(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】鉱化カートリッジ、及び、鉱化カートリッジの操作方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
C02F1/68 530C
C02F1/68 510B
C02F1/68 520B
C02F1/68 520D
C02F1/68 520C
C02F1/68 540A
C02F1/68 540C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553335
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2020056865
(87)【国際公開番号】W WO2020187745
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019106690.5
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019118850.4
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508298385
【氏名又は名称】アクイス ヴァッサー-ルフト-ジステーメ ゲーエムベーハー, リンダウ,ツヴァイクニーダーラッスング レブシュタイン
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘイテル ベルンド
(57)【要約】
本発明は、パイプ内で水フィルタカートリッジを操作する方法に関し、水フィルタカートリッジは、圧力容器の形態のハウジングと、水の入口及び放水口とを備え、ミネラルが添加される水の主フローが圧力容器内のメインパイプを通って導かれ、濃厚塩溶液の投与フローが投与パイプを通って導かれ、投与パイプがメインパイプから分岐し、硫酸塩、塩化物塩及び/または炭酸水素塩からなる塩溶液を蓄える一定体積の貯蔵器を通過し、貯蔵器から延伸する投与パイプの一部が、投与箇所にて一定の流れ断面を有する投与開口部を介して主フローへと至り、主フローと投与フローとの間に圧力差を生じさせ、主フローへと開口する投与開口部を通じ、実質的に主フローに比例する塩溶液の投与フローの体積流量をもたらすよう、主フローにおいて投与箇所の上流に位置する抵抗部が、主フローにおける流れ抵抗を設定するために使用されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器の形態のハウジング(2)と、水の入口(4)及び放水口(5)とを備える、蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)を操作する方法であって、
前記圧力容器の内部において、ミネラルが添加される水の主フローは、メインの導管を通って導かれ、
濃縮塩溶液の投与フローは、投与導管を通って導かれ、
前記投与導管は、メインの導管から分岐し、
硫酸塩、塩化物塩及び/または炭酸水素塩からなる濃縮塩溶液を収容する一定体積の貯蔵容器に至り、前記貯蔵容器から外れる前記投与導管の一部は、投与箇所にて、一定の流れ断面を有する投与開口部を介して前記主フローに開口し、
前記主フローの前記流れ抵抗は、前記主フローと前記投与フローとの間に差圧が発生するよう、前記主フローにおいて、流れ方向における前記投与箇所の上流に配置された抵抗部を用いて設定され、この差圧により、
前記主フローへと開口する前記投与開口部を通じ、実質的に前記主フロー(6)に比例する前記塩溶液(11;11´)の前記投与フロー(7)の体積流量がもたらされることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記貯蔵容器は、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩で形成された塩の層を含み、濃縮塩溶液の収容量は、前記流れ方向における前記塩の層の下流に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記投与部、または、前記投与フローに、顆粒状物質(6.3)の層の形態の、及び/または、好ましくは0.1から0.5mm、特に、0.15から0.4mmの間の範囲の内径を有する毛細管の形態の抵抗部が形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記放水口(5)が上方に向いた、使用可能な向きでの前記水フィルタカートリッジ(1)において、前記入口(4)から流入する前記主フロー(6)は、前記抵抗部(6.5)の中を上方から下方へ流れるよう、前記上方から前記抵抗部(6.5)へ導かれることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記放水口(5)が上方に向いた、使用可能な向きでの前記水フィルタカートリッジ(1)において、前記入口(4)から流入する前記主フロー(6)は、前記抵抗部(6.5)の中を下方から上方へ流れるよう、前記上方から前記抵抗部(6.5)の下側へ導かれることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
硫酸塩、塩化物塩、または、炭酸水素塩からなる少なくとも1つの濃縮塩溶液(11;11´)が使用され、これらの溶解性は、20°Cで少なくとも2g/Lであり、20°Cで少なくとも50g/Lであることが好ましく、とりわけ20°Cで740g/Lであることを特徴する、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの塩溶液(11;11´)は、前記主フロー(6)に対し、体積にして0.05%から2%の割合で投与されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
0.1mmから2mmの粒子サイズを有する顆粒状物質(6.3;7.3)は、特に、前記流れ方向において、1cmの最小限度(6.4;7.4)を有する前記層に使用されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
同じ顆粒状物質(6.3;7.3)が、前記投与フロー(7;7´)の前記抵抗部(7.5)、及び、前記主フロー(6)の前記抵抗部(6.5)に使用されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記入口(4)と放水口(5)の間の水の伝導性は、少なくとも100μS/cmから2000μS/cm、好ましくは600μS/cm上昇させることが好ましいことを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記水フィルタカートリッジ(1)は、0.2バールから8.0バールの圧力にて操作されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記塩溶液(11、11´)は、前記少なくとも1つの貯蔵容器(9)からの出口箇所(9.7)と、前記水の前記主フロー(6)への前記塩溶液(9.8)の前記投与箇所との間の、前記塩溶液(13;13´)の仮の収容場所に一時的に収容され、前記塩溶液のこの仮の収容場所は、柔軟性のある材料で作製されることが好ましく、特に、前記水フィルタカートリッジの前記操作位置において、実質的に水平に配置されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記塩溶液用に使用される前記仮の収容場所(13,13´)は、0.05mlから0.3mlの充填容量を有するホースであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記塩溶液用に使用される前記仮の収容場所(13,13´)が、5cmから30cmの長さ、特に、0.5mmから3mmの直径を有するホースであることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項15】
圧力容器の形態のハウジング(2)と、水の入口(4)及び放水口(5)とを備える蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)であって、
