(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20220421BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20220421BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220421BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/60
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554591
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2020056234
(87)【国際公開番号】W WO2020182744
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サイエド, アシュレイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ティドナム, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC37
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイスが提供される。このデバイスは、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と、1つ又は複数のLEDの上方に配置され、当該エアロゾル供給デバイスの外側から視認可能な複数の開口部を規定する外側部材と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給デバイスであって、
1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と、
前記1つ又は複数のLEDの上方に配置され、前記エアロゾル供給デバイスの外側から視認可能な複数の開口部を規定する外側部材と、
を備えた、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記複数の開口部が、スロットである、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記複数の開口部が、およそ2mm未満の長さを有する、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記複数の開口部が、およそ0.5mm未満の幅を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記外側部材が、およそ2mm未満の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記外側部材が、およそ1.5mm~およそ5mmの距離だけ前記1つ又は複数のLEDの上方に配置された、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記複数の開口部が、前記外側部材の周辺に向かって配置された、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
細長な前記複数の開口部が、前記外側部材の周囲で等間隔である、請求項7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記複数の開口部が、36個の開口部を含む、請求項8に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記1つ又は複数のLEDと前記外側部材との間の接着剤をさらに備えた、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記1つ又は複数のLEDと前記接着剤との間に配置された光成形部材をさらに備えた、請求項10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記光成形部材が、前記LEDからの光の一部を遮断するように構成された不透明領域を含む、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
4つのLEDを備え、前記4つのLEDがそれぞれ、前記光成形部材の下方に配置されるとともに、前記LEDからの前記光が4つの四分円に分離されるように、隣り合う不透明領域間に配置された、請求項12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記光成形部材が、ポリカーボネートを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記光成形部材と前記複数のLEDとの間に配置された封止部材をさらに備えた、請求項11~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含む物品と、
を備えたエアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガー等の喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。燃焼なしに化合物を放出する製品の創出によって、これらタバコを燃焼させる物品の代替物を提供しようとする試みがなされている。このような製品の例は、材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品が考えられ、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスであって、
1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と、
1つ又は複数のLEDの上方に配置され、当該エアロゾル供給デバイスの外側から視認可能な複数の開口部を規定する外側部材と、
を備えた、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
