(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】診断用光学装置を備えるバイモーダル超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20220420BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20220420BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
A61B8/00
A61B5/107
A61B10/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553104
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 FR2020050423
(87)【国際公開番号】W WO2020178522
(87)【国際公開日】2020-09-10
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521399962
【氏名又は名称】マイクロ フォトン デバイスィズ エスアールエル
【氏名又は名称原語表記】Micro Photon Devices Srl
(71)【出願人】
【識別番号】518312493
【氏名又は名称】ヴァーモン エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】VERMON S.A.
【住所又は居所原語表記】180 Rue du General Renault, BP 3813, F-37038 Tours Cedex 1, France
(71)【出願人】
【識別番号】510132347
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ
(71)【出願人】
【識別番号】501193001
【氏名又は名称】ポリテクニコ ディ ミラノ
【氏名又は名称原語表記】POLITECNICO DI MILANO
【住所又は居所原語表記】Piazza Leonardo da Vinci,3220133 MILANO-Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ティサ シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】ルッジェーリ アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ロジンスキ ボグダン
(72)【発明者】
【氏名】モンタルバン エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ディンテン ジャン-マルク
(72)【発明者】
【氏名】ピフェッリ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】タローニ パオラ
(72)【発明者】
【氏名】ダラ モラ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】トシ アルベルト
【テーマコード(参考)】
4C038
4C601
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA05
4C038VB22
4C038VC01
4C601GA01
4C601LL33
(57)【要約】
被検生体組織に押し当てるための携帯型バイモーダルプローブであって、超音波を出射し、反射された超音波を受信する超音波トランスデューサ(34、63)であって、横断方向軸に延びるトランスデューサと、横断方向軸の両側に配置された少なくとも2つのオプトード(32、60、62a、62b)であって、2つのオプトード間にトランスデューサが延びるように配置されたオプトードとを備え、各々のオプトードが、光波を出射する光源体(31)および/または拡散された光波を検出する光検出器(32)を具備するハウジング(52、61)を備え、オプトードが、トランスデューサの両側に少なくとも1つの光源体と少なくとも1つの光検出器とが配置されるようにレイアウトされ、少なくとも1つの光検出器が、半導体材料によって形成されて電子チップ(54)に接続された検出面積(53、63a、63b)を有する、バイモーダルプローブ。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検生体組織に押し当てるための携帯型バイモーダルプローブであって、
- 前記組織内に超音波を出射し、前記組織によって反射された超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサ(34、63)であって、横断方向軸に沿って延びるトランスデューサと、
- 前記横断方向軸の両側に配置された少なくとも2つのオプトード(32、60、62a、62b)であって、前記2つのオプトードの間に前記トランスデューサが延びるように配置されたオプトードと
を備え、
- 各々のオプトードが、
・ 前記組織に対して光波を出射するように構成された光源体(31)
・ および/または前記組織によって拡散された光波を検出するように構成された光検出器(32)
を具備するハウジング(52、61)を備え、
- 前記オプトードが、前記トランスデューサの両側に少なくとも1つの光源体と少なくとも1つの光検出器とが配置されるようにレイアウトされ、
- 少なくとも1つの光検出器が、半導体材料によって形成されて電子チップ(54)に接続された検出面積(53、63a、63b)を有する、バイモーダルプローブ。
【請求項2】
