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▶ ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】電気装置
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20220420BHJP
   B25F 5/02 20060101ALI20220420BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20220420BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20220420BHJP
【FI】
B25F5/00 H
B25F5/02
H01M50/247
H01M50/244 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552980
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 US2020022225
(87)【国際公開番号】W WO2020185985
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/817,034
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】マークス,ジョーン,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ラドヴィック,カイル,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ワックウィッツ,ジェフリー,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ホールン,アンドリュー,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】べーソン,ジョセフ,アール.
(72)【発明者】
【氏名】トーソン,トロイ,シー.
(72)【発明者】
【氏名】バンディー,ネイサン
【テーマコード(参考)】
3C064
5H040
【Fターム(参考)】
3C064AA03
3C064AA06
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA03
3C064BA07
3C064BB12
3C064BB47
3C064BB71
3C064CA53
3C064CA57
3C064CA60
3C064CA61
3C064CA62
3C064CB17
3C064CB47
3C064CB63
3C064CB71
3C064CB92
5H040AA12
5H040AA22
5H040AS19
5H040AY04
5H040AY12
5H040CC15
5H040CC17
5H040CC23
5H040CC33
5H040CC38
5H040CC54
5H040CC55
5H040CC58
5H040DD28
5H040NN03
(57)【要約】
バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるバッテリパック収容部分を有するハウジングと、ハウジングから延び、バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、ハウジングによって支持され、アクチュエータと、バッテリパックのインターフェースと選択的に係合するように構成されるラッチ部材とを含む、ラッチ機構とを含む、動力工具。アクチュエータは、ラッチ部材を動作的に枢動させるよう枢動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるバッテリパック収容部分を含むハウジングと、
前記ハウジングから延び、前記バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、
ラッチ機構と、を含み、該ラッチ機構は、
第1のピボット軸の周りで前記ハウジングに枢動可能に連結されるアクチュエータと、
第2のピボット軸の周りで前記ハウジングに枢動可能に連結され、前記バッテリパックの前記インターフェースと選択的に係合するように構成される、ラッチ部材と、を含み、
前記アクチュエータは、前記ラッチ部材を前記第2のピボット軸の周りで選択的に枢動させるよう前記第1のピボット軸の周りで枢動するように構成される、
動力工具。
【請求項2】
前記バッテリパック収容部分は、前記第1のピボット軸と前記第2のピボット軸とに対して垂直な長手軸を含む、請求項1に記載の動力工具。
【請求項3】
前記ラッチ機構は、前記アクチュエータが前記ラッチ部材と係合せず、前記ラッチ部材が前記バッテリパック収容部分内に突出する、ラッチ位置と、前記アクチュエータが前記ラッチ部材と係合し、前記ラッチ部材が前記ハウジング内に位置付けられる、解放位置との間で移動可能である、請求項1に記載の動力工具。
【請求項4】
付勢部材が、前記ラッチ部材を前記ラッチ位置に付勢する、請求項3に記載の動力工具。
【請求項5】
力が第1の方向において前記アクチュエータに対して加えられると、前記アクチュエータは、前記第1のピボット軸の周りで枢動し、第2の方向において前記ラッチ部材に対して力を加えて、前記ラッチ部材を前記第2のピボット軸の周りで枢動させ、それによって、前記ラッチ部材を前記ラッチ位置から前記解放位置に移動させる、請求項3に記載の動力工具。
【請求項6】
前記アクチュエータに対する前記力が除去されると、付勢機構が前記ラッチ部材を前記解放位置から前記ラッチ位置に自動的に移動させる、請求項5に記載の動力工具。
【請求項7】
前記アクチュエータに移動可能に連結されるロックを更に含み、該ロックは、前記アクチュエータが前記ラッチ位置から前記解放位置に移動することが防止されるロック位置と、前記アクチュエータが前記ラッチ位置から前記解放位置に移動することが許容されるロック解除位置との間で移動可能である、請求項3に記載の動力工具。
【請求項8】
バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるバッテリパック収容部分を含むハウジングと、
前記ハウジングから延び、前記バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、
前記ハウジングによって支持され、アクチュエータと、前記バッテリパックの前記インターフェースと選択的に係合するように構成されるラッチ部材とを含む、ラッチ機構とを含み、前記アクチュエータは、前記ラッチ部材を動作的に枢動させるよう枢動可能である、
