(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】高速多光子顕微鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 21/36 20060101AFI20220421BHJP
G02B 21/06 20060101ALI20220421BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
G02B21/36
G02B21/06
G01N21/64 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544915
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 US2020016109
(87)【国際公開番号】W WO2020160411
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521340056
【氏名又は名称】アプリケイト テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レヴィーン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トーレス, リチャード
【テーマコード(参考)】
2G043
2H052
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043EA01
2G043FA01
2G043GA01
2G043GA06
2G043GA25
2G043HA01
2G043HA02
2G043HA09
2G043JA02
2G043LA01
2H052AA08
2H052AB24
2H052AB27
2H052AC15
2H052AC34
2H052AD16
2H052AF14
2H052BA03
(57)【要約】
本発明は、ピクセル積分時間を最小限にし、最大限にされた撮像速度を伴って一貫した信号強度を提供するためのピクセルクロック技法を含む、多光子顕微鏡検査のための改良されたシステムおよび方法を提供する。色素寿命に基づいてレーザ繰り返し率を最適化し、多面鏡走査およびステージ平行移動を組み合わせ、レーザパルス信号を使用してピクセル収集のタイミングを合わせ、信号対背景比に基づいてレーザパルスおよび色素使用を最小限にするための種々のシステムおよび方法が、説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多光子顕微鏡であって、
パルス状光源と、
光パルスを前記パルス状光源からサンプルステージ上のサンプル上に集束させるように動作可能である、集束システムと、
前記光パルスの焦点を前記サンプルに対して移動させるように動作可能である、走査システムと、
蛍光信号を記録された画像内の各ピクセルに割り当てるように動作可能である、ピクセルクロックであって、各ピクセルは、固定された整数の光パルスのパルス間間隔にわたって、信号を積分する、ピクセルクロックと
を備える、多光子顕微鏡。
【請求項2】
前記走査システムは、高速回転多面鏡を備える、請求項1に記載の多光子顕微鏡。
【請求項3】
前記整数の光パルスは、1~100である、請求項1に記載の多光子顕微鏡。
【請求項4】
前記パルス状光源は、約70MHz~約1GHzのパルス繰り返し率を備える、請求項1に記載の多光子顕微鏡。
【請求項5】
前記パルス状光源は、レーザである、請求項4に記載の多光子顕微鏡。
【請求項6】
前記パルス状光源は、超高速レーザと、ビームスプリッタと、遅延線とを備える、請求項4に記載の多光子顕微鏡。
【請求項7】
前記光源パルス間間隔は、前記サンプル内の蛍光性色素の蛍光性寿命の約1~約3倍である、請求項1に記載の多光子顕微鏡。
【請求項8】
前記走査システムは、前記高速回転多面鏡の走査方向と垂直な方向において、前記サンプルステージの平行移動を実施し、前記高速回転多面鏡走査によって画定された幅と、前記サンプルステージ平行移動によって画定された長さとを有する、サンプルの細片を撮像するように動作可能である、請求項2に記載の多光子顕微鏡。
【請求項9】
多光子顕微鏡を使用して、サンプルを撮像するための方法であって、前記方法は、
蛍光性色素に暴露されているサンプルを前記多光子顕微鏡の中に装填することであって、前記多光子顕微鏡は、
パルス状光源と、
光パルスを前記パルス状光源からサンプルステージ上のサンプル上に集束させるように動作可能である、集束システムと、
前記光パルスの焦点を前記サンプルに対して移動させるように動作可能である、走査システムと、
ピクセル滞留時間にわたって、蛍光信号を記録された画像内の各ピクセルに割り当てるように動作可能である、ピクセルクロックと
を備える、ことと、
