(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】非外傷的に形成された組織組成物、装置、ならびに調製および治療の方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/322 20060101AFI20220421BHJP
C12M 1/33 20060101ALI20220421BHJP
A61L 27/36 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
A61B17/322
C12M1/33
A61L27/36 100
A61L27/36 430
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565774
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2020031286
(87)【国際公開番号】W WO2020227196
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521480307
【氏名又は名称】ティッシュミル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダヴェンポート、トーマス、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ミュルハウザー、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ガイナン、グレゴリー
【テーマコード(参考)】
4B029
4C081
4C160
【Fターム(参考)】
4B029AA15
4B029BB11
4B029CC01
4B029DG10
4C081AB02
4C081AB19
4C081CD34
4C081DA13
4C081DC13
4C081EA01
4C160MM13
(57)【要約】
プロセスおよびシステムは、液体培地中で、全層植皮粒子(FTSGP)、軟骨粒子、および他の器官組織粒子などの細片化組織粒子(TP)の非外傷性調製を提供する。得られた組織生成物は、水溶液中の組織粒子の懸濁液であり、生存率の高い細胞を含み、ベッドサイドまたは手術室で迅速に調製され、シリンジまたは同様のアプリケータを介して患者に簡便に送達され得る。細片化された組織粒子は、創傷治癒、美容外科、および整形外科軟骨修復を含む外科的用途に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体培地中に存在する複数の機械的にスライスされた組織細片(TP)を含む組織組成物であって、細片化直後の細胞生存率または組織または皮膚細胞が少なくとも約50%である組織組成物。
【請求項2】
前記組織細片が、自然に相互接続された細胞および細胞外マトリックス材料からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組織または特にTPが組織成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記TP内の組織または皮膚細胞の少なくとも75%が処理直後に生存可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
TP内の組織または皮膚細胞の少なくとも約90%が処理後に生存可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記TPが水溶液中で懸濁されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記TPが、全層植皮(FTSG)、分割植皮(SSG)、軟骨移植片(CG)および他の器官移植組織からなる群から選択されて採取された採取組織から形成された組織粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記TPまたはFTSGPが、それらの最大寸法にわたって測定された、約150μから1500μ(0.25mmから1.50mm)の平均サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
FTSGPが、それらの最大寸法にわたって測定された、約350μから1250μ(0.35mmから1.25mm)の平均サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記FTSGPが、それらの最大寸法にわたって測定された、は約250μから約1000μ、望ましくは約400μから約750μの平均サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
組織細片のそれらの最大寸法にわたって測定された前記達成された公称平均サイズが、特定の外科的移植目的のために望まれるように、機械的処理の持続時間および/または速度によって制御可能に変化され得る、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
前記FTSGPが、前記FTSGを液体培地中で粒子に非外傷的にスライスすることによって形成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記液体培地が生物学的親水性溶液である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記液体培地が親油性培地である、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記液体が、溶液、乳濁液、懸濁液、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記細胞外マトリックス材料が前記真皮細胞外マトリックスのすべての前記成分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項18】
器官組織を処理するための装置であって、
a)流体を収容し、前記器官組織を受け入れるための容器と、
b)前記容器内に並置して支持された一対の切断装置であって、前記切断装置の少なくとも1つは、それらの間の器官組織を切断するために他の前記切断装置に対して移動可能である、一対の切断装置と、
c)前記並置された切断装置を介して前記流体および器官組織の反復流を引き起こす攪拌装置であって、前記攪拌装置が、前記可動切断装置の少なくとも1つと協調して移動し、前記器官組織を繰り返し切断するために前記流体および器官組織を前記並置された切断装置を介して繰り返し移動させることができる、攪拌装置と、を含む、装置。
【請求項19】
