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特表2022-524070プロトン交換膜燃料電池および燃料エジェクタ内の燃料流を制御するためのシステム
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  • 特表-プロトン交換膜燃料電池および燃料エジェクタ内の燃料流を制御するためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】プロトン交換膜燃料電池および燃料エジェクタ内の燃料流を制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   F04F 5/46 20060101AFI20220420BHJP
   F04F 5/16 20060101ALI20220420BHJP
   F04F 5/48 20060101ALI20220420BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220420BHJP
   H01M 8/04089 20160101ALI20220420BHJP
【FI】
F04F5/46 A
F04F5/16
F04F5/48
H01M8/04 N
H01M8/04089
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552973
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 FI2020050142
(87)【国際公開番号】W WO2020178486
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】20195160
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512068592
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
【氏名又は名称原語表記】TEKNOLOGIAN TUTKIMUSKESKUS VTT OY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】カイ ニキフォロフ
(72)【発明者】
【氏名】パウリ コスキ
(72)【発明者】
【氏名】ヤリ イホーネン
【テーマコード(参考)】
3H079
5H127
【Fターム(参考)】
3H079AA18
3H079AA23
3H079CC13
3H079DD02
3H079DD06
3H079DD52
3H079DD54
5H127AA06
5H127BA02
5H127BA28
5H127BA58
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB34
5H127BB37
(57)【要約】
本発明は、プロトン交換膜燃料電池内の燃料流を制御するためのシステムおよび燃料エジェクタに関する。エジェクタは、加圧燃料を第1の入口から当該エジェクタに受け取り燃料流を提供するために当該ノズルの出口端に向かって狭くなる第1のテーパー部分を含むノズルと、プロトン交換膜燃料電池から再循環燃料を受け取るための第2の入口と、当該ノズルおよび当該第2の入口から燃料を受け取る第2のテーパー部分を少なくとも備えるディフューザと、当該ディフューザから当該プロトン交換膜燃料電池のアノードシステムに燃料を送達するための出口と、を備える。当該ノズルの出口で燃料に燃料流制御手段を提供するために、突き合わせ端および反対側の尖った端を有する伸長形状ロッドは、その軸に沿って縦方向に移動可能であり、当該第1のテーパー部分と係合する。ロッドは、当該ディフューザを通る燃料流の制限手段を提供するために、当該少なくとも1つの第2のテーパー部分まで延在し、当該ロッドは、当該ノズルの出口および当該ディフューザで燃料流路の形状を変えるために、その突き合わせ端に、当該ロッドを縦方向に動かすように配置された制御機構を設ける。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトン交換膜燃料電池内の燃料流を制御するための燃料エジェクタであって、前記エジェクタは、
燃料流を提供するために、第1の入口から前記エジェクタへの加圧燃料を受け取り前記ノズルの出口端に向かって狭くなる第1のテーパー部分を含む、ノズルと、
プロトン交換膜燃料電池から再循環燃料を受け取るための第2の入口と、
前記ノズルおよび前記第2の入口から燃料を受け取る少なくとも第2のテーパー部分を備えるディフューザと、
前記ディフューザから前記プロトン交換膜燃料電池のアノードシステムに燃料を送達するための出口と、
突き合わせ端および反対側の尖った端を有する伸長形状ロッドであって、前記ロッドは、前記ノズルの出口で燃料に燃料流制御手段を提供するために、その軸に沿って縦方向に移動可能であり、前記第1のテーパー部分と係合する、伸長形状ロッドと、を備え、
前記ロッドは、前記ディフューザを通る燃料流の制限手段を提供するために、前記少なくとも1つの第2のテーパー部分まで延在し、前記ロッドは、前記ノズルの出口および前記ディフューザで燃料流路の形状を変えるために、その突き合わせ端に前記ロッドを縦方向に動かすように配置された制御機構を設ける、燃料エジェクタ。
【請求項2】