前記圧力容器の内部に、ミネラルが添加される予定の水の主フローを導くメインの導管、及び、濃縮塩溶液の投与フローを導く投与導管が配置され、
前記投与導管は前記メインの導管から分岐し、
硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩溶液を収容する一定体積の貯蔵容器を備え、前記貯蔵容器から外れる前記投与導管の一部が、一定の流れ断面を有する投与開口部を介し、投与箇所にて前記主フローに接続され、
抵抗部は、流れ方向における、前記投与箇所の上流の前記メインの導管に配置され、その流れ抵抗は、前記主フローと前記投与フローとの間に差圧が発生するように設定され、この差圧により、前記主フローに開口する前記投与開口部を通じ、実質的に前記主フロー(6)に比例する、前記塩溶液(11、11´)の前記投与フロー(7)の体積流量がもたらされることを特徴とする、蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項16】
前記貯蔵容器は、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩の層を収容するため、濃縮塩溶液の収容量は、前記流れ方向における前記塩の層の下流に存在することを特徴とする、請求項15に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項17】
前記投与部または前記投与フローは、顆粒状物質(6.3)層の形態の、及び/または、0.1から0.5mmの範囲、特に、0.17から0.35mmの間の内径を有することが好ましい毛細管の形態の抵抗部を備えることを特徴とする、請求項15または請求項16に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項18】
前記塩溶液(13;13´)の仮の収容場所は、前記少なくとも1つの貯蔵容器(9;9´)からの前記塩溶液(9.7;9.7´)の前記出口箇所と、前記塩溶液(9.8;9.8´)の前記投与箇所との間に設けられ、この仮の収容場所は、前記蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)の操作位置において、実質的に水平に配置されることが好ましいことを特徴とする、請求項15、請求項16、または請求項17に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)。
【請求項19】
前記塩溶液(13;13´)の前記仮の収容場所は、0.05mlから0.3mlの充填容量を有することが好ましいホースであることを特徴とする、請求項15から請求項18のうちいずれか1項に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項20】
前記ホースは、5cmから30cmの長さであり、0.5から3mmの直径を有することを特徴とする、請求項15から請求項19のうちいずれか1項に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項21】
前記投与フロー(7)の前記抵抗部(7.5)、及び、前記主フロー(6)の前記抵抗部(6.5)が同じ顆粒状物質(6.3、7.3)からなることを特徴とする、請求項15から請求項20のうちいずれか1項に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1及び請求項15に記載の、水道水を鉱化させるための蛇口直結型水フィルタカートリッジを操作する方法、及び、その蛇口直結型水フィルタカートリッジに関する。
【0002】
[先行技術]
商業的な蛇口直結型の、鉱化させるためのフィルタカートリッジは、本質的に2つの形態を取る。ある設計においては、炭酸カルシウム、または炭酸マグネシウムの、そして時には、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムを少ない割合で含んだ顆粒状物質が、鉱化させるために使用される。そのようなフィルタは、例えば、高確率での腐食を伴う、わずかに鉱化された水、特に、逆浸透システムから処理された水の場合に、取り付けられる。それにより、遊離炭酸の結果として、少量の炭酸カルシウムが溶解される。
【0003】
その結果、pHが上昇し、水の腐食性は減少する。しかし、そのような構成で可能となるのは、数mgのカルシウムまたはマグネシウムを溶解することのみである。また、溶解反応速度も非常に遅く、つまり、数リットルが急速に通過した後で、有意な鉱化はほぼ無い。そのため、そのようなフィルタは、一貫して比較的長いダウンタイムを必要とするか、非常に少量のフローを処理することしかできない。
【0004】
他の商業的な鉱化フィルタは、イオン交換器を使用して作動する。これらは、ある所望のミネラルを、特定の処理が施される水の中に放出するために使用される。これらのフィルタは鉱化フィルタとして販売されているものの、例えば、水道水に存在するカルシウムはイオン交換によりマグネシウムと交換されるため、厳密に言うとこれらのフィルタは鉱化フィルタではない。この場合、生成される水のEq/L単位での全体のミネラル含有量は、一定のままである。
【0005】
しかし、わずかに鉱化された水は、スポーツ活動中の喉の渇きを癒すドリンクのようなものに限定的に適しているが、汗を通じて失われる塩分はそれらで置き換えられないためである。
【0006】
味に関しては、わずかに鉱化された水は、喉を通る際に苦味を残すため、わずかに鉱化された水を、多く鉱化された水と区別することは容易である。好ましいと感じられる鉱化は、おおよそ200μS/cmの飲料水の伝導率から開始することで得られる。しかし、1500μS/cm以上の伝導率での鉱化から開始することは、高ミネラル含有が風味として感じられ、水は塩辛く感じられる。そのため、風味は、特定に組成によるところとなる。
【0007】
特に、スポーツ活動中に、必要なミネラルを摂取するため、今日まではミネラルタブレットを飲料水に加えるということが頻繁に行われてきた。これらのタブレットは、主にクエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、または、クエン酸カリウムからなる。
【0008】
[問題と解決策]
ここで、本発明が取り組む当該問題は、長い期間にわたっても大量のフローが均質で安定した鉱化度合で鉱化されることで、こうして処理される水が、スポーツ活動中の発汗によって失われるミネラルの好適な代わりとなると同時に、好ましいと感じられる鉱化の度合を提供するよう、水の鉱化のため、特に、飲料水の鉱化のための代替案を提供することである。
【0009】
当該問題は、請求項1および請求項15の特徴により、解決される。有利かつ便利な発展は、従属する請求項に定められる。
従って、本発明は、第1の局面において、水の入口と放水口とを有する圧力容器の形状をとるハウジングを有する、蛇口直結型水フィルタカートリッジを操作する方法に関する。当該方法は、圧力容器の内部において、ミネラルが添加される水の主フローはメインの導管を通って導かれ、また、濃縮塩溶液の投与フローは投与導管を通って導かれ、そして投与導管はメインの導管から分岐し、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる濃縮塩溶液を収容する一定体積の貯蔵容器に至り、そして貯蔵容器から外れる投与導管の一部は、投与箇所にて、一定の流れ断面を有する投与開口部を介して主フローに開口し、主フローの流れ抵抗は、主フローと投与フローとの間に差圧が発生するよう、主フローにおいて、流れ方向における投与箇所の上流に配置された抵抗部を用いて設定され、この差圧により、主フローへと開口する投与開口部を通じ、実質的に主フローに比例する塩溶液の投与フローの体積流量がもたらされることを特徴とする。
【0010】
特に好ましくは、貯蔵容器は、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩の層を収容し得るため、濃縮塩溶液の収容量は、流れ方向における塩の層の下流に形成される。
【0011】
