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特表2022-524000針カバー除去デバイスおよび注入デバイスの針カバーを除去するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】針カバー除去デバイスおよび注入デバイスの針カバーを除去するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220420BHJP
   A61M 5/28 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
A61M5/32 502
A61M5/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552707
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(85)【翻訳文提出日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 EP2020055560
(87)【国際公開番号】W WO2020178285
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】19305248.7
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ロンシアン ホアン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066DD11
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG20
4C066LL12
4C066LL21
4C066LL30
4C066NN01
4C066NN20
(57)【要約】
除去デバイス(1)は、バレル(104)を備える注入デバイス(100)の遠位先端に除去可能に取り付けられた針カバー(102)を除去するように構成される。除去デバイス(1)は、注入デバイス(100)を保持するように構成されたホルダ(4)と、注入デバイス(100)から針カバー(102)を除去するように構成された針カバーリムーバ(6)とを含むハウジング(2)と、ホルダ(4)に設けられ、前記注入デバイス(100)に当接するように構成された第1のアバットメント部材と、針カバーリムーバ(6)に設けられ、針カバー(102)に当接するように構成された第2のアバットメント部材と、針カバー(102)を注入デバイス(100)から分離するために、第1のおよび第2のアバットメント部材が並進的に互いに離れるように、前記針カバーリムーバ(6)をホルダ(4)に対して並進方向に変位させるように構成された変位手段と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バレル(104)を備える注入デバイス(100)の遠位先端(108)に除去し可能に取り付けられた針カバー(102)を除去するように構成された除去デバイスであって:前記除去デバイス(1)は、
前記注入デバイス(100)を保持するように構成されたホルダ(4)と、前記注入デバイス(100)から針カバー(102)を除去するように構成された針カバーリムーバ(6)とを含むハウジング(2)と、
前記ホルダ(4)に設けられ、前記注入デバイス(100)に当接するように構成された、第1のアバットメント部材(40)と、
前記針カバーリムーバ(6)に設けられ、前記針カバー(102)に突き当たるように構成された第2のアバットメント部材(60)と、
前記針カバー(102)を前記注入デバイス(100)から分離するために、前記第1および第2のアバットメント部材(40、60)が互いに並進的に離れるように、前記ホルダ(4)に対して前記針カバーリムーバ(6)を並進方向に変位させるように構成された変位手段と、を備え、
前記第1および第2のアバットメント部材(40、60)は、前記注入デバイス(100)の一部を受け入れるように構成されたノッチ(44、64)を有し、前記ノッチ(44、64)は、前記並進方向に直交する垂直方向に関して、その上端を開放されている、除去デバイス。
【請求項2】
前記第1および第2のアバットメント部材(40、60)の一方または両方が、バレル(104)と針カバー(102)との間で区切られた溝(116)に挿入されるように構成される、請求項1に記載の除去デバイス(1)。
【請求項3】
前記第1および第2のアバットメント部材(40、60)のうちの少なくとも1つが板状である、請求項1または2に記載の除去デバイス(1)。
【請求項4】
前記ホルダ(4)が、前記注入デバイス(100)のバレル(104)を支持するように構成された長手方向の凹部(46)を備え、前記長手方向の凹部が近位端(460b)と、前記近位端(460b)と反対側の遠位端(460a)と、前記第1のアバットメント部材が前記長手方向の凹部(46)の前記近位端または前記遠位端(460b、460a)のいずれかで延在している、請求項1~3のいずれか一項に記載の除去デバイス(1)。