少なくとも1つのオプトードが、前記組織内に光波を出射するように構成された少なくとも1つの光源体と、前記組織によって拡散された光波を検出するように構成された光検出器とを備える、請求項1に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項3】
少なくとも1つの光源体が、レーザーダイオードまたは発光ダイオードである、請求項2に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項4】
オプトードが複数の光源体を備え、各光源体が、前記オプトードの別の光源体とは異なる波長で光を出射するように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項5】
前記光検出器が、検出される光子の計数を経時的に行うように構成された取得電子チップに接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項6】
少なくとも1つのオプトードがハウジング内に収められ、前記ハウジングが、開口部を画定する前面を備え、前記検出面積が前記前面よりも後退して配置され、前記開口部が前記オプトードに対して光を、または前記オプトードから光を伝達できる、請求項1から5のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項7】
前記開口部を通して延びる透明プレート(51、64a、64b)であって、前記バイモーダルプローブが前記組織に押し当てられたときに前記組織に接触して配置される透明プレートを、少なくとも1つのオプトードが備える、請求項6に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項8】
少なくとも1つのオプトードが、同一の前面に対して後退した位置で開口する複数の光検出器を備え、前記前面は開口部を画定し、前記オプトードが、光検出器の数と同じだけの透明プレートを備え、各々の透明プレートが、他の透明プレートから距離を置いて配置される、請求項7に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項9】
同一のオプトードの2つの透明プレートの間の距離が0.5mm超または1mm超である、請求項8に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項10】
複数の光源体と複数の光検出器とを備え、
- 前記光源体が前記横断方向軸(X)と平行に整列され、
- 前記光検出器が前記横断方向軸と平行に整列された、
請求項1から9のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項11】
前記光源体および/または前記光検出器がマトリックス構造で配分された、請求項10に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項12】
複数の光源体と複数の光検出器とを備え、光検出器と複数の光源体との距離が1mmから80mmの間で変動する、請求項1から11のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項13】
前記超音波トランスデューサが外部境界によって画定されており、前記超音波トランスデューサの前記外部境界と各光検出器との間の距離が0.5mmから20mmである、請求項1から12のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項14】
少なくとも1つのオプトードがハウジング(52、61)内に収められ、前記ハウジングが開口部を画定する前面を備え、前記開口部が前記オプトードに光を、または前記オプトードから光を伝達することができ、前記ハウジングが前記前面に対して垂直な側面を備え、前記側面が前記前面に対して垂直に延びる溝(72)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項15】
各々のオプトードがフランジ(64、70)によって音響トランスデューサと一体化するように保持され、前記フランジが、前記トランスデューサの両側に配置された少なくとも2つのオプトードに対して、各オプトードの前記溝(72)に係合される固定手段(74)によって固定される、請求項14に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項16】
前記固定手段が、各溝の中を前記フランジが並進する1mmから2mmの距離に応じて、各オプトードの位置調整の余地を残す、請求項15に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項17】
前記前面のレベルに広がる透明プレートを有するオプトードを用いた請求項14から16のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブの製造方法であって、
- フランジ(64)によってオプトード(62a、62b)を組み立てるステップであって、前記フランジが組立体の相対する2つのオプトードを連結し、前記フランジが、相対する前記オプトードの前記ハウジングに設けられた溝を並進するように構成されているステップと、
- 底を形成する面を有する型(61)の中に、各オプトードの前記透明プレートが前記型の前記底に当接されるように前記組立体を配置するステップと、
- 生体適合性のある重合性材料(65)で前記型を満たして、前記組立体の周りに前記材料が広がるようにするステップと、
- 前記生体適合性のある材料を重合させるステップと、
- 前記生体適合性のある材料が前記組立体の周りに被覆を形成するように、前記型から前記組立体を取り出すステップであって、取り出された前記組立体が前記プローブの先端部(35)を形成するステップと、
- 前記プローブの前記先端部を前記プローブのカバー(36、37)に固定するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記型の前記底がくぼみ(67)を備え、前記くぼみが、