前記可動切断装置のうちの少なくとも1つが前記他の切断装置に隣接している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記可動切断装置が、それと共に移動するために前記攪拌装置に取り付けられるか、または前記攪拌装置と統合される、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記並置された切断装置のうちの少なくとも1つが固定されている、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記並置された切断装置の各々が、複数の離間した切断ブレードを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記攪拌装置が、前記並置された切断装置を介して前記流体および器官組織の循環流を引き起こす、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記攪拌装置が、前記並置された切断ブレードの間の空間を通して前記流体および前記器官組織の渦運動を繰り返し生成する、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記攪拌装置が、前記並置された切断ブレードを介して前記流体および前記器官組織の循環流を繰り返し引き起こすためのインペラを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記攪拌装置および前記可動ブレードが、軸線を中心に回転方向に移動可能である、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記インペラが、前記液体および前記器官組織の連続的な循環運動を引き起こすための前記軸線に沿った曲面を有する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記切断装置のうちの少なくとも1つが、間に角度空間を有する放射状に配列された複数の前記ブレードを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記切断装置の他方が、間に角度空間を有する放射状に配列された複数の前記ブレードを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記可動切断装置の前記ブレードエッジ間の前記角度空間が、前記並置された切断装置の前記ブレードの前記角度空間とは異なる、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記容器が、前記流体および前記器官組織を受け入れるための開口部を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項33】
前記切断装置が共通の剪断面に沿って物理的に接触している、請求項18に記載の装置。
【請求項34】
前記容器が、前記流体および前記切断された器官組織を排出するための出口を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項35】
前記排出された流体および前記切断された器官組織を受け取るために、前記出口と流体連通する分配装置をさらに含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記分配装置がシリンジである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
処理された器官組織を粒子形態に形成するための方法であって、
並置された一対の切断装置を支持する容器を提供するステップと、
流体および器官組織を前記容器に入れるステップと、
前記器官組織を切断するために、前記切断装置の少なくとも1つを移動させるステップと、
前記器官組織を徐々により小さな粒子に繰り返し切断するために、前記流体および前記器官組織を前記切断装置を介して連続的に移動させるための攪拌装置を提供するステップと、を含む方法。
【請求項38】
前記流体を移動させるための前記攪拌装置がインペラである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
他の前記並置された切断装置を固定位置に維持するステップをさらに含む、
請求項37に記載の方法。
【請求項40】
共に移動するために、前記可動切断装置を前記インペラに取り付けるか、または前記インペラと統合するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記インペラおよび前記切断装置の前記移動が回転運動である、請求項40に記載の方法。
【請求項39】
前記容器が出口を含み、
前記流体および前記切断された器官組織を前記出口を通して排出するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記出口と流体連通する分配装置を提供するステップと、
前記流体および前記切断された器官組織を前記分配装置に排出するステップと、
をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
複数の全層植皮粒子(FTSGP)であって、
並置された一対の切断装置を支持する容器を提供するステップと、
流体およびFTSG組織を前記容器に入れるステップと、
前記FTSG組織を切断するために、前記切断装置の少なくとも1つを移動させるステップと、
前記器官組織を漸進的により小さいFTSGPに繰り返し切断するために前記流体および前記器官組織を前記切断装置を介して連続的に移動させるための攪拌装置を提供するステップと、を含むプロセスによって作製された、複数の全層植皮粒子(FTSGP)。
【請求項44】
水性懸濁液中の請求項43に記載の生成物。
【請求項45】
前記複数のTPの大部分が、処理中および処理直後に生存可能である、請求項43に記載の生成物。
【請求項46】
前記FTSGPが、それらの最大寸法にわたって測定された、約500μから約1000μの平均サイズを有する、請求項43に記載の生成物。
【請求項47】
前記FTSGPが、流体培地中で非外傷的にスライスすることによって形成される、請求項46に記載の生成物。
【請求項48】
前記液体培地が親水性培地である、請求項47に記載の生成物。
【請求項49】
前記液体培地が親油性培地である、請求項45に記載の生成物。
【請求項50】
前記可動切断装置がブレードエッジを含む、請求項33に記載の装置。
【請求項51】
