(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】長い片持ち長のためのハイブリッドエネルギーガイドチェーン及び特にそのために構成された分離ウェブ
(51)【国際特許分類】
F16G 13/16 20060101AFI20220421BHJP
H02G 11/00 20060101ALI20220421BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
F16G13/16
H02G11/00 060
H02G3/04 075
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021552985
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2020056215
(87)【国際公開番号】W WO2020182727
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】202019101354.0
(32)【優先日】2019-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
(72)【発明者】
【氏名】ビラル イルマズ
【テーマコード(参考)】
5G357
5G371
【Fターム(参考)】
5G357DD16
5G371CA02
(57)【要約】
本発明は、重なり領域(2B)においてそれぞれ部分的に相互に重なる連続するチェーンプレート(2)を備える2本のプレートライン(1A、1B)を含むエネルギーガイドチェーン(1)に関する。プラスチックの各側方部品(3)が各第2のチェーンプレート(2)に関連付けられる。チェーンプレート(2)は側方部品(3)とは異なる材料で構成され、それらの重なり領域(2B)において貫通孔(21、22)を有する。その2つの端部領域(3A、3B)では、各側方部品は、関連するチェーンプレート(2)及びそれぞれ隣接するチェーンプレート(2)において重なる孔(21、22)を介してそれぞれ係合する複数の突起(31、32)を有して、連続するチェーンプレートの相対旋回角を制限し及び/又はそれを接続する。さらに、エネルギーガイドチェーンのための2部品分離ウェブが提案され、2つの部品(807)が分離ウェブの主平面に垂直な方向に接続及び解放可能となるように、第1の部品(807)は少なくとも1つの固定用ピン(810)を有し、第2の部品は少なくとも1つの固定用受容手段(812)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に対向配置されたチェーンプレートを有するチェーンリンク(5A、5B)を含む、ケーブル、ホースなどのラインのためのエネルギーガイドチェーン(1)であって、前記エネルギーガイドチェーンは2本の平行なプレートライン(1A、1B)を有し、各プレートラインは、長手方向に相互に対して旋回可能に相互接続されて各々が第1及び第2の重なり領域(2A、2B)を有するチェーンプレート(2)と、2つの端部領域(3A、3B)をそれぞれ有するプラスチックの側方部品(3)とを含み、前記チェーンプレート(2)は前記側方部品(3)とは異なる材料、特に、より高い強度及び/又は硬度の材料から構成され、
各プレートライン(1A、1B)の少なくとも一部分において、連続するチェーンプレート(2)が前記第1の重なり領域(2A)の貫通孔(21、22)及び前記第2の重なり領域(2B)の貫通孔(21、22)を有し、2枚の連続するチェーンプレート(2)の貫通孔(21、22)はそれぞれ少なくとも部分的に重なり、側方部品(3)であって、その2つの端部領域(3A、3B)において1以上の突起(31、32)をそれぞれ有し、連続するチェーンプレートの相対旋回角を制限し及び/又は連続するチェーンプレートを接続するために、その2つの端部領域(3A、3B)において複数の突起(31、32)をそれぞれ有し、各端部領域の前記突起(31、32)によって、関連する前記チェーンプレート(2)及びそれぞれ隣接する前記チェーンプレート(2)の貫通孔(21、22)を重ね合わせることによって係合する側方部品(3)が、各第2のチェーンプレート(2)に関連する前記部分にあることを特徴とするエネルギーガイドチェーン。
【請求項2】
前記チェーンプレート(2)及び/又は前記側方部品(3)は、少なくとも両プレートラインの長手部分において同一構造のものであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項3】
両重なり領域(2A、2B)における前記チェーンプレート(2)は、旋回軸周囲に分布された少なくとも2個、特に4個の第1の貫通孔(21)をそれぞれ有し、好ましくは、その端部領域(21A、21B)はそれを介して係合する対応の第1の突起(31)の当接面(31A、31B)にそれぞれ当接して前記旋回角を制限するアーク状の第1の貫通孔(21)を有することを特徴とする請求項2に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項4】
両重なり領域(2A、2B)における前記チェーンプレート(2)は、前記旋回軸(A)にそれぞれ同心状の円形貫通孔(22)を有し、当該円形貫通孔に、連続するチェーンプレート(2)の回転ジョイント接続を生成する目的で前記側方部品(3)の突起(32)が同軸に係合し、前記チェーンプレート(2)は、好ましくは、前記旋回角を制限するために前記側方部品の対応する突起(31)の当接面(31A、31B)と連携する少なくとも1つの更なる貫通孔(21)を両重なり領域(2A、2B)にそれぞれ有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項5】
前記側方部品(3)は一体に生産され、各側方部品(3)は一方の側に配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項6】
前記チェーンプレート(2)は、特に一定の板厚(T2)の、金属板又は繊維複合材料から生産されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項7】
内側及び外側チェーンプレート(2)が、横方向にずれた関係において交互に連続し、当該プレートは、それぞれ一方の側(2A、2B)のみに重なり、及び/又は当該側方部品(3)はそれぞれ前記関連するチェーンプレート(2)に対して外部に横方向に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項、特に請求項6に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項8】
前記側方部品(3)は、対向配置された狭面(9A、9B)を有する中央領域(3C)を前記端部領域(3A、3B)間にそれぞれ含み、少なくとも1つの突出する固定ピン(8)、特に、横断バー(4)のために前記狭面において配置された2つの固定ピン(8)を前記中央領域(3C)にそれぞれ有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項9】
2つのそれぞれの側方部品(3)が2つの横断バー(4)によって接続され、各固定ピン(8)はそれぞれ前記関連するチェーンプレート(2)の対応する開口(23)を介して突出し、前記横断バー(4)は、好ましくは前記開口(23)の縁部(24)に端部で接して前記関連するチェーンプレート(2)を横方向に保持することを特徴とする請求項8に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項10】
全てのチェーンプレート(2)及び側方部品(3)は、実質的に合同な外輪郭のものであり、及び/又は屈曲構成若しくはオフセットのない平坦な構成要素の形態であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項11】
前記チェーンプレート(2)の各々は、2つの対向配置された狭面(6A、6B)及び前記2つの狭面の少なくとも一方の狭面、好ましくは各々の狭面において、横断配置された補強領域(40A、40B、50、60A、60B)が設けられたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項、特に請求項6及び/又は請求項10に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項12】
前記突起(31、32)は、前記重なり領域(2A、2B)におけるチェーンプレート(2)の板厚(T2)の少なくとも2倍、好ましくは前記板厚の3倍未満の寸法で前記側方部品(3)から突出することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項13】
その背部でチェーンプレート(2)が係合する少なくとも1つのそれぞれの横断張出部(35)が、各端部領域(3A、3B)において前記旋回角を制限するための少なくとも1つの突起(31)における端部に設けられたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項、特に請求項12に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項14】
前記チェーンプレートの各重なり領域において前記旋回角を制限するための孔(71)の少なくとも1つが、当接作用可能な整形縁部若しくは端部領域(71A、71B)及び/又は回転ジョイント接続を構成するように作用する整形縁部領域を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項15】
第1のラン、第2のラン及びその間に方向転換領域を含み、前記第1のランは相対移動可能な接続位置の巻き込み部材に端部領域によって固定され、
連続するチェーンプレート(2)には前記第1及び第2の重なり領域(2A、2B)において貫通孔(21、22)が設けられ、側方部品(3)が、各第2のチェーンプレートに関連付けられて前記巻き込み部材における前記端部領域から前記エネルギーガイドチェーンの全長の少なくとも3分の1にわたって延在することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項16】
それらの端部領域間の両プレートライン(1A、1B)は、全体を通じて構造上同一のチェーンプレート(2)及び側方部品(3)を備えることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項17】
第1の重なり領域(2A)の貫通孔(21、22)及び第2の重なり領域(2B)の貫通孔(21、22)を有する金属の2枚の対向配置されたチェーンプレート(2)を含むエネルギーガイドチェーン(1)のためのチェーンリンク(5A)であって、
各々が少なくとも1つの突起(31、32)を有する2つの端部領域(3A、3B)を有するプラスチックのそれぞれの側方部品(3)が各チェーンプレート(2)に関して横方向に設けられ、特に、突起(31、32)の数が重なり領域(2A、2B)の貫通孔(21、22)の数に対応し、各突起(31、32)は関連する前記チェーンプレート(2)の貫通孔(21、22)を介して係合することを特徴とするチェーンリンク。
【請求項18】
特に請求項1から16のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーンのための分離ウェブであって、両端において、前記分離ウェブ(805)はチェーンリンク(801)の横断バー(803)に固定するための各固定用領域(806)を有して主平面に延在する板状構成のものであり、
前記分離ウェブ(805)は、前記主平面に垂直に突出する少なくとも1つの固定用ピン(810)を含む第1の部品(807)及び前記主平面に垂直に窪む少なくとも1つの固定用受容手段(812)を含む第2の部品を、2つの前記部品(807)が前記主平面に垂直な方向に接続及び解放可能となるように、有する2部品構成のものであることを特徴とする分離ウェブ。
【請求項19】
両部品(807)は、各々が固定用領域(806)並びに固定用ピン(810)及び固定用受容手段(812)を有する本体(808)を有する同一部品の形態及び/又は一体のものであり、前記固定用ピンは、好ましくは前記固定用領域から離隔した前記本体の端部領域に配置されることを特徴とする請求項18に記載の分離ウェブ。
【請求項20】
前記2つの部品(807)の各々は、厳密に1つの固定用領域(806)を有することを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の分離ウェブ。
【請求項21】
各固定用領域(806)は、前記横断バーが前記主平面(B-H)に垂直に導入可能な開口(816)を有する少なくとも大部分においてかつ好ましくは完全に周囲に張り出すフレーム(814)を有することを特徴とする請求項18から20のいずれか一項に記載の分離ウェブ。
【請求項22】
前記固定用領域(806)の反対側の端部領域における各部品(807)は、少なくとも1つの張出部(817)であって、該張出部(817)によって、特にネジ接続、固定用ピンなどによって、前記主平面に垂直な方向に相互に前記部品を固定するために、特に前記エネルギーガイドチェーンの長手方向に、前記主平面において突出する少なくとも1つの張出部(817)を有することを特徴とする請求項18から21のいずれか一項に記載の分離ウェブ。
【請求項23】
前記固定用ピン(810)は、特に係止用舌部(818、1018)及び係止用凹部(820、1020)の連携によって、前記固定用受容手段(812)に係止可能であることを特徴とする請求項18から22のいずれか一項に記載の分離ウェブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、少なくとも一方が可動の2つの接続位置間のケーブル、ホースなどのような供給ラインの動的なガイドのためのエネルギーガイドチェーンに関する。エネルギーガイドチェーンは、制動チェーン又はケーブルキャリアともいわれ、特に、ガイドされるラインを無用な応力から保護するように作用する。
