(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】ファイバ巻き取り中のウィッピングテールを検出するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65H 63/032 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
B65H63/032 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552590
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 US2020018490
(87)【国際公開番号】W WO2020180477
(87)【国際公開日】2020-09-10
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バンガーナー,カーク パットン
(72)【発明者】
【氏名】レックライダー,ジェイムズ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スキナー,ダスティン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ストークス,ウィリアム ジョゼフ
【テーマコード(参考)】
3F115
【Fターム(参考)】
3F115AA07
3F115BA05
3F115CA18
3F115CA58
3F115CB18
3F115CC04
3F115CC23
3F115CF01
3F115CG10
(57)【要約】
本明細書に開示された装置および方法は、回転しているスプール(20)上にファイバ(70)を巻き取るファイバ巻き取りシステム(10)の使用時にウィッピングテールの存在を検出するためのものである。ファイバ(70)は、スプール(20)とウィップシールド(100)との間の封じ込め領域(80)を通って、回転しているスプール(20)上にガイドされ、巻き取られたファイバが形成される。ウィッピングテール(72W)は、巻き取られたファイバ(70)から外側に向かって延び、周期的または準周期的に光ビーム(152)を通過して光ビームに一連の強度の一時的な下降が形成され、これによって、変調された光ビームが形成される。変調された光ビーム(152M)は、強度の一時的な下降(DI)によって規定されたタイミングを有する電気パルス(PV)から構成されるデジタル電気信号(SD)に変換される。電気パルス(PV)の測定されたタイミングは、回転しているスプール(20)に基づく推定されたタイミングと比較され、ウィッピングテール(72W)の存在が突き止められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取り面および回転速度を有する、回転しているスプール上にファイバを巻き取るときのウィッピングテールを検出する方法であって、前記方法は、
a)巻き取られたファイバを前記巻き取り面上に形成するために、前記回転しているスプールの前記巻き取り面上に前記ファイバを巻き取るステップを含んでおり、前記ウィッピングテールは前記巻き取られたファイバから外側に向かって延び、
b)変調された光ビームを形成すべく光ビームに強度の一時的な下降を形成するために、前記ウィッピングテールが前記回転しているスプールによって周期的または準周期的に前記光ビームと少なくとも部分的に交差するように、前記光ビームを方向付けるステップを含んでおり、
c)前記変調された光ビームを、前記強度の一時的な下降によって規定されたタイミングを有する電気パルスから構成されるデジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、かつ
d)前記ウィッピングテールを検出するために、前記電気パルスの前記タイミングを、前記回転しているスプールの前記回転速度に基づく推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる、方法。
【請求項2】
前記ウィッピングテールは、
前記巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、前記巻き取られたファイバとは異なるファイバの部分、
前記巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、前記巻き取られたファイバからの光ファイバの部分、
前記巻き取られたファイバの意図的な切断部分または意図的ではない切断部分、または
前記巻き取られたファイバの意図的な破断部分または意図的ではない破断部分
によって形成されたものである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記変調された光ビームをデジタル電気信号に変換する前記ステップは、
前記変調された光ビームを、それぞれ強度の一時的な下降のパルス幅を有している一連の信号の一時的な下降を含んでいるアナログ電気信号に変換するステップを含んでおり、
増幅された信号の一時的な下降を含んでいる増幅された電気信号を形成するために、前記アナログ電気信号を増幅するステップを含んでおり、かつ
増幅された前記アナログ電気信号を前記デジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、ここで、前記電気パルスは、前記強度の一時的な下降のパルス幅よりも格段に大きいパルス幅を有している、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記巻き取り面上に前記ファイバを巻き取る前記ステップは、前記回転しているスプールに対して相対的に動作可能に配置されているウィップシールドによって少なくとも部分的に規定された封じ込め領域内へ前記ファイバを方向付けるステップを含んでおり、前記光ビームを方向付ける前記ステップは、前記封じ込め領域を通るように前記光ビームを通過させるステップを含んでいる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ファイバ巻き取りシステムにおけるウィッピングテールを検出する方法であって、前記方法は、
a)回転しているスプールと封じ込めシールドとの間に形成されている封じ込め領域を通るようにファイバを通過させることによって、前記回転しているスプールの巻き取り面上に前記ファイバを巻き取るステップを含んでおり、前記回転しているスプールは、回転軸線と、対向し合う外側フランジとを有しており、前記封じ込めシールドは、前記巻き取り面に対して相対的に動作可能に配置されており、かつ前記巻き取り面から離間して配置されており、前記回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップによって、前記巻き取り面上に、巻き取られたファイバ面を有する巻き取られたファイバが形成され、前記ウィッピングテールは前記巻き取られたファイバ面から外側に向かって延び、
b)光ビームから変調された光ビームを形成するために、前記ウィッピングテールが実質的に周期的に前記光ビームの少なくとも一部を通過して前記光ビームに強度の一時的な下降を形成するように、前記回転しているスプールに近接し、かつ前記封じ込め領域を通るように前記光ビームを方向付けるステップを含んでおり、
c)前記変調された光ビームを、前記強度の一時的な下降によって規定された電気パルスタイミングを有する電気パルスを含んでいるデジタル信号に変換するステップを含んでおり、かつ
d)前記電気パルスタイミングを、前記ファイバ巻き取りシステムの少なくとも1つの動作パラメータに基づく、前記ウィッピングテールの推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる、方法。
【請求項6】
前記光ビームを方向付ける前記ステップは、光路を介して前記光ビームを送るステップを含んでおり、前記光路は概して、前記回転軸線に対して平行に、かつ前記スプールの前記対向し合う外側フランジの外側に、かつ前記スプールの前記対向し合う外側フランジに近接して延在している、請求項5記載の方法。
【請求項7】
c)の、前記変調された光ビームをデジタル信号に変換する前記ステップは、
前記光ビームを、それぞれ強度の一時的な下降のパルス幅を有している一連の信号の一時的な下降を含んでいるアナログ電気信号に変換するステップを含んでおり、
増幅された信号の一時的な下降を含んでいる増幅された電気信号を形成するために、前記アナログ電気信号を増幅するステップを含んでおり、かつ
増幅された前記アナログ電気信号を前記デジタル信号に変換するステップを含んでおり、ここで、前記電気パルスは、前記強度の一時的な下降のパルス幅よりも格段に大きいパルス幅を有している、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記ウィッピングテールは、
前記巻き取られたファイバ内に捕捉されている漂遊しているファイバ、
前記巻き取られたファイバの意図的ではない切断部分または意図的な切断部分、または
前記巻き取られたファイバの意図的ではない破断部分または意図的な破断部分
によって形成されたものである、請求項5から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ウィッピングテールを検出することができる、ファイバを巻き取るためのファイバ巻き取りシステムであって、前記ファイバ巻き取りシステムは、
a)回転軸線を中心に回転するように構成されているスプールを含んでおり、前記スプールは、巻き取られたファイバを形成するように前記ファイバがその上に巻き取られる巻き取り面を有しており、前記ウィッピングテールは前記巻き取られたファイバから外側に向かって延び、
b)前記スプール面上にライン速度で前記ファイバをフィードするように構成されているフィード機構を含んでおり、
c)前記スプールに対して相対的に動作可能に配置されたウィップシールドを含んでおり、これによって前記スプールと前記ウィップシールドとの間に封じ込め領域が形成され、
d)ウィッピングテール検出装置を含んでおり、前記ウィッピングテール検出装置は、
i)前記回転軸線に対して実質的に平行な光路を介して光ビームを放出するように構成されている光源を含んでおり、前記光ビームは前記封じ込め領域を横断し、その結果、前記ウィッピングテールが存在する場合に、前記ウィッピングテールは、前記スプールの前記回転によって前記光ビームの少なくとも一部を実質的に周期的に通過して前記光ビームに一連の強度の一時的な下降を形成し、前記一連の強度の一時的な下降から、変調された光ビームが形成され、
ii)前記変調された光ビームを検出し、前記変調された光ビームから、前記一連の強度の一時的な下降によって規定された一連の信号の一時的な下降を有するアナログ電気信号を形成するように構成されている光検出器を含んでおり、かつ
iii)前記信号の一時的な下降のタイミングを、推定されたウィッピングテールタイミングと比較することによって、前記ウィッピングテールの存在を確定するために、前記アナログ電気信号を受信し、処理するように構成されているコントローラを含んでいる、ファイバ巻き取りシステム。
【請求項10】
前記推定されたウィッピングテールタイミングはタイミング範囲を含んでおり、前記タイミング範囲内にある前記電気パルスは前記ウィッピングテールの存在に相当する、請求項9記載のファイバ巻き取りシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)のもと、2019年3月7日に出願された米国仮特許出願第62/814918号の優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、回転しているスプール上にファイバを巻き取るためのファイバ巻き取り装置および方法に関し、特に、ファイバ巻き取りプロセス中のウィッピングテールを検出するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ファイバ製造業界では、長尺の光ファイバ(「ファイバ」)が、出荷および取り扱いのために、機械回転式の巻き上げスプール上に高速で巻き取られる。ファイバがスプールに巻き取られるにつれて、ファイバは連続的な層でスプール上に重ねられる。ファイバ業界では、ファイバの巻き取りは、典型的に、ファイバが最初に線引きされるドロータワーと、ファイバの強度試験が行われるオフラインスクリーニングステーションとで行われる。これらの各位置において、ファイバは、たとえば毎秒20m以上の高速で巻き取り可能であり、比較的高い張力で維持される。ファイバ巻き取り機は、ファイバをガイドするように配置されている複数のプーリを含んでいるフィードアセンブリを含んでいてよい。これらのプーリはまた、スプール上に巻き取られるときにファイバの適切な張力を維持するのを容易にし、またフィード装置は、スプールへ上の均一なファイバ巻き取りを容易にする。
【0004】
