(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(54)【発明の名称】図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法、装置および電子装置
(51)【国際特許分類】
G03F 1/36 20120101AFI20220419BHJP
G06F 30/398 20200101ALI20220419BHJP
【FI】
G03F1/36
G06F30/398
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544855
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2019073989
(87)【国際公開番号】W WO2020154979
(87)【国際公開日】2020-08-06
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521339197
【氏名又は名称】深▲せん▼晶源信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN JINGYUAN INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 401A, Building C, Yingdali Tech Park, Hongmian Road, Futian District Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丁 明
(72)【発明者】
【氏名】施 偉杰
【テーマコード(参考)】
2H195
5B146
【Fターム(参考)】
2H195BA01
2H195BB02
2H195BB36
5B146AA22
5B146DC04
5B146EA07
5B146EA08
5B146GC23
(57)【要約】
【要約】本発明は、集積回路のマスクの設計に関する技術分野に属し、特に、図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法、装置および電子装置に関するものである。前記方法は、メイン図形を入力するステップと、各メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得し、短辺をメイン図形の最適化方法の第一変量にするステップと、同一であるか或いは似ているメイン図形の周囲に同一であるか或いは似ている補助図形のサンプリング位置を形成し、補助図形のサンプリング位置をメイン図形の最適化方法の第二変量にするステップと、第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するステップとを含む。メイン図形の周囲に補助図形のサンプリング位置を形成する規則は一致し、メイン図形の具体的な位置による影響を与えないので、各メイン図形の最適化の効果の一致性を確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初マスクの最適化に用いられ、前記最初マスクは少なくとも1つのメイン図形を含む図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法であって、
メイン図形を入力するステップS1と、
前記各メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得し、前記短辺をメイン図形の最適化方法の第一変量にするステップS2と、
同一であるか或いは似ているメイン図形の周囲に同一であるか或いは似ている補助図形のサンプリング位置を形成し、前記補助図形のサンプリング位置をメイン図形の最適化方法の第二変量にするステップS3と、
第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するステップS4とを含むことを特徴とする図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項2】
その式において、前記Eは第一変量であり、前記Pは第二変量であり、前記w
iは各検出点のウエートであり、前記検出点はメイン図形の辺部に形成されかつ画像誤差を表示する複数個の点であり、前記RIはフォトレジスト上のレジスト・イメージの強度であることを特徴とする請求項1に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項3】
前記RIを獲得するステップは、
最適化待機マスクに対してグラインディングをすることによりグラインディングされたマスク図形MIを獲得し、前記最適化待機マスクは最初マスクとイテレーションが実施されるマスクを含むS41と、
前記グラインディングされたマスク図形MIを露光量の分布
図AIに変換するS42と、
前記露光量の分布
図AIによりRIを獲得するS43とを含むことを特徴とする請求項2に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項4】
前記ステップS41は第一変量と補助図形のサンプリング位置の情報を入力値にすることによりグラインディングされたマスク図形MIを計算して獲得するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項5】
この式において、rは各メイン図形の位置の座標であり、補助図形のサンプリング位置の情報は、第j個の補助図形のサンプリング位置の信号値P
j、マスク図形の各画像の座標値rおよび第j個の補助図形のサンプリング位置r(P
j)を含み、前記j=1、2、3…nであり、nはゼロより大きい整数であることを特徴とする請求項4に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項6】
ステップS3において、各メイン図形の周囲に補助図形形成区域を形成し、予め設定規則により前記補助図形形成区域内に補助図形のサンプリング位置を形成するステップは、具体的に、
補助図形保存区域が形成する最小変量x1と補助図形保存区域が形成する最大変量x2を設定するS31と、
前記メイン図形をx1倍拡大することにより図形Aを獲得し、前記メイン図形をx2倍拡大することにより図形Bを獲得するS32と、
前記図形Aと前記図形Bに対してエクスクルーシブオアをすることにより前記補助図形保存区域を獲得するS33と、
前記補助図形保存区域に補助図形信号のサンプリング位置を形成するS34とを含むことを特徴とする請求項1に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項7】
