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特表2022-524063RF電力可変コンデンサ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】RF電力可変コンデンサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 7/06 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
H01G7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552942
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2020055594
(87)【国際公開番号】W WO2020182551
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】19162035.0
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509337160
【氏名又は名称】コメット アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フィンク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】マウネ,ホルガ―
(72)【発明者】
【氏名】キーネムント,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バインダー,ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ヤコビー,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】ボーン,ニコール
(57)【要約】
RF電力可変コンデンサは、MHz範囲で少なくとも50Wの動作をさせることができる。このコンデンサはHDK‐NDK複合セラミック誘電体を有する。HDK(高誘電率)の構成要素は、例えば、チタン酸バリウムストロンチウムのアクティブマトリックスを含む。音響共振は、ホウ酸マグネシウム(NDK-低誘電率)などの金属または半金属酸化物を添加することによって低減または排除され、これはRF電力領域において音響共振低減剤(ARRA)として作用する。従来技術のRF電力可変コンデンサにおいて500V(曲線25)または1100V(曲線26)のバイアス電圧下で以前に発生した音響共振は、ARRA(曲線22および21)の追加によって排除される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも50Wの動作をさせることができ、誘電体(7)によって分離された少なくとも2つの電極(5)を含み、その静電容量が前記電極(5)間に印加される電圧(V)を変化させることによって可変であり、
前記誘電体(7)は、HDK-NDK複合セラミックを含み、
前記HDKの構成要素は、誘電体(7)の材料の少なくとも60重量%、または好ましくは少なくとも80重量%を構成し、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム-ストロンチウム、チタン酸カルシウムもしくはチタン酸ジルコン酸バリウム、または前記チタン酸塩の1つ以上の複合体から選択されるHDK強誘電体セラミック材料(以下、誘電体のアクティブマトリックスという)を含み、
前記NDKの構成要素は、誘電体の40重量%未満、好ましくは20重量%未満を構成し、音響共振低減剤(以下、ARRAと呼ぶ)を含み、
前記ARRAは、金属酸化物セラミックを含み、前記アクティブマトリックス全体に分布しているRF電力可変コンデンサ(1)。
【請求項2】
前記アクティブマトリックス材料はチタン酸バリウムストロンチウムを含む、請求項1に記載のコンデンサ(1)。
【請求項3】
前記アクティブマトリックス材料は、0.5μm以上20μm以下、または好ましくは1μm以上8μm以下、またはより好ましくは1.5μm以上5μm以下の平均粒径を有する、請求項1または2に記載のコンデンサ(1)。
【請求項4】
前記アクティブマトリックスは第1の平均粒径を有し、
前記ARRAは第2の平均粒径を有し、
前記第1の平均粒径および前記第2の平均粒径は、最大で5倍、好ましくは最大で2倍異なる、請求項1乃至3のいずれか一に記載のコンデンサ(1)。
【請求項5】
前記第2の平均粒径は、前記第1の平均粒径の2倍未満である、請求項4に記載のコンデンサ(1)。
【請求項6】
前記誘電体(7)は、0.5mm以上1.5mm以下、好ましくは0.6mm以上1.2mm以下の厚さを有し、ブロックまたはディスクの平面における断面積が少なくとも50mm、好ましくは少なくとも100mmである、実質的に平坦なモノリシックなブロックまたはディスクとして形成される、請求項1乃至5のいずれか一に記載のコンデンサ(1)。
【請求項7】
