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特表2022-523916アンドロゲン受容体を標的とするユビキチン化のための二官能性化合物および方法
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  • 特表-アンドロゲン受容体を標的とするユビキチン化のための二官能性化合物および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】アンドロゲン受容体を標的とするユビキチン化のための二官能性化合物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/54 20170101AFI20220420BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220420BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220420BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20220420BHJP
   A61P 5/26 20060101ALI20220420BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20220420BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220420BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20220420BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20220420BHJP
   A61K 38/07 20060101ALI20220420BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20220420BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20220420BHJP
   C07K 5/06 20060101ALI20220420BHJP
   C07K 5/08 20060101ALI20220420BHJP
   C07K 5/10 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
A61K47/54
A61K45/00
A61P35/00
A61P13/08
A61P5/26
C07D417/14
A61K31/5377
A61K38/05
A61K38/06
A61K38/07
C07D401/04
A61K31/454
C07K5/06 ZNA
C07K5/08
C07K5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544763
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 US2020015922
(87)【国際公開番号】W WO2020160295
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/798,554
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521338651
【氏名又は名称】モンテリノ・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MONTELINO THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】デサンティス,ジェニー
(72)【発明者】
【氏名】バズ,ロイ ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C076
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA05
4C063BB02
4C063CC10
4C063CC62
4C063DD07
4C063DD54
4C063EE01
4C076AA95
4C076CC17
4C076CC27
4C076EE59
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA14
4C084BA23
4C084NA05
4C084NA13
4C084ZA81
4C084ZB26
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086BC73
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA13
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZC75
4H045BA11
4H045BA12
4H045BA13
4H045BA51
4H045EA28
4H045FA20
4H045GA21
(57)【要約】
本発明は、内因性タンパク質をE3ユビキチンリガーゼにリクルートして分解させる機能を持つ二官能性化合物、およびその使用方法に関する。より具体的には、本明細書は、標的とする様々なポリペプチドおよびその他のタンパク質のユビキチン化のモジュレーターとして有用性が判った特異的なタンパク質分解性標的化キメラ分子(PROTAC)を提供するものであり、特に、AR-V7として表されるLBD欠失ARのスライスバリアントのアンドロゲン受容体が、本明細書に記載される化合物によって分解され、および/または別法により阻害される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学構造:
ARB-Link-E3LB
(式中、
ARBは、リガンド結合ドメインに結合しないAR結合部分であり、E3LBは、E3リガーゼ結合部分であり、Linkは、AR結合部分とE3リガーゼ結合部分を連結するリンカーである)
を示す、化合物。
【請求項2】
AR結合部分が、下記:
【化1】
[式中:
環1は、0~4個のヘテロ原子を有しており、かつ1つ以上のハロ、CN、C≡CH、C1-6アルキル(直鎖、分岐状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルにより置換された3~7員の脂環式化合物、0~4個のヘテロ原子を有しており、かつ1つ以上のハロ、CN、C≡CH、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルにより置換された架橋またはスピロ二環式環、あるいは
【化2】
であり;
環2は、アリール、2-ベンジルオキシ-3,4ジフルオロ、ヘテロアリール[1つ以上のハロ、ヒドロキシル、CN、C≡CH、NR102103、OCH、OC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシルで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルにより独立して置換されている]、3~6員の脂環式化合物[0~4個のヘテロ原子を有しており、かつ1つ以上のハロ、ヒドロキシル、CN、C≡CH、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルで置換されている]、
【化3】
であり、ここでR102およびR103は、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル(1つ以上のFで所望により置換されていてもよい)であるか、あるいは、それらが結合している原子と一体となって、0~2個のヘテロ原子を含有する3~8員環系を形成する;
101は、独立して、H、OH、CONH、CONR102103、SONH、SONR102103、SONH、SONR102103、NHCOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NR102COC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NRSO1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NR102SOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CN、C≡CH、NH、NR102103、OCH、OC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CHF、CHF、CF、ハロ、C1-6アルキル(直鎖状、分枝状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシルで所望により置換されていてもよい)であるか、あるいは隣接する結合された原子上のR101と共に、それらが結合している原子と一体となって、3~6員環の脂環式化合物、アリールまたはヘテロアリール(0~2個のヘテロ原子を含有する)を形成し、ここでR102およびR103は、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル(1つ以上のFで所望により置換されていてもよい)であるか、あるいは、それらが結合している原子と一体となって、0~2個のヘテロ原子を含有する3~8員環系を形成する]
からなる群から選択される構造を含む、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
リンカーが、-Aq-で示される化学構造を含んでおり、式中、qは1以上の整数であり、Aは、独立して、結合、CRL1L2、O、S、SO、SO、NRL3、SONRL3、SONRL3、CONRL3、NRL3CONRL4、NRL3SONRL4、CO、CRL1=CRL2、C≡C、SiRL1L2、P(O)RL1、P(O)ORL1、NRL3C(=NCN)NRL4、NRL3C(=NCN)、NRL3C(=CNO)NRL4、C3-11シクロアルキル(0~6個のRL1基および/またはRL2基で所望により置換されていてもよい)およびヘテロアリール(0~6個のRL1および/またはRL2基で所望により置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここでRL1、RL2、RL3、RL4およびRL5は、各々独立して、H、ハロ、C1-8アルキル、OC1-8アルキル、SC1-8アルキル、NHC1-8アルキル、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクリル、OC1-8シクロアルキル、SC1-8シクロアルキル、NHC1-8シクロアルキル、N(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO1-8アルキル、P(O)(OC1-8アルキル)(C1-8アルキル)、P(O)(OC1-8アルキル)、CC-C1-8アルキル、CCH、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、Si(OH)、Si(C1-8アルキル)、Si(OH)(C1-8アルキル)、COC1-8アルキル、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、SF、SONHC1-8アルキル、SONHC1-8アルキル、SON(C1-8アルキル)、SONHC1-8アルキル、SON(C1-8アルキル)、CONHC1-8アルキル、CON(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)CONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)CON(C1-8アルキル)、NHCONH(C1-8アルキル)、NHCON(C1-8アルキル)、NHCONH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)およびNHSONHからなる群から選択され、ここでRL1およびRL2は、各々独立して、別のA基に結合して、0~4個のRL5基でさらに置換され得るシクロアルキルおよび/またはヘテロシクリル部分を形成していてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
リンカーが、下記:
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】

からなる群から選択される構造を含む、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
E3リガーゼ結合部分が、下記:
【化8】
【化9】
[式中:
104は、独立して、H、OH、CONH、CONR102103、SONH、SONR102103、SONH、SONR102103、NHCOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NR102COC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されてもよい)、NRSO1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NR102SOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CN、C≡CH、NH、NR102103、OCH、OC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CHF、CHF、CF、ハロまたはC1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)であるか、あるいは隣接する結合された原子上のR101と共に、それらが結合している原子と一体となって、3~6員環の脂環式化合物、アリールまたはヘテロアリール(0~2個のヘテロ原子を含有する)を形成し、ここでR102、R103は、H、ハロ、C1-6アルキル(1つ以上のFで所望により置換されていてもよい)であるか、あるいは、それらが結合している原子と一体となって、0~2個のヘテロ原子を含む3~8員環系を形成しており;
105は、独立して、H、C1-6アルキル(1つ以上のFで所望により置換されていてもよい)であり;および
Xは、NHまたはOである]
からなる群から選択される構造を含む、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
下記構造:
【化10】
を有する、4-((10-アミノデシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリドを含む、組成物。
【請求項7】
-E3LB部分が、下記構造:
【化11】
[式中、
106は、イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルまたはハロアルキルであり;
107は、H、ハロアルキル、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはC1-アルキル(直鎖状、分岐鎖状、所望により置換されていてもよい)であり、各々1つ以上のハロ、ヒドロキシル、CN、C1-アルキル(直鎖状、分岐鎖状、所望により置換されていてもよい)またはC1-アルコキシル(直鎖状、分岐鎖状、所望により置換されていてもよい)で所望により置換されていてもよい;
108は、Hまたはプロドラッグ基であり;
109は、H、ハロ、所望により置換されていてもよいC3-6シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、所望により置換されていてもよいC1-6アルケニルまたはC1-6ハロアルキルであり;および
Xは、SまたはOである]
から選択されるフォンヒッペル・リンドウ・リガーゼ結合部分である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
-E3LB部分が、下記:
【化12】
【化13】
[式中:
110は、独立して、水素、所望により置換されていてもよいアルキルまたは所望により置換されていてもよいシクロアルキルであり;
111は、独立して、水素、所望により置換されていてもよいアルキルまたは所望により置換されていてもよいシクロアルキルであり;
112は、独立して、所望により置換されていてもよいアルキル、所望により置換されていてもよいシクロアルキル、所望により置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいチオアルキルであり、ここで該チオアルキルのS原子に結合された置換基は、所望により置換されていてもよい分岐アルキル、所望により置換されていてもよいヘテロシクリル、-(CH)vCOR115、-CHCHR116COR117またはCH118であって;式中、v=1~3、R115およびR117は、独立して、OH、NR118119またはOR120から選択され、R116は、NR118119であり、R118は所望により置換されていてもよいアリールまたは所望により置換されていてもよいヘテロシクリルであり、ここで所望の置換基とは、アルキルおよびハロゲンを包含し、R119は水素または所望により置換されたアルキルである;
113は、下記:
【化14】
(式中、
Bは、アリールまたはN含有ヘテロアリールであって、アルキルまたはハロアルキルにより所望により置換されていてもよい)からなる群から選択され;
114は、下記:
【化15】
(式中、Aは、C4-8脂肪族の環であり、Bは、アリールまたはN含有ヘテロアリールであって、アルキルまたはハロアルキルにより所望により置換されていてもよい)
からなる群から選択され;
Yは、N、O、C=OまたはSであり;
Xは、SまたはOである]
からなる群から選択される構造を含む、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
-E3LB部分が、下記構造:
【化16】
[式中、
環3は、パラ置換されたアリール、1つまたは複数のNを含有するヘテロアリール(-OCH、-OCHCHまたはハロゲンにより所望により置換されていてもよい)であり;
121は、独立して、1、2または3置換されたハロゲン、-CN、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、その他のC1-6アルキル、その他のC1-6アルケニルおよびC1-6アルキニルにより所望により置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
122は、独立して、ハロゲンあるいは1、2または3置換されたハロゲンにより所望により置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
123は、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アルケニルおよび置換されたシクロアルケニルから選択され;
124は、H、アルキル、アリール、置換されたアルキル、シクロアルキル、アリールで置換されたシクロアルキルおよびアルコキシで置換されたシクロアルキルから選択される]
を有する、マウス二重微小染色体2(MDM2)ホモログ阻害剤である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(6-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)ヘキシル)アセトアミド;
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(10-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)デシル)アセトアミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(5-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ペンタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキサンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(7-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘプタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(3-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)プロポキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-4,13-ジオキソ-6,9-ジオキサ-3,12-ジアザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(8-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)オクタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-N-((S)-1-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-N-((S)-1-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-N-((S)-1-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-メトキシフェニル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド;
(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)カルバモイル)-2-メトキシフェニル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド;
(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバモイル)-2-メトキシフェニル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)-2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド;および
N-(6-((S)-2-((S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパンアミド)ヘキシル)-2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド、
からなる群から選択される、化合物。
【請求項11】
有効量の請求項1に記載の化合物;および
医薬的に許容される担体、添加剤および/または賦形剤、
を含む、医薬組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの別の抗がん剤を更に含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
無制御のタンパク質活性が、疾患状態または症状に関与している、患者における該疾患状態または症状を治療するための方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを特徴とする、治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用の化合物および組成物、ならびに様々な適応症(例えば、様々な癌)の治療におけるそれらの使用方法に関する。特に、本発明は、前立腺癌などの癌の治療薬および治療方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前立腺癌は、米国において、男性に最も多く診断される悪性腫瘍であり、男性のがん死亡率第2位の病因である。アンドロゲン受容体(AR)は、前立腺癌の発症だけでなく、去勢抵抗性症状に対する疾患進行にも中心的な役割を果たしていることが多くの研究から明らかになっている(Taplin, M. E. et al., J. Clin. Oncol. 2003 21:2673-8;およびTilley, W. D. et al., Cancer Res. 1994 54:4096-4102)。このように、ヒトARを効果的に阻害することは、依然として、進行した転移性前立腺癌の治療に対する最も効果的な治療アプローチの一つである。
【0003】
アンドロゲンは、女性の癌においても影響を及ぼすことが知られている。その一例が卵巣癌であり、アンドロゲンのレベル上昇は、卵巣癌の発症リスク増加と関連している(Helzlsouer, K. J. et al., JAMA 1995 274, 1926-1930; Edmondson, R. J. et al., Br. J. Cancer 2002 86, 879-885)。さらに、ARは、大半の卵巣癌で検出されている(Risch, H. A., J. Natl. Cancer Inst. 1998 90, 1774-1786; Rao, B. R. et al., Endocr. Rev. 1991 12, 14-26; Clinton, G. M. et al., Crit. Rev. Oncol. Hematol. 1997 25, 1-9)。
【0004】
ARは、アンドロゲン、例えば、テストステロンおよびジヒドロテストステロンによって活性化される核ホルモン受容体ファミリーに属する。これらのアンドロゲンは、エンザルタミドなどのアンタゴニストと同様に、リガンド結合ドメイン(LBD)に結合するアンドロゲンと競合する。ARは、すべての核内受容体に特徴的なモジュール構造を有している。それは、N末端ドメイン(NTD)、中心部のDNA結合ドメイン(DBD)、短いヒンジ領域およびホルモンリガンド結合ポケットを含むC末端ドメイン(LBD、これはホルモン結合部分(HBS)も含んでいる)ならびに活性化機能-2(AF2)部分から構成されている(Gao, W. Q. et al., Chem. Rev. 2005 105:3352-3370)。AF2部分は、AR表面の疎水性の溝を示し、その両側にはAR活性化因子の結合に重要な正および負の電荷を持つ領域、すなわち「電荷溝」が存在する(Zhou, X. E. et al., J. Biol. Chem. 2010 285:9161-9171)。
【0005】
ARの活性化は、非常に特徴的な経路に従う:細胞質では、受容体はARのアゴニスト結合構造を維持するシャペロンタンパク質と結合している(Georget, V. et al., Biochemistry 2002 41:11824-11831)。アンドロゲンが結合すると、ARは、一連の構造変化を起こし、シャペロンから離脱し、二量体化して核に移動して(Fang, Y. F. et al, J. Biol. Chem. 1996 271:28697-28702;およびWong, C. I. et al., J. Biol. Chem. 1993 268:19004-19012)、AF2部分にて共活性化タンパク質とさらに相互作用する(Zhou, X. E. et al. J. Biol. Chem. 2010 285:9161-9171)。この事象により、RNAポリメラーゼIIと他の因子のリクルートが誘発され、ARと共に機能的な転写複合体を形成する。
【0006】
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)では、AR-アンタゴニストをアゴニストに変換するAR-LBDの変異によるか、またはLBDが欠損しているAR変異体が発現することにより薬剤耐性が現れる。ARは、前立腺癌の主な原因であり、エンザルタミドおよびアパルタミドなどの競合的アンタゴニストを用いてARの転写活性を阻害することは、前立腺癌治療の第一の手段である。もう一つの治療法は、チトクロームP450 17A1の阻害剤であるアビラテロンであり、これは副腎および腫瘍内のテストステロンやジヒドロテストステロンを枯渇させることでARシグナル伝達を障害する。最近の研究(Axitonarakis, E.S. et al., New Engl. J. Med. 2014 37, 1028-1038)において、AR-V7として表記されるARのスプライスバリアントを含むエンザルタミドおよびアビラテロンを投与された患者は、PSA奏効率が低く、PSA無増悪生存期間が短く、かつ全生存期間が短いことが示された。
【0007】
AR-V7は、エンザルタミドおよびテストステロンの標的であるLBDが欠損しているが、AR-V7は転写因子として構成的に活性を維持している。したがって、AR受容体のみならず、AR-V7受容体をアンタゴナイズする別のアプローチを検討することが望ましい。これら2つのタンパク質に共通するドメインはDBDであり、Li, H. et al., J. Med. Chem. 2014 57, 6458-6467 (2014); Dalai, K. et al., Mol. Cancer Then. 2017 vol.16, 2281-2291; Xu, R. et al., Chem. Biol. & Drug Design 2018 91(1), 172-180;およびWO 2015/120543において議論される通り、化合物が同定された。
【0008】
タンパク質レベル(例えば、標的タンパク質を認識するリガンドと連結された特異的なE3ユビキチンリガーゼに結合するリガンドを含む二官能性のタンパク質分解性標的化キメラ分子(PROTAC)のレベル)を操作するために、幾つかの方法を用いることができる。この二官能性のタンパク質分解性標的化キメラ分子は、標的タンパク質を認識するリガンドと、特定のE3ユビキチンリガーゼに結合するリガンドが結合しており、標的タンパク質上に適切なアクセプターがあれば、リガーゼから標的タンパク質へのユビキチンの移行が可能となる。別法としては、分子がE3リガーゼとともに標的タンパク質をE3リガーゼにリクルートし、その後ユビキチンの移行と標的の分解を行う「分子接着剤」という方法がある(Chopra, R., Sadok, A., Collins, I., Drug Disc Today: Technologies, 2019, 31, 5-13.)。「分子接着剤」として作用する化合物の場合、唯一の要件は、E3リガーゼ結合部分の存在である。E3リガーゼに結合した後、この成分は、標的タンパク質をリクルートして、分解され得る。ユビキチンによるこのタンパク質の標識化は、26Sプロテアソームによるタンパク質のターンオーバーに関与している。
【0009】
タンパク質のユビキチン化とは、ユビキチンタンパク質が様々な酵素分類(E1、E2、E3)の間で連続的に伝達されて、最終的には細胞基質をタグ付けするという多段階プロセスである。最初に、ユビキチンのC末端のカルボキシレートは、ATP依存性の工程においてE1活性化酵素によりアデニル化される。その後、E1酵素の保存された求核性システイン残基が、ユビキチンのアデニレートからAMPを除去し、共有結合性ユビキチンチオエステル結合体を形成させる。2つ目のユビキチン分子が結合してアデニル化がおこると、E2結合化酵素の誘導により3つの複合体となる。その後、E2の活性部位にあるCysは、共有結合したユビキチンをトランス-チオエステル化反応によって、E1からE2上のCys残基への移行を促進する。一方、E3リガーゼは、特異的な下流の標的タンパク質をリクルートし、共有結合または非共有結合いずれかのメカニズムにより、E2酵素から末端基質へのユビキチンの移行を媒介する。各ユビキチンは、N末端アミノ基とのペプチド結合、または標的タンパク質上の選択されたLys残基の側鎖ε-アミノ基とユビキチンとの間に形成されるイソペプチド結合のいずれかを介してタンパク質に結合する。
【0010】
脱ユビキチン化酵素(DUB)は、ユビキチンタンパク質を基質から特異的に切断する酵素であり、この特異的切断により、標識経路全体を制御する更なるメカニズムを提供する。現在、ヒトのプロテオームには、8種のE1、約40種のE2、600種以上のE3、100種以上のDUBが知られている。これらの酵素については、Pavia, S. et al., J. Med. Chem 2018 61(2), 405-421.に詳細に記載されている。
【0011】
E3リガーゼは、3つの主要なクラス-RINGフィンガー型やU-box型のE3、HECT型のE3、ならびにRING/HECT-ハイブリッド型のE3-から得られる。E3リガーゼは、様々な細胞小器官に局在しているため、E3リガーゼのリガンドの有効性は、細胞内の適切な場所で完全な分子が利用可能であると仮定した場合、分解対象となるタンパク質の場所によって少なくとも部分的に変化する。さらに、標的リガンドとユビキチン誘導性リガンドの全ての組み合わせについて、リンカーの長さとコンフォメーションの柔軟性もまた分解分子の有効性に関与している。そのメカニズムは、標的タンパク質のリガンド結合ポケットに近いタンパク質表面のLys残基が利用できるかどうかに依存する。ユビキチンは、Lys残基に結合するため、適切なLysに結合するためのユビキチンの「受け渡し」が分解分子の有効性に影響する。Crewら(US20170327469A1、US20180099940A1)は、様々なE3リガーゼとAR LBD部分に結合するARアンタゴニストが連結する二官能性分子をベースにした去勢抵抗性前立腺癌の治療法が提案している。本願の方法は、LBD部分ではなくDBD部分を標的としている点で異なるため、化合物も全く異なるものである。
【0012】
ARの異常な制御や活性に関連する疾患や症状、例えば前立腺癌などの癌およびケネディ病などに対する効果的な治療法が、依然として必要とされている。そのような治療法を開発する際には、ARおよびE3ユビキチンリガーゼを同時に結合することができ、かつAR-V7およびおそらくARのユビキチン化も促進し、プロテアソームによるAR-V7およびARの分解へと導く分子とすることが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、分解するために内因性タンパク質をE3ユビキチンリガーゼにリクルートする機能を持つ二官能性化合物およびその使用方法に関するものである。より具体的には、本明細書は、本明細書に記載の化合物によって分解および/または阻害されるARなどの様々なポリペプチドおよび他のタンパク質を標的とするユビキチン化のモジュレーターとしての有効である、特異的なタンパク質分解性標的化キメラ分子(PROTAC)を提供する。
【0014】
一態様において、これらのPROTAC分子は、標的タンパク質を結合する部分(すなわち、タンパク質/ポリペプチド標的リガンド)と連結されたE3ユビキチンリガーゼ結合部分(すなわち、E3ユビキチンリガーゼのリガンド)を含んでいるため、標的タンパク質/ポリペプチドは、そのタンパク質を分解(および/または阻害)できるようにユビキチンリガーゼに近接して存在している。さらに、本明細書は、癌(例えば、前立腺癌)およびケネディ病を含む疾患症状を治療または緩和するために、本明細書に記載された有効量の化合物を使用する方法を提供する。
【0015】
E3ユビキチンリガーゼに結合する適切なリガンドには、セレブロン結合剤、例えば、免疫調節イミド薬(IMiD)(例えば、サリドマイド、ポマリドマイドおよびレナリドマイド)(Deshales, R.J., Nature Chem Biol. 2015 11, 634-635)ならびにそれらのアナログまたは誘導体などが挙げられる。IMiD自体が「分子接着剤」として機能しており、そのため分解のために相違する一組のタンパク質をリクルートすることが示されている(参考文献)。さらに、我々は「分子接着剤」のメカニズムを介して作用する中間分子も見出した。その他の好適なE3ユビキチンリガーゼ結合剤は、フォンヒッペル・リンドウ(Von-Hippel-Lindau)またはVHLリガンドとも呼ばれるE3 CRL2VHL化合物である細胞性アポトーシス阻害タンパク質(IAP)(Shibata, N. et al., J. Med. Chem., 2018 61(2), 543-575において議論されている)である。E3リガーゼマウス二重微小染色体2(E3 ligase Mouse Double Minute 2)(MDM2)の結合剤は、有用なE3リガーゼ結合剤(E3LB)の第四のクラスを含む(Skalniak, L., et al., Expert Opin. Ther, Patents, 2019, 29, 151-170)。
【0016】
一態様では、標的とするユビキチン化および分解のためにAR-V7およびARを含むタンパク質をリクルートするように機能する前記化合物を含む組成物が提供される。いくつかの実施態様において、そのような化合物の構造は以下のように記載される:
ARB-E3LB
(式中、ARBは、AR結合部分であり、E3LBはユビキチンリガーゼ結合部分である)。
【0017】
いくつかの実施態様において、化合物は、化学リンカー(「L」)を更に含み得る。その化合物の構造は、以下のように記載される:
ARB-L-E3LB
(式中、ARBは、AR結合部分であり、Lは、結合またはリンカー部分であり、E3LBは、ユビキチンリガーゼ結合部分である)。
【0018】
さらなる態様において、本明細書は、本明細書に記載の有効量の化合物またはその医薬的に許容される塩形態と、医薬的に許容される担体を含む治療用組成物を提供する。治療用組成物は、患者または対象(例えば、ヒトなどの動物)におけるタンパク質分解を調節し、分解されたタンパク質を介して調節される疾患症状または状態を治療または緩和するために使用することができる。特定の実施態様において、本明細書に記載の治療用組成物は、疾患(例えば、癌)の治療または緩和のために、目的とするタンパク質の分解および/または阻害を効果的に行うために使用することができる。
【0019】
別の態様において、本明細書は、細胞内の標的タンパク質をユビキチン化/分解する方法を提供する。特定の実施態様においては、本方法は、好ましくはリンカー部分を介して連結されたARB部分とE3LB部分を含む本願の二官能性化合物を投与することを特徴とするもので、ここで該E3LB部分はARB部分と連結されており、該E3LB部分がE3ユビキチンリガーゼを認識し、ARB部分が標的タンパク質を認識することにより、標的タンパク質がユビキチンリガーゼに近接して存在するときに標的タンパク質の分解が起こり、結果として、標的タンパク質の分解/標的タンパク質の作用阻害を提供し、タンパク質レベルが制御されることを特徴とする。本明細書により提供されるタンパク質レベルの制御は、患者の細胞内のそのタンパク質レベルを低下させることによって、標的タンパク質を介して調節される病状または症状の治療を提供する。
【0020】
別の態様において、本明細書は、対象または患者(例えば、ヒトなどの動物)におけるその疾患、障害または症状を治療または緩和するための方法であって、有効量(例えば、治療上有効量)の本明細書に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩形態および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とし、該組成物が対象におけるその疾患または障害または症状を治療または緩和するのに有効である方法を提供する。
【0021】
別の態様においては、本明細書は、本明細書に記載の化合物を用いて、生物学的システムにおける目的タンパク質の分解に関する影響を特定する方法を提供する。
【0022】
前述の一般的な有用性の範囲については、単なる例示として示されるのみであり、本明細書および添付の特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。本明細書の組成物、方法および方法に関連する追加の目的および利点は、その請求項、発明の詳細な説明および実施例に照らして、当業者により理解されるであろう。例えば、本発明の様々な態様および実施態様は、多数の組み合わせで利用されてもよく、その全ては本明細書によって明確に理解されよう。これらの追加の利点の対象物および実施態様は、本明細書の範囲内において明示的に含まれる。本発明の背景を明らかにするために、また特定の場合には実施に関する追加の詳細を提供するために本明細書で使用されている刊行物およびその他の資料が参照により組み込まれる。適用可能な場合、または具体的に否定されていない場合、本明細書に記載された実施態様のいずれか1つは、実施態様が本開示の異なる態様の下で記載されていても、その他の1つ以上の実施態様と組み合わせることができると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、特定の実施例化合物のイムノブロットである。
【発明の詳細な説明】
【0024】
