IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市普蘭徳儲能技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-使用済み電池モジュールの修復方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】使用済み電池モジュールの修復方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20220421BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20220421BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220421BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
H01M10/44 Q
H02J7/04 B
H01M10/48 P
H01M10/42 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020526287
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2020-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2020076109
(87)【国際公開番号】W WO2021163985
(87)【国際公開日】2021-08-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520149881
【氏名又は名称】深▲せん▼市普蘭徳儲能技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 晨露
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 波
(72)【発明者】
【氏名】羅 勇
(72)【発明者】
【氏名】孟 超
(72)【発明者】
【氏名】劉 衛強
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB02
5G503CA11
5G503DA07
5G503DA12
5G503EA05
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF52
(57)【要約】
本出願は、使用済み電池モジュールの修復方法を開示する。前記使用済み電池モジュールを上限電圧に充電させるステップと、前記使用済み電池モジュール内における複数の単列電池の並列状態を解除するステップと、前記上限電圧に充電された前記使用済み電池モジュールを所定時間静置した後、各前記単列電池をそれぞれ前記上限電圧に充電させるステップと、前記単列電池を下限電圧に放電させるステップと、複数の前記単列電池を並列するステップと、を含む。前記使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールを修復する場合、使用済み電池モジュールを単一のセルに解体する必要がなく、使用済み電池モジュールの全体外観を維持することができ、且つ、複数の単列電池同士の並列状態だけを解除することにより、各単列電池を修復することができる。従来の方法に対して、前記使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールを修復する際に、コストが低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一緒に並列されている複数の、若干の電池単体により直列されてなる単列電池を含む、使用済み電池モジュールの修復方法であって、
前記使用済み電池モジュールを上限電圧に充電させるステップと、
前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除するステップと、
前記上限電圧に充電された前記使用済み電池モジュールを所定時間静置した後、各前記単列電池をそれぞれ前記上限電圧に充電するステップと、
各前記単列電池を下限電圧に放電させるステップと、
複数の前記単列電池を並列するステップと、を含む、
ことを特徴とする使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項2】
各前記単列電池を前記上限電圧に充電させる操作の後、複数の前記単列電池を前記所定時間静置した後、再度、各前記単列電池を前記上限電圧に充電させる操作をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項3】
複数の前記単列電池を前記所定時間静置した後、再度各前記単列電池をそれぞれ前記上限電圧に充電させる操作は、重複であり、重複回数が2回~10回である、
ことを特徴とする請求項2に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項4】
前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除することは、前記使用済み電池モジュールのハウジングを開けて、複数の前記単列電池の正極/負極ポストを露出させた後、前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項5】
複数の前記単列電池を並列することは、複数の前記単列電池を並列した後、前記使用済み電池モジュールのハウジングを取り付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項6】
前記使用済み電池モジュールは、一緒に並列されている3個~20個の前記単列電池を含み、各前記単列電池は3個~20個の前記電池単体により直列して形成される、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項7】
前記所定時間が1h~24hである、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項8】
前記所定時間が1h~2hである、