前記ロッドは、前記ノズルから流出する燃料のための第1の調整可能な制限手段を提供するために、前記ノズルの中空空洞内をスライドして前記第1のテーパー部分と係合し、前記尖った端は、ディフューザに第2の調整可能な制限手段を提供するために、前記第2のテーパー部分と係合する、請求項1に記載の燃料インジェクタ。
【請求項3】
前記ロッドは、ディフューザに第2の調整可能な制限手段を提供するために、前記ディフューザの内部をスライドして、前記ディフューザの前記第2のテーパー部分と係合し、前記尖った端は、前記ノズルから流出する燃料のための第1の調整可能な制限手段を提供するために、前記第1のテーパー部分と係合する、請求項1に記載の燃料インジェクタ。
【請求項4】
前記伸長ロッドは、前記エジェクタ出口の圧力を制御するために、前記突き合わせ端において、前記エジェクタ出口の圧力感知手段によって引き起こされるバイアス力を前記ロッドに及ぼす圧力感知プレートと、前記バイアス力を打ち消すことによって前記エジェクタ出口で感知された圧力の変化について埋め合わせをする受動力素子と、を有する、請求項1から30のいずれか一項に記載の燃料インジェクタ。
【請求項5】
前記受動力素子は、ばねを備える、請求項4に記載の燃料エジェクタ。
【請求項6】
前記受動力素子は、前記プロトン交換膜燃料電池のカソード空気入口圧力などのパイロット圧力を備える、請求項4に記載の燃料エジェクタ。
【請求項7】
前記伸長ロッドは、前記突き合わせ端に、ステッパーモーターと、前記ステッパーモーターの制御ユニットと、前記エジェクタの出口で燃料ガス圧力を感知し前記制御システムに圧力情報を供給する圧力トランスデューサと、を有し、前記ロッドの位置は、前記エジェクタ出口の圧力を制御するために、前記ステッパーモーターで調整される、請求項1から30のいずれか一項に記載の燃料エジェクタ。
【請求項8】
前記ロッドの前記突き合わせ端および前記制御機構は、前記エジェクタの燃料入口端に位置する、請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料エジェクタ。
【請求項9】
前記ロッドの前記突き合わせ端および前記制御機構は、前記エジェクタの出口端に位置する、請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料エジェクタ。
【請求項10】
プロトン交換膜燃料電池の燃料流を制御するためのシステムであって、
プロトン交換膜燃料電池のアノードシステムに燃料を送達するための出口を有する燃料エジェクタと、
前記エジェクタに接続されたプロトン交換膜燃料電池と、
前記燃料エジェクタ内の燃料流路形状を変化させるように配置された制御機構と、を備え、
前記燃料エジェクタは、
燃料流を提供するために、第1の入口から前記エジェクタへの加圧燃料を受け取り前記ノズルの出口端に向かって狭くなる第1のテーパー部分を含む、ノズルと、
プロトン交換膜燃料電池から再循環燃料を受け取るための第2の入口と、
前記ノズルおよび前記第2の入口から燃料を受け取る少なくとも第2のテーパー部分を備えるディフューザと、
突き合わせ端および反対側の尖った端を有する伸長形状ロッドであって、前記ロッドは、前記ノズルの出口で燃料に燃料流制御手段を提供するために、その軸に沿って縦方向に移動可能であり、前記第1のテーパー部分と係合する、伸長形状ロッドと、を備え、
前記ロッドは、前記ディフューザを通る燃料流の制限手段を提供するために、前記少なくとも1つの第2のテーパー部分まで延在し、前記ロッドは、前記ノズルの出口および前記ディフューザでの燃料流路の形状を変えるために、その突き合わせ端に前記ロッドを縦方向に動かすように配置された前記制御機構を設ける、システム。
【請求項11】
前記制御機構は、前記エジェクタ出口の圧力を制御するために、前記伸長ロッドの前記突き合わせ端に位置する、前記エジェクタ出口で圧力感知手段によって引き起こされるバイアス力を前記ロッドに及ぼす圧力感知プレートと、前記バイアス力を打ち消すことによって前記エジェクタ出口で感知された圧力の変化について埋め合わせをする受動力素子と、を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記受動力素子は、ばねを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記受動力素子は、前記プロトン交換膜燃料電池のカソード空気入口圧力などのパイロット圧力を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御機構は、前記伸長ロッドの突き合わせ端に、ステッパーモーターと、前記ステッパーモーターの制御ユニットと、前記エジェクタの出口で燃料ガス圧力を感知し前記制御システムに圧力情報を供給する圧力トランスデューサと、を備え、前記ロッドの位置は、前記エジェクタ出口の圧力を制御するために、前記ステッパーモーターで調整される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記ロッドの前記突き合わせ端および前記制御機構は、前記エジェクタの燃料入口端に位置する、請求項10から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ロッドの前記突き合わせ端および前記制御機構は、前記エジェクタの出口端に位置する、請求項10から14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)に関する。より具体的には、そのような燃料電池のアノードガス再循環システム内の燃料エジェクタの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