前記多光子顕微鏡を使用して、前記サンプルを撮像することであって、前記ピクセル滞留時間は、固定された整数の光パルスのパルス間間隔である、ことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記走査システムは、高速回転多面鏡を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記整数の光パルスは、1~100である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記パルス状光源は、約70MHz~約1GHzの率においてパルス化される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記パルス状光源は、レーザである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パルス状光源は、超高速レーザと、ビームスプリッタと、遅延線とを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記光源パルス間間隔は、前記蛍光性色素の蛍光性寿命の約1~約3倍である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルを撮像することは、前記走査システムが、前記高速回転多面鏡の走査方向と略垂直方向において、前記サンプルステージの平行移動を実施し、前記高速回転多面鏡走査によって画定された幅と、前記サンプルステージ平行移動によって画定された長さとを有する、サンプルの細片を撮像することを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、そのそれぞれの内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年2月1日に出願された、米国仮出願第62/800,161号の優先権および利点を主張する、2019年7月26日に出願された、米国特許出願第16/523,698号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、多光子顕微鏡検査のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
高撮像速度を達成することは、臨床ワークフロー内へのデジタル撮像の組み込みを可能にするために重要である。デジタルスライド走査または全スライド撮像(WSI)は、専門家による遠隔解釈、アーカイブのためのセキュリティおよび長期保管、潜在的により高い精査効率、ならびにコンピュータ支援診断のための進化を続けるツールへの適応性の観点から、それが提供する利点に起因して、臨床環境においてますます使用されるようになっている。機能性の、大体の場合、15mm×15mm面積を走査するために要求される時間の観点から言及され、典型的には、約1~6分である、重要な尺度は、デジタル化器具のスループットである。スライドは、通常、所与の器具上で順次撮像されるため、高スループットが、病理学者が、可能な限り迅速に画像にアクセスすることを確実にするためだけではなく、(おそらく、最も重要なこととして)そうでなければ、法外に効果であり得る、走査器具のサンプルあたりコストを低減させるために望ましい。
【0004】
多光子顕微鏡(MPM)(例えば、Denk et al.の米国特許第5,034,613号に説明されるように)は、生物学的研究のための有益なツールであって、臨床および研究設定における組織学的分析(およびWSI)のための潜在的代替をもたらすことが証明されている。組織学的分析におけるMPMの将来的臨床実装を可能にするために、既存の速度限界が、決定的方法で対処されなければならない。
【0005】
種々の側面が、MPMにおける達成可能画像入手速度に寄与する。システムは、典型的には、約80MHzの繰り返し率を伴って、約50fs~2psの超短レーザパルスを生成する、レーザ源を備える。レーザからの光は、顕微鏡対物レンズによって、サンプルの内側の点に集束される。本点は、検流計上に搭載され得る、対物レンズの上流に設置された鏡のシステムによって、サンプルを横断して走査される。発生される蛍光は、典型的には、対物レンズを通して戻るように収集され、一連のダイクロイックおよび放出フィルタによって、または対物レンズと反対のサンプル側上に位置付けられる、収集光学系によって、1つ以上の検出器に指向され、一連のダイクロイックおよび放出フィルタによって、1つ以上の検出器に指向される。サンプル内の蛍光の発生は、レーザからの2つ以上の光子の同時吸収によって生じる。短パルスの使用は、過剰な平均レーザ電力を要求せずに、より効率的多光子吸収のための高ピーク強度につながる。
【0006】
点走査のために使用される検流計は、典型的には、線形または正弦波のいずれかの方式において回転し、ビームを線のパターンに偏向する、シャフト上に搭載される、鏡から成る。典型的多光子顕微鏡は、約1μsのピクセル滞留時間を伴って、約1ms以内にサンプルの1列を走査する。検出器から生じている信号が新しいピクセルに割り当てられた状態になるときを判定する、ピクセルクロックが、均一サイズのピクセルを作成するために、走査光学系の位置に同期される。ピクセル滞留時間は、レーザパルス間の時間と比較して長い(典型的には、12ns)ため、多くのパルスは、所与の典型的ピクセル滞留の間、サンプルに衝打するであろう。したがって、ピクセルあたりの到着するパルスの数をカウントすることは、重要ではない。しかしながら、典型的システムよりはるかに高い走査率において撮像するとき、ピクセル滞留時間は、ピクセルあたりのパルスの数の変動が、ピクセル毎に収集される蛍光の量の望ましくない変動につながる点まで短縮し得る。