前記補助図形保存区域を複数個の矩形区域に分割し、各矩形区域に所定の距離を空けて補助図形のサンプリング位置を形成し、形成された図形Aの辺部とメイン図形の辺部との間の最近距離はd1であり、形成された図形Bの辺部とメイン図形の辺部との間の最近距離はd2であり、d1の範囲は20~100nmであり、d2の範囲は100~400nmであることを特徴とする請求項6に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項8】
前記図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は、最適化方法により前記目標関数の最適化を実施することにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離を獲得するステップS5を更に含み、前記最適化過程はILT(Inverse Lithography Technology)により実施され、前記最適化過程は、
メイン図形の短辺を最適化変量にすることによりメイン図形の最適化を実施することにより初期最適化が実施されるメイン図形を獲得する第一段階と、
メイン図形の短辺と補助図形のサンプリング位置の結合を最適化変量にすることにより初期最適化が実施されるメイン図形に対して最適化を実施し、それにより前記補助図形形成区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離を獲得する第二段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法。
【請求項9】
メイン図形を入力するように配置される入力モジュールと、
前記メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得するように配置される分割モジュールと、
前記メイン図形の周囲に補助図形保存区域を形成するように配置される補助図形保存区域形成モジュールと、
前記補助図形保存区域内に補助図形のサンプリング位置を形成するように配置される補助図形サンプリング位置形成モジュールと、
第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するように配置される目標関数形成モジュールと、
ILT(Inverse Lithography Technology)により前記目標関数に対して最適化をすることにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する移動距離を獲得するように配置される最適化計算モジュールとを含むことを特徴とする図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化装置。
【請求項10】
1個または複数個の処理装置と1個または複数個のプログラムを記憶する記憶装置を含み、
前記1個または複数個のプログラムが前記1個または複数個の処理装置によって実施されることにより前記1個または複数個の処理装置は前記請求項1~8のうちいずれか一項に記載の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法を実施することを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路のマスクの設計に関する技術分野に属し、特に、図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法、装置および電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトエッチングは集積回路の製造工程において最も重要な1つの工程であり、集積回路の製造工程の先進程度はフォトエッチングによって決定される。フォトエッチングシステムを光学イメージングシステムともいい、そのフォトエッチングシステムは、照明光源、マスク、投影オブジェクティブシステム(objective system)およびフォトレジスト(photoresist)が塗布されているシリコンスライス(silicon slice)が含まれている4つの基本要素を含む。集積回路のサイズは技術ポイントである45nm以下に発展しかつより小さい分野例えば32nmまたは22nmに発展するとき、露光をする必要がある図形のサイズはフォトエッチングシステム中の光源の波長より遥かに小さくなる。それによりフォトエッチング・イメージング・システムにおいて光線の波長の干渉、回折による光学近接効果(Optical Proximity Effects)が著しくなるおそれがある。それにより、シリコンスライス上に形成された露光図形は露光に用いられるマスク図形と異なる奇形になるおそれがある。したがって、フォトエッチングシステムのマスクを設計するとき、光学近接効果を考慮する必要があり、マスク図形を予め処理することによりシリコンスライス上に形成された露光図形を希望の目標の図形に接近させる必要がある。
【0003】
従来のマスクの最適化の過程において、通常、マスクに対してグラインディング(gridding)処理をするが、最適化の最終結果は格子点(Lattice point)の位置の規則性による影響を受ける。同一であるメイン図形が違う格子点に位置しているとき、その周囲に形成される補助図形格子点の数量とメイン図形に相対している位置が異なっているので、最適化が実施される最終のマスク図形は理想的な状態に達することができない。
図1Aと
図1Bに示すとおり、似ているメイン図形X1とメイン図形X2を含み、補助図形格子点形成区域はM1とM2に対応する。メイン図形X1とメイン図形X2が異なる位置に位置しており、例えばメイン図形X1の頂部P1に接近している01点とメイン図形X2の頂部P2に接近している02点との間に大きい距離があるので、01点と02点に補助図形を保存するとき、メイン図形に違う影響を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマスク最適化方法は格子点の位置による影響を受けるので、最適化が実施されるマスク図形は理想的な状態に達することができない。その技術的問題を解決するため、本発明は図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法、装置および電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来技術の問題を解決するため、本発明は図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法を提供する。図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は最初マスクの最適化に用いられ、前記最初マスクは少なくとも1つのメイン図形を含む。図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は、メイン図形を入力するステップS1と、前記各メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得し、前記短辺をメイン図形の最適化方法の第一変量にするステップS2と、同一であるか或いは似ているメイン図形の周囲に同一であるか或いは似ている補助図形のサンプリング位置を形成し、前記補助図形のサンプリング位置をメイン図形の最適化方法の第二変量にするステップS3と、第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するステップS4とを含む。
