(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】エネルギー送達のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20220420BHJP
A61B 17/94 20060101ALI20220420BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
A61B18/18 100
A61B17/94
A61B1/01 511
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553060
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 IB2020051478
(87)【国際公開番号】W WO2020183262
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512023166
【氏名又は名称】ニューウェーブ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUWAVE MEDICAL,INC.
【住所又は居所原語表記】3529 Anderson Street,Madison,Wisconsin 53704,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャニング・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】シール・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ミンジョーネ・ルイ
(72)【発明者】
【氏名】シェフェルカー・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】カトラーナ・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】トム・マーク
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160FF23
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK06
4C160LL03
4C160LL30
4C160MM08
4C160MM38
4C160MM43
4C160MM53
4C161AA07
4C161GG24
4C161HH04
4C161JJ01
(57)【要約】
本発明は、可撓性シースを通した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域において所望の位置付けを維持することが可能な可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡処置で使用するための可撓性シースであって、
前記可撓性シースは、a)近位端開口部を有する細長い管状体近位端及び遠位端開口部を有する細長い管状体遠位端と、b)細長い管状体内部部分及び細長い管状体外部部分と、を含む細長い管状体を備え、前記細長い管状体内部部分は、前記細長い管状体近位端から前記細長い管状体遠位端まで延在し、前記細長い管状体外部部分は、前記細長い管状体近位端から前記細長い管状体遠位端まで延在し、
前記細長い管状体内部部分は、前記近位端開口部に入り、前記細長い管状体近位端を通り、前記細長い管状体遠位端を通り、前記遠位端開口部の外へと延在する中空ポートを含み、前記中空ポートのサイズは、前記中空ポートに入り、前記中空ポートを通り、前記中空ポートから出る、適切なサイズのツールの通過に適合し得るようになっており、
前記可撓性シースの直径は5mm未満であり、
前記細長い管状体外部部分の前記遠位端は、1つ以上の高熱伝導領域又は1つ以上の可撓性-剛性領域を含み、
前記1つ以上の高熱伝導領域は、前記細長い管状体遠位端が組織領域に対して所望の位置で安定化されるように、前記組織領域との接触時に前記組織領域と選択的に固着するように構成されており、
前記1つ以上の高熱伝導領域の組織領域との固着時に、前記1つ以上の高熱伝導領域は、前記細長い管状体遠位端が前記組織領域に対して前記所望の位置から不安定化されるように、前記組織領域から選択的に分離するように構成されており、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域は、可撓性状態と剛性状態とを選択的に交互に繰り返すように構成されており、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域が剛性状態にある場合、前記細長い管状体遠位端は、前記可撓性-剛性領域と接触する組織領域に対して所望の位置で安定化され、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域が可撓性状態にある場合、前記細長い管状体遠位端は、前記可撓性-剛性領域と接触する組織領域に対して安定化されない、可撓性シース。
【請求項2】
前記細長い管状体内部部分は、細長い管状体の冷却剤取込チャネルと、細長い管状体遠位端収容領域と、細長い管状体の冷却剤排出チャネルと、を更に含み、
前記細長い管状体遠位端収容領域は、前記細長い管状体遠位端に位置付けられており、
前記細長い管状体内部部分は、a)前記細長い管状体の冷却剤取込チャネルを介して前記細長い管状体近位端内に冷却剤を受容し、b)前記細長い管状体の冷却剤取込チャネルを通して受容された前記冷却剤を前記細長い管状体遠位端収容領域へと循環させ、c)前記細長い管状体遠位端収容領域から前記細長い管状体の排出チャネルを通して前記細長い管状体近位端の外へと前記冷却剤を循環させるように構成されており、
前記細長い管状体の排出チャネルの直径は、前記細長い管状体の取込チャネルの直径よりも大きいか、又は
前記細長い管状体の排出チャネルの直径は、前記細長い管状体の取込チャネルの直径よりも小さいか、又は
前記細長い管状体の排出チャネルの直径及び前記細長い管状体の取込チャネルの直径は同一であり、
前記中空ポート、前記細長い管状体の取込チャネル、及び前記細長い管状体の排出チャネルは、多軸方式で位置付けられているか、又は
前記中空ポート、前記細長い管状体の取込チャネル、及び前記細長い管状体の排出チャネルは、同軸方式で同心円状に位置付けられており、
前記冷却剤は、水、グリコール、空気、不活性ガス、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、六フッ化硫黄、イオン溶液(例えば、カリウム及び他のイオンを含むか又は含まない塩化ナトリウム)、水中デキストロース、乳酸リンゲル液、有機化学溶液(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はプロピレングリコール)、油(例えば、鉱物油、シリコーン油、フッ化炭素油)、液体金属、フレオン、ハロメタン、液化プロパン、他のハロアルカン、無水アンモニア、二酸化硫黄、及びその臨界点で又は臨界点付近で圧縮された冷却ガスから選択される、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項3】
前記1つ以上の高熱伝導領域は、組織領域に対する所望の位置で前記細長い管状体遠位端を安定化させるために、前記組織領域の凝固を引き起こす温度を達成し、維持して、前記組織領域の前記高熱伝導領域への固着を促進するように構成されており、
前記1つ以上の高熱伝導領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって調節され、
前記1つ以上の高熱伝導領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節される、請求項2に記載の可撓性シース。
【請求項4】
前記1つ以上の高熱伝導領域は、金属、プラスチック、セラミック、又はこれらの混合物のうちの1つ以上を含み、
前記1つ以上の高熱伝導領域は可撓性である、請求項3に記載の可撓性シース。
【請求項5】
前記1つ以上の可撓性-剛性領域は、摂氏約15~25度の適切なガラス転移温度を有する熱可塑性ポリマーを含む、請求項2に記載の可撓性シース。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーは、乳酸とカプロラクトンとのコポリマーを含み、
前記熱可塑性ポリマーは、L-ラクチドとカプロラクトンとのコポリマー、例えば、L-ラクチド対カプロラクトンモノマー比が70:30以下であるポリ(L-ラクチド-co-カプロラクトン)を含む、請求項5に記載の可撓性シース。
【請求項7】
前記熱可塑性領域は、PURASORB(登録商標)PLC-7015として、オランダのホルクムにあるPurac Biomaterialsから市販されている、請求項5に記載の可撓性シース。
【請求項8】
前記1つ以上の可撓性-剛性領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって調節され、