【請求項5】
前記ハウジング(2)は、前記注入デバイス(100)のフランジ(106)の近位の動きをブロックするように構成された保持要素(48)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の除去デバイス(1)。
【請求項6】
前記針カバーリムーバ(6)が、前記針カバー(102)の少なくとも1つの側に延在するように構成された少なくとも1つの壁(66)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の除去デバイス(1)。
【請求項7】
前記変位手段がアクチュエータ(11)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の除去デバイス(1)。
【請求項8】
前記第1のアバットメント部材(40)が、前記注入デバイス(100)のバレル(104)の遠位ショルダ(112)に突き当たるように構成され、前記第1および第2のアバットメント部材(40、60)は、前記ホルダ(4)に対する前記針カバーリムーバ(6)の初期位置において、互いに接触している、請求項1~7のいずれか一項に記載の除去デバイス(1)。
【請求項9】
前記アクチュエータが電気式である、請求項7または請求項7に従属する請求項8に記載の除去デバイス(1)。
【請求項10】
前記除去デバイス(1)は、注入デバイス(100)が前記ホルダ(4)によって支持されていることを検出するように構成されたセンサ(36)を備える、請求項8または9に記載の除去デバイス(1)。
【請求項11】
前記第1のアバットメント部材(40)は、前記注入デバイス(100)の前記バレル(104)の近位フランジ(106)の前記遠位面に当接するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の除去デバイス(1)。
【請求項12】
前記変位手段は、ユーザによって把持可能な、静止位置と作動位置との間で前記ハウジング(2)に回転可能に取り付けられるハンドル(10)と、前記静止位置から前記作動位置へのハンドル(10)の回転は、前記第2のアバットメント部材(60)と前記第1のアバットメント部材(40)とが前記針カバー(102)を引き抜くために互いに離れ、前記ハンドル(10)を前記第2のアバットメント部材(60)に結合する連結ロッド(12)と、を備える、請求項11に記載の除去デバイス(1)。
【請求項13】
前記ハウジング(2)は、前記ホルダ(4)の隣に別の注入デバイス(100)を支持するように構成された予備支持体(29)を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の除去デバイス(1)。
【請求項14】
注入デバイス(100)の前記針カバー(102)を除去するための方法であって:前記方法は、
-前記第1のアバットメント部材(40)は前記注入デバイス(100)に当接し、第2のアバットメント部材(40)が前記針カバー(102)に当接するように、請求項1~13のいずれかに記載の除去デバイス(1)の前記ホルダ(4)上に前記注入デバイスを位置決めするステップ、
-前記第1および第2のアバットメント部材(40、60)が互いに離れるように、前記針カバー(102)を前記注入デバイス(100)から引き離すようなに前記変位手段を作動するステップと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射器などの注入デバイスの針カバーを除去するように構成された除去デバイス、および注入デバイスの針カバーを除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願では、構成要素のまたはデバイスの遠位端は、ユーザの手から最も遠い端を意味すると理解され、近位端は、ユーザの手に最も近い端を意味すると理解されるべきである。同様に、本出願では、「遠位方向」は、本発明の除去デバイスによって針カバーが除去されることを意図される注入デバイスに関して、注入の方向を意味すると理解され、「近位方向」は、前記注入の方向とは反対の方向、すなわち、注入操作のために注入デバイスを保持しているユーザの手に向かう方向を意味すると理解されるべきである。
【0003】
注入デバイス、例えば、プレフィルフィラブルまたはプレフィルド注射器は、通常、医療製品のための容器を形成する中空の本体またはバレルを備える。この本体は、通常、針を設けた遠位端と、フランジを設けた近位端とを備える。これらの注入デバイスは、通常、遠位端がピストンを含むプランジャーロッドを備えており、プランジャーロッドは、注入の段階で、ユーザによってピストンロッドに加えられる遠位圧力の作用下で、注入針を通して製品を押し込む。
【0004】
使用前に無菌状態を維持し、偶発的な針刺しのリスクを減らすために、針の保護が重要である。したがって、注入デバイスには、針を囲むようにバレルの先端に取り付けられた針カバーが付属している。