【0006】
【0007】
好ましくは、前記RIを獲得するステップは、最適化待機マスクに対してグラインディングをすることによりグラインディングされたマスク図形MIを獲得し、前記最適化待機マスクは最初マスクとイテレーションが実施されるマスクを含むS41と、前記グラインディングされたマスク図形MIを露光量の分布
図AIに変換するS42と、前記露光量の分布
図AIによりRIを獲得するS43とを含む。
【0008】
好ましくは、前記ステップS41は第一変量と補助図形のサンプリング位置の情報を入力値にすることによりグラインディングされたマスク図形MIを計算して獲得するステップを含む。
【0009】
この式において、rは各メイン図形の位置の座標であり、補助図形のサンプリング位置の情報は、第j個の補助図形のサンプリング位置の信号値P
j、マスク図形の各画像の座標値rおよび第j個の補助図形のサンプリング位置r(P
j)を含み、前記j=1、2、3…nであり、nはゼロより大きい整数である。
【0010】
好ましくは、ステップS3において、各メイン図形の周囲に補助図形形成区域を形成し、予め設定規則により前記補助図形形成区域内に補助図形のサンプリング位置を形成するステップは、具体的に、補助図形保存区域が形成する最小変量x1と補助図形保存区域が形成する最大変量x2を設定するS31と、前記メイン図形をx1倍拡大することにより図形Aを獲得し、前記メイン図形をx2倍拡大することにより図形Bを獲得するS32と、前記図形Aと前記図形Bに対してエクスクルーシブオアをすることにより前記補助図形保存区域を獲得するS33と、前記補助図形保存区域に補助図形信号のサンプリング位置を形成するS34とを含む。
【0011】
好ましくは、前記補助図形保存区域を複数個の矩形区域に分割し、各矩形区域に所定の距離を空けて補助図形のサンプリング位置を形成し、形成された図形Aの辺部とメイン図形の辺部との間の最近距離はd1であり、形成された図形Bの辺部とメイン図形の辺部との間の最近距離はd2であり、d1の範囲は20~100nmであり、d2の範囲は100~400nmである。
【0012】
好ましくは、前記図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は、最適化方法により前記目標関数の最適化を実施することにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離を獲得するステップS5を更に含み、前記最適化過程はILT(Inverse Lithography Technology)により実施される。前記最適化過程は、メイン図形の短辺を最適化変量にすることによりメイン図形の最適化を実施することにより初期最適化が実施されるメイン図形を獲得する第一段階と、メイン図形の短辺と補助図形のサンプリング位置の結合を最適化変量にすることにより初期最適化が実施されるメイン図形に対して最適化を実施し、それにより前記補助図形形成区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離を獲得する第二段階とを含む。
【0013】
前記従来技術の問題を解決するため、本発明は図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化装置を更に提供する。前記図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化装置は、メイン図形を入力するように配置される入力モジュールと、前記メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得するように配置される分割モジュールと、前記メイン図形の周囲に補助図形保存区域を形成するように配置される補助図形保存区域形成モジュールと、前記補助図形保存区域内に補助図形のサンプリング位置を形成するように配置される補助図形サンプリング位置形成モジュールと、第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するように配置される目標関数形成モジュールと、ILT(Inverse Lithography Technology)により前記目標関数に対して最適化をすることにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する移動距離を獲得するように配置される最適化計算モジュールとを含む。
【0014】
前記従来技術の問題を解決するため、本発明は電子装置を更に提供する。その電子装置は1個または複数個の処理装置と1個または複数個のプログラムを記憶する記憶装置を含み、前記1個または複数個のプログラムが前記1個または複数個の処理装置によって実施されることにより前記1個または複数個の処理装置は前記いずれか1つの図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法を実施することができる。
【発明の効果】
【0015】
従来の技術と比較してみると、同一であるか或いは似ているメイン図形の周囲に同一であるか或いは似ている補助図形のサンプリング位置を形成するので、形成された補助図形のサンプリング位置はメイン図形の具体的な位置が変化することにより変化することを防止することができる。また、格子点の規則性による影響を受けないので、同一であるか或いは似ているメイン図形の周囲にいろいろな補助図形のサンプリング位置を形成し、最終に補助図形のサンプリング位置に保存される補助図形に大きい差別が出ることを避け、1つのメイン図形の最適化の結果に大きい偏差が出ることを避け、マスクの最終の最適化効果を向上させることができる。
【0016】