摂氏約-40度での可撓性-剛性領域温度の維持は、前記1つ以上の可撓性-剛性領域の可撓性状態をもたらし、
摂氏約-5度での可撓性-剛性領域温度の維持は、前記1つ以上の可撓性-剛性領域の剛性状態をもたらし、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節され、
前記細長い管状体内部領域は、ユーザーが任意の所望の方法で前記可撓性シースを操縦することを可能にするように構成された操縦可能なプルリングを更に含み、
前記可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されており(例えば、前記可撓性シースはマイクロ波対応である)、
前記可撓性シースは、高温に関連する損傷を被ることなく、高温にさらされた組織領域内で動作可能であるように設計されている(例えば、前記可撓性シースは、熱抵抗性である)、請求項5に記載の可撓性シース。
【請求項9】
前記適切なサイズのツールは、栓子、アブレーションプローブ、エネルギー送達デバイス、生検ツールなどから選択され、
前記可撓性シースは、被験体を通って(例えば、枝分かれ構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って所望の位置に到達するように)回り道の経路にアクセスするのに十分な可撓性を有し、
前記細長い管状体の組成物は、ポリマー材料であり、
前記細長い管状体の前記組成物は、より高い温度の定格ポリマー材料、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、熱可塑性コポリエステル(例えば、Arnitel)、及びフルオロポリマー(例えば、アルカン(MFA)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA))から選択される、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項10】
一次カテーテルと、請求項1に記載の可撓性シースと、エネルギー送達デバイスと、を備えるシステム。
【請求項11】
前記一次カテーテルは内視鏡である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記エネルギー送達デバイスはマイクロ波エネルギー送達デバイスである、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性シースを介した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域において所望の位置付けを維持することが可能な可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ツール配置のためのガイドとして使用される内視鏡シースは、特に気管支鏡の場合に蛇行経路を含み得る周辺位置をナビゲートするために、非常に高い可撓性をもつことが必要である。所望の位置に到達した後、ツール(例えば、栓子、可撓性アブレーションプローブ、他の気管支鏡ツールなど)が交換及び/又は再配置される際に、シースの端部が定位置に留まることは困難である。加えて、呼吸による患者の動きがシースの動きの一因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
可撓性シースの使用による(例えば、シースを通して挿入及び抜去された医療用具の使用を伴う医療処置中)所望の位置付けを維持することが可能な新しい可撓性シースが必要とされる。
【0004】
本発明は、このニーズに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、可撓性シースを介した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域において所望の位置付けを維持することが可能な可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【0006】
特定の実施形態では、本発明は、内視鏡処置で使用するための可撓性シースを提供する。
【0007】
そのような可撓性シースは、特定の特性又は設計に限定されない。
【0008】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、a)近位端開口部を有する細長い管状体近位端及び遠位端開口部を有する細長い管状体遠位端と、b)細長い管状体内部部分及び細長い管状体外部部分と、を含む、細長い管状体を備え、細長い管状体内部部分は、細長い管状体近位端から細長い管状体遠位端まで延在し、細長い管状体外部部分は、細長い管状体近位端から細長い管状体遠位端まで延在し、細長い管状体内部部分は、近位端開口部に入り、細長い管状体近位端を通り、細長い管状体遠位端を通り、遠位端開口部の外へと延在する中空ポートを含み、中空ポートのサイズは、中空ポートに入り、中空ポートを通り、中空ポートから出る、適切なサイズのツールの通過に適合し得るようになっており、可撓性シースの直径は、5mm未満である。
【0009】
いくつかの実施形態では、細長い管状体内部部分は、細長い管状体の冷却剤取込チャネルと、細長い管状体遠位端収容領域と、細長い管状体の冷却剤排出チャネルと、を更に含み、細長い管状体遠位端収容領域は、細長い管状体遠位端に位置付けられ、細長い管状体内部部分は、a)細長い管状体の冷却剤取込チャネルを介して細長い管状体近位端内に冷却剤を受容し、b)細長い管状体の冷却剤取込チャネルを通して受容された冷却剤を細長い管状体遠位端収容領域に循環させ、c)細長い管状体遠位端収容領域から細長い管状体の排出チャネルを通して細長い管状体近位端から出るように、冷却剤を循環させるように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、細長い管状体の排出チャネルの直径は、細長い管状体の取込チャネルの直径よりも大きいか、又は、細長い管状体の排出チャネルの直径は、細長い管状体の取込チャネルの直径よりも小さいか、又は細長い管状体の排出チャネルの直径及び細長い管状体の取込チャネルの直径は同一である。
【0011】
いくつかの実施形態では、中空ポート、細長い管状体の取込チャネル、及び細長い管状体の排出チャネルは、多軸方式で位置付けられるか、又は中空ポート、細長い管状体の取込チャネル、及び細長い管状体の排出チャネルは、同軸方式で同心円状に位置付けられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、冷却剤は、水、グリコール、空気、不活性ガス、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、六フッ化硫黄、イオン溶液(例えば、カリウム及び他のイオンを含むか又は含まない塩化ナトリウム)、水中デキストロース、乳酸リンゲル液、有機化学溶液(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はプロピレングリコール)、油(例えば、鉱物油、シリコーン油、フッ化炭素油)、液体金属、フレオン、ハロメタン、液化プロパン、他のハロアルカン、無水アンモニア、二酸化硫黄、及びその臨界点で又は臨界点付近で圧縮された冷却ガスから選択される。
【0013】
いくつかの実施形態では、細長い管状体外部部分の遠位端は、1つ以上の高熱伝導領域又は1つ以上の可撓性-剛性領域を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の高熱伝導領域は、細長い管状体遠位端が組織領域に対して所望の位置で安定化されるように、組織領域との接触時に組織領域と選択的に付着するように構成され、1つ以上の高熱伝導領域の組織領域との付着時に、1つ以上の高熱伝導領域は、細長い管状体遠位端が組織領域に対して所望の位置から不安定化されるように、組織領域から選択的に分離するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上の高熱伝導領域は、細長い管状体遠位端を組織領域に対して所望の位置で安定化させるために、組織領域の凝固を引き起こす温度を達成し、維持して、組織領域の高熱伝導領域への付着を促進するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つ以上の高熱伝導領域の温度は、細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって調節される。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上の高熱伝導領域の温度は、細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節される。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上の高熱伝導領域は、金属、プラスチック、セラミック、又はこれらの混合物のうちの1つ以上を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ以上の高熱伝導領域は可撓性である。