前記金属酸化物セラミックは、Mg(BOである、請求項1乃至6のいずれか一に記載のコンデンサ(1)。
【請求項8】
前記アクティブマトリックス材料が、0℃以上50℃以下、または好ましくは25℃以上40℃以下のキュリー温度を有する、請求項1乃至7のいずれか一に記載のコンデンサ(1)。
【請求項9】
前記コンデンサは、0V以上5kV以下のバイアス電圧範囲に対して15%以上50%以下の同調性(tunability)を有する、請求項1乃至8のいずれか一に記載のコンデンサ(1)。
【請求項10】
前記アクティブマトリックスの構成要素の材料(60、61)を粉砕し、焼成する第1のステップ(62、63)と、
前記ARRAの材料(65、66)を粉砕し、焼成する第2のステップ(64、67)と、
焼成された前記ARRAおよび前記アクティブマトリックスの構成要素を所定の比率で混合し、粉砕する第3のステップ(68)と、
前記コンデンサ誘電体(7)を形成するために、混合された前記アクティブマトリクスおよび前記ARRAの構成要素を乾燥、プレスおよび所定の焼結温度で焼結する第4のステップ(70、71、72)と、
を含む、請求項1乃至9のいずれか一に記載のRF電力可変コンデンサ(1)の製造方法。
【請求項11】
RF電極が前記誘電体(7)上に形成される第5のステップ(73)をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記焼結温度は、1200℃未満、好ましくは1050℃以上1150℃以下である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記ARRAと前記アクティブマトリクスの構成要素との比率が適応され、
前記第3のステップおよび前記第4のステップが繰り返されて、バイアス電圧の大きさに依存する値が最小値を有する、および/または、所定の周波数における音響共振の量が最小値を有するQファクタ値を備えたコンデンサを生成する前記比率の値を決定する反復最小化ステップ(76)を含む、請求項10乃至12のいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記最小化ステップ(76)で決定された前記適応された比率が、前記第3のステップ(68)で所定の前記比率として使用される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、プラズマシステムに供給されるRF電力のダイナミックインピーダンス整合のような、高周波電力用途に使用するのに適した電力コンデンサの分野に関する。特に、本発明は、このような電源RFコンデンサ用のセラミック誘電体に関する。
【背景技術】
【0002】
RF電源コンデンサは例えば、半導体製造プロセスのためのプラズマチャンバのような装置に、高電圧および/または高電流でRF電源を供給するために使用され得る。プラズマチャンバ内のプラズマは、大きくかつ急速に変化し得る負荷インピーダンスを生じさせる。チャンバー用のRF電力発生器の出力インピーダンスがRF電力発生器の出力回路に戻る電力の損傷反射を回避するために、プラズマチャンバの急激に変化する負荷インピーダンスに厳密に整合されることが重要である。送達される高電力(高電圧および/または高電流)および急速に変化する負荷を処理すべき反応性の構成要素が必要とされる。例えば、米国特許第9171700号明細書は、可変電力コンデンサを必要とするインピーダンス整合ネットワークが使用されるプラズマパルス追跡システムおよび方法を記載している。RF周波数は、400kHzから162MHzであると考えられ、RF電力発電機のための標準動作周波数は、例えば、2MHz、6.78MHz、13.56MHz、27.12MHzまたは40.68MHzとされる。可変コンデンサは、静電容量を値Cminから値Cmaxに調整することを可能にする。可変コンデンサはCminとCmaxとの間の任意の静電容量を実現することができ、連続的に調整可能である。
【0003】
13.56MHzでのインピーダンス整合に使用される可変電力コンデンサのCmaxの典型的な値は、例えば、容量値のpF範囲またはnF範囲であってもよい。所与の(例えば、そのサイズ、誘電体材料のタイプおよび同調機構によって与えられる)コンデンサ設計については、広範囲の値で静電容量を調整することができることが望ましい。この特性は、以下のように同調性τ(%)によって定量化される。
τ=(Cmax-Cmin)/Cmax
【0004】
可変コンデンサの速度は、CminからCmaxのある値からCminからCmaxの別の値に静電容量を変更するのにどれだけの時間が必要かによって特徴付けられる。以下に説明するように、調整時間が短いことが有利である。RF電力の利用は50W以上のものであると考えられ、RF電力コンデンサはこのような周波数でこのような電力を取り扱うことができなければならない。
【0005】
[従来の技術]