以下は、当業者が本発明を実施するのを助けるために提供される詳細な説明である。当業者であれば、本明細書の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施態様に改変および変更を加えることができる。本明細書に記載されているすべての刊行物、特許出願、特許、図およびその他の参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0025】
本明細書は、E3ユビキチンリガーゼタンパク質が、E3ユビキチンリガーゼタンパク質と標的タンパク質を、本明細書に記載されているキメラ構築体(例えば、PROTAC)(ここでは、E3ユビキチンリガーゼタンパク質に結合する部分が、アンドロゲン受容体標的タンパク質に結合する部分に、例えば共有結合で結合されている)により近接させると、標的タンパク質、特にAR-V7として表記されるLBDを欠くARのスライスバリアントのアンドロゲン受容体を、ユビキチン化することができるという予想外の驚くべき発見に関するものである。従って、本明細書は、選択された標的タンパク質、例えばアンドロゲン受容体AR-V7をユビキチン化および分解するための化合物、それを含む組成物、および関連する使用方法を提供する。
【0026】
一態様において、本明細書は、タンパク質の活性を調節するのに有用な化合物を提供する。この組成物は、規定された化学構造に従って、ユビキチン経路のタンパク質結合部分(好ましくは、E3ユビキチンリガーゼのための、単独で、または標的タンパク質へのユビキチンの転移を担うE2ユビキチンコンジュゲート酵素との複合体)ならびに互いに連結または結合された、好ましくはリンカーを介して連結または結合されたタンパク質の標的部分を含んでおり、前記ユビキチン経路のタンパク質結合部分はユビキチン経路タンパク質を認識し、前記標的部分は標的タンパク質(例えば、アンドロゲン受容体)を認識する。このような化合物は、本明細書において、PROTAC化合物またはPROTACとも呼ばれ得る。
【0027】
一態様において、本発明のPROTACは、E3ユビキチンリガーゼ結合部分(「E3LB」)と、AR結合部分(「ARB」)である標的タンパク質(すなわち、タンパク質/ポリペプチド標的化リガンド)に結合する部位とを含む。本実施態様では、二官能性化合物の構造を以下のように表すことができる:
ARB-E3LB
(式中、ARBは、本明細書に記載のAR結合部分であり、E3LBは、本明細書に記載のE3リガーゼ結合部分である)。
【0028】
一態様において、二官能化合物は、化学的リンカー(「L」)をさらに含む。これらの実施態様では、二官能性化合物の構造を以下のように表すことができる:
ARB-L-E3LB
(式中、ARBは、本明細書に記載のAR結合部分であり、E3LBは、本明細書に記載のE3リガーゼ結合部分であり、Lは、ARB部分とE3LB部分を連結する化学リンカー部分である(例えば、本明細書に記載のリンカーであるか、または結合である)。
【0029】
ARB部分およびE3LB部分の位置および数は例示であって、本化合物を限定するものではない。当業者であれば理解できる通り、本明細書に記載されているような二官能性化合物は、それぞれの官能基部分の数や位置を適宜変更することが出来るように合成することができる。ある実施態様では、本明細書に記載の化合物は、複数のE3LB部分、複数のARB部分、複数の化学リンカーまたはそれらの組み合わせを含む。
【0030】
一般的な構造は例示的なものであり、各々の部分は、例えば、ARB-L-E3LBおよびE3LB-L-ARBのように、任意の所望の順序または立体配置にて、空間的に配置することができることが理解されるであろう。E3LB基およびARB基は、リンカーの化学的性質に対して適切かつ安定である任意の共有結合を介して、リンカー基に共有結合していてもよい。本明細書に記載されている全ての化合物について、1つ以上の水素原子が、同等数の重水素原子で置き換えられ得ることがさらに理解されるであろう。
【0031】
ある実施態様において、ARBは、以下の構造から選択されてもよい:
ARB-a:
【化1】
【0032】
ARB-b:
【化2】
【0033】
ARB-c:
【化3】
式中、
Lは、上記一般式におけるリンカーであり;
Aは、3~7員の脂環式化合物(0~4個のヘテロ原子を含有する)、アリール、ヘテロアリール[1つ以上のハロ、ヒドロキシル、ニトロ、CN、C≡CH、NR、OCH、OC1-3アルキル(所望により1つ以上のハロで置換されていてもよい)、CHF、CHF、CF、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシルで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシル(直鎖状、分岐鎖状、所望により1つ以上のハロで置換されていてもよい)、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルにより独立して置換される]、あるいは3~6員の脂環式化合物[0~4個のヘテロ原子を含有しており、かつ1つ以上のハロ、ヒドロキシル、ニトロ、CN、C≡CH、CF、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルにより置換されている]であり;
Bは、アリール、ヘテロアリール[1つ以上のハロ、ヒドロキシル、ニトロ、CN、C≡CH、NR、OCH、OC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CF、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシルで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルにより置換されていてもよい]、3~6員の脂環式化合物[0~4個のヘテロ原子を含有しており、かつ1つ以上のハロ、ヒドロキシル、ニトロ、CN、C≡CH、CF、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ(直鎖状、分岐鎖状、1以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルにより置換されている]であって、ここでリンカーLは、Bに結合しており;および
は、独立して、H、OH、CONH、CONR、SONH、SONR、SONH、SONR、NHCOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NRCOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NRSO1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、NRSOC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CN、C≡CH、NH、NR、OCH、OC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CHF、CHF、CF、ハロ、C1-6アルキル(直鎖状、分枝状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシルで所望により置換されていてもよい)であるか、あるいは、該当する場合、Rは隣接する結合原子上のRと共に、それらが結合している原子と一体となって、3~6員環の脂環式化合物、アリールまたはヘテロアリール(0~2個のヘテロ原子を含有する)を形成し;
、Rは、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル(1つ以上のFで所望により置換されていてもよい)であるか、またはそれらが結合している原子と一体となって、3~8員の環系(0~2個のヘテロ原子を含有する)を形成する。
【0034】
一態様において、Aは:
【化4】
(式中、Rは、上記の通りである)
である。
【0035】
別の態様において、Aは:
【化5】
(式中、Rは、上記の通りであり、X=CまたはNである)
である。
【0036】
また別の態様において、Bは:
【化6】

(式中、Lは、上記の通りのリンカーであり、Rは、上記の通りである)
である。
【0037】
また別の態様において、Bは:
【化7】
(式中、Lは、上記の通りのリンカーであり、Rは、上記の通りである)
である。
【0038】
さらに別の態様において、Bは:
【化8】
(式中、Lは、上記の通りのリンカーであり、Rは、上記の通りである)
である。
【0039】
リンカー基(L)は、式:-A
[式中、
qは、1以上の整数であり;
Aは、独立して、結合、CRL1L2、O、S、SO、SO、NRL3、SONRL3、SONRL3、CONRL3、NRL3CONRL4、NRL3SONRL4、CO、CRL1=CRL2、C≡C、SiRL1L2、P(O)RL1、P(O)ORL1、NRL3C(=NCN)NRL4、NRL3C(=NCN)、NRL3C(=CNO)NRL4、0~6個のRL1基および/またはRL2基で所望により置換されていてもよいC3-11シクロアルキルならびに0~6個のRL1および/またはRL2基で所望により置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、ここでRL1、RL2、RL3、RL4およびRL5は、各々独立して、H、ハロ、C1-8アルキル、OC1-8アルキル、SC1-8アルキル、NHC1-8アルキル、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクリル、OC1-8シクロアルキル、SC1-8シクロアルキル、NHC1-8シクロアルキル、N(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO1-8アルキル、P(O)(OC1-8アルキル)(C1-8アルキル)、P(O)(OC1-8アルキル)、CC-C1-8アルキル、CCH、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、Si(OH)、Si(C1-8アルキル)、Si(OH)(C1-8アルキル)、COC1-8アルキル、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、SF、SONHC1-8アルキル、SONHC1-8アルキル、SON(C1-8アルキル)、SONHC1-8アルキル、SON(C1-8アルキル)、CONHC1-8アルキル、CON(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)CONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)CON(C1-8アルキル)、NHCONH(C1-8アルキル)、NHCON(C1-8アルキル)、NHCONH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)およびNHSONHから選択され、RL1およびRL2は、各々独立して、別のA基に連結して、0~4個のRL5基でさらに置換され得るシクロアルキル部分および/またはヘテロシクリル部分を形成することができる]
により表される化学構造単位を含んでいる。
【0040】
特定の実施態様において、E3LB部分は、以下の構造を含む多様な部分から選択されてもよい:
E3LB-a:
【化9】
E3LB-b:
【化10】
E3LB-c:
【化11】
および
E3LB-d:
【化12】
[式中、上記の構造において、
【化13】
は、結合を表し、立体特異的((R)または(S))であっても、立体特異的で無くてもよく;
は、上記の通りであり;
は、H、アルキル(直鎖状、分岐鎖状、Rで所望により置換されていてもよい)、OH、ROCOOR、ROCONR、CH-ヘテロシクリル(Rで所望により置換されていてもよい)またはRで所望により置換されていてもよいベンジルから構成されており;
およびRは、各々独立して、結合、H、アルキル(直鎖状、分岐鎖状)、シクロアルキル、アリール、ヘタリール(hetaryl)、ヘテロシクリルまたは-C(=O)Rであり、これら各々は所望により置換されていてもよい;および
は、CONR、OR、NR、SR、SO、SONR、CR、CRNR、アリール、ヘタリール、アルキル(直鎖状、分枝状、所望により置換されていてもよい)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、P(O)(OR)R、P(O)R、OP(O)(OR)R、OP(O)R、Cl、F、Br、I、CF、CHF、CHF、CN、NRSONR、NRCONR、CONRCOR、NRC(=N-CN)NR、C(=N-CN)NR、NRC(-N=CN)R、NRC(=C-NO)NR、SONRCOR、NO、CO、C(C=N-OR)R、CR、CR、CCR、S(C=O)(C=N-R)R、SF、RNR、(RO)またはOCFであり;
nは、1~10の整数である]。
【0041】
また、E3LB部分は、以下に記載のE3LB-eおよびE3LB-fから選択されてもよい:
E3LB-e:
【化14】
(式中、
Lは、前記のリンカーであり;Rは、H、直鎖または分岐鎖のC1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロ、CFH、CFHまたはCFであり;および
は、H、ハロ、4-メチルチアゾール-5-イルまたはオキサゾール-5-イルである)
E3LB-f:
【化15】
(式中、
Lは、前記のリンカーであり;R11は、独立して、所望により置換されていてもよいアルキル、所望により置換されていてもよいシクロアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいアリールアルコキシ、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロシクリル、所望により置換されていてもよいヘテロシクリルアルキルであり、ここで該置換基は、アルキル、ハロゲンまたはOHである)。
【0042】
また、E3LB部分は、以下に記載されるE3LB-g、E3LB-h、E3LB-i、E3LB-jおよびE3LB-kから選択されてもよい:
E3LB-g:
【化16】
E3LB-h:
【化17】

E3LB-i:
【化18】

E3LB-j:
【化19】

E3LB-k:
【化20】
式中、
Lは、前記のリンカーであり;
10は、独立して、所望により置換されていてもよいアルキル、所望により置換されていてもよいシクロアルキル、所望により置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいチオアルキル(ここで、該チオアルキルのS原子に結合した置換基は、所望により置換されていてもよいアルキル、所望により置換されていてもよい分岐アルキル、所望により置換されていてもよいヘテロシクリル、(CH)vCOR14、CHCHR15COR16またはCH17であり、式中v=1~3であり;R14およびR16は、独立して、OH、NR1819または-OR20から選択され;R15は、-NR1819であり;R17は、所望により置換されていてもよいアリールまたは所望により置換されていてもよいヘテロシクリルであり、該所望の置換基には、アルキルおよびハロゲンが挙げられ;R18は、水素または所望により置換されていてもよいアルキルであり;R19は、水素、所望により置換されていてもよいアルキル、所望により置換されていてもよい分岐アルキル、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロシクリル、-CH(OCHCHO)wCHまたはポリアミン鎖であり、式中w=1~8であり;ならびに所望の置換基は、OH、ハロまたはNHであってもよい;
12およびR13は、独立して、水素、所望により置換されていてもよいアルキルまたは所望により置換されていてもよいシクロアルキルであり;
Xは、CH、NまたはOであり;Yは、SまたはOであり;
Dは、結合(XとLの間の直接結合)であるか、あるいはアリール、ヘテロアリール[独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシル、ニトロ、CN、C≡CH、NR、OCH、OC1-3アルキル(1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、CF、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシルで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルにより置換される]または3~6員の脂環式化合物[0~4個のヘテロ原子を含有しており、かつ1つ以上のハロ、ヒドロキシル、ニトロ、CN、C≡CH、CF、C1-6アルキル(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロ、C1-6アルコキシで所望により置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ(直鎖状、分岐鎖状、1つ以上のハロで所望により置換されていてもよい)、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルにより独立して置換される]であってもよい環であり、ここでR、Rは、独立して、H、ハロ、C1-6アルキル(1以上のFで所望により置換されていてもよい)であるか、またはそれらが結合している原子と一体となって、0~2個のヘテロ原子を含有する3~8員の環系を形成し;および
20は、下記:
【化21】
(式中、Aは、C4-8脂肪族環であり、Bは、アリールまたはN含有ヘテロアリールであり、アルキルまたはハロアルキルにより所望により置換されていてもよい)
からなる群から選択される。
【0043】
所望により、E3LBは、以下のE3LB-l:
E3LB-l:
【化22】
(式中、R22は、独立して、ハロゲン、1、2または3置換されたハロゲンにより所望により置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
21は、独立して、アリールまたはヘテロアリールであって、これらは1、2または3置換されたハロゲン、CN、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、その他のC1-6アルキル、その他のC1-6アルケニルおよびC1-6アルキニルによって所望により置換されていてもよい;
23は、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アルケニルおよび置換されたシクロアルケニルから選択され;
24は、H、アルキル、アリール、置換されたアルキル、シクロアルキル、アリールで置換されたシクロアルキルおよびアルコキシで置換されたシクロアルキルであり;および
Eは、パラ置換されたアリール、1つまたは複数のN原子を含有するヘテロアリールであって、これらは-OCH、-OCHCHおよびハロゲンで所望により置換されていてもよい;
Lは、前記にて定義されたリンカーである)
により表されるE3リガーゼのMDM2クラスから選択されてもよい。
【0044】
E3LB部分は、免疫調節イミド薬(IMiD)(例えば、サリドマイド、ポマリドマイドおよびレナリドマイド)およびそれらのアナログまたは誘導体、ならびにE3CRL2VHL化合物、細胞性アポトーシス阻害タンパク質(IAP)およびマウス二重微小染色体2(マウスダブルミニッツ2)(MDM2)結合剤などの全てのセレブロン結合剤を含む。
【0045】
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、複数のE3LB部分および/または複数のARB部分を含む。特定の追加の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、複数のARB部分(ARの同一または異なる位置を標的とする)、複数のE3LB部分、別のE3ユビキチンリガーゼ(例えば、VHL、IAP、MDM2)に特異的に結合する1つ以上の部分、またはそれらの組み合わせを含む。本明細書に記載の実施態様のいずれかの態様において、ARB部分、E3LB部分および別のE3ユビキチンリガーゼに特異的に結合するその他の部分は、直接的に結合するか、または1つ以上の化学的リンカーまたはそれらの組み合わせを介して結合することができる。別の実施態様では、化合物が別のE3ユビキチンリガーゼに特異的に結合する複数の部分を有する場合、その部分は、同じE3ユビキチンリガーゼに特異的に結合できるか、またそれぞれの各部分が異なるE3ユビキチンリガーゼに特異的に結合できる。化合物が、複数のARB部分を有するそれらの実施態様においては、かかる部分は、同一であっても、または所望により異なっていてもよい。
【0046】
ある実施態様では、化合物が複数のE3LB部分を含む場合、E3LB部分は、同一であるか、または所望により異なっていてもよい。追加の実施態様では、複数のE3LB部分を含む化合物は、E3LB部分に直接結合されるか、もしくは化学的リンカー(「L」)を介して結合されるか、またはその両方で結合された少なくとも1つのARB部分をさらに含む。ある別の実施態様では、複数のE3LB部分を含む化合物は、複数のARB部分をさらに含む。さらに追加の実施態様では、ARB部分は、同一であるか、または所望により異なっていてもよい。
【0047】
特定の実施態様では、化合物は、以下に記載されるような例示の化合物ならびにその塩および多形体からなる群から選択される:
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0048】
一態様において、本明細書は、式(I):
【化23】
(アンドロゲン受容体結合剤-リンカー-E3リガーゼ結合剤(I)として示される)
の化合物を提供する。
【実施例
【0049】
別段の記載が無い限り、出発物質、試薬、溶媒は市販業者(例えば、Acros Organics, Sigma-Aldrich, Alfa Aesar, Fluorochem, Merck)から入手し、さらなる精製はせずに使用した。反応は、シリカゲル60 F254(層厚0.2mm)に、事前にアルミニウム箔(蛍光指示薬UV254を含む)(Sigma-Aldrich社製)を巻いた薄層クロマトグラフィー(TLC)で常にモニターした。展開プレートを風乾し、UV光(254/365nm)あるいはKMnOまたはニンヒドリン溶液を用いて確認した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merck silica gel 60(メッシュ230~400)を用いて行った。H NMRおよび13C NMRスペクトルを、室温で、TMSまたは残留溶媒ピークを内部標準として用いて、Bruker Avance 400分光分析器にて、各々400および101MHzで記録した。化学シフトは、ppm(δ)および結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)で表記した。ピークの多重度は、s(シングルレット)、bs(ブロードシングルレット)、d(ダブレット)、dd(ダブルダブレット)、t(トリプレット)、dt(ダブルトリプレット)、q(カルテット)、p(ペンテット)およびm(マルチプレット)と略した。
【0050】
高分解能質量分析(HRMS)スペクトルは、Agilent Technologies 6540 UHD Accurate Mass Q-TOF LC-MSシステムに記録した。生物学的アッセイで評価した全ての最終化合物の純度は、LC-MSを用いて95%以上であると評価された。分析は、以下に示す方法に従って実施した:移動相は、0.1%のギ酸を含む水(溶媒A)とアセトニトリル(溶媒B)の混合溶媒を用いた。方法は、Acquity UPLC BEH C18 1.7μm(C18,150 x 2.1mm)カラムを40℃で、0.65mL/minの流量を用いて10分間のグラジエント溶出により行った。グラジエント溶出は、以下の通りに行った:8分かけて99.5:0.5(A/B)から5:95(A/B)、2分かけて5:95(A/B)、その後0.1分かけて99.5:0.5(A/B)に戻す。UV検出は、波長190nmから640nmの平均シグナルで、質量分析は、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化による質量分析計で記録した。化学名は、CambridgeSoft社のChemBioDraw 12.0を用いて生成した。
【0051】
本明細書に記載した化合物は、本明細書に記載された改変方法を用いるか、または当業者には既知の方法を用いて、本明細書に記載された通りに合成することができる。
【0052】
化学略語:
ACN、アセトニトリル;AcOH、酢酸;AcOK、酢酸カリウム;Boc、tert-ブトキシカルボニル;CDOD、重水素化メタノール;CDCl、重水素化クロロホルム;DCE、ジクロロエタン;DCM、ジクロロメタン;DEE、ジエチルエーテル;DIAD、アゾジカルボン酸ジイソプロピル;DIPEA、N,N'-ジイソプロピルエチルアミン;DMA、ジメチルアセトアミド;DMF、ジメチルホルムアミド;DMSO、ジメチルスルホキシド;DMSO-d6、重水素化ジメチルスルホキシド;EA、酢酸エチル;h、時間;EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;EtN:トリエチルアミン;HATU:2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウニウムヘキサフルオロホスフェート;min:分;HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール;HRMS:高分解能質量分析;MeOH:メタノール;NMR:核磁気共鳴;tBu:tert-ブチル;THF:テトラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー;TMS:テトラメチルシラン;PE:石油エーテル;rt:室温。
【0053】
化学合成
一般式(I)の化合物は、有機化学の技術分野で知られている合成方法とともに、以下に記載する一般的な合成方法(一般的なスキーム1および2)によって製造することができる。全ての方法において、化学の一般原則に従って、反応性の高い基または反応性基については、必要に応じて、保護基を用いても良いことは十分理解されよう。保護基は、有機合成の標準方法(T. W. Green and P. G. M. Wuts (1999) Protective Groups in Organic Synthesis, 3' edition, John Wiley & Sons)に従って処理される。これらの基は、当業者が容易に理解できる方法を用いて、化合物の合成において適切な段階で除去される。工程ならびに反応条件の選択やその実施順序は、式(I)の化合物の製造と一致している。
【0054】
一般的なスキーム1:
【化24】

一般的なスキーム2:
【化25】

ARB:アンドロゲン受容体(AR)結合剤;E3LB:E3リガーゼ結合剤
【0055】
スキーム1.ARB-1部分の合成:
【化26】
2,3-ジフルオロフェニルアセテート(A)
表題の化合物を、Huifang Liら(J. Med. Chem. 2014, 57, 6458-6467) に記述された方法に従って製造することができる。塩化アセチル(例えば、Fluorochemから入手)(6.01mL,6.63g,84.55mmol)を、乾燥DCM(60.0mL)中の2,3-ジフルオロフェノール(例えば、Fluorochemから入手)(10.0g,76.87mmol)およびピリジン(6.83mL,6.68g,84.55mmol)の撹拌溶液に、rtでゆっくり加えた。2時間後、混合物を2N塩酸(60mL)で希釈し、水層を分離して、DCM(30mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(20mLx2)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮して、表題化合物(13.26g,収率99%)を、無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.16-7.03 (m, 2H), 6.99-6.83 (m, 1H), 2.37 (s, 3H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 167.96, 151.26 (dd, J = 10.9, 249.4 Hz), 143.29 (dd, J = 14.3, 251.5 Hz), 139.55 (dd, J = 2.3, 10.1 Hz), 123.36 (dd, J = 5.0, 7.9 Hz), 118.78 (d, J = 3.5 Hz), 114.71 (d, J = 17.3 Hz), 20.44.
【0056】
1-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(B)
表題の化合物を、Gomtsyan, Arthur R.ら(PCT Int. Appl.WO2010045401)に記載の方法に従って製造することができる。AlCl(1.55g,11.62mmol)を、DCE(3.0mL)中の2,3-ジフルオロフェニルアセテート(A)(2.00g,11.62mmol)の撹拌溶液に、0℃の窒素下で、少量ずつ添加した。添加完了後、混合物を、14時間還流させて、rtで冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣をDCM(20mL)で希釈した。2N塩酸(10mL)を加え、混合物を20分間撹拌した。有機相を分離し、水をDCM(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮して、表題の化合物(1.95g,収率97%)を褐色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 12.59 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.55 (ddd, J = 2.3, 5.5, 9.1 Hz, 1H), 6.86-6.63 (m, 1H), 2.65 (s, 3H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 203.66, 157.02, 154.88 (dd, J = 9.7, 257.9 Hz), 139.98 (dd, J = 13.7, 249.7 Hz), 125.92 (dd, J = 4.5, 10.0 Hz), 117.77, 107.24 (d, J = 18.7 Hz), 26.78.
【0057】
2-ブロモ-1-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(C)
表題の化合物を、Huifang Liら(J. Med. Chem. 2014, 57, 6458-6467) に記述された方法に従って製造することができる。1-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(B)(1.95g,11.33mmol)/EA(40.0mL)の溶液を、CuBr(3.03g,13.59mmol)/EA(40mL)の撹拌した懸濁液に、rtで滴加した。24時間の還流後、混合物をrtで冷却し、セライト上で濾過し、濾液を蒸発乾固させた。粗製残留物を、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA、95:5)で精製し、表題化合物(1.55g,収率69%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 12.10-11.84 (m, 1H), 7.58 (ddd, J = 2.2, 5.4, 8.9 Hz, 1H), 6.93-6.65 (m, 1H), 2.65 (s, 2H) ; 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 196.41, 155.36 (dd, J = 9.7, 259.7 Hz), 154.11 (dd, J = 5.6, 9.6 Hz), 140.29 (dd, J = 13.9, 251.0 Hz), 125.92 (dd, J = 4.6, 10.1 Hz), 115.13, 107.90 (d, J = 19.1 Hz), 29.31.
【0058】
2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)
表題の化合物は、Huifang Liら(J. Med. Chem. 2014, 57, 6458-6467) に記述された方法に従って製造することができる。モルホリン-4-カルボチオアミド(例えば、Fluorochem社から入手)(0.330g,2.26mmol)を、0℃で絶対EtOH(10mL)中の化合物2-ブロモ-1-(3,4-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(C)(0.568g,2.26mmol)の撹拌溶液に、少量ずつ添加した。添加が完了した後、混合物を4時間還流した。rtで冷却した後、混合物を蒸発乾固させて、NaHCO飽和溶液(20mL)を加えて、pH8にした。水相を、EA(10mLx3)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮して固体を得た。これを、DEEを用いてトリチュレートして、ろ過し、表題の化合物(0.590g,収率87%)を淡黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 12.43 (s, 1H), 7.24 (ddd, J = 2.3, 5.6, 8.5 Hz, 1H), 6.76 (s, 1H), 6.66 (td, J = 7.2, 9.3 Hz, 1H), 4.00-3.84 (m, 4H), 3.63-3.43 (m, 4H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.13, 151.23 (dd, J = 10.4, 247.9 Hz), 148.09, 147.25-146.05 (m), 140.72 (dd, J = 14.2, 244.7 Hz), 119.63 (dd, J = 4.5, 8.7 Hz), 115.71, 106.97 (d, J = 18.4 Hz), 100.25 (d, J = 1.7 Hz), 65.90 (2C), 48.31 (2C).
【0059】
Tert-ブチル 2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセテート(D)
2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.800g,2.68mmol)およびKCO(0.927g,6.71mmol)の撹拌した懸濁液に、tert-ブチルブロモアセテート(例えば、Sigma-Aldrich社から入手)(0.434mL,0.575g,2.95mmol)を加えた。懸濁液を、rtで18時間撹拌し、濾過し、濾液を蒸発乾固させた。残留物を、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA、95:5~90:10)で精製し、表題の化合物(0.800g,収率73%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.92 (ddd, J = 2.3, 6.2, 8.8 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.10-6.87 (m, 1H), 4.67 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.00-3.79 (m, 4H), 3.68-3.47 (m, 4H), 1.53 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 169.77, 167.40, 150.32 (dd, J = 11.8, 249.8 Hz), 145.30, 144.64-144.23 (m), 143.98 (dd, J = 14.4, 246.1 Hz), 124.35, 124.04 (dd, J = 3.9, 7.8 Hz), 111.42 (d, J = 17.0 Hz), 107.71, 82.55, 70.00 (d, J = 7.5 Hz), 66.22 (2C), 48.61 (2C), 28.09 (3C).
【0060】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)
4N塩酸/ジオキサンの溶液(15mL)を、tert-ブチル2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセテート(D)(0.780g,1.89mmol)に加え、得られた懸濁液を、rtで16時間撹拌した。溶媒を、蒸発乾固させ、残留物を、DEEでトリチュレートした。固体を、濾取し、真空乾燥して、表題の化合物(0.672g,収率91%)を淡黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.48 (ddd, J = 2.3, 5.7, 8.1 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.18 (td, J = 7.5, 9.2 Hz, 1H), 5.01 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 4.02-3.86 (m, 4H), 3.86-3.67 (m, 4H); 13C NMR (101 MHz, CD3OD): δ 171.72, 169.44, 152.57 (dd, J = 11.6, 252.2 Hz), 144.55 (d, J = 1.7 Hz), 143.30 (dd, J = 15.0, 248.0 Hz), 136.41 (d, J = 13.3 Hz), 124.82 (dd, J = 3.9, 8.6 Hz), 118.47, 111.66 (d, J = 18.2 Hz), 106.15, 69.24 (d, J = 9.0 Hz), 65.05 (2C), 49.17 (2C).
【0061】
スキーム2.ポマリドミド系のE3LB-1部分の合成およびリンカーの連結:
【化27】
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)
表題の化合物を、Bradner Jamesら(PCT Int. Appl., WO2016/105518) に記述された方法に従って製造することができる。AcOH(20mL)中の3-フルオロフタル酸無水物(例えば、Fluorochem社から入手)(1.00g,6.02mmol)、3-アミノピペリジン-2,6-ジオンヒドロクロリド(例えば、Fluorochem社から入手)(1.09g,6.62mmol)および酢酸カリウム(1.83g,18.66mmol)の混合物を、90℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、氷水に注ぎ、茶色の固体を得た。これを、ろ過して、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA,4:6)で精製し、表題の化合物を白色の固体として得た(1.22g,73%収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.16 (s, 1H), 8.03-7.89 (m, 1H), 7.80 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.74 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 5.17 (dd, J = 12.8, 5.4 Hz, 1H), 3.00-2.81 (m, 1H), 2.71-2.53 (m, 2H), 2.13-1.99 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 173.19, 170.14, 166.55 (d, J = 2.9 Hz), 164.42, 157.25 (d, J = 262.3 Hz), 138.51 (d, J = 7.9 Hz), 133.90 (d, J = 1.3 Hz), 123.46 (d, J = 19.6 Hz), 120.50 (d, J = 3.3 Hz), 117.48 (d, J = 12.6 Hz), 49.54, 31.36, 22.30.