- 各オプトードの前記透明プレートが前記型の前記底に当接されたとき、前記くぼみが少なくとも2つのオプトードの間に延びるように、
- 前記組立体を前記型から抜き取るとき、前記型の前記くぼみが前記生体適合性のある材料に中空のキャビティをあけるように、
形成され、前記方法が、前記組立体の抜取り後は、前記中空のキャビティ内への超音波トランスデューサ(63)の挿入を含み、前記超音波トランスデューサはあらかじめ保護被覆で覆われている、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
超音波トランスデューサ(63)が、前記型の型込めに先立ってフランジに連結されて、前記トランスデューサが前記組立体の一部となる、請求項17に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学モードと超音波モードを組み合わせた生体組織のインビボ診断のためのプローブ、ならびにがん性腫瘍の検出および分析のためのそのプローブの適用に関する。
【背景技術】
【0002】
医学診断における目的の1つは、真陽性を一切見逃すことなく、偽陽性の数を減らすように、感度と特異度を高めることにある。こうした目的は、異なる測定技術を組み合わせることによって果たすことができる。たとえば、生体組織の性状判定を改善するためにPET(ポジトロン断層法)スキャナとMRI(磁気共鳴イメージング)のスキャナを組み合わせる場合がそれである。超音波を光学測定と組み合わせることによっても、組織の性状判定を改善することができる。これらのモードは単純かつ安価な装置として統合することが可能であり、それは患者の枕元(ポイント・オブ・ケア)診断に関連した用途のためのものであることができる。
【0003】
光学測定に関しては、光源および/または光検出器を具備するメインユニットから延びる光ファイバをプローブ内に使用することが、先行技術ですでに記載されている。たとえば、米国特許出願公開第20140187958(A1)号明細書には、蛍光の特徴判定のための超音波トランスデューサと一連の光ファイバを備えるエンドキャビティ用途向け診断用プローブが記載されている。光ファイバの利用には次のような不都合が伴う。
- 小さな捕集面積と限られたデジタル開口
- 信号の減衰および歪み
- 低い柔軟性、プローブとメインユニットとをつなぐケーブルによって損なわれるロバスト性
【0004】
光音響検出はバイモーダルのアプローチをなすものではない。この方法は、組織内に光パルスを出射することを基本としており、その光パルスは組織によって超音波に変換される。ほとんどの場合、装置は光音響イメージング技術と従来からの超音波イメージング技術とを組み合わせている。たとえば、Tomowave Labs(米国テキサス州ヒューストン)は光音響イメージングに基づいた乳がんの測定装置を開発している。米国特許出願公開第20130190595(A1)号明細書も参照のこと。この装置では、患者の乳房は容器の中に収められる。超音波トランスデューサおよび光学コンポーネントは、その容器の周りをスキャンする。主な欠点は、こうした装置は携帯型でなく、ポイント・オブ・ケア診断型の用途に設計されたものではないところにある。
【0005】
図1は、従来技術の拡散光トモグラフィー(DOT:Diffuse Optical Tomography)による測定装置を模式化したものである。この装置は、患者の身体40の着目領域に向けて患者の皮膚41に接触して配置された光源体31および光検出器32を備える。
【0006】
光源体31は光子を発生させ、発生した光子は、被検組織の組成に応じて吸収または拡散される。腫瘍43の光学的性質は一般に、その周辺組織42の光学的性質とはわずかに異なっており、それによって腫瘍を局在化することができる。拡散した光子の一部は光検出器によって捕集される。光検出器は、好ましくは、検出面積の範囲に沿って高い感度を有する単一光子計数検出器(または単光子計数検出器)である。破線44は、組織40および腫瘍43を通って拡散する光子の平均的な経路を示したもので、この光子は光検出器32によって検出される。
【0007】
腫瘍43の構成要素を分析したい場合は、光源体31および検出器32が腫瘍43に対して対称の位置にあるときに最適な構成が得られる。光子の平均的な経路の侵入深さzは、光源体31と検出器32との距離を縮めることによって、および/または両者を皮膚41の表面によって形成される平面に対する法線方向に対して傾斜させることによって、調整することができる。別の場所に配設された光源体/検出器のペアにより、被検組織をトモグラフィー技術によって再構成することができる。
【0008】
単一光子計数光検出器を用いることで、時間領域での測定を行うことができる。それにより、組織内を伝播する光子をその飛行時間(TOF:time of flight)と関連づけて検出することができる。そのことは2つの重要な利点をもたらす。1つは、組織内で検出される光子の平均深さに関する情報の取得であり、もう1つは、組織内における光の吸収と拡散の弁別の向上である。光源体と検出器の相対位置と波長とがわかれば、酸素化、構造、脂質濃度など、測定した組織の生物学的性質を決定することができる。こうした生物学的性質の決定は、腫瘍の幾何学形状(超音波イメージングによって得られるもの)と組み合わせることにより、悪性腫瘍の発見における特異性および選択性を高める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、添付の特許請求の範囲に記すような超音波モードと光学モードとを組み合わせた携帯型プローブである。より詳細には、プローブは、
- 位相イメージング、ドップラーイメージング、エラストグラフィーなどのタイプのイメージングの超音波イメージングを行うように構成された、超音波トランスデューサのネットワークと、