前記可動切断装置の前記ブレードエッジが二重斜角エッジである、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記可動切断装置の前記ブレードエッジが、共通の剪断面で前記他の切断装置と実質的に同一平面上にあるように設計された平面範囲を有する、請求項50に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月6日に出願された米国仮特許出願第62/843,724号、2019年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/844,232号、および2019年9月26日に出願された米国特許出願第16/584,755号の優先権を主張し、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、液体培地中で非外傷的に細かく細片化された組織粒子(TP)を調製するためのプロセス、方法、装置、およびシステムに関する。組織粒子(TP)という用語は、全層植皮(FTSG)、分割植皮(SSG)、軟骨移植片(CG)、またはその他の器官移植組織から採取された組織を含むことを意味し、次に、これらは、本明細書に記載のプロセスに供されて、細片化のプロセス中にそれらの生存能力を保持する小さな細片化された組織粒子を生成する。このプロセスの結果として生じる生成物は、全層植皮または軟骨移植片粒子などの、非常に生存可能な相互接続組織細胞および細胞外マトリックス材料を含む、水性懸濁液中のTPの懸濁液であり得、これは、ベッドサイドの密閉無菌システムで、診察室処置として、または手術室で迅速に準備され、シリンジまたは他の制御可能な適用方法で身体の傷/怪我/欠陥を治療するために便利かつ均一に送達される。FTSG、CGサスペンションなどのTPは、形成外科、整形外科、または創傷治癒、美容外科、関節外科などの他の外科用途で適切に示すように使用され得る。細片化されたTPという用語は、本明細書に記載の目的のために、様々なサイズおよび形状を含む、本発明に従って処理された、細かく切断された、生存率の高い組織を指すことを意味する。皮膚の場合、細片化されたTPは望ましくはFTSGである。
【背景技術】
【0003】
移植片用途の組織を処理する際に克服しなければならない多くの課題がある。皮膚の傷の治療のために、最も効果的な移植は全層植皮である。全層植皮には表皮と真皮全体が含まれるため、移植された皮膚のほとんどの特徴をそのプロセスで維持することができる。ただし、FTSGを移植する場合は、真皮層全体を除去する必要があるため、結果として得られる植皮ドナー部位は再生をサポートせず、縫合して閉じる必要がある。したがって、現在の方法では小さなFTSGしか使用できない。それでも、FTSGの結果は、皮膚の通常の特性(特にテクスチャ、色、厚さ)をより多く維持し、治癒時に収縮する可能性が低い移植片である。これにより、FTSGはより審美的に移植片に適した選択肢になる。
【0004】
あるいは、より大きな創傷領域を治療するために、医師は分層植皮(STSG)を使用する。これは、結果として生じるドナー部位が適切な創傷被覆材で時間の経過と共に自然に治癒できるためである。STSGは、表皮と真皮の可変部分のみを含み、縫合糸で傷つけられたドナー部位を閉じる必要なしに、ドナー部位が再上皮化によって治癒するのに十分な真皮を残す。しかし、これらのドナー部位は痛みを伴い、治癒が遅く、採取されたSTSG移植片は、大きな創傷領域をカバーするのに十分な大きさではないことがよくある。次に、STSGをメッシュ化して、組織のより小さなセクションを拡張して、より大きな領域を効果的にカバーできるようにする。メッシュの外観、様々な色素沈着、薄さの組み合わせにより、STSGはFTSGよりも見た目に魅力的ではない。ほとんどのSTSG処置は、手術室の設定で実行する必要がある。
【0005】
大きな創傷を効果的に治療し、ドナー部位の治癒を改善し、また、外来診療としての処置を実行できるようにするための様々な技術およびシステムが、外科用途の様々なタイプのために開発されてきた。
【0006】
いくつかの技術は、分割または全層真皮を含めるのではなく、表皮のみを採取することに焦点を合わせている。移植技術として表皮、皮膚の最上部の最外層のみを使用することは、その用途があるが、治癒の改善に望ましい真皮の構造成分または細胞を含まないため、移植効果が最も制限される。
【0007】
表皮組織を採取するためのそのような商業的に知られている装置の1つは、Acelity社のKCIによって販売されているCellutome表皮採取システムである。このシステムは、真空を使用してドナー部位に一連の表皮マイクロドームを作成する。これらのドームは、ブレードを使用して手で切断され、粘着パッドを使用して患者に転送される。この技術は、手術室の外で実行することができ、小さな領域に表在性の傷を移植するのにのみ適している、42個の小さな表皮皮膚パッチのみを提供する。これらの表皮移植片は真皮の構造成分または細胞を含まないため、これらの移植片は表在性創傷に最もよく機能し、STSGのドナー部位よりも速いが、治癒を必要とする小さな表在性ドナー部位をもたらす。
【0008】
分割厚皮膚移植技術の最近の変形例は、Acell社によって販売されているXpansion Micro Auto Grafting Kitである。この装置は、創傷への移植を目的として、採取、機械的調製、および分層皮膚自家移植片の適用に使用するように設計された使い捨て器具で構成されている。商業環境では、この技術は、ハンドダーマトームタイプの装置を使用して小さな分割厚の植皮を手動で採取し、一連の平行なカッティングディスクブレードを使用して手で移植片をさらに細かく切り刻み、次に細かく刻んだ断片をへらを使用してより広い創傷領域に広げることを含む。このプロセスは依然として治癒を必要とするドナー部位をもたらし、また、積み重ねられた平行ローラブレードの間から細かく刻まれた組織を取り除く必要性、および取り扱いおよび移送または移植片の小片を伴う課題を提示する。
【0009】
全層植皮技術の最近の変形例は、全層植皮を処理する採取装置として、米国特許出願公開第2016/0310159号および米国特許出願公開第2016/0310157号に記載されている。この装置は、隣接する中空針先チューブの列またはアレイを利用し、超音波を利用して、ドナー部位から全層皮膚サンプルの管状マイクロカラムをコアリングおよびキャプチャする。組織アレイの管状カラムは、創傷部位(移植部位)に散在することを目的としている。この技法では、多数の採取組織マイクロカラムが必要であるが、装置は、使用するたびに達成できるカラムの数が限られているために制限される。また、CellutomeまたはXpansion装置と同様に、この装置は治癒が必要な補助ドナー部位を作成し、結果として生じる組織形態は不規則な創傷部位に均一に広がるのが難しく、広い領域の移植には適していない。
【0010】
これまで、全層植皮、分層植皮、軟骨移植などの外科的用途での移植にいくつかの移植片を効果的に使用する手段は、不十分に解決されたままであった。公知の従来技術の方法および装置によって効果的な方法で植皮または軟骨移植片などの組織を最良に処理する方法の未解決の問題には、とりわけ、以下が含まれる。1)大きすぎる補助創傷を作成せずに大きな全層植皮を採取できないため、植皮のゴールドスタンダードであるFTSGを、縫合で閉じることができる非常に小さな移植片に制限してしまうこと、2)痛みを伴い、STSGによる治癒が遅いドナー部位が形成されること、3)迅速に処理し、閉鎖無菌システムで操作し、不規則な表面を有する創傷に均一に適用することが容易である、細胞生存率の高い植皮または軟骨移植片から移植組織形態を達成することができないこと、4)より広い領域をカバーするように拡張したり、慢性または汚染された創傷を治療するために処理したりできる、時間と費用効果の高い方法で全層植皮を処理することができないこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0310159号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0310157号明細書