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性-剛性領域は、可撓性状態と剛性状態と選択的に交互に繰り返すように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性-剛性領域が剛性状態にある場合、細長い管状体遠位端は、可撓性-剛性領域と接触する組織領域に対して所望の位置で安定化される。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性-剛性領域が可撓性状態にある場合、細長い管状体遠位端は、可撓性-剛性領域と接触する組織領域に対して安定化されない。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性-剛性領域は、摂氏約15~25度の適切なガラス転移温度を有する熱可塑性ポリマーを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、乳酸とカプロラクトンとのコポリマーを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、L-ラクチドとカプロラクトンとのコポリマー、例えば、L-ラクチド対カプロラクトンモノマー比が70:30以下であるポリ(L-ラクチド-co-カプロラクトン)を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、熱可塑性領域は、PURASORB(登録商標)PLC-7015として、オランダのホルクムにあるPurac Biomaterialsから市販されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性-剛性領域の温度は、細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって調節され、摂氏約-40度での可撓性-剛性領域温度の維持は、1つ以上の可撓性-剛性領域の可撓性状態をもたらし、摂氏約-5度での可撓性-剛性領域温度の維持は、1つ以上の可撓性-剛性領域の剛性状態をもたらす。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性-剛性領域の温度は、細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節される。
【0029】
いくつかの実施形態では、適切なサイズのツールは、栓子、アブレーションプローブ、エネルギー送達デバイス、生検ツールなどから選択される。
【0030】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、被験体を通って(例えば、枝分かれ構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って所望の位置に到達するように)回り道の経路にアクセスするのに十分な可撓性を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、細長い管状体の組成物は、ポリマー材料である。
【0032】
いくつかの実施形態では、細長い管状体の組成物は、より高い温度定格のポリマー材料である。
【0033】
いくつかの実施形態では、細長い管状体の組成物は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)又は熱可塑性コポリエステル(例えば、Arnitel)である。
【0034】
いくつかの実施形態では、細長い管状体の組成物は、フルオロポリマーである。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、ペルフルオロメチルアルコキシアルカン(MFA)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)である。
【0035】
いくつかの実施形態では、細長い管状体内部領域は、ユーザーが任意の所望の方法で可撓性シースを操縦することを可能にするように構成された操縦可能なプルリングを更に含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されている(例えば、可撓性シースはマイクロ波対応である)。
【0037】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、高温に関連する損傷を被ることなく、高温にさらされた組織領域内で動作可能であるように設計されている(例えば、可撓性シースは、熱抵抗性である)。
【0038】
特定の実施形態では、本発明は、一次カテーテルと、上記の可撓性シースと、エネルギー送達デバイスと、を備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、一次カテーテルは内視鏡である。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、マイクロ波エネルギー送達デバイスである。
【0039】
特定の実施形態では、本発明は、組織領域を治療する方法であって、上記のようなシステムを提供することと、一次カテーテルを組織領域に挿入することと、可撓性シースを一次カテーテルに通して治療されるべき所望の組織領域まで挿入することと、1つ以上の高熱伝導領域又は1つ以上の可撓性-剛性領域のいずれかを介して治療されるべき所望の組織領域に可撓性シースを固定することと、エネルギー送達デバイスを可撓性シースに通して治療されるべき所望の組織領域まで挿入することと、治療されるべき組織領域をエネルギー送達デバイスによって治療することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療されるべき組織領域は被験体内にある。いくつかの実施形態では、被験体はヒト被験体である。
【0040】
追加の実施形態を本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【発明を実施するための形態】
【0042】
治療内視鏡検査又はインターベンション内視鏡検査は、治療(例えば、組織アブレーション)(例えば、組織採取)が内視鏡を介して実施される内視鏡処置に関する。これは、処置の目的が純粋に、診断を補助するために身体の内部(例えば、胃腸領域、呼吸領域、尿路領域など)を可視化することである診断内視鏡検査と対照をなす。実際には、診断内視鏡検査として開始する処置は、所見に応じて治療内視鏡検査になり得る。
【0043】
一般に、治療内視鏡検査は、自然に停止する位置付けに達するまで(例えば、本体領域の外周が内視鏡の更なる前進を阻止するまで)内視鏡(「一次カテーテル」)を身体領域に適用することを伴う。次に、内視鏡の外周よりも小さい外周を有する可撓性シースを、内視鏡を通して所望の身体領域位置まで前進させる。次に、可撓性シースの直径よりも小さい外周を有する治療ツール(例えば、アブレーションエネルギー送達ツール)(例えば、組織採取ツール)を、可撓性シースに通して所望の身体領域位置まで前進させる。次に、アブレーションエネルギーが所望の身体領域位置に送達される。治療内視鏡検査が完了すると、アブレーションエネルギー送達ツールが可撓性シースを通して抜去され、可撓性シースが内視鏡を通して抜去され、内視鏡が被験体から抜去される。
【0044】
ツール配置のためのガイドとして使用されるそのような内視鏡シースは、特に気管支鏡の場合に蛇行経路を含み得る周辺位置をナビゲートするために、非常に高い可撓性をもつことが必要である。所望の位置に到達した後、ツール(例えば、栓子、可撓性アブレーションプローブ、他の気管支鏡ツールなど)が交換及び/又は再配置される際に、可撓性シースの端部が定位置に適所に留まることは困難であり、自然な患者の動き(例えば、呼吸)は、所望の組織領域(例えば、医療処置が行われている組織領域)からの可撓性シースの望ましくない動きの一因となる。
【0045】
したがって、医療ツールの使用挿入、及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域において所望の位置付けを維持することが可能な新しい可撓性シースが必要とされる。
【0046】
本発明は、医療ツールの使用挿入、及び抜去を伴う医療処置中、並びに患者の身体の動きを通して、所望の組織領域での所望の位置付けを維持することが可能な新しい可撓性シースを提供することによってこのニーズに対処する。そのような可撓性シースアセンブリは、任意の種類の内視鏡エネルギー送達処置(例えば、組織アブレーション、切除、焼灼、血管血栓症、心不整脈及び不整脈の治療、電気外科、組織採取など)で使用するように構成されている。
【0047】
したがって、本発明は、可撓性シースを介した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域において所望の位置付けを維持することが可能な可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【0048】
