(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】電池収蔵システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220420BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20220420BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220420BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220420BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20220420BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H01M10/46
H01M10/44 P
H02J50/10
H02J50/80
H04B5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020547115
(86)(22)【出願日】2019-03-04
(85)【翻訳文提出日】2020-10-06
(86)【国際出願番号】 DE2019000055
(87)【国際公開番号】W WO2019170185
(87)【国際公開日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】102018001655.3
(32)【優先日】2018-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018001665.0
(32)【優先日】2018-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018001983.8
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507055877
【氏名又は名称】トーマス ヘーリング
(71)【出願人】
【識別番号】520340503
【氏名又は名称】リーヴァ ゲーエムベーハー エンジニアリング
【氏名又は名称原語表記】RIVA GMBH ENGINEERING
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヘーリング
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン マスト
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シュッツ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ウィルムズ
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5K012
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD04
5H030AA06
5H030AS06
5H030AS08
5H030BB06
5H030BB21
5K012AB02
5K012AC08
5K012AC10
5K012AE13
(57)【要約】
本発明は、電池収容装置(20)および1つ以上の電池部(30)を含む電池システム(10、100、110)に関する。本発明によれば、電池部(30)は、相互にならびに/または充電および放電用の電池収容装置(20)に誘導結合することができ、電池収容装置(20)は外部電気エネルギー源および/もしくはエネルギー吸込みに接続することができ、電池部(30)はコイル部(42)を備え、かつ電池収容装置(20)は、収容される各電池部(30)に対して、コイル部(26)を有する収納台(50)を含み、コイル部(26)は、電池部(30)の工具不要な挿入および取り外しに対して、磁気的に相補的な方法で結合が可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池収容装置(20)と、
1つ以上の電池部(30)と、
を含み、
前記電池部(30)は、相互にならびに/または充電および放電のための前記電池収容装置(20)に双方向で誘導結合することができ、
前記電池収容装置(20)は、外部電気エネルギー源に接続することができ、
前記電池部(30)は、コイル部(42)を含み、
前記電池収容装置(20)は、取り外し可能な前記電池部(30)の各々に対して、取り外し可能な前記電池部(30)を工具不要で挿入および取り外すための相補的に磁気接続可能なコイル部(26、60)を有する収納台(50)を含むことを特徴とする、電池システム(10、100、110)。
【請求項2】
前記電池部(30)の前記コイル部(42、60)および前記電池収容装置(20)の前記コイル部(26、60)は、機械的な最大距離の110mm、好ましくは100mm、特に好ましくは10mm、特に1mmで分離され、それにより、好ましくは、少なくとも1つの非強磁性コイル結合板は、特に、磁束を案内するための強磁性領域を有する前記電池側コイル部(42、60)に対する蔽いとして配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項3】
前記コイル部(26、42、60)の少なくとも1つは、本質的に楕円形の細長い扁平な単一のコイル(62)を含み、コイル巻線は、好ましくは高周波用組み紐から成り、前記コイル部(26、42、60)は、機械的寸法および電磁気パラメータに関して50~100kHzの周波数範囲、特に70kHzの動作周波数に対して最適化され、それによって好ましくは、前記コイル(62)は、半外郭筐体(92)内に配置され、かつ区切られたフェライト素子(66)からなるフェライト芯半外郭(64)内に埋め込まれ、その結果、前記コイル部(26、42、60)の厚さ対長さ/幅の比は、少なくとも1:5、好ましくは1:8、特に1:10以上であり、かつ好ましくは、NFC部(28、38)は、前記コイル部(26、42、60)内に含まれることを特徴とする、請求項1または2に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項4】
前記電池部(30)は、機械的に閉じられ、かつ外部へのスイッチまたは開口部を有さず、かつ誘導によってのみ充電および放電され得ることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項5】
前記電池部(30)および/もしくは前記電池収容装置(20)の収納台(50)は、好ましくは充電ならびに/または放電段階で前記電池部(30)の正しい位置への挿入を可能にする、および/もしくは意図しない取り外しを防止する機械的ならびに/または磁気的ロック部を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項6】
前記電池収容装置(20)に収容された前記電池部(30)は、1.5kWh~1700kWhの総電気容量を提供することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項7】
請求項6に記載の電池システム(10、100、110)を少なくとも2つ以上含むシステム複合体であって、前記2つ以上の電池システムは、より大規模なシステムを形成するように接続されることを特徴とする、システム複合体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)で使用する電池収容装置(20)であって、少なくとも1つの相補的に磁気結合可能な前記コイル部(26、60)を有し、前記電池部(30)を工具不要で挿入または取り外すための、前記収納台(50)を少なくとも1つ、好ましくは2つ以上有し、好ましくは前記収納台(50)につき前記コイル部を1つ有し、前記収納台(50)には、好ましくは、押圧部、特にばね要素(46)が配置され、ばね荷重押圧力が挿入状態の前記電池部(30)に加えられることを特徴とする、電池収容装置(20)。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)で使用する電池部(30)であって、電池筐体(44)に封入され、少なくとも1つの特に複数の電池セル(40)、コイル部(26、60)、電池管理システム(36)、および少なくとも一方向、好ましくは双方向データ通信のためのNFC部(28)を含むことを特徴とする、電池部(30)。
