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特表2022-524098シャワー装置およびこのようなシャワー装置を備えたシャワー付きトイレ
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  • 特表-シャワー装置およびこのようなシャワー装置を備えたシャワー付きトイレ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】シャワー装置およびこのようなシャワー装置を備えたシャワー付きトイレ
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
E03D9/08 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553088
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2020055306
(87)【国際公開番号】W WO2020182494
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】102019105972.0
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トルステン マイヤー
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038JB00
2D038JB08
2D038JF00
2D038JH02
(57)【要約】
シャワー付きトイレ(1)用のシャワー装置(24)であって、シャワー装置(24)は、ユーザの局部洗浄のためのシャワー接続部(10)を有する少なくとも1つのシャワーアーム(9)を備えており、シャワーアーム(9)は、水供給管路(11)を介してサーモスタット(12)に接続されており、サーモスタット(12)は、冷水接続部(13)と温水接続部(14)とに接続されており、サーモスタット(12)内で、予め規定されて温度調節された流体流(17)の形成のために冷水(15)と温水(16)との混合が行われ、サーモスタット(12)は火傷防止部(18)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー付きトイレ(1)用のシャワー装置(24)であって、該シャワー装置(24)は、ユーザの局部洗浄のためのシャワー接続部(10)を有する少なくとも1つのシャワーアーム(9)を備えており、該シャワーアーム(9)は、水供給管路(11)を介してサーモスタット(12)に接続されており、前記サーモスタット(12)は、冷水接続部(13)と温水接続部(14)とに接続されており、前記サーモスタット(12)内で、予め規定されて温度調節された流体流(17)の形成のために冷水(15)と温水(16)との混合が行われ、前記サーモスタット(12)は、火傷防止部(18)を備えている、シャワー装置(24)。
【請求項2】
前記シャワー装置(24)の操作ユニット(19)を介して、少なくともシャワー機能を提供するために前記予め規定されて温度調節された流体流(17)が要求可能である、請求項1記載のシャワー装置(24)。
【請求項3】
前記シャワー装置(24)は電気的な接続部を有していない、請求項1または2記載のシャワー装置(24)。
【請求項4】
前記流体流(17)の温度は、専ら前記サーモスタット(12)において調節可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のシャワー装置(24)。
【請求項5】
前記サーモスタット(12)は、前記冷水接続部(13)に接続する第1の供給部(21)と、前記温水接続部(14)に接続する第2の供給部(22)と、前記水供給管路(11)に接続する流出部(23)と、を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のシャワー装置(24)。
【請求項6】
前記サーモスタット(12)は、シャワー付きトイレ(1)またはシャワー付きトイレ(1)のトイレ便座(25)内に、あるいはシャワー付きトイレ(1)から離間して配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のシャワー装置(24)。
【請求項7】