エジェクタは、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)のアノードガス再循環に使用され得る。そのようなシステムでは、燃料電池によって消費される水素は、最初は高圧であり、エジェクタの一次流(すなわち、エジェクタの原動力流)として機能する。再循環された流は低圧であり、エジェクタの二次流(つまり、同伴流)として機能する。流は、そこから出口の流が燃料供給回路から燃料電池のアノードまで入るエジェクタ内で結合される。
【0003】
そのようなエジェクタ内の一次流の制御は、燃料供給圧力を変えることにまたはエジェクタの一次ノズルスロート領域の流開口を変えることのいずれかによって行われ得る。一次ノズルは、一次ガスを高圧および低速から低圧および高速に加速する。こうして、ノズルスロート径と一次流体の供給圧力との組み合わせにより、燃料電池アノードへの一次ガス(水素)の流量が決まる。
【0004】
このようなエジェクタでは、混合部分は一次ノズルと二次入口ポートとの下流に位置する。このような混合部分は、伝統的に、一次流体と二次流体とがディフューザ部分に入る前に混合する、直管である。混合部分の直径は、通過し得る最大燃料流量と、エジェクタで達成され得る最大吸引圧力と、に影響する。所与の流動抵抗を有する燃料再循環システムの場合、最適な混合部分の直径は、所望の一次ガス流量および達成可能な最大二次燃料流量、すなわち燃料再循環速度に依存する。
【0005】
PEMFC用途での固定形状エジェクタの最適な設計は、エジェクタが一次流量の広範囲をカバー可能でなければならず、エジェクタの最適なサイズが流量によって変化するため、簡単にもたらされるものではない。操作に最も影響を与える2つのエジェクタの寸法は、一次ノズルスロートならびに混合部分の形状および/または直径である。
【0006】
PEMFC用途で使用されるエジェクタは、固定された形状を有し得、またはそれらは、調整可能な一次ノズルスロートを有し得、および/またはそれらは、調整可能なエジェクタの他の部分を調整し得る。
【0007】
固定形状のエジェクタを使用するとき、エジェクタの寸法は、特定の動作条件に合わせて最適化されなければならない。性能がすべての動作条件で最適ではない場合があり得ることが認められる。一次流量は、一次供給圧力を調整することによって制御されなければならない。つまり、最大流量で動作しない限り、最大圧力エネルギーポテンシャルは使用されない。
【0008】
エジェクタの一次流圧力制御は、ソレノイドバルブ、比例バルブ、質量流量コントローラなどの電子的制御流リストリクタを使用するか、または受動的操作の減圧器を使用して実装され得る。
【0009】
エジェクタの一次流開口は、ステッピングモーターで位置を調整する動ニードルで制御され得る。このアプローチは、ニードルをノズルに押し込んで流を制限し、引き出してより多くの流を可能にする、ニードルバルブに類似している。ステッピングモーターは、これを正確に行う。ノズルスロートの形状を制御するための別の提案されたアプローチは、一次ノズル全体の差圧に基づいて形状を変化させる「推進ノズル」によるものである。
【0010】
混合部分の直径を制御するために、圧力に基づいて混合部分の直径を変更するフレキシブルインサートに基づくアプローチが提案されている。弾性ばね張力膜に基づく別のアプローチもまた、提案されている。
【0011】
固定形状のエジェクタは、PEMFC用途の動作範囲全体に対して最適化し得ないため、現在の動作条件、主に一次流量に性能を適合し得るエジェクタは、エジェクタの形状の妥協を回避するのに役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(発明の目的)
本発明の目的は、エジェクタの一次流のための新しいタイプの開口制御を作成することである。本発明は、単一の制御機構を使用することにより、PEMFC用途における2つの最も重要なエジェクタ寸法、すなわち、一次ノズルスロート開口および混合部分直径およびまたディフューザ寸法の同時制御を可能にするという点で従来技術とは異なる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要約)
本発明の一態様によれば、プロトン交換膜燃料電池内の燃料流を制御するための燃料エジェクタが提供される。
本発明のエジェクタは、
燃料流を提供するために、第1の入口からエジェクタへの加圧燃料を受け取りノズルの出口端に向かって狭くなる第1のテーパー部分を含む、ノズルと、
プロトン交換膜燃料電池から再循環燃料を受け取るための第2の入口と、
ノズルおよび第2の入口から燃料を受け取る少なくとも第2のテーパー部分を備えるディフューザと、
ディフューザからプロトン交換膜燃料電池のアノードシステムに燃料を送達するための出口と、
突き合わせ端および反対側の尖った端を有する伸長形状ロッドであって、ロッドは、ノズルの出口で燃料に燃料流制御手段を提供するために、その軸に沿って縦方向に移動可能であり、第1のテーパー部分と係合する、伸長形状ロッドと、を備える。
【0014】
