(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20220421BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20220421BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220421BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/60
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554596
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2020056239
(87)【国際公開番号】W WO2020182748
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハリデー, エドワード ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】サイエド, アシュレイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC37
4B162AD16
4B162AD22
4B162AD32
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイスが提供される。このデバイスは、エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリと、複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースと、制御装置と、を備える。制御装置は、入力インターフェースの操作を検出することと、入力インターフェースの検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、を行うように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリと、
複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースと、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記入力インターフェースの操作を検出することと、
前記入力インターフェースの前記検出した操作に応じて、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、
を行うように構成される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記制御装置が、
前記入力インターフェースの前記操作に基づいて、選択された動作モードを決定することと、
前記選択された動作モードを決定することに応答して、前記選択された動作モードに従って前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、
を行うように構成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記複数の動作モードが、加熱モード及び設定モードを含み、
前記入力インターフェースの前記操作が前記加熱モードの選択を示すものと判定された場合、前記制御装置が、
前記操作に基づいて、選択された加熱モードを決定することと、
前記選択された加熱モードに従って前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、
を行うように構成され、
前記入力インターフェースの前記操作が前記設定モードの選択を示すものと判定された場合、前記制御装置が、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させることなく、前記設定モードで前記デバイスを動作させるように構成された、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記入力インターフェースが、前記複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付ける単一のボタンを備えた、請求項2又は3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記入力が、前記ボタンが解除された旨の指示及び前記ボタンが解除される前に押された時間の長さの指示を含み、前記制御装置が、前記ボタンが解除された旨の前記指示を含む前記入力に応答して、前記ボタンが解除される前に押された前記時間の長さに基づいて選択された動作モードを決定するように構成された、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記ボタンが押された前記時間の長さが第1の時間範囲内である場合に、前記選択された動作モードとして加熱モードが決定され、前記ボタンが押された前記時間の長さが第2の時間範囲内である場合に、設定モードが決定され、前記第2の時間範囲が、前記第1の時間範囲の終了時間後の開始時間を有する、請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記デバイスが、インジケータアセンブリを備え、前記制御装置が、前記ボタンが押された前記時間の長さに基づいて、前記インジケータアセンブリに表示を与えさせるように構成された、請求項5又は6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記複数の動作モードが、加熱モード及び設定モードを含み、前記制御装置が、
前記入力インターフェースの前記操作に基づいて、動作モードの選択を検出することと、
前記動作モードの選択の検出前に、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、
を行うように構成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記選択された動作モードが、設定モードであり、前記制御装置が、前記選択された動作モードが前記設定モードであることを検出した後、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を停止させるように構成された、請求項8に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記入力インターフェースが、前記複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付ける単一のボタンを備えた、請求項8又は9に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記入力が、前記ボタンが解除された旨の指示及び前記ボタンが解除される前に押された時間の長さの指示を含み、前記制御装置が、前記ボタンが解除された旨の前記指示を含む前記入力に応答して、前記ボタンが解除される前に押された前記時間の長さに基づいて選択された動作モードを決定するように構成された、請求項10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記ボタンが押された前記時間の長さが第1の時間範囲内である場合に、前記選択された動作モードとして加熱モードが決定され、前記ボタンが押された前記時間の長さが第2の時間範囲内である場合に、設定モードが決定され、前記第2の時間範囲が、前記第1の時間範囲の終了時間後の開始時間を有する、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、インジケータアセンブリを備え、前記制御装置が、前記ボタンが押された前記時間の長さに基づいて、表示を与えるように構成された、請求項11又は12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記制御装置が、前記ボタンが解除されることなく初期時間にわたって押されている間に、前記加熱アセンブリに第1のレートで加熱を行わせるとともに、前記初期時間後に前記ボタンが押され続けている間に、前記加熱アセンブリに第2のレートで加熱を行わせるように構成され、前記第1のレートが、前記第2のレートよりも遅い、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記制御装置が、前記動作モードの選択の検出前で、前記入力インターフェースの初期操作の検出から予め定められた時間が経過した後に、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させるように構成された、請求項8~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
エアロゾル供給デバイスを動作させる方法であって、
複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースの操作を検出するステップと、
前記入力インターフェースの前記検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記入力インターフェースの前記操作に基づいて、動作モードの選択を検出するステップと、
前記動作モードの前記選択の検出に応答して、前記選択された動作モードに従って前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の動作モードが、加熱モード及び設定モードを含み、