【0007】
高速走査のために少なくとも1つの共鳴検流計を組み込む、顕微鏡に関して、共鳴検流計の非線形正弦波走査パターンは、ピクセルあたりのパルスの数の非常に大きな変動をもたらす。これは、視野を横断して、画像強度内に顕著な不均質性を作成し、ピクセルあたりの所与の最小数のパルスに関して達成され得る、最大率を限定する。後者は、鏡の正弦波移動が、視野の縁において、速度がその最大にある場合の回転の中点より低速のピクセル収集をもたらすために生じる。画像強度における不均質性は、共鳴検流計ベースのMPMシステムの可用性を組織の組織構造の診断解釈に限定する、画質限界に変換される。
【0008】
高速回転多面鏡がまた、点走査システムにおいて線走査の率を増加させるために使用されているが、標準的または共鳴検流計の可変速度問題を被っていない。Shack et al.(1979)は、生物学的サンプルの点走査撮像のために、それを垂直に配向されるステージ移動の持続運動と結合することによって、持続波レーザおよび高速回転多面鏡を使用して、理論的速度最適化を説明している。本説明は、高速撮像の潜在性に言及しているが、理論的である以外に、本説明は、多光子顕微鏡の発明に先行するものであって、したがって、高速回転多面鏡と多光子励起の結合に特有の側面に対処するものではない。
【0009】
いくつかの多光子顕微鏡は、撮像の速度を増加させる、またはピーク電力を低下させ、光漂白および光損傷を低減させるために、高繰り返し率レーザパルス列を使用している。Amir et al.(2007)は、ビームスプリッタおよび遅延線を使用して、23MHzレーザパルスの有効繰り返し率を2倍にしている一方、Cheng et al.(2011)は、複数のビームスプリッタを使用して、源レーザの80MHzパルス率の4倍の増加をもたらしている。しかしながら、AmirおよびChengは両方とも、単一スポットのための有効パルス率が源レーザのものから不変であるように、ビームスプリッタの出力をサンプル内の異なるスポット上に集束させている。Chu et al.(2003)は、第2高調波撮像のために、2GHz繰り返し率を伴う、超高速レーザを使用したが、多光子蛍光撮像のために、本レーザを使用してはいない。Ni et al.(2008)は、一連のビームスプリッタおよび遅延線を使用して、640MHz~10.24GHzの有効パルス繰り返し率を伴う、単一走査スポットを用いて撮像を行い、これは、彼らが撮像していた蛍光性タンパク質の寿命よりはるかに高速であった。そのアプローチは、使用される具体的サンプルに関しては作用を発揮したが、他のサンプルおよび色素を用いた、その一般的可用性は、増加された暗状態集団および光漂白をもたらす、励起状態吸収に起因して、疑問である。したがって、これまで提示された解決策はいずれも、タイムリーな方式において詳細な組織学的評価のための最大限の品質を確実にする、最大限にされた速度を伴って、MPMを達成することが可能になっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(要約)
本発明は、蛍光的に標識された組織サンプルの効率的高品質撮像を高速で可能にする、種々の特徴を伴う、多光子顕微鏡を提供する。本発明のシステムおよび方法は、特に、組織試料の診断解釈に着目する。いくつかの側面では、設計は、具体的には、以前の特許出願に説明される方法を用いて処理されていた、組織試料の高速多光子撮像を対象とする。複数の構成要素が、連動し、その全てが、一次診断解釈に適応可能な品質を伴う、多光子顕微鏡検査を使用した高速撮像の達成に寄与する。組み合わせられた特徴は、本明細書に説明される率で従来は達成されない、画質を可能にする。故に、本発明のシステムおよび方法は、臨床使用のために要求される品質および速度ならびに調査目的のための大撮像量を伴って、MPMからの実践的組織学的分析を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ある側面では、本発明のシステムおよび方法は、各ピクセルが、1~20に及ぶ、固定された整数のレーザパルスによって発生される、蛍光光子を積分するように構成される、ピクセルクロックを含む。いくつかの側面では、本発明の方法は、撮像されている物体において使用される色素の寿命に類似する、繰り返し率を伴う、パルス状レーザの使用を含む。本発明のあるシステムおよび方法は、1つの方向における高速走査のための多面鏡と、多面鏡を回転させることによって発生される走査線のものと垂直な方向に試料を移動させるための平行移動ステージとの使用を含む。本発明のいくつかのシステムおよび方法は、各ピクセルの開始が、蛍光減衰に特有の長指数関数的尾部に起因する、ピクセル間のクロストークを最小限にするために、最も直近のレーザパルスのタイミングに対して、ゼロであり得る、固定された時間遅延を有するように、レーザパルスに協調される、ピクセルクロックを含む。
【0013】
本発明のシステムおよび方法は、色素のコストを制御し、蛍光色素自己消光および蛍光光子の吸収を回避するように、限定された、但し、必要とされるもの以下ではない、数のパルスを用いて、信号対背景の閾値を達成するために、信号対背景比および試料内の十分な蛍光性色素濃度の使用に基づいて、画像の品質を維持しながら、ピクセルあたりのパルスの最小限化を検討する。