巻き取り中、ファイバは、巻き取り機が加える力によって破断しやすい。巻き取り中にファイバが破断すると、自由端部または「ファイバテール」が生じる。巻き上げスプールの急速回転によって、ファイバテールが高速で急に向きを変え、これによって、本明細書において「ウィッピングテール(鞭のようにしなる尾部)」と称されるものが形成される。コントロール下にないウィッピングテールは、スプール上にすでに巻き取られているファイバに衝撃を与え、尾部自体だけでなく、ファイバの多くの層に著しい損傷を与えてしまうことがある。破断事象は、意図的である場合も、予測不能な場合もある。いずれの場合でも、ウィッピングテールがファイバに損傷を与えるのを防ぐために、ファイバの破断後に、スプールの回転を直ちに停止させなければならない。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態は、巻き取り面および回転速度を有する、回転しているスプール上にファイバを巻き取るときのウィッピングテールを検出する方法であって、この方法は、a)巻き取られたファイバを巻き取り面上に形成するために、回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップを含んでおり、ウィッピングテールは巻き取られたファイバから外側に向かって延び、b)変調された光ビームを形成すべく光ビームに強度の一時的な下降を形成するために、ウィッピングテールが回転しているスプールによって周期的または準周期的に光ビームと少なくとも部分的に交差するように、光ビームを方向付けるステップを含んでおり、c)変調された光ビームを、強度の一時的な下降によって規定されたタイミングを有する電気パルスから構成されるデジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、かつd)ウィッピングテールを検出するために、電気パルスのタイミングを、回転しているスプールの回転速度に基づく推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる。
【0006】
本開示の別の実施形態は、ファイバ巻き取りシステムにおけるウィッピングテールを検出する方法であって、この方法は、a)回転しているスプールと封じ込めシールドとの間に形成されている封じ込め領域を通るようにファイバを通過させることによって、回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップを含んでおり、回転しているスプールは、回転軸線と、対向し合う外側フランジとを有しており、封じ込めシールドは、巻き取り面に対して相対的に動作可能に配置されており、かつ巻き取り面から離間して配置されており、回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップによって、巻き取り面上に、巻き取られたファイバ面を有する巻き取られたファイバが形成され、ウィッピングテールは巻き取られたファイバ面から外側に向かって延び、b)光ビームから変調された光ビームを形成するために、ウィッピングテールが実質的に周期的に光ビームの少なくとも一部を通過して光ビームに強度の一時的な下降を形成するように、回転しているスプールに近接し、かつ封じ込め領域を通るように光ビームを方向付けるステップを含んでおり、c)変調された光ビームを、強度の一時的な下降によって規定された電気パルスタイミングを有する電気パルスを含んでいるデジタル信号に変換するステップを含んでおり、かつd)電気パルスタイミングを、ファイバ巻き取りシステムの少なくとも1つの動作パラメータに基づく、ウィッピングテールの推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる。
【0007】
本開示の別の実施形態は、ウィッピングテールを検出することができる、ファイバを巻き取るためのファイバ巻き取りシステムであって、ファイバ巻き取りシステムは、a)回転軸線を中心に回転するように構成されているスプールを含んでおり、このスプールは、巻き取られたファイバを形成するようにファイバがその上に巻き取られる巻き取り面を有しており、ウィッピングテールは巻き取られたファイバから外側に向かって延び、b)スプール面上にライン速度でファイバをフィードするように構成されているフィード機構を含んでおり、c)スプールに対して相対的に動作可能に配置されたウィップシールドを含んでおり、これによってスプールとウィップシールドとの間に封じ込め領域が形成され、d)ウィッピングテール検出装置を含んでおり、ウィッピングテール検出装置は、i)回転軸線に対して実質的に平行な光路を介して光ビームを放出するように構成されている光源を含んでおり、光ビームは封じ込め領域を横断し、その結果、ウィッピングテールが存在する場合に、ウィッピングテールは、スプールの回転によって光ビームの少なくとも一部を実質的に周期的に通過して光ビームに一連の強度の一時的な下降を形成し、一連の強度の一時的な下降から、変調された光ビームが形成され、ii)変調された光ビームを検出し、変調された光ビームから、一連の強度の一時的な下降によって規定された一連の信号の一時的な下降を有するアナログ電気信号を形成するように構成されている光検出器を含んでおり、かつiii)信号の一時的な下降のタイミングを、推定されたウィッピングテールタイミングと比較することによって、ウィッピングテールの存在を確定するために、アナログ電気信号を受信し、処理するように構成されているコントローラを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示による例示的なファイバ巻き取りシステムの概略図である。
【
図1B】ファイバウィッピングをコントロールするために封じ込め領域を形成するために、
図1Aのファイバ巻き取りシステムにおいて使用可能な、例示的な単純なウィップシールドの一部の拡大図である。
【
図1C】ファイバ巻き取りシステムと一体化可能な、本明細書に開示されている例示的なウィッピングテール検出装置の一部の概略図であり、示された例では、各光学系を介して光学的に結合されたファイバ束が使用されている。
【
図1D】光源および光センサが、増幅器に組み込まれたトランシーバを構成する、ウィッピングテール検出装置の例示的な構成の拡大概略図である。
【
図1E】
図1Cに類似しており、ファイバ束を使用しているが、光学系を使用していないウィッピングテール検出装置の簡略化された構成の実施形態を示している。
【
図2A】
図1Aのファイバ巻き取りシステムのファイバ巻き取りデバイスの拡大立面図であり、ファイバ巻き取りデバイスは、ファイバをフィードするためのフィード機構と、ファイバスプールと、封じ込め領域を形成するためにファイバスプールに対して相対的に動作可能に配置されているウィップリングの形態の例示的なウィップシールドとを含んでいる。
【
図2B】
図2Aのファイバ巻き取りデバイスの側面図であり、ウィップシールドおよびスプールによって規定される封じ込め領域を通るウィッピングテール検出装置からの光ビームを示しており、かつウィッピングテールが存在していない場合の例示的な動作状況も示している。
【
図2C】
図2Bに類似しており、ウィッピングテールが存在している場合の動作状況を示している。ウィッピングテールは、スプールの回転によってウィッピングテールが封じ込め領域を横断するときに光ビームに交差する。
【
図3A】ウィップリングの形態の例示的なウィップシールドの立面図である。
【
図3B】ウィップリングの形態の例示的なウィップシールドの側面図である。
【
図4】光ビームを通るファイバのウィッピングテールを示すとともに、コントローラの付加的な詳細およびコントローラによって実行される一部の処理ステップを示す、ウィッピングテール検出装置の概略図である。
【
図5A】光ビームを横切るウィッピングテールによって引き起こされる光ビーム強度における強度の一時的な下降(DI)を示している、光ビームの概略図であり、強度の一時的な下降は、一定強度の光ビームを変調された光ビームに変換する。
【
図5B】
図5Aの変調された光ビームの強度I(t)対時間の理想化されたプロットであり、光ビームを通るウィッピングテールによって引き起こされる、光強度の対応する低下によって規定される強度の一時的な下降の位置を示している。
【
図5C】変調された光ビームを検出する光検出器によって生成された、アナログ電圧V
A(t)対時間tの形態のアナログ検出器信号SAの理想化されたプロットである。
【
図5D】A/D変換器によって生成された、電圧V
D(t)対時間tの形態のデジタル検出器信号SDの理想化されたプロットであり、デジタル検出器信号は、光ビームを通るウィッピングテールに相当する一連のデジタルパルスを含んでいる。
【
図5E】
図5Dに類似するが、
図1Aのファイバ巻き取りシステムの実際の動作中に検出装置を使用して得られた実際のオシロスコープトレースから得られたデジタル電圧V
D(t)のプロットであり、ここではウィッピングテールが存在している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、添付の図面に示した例示的な実施形態を詳細に参照する。同じまたは類似した部分を指すために、可能な限り、図面全体で同じ参照番号が使用される。
【0010】
参照のためおよび考察を容易にするために、デカルト座標が一部の図面に示されているが、方向または向きに関して限定することを意図していない。
【0011】
本明細書で使用される「含む」という用語(たとえば、「AはBを含む」)は、特別なケースとして「から成る」(たとえば、「AはBから成る」)を含んでいる。
【0012】
AおよびBに関して本明細書で使用される「上流」(「下流」)という用語は、Aが、動作の流れに関して(たとえば、光の進行方向または電気信号の進行方向に関して)Bの前(後)に来ることを意味している。
【0013】
以降の考察では、ファイバは単に「ファイバ」と称され、ガラスファイバとプラスチックファイバとの両方を含んでいる。
【0014】
「RPM」は、「revolutions per minute」の頭字語であり、「RPS」は「revolutions per second」の頭字語であり、以降の考察では単位ヘルツ(Hz)でも測定される。
【0015】
ファイバテールは、ファイバの端部部品、端部の部分または端末部分である。ファイバテールは、スプールに巻かれたファイバの末端または最終部分であってよく、またはスプールに巻かれたファイバの一部ではないファイバの端部の部分であってよく、これはたとえば、別のスプールからの、またはスプールに先に巻き取られた別のファイバ長さ部分からの、または任意の他のファイバソースからの別個のファイバ部分または「漂遊している」ファイバ部分である。ファイバテールは、巻き取られたファイバの面から(またはスプールから)延び、スプールが回転するときに急に向きを変える。このウィッピング作用は概して、本明細書では、ファイバウィップと称されるが、当技術分野では、より狭い意味で、ファイバウィップを、損傷を引き起こすウィッピング作用とする場合もある。スプールの相対的に速い回転によって動くファイバテールは、本明細書では「ウィッピングテール」と称される。ウィッピングテールが存在するということはファイバテールが存在することを意味するので、以降の考察では、考察を容易にするために、場合によっては、単にウィッピングテールと言及される。
【0016】
したがって、一例では、ファイバテールは、スプールへのファイバ巻き取りを終了するために、スプール上に巻き取られているファイバが意図的に切断される場合のような、通常のまたは計画された巻き取りプロセスの一部として発生し得る。このタイプのファイバテールは、本明細書では「本来のファイバテール」と称され、これは「本来のウィッピングテール」を形成する。以降の考察で説明されるように、ファイバ巻き取りシステムが適切に動作していることを確認する較正プロセスの一部として、本来のウィッピングテールを使用することができる。別の例では、ファイバテールは、ファイバの意図的ではない破断または漂遊しているファイバの存在に起因することがあり、これは、本明細書で言うところの「漂遊しているファイバテール」を生じさせ、「漂遊しているファイバテール」は、スプール回転中に「漂遊しているウィッピングテール」を生じさせる。いずれのタイプのウィッピングテールによって引き起こされたファイバウィップも、スプールに巻かれたファイバに損傷を与え、安全上の危険をもたらし得るので、本来のウィッピングテールと漂遊しているウィッピングテールとの両方の発生が検出される必要がある。
【0017】
以降の「ファイバテール」という用語の使用には、特に断りのない限り、本来のファイバテールと漂遊しているファイバテールとの両方が含まれる。同様に、「ウィッピングテール」という用語の使用には、特に断りのない限り、本来のウィッピングテールと漂遊しているウィッピングテールとの両方が含まれる。さらに、上述したように、「ファイバウィップ」という用語は、ウィッピングテールの損傷を与え得るウィッピング作用を指す。
【0018】