ことを特徴とする請求項7に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項9】
前記単列電池の遮断電流が0.02Cである、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【請求項10】
前記単列電池の充電電流が0.1C~0.5Cであり、前記単列電池の放電電流が0.1C~0.5Cである、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池モジュール性能の修復分野に関し、特に、使用済み電池モジュールの修復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動自動車が急速に発展することに伴い、電池産業も積極的に拡張している。リチウムイオン電池技術は、現在、電動自動車システムにおける重要な技術の1つとなっている。リチウムイオン電池の使用過程において、電池の耐用年数およびコストは、電動自動車の発展を制約する2つの重要な要素である。2016年では、中国の電動自動車の売上高が51.7万台に達し、2017年では、市場の売上高が約70万台に達した。電池使用期間が5年間であることに基づき、中国自動車技術研究センターにより、2020年まで、中国における自動車用電池の使用済み量が32.2万トンに達すると予測されている。新エネルギー自動車の普及および時間の推移に伴い、使用済み電池の回収圧力は、ますます大きくなっている。
【0003】
使用済み電池モジュールは、リチウムイオン電池の修復方法で電池性能を修復し、修復が完了した後、再利用することができる。しかしながら、従来の使用済み電池モジュールの修復方法は、リチウムイオン電池の単体セルに対して行われ、すなわち、使用済み電池モジュールをリチウムイオン電池の単体セルに解体した後、リチウムイオン電池の単体セルに対して修復を行い、使用済み電池モジュールの修復を完成した後、リチウムイオン電池の単体セルを使用済み電池モジュールに組み立てるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
つまり、従来の使用済み電池モジュールの修復方法は、手間がかかり、使用済み電池モジュールを修復する際に、コストが高い。
【0005】
本出願は、使用済み電池モジュールを修復する際に、コストが低い使用済み電池モジュールの修復方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一緒に並列されている複数の、若干の電池単体により直列されてなる単列電池を含む、使用済み電池モジュールの修復方法であって、
前記使用済み電池モジュールを上限電圧に充電させるステップと、
前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除するステップと、
前記上限電圧に充電された前記使用済み電池モジュールを所定時間静置した後、各前記単列電池をそれぞれ前記上限電圧に充電するステップと、
各前記単列電池を下限電圧に放電させるステップと、
複数の前記単列電池を並列するステップと、を含む、使用済み電池モジュールの修復方法。
【発明の効果】
【0007】
前記使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールを修復する際に、使用済み電池モジュールを単一のセルに解体する必要がなく、使用済み電池モジュールの全体外観を維持することができ、且つ、複数の単列電池同士の並列状態だけを解除することにより、各単列電池を修復することができる。従来の使用済み電池モジュールの修復方法に対して、前記使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールを修復する際に、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下は、本出願の実施例または従来技術における技術方案をよりはっきりと説明するために、実施例または従来技術に所要する図面について簡単に説明する。以下の説明における図面は、本出願の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得可能となることが自明である。
【0009】
図1】一実施例における使用済み電池モジュールの修復方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けて、本出願の実施例における技術方案について、はっきりと、完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本出願の全部の実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないものである。本出願における実施例によれば、当業者にとって創造的な労働を払わずに取得する全ての他の実施例は、本出願の保護範囲に属すべきである。
【0011】
図1に示すように、一実施例における使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールに対して性能的な修復を行うために用いられる。それは、以下のステップを含む。
【0012】
S100:使用済み電池モジュールを上限電圧に充電させる。
【0013】
使用済み電池モジュールは、一緒に並列されている複数の単列電池を含む。各単列電池は、若干の電池単体により直列して形成される。
【0014】
具体的には、使用済み電池モジュールは、一緒に並列されている3個~20個の単列電池を含む。各単列電池は、3個~20個の電池単体により直列して形成される。
【0015】
上限電圧は、使用済み電池モジュールにより、異なっている。一般的には、電池単体の上限電圧は、3.6V~4.2Vであり、使用済み電池モジュールの上限電圧は、実際に直列された電池単体の数に応じて確定される。
【0016】
本実施例において、ステップS100の前に、23℃~27℃の温度で、使用済み電池モジュールを下限電圧に放電させ、常温状態で、使用済み電池モジュールの作業放電過程において、使用済み電池モジュールの放電を完成することで、後続の修復ステップの実行に便利である。
【0017】