前記入力インターフェースの前記操作が前記加熱モードの選択を示すものと判定された場合、前記選択された加熱モードに従って前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
前記入力インターフェースの前記操作が前記設定モードの選択を示すものと判定された場合、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させることなく、前記設定モードで前記デバイスを動作させるステップと、
をさらに含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記入力インターフェースが、前記複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付ける単一のボタンを備えており、
前記ボタンが解除されたことを検出するステップと、
前記ボタンが解除される前に押された時間の長さを検出するステップと、
前記ボタンが解除される前に押された前記時間の長さに基づいて、選択された動作モードを決定するステップと、
をさらに含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記ボタンが押された前記時間の長さに基づいて、前記デバイスのインジケータアセンブリに表示を与えさせるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の動作モードが、加熱モード及び設定モードを含み、
前記入力インターフェースの前記操作に基づいて、動作モードの選択を検出するステップと、
前記動作モードの選択の検出前に、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記選択された動作モードが、設定モードであり、
前記選択された動作モードが前記設定モードであることを検出した後、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を停止させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記入力インターフェースが、前記複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付ける単一のボタンを備えており、
前記ボタンが解除されたことを検出するステップと、
前記ボタンが解除される前に押された時間の長さを検出するステップと、
前記ボタンが解除される前に押された前記時間の長さに基づいて、選択された動作モードを決定するステップと、
をさらに含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記ボタンが押された前記時間の長さに基づいて、前記デバイスのインジケータアセンブリに表示を与えさせるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記動作モードの選択の検出前で、前記入力インターフェースの初期操作の検出から予め定められた時間が経過した後に、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップを含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル供給デバイスを動作させる方法に関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガー等の喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。燃焼なしに化合物を放出する製品の創出によって、これらタバコを燃焼させる物品の代替物を提供しようとする試みがなされている。このような製品の例は、材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品が考えられ、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリと、
複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースと、
制御装置と、
を備え、制御装置が、
入力インターフェースの操作を検出することと、
入力インターフェースの検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、
を行うように構成される、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル供給デバイスを動作させる方法であって、
複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースの操作を検出するステップと、
入力インターフェースの検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
を含む、方法が提供される。
【0005】
本発明のさらなる特徴及び利点については、本発明の好適な実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろうが、これは、添付の図面を参照しつつ、一例として示しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の正面図である。
【
図2】外カバーを取り外した
図1のエアロゾル供給デバイスの正面図である。
【
図3】
図1のエアロゾル供給デバイスの断面図である。
【
図4】
図2のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
【
図5】Fig.5Aは、エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの断面図である。Fig.5Bは、Fig.5Aの加熱アセンブリの一部の拡大図である。
【
図7】制御装置、加熱アセンブリ、入力インターフェース、及びインジケータアセンブリを備えたシステムを示した図である。
【
図8】デバイスを動作させる方法のフロー図である。
【詳細な説明】
【0007】
本明細書において、用語「エアロゾル生成材料(aerosol generating material)」は、通常はエアロゾルの形態で、加熱時に揮発成分を与える材料を含む。エアロゾル生成材料には、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、エアロゾル生成材料としては、他の非タバコ製品も挙げられ、製品によっては、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス等の形態であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、例えば材料の組み合わせ又は混合であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られる場合もある。
【0008】
エアロゾル生成材料を加熱して当該エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることにより、通常はエアロゾル生成材料の燃焼(burning又はcombusting)なく吸引可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」又は同様のものとして記載される場合がある。同様に、通常は液体の形態のエアロゾル生成材料(ニコチンを含む場合もあれば、含まない場合もある)を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスが存在する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入可能なロッド、カートリッジ、又はカセット等の一部の形態であってもよいし、一部として提供されるようになっていてもよい。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させる加熱器は、装置の「永久」部品として設けられていてもよい。
【0009】
エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品を受容して加熱することができる。これに関連して、「物品」は、使用時にエアロゾル生成材料を具備又は含有し、加熱されてエアロゾル生成材料及び任意選択として使用中の他の構成要素を揮発させる構成要素である。ユーザが物品をエアロゾル供給デバイスに挿入した後、当該エアロゾル供給デバイスが加熱されて、ユーザが後で吸引するエアロゾルが生成されるようになっていてもよい。物品は、例えば当該物品を受容するようにサイズ規定されたデバイスの加熱チャンバ内に配置されるように構成された、予め定められたサイズ又は特定サイズであってもよい。
【0010】
本開示の第1の態様は、複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースを備えたエアロゾル供給デバイスを規定する。したがって、ユーザは、入力インターフェースとの相互作用又は入力インターフェースの操作によって、デバイスを動作させることができる。このデバイスは、入力インターフェースの操作を検出し、入力インターフェースの検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させる制御装置をさらに備える。
【0011】
したがって、このデバイスは、制御装置が入力インターフェースの操作を検出した後に初めて、エアロゾル生成材料の加熱を開始する。
【0012】
