(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】引出しまたは棚の、組立システム及び組立方法
(51)【国際特許分類】
A47B 88/95 20170101AFI20220420BHJP
【FI】
A47B88/95
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553399
(86)(22)【出願日】2020-03-08
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2020051996
(87)【国際公開番号】W WO2020183334
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】102019000003601
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516265621
【氏名又は名称】ボルトルッツィ システミ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】スポンガ,ブルーノ
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB52
3B160AB61
3B160DA12
3B160DA22
(57)【要約】
棚または引出しの前部部品に、棚または引出しの底面を支持するよう適応された突出支持部を適用する、組立方法が請求され、棚または引出しの表面に対して垂直である2つ以上のダウエルを適用するステップと、軸に沿ってダウエルを整合させるステップと、ダウエルを順次、突出支持部に存在する相互的な空洞に挿入することによって、突出支持部をダウエルに連結するステップと、を伴う。棚または引出しの前部も請求され、使用中に棚または引出しの中央に面した表面と、この表面から突出し、棚または引出しの底面を支持できる、細長い支持部と、を備える。この表面は、突出し、かつ細長い支持部に連結される要素を備え、突出要素を、突出支持部に存在する相補的な長手方向の空洞の中に挿入することによって、この細長い支持部は連結される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚または引出しの前部部品(30)に、前記棚または引出しの底面(60)を支持するよう適応された突出支持部(54)を適用する組立方法であって、
前記棚または引出しの表面に片持ち梁式に作られ、軸(X)に沿って整合された、2つ以上のダウエル(54)を適用するステップと、
前記ダウエルを、前記支持部に存在する相補的な空洞(56)の中に順次挿入することによって、前記突出支持部(54)を前記ダウエルに連結するステップと
を伴う組立方法。
【請求項2】
他の3つの側部に適用可能で、矩形フレームを形成する、棚または引出しの前部(30)であって、
使用中に、前記引出しまたは棚の中央に面する、表面と、
前記棚または引出しの底面を支持するよう適応された、前記表面から突出した、細長い支持部(60)と、を備え、
前記表面は、突起要素(54)を備え、前記突起要素(54)を、前記突出支持部に存在する相補的な細長い空洞(58)の中に挿入することによって、前記細長い支持部に連結される、棚の前部(30)。
【請求項3】
前記表面は、軸(X)に沿って整合された2つ以上の突起要素を備え、前記突出要素を、前記突起支持部に存在する相補的な細長い空洞の中に挿入することによって、前記細長い支持部に連結される、請求項2に記載の部分。
【請求項4】
前記表面は平坦である、請求項2または3に記載の部分。
【請求項5】
前記細長い支持部は、例えばプラスチックまたは金属のセクションバーである、請求項2~4のうちいずれか一項に記載の部分。
【請求項6】
前記細長い支持部は長手方向の溝を備え、前記長手方向の溝は、使用中に底面に面するよう、前記長手方向の空洞に平行に延びる、請求項2~5のうちいずれか一項に記載の部分。
【請求項7】
前記細長い支持部の前記空洞、及び/または前記長手方向の溝は、T型形状の断面を有する、請求項2~6のうちいずれか一項に記載の部分。
【請求項8】
前記細長い支持部の前記空洞、及び/または前記長手方向の溝は、実質的に前記細長い支持部の全延長にわたって延びる、請求項2~7のうちいずれか一項に記載の部分。
【請求項9】