そのような方法により、例えばマグネシウムなどの所望のミネラルを加えることで、事実上ミネラルを含まない水(例えば、逆浸透システムからの水)または、水道水などの正常鉱化レベルでの水の鉱化が可能となる。鉱化の活用により、飲料水は少なくとも200μS/cmの伝導率を有して製造され得る。
【0012】
そのような方法を実施するには、例えば、取り付けが簡単で、実質的にメンテナンスフリーの蛇口直結型の鉱化用フィルタカートリッジが用いられ得る。
そのような蛇口直結型水フィルタカートリッジは、例えば、圧力容器の形状をとるハウジング、水の入口及び放水口を備え得る。圧力容器の内部には、水フィルタカートリッジの操作中に、伝導性を高めるため、または、水フィルタカートリッジを通って流れる水を鉱化させるための、硫酸塩、塩化物塩、または炭酸水素塩からなる少なくとも1つの濃縮塩溶液(ブライン溶液とも称される)を収容するための、少なくとも1つの貯蔵容器、または、ブライン収容部が備えられ得る。顆粒状物質の層は、さらに、ブライン投与箇所とも称される、水の主フローの流れ方向における塩溶液の投与箇所の上流に配置され、当該層は、カートリッジを通る流れがある時に、それによって差圧が形成されるよう、主フローにおいて抵抗部を形成し、当該差圧により、実質的に主フローに比例するブラインの投与フローがもたらされ、投与フローは、投与フローにおいて抵抗層の形態の離間した抵抗部を有し、その供給部は、上流の層へと突出する。顆粒状物質および抵抗層はそれぞれ、主フローにおける抵抗部、そして投与フローにおける抵抗部を形成する。
【0013】
代替的もしくは追加的に、投与部または投与フローは毛細管をも備え得る。後者は、例えば、約0.1から0.5mmの範囲内での内径を有する。内径は、0.15から0.4mmの間であることが好ましい。
【0014】
投与部のこれらすべての実施形態では、所望の添加量は、添加される濃縮塩溶液の粘度に応じて、特に、水フィルタカートリッジへのライン圧力とは実質的に無関係に確実に設定される。つまり、圧力変動の発生時においても、投与/投与比は極めて安定した状態を保つ。
【0015】
そのようなフィルタカートリッジに関し、更なる詳細を以下で説明する。
使用可能な向きでの水フィルタカートリッジでは、第1実施形態によると、上方を向いた放水口により、入口から流入する主フローは、抵抗部の中を上方から下方へ流れるよう、上方から抵抗部へ導かれ得る。この場合の水の流れは供給部で分割され、圧力原理が投与の推進力として利用される。
【0016】
再び、使用可能な向きでの水フィルタカートリッジでは、他の実施形態によると、上方を向いた放水口により、入口から流入する主フローは、抵抗部の中を下方から上方へ流れるよう、抵抗部の下側へと導かれ得る。当該設計は、吸引の原理に基づき機能する。
【0017】
空気は、第1実施形態に比べ、有意に、より良好かつ急速に、このシステムから除去される。空気用の投与パイプの抵抗は、水の抵抗に比べて小さいため、特に起動時には、塩の容器内で塩の粒同士の間に位置する空気は、投与パイプを通って非常に速く逃れ得る。
【0018】
ブライン溶液は、投与部の抵抗パイプから処理される水の主フローへと直接投与される。
供給部で発生する圧力変動は、その後、容器の中を流れる時にやがてブラインになる水のための、十分な寸法を持つ供給部パイプにおいて、動きの原因となる。
【0019】
ブラインの投与そのものは、外部の圧力変動の発生時においても、吸引の原理の結果、ほぼ一定に保たれる。供給部における圧力変動が、フィルタ全体の減圧中に発生した場合には、例えば、蛇口が開けられた時にフィルタの上流の水圧が2バールから1バールへ低下した際に、塩の容器の中に封じ込められた気泡が膨張する。これらの気泡は、顆粒状物質で満たされ、通るのが難しい投与パイプを通じ、ほんの僅かな飽和塩水のみを放水口へと移動させる一方、ほとんどの塩水は、対照的に、大きなダウンパイプを逆流し、鉱化された水において塩負荷量の増加などは引き起こさない。
【0020】
当該方法において、硫酸塩、塩化物塩、または炭酸水素塩からなる、少なくとも1つの濃縮塩溶液が使用され、これらの溶解性は、20°Cで少なくとも2g/Lであり、20°Cで少なくとも50g/Lであることが好ましい。
【0021】
すなわち、ミネラル投与の原理は、少なくとも1つの別の容器内のフィルタカートリッジに保管された、少なくとも1つの濃縮塩溶液の投与に基づく。
この場合、塩溶液は、少なくとも2g/L(例えば、硫酸カルシウム)の溶解性を有するが、一般的には50g/Lより高く、800g/L未満である。塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムの好ましい値は、約740g/Lである。塩化カルシウムに関しては、値は無水形態を基に算出される。この濃度範囲において、塩水投与は確実に機能する。
【0022】
少なくとも1つのブライン溶液は、主フローに対し、体積にして0.05%から2%の割合で投与されることが好ましい。
50μS/cm未満の伝導率を有するRO水(逆浸透水)の鉱化については、例えば、ろ過液において2mmolの硬度(約11.2°dH)には、RO水1リットル当たり、硫酸マグネシウムからなる約0.8mlのブライン溶液が必要とされる。重炭酸ナトリウム塩については、原子価により同様に約11.2°dHに相当する4mmolには、約3.5mlが必要とされる。そのため、そのような水の伝導率は、約600μS/cmとなる。
【0023】
投与は、フローが抵抗層の中を流れる時に成立する差圧を利用することで行われる。使用する抵抗層はどのような顆粒状物質でもよく、例えば層の形状でもよい。例えば、0.1mmから2mmの粒子サイズの顆粒状物質は、特に、流れ方向における最小限度が1cmである層に使用され得る。
【0024】
イオン交換器、活性炭または、例えば、有効水圧粒子サイズが約0.1mmから2mmの他の粒子(ガラスビーズ)が、この目的のため考えられ得る。
例:1.0L/minの体積流量が、70mmの高さの層、及び、80mmの通過流径に対し、0.15mmの粒子サイズの抵抗層を流れる場合、約100mバールの差圧が抵抗層の高さに渡り形成される(コゼニー・カルマンの式も参照)。しかし、抵抗は粒子の形状、及び、充填度の両方に大きく依存するため、別の顆粒状物質の抵抗の絶対的な大きさは、不正確にしか推測できない。
【0025】
そのため、提案の解決策では、主フローの抵抗層、及び、投与フローの抵抗層に、同じ顆粒状物質を使用することが好ましい。
入口と放水口との間の水の伝導性は、少なくとも100μS/cmから2000μS/cm、好ましくは600μS/cm上昇させることが好ましい。
【0026】
これを実現するには、投与パイプは抵抗層へと突出し、当該投与パイプは、主フローの抵抗層の中のものと同じ顆粒状物質で満たされていることが好ましい。そのため、主フローに対する投与フローの投与比は、主フローの抵抗層の面積比及び有効高さ、及び、投与フローの抵抗層の有効高さによって適合させられる。
【0027】
次の式が使用され得る。(投与パイプの断面積/投与パイプの抵抗層の有効高さ)/(主フローの断面積/主フローの抵抗層の有効高さ)で、主フローのブライン濃縮液の所望の投与比が得られる。(未処理の、鉱化されていない水)
【0028】
【0029】
例:0.001の投与比を達成することを目標とする。すなわち、1000mlの水当たり1mlの濃縮液。フィルタの内径80mm(=主フローの抵抗層の直径)、及び、主フローの抵抗層の有効高さ70mm、及び、投与フローの抵抗層の有効高さ90mmにおいて、投与パイプの直径は以下の関係を使って推定することができる。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
よって、約3mmの投与パイプの内径となる。
濃縮塩溶液が投与パイプを流れる場合、投与パイプの抵抗も、水の動粘度に比べた濃縮塩溶液の動粘度に適合させる必要がある。
【0034】
また、250g/L以上の塩分含有量を含む高濃度塩溶液に対しては、考慮が必要となる。例えば、740g/Lまでの塩を含む濃縮塩化カルシウム溶液は、純水よりも有意に高い動粘度を有する。塩の濃縮液の動粘度は、水に比べ、約4倍の高さになり得る。従って、上昇した動粘度を補うため、そして、所望の投与比を達成するために、投与断面は、4倍に拡大される必要がある。