少なくとも1つの排水流出部(3)と、前記トイレ本体(2)の洗浄領域(8)に洗浄水(7)を導入する洗浄水供給部(26)とを備えたトイレ本体(2)と、請求項1から6までのいずれか1項記載のシャワー装置(24)と、を少なくとも備えている、シャワー付きトイレ(1)。
【請求項8】
前記シャワー付きトイレ(1)は、前記洗浄水供給部(26)に接続された洗浄水流入部(5)と、前記洗浄水槽(4)から前記トイレ本体(2)の前記洗浄領域(8)に洗浄水(7)を導入する洗浄水流出部(6)とを備えた洗浄水槽(4)を有している、請求項7記載のシャワー付きトイレ(1)。
【請求項9】
前記シャワー付きトイレ(1)は、電気的な接続部を有しておらず、水接続部(20)のみを有しており、該水接続部(20)は、前記洗浄水供給部(5)および前記トイレ用シャワー装置(1)の水供給管路(11)を前記水接続部(20)に接続する、請求項7または8記載のシャワー付きトイレ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー付きトイレ(Dusch-WC)用のシャワー装置に関する。シャワー装置は、サーモスタットを備えている。シャワー装置は、少なくとも1つのシャワーアームを備えており、このシャワーアームを介して、シャワー付きトイレのユーザの局部洗浄を行うことができる。
【背景技術】
【0002】
シャワー付きトイレは、たとえばフラッシュバルブを介して洗浄水供給部に接続されているか、または洗浄水槽(たとえば埋込み式水槽または装着された水タンク等)を備えている。洗浄水槽は、洗浄水供給部に接続された、洗浄水槽内に水を導入する洗浄水流入部と、洗浄水槽からトイレ本体の洗浄領域へと洗浄水を流す洗浄水流出部とを備えている。
【0003】
独国特許出願公開第102012211655号明細書からは、シャワー付きトイレが公知である。このシャワー付きトイレは、冷水管路および温水管路に接続されるか、または圧力を維持する貫流式ボイラが使用される。貫流式ボイラは、必要な水だけを加熱する。さらに、温水および冷水の予混合を壁内または前壁内で行うことができることが開示される。
【0004】
さらに中国実用新案第202248182号明細書からは、シャワーアームを介して提供された水を電気的に加熱するシャワー付きトイレが公知である。
【0005】
電気的な接続部を有しないシャワー付きトイレの使用時には、シャワー機能のために温水を使用することができる可能性がないことが頻繁にある。トイレのために冷水接続部しか設けられていないことはままあるので、したがってこれにより温度調節された流体流または水流の提供は不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、先行技術に関連して説明した問題を少なくとも部分的に解決することである。特に、シャワー機能のために温水を提供することができるシャワー装置を提案することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、請求項1記載の特徴を有するシャワー装置が寄与する。有利な改良形は、従属請求項の対象である。特許請求の範囲において個別に記載された特徴は、技術的に有意な形式で互いに組み合わせ可能であり、明細書および/または図面に示された詳細に基づいて説明した状況によって補足することができる。本発明の別の実施バリエーションが提示される。
【0008】
シャワー付きトイレ用のシャワー装置が提案される。シャワー装置は、ユーザの局部洗浄のためのシャワー接続部を有する少なくとも1つのシャワーアームを備えている。シャワーアームは、水供給管路を介してサーモスタットに接続されている。サーモスタットは、冷水接続部と温水接続部とに接続されており、サーモスタット内で、予め規定されて温度調節された流体流の形成のために冷水と温水との混合が行われ、サーモスタットは、火傷防止部を備えている。
【0009】
特に、シャワー装置の操作ユニットを介して、少なくともシャワー機能を提供するために予め規定されて温度調節された流体流が要求可能である。
【0010】
特に、シャワー装置は、電気的な接続部を有していない。
【0011】
特に、流体流の温度は、専らサーモスタットにおいて調節可能である。
【0012】
特に、サーモスタットは、(専ら)冷水接続部に接続する第1の供給部と、(専ら)温水接続部に接続する第2の供給部と、(専ら)水供給管路に接続する流出部とを有している。
【0013】
特に、サーモスタットは、シャワー付きトイレ、またはシャワー付きトイレのトイレ便座内に配置されているか、あるいはシャワー付きトイレから離間して配置されている。
【0014】
さらに、シャワー付きトイレであって、