- レーザー発振器や発光ダイオード(LED)のような、少なくとも1つの光源と、
- 光検出器、およびプローブのコンポーネントを駆動し、信号の処理を行うように構成された電子モジュールと
を備えることができる。
【0010】
本発明の光学モードは、拡散光トモグラフィーに基づいているか、またはおそらく基づいている。拡散光トモグラフィーのために行われる光学的測定に超音波モードを組み合わせることにより、被検組織の生理学的または病理学的状態に関するよりよい指示を得ることができる。そのため、本発明は、より高い特異度とよりよい感度とによって診断を改善することができる。これは、がんの発見および性状判定にはとりわけ意義のあるところである。
【0011】
超音波モードと光学モードとを組み合わせるには、それぞれの観察範囲の間の重ね合わせが必要となる。そこで、携帯型バイモーダルプローブの各コンポーネントの位置を固定する方法が、本発明の目的の1つとなる。本発明の具体的な態様の1つは、超音波プローブが少なくとも1つの光源体と1つの光検出器との間に配置されるというものである。別の具体的な態様は、時間分解アプローチ(通常「タイムドメイン」と呼ばれるもの)に基づく光学測定の利用に関するものである。この種の測定を基本として、組織内を伝播する光子の検出の瞬間の時間分布をもとに被検組織を再構成する。それによって、吸収係数および組織内で低下する拡散係数の定量分析を行うことができる。それによって、組織内にある腫瘍の体積をより正確に規定することができる。
【0012】
本発明のもう1つの目的はバイモーダルプローブの製造方法であり、その内容は添付の特許請求の範囲による。
【0013】
本発明については、特許請求の範囲を制限するものでない後掲の図面と照らし合わせながら、明細書の以下の部分で紹介する実施例の説明を読むことでよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】拡散光トモグラフィー(DOT)システムの概略図である。
【
図2】超音波(US)モードと拡散光トモグラフィー(DOT)モードを組み合わせたシステムの一例のブロックダイヤグラムである。
【
図3】携帯型バイモーダルプローブの一実施形態の斜視図である。あわせて主な方向軸が定義されている。
【
図4】
図3と同様の斜視図であり、陰影を施した図で示されている。
【
図5】広い検出面積を有する単一光子計数検出器を備えるオプトードの一例の斜視図である
【
図6】同一ハウジング内に組み込まれた2つのオプトードを備える、別の実施形態の斜視図である。
【
図7A】超音波音響レンズを備える保護先端部が形成されるように、超音波トランスデューサおよびオプトードを型込め部位に保持することに関する一実施形態の側面の断面図である。
【
図7B】超音波トランスデューサおよびオプトードを型込め部位に保持することに関する別の実施形態の側面の断面図である。この実施形態では、型は、専用の保護被覆内に封じ込められた超音波トランスデューサの挿入を可能にする開口部を形成する。
【
図7C】オプトードをプローブの長手方向に対して傾斜させた、別の実施形態の側面の断面図である。
【
図8】オプトードの保持を可能にする固定フランジの一例の斜視図である。
【
図9】超音波/光学バイモーダルプローブを形成するコンポーネントの組立て法の主なステップのチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、がん性腫瘍の発見の一環として生物学的パラメータを取得するために、超音波(US)イメージングと光学測定を組み合わせたバイモーダルプローブに関する。より詳細には、光学モードは拡散光トモグラフィー(DOT)に基づく。
【0016】
図2は、同一ケーブル20にまとめられた複数の電線を介してメインユニット10に電気的に接続された、バイモーダルプローブ30を備える装置の例を示している。
【0017】
プローブ30の重量およびサイズは、プローブ30を手に持って注目領域、より詳細には検査対象の腫瘍43に向けて、患者40の身体に接触して配置させて扱うことができる類のものである。プローブと分析する身体との界面には、界面を通して超音波が容易に伝播するようにカップリングゲルを塗布するのが一般的である。ゲルは、光学コンポーネント間の混変調を防ぐため、吸収などの光学的特性も有している。なお、この混変調は通常「クロストーク」と呼ばれているものである。光学モードに関しては、プローブは複数のオプトードを備えており、各々のオプトードは光源体31および/または光検出器32を具備する。同一オプトードのコンポーネント31および32は、駆動回路33に電気的に接続されている。駆動回路33は、電源信号または同期信号を供給するように、さらに、検出された信号をデジタルデータに変換するように構成されている。双方向結合が光学駆動回路33と光学処理ユニット12とをケーブル20を介して接続している。プローブ30は、超音波トランスデューサ要素からなる超音波トランスデューサ34であって、超音波処理ユニット13から送られてくる電気信号を超音波に変換する超音波トランスデューサ34をさらに備える。超音波は身体40に向けて出射される。超音波トランスデューサ34は、身体40によって反射された超音波を超音波処理ユニット13で処理するための電気信号に変換することも行う。超音波トランスデューサでは、超音波トランスデューサ要素を、
図3に関連して示した軸Xと平行をなす横断方向軸に整列させることが好ましい。
【0018】
メインユニット10は、光学処理ユニット12および超音波処理ユニット13の制御を行うことができるユーザーインターフェース11を備える。光学処理ユニット12および超音波処理ユニット13は、プローブのコンポーネントを制御するための電気信号を生成する。それぞれのユニットは、プローブによって測定された信号を処理して、ユーザーによる利用が可能な情報を提供することも可能にする。