第1の例において、制御装置は、(i)入力インターフェースの操作に基づいて、選択された動作モードを決定することと、(ii)選択された動作モードを決定することに応答して、選択された動作モードに従って加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、を行うように構成されている。このため、デバイスは、制御装置が複数の動作モードから選択された動作モードを決定した後に初めて、エアロゾル生成材料の加熱を開始し得る。これは、動作モードが加熱不要のモードを含む場合又はユーザが意図せず入力インターフェースを操作したものの、動作モードの選択は行わない場合に有用となり得る。動作モードが選択された後に初めてエアロゾル生成材料を加熱することにより、デバイスのエネルギー効率を向上可能である。複数の動作モードは、例えば加熱モード及び設定モードを含んでいてもよい。設定モードによれば、ユーザは、デバイスの設定を行うことができる。このため、いくつかの例において、制御装置は、選択された動作モードが加熱モードである場合に、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させる。
【0013】
前述の通り、複数の動作モードは、加熱モード及び設定モードを含んでいてもよい。入力インターフェースの操作が加熱モードの選択を示すものと判定された場合、制御装置は、(i)この操作に基づいて、選択された加熱モードを決定することと、(ii)選択された加熱モードに従って加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、を行うように構成されている。入力インターフェースの操作が設定モードの選択を示すものと判定された場合、制御装置は、(i)加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることなく、設定モードでデバイスを動作させるように構成されている。いくつかの例において、制御装置は、上記操作に基づいて、選択された設定モードを決定する。したがって、このデバイスは、選択された動作モードが加熱モードである場合にのみ、加熱を開始する。これにより、エネルギーを節約可能である。設定モードにおいて、ユーザは、デバイスの設定を行うことができる。例えば、1つ又は複数の加熱モードと関連付けられた設定を選定するようにしてもよい。また、ユーザは、触覚的構成要素の設定を行うようにしてもよい。例えば、触覚的構成要素が与える触覚フィードバックと関連付けられた特定のパラメータを選定するようにしてもよい。また、設定モードによれば、ユーザは、例えばデバイスのバッテリの充電状態を確認可能となり得る。
【0014】
制御装置は、選択された加熱モードの決定と実質的に同時に、選択された加熱モードに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるのが好ましい。例えば、これらは同時に起こり得る。これにより、ユーザがデバイスの使用を開始するまでに待つ必要がある時間が短くなる。他の例においては、1秒未満、0.5秒未満、0.1秒未満、0.01秒未満、又は0.001秒未満等、上記ステップ間にわずかな遅延が存在していてもよい。
【0015】
上記例において、このデバイスは、制御装置が選択された動作モードを決定した後に初めて(加熱モード又は設定モードで)動作する。第2の例において、このデバイスは、制御装置が選択された動作モードを決定する前でも、加熱モードで動作し得る。例えば、制御装置は、動作モード(加熱モード又は設定モード)が選択される前に、加熱アセンブリに加熱を開始させるようにしてもよい。これは、最初に入力インターフェースを操作することとデバイスを使用することとの間の時間を短縮するのに有用となり得る。例えば、ユーザは、次に加熱モードではなく設定モードを選択する場合であっても、入力インターフェースを操作したらすぐに加熱が開始となるように、入力インターフェースの操作によって設定モードではなく加熱モードでデバイスを動作させる可能性が高いと考えられてもよい。
【0016】
したがって、この第2の例において、複数の動作モードは、加熱モード及び設定モードを含んでいてもよく、制御装置は、入力インターフェースの操作に基づいて、動作モードの選択を検出することと、動作モードの選択の検出前に、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、を行うように構成されている。したがって、制御装置は、ユーザが動作モードを選択する前で、入力インターフェースの(初期)操作を検出した後に、加熱を開始する。このため、ユーザが次に加熱モードを選択するか設定モードを選択するかに関わらず、加熱が開始となる。
【0017】
いくつかの例において、複数の動作モードは、加熱モードのみを含む。
【0018】
複数の動作モードが加熱モードのみを含むか、加熱モード及び設定モードの両者を含むかに関わらず、加熱アセンブリは、動作モードの選択の検出前に、エアロゾル生成材料の加熱を開始可能である。加熱モードの選択を検出した後、制御装置は、選択された加熱モードに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるようにしてもよい。加熱モードの選択前、制御装置は、第1のレートに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させ、加熱モードの選択の検出後、制御装置は、第1のレートと異なる第2のレートに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるようにしてもよい。第2のレートは、選択された加熱モードによって決まる一方、第1のレートは、予め定められた又は「デフォルト」のレートであってもよい。
【0019】
特定の一例においては、選択された動作モードが設定モードであり、制御装置は、選択された動作モードが設定モードであることを検出した後、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を停止させるように構成されている。したがって、ユーザが次に設定モードを選択する場合は、デバイスが加熱を停止する。この時間に、デバイスは、少量のエネルギーを使用している可能性がある。ただし、このことは、ユーザが加熱モードを選択した場合にエアロゾル生成材料を最大温度まで加熱するのに要する時間を短縮するための許容範囲の妥協点と考えられてもよい。前述の通り、ユーザは、大抵の場合、加熱モードを選択すると考えられてもよい。
【0020】
入力インターフェースは、ユーザインターフェースとも称し得る。入力インターフェースは、ボタンであってもよいし、タッチスクリーンであってもよいし、ダイヤルであってもよいし、ノブであってもよいし、モバイルデバイスへの無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標))であってもよい。このインターフェースによれば、ユーザは、複数の動作モードから、動作モードを選択可能となる。入力インターフェースは、操作に際して、その操作を示す1つ又は複数の信号を制御装置に送信可能である。この(1つ又は複数の)信号に基づいて、制御装置は、選択された加熱モード又は設定モード等、選択された動作モードを決定することができる。
【0021】
入力インターフェースは、エアロゾル生成材料の挿入を検出するセンサであってもよい。このセンサは、挿入された物品の種類を決定するようにしてもよく、この検出された物品の種類に基づいて、動作モードが決定される。
【0022】
上記例のいずれかにおいて、入力インターフェースは、複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付ける単一のボタンを備えていてもよい。これにより、ユーザは、単一のボタンを用いて、異なるモードを選択可能となる。単一のインターフェースで複数のモードを選択することは、デバイスの操作を簡素化するとともに、構成要素の数を減らすことができる。構成要素の数が少なくなると、デバイスがさらに軽量となり、破壊又は機能不全に至る部品が少なくなって、信頼性が向上する。ボタンは、ソフトウェアボタンであってもよいし、ハードウェアボタンであってもよい。
【0023】
一例において、上記入力には、ボタンが解除された旨の指示及びボタンが解除される前に押された時間の長さの指示を含む。制御装置は、ボタンが解除された旨の指示を含む入力に応答して、ボタンが解除される前に押された時間の長さに基づいて選択された動作モードを決定するように構成されている。したがって、ボタンが選択された時間の長さに基づいて、動作モードが選択されるようになっていてもよい。これにより、デバイスの動作を簡素化できる。いくつかの例において、これによりデバイスは、瞬間的な意図せぬボタンの押圧によって動作モードが選択される可能性がないため、エネルギーを節約可能となる。例えば、制御装置は、ボタンが押された時間の長さが閾値以上である場合に、選択された動作モードを決定するように構成されていてもよく、上記時間の長さが閾値未満の場合は、選択された動作モードを決定しない。この閾値は、ボタンが意図せず押された場合に、デバイスをいずれの動作モードでも動作させないようにするバッファとして作用し得る。
【0024】
制御装置は、入力インターフェースから入力を受信可能である。解除及び時間の長さを示す入力は、1つ又は複数の信号として、入力インターフェースと制御装置との間で送信されるようになっていてもよい。一例において、信号は、時間の長さを示していてもよいし、ボタンの押圧を示していてもよく、ボタンが保持された時間の長さは、制御装置によって、ボタン押下信号とボタン解除信号との間の時間として測定され得る。
【0025】