S200:使用済み電池モジュール内における複数の単列電池の並列状態を解除する。
【0018】
具体的には、S200は、使用済み電池モジュールのハウジングを開けて、複数の単列電池の正極/負極ポストを露出させた後、使用済み電池モジュール内における複数の単列電池の並列状態を解除することである。
【0019】
S300:上限電圧に充電された使用済み電池モジュールを所定時間静置した後、各単列電池をそれぞれ上限電圧に充電させる。
【0020】
一般的には、電池単体の上限電圧は、3.6V~4.2Vであり、単列電池の上限電圧は、実際に直列された電池単体の数に応じて確定される。
【0021】
本実施形態において、単列電池の上限電圧は、使用済み電池モジュールの上限電圧と一致する。それは、複数の単列電池が並列して使用済み電池モジュールを形成するからである。
【0022】
好ましくは、所定時間が1h~24hである。
【0023】
より好ましくは、所定時間が1h~2hである。
【0024】
本実施形態において、単列電池の遮断電流が0.02Cである。
【0025】
本実施形態において、単列電池の充電電流が0.1C~0.5Cである。
【0026】
好ましい実施例において、S300は、各単列電池を上限電圧に充電させる操作の後、複数の単列電池を所定時間静置した後、再度、各単列電池を上限電圧に充電させる操作をさらに含む。
【0027】
より好ましくは、複数の単列電池を所定時間静置した後、再度、各単列電池を上限電圧に充電させる操作は、重複であり、重複回数が2回~10回である。
【0028】
本実施例において、前記充電、静置のステップは、いずれも30℃~60℃の恒常温度で行われる。単列電池に対して性能的な修復を行うことにより、単列電池内における電池単体の負極表面SEIフィルムがより緻密に修復され、修復された後の電池単体の一致性がよい。
【0029】
好ましくは、45℃~60℃の高温で、単列電池に対して性能的な修復を行うことにより、単列電池内における電池単体の負極表面SEIフィルムがより均一、より安定的に修復され、修復された後の電池単体の一致性もよりよい。
【0030】
本実施例において、静置の所定時間が1h~24hである。静置時、単列電池は、ある程度ゆっくりと放電し、静置後に充電操作を行う。上限電圧に充電された後、単列電池の電池容量の上限を修復し向上することができる。
【0031】
好ましくは、静置の所定時間が1h~2hである。より短い静置時間は、静置ニーズを満たし、すなわち、再度、充電操作を行うことができる。
【0032】
なお、単列電池が完全に充電された後、再度充電を行うため、単列電池が上限電圧に快速に充電されることを引き起こす。そのため、重複充電の充電時間が短く、十数秒、または1分間かもしれない。異なるセルのサイズは、充電時間の変更を引き起こす可能性がある。その目的は、単列電池が完全に充電された後、静置-充電-静置-充電という重複の充電過程を行うことにより、単列電池の電池容量の上限を修復することを実現する。
【0033】
S400:各単列電池を下限電圧に放電させる。
【0034】
本実施形態において、単列電池の放電電流が0.1C~0.5Cである。
【0035】
S500:複数の単列電池を並列する。
【0036】
具体的には、S500は、複数の単列電池を並列した後、使用済み電池モジュールのハウジングを取り付けることである。
【0037】
リチウムイオン電池モジュールは、重複して用いられた後、電池モジュールの容量が初期容量の70%以下に減衰した際に、使用済み電池モジュールとなる。前記使用済み電池モジュールの修復方法を用いて使用済み電池モジュールに対して性能的な修復を行うことにより、修復前の電池モジュールの容量と比較して、使用済み電池モジュールの電池容量を20%以上修復し向上し、使用済み電池モジュールの電池容量を極めて大きく向上させることができる。
【0038】
前記使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールを修復する際に、使用済み電池モジュールを単一のセルに解体する必要がなく、使用済み電池モジュールの全体外観を維持することができ、且つ複数の単列電池同士の並列状態だけを解除することにより、各単列電池を修復することができる。従来の使用済み電池モジュールの修復方法に対して、前記使用済み電池モジュールの修復方法は、使用済み電池モジュールを修復する際に、コストが低い。
【0039】
以下は、具体的な実施例である。
【0040】
実施例1~実施例6
【0041】
以下、表1における使用済みの使用済み電池モジュールをサンプルとして、サンプル番号がBであり、本出願のプロセス方法を用いて修復試験を行った。充放電テスト機器は、深セン市恒翼能科学技術有限公司製ECT05100Aエネルギーフィードバック型電池検出機器Dである。
【0042】
【表1】
【0043】
修復方法および操作ステップは以下のとおりである。
【0044】
P1:検出機器Dを用いて、充電完了後の使用済み電池モジュールを、0.5Cの定電流で下限電圧に放電させ、放電容量C0を記録した。単一のリン酸鉄リチウム電池の下限電圧が2.0Vである。
【0045】
P2:使用済み電池モジュールを上限電圧に充電させ、使用済み電池モジュールのハウジングを開けて、複数の単列電池の正極/負極ポストを露出させた後、使用済み電池モジュール内における複数の単列電池の並列状態を解除した(すなわちポストに巻き取られて並列を実現するリードを解いた)。
【0046】
P3:上限電圧に充電された使用済み電池モジュールを1h静置した後、各単列電池をそれぞれ上限電圧に充電させた。単一のリン酸鉄リチウム電池の上限電圧が3.6Vであり、定電圧充電での遮断電流が0.02Cである。充電完了後の単列電池を1h静置した後、再度、各単列電池を定電流・定電圧で上限電圧に充電させた。充電電流が0.1~0.5Cであり、単一のリン酸鉄リチウム電池の上限電圧が3.6Vであり、定電圧充電での遮断電流が0.02Cである。
【0047】
P4:各単列電池を上限電圧から定電流で下限電圧に放電させた。放電電流が0.1~0.5Cであり、単一のリン酸鉄リチウム電池の下限電圧が2.0Vである。
【0048】
P5:P3およびP4を3回重複し、複数の単列電池を並列した後、使用済み電池モジュールのハウジングを取り付けた。
【0049】