【0005】
注入の前に、ユーザは、通常、片手で注射器本体を持ち、もう一方の手で針カバーを持ち、反対の力を加えて注入デバイス自体と針カバーを分離する。これにより、注入針のカバーが外れ、ユーザが注入を実行することができる。
【0006】
しかしながら、針カバーの除去は、針刺し損傷のリスクがある。注射器本体と針カバーの突然の分離は、片方または両方のユーザの手がスプリングバック運動を引き起こす可能性がある。その結果、カバーされていない針が、除去された針カバーを保持しているユーザの手に刺さるかもしれない。
【0007】
さらに、注射器本体から針カバーを引き抜くのに必要な分離力は、注射器本体と針カバーとの間の摩擦力を超える必要がある。この分離力は、時に非常に高く、スプリングバック運動が針刺し損傷を引き起こすリスクが高まるかもしれない。看護師などの専門家のユーザは、通常、1日に複数回の注入を行わなければなりません。針カバーを繰り返し除去は、疲労感が生じ、針刺し損傷のリスクが高まるかもしれない。
【0008】
さらに、ユーザの手が反対方向に引っ張られる分離運動は、必ずしも直線の経路をたどるとは限りません。そのため、針カバーを外す際に針が曲がるリスクがある。ただし、曲がった針は、注入部位に挿入すると使用できなくなったり、痛みを引き起こしたりするかもしれない。
注射器の針のキャップを除去するためのデバイスは、特許文献1から知られている。特許文献2はさらに、自動化された注射器の充填および装填デバイスを開示している。特許文献3は、注射器包装コンテナを開示している。注射器を受け入れるように連結された仕切りを装備した注入デバイスがさらに特許文献4から知られている。
【0009】
これに関連して、本発明の一態様は、ユーザの針刺し損傷のリスクがなく、および針を曲げるリスクもなく、注入デバイスの針カバーの安全な繰り返しの除去を可能にするデバイスを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】加国特許第2437514号
【特許文献2】米国特許第2012241042号明細書
【特許文献3】国際公開第2014045336号
【特許文献4】米国特許第2012035542号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、バレルを含む注入デバイスの遠位先端に除去可能に取り付けられた針カバーを除去するように構成される除去デバイスであって、除去デバイスは、
注入デバイスを保持するように構成されるホルダと、注入デバイスから針カバーを除去するように構成される針カバーリムーバと、を含むハウジングと、
ホルダ上に設けられる第1のアバットメント部材であって、前記注入デバイスに当接するように構成される第1のアバットメント部材と、
針カバーリムーバに設けられる第2のアバットメント部材であって、針カバーに当接するように構成される第2のアバットメント部材と、
針カバーを注入デバイスから分離するために、第1および第2のアバットメント部材が互いに並進的に離れるように、ホルダに対して針カバーリムーバを並進方向に変位させるように構成された変位手段、とを含む。
【0012】
好ましくは、変位手段は、針カバーを注入デバイスから分離するために、第2のアバットメント部材が第1のアバットメントから並進的に離れるように、ホルダに対して針カバーリムーバを並進方向に変位させるように構成される。
【0013】
好ましくは、ホルダに設けられた第1のアバットメント部材は、注入デバイスのバレルに当接するように、より好ましくは、バレルの遠位ショルダなどの注入デバイスのバレルの遠位面に当接するように、あるいはバレルのフランジの遠位面に当接するように、構成されている。好ましくは、針カバーリムーバに設けられる第2のアバットメント部材は、針カバーの近位端などの近位面に当接するように構成される。好ましくは、針カバーリムーバに設けられる第2のアバットメント部材は、ホルダに設けられる第1のアバットメント部材と平行に延びる。
【0014】
有利なことに、ホルダはハウジングに対して固定されており、針カバーリムーバはホルダおよびハウジングに対して移動可能である。これにより、針カバーを除去することができるため、ユーザは針カバーに触れる必要がない。その結果、安全性が向上する。典型的には、注入デバイスは、フランジを画定するバレルと、針を設けられ得る遠位先端と、バレル内に配置されたピストンを作動させるプランジャーロッドと、を備える。前記バレルは、遠位ショルダを備えてもよい。針は、針カバーによって、覆われていてもよい。溝は、注入デバイスのショルダと針カバーの近位部分との間に備えられてもよい。
【0015】
したがって、本発明の除去デバイスは、ユーザを傷つけたり、痛みを与えたりするリスクなしに、注入デバイスから針カバーを安全に除去することを可能にする。注入デバイスから針カバーを除去することは、もはやユーザの手によって実行されるのではなく、針カバーリムーバの第2のアバットメント部材によって行われるので、スプリングバック運動のリスクがなく、針刺し損傷のリスクもない。針カバーの除去する間に、ユーザは、実際に針カバーを掴む必要はなく、触れる必要もない。その上、針カバーリムーバ、ひいては針カバーの並進運動は、針カバーを除去する際に針を曲げることを回避する。