【0019】
図3には、説明を明確にするための座標系1を示してある。座標系1は、身体40に向かう長手方向Z(深さ方向)、高さ方向Yおよび方位方向Xを定義する。
【0020】
図3および
図4に示すように、好ましい実施形態では、プローブ30は、患者の皮膚41に押し当てるようにされた先端部35を備える。先端部は、プローブ30のノーズ部を形成するフロントカバー36内に封じ込められる。フロントカバー36はセンターカバー37から延びる。センターカバー37からは中空継手38が延び、その内部にケーブル20が通される。先端部35は、超音波トランスデューサ34、光源体31および光検出器32のための入出力インターフェースを備える。好ましい実施形態では、プローブ30は、複数の光源体31a...31hと複数の光検出器32a...32hとを備える。好ましくは、少なくとも1つの光源体31aと少なくとも1つの光検出器32aが、
図3に関連して説明したように、1つのオプトード内に配置される。光検出器32a...32hは広い検出面積を有する。検出器の検出面積は、その検出器の感知コンポーネントの面積に相当する。そのため、各々の光検出器32a...32hは、各辺が好ましくは0.5mm超、さらには5mm超の幅で延びる検出面積を有する。検出面積は、典型的には5×5mm
2超であり、たとえば10×10mm
2であることができる。各々の光源体は、たとえば様々な波長で光を出射できるものなど、複数の光源体要素を備えることができる。各々の光源体要素は、レーザーダイオードまたは発光ダイオードであることができる。少なくとも1つの検出器、さらには各検出器の検出面積は、各光源体の出射面積を上回る。
【0021】
各々の光源体は、光パルスを出射するように構成されることが好ましい。時間分解による光学測定の場合、パルス持続時間は、数十ピコ秒(ps)未満、たとえば50ps未満または10ps未満(FWHM:半値幅)である。光源体はたとえば、パルスレーザーダイオードであることができる。
【0022】
光源体と検出器は、2つ合わせて光源体/検出器のペアを規定する。光源体/検出器のペア31a/32a、31b/32b、...31h/32hは、音響トランスデューサ34の両側に置かれる。同一のオプトードの光源体と検出器31a/32a、31b/32b、...の距離は、1mmから20mm、たとえば7mm前後であることが好ましい。それにより、皮膚の近く、すなわち深さ5cm未満、たとえば0cmから5cmに位置する腫瘍の光学的性質の測定を得ることができる。先端部35は、高さ方向Yに沿って順に、
- 4つの光検出器32a...32dの並びと、
- 4つの光源体31a...31dの並びと、
- 超音波トランスデューサ34と、
- 4つの光源体31e...31hの並びと、
- 4つの光検出器32e...32hの並びと
を備える。
【0023】
光源体と検出器は、方向Xに対してそれぞれ平行に整列し、その方向Xに沿って延びる超音波トランスデューサの両側に配置される。その結果、超音波イメージングモードの観察範囲は、拡散光イメージングモードの観察範囲と重なり合う。超音波トランスデューサ34は境界によって画定される。各光検出器と境界との距離は0.5mmから20mmである。
【0024】
先端部の残りの部分は保護材料によって埋められる。保護材料は、シリコーンゴムか、または、
図7Aから7Cに照らして説明するように、生体適合性のある重合性もしくは硬化性のその他あらゆる物質であることができる。超音波トランスデューサ34が高さ方向Yに沿って高さ5mm延びると、トランスデューサから直近の光学コンポーネント(光検知器または光源体)の並びまでのスペースは、方向Yに約1mmの距離で延びる。このような構成は、光学モードと音響トランスデューサのそれぞれの観察範囲の重なりを可能にする。各々の観察範囲は、軸Xおよび軸Zと平行な面内に形成される画像に相当する。さらに、このような構成は、あるオプトードの光源体31aと、それとは別の、軸Xおよび/または軸Y沿いにオフセットしたオプトードの光検出器32b、32c、32d、32e、32f、32gおよび32hとを備える光源体/検出器ペアを利用することを可能にする。そのため、プローブは、光源体と検出器とをつなぐ軸が高さ軸Yまたは方位軸Xに対してXY平面内で傾斜した光源体/検出器ペアを規定することができる。それにより、光源体と検出器との間の距離を、前述したとおりの最小値(1mmから20mm、たとえば7mm)と最大値(30~80mm程度、たとえば40mm、または最も離れた光源体/検出器ペアの場合であれば60mm)との間で変えることが可能となる。光源体と検出器との間の超音波センサの配置も、光学モードと光学トランスデューサのそれぞれの観察範囲の重なり合いを可能にする。光源体/検出器の異なる距離の組合せは、トモグラフィー技術による再構成を行うための測定結果の組合せを可能にする。
【0025】
以上のことから、同一の光源体から出射された拡散光子を複数の光検出器を用いて測定できることがわかる。
【0026】
プローブにおけるコンポーネントの保持
図5は、オプトードが、感受性コンポーネント53、すなわち光感受性コンポーネントを含む光検出器32を備える好ましい実施形態を示している。光検出器32は、好ましくは単一光子計数(または単光子計数)検出器である。
【0027】
感受性コンポーネント53は、感受性コンポーネント53の機械的保持とともに感受性コンポーネント53の電気接続を可能にするPCB(プリント基板)タイプのプリント基板54に連結される。PCB54の電気接続は、フレキシブルプリント基板または電気コードを用いて光学駆動回路33(
図2参照)まで延伸することができる。
【0028】