ウィップシールドは、ウィップシールドによって少なくとも部分的に規定されている封じ込め領域内にウィッピングテールを封じ込めるために、ファイバ巻き取りシステムにおいて使用される任意の構造である。
【0019】
本明細書では、「周期的」または「準周期的」という用語は、ウィッピングテールが光ビームを横切る(通過する、横断する等)頻度を記述するために使用される。スプールは一定の率で回転すると仮定されるが、回転するスプールによって引き起こされるウィッピングテールの動きは不規則であり、したがって完全に周期的ではない可能性がある。したがって、結果として生じる光ビームの変調は、理想的な周期性を有していない場合がある。「実質的に周期的」という語句は、周期的または準周期的のいずれかを意味し得る。概して、スプールの回転ごとにウィッピングテールが光ビームを通る1つの経路が存在するが、たとえばウィッピングテールの動きが不規則になった場合には、例外が生じ得る。
【0020】
本明細書で使用される「増幅器」という用語は、電気信号に対する1つ以上の信号処理動作を受け取るためおよび実行するために使用される一種の信号調整器である。増幅器は、プログラミング可能であり、信号を処理および調整するように構成されている様々な内部構成要素、たとえば、フィルタ、アナログ-デジタル変換器、中央処理装置(CPU)、信号増幅器等を含むことができる。本明細書で考察される種類の例示的な増幅器は、Banner Engineering Corp.(バナーエンジニアリング社)(ミネアポリス、ミネソタ)から入手可能である。
【0021】
ファイバ巻き取りシステム
図1Aは、本開示による例示的なファイバ巻き取りシステム(「システム」)10の概略図である。システム10は、x方向において長さLXを有する巻き取り面22を有するスプール20を含んでいる。一例では、巻き取り面22は円筒状である。スプール20は、対向し合う外側フランジ24も含んでいる。スプール20は駆動モータ30に機械的に結合されており、駆動モータ30は、x方向に向きが調整されて示されている回転軸線ARを中心として回転するようにスプールを駆動する。
【0022】
ファイバ巻き取りデバイス40は、スプール20に対して相対的に動作可能に配置されている。
図2Aは、ファイバ巻き取りデバイス40の例の拡大立面図であり、
図2Bは、ファイバ巻き取りデバイスのこの例の拡大側面図である。ファイバ巻き取りデバイス40は、スプール20上に光ファイバ(「ファイバ」)70をフィードするためのフィード機構50を含んでいる。一例では、フィード機構50は、巻き取りプロセス中にスプール20に巻き取られたファイバ70の量(長さ)を測定(すなわち追跡)するように構成されている。この巻き取り情報は、以降で紹介および考察されるコントローラ180に提供可能である。
【0023】
ファイバ巻き取りデバイス40は、スプール20に対して相対的に動作可能に配置されているウィップシールド100も含んでいる。一例では、ウィップシールド100は、スプール20の一部、たとえば円周の一部または全円周を包囲し、また軸線方向の長さの少なくとも一部を包囲する。
図1Aの例示的なウィップシールド100は、取り付けブラケット102を含むことができる。
【0024】
一例において、ウィップシールド100は、スプール20の長さLXのほぼ全体に延在していても、スプールのこの長さの一部に沿って延在していてもよい。ウィップシールド100がスプール20の長さLXの比較的短い部分に跨って延在している例では、ウィップシールドは「ウィップリング」とも称され得る。
図2Aの例示的なウィップシールドは、スプール20の全円周を覆っているが、スプールの軸線方向の長さの比較的狭い部分しか覆っていないウィップリングの形態である。上述のように、本明細書に開示されているシステムおよび方法は、いかなる特定のタイプのウィップシールドにも限定されず、
図2Aに示されているウィップシールド100は、本明細書では一例として考えられる。
【0025】
図1Bは、単純な構成を有しているウィップシールド100の例の一部の拡大図であり、たとえば、規定されたように、スプール20に面する滑らかな内面101を有している、湾曲した剛体構造の一部の拡大図である。
図1Bは、ファイバ70のファイバテール72Tを示している。ファイバテール72Tは、端部74を有している。スプール20の回転によって、ファイバテール72Tはウィッピングテール72Wにもなる。
図1Bでは、ウィッピングテール72Wは、ウィップシールド100によって拘束されているように示されており、ウィップシールド100は、スプール20が回転している間、ウィップシールドの内面101に接触するファイバテール72Tの端部74を閉じ込めることができる。したがって、この例では、ウィッピングテール72Wは、スプール20とウィップシールド100の内面101との間の空間によって形成されている封じ込め領域80内に封じ込められている。以降の他の例(たとえば、ファイバテール72Tが漂遊しているファイバテールである場合)では、ウィッピングテール72Wが、そのように封じ込められないこともあり、すなわち、封じ込め領域80内に存在していないこともある。
【0026】
再び
図1Aを参照する。システム10は、ガイドレール120も含んでおり、ガイドレール120は、スプール20に近接して配置されており、スプール20の回転軸線ARに対して実質的に平行に延在している。ガイドレール120は、ウィップシールドがx方向(または-x方向)に動くことができるように、ウィップシールド100の取り付けブラケット102を摺動可能に支持している。ガイドレール120は、ガイドレールに沿った、環状のウィップシールド100の移動を駆動するように構成されているウィップシールド駆動モータ126に動作可能に結合されている駆動部材124を含むことができる。一例では、駆動部材124はプッシュロッドを含んでいる。
図1Aには、以降で説明するように、ガイドレールに沿ったウィップシールド100の移動、および対応する(たとえば、連携した、または同期した)ファイバ巻き取りデバイス40の動きを示す運動矢印AMが含まれている。
【0027】
システム10は、ウィッピングテール検出装置(「検出装置」)140も含んでいる。検出装置140は、光源(発光器)150と光検出器(受光器)160とを含んでいる。光源150は、波長λを有する光ビーム152を放出する。光ビームの波長λの例示的な範囲は、可視波長範囲である。別の例示的な波長は紫外線、たとえば近紫外線、たとえば350nmである。
【0028】
光ビーム152は、光源150と光検出器160との間の光路OPを通って移動する。光路OPは、スプール20とウィップシールド100との間の封じ込め領域80(たとえば、
図1Bおよび
図2Aを参照)の少なくとも一部を通る。光ビーム152は、ビーム径DBを有している(
図2Bを参照)。一例では、ビーム径DBは、実質的に一定であってよく、1mm(たとえば、レーザービーム)~10mmの範囲にある。使用される実際のビーム径DBは、ビームがx方向において封じ込め領域80を横断するために利用可能な空間の大きさに関連する。他の例では、光ビーム152の直径DBは光路OPに沿って変化する。なぜなら、光ビームは、光源150から拡大しつつ進むからである。このようなケースの実施形態は、以降で紹介および考察する、
図1Eの例示的なウィッピングテール検出装置140に示されている。
【0029】
一例では、光路OPは、回転軸線ARに対して実質的に平行であり、スプール外側フランジ24を僅かに越えて存在している。一例では、光路OPは、スプール巻き取り面22のx方向の長さLXと実質的に同じかそれ以上の長さを有している。
図2Aは、光源150および光検出器160がスプール20の各外側フランジ24の外側に(各外側フランジ24を越えて)存在している、すなわち、光路OPがスプール巻き取り面22の軸線方向の長さLXよりも長い、例示的な構成を示している。この構成は、スプール20に巻き取られたファイバ70からの反射の悪影響を軽減するのに役立つ。
【0030】
光路OPは、スプール巻き取り面22から距離DSを有しており、スプール巻き取り面に巻き取られたファイバ70の面71から距離DFを有している(
図1Aを参照)。この後者の面は、本明細書では巻き取られたファイバ面71と称される。一例では、距離DSおよびDFは、特にファイバテールが本来のファイバテールである場合には、巻き取り動作に干渉することなく、同時にファイバテール72Tへの損傷の最小化も行って、巻き取られたファイバ70をスプール20の巻き取り面22に収容するのに必要かつ/または適切な任意の距離である。ファイバテール72Tは、巻き取られたファイバ面71から延びている(
図1Aを参照)。
【0031】
図1Cは、検出装置140の例示的な構成の一部の拡大図である。一例では、光源150は、レーザーダイオードまたは発光ダイオード(LED)等の発光器151を含んでいる。発光器151は、ファイバ束155の入力端156でファイバ束155に光学的に結合されている。ファイバ束155は、入力端156と反対側の出力端158も有している。ファイバ束155は、個々のファイバ157のアレイを含んでいる。光検出器160も、ファイバ束155を含んでおり、ファイバ束155の出力端158は、フォトダイオード、デジタルイメージセンサ等の光センサ161に光学的に結合されている。拡大挿入図は、ファイバ束155の2つの例示的な断面構成、すなわち、細長い断面構成と、実質的に円形(たとえば、多角形)の断面構成とを示している。
【0032】
光源150のファイバ束155は、自身の出力端158から発散光152Dを放出する。光源光学系170Sは、発散光152Dを、実質的にコリメートされた光ビーム152に変換するために使用される。一例では、光源光学系170Sは、1つ以上のレンズ要素を含み得るコリメートレンズ172Cを含んでいる。
【0033】
光検出器光学系170Dを用いて、コリメートされた光ビーム152を、検出器システム160のファイバ束155の入力端156上に集束させることができる。光検出器光学系170Dは、コリメートされた光ビーム152を、収束光ビーム152Fまたは集束光ビーム152Fに変換するように構成されている。光検出器光学系170Dは、光ビームの波長λを中心とした狭い範囲の波長を通すように構成されている狭帯域波長フィルタ174も含んでいてよい。狭帯域波長フィルタ174は、以降で説明するように、偽信号をもたらし得る、たとえば偽信号パルスを生じさせ得る、他の光源からの迷光を除去するのに役立つ。実質的にコリメートされた光ビーム152の使用は、システム10の構成要素からの光ビーム152の反射を最小化するのにも役立ち、ここでこうした反射も偽信号をもたらし得る。
【0034】
一例において、光検出器160において使用されるファイバ束155は、光源150において使用されるファイバ束155より小さいか、または光源150において使用されるファイバ束155とは異なる断面形状を有している。このような構成によって、光検出器160においてファイバ束155に入射する迷光の量を減らすことができる。一例では、迷光の悪影響をさらに減らすために、光検出器160におけるファイバ束155の入力端156で、(たとえば、円錐またはノズルの形状の)ライトシェード153を使用することができる。
【0035】
図1Dは、発光器151と光センサ161とが、増幅器192の一部である変換器191を構成している、例示的な構成の拡大図である。この構成は、以降でより詳細に考察されるように、光センサの出力に基づいて発光器151の動作をコントロールするように増幅器192がプログラミング可能であるという利点を有している。このコントロールには、検出閾値の自動設定、検出器信号の送信タイミングの自動設定等が含まれ得る。
【0036】
再び
図1Aを参照する。システム10は、スプール駆動モータ30、ファイバ巻き取りデバイス40、ウィップシールド駆動モータ126および検出装置140のうちの1つ以上に動作可能に接続されているコントローラ180も含んでいる。コントローラ180は、たとえば、非一時的なコンピュータ可読媒体で具体化された命令を用いてシステム10の動作をコントロールするように構成されている。一例では、これらの命令は、当該技術分野において既知のファームウェアまたはソフトウェアの形態であるか、当該技術分野において既知の方法で(たとえば、機械コントロールおよびデータ処理のために既知のコンピュータ言語のうちの1つを用いて)プログラミングされている。一例では、コントローラ180は、汎用コンピュータまたはマイクロコントローラまたはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含んでいる。また、一例において、コントローラ180は、メモリ182およびプロセッサ184、ならびにデータ信号を受信し、以降でより詳細に説明するようにデータ信号処理および分析を実行するように構成されているその他の構成要素を含んでいる。検出装置140は、コントローラ180を含んでおり、コントローラ180は、上述のように、光検出器160に動作可能に接続されるとともに、光源150に接続可能である。
【0037】
図1Eは、