【0016】
実施形態では、第1および第2のアバットメント部材の一方または両方は、バレルと針カバーとの間で区切られた溝に挿入するように構成される。
【0017】
実施形態では、第1および第2のアバットメント部材の少なくとも1つは、プレート形状であり、好ましくは第1および第2のアバットメント部材の両方がプレート形状である。
【0018】
実施形態では、第1および第2のアバットメント部材の少なくとも1つは、注入デバイスの一部を受け入れるように構成されたノッチを有し、好ましくは、第1および第2のアバットメント部材の両方がノッチを有する。前記ノッチは、U字形状であってもよい。
【0019】
これにより、迅速かつ容易に注入デバイスの位置決めが可能になり、時間単位あたりの針カバーを除去する回数が増加する。ノッチによって受け取られる部分は、注入デバイスの遠位先端、注入デバイスのフランジ、または針カバーの近位面であってもよい。
【0020】
実施形態では、ホルダは、注入デバイスのバレルを支持するように構成される長手方向の凹部を備え、前記長手方向の凹部は、近位端および近位端の反対側に遠位端を有し、第1のアバットメント部材は、前記長手方向の凹部の近位端または遠位端のいずれかで延びている。
実施形態では、ハウジングは、注入デバイスのフランジの近位方向の動きをブロックするように構成される保持要素を備える。
【0021】
これにより、注入が長手方向の凹部に沿って移動することが防止されるため、安全性が向上する。
【0022】
実施形態では、針カバーリムーバは、針カバーの少なくとも片側に延びるように構成される少なくとも1つの保護壁を備え、好ましくは、針カバーリムーバは、針カバーの両側に延びるように構成される2つの保護壁を含む。
【0023】
少なくとも1つの保護壁は、この針カバーを除去する際に針カバーの排出をガイドし、針カバーリムーバが初期位置に戻ると、針カバーの除去後に針の少なくとも片側に延びてもよい。これにより、針刺し損傷のリスクがさらに制限される。
【0024】
実施形態では、除去デバイスは、除去された針カバーを収集するように構成されたコレクタを備える。そのため、ユーザが針カバーに触れる必要がなく、ユーザの安全性を向上させる。
実施形態では、除去デバイスは、除去された針カバーをコレクタにガイドするように構成されたガイド手段を含む。
【0025】
有利には、コレクタは、ウェルおよびこのウェルに通じるアクセス開口部を備え、ウェルは、除去された針カバーを受け入れるように構成される。実施形態では、変位手段は、機械的または電気的であり得るアクチュエータを備える。
【0026】
アクチュエータが機械的である場合、変位手段は、ユーザが把持可能であり、静止位置と作動位置との間でハウジングに回転可能に取り付けられたハンドルと、ハンドルの静止位置から作動位置への回転により、第2のアバットメント部材と第1のアバットメント部材が互いに離れて、針カバーを引き抜くように結合する連結ロッドとを備えてもよい。
【0027】
好ましくは、この実施形態では、静止位置から作動位置へのハンドルの回転は、針カバーを引き抜くために、第2のアバットメント部材を第1のアバットメント部材から遠ざけるように動かす。
【0028】
有利には、この実施形態では、第1のアバットメント部材は、バレルのフランジに対して、より具体的には、前記フランジの遠位面に対して当接するように構成される。
【0029】
アクチュエータが電気的である場合、針カバーの除去は自動化されており、繰り返し除去してもユーザは疲れない。アクチュエータが電気的である場合、除去デバイスは、注入デバイスがホルダによって支持されていることを検出するように構成されたセンサを備えてもよい。
【0030】
これにより、除去デバイスの安全性と効率が向上する。
【0031】
有利には、この実施形態では、第1のアバットメント部材は、前記注入デバイスのバレルの遠位ショルダに当接するように構成され、第1および第2のアバットメント部材は、ホルダに対する針カバーリムーバの初期位置で互いに接触する。
【0032】
実施形態では、ハウジングは、ホルダの隣にある別の注入デバイスを支持するように構成された予備支持体を備える。したがって、ユーザは、針カバーを除去するために別の注入デバイスがホルダに置かれている間に、注入デバイスを事前に配置してもよい。この予備支持体のおかげで、時間単位あたりの針カバーの除去回数は増加されてもよい。
【0033】
本発明の別の態様は、注入デバイスの針カバーを除去するための方法であり、前記方法は:
-第1のアバットメント部材が注入デバイス、好ましくは前記注入デバイスのバレルまたはフランジ、より好ましくはバレルのまたは前記注入デバイスのフランジの遠位面に対して、および第2のアバットメント部材が針カバーに対して当接し、好ましくは針カバーの近位面に対して、注入デバイスを上記のように除去デバイスのホルダに配置するステップ、および