【発明の概要】
【0012】
本開示は、生体組織処理の前述の問題の多くに対処する。装置と処理方法は、組織を処理するように特別に設計されており、傷に簡単に分配できる非常に高い細胞生存率を備えた水性懸濁液中で、外傷性なく粒子状に採取される。すべての皮膚細胞タイプと皮膚細胞外マトリックスを含む全層皮膚を使用して、移植片を補助部位から採取することができ、処置中にドナー部位を完全に縫合して閉じ、次に組織を処理して、生存率の高い自家皮膚細胞を含む移植片で元の皮膚領域よりもはるかに広い領域を覆うことができる。閉鎖系装置と水性環境は、皮膚または軟骨移植片の組織細胞の生存能力を損なうことなく、利便性、移動の容易さ、および無菌性、温度、およびpHの制御を可能にする。得られる移植片形態は、液体またはペースト形態であり、必要に応じて正確かつ均一に分配することができる。症例または軟骨の場合、移植片は、関節運動していない領域から採取して処理し、軟骨欠損に移植することができる。
【0013】
皮膚のすべての組織成分を含む、完全な厚さの皮膚の例では、生存可能な真皮および皮下細胞と間質組織成分の混合物である、結果として生じる容易に細片化された組織形態の豊富さは、他の現在利用可能な装置と実践された方法の能力を超えている。
【0014】
したがって、本発明の一態様では、液体培地中に存在する複数の機械的に分離された全層植皮粒子(FTSGP)を含む全層植皮(FTSG)組成物が提供される。組成物は、全層皮膚細胞および細胞外マトリックス材料を含むFTSGPを含む。FTSGP内の複数の皮膚細胞の大部分は、望ましくは、処理後に生存可能であり、FTSGP内の皮膚細胞の少なくとも約50%は処理後に生存可能である。
【0015】
FTSGPは、特定の外科的インプラント用途と比較して、最大寸法で測定した平均サイズが約200μから1500μ(0.020mmから1.50mm)、望ましくは約350μから1250μ(0.35mmから1.25mm)、さらに望ましくは約500μから約1000μ、さらにはより望ましくは、約500から約750μまたは250μから750μである。組織細片の公称平均サイズは、特定の外科的移植の目的のために望まれるように、機械的処理の持続時間および/または速度によって制御可能に変化され得る。全体的なプロセスは、採取時から自家移植時までの組織移植片材料の細胞生存率を最適に最大化するために適切に完了することができる。細片化のプロセスは、処理される組織のタイプおよび特定の外科的用途に望まれる公称組織粒子サイズと比較して、例えば、3分から10分以内に効果的に完了することができる。
【0016】
TP、または皮膚の場合、FTSGPは、本明細書でさらに説明される装置を使用して、液体培地中の粒子へとFTSGを非外傷的にスライスすることによって形成され得る。望ましくは、液体培地は親水性媒体であってもよいが、親油性媒体であってもよい。FTSGPは液体培地中に懸濁していてもよい。液体培地自体は、溶液、乳濁液、懸濁液、およびそれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0017】
本発明は、処理された組織のすべての細胞型および細胞外マトリックス成分を含む組織を処理するであろう。全層皮膚の場合、これにはすべての表皮細胞と真皮細胞、および皮膚付属器細胞と細胞外マトリックスが含まれる。
【0018】
本発明の別の態様では、
a)流体を収容し、前記組織を受け入れるための容器と、
b)容器内に並置して支持された一対の切断装置であって、切断装置の少なくとも1つは、それらの間の組織をスライスするために他の切断装置に対して移動可能である、一対の切断装置と、
c)並置された切断装置を通して流体および流体懸垂組織の繰り返しの流れを引き起こす攪拌装置であって、少なくとも1つの可動切断装置と協調して移動し、並置された切断装置を通して流体および組織を繰り返し移動させることができる攪拌装置と、を含む器官組織を処理するための装置が含まれる。
【0019】
少なくとも1つの可動切断装置は、他の切断装置に隣接していてもよい。可動切断装置は、移動のために攪拌装置に取り付けられるか、またはそれと統合されてもよい。並置された切断装置の1つは、固定されてもよい。
【0020】
攪拌装置は、並置された切断装置を通して流体および組織の循環流を引き起こす。望ましくは、攪拌装置は、並置された切断ブレードの間の空間を通して、流体および組織の渦推進運動を繰り返し作り出す。攪拌装置は、様々な形態をとることができ、望ましくは、攪拌装置は、並置された切断ブレードを通して流体および組織の循環流を繰り返し引き起こすためのインペラを含むか、またはインペラである。また、攪拌装置および可動ブレードは、軸線を中心に回転方向に移動可能であることが望ましい。
【0021】
図および説明から分かるように、インペラは、望ましくは、液体および組織の連続的な循環運動を引き起こすために、前記軸線に沿って曲面を有する。さらに、前記切断装置の少なくとも1つは、間に角度空間を有する放射状に配列されたブレードを含み、望ましくは、他の切断装置は、間に湾曲した角度空間を放射状に配列された複数の前記ブレードを含む。可動切断装置のブレードエッジ間の角度空間は、並置された切断装置のブレードの角度空間とは異なってもよい。切断装置は、共通の剪断面に沿って物理的に接触していてもよい。
【0022】
説明したように、容器は、流体および組織を受け入れるための開口部を含み、流体および処理された組織を排出するための出口を含んでもよい。システムはまた、排出された流体および処理された組織を受け取るために、出口と流体連通している分配装置を含んでもよい。分配器は、シリンジを含む様々な装置から選択することができ、これは、細片化した組織粒子または特にFTSGPを含む流体組成物を創傷領域に分配する正確かつ容易な方法であるため、特に有用である。
【0023】
上記のように、本開示は、処理された組織を粒子形態に形成するための方法をさらに含み、本方法は、
並置された一対の切断装置を支持する容器を提供するステップと、
流体および器官組織を前記容器に入れるステップと、
前記器官組織を切断するために、前記切断装置の少なくとも1つを移動させるステップと、
組織を徐々により小さな粒子に繰り返しスライスまたは切断するために、流体および組織を切断装置を介して連続的に移動させるための攪拌装置を提供するステップと、を含む。
【0024】
本方法は、出口と流体連通する分配装置を提供するステップと、流体および組織を分配装置に排出するステップと、をさらに含んでもよい。
【0025】
本開示の別の態様では、複数の全層植皮粒子(FTSGP)が含まれ、望ましくは、
並置された一対の切断装置を支持する容器を提供するステップと、
流体および組織を容器に入れるステップと、
組織またはある場合にはFTSG組織を切断するために少なくとも1つの切断装置を移動させるステップと、
組織を徐々により小さな粒子に繰り返し切断するために、前記流体および前記器官組織を切断装置を介して連続的に移動させるための攪拌装置を提供するステップと、を含むプロセスによって作製された水性懸濁液中に含まれる。
【0026】