本発明の可撓性シースは、特定のサイズ寸法に限定されない。実際に、いくつかの実施形態では、可撓性シースのサイズ寸法は、一次カテーテル(例えば、内視鏡)の内腔内に適合し、内腔を通過することができるようになっている。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、その内部に、かつその内部を通して、1つ以上の好適なツール(例えば、エネルギー送達デバイス、操縦可能なナビゲーションカテーテル)を収容するのに十分な直径(例えば、1mm...2mm...3mm...4mm...5mm)である。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、挿入部位(例えば、口、切開部から被験体の体内など)生体内の所望の標的領域まで延在するのに十分な長さ(例えば、50cm...75cm...1m...1.5m...2m...10m...25mなど)である。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、処置部位(例えば、末梢肺組織、心臓組織、胃腸組織など)(例えば、生体内の任意の所望の位置)に到達するため、一次カテーテル(例えば、内視鏡)のリーチに渡り、それを越えて延在するのに十分な長さである。
【0049】
本発明の可撓性シースは、一次カテーテル及び/又は身体領域の特定のナビゲーション方法に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、ナビゲーション及び/又は操縦機構を備える。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、ナビゲーション、位置認識、又は操作の独立した手段がない。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、配置について一次カテーテル(例えば、内視鏡)又は操縦可能なナビゲーションカテーテルに依存する。
【0050】
図1は、本発明の可撓性シース1の実施形態を示す。可撓性シース1は、特定の設計又は構成に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性シース1の設計又は構成は、可撓性シースを介した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に、所望の組織領域に位置付けられ、所望の位置付けを維持することができるようになっている。いくつかの実施形態では、可撓性シース1は、被験体を通って(例えば、枝分かれ構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って所望の位置に到達するように)回り道の経路にアクセスするのに十分な可撓性を有する。
【0051】
特定の実施形態では、
図1に示すように、可撓性シース1は、近位端開口部4を有する細長い管状体近位端3と、遠位端開口部6を有する細長い管状体遠位端5と、細長い管状体近位端3から細長い管状体遠位端5まで延在する細長い管状体内部部分7と、細長い管状体近位端3から細長い管状体遠位端5まで延在する細長い管状体外部部分8と、を含む、細長い管状体2を有する。いくつかの実施形態では、細長い管状体2内の細長い管状体近位端3、近位端開口部4、細長い管状体遠位端5、遠位端開口部6、細長い管状体内部部分7、及び細長い管状体外部部分8の配置及び位置付けは限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状体2内の細長い管状体近位端3、近位端開口部4、細長い管状体遠位端5、遠位端開口部6、細長い管状体内部部分7、及び細長い管状体外部部分8の配置及び位置付けは、可撓性シース1が、可撓性シース1を介した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域に位置付けられ、その所望の位置付けを維持することを可能にするものである。
【0052】
更に
図1を参照すると、細長い管状体2は、特定の組成物に限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状体2の組成物は、可撓性シース1が、可撓性シース1を介した医療ツールの使用挿入及び抜去を伴う医療処置中に所望の組織領域に位置付けられ、その所望の位置付けを維持することを可能にする任意の組成物である。いくつかの実施形態では、細長い管状体2の組成物は、ポリマー材料である。いくつかの実施形態では、細長い管状体2の組成物は、より高い温度定格のポリマー材料である。そのような実施形態は、特定のより高い温度定格のポリマー材料に限定されない。いくつかの実施形態では、より高い温度定格のポリマー材料は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)である。いくつかの実施形態では、より高い温度定格のポリマー材料は、熱可塑性コポリエステルである。いくつかの実施形態では、熱可塑性コポリエステルは、Arnitelである。いくつかの実施形態では、より高い温度定格のポリマー材料はフルオロポリマーである。そのような実施形態は、特定のフルオロポリマーに限定されない。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、ペルフルオロメチルアルコキシアルカン(MFA)である。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)である。いくつかの実施形態では、細長い管状体2の一部分(5%、10%、25%、50%、75%、77%、79%、85%、88%、90%、94%、98%、99%、99.999%)のみが、より高い温度定格のポリマー材料の組成物を有する。いくつかの実施形態では、細長い管状体遠位端5から始まる一部分(5%、10%、25%、50%、75%、77%、79%、85%、88%、90%、94%、98%、99%、99.999%)のみが、より高い温度定格のポリマー材料の組成物を有する。いくつかの実施形態では、細長い管状体2全体が、より高い温度定格のポリマー材料の組成物を有する。
【0053】
更に
図1を参照すると、可撓性シース1は、デバイス(例えば、医療用デバイス)が細長い管状体内部部分7を通して挿入及び抜去され得るように構成されている。細長い管状体内部部分7を通して挿入及び抜去され得るこのようなデバイスの例としては、栓子、アブレーションプローブ、エネルギー送達デバイス、生検ツールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
更に
図1を参照すると、細長い管状体内部部分7は、デバイスの挿入及び抜去を可能にする特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状体内部部分7は、近位端開口部4から、細長い管状体近位端3を通り、細長い管状体遠位端5を通り、遠位端開口部6の外へと延在する中空ポート9を内部に有する。中空ポート9は、特定のサイズに限定されない。いくつかの実施形態では、中空ポート9のサイズは、その全体を通して、適切なサイズのデバイス(例えば、中空ポート9の外周よりも小さい外周を有するデバイス)の挿入及び抜去に適合し得るようになっている。いくつかの実施形態では、中空ポート9のサイズは、可撓性シース1が、医療処置中に所望の組織領域に位置付けられ、その所望の位置付けを維持する能力を損なわずに、その全体を通して、適切なサイズのデバイス(例えば、中空ポート9の外周よりも小さい外周を有するデバイス)の挿入及び抜去に適合し得るようになっている。
【0055】
更に
図1を参照すると、細長い管状体内部部分7は、細長い管状体遠位端5の遠位端を所望の温度に維持する目的で冷却剤を循環させるように構成されている。細長い管状体内部部分7は、細長い管状体遠位端5の遠位端を所望の温度に維持する目的で冷却剤を循環させる特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、細長い管状体内部部分7は、細長い管状体の冷却剤取込チャネル10、細長い管状体遠位端5に位置付けられた細長い管状体遠位端収容領域11、及び細長い管状体の冷却剤排出チャネル12の使用によって、細長い管状体遠位端5の遠位端を所望の温度に維持する目的で冷却剤を循環させることができる。実際に、いくつかの実施形態では、細長い管状体内部部分7は、a)細長い管状体の冷却剤取込チャネル10を介して細長い管状体近位端3内に冷却剤を受容し、b)細長い管状体の冷却剤取込チャネル10を通して受容された冷却剤を細長い管状体遠位端収容領域11に循環させ、c)細長い管状体遠位端収容領域11から細長い管状体の排出チャネル12を通して細長い管状体近位端3から出るように、冷却剤を循環させるように構成されている。
【0056】