【0002】
本発明は、例えば、水平又は鉛直方向に一平面内で変位可能であり、2本のラン及びその間に所定の曲率半径の方向転換領域を有するエネルギーガイドチェーンに関する。その配置構成において、可動ランは、長い全長にわたって、支持されず又は自己支持する関係において変位又は延在可能となるべきである。比較的低い動的応力又は低い変位頻度を伴う長い自己支持長の用途は、例えば、伸縮ジブ、昇降プラットフォーム、建設機械などである。
【背景技術】
【0003】
エネルギーガイドチェーンは、通常は、横方向に相互に対向するチェーンプレートを有するチェーンリンクを有する。チェーンプレートは、相互に対して旋回可能にともに接続されて長手方向に平行なプレートラインを形成し、2つの重なり領域の一方とそれぞれ重なる。チェーンリンクは、供給ラインがガイド及び保持される受容空間を規定する。
【0004】
チェーンプレートの材料は、エネルギーガイドチェーンの特性に対して重要な意義を持つものである。用途のそれぞれの要件に応じて、標準的には、金属、例えば鋼鉄若しくはアルミニウムのチェーンプレート、又は標準的には繊維強化され得る熱可塑性ポリマーを含む射出成形品の形態において、より頻繁にはプラスチックのチェーンプレートのいずれかが用いられる。
【0005】
金属のチェーンプレートは、非常に高い引張力に耐えることができ、高いレベルの機械的強度、特に、高いレベルの硬度で高い曲げ強度を有し得る。これは、特に、長い自己支持長を伴う用途、すなわち、支持されずかつ長い自己支持スパンを有するチェーンランに対して有利であるが、金属のチェーンプレートは、とりわけ、比較的高い自重のものとなり、多くの場合、射出成形によって生産されるプラスチックチェーンプレートで可能なものと同じ設計構成上の自由度を可能としない。
【0006】
プラスチックのチェーンプレートは、より軽量な構成であり、金属と比較して高い弾性を有することから、恒久的な変形なしに高い衝撃力を吸収することもできる。しかし、弾性又は比較的低い弾性率に起因して、プラスチックのチェーンプレートでは、一般に比較的大きな壁厚を用いる場合にしか非常に長い自己支持長が発揮されない。
【0007】
エネルギーガイドチェーンにおいて有利に組み合わせられる金属及びプラスチックチェーンプレートの特性について、そのニーズは、両タイプのそれぞれ所望の利点を用いるために既に再認識されている。プレートラインにおいて力を伝達する、例えば、プラスチック及び金属を含む異なる材料の構成要素を備えるエネルギーガイドチェーンのことを、ここでは、ハイブリッドエネルギーガイドチェーンという。
【0008】
特許文献1及び特許文献2は、各側にプレートラインを複線化してプラスチックの側方部品を備えるプレートライン及びそれに加えて鋼板のチェーンプレートを備えるプレートラインを有するハイブリッドエネルギーガイドチェーンを提案した。プラスチックの側方部品又はチェーンプレートは、この場合、旋回角を制限するための連携当接部及び別個の旋回ピンのための受容手段を含む横方向にずれた重なり領域を有するクランク構成のものである。プラスチックプレートの当接部は、金属プレートの当接部が相互に対して当接する前にプラスチックプレートが作用可能となるようなサイズのものである。鋼板のチェーンプレートは交互の内側プレート及び外側プレートとして配置され、内側プレートの各々は、いわゆる雄型コネクタといわれる突起を有する2つの重なり領域を有し、外側プレートの各々は、いわゆる雌型コネクタといわれる孔を有する2つの重なり領域を有する。したがって、各チェーンリンクは4個の側方部品、すなわち、2つのプラスチックプレート及び2つの金属プレートを備え、それらのプレートは螺合横断ウェブ又はバーによって接続される。そのため、特許文献1に開示される構造は、非常に複雑かつ高価である。材料及び組立ての観点での複雑さ及び出費は、2つのエネルギーガイドチェーンを合わせた複雑さに実質的に対応する。さらに、方向転換アークにおける各所望の半径について、4個の整合用構成要素が、それぞれに対応して必要となる。したがって、2倍のプレート数のために自重が比較的大きくなり、それは、とりわけ、長い自己支持長の目的と相反関係にある。
【0009】
特許文献3は、相互に旋回可能に接続された金属のチェーンプレートを有するエネルギーガイドチェーンを開示する。それぞれ2つのチェーンプレートは、プラスチック側方部品によってそれらの重なり領域において接続されている。重なり領域では、チェーンプレートは、それぞれ関連する側方部品の突起が係合して旋回軸及び許容可能旋回角を規定するそれぞれの貫通孔を有する。その場合の丸いプラスチック側方部品の直径は、接続された金属のチェーンプレートの重なり領域の表面積に対応する。したがって、特許文献1との関係ではチェーンは軽量化されるが、プラスチック側方部品によるチェーンプレートの機械的接続は弱点となる。横方向の離脱に対する安全策を提供するために、カラー付きの追加の金属ブッシュが提案され、材料及び組立てにおける追加コストをもたらす。
【0010】
更なる解決策が、特許文献4又は特許文献5に開示されたハイブリッドエネルギーガイドチェーンを用いて以前に提案された。その配置構成は、少なくとも部分的にプレート状コアを囲むコア筐体付きのプレート状コアを有する特殊なチェーンプレートを用いる。コアは、コア筐体と比較して高い強度の材料からなる。例えば、金属プレート及びプラスチックプレートの利点は同じチェーンプレートにおいて組み合わせ可能であり、すなわち、ここではチェーンプレートの複板化は不要である。それ自体がハイブリッド設計のものであるチェーンプレートは、プラスチックの2つの相補型接続部品によってそれぞれ接続される。特許文献6も、高強度コアを有するチェーンプレートを提案した。これらの2つの構造は、自重に関して、最初に述べたものよりも顕著に良好である。しかし、そのようなハイブリッドチェーンプレートの製造コストは比較的高く、例えば、追加のコーティング処理が行われる必要がある。さらに、組立ての複雑さ及び経費は、通常の金属プレートと同様であり、すなわち、プラスチックのチェーンプレートで通常可能なものよりも高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2017/136827号
【特許文献2】米国特許第9803721号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10012298号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19707966号明細書
【特許文献5】米国特許第6161372号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10343263号明細書
【発明の概要】
【0012】
したがって、上記の現行技術を基礎的な開始点とすると、本発明の第1の課題は、プラスチックのチェーンプレート及びより高強度の材料のチェーンプレートの利点を組み合わせるハイブリッドエネルギーガイドチェーンを提案することであり、そのエネルギーガイドチェーンは、同時に、少ない個別部品から、又は高い弾性及び/若しくはより低い組立てコストで生産可能となるようなものである。その課題は、請求項1によるエネルギーガイドチェーン及び請求項17によるチェーンリンクによって本発明の第1の態様において達成される。2本のエネルギーガイドチェーンはまた、軽い自重のものである。
【0013】
またさらに、更なる態様において、更なる独立した課題は、横断バーの無用な離脱に対する安全策として利用可能な、エネルギーガイドチェーンのための新規な分離ウェブを提案することである。その課題は--エネルギーガイドチェーンのタイプとは無関係に--請求項18による分離ウェブによって達成される。ただし、その分離ウェブは、本発明の第1の態様によるエネルギーガイドチェーンにも特に適する。
【0014】
第1の態様(ハイブリッドエネルギーガイドチェーン)
本発明の第1の態様によると、第1の課題は、請求項1の発明の対象を示す部分に記載される一般化したエネルギーガイドチェーンにおいて、以下の点で既に達成されている。比較的高い強度及び/又は高い硬度の、特に、比較的大きな弾性率を有する材料からなる連続するチェーンプレートには両方の重なり領域に貫通孔がそれぞれ設けられ、連続するチェーンプレートにおける上記孔はそれぞれ少なくとも部分的に重なり、上記チェーンプレートの各第2のものについて、2枚のそれぞれのチェーンプレート、より具体的には、関連するチェーンプレート及び対応する端部領域に隣接するそれぞれ後続のチェーンプレートの重なり合う貫通孔を介してともに係合する突起を両端部領域にそれぞれ有するプラスチックの側方部品が提供されることがさらに規定される。
【0015】
したがって、側方部品の第1の端部領域の突起は関連するチェーンプレートの第1の重なり領域における貫通孔を介して係合することができ、側方部品の第2の端部領域の突起は関連するチェーンプレートの他方の第2の重なり領域における貫通孔を介して係合することができる。その配置構成では、その突起を有する側方部品は、側方部品に関連するチェーンプレートを、その第1の重なり領域においてプレートライン内で隣接する第1のチェーンプレートに接続させ、その第2の重なり領域においてプレートライン内で隣接する第2のチェーンプレートに接続させることができる。側方部品の突起は、プレートライン内で第2のチェーンプレート、関連するチェーンプレート及びそれに隣接するチェーンプレートの貫通孔を介してそれぞれ両重なり領域に係合可能である。したがって、各側方部品は、プレートラインにおいて連続する3枚のチェーンプレートを旋回可能に相互接続することができる。その場合、これらの3枚のチェーンプレートの各2枚は、側方部品に関連するチェーンプレートがその重なり領域の双方において側方部品に接続されるので、側方部品に対して旋回可能となる。
【0016】
その場合、側方部品は、それが係合する2つの重なり領域を介しては、関連するチェーンプレートに対して回転可能ではない。これにより、とりわけ、より安定的でかつ影響されにくいリンク接続が可能となる。
【0017】
各リンク接続は、特に、他のチェーンプレートと側方部品の2つの端部領域の一方との重なり領域としてのチェーンプレートの各重なり領域によって形成可能であり、側方部品は2つの接続されたチェーンプレートの一方に関連する。他方のチェーンプレートは、側方部品の端部領域と、側方部品が関連する一方のチェーンプレートとの間のその2つの重なり領域の一方に収容され得る。
【0018】
プレートライン又はエネルギーガイドチェーンの長手方向におけるプラスチックの側方部品の長さ寸法は、少なくともチェーンピッチ(長手方向における旋回又はリンク軸間の間隔)となる。(側面視における)プラスチックの側方部品の底面積は、好ましくはチェーンプレートのものに実質的に対応し得るが、それは必ずしもその限りではない。プラスチックの側方部品の底面積は、例えば、金属チェーンプレートのみがそれらの狭面で接触面又は支持面と当接するように、若干小さく選択され得る。好ましくは、側方部品の底面積は、チェーンプレートの底面積の50%より大きい。
【0019】
したがって、より高い強度及び/又はより高い曲げ硬度の材料からなるチェーンプレートは、プレートの接続のためのそれらの重なり領域に貫通孔又は雌型接続領域を有していればよく、その孔は、特に同一部品の形態のそれらのチェーンプレートのための特に簡素な構造を可能とする受容手段として専ら作用する。これに対して、プラスチックの側方部品は、雄型接続要素としてチェーンプレートを貫通孔又は雌型接続領域によって相互に接続する突出した突起を有する、より複雑な幾何形状のものとなり得る。したがって、設計構成は、既に試行及び試験された製造プロセスに最適に適合され、例えば、コーティング手順のような特殊な技術を必要としない。
【0020】
その観点において、本発明によると、側方部品の突起は、連続するチェーンプレート間の相対旋回角を制限するために、若しくは連続するチェーンプレート間の旋回可能なヒンジ接続を与えるために、又は上記の両目的のために好適に設けられる。
【0021】
したがって、より高い強度及び/又はより大きな弾性率の他の材料からなるチェーンプレートに加えてプラスチックの側方部品を有する、本発明によって提案される構造は、エネルギーガイドチェーン又は各プレートラインの少なくとも長手部分に、特に、通常動作において自己支持するランの場合に、最大負荷又は変形力に曝される臨界領域に設けられるものである。一方、簡略化のため、プレートラインは、全体を通じて大部分において又は完全に、特殊な移行部品を回避するように、提案されるハイブリッド構造を用いて生産され得る。
【0022】
チェーンプレートの高い機械的強度によって、金属プレートからなるチェーンで実現可能なように、比較的薄い壁厚で非常に長い自己支持長が可能となる。この場合、チェーンプレートは、高い強度でありながらも、特に生産が安価な特に簡素な構造のものとなり得る。チェーンプレートは、特に専ら雌型コネクタを用いて、すなわち、例えばジョイント接続を生産するための突起部品を用いることなく、設計可能となる。その場合におけるそれらの貫通孔又は開口の合計面積比率は、高い強度に起因して、確実にチェーンプレートの(外輪郭によって定義される)全底面積の40%超、特に40%~60%の範囲となり、すなわち、自重が一層軽減される。
【0023】
一方、プラスチックの側方部品は、エネルギーガイドチェーン又はエネルギーチェーンリンクにおける従来のプラスチックプレートの所望の特性を利用することを可能とする。サイドプレートは、特に、簡単、迅速でかつおそらくは工具なしでの組立てが可能な、より複雑な幾何形状のものとなり得る。
【0024】