動力工具。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記ハウジングの外側からアクセス可能な第1の端と、該第1の端とは反対の第2の端とを含み、該第2の端は、前記ハウジング内に位置付けられ、前記アクチュエータは、前記第1の端と前記第2の端との間に第1のピボット軸を画定する、請求項8に記載の動力工具。
【請求項10】
前記ラッチ部材は、前記バッテリパック収容部分内に選択的に突出するように構成される本体と、レッジを有する開口とを含み、該開口は、前記アクチュエータの前記第2の端を受け入れるように構成され、前記ラッチ部材は、第2のピボット軸を画定する、請求項9に記載の動力工具。
【請求項11】
前記ラッチ機構は、前記アクチュエータが前記ラッチ部材の前記レッジと係合せず、前記ラッチ部材の前記本体の少なくとも一部分が前記バッテリパック収容部分内に突出する、ラッチ位置と、前記アクチュエータが前記ラッチ部材の前記レッジと係合し、前記ラッチ部材の前記本体が前記ハウジング内に位置付けられる、解放位置との間で移動可能である、請求項10に記載の動力工具。
【請求項12】
付勢部材が、前記ラッチ部材を前記ラッチ位置に付勢する、請求項11に記載の動力工具。
【請求項13】
力が第1の方向において前記アクチュエータの前記第1の端に対して加えられると、前記アクチュエータは、前記第1のピボット軸の周りで枢動し、第2の方向において前記ラッチ部材の前記レッジに対して力を加えて、前記ラッチ部材を前記第2のピボット軸の周りで枢動させ、それによって、前記ラッチ部材を前記ラッチ位置から前記解放位置に移動させる、請求項11に記載の動力工具。
【請求項14】
前記アクチュエータに対する前記力が除去されると、付勢機構が前記ラッチ部材を前記解放位置から前記ラッチ位置に自動的に移動させる、請求項12に記載の動力工具。
【請求項15】
前記アクチュエータに移動可能に連結されるロックを更に含み、該ロックは、前記アクチュエータが前記ラッチ位置から前記解放位置に移動することが防止されるロック位置と、前記アクチュエータが前記ラッチ位置から前記解放位置に移動することが許容されるロック解除位置との間で移動可能である、請求項11に記載の動力工具。
【請求項16】
バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるキャビティを含むハウジングであって、前記キャビティは、下面と、一対の側壁と、端壁とによって画定される、ハウジングと、
各側壁に配置されるレールと、
各レールに恒久的に連結される補強部材であって、耐摩耗性材料で形成される、補強部材と、
前記端壁で支持され、前記バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、
前記ハウジングによって支持され、アクチュエータと、前記バッテリパックの前記インターフェースと選択的に係合するように構成される、ラッチ部材とを含む、ラッチ機構とを含み、前記アクチュエータは、前記ラッチ部材を動作的に枢動させるように枢動可能である、
動力工具。
【請求項17】
前記補強部材は、それぞれのレールに挿入され且つそれぞれのレールと一致する金属インサートである、請求項16に記載の動力工具。
【請求項18】
前記補強部材は、それぞれのレールの少なくとも一部分を覆うシートメタル覆いである、請求項16に記載の動力工具。
【請求項19】
前記ラッチ機構は、前記アクチュエータが前記ラッチ部材と係合せず、前記ラッチ部材が前記バッテリパック収容部分内に突出する、ラッチ位置と、前記アクチュエータが前記ラッチ部材と係合し、前記ラッチ部材が前記ハウジング内に位置付けられる、解放位置との間で移動可能である、請求項16に記載の動力工具。
【請求項20】
力が第1の方向において前記アクチュエータに対して加えられると、前記アクチュエータは、第1のピボット軸の周りで枢動し、第2の方向において前記ラッチ部材に対して力を加えて、前記ラッチ部材を第2のピボット軸の周りで枢動させ、それによって、前記ラッチ部材を前記ラッチ位置から前記解放位置に移動させ、
前記アクチュエータに対する前記力が除去されると、付勢機構が前記ラッチ部材を前記解放位置から前記ラッチ位置に自動的に移動させ、且つ
前記アクチュエータは、前記アクチュエータに移動可能に連結されるロックを更に含み、該ロックは、前記アクチュエータが前記ラッチ位置から前記解放位置に移動することが防止されるロック位置と、前記アクチュエータが前記ラッチ位置から前記解放位置に移動することが許容されるロック解除位置との間で移動可能である、
請求項19に記載の動力工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2019年3月12日に出願された同時係属中の米国特許仮出願第62/817,034号に対する優先権を主張し、その全文を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、電気装置(electric devices)(例えば、動力工具(パワーツール)(power tools))及び電気装置と共に使用するバッテリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の動力工具インターフェースは、しばしば、2つの問題を被る。第1の問題は、嵌合するバッテリパックインターフェースとの反復的な連結及び動力工具インターフェースとバッテリパックインターフェースとの間の振動に起因する磨耗である。第2の問題は、動力工具インターフェースとバッテリパックインターフェースとの間の振動である。望ましくない振動は、動力工具又はバッテリパックのいずれかのラッチが使用中に動力工具又はバッテリパックの他方に不十分に接続されているときのように、動力工具とバッテリパックとの間の接続が十分でないときに生じることが多い。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態において、動力工具が、バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるバッテリパック収容部分を有するハウジングと、ハウジングから延び、バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、ラッチ機構であって、第1のピボット軸の周りでハウジングに枢動可能に連結されるアクチュエータと、第2のピボット軸の周りでハウジングに枢動可能に連結されるラッチ部材とを備える、ラッチ機構とを含む。ラッチ部材は、バッテリパックのインターフェースと選択的に係合するように構成され、アクチュエータは、ラッチ部材を第2のピボット軸の周りで選択的に枢動させるよう第1のピボット軸の周りで枢動するように構成される。
【0005】