前記目標関数において、補助図形のサンプリング位置の情報を最適化変量にするので、最適化計算方法により目標関数の最適化を実施する過程において、各補助図形のサンプリング位置の信号値を獲得し、信号値のサイズにより補助図形を保存する補助図形のサンプリング位置を獲得するので、最適化の結果が安定であり、よい最適化の結果を獲得することができる。
【0017】
目標関数の最適化を実施する過程は2つの段階を含む。第一段階において、まず、メイン図形の辺部すなわち第一変量によりメイン図形の最適化を実施する。メイン図形の最初の最適化を実施し、光学近接効果を低減する初期の処理をすることができる。第二段階において、第一変量と第二変量により最初の最適化が実施されるメイン図形に対して最適化を実施し、それにより最終の最適化が実施されかつ補助図形を保存する補助図形のサンプリング位置を獲得するので、補助図形のサンプリング位置の信号値を正確にし、メイン図形の位置の移動量もより正確にすることができる。
【0018】
本発明の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化装置およびその電子装置により図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法と同一である発明の効果を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1B】従来の技術のメイン図形が
図1Aのグラインディングに相対して異なる位置に位置していることを示す図である。
【
図1C】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法を示す流れ図である。
【
図2】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法における最初マスクの構造を示す図である。
【
図3】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法においてメイン図形の辺部を分割することを示す図である。
【
図4】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法のステップS3を示す流れ図である。
【
図5】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法における補助図形のサンプリング位置の保存区域を示す図である。
【
図6】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法における補助図形のサンプリング位置を示す図である。
【
図7】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法のステップS4を示す流れ図である。
【
図8】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法における最初マスクの構造を示す図である。
【
図9】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法における補助図形のサンプリング位置を示す図である。
【
図10】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法における最適化が実施されるメイン図形を示す図である。
【
図11】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法において最適化が実施される補助図形を示す図である。
【
図12】本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法において最適化が実施されるレジスト図形を示す図である。
【
図13】本発明の第二実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化装置を示すロックダイアグラムである。
【
図14】本発明の第三実施例に係る電子装置を示すロックダイアグラムである。
【
図15】本発明の実施例に係るサーバーに用いられるコンピュータシステムの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術的事項および発明の効果をより詳細に説明するため、以下、図面と実施例により本発明をより詳細に説明する。注意されたいことは、下記具体的な実施例は本発明を説明するものであるが、本発明を限定するものでない。
【0021】
図1Cを参照すると、本発明の第一実施例において図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法を提供する。その方法により最初マスクの最適化を実施し、前記最初マスクは少なくとも1つのメイン図形を含む。前記図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は下記ステップを含む。
【0022】
ステップS1において、メイン図形を入力する。
【0023】
本発明において、まず、ターゲットチップ(Target chip)のデザインパタンを提供し、そのターゲットチップのデザインパタンによりそのターゲットチップのデザインパタンに対応するマスクを設計し、前記ターゲットチップのデザインパタンのフォトエッチングによりマスクを配置する。初めて設計するマスクは最初マスクであり、その最初マスクは少なくとも1つのメイン図形を含む。そのステップにおいて、
図2は最初マスクを示す図であり、図面中の区域Mはメイン図形である。メイン図形を露光図形ともいい、露光により最初マスク上の図形は半導体部品上に移転されることができる。本実施例において区域Mは矩形であるが、他の実施例においてその区域M(メイン図形)は他の形状であることもできる。メイン図形のパタンは最初マスクの具体的な形状により決められる。例えばメイン図形のパタンは、梯形、不規則的多辺形、規則的多辺形等のような形状に形成されることもできる。入力されるメイン図形はGDSフォーマットに存在することができる。
【0024】
図1Cを再び参照すると、本発明の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は下記ステップを更に含む。
【0025】
ステップS2において、前記各メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得し、前記短辺をメイン図形の最適化方法の第一変量にする。
【0026】