プラスチックの側方部品によって、より高い強度又は硬度の材料からなる連続するチェーンプレートの使用に起因して、必要な部品点数及び組立て工程数を上述の現行技術と比較して顕著に減少させることもできる。
【0025】
プラスチックのサイドプレートとの比較で自己支持長の顕著な増加を達成するためには、チェーンプレートの材料の弾性率(Eモジュラス、弾性係数又はヤング率ともいう)は、側方部品の材料の弾性率の好ましくは少なくとも3倍、好ましくは少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍とすべきである。チェーンプレートの材料の弾性率は、例えば、50MPa以上、好ましくは70MPa以上であればよい。比較として、側方部品のプラスチック、例えば、ガラス繊維強化ポリアミドは、10MPa未満の弾性率を有し得る。力の伝達は、高い強度のチェーンプレートによって、及びプラスチックの側方部品の突起又は雄型コネクタによってのみ、もたらされる。したがって、動作に対して充分に強度を有するには、特に、剪断作用に耐性を有するには、それらのプラスチックの突起のみが対応の寸法のものであればよい。当接部として作用する、孔を介して係合するプラスチックの突起は、金属プレートからなる従来のチェーンとの比較において、動作の滑らかさの向上も可能とする。プラスチックの側方部品は、より複雑な幾何形状にかかわらず、特に射出成形を用いて、安価に生産され、軽量な構造物のものとなり得る。
【0026】
側方部品は、繊維強化プラスチックから構成されてもよいし、されなくてもよい。
【0027】
プラスチックの側方部品は、それらの本体によって張力又は背分力が伝達される必要はなく又はされるべきではないので、実際のチェーンプレートとはならない。それでもなお、プラスチックの側方部品によって、プラスチックプレートの通常の利点、特に、当接時の低いノイズレベル、及び例えば係止又はスナップ動作接続などの所望の機能的構成に対する高いレベルの設計自由度が可能となる。したがって、これは、個々のチェーンリンクを可能な限り簡素化し、それらを少ない作業工程で嵌合可能とするのにも利用され得る。側方部品についてのコストの増加は、従来の金属プレートにはよくあることだが、通常のリンクジョイント接続の生産及び横断バーの固定のためのコスト分をわずかに超えるだけであり、又はおそらくはそれを下回り得る。さらに、高い硬度の材料からなる各第2のチェーンプレートのみにプラスチックの側方部品を設けることが好適である。
【0028】
好ましくはチェーンプレートの貫通孔の数に対応する数の側方部品上の突起又は雄型接続構成要素に加えて、種々の更なる機能的領域が、低いレベルの複雑さ及び低い製造コストで設けられ得る。したがって、箱型チェーンリンクを形成するための横断バー又は横断部材への接続は、例えば、専ら側方部品上に設けられてもよい。したがって、チェーンプレートは、例えば、少ない生産工程で、安価な鋼板の型打ち加工品の形態において、特に簡素なものとなり得る。
【0029】
好適な展開において、--少なくともエネルギーガイドチェーンの重要な長さ部分において--少なくともチェーンプレート又は側方部品及び好ましくはその両方の各々は、構造的に同一の基本形状で構成される。したがって、原則として、各プレートラインは、2つの異なる構成要素のみ、すなわち、チェーンプレート及び側方部品のみからそのように構成され得る。最も簡素な場合において閉チェーンリンクを生産するためには、最初に、所望のチェーン幅に従って選択された1本の横断バーしか必要とならない。
【0030】
好適な展開において、--少なくともエネルギーガイドチェーンの重要な長さ部分において--旋回軸に垂直なそれらの主平面にある全てのチェーンプレート及び側方部品は、実質的に同一の外輪郭又は実質的に同一の周囲、特に、それぞれの長円、卵形又は楕円の周囲のものである。
【0031】
それらの重なり領域において、最も簡素な実施形態におけるチェーンプレートの各々は、旋回軸に関して配置され、例えば、円盤の扇面部分の形態であり得る少なくとも2つの概ねアーク状の貫通孔を有する。側方部品の突起は、旋回角を制限するために、相対旋回角を制限する対応の突起の対応の当接面に突起の端部領域がそれぞれ当接するように、それらの孔を介して係合する。その場合、旋回角は、方向転換アークにおける最大旋回角に向かう方向及び(直線の、特に自己支持ランを形成する)直線位置における最小旋回角に向かう方向の双方において、又は同じ突起のある両側で、同程度に制限され得る。このように、そのような当接突起は2つの当接面を有することになり、その2つの当接面は、特に、相互に反対側を向き、旋回方向において両側で孔の境界端と連携する。当接面は、好ましくは平坦な均一面の形態である。
【0032】
方向転換アークにおける所望の半径の調整は、旋回角の制限によって行われる。本発明による構造を用いれば、全ての所望の半径が、特に、側方部品上の対応する突起の寸法取りによって実現可能となり、すなわち、様々な角度制限が同一チェーンプレートでの有角度位置において可能となる。異なる側方部品による角度変化に起因して、単一種のチェーンプレートが同一部品として使用可能となり、又は少数種の異なるチェーンプレートが設計範囲全体に対して使用可能となる。したがって、チェーンプレートは、より有利に大量生産可能となる。
【0033】
さらに又は代替的に、両方の重なり領域におけるチェーンプレートの各々はまた、所望の旋回軸上に円形貫通孔を同心状に有する。そして、プラスチックの側方部品におけるピン状構成の対応する突起は、連続するチェーンプレート間の回転ジョイント接続を構成するために、その孔に係合し得る。そのジョイント突起は、標準的な受容手段とピンとの旋回接続のためのピンとして作用可能であり、すなわち、それは旋回角を制限するための当接面を有さない。しかし、回転可能な接続は、代替的に、側方部品の構造を更に簡素化するために、当接突起のための適切なアーク形状及び当接作用可能な孔のための対応する形状によって専ら実施可能である。両変形例において、側方部品の各々は、両端部領域にジョイント接続、特に当接突起及び/若しくはジョイント突起又は長手方向の連続にある2つのジョイント接続を設けるのに適した突起を有する。
【0034】
特に好ましくは、側方部品の各々は、同一の構造のものであり、及び/又は一体に若しくは一体的に、特に、同じプラスチックによる一体材料で生産される。
【0035】
側方部品は、各プレートラインにおける一方側に排他的に配置され得る。その場合、各側方部品は、関連するチェーンプレートとの関係において、それらの重なり合う重なり領域に隣接する2枚のチェーンプレートにそれぞれ少なくとも部分的に重なり得る。
【0036】
好適な展開において、全てのチェーンプレート及び側方部品は、相互に対して実質的に合同の外輪郭のものである。それにより、とりわけ、方向転換アークの部分における、より良好な回転動作が可能となる。
【0037】
チェーンプレートは、特に好ましくは、屈曲構成又はオフセットのない平坦な構成要素の形態である。チェーンプレートは、好ましくは、一体に、一体材料により、又は1つの材料のみからモノリシックに構成され、それは、独国特許出願公開第19707966号明細書に開示されるようなハイブリッドチェーンプレートと比較して顕著に容易かつ有利な生産を可能とする。
【0038】
側方部品には、好ましくは、横方向に屈曲構成又は突起のない平坦な本体が設けられる。その本体は、それがいずれの張力/背分力も伝達する必要がないので、比較的薄い壁の構造とすることができる。
【0039】
チェーンプレートは、特に金属板、好ましくは鋼板、例えば、ステンレス鋼から生産され得る。鋼鉄又は鋼鉄合金の代替として、チェーンプレートは、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成されてもよい。あるいは、高い強度の、例えば、70MPa超の弾性率のチェーンプレートは、複合繊維材料、例えば、GRP又はCRPから構成されてもよい。基本的に、非酸化材料が好ましい。チェーンプレートは、好ましくは、一定の構成要素厚の平坦な構成要素の形態で生産される。チェーンプレートは、例えば、平坦な型打ち加工品の形態で、又は他の加工処理又は例えば帯鋼若しくは鋼板からの切削によって大量に準備可能である。チェーンプレートの好適に一定の壁厚又は板厚は、好ましくは10mm未満であり、好ましくは約1mm~5mm、好ましくは約2mm~4mmの範囲である。
【0040】
好適な実施形態では、チェーンプレートは、それらが相互に対して交互に横方向にずれるように配置され、すなわち、各プレートラインにおいて、内側チェーンプレート及び外側チェーンプレートが交互となり、又は連続している。その場合、チェーンプレートは、特に排他的に又は一方側のみにおいて、それらの重なり領域と重なり得る。言い換えると、各プレートラインにおいて、高強度材料の2つの個々のチェーンプレートのみが常に重なる。したがって、2つの個々の部品を備えるフォーク型チェーンプレートは使用されず、それにより、生産コスト、組立て経費及び重量が減少する。
【0041】
好ましくは、その場合、側方部品は、各第2のチェーンプレートにおいてそれぞれ外部に配置される。チェーンプレートの交互の配置構成とともに、それは組立てを更に簡素化する。
【0042】
特に簡素な組立て及び安価な構造は、専ら側方部品によって2本のプレートライン間の接続が横断バーによってもたらされ、すなわち、各2つの対向する側方部品が横断バーによって相互に接続されることによってもたらされる場合に実現可能となる。好適な実施形態では、それは、横断バーのための少なくとも1つの各突出固定ピンが側方部品において設けられることを規定する。固定ピンは、特に、端部領域間の中央領域において狭面に又はそれに隣接して設けられ得る。固定ピンは、積極的ロック及び/又は強制ロック接続を、特に、事実上公知の構造又は既存のシリーズの適切な横断バーに設けるように適合され得る。好ましくは、2本の固定ピンが各側方部品に設けられ、特に、各狭面付近にそのような各固定ピンがある。固定ピンは、好ましくは、これが側方部品に平坦な外向面を与えるように、突起と同じ側に突出する。好ましくは、チェーンリンクの2つの外側の又は横方向に対向する側方部品は、高さ方向において対向関係にある2本の別個の横断バーによって相互に接続されて、特に、チェーンリンクに箱型断面を与える。
【0043】
横断バーは、好ましくは、積極的ロック及び強制ロック接続、特に、スナップ接続によって側方部品に接続され得る。
【0044】
特に、その観点では、横断バーの少なくとも接続領域は、全体的又は主にプラスチックから構成される。横断バーは、主に又は一体的にプラスチックからなるものであればよく、例えば、射出成形品の形態で生産可能である。それにより、プラスチックの側方部品に対して機械的に有利でかつ持続的な接続が可能となる。横断バー及び側方部品は、同じプラスチック又は少なくとも同じベースポリマーから生産可能であり、繊維強化されてもよい。
【0045】
側方部品におけるそのような固定ピンは、例えば、実績のある強固な係止又はスナップ接続によって横断バーの簡素な組立てを実施可能とする。それにより、例えば、従来の横断バーによって、工具を用いることなく側方部品及び関連するチェーンリンクを接続して箱型断面のチェーンリンクを与えることができる。その目的のため、特に、側方部品上の突起よりも更に内向きに突出する横断バーは、側方部品の固定ピンのみに固定される。それにより、金属プレートに関して標準的なネジ接続に関する経費及び労力の増加が回避される。側方部品がより高い強度の材料からなる各第2のチェーンプレートにおいてのみ設けられる場合、それは各第2のチェーンリンクにおいてのみ横断バーを有する半固定構造を与え、重量及びコストを低減する。
【0046】
特に好ましくは、横断バーは、同時に隣接チェーンプレートの横方向に安定的な接続のために、特に、隣接する外側チェーンプレートに対する内側チェーンプレートに関して、又はその逆に関して横断固定手段として使用される。その目的のため、側方部品の固定ピンは、それぞれ関連するチェーンプレートにおける対応の開口を介して係合し、内側に貫通して突出し得る。好適な展開では、その点において、固定ピンのためのサイドプレートにおける対応の開口は、横断バーがその開口の縁部に対して端部で接することができるように、それと整合関係又は結合関係において寸法取りされる。そのように、横断バーは、関連するチェーンプレートを、横方向に、すなわち、各側方部品上のエネルギーガイドチェーンの長手方向に対して横断方向に保持することができる。それは、工具を用いることなくかつ少ない作業工程でチェーンラインの特に簡素な組立てを可能とする。それぞれの要件に応じて、端部の横断バーは、チェーンプレートにおける接触面を増加させるために長手方向に突出又は延在する支持領域を有し得る。チェーンは、端部接続部を除いて全体として、特に3個の異なる部品、すなわち、各々は同一の部品の形態であり得るチェーンプレート、側方部品及び横断バーのみから上記構造で構成可能である。これにより、組立ての間違いも回避され、製造の複雑さも減少する。
【0047】
側方部品を関連するチェーンプレートに横方向に固定するために横断バーを用いることによって、追加のコネクタなしに、特に、例えば、ネジ、リベット、ボルト、スリーブなどのような金属のコネクタ要素なしに、側方部品が固定可能となる。現行技術では普通でありかつ振動下で緩み得るそのようなコネクタ要素は、この場合には回避可能であり、それにより、材料及び組立てに関する重量及びコストが更に低減される。
【0048】
チェーンプレートの形状安定性を高めるため、又は同じ最大自己支持長でより薄い壁厚のチェーンプレートを用いるためには、横断方向に、すなわちプレートの主面に実質的に垂直に突出する補強領域をチェーンプレートの少なくとも一方の狭面又は好ましくは両方の狭面に設けることが有利である。そのような補強領域は、キャリアフランジと同様の作用として、特にシート状金損プレートに関して有利であり、平坦な基本形状を変換することによって、例えば、シート状金属のトリミング、フランジオーバーなどによって安価に生産可能である。補強領域は、補強しない場合に比較的又は完全に平坦なチェーンプレートを補強するように作用する。各プレートの輪郭に応じて、長手方向に関して、又は側面図として、補強領域は、直線的な又は若干湾曲した構成のものとなり得る。チェーンの長手方向及びプレートの主平面に対する垂直方向の寸法は、好ましくは、補強領域が両方の角張った末端位置において相互に接触しないようなものである。