1つまたは各々の突出要素は、例えばネジ止めで前記表面に適用されたダウエルである、請求項2~8のうちいずれか一項に記載の部分。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に、家具の棚または引出しの取付システム及び取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家具の棚または引出し、特に木製のものは、4つの側部を組み合わせて、底面を支持する方形または矩形フレームを作り出すことによって構築される。一般的な技術は、引出しまたは棚の、3つの側部を共に固定することによってC形状の部品を形成し、底部及びこれら側部を形成して、次に前側部を接合する。
【0003】
前側部は、唯一の木製ボードであることが多く、いくつかの定着要素を用いてCに固定される。底面を支持するために、引出しの内側に面したテーブルの表面において、棚の縁部を支持するのに役立つセクションバーが適合される。
【0004】
現在、セクションバーは、ボードの穴の中に圧入されるブッシングによってボードに装着されるが、この取付方法は、いくつかの欠点を有する。このブッシングは非常に高価であり、ボードをドリルで穴を開けるには、非常に精確でなければならない。たった一つの穴が整合されないか、または間隔がずれた場合、組立は損なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野のこの状況を改善することが、本発明の主な目標であり、それは添付の特許請求の範囲において定義され、その中で従属請求項は有利な変形を定義する。
【0006】
別の目標は、製作が簡単で組立が容易である、上述のタイプの棚または引出しを提供することである。
【0007】
別の目標は、製作が安価である、上述のタイプの棚または引出しを提供することである。
【0008】
別の目標は、実施が簡単で組立が容易である、上述のタイプの棚または引出しの組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、棚または引出しの前部部品に、棚または引出しの底面を支持するよう適応された突出支持部を適用する組立方法に関し、
軸に沿って整合され、棚または引出しの表面に片持ち梁式に作られた、2つ以上のダウエルを適用するステップと、
ダウエルを、支持部に存在する相補的な空洞の中に順次挿入することによって、突出支持部をダウエルに連結するステップと
を伴う。
【0010】
本発明の態様は、他の3つの側部に適用可能で矩形フレームを形成する、棚または引出しの前部に関し、
使用中に、引出しまたは棚の中央に面する、表面と、
棚または引出しの底面を支持するよう適応された、表面から突出した細長い支持部と
を備え、
この表面は、突出し、かつ細長い支持部に連結される要素を備え、この細長い支持部は、突出要素を、突出支持部に存在する相補的な長手方向の空洞の中に挿入することによって連結される。
【0011】
好ましい変形として、この表面は、軸に沿って整合された2つ以上の突出要素を備え、これら突出要素を、突出支持部に存在する相補的な細長い空洞の中に挿入することによって、細長い支持部に連結される。
【0012】
好ましい変形として、上記の表面は平坦である。
【0013】
好ましい変形として、細長い支持部は、例えばプラスチックまたは金属で作られたセクションバーである。
【0014】
好ましい変形として、細長い支持部は長手方向の溝を備え、それは使用中に底面に面するよう、長手方向の空洞に対して平行に延びる。
【0015】
好ましい変形として、細長い支持部の空洞、及び/または長手方向の溝は、T型の断面を有する。
【0016】
好ましい変形として、細長い支持部の空洞、及び/または長手方向の溝は、実質的に細長い支持部の全延長にわたって延びる。
【0017】
好ましい変形として、1つ、または各々の突出要素は、上記の表面に、例えばネジ止めで適用される、ダウエルである。
【0018】
好ましい変形として、突出要素の断面は、より小さい断面の部分と、より大きい断面の部分とを備え、より大きい断面の部分は、上記の表面から離れている。
【0019】
本発明の態様は、上記の1つまたは各々の変形で定めたような前部を備え、矩形フレームを形成するために他の3つの側部に適用可能な、棚または引出しに関する。
【0020】
本発明の態様は、
上記の1つまたは各々の変形で定めたような前部と、
3つの側部と
によって形成された、矩形または方形のフレームを備えた棚、または引出しに関する。
【0021】
本発明の利点は、添付の図面を参照して、好ましい例示的システムにおける以下の説明から、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】棚または引出しの前部部品の、三次元分解図である。
【
図3】前部部品の連続した組立ステップの、三次元図である。