従来、RF電力コンデンサは誘電体として高真空を用いてきた。可変真空コンデンサは、アクチュエータ機構を使用して、電極を移動させることによって装置の静電容量を変化させる。しかし、より最近では、欧州特許出願公開第3189538号明細書において、同じ出願人から、誘電体としてチタン酸バリウムストロンチウムのような常誘電特性を示す強誘電体セラミック材料を使用すること、およびセラミック材料の誘電率を変化させるように6kVまでの変化するDCバイアス電圧を印加することによって装置の静電容量を変化させることが知られている。
【0006】
常誘電体ブロックおよび適切なバイアス電圧(または等価的にバイアス場(biasing field))を使用することにより、例えば、15%、30%、70%以上の可変同調性値を達成することができる。真空可変コンデンサ(誘電体の誘電率の代わりに電極位置が変更する)のような機械的に作動するコンデンサでは、99%以上の可変同調性を達成することができる。しかし、機械的に作動されるコンデンサの速度は、例えば、わずか10μsから50μs、または更に短い時間を必要とする、非常に速い常誘電体セラミックコンデンサと比較して、相対的に遅い(静電容量を変化させるために1秒近くかかる)。
【0007】
欧州特許出願公開第3189538号明細書の従来技術のコンデンサのセラミック誘電体は、粉末状物質(例えば、チタン酸バリウムストロンチウム)を所望の形および大きさのモールド型(例えば、厚さ1mmのペレットまたは円盤)にプレスし、次に、プレスされたペレットを高温(例えば、約1200℃)で焼結することによって形成することができる。得られたペレットは、13.56MHzでのRFコンデンサとしての動作に適した必要な誘電値を有する。それは、6kVまでのバイアス電圧の可変コンデンサとしても適しており、50W以上の電力利用に適している。しかし、実際にはこれらの全ての条件を組み合わせて、すなわち、6kVまでのバイアス電圧を有し、RF周波数および50W以上の電力で動作する可変コンデンサとして使用する場合、従来技術のセラミック材料はある周波数では著しく劣化して使用できなくなることがわかっている。
【0008】
したがって、高バイアス電圧と高RF電源とを組み合わせた条件下で動作するときに、誘電体が劣化するRF範囲内の周波数を全く有しない、または実質的にほとんどない誘電体を有する可変RF電源コンデンサが必要とされている。
【0009】
GHz帯で動作するマイクロ波通信のような、無関係な技術分野では、印加電界によって比誘電率が変化する、常誘電体材料の薄膜(例えば、厚さ70nm)または厚膜(例えば、厚さ30μm)で形成される小型可変コンデンサを使用することが知られている。しかし、このようなコンデンサは、数十ボルトまでのRMS電圧と数mA以下のRMS電流を持つ低電力アプリケーションに限定される。欧州特許出願公開第1414047号明細書は、そのようなマイクロ波部品のための誘電体を開示しており、この場合、誘電体は均一で小さな粒度で作製される。しかしながら、このような材料の利点は、電源RF応用のための大型デバイスには成り立たない。公開された米国特許出願公開第2015/0022281号明細書では、破壊的な妨害によってデバイス全体にわたる共振効果を打ち消すように相補的な誘電体層の対が配置される層状配置の手段によって、小型デバイスにおける音響共振の課題が対処される。米国特許出願公開第2015/0022281号明細書は、電気的可変コンデンサのQファクタを改善するために金属酸化添加剤を使用することが記載されている。米国特許出願公開第2015/0022281号明細書のコンデンサはQファクタを改善するために金属酸化物添加剤を使用し、音波共鳴を低減するために一対の層状電極配置を使用している。しかしながら、米国特許出願公開第2015/0022281号明細書のペアワイズ電極配置は電源RFコンデンサにおいて実施することはより困難であり、誘電体寸法または電極構成に制約を課すことなく、電源RF可変コンデンサの誘電体における音響共振を低減または排除する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来技術の電源RF可変コンデンサの上記の欠点の少なくとも幾つかを克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、本発明によるコンデンサは請求項1に記載され、本発明による方法は請求項10に記載される。本発明のさらなる変形は、従属請求項に記載されている。音響共振低減剤(acoustic resonance reduction agent;ARRA)の使用は、誘電体が誘電体の寸法を調整する必要なしに、また、デバイスを使用不能にし得る種類の音響共振を受けることなく、意図された周波数範囲にわたって、電源RF可変コンデンサ誘電体として、および5kVまたは6kVなどのより高い印加バイアス電圧で動作することを可能にする。付加的な利点は、ARRAの存在が誘電体の寸法における許容範囲をより広くすることができるので、誘電体は音響共振を回避するためのもの以外の設計制約に適合するように、成形および寸法決めすることができる点である。これは、たとえば、絶縁とシールドが主な設計上の検討事項であるRF電源アプリケーションに特に役立つ。
【0012】