図1Cに類似しており、光源光学系170Sおよび光検出器光学系170Dを使用していない検出装置140の例を示している。この実施形態では、発散光ビーム152Dは、光源150のファイバ束155から放出角度θ
1で広がっている。光検出器160のファイバ束155の受け取り角度θ
2内へ入射する、光ビーム152の一部が、光センサ161によって検出される。
【0038】
図1Eの検出装置140の構成は、
図1Cの検出装置140の構成よりも単純であり、システム10の特定の構成では、実装がより容易になる場合があり、かつ実装のコスト効率がより高くなる場合がある。他方で、光ビーム152を発散させると、散乱光および反射光が生じることがあり、これらは光検出器160のファイバ束155に入ることがある。これによって後続の信号処理がより複雑になってしまう。たとえば、スプール20から光検出器160に到達する光ビーム152からの反射される光の量は、ファイバ70の色およびスプール20に巻き取られたファイバの量に基づいて変化し得ることが判明している。一例では、予想される、または測定された光検出問題に基づいて、利得の調整、光検出閾値の自動設定等によって、発光特性および光検出特性を調整するように増幅器192を構成することによって、光反射からの光が検出される問題を和らげるために、
図1Dの増幅器構成を使用することができる。別の例では、実証研究によって、またはコンピュータシミュレーションによって得られた光反射の悪影響を考慮して、コントローラ180を使用した信号処理を行うことができる。
【0039】
図1Eと類似した、検出装置140の別の実施形態は、高度にコリメートされ、比較的狭い(すなわち小さい直径の)レーザービーム152を放出する、レーザーベースの発光器151を利用する。このような実施形態によって、ファイバ束155および光源光学系170Sおよび光検出器光学系170Dが不要になり得る。
【0040】
検出装置140の他の実施形態は、光源光学系170Sおよび光検出器光学系170Dのうちの少なくとも1つを採用することができる。
【0041】
再び
図1Aおよび
図2Bを参照する。ファイバ巻き取りデバイス40の例示的なフィード機構50は、ファイバ70をスプール20上にフィードすることが可能となるように、張力をかけてファイバ70をガイドする3つのプーリ52を含んでいる。フィード機構50は、任意選択的に、以降で説明するように、ファイバ70の破断時にウィップ低減機としても機能するファイバガイド54(
図1Aには示されていない)を含むこともできる。したがって、ファイバガイド54は、ファイバウィップ低減固定具とも称され得る。
【0042】
システム10の動作時に、スプール20は、ファイバ70に張力を付与するスプール駆動モータ30によって回転させられる。ファイバ70は、フィード機構50を使用してスプール20の巻き取り面22上にフィードされる。ファイバ70は、複数の重なり合うファイバ層を伴って、スプール20上に巻き取られる。ここで最初の層は巻き取り面22上に直に存在している。ファイバ70は、スプール20上に、比較的高い速度で、たとえば約30、40、50、60、70m/sまたはそれ以上の場合もあるライン速度で巻き取られてよい。ファイバ70はまた、スプール20上の適切な巻き取りを保証するために十分に高い張力に維持されている。一例では、ファイバ70は、任意の既知のタイプのファイバドロー装置(図示されていない)または既知のタイプのファイバ引張デバイスまたは他のスクリーニングデバイス(図示されていない)または他のファイバソース(たとえば、別のファイバスプール)から直接に供給されてよい。
【0043】
図2Cは、
図2Bに類似するが、スプールとともに回転するファイバテール72Tが存在しており、これによってウィッピングテール72Wを生じさせる、システム10の例示的な動作状況を示している。
図2Cの例示的なファイバテール端部74は、ウィップシールド100と接触しているように示されていることに留意されたい。これは、
図1Bで考察されたケースにも当てはまる。ファイバテール72Tが本来のファイバテールである場合、ファイバテールは典型的に、リングタイプのウィップシールド100内に封じ込められる。なぜなら、このようなウィップシールドは、ファイバ70の巻き取り位置を追って移動するので、ファイバは、封じ込め領域80を介してスプール20上にフィードされるからである。上で示唆したように、ファイバ70が巻き取られる位置だけでなく、巻き取り中にスプールに沿ってあらゆる箇所で発生し得る漂遊しているファイバテール72Tのケースはこれに当てはまらない。このようなケースでは、リングタイプのウィップシールド100が、スプール回転中に、結局、漂遊しているウィッピングテール72Wを越えてしまい、ウィッピングテールがリングタイプのウィップシールド100の比較的狭い封じ込め領域80内に残るため、ウィップによる損傷を防止できない場合がある。しかし、光ビーム152はスプール20の長さ部分を、これに接近した状態で、かつこれに沿って通過するので、漂遊しているウィッピングテールを検出装置140によって検出することができる(
図1Aを参照)。ウィップシールドが短くされていないケースでは、漂遊しているウィッピングテール72Wは、典型的に、封じ込め領域80内に存在するだろう。
【0044】
理想的には、スプール20が自由空間内に吊り下げられている場合、ウィッピングテール72Wは何も当たらないので、スプール20の周囲にウィップシールドまたはガードを設ける必要はないだろう。しかし、システム10が他の構成要素を近傍に有しているとされるケースはこれに当てはまらない。したがって、スプール20にすでに巻き取られているファイバの損傷を防止するためにウィッピングテール72Tを封じ込めるために、ならびにスプール20の近傍にいる操作者の損傷を防止するために、ウィップシールド100が用いられる。
【0045】
ウィップシールドの例
図3Aは、
図2A~
図2Cにも示されたウィップシールド100のより複雑な例の立面図であり、
図3Bは側面図であり、
図3Cは(
図3AのV-V線に沿った)切断立面図であり、
図3Dは(
図3AのV-V線に沿った)断面図である。例示的なウィップシールド100は、上述したウィップリングとして構成されており、ここでこのウィップシールドは、ファイバ70がスプール上に巻き取られるときに、ファイバ70がスプール上に積み重なることを可能にするように構成されている。
【0046】
図3A~
図3Dの例示的なウィップシールド100は、スプール20に面する入口スロット224の内側に形成されている第1の面部分226を有する内面101を含んでいる。第1の面部分226は、ウィップシールド100の内側内に設けられている入口スロット224内に収容されている。入口スロット224は、フィード機構50からフィードされたファイバ70に合うように向きが調整されている第1の面部分226を包囲しているので、ファイバ破断事象中に生じるような、動いているファイバ70の自由端部74は、遠心力および前進運動のために、スプール20から離れて入口スロット224内へ方向付けられる。
【0047】
ウィップシールド100は、スプール20に面している第2の面部分228を有している。第2の面部分228は、ウィップシールド100の内面101において、第1の面部分226から横方向にずらして形成されている。第2の面部分228は、入口スロットでの第1の面部分226の深さを下回るスロット深さを有している。第1の面部分226は、ウィップシールド100の内面101の周りに延在し、螺旋状に第2の面部分228に移行する。第1の面部分226から第2の面部分228への移行は、有利には、スプール20の1回転の間に、またはウィップシールド100の360度部分の間に生じる。第1の面部分226が第2の面部分228へ移行する箇所では、第1の面部分226の深さと、第2の面部分228の深さとは等しい。したがって、ウィップシールド100は、第2の面部分228上で実質的に円形またはリング状であり、第2の面部分228へと通じる第1の面部分226を形成する入口スロット224は、軸線方向において実質的に螺旋形状である。したがって、ファイバ70が切断されると、またはファイバ70が破断すると、ファイバのウィッピングテール72Wは入口スロット224に入り、スプール20および周囲のウィップシールド100が約1回転する間に、または1回転しない間に、第1の面部分226内に封じ込められ、その後、360度の回転を介して第2の面部分228へ移行する。次いで、スプール20が減速されて停止するまで、ファイバ70のウィッピングテール72Wは、第2の面部分228に接して留まる。
【0048】
ウィップシールド100は、ウィップシールド100の外周の周りに延在している外面230ならびに、ウィップシールド100の側面を規定する第1の側壁232および反対側の第2の側壁234を有して示されている。外面230は、外面230の円周の移行部を接続するために半径方向に方向付けられている移行面236を有している。入口スロット224から、この移行部を通って、第2の面部分228へと通じる第1の面部分226は有利には滑らかな面を有しており、この滑らかな面は、切断されたまたは破断したファイバ70の端部が、遠心力および前進運動によって、途切れることなく通過することを可能にする。これによって、ファイバ70のさらなるウィッピング作用または破損が最小化される。ファイバ70の端部が第1の面部分226から第2の面部分228へ、入口スロット224を通過すると、ファイバ70の端部は第2の面部分228内に留まる。第2の面部分228は有利には滑らかな輪郭を有しており、これによって、同様に、ファイバ70の端部が遠心力によって回転している間に、いかなる、ファイバ70のさらなる破損も生じない。図示されている実施形態では、第2の面部分228は円筒形の、中断されていない通路であり、この通路は一定の半径を有する円形の断面を有しており、途切れることなく継続的に滑らかであるので、スプール20の回転が停止するまで、ファイバ70の動いている端部は第2の面部分228に沿って滑らかに通過する。
【0049】
フィード機構50は、フィード機構50とウィップシールド100とが同期して(たとえば、連携して)動いて、スプール20上にファイバ70をフィードするように、ウィップシールド100に動作可能に結合されていてよい。フィード機構50は、ファイバ70が出口プーリ52からスプール20上に通過する際に、入口スロット224を通過するようにウィップシールド100に固定的に結合されていてよい。1つの実施形態では、スプール20は、ファイバ70をスプール20上に巻き取るために回転するが、横方向に固定されているので、スプール20は横方向には動かない。フィード機構50は、スプール20の長さ部分を横切って横方向に移動し、ファイバ70をスプール20上に均等に方向付ける。この実施形態では、フィード機構50を移動させ、かつウィップシールド100を横方向に前後に一緒に移動させるために、モータまたは他のアクチュエータ(たとえば、ウィップシールド駆動モータ126)が使用されてよい。別の実施形態では、フィード機構50とウィップシールド100との位置が固定され、スプール20が付加的な駆動モータ(図示されていない)によって横方向に左右に動かされてよい。
【0050】
入口スロット224でウィップシールド100の側面は、ファイバラインカットアウト部分252を含んでいてよく、これによって、ファイバ70がスプール20に巻き取られている間に、ファイバ70の通り道が入口スロット224の中心に置かれる。固定的な関係および任意選択的なファイバガイド54(これは、上述のように入口ウィップ固定具として機能する)との継続的な接触によって、ウィップシールド100は、ファイバ70が破断したとき、またはファイバ70が切断されたときに、ファイバ70のウィッピングテール72Wを捕捉する正しい位置に保たれる。これによって、入口スロット224は、ファイバガイド54の出口通路と列をなすと同時に、近似的に接近し、ファイバ70の端部の滑らかな移行を提供する高さを有している。ファイバ70の端部が入口スロット224内で前方に移動すると、回転しているスプール20の回転力によって、ファイバ70の端部74が第1の面部分226に対して外側に押し出され続け、回転しているスプール20から離される。
図3Cおよび
図3Dにおいて最も良好に見て取れる、第1の面部分226全体にわたって延在している入口スロット224の壁部は、ファイバ70のウィッピングテール72Wを封じ込め、これを意図された方向にガイドする。
【0051】
ファイバ70が完全な状態のままである場合には、ファイバ70は検出装置140の光路OPを通らずに、スプール20の周りに巻き取られる。ウィッピングテール72Wが形成されると、ウィッピングテール72Wは周期的(または準周期的)に、レーザービーム152が伝搬する光路OPを通り、これによって、周期的(または準周期的)に光ビームを横切る、または部分的に遮断するであろう。一例では、光路OPは、ウィッピングテール72Wがしなる面に対して実質的に垂直な面に存在する。たとえば、