前述のように、複数の組織粒子(TP)または1つの場合には全層植皮粒子(FTSGP)を含むこのような生成物では、粒子は水性懸濁液で処理および分配されることが望ましく、複数のFTSGPの大部分は、処理後に生存可能であり、望ましくは少なくとも50%以上である。この高い生存率は、本発明の装置による非外傷性スライスの使用、生理食塩水またはPhを緩衝し、乾燥を防ぐことができる他の等張適合性媒体などの液体の生物学的に友好的な媒体の使用を含む多くの要因による。前述のように、液体培地の選択は、親水性、親油性のいずれかであり得るか、または乳濁液などの両方の側面を有することができる。このプロセスはまた、過度の熱を発生せず、細胞が悪影響を受けるように温度を制御することができる。様々なサイズの細片化が企図されているが、いくつかの実施形態では、TPまたはFTSGPは、それらの最大寸法にわたって測定された平均サイズが約150μから約1000μである。
【0027】
粒子サイズが小さいほど、シリンジなどの装置を介した分配が容易になり、シリンジは、開業医にとってなじみがあり、創傷部位での沈着を制御するために簡単に操作できる。例えば、公称400μ未満の粒子は、18ゲージの針を介して送達する場合や、公称200μ未満の粒子を22ゲージの針を介して送達する場合に役立つ。
【0028】
針注射による皮下移植の場合、注射前に表皮を除去する。これはいくつかの方法で行うことができ、日常的な外科的処置である。表皮を除去すると、真皮要素のみが処理され、表皮のない真皮要素のみを真皮または真皮下の面に注入することができる。この全体的なプロセスは、他の組織または全層皮膚の処理と他の点では同じである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】組織移植片全層植皮(FTSG)を細片化するための処理装置を示す断面図である。
【
図2】組織移植片全層植皮(FTSG)を細片化するための処理装置を示す断面図である。
【
図3】組織移植片全層植皮(FTSG)を細片化するための処理装置を示す断面図である。
【
図4】組織移植片全層植皮(FTSG)を細片化するための処理装置を示す断面図である。
【
図5】
図1~
図4の処理装置の細片化機構を模式的に詳細に示す図である。
【
図6】
図1~
図4の処理装置の細片化機構を模式的に詳細に示す図である。
【
図7】
図1~
図4の処理装置の細片化機構を模式的に詳細に示す図である。
【
図8】
図1~
図4の処理装置の細片化機構を模式的に詳細に示す図である。
【
図9】本発明の細片化機構をさらに詳細に示す図である。
【
図10】本発明の細片化機構をさらに詳細に示す図である。
【
図11B】
図9および10の細片化機構の部分断面の側面図である。
【
図12A】ブレードエッジの様々な構成、および本発明の細片化機構の剪断面に対するブレードの関係を示す図である。
【
図12B】ブレードエッジの様々な構成、および本発明の細片化機構の剪断面に対するブレードの関係を示す図である。
【
図12C】ブレードエッジの様々な構成、および本発明の細片化機構の剪断面に対するブレードの関係を示す図である。
【
図12D】ブレードエッジの様々な構成、および本発明の細片化機構の剪断面に対するブレードの関係を示す図である。
【
図13A】本発明の細片化機構の切断ブレードの代替的な構成を示す図である。
【
図13B】本発明の細片化機構の切断ブレードの代替的な構成を示す図である。
【
図13C】本発明の細片化機構の切断ブレードの代替的な構成を示す図である。
【
図14】本発明の細片化機構を使用して作成された再循環流路の概略図である。
【
図15A】アプリケータの好ましい実施形態に取り付けられた
図1~
図4の処理装置の断面図である。
【
図16】分離装置およびアプリケータ装置のさらなる実施形態に取り付けられた本発明の処理装置のさらなる実施形態の部分断面図である。
【
図17】分離装置およびアプリケータ装置のさらなる実施形態に取り付けられた本発明の処理装置のさらなる実施形態の部分断面図である。
【
図18】分離装置およびアプリケータ装置のさらなる実施形態に取り付けられた本発明の処理装置のさらなる実施形態の部分断面図である。
【
図19】アプリケータ装置として使用するように構成された取り外し可能な分離装置のさらなる実施形態と併せた処理装置を概略的に示す図である。
【
図20】組織をより適切に細片化するために単一の大きな渦を別個の小さな渦に変えるためのバッフルを含む、本発明の処理装置の軸線方向の断面図である。
【
図21】組織をより適切に細片化するために単一の大きな渦を別個の小さな渦に変えるためのバッフルを含む、本発明の処理装置の横方向の断面図である。
【
図22】処理装置容器から外部に再循環する本発明の処理装置を通る流れを示す断面図である。
【
図23】溶液から粒子を分離および圧縮するために遠心装置と併せて使用される本発明の処理装置を示す概略図である。
【
図24】本発明のシステム進行の概略フロー図である。
【
図25】本発明に従って処理され、本発明の装置、方法、およびシステムを使用して処理中および処理直後に87.7~98.1%の細胞生存率を示したFTSGPのサンプルを示す表を示す図である。
【
図26A】4分間の処理後に、バッフルなしで本明細書に記載されるように本発明のプロセッサから引き出された流体懸濁液中の細片化されたFTSGPの本発明のサンプルの写真を示す図である。
【
図26B】バッフルなしで合計7分間の処理後に描かれた、細片化されたFTSGPのその後の本発明のサンプルの写真を示す図である。
【
図27】合計7分間の処理後のバッフルのない本発明のプロセスおよび装置を使用した、細片化されたFTSGPの本発明のサンプルの写真を示す図である。
【
図28A】処理前のFTSGの一部の拡大図であり、一般的に白い真皮(真皮乳頭、幹細胞が豊富な毛包、汗腺、毛細血管、感覚神経線維、脂腺および他の皮膚成分を含む-すべてが豊富なコラーゲン線維および結合組織内に含まれる)のより厚い層の上の表皮組織の薄層(通常、色素性角質層、透明層、顆粒層、細胞が密集した有棘層、および基底層を含む)を明らかにする断面図である。
【
図28B】プロセッサチャンバ内に含まれる、35mlの緩衝液に懸濁された本発明の細片化されたFTSGP粒子の得られた高密度混合物を示す図である。
【
図28C】ペトリ皿に提示された、密集した本発明のFTSGP組織粒子溶液の拡大図である。
【
図28D】混合物が、前処理された組織の断面図を見て比例して変化する、異なる量の表皮(色素沈着)対真皮(一般により白い)を含むことを指摘するために注釈が付けられた、本発明の処理されたFTSGPの拡大図である。
【
図29A】
図28A~
図28Dと同じ装置および同じパラメータを使用して、異なる日に、異なる患者に由来する腹壁形成術で処理されたサンプルを示す図である。
【
図29B】
図28A~
図28Dと同じ装置および同じパラメータを使用して、異なる日に、異なる患者に由来する腹壁形成術で処理されたサンプルを示す図である。
【
図29C】
図28A~
図28Dと同じ装置および同じパラメータを使用して、異なる日に、異なる患者に由来する腹壁形成術で処理されたサンプルを示す図である。
【
図29D】
図28A~