本明細書における誘電体への言及は、特定の形状およびサイズを有する物理的実体を指し、この用語は誘電体材料への言及と混同されるべきではなく、誘電体材料は誘電体を作製することができる物質を指すことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】可変RF電力コンデンサのための誘電体の一例の概略等角図を示す。
図2】2つのこのようなコンデンサの連続接続配置の例を示す。
図3図2の連続配置の概略等価回路図を示す。
図4】本発明によるコンデンサの挙動(曲線21~23)を従来技術のコンデンサの挙動(曲線24~26)と比較しながら、誘電体のQファクタが印加されるRF信号のRF周波数によってどのように変化し得るかを示すグラフを示す。
図5】本発明によるコンデンサの挙動(曲線31)と従来技術のコンデンサの挙動(32)を比較した、印加バイアス電圧によるQファクタの変化量を示すグラフを示す。
図6】本発明によるコンデンサの挙動(曲線42)と従来技術のコンデンサの挙動(41)を比較した、印加バイアス電圧による静電容量の変化を示すグラフを示す。
図7】本発明に係るコンデンサに使用するのに適した誘電体材料の試料の走査型電子顕微鏡像を示す図である。
図8】本発明による例示的な方法のブロックフロー図を示す。
【0014】
図面は単に、本発明の基礎をなす原理を理解するための補助として提供され、求められる保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。異なる図面において同じ参照番号が使用される場合、これらは、類似または同等の特徴を示すことを意図する。しかしながら、異なる参照番号の使用は、それらが言及する特徴間の任意の特定の程度の差異を示すことを意図するものと解すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
強誘電体セラミック材料(ferroelectric ceramic material)をその常誘電相(paraelectric phase)に使用して、誘電体の両端に印加される高電圧(HV)バイアス電界を変化させることによって、静電容量を電気的に調節可能であるRF電力コンデンサを形成してもよい。発明を説明するとき、「可変(variable)」、「調整可能(adjustable)」、および「同調可能(tunable)」という用語は可変コンデンサの静電容量の変化を指すために使用される。本発明を参照するとき、「コンデンサ(capacitor)」という用語は高出力RF用途に使用される可変コンデンサに関し、これまでこの用語は、例えば、真空可変コンデンサに使用されてきた。したがって、それらは、例えば、半導体製造産業におけるRFプラズマエッチングまたはコーティングプロセスに電力を供給するために使用される高出力送達システムに使用されるのに適している。真空可変静電容量の機械的調整機構(その速度はRFプラズマプロセスにおける負荷インピーダンス変化と比較すると、制限され、本質的に遅い)の代わりに、電気DCバイアス電圧を用いてコンデンサ誘電体に電界を発生させる。
【0016】
このようなRF電力アプリケーションにおける比誘電率(relative permittivity)を制御するために、印加されるDCバイアス電圧の大きさは、メリットがあるようにRF印加電圧の振幅よりも大幅に大きく(例えば、10倍大きく)すべきであり、その結果、RF電圧が常誘電体の比誘電率に及ぼす影響はDCバイアス電圧の影響と比較して無視することができる。したがって、比誘電率は、DC電圧を変化させることによって制御および調整することができる。材料中の双極子配向(dipole orientation)はナノ秒以下で反応するので、印加電圧に対する誘電率の反応スピードは本質的に瞬間的である。
【0017】
比誘電率の調整は、常誘電体で作られた装置の静電容量を直接的に調整する。誘電体は例えば、誘電体の両側に面積Aの並列平面導電性電極を有する矩形の塊(block;ブロック)もしくは平板(tablet;タブレット)として、または円盤(disk;ディスク)として形成することができる。この簡単な形状では、容量はC=εεΓA/dによって与えられる。ここで、dは誘電体の厚さ(電極間の距離)、εは真空の誘電率(物理定数)、εΓは誘電体の電界依存(ここではDCバイアス電圧依存)比誘電率である。無線周波数(RF)という用語は、通常400kHz~200MHzのRF電力システムで使用される周波数範囲に関する。産業界で使用される標準化されたRF電力周波数は例えば、13.56MHzであるが、他の標準化されたRF周波数はRF電力アプリケーション、例えば、400kHz、2MHz、6.78MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、60MHz、80MHz、100MHzおよび162MHzにも使用される。電源RFという場合、RF電源出力が100W以上、または1000W以上など、50W以上の定格であり得る用途を指すことが意図され、そのような周波数でそのような電源を扱うことができることが、RF電源コンデンサの要件である。「1200℃または他の温度で安定」であるセラミック材料という場合、記載された温度での焼結に適した材料を指す。