【0014】
本発明の側面は、MPMおよび他の撮像技法における効率、画質、および速度を増加させるために、種々の顕微鏡構成を含む。例えば、多面鏡上に入射する、第2のレーザが、反射された信号を収集し、次いで、ピクセルクロックとサンプル内の励起スポットの走査を協調させるために、鏡位置を追跡するために使用され得る、検出器とともに、採用されてもよい。顕微鏡光学系内の群速度分散は、サンプルにおけるレーザパルス幅を最小限にするように事前に補償されることができる。速度および増幅のために平衡され、ピクセル入手率に合致される、検出器増幅器が、本発明のデバイスにおいて使用されることができる。
【0015】
適切な波長が、核およびタンパク質蛍光性色素の両方の同時励起(および検出)のために選択され、その組み合わせられた撮像を可能にすることができる。レーザ電力レベルは、所望の信号対背景レベルを維持しながら、光学分解能を最大限にし、光学区分厚を最小限にするように最適化されることができる。本発明のシステムおよび方法は、高開口数、大視野、および非常に長い作業距離の組み合わせを有し、クリアリング技法等によって、正規化された高屈折率を伴って、試料の撮像のために最適化される、顕微鏡対物レンズの使用を含むことができる。
【0016】
ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)の標準的組織学的染色の再現を可能にするように、DAPIおよびHoechst等のヘマトキシリン様青色蛍光性核酸色素の放出からエオシン等の緑色蛍光性タンパク質色素の放出を分離し得る、検出フィルタの組み合わせが、使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1Aは、レーザ4nsパルス間間隔の整数倍数として選択される、12nsピクセルクロックを示す。
図1Bは、レーザパルス間間隔の非整数倍数である、11nsピクセルクロックを示す。
【
図2】
図2は、ある実施形態による、顕微鏡の概略を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
所与の画質に関して、最大達成可能速度の決定要素は、色素の蛍光寿命、多光子パルス率、デューティサイクルおよび滞留時間の不変性を含む、ビーム移動効率、レーザビーム移動およびデータ入手を協調させるためのタイミング効率、非撮像時間(例えば、サンプル位置付け時間)、光収集効率(対物レンズ開口数および信号収集経路を含む)、ならびに色素効率、色素濃度、検出器効率、および検出器ならびに他の雑音源等の関連信号/雑音側面を含む。本発明で採用される種々の特徴は、高速での高画質を保証するために、これらの決定要素に対処するために考案されている。
【0019】
(レーザパルス間間隔の整数倍数である、ピクセル滞留時間)
撮像速度を最大限にすることは、ピクセル滞留時間として知られる、ピクセルあたりの積分時間を最小限にすることを要求する。ピクセル滞留時間を減少させることは、サンプルピクセルに衝打するより少ないレーザパルスをもたらす。ピクセル滞留時間が、励起レーザのパルス間間隔の整数倍ではない場合、サンプルに衝打するレーザパルスの数は、ピクセル毎に変動するであろう。より短いピクセル滞留時間は、平均して、ピクセルあたりサンプルに衝打するより少ないレーザパルスをもたらし、均一サンプルに関してさえ、ピクセル毎の信号強度のより大きい変動につながる。本発明の一側面は、励起レーザのパルス間間隔の固定された整数倍である、均一ピクセル滞留時間をもたらす、ピクセルクロックの使用である。
【0020】
固定されていない整数のパルスの効果が、視覚的に検出可能画像劣化を伴う変動性をもたらす、パルスの数は、具体的用途に依存する。組織学的解釈等の生物学的に導出される画像の視覚的分析に関して、パルス間整数変動性から生じる、5%またはそれを上回るピクセル間変動性は、検出可能画像劣化を生成し得る。したがって、ピクセル滞留時間が、20パルス間間隔の範囲内であるとき、パルスカウントは、ますます画質に関連した状態になる。好ましい実施形態では、ピクセル滞留時間は、パルス間間隔の長さの1~12整数倍である。種々の実施形態では、ピクセル滞留時間は、パルス間間隔の長さの約2~約10倍、約2~約100倍、約2~約6倍、約2倍、約4倍、約6倍、または約8倍であることができる。整数が、本明細書では、ピクセル滞留時間とパルス間間隔との間の関係に関して参照されるが、当業者は、実践的に達成可能精度が考慮されなければならないことを理解するであろう。故に、例えば、パルス間間隔の2~100倍のピクセル滞留時間は、パルスを撮像されるピクセル間に等しく分散させる所望の効果を達成するために要求される小数位の位までの2~100の各整数を含むと理解されたい。したがって、滞留時間の精度とパルス間間隔の関係は、厳密な整数関係からの任意の逸脱(例えば、数小数位における不正確性)が撮像されるピクセル間に有意なパルス変動をもたらさないように定義されるべきである。
【0021】
