた採水及び検査システム10の概略断面図である。
図3】ネットワークNを介して遠隔に配置されたコンピューティング装置と通信している採水及び検査システム10の概略図である。
図4】採水及び検査システム10の下面斜視図である。
図5】採水及び検査システム10の下側の底面図である。
図6】採水及び検査システム10の拡大側面図である。
図7】採水及び検査システム10及びピット箱20の下面斜視図である。
図8】ピット箱20内に配置された、密閉されたエンクロージャ50内に収容された採水及び検査システム10の側面図である。
図9】ピット蓋11を備えた密閉構成で示されているエンクロージャ50の下面図である。
図10】エンクロージャ50の拡大下面図である。
図11】結合構成で示される採水及び検査システム10を示す図であり、速結カプラは、入口14を給水ラインに結合し、出口19は、ピット箱20から水を排出する。
図12】動圧検出器STPを使用した過渡圧力検出の段階を示す図である(図3を参照)。
図13】過渡圧力対時間のグラフであり、過渡圧力イベント(イベント1及びイベント2)が検出された動圧検出方法(低採取率)を示す図である。
図14】イベント1中の高採取率(ミリ秒ごと)での過渡圧力を示す図である。
図15】イベント2中の高採取率(ミリ秒ごと)での過渡圧力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1から図9は、図3に示されるように、水道本管ライン(W)に流体結合されるように構成された、蓋に取り付けられた採水及び検査システム10を示す。採水システム10は、給水ライン(W)から加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、前記水質パラメータに関連する情報を、ネットワーク(N)を介して遠隔地に送信するために提供される。システム採水システム10は、地下ピット箱20を覆うように構成されたピット蓋11の下側部分に取り付けられた採水装置12からなる。ピット蓋11は、ピット蓋10が踏みつけられるか、又は押し付けられることさえ可能にする構造的特徴を含む外側(又は使用中の上面)13を含む。ピット蓋11は、使用中にピット蓋11の外面13が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱20上に配置されるように構成されるように、ピット箱20を覆うように配置されるように構成されている。
【0043】
ピット蓋11の下側部分は、採水装置12に結合されている。使用中、採水装置12は、採水装置12が地上から見えないように、ピット箱20によって画定される内部容積内に配置されるように構成されている。そのような構成は、採水及び検査システム10が明白な視界から実質的に隠されることを可能にする。前述の構成はまた、水道メータの設置に通常使用される従来のピット箱(ピット箱20など)と組み合わせて、採水及び検査システム10を容易に使用することを可能にする。
【0044】
採水装置12は、給水ライン(W)からの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために給水ライン(W)を流体結合するための速結継手を備え得る入口14を含み得る。採水装置12への流れ(採取流)の流れを制御するために、取水口14に沿って採取弁25が設けられている。採取弁25は、処理ユニットPと通信する電気的に作動されるソレノイド弁の形態で提供され得る。1つ又は複数の採水プログラムは、内臓型処理ユニットPと通信する不揮発性記憶装置Mに局所的に格納され得る。いくつかの実施例では、採取弁25は、遠隔地から作動させることができる。一例として、処理ユニットPは、ネットワークNを介して遠隔接続された装置から操作命令を受信することができるデータ送受信機15と通信することができる。
【0045】
採水装置12は、第1の採取ラインL1と第2の採取ラインL2に分割される採取ラインLを含む。第1の採取ラインL1は、給水ラインと結合されて、水が給水ラインから、広範囲に渡る採取率で過渡圧力を測定するように構成された動圧センサSTPに流れることを可能にする。例えば、圧力センサSTPは、ライン1を流れる水の過渡圧力を、例えば30分ごとに1回の読み取りから、ミリ秒ごとに1回の読み取りまでの範囲で高精度に測定できる。動圧センサSTPは、内臓型処理ユニットPと通信しており、内臓型処理ユニットPは、内臓型不揮発性記憶ユニットMと通信している。
【0046】