【0018】
発明者らは、先行技術のBST誘電体がそのバイアス磁界にさらされると、特定のRF周波数において主要かつ不要な音響共振(acoustic resonance)を発生しやすいことを発見した。この種の音響(機械的)共振は例えば、セラミック材料(BST)の圧電特性に関連することがあり、過度の機械的応力および/またはセラミック材料の過度の局所的加熱により、デバイスを使用不能にする可能性があるほどの重大な悪影響を与える可能性がある。この効果は、誘電体が高バイアス電圧下で動作していない場合でもセラミック誘電体で通常生じる「バックグラウンド」電気損失とは異なることに注意されたい。従来技術のBSTセラミック材料は音響共振が重要ではないが、有害な共振が生じる周波数ではない周波数で、RF電力可変コンデンサに使用できることが分かっている。
【0019】
コンデンサの電気的損失(electrical loss)は、コンデンサのQファクタ(Q factor)またはクオリティファクタ(Quality factor)によって一般的に定量化される。これは、エネルギーロスの点での所定のコンデンサの効率を表し、Q=X/R=1/(2πf C R)と定義される。ここで、Xはコンデンサのリアクタンス、Cはコンデンサの静電容量、Rはコンデンサの等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance;ESRと略すこともある)、fは計測が行われる周波数である。バイアス電圧下の特定のRF周波数における音響共振の効果は図4を参照して後述するように、その周波数におけるQファクタ(共鳴ピークと呼ばれる)の有意な減少によって検出され得る。
【0020】
セラミック誘電体の特定のディスク形状ブロック(disc-shaped block;以後、ペレット(pellet)とも呼ばれる)の共振特性は、主にペレットの寸法(dimension)に依存する。このような音響共振は、寸法を変えることによって、個々の周波数で補償または相殺することができる。誘電体の寸法は、音波挙動、特にそれらの共鳴またはそれらの共鳴の抑制に重要である。寸法を変更すると、通常、ダメージを与える共振ピークが別の周波数にシフトするだけである。さらに、ペレットの寸法は、加えることができる最大バイアスおよびRF電圧、ならびにコンデンサで達成することができる静電容量値のような他の要因にも影響するため、音響共振を排除するためにペレットの寸法を調整することが必ずしも選択肢ではない場合がある。
【0021】
図1は、その常誘電相で動作する強誘電体セラミック誘電体7によって分離された2つのRF電極5を含むRF電力可変コンデンサ1の単純な例を示す。RF接続部4およびDCバイアス電圧接続部2,3は、電極5に設けられている。可変バイアス電圧源Vは、2つの電極5間に、つまり誘電体7の両端に、可変バイアス電圧を供給し、それによってコンデンサ1の容量値を変化させる。印加バイアス電圧Vが大きいほど、コンデンサ1の容量値は低くなる。図1に示すように、誘電体は、後述する複合HDK-NDKセラミック材料(composite HDK-NDK ceramic material)の、隣接するモノリシックなブロック(contiguous monolithic block)として製造することができる。誘電体材料中に音響共振低減剤(ARRA)を含めることにより、従来技術で提案された種類の層状もしくは介在電極を配置すること、また、ブロックの寸法(例えば、厚さ)を特定の動作周波数に同調させること(音響共振の損傷を回避するために必要となる手段)を必要とせずに、誘電体ブロックを形成することができる(ただし、介在電極、寸法調整、または他の手段は、ARRAに加えて任意で含めることができる)。
【0022】
図2は外側(RF)電極5および5”が実質的に同じ直流電位にあるデュアルコンデンサユニット1”を提供するように、図1に描かれたような一対のコンデンサ1と1’とを背中合わせに配置することができる一方で、高電圧バイアス電圧Vがサンドイッチ状の内側電極5’に接続されている様子を示している。これは、複数のコンデンサを相互接続する方法の一例にすぎない。他の形状を用いることもできる。図2の物理的な背中合わせの配置は、代わりに2つのコンデンサ1および1’を物理的に別々であるが電気的に同様に接続されるように配置することによって、電気的に達成されてもよい。
【0023】
図3は、図2の2コンデンサ配置の電気回路図を示している。RF電力は入力接点4で供給され、RF電源は電源接点4’に供給される。可変DCバイアス電圧Vは、回路ノード2および3を介してコンデンサ1の両端に接続され、回路ノード3および2’を介してコンデンサ1’の両端に接続される。また、図2および図3は、Vバイアス電圧からRFをデカップリング(decouple)するためにフィルタ8がどのように設けられるかを示している。このような構成は、他の接続された構成要素に影響を及ぼすバイアス電圧を回避し、V源がRFパワー信号の影響を受けるのを回避するために必要となる場合がある。各デカップリングフィルタ(decoupling filter)8は例えば、従来の方法で、抵抗または反応性(例えば、LC)成分を用いて実装されてもよい。