【0049】
接続を与えるように作用可能な側方部品の突起は、好ましくは、それらが重なり領域においてチェーンプレートの板厚又は材料厚の2倍以上の寸法で突出するようにサイズ取りされる。そのように、突起は、相互に接し又はわずかな端部突出部と重なり得る2枚のチェーンプレートを完全に貫通して係合し得る。一方、チェーンリンクの内部における無用な干渉縁部を回避するために、突起は、好ましくは、最大で板厚の3倍未満の寸法で内向きに突出すべきである。一方、好適な寸法は、突起端が内側又は関連するチェーンプレートの内部で面一となるものである。
【0050】
チェーンプレートラインの横方向の安定性を高めるために、旋回角を制限するように作用する少なくとも1つの突起、幾つかの突起又は各突起において、各端部領域又は重なり領域に、その背部で側方部品に面するチェーンプレートが係合可能な少なくとも1つの各横断張出部が設けられ、すなわち、側方部品とその間で関連するチェーンプレートとの間の直接隣接するチェーンプレートが設けられれば有利である。したがって、そのように、少なくとも当該チェーンプレートが旋回方向の当接条件にある場合に、チェーンプレートが横断張出部の背部で突起に係合することを規定することが可能となる。それは、追加の横方向保持作用を与え、特に貫通孔の対応の端部領域とともにチェーンプレートが関連の突起の各当接面に接する場合に起こる。
【0051】
関連する、好ましくは内側のチェーンプレートは、既に横断バーによって側方部品に横方向に保持可能となっている。したがって、横方向の安定性を突起に与えるための横断張出部は、特に、その背部での係合が、関連するチェーンプレートに重なる2枚のチェーンプレートによってそれぞれもたらされるような態様で配置され得る。2枚のチェーンプレートは、好ましくは内側チェーンプレートと横方向に外側の側方部品との間の外側チェーンプレートとしてそれぞれ配置される。これは、ラインのための受容空間に横断張出部が突出する必要がないことを意味する。
【0052】
チェーンプレートは、好ましくはプレートラインの直線位置において、すなわち、特に、自己支持ランにおいても、横方向安定化のための横断張出部との有効な係合状態にある。そのような係合を、完全に傾斜した旋回位置に対しても又はそれに対してのみ、当接突起の横断張出部の背部に設けることも可能である。
【0053】
そのような横断張出部に加えて又はそれに代えて、例えば、係止接続、スナップ接続などのような横方向のずれを防止する固定手段を、回転ジョイント接続を与えるためのピン状突起に設けることも可能である。例示として、スナップフックが回転ジョイント突起に設けられてもよく、それは好ましくは狭面に面し、又は張力/背分力のフローの周囲にない。スナップフックなどを有する適切なヒンジピンが、望ましくは、プラスチック射出成形を用いて、おそらくはより高い硬度のチェーンプレートを改良又は加工することなく、側方部品の突起の形態で実装可能である。一方、横断固定作用は、それぞれの隣接チェーンプレートとの一種のバヨネット接続としても実施可能である。
【0054】
チェーンプレートの生産において、チェーンプレートの各重なり領域の貫通孔の少なくとも1つが、旋回角を制限するように作用可能に整形された縁部領域及び/又は回転ジョイント接続を与えるように作用する整形縁部領域を有することが、ここでも規定され得る。そのように、プラスチックの突起への剪断力又は応力は、チェーンプレートの断面積と比較して大きい領域に分散可能であり、又は表面積に関係する圧力が低減されるので突起はそれに対応して材料節減構成のものとなり得る。
【0055】
動作において、好ましくは面内で変位可能なエネルギーガイドチェーンは、通常は、第1のラン、第2のラン及びその間に方向転換領域を形成する。その場合、一方のランは、端部領域とともに、例えば特殊な端部接続部品によって、相対移動可能な接続位置の巻き込み手段に固定される。
【0056】
本発明によるハイブリッド構成のものであり、かつ、貫通孔を有する連続するチェーンプレートが第1及び第2の重なり領域に設けられるとともに各側方部品が各第2のチェーンプレートに関連する長手部分は、好ましくは、巻き込み手段における端部領域からエネルギーガイドチェーンの全長の少なくとも3分の1にわたって延在するものとする。その領域では、特に、通常動作において自己支持状態にあるランにおける力又は負荷は、拡張状態において最も高く又は最も重大となる。
【0057】
本発明による構成の代替として、エネルギーガイドチェーンの長さの比率に沿ってのみ、簡略化のため、それらの端部領域間の両プレートラインは連続的に又は好ましくは実質的に全長(端部領域又は接続部品を除く)にわたって、本発明によるチェーンプレート及び側方部品を備え得ることが理解されるはずである。その場合、全てのチェーンプレート及び側方部品は、好ましくは構造的に同一である。
【0058】
本発明はさらに、エネルギーガイドチェーンの個々のチェーンリンクにも関し、それは第1の重なり領域における貫通孔及び第2の重なり領域における貫通孔を有する2枚の対向配置された金属板のチェーンプレートを有する。本発明によると、旋回角を制限する目的のため及び/又はジョイント接続を行うために、チェーンプレートにおける雌型孔を介して係合する少なくとも1つの雄型突起を有する2つの端部領域をそれぞれ有するプラスチックの側方部品が、対向配置されたチェーンプレートの各々に関して横方向に設けられる。好ましくは、その2つの端部領域の各々における側方部品に、チェーンプレートの重なり領域毎の貫通孔又は雌型受容手段の数に対応する多数の雄型要素又は突起が、各端部領域の各突起が関連のチェーンプレートの重なり領域における関連の貫通孔を介して係合するように設けられる。
【0059】
そして、そのようなハイブリッドチェーンリンクは、2枚のそれぞれ個々のチェーンプレートのみによって(側方部品なしで)両側における更なるそのようなハイブリッドチェーンリンクに接続可能となり、すなわち、各第2のチェーンリンクのみが、提案される側方部品を有する。そのチェーンリンクは、それ以外については、上記の特徴の1以上を備え得る。
【0060】
したがって、本発明の第1の態様の中核となるコンセプトとして、プラスチックの側方部品が両端部領域に1以上の雄型コネクタ要素又は突起を有し、その1以上の雄型コネクタ要素又は突起は、それらのプレートを相互に接続するために、関連するチェーンプレートの貫通孔又は雌型受容手段を介して、及び後続のチェーンプレートの貫通孔又は雌型受容手段も介して、関連するチェーンプレートの両重なり領域においてそれぞれ係合することが規定され得る。
【0061】
したがって、側方部品は、全体として3枚の連続するプレートを相互に接続する。その場合、側方部品は、それらのチェーンプレートをヒンジ接続し及び/又はその旋回角を制限するために、2つの連続するチェーンプレートの重なり領域を重ね合わせることによって係合可能である。それにより、チェーンプレートのための高いレベルの機械的強度、すなわち、長い自己支持長を有して、特に組立てが簡素であり、材料を節約し、部品点数を減少させ得る構造が可能となる。
【0062】
したがって、特に、各側方部品は、2つのヒンジ接続を構成するように作用することができ、又は対応するチェーンプレートとともにその間の2つのヒンジ接続を構成し得る。その場合、側方部品の一方の端部領域は第1のジョイント接続のための1つ又は複数の突起を有し、側方部品の他方の端部領域は更なる第2のジョイント接続のための1つ又は複数の突起を有し得る。その場合、それらのジョイント接続の各々は、3つの領域:突起を有する側方部品の端部領域、第1のチェーンプレートすなわち側方部品が関連するチェーンプレートの貫通孔を有する重なり領域、及び第2のチェーンプレートの貫通孔を有する重なり領域、の連携によって構成可能となり、突起は両チェーンプレートの孔を介してそれぞれ延在する。したがって、各場合において、厳密には、一方の側方部品が好ましくは各第2のチェーンプレートと関連し、上記一方の側方部品は、それによって関連するチェーンプレートが2枚の隣接チェーンプレートにヒンジ接続される両ジョイント接続の構成部品である。
【0063】
第2の態様(固定用分離ウェブ)
上記第1の態様とは独立した第2の態様によると、チェーンリンクの2本の対向配置された横断バー又は横断部材の無用な離脱又は分離を防止するのに適した分離ウェブが提案される。その分離ウェブは、有利なことに、特に、ただし排他的にではなく、第1の態様によるエネルギーガイドチェーンにおいて使用可能である。
【0064】
従来の横断ウェブは、チェーンリンクの内部空間を分割するように作用する。それらは、一般に、両端において、チェーンリンクの横断バーに固定するための各固定用領域を有し、主平面に延在するプレート状構成のものである。固定用領域として、公知の分離ウェブは、通常、係止接続を少なくとも一方の側に有し、その係止接続は分離ウェブを横断バーに固定するために生産され、手で取り外すことができる。しかし、公知の係止接続は、横断バーの無用な離脱に対して耐久性のある安全策を与えるほどには強度が高くない。
【0065】
本出願人による独国登録実用新案第202015101707号明細書は、2本の横断バー間を固定する複数部品分離ウェブを記載する。独国登録実用新案第202015101707号明細書に開示される分離ウェブの部品は、高さ方向において相互に嵌合可能である。部品を相互に分離するには、横断バーが開放又は除去されなければならない。韓国登録実用新案第200293663号明細書は、2部品分離ウェブを記載し、2部品の各々は一方の横断バーから他方まで延在する。各部品は、各横断バーについて、一方の固定用領域の半個体及び他方の固定用領域の半個体を形成する。
【0066】
第2の態様によると、両側で隣接関係にある横断バーによって、固定効果を与えるのに適した、より高い強度の接続を可能とする分離ウェブが提案される。第2の態様によると、それは以下の点で既に達成されている。分離ウェブは、2つの部品がそれらの主平面に垂直な方向に接続又は解放可能となるように、主平面に垂直に突出する少なくとも1つの固定用ピンを含む第1の部品及び主平面に垂直に窪む少なくとも1つの固定用受容手段を含む第2の部品を備える2部品構成のものである。
【0067】
分離ウェブがエネルギーガイドチェーンの長手方向又は分離ウェブの主平面に垂直な2つの部品に提案のように分割可能であることは、横断バーへのより高い強度の固定を可能とし、それは困難を伴ってのみ解放可能であり、又は動作中に解放され得ない。横断バーは、通常、例えば係止係合によって、チェーンリンクの概ね構造上の高さの方向に、及び側方部品のチェーンプレートに略垂直に接続される。本発明の第2の態様による構造に起因して、2部品分離ウェブが横方向に(横断バーの長手方向又は接続方向に垂直に)最初に開放又は分離された後に横断バーの分離又は除去が最初に可能となる限り、その方向の解放を確実に固定する、分離ウェブと横断バーの間の接続が与えられ得る。それにより、分離ウェブの2つの部品の分離が最初に必要となるので、動作中に意図せず解放され得ない確実な固定作用を実現することが可能となる。そのように、分離ウェブは、チェーンの内部空間を分割する通常の機能に加えて、横断バーをチェーンリンクに固定する機械的安全策として使用され得る。
【0068】
2部品分離ウェブの好適な実施形態では、両部品は、同一部品の形態であってもよいし、及び/又は各々が一体に構成されてもよい。
【0069】
その点において、各部品は、固定用領域、及び一方で固定用ピンを有して他方で固定用受容手段を有する本体によってそれぞれ設計可能である。固定用ピンは、好ましくは、固定用領域から離間した本体の端部領域に配置される。したがって、分離ウェブが接続された状態では、2つのそれぞれの固定用ピンは、対応の固定用受容手段において固定可能となる。2つの部品の各々は、特に、厳密に1つの固定用領域を有し得る。好ましくは、各固定用領域は、1部品構成のものである。その変形例は、特に安定的である。
【0070】
横断バーの意図しない離脱に対する特に確実な安全策は、各固定用領域が、横断バーが主平面に対して垂直に導入され得る開口を有する、少なくとも大部分において、好ましくは完全に周辺に張り出すフレームを有する場合に実現される。
【0071】
分離ウェブの2つの部品の無用な分離に対する追加の安全策を与えるために、固定用領域の反対側の端部領域に、各部品は、特にエネルギーガイドチェーンの長手方向に、主平面に突出する少なくとも1つの張出部を有し得る。そのような張出部は、主平面に垂直な方向に分離ウェブ部品が張出部によって、特に、ネジ接続、固定用ピンなどによって相互に固定されることを可能とする。その構成の有利な効果は、張出部の追加の固定手段がチェーンリンクの外側から、かつラインがそこに嵌合されている場合でも、容易にアクセス可能となることである。
【0072】
分離ウェブの2つの部品間の確実な接続を与えることに代えて又はそれに加えて、固定用ピンが固定用受容手段に係止可能であることが規定され得る。それは、例えば、係止用凹部及び係止用舌部又は他の何らかの適切な係止又はスナップ接続の連携によって実現可能となる。
【0073】
したがって、第1の態様とは独立して、本発明はまた、上記実施形態の1つによる分離ウェブに関する。それらは、本発明にそれぞれ必須なものとして独立して見られるべきである。
【0074】
本発明の更なる特徴及び有利な効果が、添付図面を参照して好適な実施形態の以降のより詳細な説明から保護範囲について限定することなく明らかなものとなる。その点において、図面を第1の態様に関して単に例示として示す(
図1~
図7)。さらに、図面を独立した第2の態様に関して単に例示として示す(