別の実施形態において、動力工具が、バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるバッテリパック収容部分を有するハウジングと、ハウジングから延び、バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、ハウジングによって支持され、アクチュエータと、バッテリパックのインターフェースと選択的に係合するように構成されるラッチ部材とを含む、ラッチ機構とを含む。アクチュエータは、ラッチ部材を動作的に枢動させるよう枢動可能である。
【0006】
別の実施形態において、動力工具が、バッテリパックのインターフェースを受け入れるように構成されるキャビティを含むハウジングを含む。キャビティは、下面と、一対の側壁と、端壁とによって画定され、レールが、各側壁に配置される。補強部材が各レールに恒久的に連結され、金属材料で形成される。動力工具は、端壁で支持され、バッテリパックと機械的に及び電気的に係合するように構成される、装置接点と、ハウジングによって支持され、アクチュエータと、バッテリパックのインターフェースと選択的に係合するように構成されるラッチ部材とを含む、ラッチ機構とを更に含む。アクチュエータは、ラッチ部材を動作的に枢動させるように枢動可能である。
【0007】
本発明の他の態様は、詳細な記述及び添付の図面の検討によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】電気装置に連結されたバッテリパックの側面図である。
【0009】
図1B図1Aのバッテリパック及び電気装置の斜視図である。
【0010】
図1C】別のバッテリパック及び別の電気装置の斜視図である。
【0011】
図1D図1Aのバッテリパックの斜視図である。
【0012】
図1E図1Cのバッテリパックの斜視図である。
【0013】
図2】1つの実施形態に従った補強部分を含む図1A及び図1Cに示す電気装置のハウジングの部分の斜視図である。
【0014】
図3】別の実施形態に従った補強部分を含む図2の電気装置のバッテリパック収容部分の部分の斜視図である。
【0015】
図4】エラストマ部材を含む図3のバッテリ収容部分の部分の詳細な側面図である。
【0016】
図5】複数のエラストマ部材を含む図3のバッテリ収容部分の部分の詳細な側面図である。
【0017】
図6】1つの実施形態に従ったラッチ機構を含む図2のバッテリ収容部分の斜視図である。
【0018】
図7】バッテリ収容部分の側面が除去された状態の図6のラッチ機構の側面図である。
【0019】
図8図6のバッテリ収容部分の長手軸に沿うラッチ機構の断面図である。
【0020】
図9図6のラッチ機構のアクチュエータの斜視図である。
【0021】
図10A図6のラッチ機構のアクチュエータの部分の詳細図である。
【0022】
図10B図6のラッチ機構のラッチ部材の斜視図である。
【0023】
図11図1A及び図1Cに示す電気装置のハウジングの部分及びバッテリパックのハウジングの部分の斜視図であり、電気装置は、別の実施形態に従ったラッチ機構を含む。
【0024】
図12】電気装置のハウジングの部分、バッテリパックのハウジングの部分、及び図11のラッチ機構の側面図である。
【0025】
図13】電気装置のハウジングの部分、バッテリパックのハウジングの部分、及び電気装置のハウジングの側面が取り外された状態の図11のラッチ機構の側面図である。
【0026】
図14図1A及び図1Cに示す電気装置のハウジングの部分及びバッテリパックのハウジングの部分の斜視図であり、電気装置は、別の実施形態に従ったラッチ機構を含む。
【0027】
図15A図14のバッテリ収容部分の長手軸に沿う図14のラッチ機構の断面図であり、ラッチ機構は、第1の位置にある。
【0028】
図15B図14のバッテリ収容部分の長手軸に沿う図14のラッチ機構の断面図であり、ラッチ機構は、第1の位置と第2の位置との間にある。
【0029】
図15C図14のバッテリ収容部分の長手軸に沿う図14のラッチ機構の断面図であり、ラッチ機構は、第2の位置にある。
【0030】
図16図14のラッチ機構のアクチュエータの側面図である。
【0031】
図17図1A及び図1Cに示す電気装置のハウジングの部分及びバッテリパックのハウジングの部分の斜視図であり、電気装置は、別の実施形態に従ったラッチ機構を含む。
【0032】
図18】電気装置のハウジングの部分、バッテリパックのハウジングの部分、及び電気装置のハウジングの側面が取り外された状態の図17のラッチ機構の斜視図である。
【0033】
図19図17のバッテリ収容部分の長手軸に沿う図17のラッチ機構の断面図である。
【0034】
図20図17のラッチ機構のラッチ部材の側面図である。
【0035】
図21図1A及び図1Cに示す電気装置のハウジングの部分及びバッテリパックのハウジングの部分の斜視図であり、電気装置は、別の実施形態に従ったラッチ機構を含む。
【0036】
図22図1A及び図1Cに示す電気装置のハウジングの部分及びバッテリパックのハウジングの部分の斜視図であり、電気装置は、別の実施形態に従ったラッチ機構を含む。
【0037】
図23図22のバッテリ収容部分の長手軸に沿う図22のラッチ機構の断面図である。
【0038】
図24図22のラッチ機構のアクチュエータの斜視図である。
【0039】
図25図22のラッチ機構のアクチュエータの側面図である。
【0040】
図26図22のラッチ機構のラッチ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明のいずれかの独立した実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記述に記載する或いは以下の図面に図示する構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の独立した実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行されることができる。また、本明細書で使用する表現及び用語は、記載の目的のためのものであり、限定的であると考えられるべきでないことが理解されるべきである。
【0042】
本明細書において使用するとき、「含む(including)」及び「含む(comprising」並びにそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びそれらの均等物ならびに追加の項目を包含することを意味する。本明細書において使用するとき、「~なる(consisting of)」及びその変形の使用は、「含む」及びその変形の使用は、その後に列挙される項目及びそれらの均等物のみを包含することを意味する。特に明記又は限定されない限り、「取り付けられる(mounted)」、「接続される(connected)」、「支持される(supported)」及び「連結される(coupled)」という用語ならびにそれらの変形は、広義に用いられ、直接的及び間接的な取り付け(mountings)、接続(connections)、支持(supports)及び連結(couplings)の両方を包含する。