【0024】
図1図3に示される構成は、セラミック誘電体によって分離された2つのRF電極を用いてRF電力可変コンデンサがどのように実装され得るかを示す一例である。図1に示す例のコンデンサでは、RF電極がVバイアス電極としても使用される。あるいは、バイアス電極のうちの1つ以上がRF電極とは別個に実装され得る。それらは、例えば、誘電体7のセラミックス本体内に埋め込まれた位置にあってもよい。バイアス電極は、RF電極から電気的に絶縁されていてもよく、つまり、誘電体7と電気的に接触していない(および任意には物理的に接触していない)ように配置されてもよいが、誘電体7の本体に必要な電界を発生させるように配置されていてもよい。
【0025】
上述したように、誘電体7はチタン酸バリウムストロンチウム(BST)のような強誘電体材料からなり、コンデンサの動作温度で(すなわち、そのキュリー温度以上で)常誘電体材料として挙動することが以前に提案されている。セラミックの組成を慎重に選択することによって、材料の性質はそのキュリー温度が室温に近くなるように調整することができ、例えば、バリウム対ストロンチウムの比は、キュリー温度を0℃以上50℃以下、または好ましくは25℃以上40℃以下にするように選択することができる。これは、誘電体が、例えば50℃の動作温度で常誘電相になることを意味する。このような誘電体は、RF電力可変コンデンサに必要な寸法で製造された場合、デバイスを、特定の周波数で、または全く使用不能にするほど深刻な音響共振を示すことがわかっている。しかしながら、発明者らは誘電体の寸法を微調整する必要なしに、音響共振を排除または大幅に低減することが可能であることを発見した。焼結前にセラミック混合物に第2成分(音響共振低減剤と呼ぶ)を添加することにより、少なくとも高周波電力動作に必要な誘電寸法に対して、音響共振が実質的に排除される、高誘電率と低誘電率セラミック材料(複合HDK-NDKセラミック材料と呼ぶ)との複合体を作製することができる。更に、本発明者らは、必要な静電容量のばらつき、RF電力アプリケーションに必要な誘電特性(例えば、誘電率、バックグラウンドQファクタ)、および音響共振の必要な低減/除去が全て存在するような組成物が存在することを特定した。
【0026】
このような複合HDK-NDKセラミック材料は、少なくとも60重量%(好ましくは80重量%を超える)のアクティブマトリックス(active matrix;例えばBST)を大部分のHDKの構成要素として含み、40重量%未満(好ましくは20重量%未満)の音響共振低減剤(簡略化して、ARRA(例えば、ホウ酸マグネシウムなどの金属酸化物ARRA))を少数のNDKの構成要素として含むことができる。ドイツ語の略語であるHDKは高誘電率(例えばεΓ>100)を示し、NDKは低誘電率(例えばεΓ≦100)を示す。アクティブマトリックス材料は、0.5μm以上20μm以下、または好ましくは1μm以上8μm以下、またはより好ましくは1.5μm以上5μm以下の平均粒径を有する。NDKはアクティブマトリックス全体に分布することが望ましい。NDKの構成要素の非常に局所的でより大きな集合体は、HDKの構成要素と同程度の大きさの粒が十分に分散している場合に比べて、音響共振を低減する効果が低いことが分かっている。好ましくは、HDKとNDKの平均粒径5倍未満、より好ましくは2倍未満の違いがある。
【0027】
図4は、従来技術のセラミックベースのRF電力コンデンサのQファクタが0V、500V、および1100Vのバイアス電圧に対して、印加RF周波数によってどのように変化するかを示している(曲線24、25、26)。曲線24から分かるように、誘電体が不偏の場合、音響共振効果の兆候はほとんどないが、曲線25および26は特定の周波数(例えば、関係する特定のサンプルについて10.5MHz、16MHz)における音響共振が、特に高いバイアス条件(曲線26の場合は1100V)下で、Qファクタをゼロに近くまで低下させている様子を示している。
【0028】
これとは対照的に、曲線21、22および23は、異なるバイアス電圧(曲線21、22および23はそれぞれ、1100V、500Vおよび0Vのバイアス電圧に対応する)において、Qファクタが印加RFパワー信号の周波数によってどのように変化するかを示す。Qファクタは、著しく大きくなるだけでなく、印加されたバイアス電圧と共にわずかに増加する。しかしながら、本発明のより重要な意義は、従来技術のコンデンサにおいて、500Vおよび1100Vのバイアス電圧下で存在していた音響共振ピークが、上記のようにARRAを含む複合セラミック誘電体を使用するコンデンサにもはや存在しないことである。
【0029】