図1Aは、レーザパルス間間隔の整数倍数である、均一ピクセル滞留時間の結果を示す。青色線は、4nsのパルス間間隔を伴うレーザパルスによる励起の結果として、均一サンプルからの時間に伴う蛍光信号レベルを示す。黒色垂直線は、パルス間間隔の3倍である、12nsの各ピクセル滞留時間の開始を表す。各ピクセル滞留は、レーザパルス列に対して固定された関係を伴って、ある時間周期にわたって積分され、図の上部において黒色水平線によって示されるように、均一ピクセル強度をもたらす。ピクセルクロックが、レーザパルス列に対して時間において若干偏移される場合でも、信号は、依然として、均一となるであろう。
【0022】
図1Aおよび1Bは、非整数ピクセル滞留時間の効果を示す。
図1Aでは、12nsピクセルクロック(X-軸に接する垂直線)は、レーザ4nsパルス間間隔の整数倍数である。蛍光信号の積分(グラフ上の波線)は、均一サンプルに関しては、均一ピクセル強度(グラフの上部に沿った線)をもたらす。
図1Bでは、11nsピクセルクロックは、レーザパルス間間隔の非整数倍数であって、非均一ピクセル強度をもたらす。
図1Bは、レーザパルス間間隔の整数倍数ではない、均一ピクセル滞留時間の結果を示す。グラフ上の信号波線は、4nsのパルス間間隔を伴うレーザパルスによる励起の結果として、均一サンプルからの時間に伴う蛍光信号レベルを示す。グラフのx-軸に接する垂直線は、11ns、すなわち、パルス間間隔の2.75倍の各ピクセル滞留時間の開始を表す。結果として生じるピクセルは、レーザパルス列に対してその積分窓を偏移させ、図の上部を横断する黒色線に示されるように、非均一ピクセル強度をもたらす。
【0023】
(撮像されている蛍光性色素の寿命に基づく、レーザ繰り返し率の最適化)
蛍光寿命よりはるかに短いパルス間間隔をもたらす、レーザ繰り返し率を選定することは、励起状態の吸収ならびに増加された光漂白および/または光損傷等の望ましくない効果につながり、品質における付随する低減を伴う、非効率的色素励起をもたらし得る。蛍光寿命よりはるかに長いパルス間間隔を伴う、レーザ繰り返し率を選定することは、より低速の撮像速度をもたらす。ピクセルあたりの最小要求総収集信号に従って固定される、ピクセルあたりパルスの数を用いることで、より高い繰り返し率が、より高速の撮像につながる。ピクセルあたりのパルスの数が、固定されない場合、ピクセル毎のレーザパルスの数の変動は、より高い繰り返し率レーザの使用を通して、ピクセルあたりパルスの数を増加させることによって、最小限にされ得る。レーザの繰り返し率は、レーザパルス間の時間である、パルス間間隔が、蛍光色素の寿命に類似するように選定されることができる。あるレーザパルスが、前のレーザパルスに起因してすでに励起された状態にある、色素分子を励起させることを回避するために、パルス間間隔は、およそ色素寿命であるべきである。好ましい実施形態では、パルス間間隔は、蛍光寿命の指数関数的減衰が、その分布に対して長尾部を有するため、色素寿命より幾分長くあるべきである。例えば、パルス間間隔は、サンプル内に存在する最長寿命色素の寿命の1~3倍であることができる。核蛍光性色素DAPIは、1.6nsの蛍光寿命を有する一方、蛍光性タンパク質色素エオシンは、2.4nsの寿命を有する。上記の実施形態をそのような場合に適用することは、250MHzの繰り返し率を伴うレーザを選択する結果をもたらし、これは、膨大なエオシン分子が基底状態に戻るために十分な時間を可能にするが、その間、有効信号入手が存在しない、収集時間を最小限にする。
【0024】
(多光子レーザの高速点走査のための多面鏡と平行移動ステージの組み合わせ)
本明細書で議論される顕微鏡検査技法では、レーザは、画像を形成するために、サンプルを横断して走査される。その走査は、1つ以上の検流計に搭載される鏡によって、圧電駆動式鏡搭載部内に搭載される1つ以上の鏡によって、1つ以上の方向におけるステージの平行移動によって、またはサンプルを横断して集束されたレーザスポットを移動させることが可能な任意の他の方法または方法の組み合わせによって行われることができる。好ましい実施形態では、パルス状レーザビームが、Lincoln Laser Company(Phoenix,AZ)から現在利用可能なもの等、鏡面ファセットを伴う高速回転多面鏡によって、ある角度で高速で走査される。
【0025】
走査されるビームは、走査レンズおよびチューブレンズを使用して、顕微鏡対物レンズの入射瞳に対して撮像されることができる。いくつかの実施形態では、走査レンズは、テレセントリックF-シータレンズである。代替として、走査レンズは、チューブレンズとともに使用されると、高速回転多面鏡の表面から顕微鏡対物レンズの入射瞳に角度走査されるビームを効果的に撮像する、F-シータレンズまたは任意の好適なレンズシステムであってもよい。顕微鏡対物レンズは、ビームをサンプルカートリッジ内に含有されるサンプル内のスポットに集束させる。高速回転多面鏡によるビームの角度走査は、サンプルを横断して線におけるスポット走査をもたらす。
【0026】