【0043】
また、1つの構成要素(コンポーネント)によって実行されるものとして本明細書に記載される機能性は、分散された方法で複数の構成要素によって実行されることがある。同様に、複数の構成要素によって実行される機能性は、単一の構成要素によって統合され且つ実行されることがある。同様に、特定の機能性を実行するものとして記載される構成要素が、本明細書に記載されていない追加的な機能性を実行することもある。例えば、特定の方法において「構成された(configured)」装置又は構造は、少なくともその方法において構成されるが、列挙されていない方法において構成されてもよい。
【0044】
図1A図1Cは、バッテリパック54(例えば、再充電可能なリチウムイオンバッテリパック)を受け入れるように構成された電気装置10を図示している。図示の実施形態において、電気装置10は、動力工具(パワーツール)である。電気装置10は、あらゆるタイプの動力工具、屋外工具(アウトドアツール)、又は電動でない装置(例えば、ライト、オーディオ装置など)であることがある。図1A及び図1Bの実施形態において、動力工具10は、ドリルである。図1Cの実施形態において、動力工具10は、丸鋸である。図1D図1Eに示すように、バッテリパック54は、ハウジング53(housing)と、インターフェース55(interface)とを含む。インターフェース55は、その両側に沿って延びるレール56(rails)と、凹部57(recess)とを含む。図1A図1Cの動力工具10は、同じインターフェース55を有するが、異なるハウジング53のサイズ及び電力定格を有する、図1D及び図1Eに示すバッテリパック54のいずれかを受け入れるように構成される。従って、図1D及び図1Eのバッテリパック54の両方は、図1A又は図1Cの動力工具10のいずれかに物理的及び電気的に連結されることができる。
【0045】
図1A図2を参照すると、動力工具10は、バッテリパック54のインターフェース55を受け入れるように構成されたバッテリパック収容部分50を含むハウジング40を含む。バッテリパック収容部分50は、長手軸58(例えば、バッテリ挿入軸)と、下面74と、一対の側壁78と、端壁82とによって画定されるキャビティ70(空洞)とを有する。開放端86が、端壁82の反対側にある。加えて、上端壁90が、キャビティ70に近接して端壁82の上方に延びている。装置接点94(device contacts)が、ハウジングから延び、端壁82で支持される。装置接点94は、バッテリパック54と機械的及び電気的に係合して、それらの間で電力を伝達するように構成される。
【0046】
更に、図2に関して、バッテリパック収容部分50は、開放端86と端壁82との間に(例えば、図示のように、開放端86から端壁82まで)延びる段付き溝104(stepped grooves)を含む。段付き溝104は、側壁78に配置されたレール108によって画定される。レール108は、側壁78から突出して、下面74に面する溝104の上方の広がり(upper extent)を画定する。
【0047】
その上、レール108の各々は、1つ以上の補強部材112を含む。補強部材は、任意の適切な耐摩耗性材料から形成されてよい。「耐摩耗性材料(wear resistant material)」は、工具ハンドルのインターフェースの周囲材料(例えば、プラスチック)よりも摩耗又は変形に抗する任意の材料であってよい。耐摩耗性材料の非限定的な例は、金属及びガラス充填ナイロンプラスチックである。その上、補強部材112は、幾つかの方法で達成されることができる。図2図3に示す実施形態において、補強部材112a、112bは、金属材料から形成され、レール108に恒久的に連結される。他の実施形態において、補強部材112a、112bは、ガラス充填ナイロンプラスチックから形成されてよい。図2に図示する実施形態において、補強部材112aは、レール108に挿入され、レール108と一致する、金属インサートである。その上、金属インサート112aは、ファスナ116(締結具)によってレール108に連結される。ファスナ116は、任意のタイプの適切な恒久的なファスナであってよい。例えば、ファスナ116は、除去を防止するために十分な接着剤(adhesive)(例えば、糊(glue))を備えたネジ、又は接着剤を備えない改変防止(除去不能)ネジであってよい。図3に図示する実施形態において、補強部材112bは、シートメタル覆い(板金被覆)(sheet metal covering)で形成される。ここで、レール108の全部又は一部は、シートメタル覆い112b内に包まれ、レール108に(例えば、接着剤又はファスナによって)恒久的に接着される。加えて、図2図3の各レール108のいずれかの端部には、2つの補強部材112a、112bがあるが、他の実施形態では、より少ない又はより多い補強部材112a、112bがあってよい。換言すれば、各レール108は、レール108のいずれかの端に単一の補強部材112a、112bのみを有してよく、或いは、追加的な補強部材112a、112bが、レール108に沿う他の場所(例えば、レール108の中央)に位置付けられてよい。
【0048】
更なる実施形態において、補強部材112は、電気装置10のハウジング40内に組み込まれる粉末金属又はガラス充填ナイロンプラスチックインサート(図示せず)であってよい。具体的には、動力付き金属インサート(powered metal insert)は、プラスチック部分が工具鋳型(tool mold)の周囲を流れ、それによって、粉末状金属インサートを工具ハウジング内にカプセル化するように、工具鋳型内に位置付けられてよい。補強部材112がどのようにレール108に挿入され、レール108に恒久的に連結されるかに拘わらず、レール108の接触面は、摩耗を低減するために少なくとも部分的に金属で作られる。すなわち、補強金属部材112は、バッテリパック54がレール108と接触する場所でレール108に対して位置付けられて、それらの場所にあるレール108の表面が、それらの間の接触の結果として摩損するのを防止する。
【0049】
レール108の各々は、1つ以上の場所で弾性部材120を含んでもよい。図4に示すように、単一のエラストマ部材120が、端壁82に隣接してレール108の端に位置付けられる。図5に示すように、2つのエラストマ部材120が、レール108内に位置付けられ、レール108の長さに沿って離間される。具体的には、端壁82に隣接してレール108の端に位置付けられる第1のエラストマ部材120と、レール108に沿う別の場所に位置付けられ、(例えば、キャビティ70の開放端86に隣接して)第1のエラストマ部材120から離間される、第2のエラストマ部材120とがある。エラストマ部材120は、付勢部材又はバネとして作用し、従って、バッテリ収容部分50の長手軸58に対して垂直に力を付与する。弾性部材120は、レール108とバッテリパック54との間の隙間を塞ぎ、それによって、より高い圧縮力とバネ率を可能にする。