本発明のさらなる特徴及び利点については、本発明の好適な実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろうが、これは、添付の図面を参照しつつ、一例として示しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の正面図である。
【
図2】外カバーを取り外した
図1のエアロゾル供給デバイスの正面図である。
【
図3】
図1のエアロゾル供給デバイスの断面図である。
【
図4】
図2のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
【
図5A】エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの断面図である。
【
図9】デバイス内に配置されたLEDの斜視図である。
【
図10】複数の開口部を備えた外側部材を示した図である。
【
図11】LEDの上方に配置されたデバイスの構成要素を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において、用語「エアロゾル生成材料(aerosol generating material)」は、通常はエアロゾルの形態で、加熱する際に揮発成分を与える材料を含む。エアロゾル生成材料には、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、エアロゾル生成材料としては、他の非タバコ製品も挙げられ、製品によっては、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス等の形態であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、例えば材料の組み合わせ又は混合であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られる場合もある。
【0007】
エアロゾル生成材料を加熱して当該エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることにより、通常はエアロゾル生成材料の燃焼(burning又はcombusting)なく吸引可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」又は同様のものとして記載される場合がある。同様に、通常は液体の形態のエアロゾル生成材料(ニコチンを含む場合もあれば、含まない場合もある)を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスが存在する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入可能なロッド、カートリッジ、又はカセット等の一部の形態であってもよいし、一部として提供されるようになっていてもよい。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させる加熱器は、装置の「永久」部品として設けられていてもよい。
【0008】
エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品を受け入れて加熱することができる。これに関連して、「物品」は、使用する際にエアロゾル生成材料を具備又は含有し、加熱されてエアロゾル生成材料及び任意選択として使用中の他の構成要素を揮発させる構成要素である。ユーザが物品をエアロゾル供給デバイスに挿入した後、当該エアロゾル供給デバイスが加熱されて、ユーザが後で吸引するエアロゾルが生成されるようになっていてもよい。物品は、例えば当該物品を受け入れるようにサイズ規定されたデバイスの加熱チャンバ内に配置されるように構成された所定又は特定サイズであってもよい。
【0009】
本開示の第1の態様は、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と、1つ又は複数のLEDの上方に配置された外側部材とを備えたエアロゾル供給デバイスを規定する。外側部材は、エアロゾル供給デバイスの外側から視認可能な複数の開口部を備える。(例えば、可視光の形態の)電磁放射が複数の開口部を通過して、これをユーザが視認可能である。外側部材の少なくとも一部がデバイスの外面を構成していてもよい。
【0010】
複数の開口部によれば、LEDからの光を広範な角度から視認可能であることが見出されている。一例において、複数の開口部は、スロットである。スロットは、長さが幅よりも大きい開口/開口部である。スロットとしては、例えば長くて狭隘な開口部又はスリットが可能である。スロットは、円形又は正方形の開口部と比較した場合に、開口部の面積を必ずしも増大することなく、LEDの視角が大きくなる。複数の開口部は、細長であってもよい。複数の開口部は、矩形状(角丸矩形等)であってもよいし、楕円形状であってもよいし、波形状であってもよいし、蛇行形状であってもよい。
【0011】
外側部材は、ディスクであってもよい。例えば、外側部材は、円形状であってもよいし、正方形状であってもよいし、矩形状であってもよい。外側部材は、実質的に平坦であってもよいし(これにより、平面を規定していてもよいし)、湾曲面を規定していてもよい。
【0012】
一例において、外側部材は、アルミニウムを含む。アルミニウムは軽量で、複数の開口部を含むように容易に機械加工可能である。
【0013】
いくつかの例において、エアロゾル供給デバイスは、外側カバー/ケーシング等のハウジングを備える。ハウジングは、開口を定めていてもよく、このデバイスは、開口内に配置されたユーザ入力デバイスを備えていてもよい。ユーザ入力デバイスは、デバイスを制御するためのユーザ入力を受け付けるように構成されていてもよい。外側部材は、1つ又は複数のLEDからの光が複数の開口部及び開口を通過し得るように、開口内に配置されていてもよい。ユーザは、ユーザ入力デバイスとの相互作用によって、デバイスのオン及びオフ、デバイスの設定、及び/又は特定の加熱モードの選択を行うようにしてもよい。
【0014】