ステージは、サンプルを定位置に保持し、高速回転多面鏡の運動に起因して、主として、レーザスポットが走査している方向と垂直な方向に、サンプルの平行移動を実施するように設計されてもよい。したがって、レーザスポットが、サンプルを横断して、多面鏡によって走査されるにつれて、ステージは、走査線と直交方向に、サンプルを移動させ、サンプルの細片の撮像をもたらし、その幅は、レーザ走査の範囲によって判定され、その長さは、ステージ走査の長さによって判定される。ステージはまた、焦点平面を変化させるために、顕微鏡対物レンズの焦点の方向に微細走査を行うことが可能であり得る。代替として、または加えて、対物レンズは、集束装置上に搭載されてもよい。焦点の方向における微細走査は、画像入手のセッションの合間または画像入手セッションの間に生じてもよく、後者は、サンプル保持ステージまたは対物レンズのいずれとも垂直ではない、線における、画像データの収集をもたらす。ステージはまた、撮像されている物体(例えば、組織サンプル)の複数の細片を撮像するために、主として、移動するレーザ焦点と同一方向に走査を行うことが可能であり得、その結果として生じる画像は、画像入手の間または後、ソフトウェアを使用して、モザイクの中に組み立てられてもよい。連続細片間に部分的重複を伴う、走査パターンが、ある実施形態では、走査画像からモザイクの後の組み立てを補助するために選定されてもよい。ステージ平行移動および多面鏡回転速度は、レーザが所与の多面鏡ファセットから反射される周期の間、ステージによって進行される距離が、ピクセルの1つの寸法の所望の長さに等しくなるように協調されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、平行移動されるステージ方向における所望されるピクセル寸法は、多面鏡回転方向におけるピクセル寸法と同一であることができる。他の実施形態では、平行移動されるステージ寸法におけるピクセル寸法は、回転鏡走査寸法より長いまたはより短くあることができる。これは、多面鏡走査方向に沿って、隣接するピクセルを平均することによって、雑音を低減させるように行われてもよい。これは、複数の軸を横断した信号の平均と異なるように雑音を低減させ得、同時に、これは、異なる軸における撮像速度の独立最適化を可能にするであろう。いくつかの実施形態では、平行移動されるステージ寸法におけるピクセル寸法は、回転鏡走査方向における寸法の整数倍数であることができる。
【0028】
(レーザパルス信号を使用して、ピクセル収集のタイミングを合わせる)
各レーザパルスは、時間において指数関数的に減衰する、蛍光信号を励起させる。ある場合には、本減衰の長尾部は、所与のピクセル滞留において最後のパルスによって発生される、いくつかの蛍光光子が、後続ピクセル滞留の間、検出器に到着する結果をもたらし得る。ピクセル間のそのクロストークは、あるピクセルからの信号を隣接するピクセルの中に入り込ませるように作用し得る。コンピュータが、順々に、検出器からの信号をピクセルに割り当てるために使用されることができる。各ピクセル滞留時間の開始をそのピクセル滞留時間内の第1のレーザパルスからのピーク蛍光信号と一致するようにタイミングを合わせることは、ピクセル間のクロストークを最小限にする。したがって、本発明の一実施形態では、レーザからの同期信号が、検出器信号デジタル化基板をトリガし、設定時間周期にわたって収集される蛍光を特定のピクセルに割り当てるために使用されることができる。異なる実施形態は、異なる多面鏡走査速度およびピクセルあたり異なる数のレーザパルスを使用してもよい。同一走査速度に関して、5または10等のピクセルあたりより多数のパルスを使用することは、より大きいピクセルをもたらすであろう。
【0029】
ある実施形態では、ピクセル収集の開始とレーザピークパルスの関係は、操作され、ピクセル間クロストークを最小限にすることに役立つことができる。したがって、いくつかの実施形態では、データ入手基板が、ピクセル率の整数倍数である率を伴って、別個のクロックによって、検出器からの信号を記録するようにトリガされることができる。そのような配列は、いくつかのピクセルがパルス数変動のアーチファクトを被らないことを確実にするために、レーザパルスタイミングおよび別個のクロックの両方における、十分な精度および正確度を要求する。
【0030】
(信号対背景に基づく、パルスの数の最小限化)
ある側面では、本発明のシステムおよび方法は、導出される蛍光性画像のための所望のコントラストおよび明確性の程度を留保する、最小限の数のパルスの判定および使用に関する。その判定は、ピクセルあたり多くのパルスを用いて収集された画像が、ピクセルあたり徐々により小数のパルスを用いた画像と比較され、例えば、病理学的診断のための潜在的解釈上の重要な特徴を判別する全体的能力に関して判断され得るように、入手された画像の主観的可視化に基づくことができる。ある実施形態では、その主観的可視化は、以下のように、測定された信号対背景(SBR)に変換されることができる。背景に関して、染色組織が欠乏した面積が、MPMおよび信号の標準偏差を使用して収集される、またはそうでなければ暗領域内の分散等の変動の他の類似測定値が、背景雑音の測定値として使用されてもよい。背景雑音のその測定値は、既知の明るい特徴を含有する、複数の面積の平均最大強度と比較される。核酸染色に関して、これは、リンパ球核または核の他の部分であり得る。タンパク質染色に関して、これは、赤血球であり得る。
【0031】