【0050】
図2を参照すると、エジェクタ138(排出器)(ejector)が端壁90で支持されている。エジェクタ138は、端壁90を通じて突出するように付勢部材(例えば、1つ以上のバネ(図示せず))によって付勢された排出部材142(ejection member)を含む。バッテリパック54がバッテリパック収容部分50に取り付けられると、排出部材142は端壁90内に押し込まれて、付勢部材を圧縮する。この位置から、バネエジェクタ138(spring ejector)は、バッテリパック54に力Fを加えて、(例えば、以下により詳細に議論するように、ラッチ機構200の解放後に)バッテリパック54をバッテリパック収容部分50から押し出すように構成される。
【0051】
ラッチ機構200の1つの実施形態は、図6図10Bにより詳細に示されている。ラッチ機構200は、ハウジング40によって支持され、枢動可能なラッチ部材208と動作的に係合する枢動可能なアクチュエータ又はハンドル204を含む。ラッチ機構200は、第1の位置又はラッチ位置と、第2の位置又は解放位置とを含み、それらは以下により詳細に議論される。
【0052】
アクチュエータ204は、ハウジング40に枢動可能に連結される。図9に関して、アクチュエータ204は、ユーザによってアクセス可能な(例えば、ハウジング40の外側からアクセス可能な)第1の端212と、電気装置10のハウジング40内に延びるフィンガ220を備える第2の端216と、その両側からハウジング40にある開口(図示せず)内に延びる突起224とを含む。突起224は、第1のピボット軸228を画定し、第1のピボット軸228は、第1の端と第2の端との間に位置付けられ、長手軸58に対して垂直に方向付けられる。
【0053】
ロック232がアクチュエータ204に移動可能に(例えば、枢動可能に)連結される。具体的には、アクチュエータの第1の端212は、ロック232を含み、ロック232は、アクチュエータ204に対して移動可能(例えば、枢動可能)である。ロック232は、第1の端232a及び第2の端232bを有する(図9)。ロック232は、アクチュエータ204(従って、ラッチ機構200)がラッチ位置から解放位置に移動することが防止されるロック位置に位置付けられることができる。すなわち、ロック位置において、第1の端232a及び第2の端232bは、第1の端212に対する偶発的な力がロック232をハウジング40に当接させるように、アクチュエータ204の第1の端212の両面から延びる(図6図7)。従って、ロック232は、以下に議論するように、ユーザがアクチュエータ204を偶発的に移動させて、ラッチ部材208を移動させることを防止する。ロック232は、図示の実施形態では付勢機構234(例えば、バネ)によってロック位置に維持されるが、他の実施形態又は追加的な実施形態では、他の適切な手段によってロック位置に維持されることができる。ロック232は、ロック解除位置にも移動可能(例えば、枢動可能又は回転可能)であり、ロック解除位置において、アクチュエータ204(従って、ラッチ機構200)は、ラッチ位置から解放位置に移動することが許容される。図9に示すように、ロック232は、第1のピボット軸228に対して垂直な軸233の周りで枢動可能である。すなわち、ロック解除位置において、第1の端232a及び第2の端232bは、アクチュエータ204の第1の端212の両面(それらのうちの1つだけが示されている)にある溝236内に位置付けられる。具体的には、ユーザは、ロック端232a、232bのうちの1つに力を加えて、バネ234の付勢を克服し、第1の端232a及び第2の端232bをそれぞれの溝236内に移動させる。アクチュエータ204は、以下により詳細に議論するように、ロック232がロック解除位置にあるときに移動可能である。ユーザがロック232に対する力を解放すると、ロック232は、バネ234の付勢によってロック位置に戻る。
【0054】
図6図8及び図10に関して、ラッチ部材208は、電気装置10のハウジング40に移動可能又は枢動可能に連結され、バッテリパック54のインターフェース55と選択的に係合するように構成される。具体的には、ラッチ部材208は、本体240と、本体240から外向きに延びるピン244とを含む。ピン244は、キャビティ70の下面74に画定されたボア248に隣接してハウジング40に枢動可能に連結される。より具体的には、ピン244は、ハウジング40の開口(図示せず)によって受け入れられる。ピン244は、第2のピボット軸254を画定する。第2のピボット軸254は、長手軸58に対して垂直であり、第1のピボット軸228に対して平行である。ラッチ部材208は、ボア248内に枢動可能に配置され、1つ以上の付勢部材254(例えば、コイルバネ、ねじりバネなどのような、バネ)によって付勢されて、ボア248を通じてキャビティ70内に突出する。ラッチ部材208の本体240は、開放端86に向かって面する(例えば、下面74に対して約30度~約60度の角度を有する)傾斜面256と、端壁82に向かって面する概ね垂直に延びる(例えば、垂直軸に対して約0度~約10度の角度を有する)表面260とを有する。ラッチ部材208の本体244は、レッジ268(棚)(ledge)を有する開口264も画定する。開口264は、アクチュエータ204の第2の端216を受け入れ、フィンガ220は、レッジ268に力を加えるように構成される。
【0055】
上記で議論したように、アクチュエータ204の第2の端216は、レッジ267を備える開口264を介してラッチ部材208と選択的に係合する。付勢部材254は、ラッチ部材208を第1の位置に付勢する。すなわち、第1の位置(図6及び図7)において、付勢部材254は、ラッチ部材208がハウジング14にあるボア248を通じて延び、ハウジング40から突出する(例えば、キャビティ70の下面74から突出する)ように、ラッチ部材208を付勢する。第1の位置において、アクチュエータ204の第2の端216は、開口264内に及びレッジ268に隣接して位置付けられ、ロック232は、ロック位置にある。換言すれば、第1の位置において、力はラッチ部材208に加えられない。第2の位置において、ラッチ部材208は、実質的にハウジング14内に位置付けられる。換言すれば、ラッチ部材208は、ハウジング40内に完全に位置付けられるか、或いは、ラッチ部材の大部分(例えば、少なくとも80%~90%)は、ハウジング40内に位置付けられる。第2の位置(図示せず)において、アクチュエータ204の第2の端216は、開口264内に位置付けられ、フィンガ220は、レッジ268に対して力を加え、バネ254は圧縮され、ロック232は、ロック解除位置にある。