LEDは、量子ドットLEDであってもよい。いくつかの例において、1つ又は複数のLEDは、他の可視発光デバイスと置き換え可能である。より一般的に、LEDは、1つ又は複数の光源、可視光源、半導体光源、又は可視光アセンブリにより置き換えられるようになっていてもよい。
【0015】
外側部材は、デバイスの外面からLEDに向かう方向に測定した深さ/厚さを有していてもよい。この厚さは、例えばデバイスの長手方向軸に垂直な方向に測定されるようになっていてもよい。一例において、外側部材は、およそ1mm未満又はおよそ0.5mm未満等、およそ2mm未満の厚さを有する。外側部材は、およそ0.22mm~およそ0.3mm等、およそ0.2mm超且つおよそ0.5mm未満の厚さを有するのが好ましい。この範囲内の厚さであれば、(外側部材を薄くすることによる)LEDの視角の増大と(外側部材を厚くすることによる)外側部材の堅牢性の確保との均衡がもたらされる。
【0016】
外側部材は、厚さが0.3mm前後(±0.03mm)であれば、(例えば、化学エッチングによって)製造が容易になることが見出されている。特定の例において、厚さが0.3mmを超える場合は、複数の開口部の化学エッチングが困難となり得る。
【0017】
いくつかの例において、外側部材及び複数の開口部は、化学エッチングにより構成される。
【0018】
外側部材の厚さは、およそ0.22mm超であるのが好ましい。これより厚くなると、外側部材が押圧された際の変形が阻止又は抑制されることが見出されている。
【0019】
外側部材の厚さは、およそ0.22mm~およそ0.3mmであるのが好ましい。これによれば、上記留意事項の間の良好な均衡がもたらされる。
【0020】
外側部材の厚さは、平均厚さであってもよい。複数の開口部は、外側部材の厚さに等しい深さを有する。したがって、外側部材に垂直な光線は、外側部材の厚さに等しい距離だけ開口部を進行する。
【0021】
複数の開口部は、およそ2mm未満の長さを有していてもよい。開口部の長さは、外側部材の外面に沿う方向に測定される。したがって、この長さは、外側部材の厚さ寸法に垂直な方向に測定される。前述の通り、複数の開口部は、幅寸法よりも長さ寸法が大きなスロットであってもよい。複数の開口部は、およそ0.9mm~およそ1mm等、およそ1mm未満の長さを有するのが好ましい。これらの長さによれば、外側部材の構造的完全性の妥協なく、広い視角がもたらされる。
【0022】
複数の開口部は、およそ0.5mm未満の幅を有していてもよい。開口部の幅は、エアロゾルデバイスの外面に沿う(又は、外側部材の外面に沿う)方向に測定される。したがって、この幅は、外側部材の厚さ寸法に垂直な方向に測定される。前述の通り、複数の開口部は、幅寸法よりも長さ寸法が大きなスロットであってもよい。したがって、幅方向は、長さ寸法に垂直な方向に測定されるようになっていてもよい。複数の開口部は、およそ0.3mm等、およそ0.5mm未満の幅を有するのが好ましい。上記寸法の開口部であれば、開口部に塵埃及び液体が溜まらないように開口部の面積サイズを比較的小さく抑えつつ、広い視角が可能となる。
【0023】
いくつかの例において、開口部の幅は、外側部材の厚さ以上である。これにより、開口部の側壁が比較的滑らかに保たれることが見出されている。また、いくつかの例において、外側部材は、塗料コーティング(ソフトタッチペイント等)を含む。開口部の幅がおよそ0.3mmを超える場合は、塗料が開口部に詰まる可能性が低いことが見出されている。詰まりを抑えることによって、強度がより一定で明るい光が開口部を通じて提供される。
【0024】
外側部材は、およそ1.5mm~およそ5mm又はおよそ2mm~およそ3mm、例えば、およそ2mm~およそ2.5mm等の距離だけLEDの上方に配置されていてもよい。すなわち、外側部材の外面は、この距離だけLEDの外面から離れて配置されていてもよい。LEDの外面は、外側部材に最も近い表面である。これらの距離によれば、(LEDが外側部材に近く配置されることによる)光の視角の増大と(LEDが外側部材から離れて配置されることによる)LEDからの光の各開口部を通じた拡散を確実にすることとの良好な均衡がもたらされる。
【0025】
いくつかの例においては、複数の開口部がスロットであり、スロットの最長寸法と外側部材の半径との間におよそ45°未満の角度が形成される。これらの半径及び最長寸法は、スロットの一端で一致する。スロットの最長寸法は、その長さ寸法である。角度は、およそ30°未満であるのが好ましい。スロットは、最長寸法が外側部材の中心から大略外方に延びてLEDの視角を増大させるように配置されている。外側部材は、例えば円形であってもよい。特定の一例においては、スロットが半径方向に位置合わせされるように、言い換えると、外側部材の半径に平行となるように、角度がおよそ0°である。したがって、スロットはそれぞれ、外側部材の共通する中心から放射状に広がっていてもよい。
【0026】
複数の開口部は、外側部材の周辺に向かって配置されていてもよい。言い換えると、開口部は、外側部材の中心よりも外側部材の外縁に近く配置されていてもよい。これにより、ユーザが外側部材を押圧している場合又は外側部材に触れている場合に、LEDからの光を視認可能となり得る。例えば、ユーザは、ユーザ入力デバイスと相互作用していてもよい。ユーザ入力デバイスは、外側部材の中心の下方に配置されていてもよいし、外側部材の中心側に配置されていてもよい。
【0027】
複数の開口部は、外側部材の外周で等間隔であってもよい。複数の開口部は、36個の開口部を含んでいてもよい。開口部は、およそ10°だけ離隔していてもよい。
【0028】
このデバイスは、1つ又は複数のLEDと外側部材との間に接着剤をさらに備えていてもよい。接着剤は、例えば接着層であってもよい。接着層は、外側部材をデバイスに付着させるとともに、LEDから放出された光を拡散/軽減するように作用し得る。これによって、開口部を通る光がより一様に拡散するため、特定の開口部が他の開口部よりも明るく見えることがなくなり得る。したがって、接着剤は、半透明であってもよい。
【0029】
一例において、接着剤は、接着剤の2つ以上の層を含む接着アセンブリである。一例において、接着アセンブリは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック材料の1つ又は複数の層をさらに備える。特定の一例において、接着アセンブリは、2つの接着層間に配置されたプラスチック材料の層を備える。接着剤は、プラスチック材料に付着する。上記の代替又は追加として、このプラスチック材料の層が光を拡散/軽減し得る。