図28Dと同じ装置および同じパラメータを使用して、異なる日に、異なる患者に由来する腹壁形成術で処理されたサンプルを示す図である。
【
図30A】本発明による、採取された軟骨部分を示す図である。
【
図30B】本発明による、細片化された軟骨を示す図である。
【
図31】処理装置、アプリケータ装置、および再利用可能な機器を含む、本発明に従って使用される装置技術を概略的に示す図である。
【
図32】本発明に従って採用された調製、処理および適用を順次示す図である。
【
図33】全層植皮および軟骨移植片に関する本発明を示す図である。
【
図34】導入、細片化および分配を含む、本発明で採用されるプロセスを示す図である。
【
図35】細胞および細胞外結合組織を含む全層植皮粒子を含む、本発明に従って生成された可変組織粒子サイズを示す図である。
【
図36】本発明に従って採用され得る分配オプションを示す図である。
【
図37】本発明の臨床的適応症の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本装置は、処理細胞の生存率と組織の取り扱いと移動の利便性を最適化する特徴を含んでいる。具体的には、水性処理により、処理の温度、pH、および塩分制御が可能になり、これは、理想的には組織、等張性要因に応じて変化する。pHは生理的緩衝液で制御され得る。可変ブレード速度は、渦の形成によって引き起こされる潜在的な圧外傷の制御を可能にし、渦の形成は、切断装置を通して水性媒体に懸濁された組織を繰り返し移動させる。
【0031】
超鋭利な切断ブレードの選択は、細片化された組織が生存し続けることを保証する上で重要な要素の1つである。処理中の媒体の温度を制御する能力、ならびに時間と共に、pH制御された水性媒体の使用もまた、本発明の非常に高度な生存率で細片化を達成する上で重要な要因である。
【0032】
大量生産された使い捨てのかみそりのブレードとミクロトームのブレードは、世界で最も鋭い鋼のブレードの1つである。かみそりタイプのブレードは、通常、クロムの組成が12~14.5%、炭素含有量が約0.6%のマルテンサイト系ステンレス鋼である。このようなブレードを製造するための大量の線形プロセスは、制御された厚さのロール成形ストリップから始まり、連続製造プロセスを通じてリボンとして実行される。直線的な製造プロセスにより、例えば、両側の複数の明確に階段状の面取り/ファセットされた切断ブレードエッジを研削することを含む、複数のシーケンスされた自動化プロセスの非常に厳密で再現性のある制御が可能になり、かみそりのブレードの場合は30nm、ミクロトームのブレードの場合は3nmという薄い切断エッジを有しており、エッジを個別の真空チャンバで強化した硬化コーティング(例えば、チタン+人工ダイヤモンドでエッジを硬化)を適用し、続いて、例えば、より滑りやすいエッジ用の低摩擦ポリマーフィルムを使用する。個々のブレードは、繰り返し可能な方法でインラインで段階的にダイスタンプされる。
【0033】
ブレードの鋭さは、細胞の咀嚼を最小限に抑えるために絶対に必要である。生細胞の塊を通過し、それらの間を通過し、間質腔を通過する超鋭利なブレードの使用は、最小量の剪断力および細胞の破砕で、切断線に沿った違反細胞の狭いマージンを最も確実にする。鋭角で通過する2つのブレードエッジ間の組織のスライスは、各カット全体で組織の安定化を可能にし、全層皮膚組織の細片化された粒子への制御された非外傷性スライスを実現する。
【0034】
自動化されたプロセスによって達成可能な超鋭利なブレードの使用は、再現性を保証し、細片化プロセスを促進し、自家全層皮膚を数分以内に新しい細片化された移植可能な組織粒子に迅速に変換できるようにする。
【0035】
細胞の生存率を維持するためのベストプラクティスは、採取した組織を湿らせたまま、取り扱い中はpH制御溶液(生理食塩水、緩衝液、BioLifeSolution(商標)、またはその他の細胞育成/保存溶液など)に懸濁することである。
【0036】
装置の詳細な説明
無菌流体で支持された全層植皮(FTSG)を細片化するための1つの好ましい実施形態は、一般に
図1~
図4に示されている。
【0037】
処理装置10は、カバー16によって適切に囲まれ得る開放された上端部14を有する液密容器12を含む。カバー16は、流体への組織の挿入を可能にする入口開口部18を有する。好ましい実施形態では、容器は、概して円筒形であり、開いた上端部14の反対側にある閉じた湾曲した底部20を有し、その中に出口開口部17を有する。カバー16および容器12は様々な材料で作ることができるが、好ましい実施形態では、カバーおよび容器は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PA)、アクリロニトリルブタジエン(ABS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリウレタン(PU)などの適切なプラスチックで形成される。これらのポリマーの組み合わせまたはコポリマーを使用することができる。ガラス、セラミックまたは金属の容器も使用できる。容器12は、内部で処理されている流体および組織の処理および品質を視覚化するために透明であってもよい。
【0038】
手動で開閉することができる追加の取り外し可能または隣接する保護カバーを含めて、処理中にカバーの開口部を閉じて、流体および細胞内容物の封じ込めを最も確実にすることができる。
【0039】
容器および細片化機構、分離装置およびアプリケータを含む、全体的な処理装置を構成するすべての構成要素が、単一の患者の使用および使い捨てのために、包装され、バルク滅菌されることも企図される。包装された装置は、ガンマ線または電子ビームまたはエチレンオキシド(EtO)で照射することができる。あるいは、処理装置は、滅菌可能であり、再利用可能であってもよい。
【0040】
底部20から延在する、容器12は、開口部17を介して容器12の内部13と流体連通する、概して細長い管状導管22を含む。導管は、その下端部の容器マウント24で終端する。導管22と外向きに流体連通して延在するのは、
図1に示す好ましい実施形態では導管22に対して直角に延在する出口26である。導管22、容器マウント24および出口26の目的の説明は、以下でさらに詳細に説明される。
【0041】
カバー16は、中心軸線Aに沿って移動するために、容器12の開いた上端部14で移動可能に支持される。容器12の上端部14は、例えば、隣接するスカート16bカバー16のスロット16aに着座する外向きのキー12aを含む。キー12aは、スロット160内の軸線Aに沿って移動可能であり、軸線Aの周りのカバー16の回転を制限しながら、容器12に対するカバー16の移動を可能にする。
【0042】
カバー16はさらに、キャップ31で覆われた上部カップ形状の空洞30を有する、内向きに形成された下向きに延在するほぼ管状のステム28を含む。ステム28は、ねじ付き下端部34および拡大ヘッド38で終端する上端部36を有する取り付けロッド32を収容する。ヘッド38は、例えば、空洞30の下端部と拡大されたヘッド38との間に拘束された1つまたは複数のベルビル、ドーム、単一または複数の波型ワッシャによって支持されたばね39によって支持された空洞30内に拘束されている。ばねまたは複数のばね39は、従来のタイプのワッシャ39bの間にさらに拘束的に挟まれてもよく、ロッド32のねじ付き下端部34は、軸線Aの周りでインペラ108にねじ込まれる。ロッド32のねじ付き端部34に隣接する肩部32bは、インペラ108に対して支持される。