・(排水をシャワー付きトイレから、排水流出部に接続可能な排水管路へと導出するための)少なくとも1つの排水流出部と、洗浄水をトイレ本体の洗浄領域に導入する洗浄水供給部とを備えたトイレ本体と、
・上述のシャワー装置と、
を少なくとも備えている、シャワー付きトイレが提案される。
【0015】
シャワー付きトイレは、たとえばフラッシュバルブを介して洗浄水供給部に接続されているか、または洗浄水槽(たとえば埋込み式水槽または装着された水タンク等)を備えている。洗浄水槽は、洗浄水供給部に接続された、洗浄水槽内に水を導入する洗浄水流入部と、洗浄水槽からトイレ本体の洗浄領域へと洗浄水を流す洗浄水流出部とを備えている。
【0016】
特に、シャワー付きトイレは、洗浄水槽を有しており、洗浄水槽は、洗浄水供給部に接続された(洗浄水供給管路から洗浄水槽内に(洗浄)水を導入する)洗浄水流入部と、洗浄水槽からトイレ本体の洗浄領域に洗浄水を導入しまたは流す洗浄水流出部とを備えている。
【0017】
特に、シャワー付きトイレは、電気的な接続部を有しておらず、水接続部のみを有しており、この水接続部は、洗浄水供給部およびトイレ用シャワー装置の水供給管路を水接続部に接続するために設けられている。つまり、特に、水接続部の上流側にサーモスタットが配置されており、洗浄水供給部には同様に専らサーモスタットを介して洗浄水が供給可能である。
【0018】
特に、シャワー付きトイレの操作ユニットを介して、予め規定されて温度調節された流体流が、洗浄水槽を充填するか、または洗浄領域を洗浄し、かつシャワー機能を提供するために要求可能である。
【0019】
特に、しばしばトイレの近傍には、温水接続部および冷水接続部を備えた洗面台がある。サーモスタットの使用により、温水接続部および冷水接続部を、シャワー付きトイレの近傍で使用することができ、これによりシャワー付きトイレに向かう、特にシャワーアームに向かう流体流の最大温度を調節することができる。したがって、シャワー付きトイレのそれ以外は通常の冷水接続部に温水を提供することができ、同時に火傷防止を保証することができる。
【0020】
火傷防止は、サーモスタット式の混合部材において、部材内での流出温度の制限によって実施することができる。
【0021】
特に、シャワー付きトイレに供給する水の温度を摂氏65℃未満、摂氏55℃未満、または摂氏45℃未満に制限すると、望まれない重度の火傷または上述の低い温度での皮膚の炎症を確実に防ぐことができる。
【0022】
付加的に圧力変動および/または冷水管路の故障に対する保護を有し、その場合に温水供給も停止するサーモスタットが使用された場合、火傷防止の確実性がさらに高まる。
【0023】
特に、サーモスタット内で冷水および温水から混合された流体流の最高温度をサーモスタットにおいて確実に予め設定することができる。特に、サーモスタットを介して摂氏30℃~45℃の温度が調節され、これによりシャワーアームを介して、シャワー付きトイレのユーザに局部洗浄のために予熱された流体流を提供することができる。
【0024】
(シャワー装置および/またはシャワー付きトイレの)操作ユニットを介して、特に(洗浄水槽から、洗浄水流出部を介してまたは洗浄水供給管路から洗浄領域への洗浄水の導入による)洗浄領域の洗浄は、制御ユニットを介して要求することができる。また、この要求に、洗浄水流入部を介した洗浄水槽の充填が結びついているか、または次いで洗浄水槽の充填を行うことができる。
【0025】
さらに、操作ユニットを介して(共通した操作または個別に実施可能な操作において)、シャワーアームを介したシャワー機能を要求することができる。
【0026】
特に、洗浄水を、洗浄水流入部を介して洗浄水槽に、または洗浄水供給部を起点として洗浄領域に導入することは、シャワーアームを介したシャワー機能の作動に対して時間的にずらして行うことができる。したがって特に、たとえば、洗浄水供給部およびシャワーアームにサーモスタットを介して一緒に水が供給可能である場合、シャワーアームを介して水供給管路から既存の(したがって、場合によっては十分に温度調節されていない)水が供給されるのではなく、サーモスタットによって現在混合され、したがって温度調節された水のみが供給されることを確実にすることができる。
【0027】
特に、シャワー装置および/またはシャワー付きトイレは、(特に、操作および/または水の温度調節のためではない)電気的な接続部を有しておらず、場合によっては1つの水接続部しか有していない。シャワー付きトイレの唯1つの水接続部は、特に、洗浄領域を洗浄する洗浄水供給部と、シャワーアームの水接続部とを一緒に水接続部に接続するために働く。