【0062】
一般手順I:フルオロサリドマイドに対する求核性置換
Tert-ブチル(6-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)ヘキシル)カルバメート(F)
表題の化合物を、Ishoey, M.ら(ACS Chem. Biol., 2018, 13, 553-560) に記述された方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下、乾燥THF(2.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.050g,0.181mmol,1.0equiv)、tert-ブチル(6-アミノヘキシル)カルバメート(例えば、Fluorochem社から入手可能)の混合物(0.043g,0.199mmol,1.1equiv)およびDIPEA(0.061mL,0.362mmol,2.0equiv)を、70℃で4時間反応させた(この場合、反応は圧力管内で行った)。rtに冷却した後、溶媒を蒸発乾固させて、粗残留物をSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、8:2)で精製して、蛍光性の黄色固体を得た(0.040g,収率47%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.35 (bs, 1H), 7.50 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.25 (bs, 1H), 4.95 (dd, J = 8.0 and 16 Hz, 1H), 4.55 (bs, 1H), 3.25 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.15-3.10 (m, 2H), 2.95-2.70 (m, 3H), 2.20-2.10 (m, 1H), 1.70-1.60 (m, 2H), 1.55-1.35 (m, 15H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.16, 169.52, 168.45, 167.64, 156.02, 146.97, 136.13, 132.49, 116.64, 111.41, 109.87, 79.15, 42.55, 40.45, 31.42, 30.02, 29.15, 28.43 (3C), 26.62, 26.47, 22.81.
【0063】
Tert-ブチル(8-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)オクチル)カルバメート(G)
表題の化合物は、Remillard, D.ら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2017, 56, 5738-5743)に記載されている。NMP(5.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.15g,0.543mmol)、tert-ブチル(8-アミノオクチル)カルバメート(0.146g,0.597mmol)およびDIPEA(0.18mL,1.086mmol)を用いて、一般手順I(2b)を行い、SiO(DCM/MeOH98:2)のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を蛍光の黄色固体として得た(0.103g,39%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.05 (bs, 1H), 7.52 (dd, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.25 (bs, 1H), 4.94 (dd, J = 12.1 and 5.3 Hz, 1H), 4.55 (bs, 1H), 3.28 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.19-3.01 (m, 2H), 2.99-2.66 (m, 3H), 2.20-2.12 (m, 1H), 1.78-1.54 (m, 6H), 1.53-1.40 (m, 14H), 1.38-1.31 (m, 1H).
【0064】
Tert-ブチル (10-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)デシル)カルバメート(H)
乾燥DMF(4.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.20g,0.724mmol)、tert-ブチル(10-アミノデシル)カルバメート(0.217g,0.796mmol)およびDIPEA(0.25mL,1.448mmol)を用いて、一般手順I(10h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン9:1)で精製して、表題の化合物を蛍光の黄色膜状物として得た(0.122g,34%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.36 (bs, 1H), 7.50 (dd, J = 8.3, 7.3 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.25 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.93 (dd, J = 12.0, 5.4 Hz, 1H), 4.56 (s, 1H), 3.27 (dd, J = 12.8, 6.9 Hz, 2H), 3.16-3.03 (m, 2H), 2.94-2.68 (m, 3H), 2.17-2.07 (m, 1H), 1.72-1.59 (m, 2H), 1.52-1.38 (m, 11H), 1.36-1.24 (m, 12H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.17, 169.52, 168.46, 167.66, 155.99, 147.03, 136.10, 132.50, 116.65, 111.33, 109.80, 79.04, 48.86, 42.65, 40.62, 31.42, 30.05, 29.39 (2C), 29.23 (2C), 28.44 (3C), 26.89, 26.77, 22.81 (2C).
【0065】
Tert-ブチル(14-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(I)
表題の化合物を、Remillard, Dら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2017, 56, 5738-5743) の記述された方法に従って製造することができる。NMP(2.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.150g,0.597mmol)、tert-ブチル(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(0.134g,mmol)およびDIPEA(0.18mL,0.108mmol)を用いて、一般手順I(2h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(1回目:DCM/MeOH98:2;2回目:PE/EA 6:4)で2回精製することにより、表題化合物を蛍光の黄色膜状物として得た(0.040g,14%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.33 (s, 1H), 7.52 (dd, J = 8.5, 7.2 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.09 (s, 1H), 4.96 (s, 1H), 3.75 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 3.72-3.63 (m, 4H), 3.59 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.50 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.37- 3.30 (m, 2H), 2.93- 2.70 (m, 3H), 2.18-2.11 (m, J = 9.2, 4.2 Hz, 1H), 1.45 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.97, 169.31, 168.32, 167.59, 156.08, 146.80, 136.06, 132.55, 116.71, 111.71, 110.41, 79.31, 70.80, 70.38, 70.15, 69.36, 48.89, 42.33, 40.41, 31.40, 28.42 (3C), 22.88.
【0066】
Tert-ブチル(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(J)
表題の化合物を、Peng, L.ら(ACS Med. Chem. Lett. 2019, 10, 767-772) に記述された方法に従って製造することができる。一般手順I(4h)を、乾燥DMF(4.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.250g,0.905mmol)、tert-ブチル(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(0.291g,0.995mmol)およびDIPEA(0.31mL,1.810mmol)を用いて行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 98:2)で精製し、表題化合物を、蛍光の黄色フィルムとして得た(0.085g,15%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.61 (s, 1H), 7.52-7.43 (m, 1H), 7.15-7.06 (m, 1H), 6.92 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.52-6.46 (m, 1H), 5.08 (s, 1H), 4.93 (dd, J = 11.8 and 5.4 Hz, 1H), 3.73 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.70-3.59 (m, J = 18.3, 4.8 Hz, 8H), 3.58-3.51 (m, 2H), 3.51-3.42 (m, 2H), 3.37-3.23 (m, 2H), 2.93-2.65 (m, 3H), 2.15-2.07 (m, 1H), 1.44 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.38, 169.29, 168.56, 167.64, 156.05, 146.82, 136.03, 132.51, 116.78, 111.64, 110.29, 79.22, 70.73, 70.60, 70.59, 70.21, 70.18, 69.50, 48.87, 42.37, 40.34, 31.43, 28.42 (3C), 22.78.
【0067】
Tert-ブチル(14-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(K)
乾燥DMF(4.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.225g,0.814mmol)、tert-ブチル(14-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカ-1-イル)カルバメート(0.301g,0.896mmol)およびDIPEA(0.28mL,1.629mmol)を用いて、一般手順I(10h)を行い、SiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH, 98:5)で精製して、表題化合物を黄色の膜状物として得た(0.060g,収率13%) 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.27 (bs, 1H), 7.58-7.42 (m, 1H), 7.13 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.52 (bs, 1H), 5.11 (bs, 1H), 4.93 (dd, J = 5.3, 12.0 Hz, 1H), 3.85-3.43 (m, 18H), 3.32 (s, 2H), 2.89-2.63 (m, 3H), 2.26-2.06 (m, 1H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.00, 169.24, 168.30, 167.59, 156.03, 146.85, 136.05, 132.52, 116.78, 111.67, 110.31, 79.19, 70.79, 70.66, 70.59 (4C), 70.45, 70.28, 69.47, 48.86, 42.40, 31.42, 28.44 (3C), 22.83.
【0068】
一般方法II:アミンBoc-脱保護
4-((6-アミノヘキシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン ヒドロクロリド(L)
4N HCl/ジオキサン(2.0mL)の溶液を、tert-ブチル(6-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)ヘキシル)カルバメート(F)(0.10g,0.212mmol,1.0equiv)に加えて、得られる溶液を、室温で16時間攪拌した。溶媒を蒸発乾燥させて、残留物にDEEを加えてトリチュレートし、濾取して、真空下で乾燥させて、表題の化合物を、黄色固体として得て(0.084g,収率97%)、更なる精製をせずに次の工程に用いた。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.61-7.49 (m, 1H), 7.13-7.01 (m, 2H), 5.08 (dd, J = 5.4, 12.3 Hz, 1H), 3.38 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.00-2.90 (m, 2H), 2.90-2.68 (m, 3H), 2.18-2.05 (m, 1H), 1.87-1.65 (m, 4H), 1.65-1.38 (m, 4H).
【0069】
4-((8-アミノオクチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン ヒドロクロリド(M)
ジオキサン(1.7mL)中のtert-ブチル(8-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)アミノ)オクチル)カルバメート(G)(0.095g,0.189mmol)および4N塩酸を用いて、一般手順II(16h)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(0.080g,96%の収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.62-7.46 (m, 1H), 7.14-6.92 (m, 2H), 5.08 (dd, J = 5.5, 12.5 Hz, 1H), 3.36 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.99-2.90 (m, 2H), 2.90-2.66 (m, 3H), 2.17-2.09 (m, 1H), 1.81-1.61 (m, 4H), 1.61-1.40 (m, 8H).
【0070】
4-((10-アミノデシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(N)(実施例34)
ジオキサン(1.0mL)中のtert-ブチル(10-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)アミノ)デシル)カルバメート(H)(0.079g,0.149mmol)および4N塩酸を用いて、一般手順II(16h)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(0.052g,収率75%)。 1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.57 (dd, J = 8.3, 7.4 Hz, 1H), 7.09-7.03 (m, 2H), 5.08 (dd, J = 12.7, 5.4 Hz, 1H), 2.96-2.67 (m, 5H), 2.19-2.07 (m, 1H), 1.74-1.61 (m, 4H), 1.51-1.35 (m, 14H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C23H32N4O4についての計算値 429.24963, 実測値 429.2497.
【0071】
4-((2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン ヒドロクロリド(O)
ジオキサン(0.5mL)中のtert-ブチル(14-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)アミノ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(I)(0.040g,0.079mmol)および4N塩酸を用いて、一般手順II(16h)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(0.022g,83%収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.59 (dd, J = 8.6, 7.1 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 10.6, 7.8 Hz, 2H), 5.08 (dd, J = 12.6, 5.5 Hz, 1H), 3.80-3.66 (m, 8H), 3.55 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.18-3.08 (m, 2H), 2.95-2.64 (m, 3H), 2.22-2.08 (m, 1H).
【0072】
4-((2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン ヒドロクロリド(P)
ジオキサン(0.8mL)中のtert-ブチル(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(J)(0.075g,0.137mmol)および4N HClを用いて、一般手順II(16h)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(0.055g,83%収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.59 (dd, J = 8.6 and 7.1 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 12.5 and 7.9 Hz, 2H), 5.08 (dd, J = 12.4 and 5.5 Hz, 1H), 3.80-3.63 (m, 12H), 3.54 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.21-3.07 (m, 3H), 2.97-2.65 (m, 3H), 2.19-2.08 (m, 1H).
【0073】
4-((14-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(Q)
ジオキサン(1.0mL)中のtert-ブチル(14-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(K)(0.060g,0.101mmol)および4N HClを用いて、一般手順II(3h)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(0.050g,94%収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.58 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.30-6.86 (m, 2H), 5.08 (dd, J = 5.5, 12.3 Hz, 1H), 3.86-3.58 (m, 16H), 3.58-3.41 (m, 2H), 3.19-3.05 (m, 2H), 2.88-2.64 (m, 3H), 2.21-1.98 (m, 1H).
【0074】
スキーム3.実施例1~6の合成:
【化28】
【0075】
一般手順III:HATU媒介性アミド化反応
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(6-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)ヘキシル)アセトアミド(実施例1)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコに、乾燥DMF(3.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)の撹拌溶液(0.048g,0.122mmol,1.0equiv)、4-((6-アミノヘキシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(L)(0.050g,0.122mmol,1.0equiv)およびDIPEA(0.083mL,0.489mmol、4.0equiv)を入れて、HATU(0.058g,0.153mmol、1.25equiv)を加えた。撹拌を、室温で16時間続けた。反応混合物を、水(30mL)で希釈し、EA(15mLx3)で抽出した。有機層を合わせて、水(20mLx3)、ブライン(20mLx3)で洗い、無水NaSO上で乾燥させた後、減圧濃縮し、粗製残留物を得た。これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン/MeOH、90:10:0~89:10:1)で精製して、黄色固体を得た(0.015g,収率18%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.09 (s, 1H), 7.63-7.56 (m, 1H), 7.56-7.48 (m, 1H), 7.11 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.04-6.96 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.90 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 4.93 (dd, J = 5.3, 11.9 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H), 3.89-3.78 (m, 4H), 3.64-3.51 (m, 4H), 3.36 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.33-3.26 (m, 2H), 2.97-2.68 (m, 3H), 2.18-2.11 (m, 1H), 1.79-1.35 (m, 8H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.87, 170.74, 169.50, 168.25, 167.92, 167.59, 150.76 (dd, J = 11.6, 251.4 Hz), 146.96, 146.37 - 146.09 (m), 144.62 (dd, J = 1.5, 9.1 Hz), 144.15 (dd, J = 14.0, 247.3 Hz), 136.15, 132.48, 125.04, 124.53 (dd, J = 4.0, 7.8 Hz), 116.63, 112.43 (d, J = 17.2 Hz), 111.46, 109.90, 105.96, 72.42 (d, J = 4.9 Hz), 66.11 (2C), 48.87, 48.62 (2C), 42.52, 38.95, 31.41, 29.42, 29.13, 26.62, 26.55, 22.82. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C34H36F2N6O7Sについての計算値 711.2407, 実測値 711.2412.
【0076】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(8-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)オクチル)アセトアミド(実施例2)
乾燥DMF(1.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.02g,0.056mmol)、4-((8-アミノオクチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(M)(0.024g,0.056mmol)、DIPEA(0.03mL,0.224mmol)およびHATU(0.027g,0.70mmol)を用いて、一般手順IIIを行い、SiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,99:1~96:4)で精製した後、さらにHPLC精製(Agilent Technologies 1200;カラム:Eclipse XDB-C18 4.6 x 150 mm(5μm);流量:1.0mL/min;DAD 190~650nm;アイソクラティック溶離液:ACN/HO 70:30)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(0.016g,50%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.14 (s, 1H), 7.64-7.55 (m, 1H), 7.55-7.45 (m, 1H), 7.11 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.04-6.97 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 5.02-4.86 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 3.97-3.76 (m, 4H), 3.64-3.48 (m, 4H), 3.34 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.28 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 2.99-2.67 (m, 3H), 2.21-2.08 (m, 1H), 1.81-1.31 (m, 12H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.90, 170.71, 169.50, 168.28, 167.88, 167.61, 150.78 (dd, J = 10.5, 249.5 Hz), 147.01, 146.45 - 145.86 (m), 144.63 (d, J = 10.5 Hz), 144.14 (dd, J = 14.0, 247.4 Hz), 136.12, 132.49, 124.99, 124.52 (dd, J = 3.8, 7.8 Hz), 116.65, 112.41 (d, J = 17.2 Hz), 111.39, 109.86, 105.96, 72.41 (d, J = 5.1 Hz), 66.11 (2C), 48.86, 48.62 (2C), 42.59, 39.10, 31.42, 29.45, 29.14, 29.12, 29.11, 26.78, 26.72, 22.84. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C36H40F2N6O7Sについての計算値 739.27200, 実測値 739.27369.
【0077】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(10-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)デシル)アセトアミド(実施例3)
乾燥DMF(2.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.04g,0.086mmol)、4-((10-アミノデシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(N)(0.04g,0.086mmol)、DIPEA(0.05mL,0.44mmol)およびHATU(0.041g,0.107mmol)を用いて、一般手順IIIを行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、95:5~85:15)で精製して、表題の化合物を、黄色固体として得た(0.026g,39%収率)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.16 (s, 1H), 7.61 (ddd, J = 8.4, 6.0, 2.1 Hz, 1H), 7.55-7.47 (m, 1H), 7.10 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.06 -6.95 (m, 2H), 6.94 (s, 1H), 6.90 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.25 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.93 (dd, J = 12.1, 5.3 Hz, 1H), 4.59 (s, 2H), 3.93-3.78 (m, 4H), 3.59-3.50 (m, 4H), 3.38-3.23 (m, 4H), 2.97-2.69 (m, 3H), 2.20-2.08 (m, 1H), 1.74-1.64 (m, 2H), 1.59-1.48 (m, 2H), 1.47-1.39 (m, 2H), 1.37-1.29 (m, 10H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.97, 170.79, 169.51, 168.32, 167.89, 167.65, 150.71 (dd, J = 251.9, 10.9 Hz), 147.04, 146.51-146.34 (m), 144.21 (dd, J = 247.4, 14.0 Hz), 144.63 (d, J = 10.7 Hz), 136.12, 132.49, 125.32-125.17 (m), 124.50 (dd, J = 7.8, 4.0 Hz), 116.66, 112.45 (d, J = 17.1 Hz), 111.36, 109.82, 106.06, 72.43 (d, J = 5.1 Hz), 66.14 (2C), 48.86, 48.57 (2C), 42.65, 39.15, 31.43, 29.49, 29.39 (2C), 29.25, 29.22, 29.21, 26.90, 26.84, 22.83. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C38H44F2N6O7Sについての計算値 767.30330, 実測値 767.30327.
【0078】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)エチル)アセトアミド(実施例4)
乾燥DMF(1.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.018g,0.049mmol)、4-((2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(O)(0.022g,0.049mmol)、DIPEA(0.034mL,0.199mmol)およびHATU(0.024g,0.062mmol)を用いて、一般手順IIIを行い、SiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)による精製後、HPLCによる精製(Agilent Tecnologies 1200;カラム:Eclipse XDB-C18 4.6 x 150 mm (5 μm);流速:0.8mL/min;DAD190~650nm;アイソクラティック溶離液:ACN/HO 70:30)を行い、表題化合物を黄色固体として得た(4.5mg,12%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.44 (bs, 1H), 7.64 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.36 (bs, 1H), 7.09 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.05-6.95 (m, 2H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.51 (bs, 1H), 4.98-4.85 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.93-3.80 (m, 4H), 3.77-3.64 (m, 8H), 3.62-3.51 (m, 6H), 3.45-3.34 (m, 2H), 2.96-2.66 (m, 3H), 2.20-2.05 (m, 1H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C34H36F2N6O9Sについての計算値 743.23053, 実測値 743.23191.
【0079】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アセトアミド(実施例5)
乾燥DMF(1.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.027g,0.076mmol)、4-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(P)(0.037g,0.076mmol)、DIPEA(0.053mL,0.305mmol)およびHATU(0.036g,0.095mmol)を用いて、一般手順IIIを行い、SiO(DCM/MeOH,98:2)でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物を黄色固体として得た(0.041g,69%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.31 (s, 1H), 7.66 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.09-6.96 (m, 3H), 6.91 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.48 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.92 (dd, J = 5.3, 11.9 Hz, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.97-3.81 (m, 6H), 3.81-3.22 (m, 18H), 3.07-2.58 (m, 3H), 2.16-2.06 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.00, 170.63, 169.24, 168.30, 168.05, 167.58, 150.54 (dd, J = 11.4, 251.2 Hz), 146.79, 146.23-145.77 (m), 144.52 (d, J = 9.3 Hz), 144.29 (dd, J = 13.9, 247.2 Hz), 136.02, 132.51, 125.28, 124.43, 116.72, 112.53 (d, J = 17.0 Hz), 111.66, 110.30, 106.35, 72.26 (d, J = 4.6 Hz), 70.77, 70.64, 70.60, 70.37, 69.58, 69.42, 66.14 (2C), 48.86, 48.56 (2C), 42.37, 38.88, 31.42, 22.82. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C36H40F2N6O10Sについての計算値 787.25675, 実測値 787.25712.
【0080】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(14-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)アセトアミド(実施例6)
乾燥DMF(1.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.031g,0.087mmol)、4-((14-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(Q)(0.036g,0.087mmol)、DIPEA(0.06mL,0.348mmol)およびHATU(0.041g,0.108mmol)を用いて、一般手順IIIを行い、SiO(DCM/MeOH,98:2)でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を黄色の固体として得た(0.03g,42%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.37 (s, 1H), 7.67 (ddd, J = 2.2, 6.0, 8.7 Hz, 1H), 7.53-7.47 (m, 1H), 7.39-7.32 (m, 1H), 7.12 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.04-6.96 (m, 1H), 6.92 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.50 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.94-4.85 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.92-3.80 (m, 4H), 3.71 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.69-3.50 (m, 16H), 3.54-3.50 (m, 4H), 3.46 (q, J = 5.4 Hz, 2H), 2.92-2.65 (m, 3H), 2.17-2.09 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.09 (d, J = 2.8 Hz), 170.60, 169.22, 168.38, 168.00, 167.57, 150.49 (dd, J = 11.4, 250.9 Hz), 146.81, 145.99, 144.52 (d, J = 9.5 Hz), 144.30 (dd, J = 14.0, 247.3 Hz), 136.02, 132.51, 125.38, 124.41 (dd, J = 4.1, 7.7 Hz), 116.74, 112.50 (d, J = 17.1 Hz), 111.64, 110.29, 106.44, 72.22 (d, J = 4.7 Hz), 70.75, 70.63, 70.59, 70.53, 70.43, 70.39, 69.67, 69.41, 66.15 (2C), 48.84, 48.52 (2C), 42.37, 38.86, 31.39, 22.82. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C38H44F2N6O11Sについての計算値 831.28296, 実測値 831.28447.
【0081】
スキーム4.サリドマイド系E3LB-2部分の合成およびリンカー連結の合成
【化29】
【0082】
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(R)
表題化合物を、Remillard, D.ら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2017, 56, 5738-5743) に記述された方法に従って製造することができる。ピリジン(12.0mL)中の3-ヒドロキシ無水フタル酸(0.50g,3.05mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオンヒドロクロリド(0.50g,3.05mmol)の溶液を、110℃で一晩攪拌した。冷却後、混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。粗生成物を、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5)で精製し、表題化合物を、淡黄色固体として得た(0.7g,84%収率)。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.16 (bs, 1H), 7.66 (dd, J = 8.2 and 7.3 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.08 (dd, J = 12.8 and 5.4 Hz, 1H), 2.99-2.81 (m, 1H), 2.69-2.53 (m, 2H), 2.12-1.95 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 173.27, 170.48, 167.48, 166.27, 155.95, 136.84, 133.60, 124.02, 114.81, 114.73, 49.09, 31.42, 22.49.
【0083】
Tert-ブチル 2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセテート(S)
表題化合物を、Remillard, D.ら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2017, 56, 5738-5743) に記述された方法に従って製造することができる。乾燥DMF(4.0mL)中の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(R)(0.50g,1.82mmol)の溶液に、KCO(0.37g,2.73mmol)およびtert-ブチルブロモアセテート(0.27mL,1.82mmol)を加えた。混合物を、rtで2時間撹拌した。その後、混合物を氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これをろ過し、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA,6:4)で精製して、表題の化合物を淡黄色固体として得た(0.258g,42%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.37 (bs, 1H), 7.67 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.99 (dd, J = 11.8 and 5.4 Hz, 1H), 4.80 (s, 2H), 2.95-2.71 (m, 3H), 2.19-2.06 (m, 1H), 1.49 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.09, 168.02, 166.88, 166.84, 165.46, 155.50, 136.29, 133.90, 119.75, 117.56, 116.90, 83.12, 77.37, 77.05, 76.73, 66.52, 49.17, 31.38, 28.03 (3C), 22.57.
【0084】
2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(E3LB-2)
表題の化合物を、Remillard, D.ら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2017, 56, 5738-5743) に記述した方法に従って製造することができる。Tert-ブチル2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセテート(S)(1.75g,4.51mmol)を、4N塩酸(15mL,0.1M)/ジオキサンに溶解して、rtで一晩撹拌した。溶媒を減圧蒸発させ、粗製残留物にDEEを加えてトリチュレートし、表題化合物を白色固体として得た(1.26g,収率84%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.25 (s, 1H), 11.12 (s, 1H), 7.87-7.73 (m, 1H), 7.48 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.11 (dd, J = 12.7 and 5.4 Hz, 1H), 5.00 (s, 2H), 2.96-2.82 (m, 1H), 2.72-2.54 (m, 2H), 2.11-1.98 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 173.27, 170.39, 169.98, 167.21, 165.64, 155.60, 137.23, 133.72, 120.33, 116.78, 116.23, 65.44, 49.25, 31.41, 22.43.
【0085】
一般方法IV:HATU媒介性アミド化反応
Tert-ブチル (6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(T)
表題化合物を、Bradner, J.ら(U.S.Pat.Appl.Publ., US20160176916) に記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコに、乾燥THF(1.5mL)中の2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(E3LB-2)(0.020g,0.060mmol,1.0equiv)、tert-ブチル(6-アミノヘキシル)カルバメート(0.014g,0.066mmol,1.1equiv)およびDIPEA(0.02mL,0.120mmol,2.0equiv) の撹拌した溶液に、HATU(0.027g,0.072mmol,1.20equiv)を加えた。rtで終夜、撹拌を継続した。反応混合物を蒸発乾固させ、粗製残留物を、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、6:4)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.02g,62%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.80 (s, 1H), 7.77 (dd, J = 8.4, 7.4 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.51-7.44 (m, 1H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.01 (dd, J = 12.3, 5.5 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 3.52-3.29 (m, 2H), 3.23-3.02 (m, J = 18.9 Hz, 2H), 3.00-2.79 (m, 3H), 2.26-2.14 (m, 1H), 1.65-1.57 (m, 2H), 1.54-1.35 (m, 15H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.03, 168.12, 166.64, 166.61, 166.05, 156.21, 154.52, 137.05, 133.60, 119.55, 118.20, 117.41, 87.18, 68.05, 49.34, 40.62, 39.09, 31.49, 30.01, 29.05, 28.43 (3C), 26.50 (2C), 22.68.
【0086】
Tert-ブチル(8-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)オクチル)カルバメート(U)
表題化合物を、Remillard, D.ら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2017, 56, 5738-5743)に記述した方法に従って製造することができる。乾燥DMF(3.0mL)中の2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(E3LB-2)(0.250g,0.752mmol)、tert-ブチル(8-アミノオクチル)カルバメート(0.202g,0.827mmol)、DIPEA(0.26mL,1.505mmol)およびHATU(0.343g,0.903mmol)を用いて、一般手順IV(4h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、85:15~70:30)で精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.140g,33%の収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 8.46 (s, 1H), 7.77 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.99 (dd, J = 12.1, 5.4 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 4.62 (s, 1H), 3.39 (dd, J = 12.9, 6.7 Hz, 2H), 3.20-3.04 (m, 2H), 3.02-2.73 (m, 3H), 2.25-2.11 (m, 1H), 1.71-1.57 (m, 4H), 1.46 (s, 11H), 1.37-1.27 (m, 6H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.81, 167.94, 166.63, 166.57, 165.95, 156.05, 154.51, 137.05, 133.59, 119.47, 118.12, 117.38, 68.00, 49.34, 39.18 (2C), 31.50, 30.01, 29.24, 29.15, 29.13, 28.43 (3C), 26.92, 26.68, 26.63, 22.58.