【0030】
特定の一例において、プラスチック層は、およそ0.03mm厚等、およそ0.05mm厚未満であり、2つの接着層はそれぞれ、およそ0.04mm厚未満等、およそ0.05mm厚未満である。特定の一例において、接着層は、およそ0.105mm厚等、およそ0.1mm厚である。
【0031】
接着層は、プラスチック層の各面に設けられていてもよく、各接着層は、異なる結合特性を有していてもよい。例えば、一方面の接着層は、他方面よりも強い結合を有していてもよいし、異なる材料と結合するように最適化されていてもよい。接着アセンブリは、PET層の一方面にシリコン接着剤の層を備え、PET層の他方面にアクリル接着剤の層を備えるのが好ましい。このような接着アセンブリは、Tesa SEからテサ(Tesa)(登録商標)61532として市販されている。これは、外側部材が緩まないようにする十分な強度を与えることが見出されている。
【0032】
このデバイスは、1つ又は複数のLEDと接着剤(又は、接着アセンブリ)との間に配置された光成形部材をさらに備えていてもよい。光成形部材は、それを通して光をガイドして特定のパターン又はデザインを生成する1つ又は複数の光導体を備えていてもよい。光成形部材は、LEDからの光の一部を遮断するように構成された不透明領域を含んでいてもよい。光成形部材は、光が通過し得る透明又は半透明領域を含んでいてもよい。或いは、光成形部材は、光が通過し得る開口を含んでいてもよい。不透明領域並びに透明若しくは半透明領域を含む光成形部材は、開口を有する光成形部材よりも堅牢となり得る。また、半透明領域は、さらに光の拡散/低減が可能である。
【0033】
いくつかの例において、光成形部材は、2つ以上の外側被覆構成要素により形成されている。例えば、不透明及び透明/半透明領域が2つの外側被覆構成要素により形成されていてもよい。
【0034】
一例において、光成形部材は、その周辺/周囲/外周に延びた不透明領域を含む。これにより、外側部材の外側周辺に光が漏れることを防止可能である。不透明領域は、外側リングであってもよい。
【0035】
一例において、不透明領域は、黒色又は濃い灰色に色付けされている。
【0036】
一例において、不透明領域は、十字形状である。
【0037】
特定の一例においては、このデバイスが4つのLEDを備え、これら4つのLEDがそれぞれ、光成形部材の下方に配置されるとともに、LEDからの光が4つの四分円に分離されるように、隣り合う不透明領域間に配置されている。不透明領域は、ある四分円から隣り合う四分円への光の漏出を防止するように構成されている。
【0038】
光成形部材は、プラスチック材料、例えば、ポリカーボネートを含んでいてもよい。ポリカーボネートは強度が高く、光学的透明/半透明にすることができる。一例において、ポリカーボネートは、レキサン(Lexan)(商標)である。
【0039】
このデバイスは、光成形部材と複数のLEDとの間に配置された封止部材を備えていてもよい。封止部材は、例えばガスケットであってもよい。封止部材は、液体及び/又は塵埃のデバイスへの侵入に対する保護となり得る。
【0040】
別の態様において、エアロゾル供給デバイスのユーザインターフェースは、
1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と、
1つ又は複数のLEDの上方に配置され、当該エアロゾル供給デバイスの外側から視認可能な複数の開口部を規定する外側部材と、
を備える。
【0041】
このユーザインターフェースは、エアロゾル供給デバイスに関して上述した構成要素のうち、いずれか又はすべてを備えていてもよい。
【0042】
このデバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られるタバコ加熱デバイスであるのが好ましい。
【0043】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略として、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換式物品110を加熱して、当該デバイス100のユーザが吸引するエアロゾル又はその他の吸引可能媒体を生成するのに用いられるようになっていてもよい。
【0044】
デバイス100は、当該デバイス100の様々な構成要素を囲んで収容する(外カバーの形態の)ハウジング102を備える。デバイス100は、物品110を挿通して加熱アセンブリにより加熱可能な開口104を一端に有する。使用する際に、物品110は、加熱アセンブリに全部又は一部が挿入され、加熱アセンブリの1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。
【0045】
本例のデバイス100は、物品110が所定の位置にない場合に、第1の端部材106に対する移動によって開口104を閉鎖し得る蓋108を備えた第1の端部材106を備える。
図1において、蓋108は、開放構成にて示しているが、キャップ108は、閉鎖構成へと移動することも可能である。例えば、ユーザが蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせるようにしてもよい。
【0046】
また、デバイス100は、押された場合にデバイス100を動作させるユーザ操作可能な制御要素112を具備していてもよく、ユーザ操作可能な制御要素112はボタン又はスイッチを含み得る。例えば、ユーザは、制御要素112の操作によって、デバイス100をオンするようにしてもよい。
【0047】
また、デバイス100は、ソケット/ポート114等、ケーブルを受け入れて当該デバイス100のバッテリを充電可能な電気的コネクタ/構成要素を備えていてもよい。例えば、ソケット114は、USB充電ポート等の充電ポートであってもよい。いくつかの例において、ソケット114は、上記の追加又は代替として、デバイス100とコンピュータデバイス等の別のデバイスとの間のデータの転送に用いられるようになっていてもよい。