【0028】
特に、温度調節された流体流の提供がサーモスタットによって、かつサーモスタット内における温水と冷水との場合によっては必要となる混合によって行われるので、貫流式ボイラおよび/または電気的な接続線路を削減することができる。
【0029】
さらに、特に加熱された水を貯蔵するためにさもなければ必要となる構造空間を削減することができる。
【0030】
サーモスタットは、特にシャワー装置の領域(たとえば、シャワー付きトイレまたはシャワー付きトイレのトイレ便座内)に配置されているか、またはシャワー装置およびシャワー付きトイレから離間して配置されていてよい。
【0031】
予め、本明細書において使用される数詞(「第1の」,「第2の」...)は、主に複数の同種の対象物、パラメータまたはプロセスを区別するために(のみ)役立ち、特にこれらの対象物、パラメータまたはプロセスの相互の依存関係および/または順序を必ずしも規定していないことに留意されたい。依存関係および/または順序が必要である場合、これらは本明細書において明示されているか、または具体的に説明された実施形態の検討時に当業者にとって明らかとなる。1つの構成部分が複数回記載され得る限り(「少なくとも1つ」)、これらの構成部分のうちの1つ構成部分の説明は、複数の構成部分の全てまたは一部に同様に適用することができるが、このことは必須ではない。
【0032】
本発明および技術環境を以下に添付の図につき詳細に説明する。なお、本発明は、挙げられた実施例に制限されるべきではないことに留意されたい。特に、別に明示されない限り、図面において説明された実態の部分的な態様を抽出し、本明細書の別の構成部分や知見と組み合わせることも可能である。特に、図面または特に図示されているサイズ関係は単に概略的なものに過ぎないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】シャワー付きトイレを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
シャワー付きトイレ1は、(シャワー付きトイレ1から、排水流出部3に接続された排水管路内に排水を導出する)排水流出部3と、(水供給管路11から洗浄水槽4内に(洗浄)水7を導入する)洗浄水流入部5を備えた洗浄水槽4と、洗浄水槽4からトイレ本体2の洗浄領域8に洗浄水7を導入しまたは流す洗浄水流出部6と、を備えたトイレ本体2と、ユーザの局部洗浄のためのシャワーアーム9およびシャワー接続部10を有するシャワー装置24とを備えている。シャワー装置24のシャワーアーム9は、シャワー付きトイレ1のトイレ便座26内またはトイレ便座26に配置されている。洗浄水流入部5およびシャワー接続部10は、水供給管路11を介して、シャワー装置24のサーモスタット12に接続されている。水供給管路11は、本実施例では洗浄水供給管路26である。サーモスタット12は、冷水接続部13と温水接続部14とに接続されており、サーモスタット12内で、予め規定されて温度調節された流体流17を形成するために冷水15と温水16との混合が行われる。サーモスタット12は、火傷防止部18を備えている。シャワー付きトイレ1の操作ユニット19を介して、予め規定されて温度調節された流体流17が、洗浄水槽4を充填し、かつシャワー機能を提供するために要求可能である。
【0035】
シャワー付きトイレ1は、電気的な接続部を有しておらず、1つの水接続部20しか有していない。シャワー付きトイレ1の唯1つの水接続部20は、洗浄水流入部5およびシャワーアーム9のシャワー接続部10を水供給管路11または洗浄水供給管路26に接続する役割をする。
【0036】
流体流17の温度は、専らサーモスタット12において調節可能である。サーモスタット12は、専ら冷水供給部13に接続するための第1の供給部21と、温水接続部14に接続するための第2の供給部22と、水供給管路11に接続するための流出部23とを有している。
【符号の説明】
【0037】
1 シャワー付きトイレ
2 トイレ本体
3 排水流出部
4 洗浄水槽
5 洗浄水流入部
6 洗浄水流出部
7 洗浄水
8 洗浄領域
9 シャワーアーム
10 シャワー接続部
11 水供給管路
12 サーモスタット
13 冷水接続部
14 温水接続部
15 冷水
16 温水
17 流体流
18 火傷防止部
19 操作ユニット
20 水接続部
21 第1の供給部
22 第2の供給部
23 流出部
24 シャワー装置
25 トイレ便座
26 洗浄水供給部
図1
【国際調査報告】