図1Aを参照すると、光ビーム152の光路OPがx方向にあるのに対し、ウィッピングテール72Wは概してy-z面で動き(しなり)、これによってファイバウィップに関連するy-z面と交差して、スプールに沿ってウィッピングテールが生じる場所に関わらず、特に、ウィッピングテール72Tが本来のウィッピングテールであるか、または漂遊しているウィッピングテールであるかに関わらず、ウィッピングテール72Wが光ビーム152の一部を横切るまたは遮断することが保証される。
【0052】
それ以外の場合には空のファイバスプール20であると考えられ得るスプール20上で、上述したように、漂遊しているウィッピングテール72Wを検出することができるということにも留意されたい。これは、たとえば、ファイバスプールが再使用されているが、適切に準備されていなかった場合、たとえば新しいファイバ70の巻き取り前に、先に存在していたファイバ70が完全には除去されていなかった場合に発生し得る。
【0053】
幾つかのケースでは、ファイバ巻き取りプロセス中に、漂遊しているウィッピングテール72Wが出現することがある。なぜなら、ファイバ70の漂遊部分がスプール20に巻き取られたファイバ70に食い込んで、巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、漂遊しているファイバテール72Tを形成するからである。このようなケースでは、以降で説明する検出プロセスにおいて、システム10上で実行されるファイバ巻き取りプロセスが何事もなく開始されるが、その後、突然に、漂遊しているウィッピングテール72Wに関連する問題を示す警報または警告等が生じる。
【0054】
検出装置の構成および動作
次に、
図4および
図5A~
図5Eを参照して、検出装置140の構成および動作を説明する。
図4は、コントローラ180の例示的な構成を示している。この例示的な構成は、増幅器192、増幅器とともに存在するものとして例示的に示されたアナログ-デジタル(A/D)変換器194、PLC高速入力カード195、PLC196および出力ユニット198を含んでいる。一例では、PLC196は、プロセッサ184の一部であるか、またはプロセッサ184を構成している。
【0055】
検出装置140の動作時に、ウィッピングテール72Wは、光路OPの少なくとも一部を通過し、ひいてはレーザービーム152の少なくとも一部を通過する。上述したように、この結果、ウィッピングテール72Wは、周期的にまたは準周期的に、光ビーム152の強度を減少させ、これによって変調された光ビーム152Mが規定される。
【0056】
図5Aは、ウィッピングテール72Wが光ビームを通過して、変調された光ビーム152Mが形成されるときに、光ビームに形成される強度の一時的な下降DIを示している、光ビーム152の概略図である。強度の一時的な下降DIは、低減された光ビーム強度の位置の著しく理想化された表現である。
図5Bは、光ビーム152の強度I(t)対時間tの理想化されたプロットであり、ウィッピングテール72Wによって引き起こされる強度の一時的な下降DIを示している。強度の一時的な下降DIは、強度I(t)における、ウィッピングテール72Wによる光ビームの一部の一時的な遮断のない、比較的高い「通常」または「公称」強度I
0から強度が低下する領域を表している。ウィッピングテール72Wが光ビーム152全体を遮断し得るケースでは、低い値I
Bは実質的にゼロであってよい。このような実施形態では、極めて小さいビーム径DBが必要であり、これは多くの用途では不要であり得る。強度の一時的な下降DIを含んでいる光ビーム152は、上述の変調された光ビーム152Mを構成する。強度の一時的な下降DIは、ウィッピングテール72Wが光ビーム152の少なくとも一部を遮断する時間の量を表す、δt
Iの時間幅を有している。隣接する強度の一時的な下降DIの間には、Δt
I(
図5Aおよび
図5BではΔtとして示されている)の時間間隔(周期)がある。強度の一時的な下降の周期Δt
Iは、強度の一時的な下降の周波数f
I=1/Δt
Iを規定している。
【0057】
光ビーム152は断面積ALを有している。2.5mmの直径DBを有する光ビーム152の場合、断面積ALはAL=π(DB/2)2≒5mm2によって得られる。250μmまたは0.25mmの直径を有するファイバ70の場合、ウィッピングテールは、光ビーム152を遮断するファイバテール遮断面積(「遮断面積」)ABを規定する。遮断面積ABは、遮断面積AB=(2.5mm)(0.25mm)=0.625mm2を与える、長さDBおよび幅0.25mmの長方形によって近似されてよく、または光ビーム面積ALの約1/8の大きさであってよい。これは、所与の例において、ウィッピングテール72Wが円形の光ビームの中心にあるとき(すなわち、最大遮断のとき)、光強度I(t)が約12%低減されることを意味している。円形の光ビーム152の場合、強度の一時的な下降DIのビーム強度I(t)は、通常強度I0から最小強度IBまで徐々に減少し、次いで、ウィッピングテール72Wが光ビーム152を横切ると徐々に通常強度に戻る。実際には、ウィッピングテール72Wによる最大光遮断のパーセンテージは格段に小さくてよく、たとえば僅か数パーセントであってよく、これはたとえば光ビーム152が発散し、ウィッピングテール72Wが光ビームを横切る場所で、格段に大きいビーム径DBを有するときである。
【0058】
強度の一時的な下降DIの強度の一時的な下降の幅δtIは、ウィッピングテール72Wが光ビーム152を通過する速度によって決定される。ウィッピングテール72Wの速度は、スプール20の回転率によって決定され、これは結果として、スプールに巻き取られるファイバ70のライン速度によって決定される。スプール20の回転率が120Hz(すなわち、120RPS(120s■1))である場合、ウィッピングテール72Wが1.5mmのビーム径DBを通過するのに、10μsのオーダを要する。幾つかの例では、隣接する強度の一時的な下降DI間の時間間隔ΔtIは、1ms~10msのオーダにあってよい、または強度の一時的な下降の幅δtIの約100倍~1000倍であってよい。
【0059】
光検出器160は変調された光ビーム152Mを検出し、これに応答してアナログ電気検出器信号(「アナログ信号」)SAを生成する。
図5Cは、アナログ電圧V
A(t)対時間tのプロットであり、ここでこのプロットは、例示的なアナログ信号SAを表している。アナログ電圧V
A(t)は、
図5Bに示されているように、変調された光ビームにおける通常強度I
0の検出に係る高電圧V
Hから、遮断された強度I
Bを形成する強度の一時的な下降DIの検出に係る低電圧V
Lまでの範囲にわたっている。このように、アナログ信号SAは、一連の強度の一時的な下降DIに対応する一連の電圧の一時的な下降DVを含んでいる。
【0060】
増幅器192は、初めの検出器信号SAを増幅して、増幅されたアナログ信号SA’を形成し、デジタル信号形成時のエッジ検出を容易にするために使用される。増幅されたアナログ信号SA’は、増幅された電圧(信号)の一時的な下降DVを含んでいる。一例では、アナログ電圧信号SAおよびその増幅されたバージョンSA’は、増幅器の内部に留まる。すなわち検出ステップの一部として形成され、出力されない。これらの信号は、完全を期するために、かつ理解を容易にするために、
図5Cに示されている。
【0061】
増幅されたアナログ信号SA’はその後、A/D変換器194に送信され、A/D変換器194は、増幅されたアナログ信号SA’を受信して、デジタル電気検出器信号(「デジタル信号」)SDに変換する。その後、デジタル電気検出器信号SDは(デジタル)PLC196によって処理されてよい。
図5Dは、例示的なデジタル信号SDを表す、デジタル電圧V
D(t)対時間tの理想化されたプロットである。A/D信号変換の一部が、
図5Cのアナログの電圧の一時的な下降DVをデジタル信号SDにおけるデジタル電圧パルス(「デジタルパルス」)PVに変えることを含んでいることに留意されたい。したがって、デジタルパルスPVは最終的に、強度の一時的な下降DIによって規定されているが、デジタルパルスは、強度の一時的な下降の幅δt
Iよりも格段に大きいパルス幅δt
Pを有しており、これによって検出プロセスがより容易になる。一例では、パルス幅δt
Pは、増幅器によって(たとえばプログラミングを介して)、数ミリ秒(たとえば、1ms~5ms)になるように設定される。増幅器192とPLC196との間にあるPLC高速入力カード195は、PLC196へのデジタル信号SDの高速入力を可能にする。
【0062】
デジタル信号SDのデジタルパルスPVは、タイミング、たとえばパルス周波数fP(1秒あたりのパルス、またはHertz(ヘルツ))と、パルス周期ΔtP=1/fP(秒/パルス)とを有している。デジタルパルスPVは上述のパルス幅δtPも有している。一例では、パルス周波数fPまたは、パルス周期ΔtPは、デジタルパルスPVのエッジ(たとえば、立ち上がりエッジ)から測定される。パルス幅δtPは、信号処理を容易にするために、強度の一時的な下降のパルス幅δtIより格段に大きくなるように選択され、パルス周期ΔtPおよびパルス周波数fPはそれぞれ、強度の一時的な下降の周期ΔtIひいては強度の一時的な下降の周波数fIによって規定され、理想的にはそれらに等しい。
【0063】
デジタルパルスPVは、
図5Dに示された電圧の形態をとることができるが、それらは、「電気パルス」または「デジタル電気パルス」と称され得る。なぜなら、全般的に、それらを、周知の電気関係V=IRに基づいて、電流パルスとして表すこともできるからである。ここでIは電流であり、Rは抵抗である。
【0064】
一例では、パルスタイミングの変化が一定の限度を超えた場合、このタイミングを、選択された数のデジタルパルスPVにわたって平均化することができる。また、パルスタイミングが、予想される周期的なパルスタイミングに対して相対的に大幅な変化を有する場合、これは、誤検出、たとえば光ビーム152を通るウィッピングテール72W以外の何かを示していることがある。たとえば、自由に動く破片が封じ込め領域80内に捕捉される場合、回転しているスプール20によって封じ込め領域内に生成された空気圧および空気流に起因して、自由に動く破片が浮遊したままであることがある。浮遊している破片は、最終的には、ウィッピングテール72Wより少ない周期で光ビーム152を横断し得る。
【0065】
図5Eは、
図5Dに示したものに類似した、デジタル電圧V
D(t)対時間t(ms)のプロットであるが、増幅器192の出力の実際のオシロスコープ軌跡から得られたものである。このプロットは、毎秒60mのライン速度で動作するシステム10用のレーザービーム152において形成された強度の一時的な下降DIに対応するデジタルパルスPVを示している。光検出器160の光センサ161の応答は15μsであった。パルス幅(すなわち、強度の一時的な下降の幅)δt
Pは約4msであり、他方で、パルス間隔(すなわち、強度の一時的な下降の間隔)Δt
Pは約8.5msであり、パルス周波数f
Pは約118Hzである。
【0066】
PLCを用いた信号処理
一例では、PLC196は、ウィッピングテール72Wの存在を判定するためにデジタル信号SDを分析するために、非一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)で具体化された命令で構成されている。一例では、PLC196は、上述したプロセッサ184の一部であるか、または上述したプロセッサ184を構成している。PLCからの、結果として生じた出力は、出力側198(たとえば、コンピュータディスプレイ)に送信される。これは、コントローラ180の一部である必要はない。メモリ182は、情報(たとえば、信号処理において生起された1つ以上の種々の信号、システム10の動作パラメータ等)を格納し、既知の様式の信号処理を容易にするために、コントローラ180内に動作可能に構成されていてよい。一例では、出力側198は、システム10の動作状況、特に、ウィッピングテール72Wが検出されたか否か、またはシステム10が正常に動作しているか否かを表示する。
【0067】
一例では、PLC196は、第1のポーリング間隔(たとえば、2msごとに1000個の点)でデジタル信号SDをポーリングして、第1のデータアレイを生成するように構成されている。このポーリングレートは、個々のデジタルパルスPVを検出するのに十分であることに留意されたい。個々のデジタルパルスPVは、増幅器192によって規定された数ミリ秒のパルス幅δtを有することができる。
【0068】
次に、第1のデータアレイが第2のデータアレイに送られ、第2のデータアレイは、デジタルパルスPVの立ち上がりエッジREの検出および計数に適したより長いポーリング間隔を用いて分析される。一例では、第2のアレイに対するポーリングは、200msごとに1000個の点を使用して実行される。
【0069】