-変位手段を作動させて、第1および第2のアバットメント部材が互いに離れるように移動することにより、針カバーを注入デバイスから引き離すステップと、を含む。
【0034】
好ましくは、本発明の方法の変位手段を活性化するステップの間に、第2のアバットメント部材は、第1のアバットメント部材から並進的に離れる。
【0035】
本発明およびそれから生じる利点は、以下の添付の図面を参照して以下に示す詳細な説明から明らかになる:
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、注入デバイスと針ニードルを表す。
図2図2は、本発明の実施形態による除去デバイスの斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態による除去デバイスのホルダの斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態による除去デバイスの斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態による除去デバイスの部分斜視図である。
図6図6は、本発明の実施形態による除去デバイスの部分断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態による除去デバイスの部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1を参照して、注入デバイス100が示されている。前記注入デバイス100は、長手方向軸Aに沿って延びるバレル104と、フランジ106と、図5に示されるように針109を設けられる遠位先端108、およびバレル104の内側に配置されたピストンを作動させるプランジャーロッド110を備えてもよい。注入デバイスのバレル104は、遠位ショルダ112を備えてもよい。前記遠位ショルダ112は、バレル104の遠位端に設けられてもよい。注入デバイス100の遠位先端108は、遠位ショルダ112から遠位に突出してもよい。針カバー102は、注入デバイスの遠位先端に密封的かつ除去可能に取り付けられてもよい。注入デバイス100は、プレフィルフィラブルまたはプレフィルド注射器であってもよい。
【0038】
図2を参照して、本発明の一実施形態による除去デバイス1が表されている。除去デバイス1は、注入デバイス100から針カバー102を除去するように構成される。
【0039】
図2または図4を参照すると、除去デバイス1は、ハウジング2を備える。ハウジング2は、ホルダ4および針カバーリムーバ6を支持する。図2または4に示されるように、ホルダ4は注入デバイス100を支持し、針カバーリムーバ6は、注入デバイス100から針カバー102を除去するように構成される。注入デバイス100がホルダ4によって支持されているとき、注入デバイスの軸Aは軸Xに平行である。
【0040】
図3によりよく示されるように、ホルダ4は、注入デバイス100の遠位面に対して当接するように構成される第1のアバットメント部材40を備え、針カバーリムーバ6は、針カバー102の近位面に対して当接するように構成される第2のアバットメント部材60を含む。遠位の、それぞれ近位の面は、注入デバイスの長手方向Xに関して、遠位に、それぞれ近位に向けられた面を意味される。
【0041】
除去デバイス1は、針カバー102を注入デバイス100から引き離すように、第1および第2のアバットメント部材40、60を並進方向Xで互いに引き離すように構成された変位手段をさらに備える。
【0042】
図に示されるように、第1のアバットメント部材40および第2のアバットメント部材60は、初期位置(図2)の間で互いに対して移動可能であり、第1および第2のアバットメント部材40、60は、ホルダ4および針カバー102が針カバー102を備えた注入デバイス100、および排出位置(図3、4、5、7)を受け入れ得るように互いに近接してもよく、第1および第2のアバットメント部材40、60は、針カバー102が注入デバイス100から引き離され得るように、初期位置よりも互いに離れてさらに離れてもよい。
【0043】
第1および第2のアバットメント部材40、60は、初期位置で互いに接触してもよい。したがって、初期位置は、第1および第2のアバットメント部材40、60の後方の後方位置であってもよい。
【0044】
初期位置から排出位置までの距離は、好ましくは、注入デバイス100の遠位先端108の長さの半分以上であり、好ましくは、注入デバイス100の遠位先端108の長さ以上である。
【0045】
好ましい実施形態では、ホルダ4、ひいては第1のアバットメント部材40がハウジング2に対して固定されている一方で、第2のアバットメント部材60、ひいては針カバーリムーバ6はハウジング2および前記第1のアバットメント部材40に対して移動可能である。第1および第2のアバットメント部材40、60は、第1および第2のアバットメント部材40、60の移動が、それぞれ、ホルダ4および針カバーリムーバ6に対して相対的な移動によるものとなるように、ホルダ4および針カバーリムーバ6に対して相対的に固定されてもよい。