中空チューブ9、細長い管状体の取込チャネル10、細長い管状体遠位端収容領域11、及び細長い管状体の冷却剤排出チャネル12は、細長い管状体内部部分7内での特定の位置付けに限定されない。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、中空チューブ9、細長い管状体の冷却剤取込チャネル10、細長い管状体遠位端収容領域11、及び細長い管状体の冷却剤排出チャネル12は、多軸関係に位置付けられる。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、中空チューブ9、細長い管状体の冷却剤取込チャネル10、細長い管状体遠位端収容領域11、及び細長い管状体の冷却剤排出チャネル12は、例えば、細長い管状体の冷却剤取込チャネル10によって取り囲まれた細長い管状体の冷却剤排出チャネル12によって取り囲まれた中空チューブ9、及び細長い管状体外部8の遠位端に位置付けられた細長い管状体遠位端収容領域11と同心関係に位置付けられる。
【0057】
細長い管状体の冷却剤取込チャネル10及び細長い管状体の冷却剤排出チャネル12は、特定のサイズに限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状体の排出チャネル12の直径は、細長い管状体の取込チャネル10の直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、細長い管状体の排出チャネル12の直径は、細長い管状体の取込チャネル10の直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、細長い管状体の排出チャネル12の直径及び細長い管状体の取込チャネル10の直径は同一である。
【0058】
細長い管状体遠位端収容領域11は、特定のサイズに限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状体遠位端収容領域11のサイズは、細長い管状体遠位端5の遠位端を所望の温度に維持する目的で、細長い管状体の冷却剤取込チャネル10を通って循環される冷却剤を収容することができるようになっている(以下により詳細に記載される)。
【0059】
そのような実施形態は、特定のタイプ又は種類の冷却剤の使用に限定されない。いくつかの実施形態では、冷却剤は、水、グリコール、空気、不活性ガス、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、六フッ化硫黄、イオン溶液(例えば、カリウム及び他のイオンを含むか又は含まない塩化ナトリウム)、水中デキストロース、乳酸リンゲル液、有機化学溶液(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はプロピレングリコール)、油(例えば、鉱物油、シリコーン油、フッ化炭素油)、液体金属、フレオン、ハロメタン、液化プロパン、他のハロアルカン、無水アンモニア、二酸化硫黄、及びその臨界点で又は臨界点付近で圧縮された冷却ガスから選択される。
【0060】
図3は、細長い管状体外部部分5の遠位端が、1つ以上の高熱伝導領域13を含む(
図3に示されるように、1つの高熱伝導領域13がある)可撓性シース1を示す。いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13は、細長い管状体遠位端5が組織領域に対して所望の位置で安定化されるように、組織領域との接触時に組織領域と選択的に付着するように構成されている。
【0061】
高熱伝導領域13は、細長い管状体外部部分8の遠位端に沿った特定の位置付けに限定されない。いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、高熱伝導領域13は、細長い管状体外部部分8の遠位端の一部分(例えば、1%、5%、10%、25%、45%、49.9%、50%、55%、62%、70%、79.5%、85%、90%、92%、93.5%、98%、99%、99.99%)を包み込む。いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13は、細長い管状体外部部分8の遠位端の一部分(例えば、1%、5%、10%、25%、45%、49.9%、50%、55%、62%、70%、79.5%、85%、90%、92%、93.5%、98%、99%、99.99%)のみを被覆し、細長い管状体外部部分8の遠位端の全体を包み込まない。
【0062】
可撓性シースは、特定の数の高熱伝導領域13に限定されない。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、1つの高熱伝導領域13が存在する。いくつかの実施形態では、細長い管状体外部部分8の遠位端に沿って位置付けられた2個、3個、5個、8個、10個、25個、100個、1000個などの高熱伝導領域13が存在する。
【0063】
高熱伝導領域13は、細長い管状体遠位端5が組織領域に対して所望の位置で安定化されるように、組織領域との接触時に組織領域と選択的に付着する特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13は、細長い管状体遠位端5が、高熱伝導領域13の選択的温度調整によって組織領域に対して所望の位置で安定化されるように、組織領域との接触時に組織領域と選択的に付着することができる。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性シース1が所望の位置に位置付けられたとき、高熱伝導領域13の選択的な低減は、組織領域が高熱伝導領域13上で凝固することを可能にし、それによって細長い管状体遠位端5をその所望の位置に固定する。いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13の選択的な低減は、組織領域が高熱伝導領域13上で凝固することを可能にし、それによって、中空ポート9を介したデバイスの挿入及び抜去中に、細長い管状体遠位端5をその所望の位置に固定する。高熱伝導領域13が組織領域で固定されるいくつかの実施形態では、高熱伝導領域13の温度を選択的に上昇させると、組織領域が高熱伝導領域13から分離(例えば、融解)される。
【0064】
可撓性シース1は、高熱伝導領域13の温度を選択的に維持する特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13の温度は、細長い管状体遠位端収容領域11の内外への冷却剤の循環によって維持及び/又は調整される。実際に、高熱伝導領域13の位置付けは、細長い管状体遠位端収容領域11内に循環される冷却剤が、高熱伝導領域13の温度調整/維持をもたらすようになっている。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性シース1が所望の組織位置に位置付けられると、冷却剤は細長い管状体遠位端収容領域11内に循環され、それにより、高熱伝導領域13の温度は、組織領域が高熱伝導領域上に付着する(例えば、凝固する)レベルまで下げられる。例えば、組織領域の高熱伝導領域13との付着を維持することは、そのような付着を可能にする温度に高熱伝導領域13を保持するために、細長い管状体遠位端収容領域11内への冷却剤の十分な循環を維持することによって達成される。例えば、細長い管状体遠位端収容領域11内への冷却剤の循環を低減することで高熱伝導領域13の温度を上昇させることにより、高熱伝導領域13からの組織領域の分離が促進される。例えば、細長い管状体遠位端収容領域11内へのより高い温度の冷却剤の循環を増加することで高熱伝導領域13の温度を上昇させることにより、高熱伝導領域13からの組織領域の分離が促進される。
【0065】
いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13の温度は、細長い管状体収容領域11の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節される。
【0066】
いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13の材料は、金属、プラスチック、セラミック、又はこれらの混合物のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、高熱伝導領域13の材料は可撓性である(例えば、可撓性シース1の残部と同じ程度の可撓性である)。
【0067】
図4は、細長い管状体外部部分5の遠位端が可撓性-剛性領域14を含む可撓性シース1を示す。いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14は、可撓性状態と剛性状態とを選択的に交互に繰り返すように構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14は、可撓性領域14と接触する組織領域に対して細長い管状体遠位端5を安定化させる目的で、可撓性状態と剛性状態とを選択的に交互に繰り返すように構成されている。