【0048】
図2は、外カバー102を外すとともに物品110が存在しない状態の
図1のデバイス100を示している。デバイス100は、長手方向軸134を規定する。
【0049】
図2に示すように、第1の端部材106は、デバイス100の一端に配置されており、デバイス100の反対端には第2の端部材116が配置されている。第1及び第2の端部材106、116は一体的に、デバイス100の端面を少なくとも部分的に規定する。例えば、第2の端部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に規定する。また、外カバー102の縁部が端面の一部を規定していてもよい。また、本例において、蓋108は、デバイス100の上面の一部を規定する。
【0050】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用する際にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端(又は、口端)として知られていると考えられる。使用する際、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス中で生成されたエアロゾルを利用する。これにより、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって、エアロゾルがデバイス100を流れる。
【0051】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用する際にユーザの口から最も遠くなる端部であるため、デバイス100の遠位端として知られていると考えられる。デバイス中で生成されたエアロゾルをユーザが利用する場合、エアロゾルは、デバイス100の遠位端から離れる方向に流れる。
【0052】
デバイス100は、電源118をさらに備える。電源118は、例えば充電式バッテリ又は非充電式バッテリ等のバッテリであってもよい。好適なバッテリの例としては、例えばリチウムバッテリ(リチウムイオンバッテリ等)、ニッケルバッテリ(ニッケルカドミウムバッテリ等)、及びアルカリバッテリが挙げられる。バッテリは、加熱アセンブリに対して電気的に結合され、必要に応じて電力を供給するとともに、制御装置(図示せず)の制御下でエアロゾル生成材料を加熱する。本例において、バッテリは、当該バッテリ118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続されている。中央支持部120は、バッテリ支持部又はバッテリ担体としても知られる場合がある。
【0053】
デバイスは、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備える。電子機器モジュール122は、例えばプリント配線板(PCB)を備えていてもよい。PCB122は、プロセッサ等の少なくとも1つの制御装置及びメモリを支持していてもよい。また、PCB122は、デバイス100の様々な電子的構成要素を電気的に一体接続する1つ又は複数の電気的トラックを備えていてもよい。例えば、電力をデバイス100全体に配分可能となるように、バッテリ端子がPCB122に対して電気的に接続されていてもよい。また、ソケット114は、電気的トラックを介して、バッテリに対して電気的に結合されていてもよい。
【0054】
例示的なデバイス100において、加熱アセンブリは、誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱する様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタ等)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素(例えば、1つ又は複数のインダクタコイル)と、交流等の変動電流を誘導要素に通過させるデバイスとを備えていてもよい。誘導要素中の変動電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入して、サセプタの内側に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有するため、この抵抗に対する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱により加熱される。また、サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料を含む場合は、サセプタ中の磁気ヒステリシス損すなわち変動磁場との位置合わせの結果としての磁性材料中の磁気双極子の変動配向によっても熱が生成されてもよい。誘導加熱においては、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内側で熱が生成されるため、急速加熱が可能となる。さらに、誘導加熱器とサセプタとの間の物理的な接触が一切不要なため、構成及び用途の自由度が増す。
【0055】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書においては、「サセプタ」と称する)、第1のインダクタコイル124、及び第2のインダクタコイル126を備える。第1及び第2のインダクタコイル124、126は、導電材料により構成されている。本例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、螺旋状に巻回されてヘリカルインダクタコイル124、126を提供するリッツ線/ケーブルにより構成されている。リッツ線は、個別に絶縁され、一体的な撚り合わせによって単一のワイヤを構成する複数の個々のワイヤを備える。リッツ線は、導電体の表皮効果損を抑えるように設計されている。例示的なデバイス100において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、断面が矩形の銅リッツ線により構成されている。他の例において、リッツ線は、円形等、他の形状の断面を有し得る。