立ち上がりエッジREの検出に基づいて、デジタル信号SDのデジタルパルスPVのタイミング情報が確立されると、これは、システム10の選択動作パラメータに基づく、デジタル信号のデジタルパルスの推定されたタイミングと比較される。これらの選択動作パラメータは、ファイバ70のライン速度およびスプール20の回転率を含むことができる。第1のアレイおよび第2のアレイを形成するプロセスは継続され、すなわち、繰り返され、データが第1のアレイから第2のアレイに転送されると、第1のアレイに新しい測定データが再入力されて、これがその後、第2のアレイの再入力等に使用されることに留意されたい。
【0070】
一例では、第2のアレイは、第2のアレイ内の所与の数のデジタルパルスに対する、デジタルパルスPVの立ち上がりエッジREの数を検出し、計数するために分析される。次に、立ち上がりエッジREのカウント(「立ち上がりエッジカウント」)が、経験によって、または演算によって決定することができる閾値立ち上がりエッジカウントと比較される。同様に(または代替的に)、立ち上がりエッジカウントが、ライン(ファイバ)速度に基づいて予想された立ち上がりエッジカウントと比較されてもよい。たとえば、ある実験において、所定のライン速度によって、ΔtP=10msのパルス間隔(周期)が生じることが見いだされたならば、第2のアレイは、第2のアレイのポーリングのために、例示的な200msのタイムフレーム内の20個のデジタルパルスPVに関連付けられた20個の立ち上がりエッジを計数すると予想されるだろう。この特定の例では、閾値立ち上がりエッジカウントを、下限の15に設定することも、15~25の範囲として規定することも可能である。
【0071】
理想的には、光ビーム152を通過するものがなければ、立ち上がりエッジREもデジタルパルスPVも生じないだろう。実際には、システム10の動作は理想通りではない。たとえば、上述のように、封じ込め領域80内に破片が存在することがある。この破片は、光ビーム152を通過して、少数のデジタルパルスをトリガし得る。したがって、一例において、特定のタイミング閾値(たとえば、立ち上がりエッジ数)を設定することは、意図的にウィッピングテール72Wを形成し、次いでシステム10の様々な動作パラメータの測定を行うことによって実施される実験に基づくことができる。これには、意図的に破片をシステム10内に導入すること等によって、理想的ではない動作状況を再現すること、または理想的ではない動作状況が存在することを特徴付けることを含んでいてよく、これによって、誤ったカウントがどのように発生し得るのかを理解することができる。
【0072】
デジタルパルスPVのタイミングを確立するためにデジタル信号SDを受信および処理することに加えて、PLCはまた、ファイバ70のライン速度、回転しているスプール20の1回転あたりの周波数ならびにRPMまたはRPSでの回転率等の、システム10の様々な動作パラメータを把握している(またはメモリ82を介してこれらにアクセスする)。スプール回転率(速度)は、スプール駆動モータ30によって規定される。スプール駆動モータ30はコントローラに情報を提供するためにコントローラ180と通信することができる。ウィッピングテール72Wが存在するか否かを判定するために、実際に測定されたパルスタイミングと比較されるパルスタイミング閾値を推定するのに、ファイバ70のライン速度(これはコントローラ180を介して設定可能である)を使用することができる。
【0073】
ライン速度が50m/sであり、スプール20の巻き取り面22が0.2mの直径を有しているシステム10の例示的な構成を考察する。これらのパラメータの場合、スプール回転率は1秒あたり約84回転、または0.012s(すなわち12ms)で1回転である。これは、ファイバ70がスプール20に円滑に巻き上げられるようにライン速度に追従するために必要なスプール回転率である。ウィッピングテール72Wが形成された場合、12ミリ秒ごと、または1秒あたり84回、光ビーム152を横切ることが予測できる。デジタルパルスPVに対して、選択されたタイミング閾値は一定値である必要はなく、スプール20に巻き取られたファイバ70の有効径が変化するので、時間に伴って変化してよいことに留意されたい。これによって、ウィッピングテール72Wのタイミングが変化する。したがって、一例では、選択タイミング閾値は、スプール20上に巻き取られたファイバ70の量(たとえば、長さ)に関連付けられている。
【0074】
この例では、パルス周期ΔtP=1/fPに対する下限閾値を9msに設定することができ、または代替的に、この閾値を、たとえば9ms~15msの範囲とすることができる。同様に、パルス周波数fPに対する下限閾値は、1秒あたり77パルスに設定されてよく、または代替的に、たとえば1秒あたり77パルス~1秒あたり94パルスの範囲に設定されてよい。閾値範囲の使用は、デジタルパルスタイミングに多少のばらつきがある場合に便利である。一例では、タイミング範囲内にある、測定されたパルスタイミングは、ウィッピングテール72Wの存在を示す。別の例では、選択タイミング値(たとえば、パルスカウント)を超える測定されたパルスタイミングが、ウィッピングテール72Wの存在を示す。ウィッピングテール72Wの存在が検出されると、コントローラ180は、たとえばスプール駆動モータ30に停止信号を送信することによって、スプール20の回転を止めるように構成されていてよい。ウィッピングテール72Wの検出を示す警報を生成するようにコントローラ180をプログラミングすることもできる。
【0075】
概して、典型的には周期ΔtPまたはパルス周波数fPを使用して規定されるパルスタイミングを決定するためにデジタル信号SD内のデジタルパルスPVを分析するようにPLC196をプログラミングすることができる。デジタルパルスタイミングを、ウィッピングテール72Wが存在する場合に予想される状態をもたらす、システム10の動作パラメータに基づいて、タイミング閾値(たとえば、単一の値または範囲)と比較することができる。パルスタイミングはパルス周波数fPの形態でパルスカウントを規定しているので(1秒あたりのカウンタ等の、単位時間あたりのカウンタ)、タイミング閾値はパルスカウントも含んでいることに留意されたい(これは、結果として、立ち上がりエッジカウントに対応している)。
【0076】
これは、(たとえば、パルス周期ΔtPおよびパルス周波数fPに対して)タイミング閾値をどのように確立し、システム10の所与の動作パラメータにどのように使用することができるかの一例に過ぎない。上述の選択数値および範囲は、例示的な状況に基づいて例として提供されており、使用される実際の数値および範囲は典型的に、システム10の特定の構成およびその性能に関連するだろう。
【0077】
さらに、上述のシステムおよび方法から自然に続いて、所与のファイバ巻き取りプロセス中に複数のウィッピングテール72Wを検出することが可能である。たとえば、複数のウィッピングテール72Wの異なるウィッピングテールに関連する周期的または準周期的な信号を、既知の信号処理方法を使用して容易に抽出することができ、その後、上述のように別個に処理および分析することができる。
【0078】
診断方法
診断方法を用いる検出装置140を使用して、システム10の動作状態を監視することができる。1つの診断方法では、ファイバ70に対して既知の切断が行われると、システム10が検査される。たとえば、ファイバ70のスプール20への巻き取りが終わると、ファイバは自動的に切断され、その結果、本来のテール72Tが形成され、ひいては本来のウィッピングテール72Wが形成される。コントローラ180は、いつ、このような自動的なファイバ切断が行われるのかを把握しているので、コントローラ180は、本来のウィッピングテール72Wの存在を示す、対応するデジタルパルスPVを探すことができる。自動的な切断の発生時にパルス状の信号PVが検出されなかった場合、概して、検出装置140またはシステム10に問題がある可能性がある(たとえば、自動的なファイバ切断が実際には行われなかった)。
【0079】
別の診断方法では、何等かのデジタルパルスが生成されたか否かを確認するために、空のスプール20を走行させることによって、システム10が検査される。デジタル信号パルスが検出された場合、これは空のスプール上の漂遊しているウィッピングテール72Wを示している可能性があり、これは上で考察した可能性である。空のスプール20を検査して、漂遊しているファイバが検出されると、漂遊しているファイバを除去することができ、この空のスプールが新しいファイバ70を受け取る準備が整う。漂遊しているファイバが検出されない場合、これは、診断を必要とする誤検出の問題を示している可能性がある。
【0080】
別の方法では、検出装置140は、「停滞している」信号、すなわち一定(DC)の「ハイ」信号の生成に関して検査される。ファイバ70が適切に巻き取られている場合、デジタルパルスPVは存在しないはずである。他方で、ファイバテールを形成するためにファイバ70が意図的に切断される場合には、上述したようにデジタルパルスPVが存在しているはずである。「停滞している」信号は、1つの長い、安定したデジタルパルスPVを形成する一定(DC)のデジタル信号を有している(たとえば、ここでV=VHである)。このような信号は、システムに問題があることを示している可能性がある。
【0081】
明細書の条項
明細書の条項1は、巻き取り面および回転速度を有する、回転しているスプール上にファイバを巻き取るときのウィッピングテールを検出する方法を開示しており、この方法は、
a)巻き取られたファイバを巻き取り面上に形成するために、回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップを含んでおり、ウィッピングテールは巻き取られたファイバから外側に向かって延び、
b)変調された光ビームを形成すべく光ビームに強度の一時的な下降を形成するために、ウィッピングテールが回転しているスプールによって周期的または準周期的に光ビームと少なくとも部分的に交差するように、光ビームを方向付けるステップを含んでおり、
c)変調された光ビームを、強度の一時的な下降によって規定されたタイミングを有する電気パルスから構成されるデジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、かつ
d)ウィッピングテールを検出するために、電気パルスのタイミングを、回転しているスプールの回転速度に基づく推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる。
【0082】
明細書の条項2は、条項1記載の方法を開示しており、ウィッピングテールは、
巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、巻き取られたファイバとは異なるファイバの部分、
巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、巻き取られたファイバからの光ファイバの部分、
巻き取られたファイバの意図的な切断部分または意図的ではない切断部分、または
巻き取られたファイバの意図的な破断部分または意図的ではない破断部分
によって形成されたものである。
【0083】
明細書の条項3は、条項1または2記載の方法を開示しており、変調された光ビームをデジタル電気信号に変換するステップは、
変調された光ビームを、それぞれ強度の一時的な下降のパルス幅を有している一連の信号の一時的な下降を含んでいるアナログ電気信号に変換するステップを含んでおり、
増幅された信号の一時的な下降を含んでいる増幅された電気信号を形成するために、アナログ電気信号を増幅するステップを含んでおり、
増幅されたアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、ここで、電気パルスは、強度の一時的な下降のパルス幅よりも格段に大きいパルス幅を有している。
【0084】
明細書の条項4は、条項1から3までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、光ビームを方向付けるステップは、回転しているスプールの回転軸線に対して平行に光ビームを方向付けるステップを含んでいる。
【0085】
明細書の条項5は、条項1から4までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、巻き取り面上にファイバを巻き取るステップは、回転しているスプールに対して相対的に動作可能に配置されているウィップシールドによって少なくとも部分的に規定された封じ込め領域内へファイバを方向付けるステップを含んでおり、光ビームを方向付けるステップは、封じ込め領域を通るように光ビームを通過させるステップを含んでいる。
【0086】
明細書の条項6は、ファイバ巻き取りシステムにおけるウィッピングテールを検出する方法を開示しており、この方法は、