誘電体は、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下、または好ましくは0.6mm以上1.2mm以下の厚さを有し、ブロックまたはディスクの平面における断面面積が、少なくとも20mm、または好ましくは少なくとも50mm、またはより好ましくは少なくとも100mmであり、実質的に平坦なモノリシックなブロックまたはディスクとして形成される。これは、例えば数千pFの容量値を生成することができ、6kVまでの電圧のバイアスをかけるのに適している。この高いバイアス電圧により、誘電体ブロック(特にARRAを有するチタン酸バリウムストロンチウム誘電体)の誘電率を広い範囲にわたって調整することができ、それにより、同調性(tunability)が15%,または好ましくは30%、40%または最大50%まで大きくなる。
【0030】
図5は、図4の約13MHzの値に対応する、印加されたバイアス電圧によるQファクタの変化量を示す。曲線32は、従来技術のコンデンサのQファクタが印加電圧と共にどのように減少するかを示し、曲線31は、印加されたバイアス電圧Vと共にQファクタがどのように増加するかを示す。
【0031】
図6は、同じデバイスの静電容量が印加バイアス電圧によってどのように変化するかを示している。曲線41は、従来技術の装置の静電容量が本発明による誘電体を有する装置の(曲線42によって示される)静電容量よりもどのように著しく減少するか、を示す。ARRAの構成要素を含む発明のコンデンサの静電容量の大きさは著しく減少し、曲線42の勾配は従来技術のデバイスよりも非常に緩やかである。しかしながら、静電容量の絶対値および静電容量のばらつきは、それにもかかわらず、RF電力可変コンデンサでの使用に適している。0V以上5kV以下のバイアス電圧範囲の場合、70%以上の同調性は従来技術で公知のBST誘電体(曲線41)で達成可能であってもよいが、一方、ARRAを含む誘電体で達成可能な同調性は著しく低く(曲線42)、例えば、0V以上5kV以下のバイアス電圧範囲の場合、15%以上50%以下の範囲に存在する。
【0032】
図7は、本発明に係る誘電体の試料を通過する部分の走査型電子顕微鏡像を示す図である。この例では、ARRA51がアクティブマトリクス52と同様のサイズの粒子の形態で存在する。ARRAの構成要素の粒子は、この例のように、アクティブマトリックス(例えばBST)の粒子の形態とは異なる形態を有することができる。この場合、例えば図7の右上隅のARRAの一部は、より結晶性のアクティブマトリックスよりもアモルファス(ガラス状)である。両方の場合(アクティブマトリックスおよびARRAについて)において、好ましくは、平均粒径は類似している(例えば、5倍未満、または好ましくは2倍未満の違いがある)。
【0033】
図8は、上述したRF電力可変コンデンサを製造する方法の一例を示すブロック図を示す。ステップ62および63において、複合セラミックのアクティブマトリックスHDKの構成要素の原料の構成要素60(例えば、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムおよび二酸化チタン)およびドーパント61(例えば、0.5%または1%の鉄またはマンガン)を一緒に粉砕し(62)、焼成し(63)、ベースアクティブマトリックス材料(base active matrix material)を形成する。金属または半金属酸化物、好ましくは例えばホウ酸マグネシウムであるARRA物質65は、ステップ64において、任意に他の添加剤またはドーパント66と一緒に粉砕され、ステップ67において焼成されて、複合HDK-NDKセラミックスのNDKの構成要素を形成する。焼成されたアクティブマトリクスおよびARRA構成要素は、その後、ステップ68において、再粉砕され、追加の材料69、例えば、後続の圧縮および焼結ステップを容易にするための添加剤と所定の割合で混合される(意図する正確なステップに応じて選択することができる)。次に、ステップ70において、粉砕された混合液は、例えば噴霧乾燥(spray drying)によって乾燥され、ステップ71においてモールド型にプレスされ、ステップ72において焼結されて、コンデンサに必要とされるセラミック誘電体ブロック、ディスク、ペレットまたは他の形を形成する。ステップ73では、RF電極が誘電体の表面上に(例えば、メタライゼーションによって)形成され、別個のバイアス電極が使用される場合には複数のバイアス電極が形成される。ステップ74において、RFおよびVバイアス接続が、RF電極およびバイアス電極にそれぞれ提供される。図3に関連して説明したように、フィルタ構成要素(filter component)8が追加されてもよい。図2に関連して説明したように、複数の誘電体7を組み立て、接続することができる。ステップ75で、コンデンサに、完成した構成要素を提供するための絶縁化、パッケージング、または他の仕上げ機構を設けることができる。ステップ76は、コンデンサをカスタマイズまたはプロトタイピングするときに任意に実行され得る反復を示す。このステップでは、ARRAのアクティブマトリクスに対する最適な割合、例えば、バイアス電圧によるQファクタのばらつきを最小限に抑える割合を決定するために、または、特定の周波数における特定の音響共振に対処するために、アクティブマトリクスに対するARRAの異なる割合で1つまたは複数の反復を実行することができる。さらに、例えば、Qファクタのように、誘電体の他の特性を最大化することができる。
【0034】