【0046】
図2および図4に示されるように、ハウジング2は、箱型のハウジング2であってもよい。この箱型ハウジング2は、ホルダ4および針カバーリムーバ6を支持する天板22を備え得るが、変位手段(図示せず)は、箱型ハウジング2の内側、すなわち天板22の下に配置されてもよい。
【0047】
図4に示されるように、ハウジング2は、ホルダ4および針カバーリムーバ6、ならびに場合によっては変位手段を囲むエンクロージャ24を備えてもよい。エンクロージャ24は、初期位置にあるホルダ4および針カバーリムーバ6の上方で長手方向Xに延びる窓を有するので、ユーザが、注入デバイス100をホルダ4および針カバーリムーバ6の上に置き、次いで、針カバーが外れたら、注入デバイス100を除去してもよい。エンクロージャ24はまた、ユーザが変位手段を作動させることを可能にする開口を備えてもよい。エンクロージャ24は、天板22に固定されてもよい。
【0048】
図3に示されるように、第1のアバットメント部材40は、フランジ106(図4、5、7を参照)または前記注入デバイス100(図2参照)のバレル104の遠位ショルダ112のいずれかの遠位面に当接するように構成される近位アバットメント表面42を画成している。第1のアバットメント部材40は、ホルダ4の近位端または遠位端に配置してもよい。
【0049】
好ましくは、第2のアバットメント部材60は、第1のアバットメント部材40と平行である。図3に示されるように、したがって、第2のアバットメント部材60は、遠位アバットメント表面62を画定し、前記遠位アバットメント表面62は、針カバー102の近位面に当接するように構成される。この近位面は、針カバー102の近位端114で画定されてもよい。それぞれの近位および遠位アバットメント表面42、62は、並進方向Xに直交して延びてもよい。第2のアバットメント部材60は、好ましくは、針カバーリムーバ6の近位端に配置されてもよい。
【0050】
図2を参照すると、第1および第2のアバットメント部材40、60は、好ましくは、初期位置でバレル104と針カバー102との間に区切られた溝116に挿入されるように形作られる。より具体的には、第1および第2のアバットメント部材40、60は、バレル104の遠位ショルダと針カバー102の近位端114との間に挿入してもよい。そのために、第1および/または第2のアバットメント部材40、60は、図3に示されるように、好ましくは板状であってもよい。板状の第1および第2のアバットメント部材40、60は、並進方向Xに直交している。
【0051】
図3に示されるように、第1および第2のアバットメント部材40、60の一方または両方は、注入デバイス100の遠位先端108、または注入デバイス100のフランジ106を受け入れるように構成されたノッチ44、64を区切る。好ましくは、第1および第2のアバットメント部材40、60の両方がノッチ44、64を区切る。ノッチ44、64は、ユーザが注入デバイス100をホルダ4および針カバーリムーバ6との上に置くことが可能なように、天板22に直交する垂直方向Zおよび長手方向Xを考慮して、上端が開放されている。したがって、注入デバイス100、好ましくは注入デバイス100の遠位先端108は、方向Xに関して整列されたこれらのノッチ44、64を通って延びる。例えば、ノッチ44、64は、U字形状であってもよい。
【0052】
注入デバイス100を支持するために、ホルダ4は、注入デバイス100のバレル104を受け入れるように構成された長手方向の凹部46を備えてもよい。長手方向の凹部46およびバレル104は、相補的に形作られてもよい。例えば、長手方向の凹部46は、円筒形状、より具体的には半円筒形状を有する。長手方向の凹部46は、ユーザがこの長手方向の凹部46の内側に注入デバイス100を置くことを可能にするために、長手方向の上部開口部を区切る。
【0053】
長手方向の凹部46は、近位端460bと、近位端460bの反対側の遠位端460aとを有する。第1のアバットメント部材40は、好ましくは、長手方向の凹部46の前記近位端および遠位端の1つに延在する。
【0054】
図2および3を参照すると、ホルダ4は、有利には、注入デバイス100の近位方向の並進をブロックまたは制限するように構成された、メッキ加工された形状の保持要素48を備える。保持要素48は、好ましくは、ホルダ4に固定されている。保持要素48は、注入デバイス100のフランジ106の近位面をブロックするように構成された遠位ブロック面480であってもよい。遠位ブロック面480は、長手方向の凹部46の近位端460bに面し、注入デバイス100のフランジ106を受け入れるように形作られたホール482をそれらの間に画定する。ホルダ4の長手方向の凹部46の近位端460bと遠位ブロック面480との間の距離は、好ましくは、注入デバイス100のフランジ106幅よりも大きい。保持要素48はまた、注入デバイス100のプランジャーロッド110を受け入れるための、U字形状のノッチなどのノッチ484を備えてもよい。このノッチ484は、長手方向Xに関して、ノッチ44、64および長手方向の凹部46と整列させてもよい。