P6:常温環境で、修復完了後の使用済み電池モジュールを、0.5Cの定電流・定電圧で上限電圧に充電させた。遮断電流が0.02Cである。そして、0.5Cの定電流で下限電圧に放電させた。放電容量C1を記録した。
【0050】
実施例1~6および比較例1~3:サンプルBについて、前記ステップに基づいて修復を行った。表2における異なるプロセス条件に応じて修復を行い、各条件下での修復前後の容量結果は、表2に示されている。
【0051】
【表2-1】
【0052】
【表2-2】
【0053】
上記表から分かるように、使用済み電池モジュールに対して異なる電流で充放電修復を行う場合、45℃で、電流0.1Cでの充放電修復の効果が最も良い。しかし、電流0.1Cでの充放電時間が長すぎることに起因して、生産効率を低下させた。且つ、電流0.1Cでの充放電修復容量は、電流0.2Cでの修復容量よりも、向上が明らかではない。生産効率、消費エネルギーおよび修復効果を結び付けて、本出願に係るプロセスの最適な条件は、45℃で、電流0.2Cで充放電すると設定されている。
【0054】
試験の結果から分かるように、本出願は、温度が高い環境で、使用済み電池モジュールに対して数回の小電流の充放電循環修復を行いながら、使用済み電池モジュールを電池単体セルに解体せずに、小電流放電の形態で単列電池のSOC放電末端を位置合わせした。そのため、修復後に使用済み電池モジュールの放電可能容量を向上させることができる。静置および再充電という重複循環により、修復後の電池放電容量が修復前よりも20%以上向上させることができる。同様な要求に応じて修復後の電池を自動車に装着して重複使用することにより、3年間以上継続して使用し、電池の耐用年数を向上させることができる。
【0055】
本出願に係る修復方法は、プロセス過程がシンプルであり、操作しやすく、コストが低く、使用済みリチウムイオン電池を修復することにより、資金およびエネルギーを節約し、電池の廃棄率を削減させ、環境を保護することができ、重要な実際適用の価値を有する。
【0056】
本出願は、使用済み動力リチウムイオン電池に対して性能的な修復を行うことに限定されない。各種の分野における各種の正極/負極材料、および各種のハウジングを有する様々なタイプのリチウムイオン電池が使用された後に循環容量が70%程度に低下すれば、該技術方案を用いて電池性能を効果的に修復して向上することができる。
【0057】
上述した実施例は、本発明の幾つかの実施形態を説明するものに過ぎない。その説明は、具体的で、詳細であるが、特許請求の範囲を限定するためのものであると理解すべきではない。当業者にとって、本発明の構想から逸脱せずに行われる幾つかの変形及び改良は、本発明の保護範囲に属すべきである。そのため、本発明の保護範囲は、添付された特許請求の範囲を基準とすべきである。
【0058】
(付記)
(付記1)
一緒に並列されている複数の、若干の電池単体により直列されてなる単列電池を含む、使用済み電池モジュールの修復方法であって、
前記使用済み電池モジュールを上限電圧に充電させるステップと、
前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除するステップと、
前記上限電圧に充電された前記使用済み電池モジュールを所定時間静置した後、各前記単列電池をそれぞれ前記上限電圧に充電するステップと、
各前記単列電池を下限電圧に放電させるステップと、
複数の前記単列電池を並列するステップと、を含む、
ことを特徴とする使用済み電池モジュールの修復方法。
【0059】
(付記2)
各前記単列電池を前記上限電圧に充電させる操作の後、複数の前記単列電池を前記所定時間静置した後、再度、各前記単列電池を前記上限電圧に充電させる操作をさらに含む、
ことを特徴とする付記1に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0060】
(付記3)
複数の前記単列電池を前記所定時間静置した後、再度各前記単列電池をそれぞれ前記上限電圧に充電させる操作は、重複であり、重複回数が2回~10回である、
ことを特徴とする付記2に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0061】
(付記4)
前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除することは、前記使用済み電池モジュールのハウジングを開けて、複数の前記単列電池の正極/負極ポストを露出させた後、前記使用済み電池モジュール内における複数の前記単列電池の並列状態を解除する、
ことを特徴とする付記1に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0062】
(付記5)
複数の前記単列電池を並列することは、複数の前記単列電池を並列した後、前記使用済み電池モジュールのハウジングを取り付ける、
ことを特徴とする付記1に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0063】
(付記6)
前記使用済み電池モジュールは、一緒に並列されている3個~20個の前記単列電池を含み、各前記単列電池は3個~20個の前記電池単体により直列して形成される、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0064】
(付記7)
前記所定時間が1h~24hである、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0065】
(付記8)
前記所定時間が1h~2hである、
ことを特徴とする付記7に記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0066】
(付記9)
前記単列電池の遮断電流が0.02Cである、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
【0067】
(付記10)
前記単列電池の充電電流が0.1C~0.5Cであり、前記単列電池の放電電流が0.1C~0.5Cである、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の使用済み電池モジュールの修復方法。
図1
【国際調査報告】