【請求項10】
前記コイル部(26、60)および前記NFC部(28)は、前記電池筐体(44)の表面積に関して他の側面より小さい前側に構造的に集積され、かつ、押圧部、特にばね要素(46)は、好ましくは、前記前側と反対側の面に配置され、ばね荷重押圧力を前記収納台(50)への挿入状態における前記前側に加えることを特徴とする、請求項9に記載の電池部(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池収容装置と、機械的分離および工具不要の可換性を同時に有しつつ相互のならびに/または電池収容装置との双方向誘導結合を個々に備える1つ以上の電池部と、を含む電池収蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電池用品は、個々の電池、ならびに並列および直列接続された電池の両方において、十分に当業者に知られている。電池という用語は、二次電池、特に電気化学的ベースの電気エネルギーのための再充電可能な収蔵装置としての蓄電池、を備えた電池収蔵としても理解するべきである。
【0003】
より高い電圧を達成するために、個々の電池は、14ボルトおよび60ボルト間の電圧に達するまで直列に接続される。リチウムイオン電池、鉛電池、ニッケル水素電池、金属空気電池、およびレドックスフロー電池などのすべての既知の電気化学的二次要素を電池として使用できる。本発明の特定の実施形態では、燃料電池差込み部および一次電池用差込み部を使用することもできる。一次電池とは、例えば、金属空気電池、亜鉛炭素電池である。
【0004】
より高い電流を達成するために、電池は並列に接続される。リチウムイオン電池の例では、個々の電池は、並列および直列の両方で接続される。リチウムイオン電池の一例では、それぞれで6個の電池を並列に接続した丸型電池パックを14個接続する。別の例では、長方形の扁平な電池を相互に接続する。
【0005】
230ボルト、400ボルトまたは480ボルト(三相電流)の範囲に対する幹線動作または幹線バックアップ動作において電池収蔵システムを使用する場合は、電池(DC(I))の直流電圧および直流電流(DC)を交流電圧および交流電流(AC)に変換し、かつ変圧器を使用して必要なレベルまで昇圧する必要がある。これは、DC(1)-AC(1)-AC(2)-インバータを介して行われる。出力電圧に依存して、DC(2)昇圧段も使用される。そのときは、有用な電流および電圧への追加調整を有する、DC(1)-DC(2)-AC(1)-AC(2)-インバータまたは整流器が必要であり、それは通常互いに電気的に接続される。同時に電池を充電できるようにするために、電力用電子機器は双方向で使用することが望ましい。ここまで説明したものはすべて最新のものであり、多数の製品として市場で入手できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の欠点は、電池を充電および放電するときの取り扱いが複雑であることである。電気的接点を、電池ならびに充電および放電ステーション間の電気的接続を介して接続および切断する必要がある。一方で、誤動作/短絡および機械的損傷のリスクがあり、他方で、操作の安全および操作者へのリスクがある。
【0007】
本発明の目的は、多くの用途向けに電池部を高い動作信頼性で充電かつ放電するための、単純化され、エラーの最小化された取り扱いが可能となる電池システムを提案することである。
【0008】
この目的は、独立請求項による電池システムによって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、電池収容装置と1つ以上の電池部とが提案され、前記電池部は、相互にならびに/または充電および放電のための前記電池収容装置に双方向で誘導結合することができ、前記電池収容装置は、外部電気エネルギー源および/もしくはエネルギー吸込みに接続することができ、前記電池部の各々は、コイル部を含み、前記電池収容装置は、取り外し可能な前記電池部(30)の各々に対して、取り外し可能な前記電池部を工具不要で挿入および取り外すための相補的に磁気接続可能なコイル部を有する収納台を含む。
【0010】
換言すれば、上記のAC(1)-AC(2)移行が、2つの空間的に分離された部分である電池部および電池収蔵装置にわたって分布する電池収蔵システムが記載される。その結果、電池システムの総電池収蔵の合計容量を、電気的に絶縁した方法で電池部の個々のパック部に分離することができる。
【0011】
以下において、電池部という用語は、本質的に封入された筐体内に追加の電子機器およびコイル部を備えた電池セルを意味することを意図している。電池収容装置という用語は、個々の電池部を保持するための収納台および相補的コイル部を備えた筐体またはキャビネットを意味する。電池収容装置は、少なくとも1つ以上の受電コイル部AC(2)およびそれに続く電力用電子機器を含む。
【0012】
本発明によれば、それらの筐体内の電池部の誘導による電池収容装置への非接触接続が生じる。電池部のそれぞれのパック単位に対する電池セルおよび電子機器は、密閉され、本質的に封入された、好ましくは水密の筐体内に配置され、電池筐体は、いくつかの個々の電池と組み合わせて電池部の1パック単位を形成することができる。電池部には、電池管理システム(BMS)、通信インタフェース、ヒューズ、整流器、チョッパー/インバータ、およびコイル部と呼ぶ、変圧器の半分に対応し、好ましくは10~30の巻線比を有し得るコイル巻線が含まれ得る[DC(1)-DC(2)-AC(2)]。さらに、温度測定センサー、電圧センサーおよびデータ記憶部などの追加の電子機器を電池部に含めることができる。
【0013】
この設計の大きな利点は、筐体内の電池部を、動作中に安全かつ電気的な技術的知識無しで取り外して交換できること(「ホットスワップ可能」)である。
【0014】
有利な実施形態では、電池部のコイル部および電池収容装置のコイル部は、AC-ACコイル間の最大距離の110mm、好ましくは100mm、特に好ましくは10mm、特に1mmで機械的に分離することができる。当該距離は、少なくとも1つのコイル結合板によって提供でき、当該コイル結合板は、電池側に配置され、かつ好ましくは電池部筐体の側壁と同時に設計されるコイル部のコイルまたはコイル配置を蔽う、薄いコイル結合板であることが好ましい。コイル結合板は、有利なことに、対向するコイル部のフェライト芯半外郭の本質的に連続する磁場の閉じ込めが達成できるように、コイル配置の当該フェライト芯半外郭の接触面上に形成した、区切られた強磁性部分領域を有することができる。
【0015】
有利な実施形態では、コイル部の少なくとも1つは、本質的に楕円形の細長い扁平な単一のコイルを含み、コイル巻線は、好ましくは高周波用組み紐から成り、コイル部は、その機械的寸法および電磁気パラメータに関して50~100kHzの周波数範囲、特に70kHzの動作周波数に対して最適化される。コイルは、好ましくは、半外郭筐体、特にアルミニウム製の半外郭筐体内に配置され、区切られたフェライト要素で作られたフェライト芯半外郭内に埋め込まれているので、コイル部の厚さ対長さ/幅の比は、少なくとも1:5、好ましくは1:8、特に1:10以上である。この点で、特に薄くて二次元的に延在したコイル部が構成され、全体の奥行きが小さい電池部の側面の蔽いとして理想的である。半外郭内の単純な構造により、コイルおよびフェライト芯半外郭の両方をモジュール方式で構築し、機械で簡単に組み立てることができる。NFC部、特にBluetooth(登録商標)またはRFIDのセンサー電子機器用の受信領域も半外郭筐体内に提供でき、電池部および電池収容装置のコイル部を、同一の相補的な方法で構築できる。特に、コイル部は、その長手方向軸に対して鏡面対称に構成されているので、電池部および電池収容装置において同一の部品を使用することができる。この点で、電池部側の、NFC部および誘導コイルを備えたコイル部に、外界に関するすべての接続および通信要素を含み、その外界と単一の筐体面、好ましくは、通常直方体の筐体にあって面積に関して最小の筐体面である筐体前側を介して接触する。
【0016】
有利な実施形態では、1つの電池収容装置はいくつかの電池部を収容し、1.5kWh~1700kWhの総電気容量を提供することができる。