図3を参照すると、メイン図形の辺部を分割することにより小さいラインブロックである短辺を獲得し、各短辺の位置が異なることにより各短辺をいろいろなタイプに分類する。最適化の過程において短辺は処理の最小単位になり、位置が異なっている短辺により異なる最適化変量を獲得する。メイン図形の辺部の分割処理により校正対象をより明確に校正し、より正確に校正し、メイン図形全体に対して最適化を実施することにより処理の過程が複雑になることを避けることができる。そのステップにおいて、短辺を最適化に用いられる第一変量にする校正方法は所定のラインブロックが移動することに対応する。ラインブロックの位置が異なることとフォトレジスト(photoresist)のイメージ(Image)のイメージング特徴により異なる移動方向と異なる移動距離を選択することができる。それを繰り返し、複数回のイテレーション(iteration)をすることにより最終の最適化効果を獲得することができる。
【0027】
図1Cを再び参照すると、本発明の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は下記ステップを更に含む。
【0028】
ステップS3において、同一であるか或いは似ているメイン図形の周囲に同一であるか或いは似ている補助図形(auxiliary figure)のサンプリング位置(sampling point)を形成し、前記補助図形のサンプリング位置をメイン図形の最適化方法の第二変量にする。
【0029】
光学的近距離による影響を除去するため、最初マスク上のメイン図形と獲得しようとするフォトエッチングマスクの図形は異なり、メイン図形に対して光学的近接補正(OPC、Optical Proximity Correction)をする必要がある。特徴サイズが90nm範囲内に入ると、メイン図形の線幅は光線波長の1/3まで減少することができる。光学的近接補正をすること以外に、メイン図形の周囲にサブサイズを有している補助図形を更に設ける必要がある。すなわち補助解像度アシスタントフィーチャー(SRAF、Sub-resolution assistant feature)を用いる必要がある。前記補助図形はフォトエッチングにのみ形成され、露光を実施してもその補助図形は半導体部品に移転されず、隣接しているメイン図形の焦点深度を増加させる役割のみをし、露光の精密度を向上させることができる。
【0030】
そのステップにおいて、補助図形保存区域は補助図形を保存する区域である。そのステップにおいて、同一であるか或いは似ているメイン図形は外部形状とサイズが同一であるか或いは似ているメイン図形を意味し、それは例えばサイズが同一である正方形、長方形、梯形または他の不規則的図形であることができる。1個のメイン図形は正方形であり、他のメイン図形は正方形に似ている図形である場合、その2個の図形が似ていると認定する。
図4を参照すると、本発明の他の実施例において、ステップS3は具体的に下記ステップを含む。
【0031】
ステップS31において、補助図形保存区域が形成する最小変量x1と補助図形保存区域が形成する最大変量x2を設定する。
【0032】
そのステップにおいて、最小変量x1と最大変量x2はメイン図形の拡大係数であり、最小変量x1は最大変量x2より小さいか或いは等しく、最小変量x1はゼロより大きいか或いは等しく、最大変量x2はゼロでない。
【0033】
図4を再び参照すると、ステップS3は具体的に下記ステップを更に含む。
【0034】
ステップS32において、前記メイン図形をx1倍拡大することにより図形Aを獲得し、前記メイン図形をx2倍拡大することにより図形Bを獲得する。最小変量x1と最大変量x2を下記方法により設定されることができる。形成された図形Aの辺部とメイン図形の辺部との間の最近距離はd1であり、形成された図形Bの辺部とメイン図形の辺部との間の最近距離はd2である。具体的に、d1の範囲は20~100nmであり、d2の範囲は100~400nmである。
【0035】
そのステップにおいて、図形Aと図形Bは
図5に示すとおりである。
【0036】
図5を再び参照すると、ステップS3は具体的に下記ステップを更に含む。
【0037】
ステップS33において、前記図形Aと前記図形Bに対してエクスクルーシブオア(exclusive OR、XORと略称)をすることにより前記補助図形保存区域を獲得する。
【0038】
そのステップにおいて、前記補助図形保存区域は図形Aと図形Bの辺部に包囲されて形成される区域Cであり、その区域は
図5の充填区域に対応する。以上のとおり、補助図形保存区域の輪郭とメイン図形の輪郭は一致している。
【0039】
図5を再び参照すると、ステップS3は具体的に下記ステップを更に含む。
【0040】
ステップS34において、前記補助図形保存区域に補助図形信号のサンプリング位置を形成する。
【0041】
そのステップにおいて、補助図形信号のサンプリング位置をメイン図形の最適化方法の第二変量にする。補助図形信号のサンプリング位置を形成した後、各前記補助図形信号のサンプリング位置の最初信号値を0にする。最適化をする過程において、補助図形信号のサンプリング位置の信号値が予め設定閾値を上回ると、その補助図形信号のサンプリング位置に補助図形を形成し、逆の場合、補助図形を保存しない。
【0042】
そのステップにおいて、予め設定規則により補助図形のサンプリング位置を形成する。前記予め設定規則は、複数行の補助図形のサンプリング位置が設置され、一行において隣接している2個の補助図形のサンプリング位置の間の距離はxであり、隣接している2行の間の距離もxであるものである。具体的な最適化の過程において実際の最適化効果によりx値を調節することができる。
【0043】
他の実施例において、補助図形のサンプリング位置をより迅速により正確に形成するため、補助図形保存区域を複数個の矩形区域に分割し、各矩形区域に所定の距離xを空けて補助図形のサンプリング位置を形成することができる。
【0044】
図6を参照すると、d1=40nmであり、d2=120nmである補助図形のサンプリング位置が形成されている。
図6の各メイン図形の形状とサイズは一致するが、その位置は異なっている。各メイン図形の周囲の補助図形のサンプリング位置の配列方法は一致しており、メイン図形の具体的な位置による影響を与えない。すなわち各メイン図形の周囲には同一であるか或いは似ている補助図形のサンプリング位置が形成される。
【0045】
図1Cを再び参照すると、本発明の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は下記ステップを更に含む。
【0046】
ステップS4において、第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数(objective function)を提供する。