図8~
図10)。図面は、次に第1の態様に関する変形例として以下を示す(
図11~
図12)。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1A】第1の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの直線長手部分を組立て状態として示す。
【
図1B】第1の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの直線長手部分を部分展開図として示す。
【
図2A】第1の実施形態による高い強度のチェーンプレートを斜視図として示す。
【
図2B】第1の実施形態による高い強度のチェーンプレートを内部からの側面図として示す。
【
図2C】第1の実施形態による高い強度のチェーンプレートを平面図として示す。
【
図2D】第1の実施形態による高い強度のチェーンプレートを外部からの側面図として示す。
【
図3A】第1の実施形態によるプラスチックの側方部品を斜視図として示す。
【
図3B】第1の実施形態によるプラスチックの側方部品を内部からの側面図として示す。
【
図3C】第1の実施形態によるプラスチックの側方部品を平面図として示す。
【
図3D】第1の実施形態によるプラスチックの側方部品を下部からの側面図として示す。
【
図4A】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第1の変形例を内部からの斜視図として示す。
【
図4B】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第1の変形例を正面図として示す。
【
図4C】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第1の変形例を外部からの斜視図として示す。
【
図5A】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第2の変形例を内部からの斜視図として示す。
【
図5B】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第2の変形例を正面図として示す。
【
図5C】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第2の変形例を外部からの斜視図として示す。
【
図6A】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第3の変形例を内部からの斜視図として示す。
【
図6B】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第3の変形例を正面図として示す。
【
図6C】
図2A~2Dに示すチェーンプレートの第3の変形例を外部からの斜視図として示す。
【
図7A】更なる実施形態のチェーンプレートの斜視図を、個々に内部から示す。
【
図7B】更なる実施形態の側方部品の斜視図を、個々に内部から示す。
【
図7C】更なる実施形態のチェーンプレート又は側方部品の斜視図を、接続可能なグループの形態で示す。
【
図8a】第1の実施形態による分離ウェブを有するエネルギーガイドチェーンのチェーンリンクを示す。
【
図8b】
図8aに示す分離ウェブを斜視図として示す。
【
図8c】
図8aに示す分離ウェブを、2本の横断バーに固定された分離ウェブの断面図として示す。
【
図8d】
図8aに示す分離ウェブを、分離ウェブの正面図として示す。
【
図9a】第2の実施形態による分離ウェブの斜視図を示す。
【
図9b】2本の横断バーに固定された上記分離ウェブの断面図を示す。
【
図9c】詳細図を固定用ピンとともに断面図として示す。
【
図10】第3の実施形態による分離ウェブの斜視図を示す。
【
図11A】第2の実施形態によるプラスチックの側方部品を内部からの側面図として示す。
【
図11B】第2の実施形態によるプラスチックの側方部品を内部からの斜視図として示す。
【
図11C】第2の実施形態によるプラスチックの側方部品を、
図11Aの線分XIC-XICに沿う拡大部分断面図として示す。
【
図12A】第2の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの部分的部分を斜視図として示す。
【
図12B】第2の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの部分的部分を、
図12Aに関する部分拡大図として示す。
【
図12C】第2の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの部分的部分について、横断バーのための特殊コネクタを平面図として示す。
【
図12D】第2の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの部分的部分について、横断バーのための特殊コネクタを側面図として示す。
【
図12E】第2の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの部分的部分について、エネルギーガイドチェーンの横断バーを平面図として示す。
【
図12F】第2の実施形態における本発明によるハイブリッドエネルギーガイドチェーンの部分的部分について、エネルギーガイドチェーンの横断バーを端面図として示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
第1の態様に関する具体的説明
図1A~1Bは、2本の横方向に対向するプレートライン1A、1Bを有するエネルギーガイドチェーン1の長手部分を示す。プレートライン1A、1Bの各々は、2つの構成要素、すなわち、金属、例えば鋼板のチェーンプレート2、及び特に射出成形によって生産されたプラスチックの側方部品3から構成される。2本のプレートライン1A、1Bは、横断バー4の対によって平行関係において相互に接続され、その間に供給ライン(不図示)のための受容空間を画定する。両側で使用され得る横断バー4は、好ましくは、プラスチックから構成され、例えば、その教示がここに取り込まれる本出願人による独国特許発明第3531066号明細書又は米国特許第4813224号明細書に示されるような公知の構成のものである。
【0077】
エネルギーガイドチェーン1は半ウェブ構造のものであり、チェーンリンク5A、5Bによってそれぞれ設計され、チェーンリンク5A、5Bは、交互に異なる構造のものであり、すなわち、2枚のチェーンプレート2、2つの側方部品3及び2本の横断バー4を備える第1のハイブリッドチェーンリンク5A、並びに2枚のチェーンプレート2のみを備える第2の単純な、すなわち、ハイブリッドではないチェーンリンク5Bを有するものである。連続するチェーンリンク5A、5Bは、それぞれ相互にヒンジ接続され、より具体的には、
図1A~1Bにある程度図示されるようなランの予応力付与位置又は直線位置から、規定半径の方向転換アーク(不図示)を形成するための有角度位置へと、エネルギーガイドチェーン1が往復運動される場合にはその逆に、各旋回軸Aに関して相互に対して旋回可能にヒンジ接続される。エネルギーガイドチェーン1は、その端部接続部(不図示)の間に
図1A~1Bに示すような連続的な交互のチェーンリンク5A及び5Bを備え得る。
【0078】
内側及び外側チェーンプレート2は、金属のチェーンプレート2がそれぞれ対で重なるように、より具体的には、2つの端部重なり領域2A、2Bの各一方及び隣接チェーンプレート2のそれぞれ対向する重なり領域2A、2Bで重なるように、プレートライン1A、1Bの各々において交互に設けられる。したがって、金属のチェーンプレート2は、2本のプレートライン1A、1Bにおいて、交互の、ここではハイブリッドチェーンリンク5Aにおける内側プレート及びここでは単純なチェーンリンク5Bにおける外側プレートとして配置される。この場合、チェーンプレート2は、
図2A~2Dにおいて詳細を示すように、全てのチェーンリンク5A、5Bにおける同一の構造のものであり、ここでは同一の部品である。
【0079】
この配置構成では、プラスチックの側方部品3は、金属の各第2のチェーンプレート2のみ、ここではチェーンリンク5Aにおいて内向きに配置されたチェーンプレート2のみと関連する。したがって、チェーンリンク5Aは、金属及びプラスチックの2つの材料をハイブリッド関係で用いる。側方部品3は、同じ構造の同一部品であり、一体材料、特にプラスチックの射出成形品を用いて生産され、
図3A~3Dに詳細が示される。ハイブリッドチェーンリンク5Aの対向するチェーンプレート2に関して、各特殊な側方部品3はチェーンリンク5Aにおいて接続用整形部品として関連付けられ、外部に装着される(
図1B)。プレートライン1A、1Bの各々では、単純なチェーンリンク5Bの2枚の隣接金属製チェーンプレート2は、そのような側方部品3によってハイブリッドチェーンリンク5Aのチェーンプレート2にそれぞれ接続される。
【0080】
その目的のため、重なり領域2A、2Bの各々におけるチェーンプレート2は、旋回角を制限するために作用する4個のそれぞれの第1の貫通孔21(以下、当接貫通孔21という)及びここでは回転ジョイント接続の形態でチェーンプレート2のヒンジ接続のために作用する各第2の貫通孔22を有する。それと対応する態様で、接続用プラスチック部品、すなわち、側方部品3は、その端部領域3A、3Bの各々において、チェーンプレート2の当接貫通孔21を介して係合するための4個のそれぞれの第1の突起31(以下、当接突起31という)を有する。さらに、側方部品3は、接続される2つのチェーンプレート2の第2の貫通孔22への係合のための第2の突起32を有し、それは第2の貫通孔22に対応する構成のものである。
【0081】
全ての当接貫通孔21は、プレート面において円盤の扇面部分の形態で同一の幾何形状のものである(それぞれ
図2B及び
図2D参照)。重なり領域2A、2Bの各々において、当接貫通孔21は、それぞれチェーンリンク5A、5Bの旋回軸Aの周囲に均等に分布される。貫通孔21のアークの寸法は、所望の旋回角に対応するように選択され得るが、チェーンプレート2の端部がその中央領域2Cに対する張力に関して固定的に接続されたままとなるように、360度/dよりも大幅に小さい。なお、dは当接貫通孔21の数であり、ここではd=4である。
【0082】
当接貫通孔21と連携する側方部品3の当接突起31も同一のブロック形状要素の形態で整形され、ここでは略正方形又は矩形の底面を有する(
図3B参照)。各当接突起31は、その長辺において、相互に逆を向く2つの当接面31A、31Bを有する。当接面31A、31Bは、各アーク状当接貫通孔21の端部において、2つの直線又は線形に延在する端部領域21A、21Bの各一方との当接によって旋回角を制限するために作用する。端部領域21A、21Bは、ここでは旋回軸Aの半径に平行に延在するが、半径に対して2つの当接面31A、31Bの間隔の約半分だけずれている(
図2B参照)。
【0083】
図2B及び3B並びに
図2D及び3Dは、チェーンプレート2及び側方部品3が、それぞれ、側面図で合同の外輪郭をそれぞれ有し、ここではチェーンリンクの長手方向Lに長軸(=チェーンプレート2の旋回軸A-A間の接続線)を有する卵形又は略楕円である本体20及び30を有することを示す。
図2Aが示すように、本体20又はチェーンプレート2は、それぞれ両主面に屈曲構成又はオフセットを有さない平坦な構成要素の形態である。チェーンプレート2は、全面にわたって一定の板厚T2のものである。
図3Cが示すように、側方部品3は、ハイブリッドチェーンリンク5Aの内向面に面して装着される主面にのみ、それぞれの突起31、32を有する。
【0084】
図1Bから最も良く分かるように、突出する突起31、32を有する側方部品3は、各第2のチェーンプレート2、すなわち、チェーンリンク5Aにのみ関連付けられる。直線位置において、関連するチェーンプレート2の一方の重なり領域2Aにおける端部領域21Bは、当接突起31、すなわち、当接面31Bと当接状態にあり、一方で当該チェーンプレート2の他方の重なり領域2Bでは、当接貫通孔21のそれぞれの他方の端部領域21Aは、当接突起31のそれぞれ他方の当接面31Aと当接状態にある。それぞれ反転した関係にある隣接チェーンプレート2について、対向する端部領域21A及び21Bは、それぞれ、対応する当接面31A及び31Bと当接状態にある。したがって、
図1Aから分かるように、突起31は、チェーンプレートのそれぞれの対向配置された端部領域21A、21Bの間に挟持される。したがって、相対旋回位置に関する制限は、一方では直線位置(
図1A)において、これに対応して他方でも、完全に傾斜した位置(不図示)においてそれぞれ反転した端部領域21A及び21Bによって実現される。当接突起31のプラスチックは、対応する圧力負荷を良好に支持することができる。2つの径方向に対向する端部領域21Aと端部領域21Bの間の剪断作用をそれぞれ支持するために、当接突起31は、当接面31Aと当接面31Bの間の中実材料から連続的に少なくとも領域として設計され、
図3A~3Dでは、例えば、3個の中実領域を有し、チェーンプレートの板厚T2の倍数、例えば、少なくとも5倍となる寸法の当接面31Aと当接面31Bの間の間隔を有して設計される。
【0085】
したがって、貫通孔21、22(雌型コネクタ)のみが2つの重なり領域2A、2Bに設けられ、突起31、32(雄型コネクタ)のみが側方部品3に設けられてチェーンプレート2の接続を構成する。したがって、
図2A~2Dに示すチェーンプレート2は、例えば、プレス加工又は切削加工によって、おそらくは更なる加工又は整形工程なしに、単純なシート状構成要素の形態で所望の通りに生産可能となる。チェーンプレート2は、両面が平坦な平らでモノリシックな本体20を有する。側方部品3は、本体30及び全ての突起、特に、突起31、32の一体プラスチックから生産される。チェーンプレート2及び側方部品3は、それぞれ、長手方向に垂直な中央対称軸Sに対して対称な構成のものである。