以下の式を有する複合体は、広範囲の誘電体幾何学的形状およびRF周波数に対する音響共振を低減または排除するのに有効であることが分かっている。
アクティブマトリクス:BaSrMnTi
ここで、Feまたは他の金属元素がMnの代わりに用いられてもよく、
A=0.6以上0.8以下
B=0.2以上0.4以下
C=0以上0.015以下
D=0.985以上1以下
ARRAは、例えば、マグネシアボレートMg(BOである。その代わりに他の金属または半金属酸化物を使用してもよい。
【0035】
ARRAとアクティブマトリックスとの比は、焼結状態で40:60~5:95、好ましくは20:80~8:92、より好ましくは10:90~5:95の体積比であってよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも50Wの動作をさせることができ、誘電体によって分離された少なくとも2つの電極を含み、その静電容量が前記電極間に印加される電圧(VC)を変化させることによって可変であり、
前記誘電体は、HDK-NDK複合セラミックを含み、
前記HDKの構成要素は、誘電体の材料の少なくとも60重量%を構成し、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム-ストロンチウム、チタン酸カルシウムもしくはチタン酸ジルコン酸バリウム、または前記チタン酸塩の1つ以上の複合体から選択されるHDK強誘電体セラミック材料(以下、誘電体のアクティブマトリックスという)を含み、
前記NDKの構成要素は、誘電体の40重量%未満を構成し、音響共振低減剤(以下、ARRAと呼ぶ)を含み、
前記ARRAは、金属酸化物セラミックを含み、前記アクティブマトリックス全体に分布しているRF電力可変コンデンサ。
【請求項2】
前記アクティブマトリックス材料はチタン酸バリウムストロンチウムを含む、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記アクティブマトリックス材料は、0.5μm以上20μm以下の平均粒径を有する、請求項1または2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記アクティブマトリックスは第1の平均粒径を有し、
前記ARRAは第2の平均粒径を有し、
前記第1の平均粒径および前記第2の平均粒径は、最大で5倍異なる、請求項1乃至3のいずれか一に記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記第2の平均粒径は、前記第1の平均粒径の2倍未満である、請求項4に記載のコンデンサ。
【請求項6】
前記誘電体は、0.5mm以上1.5mm以下の厚さを有し、ブロックまたはディスクの平面における断面積が少なくとも50mm ある、実質的に平坦なモノリシックなブロックまたはディスクとして形成される、請求項1乃至5のいずれか一に記載のコンデンサ。
【請求項7】
前記金属酸化物セラミックは、Mg3(BO3)2である、請求項1乃至6のいずれか一に記載のコンデンサ。
【請求項8】
前記アクティブマトリックス材料が、0℃以上50℃以下のキュリー温度を有する、請求項1乃至7のいずれか一に記載のコンデンサ。
【請求項9】
前記コンデンサは、0V以上5kV以下のバイアス電圧範囲に対して15%以上50%以下の同調性(tunability)を有する、請求項1乃至8のいずれか一に記載のコンデンサ。
【請求項10】
前記アクティブマトリックスの構成要素の材料を粉砕し、焼成する第1のステップと
前記ARRAの材料を粉砕し、焼成する第2のステップと
焼成された前記ARRAおよび前記アクティブマトリックスの構成要素を所定の比率で混合し、粉砕する第3のステップと
前記コンデンサ誘電体を形成するために、混合された前記アクティブマトリクスおよび前記ARRAの構成要素を乾燥、プレスおよび所定の焼結温度で焼結する第4のステップと
を含む、請求項1乃至9のいずれか一に記載のRF電力可変コンデンサの製造方法。
【請求項11】
RF電極が前記誘電体上に形成される第5のステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記焼結温度は、1200℃未満である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記ARRAと前記アクティブマトリクスの構成要素との比率が適応され、
前記第3のステップおよび前記第4のステップが繰り返されて、バイアス電圧の大きさに依存する値が最小値を有する、および/または、所定の周波数における音響共振の量が最小値を有するQファクタ値を備えたコンデンサを生成する前記比率の値を決定する反復最小化ステップを含む、請求項10乃至12のいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記最小化ステップで決定された前記適応された比率が、前記第3のステップで所定の前記比率として使用される、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】