【0035】
カートリッジの寿命の終わりに近づくにつれ、流入する未処理水により、塩の室において希釈される塩溶液は増加するため、この効果は、カートリッジの寿命に渡り、均質な投与のために有利である。塩の濃縮液が希釈されるにつれ、その粘度は減少し、投与量は増加する。しかし、全体的に、希釈効果/粘度減少/より高い添加率の相互作用の結果として、添加された塩の量は、近い条件を少なくとも考慮し、最後の枯渇段階までおおよそ同じであり続ける。
【0036】
【0037】
投与量の決定については、
水の動粘度:
【0038】
【0039】
及び
【0040】
【0041】
また、抵抗部は、顆粒状物質で満たされた投与パイプの代わりに、毛細管で形成され得る。主フローの抵抗部に、0.1から約1mmの粒子サイズの顆粒状物質が使用される場合、塩溶液投与のための抵抗部を形成するための毛細管の内径は、0.1mmから0.5mmの範囲、特に、0.15から0.4mmの間であるべきことを見出した。
【0042】
重要なことは、特に、投与フローにおいて、更なる抵抗の箇所がまだ発生し得るということである。これらの例としては、グリル構造、または、不織布で押して漉されるべき気泡が挙げられる。そのため、投与フローの導管から気泡がなくなるまで、投与量が減少される。それゆえ、意図したフィルタの最小処理能力の場合における主フローの抵抗層は、媒体水の場合における、投与パイプを含む投与室の高さが発生させる静水圧と同じだけの差圧を発生させる必要がある。また、追加の抵抗箇所のため、理論的に必要とされるものよりおよそ1mm大きい投与パイプの直径が、目標の投与比を実現するために必要となることが実演からわかった。
【0043】
上述した装置により、通過流にほとんど依存しない未処理水とブラインの投与比が連続して達成され得る。上記例においては、0.5L/minから約3L/minの間である。
【0044】
しかし、この方法の実用において、特に、比較的長い操作ダウンタイムを置いた後(滞留)、鉱化された水の最初の0.5から1Lを引き出す際に、著しいブラインの過剰投与が発生し得ることを見出した。
【0045】
これは、特に、わずかな空気の混入がブライン容器内で常に存在しており、また、更なる圧力変動が、例えば、水のラインを通じて、鉱化カートリッジのハウジング内で発生し得るという事実に起因し、フィルタへのブラインの減圧中にも、容器への投与出口を介し、極めて微量の鉱化されていない水のブライン容器への流れを発生させる。これらの変動が頻繁に発生するようであれば、圧力容器へのブラインのポンプ注入作業に及ぶ。
【0046】
その結果、例えば、一晩のダウンタイムを置いた後のリットルのうち、最初の半分は所望の600μS/cmにならないが、その代わり、例えば、2000μS/cmになる。そのため、更に好ましい実施形態によれば、貯蔵容器は、仮のブライン収容部として、投与室からのブライン容器の出口箇所とブライン投与箇所との間に配置される。
【0047】
そのため、ブライン溶液は、少なくとも1つの貯蔵容器、または、投与室からの出口箇所と、水の主フローへのブライン投与箇所との間の仮のブライン収容部に一時的に収容されるが、この仮のブライン収容部は、柔軟性のある材料で作製されることが好ましく、特に、水フィルタカートリッジの操作位置において、実質的に水平に配置される。水平方向は、例えば、蛇口直結型フィルタのヘッドに接続可能なフィルタカートリッジなどの処理装置の操作位置に関連する。
【0048】
この容器、または、仮のブライン収容部は、例えば、およそ150mmの長さ、及び、およそ1mmの内径を持つ柔軟性のあるホースであってもよい。周辺環境における圧力変動の場合にあっては、それによってブラインは前後に動くのみで、新鮮なブラインはブライン容器から流出することはない。
【0049】
好ましくは、仮のブライン収容部は、0.05mlから0.3mlの充填容量を有するホースであってもよい。
特に好ましくは、使用される仮のブライン収容部は、5cmから30cmの長さ、および、特に、0.5mmから3mmの直径を有するホースであってもよい。
【0050】
水フィルタカートリッジは、0.2バールから8.0バールの圧力にて操作され得るため、全ての公共の水供給ラインに問題なく接続でき得る。
d1(供給)及びd2(排出)を有する円錐状パイプを使用した場合の、円筒の相当直径を求める式:
d1:大径
d2:小径
dR:円筒パイプの相当直径
【0051】
【0052】
第2の局面によれば、蛇口直結型水フィルタカートリッジは、圧力容器の形態のハウジングと、水の入口と放水口とを備える。この蛇口直結型水フィルタカートリッジは、圧力容器の内部に、ミネラルが添加される予定の水の主フローを導くメインの導管、及び、濃縮塩溶液の投与フローを導く投与導管が配置され、投与導管はメインの導管から分岐し、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩溶液を収容する一定体積の貯蔵容器を備え、貯蔵容器から外れる投与導管の一部が、一定の流れ断面を有する投与開口部を介し、投与箇所にて主フローに接続され、抵抗部は、投与箇所の上流のメインの導管、好ましくは、流れ方向における、投与導管の分岐の下流の全体または部分的に配置され、その流れ抵抗は、主フローと投与フローとの間に差圧が発生するように設定され、この差圧により、主フローに開口する投与開口部を通じ、実質的に主フローに比例する塩溶液の投与フローの体積流量がもたらされることを特徴とする。
【0053】
蛇口直結型水フィルタカートリッジは、投与部、または、顆粒状物質の層の形態の、及び/または、例えば、焼結顆粒状物質で構成される抵抗成分を備える、0.1から0.5mmの範囲内で、特に、0.17から0.35mmの間の内径を有することが好ましい毛細管の形態の、及び/または、別の通気性のある透過性抵抗成分の形態の抵抗部を有する投与フローを備える。
【0054】
より好ましくは、貯蔵容器は、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩の層を収容し得るため、濃縮塩溶液の収容量は、流れ方向における塩の層の下流に存在し得る。
【0055】
そのような装置の使用により、例えばマグネシウムなどの所望のミネラルを加えることで、事実上ミネラルを含まない水(例えば、逆浸透システムからの水)または、水道水など、正常鉱化レベルでの水の鉱化が、容易な取り扱いで、可能となり得る。
【0056】
蛇口直結型水フィルタカートリッジは、投与部、または、顆粒状物質の層の形態の、及び/または、0.1から0.5mmの範囲、特に、0.17から0.35mmの間の内径を有することが好ましい毛細管の形態の抵抗部を有する投与フローを備え得る。
【0057】
好ましくは、仮のブライン収容部は、放水口とも称される、少なくとも1つの貯蔵容器からのブラインの出口箇所と、ブライン投与箇所との間に設けられるが、この仮の収容場所は、蛇口直結型水フィルタカートリッジの操作位置において、実質的に水平に配置されることが好ましい。
【0058】
この技術的効果は、滞留時における、フィルタカートリッジの主フローに位置する水の濃縮レベルの上昇を防ぎ得ることである。特に、ラインシステムにおいて圧力変化が度重なる場合、及び/または、介在空気を脱気する場合。
【0059】
このため、仮のブライン収容部により、その中に位置するブラインが圧力変動中に前後に振動しても、投与箇所とも称される仮の収容場所の出口領域にて収容されたブラインの濃度は、主フローからの水の導入によりもたらされた希釈効果の後で、上昇することはない。これは、更なる塩を溶解するため、塩の収容部への適切な近接さを必要とするためである。しかし、これはまさに介入するブライン収容部と、バリアとして内部にあるブラインを用いることで防げる。
【0060】
仮のブライン収容部は、0.05mlから0.3mlの充填容量を有することが好ましいホースであってもよい。ホースとしての設計は、仮のブライン収容部が、例えば、フィルタカートリッジのひとつの平面に横たわる螺旋として設計され得るという利点を有する。
【0061】