【0055】
例えば、図2および7を参照すると、針カバーリムーバ6は、2つの保護壁66、例えば、板状の保護壁66を備えており、針カバー102の両側に延在するように構成されているため、排出動作中に針カバー102をガイドし、その後、カバーされていない針からユーザを保護する。2つの保護壁66は、互いに平行および/または方向Xに平行であってもよい。図2または図7に示されるように、保護壁66は、第2のアバットメント部材60から、おそらく針カバーリムーバ6の遠位端まで延びる。
【0056】
図7に見られるように、針カバーリムーバ6は、除去された針カバー102を収集領域に向けてガイドするように構成されたガイドランプ68を有してもよい。このガイドランプ68は、第2のアバットメント部材60から延在し、針カバーリムーバ6の遠位端に向かって下向きに傾斜してもよい。ガイドランプ68は、2つの保護壁66の間に延在してもよく、ひいては、保護壁66がこのガイド部分の側壁を形成する一方で、針カバーリムーバ6のガイド部分の底壁を形成してもよい。
【0057】
有利には、収集領域は、ハウジング2の内側(図2)またはハウジング2の外側(図4)に配置され得るコレクタ8によって画定される。コレクタ8は、1つまたは複数の針カバー102を、除去した直後に収集するように構成される。
【0058】
図2を参照すると、コレクタ8は、例えば、除去された針カバー102を廃棄物コンテナにこぼすことによって、ユーザがコレクタ8を空にすることを可能にするために、ハウジング2から除去し可能であり得る引き出しを備えてもよい。例えば、コレクタ8は、ハウジングに対して、長手方向および垂直方向X、Zに直交する横方向に移動可能である。
【0059】
図4を参照すると、コレクタ8はハウジング2に固定されている。コレクタ8は、単一の除去された針カバー102を受け入れるように構成されてもよい。さらに、コレクタ8は、ユーザがこの針カバー102を把持するために有することなく、針カバー102を注入デバイス100に有利に戻し得るように、除去した針カバー102を所定の位置、例えば直立位置に、維持するように構成されていてもよい。そのために、コレクタ8は、その上端でアクセス開口部82を区切るウェル80を含んでもよい。ウェル80は、垂直方向Zに延在している。ウェル80は、針カバー102を補完的に形作られる底部を有してもよい。この針カバー102の近位端114は、アクセス開口部82の近くに配置されるように意図されている。針カバー102の遠位端は、ウェル80の底部に立っている。
【0060】
ハウジング2は、ハウジング2の天板22を通して配置され得る貫通穴26を備える。この貫通穴26は、除去された針カバー102が、この天板22の上に配置された針カバーリムーバ6から、天板22の下に配置されたコレクタ8に落下することを可能にする。したがって、貫通穴26は、コレクタ8へのアクセスを提供する。排出位置では、針カバーリムーバ6の遠位端は、図7に示されるように、除去された針カバー102が重力のために収集領域に落下し得るように、貫通穴26の隣または上に配置される。
【0061】
除去された針カバー102の収集領域への確実な落下を可能にするために、除去デバイス1は、除去された針カバー102をコレクタ8にガイドするように構成されたガイド手段を有利に備えてもよい。
【0062】
ガイド手段は、除去された針カバー102を貫通穴26に向けてガイドするように構成されたイントロデューサ28を備えてもよい。イントロデューサ28はまた、除去された針カバー102が除去デバイス1の外側に突出するのを防止する。排出位置では、針カバーリムーバ6は、貫通穴26の一方の側に配置されるように構成され、一方、イントロデューサ28は、この貫通穴26の反対側に配置されるように構成される。イントロデューサ28は、排出された針カバー102が穴を通って落下する前に跳ね返り得る凹形、湾曲、または板状の壁を含んでもよい。
【0063】
図2に示されるように、イントロデューサ28は、貫通穴26の上に延在し、除去された針カバー102を受け入れるように針カバーリムーバ6に面する開口を画成するシェルであってもよい。図5に示されるように、イントロデューサ28は、変位手段の一部を形成する連結ロッド12の一部であり得る。
【0064】
図6を参照すると、ガイド手段はまた、重力によって、除去された針カバー102をコレクタ8にガイドするために、貫通穴26からコレクタ8まで延びるガイドチャネル30を含んでもよい。ガイドチャネル30は、貫通穴26の下に配置された入口開口部32と、コレクタ8の側面に通じる出口開口部34とを有する。コレクタ8は、ウェル80までガイドチャネル30を延ばす傾斜部84を有してもよい。
【0065】