【0056】
ラッチ部材208を第1の位置から第2の位置に移動させるために、ロック232は、ロック解除位置に移動される(例えば、枢動される或いは回転される)。次に、力が矢印X(図8)の方向においてアクチュエータ204の第1の端212に対して加えられ、それはアクチュエータ204を第1のピボット軸224の周りで枢動させる。従って、アクチュエータ204の第2の端216は、フィンガ220がレッジ268と係合してラッチ部材208を押し下げる(例えば、ラッチ部材208をキャビティ70から引き出す)ように、矢印Xとは反対の方向に移動する(例えば、枢動する或いは回転する)。力がレッジ268に加えられると、ラッチ部材208は、ラッチ部材208がバネ254の付勢に抗して矢印Xの反対方向に移動して電気装置10のハウジング40内に至るように、第2のピボット軸252の周りを移動する(例えば、枢動する或いは回転する)。アクチュエータ204の第1の端212が解放されると、バネ254は、アクチュエータ204に対する力が除去されるときに、ラッチ部材を第2の位置から第1の位置に自動的に移動させる。具体的には、バネ254は、矢印Xの方向においてラッチ部材208に付勢力を与え、それによって、ラッチ部材208を第1の位置に戻す(例えば、枢動させる或いは回転させる)。また、ロック232は、次に、上記で議論したように、バネ234の付勢によって、ロック位置に戻る(例えば、枢動する或いは回転する)。
【0057】
バッテリパック54は、バッテリパック54のレール56をバッテリパック収容部分50の溝104と整列させ、引き続き、バッテリパック54を長手軸58に沿ってスライドさせることによって、バッテリパック収容部分50に連結される。バッテリパック54を長手軸58に沿ってスライドさせることは、バッテリパック54内のレール57がラッチ部材208の上に重なる(overlay)まで、ラッチ部材208をバネ254の付勢に抗して第2の位置に押し込む。凹部がラッチ部材208に隣接して位置付けられると、ラッチ部材208は、ラッチ部材208がバッテリパック54の凹部によって受け入れられるように、付勢部材254の付勢によって第1の位置に戻される。バッテリパック54に固定され、電気装置10が互いに固定されると、装置接点94は、バッテリ接点(図示せず)と係合する。
【0058】
図11図26は、電気装置10と共に使用するための他のラッチ機構を図示している。
【0059】
図11図13は、別の実施形態に従ったラッチ機構300を図示しており、ハウジング40内に位置付けられる1つ以上のカム部材308と動作的に係合するアクチュエータ又はハンドル304を含む。図示の実施形態では、2つのカム部材308がハウジング40に回転可能に結合されているが、更なる実施形態では、単一のカム部材308又は2つよりも多くのカム部材308が存在してよい。カム部材308は、電気装置10に移動可能に又は回転可能に連結される。具体的には、カム部材308は、カム面312を形成する偏心体を含む。カム部材308の各々は、矢印Y方向にある第1の方向において付勢部材316(例えば、バネ又は同等物)によって付勢され、カム面312がキャビティ70の下面74のそれぞれのボア320を通じて突出する第1の位置(図13)に至る。第2の位置において、バネ316の付勢は克服され、カム面312はハウジング40内に位置付けられる。ラッチ機構300を第1の位置から第2の位置に移動させるために、アクチュエータ304は移動させられ或いは枢動させられて、バネ316の付勢を克服し、Yとは反対の方向においてカム部材308を第1の位置から第2の位置に移動させる。
【0060】
バッテリパック54が長手軸58に沿って挿入されると、バッテリパック54の重量は、バネ316の付勢を克服して、カム部材308を第1の位置から第2の位置へ移動させる。バッテリパックにある相補的なボア324がカム部材308の上に重なるように、バッテリパックが挿入されると、バネ316は、カム部材308のカム面312がキャビティ70にあるボア320を通じて延び、バッテリパック54のボア324内に位置するように、カム部材308を第2の位置から第1の位置へ自動的に移動させる。
【0061】
図14図21は、バッテリパック54及び電気装置10のハウジングにあるボアを通じるのではなく、バッテリパック54の保持プレート又は面板350(フェースプレート)に取り付けられた構成要素を有する、ラッチ機構を図示している。
【0062】
図14図16は、別の実施形態に従った電気装置10にあるラッチ機構400を図示している。ラッチ機構400は、ハンドル又はアクチュエータ404と、アクチュエータ404に連結されたリンク装置又は付勢部材408(例えば、バネ)とを含む。アクチュエータ404は、電気装置10のハウジング40内に延びる第1の部分404aと、第1の部分404aに連結された第2の部分404bとを有する。第1の部分404aは、ハウジング40に移動可能に又は枢動可能に連結され、ピボット軸412を画定する。第2の部分404bは、45度~135度の間に亘る第1の部分404aに対する角度416で位置付けられる。図示の実施形態において、第1の部分404aと第2の部分404bとの間の角度416は、ほぼ100度である。本明細書において使用するとき、ほぼ(approximately)とは、プラス又はマイナス5度であることがある。第2の部分404bは、キャビティ70の開放端86に対して移動可能である。その上、バネ408は、アクチュエータ404の第1の部分404aに連結された第1の端408aと、第1の端408aから延びる第2の端408bとを有する。第2の端408bは、バッテリパック54の面板350にある開口又はポケット428(図13)によって受けられるように構成されたフィンガ又はリップ424(図15)を含む。
【0063】
ラッチ機構400は、バッテリパック54及び電気装置10が互いに連結されているときに第1の位置にある(図14及び図15A)。第1の位置において、バネ408の第2の端408bは、面板350のポケット428内に位置付けられる。また、第1の位置では、アクチュエータの第1の部分の遠位端が、ハウジング40から離間せられ、アクチュエータ404の第2の部分404bは、バッテリパック54の面板350及びキャビティ70の開放端86に対して実質的に平行である。その上、第1の位置において、バネ408は、ハウジング40の長手軸58に対してある角度に位置付けられる。すなわち、ラッチ機構400のアクチュエータ404は、ラッチ位置においてバッテリパック54の面板350に対して実質的にゼロ度の角度432にあり、バネ408は、張力の下にある。ラッチ機構400は、バッテリパック54及び電気装置10が互いに連結されるべきとき又は分離されるべきときに、第2の位置にある(図15C)。すなわち、第2の位置において、アクチュエータ404の第1の部分404aは、ハウジング40に隣接し、ラッチ機構400のアクチュエータ404の第2の部分404bは、電気装置10のキャビティ70の開放端86に対して非ゼロの角度432で方向付けられる。また、第2の位置において、バネ408は、ハウジング40の長手軸58に隣接して位置付けられ、ハウジング40の長手軸58に対して実質的に平行に位置付けられる。