感受性コンポーネント53は、ハウジング52の前面から後退した位置に配置される。ハウジング52は、コンポーネントの電気的遮蔽および堅牢な機械的固定が可能となるように金属材料から形成されることが好ましい。ハウジング52の前面は、感受性コンポーネント53と被検組織との間に配置されるようにする。ハウジング52の前面は、光を通すことができるようにした開口部を画定する。汚染リスクをもたらしかねない感受性コンポーネント53と皮膚との直接的な接触を避けるため、開口部は光学的に透明なプレート51でふさぐ。プレート51は、ガラス、もしくはポリマー、またはその他、拡散光測定で使用される光学波長に対して透明なあらゆる材料によるものであることができる。透明プレート51はハウジング52に連結され、ハウジング52の前面よりも張り出してもよい。方位および高さ方向沿いの透明プレート51の寸法は、ハウジングの寸法よりも小さい。透明プレート51の厚さは、0.4mmから数ミリメートルの間で変動してもよい。電気接続を行えるようにするため、
図5に示されていない別の開口部が、ハウジング52の別の面に設けられる。
【0029】
前の段落で説明したハウジング52とその中に収められた各種要素を、「オプトード」という用語で呼ぶ。オプトードには、好ましくは、1つまたは複数の光源体31が含まれる。それは、たとえば1つもしくは複数の発光ダイオードまたは1つもしくは複数のレーザー光源であることができる。オプトードは、様々な波長の光を出射する複数の光源体を備えることができる。また、オプトードは、取得電子回路をさらに備えて、被検組織によって後方散乱する光、すなわち被検組織を通して伝播する光の変化を測定するようにできる。好ましくは、取得回路は、被検組織によって後方散乱し、オプトードの光検出器32によって検出された光子の時間分解測定を行うことができる。それは、たとえば光検出器32によって検出された光子の時間分布を、またはその分布のパラメータを明らかにするということである。そのため、オプトードは、光検出器32および/または光源体31および/または光検出器32に接続された取得回路を備える単一ブロックのコンポーネントである。
【0030】
図6は、オプトードの実施形態の別の例を示したもので、ここでは2つの感受性コンポーネント63a、63bが同一のハウジング61内にまとめられている。ハウジング61は、混変調(クロストーク)を予防するために光学コンポーネントごとに配置された内部金属壁を備える。光学コンポーネントは、空きスペース62によって互いに隔てられた透明プレート64aおよび64bを備える。2つの透明プレートの間に設けられた空きスペースは、2つのプレートを光学的に切り離すことができる。2つの透明プレートの間の空きスペースは、1mmから3mm、または0.5mmから20mmの距離で延びる。
【0031】
図6に照らして説明した実施形態は2つの光検出器を備えているが、それに限定されるものではない。本発明は、上に説明したハウジングを具備するオプトードであって、同一のハウジング内に配置された複数の光検出器または少なくとも1つの光検出器と複数の光源体の組合せを備えるオプトードに及ぶ。
【0032】
図7A、7Bおよび7Cは、超音波トランスデューサ63および前述のオプトード62aおよび62bを堅固に固定することができる実施形態であって、先端部レベルに保護材料65を被着することができる実施形態の側面断面図を示している。保護材料65は、シリコーンゴムなどのポリマー、または生体適合性のあるその他の材料であることができる。保護材料は、液相で調製した後、型61に流し入れるものであってもよい。材料65が重合によって固化した後、型61を取り去る。超音波トランスデューサ63とオプトード62aおよび62bはその最終位置に従って配置され、2つのフランジ64によってその2つの側面にしっかりと保持される。
図7Aでは、1つのフランジ64のみを見ることができる。各々のフランジに対するコンポーネント62a、62bおよび63の保持は、ねじ留め、接着またはその他の組立て手段によって行うことができる。型込め作業中、フランジは、型61に一時的にねじ留めして、オプトード62aおよび62bの透明プレートの外側面を型61の底と接するようにして保持する。
【0033】
図7Aでは、超音波トランスデューサ63は、オプトード62aおよび62bの端部よりも後退した位置に示されている。型61の底の表面は、トランスデューサの横断方向軸、この場合は軸Xと平行な軸の周りに延びる半筒形のキャビティ66を備える。筒形のキャビティ66の長さは、横断方向X沿いの超音波トランスデューサの全長(すなわち、超音波トランスデューサ要素のすべて)に相当する。半筒形のキャビティ66は、シリコーンゴムまたは同じ音響特性を有するそれ以外のあらゆる材料で埋められる。それにより、半筒形のキャビティ66は音響レンズを形成する。トランスデューサ63の外側面からキャビティ66の頂端までの距離は、典型的には1mmから2mmである。形成された音響レンズは、一般に1mm未満の距離だけ先端部よりも突き出た突起を形成する。材料65が固化すると、超音波トランスデューサ63、オプトード62aおよび62b、フランジ64ならびに型込めされた材料65を備える組立体が型から取り出され、ノーズ部を形成するプローブのフロントカバー36の中に設けられたキャビティ内に配置される。その後、フランジはフロントカバー36に固定される。
【0034】
図7Bは、組立て法の別の実施形態を示したものである。この実施形態によれば、型はくぼみ67を備える。くぼみ67は、あらかじめ専用の保護被覆で覆われた音響トランスデューサの表面に対応する面を、型の内部に画定する。材料65が固化した後、オプトード62a、62b、フランジ64および型込め材料65を備える組立体が型から取り出される。くぼみ67は、型込め材料内のオプトード62aと62bとの間に中空のキャビティを形成することができる。この方法は、重合した材料の中にあらかじめ形成された中空のキャビティ内に、トランスデューサ65を挿入する追加的なステップを含む。中空のキャビティ内に挿入されたUSトランスデューサは、オプトード62aおよび62bを保持するフランジ64に機械的に取り付けることができる。この実施形態は、あらかじめテストしておいたトランスデューサを組み込むことができるため、好ましい。