【0087】
Tert-ブチル(10-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)デシル)カルバメート(V)
乾燥THF(5.0mL)中の2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(E3LB-2)(0.250g,0.752mmol)、tert-ブチル(10-アミノデシル)カルバメート(0.205g,0.752mmol)、DIPEA(0.25mL,1.505mmol)およびHATU(0.343g,0.903mmol)を用いて、一般手順IV(終夜)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(1回目:DCM/アセトン、80:20、2回目:DCM/MeOH、96:4)で2回精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.220g,50%収率)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.25 (bs, 1H), 7.83-7.74 (m, 1H), 7.58 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.43-7.36 (m, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.99 (dd, J = 12.3 and 5.2 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 4.57 (s, 1H), 3.46-3.32 (m, 2H), 3.19-3.04 (m, 2H), 3.02-2.72 (m, 3H), 2.29-2.08 (m, 1H), 1.71-1.55 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.42-1.20 (m, 12H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.56, 170.69, 167.85, 166.61, 166.53, 165.93, 154.52, 137.06, 133.58, 119.45, 118.09, 117.37, 68.01, 49.31, 40.59, 39.24, 31.47, 30.05, 29.45, 29.42, 29.34, 29.24, 29.22, 28.44 (3C), 26.79, 26.73, 22.58.
【0088】
Tert-ブチル(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカン-14-イル)カルバメート(Y)
乾燥THF(2.5mL)中の2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(E3LB-2)(0.129g,0.388mmol)、tert-ブチル(14-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカ-1-イル)カルバメート(0.130g,0.388mmol)、DIPEA(0.132mL,0.776mmol)およびHATU(0.177g,0.466mmol)を、一般手順IV(終夜)を行い、SiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.124g,49%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.90 (bs, 1H), 7.77 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.68 (bs, 1H), 7.58 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.23 (bs, 1H), 4.98 (dd, J = 11.9 and 5.3 Hz, 1H), 4.67 (s, 2H), 3.79-3.55 (m, 14H), 3.31 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 2.99-2.69 (m, 3H), 2.27-2.11 (m, 1H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.27, 168.28, 166.92, 166.65, 165.83, 156.10, 154.44, 137.03, 133.64, 119.40, 118.02, 117.31, 79.24, 70.34 (2C), 70.28 (2C), 70.23, 69.43, 67.88, 55.75, 43.68, 39.11, 31.38, 28.42 (3C), 22.71.
【0089】
N-(6-アミノヘキシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド ヒドロクロリド(Z)
tert-ブチル(6-(2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(T)(0.090g,0.169mmol)および4N塩酸/ジオキサン(1.0mL)を用いて、一般手順II(終夜)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.070g,89%収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.84 (dd, J = 8.4 and 7.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.16 (dd, J = 12.5 and 5.5 Hz, 1H), 4.79 (s, 2H), 3.40-3.34 (m, 2H), 2.98-2.63 (m, 5H), 2.23-2.12 (m, 1H), 1.72-1.58 (m, 4H), 1.50-1.39 (m, 4H).
【0090】
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド ヒドロクロリド(AA)
tert-ブチル(8-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)オクチル)カルバメート(U)(0.116g,0.208mmol)および4N塩酸/ジオキサン(1.1mL)を用いて、一般手順II(4h)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.096g,収率93%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.83 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.16 (dd, J = 12.5, 5.5 Hz, 1H), 4.78 (s, 2H), 3.00-2.67 (m, 5H), 2.25-2.12 (m, 1H), 1.73-1.54 (m, 4H), 1.47-1.37 (m, 10H).
【0091】
N-(10-アミノデシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド ヒドロクロリド(AB)
tert-ブチル(10-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)デシル)カルバメート(V)(0.210g,0.358mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(5h)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.175g,収率93%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.07 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.88-7.80 (m, 1H), 7.56 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.16 (dd, J = 12.6, 5.4 Hz, 1H), 4.78 (s, 2H), 3.00-2.68 (m, 5H), 2.26-2.11 (m, 1H), 1.75-1.53 (m, 4H), 1.47-1.27 (m, 12H).
【0092】
N-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド ヒドロクロリド(AC)
tert-ブチル(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(W)(Bradner, J.et al. U.S.Pat.Appl.Publ., US20160176916に記述された方法に従って合成した)(0.125g,0.222mmol)および4N HCl/ジオキサン(1.0mL)を用いて、一般手順II(終夜)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.076g,収率70%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.83 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.16 (dd, J = 12.7, 5.5 Hz, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.77-3.63 (m, 8H), 3.54 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.18-3.10 (m, 2H), 2.99-2.66 (m, 3H), 2.25-2.13 (m, 1H).
【0093】
N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドヒドロクロリド(AD)
tert-ブチル(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカン-14-イル)カルバメート(Y)(0.145g,0.239mmol)および4N塩酸/ジオキサン(1.0mL)を用いて、一般手順II(終夜)を行い、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.104g,80%の収率)。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.95-7.77 (m, 1H), 7.67-7.54 (m, 1H), 7.51-7.38 (m, 1H), 5.23-5.11 (m, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.59-3.49 (m, 2H), 3.33 (s, 4H), 3.14 (s, 2H), 3.04-2.62 (m, 3H), 2.29-2.06 (m, 1H).
【0094】
スキーム5.実施例7~11の合成
【化30】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)ヘキシル)アセトアミド(実施例7)
乾燥DMF(1.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.023g,0.064mmol)、N-(6-アミノヘキシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドヒドロクロリド(Z)(0.030g,0.064mmol)、DIPEA(0.044mL,0.257mmol)およびHATU(0.030g,0.080mmol)を用いて、一般手順III(16h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.002g,収率4.6%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.03 (bs, 1H), 7.82-7.73 (m, 1H), 7.65-7.47 (m, 3H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.14 (bs, 1H), 6.99 (dd, J = 16.7, 9.1 Hz, 1H), 6.93 (s, 1H), 4.99 (dd, J = 12.1, 5.3 Hz, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 3.91-3.80 (m, 4H), 3.59-3.50 (m, 4H), 3.50-3.22 (m, 4H), 3.03-2.70 (m, 3H), 2.24-2.09 (m, 1H), 1.53-1.16 (m, 8H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C36H38F2N6O9Sについての計算値 769.24618, 実測値 769.24848.
【0095】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(8-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)オクチル)アセトアミド(実施例8)
乾燥DMF(2.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.032g,0.091mmol)、N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドヒドロクロリド(AA)(0.045g,0.091mmol)、DIPEA(0.062mL,0.363mmol)およびHATU(0.043g,0.114mmol)を用いて、一般手順III(16h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、75:25)で精製して、表題化合物を黄色固体として得た(0.012g,収率17%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.66 (bs, 1H), 7.76 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.66-7.53 (m, 2H), 7.49-7.39 (m, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.08-6.90 (m, 3H), 4.98 (dd, J = 12.0, 5.0 Hz, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 3.94-3.78 (m, 4H), 3.60-3.47 (m, 4H), 3.40-3.25 (m, 4H), 3.02-2.73 (m, 3H), 2.26-2.12 (m, 1H), 1.56-1.47 (m, 2H), 1.45-1.28 (m, 10H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.91, 170.82, 168.05, 167.97, 166.64, 166.57, 165.99, 154.51, 150.69 (dd, J = 251.69 and 11.5 Hz), 146.51-146.44 (m) , 144.19 (dd, J = 47.3, 14.0 Hz), 144.63 (d, J = 10.6 Hz), 137.04, 133.60, 125.25 (d, J = 3.5 Hz), 124.47 (dd, J = 7.6, 4.3 Hz), 119.47, 118.14, 117.38, 112.41 (d, J = 17.1 Hz), 106.11, 72.41 (d, J = 5.1 Hz), 68.01, 66.13 (2C), 49.34, 48.55 (2C), 39.16, 39.10, 31.49, 29.44, 29.23, 29.13, 29.06, 26.70, 26.68, 22.59. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C38H42F2N6O9Sについての計算値 797.27748, 実測値 797.27834.
【0096】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(10-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)デシル)アセトアミド(実施例9)
乾燥DMF(1.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.031g,0.086mmol)、N-(10-アミノデシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドヒドロクロリド(AB)(0.045g,0.086mmol)、DIPEA(0.059mL,0.344mmol)およびHATU(0.041g,0.107mmol)を用いて、一般手順III(6h)を行い、SiO(DCM/MeOH,97:3)上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.041g,58%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.42 (s, 1H), 7.77 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.69-7.48 (m, 2H), 7.40 (s, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13-6.96 (m, 2H), 6.94 (s, 1H), 4.98 (dd, J = 5.1, 12.2 Hz, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.04-3.71 (m, 4H), 3.71-3.45 (m, 4H), 3.35 (dq, J = 6.2, 6.7, 20.5 Hz, 4H), 3.12-2.68 (m, 3H), 2.27-2.03 (m, 1H), 1.55-1.44 (m, 4H), 1.44-1.16 (m, 12H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.77 (2C), 167.90 (2C), 166.61, 166.55, 165.95, 154.51, 150.71 (dd, J = 11.5, 251.2 Hz), 146.39 (d, J = 2.5 Hz), 144.62 (d, J = 9.7 Hz), 144.17 (dd, J = 14.1, 247.4 Hz), 137.05, 133.58, 125.18 (d, J = 2.8 Hz), 124.47 (dd, J = 4.0, 7.7 Hz), 119.46, 118.09, 117.37, 112.38 (d, J = 17.1 Hz), 106.06, 72.40 (d, J = 5.2 Hz), 68.01, 66.12 (2C), 49.32, 48.56 (2C), 39.25, 39.08, 31.47, 29.46, 29.41, 29.40, 29.33, 29.21, 29.20, 26.79, 26.77, 22.58. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C40H46F2N6O9Sについての計算値 825.30878, 実測値 825.30942.
【0097】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エトキシ)エトキシ)エチル)アセトアミド(実施例10)
乾燥DMF(2.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.025g,0.070mmol)、N-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドヒドロクロリド(AC)(0.035g,0.070mmol)、DIPEA(0.048mL,0.280mmol)およびHATU(0.033g,0.087mmol)を用いて、一般手順III(16h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.009g,17%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.75 (bs, 1H), 7.75 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.68-7.52 (m, 3H), 7.40 (bs, 1H), 7.18 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.07-6.91 (m, 2H), 4.96 (dd, J = 11.7, 5.1 Hz, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.58 (s, 2H), 3.94-3.80 (m, 4H), 3.79-3.63 (m, 8H), 3.60-3.43 (m, 8H), 2.97-2.64 (m, 3H), 2.22-2.10 (m, 1H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C36H38F2N6O11Sについての計算値 801.23601, 実測値 801.23745.
【0098】
2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-N-(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカン-14-イル)アセトアミド(実施例11)
乾燥DMF(2.0mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.033g,0.092mmol)、N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドヒドロクロリド(AD)(0.050g,0.092mmol)、DIPEA(0.063mL,0.368mmol)およびHATH(0.043g,0.115mmol)を用いて、一般手順III(16h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.012g,16%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.96 (bs, 1H), 7.75 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.70-7.59 (m, 2H), 7.55 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.46 (bs, 1H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.98 (dd, J = 16.7, 9.0 Hz, 1H), 4.92 (dd, J = 12.1, 5.3 Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.56 (s, 2H), 3.90-3.82 (m, 4H), 3.71-3.47 (m, 20H), 2.92-2.61 (m, 3H), 2.19-2.07 (m, 1H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C38H42F2N6O12Sについての計算値 845.26222, 実測値 845.26303.
【0099】
スキーム6.実施例12~14の合成
【化31】
【0100】
一般手順V:ミツノブ反応
Tert-ブチル (2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(AE)
DIAD(0.087mL,0.442mmol,1.1equiv)を、乾燥THF(5.0mL)中の2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.120g,0.402mmol,1.0equiv)、tert-ブチル(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(0.110g,0.442mmol、1.1equiv)およびPPh(0.116g,0.442mmol,1.1equiv)の氷冷溶液にゆっくりと添加した。この溶液を、0℃で30分撹拌した後、rtで16時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、EA(10mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮し、粗製残留物を得た。これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/EA,9:1から8:2)で精製して、表題化合物を黄色油として得た(0.100g,収率70%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.89 (ddd, J = 8.8, 6.3, 2.3 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.00-6.88 (m, 1H), 5.10-4.94 (m, 1H), 4.35-4.24 (m, 2H), 3.92-3.79 (m, 6H), 3.72-3.61 (m, 4H), 3.60-3.48 (m, 6H), 3.39-3.25 (m, 2H), 1.43 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 169.71, 155.99, 150.35 (dd, J = 11.6, 249.5 Hz), 145.52, 144.65 (dd, J = 13.6, 246.2 Hz), 125.04 (d, J = 2.1 Hz), 123.84 (dd, J = 4.0, 7.8 Hz), 111.42 (d, J = 17.0 Hz), 107.47, 79.17, 72.56 (d, J = 6.0 Hz), 70.46, 70.34, 70.30 (2C), 66.22 (2C), 48.60 (2C), 40.35, 28.39 (3C).
【0101】
Tert-ブチル(2-(2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(AF)
乾燥THF(5.0mL)中のDIAD(0.087mL,0.442mmol)、2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.120g,0.402mmol)、tert-ブチル(2-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(0.130g,0.442mmol)およびPPh(0.116g,0.442mmol)を用いて、一般手順Vを行い、表題化合物を黄色油として得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/EA,7:3)で精製した後、rtで静置すると固化した(0.148g,93%の収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.90 (ddd, J = 8.9, 6.3, 2.3 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 6.99-6.90 (m, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.36-4.26 (m, 2H), 3.93-3.82 (m, 6H), 3.75-3.59 (m, 8H), 3.58-3.49 (m, 6H), 3.39-3.25 (m, 2H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 169.70, 155.98, 150.35 (dd, J = 11.7, 249.5 Hz), 145.54, 144.63 (dd, J = 13.7, 246.3 Hz), 125.02 (d, J = 3.2 Hz), 123.83 (dd, J = 3.9, 7.8 Hz), 111.38 (d, J = 17.0 Hz), 107.48, 79.16, 72.60 (d, J = 6.0 Hz), 70.64, 70.60, 70.58, 70.28, 70.23 (2C), 66.21 (2C), 48.59 (2C), 40.35, 28.41 (3C).
【0102】
Tert-ブチル(14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(AG)
乾燥THF(2.0mL)中のDIAD(0.040mL,0.201mmol)、2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.05g,0.167mmol)、tert-ブチル(14-ヒドロキシ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(0.062g,0.184mmol)およびPPh(0.526g,0.201mmol)を用いて、一般手順Vを行い、フラッシュカラムクロマトグラフィー(最初はSiO上で、次にDCM/アセトン、95%)で二回精製して、表題化合物を白色の固体として得て(0.039g,37%収率)、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(1回目:SiO:DCM/アセトン、95:5~90:10、2回目:シリカRP-18:水/ACN、5:5)で二回精製して、表題化合物を白色固体として得た(収率0.039g)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.89 (ddd, J = 2.3, 6.3, 8.8 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.03-6.85 (m, 1H), 5.06 (s, 1H), 4.41-4.14 (m, 2H), 3.95-3.77 (m, 6H), 3.77-3.59 (m, 12H), 3.53 (q, J = 4.9, 5.3 Hz, 6H), 3.31 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 1.45 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 169.69, 155.99, 150.33 (dd, J = 11.7, 249.5 Hz), 145.53, 144.62 (dd, J = 13.7, 246.3 Hz), 125.00, 123.81 (dd, J = 4.0, 7.8 Hz), 111.36 (d, J = 17.0 Hz), 107.51, 79.15, 72.60 (d, J = 6.0 Hz), 70.65, 70.63, 70.59, 70.55, 70.52, 70.26, 70.23 (2C), 66.21 (2C), 48.59 (2C), 40.35, 28.42 (3C).
【0103】
2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AH)
Tert-ブチル(2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(AE)(0.100g,0.189mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(終夜)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.080g,収率91%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.49-7.40 (m, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.04 (dd, J = 16.9, 9.0 Hz, 1H), 4.25 (s, 1H), 3.86-3.50 (m, 18H), 3.02 (s, 2H).
【0104】
2-(2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AI)
tert-ブチル(2-(2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(AF)(0.140g,0.244mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(終夜)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.115g,93%収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.59 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.15 (dd, J = 16.8, 8.8 Hz, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.91 (s, 4H), 3.82 (s, 2H), 3.77-3.55 (m, 14H), 3.15 (s, 2H).
【0105】
4-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(実施例12)
乾燥DMF(0.6mL)中の2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AH)(0.044g,0.095mmol)、2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.024g,0.086mmol)およびDIPEA(0.044mL,0.256mmol)を用いて、一般手順I(6h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、9:1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(0.06g,54%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (s, 1H), 7.89 (ddd, J = 8.7, 6.3, 2.1 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.52-7.44 (m, 1H), 7.11 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.99-6.88 (m, 2H), 6.51 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.90 (dd, J = 12.1, 5.3 Hz, 1H), 4.40-4.24 (m, 2H), 3.98-3.81 (m, 6H), 3.79-3.62 (m, 6H), 3.59-3.38 (m, 6H), 2.96-2.65 (m, 3H), 2.19-2.03 (m, 1H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C32H33F2N5O8Sについての計算値 686.20907, 実測値 686.20855.
【0106】
4-((2-(2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(実施例13)
乾燥DMF(0.6mL)中の2-(2-(2-2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AI)(0.050g,0.098mmol)、2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(E3LB-1)(0.024g,0.086mmol)およびDIPEA(0.044mL,0.256mmol)を用いて、一般手順I(6h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン,9:1)で精製して、表題化合物を黄色固体として得た(0.034g,53%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (s, 1H), 7.88 (ddd, J = 8.7, 6.3, 2.1 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.52-7.44 (m, 1H), 7.11 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.98-6.87 (m, 2H), 6.49 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.91 (dd, J = 12.0, 5.3 Hz, 1H), 4.34-4.22 (m, 2H), 3.92-3.81 (m, 6H), 3.79-3.60 (m, 10H), 3.58-3.40 (m, 6H), 2.96-2.62 (m, 3H), 2.15-2.06 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.98, 169.73, 169.25, 168.29, 167.60, 150.36 (dd, J = 11.5, 249.7 Hz), 146.85, 145.64-145.34 (m), 144.64 (dd, J = 13.6, 246.2 Hz), 136.04, 132.49, 124.99 (d, J = 2.8 Hz), 123.84 (dd, J = 4.0, 7.8 Hz), 116.77, 111.66, 111.40 (d, J = 17.0 Hz), 110.27, 107.55, 72.65 (d, J = 6.0 Hz), 70.73 (3C), 70.57, 70.26, 69.54, 66.21 (2C), 48.86, 48.60 (2C), 42.42, 31.41, 22.77. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C34H37F2N5O9Sについての計算値 730.23528, 実測値 730.23653.
【0107】
N-(14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド(実施例14)
tert-ブチル(14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルバメート(AG)(0.039g,0.063mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(終夜)を行い、14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン-1-アミンヒドロクロリド(AJ)を白色固体として得た(0.034g,収率98%)。次いで、窒素雰囲気下において、乾燥DMF中の2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(E3LB-2)(0.023g,0.069mmol)、14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン-1-アミンヒドロクロリド(AJ)(0.035g,0.063mmol)およびDIPEA(0.035mL,0.205mmol)の溶液に、HATU(0.046g,0.08mmol)を加えて、混合物をrtで終夜撹拌した。反応混合物を、氷水に注ぎ、EA(10mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮し、粗製残留物を得て、これをHPLC(Agilent Tecnologies 1200;カラムEclipse XDB-C18 4.6x150mm(5μm);流速1.0mL/分;DAD 190-650nm;アイソクラティック溶離液ACN/HO 70:30)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(5.5mg,収率10%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.82 (s, 1H), 7.89 (ddd, J = 2.3, 6.2, 8.8 Hz, 1H), 7.82-7.70 (m, 1H), 7.70-7.61 (m, 1H), 7.56 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.04-6.85 (m, 1H), 4.99-4.81 (m, 1H), 4.66 (s, 2H), 4.42-4.20 (m, 2H), 3.91-3.79 (m, 6H), 3.79-3.44 (m, 20H), 3.01-2.67 (m, 3H), 2.28-2.01 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.94, 169.73, 168.03, 166.75, 166.60, 165.75, 154.40, 150.35 (dd, J = 11.6, 249.7 Hz), 145.63 - 145.21 (m), 144.63 (dd, J = 13.7, 246.2 Hz), 136.93, 133.68, 125.00, 123.82 (dd, J = 3.9, 7.9 Hz), 119.23, 118.04, 117.26, 111.42 (d, J = 17.0 Hz), 107.50, 72.62 (d, J = 5.9 Hz), 70.77, 70.48, 70.46 (2C), 70.35, 70.29, 70.20, 69.45, 67.83, 66.22 (2C), 49.28, 48.59 (2C), 39.09, 31.41, 22.72. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C38H43F2N5O12Sについての計算値 832.26698, 実測値 832.26587.
【0108】
スキーム7.VHL系のE3LB-3部分およびリンカー連結の合成
【化32】
Tert-ブチル(S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル)カルバメート(AK)
表題の化合物を、Kanak Rainaら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。水(10mL)およびEA(10mL)中の(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタナミン(例えば、Fluorochem社から入手)(3.98g,19.89mmol)およびNaHCO(1.25g,14.92mmol)の混合物に、温度を5℃に維持して(Boc)O(5.20g,23.87mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をろ過した。回収した固体を、ヘキサン(10mL)および水(10mL)の混合液に30分間懸濁した。該固体をろ過し、50℃のオーブンで乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た(5.41g,収率91%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.55-7.39 (m, 2H), 7.19 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.99-4.46 (m, 2H), 1.58-1.22 (m, 12H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 154.98, 143.26, 131.60 (2C), 127.60 (2C), 120.80, 79.61, 49.68, 28.36 (3C), 22.61.
【0109】
Tert-ブチル(S)-(1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバメート(AL)
表題の化合物を、Raina K.ら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、DMA(12.5mL)中の化合物tert-ブチル(S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル)カルバメート(AK)(5.00g,16.65mmol)、4-メチルチアゾール(例えば、Fluorochem社から入手)の混合物(3.30g,33.31mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.037g,0.166mmol)および酢酸カリウム(3.27g,33.31mmol)を、90℃で18時間撹拌した。冷却後、反応混合物をろ過した。濾液に水(60mL)を加えて、得られた混合物を、rtで4時間撹拌した。固体を濾過で回収し、50℃のオーブンで乾燥させて、表題の化合物(3.14g,収率74%)を灰色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.44-7.40 (m, 2H), 7.41-7.35 (m, 2H), 4.86 (bs, 2H), 2.56 (s, 3H), 1.50 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 155.06, 150.20, 148.48, 131.65, 130.72, 129.48 (2C), 127.60, 126.20 (2C), 79.60, 49.91, 28.39 (3C), 22.71, 16.11.
【0110】
(S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AM)
表題化合物を、Raina K.ら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。4N HCl/ジオキサン(10mL)の溶液を、tert-ブチル(S)-(1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバメート(AL)(3.00g,9.42mmol)に加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、残留物をDEEでトリチュレートして、ろ過し、60℃のオーブンで乾燥させて、表題生成物を淡黄色固体として得た(2.37g,収率99%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.19 (s, 1H), 8.78 (bs, 3H), 7.68 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.52-4.38 (m, 1H), 2.48 (s, 3H), 1.56 (d, J = 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 152.95, 147.68, 139.93, 131.97, 131.49, 129.64 (2C), 128.09 (2C), 50.11, 21.16, 16.03.
【0111】
メチル(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレートヒドロクロリド(AN)
表題の化合物を、Gmez-Bengoa E.ら(Chemistry 2010, 16, 5333-5342) の記述した方法に従って製造することができる。0℃で、(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(例えば、Fluorochem社から入手)(3.20g,24.4mmol)/乾燥MeOH(60.0mL)の撹拌された懸濁液に、窒素雰囲気下で、塩化チオニル(2.12mL,3.48g,29.2mmol)をゆっくりと滴加した。rtで終夜攪拌した後、溶媒を蒸発乾固させ、粗製残留物に、DEEを添加してトリチュレートし、ろ過して、乾燥させて表題の生成物を白色固体として得た(4.43g,収率100%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.78 (s, 2H), 5.58 (s, 1H), 4.48 (dd, J = 7.5, 10.8 Hz, 1H), 4.45-4.39 (m, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.39-3.34 (m, 1H), 3.11-3.01 (m, 1H), 2.26-2.01 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 169.54, 68.88, 57.87, 53.54, 53.47, 37.43.
【0112】
メチル(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(AO)
表題の化合物は、Raina K.ら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、(S)-2-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-3,3-ジメチルブタン酸(例えば、Fluorochem社から市販されている)(5.09g,22.02mmol)、メチル(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸塩(AN)(4.00g,22.02mmol)およびDIPEA(13.43mL,9.97g,77.08mmol)/乾燥DMF(40mL)の溶液に、HATU(9.20g,21.2mmol)を0℃で加えた。得られる混合物を、rtに昇温させて、16時間撹拌した。反応混合物を、水(200mL)に滴加し、EA(100mLx3)で抽出した。合わせた有機相を、水(100mLx3)、1N塩酸(100mLx2)、飽和NaHCO水溶液(100mLx2)、ブライン(100mLx2)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮して、表題の生成物を淡黄色油状物として得た(7.66g,収率98%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 5.27 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 4.71 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.21 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.14-4.01 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.78-3.68 (m, 1H), 2.30 (s, 1H), 2.45-.89 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 172.6, 171.2, 156.3, 80.0, 70.3, 58.7, 57.4, 56.3, 52.2, 37.6, 35.2, 28.3 (3C), 26.3 (3C).
【0113】
(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(AP)
表題の化合物を、Raina K.ら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。メチル(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(AO)(2.00g,5.58mmol)/THF(20mL)の溶液に、0℃で、水酸化リチウム一水和物(2.34g,55.79mmol)/水(10mL)の溶液を加えた。得られる混合物を、18時間室温で攪拌した。有機溶媒を減圧除去し、残留物を氷水(10mL)で希釈し、2N HCIでpH2~3までゆっくりと調整すると、固体が得られた。これを濾取して、水(6mL×2)で洗った後、50℃のオーブンで乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た(1.45g,収率75%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.10 (bs, 1H), 6.49 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 5.19 (bs, 1H), 4.33 (bs, 1H), 4.26 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.69-3.51 (m, 2H), 2.19-1.82 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 0.94 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 173.76, 170.41, 155.77, 78.56, 69.28, 58.64, 58.17, 56.49, 37.75, 35.83, 28.64 (3C), 26.67 (3C).
【0114】
Tert-ブチル ((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(AQ)
表題化合物を、Raina K.ら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、乾燥THF(20mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(AP)(1.40g,4.06mmol)、(S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AM)(1.04g,4.06mmol)およびDIPEA(2.12mL,1.57g,12.19mmol)の撹拌溶液に、0℃で、HATU(1.85g,4.88mmol)を加えた。得られた混合物をrtまで昇温させて、5時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去した。残留物に水(15mL)を加えて、得られた混合物を1時間撹拌した後、ろ過した。固体を回収し、50℃のオーブンで乾燥させた後、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン、75:25)で精製し、表題生成物を白色固体として得た(1.57g,収率71%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.62 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.45- 7.37 (m, 4H), 5.23 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.14- 5.02 (m, 1H), 4.82 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.22 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.58 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 2.83 (bs, 1H), 2.70- 2.59 (m, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.14-2.01 (m, 1H), 1.48 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.44 (s, 9H), 1.07 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.04, 169.45, 156.57, 150.29, 148.52, 143.14, 131.60, 130.91, 129.60 (2C), 126.43 (2C), 80.57, 70.09, 59.01, 58.10, 56.43, 48.89, 35.07, 34.68, 28.30 (3C), 26.47 (3C), 22.30, 16.10.