ボタンが押された時間の長さが第1の時間範囲内である場合に、選択されたモードとして加熱モードが決定され、ボタンが押された時間の長さが第2の時間範囲内である場合に、選択されたモードとして設定モードが決定され、第2の時間範囲は、第1の時間範囲の終了時間後の開始時間を有する。これは、加熱モードの選択がより高速になるため、好都合となり得る。一般的に、ユーザは、加熱モードをより頻繁に使用する可能性が高いため、これにより時間が節約される。
【0026】
特定の一例において、第1の時間範囲の開始時間は、ボタンが最初に押された時点の5秒後であってもよい。第2の時間範囲の開始時間は、例えばボタンが最初に押された時点の8秒後であってもよい。一例において、第1の時間範囲の終了時間は、第2の時間範囲の開始時間に対応する。例えば、5秒を超え8秒未満にわたってボタンが押し下げられた場合は、加熱モードが選択される。別の例において、第1の時間範囲の終了時間は、第2の時間範囲の開始時間の前に起こる。例えば、第1の時間範囲の終了時間は、ボタンが最初に押された時点の7秒後に起こってもよい(すなわち、第2の時間範囲の開始時間の1秒前)。したがって、5秒を超え7秒未満にわたってボタンが押し下げられた場合は、加熱モードが選択される。7.5秒間にわたってボタンが押し下げられた場合は、モードが選択されない。異なる動作モードを選択する時間を短くするため、第1の時間範囲の終了時間は、第2の時間範囲の開始時間に対応するのが好ましい。
【0027】
一例において、このデバイスは、ボタンが押された時間の長さが第1の閾値時間以上且つ第2の閾値時間未満の場合に第1の加熱モードで動作するように構成されており、ボタンが押された時間の長さが第2の閾値時間以上の場合に第2の加熱モードで動作するように構成されている。例えば、第1の閾値時間は、3秒であってもよく、第2の閾値時間は、5秒であってもよい。このデバイスは、ボタンが押された時間の長さが第3の閾値時間以上である場合に、設定モードで動作するように構成されていてもよい。ボタンが押された時間の長さが第2の閾値時間以上且つ第3の閾値時間未満の場合には、第2の加熱モードが選択されるようになっていてもよい。第3の閾値時間は、例えば8秒であってもよい。
【0028】
いくつかの例においては、このデバイスがインジケータアセンブリを備え、制御装置は、ボタンが押された時間の長さに基づいて、インジケータアセンブリに表示を与えさせるように構成されている。この表示は、動作モードが選択された場合に与えられるようになっていてもよい。したがって、ユーザは、特定の時間の長さにわたってボタンを押し下げたことが通知/報知されるようになっていてもよい。
【0029】
いくつかの例において、このデバイスは、2つ以上の異なる加熱モードで動作し得る。例えば、各加熱モードでは、エアロゾル生成材料を異なる温度に加熱すること、及び/又は、エアロゾル生成材料を異なる時間の長さにわたって加熱することが可能である。
【0030】
制御装置は、ボタンが解除されることなく初期時間にわたって押されている間に、加熱アセンブリに第1のレートで加熱を行わせるとともに、初期時間後にボタンが押され続けている間に、加熱アセンブリに第2のレートで加熱を行わせるように構成されていてもよく、第1のレートは、第2のレートよりも遅い。これによって、意図せぬボタンの押圧の防止による節電が可能となる。また、一例において、初期時間よりも短い時間の長さにわたってボタンが押された場合は、設定モードが選択され、初期時間後のある時間の長さにわたってボタンが押された場合は、加熱モードが選択される。このため、初期時間中は、ユーザが依然として、設定モードを選択することにより、例えばバッテリの充電状態を確認しようとしていてもよい。ユーザが設定モードを選択し得る可能性があることから、この初期時間前の低速レートで加熱することによって、エネルギーを節約可能である。「初期時間」は、閾値時間として知られている場合がある。
【0031】
加熱器が動作モードの選択前に加熱を開始する例において、制御装置は、(i)動作モードの選択の検出前で、(ii)入力インターフェースの初期操作の検出から予め定められた時間が経過した後に、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるように構成されていてもよい。したがって、このデバイスは、意図せぬボタンの押圧を回避して節電可能な時間遅延が組み込まれていてもよい。この時間は、例えば初期操作の検出後の0.5秒であってもよい。
【0032】
いくつかの例において、デバイスの使用の準備が整ったことをユーザが認識できるように、エアロゾル供給デバイスは、ユーザがエアロゾルを吸引するためのデバイスの準備が整ったことを示すインジケータアセンブリを備える。これにより、エアロゾルの吸引までユーザを必要以上に長く待たせて、エアロゾルの消耗及びユーザの満足度を低下させることを回避することができる。
【0033】
「使用の準備が整う」は、エアロゾル生成材料が所望の/十分な温度に達したこと、エアロゾル生成材料が所望の/十分な量のエアロゾルを生成したこと、又はユーザがデバイスで最初の「喫煙」を行って、エアロゾル生成材料により生成されたエアロゾルを吸引可能であることを意味し得る。
【0034】
加熱アセンブリは、誘導加熱アセンブリであってもよい。例えば、加熱アセンブリは、1つ又は複数のインダクタコイル及びサセプタを備えていてもよい。加熱アセンブリは、加熱構成要素を加熱する1つ又は複数のコイルを備えていてもよい。別の例において、加熱アセンブリは、抵抗加熱アセンブリであってもよい。例えば、エアロゾル生成材料を加熱する1つ又は複数の構成要素が抵抗加熱されるようになっていてもよい。
【0035】
制御装置は、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の予め定められた時間内(又は、その時点)に、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに表示させるように構成されていてもよい。いくつかの例において、上記予め定められた時間は、加熱アセンブリに加熱を開始させた後のおよそ30秒未満、およそ20秒未満、およそ15秒未満、又はおよそ10秒未満である。他の例において、上記予め定められた時間は、およそ60秒未満、およそ50秒未満、又はおよそ40秒未満である。
【0036】
誘導加熱アセンブリ等の特定の加熱アセンブリは、他種の加熱アセンブリと比較した場合に、エアロゾル生成材料を短い時間に好適な温度まで加熱可能であることが見出されている。したがって、デバイスのユーザは、例えばおよそ20秒未満の予め定められた時間内に、デバイスを利用してエアロゾルを吸引可能となり得る。特定の加熱アセンブリがエアロゾル生成材料を急速に加熱可能であることから、準備が整ったことをデバイスが示した時点で、エアロゾル生成材料は十分な量のエアロゾルを放出していることになる。
【0037】
前述の通り、このデバイスは、第1の加熱モード及び第2の加熱モードの一方で動作するように構成されていてもよく、第1の加熱モードで動作している場合は、加熱アセンブリのある構成要素が第1の温度まで加熱され、第2の加熱モードで動作している場合は、加熱アセンブリのある構成要素が第2の温度まで加熱されるものとする。第2の温度は、第1の温度より高くてもよい。
【0038】
第1の温度は、およそ240℃~およそ260℃であってもよく、第2の温度は、およそ270℃~およそ290℃であってもよい。エアロゾル生成材料の温度は、加熱構成要素の温度をわずかに下回っていてもよい。
【0039】
第1の加熱モードは、デフォルトモードとして知られている場合があり、第2の加熱モードは、ブーストモードとして知られている場合がある。第2の加熱モードでは、例えば第1の加熱モードよりも大量又は高濃度のエアロゾルを生成するようにしてもよい。
【0040】
いくつかの例において、インジケータアセンブリは、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料の加熱を開始したことを表示する。これにより、ユーザは、デバイスの操作を再び開始しようとしなくて済む。
【0041】
一構成において、インジケータアセンブリは、視覚的表示を与えるように構成された視覚的構成要素を備える。例えば、視覚的構成要素は、LED、複数のLED、ディスプレイ、eインクディスプレイ、又は移動によって1つ若しくは複数のパターンを表示する機械的要素を備えていてもよい。いくつかの例において、視覚的構成要素は、発光するように構成されている。
【0042】
別の構成において、インジケータアセンブリは、触覚フィードバックを与えるように構成された触覚的構成要素を備える。例えば、触覚的構成要素は、デバイスを振動させる触覚モータであってもよい。
【0043】
別の構成において、インジケータアセンブリは、音を放出するように構成された聴覚的インジケータを備える。聴覚的インジケータは、トランスデューサ、ブザー、ベル等であってもよい。
【0044】
特定の一例において、インジケータアセンブリは、触覚的構成要素及び視覚的構成要素を備える。触覚的構成要素は、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料の加熱を開始した旨の触覚的表示を与えるように構成されていてもよい。視覚的構成要素は、デバイスの使用の準備が整った旨の視覚的表示を与えるように構成されていてもよい。
【0045】
特定の一例において、加熱アセンブリは、変動磁場を生成するインダクタコイルと、エアロゾル生成材料を加熱するように構成されたサセプタであり、変動磁場の侵入により加熱可能である、サセプタと、を備える。制御装置は、インダクタコイルに変動磁場を生成させることにより、選択された加熱モードに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるように構成されている。したがって、サセプタは、加熱アセンブリの加熱される構成要素であってもよい。例えば、第1の加熱モードにおいて、インダクタコイルは、サセプタを第1の温度まで加熱するように構成されていてもよい。例えば、第2の加熱モードにおいて、インダクタコイルは、サセプタを第2の温度まで加熱するように構成されていてもよい。