【0035】
図7Cは、
図7Aに示した実施形態と同様の実施形態を示している。オプトード62aおよび62bは、USトランスデューサの長手方向軸に相当する長手方向軸Zに対して傾斜されている。傾斜角は、たとえば20°に達するものであってもよい。この構成は、がん性腫瘍またはそれ以外のあらゆる着目領域が、乳房や首などのように丸みを帯びた形状をなす身体部位に含まれる構成には特に適している。
【0036】
図8は好ましい実施形態の斜視図であり、フランジ70は、ここではオプトード71に連結されている。オプトード71の側面には、長手方向軸Zと平行に、すなわち前面に対して垂直に溝72が延びる。溝の断面は、正方形、菱形、丸みのある断面など、様々な形状をなすことができる。フランジ70は、長手方向軸Zと平行に、溝72と平行に延びる延長部位を備える。フランジ70は、オプトードとの機械的連結を果たせるようにする突起をさらに備える。突起の形状は、突起が溝に係合してフランジがその溝に沿って長手方向軸Z沿いに摺動できるように、溝72の断面に応じて異なるものであってもよい。フランジは高さ方向Yに沿って固定されて保持される。フランジ70はねじ74を介してオプトードに固定される。フランジレベルには、オプトードの長手方向の位置調整が可能となるように、長円形の横断方向の開口部73が設けられる。オプトード71の反対の側面には、第2のフランジが同じように固定される。そのため、長手方向Z沿いのオプトードの並進の微調整以外、すべての自由度は制約される。長手方向の調整は、オプトードおよび場合によって超音波トランスデューサの前面を所望の位置に従って正確に位置決めすることを可能にする。オプトードの前面が型の底に対してわずかに後退した位置にあるときは、前面と型の底との間に材料の薄い保護層を挟むことができる。この保護層は、好ましくは型込めを終えたときに取り外さなければならない。フランジによって保持されたコンポーネントをすべて希望どおりに位置決めした後、ねじ74(またはその他の固定手段)を締める。
【0037】
図9は、上述したプローブ先端部の製造方法の主なステップを示したものである。完全なプローブを得るためには、それ以外の製造ステップが必要とされることは言うまでもない。プローブの製造には、以下のような幾つかのステップ81~89がある。ステップ82は、
図7Aおよび
図7Cに照らして説明した実施形態にのみ関係する。ステップ88は、
図7Bに照らして説明した実施形態にのみ関係する。
ステップ81:オプトードをフランジと組み立てる。
ステップ82:超音波トランスデューサをフランジと組み立てる。
ステップ83:オプトードと超音波トランスデューサを位置決めし、ねじを締める。
ステップ84:組み立てたオプトードを型の中に配置し、型をフランジに仮止めする。
ステップ85:生体適合性のある保護材料、たとえばポリマーで型を満たし、重合させる。
ステップ86:型から抜き取る。
ステップ87:ポリマーの保護膜で被覆された組立体をプローブのカバー内に挿入する。
ステップ88:ポリマーに設けられた中空のキャビティ内に超音波トランスデューサを挿入する。
ステップ89:組立体をプローブのフロントカバー内に固定する。
【符号の説明】
【0038】
1 座標系
10 メインユニット
11 ユーザーインターフェース
12 光学処理ユニット
13 超音波処理ユニット
20 ケーブル
30 バイモーダルプローブ
31 コンポーネント
31 光源体
32 光検出器
33 光学駆動回路
34 トランスデューサ
35 先端部
36 フロントカバー
37 センターカバー
38 中空継手
40 患者
43 腫瘍
51、64a、64b 透明プレート
52 ハウジング
53 感受性コンポーネント
54 プリント基板
61 型
61 ハウジング
62 空きスペース
62a、62b、71 オプトード
63 超音波トランスデューサ
64、70 フランジ
65 材料
66 キャビティ
67 くぼみ
72 溝
73 開口部
74 ねじ
【手続補正書】
【提出日】2021-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検生体組織に押し当てるための携帯型バイモーダルプローブであって、
- 前記組織内に超音波を出射し、前記組織によって反射された超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサ(34、63)であって、横断方向軸に沿って延びるトランスデューサと、
- 前記横断方向軸の両側に配置された少なくとも2つのオプトード(32、60、62a、62b)であって、前記2つのオプトードの間に前記トランスデューサが延びるように配置されたオプトードと
を備え、
- 各々のオプトードが、
・ 前記組織に対して
少なくとも1つの光波を出射するように構成された光源体(31)
と、
・
前記組織によって拡散された光波を検出するように構成された光検出器(32)
であって、半導体材料によって形成された検出面積(53、63a、63b)を有する光検出器と
を具備するハウジング(52、61)を備え、
前記バイモーダルプローブは、
・ 前記光検出器が、単一光子検出器であり、
・ 前記ハウジングが、光検出器に接続された取得電子チップ(54)であって、検出される光子の量を経時的に計数するように構成された取得電子チップを備える、
ようなものであり、
- 前記オプトードが、前記トランスデューサの両側に少なくとも1つの光源体と少なくとも1つの光検出器とが配置されるようにレイアウトされ
た、バイモーダルプローブ。
【請求項2】
少なくとも1つの光源体が、レーザー
光源または発光ダイオードである、請求項