【0017】
有利な実施形態では、少なくとも2つ以上の電池システムを2つ以上の電池システムに接続して、より大きなシステム複合体を形成することができる。
【0018】
有利な実施形態では、電池部および/もしくは各収納台は、交換可能な電池部を解放可能にロックするための機械的ならびに/または磁気的ロック部を含み得る。ロック部は、好ましくは充電ならびに/または放電段階で電池部を収納台の正しい位置に挿入することを可能にする、および/もしくは意図しない電池部の取り外しを防止する。機械的なロック部には、例えば、電池部の挿入時に誤った位置姿勢を防ぐための電池部の筐体形状における、および/または収納台の挿入開口部における機械的なロック構造を含み、さらに、また、作動要素によって作動させることができる引き出しロックは、収納台からの意図しない引き出しを防ぐことができるので、その結果、電池部を収納台にロックした後は、コイル部を互いに正確に位置合わせすることが保証される。代替的にまたは追加的に、たとえば、収納台のDC(直流)磁気コイルは、少なくとも電池部を事前に決定した電力値に充電または放電する時まで、電池部の筐体内に配置された強磁性ヨーク要素を引き付け、エネルギー伝達が終了するまで電子的に調整した強制ロックにより電池部の取り外しを防止できる。さらに、故障を検出した場合には、反発する磁場の原理に基づくモータ駆動排出要素または磁気コイル構成を、収納台および/または電池部の排出要素として提供し得るのが有利であると考えられる。それによって、例えば、過電流負荷、異常な温度もしくは圧力上昇などにより、または、例えば互換性のないデータ通信もしくは費用未払いの場合に、電池部または電池収容装置は、障害もしくは警告を検出し、自動的に(部分的に)収容装置から排出される。
【0019】
電池収容装置および/または電池部は、有利なことに、クーロン計量の形で消費もしくは出力された電気エネルギーの量を検出する。アンペア秒として電池部によって収蔵されたクーロン電荷は、電池部によって取り出しまたは放出できる電荷の量であり、たとえば、時間ベースの充電電流と放電電流を測定することによって決定できる。吸収し放出した電荷の総量の測定は、基準値に基づいて、電池部の充電状態に関する間接的な情報を提供し、電池部の寿命にわたる状態および質は、時系列記録として記録することができる。クーロン計量は、例えば電池部内またはクラウド記憶装置内にブロックチェーンのようなデータ構造で時系列として記録され、電池収蔵装置を介してクラウド記憶装置に集中的に保存することが有利である。例えば、同一の電池部全ての動作の分析を取得し、例えば、経年変化に伴って充電および放電の動作を変更する、または電池部の交換もしくは使用の変更を提供することができるからである。電池部の使用についての料金および金銭的評価は、クーロン計量に基づいて行うことができる。
【0020】
電池部の電池管理システムは、有利なことに、電池充電についてのアクティブバランスを提供する。公称電圧を上げるために、電池パックは通常、直列に接続された複数の個々の電池または電池ブロックから成る。これにより、実際には、複数の電池は、充電および放電が異なる。バランス方法にはいくつかの異なる方法、つまり、パッシブおよびアクティブバランスと呼ばれる、電池間の充電量のバランス方法がある。パッシブバランスでは、すでに充電終了電圧に達している電池は、バランス回路によって電池と並列の追加抵抗に接続される。これにより、この電池の電圧は充電終了電圧に制限される。その後、この電池はわずかにさらに充電されるか、わずかに放電される一方、まだ充電終了電圧に達していない直列接続の電池には、完全な充電電流が供給され続ける。アクティブバランスでは、バランス回路は隣接する電池間の電荷転送を実現し、充電量の高い電池から充電量の低い電池にエネルギー伝達をする。アクティブバランスの利点は、余剰エネルギーがわずかに熱に変換されるだけなので、効率が大幅に高くなるため、電池部は、使用期間にわたってより長い耐用年数および高容量を維持することである。
【0021】
有利な実施形態では、電池収容装置は、少なくとも1つの相補的に磁気結合可能な前記コイル部を有し、好ましくは前記収納台につき前記コイル部を1つ有する、前記電池部を工具不要で挿入または取り外すための前記収納台を少なくとも1つ、好ましくは2つ以上有することができる。前記収納台は、典型的な19インチのロック寸法を有することができ、その結果、特に、多数の収納台を備えた電池収容装置の場合、19インチ標準幅の電気機器用ラックのための業界標準設計に後戻りすることが可能であり、この場合、ラックに搭載できる個々の装置(スライドイン部)の正面パネル幅は精確に48.26cm(=19インチ)である(サブラックなど)。高さの単位は1.75インチ(=4.445cm)、スロット内のモジュール幅の分割単位(TE)は1/5インチ(=5.08mm)と指定されているため、これに適合する電池部の最大サイズは自ずと決定される。このような19インチのラックシステムは、業界全体の互換性のために標準化され(EIA310-D、IEC60297およびDIN41494SC48D)、電池部集積場を提供するためのモジュラーシステムを提供する。さらに、好ましくは、押圧部、特にばね要素が、収納台に配置され、ばね荷重押圧力を挿入された状態の電池部に対してコイル部の方向に加えることができる。ばね要素は、例えば、湾曲した滑り板として設計することができる。このように、電池部が収納台に押し込まれると、コイル部が互いに密接に向かい合うことを保証する。電池部が収納台に押し込まれた後、例えば扉機構を用いた、作動機構の機械的なくさび効果によって、押圧部を提供することもできる。
【0022】
電池収容装置のそれぞれの収納部は、有利なことに、収容する電池部と1:1で通信するNFC部を備える。単一のNFC部が複数の電池部と通信することも考えられる。収納部ごとのコイル部およびNFC部の1:1関係は、このように有利に提供され得るが、コイル部および複数の電池部を有する電池収容装置のNFC部の1:X関係も提供され得る。
【0023】
さらに、電池収容装置は、有利なことに、NFCインタフェースを介して各電池部と通信し、電池部の充電および放電過程を制御し、最初に電池部の動作に関連するパラメータを読み取ることができる、より高位の電池管理システムを備える。特に、内部通信は、EMC耐性のある堅牢なRS-485データバスを介して行うことができる。収納台側の電池管理システムは、有利なことに、中央データメモリ、特にクラウドアプリケーションとデータを交換し、ネットワークによる電池部のデータ監視を可能にするために、インターネットゲートウェイを介してインターネットに接続される。これにより、ユニバーサルな課金システムが可能になり、各電池部の寿命を予測できる。したがって、2段階の電池管理システムを提供し、電池部のそれぞれは、電池収容装置のより高位の電池管理システムが監視、制御、および必要に応じて更新を提供できる、個々の電池管理システムを備える。
【0024】
電池収容装置のさらに有利な実施形態では、前述の上位の電池管理システムは、400V~800VのDC中間回路電圧を有する中間回路を有する。中間回路電圧のこのレベルでは、DC高電圧エネルギーを直接供給または放出できるため、たとえば、太陽電池により高電圧を直接供給したり、車両に高電圧を直接取り出して充電したり、または車載用ネットワークを動作させたりできる。この点で、そのような電池収容装置は、高電圧範囲で電気自動車を充電するためのエネルギー供給を直接提供することもできる。電池管理システムは、また、内部のDC中間回路をAC電源と連結し、好ましくは、双方向動作コンバータやインバータを変換のために使用して、同様にエネルギーを供給する。当該コンバータは、また、単独動作インバータとしても機能し、高い誘導性負荷および容量性負荷の両方で動作でき、非正弦波の高調波電流負荷に曝露することができる。多段構成のコンバータ、特に、ハーフブリッジの3、5、または7段のもの、は特に有利で、高調波成分の少ないAC出力電圧またはエネルギー供給を達成することができ、好ましくは、発生する可能性のある過電圧の平滑化およびバッファリングのための大容量DC結合コンデンサが提供される。このようにして、電池部の故障または予期しない切断もしくは挿入の場合でさえ、電池収容装置は、中断なく機能を維持することができる。
【0025】