【0046】
誘導加熱システムは、抵抗加熱アセンブリ等の他種の加熱アセンブリと比較した場合に、エアロゾル生成材料を短い時間に好適な温度まで加熱可能であることが見出されている。
【0047】
別の態様においては、上述のエアロゾル供給デバイスを動作させる方法が提供される。この方法は、複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースの操作を検出するステップと、入力インターフェースの検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、を含む。
【0048】
この方法は、入力インターフェースの操作に基づいて、動作モードの選択を検出するステップと、動作モードの選択の検出に応答して、選択された動作モードに従って加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、をさらに含んでいてもよい。
【0049】
複数の動作モードは、加熱モード及び設定モードを含んでいてもよく、この方法は、
入力インターフェースの操作が加熱モードの選択を示すものと判定された場合、選択された加熱モードに従って加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
入力インターフェースの操作が設定モードの選択を示すものと判定された場合、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることなく、設定モードでデバイスを動作させるステップと、
をさらに含んでいてもよい。
【0050】
入力インターフェースは、複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付ける単一のボタンを備えていてもよく、この方法は、
ボタンが解除されたことを検出するステップと、
ボタンが解除される前に押された時間の長さを検出するステップと、
ボタンが解除される前に押された時間の長さに基づいて、選択された動作モードを決定するステップと、
をさらに含んでいてもよい。
【0051】
この方法は、ボタンが押された時間の長さに基づいて、デバイスのインジケータアセンブリに表示を与えさせるステップをさらに含んでいてもよい。
【0052】
複数の動作モードは、加熱モード及び設定モードを含んでいてもよく、この方法は、
入力インターフェースの操作に基づいて、動作モードの選択を検出するステップと、
動作モードの選択の検出前に、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップと、
をさらに含んでいてもよい。
【0053】
選択された動作モードは、設定モードであってもよく、この方法は、選択された動作モードが設定モードであることを検出した後、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を停止させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0054】
この方法は、
動作モードの選択の検出前で、
入力インターフェースの初期操作の検出から予め定められた時間が経過した後に、
加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0055】
この方法は、任意の種類の加熱アセンブリに関して説明したが、当然のことながら、誘導加熱アセンブリを備えたデバイスにも適用可能である。
【0056】
このデバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られるタバコ加熱デバイスであるのが好ましい。
【0057】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略として、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換式物品110を加熱して、当該デバイス100のユーザが吸引するエアロゾル又はその他の吸引可能媒体を生成するのに用いられるようになっていてもよい。
【0058】
デバイス100は、当該デバイス100の様々な構成要素を囲んで収容する(外カバーの形態の)ハウジング102を備える。デバイス100は、物品110を挿通して加熱アセンブリにより加熱可能な開口104を一端に有する。使用時、物品110は、加熱アセンブリに全部又は一部が挿入され、加熱アセンブリの1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。
【0059】
本例のデバイス100は、物品110が所定の位置にない場合に、第1の端部材106に対する移動によって開口104を閉鎖し得る蓋108を備えた第1の端部材106を備える。
図1において、蓋108は、開放構成にて示しているが、キャップ108は、閉鎖構成へと移動することも可能である。例えば、ユーザが蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせるようにしてもよい。
【0060】
また、デバイス100は、ボタン又はスイッチを備えていてもよく、押された場合にデバイス100を動作させる入力インターフェース112を具備していてもよい。例えば、ユーザは、入力インターフェース112の操作によって、デバイス100をオンするようにしてもよい。
【0061】
また、デバイス100は、ソケット/ポート114等、ケーブルを受容して当該デバイス100のバッテリを充電可能な電気的コネクタ/構成要素を備えていてもよい。例えば、ソケット114は、USB充電ポート等の充電ポートであってもよい。いくつかの例において、ソケット114は、上記の追加又は代替として、デバイス100とコンピュータデバイス等の別のデバイスとの間のデータの転送に用いられるようになっていてもよい。
【0062】
図2は、外カバー102を外すとともに物品110が存在しない状態の
図1のデバイス100を示している。デバイス100は、長手方向軸134を規定する。
【0063】
図2に示すように、第1の端部材106は、デバイス100の一端に配置されており、デバイス100の反対端には第2の端部材116が配置されている。第1及び第2の端部材106、116は一体的に、デバイス100の端面を少なくとも部分的に規定する。例えば、第2の端部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に規定する。また、外カバー102の縁部が端面の一部を規定していてもよい。また、本例において、蓋108は、デバイス100の上面の一部を規定する。
【0064】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端(又は、口端)として知られていると考えられる。使用時、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス中で生成されたエアロゾルを利用する。これにより、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって、エアロゾルがデバイス100を流れる。
【0065】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用時にユーザの口から最も遠くなる端部であるため、デバイス100の遠位端として知られていると考えられる。デバイス中で生成されたエアロゾルをユーザが利用する場合、エアロゾルは、デバイス100の遠位端から離れる方向に流れる。
【0066】
デバイス100は、電源118をさらに備える。電源118は、例えば充電式バッテリ又は非充電式バッテリ等のバッテリであってもよい。好適なバッテリの例としては、例えばリチウムバッテリ(リチウムイオンバッテリ等)、ニッケルバッテリ(ニッケルカドミウムバッテリ等)、及びアルカリバッテリが挙げられる。バッテリは、加熱アセンブリに対して電気的に結合され、必要に応じて電力を供給するとともに、制御装置(図示せず)の制御下でエアロゾル生成材料を加熱する。本例において、バッテリは、当該バッテリ118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続されている。中央支持部120は、バッテリ支持部又はバッテリ担体としても知られる場合がある。
【0067】
デバイスは、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備える。電子機器モジュール122は、例えばプリント配線板(PCB)を備えていてもよい。PCB122は、プロセッサ等の少なくとも1つの制御装置及びメモリを支持していてもよい。また、PCB122は、デバイス100の様々な電子的構成要素を電気的に一体接続する1つ又は複数の電気的トラックを備えていてもよい。例えば、電力をデバイス100全体に配分可能となるように、バッテリ端子がPCB122に対して電気的に接続されていてもよい。また、ソケット114は、電気的トラックを介して、バッテリに対して電気的に結合されていてもよい。
【0068】