内臓型信号処理ユニットPと組み合わせた動的過渡圧力センサSTPは、ユーザ定義のパラメータ又は基準に基づいて、測定された過渡圧力を識別して処理する。初期採取ステップの過渡圧力検出中、データの採取率は一定のままであるが、データは全て永続的な記憶装置に記録され、更に取得して分析するために、通信して遠隔地に保存することが望ましい。低電力動作モードでは、測定は比較的低い採取率で行われ、記録される。図11を参照すると、フローチャートは、現在説明されている採水システムの実施例において動圧センサを操作するための好ましい方法を示している。オペレータは、過渡圧力が所定の基準を満たすときに、事前設定されたパラメータで採取率を設定するように内臓型記憶ユニットMをプログラムすることができる。過渡圧力が動圧センサSTPによって測定されるたびに、内臓型信号処理ユニットPは、測定された過渡圧力パラメータを処理して、所定の基準が満たされているかどうかを評価する。図13に示す1つの例では、100kPaを超える過渡圧力の変動がイベント(イベント1及びイベント2)をトリガする。そのような基準は限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、複数の他の所定の基準がオペレータによって事前に設定され得ることが理解されるであろう。イベントがトリガされると、内臓型処理ユニットPはコントローラと通信して採取率を増加させる。図14及び図15に示すように、過渡圧力の変化により、ミリ秒ごとに過渡圧力の測定がトリガされ、イベントが検出されたときにのみ高解像度のデータが生成される。高周波データの検出と記録は、採取ラインL1の圧力が、オペレータが設定した所定の基準を満たさない定常状態の値に戻るまで続く。本実施例の非限定的な利点の1つは、イベントが検出されないときに低い採取率で動圧センサSTPを実行することが、より低い電力消費及びより少ない摩耗をもたらし、動圧センサSTPの寿命を延ばすことである。このような測定方法は、記憶装置(サーバなど)の遠隔地に保存する必要がある測定データの量も削減する。つまり、イベント中の多数のデータポイントは、そのような詳細が必要な場合の過渡圧力変化の性質に関する詳細な洞察を提供する。最も深刻な過渡圧力変化のいくつかは数秒しか続かない可能性があり、非常に高い頻度で非常に長期間に渡って過渡圧力採取を実行することは非現実的であり、現在説明されている採水システム10はこの問題に的確な方法で対処する。
【0047】
第2の採取ラインL2は、複数の採取チャンバS1~S5と結合されて、水が給水ラインから採取チャンバS1~S5に流れるように方向付ける。採取チャンバS1~S5のそれぞれは、図6に最もよく示されているように、遊離塩素濃度(プローブ121)、温度(プローブ122)、酸化還元電位(プローブ123)、導電率-E(プローブ124)及びpH(プローブ125)を測定するための採取プローブを含む。採取チャンバS1~S5に関連する採取プローブによって水が採取されると、採取された水は、出口19を介して放出され得る。出口19はまた、出口19が排水ラインD(図3に示される)に結合されることを可能にするために、速結継手を備えていてもよい。採水チャンバS1~S5に流入する水の圧力を低減するために、第2の採取ラインL2に沿って減圧弁16が設けられている。水道本管ライン(W)の水道本管圧力は1000kPaと高くてもよく、減圧弁16を使用すると、圧力が350kPaなどのより低い圧力に低下する。弁16の減圧能力は、必要な用途に応じて変えることができる。減圧弁16を使用して圧力を減圧すると、各採取チャンバ内の水の滞留時間が長くなり、それによって採取精度が向上する。
【0048】
減圧弁16の使用は、第2の採取ラインL2に限定されなければならず、過渡圧力の変化を監視するために使用される第1の採取ラインL1において圧力が低下されてはならないことに留意することが重要である。採水装置12の新しい構成により、過渡圧力、並びに、塩素濃度(プローブ121)、温度(プローブ122)、酸化還元電位(プローブ123)、導電率-E(プローブ124)及びpH(プローブ125)のような他の重要なパラメータを同時に測定することができる過渡圧力変化は、様々な理由で発生する可能性があり、また、過渡圧力の変化だけでは、変化が機械的な理由(弁の開閉など)によって発生したのか、それとも水の汚染のリスクが高くなる漏れがあるのかについての決定的な詳細は提供されない。例えば、漏れがあると負の過渡圧力が発生し、給水ラインに汚染物質が混入する可能性がある。蓋に取り付けられた採水システム10を使用することにより、過渡圧力とともに複数の特性を測定することは、オペレータ及びエンドユーザにより高いレベルの詳細を提供し、それにより、オペレータがより効率的な方法で給水ラインの問題を検出する能力を向上させる。
【0049】
採水装置12は、採取される水のサンプルの水質パラメータを採取するように構成された、S1、S2、S3、S4、S5などの対応する採取チャンバ内に複数の採取プローブを含むことに留意することも重要である。好ましい実施例では、複数の採取プローブ121~125は、採取ラインからの水が1つの採取チャンバから別の採取チャンバ(直列)に流れて水の採取を実行するように直列に接続される。追加のプローブ及び追加の採取チャンバを使用して、以下のパラメータ、即ち、次亜塩素酸濃度、残留消毒剤、TC濃度、濁度、全有機炭素濃度、総塩素濃度、結合塩素濃度、過酸化水素濃度の1つ又は複数を測定することができる。
【0050】