電池収容装置はまた、有利なことに、加熱および/または冷却機能を提供する能動的温度制御装置を備える。電池セルは、特に暖かいまたは涼しい環境で、容量の損失または過熱の危険にさらされている。少なくとも収容状態では、電池収容装置は、電池部の長期動作のために最適化された温度レベルを維持することができる。
【0026】
有利な実施形態では、電池部は電池筐体内に封入することができ、少なくとも1つ、特に複数の電池セル、コイル部、電池管理システムおよびNFC部を含めることができる。この実施形態では、少なくとも1つのNFC部(近距離無線通信部)を含むことが本質的である。これにより、電池部から収納台への少なくとも一方向データ接続、好ましくはWiFi、Bluetooth(登録商標)、RFIDまたはその他NFC標準および/もしくは赤外線インタフェース部に基づく双方向データ接続を提供できる。NFCとは、RFID技術に基づく国際伝送規格であり、数センチメートルの短距離にわたる疎結合コイルによる電磁誘導および最大424kBit/秒のデータ伝送速度によるデータの非接触交換のための規格であるけれども、本発明の状況に応じてWLANまたは他の短距離無線通信もしくはIR通信を、NFC部によって使用することができる。NFC部の目的は、タイプ仕様、電池部の明確なアドレス指定、電圧、電流、温度、充電状態の履歴、エラーメッセージおよびログ、動作時間カウンター、ならびにメモリ部からのデータが後で読み出されるか送信されるために格納されているメモリ、などの動作データおよびパラメータを送信して記録することである。この伝送は、誘導エネルギー伝達とは分離して独立に行われる。これにより、スマートフォンやスマートウォッチ、タブレット型パソコンなどの移動端末装置からも、この目的のためにコイル部を起動することなく、動作データや電池部の状態を読み取ることができる。この目的のために、たとえば移動装置のアプリを使用して、電池部が非通電の待機モードのときに信号を送信することもできる。このようにして、電池部が非活性化され取り外された場合でも、前述の端末装置をコイル部の横に近づけて置くことによって移動端末装置のアプリを使用して、電池部から動作関連データを読み取ることができ、電池部の簡単な監視および電池保守が可能になる。NFC部は、誘導エネルギー伝達用のコイル部の筐体内に配置すると特に有利であり、分割変圧器配置の両誘導コイルのコンパクトな構造部および空間近接配置ならびに電池部および電池収容装置のNFC部の対向通信が実現できる。非通電状態では、NFC部は、スマートフォンなどの読み取り機に近づけたり、収納台に挿入したりすることで、読み取り装置または収納台の送信コイルのわずかなエネルギー入力によって受動的に活性化し、電池管理システムを深い休止段階から復帰させることができる。したがって、内部信号通信と継続的な監視によってエネルギーが消費されることなく、非常に長い電池収蔵および待機時間を達成できる。
【0027】
電池部の電池管理システムは、有利なことに、前述の電池バランスによる電池保護機能を提供し、電池収容装置とのデータ通信を提供し、充放電動作のためのDC/DCコンバータを制御し、かつエネルギーの双方向誘導交換のためのコイルインバータを制御する。
【0028】
特に有利な方法では、コイル部およびNFC部は、電池筐体の表面積に関して他の側面より小さい前側に構造的に集積することができる。したがって、誘導コイルおよび無線データインタフェース間の密接な接続を達成することができる。押圧部、特にばね要素は、好ましくは、前述の前側と反対側の面に配置され収納台への挿入状態においてばね荷重押圧力を前述の前側に加える。ばね要素は、例えば、湾曲した滑り板として設計することができる。したがって、電池部が収納台に押し込まれると、コイル部が互いに密接に対向することが保証される。電池部が収納台に押し込まれた後、押圧部は、作動機構の機械的に調整可能なくさび効果によって、押圧力を提供または解放することができる。
【0029】
一実施形態では、10kWhの総容量を有する電池収蔵装置が考慮され得る。電池収蔵装置には、いくつかの、好ましくは6個のリン酸鉄リチウム扁平電池、例えば、それぞれ500Wh容量のものを直列に接続して含むことができる。これにより、21ボルトの充電終了電圧と19.2ボルトの公称電圧を達成できる。リン酸鉄リチウム扁平電池から作られた電池セルには、堅牢な動作および爆発に対する本質的な安全性の利点があるため、このタイプの電池は、過酷な取り扱いや極端な温度条件に適している。電圧は、DC-DC昇圧段を使用して、電池側中間回路の40~48Vに上げることができる。その後に、電池側コイル部に接続されるコイルを備えた2段以上のインバータまたは整流器-インバータ部としての電子チョッパー部が続く。この電池部を、単一の筐体内に封入できる。電池収容装置の受電側コイル部は、電池収容装置の筐体、例えば、側壁、後壁のキャビネット内、またはスライドイン基体またはスライドインカバー内に配置することができる。
【0030】
本例では、受電側コイル部を側壁内に配置することを想定している。受電側コイル部では、電池側コイル部で発生したPWM変調された交流磁場から交流電流を誘導することができる。
【0031】
受電コイルとしての収容側コイル部は、必要に応じて、電池側コイル部の単一コイルは、それぞれの場合において対向するか、またはいくつかの電池側コイル部にわたって延在するように構成することができる。
【0032】
コイル部の交流電流は、電力用電子機器により、好ましくはPWMベース制御チョッパー、すなわち、誘導的に利用可能な交流磁場によって電圧および電流の強さが調整されるインバータを介して制御される。インバータによるコイル電流の強さおよび周波数の調整は、コイル部間のエネルギー伝達が低漏れ損失で最高の効率を達成できるように、コイル部の電磁気的構成に適合されている。
【0033】
有利な実施形態では、電池部は、外部へのスイッチまたは開口部を有することなく機械的に閉じることができ、誘導によってのみ充電および放電をすることができる。筐体を介して誘導的および電気的に分離された電池部のこの構成の利点は、スイッチまたは接点を電池部に設置する必要がなく、動作中の電池部を安全に取り外しまたは挿入できることである。これにより、充電または放電された電池部をある場所から別の場所に交換できる。たとえば、電池部は家の中で充電でき(貯蔵所)、必要に応じて、移動用途(電気自動車)の追加収蔵として使用できる。
【0034】
電池部の電子機器は、電池管理システムを含むことができる。この目的のために、電池筐体は、電池収容装置および電池部間の先の明確なデータ通信後にのみ、電池部からまたは電池部へエネルギーが流れるように構築される。通信は、電池管理システムの一部であり得、AC(1)-AC(2)分離の部分を含むように拡張された従来のプロトコルで行うことができる。
【0035】
電池部は、有利なことに、ある場所Aでコイル部としてただ1つの変圧器コイルで充電をし、別の場所Bに輸送をし、そこで再び放電をすることができる。
【0036】
誘導的に分離された電池部は、さまざまな活線挿抜の変種を可能にする。エネルギー収蔵は、充電して直接取り外し、つまり、差込み口を緩める必要がなく、反対側コイルを備えた電気消費機器に供給することができる。可能な用途は多岐にわたる。たとえば、ほんの少し挙げるだけでも、すべてのタイプの職人用工具、特に商業分野の工具、園芸工具、芝刈り機、商業用溶接装置、電磁調理器、あらゆる種類の非常用電源装置などの電池部での使用がある。エネルギー生成とは独立したNFC通信を介したデータ通信によれば、ステータス情報だけでなく、例えば、レンタル用電池部や電気エネルギー割り当てなどを仮定した、課金情報も提供できる。課金データは、電池部を電池収容装置に導入し、ユーザの課金口座で差引勘定を行うたびに交換ができる。ユーザは、スマートフォン、スマートウォッチなどのユーザの移動用データ装置および電池部間のNFC通信を使用してログインおよびログアウトすることができる。
【0037】
電池部は、それぞれの消費機器に適合させることができる。充電部および放電部の個々の電池部との誘導結合は、本発明にとって決定的である。
【0038】
溶接機および芝刈り機のように、例えば、最高の電力対重量比を有する用途において充電された電池部を使用する場合には、リチウムポリマー電池セルの使用が有利である。
【0039】
上述のキャビネット内で誘導的に分離された電池部または複数の電池部の電池収容装置の別の利点は、異なるタイプの電池を互いに隣接して、または同時に、収容可能なことである。これらは、リチウムポリマー電池セルまたはリン酸鉄リチウム電池セルにおいて可能性がある。また、鉛電池セルまたはニッケル金属ハイブリッド電池セルにおいても可能性がある。使用可能な電池セルの選択に制限はない。実際には、数種類の電池セルが、例えば、異なるリチウム種の電池セルが参照されるであろう。