ロッドは、ディフューザを通る燃料流の制限手段を提供するために、少なくとも1つの第2のテーパー部分まで延在する。ロッドは、ノズルの出口およびディフューザでの燃料流路の形状を変えるために、その突き合わせ端に、ロッドを縦方向に動かすように配置された制御機構を設ける。
【0015】
本発明の文脈において、混合部分は、ディフューザの制御された部分である。ディフューザ部分は、一般に静的である多くの形状を有し得るが、ディフューザ部分の直前の混合部分内の流は変更され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、ロッドは、ノズルから流出する燃料のための第1の調整可能な制限手段を提供するために、ノズルの中空空洞内をスライドして第1のテーパー部分と係合し得る。次に、尖った端は、ディフューザに第2の調整可能な制限手段を提供するために、第2のテーパー部分と係合する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ロッドは、ディフューザ内に第2の調整可能な制限手段を提供するために、ディフューザ内にスライドしてディフューザの第2のテーパー部分と係合し得る。次に、尖った端は、ノズルから流出する燃料のための第1の調整可能な制限手段を提供するために、第1のテーパー部分と係合する。
【0018】
いくつかの実施形態では、伸長ロッドは、突き合わせ端に、エジェクタ出口の圧力を制御するために、エジェクタ出口の圧力感知手段によって引き起こされるバイアス力をロッドに及ぼす圧力感知プレートと、バイアス力を打ち消すことによってエジェクタ出口で感知された圧力の変化について埋め合わせをする受動力素子と、を有する。受動力素子は、ばねまたはプロトン交換膜燃料電池のカソード空気入口圧力などのパイロット圧力を備え得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、伸長ロッドは、突き合わせ端に、ステッパーモーターと、ステッパーモーターの制御ユニットと、エジェクタの出口で燃料ガス圧力を感知し制御システムに圧力情報を供給する圧力トランスデューサと、を有し得る。ロッドの位置は、ステッパーモーターで調整され、エジェクタ出口の圧力を制御する。
【0020】
ロッドの突き合わせ端および制御機構は、いくつかの実施形態では、エジェクタの燃料入口端またはエジェクタの出口端に位置し得る。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、プロトン交換膜燃料電池内の燃料流を制御するためのシステムが提供される。
本発明のシステムは、
プロトン交換膜燃料電池のアノードシステムに燃料を送達するための出口を有する燃料エジェクタと、
エジェクタに接続されたプロトン交換膜燃料電池と、
燃料エジェクタ内の燃料流路形状を変化させるように配置された制御機構と、を備える。
本発明の燃料エジェクタは、
燃料流を提供するために、第1の入口からエジェクタへの加圧燃料を受け取りノズルの出口端に向かって狭くなる第1のテーパー部分を含む、ノズルと、
プロトン交換膜燃料電池から再循環燃料を受け取るための第2の出口と、
ノズルおよび第2の入口から燃料を受け取る少なくとも第2のテーパー部分を備えるディフューザと、
突き合わせ端および反対側の尖った端を有する伸長形状ロッドであって、ロッドは、ノズルの出口で燃料に燃料流制御手段を提供するために、その軸に沿って縦方向に移動可能であり、第1のテーパー部分と係合する、伸長形状ロッドと、を備える。
【0022】
ロッドは、ディフューザを通る燃料流を制限する手段を提供するために、第2のテーパー部分まで延在している。ロッドの突き合わせ端には、ノズルの出口およびディフューザで燃料流路の形状を変えるために、ロッドを縦方向に動かすように配置された制御機構が設けられる。
【0023】
本発明のシステムのさらなる実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載されるものによって特徴付けられる。
【0024】
この問題を解決するための本発明のアプローチは、PEMFC用途において一次ノズルスロート開口および混合部分直径である主要なエジェクタ寸法が、単一の機構で調整されることである。これにより、より安価でシンプルなエジェクタ設計が実現する。
【0025】
本発明は、単一の制御機構を採用することにより、PEMFC用途における2つの最も重要なエジェクタ寸法、一次ノズルスロート開口および混合部分の同時制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の少なくともいくつかの実施形態による、PEMFCセル内の一次燃料流を制御するためのシステムを示す。
図2】従来技術によるエジェクタを示す。
図3図3A図3Cは、本発明のいくつかの実施形態を示す。
図4図4A図4Cは、本発明のさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