【0068】
可撓性-剛性領域14は、細長い管状体外部部分8の遠位端に沿った特定の位置付けに限定されない。いくつかの実施形態では、
図4に示されるように、可撓性-剛性領域14は、細長い管状体外部部分8の遠位端の一部分(例えば、1%、5%、10%、25%、45%、49.9%、50%、55%、62%、70%、79.5%、85%、90%、92%、93.5%、98%、99%、99.99%)を包み込む。いくつかの実施形態では、可撓性-剛性14は、細長い管状体外部部分8の遠位端の一部分(例えば、1%、5%、10%、25%、45%、49.9%、50%、55%、62%、70%、79.5%、85%、90%、92%、93.5%、98%、99%、99.99%)のみを被覆し、細長い管状体外部部分8の遠位端の全体を包み込まない。
【0069】
可撓性-剛性領域14は、可撓性-剛性領域14と接触する組織領域に対して細長い管状体遠位端5を選択的に安定化させる特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14は、可撓性-剛性領域14の選択的温度調整を通じて、可撓性-剛性領域14と接触する組織領域に対して細長い管状体遠位端5を選択的に安定化させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性シース1が所望の位置に位置付けられたとき、可撓性-剛性領域14の温度を選択的に上昇させることにより、可撓性-剛性領域14が剛性状態になり、細長い管状体遠位端5を所望の位置に固着させることが容易になる。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性シース1が所望の位置に位置付けられたとき、可撓性-剛性領域14の温度を選択的に上昇させることにより、可撓性-剛性領域14が剛性状態になり、中空ポート9を介したデバイスの挿入及び抜去中の細長い管状体遠位端5を所望の位置に固着させることが容易になる。可撓性-剛性領域14が組織領域に固着される(例えば、可撓性-剛性領域14が剛性状態にある)いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14の温度を選択的に低下させることにより、可撓性-剛性領域14が可撓性状態に移行し、それによって、細長い管状体遠位端5が組織領域との固着から解放される。
【0070】
可撓性シース1は、可撓性状態と剛性状態との間を交互にする目的で、可撓性-剛性領域14の温度を選択的に維持する特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14の温度は、細長い管状体遠位端収容領域11の内外への循環冷却剤を介して維持及び/又は調整される。実際に、可撓性-剛性領域14の位置付けは、細長い管状体遠位端収容領域11内に循環する冷却剤が、可撓性-剛性領域14の温度調整/維持をもたらすようになっている。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性シース1が所望の組織位置に位置付けられると、可撓性-剛性領域14の所望の剛性又は可撓性を達成するために、可撓性-剛性領域14の温度の上昇又は低下又は維持のいずれかが行われるように冷却剤が細長い管体遠位端収容領域11へと循環され、それによって組織領域との固着又は組織領域との固着解除のいずれかが達成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14は、摂氏約15~25度の適切なガラス転移温度を有する熱可塑性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、乳酸とカプロラクトンとのコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、L-ラクチドとカプロラクトンとのコポリマー、例えば、L-ラクチド対カプロラクトンモノマー比が70:30以下であるポリ(L-ラクチド-co-カプロラクトン)を含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性領域は、PURASORB(登録商標)PLC-7015として、オランダのホルクムにあるPurac Biomaterialsから市販されている。
【0072】
いくつかの実施形態では、可撓性-剛性領域14の温度は、細長い管状体収容領域11の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節される。
【0073】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、操縦可能なプルリングを更に含む。このような実施形態は、操縦可能なプルリングの特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、操縦可能なプルリングの操作を介して、ユーザーが可撓性シースを手動で操縦することを可能にする任意の構成を有する(例えば、ワイヤの一方又は両方の操作によって、シースの湾曲又は操縦がもたらされる)。
【0074】
いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の方法で又は任意の所望の方向に操縦することを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の曲線角度(例えば、1~180度)で操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の曲げ角度(例えば、1~360度)で操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の曲げ半径(例えば、1~360度)で操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の曲線直径で操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望のリーチ(例えば、.1~100mm)で操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望のカールで操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望のスイープで操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の曲線(例えば、対称又は非対称)(例えば、多曲線又は複合曲線)で操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望のループで操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリングは、可撓性シースを任意の所望の偏向(例えば、面内偏向、面外偏向)で操縦することを可能にする。
【0075】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される可撓性シース、一次カテーテル、及び1つ以上の好適なツール(例えば、エネルギー送達デバイス、操縦可能なナビゲーションカテーテル)が提供される、治療内視鏡処置のためのシステムを提供する。
【0076】
そのような実施形態は、一次カテーテルの特定のタイプ又は種類に限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の一次カテーテルは内視鏡である。いくつかの実施形態では、当業者に既知の任意の好適な内視鏡は、本発明において一次カテーテルとして役立つ。いくつかの実施形態では、一次カテーテルは、当該技術分野において周知の1つ以上の内視鏡及び/又は気管支鏡の特性、並びに本明細書に記載される特性を帯びている。従来の可撓性気管支鏡の1つのタイプは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,880,015号に記載されている。気管支鏡は、長さが790mmあり、作業ヘッド及び挿入チューブという2つの主要部分を有する。作業ヘッドは、アイピースと、視度調節リングを有する接眼レンズと、吸引管、吸引弁、及び光源用の取付け具と、様々なデバイス及び流体を作業チャネルの中に通し、気管支鏡の遠位端の外から出すことができるアクセスポート又は生検入口と、を含む。作業ヘッドは、通常長さが580mmあり、直径が6.3mmある挿入チューブに取り付けられる。挿入チューブは、遠位先端において対物レンズで終わる光ファイバーの束、導光板、及び作業チャネルを含む。本発明の実施形態において用途を見出し得る他の内視鏡及び気管支鏡、又は本発明との用途を見出し得る部分は、米国特許第7,473,219号、同第6,086,529号、同第4,586,491号、同第7,263,997号、同第7,233,820号、及び同第6,174,307号に記載されている。
【0077】