【0040】
多数の電池部をコンテナまたはシェルフ配置に装填し、必要に応じて安全に取り外すことができる。
【0041】
さまざまな電力範囲が考えられる。たとえば、Power to go(移動)=4kWhまたは6kWh、Power Rack(屋内使用)=12kWhまたは20kWh、Power MRack=1.7MWhなどである。
【0042】
個々の電池部を、動作中の20kWhまたは1.7MWhシステムから取り、4kWhシステムに供給し得る。
【0043】
これは、特に、移動式牽引を使用する場合、つまり電気自動車において有利である。安全な取り扱いにより、非専門家でも誘導技術を使って電池部の交換ができるからである。
【0044】
電池部の一実施形態では、電池管理システムの純粋な電力用電子機器に加えて、マイクロコントローラ、電圧監視、温度監視、電子時計、WLANモジュールおよび/またはBluetooth(登録商標)もしくは別の無線通信モジュールを設置することができる。さらに、記録用ヒューズおよびメモリ、ならびに必要に応じて能動的または受動的RFIDチップを電池モジュールに提供できる。この場合、コイル周波数は、この技術を使用する電力伝達に対して最適化された方法で調整できることが好ましい。本電池部は、例えば改ざん防止の方法によるブロックチェーンデータ構造で、タイムスタンプおよび温度とともに、すべての充電と放電過程を実行でき、この情報は、例えば、クラウド記憶装置またはインターネット基盤の電源管理および制御システムなどの中央情報記憶および処理装置に渡される。電池部の予測交換および遠隔保守も可能である。ネットワークアクセスは、電池部のNFCデータインタフェースを介して電池収容装置と可能であり、電池収容装置は、無線または有線で前述の情報記憶および処理装置に接続する。
【0045】
一実施形態では、各電池部の固有な情報を電池収容装置のスイッチキャビネット内の電子機器に渡すことができる。個々の電池部モジュールを含む電池収容装置の収納台は、それぞれの電池部に関する情報を格納する。
【0046】
電池部を電池収容装置の収納台に配置している場合、これらはマスタースレーブモードで互いに通信することができ、電池収容装置をマスター装置とし得る。通信は、複数のハードドライブが接続されているコンピュータと類似し、ハードドライブは、誘導結合された電池部に相当する。
【0047】
単一の電池を使用する誘導技術の主な利点は、電池部が腐食性環境または水中で使用できることである。消費機器、例えば電気モータ、およびエネルギー供給収蔵装置の両方を完全に封入することができ、露出した電気的接点がない。これは海事用途に有利であり、そこでの使用に優れている。
【0048】
コイル部を備えた電池部の実施形態の例について、以下に説明する。n個の電池セルが最初に直列に接続され、DC-DCコンバータによって例えば12Vからより高い中間回路電圧、例えば32Vに変換される。この電圧は、さらに高い周波数の正弦波交流電圧に追加段で直交変換される。この交流電圧は電池側コイル部に接続される。全体構成は、特に水不透過性のプラスチック層で封入されるため、外部からの電気的接点は無い。したがって、電池部はIP65以上の保護等級を達成できる。電池または電子機器とのエネルギー交換は、コイル部を介してのみ行われるため、電池部上に電気的接点は無い。
【0049】
この電池部がエネルギーを吸収して出力できるためには、同一巻線または所望の電圧に適合されているコイル巻線を有する受電側コイル部が必要である。この反対側コイルは、制御部を備えた電力電子機器に接続される。制御部は、性能に応じて、または能動的に電流を調整する。すでに上記で説明したように、2つの誘導コイルは、有利なことに、空間的に分離され、少なくとも1つは閉じた筐体内に配置されている。一実施形態では、電池を含まない受電側コイル部を消費機器、すなわち、誘導機構を介してそれ自体が運動する電動モータに接続する。その結果、いくつかの部品で構成する電池システムができ、そのすべては完全に互いに電気的に分離されている。この組み合わせおよび特に自己完結型収蔵部としてここに提示した100Whから10kWhまでのサイズを有する電池システムは、汎用性および信頼性の高い方法で使用することができる。
【0050】
特定の用途には、液体環境、特に水性環境での電池部の使用がある。ここで持ち上がる、当業者に自明な唯一の境界条件は、浸漬された溶液に対する不溶性筐体材料の使用である。
【0051】
電池部は、例えば海、湖または別の水に充電状態または非充電状態で保管される可能性があり、損傷を受けることなく周囲の水に永久に曝露される。この場合の永続とは、数日から数年の期間を意味する。損傷は、水および/または水中のイオンの浸透として理解される。このための必要条件は、フッ化炭化水素、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVCタイプなどの腐敗のない筐体材料を使用することである。
【0052】
可能性のある用途の1つは海事部門である。ダイバーおよび洞窟のダイバーは、充電された電池部を水中の場所に輸送して置くことができ、後の時点で電池部を消費機器に接続する。エネルギーは誘導を介して消費機器に伝達される。消費機器の作業能力、例えば、発光、モータ駆動などは、電池交換や動作時に水がシステム全体に浸透できないように電気的に分離される。
【0053】
一実施形態では、前述の電池部は、下水管および同様の環境で使用することができる。
【0054】
特定の実施形態では、1つ以上のリラクタンスモータを含むシステム全体における複数の電池部を備えた電池システムの使用がある。リラクタンスモータは、エネルギー供給から電気的に分離されている。
【0055】
有利な用途には、いわゆる爆発防止、防爆エリアでの電池収蔵部の使用があり得る。
【0056】
有利なさらなる展開では、電池収容装置は、電池部を別の電池部に接続するための、ならびに/または個々の電池部を充電および/もしくは放電するための中間スイッチング要素として設計されることができる。この目的のために、収納台は、電池部の筐体の部分領域だけを取り囲み、好ましくは2つの対向するまたは隣接する収納部は、1つまたは2つの電池部を少なくとも一時的にかつ工具不要で誘導的に接続できるようにするために含まれる。機能範囲が大幅に縮小されたこのタイプの電池収容装置は、必ずしも外部ネットワークへの接続を必要とせず、変化のない電池収容装置と比較して機能特性が低下する可能性がある。中間スイッチング要素は、電池部からエネルギーを純粋に抽出する、例えば、AC230Vソケット動作の制限された機能を有するか、またはUSBポートを備えた電子的移動装置向け充電ステーションとして役立てることができる。また、完全に充電された電池部から放電された電池部へのエネルギーの直接伝達も提供できるため、異なるサイズの電池部間で電池から電池への充電も可能になる。この中間スイッチング要素は、比較的小さくて便利で、輸送が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
さらなる利点は、図面の本説明から生じる。本発明の実施形態の例を図面に示す。図面、説明、および特許請求の範囲は、多数の特徴の組み合わせを含む。当業者は、便宜上、その特徴を個々に考慮し、それらを有用なさらなる組み合わせへと組み合わせるであろう。
【
図1】本発明に係る2つの電池部30および電池収容装置20を有する電池システム10の実施形態の概略回路図である。
【
図2】
図2a~2gは、電池収容装置20との可能な誘導結合を備えた電池部30の実施形態についての、いくつかの詳細図および断面図である。
【
図3】
図3a~3dは、1つ、2つまたはそれ以上の電池部30を収容するための移動式電池収容装置20の実施形態についての、いくつかの部分図である。
【
図4】
図4は、高エネルギーの収蔵および配送、ならびに多数の電池部30の充電、さらにはより大きなエネルギー消費機器への供給またはより大きな再生エネルギー生産機器からのエネルギー収蔵を行う、コンテナ電池システム100(Power-MRack)の実施形態を示す。
【
図5】
図5は、充電および交換について公衆アクセスが可能な電池部30向けのカラム電池収容装置110の実施形態を示す。