その結果、本質的に圧力は無いため、仮のブライン収容部からブラインを投与するにあたって打ち勝つべき更なる抵抗は無い。これに付随する技術的効果は、フィルタカートリッジの慣らし期間の後におけるブライン投与の管理が、この仮のブライン収容部により実質的に影響を受けないままであることである。
【0062】
ホースが5cmから30cmの長さであり、0.5から3mmの直径を有する場合に、特に有利であることがわかった。
投与の特にシンプルな管理は、投与フローの抵抗層、及び、ろ過液フローとも称される主フローの抵抗層が、同じ顆粒状物質で構成される場合に、実現され得る。これは、その後、両方の抵抗層が、特定の同じ抵抗を有し、フロー部の抵抗比がフロー部の断面と長さによって設定され得るためである。
【0063】
[例示的な実施形態]
添付の図面を参照しつつ、例示的な実施形態について以下詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】縦断部A-A及び横断部/断面B-Bを印した水フィルタカートリッジの平面図を例として模式的に示す。
【
図2】第1実施形態における、
図1の水フィルタカートリッジを通る、縦断部A-Aに沿った断面を例として模式的に示す。
【
図3】第1実施形態における、
図1の水フィルタカートリッジを通る、横断部/断面B-Bに沿った断面を例として模式的に示す。
【
図4】第2実施形態における、
図1の水フィルタカートリッジを通る、縦断部A-Aに沿った断面を例として模式的に示す。
【
図5】第2実施形態における、
図1の水フィルタカートリッジを通る、横断部/断面B-Bに沿った断面を例として模式的に示す。
【
図6】水フィルタカートリッジの構成に関する更なる詳細を例として模式的に示す。
【
図7】水フィルタカートリッジの構成に関する更なる詳細を例として模式的に示す。
【
図8】水フィルタカートリッジの構成に関する更なる詳細を例として模式的に示す。
【
図9】
図2から
図8の圧力モードでの操作中の設計とは、吸引の原理に基づき機能するという点で異なる内部構造を有する、更なる2つの実施形態を例として模式的に示す。
【
図10】
図2から
図8の圧力モードでの操作中の設計とは、吸引の原理に基づき機能するという点で異なる内部構造を有する、更なる2つの実施形態を例として模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
従って、
図1は、壁2.1、ベース2.2、カバー2.3、及び、ネック2.4を備えるハウジング2を有する蛇口直結型水フィルタカートリッジ1の図を示す。
これら締結体2.4.1は、例えば、ネック2.4の周りに分散して配置されて示される。これらの締結体を使用して、フィルタカートリッジ1は、前述のコネクタヘッドに挿入された後、補完的な蛇口直結型のコネクタヘッド(図示せず)に締結され、その後操作が開始される。
【0066】
保護キャップ3は、
図1において、着脱可能な状態でフィルタカートリッジの接続領域をカバーし、閉鎖する(
図2を参照)。
フィルタカートリッジのハウジングを通る縦軸1.1に沿って、垂直に走る断面線A-Aと、その横方向、ハウジングの上3分の1のあたりに、水平に走る断面線B-Bが示される。これらは続く図面に関連する。
【0067】
図2は、
図1におけるフィルタカートリッジ1の、断面線A-Aに沿った断面の図を示す。ここで、断面の状態にて示されるのは、ハウジング2、壁2.1、ベース2.2、及び、前記ベースに対向する端面に配置され、隣接するネック2.4を有するカバー2.3である。
【0068】
このネック2.4において、パイプの態様で突出する放水口5が、フィルタカートリッジにより処理される水を出すため、内部で中心に形成される。円筒円錐型フィルタカートリッジ1への被処理水の入口4は、当該放水口を同軸上に囲み、ネック2.4の外壁2.4.2により画定される。矢印4.1および矢印5.1は、処理される水の流れ方向を表す。
【0069】
着脱可能な保護キャップ3は、これら入口及びフィルタカートリッジ1の放水口領域4、5を、特に、例えば、接続及び/または密封構造の汚れ及び/または損傷から保護する。
【0070】
断面A-Aに展開する水の通路4.2は、カバー2.3の右手側半分において、入口4とカートリッジ1の内部との間に示される。当該通路は、放水口5の周りで、カバー2.3内に形成される、2つ以上であることが好ましい通路のうちの1つである。これらは、好ましくは、カバー2.3内部に形成されネックへと延びる円周方向の凹部4.3に開き、流入する被処理水が水フィルタカートリッジの内部の上領域にて分割され、関連するフロー部またはフィルタカートリッジにおける下流に位置する流路に均質に流れ得るようになっている。
【0071】
この例示的な実施形態では、これらフロー部または流路は、主フロー経路6及び投与フロー経路7である。ここでも、矢印6.1及び矢印7.1は、水の流れ方向または関連する流路を表す。
【0072】
主フロー経路6は、顆粒状物質室8と称される、ここで示されるフィルタカートリッジ1の実施形態の上部4分の1において、フィルタカートリッジの内部の全面積にわたる断面に、内部に配置された導管である、投与フロー経路7のための投与パイプ7.2と、放水口流路5のための放水口パイプ5.2以外に延伸する。
【0073】
顆粒状物質室8は、顆粒状物質室ベース8.1により下流に画定される。当該顆粒状物質室ベースは、不織布、グリル及び/またはそのようなものを備え得る。これは、顆粒状物質室8に配置された顆粒状物質を保持する。
【0074】
顆粒状物質は、2つの流路6及び7それぞれにおいて、流れる水が通る抵抗層として機能し、主フロー経路6における顆粒状物質6.3と、投与フロー経路7における顆粒状物質7.3の蓄積として示される。顆粒状物質/抵抗層は主フロー6における抵抗部6.5と、投与フロー7における抵抗部7.5を形成する。これは、好ましくは、それぞれの場合で同じ顆粒状物質であるため、同じ特定の流れ抵抗を有することになり、それゆえ流れ方向において、同じcm当たりの差圧がもたらされる。これにより、当該差圧に基づく主フロー6と投与フロー7との投与比の設定が容易になる(一般的な説明の部分の説明を参照)。
【0075】
この場合、水は、顆粒状物質、すなわち、主フロー経路6の抵抗部6.5、及び、投与フロー経路7の抵抗部7.5を通って、上方から下方へ流れる。
塩とブライン容器9からなる投与室9は、
図2に図示される下流、及び、顆粒状物質室8の下方に配置される。これは、外側投与室壁9.1、投与室ベース9.2、内側投与室壁9.3、カバー9.4を備える。
【0076】
投与室9は、放水口パイプ5.2のための軸上の凹部を有する中空円筒として設計される。そのため、これは
図2の図におけるカートリッジの縦軸1.1の辺り一面、及び、左右に延伸し、その左右側は互いに結合している。
【0077】
投与パイプ7.2は、顆粒状物質室ベース8.1を貫通し、投与室カバー9.4を通じ顆粒状物質室8と投与室9を結合する。
投与パイプ7.2に続き、フィルタカートリッジ1の操作中に、水の流れを、投与部7を介しベースの付近にて投与室9から流出させるため、投与導管9.5は、投与室カバー9.4から投与室ベース9.2への流れ方向7.1を導く。
【0078】
貯蔵容器9とも称されるブライン容器9として機能する投与室9は、塩10を収容する。この塩は、操作中にフィルタカートリッジを流れる水により溶解され、ブライン11を形成する。その後、ブラインは、投与室9内における塩10の上方に、投与室カバー9.4の下側まで、濃縮塩溶液11として存在する。
【0079】
投与室9(矢印9.6を参照)におけるフローの誘導を向上させる目的で、特に、そこからの空気を除くため、投与室カバー9.4は、
図2に示すように、フィルタカートリッジの操作位置における断面図で見た場合に、下側に傾斜した設計を有する。投与室9の傾斜したカバーは、気泡、特に小さな気泡の投与室の出口9.7への移動を容易にする。
【0080】
当該出口9.7は、投与室9の高い領域において、投与室9の外にて通路の形をとり設計される。本実施形態では、例として2つの出口が、図中で1つは左側、一つは右側に表されている。
【0081】
第1実施形態では、出口9.7は、濃縮塩溶液11の主フロー6への投与箇所9.8として機能し得る。ブラインは主フロー6と混ざり、それと一緒に、