図に示す採水装置12の動作の説明に入る前に、ORP測定について簡単に説明する必要がある。ORPは、イオン反応で発生する電子交換電位の測定値である。殆どの配水システムは絶えず変化する水を配水するため、通常、望ましくない平衡状態が発生する。ORP測定により、電気化学的平衡の制御が可能になる。
【0051】
本管内の水の流れは非常に乱れている。その結果、汚染物質は急速によく混合された「プラグ」を形成し、管内での滞留時間と比較して長い時間、初期濃度を維持する。あるシナリオでは、プローブは、汚染物質の導入による酸化還元電位の30mV以上の上昇又は低下を検出する場合がある。他の有害な生物学的物質又は生きている生物のスコアは、塩素のバルク還元、又は塩素シールドを除去して非常に低濃度で導入された生物学的物質を保護する化学還元剤の同時導入のいずれかによって、酸化還元電位に同様の影響を及ぼす。1つ又は複数のプローブは、原因に関係なく、通常は水中に存在する、又は水道管の内部を覆うスライムに吸収される有害な微生物の大増殖を引き起こす塩素処理の喪失を検出し得る。
【0052】
ORPプローブは非特異的である可能性があり、それによって塩素化水への生物学的又は化学的還元剤の導入に対して幅広い応答を提供する。一実施例におけるORPプローブは、一対の電極、即ち、1つはPt又はグラファイトで被覆された電極、もう1つは、医療処置で使用されるAg/AgCI電極型である無害な参照電極、を含み得る。様々な実施例におけるプローブは、ほぼ平衡条件下で、水中の酸化性物質の量及び強度に比例する電位を出力する一対の電極を含む。電位又は酸化電位は、酸化剤の性質に敏感ではなく、塩素元素、次亜塩素酸ナトリウム、クロラミン、二酸化塩素、過酸化水素又はオゾン、更には酸素元素を含む全ての一般的に使用される消毒剤に反応する。ORPプローブは、pHセンサ、又は塩素元素やその他の有毒なイオンや化合物用の特定のイオン電極と組み合わせることで強化できる。採取チャンバS1~S5に配置されたプローブは、自律ユニットとして動作することができる。1つ又は複数の採取チャンバS1~S5は、以下のセクションで概説されるように、採取された水の酸化還元電位を測定し、採水データを伝達することができる。
【0053】
それぞれの採取チャンバS1~S5に配置された採取プローブは、(1つ又は複数の採取プローブによって測定された)測定された水質パラメータを受信及び処理するために使用され得る内臓型信号プロセッサPと信号通信している。採取プローブを操作するための操作及び処理命令は、採取装置120の操作を可能にするためにプロセッサPと通信している不揮発性記憶装置Mに書き込まれ得る。データ送受信機15は、処理ユニットPと通信し、処理された水質パラメータを、ネットワークNを介してプロセッサPとの間で遠隔サーバ又はコンピューティング装置に送信する。好ましい実施例では、採水装置12の動作は、遠隔サーバ又はコンピューティング装置(好ましくは、クラウドベース又はウェブベースのインターフェース)から制御又はプログラムされ、それにより、採取装置120の動作プログラムを遠隔地から変更することができる。
【0054】
水質パラメータに関連する情報が遠隔地のサーバで受信されると、サーバは、1つ又は複数の所定の規則に従って情報を処理することができる。例として、採取された水のpHレベルが所定の閾値レベルを下回っているかどうかをチェックするために、規則を記憶装置Mに保存することができる。同様に、別の規則を記憶装置に保存して、採取された水のORPが所定の閾値レベルを上回っているか下回っているかをチェックできる。同様に、複数の規則を含む組み合わせを記憶装置に保存することができる。更に、これらの規則は、配水及び管理システムの特定の要件に応じて、遠隔地から定期的に変更され得る。
【0055】
前述のように、採水装置12はまた、給水ラインW内のある期間に渡る圧力の変化(「過渡圧力」として知られている)を測定することができる。特定の種類の水関連イベントは、データベースを設定するために所定の過渡圧力波シグネチャを最初に決定し、次にそれらの所定のシグネチャを実際の過渡圧力測定値と照合することによって検出できる。採取装置12からの出力信号によって示される過渡圧力波シグネチャは、記憶装置M又は遠隔に配置されたサーバのいずれかに格納又は保存された所定の過渡圧力波シグネチャと比較され得る。したがって、所定の過渡圧力イベントがトリガされたときに、より高い採取率で過渡圧力値を取得する前述の方法は、非常に有用であり得る。
【0056】
プロセッサP及び記憶装置Mはまた、採取装置12の動作状態をチェックするために、遠隔サーバ又は遠隔コンピューティング装置にリンクされたユーザ入力インターフェースを使用して、ネットワークNを介して遠隔地からアクセスされ得、採取プログラムと構成を変更又は管理し、プロセッサPの動作ファームウェアを更新する。
【0057】