【0047】
ステップS5において、最適化方法により前記目標関数の最適化を実施することにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離および方向を獲得する。
【0048】
その式において、前記Eは第一変量であり、前記Pは第二変量であり、前記w
iは各検出点のウエートであり、前記検出点はメイン図形の辺部に形成されかつ画像誤差を表示する複数個の点である。画像誤差は最適化の過程においてイテレーションと最適化が実施されるマスクにより獲得しかつシリコンスライス上のイメージング図形と目標図形との間の差異により計算することができる。メイン図形は最初マスクのメイン図形とイテレーションが実施されるメイン図形を含む。w
iは経験により獲得する数値である。前記RIはフォトレジスト(photoresist)上のレジスト・イメージ(Resist Image)の強度である。
【0049】
図7を参照すると、前記RIを獲得することは下記ステップを含む。
【0050】
S41において、最適化待機マスクに対してグラインディング(gridding)をすることによりグラインディングされたマスク図形MIを獲得し、前記最適化待機マスクは最初マスクとイテレーションが実施されるマスクを含む。
【0051】
【0052】
【0053】
ステップS411において、コンボルーション計算によりローパスフィルター(low pass filter)のマトリックスを獲得する(コンボルーションカーネル(convolution kernel))。
【0054】
ステップS412において、前記マスク図形中の各画像位置を計算し、各画像位置の区域画像と前記ローパスフィルターのマトリックスに対応する元素を乗ずる積を計算し、所定の元素の値を加えることにより前記が画像位置の特徴値を獲得し、それにより前記マスク図形の特徴図を形成する。
【0055】
【0056】
【0057】
この式において、rは各メイン図形の位置の座標である。具体的に、メイン図形の頂部の座標値で表示することができる。Pjは第j個の補助図形のサンプリング位置の信号値であり、r(Pj)は第j個の補助図形のサンプリング位置である。以上のとおり、補助図形のサンプリング位置の情報は、第j個の補助図形のサンプリング位置の信号値Pj、マスク図形の各画像の座標値rおよび第j個の補助図形のサンプリング位置r(Pj)を含み、前記j=1、2、3…nであり、nはゼロより大きい整数である。後の最適化の過程と目標関数に対して最適化をする過程において、最適化計算方法によりPjの最適化を実施することができる。Pjの初期値は0である。最適化を実施する過程において、Pj値が予め設定閾値を上回ると、前記Pjに対応する補助図形のサンプリング位置に補助図形を保存することができると判断する。
【0058】
図7を再び参照すると、前記RIを獲得することは下記ステップを更に含む。
【0059】
ステップS42において、前記グラインディングされたマスク図形MIを露光量の分布
図AIに変換する。
【0060】
そのステップにおいて、光学画像のTCC理論により露光量の分布
図AIを獲得する。具体的に、露光量の分布
図AIは下記式で表示することができる。
【0061】
具体的に、AIの計算方法は主として、下記ステップを含む。
ステップS421において、クロストランスファー係数マトリックス(Cross transfer coefficient matrix)を計算するステップと、
ステップS422において、一部分が関しているカーネル関数(kernel function)を計算するステップと、
ステップS423において、一部分が関しているカーネル関数により前記露光量の分布
図AIを獲得するステップとを含む。
【0062】
ステップS421において、従来の分析方法、積分法およびフーリエ変換(Fourier Transform)方法により前記クロストランスファー係数マトリックスを計算することができる。フーリエ変換方法は、いろいろな光源に用いることができ、かつ計算速度が速いという利点を有している。本発明においてフーリエ変換方法によりクロストランスファー係数マトリックスを計算する。
【0063】
【0064】
保留された前のl項は結果に大きい影響を与える値であり、後のl項はゼロに接近しているので、それを無視することができる。
【0065】
ステップS423において、ステップS422において獲得した各カーネル関数は所定のイメージングモデルにより空間画像を計算し、イントリンシック係数に対して加重(weighted)をすることにより露光量の分布
図Aを獲得する。
【0066】
図7を再び参照すると、前記RIを獲得することは下記ステップを更に含む。
ステップS43において、前記露光量の分布
図AIによりRIを獲得する。
【0067】
そのステップにおいて、R1を獲得するとき、露光量の分布
図AIを考慮するとともにレジストの化学特性を考慮することにより獲得することができる。
【0068】
具体的な実施例において、RIは例えば下記函数により獲得することができる。
【0069】
図1Cを再び参照すると、本発明の図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法は下記ステップを更に含む。
【0070】
ステップS5において、最適化計算方法により前記目標関数の最適化を実施することにより前記補助図形形成区域内に補助図形を形成する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離を獲得する。
【0071】
そのステップにおいて、前記最適化計算方法は、共役傾斜法(conjugate gradient method)、準ニュートン法(quasi-Newton method)、L-BFGSB等の最適化方法を含む。
【0072】
具体的に、最適化の過程において、第一変量と第二変量に対応する目標関数Costのファーストデリバティブ(First derivative)を計算する必要がある。
【0073】
ファーストデリバティブを計算する具体的な過程は次のとおりである。
【0074】
具体的な実施例により目標関数を定義しかつそれにより最適化を実施する過程を具体的に説明する。本実施例においてL-BFGSB計算方法を例として説明する。その場合、
図8に示されかつ幅が62nmであり、周期が409nmである正方形のMをメイン図形として用いる。
図9に示すとおり、メイン図形Mが「40nm、120nm」範囲内において補助図形のサンプリング位置を形成し、メイン図形の周囲に形成される補助図形のサンプリング位置の数量と位置は一致しており、グラインディングによる影響を受けない。
【0075】