【0058】
図において、同様の要素には同じ参照番号を付している。図は単なる例を示すのみであり、制限的なものとして理解してはならない。
【0059】
添付の図面および説明には、設計例のデータが含まれている。図中のすべての情報は、この説明の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
電池システム10の第1の実施形態の回路図が、
図1に概略的に示されている。電池システム10は、誘導結合した2つの電池部30を充電する電池収容装置20から成り、電池部30は、電池収容装置20の収納台50に機械的に案内されて収容される。電池部30のそれぞれは、電池セル電圧回路82において約10V~16VのDC電圧を供給する、直列接続した複数の電池セル40を含む。エネルギーは、ステップアップおよびステップダウン機能の両方を有する双方向DC/DCコンバータを介して、電池セル電圧回路82および電池中間回路84間で交換され得る。電池中間回路84は、例えば、32VのDC電圧で動作することができる。特に2つのハーフブリッジを備えた2段または多段インバータ32を、誘導コイル部42を動作させるための電池コイル回路86に交流電圧を供給するために、電池中間回路84に配置することができる。PWM制御により、コイル回路86内の交流電流源の周波数およびエネルギーを、コイル部42を介した電気エネルギーの誘導受信または送出のために調整することができる。コイル回路86は、約70kHzの周波数範囲で動作することが好ましく、コイル部42の電磁気的特性はこの周波数範囲に対して最適化されている。
【0061】
コイル部42と並行して、NFC部38が、特に電池部30の筐体壁に空間的に隣接して配置される。これは、コイル部42のエネルギー伝達状態に関係なく、電池収容装置20の対応するNFC部28と双方向データを交換することができる。したがって、中間回路82、84、86に他の電流がなくても、データの読み込みまたは読み出しが可能であり、その結果、電池部30は待機モードで電源の喪失を被ることなく、それからなおデータを得ることができる。この目的のために、NFC部38が通信能力を提供するためのエネルギー入力は、少量で十分な可能性がある。
【0062】
NFC部38は、有利には、一般的な反強磁性筐体内に、例えば、当該筐体側の壁領域を示すコイル結合板によって蔽われたコイル部42と共にアルミニウム半外郭筐体内に配置される。NFC部38は、電池セル40の充電および放電過程を監視および制御するとともに、好ましくはRS485を介して電池部30を識別するためのデータ、そのタイプ、充電状態(クーロン計量)、耐用年数およびその他の多様なデータを提供し、かつ充電用電子機器を制御する電池管理システム36に接続されている。
【0063】
電池収容装置20は、各電池部30に対する収納台50内の分離されたコイル部26、およびそれに空間的に隣接したデータ交換のためのNFC部28を有し、より高位の電池管理システム52、ならびにインバータ24と、例えば、燃料電池または太陽光発電システムからのエネルギーを供給するための入力および出力側DC/DCコンバータ22と、交流または三相エネルギーの導入および供給をするコンバータ48と、のために働く、前述の各コイル部26によって制御される。この目的のために、双方向コンバータは、DC中間回路電圧を整流または直交変換するための2つのインバータ部を備えることができる。各電池部30に対するコイル部26を動作させるように構成されたインバータ24は、電池側コイル回路86に整合した周波数でコイル回路88を動作させる。充電または放電動作におけるエネルギー伝達の周波数および詳細について、コイル部26に空間的に隣接して配置されたNFC部28を介して電池側NFC部38と交渉し、必要なパラメータを決定かつ制御する電池収容装置20の上位の電池管理システム52と通信することができる。電池管理システム52は、有利なことに、外部のクラウドアプリケーションおよび料金にアクセスできるように、例えば、GSM基盤の無線インタフェース、WLAN、Bluetooth(登録商標)または電力線通信(PowerLAN)を介してインターネットへのゲートウェイインタフェースを確立することができる。400V~800Vの高電圧レベルを有するDC中間回路90を、電池収容装置20内に提供することができるので、AC電力グリッド動作に対する最大400Vおよび一次電圧の直接DC供給に対する最大800Vの要求電圧、または高電圧車両電気システムに最大800Vを供給するDC電池管理システム52の提供が可能になる。この点で、電池側コイル部42および受電側コイル部26の分割変圧器配置は、有利なことに、1:10から1:20の伝達比で電圧変換を既に実行することができる。
【0064】
図面2a~2gでは、電池部30の実施形態の構造設計について、側面および断面視で詳細に説明する。この目的のために、
図2aは、電池部30の筐体44の正面図を示し、
図2bは、その側面図を示す。コイル部42を有する前面の反対側である前側には、電池部30を持ち運び、かつスライドさせて出し入れするための電池ハンドル76、本質的に直方体の形状を有し、完全に封入され、本質的に金属ジャケットを含む筐体44が設けられる。ハンドル側とは反対側の面には、プラスチック製のコイル結合板で蔽われたコイル部42が配置され、当該コイル結合板において、好ましくは区切られた強磁性部分領域が接触面領域上に提供され、当該接触面領域で2つのコイル部26、42のフェライトヨークがその磁束の流れを最大化し、損失を最小化するために互いに向き合う。NFC部38を介した電池側電池管理システム36とのNFCデータ通信は、コイル結合板42を介しても行うことができる。
【0065】
ハンドル側では、1つ以上の圧力逃がし弁74をハンドル76に隣接して配置することができる。電池セル40に欠陥が生じた場合、過剰な圧力を筐体44から逃がすことができる。圧力逃がし弁74は、逆止弁の形態で設計することができる。
【0066】
図2bの側面図に、コイル部42の面の側面視を示し、他の
図2c~2gにおける切断線を
図2aおよび2bに示す。
【0067】
図2cで、
図2bのC-C断面視において、詳細に示すコイル部42の構成は、コイル部26と構造的および機能的に相補的であり、一般的なコイル部60の基本的な考え方に従う。コイル部60は、アルミニウム半外郭筐体92として非強磁性半外郭筐体を含み、アルミニウム半外郭筐体92は、NFC部28、38を収容するための収容領域78およびコイル収容領域を備える。コイル収容領域には、多数の小板状で互いに電気的に絶縁されたフェライト素子66がフェライト芯半外郭64を形成するように配置され、フェライト芯半外郭64は、突出する接触面68および凹部帰還領域70を有し、それは誘導コイル62を収容するための外郭領域72を形成する。接触面68は、形成する磁束を、散乱で損失させることなく、相補的に対向するコイル部60の対応する接触面68に伝達する働きをする。誘導コイル62は、実質的に楕円形の細長い扁平なコイルから構成することができ、コイル線は、例えば、撚り合わせた高周波用撚糸から構成することができる。コイル配置70の全体は、その機械的寸法および50~10kHzの周波数範囲について、特に70kHzの動作周波数に対する電磁気パラメータに関して最適化される。高周波用撚糸は、多くの(分離された)個々の電線からロープのように撚られているため、表皮効果を打ち消すことができる。この目的のために、高周波用組み紐のねじれ角、半径サイズ、扁平なコイル形状の有効長および幅、ならびに巻数を目的の周波数範囲に合わせることができる。コイル62は、電池部30のコイル回路86または電池収容装置20のコイル回路88に接続され、相補的なコイル構成42、26は、有利なことに、電池部30の中間回路84または電池収容装置20の中間回路90に所望の電圧レベルを提供できるようにそれらの巻線比を変えることができる。
【0068】
図2dは、電池部30について、
図2aの切断線A-Aにおける長手方向断面図を示し、
図2eは、
図2bの切断線B-Bにおける横断面図を示す。これは、電池管理システム36の回路基板配置によって上側が区切られた4つの電池セル40を含む。ばね要素46は、
図2dの断面図の右側(
図2eでは左側)に示されている。電池収容装置20の収納台50は、電池部30を横方向に収容し、その結果、
図2dの左側に示されるコイル配置42は、ばねの圧力下で収納台50の側壁に当接している。この側壁上で、