【0115】
(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(E3LB-3)
表題の化合物を、Raina K.ら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016, 113, 7124-7129) の記述した方法に従って製造することができる。4N塩酸/ジオキサンの溶液(6.0mL)を、tert-ブチル((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(AQ)(1.55g,2.85mmol)に加えて、混合物をrtで3時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、粗製残留物をDEEでトリチュレートしてろ過し、50℃のオーブンで乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た(1.36g,収率99%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.11 (s, 1H), 8.62 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.16 (s, 3H), 7.50-7.34 (m, 4H), 6.83 (s, 1H), 4.91 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 4.55 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 4.31 (s, 1H), 3.89 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 3.75 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.50 (dd, J = 3.7, 10.9 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.21-1.65 (m, 2H), 1.38 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.03 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 170.68, 167.08, 151.52, 147.47, 145.31, 131.96, 129.84, 129.32 (2C), 126.85 (2C), 69.35, 59.30, 58.51, 56.94, 48.24, 38.39, 34.85, 26.53 (3C), 22.97, 16.14.
【0116】
Tert-ブチル(4-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート(AR)
乾燥DMF(1.0mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(0.20g,0.416mmol)、4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(0.093g,0.458mmol)、DIPEA(0.29mL,1.666mmol)およびHATU(0.198g,0.521mmol)を用いて、一般手順III(1h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,99:1~96:4)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.16g,61%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.68 (s, 1H), 7.61 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.44-7.34 (m, 4H), 7.23 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.18-5.04 (m, 1H), 4.94 (s, 1H), 4.75 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 4.55-4.41 (m, 2H), 4.22-4.05 (m, 1H), 3.69-3.55 (m, 1H), 3.25-3.04 (m, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.46-2.34 (m, 1H), 2.33-2.06 (m, 3H), 1.85-1.65 (m, 2H), 1.49 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.43 (s, 9H), 1.09 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.76, 172.06, 170.01, 156.76, 150.31, 148.44, 143.38, 131.62, 130.78, 129.51 (2C), 126.46 (2C), 79.62, 70.13, 58.64, 58.54, 56.74, 48.80, 39.40, 36.00, 34.74, 32.96, 28.40 (3C), 26.66, 26.56 (3C), 22.20, 16.08.
【0117】
Tert-ブチル(5-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)カルバメート(AS)
乾燥DMF(6.0mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(1.48g,3.08mmol)、5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(0.735g,3.38mmol)、DIPEA(2.14mL,12.31mmol)およびHATU(1.46g,3.85mmol)を用いて、一般手順III(2h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~95:5)で精製して、表題化合物を、白色固体として得た(1.60g,81%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.69 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.41 (q, J = 8.5 Hz, 4H), 6.31 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.18-5.04 (m, 1H), 4.76 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 4.58 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.53 (bs, 1H), 4.13 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.62 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.41 (bs, 1H), 3.18-3.00 (m, 2H), 2.55 (s, 4H), 2.33-2.04 (m, 3H), 1.72-1.57 (m, 2H), 1.55-1.38 (m, 14H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.59, 172.15, 169.63, 156.14, 150.28, 148.49, 143.15, 131.58, 130.88, 129.55 (2C), 126.45 (2C), 79.26, 70.06, 58.41, 57.69, 56.77, 48.84, 39.99, 35.73, 35.46, 34.95, 29.36, 28.44 (3C), 26.52 (3C), 22.59, 22.26, 16.10.
【0118】
Tert-ブチル(6-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート(AT)
乾燥DMF(1.0mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(0.250g,0.521mmol)、6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(0.132g,0.573mmol)、DIPEA(0.36mL,2.083mmol)およびHATU(0.247g,0.651mmol)を使用して、一般手順III(1h)を行い、SiO(DCM/MeOH,95:5)上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.213g,収率63%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.49 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.46-7.36 (m, 4H), 6.16 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.16-5.06 (m, 1H), 4.78 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 4.70 (bs, 1H), 4.58 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.17 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.79-3.56 (m, 1H), 3.29-2.99 (m, 3H), 2.55 (s, 3H), 2.31-2.05 (m, 3H), 1.56-1.40 (m, 16H), 1.37-1.24 (m, 2H), 1.07 (s, 9H).
【0119】
Tert-ブチル(7-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-7-オキソヘプチル)カルバメート(AU)
乾燥DMF(1.0mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(0.250g,0.521mmol)、7-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘプタン酸(0.14g,0.573mmol)、DIPEA(0.36mL,2.083mmol)およびHATU(0.247g,0.651mmol)を用いて、一般手順III(30分)を行い、SiO(DCM/MeOH,95:5)上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.244g,68%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.50 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.41 (q, J = 8.3 Hz, 4H), 6.18 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.17-5.05 (m, 1H), 4.77 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.67-4.47 (m, 3H), 4.17 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.18-3.01 (m, 3H), 2.55 (s, 4H), 2.35-2.03 (m, 3H), 1.74-1.57 (m, 4H), 1.55-1.40 (m, 12H), 1.32 (s, 4H), 1.07 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.9 (2C), 172.2, 169.6, 150.3, 148.4, 143.2, 130.8, 129.6 (2C), 126.5 (2C), 109.6, 79.2, 70.0, 58.3, 57.6, 56.7, 48.8, 40.3, 36.2, 35.3, 34.8, 29.7, 28.4 (3C), 28.4, 26.5 (3C), 26.2, 25.3, 22.2, 16.0.
【0120】
Tert-ブチル(2-(2-(2-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(AW)
乾燥DMF(0.5mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(0.10g,0.208mmol)、tert-ブチル(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(0.06g,0.229mmol)、DIPEA(0.14mL,0.833mmol)およびHATU(0.099g,0.260mmol)を用いて、一般手順III(1h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3から95:5)で精製して、表題化合物を、白色固体として得た(0.072g,50%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.69 (s, 1H), 7.52 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.3 Hz, 4H), 5.94 (s, 1H), 5.21-5.06 (m, 1H), 4.66 (dd, J = 35.2, 26.9 Hz, 3H), 4.22-3.05 (m, 14H), 2.54 (s, 3H), 2.37-2.01 (m, 2H), 1.54-1.37 (m, 12H), 1.06 (s, 9H).
【0121】
(2S,4R)-1-((S)-2-(4-アミノブタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(AY)
tert-ブチル(4-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート(AR)(0.120g,0.190mmol)および4N塩酸/ジオキサン(1.2mL)を用いて、一般手順II(2h)を行い、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.10g,92%の収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 9.84 (s, 1H), 7.55 (dd, J = 16.3, 8.3 Hz, 4H), 5.04 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.63-4.53 (m, 2H), 4.46 (s, 1H), 3.95-3.88 (m, 1H), 3.79-3.71 (m, 1H), 2.99 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.52-2.43 (m, 2H), 2.24 (dd, J = 13.0, 7.6 Hz, 1H), 2.01-1.89 (m, 3H), 1.53 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.07 (s, J = 7.3 Hz, 9H).
【0122】
(2S,4R)-1-((S)-2-(5-アミノペンタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(AZ)
tert-ブチル(5-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)カルバメート(AS)(1.35g,2.09mmol)および4N塩酸/ジオキサン(10.0mL)を用いて、一般手順II(2h)を行い、表題化合物を白色固体として得た(1.11g,91%の収率)。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 10.03 (s, 1H), 7.57 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 5.10-5.01 (m, 1H), 4.73-4.56 (m, 2H), 4.46 (s, 1H), 3.91 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.33 (s, 1H), 3.02-2.84 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.48-2.33 (m, 2H), 2.33-2.23 (m, 1H), 2.00-1.90 (m, 1H), 1.80-1.68 (m, 4H), 1.53 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.05 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 172.12, 171.08, 169.96, 152.39, 147.48, 145.34, 131.97, 129.80, 129.29 (2C), 126.88 (2C), 69.19, 59.01, 56.88, 56.73, 48.17, 38.90, 38.20, 35.69, 34.70, 27.09, 26.94 (3C), 22.91, 22.80, 16.13.
【0123】
(2S,4R)-1-((S)-2-(6-アミノヘキサンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(BA)
tert-ブチル(6-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート(AT)(0.20g,0.304mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(1h)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.128g,71%の収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 10.06 (s, 1H), 7.57 (dd, J = 16.4, 7.8 Hz, 4H), 5.08-5.02 (m, 1H), 4.67-4.56 (m, 2H), 4.46 (s, 1H), 3.90 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.81-3.72 (m, 1H), 2.95 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.65 (s, 3H), 2.46-2.20 (m, 3H), 2.02-1.89 (m, 1H), 1.75-1.63 (m, 4H), 1.54 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.41 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.07 (s, 9H).
【0124】
(2S,4R)-1-((S)-2-(7-アミノヘプタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(BB)
tert-ブチル(7-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-7-オキソヘプチル)カルバメート(AU)(0.22g,0.327mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(1h)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.199g,100%収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 9.82 (s, 1H), 7.74-7.26 (m, 4H), 5.04 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.64 (s, 1H), 4.60 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 4.46 (s, 1H), 3.90 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.84-3.71 (m, 1H), 2.94 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.37-2.21 (m, 3H), 2.05-1.92 (m, 1H), 1.79-1.62 (m, 4H), 1.54 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.50-1.33 (m, 4H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ 175.86, 173.28, 172.25, 155.50, 147.60, 143.50, 136.81, 130.62 (2C), 128.52, 128.10 (2C), 70.96, 68.11, 60.53, 59.04, 57.98, 49.63, 40.64, 38.82, 36.44, 36.32, 29.58, 28.31, 27.03 (3C), 26.58, 22.40, 13.48.
【0125】
(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(3-アミノプロポキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(BC)
乾燥DMF(1.0mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(0.250g,0.521mmol)、2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロポキシ)酢酸(0.134g,0.573mmol)、DIPEA(0.36mL,2.083mmol)およびHATU(0.247g,0.651mmol)を用いて、一般手順III(30分)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5)で精製した後、tert-ブチル(3-(2-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)プロピル)カルバメート(AV)を白色固体として得た(0.215g,収率63%)。次に、tert-ブチル(3-(2-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)プロピル)カルバメート(AV)(0.210g,0.318mmol)および4N塩酸/ジオキサン(2.0mL)を用いて、一般手順II(1h)に従い、表題化合物を白色固体として得た(0.196g,100%の収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 9.88 (s, 1H), 7.55 (q, J = 8.4 Hz, 4H), 5.04 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 4.75-4.67 (m, 1H), 4.65-4.53 (m, 1H), 4.47 (s, 1H), 4.10 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 3.90 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.80-3.70 (m, 2H), 3.37 (s, 2H), 3.13 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.33-2.17 (m, 1H), 2.08-1.88 (m, 3H), 1.54 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.40 (dd, J = 4.3, 6.7 Hz, 2H), 1.07 (d, J = 6.9 Hz, 9H); 13C NMR (101 MHz, MeOD): δ 173.2, 172.4, 171.9, 156.4, 147.7, 143.1, 137.1, 130.6 (2C), 128.3, 128.1 (2C), 71.0, 70.4, 60.6, 58.6, 58.1, 50.2, 49.0, 39.4, 38.9, 36.8, 28.2, 26.9 (3C), 22.4, 13.3.
【0126】
(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(BD)
tert-ブチル(2-(2-(2-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(AW)(0.06g,0.087mmol)および4N塩酸/ジオキサン(1.0mL)を用いて、一般手順II(2h)を行い、表題化合物を白色固体として得た(0.054g,100%の収率)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 9.76 (s, 1H), 7.54 (q, J = 8.1 Hz, 4H), 5.10-5.00 (m, 1H), 4.75 (s, 1H), 4.66-4.53 (m, 1H), 4.46 (s, 1H), 4.20-3.96 (m, 2H), 3.88 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.82-3.72 (m, 8H), 3.27-3.16 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 2.34-2.23 (m, 1H), 2.00-1.87 (m, 1H), 1.55 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.11-1.01 (m, 9H).
【0127】
スキーム8.実施例15~20の合成
【化33】
【0128】
(2S,4R)-1-((S)-2-(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例15)
乾燥DMF(0.6mL)中の(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.035g,0.089mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(4-アミノブタナミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(AY)(0.05g,0.089mmol)、DIPEA(0.062mL,0.356mmol)およびHATU(0.042g,0.111mmol)を用いて、一般手順III(3h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~95:5)で精製し、表題の化合物を白色固体として得た(0.046g,60%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.69 (s, 1H), 7.62-7.55 (m, 1H), 7.49 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.40 (q, J = 8.3 Hz, 4H), 7.27-7.24 (m, 1H), 7.01 (dd, J = 16.6, 9.0 Hz, 1H), 6.95-6.89 (m, 2H), 5.16-5.02 (m, 1H), 4.78 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.53 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.47 (s, 1H), 4.15 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.92-3.79 (m, 4H), 3.63-3.40 (m, 8H), 3.36-3.24 (m, 1H), 2.63-2.51 (m, 4H), 2.33-2.17 (m, 2H), 2.12-2.03 (m, 1H), 1.89-1.77 (m, 1H), 1.48 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.07 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.03, 172.34, 170.98, 169.59, 168.90, 150.73 (dd, J = 251.3, 11.4 Hz), 150.28, 148.51, 146-73-146.38 (m), 144. 58 (dd, J = 8.9, 1.6 Hz,), 144.21 (dd, J = 247.3, 14.1 Hz,), 143.17, 131.61, 130.87, 129.57 (2C), 126.46 (2C), 125.34 (d, J = 3.4 Hz,), 124.52 (dd, J = 7.7, 3.8 Hz), 112.54 (d, J = 17.1 Hz), 106.25, 72.36 (d, J = 5.2 Hz), 70.11, 66.11 (2C), 58.25, 58.09, 56.75, 48.85, 48.55 (2C), 37.82, 35.35, 34.80, 32.93, 26.54 (3C), 25.89, 22.22, 16.10. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C42H51F2N7O7S2についての計算値 868.33322, 実測値 868.3327.
【0129】
(2S,4R)-1-((S)-2-(5-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ペンタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例16)
乾燥DMF(7.5mL)中の(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.67g,1.71mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(5-アミノペンタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2カルボキサミドヒドロクロリド(AZ)(0.99g,1.71mmol)、DIPEA(1.19mL,6.82mmol)およびHATU(0.81g,2.13mmol)を用いて、一般手順III(4h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン/MeOH,60:37:3)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.604g,40%の収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.60 (ddd, J = 8.5, 6.0, 2.1 Hz, 1H), 7.48-7.34 (m, 5H), 7.12 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.05-6.92 (m, 2H), 6.32 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.15-5.05 (m, 1H), 4.75 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.66-4.53 (m, 3H), 4.49 (bs, 1H), 4.11 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.90-3.80 (m, 4H), 3.59 (dd, J = 11.4, 3.5 Hz, 1H), 3.55-3.46 (m, 4H), 3.45-3.17 (m, 3H), 2.61-2.50 (m, 4H), 2.39-2.21 (m, 2H), 2.07 (dd, J = 13.6, 8.3 Hz, 1H), 1.83-1.52 (m, 4H), 1.48 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.34, 172.25, 170.85, 169.54, 168.31, 150.64 (dd, J = 251.3, 11.3 Hz), 150.26, 148.50, 146.40 (d, J = 1.7 Hz), 144.69-144.42 (m), 144.19 (dd, J = 247.5, 14.0 Hz), 143.11, 131.58, 130.88, 129.56 (2C), 126.41 (2C), 125.32 (d, J = 3.4 Hz), 124.48 (dd, J = 7.7, 3.9 Hz), 112.49 (d, J = 17.1 Hz), 106.25, 72.29 (d, J = 5.0 Hz), 70.03, 66.13 (2C), 58.24, 57.67, 56.72, 48.86, 48.55 (2C), 38.35, 35.47, 35.35, 34.92, 28.73, 26.51 (3C), 22.40, 22.24, 16.10. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C43H53F2N7O7S2についての計算値 882.34887, 実測値 882.3458.
【0130】
(2S,4R)-1-((S)-2-(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキサンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例17)
乾燥DMF(0.5mL)中の(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.036g,0.102mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(6-アミノヘキサンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(BA)(0.061g,0.102mmol)、DIPEA(0.07mL,0.407mmol)およびHATU(0.048g,0.127mmol)を用いて、一般手順III(1.5h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~96:4)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.024g,26%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.69 (s, 1H), 7.60 (ddd, J = 8.6, 6.0, 2.3 Hz, 1H), 7.50-7.34 (m, 5H), 7.08-6.97 (m, 2H), 6.95 (s, 1H), 6.16 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.10 (p, J = 7.3 Hz, 1H), 4.76 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.61-4.54 (m, 3H), 4.51 (s, 1H), 4.12 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.89-3.81 (m, 4H), 3.58 (dd, J = 11.4, 3.5 Hz, 1H), 3.55-3.50 (m, 4H), 3.32 (dd, J = 14.2, 7.1 Hz, 2H), 3.22-3.12 (m, 1H), 2.61-2.50 (m, 4H), 2.31-2.16 (m, 2H), 2.14-2.04 (m, 1H), 1.69-1.59 (m, 2H), 1.57-1.46 (m, 5H), 1.39-1.26 (m, 2H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.50, 172.22, 170.85, 169.57, 169.47, 168.04, 150.67 (dd, J = 251.3, 11.4 Hz), 150.26, 148.51, 146.52 (dd, J = 6.4, 1.7 Hz), 144.18 (dd, J = 246.8, 14.7 Hz), 143.13, 131.57, 130.90, 129.57 (2C), 126.42 (2C), 125.31 (d, J = 3.6 Hz), 124.49 (dd, J = 7.7, 3.8 Hz), 112.46 (d, J = 17.1 Hz), 106.16, 72.37 (d, J = 5.2 Hz), 70.01, 66.13 (2C), 58.27, 57.58, 56.71, 48.86, 48.54 (2C), 38.87, 36.15, 35.41, 34.87, 29.20, 26.50 (3C), 26.18, 25.07, 22.25, 16.11. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C44H55F2N7O7S2についての計算値 896.36452, 実測値 896.3645.
【0131】
(2S,4R)-1-((S)-2-(7-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘプタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例18)
乾燥DMF(0.5mL)中の(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.036g,0.100mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(7-アミノヘプタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(BB)(0.061g,0.100mmol)、DIPEA(0.069mL,0.401mmol)およびHATU(0.048g,0.127mmol)を用いて、一般手順III(1h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/アセトン/MeOH,60:40:1.5)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.045g,49%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.68 (s, 1H), 7.60 (ddd, J = 2.2, 6.0, 8.6 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.47-7.34 (m, 4H), 7.10-6.81 (m, 3H), 6.28 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.09 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 4.73 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 4.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.56 (s, 2H), 4.50 (s, 1H), 4.07 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.89-3.80 (m, 4H), 3.76-3.66 (m, 1H), 3.61 (dd, J = 3.6, 11.3 Hz, 1H), 3.54-3.47 (m, 4H), 3.30 (q, J = 5.9 Hz, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.50 - 2.40 (m, 1H), 2.32-2.01 (m, 3H), 1.69-1.49 (m, 4H), 1.48 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.38-1.28 (m, 4H), 1.05 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.50, 171.99, 170.78, 169.83, 167.99, 150.62 (dd, J = 11.5, 251.1 Hz), 150.30, 148.45, 146.93-146.03 (m), 144.57 (dd, J = 1.5, 9.1 Hz), 144.16 (dd, J = 14.0, 247.2 Hz), 143.24, 131.58, 130.83, 129.52 (2C), 126.43 (2C), 125.28 (d, J = 3.4 Hz), 124.48 (dd, J = 4.0, 7.7 Hz), 114.06, 112.43 (d, J = 17.1 Hz), 106.14, 72.34 (d, J = 5.1 Hz), 69.90, 66.12, 58.48, 57.46, 56.74, 53.85, 48.80, 48.52, 38.89, 36.19, 35.69, 35.12, 29.15, 28.44, 26.51 (3C), 26.31, 25.34, 22.24, 16.09. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C45H57F2N7O7S2についての計算値 910.38017, 実測値 910.3802.
【0132】
(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(3-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)プロポキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例19)
乾燥DMF(0.5mL)中の(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.035g,0.098mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(3-アミノプロポキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(BC)(0.059g,0.098mmol)、DIPEA(0.069mL,0.395mmol)およびHATU(0.048g,0.127mmol)を用いて、一般手順III(1h)を行い、SiO(DCM/MeOH,95:5)のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.09g,53%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.68 (s, 1H), 7.61 (ddd, J = 2.2, 6.0, 8.7 Hz, 1H), 7.45-7.32 (m, 5H), 7.25 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.03-6.96 (m, 1H), 6.96 (s, 1H), 5.07 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 4.71 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 4.63-4.53 (m, 3H), 4.50 (s, 1H), 4.04-3.87 (m, 3H), 3.86-3.78 (m, 4H), 3.67-3.53 (m, 4H), 3.53-3.48 (m, 4H), 3.46 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.54-2.45 (m, 1H), 2.12-1.98 (m, 1H), 1.87 (p, J = 6.5 Hz, 2H), 1.47 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.45, 170.78, 169.97, 169.69, 168.21, 150.61 (dd, J = 251.3, 11.4 Hz), 150.32, 148.47, 146.40-146.32 (m), 144.56 (dd, J = 9.1, 1.4 Hz), 144.22 (dd, J = 247.1, 14.0 Hz), 143.16, 131.60, 130.85, 129.54 (2C), 126.43 (2C), 125.35 (d, J = 3.4 Hz), 124.53 (dd, J = 7.7, 4.0 Hz), 112.56 (d, J = 17.0 Hz), 106.19, 72.34 (d, J = 4.9 Hz), 70.12, 70.03, 69.21, 66.11 (2C), 58.42, 56.96, 56.61, 48.87, 48.54 (2C), 36.18, 35.54, 35.36, 29.45, 26.47 (3C), 22.22, 16.09. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C43H53F2N7O8S2についての計算値 898.34379, 実測値 898.3438.
【0133】
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-14-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)-4,13-ジオキソ-6,9-ジオキサ-3,12-ジアザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例20)
乾燥DMF(0.6mL)中の(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)酢酸(E)(0.026g,0.072mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(BD)(0.045g,0.072mmol)、DIPEA(0.05mL,0.287mmol)およびHATU(0.034g,0.089mmol)を用いて、一般手順III(3h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3~95:5)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.038g,57%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.79-7.67 (m, 2H), 7.42 (dt, J = 24.5, 8.6 Hz, 5H), 7.23 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.07-6.92 (m, 2H), 5.09 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 4.66-4.53 (m, 4H), 4.49 (s, 1H), 4.10-3.92 (m, 3H), 3.89-3.80 (m, 4H), 3.80-3.55 (m, 9H), 3.54-3.45 (m, 4H), 2.90 (s, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.50-2.38 (m, 1H), 1.98-1.86 (m, 1H), 1.49 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.35, 170.59, 170.29, 169.63, 168.34, 150.47 (dd, J = 251.0, 11.4 Hz), 150.31, 148.55, 145.91-145.78 (m), 144.43 (d, J = 8.4 Hz), 144.26 (dd, J = 246.8, 14.0 Hz), 143.00, 131.56, 130.98, 129.60 (2C), 126.46 (2C), 125.25 (d, J = 3.5 Hz), 124.64-124.40 (m), 112.63 (d, J = 17.0 Hz), 106.39, 72.29 (d, J = 4.6 Hz), 71.31, 70.44, 70.35, 70.10, 70.08, 66.14 (2C), 58.44, 56.91, 56.72, 48.86, 48.53 (2C), 39.18, 35.75, 35.57, 26.52 (3C), 21.98, 16.12. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C44H55F2N7O9S2についての計算値 928.35435, 実測値 928.3540.
【0134】
スキーム9.実施例21の合成
【化34】
エチル 8-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)オクタノエート(BE)
ACN(3.0mL)中の2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.1g,0.335mmol)の溶液に、KCO(0.115g,0.834mmol)および8-ブロモオクタノエートエチル(例えば、Fluorochem社から入手)(0.084g,0.335mmol)を加え、混合物をrtで終夜撹拌した。その後、溶媒を減圧蒸発させ、粗残留物を水(10mL)で希釈し、EA(5mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(10mL)で洗い、NaSO上で乾燥させた後、減圧濃縮して、黄色油状物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA、95:5~8:2)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.135g,収率86%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.80 (ddd, J = 8.8, 6.3, 2.3 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.90 (td, J = 9.2, 7.4 Hz, 1H), 2.29 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.84-1.74 (m, 2H), 1.63 (dd, J = 14.6, 7.3 Hz, 2H), 1.51-1.31 (m, 6H), 1.25 (t, J = 7.1 Hz, 3H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.80, 169.86, 150.52 (dd, J = 249.4, 11.7 Hz), 146.11-146.03 (m), 144.50 (d, J = 2.7 Hz), 144.65 (dd, J = 246.3, 13.7 Hz), 125.11-125.01 (m), 123.80 (dd, J = 8.0, 4.0 Hz), 111.12 (d, J = 17.1 Hz), 106.34, 74.12 (d, J = 5.6 Hz), 66.22 (2C), 60.20, 48.57 (2C), 34.33, 30.21, 29.04, 28.96, 25.67 (2C), 24.89, 14.27. HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C44H56F2N6O6S2についての計算値 889.35630, 実測値 889.35713.
【0135】
8-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)オクタン酸(BF)
EtOH(1.0mL)中の8-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)オクタン酸エチル(BE)(0.095g,0.203mmol)の溶液に、1M NaOH水溶液(1.0mL,1.014mmol)を加え、混合物を還流で4時間撹拌した。冷却後、混合物を氷水に注ぎ、2N HCIを用いてゆっくりとpHを2に調整し、反応混合物をEA(15mLx3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mLx2)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮し、表題化合物を白色固体として得た(0.072g,収率81%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.79 (ddd, J = 8.9, 6.3, 2.4 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 6.90 (td, J = 9.2, 7.4 Hz, 1H), 4.13-4.03 (m, 2H), 3.90-3.79 (m, 4H), 3.58-3.46 (m, 4H), 2.35 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.85-1.72 (m, 2H), 1.71-1.56 (m, 2H), 1.51-1.33 (m, 6H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 178.64, 169.92, 150.54 (dd, J = 249.5, 11.7 Hz), 146.15-146.02 (m), 144.74, 144.67 (dd, J = 246.4, 13.5 Hz), 125.09 (d, J = 3.6 Hz), 123.82 (dd, J = 7.9, 3.9 Hz), 111.14 (d, J = 17.1 Hz), 106.38, 74.11 (d, J = 5.6 Hz), 66.22 (2C), 48.57 (2C), 33.78, 30.19, 28.94, 28.91, 25.65, 24.59.
【0136】
(2S,4R)-1-((S)-2-(8-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)オクタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例21)
窒素雰囲気下において、乾燥DMF(0.5mL)中の8-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)オクタン酸(BF)(0.018g,0.041mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(E3LB-3)(0.020g,0.041mmol)およびDIPEA(0.029mL,0.166mmol)の攪拌溶液に、HATU(0.0197g,0.051mmol)を加えて、撹拌を終夜室温で続けた。反応混合物を、氷水(10mL)に注ぎ、沈殿物を得て、これを濾取して、乾燥させた後、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.018g,収率51%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.74 (s, 1H), 7.85-7.77 (m, 1H), 7.48-7.35 (m, 5H), 7.24 (s, 1H), 6.93 (dd, J = 16.9, 8.4 Hz, 1H), 6.13 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.14-5.04 (m, 1H), 4.76 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 4.61-4.49 (m, 2H), 4.16 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.10 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.94-3.79 (m, 4H), 3.64-3.51 (m, 5H), 2.56 (s, 4H), 2.23 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.12-2.02 (m, 1H), 1.85-1.73 (m, 2H), 1.71- 1.56 (m, 2H), 1.53-1.40 (m, 5H), 1.35 (s, 4H), 1.07 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.88, 172.27, 169.84, 169.55, 150.71 (dd, J = 250.0, 11.9 Hz), 150.58, 149.22, 147.60, 146.03 (dd, J = 9.1, 1.0 Hz), 144.62 (dd, J = 246.5, 13.5 Hz), 143.53, 132.22, 130.29, 129.59 (2C), 126.55 (2C), 124.49-124.36 (m), 124.22-123.95 (m), 111.21 (d, J = 17.2 Hz), 106.15, 74.18 (d, J = 5.6 Hz), 70.02, 66.19 (2C), 58.30, 57.57, 48.88, 48.82 (2C), 36.41, 35.22, 34.82, 30.14, 29.02, 28.90, 26.53 (3C), 25.62, 25.43, 22.26, 15.72. HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C44H56F2N6O6S2についての計算値 889.35685, 実測値 889.35713.