本実施例において、複数の露光条件においてテストを実施する。具体的に、標準的露光条件(NC)、露光量+3%(PD3)、露光量-3%(ND3)、デフォーカス(defocusing)+40nm(PF40)、デフォーカス-40nm(NF40)を含む。標準的露光条件はフォトエッチング装置が理想的な作動状態になっていることを意味する。すなわち露光値は設定される標準値になっており、レンズのフォーカシングは標準値になっており、デフォーカスは生じないことを意味する。
【0076】
最適化方法は主として、第一段階と第二段階を含む。
【0077】
第一段階において、メイン図形の短辺を最適化変量にすることによりメイン図形の最適化を実施する。まず、最初マスクの露光量の分布
図AIを計算し、所定の図形と計算によって獲得した露光量の分布
図AIにより目標関数を計算する。具体的な計算過程は前記ステップS41~S43を参照することができるので、ここで再び説明しない。マスクの上部辺縁部の位置を調節することにより次のマスクを獲得し、露光量の分布
図AIを計算した後、目標関数を計算することによりマスクを調節する。そのステップを繰り返し、最後の目標関数が小さい値になるとき最初の適合化が実施されるマスクを獲得する。好ましくは、このステップのイテレーションの回数は15回である。
図10に示すとおり、点線で最適化が実施されたメイン図形を示す。
【0078】
第二段階において、メイン図形の短辺と補助図形のサンプリング位置の結合を最適化変量にする。その段階において、メイン図形の辺部が移動するので、補助図形のサンプリング位置の信号値を結果としてフィードバックする。すなわちメイン図形の辺部が移動し、かつ所定の補助図形のサンプリング位置の信号値が予め設定閾値より大きいとき、保存する必要がある補助図形のサンプリング位置を獲得する。その段階において、30回のイテレーションをすることにより補助図形を保存できる補助図形のサンプリング位置を獲得する。
図11に最適化が実施される補助画像が示されている。
【0079】
第二段階の最適化は第一段階の最初の最適化が実施されたメイン画像に対して実施する。
【0080】
本実施例において、図形画像結合最適化の結果を計算することにより
図12に示されるレジスト図形を形成し、かつEPE(辺縁部位置誤差)とpvhand(1つの検測点がいろいろな露光条件にあるときEPEが配置される幅)を統計して分析することにより下記数値を獲得する。
【0081】
EPEは目標関数により獲得したシリコンスライス上の図形と実際に獲得した図形(目標図形)の辺縁部との間の誤差を指す。
【0082】
Pvbandは異なっている露光条件におけるEPE分布の幅を指す。
【0083】
Maximum Pvband=2.97nmである。
【0084】
以上のとおり、本発明の図形画像結合最適化によるフォトエッチングマスクの最適化方法により最適化の効果を獲得することができる。
【0085】
図13を参照すると、本発明の第二実施例においての図形画像結合最適化装置200を提供する。図形画像結合最適化装置200は、入力モジュール201、分割モジュール202、補助図形保存区域形成モジュール203、補助図形サンプリング位置形成モジュール204、目標関数形成モジュール205および最適化計算モジュール206を含む。
【0086】
前記入力モジュール201はメイン図形を入力するように配置され、
前記分割モジュール202は前記メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得するように配置され、
前記補助図形保存区域形成モジュール203は前記メイン図形の周囲に補助図形保存区域を形成するように配置され、
前記補助図形サンプリング位置形成モジュール204は前記補助図形保存区域内に補助図形のサンプリング位置を形成するように配置され、
前記目標関数形成モジュール205は第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するように配置され、
前記最適化計算モジュール206はILT(Inverse Lithography Technology)により前記目標関数に対して最適化をすることにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する移動距離を獲得するように配置される。
【0087】
図14を参照すると、本発明の第三実施例において電子装置300を提供する。その電子装置300は1個または複数個の処理装置302と1個または複数個のプログラムを記憶する記憶装置301を含み、前記1個または複数個のプログラムが前記1個または複数個の処理装置302によって実施されることにより前記1個または複数個の処理装置302は本発明の第一実施例に係る図形画像結合最適化のフォトエッチングマスクの最適化方法中の各ステップを実施することができる。
【0088】
図15を参照すると、
図15は本発明の実施例に係る端末装置/サーバーに用いられるコンピュータシステム800の構造を示す図である。
図15に示される端末装置/サーバーは本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明の実施例の機能と使用範囲を制限するものでない。
【0089】
図15に示すとおり、コンピュータシステム800は中央処理装置(CPU)801を含み、その中央処理装置801は読み取り専用メモリ(ROM)802に記憶されるプログラムまたは記憶装置808からランダムアクセスメモリ(RAM)803に送信されるプログラムにより所定の動作と処理をすることができる。RAM803にはコンピュータシステム800の作動に要るいろいろなプログラムとデータが更に記憶されている。CPU801、ROM802およびRAM803はバスによって接続される。入出力(I/O)インタフェース805もバスに接続される。
【0090】
I/Oインタフェース805には、キーボード、マウス等を含む入力装置806と、陰極線管ディスプレイ(CRT)、液晶表示装置(LCD)、スピーカー等を含む出力装置807と、ハード・ディスク・ドライブ等を含む記憶装置808と、LANカード、モデム等を含むネットワークインターフェースカード(network interface card)の通信装置809とが更に接続されることができる。通信装置809はインターネットのネットワークにより通信をすることができる。駆動装置810も需要によりI/Oインタフェース805に接続されることができる。リムーバブルメディア(removable media)811は例えば、ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(magneto-optical disc)、半導体記憶装置等であり、前記リムーバブルメディア811を駆動装置810に取り付けた後、リムーバブルメディアから読み出したコンピュータプログラムを記憶装置808に送信してインストールすることができる。