1に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項3】
オプトードが複数の光源体を備え、各光源体が、前記オプトードの別の光源体とは異なる波長で光を出射するように構成された、請求項1
または2に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項4】
少なくとも1つのオプトードがハウジング内に収められ、前記ハウジングが、開口部を画定する前面を備え、前記検出面積が前記前面よりも後退して配置され、前記開口部が前記オプトードに対して光を、または前記オプトードから光を伝達できる、請求項1から
3のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項5】
前記開口部を通して延びる透明プレート(51、64a、64b)であって、前記バイモーダルプローブが前記組織に押し当てられたときに前記組織に接触して配置される透明プレートを、少なくとも1つのオプトードが備える、請求項
4に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項6】
少なくとも1つのオプトードが、同一の前面に対して後退した位置で開口する複数の光検出器を備え、前記前面は開口部を画定し、前記オプトードが、光検出器の数と同じだけの透明プレートを備え、各々の透明プレートが、他の透明プレートから距離を置いて配置される、請求項
5に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項7】
複数の光源体と複数の光検出器とを備え、
- 前記光源体が前記横断方向軸(X)と平行に整列され、
- 前記光検出器が前記横断方向軸と平行に整列された、
請求項1から
6のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項8】
前記光源体および/または前記光検出器がマトリックス構造で配分された、請求項
7に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項9】
複数の光源体と複数の光検出器とを備え、光検出器と複数の光源体との距離が1mmから80mmの間で変動する、請求項1から
8のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項10】
前記超音波トランスデューサが外部境界によって画定されており、前記超音波トランスデューサの前記外部境界と各光検出器との間の距離が0.5mmから20mmである、請求項1から
9のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項11】
少なくとも1つのオプトードがハウジング(52、61)内に収められ、前記ハウジングが開口部を画定する前面を備え、前記開口部が前記オプトードに光を、または前記オプトードから光を伝達することができ、前記ハウジングが前記前面に対して垂直な側面を備え、前記側面が前記前面に対して垂直に延びる溝(72)を備える、請求項1から
10のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項12】
各々のオプトードがフランジ(64、70)によって音響トランスデューサと一体化するように保持され、前記フランジが、前記トランスデューサの両側に配置された少なくとも2つのオプトードに対して、各オプトードの前記溝(72)に係合される固定手段(74)によって固定される、請求項
11に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項13】
前記固定手段が、各溝の中を前記フランジが並進する1mmから2mmの距離に応じて、各オプトードの位置調整の余地を残す、請求項
12に記載のバイモーダルプローブ。
【請求項14】
前記前面のレベルに広がる透明プレートを有するオプトードを用いた請求項
11から
13のいずれか一項に記載のバイモーダルプローブの製造方法であって、
- フランジ(64)によってオプトード(62a、62b)を組み立てるステップであって、前記フランジが組立体の相対する2つのオプトードを連結し、前記フランジが、相対する前記オプトードの前記ハウジングに設けられた溝を並進するように構成されているステップと、
- 底を形成する面を有する型(61)の中に、各オプトードの前記透明プレートが前記型の前記底に当接されるように前記組立体を配置するステップと、
- 生体適合性のある重合性材料(65)で前記型を満たして、前記組立体の周りに前記材料が広がるようにするステップと、
- 前記生体適合性のある材料を重合させるステップと、
- 前記生体適合性のある材料が前記組立体の周りに被覆を形成するように、前記型から前記組立体を取り出すステップであって、取り出された前記組立体が前記プローブの先端部(35)を形成するステップと、
- 前記プローブの前記先端部を前記プローブのカバー(36、37)に固定するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記型の前記底がくぼみ(67)を備え、前記くぼみが、
- 各オプトードの前記透明プレートが前記型の前記底に当接されたとき、前記くぼみが少なくとも2つのオプトードの間に延びるように、
- 前記組立体を前記型から抜き取るとき、前記型の前記くぼみが前記生体適合性のある材料に中空のキャビティをあけるように、
形成され、前記方法が、前記組立体の抜取り後は、前記中空のキャビティ内への超音波トランスデューサ(63)の挿入を含み、前記超音波トランスデューサはあらかじめ保護被覆で覆われている、請求項
14に記載の製造方法。
【請求項16】
超音波トランスデューサ(63)が、前記型の型込めに先立ってフランジに連結されて、前記トランスデューサが前記組立体の一部となる、請求項
15に記載の製造方法。
【国際調査報告】