約20を下回るSBRを伴う画像は、分析のために望ましくないと考えられる一方、約50を上回るSBRを伴うものは、典型的には、標準的組織学的染色から付加的改良を示さない。したがって、本明細書に説明されるシステムおよび方法を使用した最適化のための標的SBRは、20~50であることができる。ある場合には、50のSBRが、望ましくあり得る。他の場合には、40のSBRが、望ましくあり得る。他の場合には、30のSBRが、望ましくあり得る。他の場合には、20のSBRが、十分であり得る。
【0032】
いったん閾値が、確立されると、ピクセルあたりのパルスの数を変動させながら、同一組織サンプルを同一様式で分析することが可能である。本明細書に説明される調製方法および器具実装構成を用いることで、最低でも2~8パルスが、所望のSBRを達成するために要求されることが判定されている。
【0033】
(数パルスを用いて信号対背景の閾値をもたらす、最小限の色素量の使用)
診断撮像における主な懸念は、コストである。いくつかの色素は、高価であって、全体的処理コストの大部分を形成し得、これは、臨床撮像使用等のための大規模環境における可用性に影響を及ぼし得る。高速高品質撮像の使用に対する最適色素濃度の判定は、色素濃度の関数としての、ピクセルあたり所与のパルスにおける、SBRの測定値に基づくことができる。色素濃度を最適化することによって、廃棄物が、回避され、コストが、本明細書に説明される方法を使用して、低減されることができる。
【0034】
図2は、本発明の顕微鏡の好ましい実施形態の概略を示す。顕微鏡は、サンプルを標識化するために使用される、色素の多光子励起のために好適なレーザ源から成る。レーザは、Ti:サファイアレーザ、またはファイバレーザ、または超短レーザパルスを生成することが可能な任意の他のレーザであってもよい。種々の実施形態では、数ピコ秒~150fs未満に及ぶパルスが、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、レーザからの光は、一連のレンズから成り、ビームを要求されるビーム幅に拡張させ、レーザをサンプル上のスポットに集束させる、顕微鏡対物レンズの後方開口を効果的に照明する、ビーム成形システムを通して通過する。レーザは、ファイバレーザに一般的であるように、固定された中心波長を有してもよい、またはいくつかのTi:サファイアレーザに一般的であるように、広範囲に調整可能であってもよい。好ましい実施形態では、レーザは、色素の最適励起のために選定される中心波長を伴って、パルス幅<150fsを伴う、レーザパルスを発生させるであろう。好ましい実施形態では、中心波長は、4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)およびエオシンの両方を同時に最適に励起させるように選択され、これは、740~820nmであるように判定されており、より好ましくは、波長は、760~800であると判定される、非結合色素の励起を低減させるように選択されることができる。ある実施形態では、波長は、760~780であるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、波長は、765nmであってもよい。他の実施形態では、波長は、780nm、770nm、または800nmであってもよい。
【0035】
図2に示されるように、サンプルは、一般に、「反転顕微鏡」と称されるものでは、下方から照明されることができる。代替として、サンプルは、一般に、「直立顕微鏡」として知られるものでは、上方から照明されてもよい。
【0036】
蛍光は、対物レンズによって収集され、ダイクロイック鏡から反射され、1つ以上の検出器に送光され得る。ある場合には、付加的レンズまたは鏡が、蛍光を効率的に検出器に収集するために使用されてもよい。第2のダイクロイック鏡が、異なる色蛍光を異なるチャネルに送光するために使用されてもよい。例えば、好ましい実施形態では、エオシンおよびDAPIを撮像するために、ダイクロイックAは、735長通過であって、ダイクロイックBは、550短通過であって、放出フィルタ1は、550短通過であって、放出フィルタ2は、波長550nm~665nmのための帯域通過である。他のフィルタが、必要に応じて、当業者によって選定されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、付加的検出器および関連付けられる収集光学系が、対物レンズと反対のサンプルチャンバ側上で使用され、透過される光信号を検出し、付加的検出器の使用による蛍光信号または第2高調波発生信号の検出効率を増加させてもよい。レンズまたは一連のレンズが、透過される光を検出器上に集束させるために使用されてもよく、適切なダイクロイックおよび放出フィルタが、使用されてもよい。検出器は、光電子増倍管管等、蛍光または第2の高調波信号の適切な波長に敏感な任意の検出器であってもよい。いくつかの実施形態では、対物レンズと反対のサンプル側上の付加的検出器が、短パルス状レーザ励起に応答して非中心対称性分子によって発生され、組織試料内のコラーゲンを特性評価するために有用である、非蛍光性信号である、第2高調波発生を収集するために使用される。
【0038】