【
図4】前部部品の連続した組立ステップの、三次元図である。
【
図5】前部部品の連続した組立ステップの、三次元図である。
【
図6】
図4のVI-VI面に沿った、
図2の構成要素の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面において、同じ番号は、同じまたは概念的に類似の部分を示し、要素は使用中のものとして説明する。図面を煩雑にしないために、いくつかの参照番号は省略する。
【0024】
図1は、前部セグメント14、底部セグメント16、及び2つの側方セグメント18によって形成されたフレームを備えた、棚または引出し12を示す。セグメント16、18は、互いに適合するよう90°で切断された両端を伴う、例えば管状部品である。セグメント14、16、18は、全体的に矩形または方形のフレームを形成するために組み立てられる。棚12の底部は20で表わされ、使用中には水平な平面に置かれる。
【0025】
棚または引出し12を取り付けるために、前部セグメント14は、C型アセンブリに固定される。このC型アセンブリは、底部セグメント16と2つの側部セグメント18とを統合することによって形成される。
【0026】
前部セグメント14は、使用中に底部セグメント16に面した、すなわち引出しまたは棚12の内部に面した主面Sを伴う、平坦ボード30から成るか、または平坦ボード30を備える。
【0027】
表面Sにおいて、ボード30の端部近くは、例えばネジ40を用いて、ボード30をセグメント18の自由端に接続するよう適応された定着要素42に固定される。
【0028】
表面Sの中央において、穴50の対が作られ、ネジ52を用いて、いくつかのダウエル54が表面Sに装着される。全ての穴50は整合され、そのためダウエル54は、
図3のように同じX軸に置かれる。
【0029】
図6のダウエル54は、例えば平行六面体形状のブロックであり、より大きい、またはより広い断面を伴う部分すなわちヘッド部56を備え、それは表面Sから片持ち梁式に突出する。
【0030】
ダウエル54の列は、
図4及び
図6のように、セクションバー60をボード30に連結するための誘導部を形成する。セクションバー60は、軸に沿った細長いバー62であり、空洞64及び台座部66を備える。
【0031】
空洞64は、ダウエル54の容積に対して相補的に引っ込んでおり、一方で台座部66は、使用中に水平方向に保たれる。
【0032】
セクションバー60は、空洞64を表面Sに向けることによって、ダウエル54に連結される。
【0033】
次にセクションバー60は、ボード30の縁部から中央に向けて、水平方向かつ表面Sに平行に摺動され(矢印F参照)、それぞれ連続して各ダウエル54を空洞64の中に挿入する。
【0034】
最後に、
図5のように、セクションバー60は、表面S上でボード30と統合され、部分すなわちヘッド部56のおかげで、(反対方向に向けで抜き出す以外は)ダウエル54から外れることはない。
【0035】
したがって、組立の最後において、セクションバー60は、底部18の支持部として使用することができる。好ましくは、台座部66は、例えばT型断面の長手方向の溝68を備える。長手方向の溝68は、使用中に表面Sの前に設置され、例えば上方に向けられ、要素を、相補的なT型形状の突出したヘッド部に摺動させて固定するため、または引出しまたは棚12の内側部を定着させるために、有用である。
【0036】
ダウエル54の数は様々であってよく、十分に長い場合は究極的に1つのみを必要とすること、及び、
ダウエル54の形状は様々であってよく、それらが、最終的にセクションバー60を支持するためにボード30から突出するのに十分であること、
に留意されたい。ダウエルとセクションバーとの間に直線の多面的な対を作り出す、ヘッド部56の存在は、セクションバー60が外れるのを防止するため有利であるが、必須ではない。
【0037】
ダウエルをボード30に固定する方法も、例えば接着剤によるなど、様々であって良い。または、ボード30を、ダウエル54と機能的に類似した、1つまたは複数の突出した部分をボード30の上に統合させることによって作られ得る。これは、例えばボード30がプラスチックで成型された部品である場合に、容易である。ボード30は、好ましくは木材で作られる。
【0038】
平面20のための支持部は、単一のセクションバー60か、またはX軸上に並べられたいくつかの一連の小さいセクションバーであってよいことに、留意されたい。これは、例えば組立を容易にし、多くのダウエル54が、セクションバー60の非常に長いストロークで挿入されるのを防止する。
【国際調査報告】