データ送受信機15はまた、ピット蓋11の外面13の下に固定されたアンテナ要素Aを備えている。好ましい実施例では、アンテナ要素Aの上部(図2に最もよく示されている)は、測定された水質パラメータに関連する情報を遠隔に配置されたコンピューティング装置に送信するために、ピット蓋11の下側に隣接して配置される。有利なことに、システムはまた、GPS衛星G1~G3と通信して、採水及び検査システム10の地理的位置を示す内臓型GPSユニットGを備えている。アンテナ要素Aをピット蓋11に近接して配置することにより、採水システム10から遠隔地へのデータ送信が大幅に改善される。同様に、GPSユニットGをピット蓋11に近接して配置すると、採水システム10の位置精度が向上する。
【0058】
採取チャンバS1~S5は、採水装置12をピット蓋11の下側部分に取り外し可能に取り付けるためのフレーム・アセンブリ17に取り付けられている。フレーム・アセンブリ17は、垂直に配向された採取チャンバS1~S5がピット蓋11の下側から下向きに延在することを可能にし、それにより、採取装置120がピット箱20の範囲内に収容されることを可能にする。
【0059】
データ送信機15(ネットワークNを介して)と遠隔に配置されたサーバ又は他の遠隔に配置された装置との間の信号通信は、GSM、GPRS、3G4G又は5Gネットワークなどのネットワークを使用して、セルラーネットワークを介して実行され得ることが理解されるべきである。この技術はまた、1つ若しくは複数の無線又は光ネットワークを介してシリアル信号通信を送受信するように構成され得る。この技術は、イーサネット(登録商標)接続、400~900MHz無線、マイクロ波無線、又はBLUETOOTH(登録商標)装置を介して遠隔装置と通信するように構成することもできる。他の信号接続方法もまた、採取弁25を作動させるために、又は採取装置12から遠隔地に情報を送信するために使用され得る。
【0060】
現在説明されている採水及び検査システム10の多くの利点の1つは、システムを地下に配置することができ(図2に示される)、同時に、水質パラメータに関連する情報を、遅滞なく瞬時に遠隔地に提供することである。システム10のコンパクトで隠された構成により、システム10は、世界中で既に広く使用されているピット箱と組み合わせて容易に設置され得る。
【0061】
図7図11を参照すると、採水システム10はまた、採水装置12を封入するためのエンクロージャ50を含む。エンクロージャ50は、好ましくは、中空直方体の形状で提供され(ただし、本明細書に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、他の形状を提供することができる)、使用時に、エンクロージャ50の直立壁がピット蓋11に向かって延びる、ピット蓋11から離れて配置されたベースを含む。直立壁の上部は、シーリング・ガスケット54を使用することにより、ピット蓋11に対して密閉されている。密閉されると、エンクロージャ50は、採水装置12が収容されるエア・ポケットを提供する。ピット箱20に取り付けられた電気機器に関する潜在的な問題の1つは、採水装置12の電子部品に常に損傷を与え得る突然の湛水又は浸水に関連している。(採取装置12が収容されている)エア・ポケットを形成するためのシールを形成するエンクロージャ50の提供は、採水装置12に引き起こされる損傷の可能性を低減する。エンクロージャ50の密閉構成が維持されるように、エンクロージャ50をピット蓋11に固定するための固定クリップ52が設けられている。
【0062】
エンクロージャ50はまた、ピット蓋11、採水装置12及びエンクロージャ50の組み合わせを作ることによって(例えば、ウェイト部材56を使用することによって)加重され、組み合わせがピット箱20内に満たされる水に沈められると、負の浮力を受ける。ピット蓋11、採水装置12及びエンクロージャ50の負に浮力のある組み合わせは、ピット箱20の縁を押し、それにより、湛水時にこれらの組み合わせが飛び出して水に浮くのを防ぐ。エンクロージャ50内に小さな漏れ又は(結露による)水の蓄積がある場合にエンクロージャから水を排出できるように、エンクロージャ50のベースに排出出口58も設けられている。密閉されたエンクロージャ50内の空気により、水が出口58を通って侵入することが防止される。出口58は、水圧が上昇しても(水位の上昇により)、水圧がエンクロージャ50内の空気を更に圧縮することを確実にするような大きさ及び配置になっている。しかしながら、密閉されたエンクロージャ50内の空気は逃げることができないので、空気はエンクロージャ50内の体積を吸収し続け、それにより、採水装置12への水による損傷が防がれる。更に、減圧弁16は、エンクロージャ50の内部にある採水装置12の任意の部分からいつでも発生する可能性のある水漏れが、101.35キロパスカルの大気圧を超える圧力で発生するように、水の圧力を101.35キロパスカルより上に、好ましくは137キロパスカルから206キロパスカルの範囲の圧力になるように調整する。したがって、エンクロージャ50に漏れる水は、出口58を通過して、エンクロージャ50の外側の大気、又はエンクロージャ50自体が水に囲まれている場所のいずれかに到達し、次いで、ピット箱20内の周囲の水に通過する。
【0063】