【0056】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1の部分を加熱する第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2の部分を加熱する第2の変動磁場を生成するように構成されている。本例において、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向で第2のインダクタコイル126に隣り合っている(すなわち、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、重なり合わない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタを備えていてもよいし、2つ以上の別個のサセプタを備えていてもよい。第1及び第2のインダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続可能である。
【0057】
当然のことながら、いくつかの例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、互いに異なる少なくとも1つの特性を有していてもよい。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる少なくとも1つの特性を有していてもよい。より具体的に、一例において、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なるインダクタンスの値を有していてもよい。
図2において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124がサセプタ132に巻回される部分が第2のインダクタコイル126よりも小さくなるように、異なる長さを有する。このため、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる巻回数を有していてもよい(個々の巻回の間隔は実質的に同じと仮定する)。さらに別の例において、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる材料により構成されていてもよい。いくつかの例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、実質的に同一であってもよい。
【0058】
本例において、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、反対方向に巻回されている。これは、両インダクタコイルが異なるタイミングで作動する場合に有用となり得る。例えば、最初に第1のインダクタコイル124が物品110の第1の部分を加熱するように動作した後、第2のインダクタコイル126が物品110の第2の部分を加熱するように動作していてもよい。コイルを反対方向に巻回することは、特定種類の制御回路と併せて使用される場合に非作動のコイルに誘導される電流を抑えるのに役立つ。
図2においては、第1のインダクタコイル124が右手螺旋であり、第2のインダクタコイル126が左手螺旋である。ただし、別の実施形態においては、インダクタコイル124、126が同じ方向に巻回されていてもよいし、第1のインダクタコイル124が左手螺旋、第2のインダクタコイル126が右手螺旋であってもよい。
【0059】
本例のサセプタ132は中空であるため、エアロゾル生成材料が受け入れられるレセプタクルを規定する。例えば、物品110はサセプタ132に挿入可能である。本例において、サセプタ120は、断面が円形の管状である。
【0060】
図2のデバイス100は、大略管状で、少なくとも部分的にサセプタ132を囲み得る断熱部材128をさらに備える。断熱部材128は、例えばプラスチック等のいずれの断熱材料により構成されていてもよい。この特定の例において、断熱部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)により構成されている。断熱部材128は、サセプタ132において生成された熱からデバイス100の様々な構成要素を断熱するのに役立ち得る。
【0061】
また、断熱部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126の全部又は一部を支持可能である。例えば、
図2に示すように、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、断熱部材128の周りに配置され、断熱部材128の半径方向外方面と接触している。いくつかの例において、断熱部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126に接しない。例えば、断熱部材128の外側面と第1及び第2のインダクタコイル124、126の内側面との間には、小さな間隙が存在していてもよい。
【0062】
特定の一例においては、サセプタ132、断熱部材128、並びに第1及び第2のインダクタコイル124、126がサセプタ132の中心の長手方向軸の周りに同軸である。
【0063】
図3は、デバイス100の一部断面側面図である。本例においては、外カバー102が存在する。第1及び第2のインダクタコイル124、126の矩形断面形状がより明確に可視化されている。
【0064】
デバイス100は、サセプタ132の一端に係合してサセプタ132を所定の位置に保持する支持部136をさらに備える。支持部136は、第2の端部材116に接続されている。
【0065】
また、デバイスは、制御要素112内に関連付けられた第2のプリント配線板138を備えていてもよい。
【0066】
デバイス100は、デバイス100の遠位端側に配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備える。ばね142は、第2の蓋140の開放によって、サセプタ132へのアクセスを提供可能とする。ユーザは、第2の蓋140を開けることにより、サセプタ132及び/又は支持部136を清掃するようにしてもよい。