負荷Mに接続されたプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)13内の一次燃料流を制御するためのシステム10の概要を提供する図1が参照される。カソード側では、空気圧縮機11が空気取り入れ口に結合され、加圧空気を膜加湿器12に供給する。加湿された空気は、図に示すように、燃料電池13のカソード区画Cを通ってカソード入口を介して供給され、カソード出口から加湿器12に戻る。アノード側では、燃料サプライからの高圧燃料供給14が燃料エジェクタ18に供給される。エジェクタ出口/アノード入口15は、燃料(水素)をPEMFC燃料電池13のアノード区画Aに送達し、負荷Mを駆動する。アノード出口から、流体混合物の一部(主に水素、窒素、および水からなる)がパージバルブ17を通ってシステムから排出され、残りは低圧二次燃料供給ライン19を介して燃料エジェクタ18の第2の入口に再循環される。アノード出口流体の一部を排出することにより、再循環ラインでの燃料不純物の蓄積が防止され、PEMFCの安定した動作と高性能が保証される。
【0028】
アノード区画Aの入口圧力は、2バールゲージ以下であり得る。アノード全体の圧力損失は、たとえば、数十または数百ミリバールであり得る。こうして、再循環ライン19内の圧力は、アノード燃料入口圧力よりわずかにのみ低い場合があり得る。
【0029】
本発明によれば、受動力素子は、プロトン交換膜燃料電池のカソード空気入口からライン16を介して取り入れられるパイロット圧力によって提供される。これにより、以下で説明するように、パイロット圧力がエジェクタのニードルバイアスに対抗する力を提供するため、アノード入力圧力がカソード入力圧力に従うことが保証される。
【0030】
図2には、従来技術によるエジェクタ20が示される。一次ノズル21は、一次ガスを高圧(低速入口ポート24)から低圧(一次ノズル21の高速下流)に加速する。したがって、一次ノズルスロート直径と一次ガス入口ポート24での供給圧力との組み合わせは、燃料電池アノードへの新鮮な一次ガス(水素)の流量を決定する。混合部分22は、一次ノズル21および二次低圧ガス入口ポート25の下流に位置する。先の尖った端を有する動ニードル27は、ノズル21のスロート直径を調整可能にするために、ノズル空洞内で制御可能にスライドし得る。
【0031】
混合部分22は、ディフューザの入口直管であり、一次ガスと二次ガスとは、実際のディフューザ部分23に入る前に混合するであろう。混合部分の直径Dは、通過し得る最大燃料流量およびエジェクタ20で達成し得る最大吸引圧力を決定する。所与の流動抵抗を有するシステムの場合、最適な混合部分の直径Dは、所望の一次ガス流量および25で達成可能な最大二次ガス流量、すなわち燃料再循環速度に依存する。
【0032】
エジェクタの一次ノズル流開口の制御は、通常、ステッピングモーター(図示せず)を使用して行われる。ステッピングモーターは、制御電子機器および圧力トランスデューサとともに、動ニードル27の位置を調整して、アノードに正しい量の燃料を提供する。
【0033】
ここで、図3A~3Cを参照すると、本発明によるエジェクタ300a~300cのいくつかの実施形態が示される。すべてのエジェクタ300a~300cは、一次ノズル301、混合部分302およびディフューザ部分303を含む同様の構造を有する。
【0034】
エジェクタは、加圧燃料を第1の入口304からエジェクタに受け取る伸長ノズル301を備える。図3A~3Cの実施形態では、突き合わせ端318および尖った端319を有し、伸長ノズル空洞301内をスライドする、圧力感知ロッド307が使用される。ロッドの位置は、エジェクタ300a~300cの左側の燃料入力端で制御される。その尖った端319は、混合領域302、ディフューザ303およびエジェクタ300aの「PEMFCへ」の出口の方向を指す。
【0035】
第2の入口305は、プロトン交換膜燃料電池の燃料再循環ラインから再循環燃料を受け取るために提供される(図1のライン19を参照されたい)。ノズル301から高速で送達される一次ガスは、2つのガスが混合部分302で接触するとき、入口305からの二次ガスと混合される。ガス混合物は、ディフューザ303内で減速し、その結果、圧力は、出口305よりも高いレベルに上昇する。ガス混合物は、エジェクタ出口(「PEMFCへ」の矢印)からプロトン交換膜燃料電池のアノード区画に送達される(図1を参照)。
【0036】
混合部分302の容量、すなわちガス流量および圧力は、その軸方向に移動可能な成形ロッド307によって変化され得る。同じロッド307を用いて、ロッド307を一次ノズルスロート310部分と係合させることも可能であり、それにより、一次ノズル301のスロート部分310を変更し得る。ロッドの形状を注意深く設計することにより、一次ノズル301および混合部分302の最適化された寸法を維持しながら、一次ノズル301のスロート310および混合部分302の容量の両方を、エジェクタの動作範囲全体にわたって同時に変化させ得る。
【0037】
ロッド、ノズル、および混合部分の形状の様々な寸法は、特性の大きなばらつきを生み出すであろうが、当業者は、試験を通じておよび空気混入率などのエジェクタ性能パラメータを測定することによって、本発明の様々な実施形態のための適切なエジェクタを設計することが可能であり得る。空気混入率は、二次入口の質量流量(m)と一次入口の質量流量(m)との比として定義され得、χ=m/mで与えられる。
【0038】
混合部分の直径(D)とノズルスロートの直径(Dnt)との比は、エジェクタの性能における重要な要素である。この直径比D/Dnt=ζが燃料電池のさまざまな電流Iでの空気混入率χに及ぼす影響を図5に示す[1](非特許文献1)。電流Iは燃料供給量と直接相関する。
【0039】