【0064】
バッテリパック54を連結する前に、ラッチ機構400のアクチュエータ404は、第2の位置にある(図15C)。次に、ユーザは、バッテリパック54のレール56をバッテリパック収容部分50の溝104と整列させ、バッテリパック54を長手軸58に沿ってスライドさせる。ラッチ機構400を第2の位置から第1の位置へ移動させるために、ユーザは、アクチュエータ404を面板350及びキャビティ70の開放端86に向かって移動させて(例えば、枢動させて或いは回転させて)、バネ408の第2の端408bのフィンガ424をポケット428内に移動させる(図15B)。バッテリパック54に向かうアクチュエータの継続的な移動は、ラッチ機構を第1の位置に移動させ(図15A)、ラッチ機構は、バッテリパック54を電気装置10にクランプする。ラッチ機構400を第1の位置から第2の位置へ移動させるために、ユーザは、アクチュエータ404の第2の部分404bを面板350及びキャビティ70の開放端86から離れる方向に非ゼロの角度432に移動させ(例えば、枢動させ)、それはバネ408の第2の端408bをポケット428から取り除き、バネ408に対する張力を解放する。従って、ユーザは、バッテリパック54を電気装置10のキャビティ70から長手軸58に沿ってスライドさせることができる。
【0065】
図17図20は、ハンドル又はアクチュエータ504と、ラッチ部材508と、リンク装置512と、付勢部材(例えば、バネ)516と、連結部材520とを含む、別の実施形態に従った電気装置10にあるラッチ機構500を図示している。リンク装置512は、第1の端512aと、第2の端512bと、長手軸524とを含む。アクチュエータ504は、カム面528とアクチュエータ軸530とを画定する第1の部分504aと、第1の部分504aに連結された第2の部分504bとを有する。第2の部分504bは、45度~135度に亘る第1の部分504aに対する角度で位置付けられる。図示の実施形態において、第1の部分504aと第2の部分504bとの間の角度は、ほぼ100度である。
【0066】
アクチュエータ504の第1の部分504aは、リンク装置の第1の端512aを受け入れ、リンク装置512に移動可能に(例えば、枢動可能に)連結される。ピン532がリンク装置512をアクチュエータ504に枢動可能に連結し、ピボット軸536を画定する。カム面528は、ラッチ部材508に対して移動可能又は枢動可能である。第2の部分504bは、キャビティ70の開放端86に対して移動可能である。
【0067】
リンク装置512は、ラッチ部材508にある孔540(図19)を通過する。ラッチ部材508は、バッテリパック54の面板350にあるポケット428によって受けられるように構成されるフィンガ又はリップ544を有する突起も有する。バネ516のうちの1つ(例えば、第1のバネ516a)が、ラッチ部材508と連結部材520のうちの1つ(例えば、第1の連結部材520a)との間に位置付けられ、別のバネ516(例えば、第2のバネ516b)が、第1の連結部材520aと別の連結部材520(例えば、第2の連結部材520b)との間に連結される。リンク装置512は、第1の連結部材520aを通じて延び、リンク装置の第2の端512bは、第2の連結部材520bによって連結されるか或いは受け入れられる。従って、リンク装置512は、アクチュエータ504から第2の連結部材520bまで延びる。第1の連結部材520a及び第2の連結部材520bは、電気装置10のハウジング40内に位置付けられる。バネ516a、516bは、リンク装置512に沿って延びる。
【0068】
ラッチ機構500は、バッテリパック54及び電気装置10が互いに連結されているときに第1の位置にあり(図17図19)、バッテリパック54及び電気装置10が互いに連結されるべきとき又は分離されるべきときに第2の位置にある。ラッチ機構500は、第1の位置と第2の位置との間の中間位置を含む。第1の位置において、ラッチ部材508のフィンガ544は、面板350のポケット428内に位置付けられる。また、第1の位置において、第1の部分504aのアクチュエータ軸530は、リンク装置512の長手軸524に対して第1の角度550にある。更に、図15Aに関して、カム面528は、ラッチ部材508と係合し、ラッチ部材508は、バネ516a、516bの付勢を克服する。中間位置において、アクチュエータ404は、アクチュエータ軸530がリンク装置512の長手軸524と実質的に整列させられ、ラッチ部材508のフィンガ544が面板350にあるポケット428から除去されるように、位置付けられる。第2の位置において、ラッチ部材508のフィンガ544は、面板350のポケット428から(例えば、下方に)離間させられ、アクチュエータ504の第2の部分504bは、キャビティ70の下方に位置付けられる。加えて、第2の位置において、アクチュエータ軸530は、リンク装置512の長手軸524に対して第2の角度554で位置付けられる。その上、第2の位置において、カム面528は、ラッチ部材508から係合解除され、バネ516、516bは、アクチュエータ404に向かって付勢される。従って、ラッチ部材508及びアクチュエータ504は、キャビティ70の開放端86から並びにキャビティ70の開放端86の下方に離間させられる。
【0069】
バッテリパック54を連結する前に、ラッチ機構500は、第2の位置にある。次に、ユーザは、バッテリパック54のレール56をバッテリパック収容部分50の溝104と整列させ、バッテリパック54を長手軸58に沿ってスライドさせる。ひとたびバッテリパック54がキャビティ70に挿入されると、ユーザはラッチ機構を第2位置から中間位置を通じて第1位置に移動させる。すなわち、アクチュエータ504、従って、ラッチ部材508は、ラッチ部材508のフィンガ544をバッテリパック54の保持プレート350のポケット428内に位置付けるために、バッテリパック54に向かう方向(例えば、矢印570の方向)に移動される(例えば枢動される)。
【0070】
バッテリパック54を解放するために、ユーザは、ラッチ機構500を第1の位置から中間位置を通じて第2の位置に移動させる。ユーザは、アクチュエータ504をバッテリパック54から離れる方向(例えば、矢印570とは反対の方向)に移動させて、アクチュエータ504及びラッチ部材528をキャビティ70の開放端86から離れる方向に再び離間させる。アクチュエータ504及びラッチ部材508がキャビティ70の開放端86から離間させられた状態で、ユーザは、電気装置10のキャビティ70からバッテリパック54を取り外すことができる。