そのような実施形態は、操縦可能なナビゲーションカテーテルの特定のタイプ又は種類に限定されない。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルは、一次カテーテル(例えば、内視鏡)及び可撓性シースのルーメン内部に適合するように構成されている。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルは、挿入部位(例えば、口、被験体の身体の切開部など)から治療部位まで延在するのに十分な長さである(例えば、50cm...75cm...1m...1.5m...2m...5m...15m)。いくつかの実施形態では、チャネルカテーテルは、一次カテーテル(例えば、内視鏡)のリーチを越えて治療部位(例えば、末梢肺組織)に達するのに十分な長さである。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルの動きが可撓性シースの同期的な動きをもたらすように、操縦可能なナビゲーションカテーテルは、可撓性シースに係合する。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルが被験体内の経路に沿って挿入されるとき、操縦可能なナビゲーションカテーテルを取り囲む可撓性シースは、操縦可能なナビゲーションカテーテルと共に動く。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、操縦可能なナビゲーションカテーテルによって被験体内部に配置される。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルを可撓性シースから係合解除することができる。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルと可撓性シースとの係合解除は、可撓性シースが移動することなく、更に経路に沿った操縦可能なナビゲーションカテーテルの移動を可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルと可撓性シースとの係合解除は、可撓性シースが移動することなく、可撓性シースを介した操縦可能なナビゲーションカテーテルの後退を可能にする。
【0078】
そのような実施形態は、エネルギー送達デバイスの特定のタイプ又は種類(例えば、アブレーションデバイス、外科用デバイスなど)に限定されない(例えば、米国特許第7,101,369号、同第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,878,147号、同第6,823,218号、同第6,817,999号、同第6,635,055号、同第6,471,696号、同第6,383,182号、同第6,312,427号、同第6,287,302号、同第6,277,113号、同第6,251,128号、同第6,245,062号、同第6,026,331号、同第6,016,811号、同第5,810,803号、同第5,800,494号、同第5,788,692号、同第5,405,346号、同第4,494,539号、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第11/237,136号、同第11/236,985号、同第10/980,699号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、同第10/834,802号、同第10/370,179号、同第09/847,181号、英国特許出願第2,406,521号、同第2,388,039号、欧州特許第1395190号、及び国際公開第06/008481号、同第06/002943号、同第05/034783号、同第04/112628号、同第04/033039号、同第04/026122号、同第03/088858号、同第03/039385号、同第95/04385号を参照されたく、各々は、その全体にわたって参照により本明細書に援用される)。このようなエネルギー送達デバイスは、特定の種類のエネルギーを放出することに限定されない。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、高周波エネルギーを放出することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、マイクロ波エネルギーを放出することができる。そのようなデバイスは、エネルギー放出のために構成されたありとあらゆる医学的、獣医学、及び研究用のアプリケーションデバイス、並びに農業設定、製造設定、機械的設定、又はエネルギーが送達される任意の他の用途において使用されるデバイスを含む。
【0079】
本発明の治療内視鏡処置用のシステムは、特定の用途に限定されない。実際に、本発明のそのようなシステムは、エネルギーの放出が適用できる任意の設定において使用するために設計される。そのような使用としては、ありとあらゆる医学的、獣医学的、及び研究用途が挙げられる。加えて、本発明のシステム及びデバイスは、農業設定、製造設定、機械的設定、又はエネルギーが送達される任意の他の用途において使用され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に記載の可撓性シースが役立ち得る任意のタイプの処置のために構成されている。例えば、システムは、直視下手術、経皮、血管内、心臓内、腔内、内視鏡、腹腔鏡、又は外科的エネルギー送達に役立つ。
【0081】
本発明は、標的組織又は領域の性質によって限定されない。用途としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、出血の任意の他の制御のための出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌などの食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨、及び良性骨性病態の治療、眼内用途、整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば、転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の可撓性シースを含むシステムは、肺、脳、首、胸、腹、及び骨盤が挙げられるがこれらに限定されない任意の所望の位置における、組織又は有機体に対する最小の損傷を伴う動き及び位置付けのために構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、CT、超音波、磁気共鳴撮像、蛍光透視などによる誘導送達のために構成されている。実際に、いくつかの実施形態では、そのようなシステムの挿入された構成要素は全て、被験体を通って(例えば、分岐構造を通って、気管支樹を通ってなど)狭くかつ遠回りの経路に沿って移動するために構成されている。
【0082】
特定の実施形態では、本発明は、組織領域及び本明細書に記載のシステム(例えば、一次カテーテル(例えば、内視鏡)、本明細書に記載の可撓性シース、及びエネルギー送達デバイス(例えば、マイクロ波アブレーションカテーテル)と、プロセッサ、電源、温度モニタ、撮像装置、調整システム、温度低減システム、及び/又はデバイス配置システムのうちの少なくとも1つの構成要素と、を提供することと、組織領域付近にエネルギー送達デバイスの一部を位置決定することと、デバイスで一定量のエネルギーを組織領域に送達することと、を含む、組織領域の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、エネルギー送達により、例えば、組織領域及び/若しくは血管の血栓症の切除、並びに/又は組織領域の電気穿孔法が行われる。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、組織領域は、肺、心臓、肝臓、生殖器、胃、肺、大腸、小腸、脳、首、骨、腎臓、筋肉、腱、血管、前立腺、膀胱、及び脊髄のうちの1つ以上を含む。
【0083】
上記明細書に記した全ての刊行物及び特許は、それらの全体が完全に本明細書において参照により組み込まれる。記載された本技術の範囲及び主旨から逸脱することなく、本技術の記載されたコンポジション、方法及び使用の様々な修正及び変更が、当業者には明らかとなるであろう。本技術は、特定の例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、特許請求される発明はそのような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、当業者に明らかである、本発明を実行するための記載された方法の様々な修正は、以下の「特許請求の範囲」の範囲内であることが意図される。
【0084】
〔実施の態様〕
(1) 内視鏡処置で使用するための可撓性シースであって、
前記可撓性シースは、a)近位端開口部を有する細長い管状体近位端及び遠位端開口部を有する細長い管状体遠位端と、b)細長い管状体内部部分及び細長い管状体外部部分と、を含む細長い管状体を備え、前記細長い管状体内部部分は、前記細長い管状体近位端から前記細長い管状体遠位端まで延在し、前記細長い管状体外部部分は、前記細長い管状体近位端から前記細長い管状体遠位端まで延在し、