【0067】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から当該デバイスの開口140に向かって延びる拡張チャンバ144をさらに備える。拡張チャンバ144内には、デバイス100内に受け入れられた際に物品110に当接して保持する保持クリップ146の少なくとも一部が配置されている。拡張チャンバ144は、端部材106に接続されている。
【0068】
図4は、外カバー102を省略した
図1のデバイス100の分解図である。
【0069】
図5Aは、
図1のデバイス100の一部の断面を示している。
図5Bは、
図5Aの一領域を拡大して示している。
図5A及び
図5Bは、サセプタ132内に受け入れられた物品110を示しているが、この物品110は、その外側面がサセプタ132の内側面に当接するように寸法を定められている。これにより、加熱が最も効率的になる。本例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを含む。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に配置されている。また、物品110は、フィルター、包装材、及び/又は冷却構造等の他の構成要素を備えていてもよい。
【0070】
図5Bは、サセプタ132の長手方向軸158と垂直な方向に測定して、サセプタ132の外側面がインダクタコイル124、126の内側面から距離150だけ離隔することを示している。特定の一例において、距離150は、およそ3mm~4mm、およそ3mm~3.5mm、又はおよそ3.25mmである。
【0071】
図5Bは、サセプタ132の長手方向軸158と垂直な方向に測定して、断熱部材128の外側面がインダクタコイル124、126の内側面から距離152だけ離隔することを示している。特定の一例において、距離152は、およそ0.05mmである。別の例においては、インダクタコイル124、126が断熱部材128に当接して接触するように、距離152が実質的に0mmである。
【0072】
一例において、サセプタ132は、壁厚154がおよそ0.025mm~1mm又はおよそ0.05mmである。
【0073】
一例において、サセプタ132は、長さがおよそ40mm~60mm、およそ40mm~45mm、又はおよそ44.5mmである。
【0074】
一例において、断熱部材128は、壁厚156がおよそ0.25mm~2mm、およそ0.25mm~1mm、又はおよそ0.5mmである。
【0075】
図6は、デバイス100の正面図である。簡単に前述した通り、このデバイスは、制御要素を備えていてもよい。いくつかの例において、ユーザは、制御要素との相互作用により、デバイス100を動作させるようにしてもよい。他の例において、制御要素は、1つ又は複数のイベントの発生をユーザに示す手段として作用する。
【0076】
制御要素は、1つ若しくは複数の発光ダイオード(LED)並びに1つ若しくは複数のLEDの上方(すなわち、前方)に配置された外側部材202等、複数の構成要素を備えていてもよい。外側部材202は、制御要素の最も外側の構成要素である。ユーザは、外側部材202を押すことにより、デバイス100と相互作用するようにしてもよい。以下により詳しく説明する通り、外側部材202は、LEDからの光が通過する複数の開口部204を備える。本例においては、外側部材202が円形であるが、他の例においては、異なる形状であってもよい。
【0077】
図7は、デバイス100の(外カバーとしても知られる)ハウジング102を示している。ハウジング102は、開口206を定める。外側部材(
図7には示さず)は、開口206内に配置可能である。例えば、外側部材は、ハウジング102の外面と同一平面で配置されていてもよいし、ハウジング102の外面の上方又は下方に隆起していてもよい。
【0078】
図8は、ハウジング102が所定の位置にないデバイス100を示している。本例において、外側部材202は、接着層208を介して、光成形部材210に付着されている。接着層208の接着剤は、外側部材202の内面の一部又は全体を覆っていてもよい。光成形部材210の周りには、封止部材212が延びている。光成形部材210及び封止部材212については、以下により詳しく説明する。
【0079】
図9は、外側部材202、光成形部材210、及び封止部材212が取り外されたデバイス100を示している。デバイス100は、4つのLED214を備えるが、他の例においては、1つ又は複数のLED214等、LEDの数が異なっていてもよい。LED214は、光が当該LED214から、外側部材202に形成された複数の開口部204を通って進むように、外側部材202の下方に配置されている。したがって、光は、光成形部材210及び接着層208も通過する。また、LED214と外側部材202との間には、1つ又は複数の付加的な構成要素が配置されていてもよい。
【0080】
LED214は、可視光等の電磁放射を出力して、ユーザに表示を与えるように構成されている。特定の一例において、LED214は、デバイス100の使用の準備が整ったタイミングを示す光を放出する。また、LED214は、加熱アセンブリが加熱を終えようとしていること又は加熱を既に終えたことを示す光を放出するようにしてもよい。LED214は、調和的に動作するようになっていてもよいし、独立して動作するようになっていてもよい。各LED214からの光は、外側部材202に形成された開口部204の全部又は一部を通過するようになっていてもよい。
【0081】
図9の例において、LED214は、ユーザからの入力の受け付け/検出を行うように構成されたユーザ入力デバイス216の周りに配置されている。例えば、ユーザが外側部材202の押圧或いは外側部材202との相互作用を行うようにしてもよく、これがユーザ入力デバイス216により検出される。ユーザ入力デバイス216は、ユーザが外側部材202に力を印加した場合に動作するボタン又はスイッチであってもよい。別の例において、ユーザ入力デバイス216及び外側部材202は、ユーザが外側部材202に接触したタイミングを検出する容量センサの一部であってもよい。いくつかの例においては、LED214が特定のイベントをユーザに示すためだけに作用するように、ユーザ入力デバイス216が省略される。
【0082】