【0137】
スキーム10.VHL系のE3LB-4部分の合成
【化35】
【0138】
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパン酸(E3LB-4(A))
表題の化合物を、Han, Xら(J Med Chem. 2019, 62, 941-964) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、乾燥DMA(0.8mL)中の(S)-3-(4-ブロモフェニル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(0.25g,0.726mmol)、4-メチルチアゾール(例えば、Fluorochem社から入手)(0.132ml,1.453mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.63mg,7.26x10-3mmol)および酢酸カリウム(0.142g,1.453mmol)の混合物を、90℃で18時間撹拌した。冷却後、反応混合物をEA(15mLx4)で抽出した。合わせた有機層を、水(20mLx3)、ブライン(20mLx2)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮して、油状物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~97:3)で精製し、表題の化合物を白色固体として得た(0.072g,収率81%)。固体を濾取して、50℃のオーブンで乾燥させて、表題化合物を灰色固体として得た(0.070g,収率27%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.72 (s, 1H), 7.38 (s, 4H), 5.65 (bs, 1H), 5.16 (bs, 1H), 3.04-2.75 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.43 (s, 9H).
【0139】
メチル(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレートヒドロクロリド(BG)
表題の化合物を、Laurent, Aら(PCT Int. Appl. WO 2011098904) の記述した方法に従って製造することができる。乾燥DCM(10.0mL)中のメチル(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(AO)(6.80g,18.971mmol)の溶液に、0℃で、4N塩酸/ジオキサン(10.0mL)の溶液を加えた。混合物を、rtで4時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、粗製残留物を、DEEでトリチュレートし、ろ過して、表題化合物を白色固体として得た(5.15g,収率92%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.21 (bs, 3H), 4.42 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 4.36 (s, 1H), 3.94 (s, 1H), 3.81 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.60-3.48 (m, 2H), 2.24-2.11 (m, 1H), 1.98-1.85 (m, 1H), 1.03 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 172.30, 167.73, 69.30, 58.41, 58.36, 56.64, 52.33, 37.71, 34.81, 26.40 (3C).
【0140】
メチル(2S,4R)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(BH)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコに、乾燥DMF(5.0mL)中の1-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(例えば、Fluorochem社から入手)(0.60g,5.765mmol)、メチル(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレートヒドロクロリド(BG)(1.545g,5.241mmol)およびDIPEA(4.564mL,26.207mmol)の撹拌溶液に、HATU(2.391g,6.289mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EA(20mLx4)で抽出した。有機層を合わせて、水(30mLx2)、ブライン(30mL)で洗い、無水NaSO上で乾燥させた後、減圧蒸発させて、油状の残留物を得て、これをSiO上で2回フラッシュカラムクロマトグラフィー(第1:DCM/MeOH、98:2;第2:DCM/アセトン95:5~8:2)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.687g,収率38%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.10 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.72-4.64 (m, 1H), 4.57 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.02 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.79-3.69 (m, 4H), 2.41-2.29 (m, 1H), 2.07-2.97 (m, 2H), 1.37-1.20 (m, 4H), 1.08 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 172.54, 170.26, 170.02, 78.27 (d, J = 205.7 Hz), 70.39, 57.67, 57.34, 56.47, 52.26, 37.65, 35.75, 26.33 (3C), 13. 68 (d, J = 10.3 Hz).
【0141】
(2S,4R)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(E3LB-4(B))
メチル(2S,4R)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(BH)(0.65g,1.887mmol)のTHF(5.0mL)溶液に、0℃で、水酸化リチウム一水和物(0.792g,18.874mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を、rtで18時間撹拌した。有機溶媒を真空除去し、残留物を、氷水(15mL)で希釈し、2N HCIを用いてpHを2~3にゆっくりと調整した。その後、混合物をEA(5mLx4)で抽出した。再び得られた有機層をブライン(10mL)で洗い、無水NaSO上で乾燥させた後、減圧蒸発させて残留物を得て、これにDEEでトリチュレートして、濾過し、乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た(0.497g,収率80%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.55 (bs, 1H), 7.27 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.3- 4.25 (m, 2H), 3.70-3.54 (m, 2H), 2.21 - 2.06 (m, 1H), 1.96-1.84 (m, 1H), 1.44-1.10 (m, 4H), 0.96 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 173.56, 169.56, 168.53 (d, J = 20.3 Hz), 78.55 (d, J = 232.5 Hz), 69.28, 58.27, 56.88, 56.78, 37.69, 36.48, 26.57 (3C), 13.33 (dd, J = 23.7, 10.3 Hz).
【0142】
スキーム11.実施例22および23の合成
【化36】
Tert-ブチル(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)カルバメート(BI)
2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.250g,0.838mmol)のACN(3.5mL)溶液に、KCO(0.289g,2.095mmol)およびtert-ブチル(4-(2-クロロアセトアミド)ブチル)カルバメート(0.244g,0.922mmol)を加え、混合物を18時間還流させた。その後、溶媒を真空下で蒸発させ、粗製残留物を水(15mL)で希釈して、固体を得て、これを濾取して、DEEでトリチュレートした後に濾取して、表題化合物を白色固体として得た(0.366g,収率83%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.63-7.57 (m, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.04-6.96 (m, 1H), 6.94 (s, 1H), 4.60 (s, 3H), 3.91-3.81 (m, 4H), 3.59-3.49 (m, 4H), 3.36 (dd, J = 12.6, 6.4 Hz, 2H), 3.23-3.10 (m, 2H), 1.64-1.50 (m, 4H), 1.46 (s, 9H).
【0143】
Tert-ブチル(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(BJ)
2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノール(ARB-1)(0.06g,0.201mmol)のACN(1.0mL)溶液に、KCO(0.069g,0.503mmol)およびtert-ブチル(6-(2-クロロアセトアミド)ヘキシル)カルバメート(0.065g,0.221mmol)を加え、混合物を18時間還流させた。その後、溶媒を真空下で蒸発させ、粗製残留物を水(10mL)で希釈して、固体を得て、これをろ過して回収し、DEEでトリチュレートした後にろ過し、表題化合物を白色固体として得た(0.078g,収率70%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.60 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 16.6, 8.9 Hz, 1H), 6.94 (s, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.55 (s, 1H), 3.90-3.84 (m, 4H), 3.59-3.51 (m, 4H), 3.39-3.29 (m, 2H), 3.18-3.08 (m, 2H), 1.59-1.48 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.40-1.31 (m, 4H).
【0144】
N-(4-アミノブチル)-2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド ヒドロクロリド(BK)
乾燥ジオキサン(0.4mL)中のtert-ブチル(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)カルバメート(BI)(0.093g,0.176mmol)の溶液に、0℃で、4N塩酸/ジオキサン(0.44mL)の溶液を加えた。この混合物を、rtで2時間撹拌した。溶媒を蒸発乾燥させて、粗製残留物をDEEでトリチュレートして濾取し、表題化合物を白色固体として得た(0.081g,収率100%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.42-8.34 (m, 1H), 8.03 (bs, 3H), 7.81 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.25 (dd, J = 17.3, 9.1 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.80-3.68 (m, 4H), 3.50-3.39 (m, 4H), 3.22-3.10 (m, 2H), 2.85-2.72 (m, 2H), 1.67-1.42 (m, 4H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ 170.01, 167.60, 150.10 (dd, J = 247.8, 11.3 Hz), 144.80 (d, J = 8.6 Hz), 144.57-144.46 (m), 144.04 (dd, J = 245.5, 14.0 Hz), 124.89 (d, J = 2.6 Hz), 124.67 (d, J = 7.9 Hz), 112.25 (d, J = 17.0 Hz), 108.05, 72.08 (d, J = 5.8 Hz), 65.83 (2C), 48.72 (2C), 38.83, 38.17, 26.48, 24.83.
【0145】
N-(6-アミノヘキシル)-2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド ヒドロクロリド(BL)
0℃の乾燥ジオキサン(0.3mL)中のtert-ブチル(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(BJ)(0.067g,0.121mmol)の溶液に、4N塩酸/ジオキサン(0.3mL)の溶液を加えた。この混合物を、rtで2時間撹拌した。溶媒を蒸発乾燥させ、粗製残留物をDEEでトリチュレートして、濾取し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.059g,収率100%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.30 (s, 1H), 7.96 (bs, 3H), 7.85-7.77 (m, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.25 (dd, J = 17.1, 9.4 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H), 3.78-3.69 (m, 4H), 3.49-3.42 (m, 4H), 3.19-3.09 (m, 2H), 2.8-2.70 (m, 2H), 1.59-1.49 (m, 2H), 1.49-1.38 (m, 2H), 1.38-1.22 (m, 4H).
【0146】
Tert-ブチル(S)-(3-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)-3-オキソプロピル)カルバメート(BM)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコにおいて、乾燥DMF(1.0mL)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパン酸(E3LB-4(A))(0.030g,0.083mmol)、N-(4-アミノブチル)-2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミドヒドロクロリド(BK)(0.038g,0.083mmol)およびDIPEA(0.072mL,0.414mmol)の攪拌溶液に、HATU(0.038g,0.099mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これを濾取して、乾燥させ、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.030g,48%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.67 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.45-7.35 (m, 4H), 7.08 (bs, 1H), 7.00 (dd, J = 17.2, 8.8 Hz, 1H), 6.91 (s, 1H), 6.35 (bs, 1H), 6.17 (bs, 1H), 5.06 (bs, 1H), 4.60 (s, 2H), 3.91-3.81 (m, 4H), 3.59-3.50 (m, 4H), 3.32-3.11 (m, 4H), 2.82-2.59 (m, 2H), 2.53 (s, 3H), 1.59-1.33 (m, 13H).
【0147】
Tert-ブチル(S)-(3-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)-3-オキソプロピル)カルバメート(BN)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコにおいて、乾燥DMF(1.5mL)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパン酸(E3LB-4(A)) (0.043g,0.120mmol)、N-(6-アミノヘキシル)-2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミドヒドロクロリド(BL)(0.059g,0.120mmol)およびDIPEA(0.105mL,0.60mmol)の攪拌溶液に、HATU(0.055g,0.144mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を氷水に注ぎ、EA(10mLx3)で抽出した。有機層を合わせて、水(10mLx2)、ブライン(10mL)で洗い、無水NaSO上で乾燥させた後、減圧蒸発させて、粗製残留物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3~96:4)で精製し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.061g,63%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.62-7.55 (m, 1H), 7.44-7.35 (m, 4H), 7.11 (bs, 1H), 7.00 (dd, J = 16.8, 9.0 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.43 (bs, 1H), 5.94 (bs, 1H), 5.06 (s, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.89-3.83 (m, 4H), 3.58-3.52 (m, 4H), 3.38-3.05 (m, 4H), 2.81-2.61 (m, 2H), 2.55 (s, 3H), 1.54-1.34 (m, 13H), 1.31-1.25 (m, 4H).
【0148】
(S)-3-アミノ-N-(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパンアミドヒドロクロリド(BO)
乾燥DCM(0.3mL)中のtert-ブチル(S)-(3-(4-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)-3-オキソプロピル)カルバメート(BM)(0.03g,0.039mmol)の溶液に、0℃で4N塩酸/ジオキサン溶液(0.4mL)を加えた。混合物をrtで終夜攪拌した。溶媒を蒸発乾燥させて、粗製残留物をDEEでトリチュレートして、ろ過して、表題化合物を白色固体として得た(0.027g,収率100%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 9.71 (s, 1H), 7.70 (s, 4H), 7.57-7.36 (m, 1H), 7.35-7.09 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.82 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 4.00-3.86 (m, 4H), 3.86-3.71 (m, 4H), 3.28-3.08 (m, 4H), 3.08 - 2.93 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 1.52-1.36 (m, 4H).
【0149】
(S)-3-アミノ-N-(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパンアミドヒドロクロリド(BP)
tert-ブチル(S)-(3-((6-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)-3-オキソプロピル)カルバメート(BN)(0.05g,0.062mmol)/乾燥DCM(0.5mL)の溶液に、0℃で、4N塩酸/ジオキサン溶液(0.6mL)を加えた。混合物をrtで終夜攪拌した。溶媒を蒸発乾燥させ、粗製残留物をDEEでトリチュレートしてろ過し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.044g,収率100%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 9.97 (s, 1H), 7.78-7.66 (m, 4H), 7.48-7.38 (m, 1H), 7.28-7.13 (m, 2H), 5.09 (s, 2H), 4.83 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 3.98-3.87 (m, 4H), 3.84-3.75 (m, 4H), 3.23 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.13 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.08-2.93 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 1.55-1.37 (m, 4H), 1.33-1.17 (m, 4H).
【0150】
(2S,4R)-N-((S)-3-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)-3-オキソプロピル)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(実施例22)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコにおいて、乾燥DMF(0.5mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(E3LB-4(B))(0.013g,0.038mmol)、(S)-3-アミノ-N-(4-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパンアミドヒドロクロリド(BO)(0.027g,0.038mmol)およびDIPEA(0.033mL,0.191mmol)の撹拌溶液に、HATU(0.018g,0.048mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を、氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これをろ過して回収し、乾燥させ、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5~93:7)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.004g,11%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.67 (s, 1H), 8.00 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.62-7.56 (m, 1H), 7.43-7.34 (m, 4H), 7.15 (bs, 1H), 7.10 (dd, J = 8.8, 3.4 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 16.7, 8.9 Hz, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.73 (bs, 1H), 5.35 (dd, J = 13.3, 6.1 Hz, 1H), 4.67 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 4.62 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 4.51 (s, 1H), 3.98 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.88-3.82 (m, 4H), 3.74 (dd, J = 11.0, 3.6 Hz, 1H), 3.55-3.47 (m, 4H), 3.31-3.17 (m, 4H), 2.85-2.71 (m, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.25-2.17 (m, 2H), 1.55-1.42 (m, 4H), 1.39-1.22 (m, 5H), 1.06 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.81, 170.77, 170.73, 170.11, 170.02, 169.81, 168.47, , 150.68 (dd, J = 251.3, 11.5 Hz), 150.34, 148.48, 146.19, 144.54 (d, J = 9.0 Hz), 144.14 (dd, J = 247.1, 14.1 Hz), 140.45, 131.49, 131.09, 129.45 (2C), 126.84 (2C), 125.11, 124.54 (dd, J = 7.6, 3.9 Hz), 112.54 (d, J = 17.1 Hz), 106.17, 78.27 (d, J = 232.3 Hz), 72.26 (d, J = 4.9 Hz), 70.17, 66.09 (2C), 59.41, 57.48, 56.76, 50.61, 48.58 (2C), 41.98, 39.10, 38.66, 37.22, 35.84, 27.10, 26.47 (3C), 26.08, 16.10, 13.64 (dd, J = 17.9, 10.2 Hz) (2C). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C47H57F3N8O8S2についての計算値 983.37656, 実測値 983.37691.
【0151】
(2S,4R)-N-((S)-3-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)-3-オキソプロピル)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(実施例23)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコにおいて、乾燥DMF(0.7mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-(1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(E3LB-4(B))(0.018g,0.054mmol)、(S)-3-アミノ-N-(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)-3-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)プロパンアミドヒドロクロリド(BP)(0.040g,0.054mmol)およびDIPEA(0.047mL,0.272mmol)の撹拌した溶液に、HATU(0.026g,0.068mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を、氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これを濾取して、乾燥させ、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,96:4~94:6)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.024g,収率44%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.58 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 7.40 (s, 4H), 7.16-7.05 (m, 2H), 7.00 (dd, J = 16.6, 8.9 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.38 (bs, 1H), 5.39-5.32 (m, 1H), 4.69 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 4.66-4.57 (m, 3H), 4.54 (s, 1H), 4.01 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.89-3.82 (m, 4H), 3.74 (dd, J = 11.0, 3.6 Hz, 1H), 3.57-3.51 (m, 4H), 3.32-3.24 (m, 2H), 3.23-3.14 (m, 2H), 2.87-2.71 (m, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.32-2.17 (m, 2H), 1.52-1.40 (m, 4H), 1.39-1.25 (m, 9H), 1.09 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.81, 170.74, 170.63, 170.01 (d, J = 20.2 Hz), 169.95, 168.29, 150.86 (dd, J = 251.6, 11.4 Hz), 150.36, 148.39, 146.08-145.96 (m), 144.58 (d, J = 8.9 Hz), 144.20 (dd, J = 247.36, 14.80 Hz), 140.55, 131.60, 131.02, 129.48 (2C), 126.82 (2C), 124.96-124.77 (m), 124.55 (dd, J = 7.8, 4.0 Hz ), 112.49 (d, J = 17.1 Hz), 106.02, 78.32 (d, J = 219.5 Hz), 72.28 (d, J = 5.2 Hz), 70.20, 66.08 (2C), 59.33, 57.48, 56.67, 50.63, 48.63 (2C), 41.92, 39.06, 38.60, 37.08, 35.68, 29.28, 29.05, 26.48 (3C), 25.88, 25.82, 16.07, 13.68 (dd, J = 10.2, 7.0 Hz) (2C). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C49H61F3N8O8S2についての計算値 1011.40786, 実測値 1011.40793.
【0152】
スキーム12.IAPリガンド系のE3LB-5部分の合成
【化37】
【0153】
ベンジル(S)-2-アミノ-3,3-ジフェニルプロパノエート(BQ)
(S)-2-アミノ-3,3-ジフェニルプロパン酸(例えば、Fluorochem社から入手)(1.00g,4.144mmol)およびKOH(0.256g,4.559mmol)を、EtOH(40.0mL)に入れて、固体が完全に溶けるまでrtで撹拌した。次いで、反応混合物を真空濃縮して、白色固体を得て、これを乾燥DMF(40.0mL)に溶解し、臭化ベンジル(例えば、Sigma Aldrichから入手)(0.542mL,4.559mmol)を加えた。混合物を、rtで終夜攪拌した。反応混合物を、飽和水溶液NaHCOでクエンチし、EA(50mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(50mLx2)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮して無色油を得て、これをSiO上のフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA,9:1~7:3)で精製して、表題化合物(0.325g,24%収率)を透明な油として得たが、静置すると白色固体となった。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.53-7.16 (m, 13H), 7.17-7.05 (m, 2H), 4.97 (dd, J = 29.8, 12.2 Hz, 2H), 4.38-4.23 (m, 1H), 4.21-4.06 (m, 1H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C22H21NO2についての計算値 332.16451, 実測値 332.16494.
【0154】
Tert-ブチル(S)-2-(((S)-1-(ベンジルオキシ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(BR)
表題の化合物を、Shibata, N.ら(J. Med. Chem. 2019, 61, 543-575) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、乾燥DMF(3.0mL)中のベンジル(S)-2-アミノ-3,3-ジフェニルプロパノエート(BQ)(0.32g,0.965mmol)および(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリン(例えば、Fluorochem社から入手)(0.291g,1.352mmol)の溶液に、HOBt一水和物(0.207g,1.352mmol)、DIPEA(0.336mL,1.931mmol)およびEDC HCl(0.259g,1.352mmol)を加えて、反応混合物をrtで終夜撹拌した。溶液を氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これを濾取して、SiOのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA、7:3~6:4)で精製して、表題化合物(0.408g,収率80%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.53-7.15 (m, 14H), 7.04 (dd, J = 7.2, 2.3 Hz, 2H), 5.50 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.02-4.85 (m, J = 12.2 Hz, 2H), 4.37 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.30-.07 (m, 1H), 3.38-3.00 (m, 2H), 2.25-1.52 (m, 4H), 1.42 (s, 9H).
【0155】
ベンジル(S)-3,3-ジフェニル-2-((S)-ピロリジン-2-カルボキサミド)プロパノエートヒドロクロリド(BS)
表題の化合物を、Shibata, N.ら(J. Med. Chem. 2019, 61, 543-575) の記述した方法に従って製造することができる。乾燥THF(2.0mL)中のtert-ブチル(S)-2-((S)-1-(ベンジルオキシ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(BR)(0.408g,0.772mmol)の溶液に、4N塩酸/ジオキサン(2.5mL)の溶液を加えた。混合物を、rtで3時間撹拌した。溶媒を蒸発させて乾燥させ、残留物をDEEでトリチュレートし、濾取して、表題生成物を白色固体として得た(0.344g,収率96%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.87 (bs, 1H), 8.45 (bs, 1H), 7.43-7.14 (m, 14H), 7.05 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 6.92 (s, 1H), 5.32 (s, 1H), 5.00-4.79 (m, 2H), 4.64 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.38 (s, 1H), 3.39-3.02 (m, 2H), 2.35 (s, 1H), 2.00-1.64 (m, 3H).
【0156】
ベンジル(S)-2-((S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパノエート(BT)
表題の化合物を、Shibata, N.ら(J. Med. Chem. 2019, 61, 543-575) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、乾燥DMF(4.0mL)中のベンジル(S)-3,3-ジフェニル-2-((S)-ピロリジン-2-カルボキサミド)プロパノエートヒドロクロリド(BS)(0.338g,0.727mmol)および(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-シクロヘキシル酢酸(例えば、Fluorochem社から入手)(0.261g,1.018mmol)の溶液に、HOBt一水和物(0.156g,1.018mmol)、DIPEA(0.38mL,2.181mmol)およびEDC HCl(0.195g,1.018mmol)を加えて、反応混合物を、rtで終夜撹拌した。溶液を氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これを濾取して、SiOのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA、7:3→6:4)で精製し、表題化合物(0.36g,収率74%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.35-7.15 (m, 14H), 7.12-7.04 (m, 2H), 6.75 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.44 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 5.01-4.85 (m, 1H), 4.54-4.45 (m, 1H), 4.38 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.29-4.18 (m, 1H), 3.71-3.56 (m, 1H), 3.43-3.28 (m, 1H), 2.18-2.08 (m, 1H), 1.89-1.65 (m, 7H), 1.44 (s, 9H), 1.33-0.97 (m, 6H).
【0157】
ベンジル(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパノエート(BV)
表題の化合物を、Shibata, N.ら(J. Med. Chem. 2019, 61, 543-575) の記述した方法に従って製造することができる。4N塩酸/ジオキサンの溶液(2.5mL)を、ベンジル(S)-2-((S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパノエート(BT)(0.345g,0.516mmol)に加え、混合物をrtで3時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、残留物をDEEでトリチュレートして、ろ過し、ベンジル(S)-2-((S)-1-((S)-2-アミノ-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパノエートヒドロクロリド(BU)(0.290g,収率93%)を白色固体として得た。窒素雰囲気下において、乾燥DMF(3.0mL)中の得られた(BU)(0.290g,0.480mmol)およびN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-L-アラニン(例えば、Fluorochem社から入手)(0.136g,0.672mmol)の溶液に、HOBt一水和物(0.103g,0.672mmol)、DIPEA(0.25mL,1.439mmol)およびEDC HCl(0.129g,0.672mmol)を加えて、反応混合物をrtで終夜攪拌した。溶液を氷水に注ぎ、沈殿物を得て、これをろ過して回収し、SiOのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2)で精製して、表題の化合物(0.287g,収率75%)を無色の非晶質固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.34-7.15 (m, 14H), 7.07 (dd, J = 6.6, 2.8 Hz, 2H), 6.79-6.65 (m, 1H), 5.43 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 5.28 (s, 1H), 4.94 (s, 2H), 4.74-4.59 (m, 1H), 4.54-4.44 (m, 2H), 4.39 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.72-3.59 (m, 1H), 3.42-3.28 (m, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.18-2.03 (m, 1H), 1.89-1.59 (m, 7H), 1.51 (d, J = 6.0 Hz, 9H), 1.36-1.29 (m, 3H), 1.28-0.86 (m, 6H).
【0158】
(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパン酸(E3LB-5)
表題の化合物を、Shibata, N.ら(J. Med. Chem. 2019, 61, 543-575) の記述した方法に従って製造することができる。窒素雰囲気下において、乾燥MeOH(4.0mL)中のベンジル(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパノエート(BV)(0.280g,0.353mmol)の溶液に、10%炭素上のパラジウム(0.056g)および無水ギ酸アンモニウム(0.089g,1.412mmol)を加えた。反応混合物を、40℃で3時間攪拌した。冷却後、反応混合物をセライト上で濾過し、濾液を真空蒸発させて、表題化合物を白色固体として得た(0.230g,収率98%)。1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.41-7.10 (m, 10H), 5.19 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.66-4.30 (m, 5H), 3.85-3.73 (m, 1H), 3.68-3.56 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.10-1.98 (m, 1H), 1.92-1.66 (m, 9H), 1.51 (s, 9H), 1.39-1.24 (m, 5H), 1.15-0.96 (m, 2H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C37H50N4O7についての計算値 663.37523, 実測値 663.37700.
【0159】
スキーム13.実施例24~26の合成
【化38】
【0160】
Tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(BW)
乾燥DMF(1.0mL)中の(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパン酸(E3LB-5)(0.057g,0.086mmol)、2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AH)(0.040g,0.086mmol)、DIPEA(0.06mL,0.343mmol)およびHATU(0.049g,0.128mmol)を用いて、一般手順III(終夜)を行い、SiO(DCM/MeOH,95:5)上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.061g,66%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.94-7.86 (m, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.34-7.13 (m, 11H), 6.94 (dd, J = 16.8, 9.0 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.18 (bs, 1H), 5.17 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 4.72-4.52 (m, 2H), 4.51-4.36 (m, 2H), 4.36-4.26 (m, 2H), 3.91-3.78 (m, 6H), 3.70-3.58 (m, 4H), 3.57-3.49 (m, 6H), 3.43-3.24 (m, 2H), 3.21-3.09 (m, 2H), 2.79 (s, 3H), 2.02-1.83 (m, 2H), 1.82-1.59 (m, 7H), 1.49 (s, 9H), 1.41-1.25 (m, 7H), 1.03-0.76 (m, 2H). HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C56H73F2N7O10Sについての計算値 1096.49999, 実測値 1096.5010.
【0161】
Tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(BY)
乾燥DMF(1.5mL)中の(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパン酸(E3LB-5)(0.050g,0.075mmol)、tert-ブチル(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)カルバメート(BI)(0.0035g,0.075mmol)、DIPEA(0.05mL,0.302mmol)およびHATU(0.043g,0.113mmol)を用いて、一般手順III(終夜)を行い、SiO(DCM/MeOH,95:5)のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.043g,53%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.65-7.56 (m, 1H), 7.36-7.15 (m, 12H), 7.04-6.95 (m, 2H), 6.34-6.16 (m, 2H), 5.28-5.18 (m, 1H), 4.85-4.73 (m, 1H), 4.72-4.56 (m, 3H), 4.46-4.33 (m, 2H), 3.90-3.81 (m, 4H), 3.78-3.62 (m, 2H), 3.61-3.51 (m, 4H), 3.36-3.16 (m, 4H), 3.05-2.91 (m, 1H), 2.79 (s, 3H), 2.10-1.81 (m, 4H), 1.77-1.64 (m, 4H), 1.63-1.54 (m, 2H), 1.48 (s, 9H), 1.38-1.28 (m, 7H), 1.24-1.10 (m, 2H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C56H72F2N8O9Sについての計算値 1071.51838, 実測値 1071.51999.
【0162】
Tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(BZ)
乾燥DMF(0.5mL)中の(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパン酸(E3LB-5)(0.038g,0.057mmol)、tert-ブチル(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(BJ)(0.028g,0.057mmol)、DIPEA(0.04mL,0.227mmol)およびHATU(0.032g,0.085mmol)を用いて、一般手順III(終夜)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~97:3)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.031g,49%収率)。 HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C58H76F2N8O9Sについての計算値 1099.54968, 実測値 1099.55025.