前記細長い管状体内部部分は、前記近位端開口部に入り、前記細長い管状体近位端を通り、前記細長い管状体遠位端を通り、前記遠位端開口部の外へと延在する中空ポートを含み、前記中空ポートのサイズは、前記中空ポートに入り、前記中空ポートを通り、前記中空ポートから出る、適切なサイズのツールの通過に適合し得るようになっており、
前記可撓性シースの直径は5mm未満であり、
前記細長い管状体外部部分の前記遠位端は、1つ以上の高熱伝導領域又は1つ以上の可撓性-剛性領域を含み、
前記1つ以上の高熱伝導領域は、前記細長い管状体遠位端が組織領域に対して所望の位置で安定化されるように、前記組織領域との接触時に前記組織領域と選択的に固着するように構成されており、
前記1つ以上の高熱伝導領域の組織領域との固着時に、前記1つ以上の高熱伝導領域は、前記細長い管状体遠位端が前記組織領域に対して前記所望の位置から不安定化されるように、前記組織領域から選択的に分離するように構成されており、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域は、可撓性状態と剛性状態とを選択的に交互に繰り返すように構成されており、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域が剛性状態にある場合、前記細長い管状体遠位端は、前記可撓性-剛性領域と接触する組織領域に対して所望の位置で安定化され、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域が可撓性状態にある場合、前記細長い管状体遠位端は、前記可撓性-剛性領域と接触する組織領域に対して安定化されない、可撓性シース。
(2) 前記細長い管状体内部部分は、細長い管状体の冷却剤取込チャネルと、細長い管状体遠位端収容領域と、細長い管状体の冷却剤排出チャネルと、を更に含み、
前記細長い管状体遠位端収容領域は、前記細長い管状体遠位端に位置付けられており、
前記細長い管状体内部部分は、a)前記細長い管状体の冷却剤取込チャネルを介して前記細長い管状体近位端内に冷却剤を受容し、b)前記細長い管状体の冷却剤取込チャネルを通して受容された前記冷却剤を前記細長い管状体遠位端収容領域へと循環させ、c)前記細長い管状体遠位端収容領域から前記細長い管状体の排出チャネルを通して前記細長い管状体近位端の外へと前記冷却剤を循環させるように構成されており、
前記細長い管状体の排出チャネルの直径は、前記細長い管状体の取込チャネルの直径よりも大きいか、又は
前記細長い管状体の排出チャネルの直径は、前記細長い管状体の取込チャネルの直径よりも小さいか、又は
前記細長い管状体の排出チャネルの直径及び前記細長い管状体の取込チャネルの直径は同一であり、
前記中空ポート、前記細長い管状体の取込チャネル、及び前記細長い管状体の排出チャネルは、多軸方式で位置付けられているか、又は
前記中空ポート、前記細長い管状体の取込チャネル、及び前記細長い管状体の排出チャネルは、同軸方式で同心円状に位置付けられており、
前記冷却剤は、水、グリコール、空気、不活性ガス、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、六フッ化硫黄、イオン溶液(例えば、カリウム及び他のイオンを含むか又は含まない塩化ナトリウム)、水中デキストロース、乳酸リンゲル液、有機化学溶液(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はプロピレングリコール)、油(例えば、鉱物油、シリコーン油、フッ化炭素油)、液体金属、フレオン、ハロメタン、液化プロパン、他のハロアルカン、無水アンモニア、二酸化硫黄、及びその臨界点で又は臨界点付近で圧縮された冷却ガスから選択される、実施態様1に記載の可撓性シース。
(3) 前記1つ以上の高熱伝導領域は、組織領域に対する所望の位置で前記細長い管状体遠位端を安定化させるために、前記組織領域の凝固を引き起こす温度を達成し、維持して、前記組織領域の前記高熱伝導領域への固着を促進するように構成されており、
前記1つ以上の高熱伝導領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって調節され、
前記1つ以上の高熱伝導領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節される、実施態様2に記載の可撓性シース。
(4) 前記1つ以上の高熱伝導領域は、金属、プラスチック、セラミック、又はこれらの混合物のうちの1つ以上を含み、
前記1つ以上の高熱伝導領域は可撓性である、実施態様3に記載の可撓性シース。
(5) 前記1つ以上の可撓性-剛性領域は、摂氏約15~25度の適切なガラス転移温度を有する熱可塑性ポリマーを含む、実施態様2に記載の可撓性シース。
【0085】
(6) 前記熱可塑性ポリマーは、乳酸とカプロラクトンとのコポリマーを含み、
前記熱可塑性ポリマーは、L-ラクチドとカプロラクトンとのコポリマー、例えば、L-ラクチド対カプロラクトンモノマー比が70:30以下であるポリ(L-ラクチド-co-カプロラクトン)を含む、実施態様5に記載の可撓性シース。
(7) 前記熱可塑性領域は、PURASORB(登録商標)PLC-7015として、オランダのホルクムにあるPurac Biomaterialsから市販されている、実施態様5に記載の可撓性シース。
(8) 前記1つ以上の可撓性-剛性領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって調節され、
摂氏約-40度での可撓性-剛性領域温度の維持は、前記1つ以上の可撓性-剛性領域の可撓性状態をもたらし、
摂氏約-5度での可撓性-剛性領域温度の維持は、前記1つ以上の可撓性-剛性領域の剛性状態をもたらし、
前記1つ以上の可撓性-剛性領域の前記温度は、前記細長い管状体収容領域の内外への冷却剤の循環によって、ジュールトムソン効果、吸熱化学反応、又は発熱化学反応を介して調節され、
前記細長い管状体内部領域は、ユーザーが任意の所望の方法で前記可撓性シースを操縦することを可能にするように構成された操縦可能なプルリングを更に含み、
前記可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されており(例えば、前記可撓性シースはマイクロ波対応である)、
前記可撓性シースは、高温に関連する損傷を被ることなく、高温にさらされた組織領域内で動作可能であるように設計されている(例えば、前記可撓性シースは、熱抵抗性である)、実施態様5に記載の可撓性シース。
(9) 前記適切なサイズのツールは、栓子、アブレーションプローブ、エネルギー送達デバイス、生検ツールなどから選択され、
前記可撓性シースは、被験体を通って(例えば、枝分かれ構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って所望の位置に到達するように)回り道の経路にアクセスするのに十分な可撓性を有し、
前記細長い管状体の組成物は、ポリマー材料であり、
前記細長い管状体の前記組成物は、より高い温度の定格ポリマー材料(higher temperature rated polymer material)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、熱可塑性コポリエステル(例えば、Arnitel)、及びフルオロポリマー(例えば、アルカン(MFA)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA))から選択される、実施態様1に記載の可撓性シース。
(10) 一次カテーテルと、実施態様1に記載の可撓性シースと、エネルギー送達デバイスと、を備えるシステム。
【0086】
(11) 前記一次カテーテルは内視鏡である、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記エネルギー送達デバイスはマイクロ波エネルギー送達デバイスである、実施態様10に記載のシステム。
(13) 組織領域を治療する方法であって、実施態様10に記載のシステムを提供することと、前記一次カテーテルを組織領域に挿入することと、前記一次カテーテルを通して治療されるべき所望の組織領域に前記可撓性シースを挿入することと、前記1つ以上の高熱伝導領域又は前記1つ以上の可撓性-剛性領域のいずれかを介して、前記治療されるべき所望の組織領域に前記可撓性シースを固定することと、前記可撓性シースを通して前記治療されるべき所望の組織領域に前記エネルギー送達デバイスを挿入することと、前記治療されるべき組織領域を前記エネルギー送達デバイスで治療することと、を含む、方法。
(14) 前記治療されるべき組織領域は被験体内にある、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記被験体はヒト被験体である、実施態様14に記載の方法。
【国際調査報告】