I=180AのPEMFC負荷電流では、最大空気混入率(つまり、通常は対象となる最大再循環速度)が、直径比ζ=6で得られ得ることがわかる。ただし、I=60Aでは、最大空気混入率は、ζ=3の直径比で得られ得る。この例は、一定のノズルスロート直径を想定するが、ζが最大一次ガス流量でのノズルスロート直径に対する混合部分直径の比を表すことを除いて、ノズルスロート直径が変化するときの状況にも同様に当てはまる。結論として、最適な混合部分の直径は、PEMFCの瞬間的な負荷に応じて著しく変化し得る。
【0040】
上記のように、ロッド、一次ノズル、および混合部分の形状をそれに応じて設計することにより、エジェクタの最適な性能を動作範囲全体にわたって維持し得る。
【0041】
図3A~3Cの実施形態では、ロッド位置は、エジェクタ入口端に位置するロッド307の突き合わせ端318から調整される。ロッドおよびニードルの位置を制御するための例示的な機構を以下に示し、説明する。
【0042】
図3Aには、感知ライン306を介して感知されたエジェクタ出口圧力に基づく制御機構が示される。圧力は、圧力感知ライン306のエジェクタ出口の開口311から感知される。「PEMFCへ」のエジェクタ出口で感知されたバイアス力Bは、ダイヤフラム314を介してまたは同様に機能するピストン(図示せず)を介して、ロッド307を圧力感知プレート313から図3Aの右側に押す。これにより、エジェクタ出口圧力が増加するにつれて、ノズル301の流開口が小さくなる。その後、エジェクタの一次流が減少し、エジェクタ出口圧力が低下する。
【0043】
バイアス力Bは、この例示的な実施形態では、受動ばね要素312によって打ち消され、そのばね力は、ノズルスロート部分301で流領域をより大きくするように埋め合わせおよび作用をする。エジェクタ出口圧力が低下するとき、ばね312が圧力感知プレート313に作用して、ロッド307を図3Aの左に押す。これにより、310での流開口が大きくなり、その結果、一次流量が増加し、エジェクタ出口圧力が増加する。したがって、一次流量は、ロッド307を軸方向に動かしてエジェクタ300aのノズル形状を変更することによって調整され得る。同時に、ロッド307が左方向に移動すると、混合部分302の形状も変化し、通常は流を増加させるが、流を減少させるようにも設計され得る。最大の性能を達成するために必要な設計は、用途に固有である。
【0044】
ロッド307の形状は、エジェクタの内部寸法で最適化される結果、エジェクタがノズル301スロート310の開口によって決定されるように、すべての一次ガス流量で最大の性能に達する。目標は、ロッド307の位置とエジェクタ出口圧力との間の平衡状態に近づくことである。ばね312および圧力プレート313の領域を注意深く選択することにより、配置は、様々な流量でほぼ一定のエジェクタ出口圧力を維持し得る。この実施形態では、チャンバ308は周囲圧力であり得る。
【0045】
図3Bには、図3Aに示される実施形態と同様であるが、パイロット圧力制御機構を備えた、感知ライン306を介して感知されるエジェクタ出口圧力に基づく制御機構が示される。この例示的な実施形態によれば、圧力は、圧力感知ライン306のエジェクタ出口303の開口311から感知される。「PEMFCへ」のエジェクタ出口で感知された力は、圧力プレート313およびダイヤフラム314によって、図3Bの右側のバイアス力Bでロッド307を押す。これにより、エジェクタ出口圧力が増加するにつれて、ノズル301の流開口が小さくなる。その後、エジェクタの一次流が減少し、エジェクタ出口圧力が低下する。
【0046】
図3Bの実施形態では、バイアス力Bは、圧力プレート313およびダイヤフラム314の周りに形成されたチャンバ308に入るパイロット圧力PPによって打ち消される。パイロット圧力は、圧力プレート313の反対側にバイアス力Bに対抗する力を提供し、エジェクタ出口で感知された圧力の変動を埋め合わせする。
【0047】
パイロット圧力PPは、ノズル301のスロート310で流領域を大きくするように働き、その結果、エジェクタ出口圧力が減少すると、パイロット圧力PPは、ロッド307を図3Bの左に押し、ノズル301内で後方に押し、こうして、流開口を大きくする。これにより、一次流量が増加し、エジェクタ出口圧力が増加する。ロッド307が左に移動すると、混合部分302の形状は、通常それに応じて変化し、流を増加させる。改めて、最大の性能を達成するために必要な特定の設計は、用途によって異なる。
【0048】
ロッド307の位置およびエジェクタ出口圧力は、平衡状態に近づく。パイロット圧力PPは、プロトン交換膜燃料電池へのカソード空気供給圧力と同じであり得、これは、通常PEMFC燃料電池で推奨される条件である、エジェクタ出口圧力が空気供給圧力に追従するという利点をもたらす。あるいは、パイロット圧力は、燃料電池の性能または耐久性と相関する任意の所望のまたは利用可能な参照圧力であり得る。
【0049】
カソード圧力は、燃料電池に供給される空気の量、すなわちセルの現在の電力レベルによって決定されるので、本発明の配置は、すべての状況においてプロトン交換膜でわずかな圧力差のみが発生することを保証し、これは、燃料電池の膜が過度の圧力差によって損傷を受けないであろうことを保証する。
【0050】