図2の図において下方に、放水口パイプ5.2へと向かい、そしてさらに放水口5へと向かって、ハウジング2の壁2.1と投与室の外壁9.1との間を流れる。
【0082】
フィルタカートリッジ1で処理される水が後に無菌のままであることを確保するため、適切なフィルタ12、例えば、活性炭フィルタを通過させてもよい。そのようなフィルタは、例えば、
図2の投与室9の下方に更なる中空円筒体として示される。その中央内側の凹部は放水口パイプ5.2に開口する。
【0083】
第2の、好ましい実施形態によれば、対照的に、投与室9の出口9.7は、更に、貯蔵容器13、または、バッファとして機能する仮のブライン収容部13に接続され得る。この仮のブライン収容部13は、
図3に示されるように、例えば、ホースの形状にて設計され得る。これは、
図2による実施形態を基に、フィルタカートリッジ1を横方向に通り、時計回りに90度回転させた
図1の断面B-Bの図を示す。
【0084】
主フロー6へのブライン11の投与箇所9.8は、この場合、各貯蔵容器13の各出口13.2、または、ホースとして設計される仮のブライン収容部13である。このホース13は、断面B-Bの中または上に螺旋状で横たわる。ホース13の接続13.1は、好ましくはある角度にて投与室9へと顆粒状物質室ベース8.1を通過する。
【0085】
この貯蔵容器13は、滞留が発生した場合に、そのためにフィルタカートリッジを通過する水が無くなった場合、例えば、圧力変動/圧力サージ、及び/または、例えば、システム内の空気などの漏れ(上記説明を参照)による、意図しないポンプ処理が、鉱化処理において過剰な濃縮を引き起こし得ることはないという効果を有する。その他の点では、同一の参照符号は、他の図面に示されるのと同じ特徴を示す。
【0086】
図4は、フィルタカートリッジ1の更なる例示的な実施形態を示す。ここでの同一の参照符号は、先行する図面のものと同じ特徴を示す。
図2に対比して、この設計では、2つの投与室が存在し、左側のものは9、そして右側のものは9´であり、それぞれが投与パイプ7.2及び7.2´に関連する。各投与室9、9´は、同じ、または、例として示されているように、それぞれ別の投与室9´、9からの別の塩10または10´で満たされ得る。従って、2つの同一の、または、ここで示されるように、2つの異なるブライン11及び11´も形成される。
【0087】
ミネラルの添加、つまり、ブライン11または11´それぞれの主フロー6への添加の機能的な原理は、
図2、及び/または、
図3の例のように実現され得る。
ここでも、顆粒状物質の層は、それぞれの場合において、顆粒状物質室8内、そして、同じ距離あたりの抵抗値を成立させるべく、同じ顆粒状物質からなることが好ましい投与パイプ7.2、7.2´内に配置される。
【0088】
主フロー6において、抵抗/顆粒状物質層6.3の有効高さ6.4は、投与パイプ7.3、7.3´の入口の高さから顆粒状物質室ベース8.1まで延伸する。
同様に、各投与フロー7、7´における、抵抗/顆粒状物質層7.3、7.3´の有効高さ7.4、7.4´は、この場合、投与室ベース9.4内に位置する、関連する投与パイプ7.3、7.3´の入口の高さから端部まで延伸する。
【0089】
右手側の投与パイプ7.2´は、例として、左手側のものと違う寸法になっている。そのため、例えば、左と右の投与フロー間で異なる投与比がもたらされる。例えば、左には硫酸塩10、右には炭酸水素塩10´である。
【0090】
図5は、
図3と同様に、
図1の断面B-Bにおけるフィルタカートリッジ1の図を示すが、
図4による実施形態を基に、フィルタカートリッジ1を横方向に通り、時計回りに90度回転させたものである。
【0091】
この図の下半分において、
図4の右手側半分を平面図が示される。この上半分は、
図4の左手側半分を示す。ここでも、同一の参照符号は、先行する図面、特に、
図4に示されるのと同じ特徴を示す。
【0092】
図6及び
図8は、理解を深めるための補足的な図面を示す。
同様に、例えば、
図6は、ハウジング2を有するフィルタカートリッジ1の縦断部を示す。ここでも、同一のアイテム番号は、他の図面のものと同じ特徴を示す。よって、例えば、6は主フロー経路を、7及び7´は投与フロー経路を、6.1、7.1、7.1´は関連するフローの方向の矢印を示す。アイテム9.7及び9.7´は、混合箇所とも称され得る、ブラインの主フロー経路6への添加のための投与箇所として、2つの投与室9、9´からの2つの出口、10、10´は各塩、11、11´は関連するブラインまたはブラインの上澄みを示す。投与部への入口または供給部は、7.2.1及び7.2.1´で示される。
【0093】
従って、
図4と同様に、
図7は、ハウジング2、主フロー6、主フロー6の抵抗層の有効高さ6.4と投与フロー7、7´の有効高さ7.4とを有する投与フロー7、7´、主フローの断面積6.2.2、及び、投与フローの断面積7.2.2を有するフィルタカートリッジ1を示す。顆粒状物質は、主フローにおいては6.3で、投与フローにおいては7.3で示される。
【0094】
従って、ブライン投与箇所は、
図3及び
図5の設計に比べ、ブライン室9からのブラインを直接添加する設計については、9.7及び9.7´で示した出口で実現される。つまり、貯蔵容器13または仮のブライン収容部13がない。
【0095】
同様に、
図8は、ハウジング2を有するフィルタカートリッジ1の断面図を示す。これは、貯蔵容器13または濃縮塩溶液用の仮のブライン収容部13のそれぞれが、
図3及び
図5の実施形態に対応するホース13の形で設けられるという点で、本質的に
図7の図と異なる。ここで関連する各投与箇所9.8は、ホース13または13´の出口13.2または13.2´によって実現される。
【0096】
図9および
図10は、更なる2つの実施形態を例として模式的に示すが、
図2から
図8の圧力モードでの操作中の設計と比較し、これらの実施形態では、顆粒状物質の層、つまり、主フロー経路6の抵抗部6.5、及び、投与フロー経路7の抵抗部7.5を通って下方から上方へ水が流れるという点で、内部構造が変更されている。よって、これらは吸引の原理に基づき機能する。同一の参照符号は、前述の実施形態のものと同じ意味をそれぞれ有する。
【0097】
詳細には、
図9は、壁2.1、ベース2.2、カバー2.3、及び、ネック2.4を備えるハウジング2を有する蛇口直結型水フィルタカートリッジ1を示す。
ここでも、顆粒状物質6.3の層は抵抗部6.5を構成するが、フィルタカートリッジ1が使用可能な向きにあり、放水口5が上方を向いた状態で、矢印4.1に従って流れる水が下方から上方へ内部を流れるよう、顆粒状物質室の釣鐘型のカバー8.3の下/内部に配置される。当該設計は、吸引の原理に基づき機能する。
【0098】
被処理水4.1は、投与室ベース8.1内で入口8.1.3を通じ、流通室8.1.2へと通過し、そこから粒子保持のための不織布及び/または、グリル8.1.1を通じ、顆粒状物質層6.3へと通過する。
【0099】
ほんの少量の被処理水4.1は、投与フロー7に乗って流れる。最初は、供給部パイプ9.9の下端から中を通り下方へ、塩10を収容する投与室9に入り、そして塩10を溶解することで、主フロー6に添加されるブライン11を形成する。
【0100】
このブライン11は、フィルタカートリッジ1の中の流量、及び、メインと投与フローとの投与比により、投与室において、ドーム状に設計されたカバーまで、さらに上方に上昇し、構造的には上に配置されるが、機能的には投与室9の下流に、ブライン投与箇所9.8まで形成された投与パイプ7.2へと、その一番高い箇所で吸入される。
【0101】
当該設計において、顆粒状物質6.3及び7.3は、炭素の、特に、活性炭の層の形態のフィルタの台であってもよい。しかし、原理上は、別の顆粒状物質も、そういった抵抗部6.5及び7.5を形成するのに適する。
【0102】
空気は、水が顆粒状物質/抵抗層を上方から流れる実施形態に比べ、より良好かつ急速に、実質的にこのフィルタカートリッジから除去される。特に、空気のための投与パイプの抵抗は、水の抵抗に比べて低いため、立ち上がり時に、塩の容器9における塩の粒同士の間に位置する空気は、投与パイプ7.2を非常に素早く脱出し得る。
【0103】
ブライン溶液11は、投与部7の抵抗パイプ7.2から、被処理水の主フロー6へと直接投与される。