例示的なデバイス100において、加熱アセンブリは、誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱する様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタ等)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素(例えば、1つ又は複数のインダクタコイル)と、交流等の変動電流を誘導要素に通過させるデバイスとを備えていてもよい。誘導要素中の変動電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入して、サセプタの内側に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有するため、この抵抗に対する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱により加熱される。また、サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料を含む場合は、サセプタ中の磁気ヒステリシス損すなわち変動磁場との位置合わせの結果としての磁性材料中の磁気双極子の変動配向によっても熱が生成されてもよい。誘導加熱においては、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内側で熱が生成されるため、急速加熱が可能となる。さらに、誘導加熱器とサセプタとの間の物理的な接触が一切不要なため、構成及び用途の自由度が増す。
【0069】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書においては、「サセプタ」と称する)、第1のインダクタコイル124、及び第2のインダクタコイル126を備える。第1及び第2のインダクタコイル124、126は、導電材料により構成されている。本例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、螺旋状に巻回されてヘリカルインダクタコイル124、126を提供するリッツ線/ケーブルにより構成されている。リッツ線は、個別に絶縁され、一体的な撚り合わせによって単一のワイヤを構成する複数の個々のワイヤを備える。リッツ線は、導電体の表皮効果損を抑えるように設計されている。例示的なデバイス100において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、断面が矩形の銅リッツ線により構成されている。他の例において、リッツ線は、円形等、他の形状の断面を有し得る。
【0070】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1の部分を加熱する第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2の部分を加熱する第2の変動磁場を生成するように構成されている。本例において、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向で第2のインダクタコイル126に隣り合っている(すなわち、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、重なり合わない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタを備えていてもよいし、2つ以上の別個のサセプタを備えていてもよい。第1及び第2のインダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続可能である。
【0071】
当然のことながら、いくつかの例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、互いに異なる少なくとも1つの特性を有していてもよい。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる少なくとも1つの特性を有していてもよい。より具体的に、一例において、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なるインダクタンスの値を有していてもよい。
図2において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124がサセプタ132に巻回される部分が第2のインダクタコイル126よりも小さくなるように、異なる長さを有する。このため、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる巻回数を有していてもよい(個々の巻回の間隔は実質的に同じと仮定する)。さらに別の例において、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる材料により構成されていてもよい。いくつかの例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、実質的に同一であってもよい。
【0072】
本例において、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、反対方向に巻回されている。これは、両インダクタコイルが異なるタイミングで作動する場合に有用となり得る。例えば、最初に第1のインダクタコイル124が物品110の第1の部分を加熱するように動作した後、第2のインダクタコイル126が物品110の第2の部分を加熱するように動作していてもよい。コイルを反対方向に巻回することは、特定種類の制御回路と併せて使用される場合に非作動のコイルに誘導される電流を抑えるのに役立つ。
図2においては、第1のインダクタコイル124が右手螺旋であり、第2のインダクタコイル126が左手螺旋である。ただし、別の実施形態においては、インダクタコイル124、126が同じ方向に巻回されていてもよいし、第1のインダクタコイル124が左手螺旋、第2のインダクタコイル126が右手螺旋であってもよい。
【0073】
本例のサセプタ132は中空であるため、エアロゾル生成材料が受容されるレセプタクルを規定する。例えば、物品110はサセプタ132に挿入可能である。本例において、サセプタ120は、断面が円形の管状である。
【0074】
図2のデバイス100は、大略管状で、少なくとも部分的にサセプタ132を囲み得る断熱部材128をさらに備える。断熱部材128は、例えばプラスチック等の如何なる断熱材料により構成されていてもよい。この特定の例において、断熱部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)により構成されている。断熱部材128は、サセプタ132において生成された熱からデバイス100の様々な構成要素を断熱するのに役立ち得る。
【0075】
また、断熱部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126の全部又は一部を支持可能である。例えば、
図2に示すように、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、断熱部材128の周りに配置され、断熱部材128の半径方向外方面と接触している。いくつかの例において、断熱部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126に隣接しない。例えば、断熱部材128の外側面と第1及び第2のインダクタコイル124、126の内側面との間には、小さな間隙が存在していてもよい。
【0076】
特定の一例においては、サセプタ132、断熱部材128、並びに第1及び第2のインダクタコイル124、126がサセプタ132の中央長手方向軸の周りに同軸である。
【0077】
図3は、デバイス100の一部断面側面図である。本例においては、外カバー102が存在する。第1及び第2のインダクタコイル124、126の矩形断面形状がより明確に可視化されている。
【0078】
デバイス100は、サセプタ132の一端に係合してサセプタ132を所定の位置に保持する支持部136をさらに備える。支持部136は、第2の端部材116に接続されている。
【0079】
また、デバイスは、入力インターフェース112内に関連付けられた第2のプリント配線板138を備えていてもよい。
【0080】
デバイス100は、デバイス100の遠位端に向かって配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備える。ばね142は、第2の蓋140の開放によって、サセプタ132へのアクセスを提供可能とする。ユーザは、第2の蓋140を開けることにより、サセプタ132及び/又は支持部136を清掃するようにしてもよい。
【0081】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から当該デバイスの開口140に向かって延びる拡張チャンバ144をさらに備える。拡張チャンバ144内には、デバイス100内に受容された物品110に隣接して保持する保持クリップ146の少なくとも一部が配置されている。拡張チャンバ144は、端部材106に接続されている。
【0082】
図4は、外カバー102を省略した
図1のデバイス100の分解図である。
【0083】
図5のFig.5Aは、
図1のデバイス100の一部の断面を示している。
図5のFig.5Bは、Fig.5Aの一領域を拡大して示している。Fig.5A及びFig.5Bは、サセプタ132内に受容された物品110を示しているが、この物品110は、その外側面がサセプタ132の内側面に隣接するように寸法を定められている。これにより、加熱が最も効率的になる。本例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを含む。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に配置されている。また、物品110は、フィルター、包装材、及び/又は冷却構造等の他の構成要素を備えていてもよい。