【0163】
(S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-N-((S)-1-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例24)
tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(BW)(0.060g,0.056mmol)/乾燥DCM(0.5mL)の溶液に、4N塩酸/ジオキサンの溶液(0.5mL)を加え、混合物をrtで4時間撹拌した。溶媒を蒸発乾燥させて、残留物を、NaHCOの飽和溶液(10mL)で希釈し、EA(6mLx3)を用いて抽出した。有機相を合わせて、ブライン(10mL)で洗い、NaSO上で乾燥させ、減圧蒸発させて、粗製残留物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5~94:6)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.041g,収率75%)。HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C51H65F2N7O8Sについての計算値 996.44756, 実測値 996.44769.
【0164】
(S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-N-((S)-1-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例25)
tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(BY)(0.035g,0.033mmol)/乾燥DCM(0.3mL)の溶液に、4N塩酸/ジオキサン溶液(0.3mL)を加えて、混合物をrtで4時間撹拌した。溶媒を蒸発乾燥させ、残留物をNaHCOの飽和溶液(10mL)で希釈し、EA(5mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(10mL)で洗い、NaSO上で乾燥させて、減圧蒸発させて、粗製残留物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,93:7~9:1)で精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.010g,収率33%)。HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C51H64F2N8O7Sについての計算値 993.44789, 実測値 993.44843.
【0165】
(S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-N-((S)-1-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例26)
tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(BZ)(0.030g,0.027mmol)/乾燥DCM(0.3mL)の溶液に、4N塩酸/ジオキサン(0.3mL)の溶液を加え、混合物をrtで4時間撹拌した。溶媒を蒸発乾燥させ、残留物をNaHCOの飽和溶液(10mL)で希釈し、EA(5mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(10mL)で洗い、NaSO上で乾燥させ、減圧蒸発させ、粗製残留物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5~93:7)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.017g,収率63%)。HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C53H68F2N8O7Sについての計算値 999.49725, 実測値 999.49979.
【0166】
スキーム14.実施例27~29の合成
【化39】
【0167】
(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-((2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-メトキシフェニル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド(実施例27)
乾燥DMF(0.5mL)中の4-((2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メトキシ安息香酸(E3LB-6)(例えば、Carbosynth社から入手)(0.021g,0.034mmol)、2-(2-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)エトキシ)エトキシ)エタン-1-アミンヒドロクロリド(AH)(0.016g,0.034mmol)、DIPEA(0.024mL,0.137mmol)およびHATU(0.016g,0.043mmol)を用いて、一般手順III(5h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.030g,85%の収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.35 (s, 1H), 8.40 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.88 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.56-7.51 (m, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.35 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.28-7.24 (m, 1H), 7.23-7.10 (m, 4H), 6.92 (dd, J = 17.3, 8.9 Hz, 1H), 6.64 (bs, 1H), 4.78 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.57 (bs, 1H), 4.28 (s, 2H), 4.16-4.07 (m, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.86-3.79 (m, 6H), 3.70 (s, 8H), 3.56-3.50 (m, 4H), 2.80 (s, 1H), 1.70-1.54 (m, 2H), 1.04 (s, 9H). HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C50H52Cl2F4N6O7Sについての計算値 1049.28236, 実測値 1049.28585.
【0168】
(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-((4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)カルバモイル)-2-メトキシフェニル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド(実施例28)
乾燥DMF(1.0mL)中の4-((2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メトキシ安息香酸(E3LB-6)(0.030g,0.049mmol)、tert-ブチル(4-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ブチル)カルバメート(BI)(0.022g,0.049mmol)、DIPEA(0.034mL,0.195mmol)およびHATU(0.023g,0.061mmol)を用いて、一般手順III(5h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.033g,66%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.37 (s, 1H), 8.44 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60-7.45 (m, 3H), 7.35-7.29 (m, 1H), 7.29-7.26 (m, 1H), 7.24 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.19-7.07 (m, 3H), 6.97 (td, J = 9.1, 7.5 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.52 (bs, 1H), 4.76 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.54 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 4.09 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.86-3.77 (m, 4H), 3.55-3.49 (m, 4H), 3.42-3.34 (m, 2H), 2.84-2.73 (m, 1H), 1.70-1.54 (m, 6H), 1.01 (s, 9H). HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C50H51Cl2F4N7O6Sについての計算値 1046.28269, 実測値 1046.28517.
【0169】
(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-((6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバモイル)-2-メトキシフェニル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド(実施例29)
乾燥DMF(0.6mL)中の4-((2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メトキシ安息香酸(E3LB-6)(0.031g,0.051mmol)、tert-ブチル(6-(2-(2,3-ジフルオロ-6-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)フェノキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(BJ)(0.025g,0.051mmol)、DIPEA(0.035mL,0.204mmol)およびHATU(0.024g,0.063mmol)を用いて、一般手順III(4h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,99:1:98:2)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.044g,82%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.38 (s, 1H), 8.43 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.59-7.45 (m, 3H), 7.32 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.19-7.07 (m, 3H), 6.97 (dd, J = 16.6, 9.2 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.36 (bs, 1H), 4.76 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.57 (s, 2H), 4.54-4.48 (m, 1H), 4.09 (t, J = 10.9 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.88-3.78 (m, 4H), 3.57-3.50 (m, 4H), 3.45-3.38 (m, 2H), 3.39-3.28 (m, 2H), 2.85-2.74 (m, 1H), 1.70-1.49 (m, 6H), 1.47-1.32 (m, 4H), 1.01 (s, 9H). HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C52H55Cl2F4N7O6Sについての計算値 1074.31399, 実測値 1074.31724.
【0170】
スキーム15.ARB-2部分の合成
【化40】
【0171】
メチル2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキシレート(CA)
2-イソチオシアナト安息香酸メチル(0.20g,1.035mmol)およびモルホリン(0.09mL,1.035mmol)を、無溶媒下で15分間撹拌した。続いて、DMF(4.0mL)を加え、さらに10分間撹拌した。次に、KCO(0.143g,1.035mmol)、フェナントロリン(0.019g,0.103mmol)および酢酸パラジウム(II)(0.014g,0.062mmol)を加え、反応混合物を85℃で24時間撹拌した。反応混合物を、水(40mL)で希釈し、EA(20mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(30mL)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧濃縮し、粗製残留物を得て、この粗製残留物をSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA,9:1~8:2)で精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.028g,10%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.93 (dd, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 7.11 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.89-3.79 (m, 4H), 3.74-3.64 (m, 4H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 170.02, 16 6.82, 151.78, 132.76, 128.61, 124.88, 120.79, 120.67, 66.29 (2C), 52.12, 48.45 (2C).
【0172】
2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボン酸(ARB-2)
0℃のメチル2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキシレート(CA)(0.155g,0.557mmol)/THF(2mL)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.233g,5.569mmol)水溶液(2.0mL)を加えた。得られる混合物を、室温で6時間攪拌した。有機溶媒を減圧除去し、残留物を氷水(4.0mL)で希釈し、2N HCIでpHを4~3にゆっくりと調整して、固体を得て、これを濾取して、乾燥させ、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.122g,83%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 13.51 (bs, 1H), 8.16 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.25-7.20 (m, 1H), 3.92-3.83 (m, 4H), 3.73-3.65 (m, 4H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 169.97, 166.34, 150.83, 129.76, 129.23, 125.54, 122.25, 118.90, 65.97 (2C), 48.66 (2C).
【0173】
スキーム16.実施例30の合成
【化41】
N-(5-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)-2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド(実施例30)
乾燥DMF(0.5mL)中の2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボン酸(ARB-2)(0.040g,0.151mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-(5-アミノペンタンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミドヒドロクロリド(AZ)(0.088g,0.151mmol)、DIPEA(0.079mL,0.454mmol)およびHATU(0.072g,0.189mmol)を用いて、一般手順III(4h)を行い、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~95:5)で精製し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.050g,42%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.96-9.85 (m, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.21 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.48-7.30 (m, 5H), 7.18 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.15-5.01 (m, 1H), 4.74 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.08 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.88 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.72-3.57 (m, 6H), 3.51 (d, J = 2.7 Hz, 2H), 2.62-2.43 (m, 4H), 2.41-2.19 (m, 2H), 2.08 (dd, J = 13.3, 8.3 Hz, 1H), 1.87-1.73 (m, 2H), 1.69-1.58 (m, 2H), 1.46 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.03 (s, 9H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 173.33, 172.17, 169.73, 169.51, 165.53, 150.28, 149.51, 148.51, 143.19, 131.60, 130.87, 130.75, 129.57 (2C), 128.04, 126.45 (2C), 123.84, 122.72, 121.64, 70.06, 66.12, 58.43, 57.68, 56.93, 48.81, 48.47, 38.92, 35.77, 35.51, 35.06, 29.23, 26.53, 23.02, 22.23, 16.12. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C40H51N7O6S2についての計算値 790.34150, 実測値 790.3412.
【0174】
スキーム17.実施例31の合成
【化42】
【0175】
Tert-ブチル(6-(2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド)ヘキシル)カルバメート(CB)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコに、乾燥DMF(0.5mL)中の2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボン酸(ARB-2)(0.050g,0.189mmol)、tert-ブチル(6-アミノヘキシル)カルバメート(0.041g,0.189mmol)およびDIPEA(0.099mL,0.567mmol)の撹拌溶液に、HATU(0.090g,0.236mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EA(10mLx3)で抽出した。有機層を合わせて、ブライン(15mL)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧蒸発させて、粗製残留物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製し、黄色の膜状物を得た(0.062g,71%の収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.83 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.54 (bs, 1H), 3.95-3.82 (m, 4H), 3.70-.59 (m, 4H), 3.53 (dd, J = 11.9, 6.5 Hz, 2H), 3.18-3.01 (m, 2H), 1.73-1.64 (m, 2H), 1.54-1.41 (m, 13H), 1.41-1.31 (m, 2H).
【0176】
N-(6-アミノヘキシル)-2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド ヒドロクロリド(CC)
0℃の乾燥DCM(0.5mL)中のtert-ブチル(6-(2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド)ヘキシル)カルバメート(CB)(0.055g,0.119mmol)の溶液に、4N塩酸/ジオキサン(0.5mL)の溶液を滴加した。混合物を、rtで6時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、粗製残留物を、DEEでトリチュレートして濾取し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.044g,収率92%)。1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 9.74 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 7.7, 4.1 Hz, 2H), 7.89 (bs, 3H), 7.20 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.87-3.74 (m, 4H), 3.70-3.56 (m, 4H), 3.40 (dd, J = 12.4, 6.6 Hz, 2H), 2.75 (dd, J = 13.8, 6.5 Hz, 2H), 1.67-1.49 (m, 4H), 1.43-1.28 (m, 4H).
【0177】
Tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((6-(2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド)ヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(CD)
乾燥DMF(1.0mL)中の(S)-2-((S)-1-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパン酸(E3LB-5)(0.055g,0.083mmol)、N-(6-アミノヘキシル)-2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド ヒドロクロリド(CC)(0.033g,0.083mmol)、DIPEA(0.058mL,0.331mmol)およびHATU(0.047g,0.124mmol)を用いて、一般手順III(終夜)を行い、SiO(DCM/MeOH,97:3~96:4)のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.061g,73%収率)。HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C55H74N8O8Sについての計算値 1007.54231, 実測値 1007.54274.
【0178】
N-(6-((S)-2-((S)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3,3-ジフェニルプロパンアミド)ヘキシル)-2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド(実施例31)
乾燥DCM(0.5mL)中のtert-ブチル((S)-1-(((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(((S)-1-((6-(2-モルホリノベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキサミド)ヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3,3-ジフェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(CD)(0.050g,0.049mmol)の溶液に、4N HCl/ジオキサン(0.5mL)の溶液を加えて、混合物を、室温で4時間攪拌した。溶媒を蒸発乾固させて、残留物を、NaHCO(10mL)の飽和溶液で希釈して、EA(6mLx3)で抽出した。有機相を合わせて、ブライン(10mL)で洗い、NaSO上で乾燥させ、減圧蒸発させて、粗製残留物を得て、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,97:3)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.015g,収率33%)。HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C50H66N8O6Sについての計算値 907.48988, 実測値 907.48938.
【0179】
スキーム18.実施例32~33の合成
【化43】
【0180】
エチル 1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(ARB-3)
乾燥/脱気したトルエン(3.0mL)中のエチル1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(例えば、Sigma Aldrich社から入手)(0.24g,1.712mmol)、4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)モルホリン(例えば、Fluorochem社から入手)(0.142g,0.571mmol)およびPdAc(PPh)(0.022g,0.028mmol)の混合物を、150℃で、Ace耐圧管(窒素雰囲気下において充填した)内で15時間攪拌した。冷却後、反応混合物を、蒸発乾固させて、SiO(PE/EA,7:3~5:5)のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.105g,60%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.09-7.96 (m, 2H), 6.36 (s, 1H), 4.39 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.91-3.74 (m, 4H), 3.57-3.46 (m, 4H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C13H16N4O3Sについての計算値 309.10159, 実測値 309.10191.
【0181】
エチル 2,5-ジブロモ-1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(ARB-4)
乾燥/脱気したトルエン(3.0mL)中のエチル2,5-ジブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(0.437g,1.466mmol)、4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)モルホリン(例えば、Fluorochem社から入手)(0.146g,0.586mmol)およびPdAc(PPh)(0.044g,0.058mmol)の混合物を、150℃で、Ace耐圧管(窒素雰囲気下において充填した)内で16時間攪拌した。冷却後、反応混合物を、蒸発乾固させ、SiO(PE/EA,8:2)のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(0.036g,13%収率)を淡黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.62 (s, 1H), 4.25 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.99-3.62 (m, 4H), 3.62-3.22 (m, 4H), 1.26 (t, J = 7.1 Hz, 3H). HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C13H14Br2N4O3Sについての計算値 464.92261, 実測値 464.92235.
【0182】
1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸(CE)
0℃のTHF(0.2mL)およびEtOH(0.1mL)中のエチル1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(ARB-3)(0.030g,0.097mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.008g,0.194mmol)/水(0.3mL)の溶液を加えた。有機溶媒を減圧除去し、残留物を氷水(5.0mL)で希釈し、2N HCIを用いてゆっくりとpHを3に調整すると、固体が得られた。この固体を、濾取して、乾燥させ、表題化合物を白色固体として得た(0.025g,収率92%)。 1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.26 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 3.97-3.74 (m, 4H), 3.68-3.43 (m, 4H).
【0183】
N-(6-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)ヘキシル)-1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド(実施例32)
窒素雰囲気下において、オーブン乾燥した丸底フラスコに、乾燥DMF(1.0mL)中の1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸(CE)(0.027g,0.098mmol)、4-((6-アミノヘキシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(L)(0.044g,0.107mmol)およびDIPEA(0.055mL,0.318mmol)の溶液に、HATU(0.046g,0.122mmol)を加えた。撹拌をrtで終夜続けた。反応混合物を氷水に注ぎ、沈殿物を濾取して、SiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2~97:3)で精製し、黄色の膜状物を得た(0.011g,17%収率)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.33 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.46 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.06 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.34 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 4.97-4.86 (m, 1H), 3.81 (s, 4H), 3.57-3.32 (m, 6H), 3.29-3.14 (m, 2H), 2.93-2.62 (m, 3H), 2.20-2.03 (m, 1H), 1.62 (d, J = 6.5 Hz, 4H), 1.42 (s, 4H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 171.5, 170.5, 169.5, 168.8, 167.7, 162.2, 147.0, 142.5, 137.4, 136.1, 135.0, 132.5, 119.5, 116.8, 111.3, 109.9, 90.6, 66.0 (2C), 48.9, 48.0 (2C), 42.6, 38.9, 31.5, 29.6, 29.0, 26.6, 26.5, 22.9. HRMS (ESI) m/z [M+H]+ C30H34N8O6Sについての計算値 635.23948, 実測値 635.23979.
【0184】
2,5-ジブロモ-N-(6-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)ヘキシル)-1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド(実施例33)
0℃のTHF(0.2mL)およびEtOH(0.1mL)中のエチル2,5-ジブロモ-1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(ARB-4)(0.036g,0.077mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.0065g,0.154mmol)/水(0.3mL)の溶液を加えた。得られた混合物を、rtで3時間撹拌した後、有機溶媒を真空除去し、残留物を氷水(5.0mL)で希釈し、2N HCIでゆっくりとpHを3に調整して、固体を得て、これを濾取し、乾燥させて、2,5-ジブロモ-1-(2-モルホリノチアゾール-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸(CF)を黄色固体として得た(0.032g,収率94%)。次いで、オーブン乾燥した丸底フラスコに、窒素雰囲気下において、乾燥DMF(1.0mL)中の(CF)(0.031g,0.071mmol)、4-((6-アミノヘキシル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンヒドロクロリド(L)(0.029g,0.107mmol)およびDIPEA(0.055mL,0.318mmol)の撹拌溶液に、HATU(0.046g,0.071mmol)を加えた。撹拌を、rtで終夜続けた。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EA(10mLx3)で抽出した。有機層を合わせて、ブライン(15mL)で洗い、無水NaSO上で乾燥させ、減圧蒸発させて、粗製残留物を得て、これをSiOのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,96:4)で精製し、黄色固体(0.004g,7%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.01 (s, 1H), 7.58-7.42 (m, 1H), 7.15-6.97 (m, 2H), 6.91 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.26 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.94 (dd, J = 5.3, 12.2 Hz, 1H), 3.95-3.79 (m, 4H), 3.62-3.47 (m, 4H), 3.42 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.35-3.22 (m, 2H), 3.04-2.64 (m, 3H), 2.35-2.08 (m, 1H), 1.87-1.52 (m, 8H). HRMS (ESI) m/z [M+Na]+ C13H14Br2N4O3Sについての計算値 813.04245, 実測値 813.04210.
【0185】
ヒト前立腺癌細胞株22Rv1は、AR-V7を高レベルで発現していることが報告されている。そのため、22Rv1を24ウェルプレートに50,000個/ウェルにて4連で播種し、20μMまでの濃度範囲の試験物質を用いて4日間処理した。標準培地としては、10%のウシ胎児血清を加えたRPMI-1640を使用した。試験化合物を、まずDMSOに50mMで溶解した。このストック溶液を必要に応じて希釈し、所定濃度に調整した。4日間の最終日に、1%トリプシンを用いて細胞を回収し、自動細胞計測器を用いてカウントした。
【0186】
以下の表1に示す結果は、試験化合物が濃度依存的に細胞数を低下させたことを示している。
【表8】


+:細胞数は0~20%低下した
++:細胞数は50%未満低下した
+++:細胞数は50%以上低下した
【0187】
イムノブロットを行い、AR-V7に対する試験物質の効果を実証した。22Rv1を6ウェルプレートに200,000細胞/ウェルで播種し、10μMの試験化合物を用いて説明した通りに培養した。4日間の処理した後、セルスクレーパーを用いて細胞を回収し、SDSを用いて標準的な方法で溶解した。遠心分離により残渣を除去した後、30μgのタンパク質をSDS-PAGEゲルにロードした。電気泳動後、タンパク質をナイロンメンブレンに移し、AR-V7に対する一次抗体(Thermofisher Scientific, cat# NC0752138)を用いてECLを実施した。タンパク質のバンドを、市販のEnhanced Chemiluminescence(ECL)キット(Thermofisher)を用いて染色した。その結果、図1に示すように、AR-V7タンパク質のレベルが、劇的に低下していることが示された。
【0188】
別段の記載が無い限り、本明細書で使用されているすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の通常の技術者により、一般的に理解されているものと同じ意味を示す。本明細書で使用されている用語は、特定の実施態様を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図していない。
【0189】
値の範囲を示す場合、文脈上明らかに別のものを指定しない限り(例えば、いくつかの炭素原子を含む基の場合、範囲内に入る各炭素原子数が提供される)、下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限の間の各介在値、およびその記載範囲内において別途記載された値またはその介在値は、本発明に包含されることが理解される。これらのより狭い範囲の上限と下限は、記載された範囲の中で具体的に排除された制限値を条件として、独立して小さい範囲に含まれることも本発明に包含される。記載した範囲が、限界値の片方または両方を含む場合、それらに含まれる限界値の双方のいずれかを除外した範囲もまた本発明に含まれる。
【0190】
以下の用語は、本明細書を説明するために使用される。ある用語が本明細書で具体的に定義されていない場合、その用語は、本発明を説明する際に、文脈上その用語を用いる当業者により技術的に認識される意味を示す。
【0191】
本明細書および特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、文脈上明らかに別の事象を示していない限り、本明細書では、冠詞の文法対象の1または複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例を挙げると、「an element」とは、1つの要素または複数の要素を意味する。
【0192】
本明細書および特許請求の範囲で使用されている「および/または」というフレーズは、そのように結合された要素の「片方または両方」を意味すると理解すべきであり、ある場合には同時に存在し、他の場合には別々に存在する要素を意味する。また「および/または」と記載された複数の要素は、同じ様式で解釈されるべきであり、即ち、そのように結合された要素の「1つまたは複数」を意味する。別の要素は、「および/または」というフレーズで具体的に特定された要素以外にも、具体的に特定された要素に関連するかに拘わらず、任意に存在し得る。従って、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」については、「を含む(comprising)」などのオープンエンドの言語と組み合わせて使用される場合、ある実施態様では、Aのみ(任意にB以外の要素を含む);別の実施態様では、Bのみ(任意にA以外の要素を含む);さらに別の実施態様では、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む);などを指すことができる。