法令に準拠して、本発明は、構造的又は系統的特徴に多かれ少なかれ固有の言語で記述されてきた。「含む(comprises)」という用語及び「含む(comprising)」及び「含まれる(comprised of)」などのその変形は、包括的意味で使用され、追加の機能を排除するものではない。
【0064】
本明細書に記載の手段は、本発明を実施する好ましい形態を含むので、本発明は、示される又は記載される特定の特徴に限定されないことが理解されるべきである。
【0065】
したがって、本発明は、当業者によって適切に解釈される添付の特許請求の範囲の適切な範囲内のその形態又は修正のいずれかで特許請求される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2020-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、前記水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、前記給水ラインに流体結合するように構成された蓋に取り付けられた採水システムであって、
ピット蓋であって、使用中に前記ピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、前記ピット箱の開口部を覆うように配置されるように構成されており、
前記ピット蓋は、採水装置に結合された使用中の下側部分を更に含み、前記採水装置は、前記ピット箱によって画定された内部容積内に配置されるように構成されており、前記採水装置は、前記給水ラインからの前記加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために前記給水ラインに流体結合されている、ピット蓋と、
前記蓋に取り付けられた採水システムが前記給水ラインから容易に切り離されるように構成されるように、前記採水装置を前記給水ラインに結合するために、前記ピット蓋の前記下側部分に対して配置されている1つ又は複数のコネクタと、
前記採水装置を前記ピット蓋の前記下側部分に取り付けるためのフレーム・アセンブリであって、前記フレーム・アセンブリは、前記ピット蓋の下側に結合されている、フレーム・アセンブリと、
前記採水装置と電子通信して前記ピット蓋に隣接して配置され、前記水質パラメータを前記遠隔地に送信するためのデータ送信機と、
を備えている、蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項2】
前記採水装置が、以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するように構成されている、請求項1又は2に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項3】
前記給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にして前記給水ラインの前記過渡圧力を測定するために、前記給水ラインと結合された第1の採取ラインと、前記給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするための前記給水ラインと結合された第2の採取ラインであって、前記採取プローブは、前記採取チャンバに流入する水のサンプルの水質パラメータを採取するように構成されている、第2の採取ラインと、を更に備えている、請求項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項4】
前記動圧センサは、パイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するように構成されており、前記信号プロセッサは、前記パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定するために、過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されており、前記信号プロセッサは、制御ユニットと通信して、前記所定の基準が満たされたときに、1つ又は複数の追加の採水ステップを実行する、請求項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で前記採水システムを動作させるように構成されている、請求項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるようにプログラムされている、又はプログラム可能である、請求項又はに記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項7】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記第1及び第2の採取ラインへの水の流れを制御するための採取弁を更に備えている、請求項からまでのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項8】