コンピュータが、制御信号を走査システムに送信し、そこから受信するために使用されることができる。好ましい実施形態では、コンピュータは、回転速度を制御する、信号を多面鏡に送信する。好ましい実施形態では、コンピュータはまた、新しいファセットがレーザを通過させる度に、信号を多面鏡から受信し、画像内の新しい線が開始されるときを判定する。好ましい実施形態では、本信号は、多面鏡上に入射する低電力レーザを用いて発生され、ダイオードまたは他の光検出器上に反射され、これは、ひいては、電気信号をコンピュータに送信し、そこから多面鏡位置が、判定されることができる。好ましい実施形態では、入射レーザは、その上にパルス状レーザが指向される、ファセットに隣接する、ファセットに向かって指向される。これは、ファセット寸法におけるわずかな潜在的差異に対処することによって、最も正確なタイミングを確実にするであろう。ゼロであり得るが、多面鏡回転率に比例し、電気システム遅延を含み得る、固定された時間周期が、データ収集が開始する前に生じるように設定される。
【0039】
当業者が認識するであろうように、本発明のシステムおよび方法のために、必要に応じて、または最適であるように、本発明のシステムおよび方法は、バスを介して相互に通信する、プロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)等)、コンピュータ可読記憶デバイス(例えば、メインメモリ、静的メモリ等)、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る、1つ以上のコンピュータを含む。
【0040】
プロセッサは、Intel(Santa Clara,CA)によって商標名Core下で販売されている、プロセッサ、またはAMD(Sunnyvale,CA)によって商標名Ryzen下で販売されている、プロセッサ等、当技術分野において公知の任意の好適なプロセッサを含んでもよい。
【0041】
メモリは、好ましくは、システムに、本明細書に説明される機能を実施させるように実行可能な命令の1つ以上のセット(例えば、本明細書に見出される任意の方法論または機能を具現化するソフトウェア)、データ(例えば、例えば、ニュース記事のための画像またはテキストを含む、コンテンツとしてアクセス可能である、実世界の物理的着目物体を表すように新しく再配列される、有形媒体の一部)、または両方を記憶することが可能である、少なくとも1つの有形の非一過性媒体を含む。
【0042】
コンピュータ可読記憶デバイスは、例示的実施形態では、単一媒体であり得るが、用語「コンピュータ可読媒体」は、命令またはデータを記憶する、単一媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベースおよび/または関連付けられるキャッシュならびにサーバ)を含むものと捉えられるべきである。用語「コンピュータ可読媒体」は、故に、限定ではないが、ソリッドステートメモリ(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード、セキュアデジタルカード(SDカード)、マイクロSDカード、またはソリッドステートドライブ(SSD))、光学および磁気媒体、ハードドライブ、ディスクドライブ、ならびに任意の他の有形記憶媒体を含むものと捉えられるものとする。
【0043】
任意の好適なサービスが、例えば、Amazonウェブサービス、サーバのメモリ、クラウドストレージ、別のサーバ、または他のコンピュータ可読ストレージ等のストレージのために使用されることができる。クラウドストレージは、データが論理プール内に記憶される、データストレージスキームを指し得、物理的ストレージは、複数のサーバおよび複数の場所を横断して及び得る。ストレージは、ホスティング会社によって所有および管理されてもよい。好ましくは、ストレージは、必要に応じて、本明細書に説明される動作を実施および支援するための記録を記憶するために使用される。
【0044】
本発明による、入力/出力デバイスは、ビデオディスプレイユニット(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)またはブラウン管(CRT)モニタ)、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス(例えば、マウスまたはトラックパッド)、ディスクドライブユニット、信号発生デバイス(例えば、スピーカ)、タッチスクリーン、ボタン、加速度計、マイクロホン、セルラー無線周波数アンテナ、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)、Wi-Fiカード、またはセルラーモデムであり得る、ネットワークインターフェースデバイスを含むことができる。
【0045】
(参照による組み込み)
特許、特許出願、特許公開、機関誌、本、論文、ウェブコンテンツ等の他の文書の参照および引用が、本開示の全体を通して行われている。全てのそのような文書は、あらゆる目的で、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0046】
(均等物)
本発明の種々の修正およびその多くのさらなる実施形態が、本明細書に示され、説明されるものに加えて、本明細書で引用される科学および特許文献の参照を含む、本文書の完全な内容から当業者に明白となるであろう。本明細書の主題は、その種々の実施形態およびその均等物において本発明の実践に適合され得る、重要な情報、例示、および指針を含有する。
【国際調査報告】