【0193】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、「または」という用語は、上段で規定された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分ける場合、「または」や「および/または」は、包括的であると解釈され、要素の数またはリスト内の少なくとも1つを含むだけでなく、1つ以上を含み、適宜列挙されていない別の項目も含むものとする。「~のただ1つ」または「の実質的に1つ」または特許請求の範囲で使用されている場合に「から成る」など、反対の意味を持つことが明確に示されている用語のみが、要素の数または項目のうち、確実に1つの要素を含むことを意味する。一般的に、本明細書で使用される「または」という用語は、「どちらか」、「どちらか一方」、「どちらか一方のみ」または「どちらか一方のみ」などの、排他的な用語が先行する場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち、「一方または他方だが両方ではない」)を示すと解釈されるものとする。
【0194】
本明細書で、数値または範囲と関連して使用される「約」などの用語は、実用的および/または理論的な制限のために、当技術分野で認識され、許容される一定レベルの変動があるという事実を反映している。例えば、特定の機器の動作または測定方法には固有の変動が存在するため、僅かな変動は許容される。上記に基づき、「約」という用語は、通常、標準偏差または標準誤差の範囲内の値を包含するために使用される。
【0195】
特許請求の範囲および明細書において、「を含む」、「を包含する」、「を担持する」、「を有する」、「を含有する」、「を挙げる」、「を保持する」、「を含んでいる」などの全ての前後をつなぐ表現は、オープンエンド、すなわち「制限なく含む」ことを意味すると理解される。米国特許庁審査基準便覧:セクション2111.03に記載されているように、「から成る」および「主にから成る」という前後をつなぐ語句(transition phrase)だけが、各々クローズドな前後をつなぐ語句またはセミクローズドな前後をつなぐ語句とする。
【0196】
また、様々な化合物、組成物および方法が、様々な構成要素またはステップを「含む」、「包含する」または「有する」などのオープンエンドの用語で記載されているが(「制限なく含む」という意味に解釈される)、化合物、組成物、方法および装置は、様々な構成要素およびステップから、「主にから成る」または「から成る」こともでき、このような用語は、主に限定された要素群を定義するものと解釈されるべきであることを理解すべきである。本段落は、「を含む」、「を有する」または「を包含する」(および、それらの他の動詞形)の意味を、何ら制限することを意図するものではなく、これらは、特許法および慣習に合致した「制限なく含む」という意味のオープンエンドのフレーズとして解釈されるべきである。この段落の意図は、単に、「から成る」または「主にから成る」の文言により定義した限定された要素群が、オープンエンドの記述の中ではより狭い範囲に含まれた群であることを示し、「から成る」または「主にから成る」の文言を採用した請求項のサポートを提供する。
【0197】
本明細書および特許請求の範囲に使用されるように、1つ以上の要素のリストを参照して「少なくとも1つ」という用語は、要素のリスト内の、いずれか1つの要素または複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも要素のリスト内に具体的に挙げた各要素および全ての要素の少なくとも1つを含む必要はなく、また要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを排除するわけではない。また、この定義では、「少なくとも1つ」という用語が参照する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定された要素に関連するかどうかにかかわらず、適宜存在していてもよい。従って、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、同じように「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同じ様に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、ある実施態様では、Bが存在しないで(および、所望によりB以外の要素を含む)、少なくとも1つの、所望により2つ以上のAを含むことを示し得る;別の実施態様では、Aが存在しないで(および、所望によりA以外の要素を含む)、少なくとも1つの、所望により1つ以上のBを含むことを示し得る;さらに別の実施態様では、少なくとも1つの、所望により1つ以上のAを含み、かつ少なくとも1つの、所望により1つ以上のBを含む(かつ、他の要素を所望により含んでいてもよい)などを示し得る。
【0198】
また、複数のステップまたは実施を含む本明細書に記載された特定の方法では、文脈上示される場合を除き、方法に関するステップまたは実施の順序は必ずしも記載されている順序に限定されないことを理解すべきである。
【0199】
「共投与」および「同時投与」または「併用療法」という用語は、治療剤が、患者にある程度、好ましくは有効量で同時に存在する限り、同時投与(2つ以上の治療剤を同時に投与すること)および時間差投与(1つ以上の治療剤を別の治療剤または薬剤の投与と異なる時間に投与すること)の両方を指すことができる。特定の好ましい態様では、本明細書に記載された1以上の化合物が、特に抗癌剤を含む少なくとも1つの別の生物活性剤と組み合わせて共投与される。特に好ましい態様では、化合物の共投与により、抗がん活性を含めた相乗活性および/または治療が得られる。
【0200】
「有効な」という用語は、その目的の用途において使用されたときに、かかる治療を必要としているか、またはかかる治療を受けている対象における症状、障害または疾患状態の症状を、予防、発症阻害、緩和、遅延または治療する(ある程度まで、好ましくは全ての症状を緩和する)のに有効であるか、または十分である有効な医薬成分の量/用量を意味するが、これに限定されるものではない。「有効な」という用語は、本明細書に別の形で記載または使用されている、他のすべての有効量または有効濃度、例えば「有効量/用量」、「医学的有効量/用量」または「治療的有効量/用量」を包含する。
【0201】
有効な量は、疾患の種類と重症度、使用する組成物、投与経路、治療対象となる哺乳類の種類、対象となる特定の哺乳類の物理的特性、併用薬および医療技術の当業者が認識する他の要因に依って変化する。正確な量は、当業者が既知の技術を用いて確認することができる(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999); and Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照のこと)。
【0202】
「医薬用組成物」、「治療用組成物」、「治療学的製剤」または「医薬的に許容される製剤」という用語は、本明細書により提供される薬剤の効果的な分布を可能にする組成物または製剤であって、これらに限定されるものではないが、その所望の活性にとって最適な体の場所に投与するために適した形態(例えば、全身投与)で存在することができる。
【0203】
「医薬的に許容される」という用語は、患者または対象に投与されたときに、有害反応、アレルギー反応またはその他の不都合な反応を起こさない物質および組成物を指すことができるが、これに限定されるものではない。
【0204】
「医薬的に許容される担体」という用語は、患者または対象への医薬的投与に適合する、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを意味し得るが、これらに限定されるものではない。適切な担体は、当分野の標準的な参照テキストであるRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。このような担体または希釈剤の好ましい例としては、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。また、リポソームおよび固定油などの非水系ビヒクルも使用してもよい。医薬的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野においてよく知られている。従来の媒体および化学物質が活性化合物と適合しない場合を除いて、本組成物におけるそれらの使用は意図される。追加的な活性化合物もまた、組成物に組み込むことができる。
【0205】
「全身投与」とは、経腸投与や非経口投与などの投与経路で、薬剤が全身に送達され、血液中に薬剤が吸収/蓄積され、その後全身に循環することを意味します。適切な形態は、部分的には、例えば、経口、経皮または注射などの用途または投与経路に依って変化する。このような形態により、組成物または製剤が標的細胞(すなわち、負に帯電したポリマーを送達することが望まれる細胞)に到達することを妨げられてはならない。例えば、血液に注入される医薬用組成物は、可溶性であるべきである。別の要因は、当技術分野では十分知られており、組成物または製剤がその効果を発揮するのを妨げる毒性および形態などの考慮事項を含む。全身的な吸収をもたらす投与経路としては、下記に限定されないが、静脈内、皮下、腹腔内、吸入、経口、肺内、筋肉内などがある。
【0206】
薬剤を血液循環系に投与する速度は、分子量またはサイズの関数として示される。本願化合物を含むリポソームまたは他の薬剤担体を使用することにより、例えば、網状内皮系(RES)の組織などの特定の組織系に、薬剤を潜在的に局在化させることができる。また、リンパ球またはマクロファージなどの細胞の表面と薬剤との結合を促進することができるリポソーム製剤も有用である。
【0207】
用語「患者」および「対象」は、本明細書を通して、本願組成物による治療(予防的治療を含む)が提供される細胞、組織または動物、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒトまたは家畜)を説明するために使用される。ヒトの患者のような特定の動物に特異的な感染症、症状または疾患状態の治療のために、患者という用語には、その特定の動物を指し、イヌまたはネコなどの家畜動物、またはウマ、ウシ、ヒツジなどの農場動物を含む。一般的に、本明細書では、患者という用語は、その用語を使用する文脈とは別の記載または示唆がされない限り、ヒトの患者を指す。
【0208】
本明細書で使用される「化合物」という用語は、別段の記載がない限り、本明細書で開示されている任意の特定の化学化合物を指し、文脈上、その互変異性体、立体異性体、必要に応じてその光学異性体(エナンチオマー)および別の立体異性体(ジアステレオマー)に加えて、必要に応じてそれらの医薬的に許容される塩および誘導体を含むものとする。化合物とは、一般的に単一化合物を指すが、立体異性体、立体異性体および/または光学異性体(ラセミ混合物を含む)などの他の化合物に加えて、本願化合物の特定のエナンチオマーまたはエナンチオマー濃縮された混合物を含む場合もある。また、この用語は、活発な部位への化合物の投与および送達を容易にするために改変された化合物のプロドラッグ形態も意味する。また、1つまたは複数の原子が1つまたは複数の異なる元素の同位体で置き換えられた特定の合成化合物を指すこともある。本発明の化合物を説明する際には、特に、多数の置換基およびそれに関連する変数が記載されていることに留意されたい。
【0209】
本明細書に記載されている分子は、本明細書に一般的に記載されているような安定した化合物であることが、当業者には理解される。結合が示されている場合、二重結合および単結合の両方は、所定の化合物の文脈および原子価の相互作用について周知規則の範囲内で表現または理解される。
【0210】
本明細書で使用される「誘導体」は、直接的に、改変または部分置換のいずれかによって元々の化合物から形成される組成物を意味すると理解され得る。本明細書で使用される場合、「アナログ」とは、元々の化合物とは同一ではないが、類似の構造を有する組成物を意味することができる。
【0211】
「ユビキチンリガーゼ」という用語は、特定の基質タンパク質へのユビキチンの移動を促進し、基質タンパク質を分解の対象とするタンパク質のファミリーを意味する。例えば、セレブロンは、E3ユビキチンリガーゼタンパク質であり、単独またはE2ユビキチン結合酵素との組み合わせにより、標的タンパク質上のリジンにユビキチンを結合させ、その後、特定のタンパク質基質をプロテアソームによる分解の標的とする。このように、E3ユビキチンリガーゼは、単独で、あるいはE2ユビキチン結合酵素と複合体を形成して、標的タンパク質にユビキチンを転移する役割を担っている。一般的には、ユビキチンリガーゼは、第1のユビキチンに第2のユビキチンを結合させ得るか、第2のユビキチンに第3のユビキチンを結合させ得るポリユビキチン化に関与し得る。ポリユビキチン化は、プロテアソームによるタンパク質を分解する目印となる。しかし、ユビキチンリガーゼが、基質分子にユビキチンを1つだけ付加するモノユビキチン化に限定され幾つかのユビキチン化も存在する。モノユビキチン化されたタンパク質は、プロテアソームによる分解の標的とならず、ユビキチンを結合できるドメインを持つ別のタンパク質と結合して、細胞内の位置および機能を変化する場合もある。さらに、ユビキチン上の異なるリジンが、E3によって標的となり、鎖を形成することができる。最も一般的なリジンは、ユビキチン鎖のLys48である。これは、プロテアソームによって認識されるポリユビキチンを作るために使用されるリジンである。
【0212】
本明細書において使用される通り、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)またはヨード(I)を意味する。
【0213】
本明細書において使用される通り、「ヒドロカルビル」という用語は、炭素および水素を含んでおり、完全飽和、部分不飽和または芳香族であってもよい化合物を意味し、アリール基、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含んでいる。
【0214】
本明細書において使用される通り、「アルキル」という用語は、その文脈において、直鎖状、分岐鎖状または環状の完全飽和の炭化水素基またはアルキル基、好ましくはC-C10、より好ましくはC-C、代わりにC-Cのアルキル基であって、任意に置換されていてもよいものを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、イソプロピル、2-メチルプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0215】
本明細書において使用される通り、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つのC=C結合を含む直鎖状、分枝状または環状のC-C10(好ましくはC-C)炭化水素基を指す。
【0216】
本明細書において使用される通り、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つのC≡C結合を含む直鎖状、分枝状または環状のC-C10(好ましくはC-C)炭化水素基を指す。
【0217】
本明細書において使用される通り、「アルキレン」という用語は、所望により置換されていてもよい-(CH)n-基(式中、nは、一般に0~6の整数である)を意味する。置換されている場合、アルキレン基は、好ましくは1つ以上のメチレン基にてC-Cアルキル基(シクロプロピル基またはt-ブチル基を含む)、より好ましくはメチル基で置換されているが、本明細書で別途開示されているように、1つ以上のハロ基、好ましくは1~3個のハロ基または1または2個のヒドロキシル基、O-(C-Cアルキル)基またはアミノ酸側鎖で置換されていてもよい。特定の実施態様では、アルキレン基は、単一のハロゲン基、好ましくは塩素基で置換されたアルキル鎖が(好ましくは、ポリエチレングリコール鎖の遠位末端に限定されないが)置換されたポリエチレングリコール鎖(1~10、好ましくは1~6、多くは1~4個のエチレングリコール単位)でさらに置換されたウレタン基またはアルコキシ基(または他の基)で置換されていてもよい。さらに別の実施態様では、アルキレン(多くの場合、メチレン)基は、天然または非天然アミノ酸の側鎖基などのアミノ酸側鎖基、例えば、アラニン、(3-アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プラリン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファンまたはチロシンなどで置換されていてもよい。
【0218】
本明細書において使用される通り、Cを含む炭素原子の範囲は、炭素が存在せず、H(または重水素)で置換されていることを意味する。従って、C-Cである炭素原子の範囲は、1、2、3、4、5および6の炭素原子を含み、Cの場合には、炭素の代わりにH(または重水素)が存在している。
【0219】
本明細書において使用される通り、「非置換」という用語は、水素原子でのみ置換されていることを意味する。
【0220】
本明細書において使用される通り、「置換された」または「所望により置換されていてもよい」という用語は、独立して(即ち、1つ以上の置換がおこる場合、各置換基は別の置換基とは独立している)、1つ以上の置換基(独立して最大5つの置換基、好ましくは最大3つの置換基、多くの場合、本発明による化合物の部分上の1つまたは2つの置換基であり、それ自体がさらに置換されていてもよい置換基を含んでもよい)が、文脈上の分子上のあらゆる場所の炭素(または窒素)位置に存在することを意味し、かつ置換基としては、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、シアノ(C≡N)、ニトロ(NO)、ハロゲン(好ましくは、1、2または3個のハロゲン、特にアルキル、特にトリフルオロメチルなどのメチル基上)、アルキル基(好ましくは、C-C10、より好ましくはC-C)、アリール(特に、フェニルおよび置換フェニル、例えばベンジルまたはベンゾイル)、アルコキシ基(好ましくは、フェニルおよび置換フェニルを含むC-Cアルキルまたはアリール)、チオエーテル(C-Cアルキルまたはアリール)、アシル(好ましくは、C-Cアシル)、エステルまたはチオエステル(好ましくは、C-Cアルキルまたはアリール)、例えばアルキレンエステル(好ましくはC-Cアルキルまたはアリール基で置換されているエステル官能基ではなく、アルキレン基に結合しているような)、好ましくは、C-Cアルキルまたはアリール、ハロゲン(好ましくは、FまたはCl)、アミン(例えば、5または6員の環状アルキレンアミン)または所望により置換されていてもよいN(C-Cアルキル)C(O)(OC-Cアルキル)基(ポリエチレングリコール鎖で任意に置換されていてもよく、その鎖にはさらに1つのハロゲンを含むアルキル基をさらに結合している)、ヒドラジン、1または2つのC-Cアルキル基で好ましく置換されたアミド(1つまたは2つのC-Cアルキル基で所望により置換されていてもよいカルボキサミドを含む)、アルカノール(好ましくは、C-Cアルキルまたはアリール)あるいはアルカノン酸(好ましくは、C-Cアルキルまたはアリール)を包含する。本発明の置換基としては、例えば、SiR基を挙げることができ、式中、RおよびRの各々は、本明細書に別途記載した通りであり、RがHまたはC-Cアルキル基であり、好ましくは、R、RおよびRは、C-Cアルキル基(例えば、イソプロピル基またはt-ブチル基を含む)である。上述の各基は、置換部分に直接連結されていてもよいし、あるいは所望により置換されていてもよい-(CH)m-または所望により置換されていてもよい-(OCH)m-、-(OCHCH)m-または-(CHCHO)m-を介して、置換部分(好ましくは、アリールまたはヘテロアリール部分の場合に)に結合されていてもよい。アルキレン基-(CH)m-または-(CH)n-基、あるいは上記で特定したエチレングリコール鎖などの別の鎖は、その鎖上のあらゆる場所で置換されていてもよい。アルキレン基上の好ましい置換基としては、ハロゲンまたはC-C(好ましくはC-C)アルキル基が挙げられ、このアルキル基は、1または2つのヒドロキシル基、1または2つのエーテル基(O-C-C基)、最大3つのハロ基(好ましくはF)、または本明細書に別途記載されているようなアミノ酸の側鎖、および所望により置換されていてもよいアミド(好ましくは上述のように置換されたカルボキサミド)またはウレタン基(多くの場合、1または2つのC-Cアルキル置換基を有し、この基(複数可)は、さらに置換されていてもよい)で所望により置換されていてもよい。特定の実施態様では、アルキレン基(多くの場合、単一のメチレン基)は、1または2つの所望により置換されていてもよいC-Cアルキル基、好ましくはC-Cアルキル基、最も多いのはメチル基またはO-メチル基、あるいは本明細書に別の形で記載されているアミノ酸の側鎖で置換されている。本発明において、分子内の部分は、最大5つの置換基、好ましくは最大3つの置換基で所望により置換されていてもよい。本発明において、最も多いのは、置換されている部分が1または2つの置換基で置換されている場合である。
【0221】
本明細書において使用される通り、「置換された」(各置換基は、他の置換基と独立している)という用語は、その内容の範囲内で、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、アミド、カルボキサミド、スルホン(スルホンアミドを含む)、ケト、カルボキシ、C-Cエステル(オキシエステルまたはカルボニルエステル)、C-Cケト、ウレタン-O-C(O)-NRまたは-N(R)-C(O)-O-R、ニトロ、シアノおよびアミン(特に、C-Cアルキレン-NR、1または2つのヒドロキシル基で所望により置換されていてもよいモノ-またはジ-C-Cアルキル置換アミンを含む)の使用を意味する。これらの基の各々は、文脈上、別段の記載が無い限り、1~6個の炭素原子を含む。特定の実施態様において、好ましい置換基は、例えば、NH、NHC(O)、O、=O、(CH)m(ここで、mおよびnは、文脈上、1、2、3、4、5または6である)、S、S(O)、SOまたはNHC(O)NH、(CH)nOH、(CH)nSH、(CH)nCOOH、C-Cアルキル、(CH)nO(C-Cアルキル)、(CH)nC(O)(C-Cアルキル)、(CH)nOC(O)(C-Cアルキル)、(CH)nC(O)O(C-Cアルキル)、(CH)nNHC(O)R、(CH)nC(O)NR、(OCH)nOH、(CHO)nCOOH、C-Cアルキル、(OCH)nO(C-Cアルキル)、(CHO)nC(O)(C-Cアルキル)、(OCH)nNHC(O)R、(CHO)nC(O)NR、S(O)Rs、S(O)Rs(Rsは、C-Cアルキルまたは(CH)mNR基である)、NO、CNまたはハロゲン(F、Cl、Br、I、好ましくはFまたはCl)であり、置換基を使用する状況に応じて決定される。RおよびRは、各々、内容に応じて、HまたはC-Cアルキル基(これは、1もしくは2つのヒドロキシル基または最大3つのハロゲン基(好ましくはフッ素)で、所望により置換されていてもよい)である。
【0222】
「置換された」という用語は、また、定義された化合物および使用された置換基の化学的な環境の中で、本明細書に別途記載されているように、所望により置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基または所望により置換されていてもよい複素環基を意味する。アルキレン基はまた、本明細書に別の形で開示されているように置換されていてもよく、好ましくは、所望により置換されていてもよいC-Cアルキル基(メチル、エチルまたはヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルが好ましく、そのためキラル中心を提供する)、本明細書に別の形態で記載されているようなアミノ酸基の側鎖、本明細書に記載されているようなアミド基またはウレタン基OC(O)NR基(ここで、RおよびRは、本明細書に別の形態で記載されている通り)であるが、多数の別の基を置換基として使用してもよい。様々な所望により置換されていてもよい部分は、3つ以上の置換基で置換されていてもよく、好ましくは3つ以下の置換基、好ましくは1または2つの置換基で置換されている。化合物において分子の置換基の特定位置にて、置換が必要である(主に原子価を理由として)にもかかわらず、置換基が示されていない場合には、置換という文脈からそうでないことが示唆されない限り、その置換基はHであると解釈または理解されることに留意されたい。
【0223】
本明細書において使用される通り、「アリール」および「芳香族」という用語は、文脈上、単環(例えば、ベンゼン、フェニル、ベンジル)または縮合環(例えば、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニルなど)を有する置換された(本明細書に別途記載されている)または非置換の一価の芳香族基を指し、環(複数可)上であらゆる利用可能な安定した位置で、または提示された化学構造に別途示されているように、本発明の化合物に結合することが可能である。アリール基の別の例は、文脈上、イミダゾール、フリル、ピロール、フラニル、チエン、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、オキサゾールなどの環内に1つ以上の窒素、酸素または硫黄原子を有する芳香族複素環系「ヘテロアリール」基(単環式)、あるいはインドール、キノリン、インドリジン、アザインドリジン、ベンゾフラザンなどの縮合環系が挙げられ、これらは上述のように所望により置換されていてもよい。上記したヘテロアリール基の一つとしては、窒素含有ヘテロアリール基、例えばピロール、ピリジン、ピリドン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、トリアジン、テトラゾール、インドール、イソインドール、インドリジン、アザインドリジン、プリン、インダゾール、キノリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、キノリジン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、イミダゾピリジン、イミダゾトリアジン、ピラジノピリダジン、アクリジン、フェナントリジン、カルバゾール、カルバゾリン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナセン、オキサジアゾール、ベンズイミダゾール、ピロロピリジン、ピロロピリミジンおよびピリドピリミジン;硫黄含有芳香族複素環、例えばチオフェンおよびベンゾチオフェンなど;酸素含有芳香族複素環、例えばフラン、ピラン、シクロペンタピラン、ベンゾフランおよびイソベンゾフランなど;ならびに、窒素、硫黄および酸素の中から選択された2個以上のヘテロ原子を含む芳香族複素環、例えば、チアゾール、チアジゾール、イソチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、ピラゾロオキサゾール、イミダゾチアゾール、チエノフラン、フロピロール、ピリドキサジン、フロピリジン、フロピリミジン、チエノピリミジンおよびオキサゾールなどが挙げられ、特に、これら全ては、所望により置換されていてもよい。
【0224】
本明細書において使用される通り、「置換アリール」という用語は、少なくとも1つの芳香環またはそのうちの少なくとも1つが芳香環である複数の縮合環で構成される芳香族炭素環式基を指し、その環は1つ以上の置換基で置換されているものを指す。例えば、アリール基は、以下から選択される置換基を含むことができる:(CH)nOH、(CH)nO(C-C)アルキル、(CH)nO(CH)n(C-C)アルキル、(CH)nC(O)(C-C)アルキル、(CH)nC(O)O(C-C)アルキル、(CH)nOC(O)(C-C)アルキル、アミン、モノ-またはジ(C-Cアルキル)アミンであって、該アミン上のアルキル基は、1または2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ(好ましくは、F、Cl)基、OH、COOH、C-Cアルキル、好ましくはCH、CF、OMe、OCF、NOまたはCN基(これらの各基は、フェニル環のオルト位、メタ位および/またはパラ位で置換されていてもよく、好ましくはパラ位である)、所望により置換されていてもよいフェニル基(該フェニル基自体は、E3LB基を含むARB基に結合したリンカー基で置換されていることが好ましい)および/または、F、Cl、OH、COOH、CH、CF、OMe、OCF、NOもしくはCN基の少なくとも1つ(フェニル環のオルト位、メタ位および/またはパラ位で、好ましくはパラ位で)、所望により置換されていてもよいナフチル基、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、好ましくは所望により置換されていてもよいイソオキサゾール(例えば、メチル置換されたイソオキサゾール)、所望により置換されていてもよいオキサゾール(例えば、メチル置換されたオキサゾール)、所望により置換されていてもよいチアゾール(例えば、メチル置換されたチアゾール)、所望により置換されていてもよいイソチアゾール(例えば、メチル置換されたイソチアゾール)、所望により置換されていてもよいピロール(例えば、メチル置換されたピロール)、所望により置換されていてもよいイミダゾール(例えば、メチルリミダゾール)、所望により置換されていてもよいベンズイミダゾールまたはメトキシベンジルイミダゾール、所望により置換されていてもよいオキシイミダゾールまたはメチルオキシイミダゾール、所望により置換されていてもよいジアゾール基(例えば、メチルジアゾール基)、所望により置換されていてもよいトリアゾール基(例えば、メチル置換されたトリアゾール基)、所望により置換されていてもよいピリジン基[例えば、ハロ(好ましくはF)またはメチル置換されたピリジン基またはオキサピリジン基(ここで、該ピリジン基は酸素によってフェニル基に連結されている)]、所望により置換されていてもよいフラン、所望により置換されていてもよいベンゾフラン、所望により置換されていてもよいジヒドロベンゾフラン、所望により置換されていてもよいインドール、インドリジンまたはアザインドリジン(2、3または4-アザインドリジン)、所望により置換されていてもよいキノリンならびにこれらの組み合わせにより所望により置換されていてもよい。
【0225】
本明細書において使用される通り、「カルボキシル」という用語は、基C(O)ORを指し、式中のRは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるが、これらの一般的な置換基は、本明細書で定義された対応する基の定義と同一の意味を有するものである。
【0226】
本明細書において使用される通り、「ヘテロアリール」および「ヘタリール」という用語は、限定されないが、所望により置換されていてもよいキノリン(これは、ファーマコフォアに結合していても、キノリン環内の任意の炭素原子にて置換されていてもよい)、所望により置換されていてもよいインドール(例えば、ジヒドロインドール)、所望により置換されていてもよいインドリジン、所望により置換されていてもよいアザインドリジン(2、3または4-アザインドリジン)、所望により置換されていてもよいベンズイミダゾール、ベンゾジアゾール、ベンゾキソフラン、所望により置換されていてもよいイミダゾール、所望により置換されていてもよいイソオキサゾール、所望により置換されていてもよいオキサゾール(好ましくはメチル置換されている)、所望により置換されていてもよいジアゾール、所望により置換されていてもよいトリアゾール、テトラゾール、所望により置換されていてもよいベンゾフラン、所望により置換されていてもよいチオフェン、所望により置換されていてもよいチアゾール(好ましくは、メチルおよび/またはチオールで置換されたもの)、所望により置換されていてもよいイソチアゾール、所望により置換されていてもよいトリアゾール(好ましくは、メチル基、トリイソプロピルシリル基、所望により置換されていてもよい(CH)mOC-Cアルキル基または所望により置換されていてもよい(CH)mC(O)OC-Cアルキル基で置換された1,2,3-トリアゾール)、所望により置換されていてもよいピリジン(2-、3-または4-ピリジン)あるいは下記の化学構造の基:
【化44】
[式中、
は、CHRSS、NRUREまたはOであり;
HETは、H、CN、NO、ハロ(好ましくは、ClまたはF)、所望により置換されていてもよいC-Cアルキル(好ましくは、1または2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基(例えばCF)で置換されている)、所望により置換されていてもよいO(C-Cアルキル)(好ましくは、1または2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基で置換されている)または所望により置換されていてもよいアセチレン基:-C≡C-Ra(式中、Raは、HまたはC-Cアルキル基(好ましくはC-Cアルキル)である)であり;
SSは、H、CN、NO、ハロ(好ましくは、FまたはCl)、所望により置換されていてもよいC-Cアルキル(好ましくは、1つまたは2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基で置換されている)、所望により置換されていてもよいO-(C-Cアルキル)(好ましくは、1または2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基で置換されている)または所望により置換されていてもよい-C(O)(C-Cアルキル)(好ましくは、1つまたは2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基で置換されている)である;
UREは、H、C-Cアルキル(好ましくは、HまたはC-Cアルキル)あるいは-C(O)(C-Cアルキル)であって、これらの各基は、1もしくは2つのヒドロキシル基または最大3つのハロゲン(好ましくは、フッ素基)、あるいは所望により置換されていてもよいフェニル基、所望により置換されていてもよい複素環(例えば、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、これらの基は、各々所望により置換されていてもよい)で所望により置換されていてもよく;
は、NまたはC-RYCであり、式中、RYCは、H、OH、CN、NO、ハロ(好ましくは、ClまたはF)、所望により置換されていてもよいC-Cアルキル(好ましくは、1もしくは2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基(例えば、CF)で置換されている)、所望により置換されていてもよいO(C-Cアルキル)(好ましくは、1もしくは2つのヒドロキシル基または最大3つのハロ基で置換されている)あるいは所望により置換されていてもよいアセチレン基:-C≡C-Ra(式中、Raは、HまたはC-Cアルキル基、好ましくはC-Cアルキルである)であり;
PROは、H、所望により置換されていてもよいC-Cアルキルまたは所望により置換されていてもよいアリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環基(これは、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ジアゾール、オキシイミダゾール、ピロール、ピロリジン、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チエン、ジヒドロチエン、テトラヒドロチエン、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キノリン(各々、好ましくはC-Cアルキル基、好ましくはメチル基またはハロ基、好ましくはFまたはClで置換されたもの)、ベンゾフラン、インドレムインドリジン、アザインドリジンからなる群から選択される)であり;
PRO1およびRPRO2は、各々独立して、H、所望により置換されていてもよいC-Cアルキル基であるか、または一緒になってケト基を形成し、
各nは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5もしくは6であるか、または所望により置換されていてもよい複素環、好ましくはテトラヒドロフラン、テトラヒドロチエン、ピペリジン、ピペラジンもしくはモルホリン(これらの基が各々置換されている場合、好ましくはメチルまたはハロで置換されている)である]
を包含する。
【0227】
本明細書において使用される通り、「アリールアルキル」および「ヘテロアリールアルキル」という用語は、上記の定義に従って、双方のアリールまたは、ヘテロアリール、ならびにアルキルおよび/またはヘテロアルキルおよび/または炭素環式および/またはヘテロシクロアルキル環系を含む基を指す。
【0228】
本明細書において使用される通り、「アリールアルキル」という用語は、上記で定義されたアルキル基に結合した上記で定義されたアリール基を指す。アリールアルキル基は、アルキル基が1~6個の炭素原子であるアルキル基を介して親部分に結合している。アリールアルキル基中のアリール基は、上記で定義したように置換されていてもよい。
【0229】
本明細書において使用される通り、「ヘテロ環」および「複素環式」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(即ち、O、NまたはS)を含み、かつ芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族であってもよい環状基を指す。従って、ヘテロアリール部分は、その使用する状況に応じて、ヘテロ環の定義下に包含される。ヘテロ環の例には、以下のものが挙げられる:アゼチジニル、ベンズイミダゾリル1,4-ベンゾジオキサニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、エチレン尿素、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、フリル、ホモピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、インドリニル、インドリル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピリドン、2-ピロリドン、ピリジン、ピペラジニル、N-メチルピペラジニル、ピペリジニル、フタルイミド、スクシンイミド、ピラジニル、ピラゾリニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キノリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリン、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、テトラヒドロチオフェン、オキサン、オキセタニル、オキサチオラニルおよびチアンなどである。
【0230】
複素環基は、アルコキシ、置換されたアルコキシ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたシクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換されたアミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシ、カルボキシアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換されたアルキル、-SOアリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-置換されたアルキル、-SO-アリール、オキソ(=O)および-SO-ヘテロアリールからなる群から選択されるメンバーで所望により置換されていてもよい。このような複素環基は、単一の環を有していても、または複数の縮合環を有していてもよい。窒素複素環およびヘテロアリールの例としては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなどに加えてN-アルコキシ窒素含有複素環が挙げられる。また、「複素環」という用語には、複素環のいずれかが、ベンゼン環またはシクロヘキサン環または別の複素環(例えば、インドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリルなど)と縮合している二環式基も含まれる。
【0231】
本明細書で使用されるように、「シクロアルキル」という用語は、限定するものではないが、本明細書で定義されるような単環式または多環式アルキル基またはシクロアルカンから得られる1価の基(例えば、環内に3~20個の炭素原子を有する飽和単環式炭化水素基)であって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0232】
本明細書で使用されるように、「置換されたシクロアルキル」という用語は、1つ以上の置換基、例えば、アミノ、ハロゲン、アルキル、置換されたアルキル、カルビルオキシ、カルビルメルカプト、アリール、ニトロ、メルカプトまたはスルホンアミド(sulfa)で置換されている単環式または多環式アルキル基が含まれるが、これらの一般的な置換基は、本明細書で定義されている対応する基の定義と同一の意味を有する。
【0233】
本明細書で使用する場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、その環状構造の少なくとも1つの環炭素原子が、N、O、SまたはPからなる群から選択されるヘテロ原子で置換されている単環式または多環式アルキル基を指す。
【0234】
本明細書で使用する場合、「置換されたヘテロシクロアルキル」という用語は、その環状構造の少なくとも1つの環炭素原子が、N、O、SまたはPからなる群から選択されたヘテロ原子で置換されている単環または多環式アルキル基を意味し、この基は、ハロゲン、アルキル、置換されたアルキル、カルビルオキシ、カルビルメルカプト、アリール、ニトロ、メルカプトまたはスルホンアミドからなる群から選択される1つ以上の置換基を含むが、これらの一般的な置換基は、本明細書で定義されている対応する基の定義と同一の意味を有する。
図1
【国際調査報告】