【0043】
円盤状の固定切断部材102は、軸線Aに対して垂直な平面上のステム28の終端に支持されている。固定切断部材102は、例えば、嵌合ピン28aまたはステム28と固定切断部材102との間で係合する他のキー付き特徴部によって軸線Aの周りを回転することから拘束される。
【0044】
ここで、
図1~
図4および
図9~
図10によって最もよく示されるように、サブアセンブリされたロッド32、ヘッド38、インペラ108、およびブレード112が一緒に捕捉され、ステム28に対して軸線Aの周りを回転するように構成される。ヘッド38と空洞30の下端部との間の1つまたは複数のばね39は、ヘッド38を持ち上げ、それによってステム28およびインペラ108をステム38を通して持ち上げて、固定切断部材102に対して圧縮状態で回転ブレードエッジ112aを連続的に拘束するように作用する。
【0045】
特に
図5~11Bを参照すると、関連する回転ブレード112を備えた回転インペラ108のサブアセンブリは、ヘッド38および下端部34を備えたロッド32およびステム28を通るばね39によって、軸線Aの周りで固定切断部材102に対して圧縮的に保持され、まとめて細片化機構と呼ばれる。
【0046】
以下でさらに詳細に説明するように、駆動シャフト42は、駆動シャフト42の下端部にある駆動係合部46を介して、
図1に概略的に示されている動作可能なプロセッサ44に取り付けられている。プロセッサ44は、駆動シャフト42の回転を引き起こし、それによって、組織、または具体的には容器12内のFTSGの細片化を引き起こす細片化機構40内の固定ブレードエッジ122に対する回転ブレード112の回転を引き起こす。適切な回転シャフト封止47および41は、駆動係合部46と駆動シャフト42との間に流体封止を提供する。
【0047】
プロセッサ44は、好ましくは、各使用後に無菌的に洗浄されやすいように構成された再利用可能な装置である。プロセッサ44はまた、ユーザが無菌領域で外科用装置をインターフェースするための標準的な方法を使用して処理装置を取り付け、使用し、および取り外すことを可能にするような方法で、機械的係合で処理装置10を交換可能に受け取るように構成される。プロセッサ44はまた、結合された処理装置によって覆われていない表面を分離するために滅菌ドレープを受け取るように構成され得る。プロセッサはまた、手術室の設定で容易に利用可能である、完全に滅菌可能である、および/または圧縮空気によって動力を供給される装置であってもよい。
【0048】
図2に示され、以下でより詳細に説明するように、インペラ108の回転は、流体および含まれる組織または特にFTSGの連続循環流(CF)を容器12の内部の周りに、そして細片化機構40を介して提供し、FTSGを継続的に小さな粒子に切断する。細片化機構40は、細片化の間中、容器12の内部内にFTSGおよび流体を維持するために、容器12の開放底部20の出口開口部17上に液密関係で着座している。適切な封止19は、細片化機構40と出口開口部17との間に流体封止を提供する。
【0049】
図3および
図4に示すように、駆動シャフト42は、細片化機構40を容器12の開放底部20の開口部17から外すように持ち上げることができる。軸線Aに沿った駆動シャフト42の上方への動きは、キー12aがスロット16a内に乗っている状態で、容器12に対してカバー16の上方への動きを引き起こす。これは、細片化機構40を容器12の底部20上のその密封位置から持ち上げ、それにより、流体の流れのためにアクセス可能な出口開口部17を提供する。
【0050】
細片化機構
細片化機構40の動作構成要素は、
図5~
図8をさらに参照してさらに詳細に示されている。
【0051】
細片化機構40は、軸線Aに沿って互いに軸線方向に位置合わせされたベース構成要素100および固定切断部材102を含む。ベース構成要素100は、回転を提供するために従属マウント104で駆動シャフト42に取り付けられる。マウント104の上には、一般に横方向である平らな円形プレート106がある。プレート106はまた、
図1~
図4に示すように、容器12の底部20の開口部17における着座面としても機能する。
【0052】
ベース構成要素100の上端部は、軸線Aの正反対の側でプレート106から上向きに延在する2つ以上のインペラベーン110を有するインペラ108として機能する。インペラベーン110は、以下でさらに詳細に説明する目的のために、それぞれ軸線Aに沿って補完的に湾曲している。各インペラベーン110は、上端部で切断ブレード112を対面関係で支持する。また、以下でさらに詳細に説明するように、インペラベーン110の上端部にある切断ブレード112は、固定切断部材102と並置して支持されている。ブレード112は、固定切断部材102に対してベース構成要素100と共に回転する。
【0053】
図5~
図8に示す好ましい実施形態では、固定切断部材102は、概して円盤状の本体102aを有する。本体102aは、円周方向に配置された間隔を置いて配置されたブレード表面120を画定する。各ブレード表面120は、頂点122aで収束する一対の収束ブレードエッジ122を含む。各ブレード表面の間に、ブリーチ124が画定されている。ブリーチ124は、FTSGおよび他のTPなどのTPの通過を可能にするブレード表面と、ベース構成要素100が回転するときに本体102aを通る流体との間のオープンスペースである。
【0054】
図7および
図8に示す一実施形態では、固定ブレードエッジ122は、円盤状の本体102aの外縁を形成する円の弧と収束する長手方向に半径方向に延在する部材123によって画定される。
【0055】
図5および
図6に示すより好ましい実施形態では、ブレード表面120は、収束ブレード表面120の頂点122aが先細りの曲面で固定切断部材102の円周近くに収束する涙滴形状に形成される。この形状は、組織、特に通過したTPの完全な細片化を促進するのに役立つことが分かっている。
【0056】
インペラ108に対する固定切断部材102の配置は、
図9~
図12に概略的に示されている。固定切断部材102の下側エッジとインペラ108の上端部との間に小さなクリアランススペース(S)が設けられ、その結果、延在する回転切断ブレード112は、固定切断部材102の円盤状本体102aの下側エッジに対して並置されて支持される。これにより、組織が剪断されて細片化される剪断面(SP)が形成される。
【0057】