供給部における圧力変動は、容器を流れるうちにやがてブラインになる水のための、十分な寸法を持つ供給部パイプ9.9内において動きの原因となる。
【0104】
ブラインの投与そのものは、外部の圧力変動の発生時においても、吸引の原理の結果として、ほぼ一定に保たれる。供給部における圧力変動がフィルタ1全体の減圧中に発生する場合、例えば、蛇口が開かれ、気泡が膨張する際に、フィルタの上流の水圧が2バールから1バールへと下降する時に、塩の容器9内に封じ込められた気泡が膨張する。これら気泡は、顆粒状物質で満たされ、中を流れることが困難な投与パイプを通じ、ほんの少量の飽和ブラインを放水口へと移動させる一方、ほとんどのブラインは、対照的に、大きなダウンパイプへと逆流し、鉱化された水において塩負荷の増加を引き起こさない。
【0105】
図10は、
図9と同様の実施形態を示すが、可能な複数の例として、2つのブライン投与装置を有する。
操作のモードは同じであり、そのため、同一のアイテム番号は、
図9について設定されたものと同じ意味を有する。よって、単純化の理由から、
図9については原則として上記説明を参照する。
【0106】
以降、追加で図示された第2の投与装置についての要素のみを説明する。第2のブライン投与装置に係る要素の数字は、この場合、「´」で補完される。
当該設計は、それぞれ塩10、10´及びブライン11、11´を収容する2つの投与室9、9´を備える。これらのブラインは、2つの投与パイプ7.2、7.2´を通じ、ブライン投与箇所9.8、9.8´それぞれにて被処理水の主フロー6へと添加される。例えば、2つの異なるミネラルを添加できるよう、塩は異なっていることが好ましい。投与比もまた、例えば、添加する特定の塩の所望する量それぞれに応じ、異なってもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…フィルタカートリッジ、1.1…カートリッジの縦軸、2…ハウジング、2.1…壁、2.2…ベース、2.3…カバー、2.4…ネック、2.4.1…締結体、2.4.2…外壁、3… 保護キャップ、4…入口、4.1…矢印、4.2…通路、4.3…凹部、5…放水口、5.1…矢印、5.2…放水口パイプ、6…主フロー経路、6.1…矢印、6.2.2…主フローの断面積、6.3…顆粒状物質、6.4…抵抗/顆粒状物質層の有効高さ、6.5…抵抗部、7…投与フロー経路、7.1…矢印、7.2…投与パイプ、7.2.1…投与パイプへの供給部/入口、7.2.2…投与フローの断面積、7.3…顆粒状物質、7.4…抵抗/顆粒状物質層の有効高さ、7.5…抵抗部、8…顆粒状物質室、8.1.1…不織布、及び/またはグリル、8.1…顆粒状物質室ベース、8.2…顆粒状物質室の釣鐘型のカバー、8.3…保持手段、9…投与室(ブラインまたは貯蔵容器とも称される)、9.1…投与室壁、9.2投与室ベース、9.3…投与室壁、9.4…投与室カバー、9.5…投与導管、9.6…矢印、9.7…出口、9.8…塩溶液の投与箇所、9.9…供給部パイプ、10…塩、11…ブライン、12…フィルタ、13…貯蔵容器、13.1…接続部、13.2…出口
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器の形態のハウジング(2)と、水の入口(4)及び放水口(5)とを備える、蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)を操作する方法であって、
前記圧力容器の内部において、ミネラルが添加される水の主フロー
(6.1)は、メインの導管
(6)を通って導かれ、
濃縮塩溶液の投与フロー
(7.1、9.6)は、投与導管
(7.2、9.5、9.7)を通って導かれ、
前記投与導管
(7.2)は、メインの導管
(6)から分岐し、
硫酸塩、塩化物塩及び/または炭酸水素塩からなる濃縮塩溶液
(11)を収容する一定体積の貯蔵容器
(9)に至り、前記貯蔵容器
(9)から外れる前記投与導管の一部
(9.7)は、投与箇所
(9.8)にて、一定の流れ断面を有する投与開口部
(9.7;13.2)を介して前記主フロー
(6.1)に開口し、
前記主フロー
(6.1)の前記流れ抵抗は、前記主フロー
(6.1)と前記投与フロー
(7.1、9.6)との間に差圧が発生するよ
う、流れ方向における前記投与箇所
(9.8)の上流に配置された
、前記主フロー(6.1)において抵抗部
(6.5)を形成する顆粒状物質(6.3)の層と、前記投与フロー(7.1、9.6)における別の抵抗部(7.5)であって、抵抗部(7.5)は抵抗層(7.4)の形態及び/又は毛細管の形態であり、その抵抗部(7.5)の供給は前記層に突出する、前記抵抗部(7.5)と、により設定され、
その差圧により、
前記主フロー
(6.1)へと開口する前記投与開口部
(9.7;13.2)を通じ、実質的に前記主フロー(6
.1)に比例する前記塩溶液(11;11´)の前記投与フロー(7
.1、9.6)の体積流量がもたらされることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記貯蔵容器
(9)は、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩で形成された塩の層
(10)を含み、濃縮塩溶液
(11)の収容量は、前記流れ方向における前記塩の層
(10)の下流に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記投与部、または、前記投与フロー
(7.1、9.6)にて形成される抵抗部は、顆粒状物質(6.3)の層の形
態、及び/また
は、0.1から0.5mm、特に、0.15から0.4mmの間の範囲の内径を有する毛細管の形
態、であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記放水口(5)が上方に向いた、使用可能な向きでの前記水フィルタカートリッジ(1)において、前記入口(4)から流入する前記主フロー(6
.1)は、前記抵抗部(6.5)の中を上方から下方へ流れるよう、前記上方から前記抵抗部(6.5)へ導かれることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記放水口(5)が上方に向いた、使用可能な向きでの前記水フィルタカートリッジ(1)において、前記入口(4)から流入する前記主フロー(6
.1)は、前記抵抗部(6.5)の中を下方から上方へ流れるよう、前記上方から前記抵抗部(6.5)の下側へ導かれることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
硫酸塩、塩化物塩、または、炭酸水素塩からなる少なくとも1つの濃縮塩溶液(11;11´)が使用され、これらの溶解性は、20°Cで少なくとも2g/Lであり、20°Cで少なくとも50g/Lであることが好ましく、とりわけ20°Cで740g/Lであることを特徴する、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの塩溶液(11;11´)は、前記主フロー(6
.1)に対し、体積にして0.05%から2%の割合で投与されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
0.1mmから2mmの粒子サイズを有する顆粒状物質(6.3;7.3)は、特に、前記流れ方向において、1cmの最小限度(6.4;7.4)を有する前記層に使用されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
同じ顆粒状物質(6.3;7.3)が、前記投与フロー(7;7´)の前記抵抗部(7.5)、及び、前記主フロー(6
.1)の前記抵抗部(6.5)に使用されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記入口(4)と放水口(5)の間の水の伝導性は、少なくとも100μS/cmから2000μS/cm、好ましくは600μS/cm上昇させることが好ましいことを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記水フィルタカートリッジ(1)は、0.2バールから8.0バールの圧力にて操作されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記塩溶液(11、11´)は、前記少なくとも1つの貯蔵容器(9)からの出口箇所(9.7)と、前記水の前記主フロー(6