図3Cには、ノズルスロート310および混合部分の形状をいかにステッピングモーターに変更し得るかが示されており、ここで、ロッド307の位置は、ステッピングモーターシステム309で調整される。このシステムは、ロッドの突き合わせ端318からロッド307の軸方向位置を操作するステッピングモーター315、制御ユニット316およびエジェクタ300cの出口で燃料ガス圧力を感知する圧力トランスデューサ317を備える。この実施形態では、ステッピングモーター315は、トランスデューサで測定された圧力および制御ユニット316で実行される制御アルゴリズムによって決定されるように、ロッド307を最適な位置に維持する。制御ユニット316(図示せず)への他の入力信号(例えば、カソード入口空気圧およびPEMFC負荷電流)もまた、有用であると見られる場合、ロッド位置の制御のために使用され得る。図3Aおよび3Bに示される実施形態のように、ニードルロッド307の位置およびエジェクタ出口圧力は、平衡状態に設定され得、ここで例えば、変化する流量でほぼ一定のエジェクタ出口圧力が維持され得またはエジェクタ出口303の圧力は燃料電池13のカソード入口の空気圧とほぼ同じである(図1)。
【0051】
制御ユニット316は、例えば、シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサを備え得、シングルコアプロセッサは1つの処理コアを備え、マルチコアプロセッサは2つ以上の処理コアを備える。制御ユニット316は、それ自体、圧力測定およびステッピングモーター制御に必要な分析ソフトウェアを実行するプロセッサまたは処理コアを有する産業用または汎用コンピュータを備え得る。制御ユニット316は、マイクロコントローラまたはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であり得る。本開示の文脈において、正確なコンピュータ構成は、本発明を実行するために必須ではなく、任意の回路および/または無線通信システムは、圧力トランスデューサ317から制御ユニットに、および/または制御ユニットとステッパーモーター315との間でデータを転送するために使用され得る。
【0052】
処理コアは、例えば、ARMホールディングスによって製造されたCortex-A8処理コア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ社によって製造されたSteamroller処理コアまたは少なくとも1つのQualcomm Snapdragonおよび/またはIntel Atomプロセッサを備え得る。制御ユニットは、少なくとも1つの特定用途向け集積回路、ASICまたは少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGAを備え得る。
【0053】
プロセッサは、回路を備えるか、または回路もしくは複数の回路として構成され得、回路もしくは複数の回路は、本明細書に記載の例示的な実施形態による方法のフェーズを実行するように構成される。この用途で使用される場合、「回路」という用語は、(a)アナログおよび/またはデジタル回路のみの実装など、ハードウェアのみの回路の実装、ならびに(b)例えば、(i)ソフトウェア/ファームウェアを有する(1つ以上の)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路の組み合わせ、および(ii)連携して携帯電話またはサーバなどの装置にさまざまな機能を実行させる、ソフトウェア(デジタルシグナルプロセッサを含む)を有する(1つ以上の)ハードウェアプロセッサソフトウェア、および(1つ以上の)メモリの任意の部分、などの、ハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせ(該当する場合など)、ならびに(c)動作にソフトウェア(ファームウェアなど)を必要とする、(1つ以上の)ハードウェア回路およびまたは(1つ以上の)マイクロプロセッサもしくは(1つ以上の)マイクロプロセッサの一部などの(1つ以上の)プロセッサ(ソフトウェアは、操作に必要のないとき存在しない場合があり得る)、の1つ以上またはすべてを指し得る。
【0054】
さらなる例として、回路という用語は、単にハードウェア回路もしくはプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはハードウェア回路もしくはプロセッサの一部およびその(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装をも含む。回路という用語はまた、例えば、特定の請求項要素に適用可能な場合、モバイルデバイス用のベースバンド集積回路またはプロセッサ集積回路、またはサーバ、セルラー無線デバイス、または他のコンピューティングまたはネットワークデバイス内の同様の集積回路を含む。
【0055】
制御ユニットのさらなる構成要素は、タッチスクリーンユーザーインターフェース、1つ以上の通信ユニット、およびインターネットであり得る。
【0056】
図4A~4Cでは、図3A~3Cに提示されたものと同様の実施形態を示しており、エジェクタ400a~400cの右側の出力端にロッド位置制御機構を有する。改めて、すべてのエジェクタ400a~400cは、一次ノズル401、混合部分402およびディフューザ部分403を含む同様の構造を有する。上で説明したように、エジェクタは、第1の入口404から加圧燃料を受け取り、第2の入口405からの燃料再循環ラインから再循環燃料を受け取る。
【0057】