前記採取弁は、前記採取弁の遠隔作動を可能にするために、データ送受信機と電気的に通信している、請求項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項9】
前記採取弁は、プロセッサと通信して配置された不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って前記採取弁を作動させることで前記採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している、請求項又はに記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項10】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記複数の採水チャンバに流れる水の圧力を低減するために、前記第2の採取ラインと流体連絡するように配置された減圧弁を更に備えている、請求項からまでのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項11】
前記送信機は、前記ピット蓋に対して固定されたアンテナ要素を更に含み、前記アンテナ要素の上部は、前記水質パラメータに関連する情報を前記遠隔地に送信するために、前記ピット蓋の下側に隣接して配置されている、請求項1から10までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項12】
前記水質パラメータを遠隔に配置された処理ユニットに送信するための前記データ送信機は、前記遠隔に配置された処理ユニットと通信して、遠隔に配置された不揮発性記憶ユニットに書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、採取装置によって採取された前記1つ又は複数のサンプルの前記水質パラメータを受信して処理するように構成されている、請求項1から11までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項13】
前記データ送信機が遠隔サーバと有線又は無線通信するように構成されている、請求項1から12までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項14】
前記水質パラメータに関連する情報を処理及び前記遠隔地に送信するための、前記採水装置及び前記データ送信機と通信する内臓型処理ユニットを更に備えている、請求項1から13までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項15】
前記採水装置の少なくとも一部をシーリング装置で封入するためのエンクロージャであって、前記シーリング装置は、前記エンクロージャと前記ピット蓋及び/又は前記採水装置との間にシールを形成するために提供される、エンクロージャを更に備えている、請求項1から14までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項16】
前記シーリング装置が、前記エンクロージャと前記ピット蓋及び/又は前記採水装置との間に前記シールを形成する前記エンクロージャの使用中の上部セクションに位置する、請求項15に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項17】
前記採水装置及び/又は前記ピット蓋と組み合わせた前記エンクロージャは、前記ピット蓋、採水装置、及び前記エンクロージャの組み合わせが水中に沈められたときに浮力になるのを防ぐために、負に浮力がある、請求項15又は16に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項18】
前記エンクロージャは、前記エンクロージャの内側からの水を前記エンクロージャの外側に排出することを可能にする出口開口部を更に備えている、請求項15から17までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項19】
前記出口が前記エンクロージャの使用中の下部セクションに配置されている、請求項18に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項20】
前記エンクロージャは、前記エンクロージャの前記使用中の下部セクションを形成するベースを含み、前記ベースは、前記ベースから前記ピット蓋に向かう方向に延在する直立した壁を含み、前記出口は前記エンクロージャの前記ベースに配置されている、請求項18又は19に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項21】
前記採水装置を通って流れる水の圧力を101キロパスカルより上に、好ましくは130キロパスカルから210キロパスカルの範囲に調節するための採取圧力調整器を更に備えている、請求項1から20までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水装置。