a)回転しているスプールと封じ込めシールドとの間に形成されている封じ込め領域を通るようにファイバを通過させることによって、回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップを含んでおり、回転しているスプールは、回転軸線と、対向し合う外側フランジとを有しており、封じ込めシールドは、巻き取り面に対して相対的に動作可能に配置されており、かつ巻き取り面から離間して配置されており、回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップによって、巻き取り面上に、巻き取られたファイバ面を有する巻き取られたファイバが形成され、ウィッピングテールは巻き取られたファイバ面から外側に向かって延び、
b)光ビームから変調された光ビームを形成するために、ウィッピングテールが実質的に周期的に光ビームの少なくとも一部を通過して光ビームに強度の一時的な下降を形成するように、回転しているスプールに近接し、かつ封じ込め領域を通るように光ビームを方向付けるステップを含んでおり、
c)変調された光ビームを、強度の一時的な下降によって規定された電気パルスタイミングを有する電気パルスを含んでいるデジタル信号に変換するステップを含んでおり、かつ
d)電気パルスタイミングを、ファイバ巻き取りシステムの少なくとも1つの動作パラメータに基づく、ウィッピングテールの推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる。
【0087】
明細書の条項7は、条項6記載の方法を開示しており、光ビームを方向付けるステップは、光路を介して光ビームを送るステップを含んでおり、光路は概して、回転軸線に対して平行に、かつスプールの対向し合う外側フランジの外側に、かつスプールの対向し合う外側フランジに近接して延在している。
【0088】
明細書の条項8は、条項6または7記載の方法を開示しており、少なくとも1つの動作パラメータは、ファイバのライン速度およびスプールの回転率のうちの1つ以上を含んでいる。
【0089】
明細書の条項9は、条項6から8までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、スプールは、軸線方向の長さと円周とを有しており、ウィップシールドは、スプールの円周を少なくとも長さの一部にわたって包囲している。
【0090】
明細書の条項10は、条項6から9までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、電気パルスの各々は、パルス幅と立ち上がりエッジとを有しており、d)の上述の比較ステップは、
i)第1のデータを形成するために、電気パルスの識別のために選択された第1のレートで電気パルスをポーリングするステップを含んでおり、
ii)第2のデータを形成するために、第1のデータにおける電気パルスの立ち上がりエッジの検出のために選択された第2のポーリングレートで第1のデータをポーリングするステップを含んでおり、かつ
iii)電気パルスタイミングを確立するために、第2のデータにおける電気パルスの立ち上がりエッジの位置を決定するステップを含んでいる。
【0091】
明細書の条項11は、条項6から10までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、この方法が、スプール上の巻き取られたファイバの量に基づいてウィッピングテールの推定されたタイミングを変えるステップをさらに含んでいる。
【0092】
明細書の条項12は、条項6から11までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、c)の、変調された光ビームをデジタル信号に変換するステップは、
光ビームを、それぞれ強度の一時的な下降のパルス幅を有している一連の信号の一時的な下降を含んでいるアナログ電気信号に変換するステップを含んでおり、
増幅された信号の一時的な下降を含んでいる増幅された電気信号を形成するために、アナログ電気信号を増幅するステップを含んでおり、かつ
増幅されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するステップを含んでおり、ここで、電気パルスは、強度の一時的な下降のパルス幅よりも格段に大きいパルス幅を有している。
【0093】
明細書の条項13は、条項6から12までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、光ビームを方向付けるステップは、第1のファイバ束を通って発光器から光を送るステップを含んでいる。
【0094】
明細書の条項14は、条項13記載の方法を開示しており、この方法が、第2のファイバ束によって光ビームの一部を受け取るステップをさらに含んでいる。
【0095】
明細書の条項15は、条項14記載の方法を開示しており、この方法が、出力端から発散光を放出する第1のファイバ束をさらに含んでおり、実質的にコリメートされた光ビームを形成するために、発散光を実質的にコリメートするステップをさらに含んでいる。
【0096】
明細書の条項16は、条項15記載の方法を開示しており、この方法が、実質的にコリメートされた光ビームを、第2のファイバ束の入力端に実質的に集束させるステップをさらに含んでいる。
【0097】
明細書の条項17は、条項6から16までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、ウィッピングテールの推定されたタイミングはタイミング範囲を含んでおり、タイミング範囲内にある電気パルスタイミングはウィッピングテールの存在に相当する。
【0098】
明細書の条項18は、条項6から17までのいずれか1つ記載の方法を開示しており、ウィッピングテールは、
巻き取られたファイバ内に捕捉されている漂遊しているファイバ、
巻き取られたファイバの意図的ではない切断部分または意図的な切断部分、または
巻き取られたファイバの意図的ではない破断部分または意図的な破断部分
によって形成されたものである。
【0099】
明細書の条項19は、ウィッピングテールを検出することができる、ファイバを巻き取るためのファイバ巻き取りシステムを開示しており、ファイバ巻き取りシステムは、
a)回転軸線を中心に回転するように構成されているスプールを含んでおり、このスプールは、巻き取られたファイバを形成するようにファイバがその上に巻き取られる巻き取り面を有しており、ウィッピングテールは巻き取られたファイバから外側に向かって延び、
b)スプール面上にライン速度でファイバをフィードするように構成されているフィード機構を含んでおり、
c)スプールに対して相対的に動作可能に配置されたウィップシールドを含んでおり、これによってスプールとウィップシールドとの間に封じ込め領域が形成され、
d)ウィッピングテール検出装置を含んでおり、ウィッピングテール検出装置は、
i)回転軸線に対して実質的に平行な光路を介して光ビームを放出するように構成されている光源を含んでおり、光ビームは封じ込め領域を横断し、その結果、ウィッピングテールが存在する場合に、ウィッピングテールは、スプールの回転によって光ビームの少なくとも一部を実質的に周期的に通過して光ビームに一連の強度の一時的な下降を形成し、一連の強度の一時的な下降から、変調された光ビームが形成され、
ii)変調された光ビームを検出し、変調された光ビームから、一連の強度の一時的な下降によって規定された一連の信号の一時的な下降を有するアナログ電気信号を形成するように構成されている光検出器を含んでおり、かつ
iii)信号の一時的な下降のタイミングを、推定されたウィッピングテールタイミングと比較することによって、ウィッピングテールの存在を確定するために、アナログ電気信号を受信し、処理するように構成されているコントローラを含んでいる。
【0100】
明細書の条項20は、条項19記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、推定されたウィッピングテールタイミングは、回転しているスプールの回転率またはファイバのライン速度に基づいており、推定された電気パルスタイミングとしてコントローラに提供される。
【0101】
明細書の条項21は、条項19記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、コントローラは、
アナログ-デジタル(A/D)変換器を含んでおり、アナログ-デジタル(A/D)変換器は、光検出器に動作可能に接続されており、かつアナログ電気信号を受信し、アナログ電気信号から、信号の一時的な下降のタイミングを表す電気パルスタイミングを有している電気パルスを含んでいるデジタル電気信号を形成するように構成されており、かつ
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含んでおり、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)は、A/D変換器に動作可能に接続されており、かつデジタル電気信号を受信し、電気パルスタイミングを推定されたウィッピングテールタイミングと比較するように構成されている。
【0102】
明細書の条項22は、条項21記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、電気パルスの各々は、パルス幅と立ち上がりエッジとを有しており、PLCは、
第1のデータを形成するために、電気パルスの識別のために選択された第1のレートで電気パルスをポーリングするように構成されており、
第2のデータを形成するために、第1のデータにおける電気パルスの立ち上がりエッジの検出のために選択された第2のポーリングレートで第1のデータをポーリングするように構成されており、かつ
電気パルスタイミングを確立するために、第2のデータにおける電気パルスの立ち上がりエッジの位置を決定するように構成されている。
【0103】
明細書の条項23は、条項21記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、コントローラは、
増幅器をさらに含んでおり、増幅器は、A/D変換器の上流に動作可能に配置されており、かつアナログ電気信号がA/D変換器に提供される前に、アナログ電気信号を増幅するように構成されており、かつ
PLC高速入力カードをさらに含んでおり、PLC高速入力カードは、A/D変換器とPLCとの間に動作可能に配置されており、かつデジタル電気信号をPLCに入力するように構成されている。
【0104】
明細書の条項24は、条項19から23までのいずれか1つ記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、光源は第1のファイバ束を含んでおり、光検出器は第2のファイバ束を含んでいる。
【0105】
明細書の条項25は、条項24記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、光源は、第1のファイバ束によって放出された発散光から実質的にコリメートされた光を形成するように構成されている光源光学系をさらに含んでおり、光検出器は、実質的にコリメートされた光から、第2のファイバ束の入力端に方向付けられた、実質的に集束した光を形成するように構成されている光検出器光学系をさらに含んでいる。
【0106】
明細書の条項26は、条項19から25までのいずれか1つ記載のファイバ巻き取りシステムを開示しており、推定されたウィッピングテールタイミングはタイミング範囲を含んでおり、タイミング範囲内にある電気パルスはウィッピングテールの存在に相当する。
【0107】
説明した実施形態は、有利であり、かつ/または図解されているが、限定するものではない。添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で様々な変更が考えられる。
【0108】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0109】
実施形態1
巻き取り面および回転速度を有する、回転しているスプール上にファイバを巻き取るときのウィッピングテールを検出する方法であって、前記方法は、
a)巻き取られたファイバを前記巻き取り面上に形成するために、前記回転しているスプールの前記巻き取り面上に前記ファイバを巻き取るステップを含んでおり、前記ウィッピングテールは前記巻き取られたファイバから外側に向かって延び、
b)変調された光ビームを形成すべく光ビームに強度の一時的な下降を形成するために、前記ウィッピングテールが前記回転しているスプールによって周期的または準周期的に前記光ビームと少なくとも部分的に交差するように、前記光ビームを方向付けるステップを含んでおり、
c)前記変調された光ビームを、前記強度の一時的な下降によって規定されたタイミングを有する電気パルスから構成されるデジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、かつ
d)前記ウィッピングテールを検出するために、前記電気パルスの前記タイミングを、前記回転しているスプールの前記回転速度に基づく推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる、方法。
【0110】
実施形態2