【0071】
図21は、別の実施形態に従った電気装置10にあるラッチ機構600を図示している。ラッチ機構600は、ハンドル又はアクチュエータ604と、ネジ山付き部材608と、ピボット機構612とを含む。ピボット機構612は、ハウジング40内に位置付けられ、長手軸58に対して垂直なピン軸620を画定する、ピン616を含む。ピン616は、ピン軸620の周りを回転可能である。ピン616は、(例えば、カラー628によって)ネジ山付き部材608の第1の端に連結され、従って、ネジ山付き608は、ピン616の長手軸620の周りを枢動可能である。ネジ山付き部材608の第2の端が、アクチュエータ604に螺合され、アクチュエータ604は、この実施形態において、回転可能なノブである。ピボットピン616上のネジ山付き部材608は、アクチュエータ604が枢動して、バッテリパック54の面板350から延びるフック636と係合し或いは係合解除することを可能にする。バッテリパック54を電気装置10に連結するために、ネジ山付き部材608は、フック636内に位置付けられ、アクチュエータ604は、バッテリパック54を(それらの間の螺合(threaded coupling)を用いて)所定の位置に締め付けるよう回転される。アクチュエータ604は、トルク制限装置(図示せず)を含んでもよい。バッテリパック54を電気装置10から解放するために、アクチュエータ604は、フック636からネジ山付き部材608を緩めるよう回転され、アクチュエータ604は、フック636から並びにフック636から離れる方向に移動される或いは枢動される。
【0072】
図22図25は、別の実施形態に従ったラッチ機構700を図示している。ラッチ機構700は、電気装置10及びバッテリパック54の両方に構成要素を有する。
【0073】
図22図25に図示する実施形態において、電気装置10のハウジング40は、角度付き面又は傾斜面708を有するボア704を含む。開口712が、角度付き面708を通じて延びる。ハウジング40は、ハウジング40内に位置付けられ、ハウジング40に対して移動可能である、アクチュエータ716を更に含む。アクチュエータ716は、角度付き面708にある開口712を通じて延びる第1の部分716aと、ハウジング40から延びる第2の端716bとを含む。第1の部分716a及び第2の部分716bは、中央部分716cによって接続される。図示の実施形態において、中央部分716cは、第1の部分716a及び第2の部分716bの両方に対して角度を付けられ、ボア704の角度付き面708に対して平行であるように構成される。加えて、1つ以上の付勢部材720(例えば、バネ)が、ハウジング40の角度付き面708とアクチュエータ716の角度付き面716cとの間に位置付けられる。アクチュエータ716は、第1の位置(図示せず)と第2の位置(図21及び図22)との間で移動可能である。第1の位置において、バネ720は、アクチュエータ716の第1の部分716aがハウジング40内に位置付けられるように、アクチュエータ716の角度付き面716cをボア704の角度付き面708から離れる方向に付勢する。第2の位置(図21及び図22)では、力がアクチュエータ716の第2の部分716bに対してユーザによって加えられる。力は、図23に矢印728によって例示されている。アクチュエータ716bの第2の部分716bに対する力728の故に、バネ720は、第1の部分716aがハウジング40にあるボア704内に延びるように、圧縮される。第2の位置にあるときに、第1の部分716aの遠位端が、キャビティ70の下面74と実質的に整列させられる。
【0074】
更に、図22図25に関して、バッテリパック54のハウジングは、ラッチ機構700のラッチ部材734を受け入れるボア730も含む。具体的には、ラッチ部材734は、ボア730の第1の端に隣接して(例えば、ピン又は同等物によって)バッテリパック54のハウジングに枢動可能に連結される第1の端734aと、第1の端734aの反対側にある第2の端734bとを含む。1つ以上の圧縮バネ738が、ボア730とラッチ部材734との間に位置付けられる。ラッチ部材734は、第1の位置(図示せず)と第2の位置(図21及び図22)との間で移動可能である。第1の位置において、バネ738は、ラッチ部材734がバッテリパック54のハウジングの表面742から延びるように、ラッチ部材734をボア730から離れる方向に付勢する。第1の位置にあるとき、ラッチ部材734は、ある角度でバッテリパック54のハウジングの表面742から延びる。第2の位置(図21及び図22)において、ラッチ部材734は、ラッチ部材734の表面746がバッテリパック54のハウジングの表面742と一致するように、バッテリパック54のボア730内に位置付けられる。
【0075】
バッテリパック54が電気装置10に連結されるとき、アクチュエータ716及びラッチ機構734の両方は、第1の位置にある。すなわち、アクチュエータ716の第1の部分716aは、ボア704が開放するように、ハウジング40内に位置付けられる。従って、バネ738は、ラッチ部材734をバッテリパック54から離れる方向に電気装置10のボア704内に付勢する。バッテリパック54を電気装置10から取り外すために、アクチュエータ716及びラッチ機構734の両方が、第1の位置から第2の位置に移動されなければならない。従って、力728は、アクチュエータ716の第2の部分716bに加えられて、アクチュエータ716をバッテリパック54に向かって移動させる。従って、アクチュエータ716は、アクチュエータ716の第1の部分716aがボア704内に移動し、それによって、ボア内に位置付けられるラッチ部材734と係合するように、バネ720の付勢に抗して移動する。次に、力がアクチュエータ716に加えられると、アクチュエータ716の第1の部分716aは、バッテリパック10内のバネ738の付勢を克服して、ラッチ部材734をバッテリパック54のボア730内に移動させる。ひとたびアクチュエータ716及びラッチ部材734の両方が第2の位置に到達すると、バッテリパック54は、電気装置から取り外されることができる。ユーザがアクチュエータ716から力728を解放すると、アクチュエータ716及びラッチ機構734は、それぞれのバネ720、738の付勢によって第1の位置に戻される。
【0076】
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を詳細に記載したが、変形及び修正が記載の本発明の1つ以上の独立した態様の範囲及び精神内に存在する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】