【請求項22】
給水ラインから加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得し、前記水質パラメータに関連する情報を遠隔地に送信するために、前記給水ラインに流体結合するように構成された採水システムであって、前記採水システムは、
ピット箱によって画定された内部容積内のピット蓋の下側部分の下に配置されるように構成された採水装置であって、前記ピット蓋は、使用中に前記ピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置する前記ピット箱上に配置されるように構成されるように、前記ピット箱の開口部を覆うように配置されるように構成されており、
前記給水ラインからの加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得するために、前記給水ラインに流体結合されている、採水装置と、
前記採水システムが前記給水ラインから容易に切り離されるように構成されるように、前記採水装置を前記給水ラインに結合するために、前記ピット蓋の前記下側部分に対して配置されている1つ又は複数のコネクタと、
前記採水装置を前記ピット蓋の前記下側部分に取り付けるためのフレーム・アセンブリであって、前記フレーム・アセンブリは、前記ピット蓋の下側に結合されるように構成されている、フレーム・アセンブリと、
前記採水装置と電子通信して前記ピット蓋に隣接して配置され、前記水質パラメータを前記遠隔地に送信するためのデータ送信機と、
を備えている、採水システム。
【請求項23】
前記採水装置が、以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するように構成されている、請求項22に記載の採水システム。
【請求項24】
前記給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にして前記給水ラインの前記過渡圧力を測定するために、前記給水ラインと結合された第1の採取ラインと、前記給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするための前記給水ラインと結合された第2の採取ラインであって、前記採取プローブは、前記採取チャンバに流入する水のサンプルの水質パラメータを採取するように構成されている、第2の採取ラインと、を更に備えている、請求項23に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項25】
前記動圧センサは、パイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するように構成されており、前記信号プロセッサは、前記パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定するために、過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されており、前記信号プロセッサは、制御ユニットと通信して、前記所定の基準が満たされたときに、1つ又は複数の追加の採水ステップを実行する、請求項23又は24に記載の採水システム。
【請求項26】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で前記採水システムを動作させるように構成されている、請求項25に記載の採水システム。
【請求項27】
前記制御ユニットは、前記所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるようにプログラムされている、又はプログラム可能である、請求項25又は26に記載の採水システム。
【請求項28】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記第1及び第2の採取ラインへの水の流れを制御するための採取弁を更に備えている、請求項24から27までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項29】
前記採取弁は、前記採取弁の遠隔作動を可能にするために、データ送受信機と電気的に通信している、請求項28に記載の採水システム。
【請求項30】
前記採取弁は、プロセッサと通信して配置された不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って前記採取弁を作動させることで前記採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している、請求項28又は29に記載の採水システム。
【請求項31】
前記採水装置は、前記給水ラインから前記複数の採水チャンバに流れる水の圧力を低減するために、前記第2の採取ラインと流体連絡するように配置された減圧弁を更に備えている、請求項24から30までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項32】