【0086】
したがって、同一のチェーンプレート2及び側方部品3は、任意のプレートライン1A、1Bの両側において使用可能である。
【0087】
安定的な回転ジョイント接続を与えるとともに張力/背分力の伝達を与えるために、端部領域3A、3Bの各々における側方部品3は、旋回軸Aを規定する円筒形外壁を有する各ジョイント突起32を有する。ジョイント突起32は、例えば、材料の節約のために強化ハブを有するリングの形態で
図3A~3Bに示すように設計可能である。各ジョイント突起32は、関連するチェーンプレート2及び同じ箇所にそれぞれ重なる隣接チェーンプレート2の横方向に重なる重なり領域2A、2Bにおいて各同軸円形貫通孔22を介して係合してそれを支持する(
図1B参照)。したがって、チェーンプレート2の最も単純な構造にもかかわらず、旋回軸Aに関して連続するチェーンプレート2の間の強固な回転ジョイント接続が実現される。
図1Aと
図3Bとの比較が示すように、3個の突起、すなわち、2つの当接突起31及び1つのジョイント突起32が長手方向Lに長い中心軸上のチェーンプレートの各重なり領域2A、2Bにそれぞれ係合し、対応する貫通孔21、22に係合し、それにより、側方部品3が材料を節約する構造のものであるにもかかわらず、エネルギーガイドチェーンの変位に応じて高い張力及び背分力が一方のチェーンプレート2から突起21、22を介して後続のチェーンプレート2に直接伝達可能となる。その配置構成では、張力及び背分力は、ある程度は当接突起31によって、又は貫通孔22とチェーンプレート2の間のクリアランスが適切に設定されている場合には専ら側方部品3のジョイント突起32によって伝達可能となる。したがって、これらの突起31及び32のみが、プラスチックから構成されて、対応して充分な強度を有するとともに適切なサイズのものでなければならない。側方部品3の本体30による力のフローは、本体30が比較的薄壁化された構造のものとなるように、いずれの場合でも発生しない。
【0088】
2つのそれぞれの側方部品3及び2つの関連する重なったチェーンプレート2を固定してハイブリッドチェーンリンク5Aを設けるために、横断バー4が、側方部品3の中央領域3Cにおいて2つの対向配置された固定ピン8の一方に、それらの端部でそれぞれ接続される。各固定ピン8は、本体30と一体に生産され、突起31、32と同様に、そこから内部に突出する。端部領域3Aと端部領域3Bの間の中央領域3Cにおける補強の目的のため、本体30は、それとともに均一な材料からなる固定ピン8がそれぞれ設けられる材料増厚部7を有する。中央領域3Cにおける材料増厚部7は、概ねチェーンプレート2の板厚T2の厚み、好ましくはそれよりも若干大きな厚みであればよく、端部でその輪郭に対応するように整形される。各固定ピン8は、側方部品3の、概ね長手方向Lにある2つの長い狭面9A、9B付近に設けられる。
【0089】
固定ピン8は、略六角形断面のものであり、側方部品3の主平面に垂直にロックするための横断バー4の受容手段に係合する突出横断ノーズを有する。横断バー4は、旋回軸A及び長手方向Lに略垂直に固定ピンに嵌合される。その目的のため、独国特許発明第3531066号明細書に記載されるように、横断バー4は、端部において固定ピン8への安定的なスナップ接続のための受容手段を有し、固定ピン8がチェーンプレート2の板厚T2の概ね2倍だけ更に突出するという相違を有する。より具体的には、固定ピン8は、関連するチェーンプレート2の狭面6A、6Bの各々において更なる開口23を介して係合する。各隣接チェーンプレート2はまた、関連するチェーンプレート2及び側方部品3の各重なり領域2A、2B間に保持される(
図1A~1B参照)。チェーンプレート2を長手方向L又は主平面S-Lに垂直に相互に固定することは横断バー4によって実現され、その横断バー4は、当該チェーンプレートを側方部品3に対して横方向に内向きに保持するために、その端部においてそれらの平坦な端部によって関連のチェーンプレート2における開口23の周囲の縁部24にそれぞれ接する。当該チェーンプレート2の対向する重なり領域2A、2Bと側方部品3の端部領域3A、3Bとの間に、ハイブリッドではないチェーンリンク5Bの隣接チェーンプレート2が同時に保持される。したがって、2本の横断バー4の嵌合は、チェーンリンク5Aと同時に、3枚のそれぞれのチェーンプレート2を長手方向Lに対して横断方向に相互に嵌合する(
図1B参照)。この組立て状態において、関連するチェーンプレート2は、横断バーと側方部品3の材料増厚部7との間の固定ピン8の適切な寸法によって挟持され、すなわち、チェーンプレート2の外向面が材料増厚部7の平坦な内向面に対してバイアスされている。
【0090】
端部領域3A、3Bが湾曲して単純なチェーンリンク5B同士が開放してしまうことを防止するように追加の固定を与えるために、全ての当接突起31は、その背部でそれぞれの隣接チェーンプレート2、より正確には、それぞれの端部領域21A、21Bにおける本体30の縁部を係合する各横断張出部35を有する。
図1から分かるように、横方向の安定化のための当接突起31における横断張出部35のその係合は、ここではプレートライン1A、1Bのより重要な直線位置においてのみ、すなわち、特にチェーンリンク5A、5Bが傾斜していない場合に自己支持する上部ランにおいてのみもたらされる。横断張出部35は、任意の適切な構成であればよく、ここでは例えば、側面図(
図3A~3B)に図示されるような半円状舌部の形態であり、それは側方部品3の主平面L-Sに平行なブロック状当接突起31の端部から突出する。横断張出部35と本体30の間の間隔は、チェーンプレート2の板厚T2よりも若干大きい。射出成形による側方部品3の生産のために使用される整形工具を簡素化するために、摺動部材が整形工具に必要とならないように、生産用凹部36がプレート本体30における各横断張出部35との関係で設けられてもよい。
【0091】
図4A~6Cは、側方部品3との関係でハイブリッドチェーンリンク5Aの構成のための
図2A~2Dの金属製チェーンプレート2に関する変形例を示す。相違点のみを以下に説明し、チェーンプレート42、52、62における他の構成は、
図2A~2Dを参照して説明したものと同一である。
【0092】
図4A~4Cを参照すると、チェーンプレート42は、本体20を補強して、特に非常に長い自己支持長の場合における無用な変形を防止するように、両狭面6A、6Bにおいてそれぞれの端部補強領域40A、40Bを有する。補強領域40A、40Bは、長手方向Lに沿って略直線状に延在し、四分円孤に概ね対応する断面で湾曲し、すなわち、それ以外の平坦な本体20からフランジ状に突出する端部プレートによって整形され得る。補強領域40A、40Bの長さは、ここではチェーンピッチ区間、すなわち、連接する旋回軸A間の間隔を幾らか越えて延在する。各狭面6A、6Bにおける補強領域40A、40Bを有するチェーンプレート42は、異なる予応力効果のためにそれらの長手軸に関して180度にわたって転回して使用可能である。
【0093】
図5A~5Cでは、チェーンプレート52は、
図4A~4Cに示す構成に対応する各補強領域50を一方の狭面6Aのみに、すなわち、自己支持ランの上方の狭面のみに有する。これに対して、他方の狭面6Bは、
図2A~2Dのように、卵形構成のものであり、本体20と平らな面の関係にある。
【0094】
図6A~6Cでは、チェーンプレート62は、ここでも、両狭面6A、6Bにおいて、無用な変形を防止するように本体20を補強するためのそれぞれの端部補強領域60A、60Bを有する。この場合、断面は
図4Cに示すものとなるが、構成は長手方向Lに沿って若干湾曲し、側方部品3の卵形輪郭に一致する。
図6A/6Cから分かるように、変形に応じて本体20に悪影響を与えないように、狭面6A、6Bにおいて突出するそれぞれのプレートはその端部において切り込まれてもよい。
図4A~6Cに示すチェーンプレート42、52、62によって、板厚T2を同じとしたままで自己支持長の更なる増加が可能となる。それらは、角度位置決めに悪影響を与えないように、補強領域40、50、60とともに交互に相互に逆を向いて配置される。
【0095】
図7A~7Cは、
図2A~2Dによる金属製チェーンプレート2の更なる変形例、及び
図3A~3Dによる側方部品3に関する変形例を示す。相違点のみを以下に説明し、他の特徴は、
図2A~2D及び
図3A~3Dを参照して説明したものと同一である。
【0096】
図7A/7Cにおける金属のチェーンプレート72は、重なり領域2A、2Bの各々の全ての当接貫通孔21においてそれぞれの周囲に張り出す縁部領域71を有し、縁部領域71は金属整形、例えば、深絞り又はフランジングによって生産される。それらの縁部領域71は、
図2A~2Dとの比較で増加して整形によって生産される当接面を有する当接部として作用可能な端部領域71A、71Bを含む。したがって、面圧は、プラスチックの側方部品73に対する当接突起31の当接面31A、31Bにおいてそれぞれより良好に分散され得る。整形動作はまた、貫通孔21における鋭い縁部を本来的に回避する。さらに、周囲に張り出す縁部領域71は、チェーンプレート72のための補強部として作用する。
【0097】
図7Cが示すように、構造的に同一のチェーンプレート72は、
図7Cに示すような内向き及び外向きに方向付けられた突出縁部領域71により、側方部品73によって交互に回転された関係で結合される。対応する態様において、アーク状凹部79が、重なるチェーンプレート72の縁部領域71に対して側方部品73に設けられる。縁部領域71の張出部は、側方部品73の突起31よりも大幅に小さい。チェーンプレート72及び側方部品73の他の全ての特徴は、第1の実施形態に対応する。
【0098】
図11A~11Cは、ハイブリッドエネルギーガイドチェーン1での使用のための側方部品13の展開を示す。
図3A~3Dにおけるものに対応する側方部品13は、ここでも、2つの端部領域13A、13B及び材料増厚部7によって強化されるとともに各狭面9A、9B付近に横断バーのための固定ピン8を含む中央領域13Cを端部領域間に有する本体30を有する。端部領域13A、13Bには、旋回角を制限する目的のため、2枚の隣接チェーンプレート2の対応する貫通孔21への係合のための4個のそれぞれの当接突起131が設けられる。各当接突起131は、直線位置における横方向の安定性のための横断張出部35を有する。側方部品13はまた、射出成形によってプラスチックから一体に生産され、
図2A~2Dに示すように2枚の重なるチェーンプレート2を接続することを意図するものであり、そのために使用可能である。
【0099】
図3A~3Dとの比較において、
図11A~11Cにおける本質的な相違を以下に説明する。
図11A~11Cでは、同時にジョイント接続を与えるための各ピン状の第2の突起132は、チェーンプレート2への係止のための係止スナップコネクタ(
図12A~12B参照)、すなわち、ピン受容手段又はジョイント受容手段として作用する各第2の貫通孔22を有する。したがって、側方部品13は、特に相互に対するチェーンプレート2の全ての角度位置において、ジョイント接続における係止接続によって、プレートライン1A、1B又はチェーンリンク5A、5Bの横方向の安定性をさらに高める。その目的のため、突出する内向面において、ジョイント突起132は、
図11Cがより詳細に示すように、対応する係止縁部を有する少なくとも2つの直径方向に対向する係止ノーズ132A、132Bを有する。
図11A~11Cに示す例では、ジョイント突起132は、ジョイント突起132の円孤の形状の底部で一体に整形された四分円孤の形態で4個の係止ノーズ132A、132Bをそれぞれ形成し、それらは旋回軸Aの周囲に対称に分布される。それに対する代替として、例えば、2つの係止ノーズ又は係止フックのみを、例えば、高さ方向に(長手方向Lに垂直に)、旋回軸Aに対して直径方向に、相互に対向する関係とすることも可能であり、それにより、
図3A~3Dと同様に、ジョイント突起132の長手方向Lに方向付けられた領域が屈曲して堅固な構成のものとなり得る。
図11A~11Cに示す、同時に係止機能を有するジョイント突起132は、有利なことに、射出成形によって製造可能である。
【0100】
図12A~12Fは、2本の対向するプレートライン12A、12Bを有するエネルギーガイドチェーン12の展開を示す。プレートライン12A、12Bの各々は、
図2A~2Dに示すように一方の側で、及び
図11A~11Cに示すように側方部品13によって重なる交互のチェーンプレート2から構成される。この場合、追加の横方向安定化を与える2つのそれぞれの特殊な横断バー124が、側方部品13を有するチェーンリンク15B及び2枚のチェーンプレート2のみを有する(側方部品13を有さない)チェーンリンク15Aの双方に設けられる。
【0101】
図12A~12B及び
図12E~12Fから分かるように、この配置構成における横断バー124には、長手方向Lに突出して横断バー124の長手中央平面に対して対称な2つのそれぞれ対向配置された張出部、すなわち、ウイング124A、124Bが両端に設けられる。ウイング124A、124Bの平坦な外面は、横断バー124のそれぞれの端部と面一となっている。
図12A及び12Bから分かるように、それらの外面を有するウイング124A、124Bは、単純なチェーンリンク15Aにおいて、隣接ハイブリッドチェーンリンク15Bのそれぞれの2枚の隣接チェーンプレート2と内向きに重なるとともにそれを横方向内向きに支持し、すなわち、横方向の安定性を高めるそれぞれの支持面124Cを形成する。ハイブリッドチェーンリンク15Bでは、側方部品13の固定ピン8のための開口23周辺のチェーンプレート2の縁部領域24は、ウイング124A、124Bの支持面124Cに安定的に接して横方向の安定性を高める。ハイブリッドチェーンリンク15Bでは、横断バー124は、チェーンプレート2の対応する開口23を介してそれぞれ係合する側方部品13の固定ピン8に固定される。