【0084】
Fig.5Bは、サセプタ132の長手方向軸158と垂直な方向に測定して、サセプタ132の外側面がインダクタコイル124、126の内側面から距離150だけ離隔することを示している。特定の一例において、距離150は、およそ3mm~4mm、およそ3mm~3.5mm、又はおよそ3.25mmである。
【0085】
Fig.5Bは、サセプタ132の長手方向軸158と垂直な方向に測定して、断熱部材128の外側面がインダクタコイル124、126の内側面から距離152だけ離隔することを示している。特定の一例において、距離152は、およそ0.05mmである。別の例においては、インダクタコイル124、126が断熱部材128に隣接して接触するように、距離152が実質的に0mmである。
【0086】
一例において、サセプタ132は、壁厚154がおよそ0.025mm~1mm又はおよそ0.05mmである。
【0087】
一例において、サセプタ132は、長さがおよそ40mm~60mm、およそ40mm~45mm、又はおよそ44.5mmである。
【0088】
一例において、断熱部材128は、壁厚156がおよそ0.25mm~2mm、およそ0.25mm~1mm、又はおよそ0.5mmである。
【0089】
図6は、デバイス100の正面図である。簡単に前述した通り、このデバイスは、入力インターフェース112を備えていてもよい。いくつかの例において、ユーザは、入力インターフェース112との相互作用により、デバイス100を動作させるようにしてもよい。入力インターフェース112に近接して、インジケータアセンブリが配置されていてもよく、これは、デバイスの使用の準備が整った場合及び/又はデバイスが動作を終えた場合等、1つ又は複数のイベントの発生をユーザに示し得る。また、インジケータアセンブリは、デバイス100が動作しているモードを示すようにしてもよい。
【0090】
図6は、インジケータアセンブリの上方(すなわち、前方)に配置された外側部材202を示している。他の例において、インジケータアセンブリは、デバイス上の他の場所に配置されていてもよい。本例において、インジケータアセンブリは、視覚的表示を与えるように構成された視覚的構成要素を備える。視覚的構成要素は、光等の電磁放射を放出して特定のイベントをユーザに示す複数のLEDを備える。当然のことながら、インジケータアセンブリは、この追加又は代替として、触覚的構成要素又は聴覚的インジケータを備えていてもよい。このデバイス100において、インジケータアセンブリは、視覚的構成要素及び触覚的構成要素を備える。
【0091】
外側部材202は、入力インターフェース112の最も外側の構成要素を構成する。ユーザは、外側部材202を押すことにより、デバイス100と相互作用するようにしてもよい。外側部材202は、複数のLEDからの光が通過することができる複数の開口部204を備える。本例において、デバイス100は、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料を加熱する際に順次点灯する4つのLEDを備える。4つのすべてのLEDが点灯している場合は、デバイスの使用の準備が整ったことをユーザに通知可能である。4つのLEDのうちの第1のLEDは、ユーザが動作モードを選択した後に点灯するようになっていてもよいし、ユーザが最初に入力インターフェース112を操作した場合に点灯するようになっていてもよい。
【0092】
図7は、制御装置302(1つ又は複数のプロセッサ等)、加熱アセンブリ304、インジケータアセンブリ306、及び入力インターフェース112を備えたシステムを示している。制御装置302は、1つ又は複数の有線又は無線接続(破線で示す)を介して、加熱アセンブリ304、インジケータアセンブリ306、及び入力インターフェース112に通信結合されている。特定の例においては、インジケータアセンブリ306が省かれていてもよい。
【0093】
制御装置302は、例えばPCB122上に配置されていてもよい。制御装置302は、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料を加熱させること等、デバイス100の動作を制御可能である。いくつかの例において、制御装置302は、入力インターフェース112の操作を検出し、これに応答して、加熱アセンブリ304及びインジケータアセンブリ306を制御する。ユーザは、入力を入力インターフェース112に与えることによって、デバイスを動作させることができる。入力インターフェース112を介して、加熱モード又は設定モードを選択可能である。
【0094】
インジケータアセンブリ306は、1つ又は複数のイベントの発生をユーザに示すことができる。インジケータアセンブリ306に表示を与えさせるため、制御装置302は、信号又は命令をインジケータアセンブリ306に送信可能である。
図6の例において、インジケータアセンブリ306は、複数のLEDを備えた視覚的構成要素を備える。この追加又は代替として、他種のインジケータアセンブリ306が用いられるようになっていてもよい。
【0095】
本例において、加熱アセンブリ304は、1つ又は複数の磁場を生成してサセプタを加熱する1つ又は複数のインダクタコイルを備える。制御装置302は、デバイス100の(1つ又は複数の)インダクタコイルに変動磁場を生成させることができる。例えば、制御装置302は、1つ又は複数の信号を(1つ又は複数の)インダクタコイルに送信することができる。(1つ又は複数の)インダクタコイルが変動磁場を生成したら、サセプタ132が加熱され、これによって、サセプタ132の近くにあるエアロゾル生成材料が加熱される。当然のことながら、以下の説明は、他種の加熱アセンブリ304にも当てはまり得る。
【0096】
制御装置302は、およそ240℃~およそ290℃まで、1つ又は複数のインダクタコイルにサセプタを加熱させるようにしてもよい。特定の一例において、このデバイスは、第1の加熱モード及び第2の加熱モードの一方で動作するように構成されており、これら第1及び第2の加熱モードは、加熱モードである。一例において、デバイスが第1の(デフォルト)加熱モードで動作している場合、制御装置302は、およそ240℃~およそ260℃(およそ250℃等)まで、第1のインダクタコイル124にサセプタ132の第1の領域を加熱させるようにしてもよい。別の例においては、デバイスが第2の(ブースト)加熱モードで動作していてもよく、制御装置302は、およそ270℃~およそ290℃(およそ280℃等)まで、第1のインダクタコイル124にサセプタ132の第1の領域を加熱させるようにしてもよい。
【0097】
第2のインダクタコイル126は、加熱セッション中の後で、第2の磁場を生成するようにしてもよい。例えば、第2のインダクタコイル126は、第1のインダクタコイル124が第1の磁場を生成してから、およそ60秒~およそ130秒後に、第2の磁場を生成するようにしてもよい。第2のインダクタコイルは、サセプタ132の第2の領域を加熱するように構成されている。いくつかの例においては、両インダクタコイル124、126が同時に動作する。
【0098】
第1のインダクタコイル124がサセプタ132の加熱を開始した後、サセプタ132の第1の領域は、2秒以内に所望の温度に達し得る。ただし、熱がエアロゾル生成材料に侵入するには、さらに長い時間を要する場合がある。例えば、エアロゾル生成材料がサセプタ132の温度に近づくまで、最大60秒を要する場合がある。誘導加熱の効率性により、エアロゾル生成材料が完全には加熱されていないにも関わらず、最初の10~30秒に生成されたエアロゾルは依然として、吸引に適した状態を維持し得る。
【0099】
入力インターフェース
前述の通り、制御装置302は、入力インターフェース112の操作を検出し、これに応答して、入力インターフェース112の検出した操作に応じて、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させる。入力インターフェース112を操作することにより、デバイスの動作モードを選択可能である。いくつかの例において、動作モードには、1つ若しくは複数の加熱モード並びに1つ若しくは複数の設定モードを含む。
【0100】
本例において、入力インターフェース112は、単一のボタンを備えており、ユーザが入力インターフェース112を操作したことを示す1つ又は複数の信号又はデータを制御装置302に送信する。特定の一例において、1つ又は複数の信号は、ユーザがボタンを解除したことと、ボタンが解除される前に押された時間の長さとを示している。したがって、ユーザはボタンを押して保持することができ、制御装置302は、ボタンが押された時間の長さに基づいて、選択された動作モードを決定する。
【0101】
したがって、このデバイスは、上記時間の長さに応じて、特定のモードで動作可能である。選択された動作モードは、ボタンが押された時間の長さを1つ又は複数の閾値時間と比較することにより、制御装置302が決定可能である。
【0102】
デバイス100は、第1の加熱モード又は第2の加熱モードで動作するように構成されていてもよい。このため、特定の一例において、ボタンが押された時間の長さが第1の閾値時間以上且つ第2の閾値時間未満の場合には、制御装置302がデバイスを第1の加熱モードで動作させるように構成されている。ボタンが押された時間の長さが第2の閾値時間以上の場合には、デバイスが第2の加熱モードで動作するように構成されている。例えば、第1の閾値時間は、3秒であってもよく、第2の閾値時間は、5秒であってもよい。これにより、ユーザは、単一のボタンを用いて、異なるモードを選択可能となる。ユーザが3秒より長く且つ5秒より短く、ボタンを押し下げている場合は、デバイスが第1の加熱モードで動作する。