コレクタ8、ハウジング2、および/またはイントロデューサ28などの誘導手段は、コレクタ8が充填または空であるかをユーザが見ることができる少なくとも1つの透明な壁または窓を含み得ることに留意されたい。
【0066】
図2を参照すると、変位手段は、有利には、針カバーリムーバ6をホルダ4に対して、初期位置から排出位置へ、および/または、排出位置から初期位置へと相対的に移動させるように構成された、電気式モータまたは機械式アクチュエータなどの電気であり得る、アクチュエータ11を備えている。変位手段は、好ましくは、ハウジング2の内部に配置される。除去デバイス1は、除去デバイス1の使用中にアクチュエータに給電するように構成された、電池などのエネルギー貯蔵手段をさらに含んでもよい。エネルギー貯蔵手段はまた、ハウジング2の内部に配置されてもよい。実施形態では、除去デバイス1は、注入デバイス100がホルダ4によって支持されていることを検出するように構成された、図3に示されるようなマイクロスイッチなどの、センサ36を備える。注入デバイス100が検出されなければ、除去デバイス1は、ユーザが変位手段を作動させることを防ぐように構成されてもよい。センサは、図3に示されるように、ホルダ4、より具体的には長手方向の凹部46内に配置されてもよい。除去デバイス1は、ユーザが変位手段を作動させることを可能にする押しボタン(図示せず)を備えてもよい。
【0067】
図4から7を参照すると、変位手段は、代わりに、手動変位手段であってもよい。変位手段は、針カバーリムーバ6の初期位置に対応し得る静止位置と、針カバーリムーバ6の排出位置に対応し得る作動位置との間で、横方向Yに対してハウジング2に回転可能に取り付けられたハンドル10を備えてもよい。変位手段は、ハンドル10を針カバーリムーバ6に、あるいはホルダ4がハウジング2に対して移動可能であれば、ホルダ4に、連結する連結ロッド12をさらに備える。静止位置から作動位置へのハンドル10の回転は、針カバー102を引き抜くために、針カバーリムーバ6とホルダ4が互いに離すように移動させる。ハンドル10は、重力によって、またはユーザによって加えられる力によって、その静止位置に戻るように構成されてもよい。連結ロッド12は、イントロデューサ28を形成し得る中間部分によって互いに連結されている2つのアームによって針カバーリムーバ6に接続され得ることに留意されたい。
【0068】
図には示されていないが、変位手段は、針カバーリムーバ6およびホルダ4の一方または両方を互いに対して移動させるように、例えば、針カバー102の除去し後に初期位置に戻すように、構成されたばねを備えてもよい。
【0069】
図2を参照すると、デバイス1は、ホルダ4によって支持されている第1の注入デバイス100の針カバー102を除去する一方で、第2の注入デバイス100を支持するように構成された予備支持体29を備える。予備支持体29は、ハウジング2の天板22に取り付けられてもよい。予備支持体29は、好ましくは、ホルダ4に当接している。予備支持体29は、ホルダ4の長手方向の凹部46、例えば、部分的に円筒形状または半円筒形状の凹部に類似し得る長手方向の凹部290を備える。長手方向の凹部290は、前記第2の注入デバイス100のバレル104を受け入れるように構成される。予備支持体29の長手方向の凹部290は、ホルダ4の長手方向の凹部46と平行に延在してもよい。
【0070】
本発明はまた、上記の除去デバイス1によって注入デバイス100の針カバー102を除去するための方法に関する。この方法は:
-第1のアバットメント部材40が前記注入デバイス100に対して、好ましくは前記注入デバイス100のバレル104またはフランジ106に対して、より好ましくは前記注入デバイス100のバレル104またはフランジ106の遠位面に対して当接し、第2のアバットメント部材60が針カバー102に当接または対面し、好ましくは第2のアバットメント部材が針カバー102の近位面に対して当接する、除去デバイス1のホルダ4上に第1の注入デバイス100を配置するステップ、および
-第1および第2のアバットメント部材が互いに離れるように移動することにより、針カバー102を注入デバイス100から引き離すように、変位手段を作動するステップ、を含む。
好ましくは、本発明の方法の変位手段を作動することのステップの間に、第2のアバットメント部材は、第1のアバットメント部材から並進的に離れる。
【0071】
この方法は、以下にリストされたステップの1つまたはいくつかをさらに:
-第2の注入デバイス100を予備支持体29上に配置するステップ;
-第1の注入デバイス100をホルダ4から除去するステップ:
-第1の注入デバイス100をホルダ4から除去した後、第2の注入をこのホルダ4に位置決めし、第1の注入デバイス100の場合と同じステップを繰り返すステップ;
-任意の除去された針カバー102を廃棄物コンテナに入れるために、コレクタ8をハウジング2から除去し、コレクタ8をハウジング2に戻すステップ、備えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】