前記送信機は、前記ピット蓋に対して固定されたアンテナ要素を更に含み、前記アンテナ要素の上部は、前記水質パラメータに関連する情報を前記遠隔地に送信するために、前記ピット蓋の下側に隣接して配置されている、請求項21から31までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項33】
前記水質パラメータを遠隔に配置された処理ユニットに送信するための前記データ送信機は、前記遠隔に配置された処理ユニットと通信して、遠隔に配置された不揮発性記憶ユニットに書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、採取装置によって採取された前記1つ又は複数のサンプルの前記水質パラメータを受信して処理するように構成されている、請求項21から32までのいずれか一項に記載の蓋に取り付けられた採水システム。
【請求項34】
前記データ送信機が遠隔サーバと有線又は無線通信するように構成されている、請求項22から33までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項35】
前記水質パラメータに関連する情報を処理及び前記遠隔地に送信するための、前記採水装置及び前記データ送信機と通信する内臓型処理ユニットを更に備えている、請求項21から34までのいずれか一項に記載の採水システム。
【請求項36】
採水方法であって、
ピット蓋の下側部分の下に採水装置を配置するステップであって、前記ピット蓋は、使用中に前記ピット蓋の外面が実質的に地面レベルにあり、地下に位置するピット箱上に配置されるように構成されるように、前記ピット箱の開口部を覆うように配置されるように構成されている、ステップと、
前記採水装置をフレーム・アセンブリの中に取り付け、前記フレーム・アセンブリを前記ピット蓋の前記下側部分に結合するステップと、
前記ピット蓋の前記下側部分に対して配置されている1つ又は複数のコネクタを前記採水装置流体結合するステップであって、給水ラインから加圧水を採取し、前記給水ラインからの前記加圧水のサンプルに対応する水質パラメータを取得する、ステップと、
前記ピット蓋に隣接して配置されたデータ送信機によって、前記水質パラメータを遠隔地に送信するステップと、
を含む、採水方法。
【請求項37】
以下のパラメータ、即ち
(a)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(Ec)、
(f)遊離塩素濃度、
のうちの1つ又は複数を測定するステップを更に含む、請求項38に記載の採水方法。
【請求項38】
前記給水ラインから動圧検出器への水の流れを可能にし、前記給水ラインの前記過渡圧力を測定するために、第1の採取ラインを線の前記給水ラインと結合するステップと、
前記給水ラインから対応する採取プローブを備えた複数の採取チャンバへの水の流れを可能にするために第2の採取ラインを前記給水ラインと結合し、前記採取チャンバに流入する前記水を採取して水質パラメータを採取するステップと、
を含む、請求項36又は37に記載の採水方法。
【請求項39】
前記第1及び第2の採取ラインと流体連絡するように構成された採取弁を作動させるステップを更に含み、前記採取弁は、不揮発性記憶装置に書き込まれた採取命令に従って前記採取弁を作動させることで前記採取命令を実行するプロセッサと電気的に通信している、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記送信機を使用して前記水質パラメータを遠隔地にある処理ユニットに送信するステップと、前記処理ユニットを使用して、前記処理ユニットと通信する不揮発性記憶装置に書き込まれた1つ又は複数の水質パラメータ処理命令に従って、前記採取装置によって採取された前記1つ又は複数のサンプルの前記水質パラメータを処理するステップと、を更に含む、請求項38又は39に記載の方法。
【請求項41】
動圧センサを使用してパイプライン内の過渡圧力を識別するように初期採水ステップを実行し、過渡圧力関連情報を受信機と信号プロセッサとに送信するステップであって、前記信号プロセッサは、前記パイプライン内の過渡圧力が所定の基準を満たしているかどうかを判定し、それに応じて、前記所定の基準が満たされたときに制御ユニットに信号を伝達して、1つ又は複数の追加の採水ステップを実施することによって過渡圧力関連情報を受信及び処理するように構成されている、ステップを含む、請求項38から40までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記所定の基準が満たされない場合に、低電力消費の動作構成で前記採水システムを動作させるステップを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記所定の基準が満たされない場合に、採水率又はデータ記録率を増加させるステップを更に含む、請求項42に記載の方法。
【国際調査報告】