【0091】
本発明の実施例において、前記流れ図において説明してきた過程はコンピュータプログラムにより実施されることができる。本発明の実施例はコンピュータプログラム製品を含み、そのコンピュータプログラム製品はコンピュータ読み取りが可能な記憶媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは前記流れ図に示される方法を実施するプログラムコードを含む。本発明の実施例において、前記コンピュータプログラムは通信装置809によりネットワークからダウンロードするとともにインストールするか或いはリムーバブルメディア811からダウンロードするとともにインストールすることができる。前記コンピュータプログラムが中央処理装置(CPU)801により実行されることにより本発明の前記方法の前記機能を実施することができる。注意されたいことは、本発明の前記コンピュータ読み取りが可能な媒体はコンピュータ読み取りが可能な信号媒体またはコンピュータ読み取りが可能な記憶媒体またはその2つの結合であることができる。コンピュータ読み取りが可能な媒体は例えば、電気、磁気、電磁気、赤外線または半導体のシステム、装置または部品またはそれらの組合せであることができる。コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体の具体的な例は、1個または複数個の導電を具備する電気接続、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能PROM(EPROMまたはフラッシュメモリー)、光ファイバー、シーディーロム(CD-ROM)、光メモリ、磁気メモリまたはそれらの組合せであることができる。
【0092】
一種または複数のプログラミング言語またはそれらの組合せにより本発明の事項を実施するコンピュータプログラムコードを作成することができる。前記プログラミング言語は、オブジェクト指向プログラミング言語例えばJava、Smalltalk、C++を含み、過程式プログラミング言語例えば「C」言語またはそれに類似しているプログラミング言語を含むことができる。プログラムコードは使用者のコンピュータで実行されるか或いはプログラムコードの一部分が使用者のコンピュータで実行されることができる。プログラムコードはソフトウェアパッケージとして実行されることができる。プログラムコードの一部分は使用者のコンピュータで実行され、他の一部分がリモートコンピュータで実行されるか或いはリモートコンピュータまたはサーバーで実行されることができる。リモートコンピュータである場合、リモートコンピュータはいずれかのネットワーク例えば構内通信網(LAN)または広域網(WAN)により使用者のコンピュータに接続されるか或いは外部のコンピュータに接続されることができる(例えばネットワークサービス提供企業のネットワークにより接続されることができる)。
【0093】
図面の流れ図と/或いはブロックダイアグラム(block diagram)には本発明の実施例に係るシステム、方法およびコンピュータプログラムによって実施可能なステムの構造、機能および操作が記載されている。流れ図と/或いはブロックダイアグラム中の各ブロックは、1つのモジュール、プログラムまたはコードの一部分を指すことができ、前記モジュール、プログラムまたはコードの一部分はロジック機能を実現することができる実行可能な指令を含む。注意されたいことは、本実施例の代替方法において、ブロック中の機能は、ブロックダイアグラムに示される順番でなく、他の順番に実施されることができる。例えば、隣接している2つのブロック中のステップを並列に実施されるか或いはブロックダイアグラムに示される順番の反対順番に実施されることができる。実施の順番は獲得しようとする機能により決定される。注意されたいことは、ブロックダイアグラムと/或いは流れ図中の各ブロックおよびブロックダイアグラムと/或いは流れ図中の複数のブロックの組合せは、所定の機能または操作をすることができる専用のハードウェアシステムで実施するか或いは、ハードウェアとコンピュータ指令の組合せにより実施することができる。
【0094】
本発明の実施例に係るユニットはソフトウェアによって実施されるか或いはハードウェアによって実施されることができる。前記ユニットは前記処理装置内に設けられることができ、その場合、「処理装置は、入力モジュール、分割モジュール、補助図形保存区域形成モジュール、補助図形サンプリング位置形成モジュール、目標関数形成モジュールおよび最適化計算モジュールを含む」と説明することができる。ユニットの名称はユニットの技術的事項を限定するものでない。例えば、入力モジュールを「メイン図形を入力するものである」と説明することができる。本発明はコンピュータ読み取りが可能な記憶媒体を提供する。前記コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体は前記実施例に係る装置に設けられるか或いは前記実施例に係る装置に設けられず、それぞれ存在することができる。前記コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体には1個または複数個のプログラムが記憶され、前記1個または複数個のプログラムが前記処理装置によって実施されることにより前記処理装置は、メイン図形を入力するステップと、前記メイン図形の辺部を分割することにより短辺を獲得し、前記短辺をメイン図形の最適化方法の第一変量にし、前記メイン図形の周囲に補助図形保存区域を形成し、予め設定規則により前記補助図形保存区域内に補助図形のサンプリング位置を形成し、前記補助図形のサンプリング位置をメイン図形の最適化方法の第二変量にするステップと、第一変量と第二変量を最適化変量にする目標関数を提供するステップと、最適化方法により前記目標関数に対して最適化をすることにより前記補助図形保存区域内に補助図形を保存する補助図形形成位置と前記各短辺が移動する距離および方向を獲得するステップとを実施することができる。
【0095】
以上、本発明の好適な実施例を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は前記実施例にのみ限定されるものでない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲内においていろいろは変更または改良をすることができ、それらが本発明に含まれることは勿論である。
【国際調査報告】