特定の一例において、外側部材202は、およそ2.3mmの距離だけ1つ又は複数のLED214の上方に配置されている。この距離は、外側部材202が規定する平面に垂直な方向に測定される。
【0083】
図10は、外側部材202の正面図である。前述の通り、外側部材202は、複数の開口部204を規定する。本例において、開口部204はそれぞれ、ある長さ216及びある幅214のスロットを構成する。各開口部204の長さ及び幅は、外側部材202の外面が規定する平面において測定される。また、開口部204は、ある深さを有し、この開口部の深さは、外側部材202の厚さ228に対応する(
図11に示す)。
図10において、外側部材202の厚さひいては各開口部204の深さは、外側部材202が規定する平面に垂直な方向に測定される。
図10において、外側部材202の厚さは、紙面に向かう方向に測定される。一例において、開口部204は、長さ216がおよそ1mm、幅がおよそ0.3mm、深さがおよそ0.3mmである。
【0084】
いくつかの例において、各開口部204の最長寸法216と外側部材202の半径226との間には、およそ45°未満の角度224が形成される。各開口部204の最長寸法216は、開口部204の長さ216に対応する。図示のように、半径226及び最長寸法216は、外側部材202の中心222に最も近く配置された開口部204の端部で一致する。本例において、角度224は、およそ20°である。したがって、開口部204は、最長寸法216が外側部材202の中心222から大略外方に延びてLED214の視角を増大させるように配置されている。
【0085】
開口部204は、外側部材202の周囲/周辺/外周側220側に配置されているのが好ましい。
図10に示すように、開口部204は、外側部材202の中心222よりも外側部材202の周辺220に近く配置されている。これにより、ユーザが外側部材202を押圧している場合であっても、開口部204が露出可能(ひいては、光を確認可能)となり得る。ユーザは、外側部材202の縁部よりも外側部材202の中心222を押圧/保持する可能性が高いことがある。
【0086】
図11は、デバイス100の構成要素の一部を示した分解図である。前述の通り、デバイス100は、LED214と外側部材202との間に配設された接着層208を備えていてもよい。図示の例において、接着層は、接着剤が開口部204を覆うように、外側部材202と同じ形状及びサイズである。したがって、光は、開口部204を通過する前に接着層208を通過せざるを得ない。したがって、接着層208としては、透明又は半透明が可能である。半透明の接着層208は、「ホットスポット」が回避されるように、LEDからの光を拡散させるのに役立ち得る。ホットスポットは、周囲の領域よりも光の強度が高い領域である。
【0087】
いくつかの例において、外側部材202は、接着層208を介して、光成形部材210に取り付けられている。図示の例において、光成形部材210は、(一体的に接合可能な)1つ若しくは複数の不透明領域230並びに(同じく一体的に接合可能な)1つ若しくは複数の半透明若しくは透明領域232を含む。半透明又は透明領域232は、光成形部材210を通る光をガイドすることから、光導体として知られている場合がある。LED214からの光は、半透明又は透明領域232を通過し得るものの、不透明領域230によって遮断される。したがって、不透明領域230は、一部の開口部204(すなわち、不透明領域230の上方に配置された開口部204)を通過する光の強度を低下させる。不透明領域230並びに半透明若しくは透明領域232は、単一の一体型構成要素の領域であってもよいが、その一方又は両方の領域がそれぞれ固有の光学的特性を有するように処理されていてもよい。別の例において、不透明領域230並びに半透明若しくは透明領域232は、外側被覆された別個の構成要素である。
【0088】
本例において、光成形部材210は、その周辺/周囲/外周に延びた不透明領域238を含む。これにより、外側部材202の外側周辺に光が漏れることを防止可能である。不透明領域は、例えば外側リングであってもよい。
【0089】
本例においては、デバイス100が4つのLED214を備え、これらのLED214がそれぞれ、LEDからの光が4つの四分円に分離されるように、隣り合う不透明領域230間に配置されている。言い換えると、LED214は、透明又は半透明領域の下方に配置されていてもよい。光を異なる領域へと分離することにより、異なる表示をユーザに与えることができる。例えば、点灯する四分円の数は、特定のイベントをユーザに明示し得る。
【0090】
いくつかの例において、不透明領域230間の領域は、開口であるため、半透明又は透明材料を含まない。
【0091】
光成形部材210とLED214との間には、ガスケット等の封止部材212が配置されている。封止部材212の外径は、外側部材202及び光成形部材210の外径よりも大きい。図示の例において、封止部材210は、光成形部材210の内面に形成された環状突起を受け入れ得る環状凹部234を備える。環状凹部234は、光成形部材210の固定に役立つ。いくつかの例においては、環状突起が省略される。また、この追加又は代替として、環状凹部234は、ハウジングの開口206を通って侵入する可能性がある液体又は塵埃を収集可能である。いくつかの例において、光成形部材210は、ドーム状プロファイル236を有することにより、液体及び塵埃を環状凹部234へとガイドするのに役立つ。
【0092】
いくつかの例において、封止部材210は、ハウジング102の内面に当接して、デバイス100への液体及び塵埃の侵入を阻止する。
【0093】
上記実施形態は、本発明の説明に役立つ実例として理解されるものとする。本発明の他の実施形態も考えられる。任意の一実施形態に関して記載の任意の特徴は、単独又は他の記載特徴との組み合わせで使用可能であり、また、実施形態のその他いずれか又はその任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴との組み合わせで使用可能であることが了解されるものとする。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に規定の上述していない同等物及び改良も採用可能である。
【国際調査報告】