前記ウィッピングテールは、
前記巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、前記巻き取られたファイバとは異なるファイバの部分、
前記巻き取られたファイバから外側に向かって延びる、前記巻き取られたファイバからの光ファイバの部分、
前記巻き取られたファイバの意図的な切断部分または意図的ではない切断部分、または
前記巻き取られたファイバの意図的な破断部分または意図的ではない破断部分
によって形成されたものである、実施形態1記載の方法。
【0111】
実施形態3
前記変調された光ビームをデジタル電気信号に変換する前記ステップは、
前記変調された光ビームを、それぞれ強度の一時的な下降のパルス幅を有している一連の信号の一時的な下降を含んでいるアナログ電気信号に変換するステップを含んでおり、
増幅された信号の一時的な下降を含んでいる増幅された電気信号を形成するために、前記アナログ電気信号を増幅するステップを含んでおり、かつ
増幅された前記アナログ電気信号を前記デジタル電気信号に変換するステップを含んでおり、ここで、前記電気パルスは、前記強度の一時的な下降のパルス幅よりも格段に大きいパルス幅を有している、実施形態1または2記載の方法。
【0112】
実施形態4
前記光ビームを方向付ける前記ステップは、前記回転しているスプールの回転軸線に対して平行に前記光ビームを方向付けるステップを含んでいる、実施形態1から3までのいずれか1つ記載の方法。
【0113】
実施形態5
前記巻き取り面上に前記ファイバを巻き取る前記ステップは、前記回転しているスプールに対して相対的に動作可能に配置されているウィップシールドによって少なくとも部分的に規定された封じ込め領域内へ前記ファイバを方向付けるステップを含んでおり、前記光ビームを方向付ける前記ステップは、前記封じ込め領域を通るように前記光ビームを通過させるステップを含んでいる、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の方法。
【0114】
実施形態6
ファイバ巻き取りシステムにおけるウィッピングテールを検出する方法であって、前記方法は、
a)回転しているスプールと封じ込めシールドとの間に形成されている封じ込め領域を通るようにファイバを通過させることによって、前記回転しているスプールの巻き取り面上に前記ファイバを巻き取るステップを含んでおり、前記回転しているスプールは、回転軸線と、対向し合う外側フランジとを有しており、前記封じ込めシールドは、前記巻き取り面に対して相対的に動作可能に配置されており、かつ前記巻き取り面から離間して配置されており、前記回転しているスプールの巻き取り面上にファイバを巻き取るステップによって、前記巻き取り面上に、巻き取られたファイバ面を有する巻き取られたファイバが形成され、前記ウィッピングテールは前記巻き取られたファイバ面から外側に向かって延び、
b)光ビームから変調された光ビームを形成するために、前記ウィッピングテールが実質的に周期的に前記光ビームの少なくとも一部を通過して前記光ビームに強度の一時的な下降を形成するように、前記回転しているスプールに近接し、かつ前記封じ込め領域を通るように前記光ビームを方向付けるステップを含んでおり、
c)前記変調された光ビームを、前記強度の一時的な下降によって規定された電気パルスタイミングを有する電気パルスを含んでいるデジタル信号に変換するステップを含んでおり、かつ
d)前記電気パルスタイミングを、前記ファイバ巻き取りシステムの少なくとも1つの動作パラメータに基づく、前記ウィッピングテールの推定されたタイミングと比較するステップを含んでいる、方法。
【0115】
実施形態7
前記光ビームを方向付ける前記ステップは、光路を介して前記光ビームを送るステップを含んでおり、前記光路は概して、前記回転軸線に対して平行に、かつ前記スプールの前記対向し合う外側フランジの外側に、かつ前記スプールの前記対向し合う外側フランジに近接して延在している、実施形態6記載の方法。
【0116】
実施形態8
前記少なくとも1つの動作パラメータは、前記ファイバのライン速度および前記スプールの回転率のうちの1つ以上を含んでいる、実施形態6または7記載の方法。
【0117】
実施形態9
前記スプールは、軸線方向の長さと円周とを有しており、前記ウィップシールドは、前記スプールの前記円周を少なくとも前記長さの一部にわたって包囲している、実施形態6から8までのいずれか1つ記載の方法。
【0118】
実施形態10
前記電気パルスの各々は、パルス幅と立ち上がりエッジとを有しており、d)の前記比較ステップは、
i)第1のデータを形成するために、前記電気パルスの識別のために選択された第1のレートで前記電気パルスをポーリングするステップを含んでおり、
ii)第2のデータを形成するために、前記第1のデータにおける前記電気パルスの前記立ち上がりエッジの検出のために選択された第2のポーリングレートで前記第1のデータをポーリングするステップを含んでおり、かつ
iii)前記電気パルスタイミングを確立するために、前記第2のデータにおける前記電気パルスの前記立ち上がりエッジの位置を決定するステップを含んでいる、実施形態6から9までのいずれか1つ記載の方法。
【0119】
実施形態11
前記方法が、前記スプール上の前記巻き取られたファイバの量に基づいて前記ウィッピングテールの前記推定されたタイミングを変えるステップをさらに含んでいる、実施形態6から10までのいずれか1つ記載の方法。
【0120】
実施形態12
c)の、前記変調された光ビームをデジタル信号に変換する前記ステップは、
前記光ビームを、それぞれ強度の一時的な下降のパルス幅を有している一連の信号の一時的な下降を含んでいるアナログ電気信号に変換するステップを含んでおり、
増幅された信号の一時的な下降を含んでいる増幅された電気信号を形成するために、前記アナログ電気信号を増幅するステップを含んでおり、かつ
増幅された前記アナログ電気信号を前記デジタル信号に変換するステップを含んでおり、ここで、前記電気パルスは、前記強度の一時的な下降のパルス幅よりも格段に大きいパルス幅を有している、実施形態6から11までのいずれか1つ記載の方法。
【0121】
実施形態13
前記光ビームを方向付ける前記ステップは、第1のファイバ束を通って発光器から光を送るステップを含んでいる、実施形態6から12までのいずれか1つ記載の方法。
【0122】
実施形態14
前記方法が、第2のファイバ束によって前記光ビームの一部を受け取るステップをさらに含んでいる、実施形態13記載の方法。
【0123】
実施形態15
前記方法が、出力端から発散光を放出する前記第1のファイバ束をさらに含んでおり、実質的にコリメートされた光ビームを形成するために、前記発散光を実質的にコリメートするステップをさらに含んでいる、実施形態14記載の方法。
【0124】
実施形態16
前記方法が、前記実質的にコリメートされた光ビームを、前記第2のファイバ束の入力端に実質的に集束させるステップをさらに含んでいる、実施形態15記載の方法。
【0125】
実施形態17
前記ウィッピングテールの前記推定されたタイミングはタイミング範囲を含んでおり、前記タイミング範囲内にある前記電気パルスタイミングは前記ウィッピングテールの存在に相当する、実施形態6から16までのいずれか1つ記載の方法。
【0126】
実施形態18
前記ウィッピングテールは、
前記巻き取られたファイバ内に捕捉されている漂遊しているファイバ、
前記巻き取られたファイバの意図的ではない切断部分または意図的な切断部分、または
前記巻き取られたファイバの意図的ではない破断部分または意図的な破断部分
によって形成されたものである、実施形態6から17までのいずれか1つ記載の方法。
【0127】
実施形態19
ウィッピングテールを検出することができる、ファイバを巻き取るためのファイバ巻き取りシステムであって、前記ファイバ巻き取りシステムは、
a)回転軸線を中心に回転するように構成されているスプールを含んでおり、前記スプールは、巻き取られたファイバを形成するように前記ファイバがその上に巻き取られる巻き取り面を有しており、前記ウィッピングテールは前記巻き取られたファイバから外側に向かって延び、
b)前記スプール面上にライン速度で前記ファイバをフィードするように構成されているフィード機構を含んでおり、
c)前記スプールに対して相対的に動作可能に配置されたウィップシールドを含んでおり、これによって前記スプールと前記ウィップシールドとの間に封じ込め領域が形成され、
d)ウィッピングテール検出装置を含んでおり、前記ウィッピングテール検出装置は、
i)前記回転軸線に対して実質的に平行な光路を介して光ビームを放出するように構成されている光源を含んでおり、前記光ビームは前記封じ込め領域を横断し、その結果、前記ウィッピングテールが存在する場合に、前記ウィッピングテールは、前記スプールの前記回転によって前記光ビームの少なくとも一部を実質的に周期的に通過して前記光ビームに一連の強度の一時的な下降を形成し、前記一連の強度の一時的な下降から、変調された光ビームが形成され、
ii)前記変調された光ビームを検出し、前記変調された光ビームから、前記一連の強度の一時的な下降によって規定された一連の信号の一時的な下降を有するアナログ電気信号を形成するように構成されている光検出器を含んでおり、かつ
iii)前記信号の一時的な下降のタイミングを、推定されたウィッピングテールタイミングと比較することによって、前記ウィッピングテールの存在を確定するために、前記アナログ電気信号を受信し、処理するように構成されているコントローラを含んでいる、ファイバ巻き取りシステム。
【0128】
実施形態20
前記推定されたウィッピングテールタイミングは、前記回転しているスプールの回転率または前記ファイバの前記ライン速度に基づいており、推定された電気パルスタイミングとして前記コントローラに提供される、実施形態19記載のファイバ巻き取りシステム。
【0129】
実施形態21
前記コントローラは、
アナログ-デジタル(A/D)変換器を含んでおり、前記アナログ-デジタル(A/D)変換器は、前記光検出器に動作可能に接続されており、かつ前記アナログ電気信号を受信し、前記アナログ電気信号から、前記信号の一時的な下降のタイミングを表す電気パルスタイミングを有している電気パルスを含んでいるデジタル電気信号を形成するように構成されており、かつ
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含んでおり、前記プログラマブルロジックコントローラ(PLC)は、前記A/D変換器に動作可能に接続されており、かつ前記デジタル電気信号を受信し、前記電気パルスタイミングを前記推定されたウィッピングテールタイミングと比較するように構成されている、実施形態19または20記載のファイバ巻き取りシステム。
【0130】
実施形態22
前記電気パルスの各々は、パルス幅と立ち上がりエッジとを有しており、前記PLCは、
第1のデータを形成するために、前記電気パルスの識別のために選択された第1のレートで前記電気パルスをポーリングするように構成されており、
第2のデータを形成するために、前記第1のデータにおける前記電気パルスの立ち上がりエッジの検出のために選択された第2のポーリングレートで前記第1のデータをポーリングするように構成されており、かつ
前記電気パルスタイミングを確立するために、前記第2のデータにおける前記電気パルスの前記立ち上がりエッジの位置を決定するように構成されている、実施形態21記載のファイバ巻き取りシステム。
【0131】
実施形態23
前記コントローラは、
増幅器をさらに含んでおり、前記増幅器は、前記A/D変換器の上流に動作可能に配置されており、かつ前記アナログ電気信号が前記A/D変換器に提供される前に、前記アナログ電気信号を増幅するように構成されており、かつ
PLC高速入力カードをさらに含んでおり、前記PLC高速入力カードは、前記A/D変換器と前記PLCとの間に動作可能に配置されており、かつ前記デジタル電気信号を前記PLCに入力するように構成されている、実施形態19から22までのいずれか1つ記載のファイバ巻き取りシステム。
【0132】
実施形態24
前記光源は第1のファイバ束を含んでおり、前記光検出器は第2のファイバ束を含んでいる、実施形態19から23までのいずれか1つ記載のファイバ巻き取りシステム。
【0133】
実施形態25
前記光源は、前記第1のファイバ束によって放出された発散光から実質的にコリメートされた光を形成するように構成されている光源光学系をさらに含んでおり、前記光検出器は、前記実質的にコリメートされた光から、前記第2のファイバ束の入力端に方向付けられた、実質的に集束した光を形成するように構成されている光検出器光学系をさらに含んでいる、実施形態24記載のファイバ巻き取りシステム。
【0134】
実施形態26
前記推定されたウィッピングテールタイミングはタイミング範囲を含んでおり、前記タイミング範囲内にある前記電気パルスは前記ウィッピングテールの存在に相当する、実施形態19から25までのいずれか1つ記載のファイバ巻き取りシステム。
【国際調査報告】