.1)への前記塩溶液(9.8)の前記投与箇所との間の、前記塩溶液(13;13´)の仮の収容場所に一時的に収容され、前記塩溶液のこの仮の収容場所は、柔軟性のある材料で作製されることが好ましく、特に、前記水フィルタカートリッジの前記操作位置において、実質的に水平に配置されることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記塩溶液用に使用される前記仮の収容場所(13,13´)は、0.05mlから0.3mlの充填容量を有するホースであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記塩溶液用に使用される前記仮の収容場所(13,13´)が、5cmから30cmの長さ、特に、0.5mmから3mmの直径を有するホースであることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項15】
圧力容器の形態のハウジング(2)と、水の入口(4)及び放水口(5)とを備える蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)であって、
前記圧力容器の内部に、ミネラルが添加される
ことになる水の主フロー
(6.1)を導くメインの導管
(6)、及び、濃縮塩溶液
(11)の投与フロー
(7.1、9.6)を導く投与導管
(7.2、9.5、9.7)が配置され、
前記投与導管
(7.2、9.5、9.7)は前記メインの導管
(6)から分岐し、
硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩溶液
(11)を収容する一定体積の貯蔵容器
(9)を備え、前記貯蔵容器
(9)から外れる前記投与導管の一部
(9.7)が、一定の流れ断面を有する投与開口部
(9.7)を介し、投与箇所にて前記主フロー
(6.1)に接続され、
抵抗部
(6.5)を形成する顆粒状物質(6.3)の層は、流れ方向における、前記投与箇所
(9.8)の上流の前記メインの導管
(6)に配置され、
抵抗層(7.4)の形態及び/又は毛細管の形態である別の抵抗部(7.5)が前記投与フロー(7.1、9.6)において形成され、その抵抗部(7.5)の供給は前記層に突出し、その流れ抵抗は、前記主フロー
(6.1)と前記投与フロー
(7.1)との間に差圧が発生するように設定され、この差圧により、前記主フロー
(6.1)に開口する前記投与開口部
(9.8)を通じ、実質的に前記主フロー(6
.1)に比例する、前記塩溶液(11、11´)の前記投与フロー(7
.1)の体積流量がもたらされることを特徴とする、蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項16】
前記貯蔵容器は、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩の層
(10)を収容するため、濃縮塩溶液
(11)の収容量は、前記流れ方向における前記塩の層
(10)の下流に存在することを特徴とする、請求項15に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項17】
前記投与部または前記投与フロー
(7.1)を形成する抵抗部(7.4)は、顆粒状物質
の層(6.3)の形態の、及び/または、0.1から0.5mmの範囲、特に、0.17から0.35mmの間の内径を有す
る毛細管の形態
であることを特徴とする、請求項15または請求項16に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項18】
前記塩溶液(13;13´)の仮の収容場所は、前記少なくとも1つの貯蔵容器(9;9´)からの前記塩溶液(9.7;9.7´)の前記出口箇所と、前記塩溶液(9.8;9.8´)の前記投与箇所との間に設けられ、この仮の収容場所は、前記蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)の操作位置において、実質的に水平に配置されることが好ましいことを特徴とする、請求項15、請求項16、または請求項17に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ(1)。
【請求項19】
前記塩溶液(13;13´)の前記仮の収容場所は、0.05mlから0.3mlの充填容量を有することが好ましいホースであることを特徴とする、請求項15から請求項18のうちいずれか1項に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項20】
前記ホースは、5cmから30cmの長さであり、0.5から3mmの直径を有することを特徴とする、請求項15から請求項19のうちいずれか1項に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【請求項21】
前記投与フロー(7
.1)の前記抵抗部(7.5)、及び、前記主フロー(6
.1)の前記抵抗部(6.5)が同じ顆粒状物質(6.3、7.3)からなることを特徴とする、請求項15から請求項20のうちいずれか1項に記載の蛇口直結型水フィルタカートリッジ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
第2の局面によれば、蛇口直結型水フィルタカートリッジが提案され、蛇口直結型水フィルタカートリッジは、圧力容器の形態のハウジングと、水の入口と放水口とを備える。この蛇口直結型水フィルタカートリッジは、圧力容器の内部に、ミネラルが添加される予定の水の主フローを導くメインの導管、及び、濃縮塩溶液の投与フローを導く投与導管が配置され、投与導管はメインの導管から分岐し、硫酸塩、塩化物塩、及び/または、炭酸水素塩からなる塩溶液を収容する一定体積の貯蔵容器を備え、貯蔵容器から外れる投与導管の一部が、一定の流れ断面を有する投与開口部を介し、投与箇所にて主フローに接続され、抵抗部は、投与箇所の上流のメインの導管、好ましくは、流れ方向における、投与導管の分岐の下流の全体または部分的に配置され、その流れ抵抗は、主フローと投与フローとの間に差圧が発生するように設定され、この差圧により、主フローに開口する投与開口部を通じ、実質的に主フローに比例する塩溶液の投与フローの体積流量がもたらされることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
主フロー6において、抵抗/顆粒状物質層6.3の有効高さ6.4は、投与パイプ7.2、7.2´の入口の高さから顆粒状物質室ベース8.1まで延伸する。同様に、各投与フロー7、7´における、抵抗/顆粒状物質層7.3、7.3´の有効高さ7.4、7.4´は、この場合、投与室ベース9.4内に位置する、関連する投与パイプ7.2、7.2´の入口の高さから端部まで延伸する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
詳細には、
図9は、壁2.1、ベース2.2、カバー2.3、及び、ネック2.4を備えるハウジング2を有する蛇口直結型水フィルタカートリッジ1を示す。ここでも、顆粒状物質6.3の層は抵抗部6.5を構成するが、フィルタカートリッジ1が使用可能な向きにあり、放水口5が上方を向いた状態で、矢印4.1に従って流れる水が下方から上方へ内部を流れるよう、顆粒状物質室の釣鐘型のカバー8.
2の下/内部 に配置される。当該設計は、吸引の原理に基づき機能する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
図10は、
図9と同様の実施形態を示すが、
複数の可能なブライン投与装置の例として、2つのブライン投与装置を
示す。操作のモードは同じであり、そのため、同一のアイテム番号は、
図9について設定されたものと同じ意味を有する。よって、単純化の理由から、
図9については原則として上記説明を参照する。
【国際調査報告】