【0102】
図12A~12Fにおけるエネルギーガイドチェーン12は、全ウェブ構成のものであり、すなわち、ハイブリッドチェーンリンク15Bにおいても、ハイブリッドではないチェーンリンク15Aにおいても、横断バー124を有するものである(
図12B参照)。この点について、
図12C~12Dは、射出成形品の形態の特殊コネクタ125を示し、それによって横断バー124が個々のチェーンプレート2に固定可能となる。別個の特殊コネクタ125は、その形状が、特にその断面が横断バー124の受容手段124Dに公知の態様で係止するための固定ピン8に構造的に同一である固定用端部125Aを有する(
図11A及び3B参照)。特殊コネクタ125は、対向関係において、各場合において開口23周囲の外側縁部においてチェーンプレート2の外部に接するために、ここでは概ね三角形の拡大断面の支持端部125Bを形成する。固定用端部125Aと支持端部125Bの間には移行部125Cがあり、その断面は、回転を防止する目的でチェーンプレート2の開口23のものと共役整合関係のものであり、それは横断バー124の端部に対する接触縁部を形成する。プレートの平面に垂直な移行部125Cの寸法T12は、この場合、ウイング124A、124Bの支持面124Cに対して隣接チェーンプレート2の内面の遊びなしの接触を与えるために、チェーンプレート2の板厚T2よりも若干小さければよい。特殊コネクタ125によって、チェーンプレート2における雄型コネクタ構成要素なしに、
図12A~12Fに示すような全ウェブエネルギーガイドチェーン12を実施することが可能となる。
【0103】
図11A~12Fに示すハイブリッドエネルギーガイドチェーン12の他の特徴及び特性は、
図1A~3Dにおけるハイブリッドエネルギーガイドチェーン1のものに対応する。
【0104】
上記実施形態の1つによるエネルギーガイドチェーン又はチェーンリンクは、有利なことに、以降に説明する分離ウェブによって補完され得る。
【0105】
第2の態様に関する具体的説明
図8aは、事実上公知の構造の2枚のチェーンプレート又は側方部品802を有するエネルギーガイドチェーンのチェーンリンク801を示す。側方部品802は、相互に接続され、2本の横断バー803によって相互に離間される。側方部品802及び横断バー803は、エネルギーガイドチェーンによってガイドされる供給ライン(不図示)を受容するためのチェーンリンク801における受容空間804を画定する。図示する例では、受容空間は、分離ウェブ805によって縦方向に2分割される。この場合、分離ウェブ805は、板状構成のものであり、横断バー803の各1つにその端面の各々において固定される。その目的のため、分離ウェブ805は、その端部に各固定用領域806を有する。固定用領域806は、ここでは同一である。
【0106】
本発明の第2の態様によると、分離ウェブ805は、2部品構造のものである。第2の態様に関して示す全ての実施形態では、分離ウェブ805、905、1005は、2つの同一の部品、すなわち、好ましくは射出成形品の形態でプラスチックから一体に生産される部品807、907、1007から構成される。2つの部品807、2つの部品907、2つの部品1007は、ここでは解放可能に相互接続される。
【0107】
部品807を
図8b及び8dに個々に示す。分離ウェブ805の2つの個々の部品807の各々は、
図8dにおける図示の平面に対応する主平面を有する板状構成のものである。分離ウェブ805の幅方向B及びそれに垂直な高さ方向Hは、実質的に主平面に配置される。幅方向Bは、分離ウェブ805の設置状態において、チェーンリンク801又はガイドされるラインの長手方向に対応する。高さ方向Hは、横断バー803及びチェーンリンク801の長手方向に垂直に一方の固定用領域806から他方に向かう方向に対応する。
【0108】
図8a~8dでは、固定用領域806は、開口816を有する周囲に張り出すフレーム814の形態である。開口816は、主平面に垂直なその開口816を介して導入可能な各横断バー803を受容するように作用する。
図10における実施形態はまた、そのようなフレーム1014を固定用領域1006として有する。フレーム814、1014は、横断バーの無用な離脱又は解放を特に確実に防止し得る。一方、フレーム814、1014は、必ずしも完全に周囲に張り出す構成のものである必要はないが、例えば、横断バー803の遠位の外向面を部分的に、好ましくは大部分において包み込むC字形状のクランプの形態であってもよい。
【0109】
図8a~8dにおける部品807の各々は、各端部固定用領域806及び舌状本体808を有する。2つの部品807の各々は、相互に接続可能であり、主平面に垂直な方向に相互から解放可能である。2つの部品807から分離ウェブ805を組み立てるために、部品807は、それらの本体808が主平面に重なるように相互に配置される。その領域における2つの本体808の共通壁厚は、好ましくは各固定用領域806の厚さに対応する。したがって、これは、分断する縁部なしに高さの急激な変化を有さない平坦な外向面を与える。各部品807は、厳密に1つの固定用領域806を有する。
【0110】
本体808は、主平面B-Hに垂直に突出する円筒形固定用ピン810、及び主平面B-Hに垂直に窪む円筒形固定用受容手段812を有する。固定用ピン810は、固定用領域806から離隔して本体808の端部領域に配置される。固定用受容手段812は、高さ方向Hに関して固定用領域806と固定用ピン810の間に配置される。固定用ピン810及び固定用受容手段812は、高さ方向Hに相互に離間される。ここに示す全ての実施形態において、固定用受容手段812、912、1012は、貫通孔の形態である。固定用ピン810及び固定用受容手段812は、部品807の対称軸Sを形成するライン上に幅方向Bに関して配置される。したがって、部品807は、幅方向Bに垂直な主平面において対称軸Sに関して鏡像対称構成のものである。分離ウェブ805を設けるのに2つの部品807が相互に接続される場合、固定用ピン810は、固定用受容手段812に受容され、一方の部品807の固定用ピン810に向かう他方の部品807の面と面一で終端する。
【0111】
固定用ピン810及び固定用受容手段812の外輪郭が、例えば、主平面において高さ方向Hに垂直に延在する、固定用ピン/固定用受容手段の対の対称軸Zに関して対称に相互に一致する構成及び配置のものである限り、非対称部品も基本的に本発明によるものである。固定用ピン810及び固定用受容手段812は、好ましくは、ただし必ずしもではなく、円筒形又は円筒構成のものである。固定用ピン810及び固定用受容手段812の各々は、主平面に垂直な方向に変化する主平面に平行な断面のものであり得る。固定用ピン810は、常に、積極的ロック及び/又は強制ロック接続のための固定用受容手段812に対して相補的構成のものである。
【0112】
図9cは、分離ウェブ905の部分断面図を示し、固定用ピン910が、係止用舌部918及び係止用凹部920の連携によって固定用受容手段912に係止される。係止接続を有する構造は、全ての実施形態に対して好適である。
図8bは、例えば、固定用ピン810において好ましくは連続的に周囲に張り出す係止用舌部818、及び固定用受容手段812において好ましくは円筒状の係止用凹部820を示す。
【0113】
図8a~8dに示す各部品807は、幅方向Bに突出する2つの張出部817を有する。各張出部817は、接続孔819を有する。接続孔819は、主平面に軸を有する。2つの部品807が接続されると、2つのそれぞれの接続孔819は相互に整列される。したがって、2つの部品807は、例えば、接続孔819に嵌合されて主平面に垂直に配置構成を固定するネジ、固定用ピンなどによって主平面に垂直な方向に張出部817によって相互に固定可能となる。張出部817は、好ましくは、高さ方向Hに関して一対の固定用ピン/固定用受容手段の対称軸Zの一方側に配置される。
図8a、8b及び8d並びに
図9a及び9bに示す実施形態では、張出部817、917は、軸Zと面一で終端する。
【0114】
部品807は、固定用ピン810と固定用受容手段812の間で対称軸S上に等距離となる追加の貫通開口821を選択的に有していてもよい。2つの部品807が接続されて分離ウェブ805を設ける場合、それらの貫通開口821も、
図8cから最も良くわかるように相互に配列される。それらは、例えば、張出しが望まれない場合に、追加の固定作用のために使用されてもよい。
【0115】
図9a、9b及び
図10は、分離ウェブの構造的に同一の部品907、1007の更なる実施形態を示す。
図8a~8dの部品807におけるこれらの変形例との関係での相違点のみを以下に説明し、全ての他の特徴は、
図8a~8dを参照して説明したものと同一であり、又はそれに対応する。
【0116】
図9a及び9bにおける部品907は、固定用領域の形状のみが部品807とは異なる。固定用領域906は、ここでは保持クランプ922の形態である。保持クランプ922は、横断バー(不図示)において凹部の形態で係止バーに係止的に係合するために作用する。その目的のため、相互に対向する係止フック924がある。部品907の幅方向において相互に対して延在する保持クランプ922の係止フック924は、横断バー803、903の係止バー826、926に係止可能であり、通常の係止接続よりも安定的かつ高い強度となる。
【0117】
図10における部品1007は、それが張出部817を有さないことにおいてのみ
図8a~8dの部品807と異なる。
図8a~10の2つの部品807、2つの部品907、2つの部品1007は、固定用ピン810、1010及び固定用受容手段812、1012における係止用舌部1018と係止用凹部1020との係止接続によってそれぞれ保持される。固定用ピン1010と固定用受容手段1012の間の貫通開口1021は、例えば、ボルトなどによって追加の固定作用のために使用され得る。
【0118】
提案される分離ウェブ805、905、1005は、2つの部品807、2つの部品907、2つの部品1007が長手方向及び高さ方向に垂直な方向に相互に分離された後に高さ方向Hにおいてのみ分離可能となるように、チェーンプレートへの横断バーの確実な固定を可能とする。
【符号の説明】
【0119】
図1A~
図3D:
1 エネルギーガイドチェーン
1A、1B プレートライン
2 チェーンプレート
2A、2B 重なり領域(チェーンプレート)
2C 中央領域(チェーンプレート)
3 側方部品
3A、3B 端部領域(側方部品)
3C 中央領域(側方部品)
4 横断バー
5A、5B チェーンリンク
6A、6B 狭面(チェーンプレート)
7 材料増厚部
8 固定ピン
9A、9B 狭面(側方部品)
20 本体(チェーンプレート)
21 第1の貫通孔(当接孔)
21A、21B 端部領域(当接部)
22 第2の貫通孔(ピン受容手段)
23 開口
24 縁部
30 本体(側方部品)
31 第1の突起(当接突起)
31A、31B 当接面
32 第2の突起(ピン突起)
35 横断張出部
36 工具開口
A 旋回軸
L 長手方向
S 対称軸
T2 板厚
図4A~
図6C:
6A、6B 狭面(チェーンプレート)
20 本体(チェーンプレート)
42、52、62 チェーンプレート
40A、40B、50、60A、60B 補強領域
図7A~
図7C:
21 当接孔
71 縁部領域
71A、71B 端部領域(当接部)
72 チェーンプレート
73 側方部品
79 凹部
図8a~
図10:
801 チェーンリンク
802 側方部品
803、903 横断バー
804 チェーンリンクの受容空間
805、905 分離ウェブ
806、906、1006 固定用領域
807、907、1007 分離ウェブの組立てのための部品
808、908、1008 部品の本体
810、910、1010 固定用ピン
812、912、1012 固定用受容手段
814、1014 フレーム
816、1016 開口
817、917 張出部
818、918、1018 係止用舌部
819、919 接続孔
820、920、1020 係止用凹部
821、921、1021 貫通開口
922 保持クランプ
924 係止フック
826、926 横断バーの係止バー
B 幅方向
H 高さ方向
S、Z 対称軸
図11A~
図12F:
2 チェーンプレート
5A、5B チェーンリンク
7 材料増厚部
8 固定ピン
9A、9B 狭面(側方部品)
12 エネルギーガイドチェーン
12A、12B プレートライン
13 側方部品
13A、13B 端部領域(側方部品)
13C 中央領域(側方部品)
15A、15B チェーンリンク
21 第1の貫通孔(当接孔)
22 第2の貫通孔(ピン受容手段)
23 開口
24 縁部
30 本体(側方部品)
35 横断張出部
124 横断バー
124A、124B ウイング
124C 支持面
125 (横断バーのための)特殊コネクタ
125A 固定用端部
125B 支持端部
125C 移行部
131 第1の突起(当接突起)
131A、131B 当接面
132 第2の突起(ピン突起)
A 旋回軸
T12 寸法
【手続補正書】
【提出日】2021-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に対向配置されたチェーンプレートを有するチェーンリンク(5A、5B)を含む、ケーブル、ホースなどのラインのためのエネルギーガイドチェーン(1)であって、前記エネルギーガイドチェーンは2本の平行なプレートライン(1A、1B)を有し、各プレートラインは、長手方向に相互に対して旋回可能に相互接続されて各々が第1及び第2の重なり領域(2A、2B)を有するチェーンプレート(2)と、2つの端部領域(3A、3B)をそれぞれ有するプラスチックの側方部品(3)とを含み、前記チェーンプレート(2)は前記側方部品(3)とは異なる材料、特に、より高い強度及び/又は硬度の材料から構成され、