【0103】
特定の一例において、ボタンが押された時間の長さが第3の閾値時間以上の場合には、デバイスが設定モードで動作するように構成されている。設定モードによれば、ユーザは、デバイスの設定を行うことができる。第3の閾値時間は、第2の閾値時間より長くてもよい。特定の一例において、第3の閾値時間は、8秒である。ユーザが5秒より長く且つ8秒より短く、ボタンを押し下げている場合は、デバイスが第2の加熱モードで動作する。
【0104】
したがって、一例においては、ボタンが押された時間の長さが第1の時間範囲内である場合に、選択されたモードとして加熱モードが決定されるようになっていてもよく、ボタンが押された時間の長さが第2の時間範囲内である場合に、選択されたモードとして設定モードが決定される。第1の時間範囲は、ボタンが押された5秒後の開始時間と、ボタンが押された8秒後の終了時間とを有していてもよい。第2の時間範囲は、ボタンが押された8秒後の開始時間を有していてもよい。これは、加熱モードの選択がより高速になるため、好都合となり得る。一般的に、ユーザは、設定モードよりも加熱モードをより頻繁に使用する可能性が高いため、これにより時間が節約される。
【0105】
別の例において、ボタンが押された時間の長さが第4の閾値時間以上且つ第1の時間未満の場合には、デバイスが電源118の電力レベルを表示するように構成されている。このバッテリモードは、例えば設定モードであってもよい。第4の閾値時間は、例えば1秒であってもよい。ユーザが1秒より長く且つ3秒より短く、ボタンを押し下げている場合は、デバイスが電力レベルを表示可能である。電力レベルは、インジケータアセンブリ306により示されるようになっていてもよい。例えば、電力レベルが0%~25%の場合は、4つのLEDのうちの1つが点灯するようになっていてもよい。電力レベルが25%~50%の場合は、LEDのうちの2つが点灯するようになっていてもよい。電力レベルが50%~75%の場合は、LEDのうちの3つが点灯するようになっていてもよい。電力レベルが75%~100%の場合は、LEDのうちの4つが点灯するようになっていてもよい。点灯としては、不変又は経時的な変化が可能である。例えば、4つのLEDのうちの1つが点灯し、点滅によって電力レベルが10%未満であることを示すようにしてもよい。
【0106】
以上では、特定の一種類の入力インターフェース112のみを説明した。別の例において、ユーザは、タッチスクリーンを用いて動作モードを選択する。別の例においては、1つ又は複数の入力インターフェースが存在していてもよい。例えば、デバイスを第1の加熱モードで動作させるため、ユーザは、第1の入力インターフェースを動作させるようにしてもよく、また、デバイスを第2の加熱モードで動作させるため、ユーザは、第2の入力インターフェースを動作させるようにしてもよい。
【0107】
動作モード選択後の加熱開始
第1の例において、デバイスは、動作モードが選択されたものと制御装置302が判定した後に初めて(加熱モード又は設定モードで)動作する。したがって、制御装置302は、例えばユーザがボタンを押し下げ始めた際に入力インターフェースの初期操作を検出するようにしてもよいが、加熱モードが選択されたものと判定するまでは、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させない。これによりエネルギーを節約可能となるのは、ユーザが加熱モードではなく設定モードを選択するために、入力インターフェース112を操作している場合があるためである。
【0108】
したがって、制御装置302は、入力インターフェース112の操作に基づいて、加熱モードが選択されたものと判定した場合は、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させる。加熱アセンブリ304は、選択された特定種類の加熱モードに基づいて動作するようになっていてもよい。選択された動作モードは、例えばボタンが押された時間の長さに基づいて決定可能である。
【0109】
制御装置302は、設定モードが選択されたものと判定した場合、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させることなく、設定モードでデバイスを動作させることができる。したがって、このデバイスは、選択された動作モードが加熱モードである場合にのみ、加熱を開始する。
【0110】
動作モード選択前の加熱開始
第2の例において、制御装置302は、選択された動作モードが加熱モードであるか設定モードであるかを判定する前に、加熱アセンブリ304に加熱を開始させる。これは、最初に入力インターフェース112を操作することとデバイスを使用することとの間の時間を短縮するのに有用となり得る。例えば、ユーザは、選択された動作モードが加熱モードではなく設定モードであると制御装置302が後で判定する場合でも、制御装置302が入力インターフェース112の動作を検出したらすぐに加熱が開始となるように、入力インターフェース112の操作によって設定モードではなく加熱モードでデバイスを動作させる可能性が高いと考えられてもよい。
【0111】
したがって、この第2の例において、制御装置302は、入力インターフェース112の操作に基づいて、動作モードの選択を検出することと、動作モードの選択の検出前に、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させることと、を行うように構成されている。
【0112】
制御装置302は、後で加熱モードの選択を検出した場合、選択された加熱モードに従って、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させるようにしてもよい。これには、以前と同じレートでエアロゾル生成材料を加熱し続けることを含んでいてもよい。別の例において、これには、現在の加熱レートを第2の異なるレートに変更することを含んでいてもよい。したがって、制御装置302は、加熱モードの選択を決定する前に、第1のレートに従って、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させ、加熱モードの選択の検出後、第1のレートと異なる第2のレートに従って、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を開始させるようにしてもよい。ユーザが依然として設定モードを選択する可能性があることから、エネルギー量を抑えるため、第1のレートが第2のレートより遅くてもよい。
【0113】
制御装置302は、設定モードの選択を検出した場合、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料の加熱を停止させる。
【0114】
一例において、制御装置302は、ボタンが解除されることなく初期時間にわたって押されている間に、加熱アセンブリ304に第1のレートで加熱を行わせるとともに、初期時間後にボタンが押され続けている間に、加熱アセンブリ304に第2のレートで加熱を行わせる。ここで、第1のレートは、第2のレートよりも遅い。この時点で、制御装置302は、選択された動作モードを決定していないことになる。初期時間は、例えばボタンが押し下げられた後の1秒、2秒、又は3秒であってもよい。いくつかの例において、初期時間の前にボタンが解除された場合、制御装置302は、加熱アセンブリ304に加熱を停止させるようにしてもよい。これは、バッファとして作用することにより、意図せぬボタンの押圧の防止による節電が可能となる。短いボタンの押圧は、意図せぬボタンの押圧を示す場合がある。
【0115】
また、前述の通り、ユーザは、1秒を超え且つ3秒未満のボタンの押し下げによって、デバイスのバッテリ状態を確認したい場合がある。したがって、3秒未満の時間の長さにわたってボタンが押された場合、加熱アセンブリ304は、第1の遅いレートで加熱を行うようにしてもよい。3秒を超える時間の長さにわたってボタンが押された場合、加熱アセンブリ304は、第2の速いレートで加熱を行うようにしてもよい。このため、初期時間中(すなわち、3秒未満の間)は、ユーザが依然として、設定モードを選択することにより、例えばバッテリの充電状態を確認しようとしていてもよい。ユーザが設定モードを選択してバッテリ状態を確認し得る可能性があることから、この初期時間前の低速レートで加熱することによって、エネルギーを節約可能である。
【0116】
図8は、エアロゾル供給デバイスを動作させる方法のフロー図である。この方法は、ブロック402において、複数の動作モードから、動作モードを選択する入力を受け付けるように構成された入力インターフェースの操作を検出するステップを含む。この方法は、ブロック404において、入力インターフェースの検出した操作に応じて、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるステップを含む。
【0117】
上記実施形態は、本発明の説明に役立つ実例として理解されるものとする。本発明の他の実施形態も考えられる。任意の一実施形態に関して記載の任意の特徴は、単独又は他の記載特徴との組み合わせで使用可能であり、また、実施形態のその他いずれか又はその任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴との組み合わせで使用可能であることが了解されるものとする。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に規定の上述していない同等物及び改良も採用可能である。
【国際調査報告】