第1の入口404から加圧燃料を受け取るエジェクタのノズルスロート部分401の形状は、ロッド407の尖った端410によって制御される。ロッド407の円錐部分411は、混合領域402の形状を制御する。円錐部分411とは異なる形状であり得るまたは異なる形状でない場合があり得る、円錐部分411の延長部412は、ディフューザ部分403内に延在し、したがって、その流の形状も同じロッド407で変えられ得る。
【0058】
図4Aでは、ロッド407の位置は、図3Cに関連して記載したのと同様の方法で、ロッド407の突き合わせ端413で動作するステッピングモーターシステム409によって制御される。図4Bでは、ロッド407の位置は、図3Aに示す機構に対応する方法で、エジェクタ400bの出力で圧力を感知し、バイアス力B、ダイヤフラム414、圧力プレート415およびバイアス力Bを打ち消す受動ばね要素408を提供する、圧力感知ライン406によって制御される。最後に、図4Cに示される実施形態は、圧力感知ライン406およびダイヤフラム414によって引き起こされるバイアス力Bに対する対向力として作用するパイロット圧力PPを有する、図3Bに示される実施形態に対応する。
【0059】
開示される本発明の実施形態は、本明細書に開示される特定の構造、プロセスステップまたは材料に限定されず、関連技術に通常当業者によって認識されるであろうそれらの同等物に拡張されることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0060】
本明細書全体を通した一実施形態またはある実施形態への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「in one embodiment(一実施形態において)」または「in an embodiment(実施形態において)」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。例えば、about(約)またはsubstantially(実質的に)などの用語を使用して数値を参照する場合、正確な数値もまた開示される。
【0061】
本明細書で使用される場合、複数の項目、構造要素、構成要素および/または材料は、便宜上、共通のリストに提示され得る。ただし、これらのリストは、リストの各要素が独立した一意の要素として個別に識別されるように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストの個別の要素は、反対の指示がない限り、共通のグループでの提示のみに基づいて、同じリストの他の要素と事実上同等であると解釈されるべきではない。さらに、本発明の様々な実施形態および例は、その様々な構成要素の代替物と共に本明細書で参照され得る。そのような実施形態、実施例、および代替案は、互いに事実上同等であると解釈されるべきではなく、本発明の独立した自立的な表現と見なされるべきであることを理解されたい。
【0062】
さらに、記載された特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせ得る。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、長さ、幅、形状などの例など、多数の特定の詳細が提供される。しかしながら、関連技術の当業者は、本発明が1つ以上の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要素、材料などを用いて、実施できることを認識するであろう。他の例では、本発明の態様を曖昧にすることを避けるために、周知の構造、材料または操作は詳細に示されていないかまたは説明されていない。
【0063】
前述の例は、1つ以上の特定の用途における本発明の原理の例示であるが、当業者には、発明能力の実行なしにおよび本発明の原理および概念から逸脱することなく、実施の形態、使用法、および詳細の多数の変更が行われ得ることが明らかである。したがって、以下に記載される特許請求の範囲による場合を除いて、本発明が限定されることを意図するものではない。
【0064】
この文書では、「to comprise(備える)」および「to include(含む)」という動詞は、引用されていない特徴の存在を除外または要求しない非限定的制限として使用される。従属請求項に記載される特徴は、別段の記載がない限り、相互に自由に組み合わせられる。さらに、本文書全体での「a」または「an」、すなわち単数形の使用は、複数を除外しないことを理解されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0065】
【非特許文献1】[1] E. Hosseinzadeh, M. Rokni, M. Jabbari, H. Mortensen, Numerical analysis of transport phenomena for designing of ejector in PEM forklift system, Int. J. Hydrogen Energy. 39 (2014) 6664-6674. doi:http://dx.doi.org/10.1016/j.ijhydene.2014.02.061.
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、プロトン交換膜燃料電池における一次燃料流を制御するためのシステムにおける産業上の利用可能性を見出す。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】