図2dの左側および
図2eにも示されている電池収容装置20のコイル部26は、電池部30のコイル部42と摩擦面接触して、磁場交換結合の浮遊磁場を最小化する。
【0069】
電池管理システム36は、充電および放電のための電力スイッチング要素、インバータ32および10V~16Vの電池電圧を32Vの中間回路84に双方向変換するDC/DCコンバータ34を介してコイル回路86を動作させるためのチョッパーまたはインバータ32としてのPWMドライバ回路を含む。さらに、電池管理システム36は、プロセッサおよび電池収蔵システムでサポートされている制御およびステータスデータの双方向交換のためのNFC部38の通信装置を備える。NFCインタフェースを介した交換可能なデータは、電池部30の固有の識別、タイプ情報、寿命情報、最新充電状態、電流および電圧レベル、エネルギー状態(クーロン計量)の履歴ならびに他のデータを含む。NFCインタフェースは、待機モードから電源オフの読み取り機を近づけることによって受動的に活性化することができ、その結果、電池部はアイドル状態でエネルギーを消費しない。
【0070】
図2f~2gのさらなる部分
図DおよびD*において、コイル部42および26の誘導結合状態(
図2f)ならびに分離状態(
図2g)を示す。コイル部26、42は、
図2cに示すように構成される。これは、巻線比の点で異なる場合もあれば、同一である場合もある。コイル部26、42を収容する半外郭筐体92の開口領域は、薄いコイル連結板80によって分離されている。薄いコイル連結板80の厚さおよびフェライト芯半外郭64相互の定義された位置合わせにより、誘導結合の漏れ損失およびエネルギー伝達効率が決定される。コイル結合板80は、有利なことに、変圧器芯を備えるフェライト半外郭64の接触面68間の磁束を案内するため、複数の互いに区切られた領域内に強磁性体を挿入することができる。
図2fは、電池部30の誘導結合状態を示し、
図2gは、電池部30が例えば、ホットスワップ機能を提供するため充電又は放電中に交換される場合に、電池収容装置20の収納台50から誘導的に分離された状態を示す。
【0071】
図3a、3bおよび3cは、3つの電池部30を備えることができる移動式電池収容装置20を有する電池システム10の実施形態の一例についての、正面、側面および切断線E-Eでの断面図である。電池収容装置20は、足およびキャリーケースのような輸送ローラー58を備える。伸縮ハンドルを形成するために伸ばすことも、筐体54内に下げることもできる持ち運び用ハンドル56により、全てを装備したとき35~60kgの重量となる可能性のある電池システムの運搬を容易にすることができる。
図1で詳細に説明した、より高位の電池管理システムは、筐体54の上部領域に配置され、温度は、受動的冷却構造または能動的冷却システムで制御することができる。蔽い板または蔽い扉を開くことによって、3つの収納台を露出させることができ、その中に
図2bに示すような電池部30を横方向に挿入し、その結果、狭い側の面に配置されたそれらのコイル部42は、収納台50のコイル部26と接触する。この場合、ばね要素(図示せず)または押圧部によって、ばね圧力で負荷される2つの対向するコイル部26、42について特定の位置合わせを提供することができる。収納台50および/または電池部筐体44は、相補的な形状構造により、収納台50内での電池部30の正しい位置決めおよび位置合わせを確実にすることができる。電池部30からのデータを取得し、充電および放電仕様ならびに関連する場合に支払いの詳細の取得および設定をするためのタッチ制御パネル112を筐体54の側壁に配置することができる。
【0072】
図3cは、3つの収容された電池部30を有する場合の
図3bの切断線E-Eにおける断面図である。それぞれの4つの電池セル40も示されている。各電池部30は、ばね要素46によって収納台50のコイル部26の接触面に押し付けられ、その結果、コイル部26、42に最適化された誘導結合を提供することができる。USB低電圧規格向けの種々の電力供給および取り出し接続、48V電圧の供給および取り出しのための双方向DC48V保護電圧インタフェース、DC800V高電圧入力、AC230V幹線電圧を提供するためのIECコネクタおよびSCHUKO-ソケットによる幹線入力は表示していない。電池システム10のこの実施形態により、例えば、自然の中での祭典のため、または建設現場での工具処理のためのエネルギー供給を提供することができるが、車両、工具などの電池部も充電することができ、それにより個人に最大の保護を与え、誤った操作を除外できる。
【0073】
電池部20(power cell)の一実施形態では、好ましくは、リン酸鉄リチウムまたはリチウムイオン電池セルを備えることができる。リチウムフェライト電池技術は、高深度の使用性、全使用期間においての一定の電圧、短い充電時間ならびに空間消費および性能間の最適な比率に関して、感動的である。
【0074】
電池部20(power cell)は、並列に接続することによりモジュール式に拡張することができ、任意のサイズのエネルギー網に統合することができる。充電すると、単一の電池は最大2kWhのエネルギーを95%超の電池効率および最大2.4kWの出力電力で供給できる。電池部20は、最小の自己放電、長い耐用年数、高い放電深度および循環使用安定性を提供でき、アークが発生することなく、電気的な接続を切断または接続する必要なく、動作中に安全に交換ができる(「ホット」スワップが可能である)。さもなければ、過電流により電気部品が損傷する可能性がある。電池電圧および電池温度の関数としての能動的な電流調整(ディレーティング)は、内部電池管理システム36で提供することができる。筐体44は、UN38.3による輸送試験を満たす、金属製の閉じた非接触型電池セル筐体として設計することができる。これは、2003年以降、リチウム二次電池の輸送に関して特別な規制が適用されているためである。これらの国連輸送規制(UN3090、UN3480、UN3481など)は、国連によって発行され、陸、水、空による輸送に適用されている。
【0075】
輸送ローラー58および輸送ハンドル56によって移動可能な電池収容装置20(power pack)は、収納台50に2つ、3つ、またはそれ以上の電池部30を収容できる。外部供給接続および動作オプションとして、50Hzの230Vソケット、USB出力、QI充電器、またはタッチパッドがあり得る。エネルギー量については、例えば、20時間視聴できるテレビ、70時間聴くことができるラジオ、または、24時間利用可能な冷蔵庫、を提供することができる。最大出力電力は、3.6kWまで、収蔵できるエネルギー量は最大6kWhである。
【0076】
上記の移動式電池収容装置の概念に基づく、より大きな、好ましくは静止した、例えば住宅またはオフィスビルに配置された電池収容装置20(Power Rack)では、最大10個の電池を収容するための複数の収納台50を提供し、したがって、好ましくは太陽光発電または風力エネルギー源によって供給される20kWhまでのエネルギーを収蔵することができ、必要な場合、10.8kWまでの出力電力を再び提供できる。電池部30の充電および放電の両方とも、効果的かつ安全な誘導技術によって実行される。充電について、そのようなより大きな電池収容装置20は、太陽光発電、風力エネルギーのような持続可能なエネルギー源により、もしくは3相50Hzの電力供給網により、またはDC48VもしくはDC400~800VのDC高電圧でも充電することができる。このような電池収容装置20は、例えば、費用対効果が高く省スペースな方法である点で、コンピュータサーバーの緊急用電源として、または病院で使用することができる。
【0077】
図4は、コンテナ電池システム100(Mega-Rack/Power-MRack)、コンテナ筐体内に配置されたシェルフ電池収容装置102を示し、シェルフ電池収容装置102のシェルフ収納台50内の複数の電池部30は、並列に配置することができる。これらは、エネルギーバスおよびデータバスを介して互いに接続され、各収納台50は、コイル部26およびNFC部28を有する。電池管理システム52(図示せず)は、複数の電池部30を並列にかつ互いに独立して動作させるため、すなわち、充電し、または短期から中期のエネルギー供給のため電源網にエネルギーを戻して供給することができるよう、コンテナの開口側の反対側で外部電力グリッド、電力供給用の太陽光発電または風力エネルギー装置に接続される。出力電力は最大0.75MW、収蔵可能な総出力はコンテナあたり最大1.7MWhに達することができる。幹線側の供給および取り出しは、AC380~480Vの三相AC、また、DC48VCまたは800Vまで可能な高電圧電源であり得る。したがって、電池システム100は、建物またはより大きなネットワークの供給を提供するか、または後で工業的に使用するために現場で得られたエネルギーを収蔵することができる。したがって、これは高度な効率を持つ最新の電池システムを示し、容量はモジュール式に拡張でき、高い循環効率用に設計されている。量、性能、および信頼性間の関係により、安全性の高い供給および柔軟な使用に適している。