各プレートライン(1A、1B)の少なくとも一部分において、連続するチェーンプレート(2)が前記第1の重なり領域(2A)の貫通孔(21、22)及び前記第2の重なり領域(2B)の貫通孔(21、22)を有し、2枚の連続するチェーンプレート(2)の貫通孔(21、22)はそれぞれ少なくとも部分的に重なり、
各第2のチェーンプレート(2)に関連する前記部分に、その2つの端部領域(3A、3B)に1以上の突起(31、32)をそれぞれ有する側方部品(3)があり、前記1以上の突起によって前記側方部品はそれに関連する前記チェーンプレートの両重なり領域を介して係合し、連続するチェーンプレートの相対旋回角を制限し及び/又は連続するチェーンプレートを接続するために、
各端部領域の1以上の突起(31、32)を有する前記側方部品は関連する前記チェーンプレート(2)及びそれぞれ隣接する前記チェーンプレート(2)の貫通孔(21、22)を重ね合わせることによって係合す
ることを特徴とするエネルギーガイドチェーン。
【請求項2】
前記側方部品は、該側方部品に関連する前記チェーンプレートを、その第1の重なり領域において前記プレートライン内の第1の隣接チェーンプレートに、その第2の重なり領域において前記プレートライン内の第2の隣接チェーンプレートに接続させ、前記チェーンプレート(2)及び/又は前記側方部品(3)は、
好ましくは少なくとも両プレートラインの長手部分において同一構造のものであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項3】
両重なり領域(2A、2B)における前記チェーンプレート(2)は、旋回軸周囲に分布された少なくとも2個、特に4個の第1の貫通孔(21)をそれぞれ有し、好ましくは、その端部領域(21A、21B)はそれを介して係合する対応の第1の突起(31)の当接面(31A、31B)にそれぞれ当接して前記旋回角を制限するアーク状の第1の貫通孔(21)を有することを特徴とする請求項2に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項4】
両重なり領域(2A、2B)における前記チェーンプレート(2)は、前記旋回軸(A)にそれぞれ同心状の円形貫通孔(22)を有し、当該円形貫通孔に、連続するチェーンプレート(2)の回転ジョイント接続を生成する目的で前記側方部品(3)の突起(32)が同軸に係合し、前記チェーンプレート(2)は、好ましくは、前記旋回角を制限するために前記側方部品の対応する突起(31)の当接面(31A、31B)と連携する少なくとも1つの更なる貫通孔(21)を両重なり領域(2A、2B)にそれぞれ有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項5】
前記側方部品(3)は一体に生産され、各側方部品(3)は一方の側に配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項6】
前記チェーンプレート(2)は、特に一定の板厚(T2)の、金属板又は繊維複合材料から生産されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項7】
内側及び外側チェーンプレート(2)が、横方向にずれた関係において交互に連続し、当該プレートは、それぞれ一方の側(2A、2B)のみに重なり、及び/又は当該側方部品(3)はそれぞれ前記関連するチェーンプレート(2)に対して外部に横方向に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項、特に請求項6に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項8】
前記側方部品(3)は、対向配置された狭面(9A、9B)を有する中央領域(3C)を前記端部領域(3A、3B)間にそれぞれ含み、少なくとも1つの突出する固定ピン(8)、特に、横断バー(4)のために前記狭面において配置された2つの固定ピン(8)を前記中央領域(3C)にそれぞれ有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項9】
2つのそれぞれの側方部品(3)が2つの横断バー(4)によって接続され、各固定ピン(8)はそれぞれ前記関連するチェーンプレート(2)の対応する開口(23)を介して突出し、前記横断バー(4)は、好ましくは前記開口(23)の縁部(24)に端部で接して前記関連するチェーンプレート(2)を横方向に保持することを特徴とする請求項8に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項10】
全てのチェーンプレート(2)及び側方部品(3)は、実質的に合同な外輪郭のものであり、及び/又は屈曲構成若しくはオフセットのない平坦な構成要素の形態であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項11】
前記チェーンプレート(2)の各々は、2つの対向配置された狭面(6A、6B)及び前記2つの狭面の少なくとも一方の狭面、好ましくは各々の狭面において、横断配置された補強領域(40A、40B、50、60A、60B)が設けられたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項、特に請求項6及び/又は請求項10に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項12】
前記突起(31、32)は、前記重なり領域(2A、2B)におけるチェーンプレート(2)の板厚(T2)の少なくとも2倍、好ましくは前記板厚の3倍未満の寸法で前記側方部品(3)から突出することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項13】
その背部でチェーンプレート(2)が係合する少なくとも1つのそれぞれの横断張出部(35)が、各端部領域(3A、3B)において前記旋回角を制限するための少なくとも1つの突起(31)における端部に設けられたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項、特に請求項12に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項14】
前記チェーンプレートの各重なり領域において前記旋回角を制限するための孔(71)の少なくとも1つが、当接作用可能な整形縁部若しくは端部領域(71A、71B)及び/又は回転ジョイント接続を構成するように作用する整形縁部領域を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項15】
第1のラン、第2のラン及びその間に方向転換領域を含み、前記第1のランは相対移動可能な接続位置の巻き込み部材に端部領域によって固定され、
連続するチェーンプレート(2)には前記第1及び第2の重なり領域(2A、2B)において貫通孔(21、22)が設けられ、側方部品(3)が、各第2のチェーンプレートに関連付けられて前記巻き込み部材における前記端部領域から前記エネルギーガイドチェーンの全長の少なくとも3分の1にわたって延在することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項16】
それらの端部領域間の両プレートライン(1A、1B)は、全体を通じて構造上同一のチェーンプレート(2)及び側方部品(3)を備えることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
【請求項17】
それぞれのチェーンプレートの第1の重なり領域(2A)の貫通孔(21、22)及び第2の重なり領域(2B)の貫通孔(21、22)を有する金属の2枚の対向配置されたチェーンプレート(2)を含むエネルギーガイドチェーン(1)のためのチェーンリンク(5A)であって、
各々が少なくとも1つの突起(31、32)を有する2つの端部領域(3A、3B)を有するプラスチックのそれぞれの側方部品(3)が
2枚の対向配置されたチェーンプレート(2)
の各々に関して横方向に設けられ、特に、突起(31、32)の数が重なり領域(2A、2B)の貫通孔(21、22)の数に対応し、前記
少なくとも1つの突起(31、32)は関連する前記チェーンプレート(2)の貫通孔(21、22)を介して係合
し、前記側方部品は、その突起によって、それと関連する前記チェーンプレートの両重なり領域を介して係合することを特徴とするチェーンリンク。
【請求項18】
特に請求項1から16のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーンのための分離ウェブであって、両端において、前記分離ウェブ(805)はチェーンリンク(801)の横断バー(803)に固定するための各固定用領域(806)を有して主平面に延在する板状構成のものであり、
前記分離ウェブ(805)は、前記主平面に垂直に突出する少なくとも1つの固定用ピン(810)を含む第1の部品(807)及び前記主平面に垂直に窪む少なくとも1つの固定用受容手段(812)を含む第2の部品を、2つの前記部品(807)が前記主平面に垂直な方向に接続及び解放可能となるように、有する2部品構成のものであることを特徴とする分離ウェブ。
【請求項19】
両部品(807)は、各々が固定用領域(806)並びに固定用ピン(810)及び固定用受容手段(812)を有する本体(808)を有する同一部品の形態及び/又は一体のものであり、前記固定用ピンは、好ましくは前記固定用領域から離隔した前記本体の端部領域に配置されることを特徴とする請求項18に記載の分離ウェブ。
【請求項20】
前記2つの部品(807)の各々は、厳密に1つの固定用領域(806)を有することを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の分離ウェブ。
【請求項21】
各固定用領域(806)は、前記横断バーが前記主平面(B-H)に垂直に導入可能な開口(816)を有する少なくとも大部分においてかつ好ましくは完全に周囲に張り出すフレーム(814)を有することを特徴とする請求項18から20のいずれか一項に記載の分離ウェブ。
【請求項22】
前記固定用領域(806)の反対側の端部領域における各部品(807)は、少なくとも1つの張出部(817)であって、該張出部(817)によって、特にネジ接続、固定用ピンなどによって、前記主平面に垂直な方向に相互に前記部品を固定するために、特に前記エネルギーガイドチェーンの長手方向に、前記主平面において突出する少なくとも1つの張出部(817)を有することを特徴とする請求項18から21のいずれか一項に記載の分離ウェブ。
【請求項23】
前記固定用ピン(810)は、特に係止用舌部(818、1018)及び係止用凹部(820、1020)の連携によって、前記固定用受容手段(812)に係止可能であることを特徴とする請求項18から22のいずれか一項に記載の分離ウェブ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
特許文献3は、相互に旋回可能に接続された金属のチェーンプレートを有するエネルギーガイドチェーンを開示する。それぞれ2つのチェーンプレートは、プラスチック側方部品によってそれらの重なり領域において接続されている。重なり領域では、チェーンプレートは、それぞれ関連する側方部品の突起が係合して旋回軸及び許容可能旋回角を規定するそれぞれの貫通孔を有する。その場合の丸いプラスチック側方部品の直径は、接続された金属のチェーンプレートの重なり領域の表面積に対応する。したがって、特許文献1との関係ではチェーンは軽量化されるが、プラスチック側方部品によるチェーンプレートの機械的接続は弱点となる。横方向の離脱に対する安全策を提供するために、カラー付きの追加の金属ブッシュが提案され、材料及び組立てにおける追加コストをもたらす。チェーンプレートの孔及び丸い境界円盤上の突起を有する同様のエネルギーガイドチェーンが特許文献4に記載されているが、材料は特定されていない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
更なる解決策が、特許文献5又は特許文献6に開示されたハイブリッドエネルギーガイドチェーンを用いて以前に提案された。その配置構成は、少なくとも部分的にプレート状コアを囲むコア筐体付きのプレート状コアを有する特殊なチェーンプレートを用いる。コアは、コア筐体と比較して高い強度の材料からなる。例えば、金属プレート及びプラスチックプレートの利点は同じチェーンプレートにおいて組み合わせ可能であり、すなわち、ここではチェーンプレートの複板化は不要である。それ自体がハイブリッド設計のものであるチェーンプレートは、プラスチックの2つの相補型接続部品によってそれぞれ接続される。特許文献7も、高強度コアを有するチェーンプレートを提案した。これらの2つの構造は、自重に関して、最初に述べたものよりも顕著に良好である。しかし、そのようなハイブリッドチェーンプレートの製造コストは比較的高く、例えば、追加のコーティング処理が行われる必要がある。さらに、組立ての複雑さ及び経費は、通常の金属プレートと同様であり、すなわち、プラスチックのチェーンプレートで通常可能なものよりも高い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2017/136827号
【特許文献2】米国特許第9803721号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10012298号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3121912号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第19707966号明細書
【特許文献6】米国特許第6161372号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第10343263号明細書
【国際調査報告】