【0078】
図5では、複数の電池部30、扉によってロック可能な個々の収納台50を有するピラー電池システム110(power charge)を提供する。ユーザは、操作パネル112によって電池部30の充電または放電過程を制御することができ、特に、有料充電システムのために、電池部30の所望の量のエネルギー、料金、貸与および返却について制御することができる。ピラー電池システムにより、このような、電池部30を充電する便利な方法を提供する公共充電ステーションの概念が提供される。ピラー電池システムを、頻繁かつバリアフリーにアクセス可能な都会の場所に配置することにより、ユーザは、使用済みの電池部30を新たに充電したものに交換することができる。制御パネル112の直感的なタッチスクリーンディスプレイにより、使いやすく、単純で現金不要な支払い方法を提供する。たとえば、ユーザは適切な加入またはクレジットカードもしくはスマートフォンによる支払いを選択できる。このピラー電池システム110により、持続可能なエネルギー循環における電池部30の供給および充電ステーションを組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0079】
10 電池システム
20 電池収容装置
22 収納台側DC/DCコンバータ
24 収納台側インバータ
26 収納台側コイル部
28 収納台側NFC部
30 電池部
32 電池側インバータ
34 電池側DC/DCコンバータ
36 電池側電池管理システム
38 電池側NFC部
40 電池セル
42 電池側コイル部
44 電池筐体
46 ばね要素
48 収納台側コンバータ
50 収納台
52 収納台電池管理システム
54 電池ホルダー筐体
56 輸送ハンドル
58 輸送ホイール
60 コイル部
62 コイル
64 フェライト芯半外郭
66 フェライト要素
68 接触面
70 凹部帰還領域
72 外郭領域
74 圧力逃がし弁
76 電池ハンドル
78 NFCボード領域
80 コイル結合板
82 電池セル電圧回路
84 電池中間回路
86 電池コイル回路
88 コイル回路
90 中間回路
92 コイル部半外郭筐体
100 コンテナ電池システム
102 シェルフ電池収容装置
110 ピラー電池システム
112 制御パネル
【手続補正書】
【提出日】2020-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池収容装置(20)と、
1つ以上の電池部(30)と、
を含み、
前記電池部(30)は、相互にならびに/または充電および放電のための前記電池収容装置(20)に双方向で誘導結合することができ、
前記電池収容装置(20)は、外部電気エネルギー源に接続することができ、
前記電池部(30)は、コイル部(42)を含み、
前記電池収容装置(20)は、取り外し可能な前記電池部(30)の各々に対して、取り外し可能な前記電池部(30)を工具不要で挿入および取り外すための相補的に磁気接続可能なコイル部(26、60)を有する収納台(50)を含
み、前記コイル部(26、42、60)は、本質的に楕円形の細長い扁平な単一のコイル(62)を含み、前記コイル(62)は、半外郭筐体(92)内に配置され、かつフェライト素子(66)からなるフェライト芯半外郭(64)内に埋め込まれ、その結果、前記コイル部(26、42、60)の厚さ対長さ/幅の比は、少なくとも1:5、好ましくは1:8、特に1:10以上であり、さらに前記電池部(30)の前記コイル部(42、60)および前記電池収容装置(20)の前記コイル部(26、60)は、機械的に分離可能な最大距離の110mmで形成されることを特徴とする、電池システム(10、100、110)。
【請求項2】
少なくとも1つの非強磁性コイル結合板(80)は、特に、磁束を案内するための強磁性領域を有する前記電池側コイル部(42、60)に対する蔽いとして配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項3】
前記コイル部(26、42)間の前記最大距離は、100mm、特に好ましくは10mm、特に1mmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項4】
前記コイル(62)のコイル巻線は、好ましくは高周波用組み紐から成り、前記コイル部(26、42、60)は、機械的寸法および電磁気パラメータに関して50~100kHzの周波数範囲、特に70kHzの動作周波数に対して最適化されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項5】
NFC部(28、38)は、前記コイル部(26、42、60)内に含まれることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項6】
前記電池部(30)は、機械的に閉じられ、かつ外部へのスイッチまたは開口部を有さず、かつ誘導によってのみ充電および放電され得ることを特徴とする、請求項1~
5のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項7】
前記電池部(30)および/もしくは前記電池収容装置(20)の収納台(50)は、好ましくは充電ならびに/または放電段階で前記電池部(30)の正しい位置への挿入を可能にする、および/もしくは意図しない取り外しを防止する機械的ならびに/または磁気的ロック部を含むことを特徴とする、請求項1~
6のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項8】
前記電池収容装置(20)に収容された前記電池部(30)は、1.5kWh~1700kWhの総電気容量を提供することを特徴とする、請求項1~
7のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)。
【請求項9】
請求項
8に記載の電池システム(10、100、110)を少なくとも2つ以上含むシステム複合体であって、前記2つ以上の電池システムは、より大規模なシステムを形成するように接続されることを特徴とする、システム複合体。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)で使用する電池収容装置(20)であって、少なくとも1つの相補的に磁気結合可能な前記コイル部(26、60)を有し、前記電池部(30)を工具不要で挿入または取り外すための、前記収納台(50)を少なくとも1つ、好ましくは2つ以上有し、好ましくは前記収納台(50)につき前記コイル部を1つ有
することを特徴とする、電池収容装置(20)。
【請求項11】
前記収納台(50)には、押圧部、特にばね要素(46)が配置され、ばね荷重押圧力が挿入状態の前記電池部(30)に加えられることを特徴とする、請求項10に記載の電池収容装置(20)。
【請求項12】
請求項1から
8のいずれか1項に記載の電池システム(10、100、110)で使用する電池部(30)であって、電池筐体(44)に封入され、少なくとも1つの特に複数の電池セル(40)、コイル部(26、60)、電池管理システム(36)、および少なくとも一方向、好ましくは双方向データ通信のためのNFC部(28)を含むことを特徴とする、電池部(30)。
【請求項13】
前記コイル部(26、60)および前記NFC部(28)は、前記電池筐体(44)の表面積に関して他の側面より小さい前側に構造的に集積され
ることを特徴とする、請求項
12に記載の電池部(30)。
【請求項14】
押圧部、特にばね要素(46)は、前記前側と反対側の面に配置され、ばね荷重押圧力を前記収納台(50)への挿入状態における前記前側に加えることを特徴とする、請求項13に記載の電池部(30)。
【国際調査報告】