固定切断部材102は、好ましくはステンレス鋼であり、精密に研磨された鋭いバリのない固定ブレードエッジ122でCNC機械加工されている。底部剪断面(SP)の表面は平らで、できれば0.08μm以上の仕上げである必要がある。ステンレス鋼材料は、一般に、耐食性および硬化グレード、例えば、焼きなまし状態で機械加工され、硬化表面および耐久性のある持続可能な切断エッジを達成するために55~60RCに真空熱処理された440Cステンレス鋼であってもよい。固定切断部材102は、代替的に、他の非腐食性材料のものであってもよく、または代替的な硬度のものであってもよく、他の精密プロセスによって作製されてもよい。圧縮係合している固定切断部材102と並置された回転切断ブレード112は、対向する表面が剪断面(SP)に沿って互いに摺動する際に摩耗やかじりの状態を最適に回避するために、例えば、プラスチックまたはセラミックなどの異なる材料、異なる硬度、または代替の処理や適用された表面仕上げを有してもよい。さらに、固定切断部材102のブレードエッジ122および/または回転切断ブレード112のブレードエッジ112aは、鋭利になるように、または続いて鋭利になるように形成され得る。
【0058】
回転切断ブレード112は、固定切断部材102の円盤状の本体102aの下側エッジに対して切断ブレード112のエッジをバイアスするエラストマーパッド130などのばねによって支持されたインペラ108の上端部に取り付けられ得る。切断ブレードエッジ112aを固定切断部材102に対して物理的に接触させて維持することにより、組織の引き裂きおよび細断が最小限に抑えられることが見出された。
【0059】
図5および
図6を参照すると、固定切断部材102は、軸線Aの周りに放射状に配列された2つ以上のブリーチ124、好ましくは3つに示すように、それぞれが関連するブレードエッジ122を有することができる。回転ベース構成要素100は、同様に、好ましくは2つに示すように、軸線Aの周りに半径方向に配列された2つ以上の切断ブレード112を有することができる。しかしながら、回転ブレード112の量は、固定ブレード122の量と最もよく異なり、複数のブレードが同時に係合する場合に複合されるであろう累積切断力を最小化することによって切断効率を最大化する。
【0060】
回転切断ブレード112は、並置された固定ブレードエッジ122に対して鋭角な切断角度で配置され、その結果、回転ブレード112と並置された固定ブレード122との間に捕捉されたとき、組織はスライス作用で切断される。
【0061】
図12Aは、回転ブレード112の切断エッジ112aが、研磨された二重斜角エッジで製造され得ることを示している。二重斜角とは、ブレードの両側が斜角になっていることを指す。あるいは、
図12Bおよび
図12Cに示すように、切断エッジ112aは、TFSGの細片化をさらに最大化する二次遠位研磨された二重斜角エッジでより鋭くすることができる。ホーニングとは、より細かいグリット砥粒によって比較的少量の材料が表面から除去される、より正確な砥粒研削またはラッピングプロセスを指す。われわれの機能的原理実証システムで使用される切断ブレード112は、好ましくは、二次的に研磨された二重斜角エッジ、ならびに追加の微細に研磨された二重斜角エッジ、例えば3つの段階的な二重斜角エッジのセットを有するさらに鋭利なブレードを利用する。
【0062】
回転切断ブレード112は、固定切断部材102の下面に対して鋭角で最もよく配置され、その結果、回転ブレード切断エッジ112aの先端部は、ブレード面120の固定ブレードエッジ122に対して鋭角で通過する。
【0063】
前述のように、ばね39を使用して、回転ブレードエッジ112aに圧縮的に予荷重をかけ、回転中、固定ブレードエッジ122との接触を維持することができる。
図12Cは、回転ブレードの切断エッジ112aが、特に切断ブレード112が実質的に堅く、例えば約0.010インチの厚さであり得る場合に、剪断面(SP)に対する予荷重下で柔軟に一致することができることを示す。追加的または代替的に、
図9に示すように、切断ブレード112自体は、特に切断ブレード112が実質的に柔軟であり得、例えば約0.003から0.006インチの厚さであり得る場合、剪断面(SP)に対して予荷重下で柔軟に適合することができる。
【0064】
図12Dは、回転ブレード112のブレードエッジ112aが、平坦または平面範囲112bを有するように形成され得る一実施形態を示す。この平面範囲112bは、剪断面(SP)で固定切断部材102のブレードエッジ122と同一平面上または同一の広がりを有するように形成される。
【0065】
好ましい実施形態では、剪断面(SP)は、チャンバインペラおよびブレード回転アクセスに垂直である。剪断面(SP)はまた、軸線Aに対して他の方向をとることができる。一例が
図13Aに示され、ブッシング200、回転封止210、ステータ220、ロータ240、および切断チャンバ260を示している。ロータ240のブレード242は、中心軸線Aの周りの固定ブレードであるステータ220のブレード222に近接して通過する。
【0066】
また、この実施形態では、ロータブレード242は、一体的に形成されたインペラベーンとして構成された表面を有する。回転エッジは、一般に、先導するインペラベーンエッジと同一の広がりを有してもよい。回転ロータブレードと固定ステータブレードエッジは、正確なスライスを最もよく達成するために、物理的に密接に接触していることが望ましい。ブレードは、厳密に制御された最小剪断ギャップ、好ましくは30マイクロメートル未満のために機械的に研磨されてもよい。回転ブレードエッジを固定切断ブレードエッジの剪断面に対して鋭角に配置すると、衝突した組織の剪断切断が容易になる。回転ブレードエッジと反対側のブレードエッジの剪断面との間にばね支援の圧縮係合を維持することで、収束するブレードエッジ間で滑るのではなく、組織が正確にスライスされることが最も確実になる。
【0067】
剪断面で組織を切断するための他の技術および配置もまた、当業者の熟考の範囲内であり得る。
【0068】
組織の細片化
本発明のプロセス装置10の基本的な構成要素を説明したので、本明細書で定義される組織または具体的にはTPの細片化の1つの好ましい例を図に関して説明する。
【0069】
最初に、
図1~
図4を参照して、上記のように、そして流体媒体中で調製されたFTSGは、カバー16の入口開口部18を通して容器12に挿入され得る。充填ラインFは、容器12に配置され得る組織および流体の量に関するガイダンスを提供するように提供され得る。その後に、駆動係合部46に接続された回転機構が作動して、駆動シャフト42および細片化機構40を回転させる。
【0070】
図2を参照すると、そのような回転は、容器12内に渦を確立することによって、流体中の組織の循環流を引き起こす。この渦は、その中に含まれる組織を完全に細片化するように、細片化機構を通して組織を継続的に移動させることを提供する。循環流路および確立された渦は、インペラ108のインペラベーン110の構成によって作成される。
【0071】
図14に概略的に示すように、インペラベーン110は、インペラベーン110の上部または前部110aが流体および含まれる組織または具体的にはFTSGに軸線方向推力を与え、インペラベーン110の下部または末端部分110bが半径方向推力を提供する。インペラベーン110aおよび110bの構造は、容器12全体にわたってFTSGを継続的に移動させることを可能にする。インペラ108は、FTSGPが含まれる流体を、回転ブレード112と固定ブレード122との間を通過して、固定切断部材102のブリーチ124を通して駆動させ、次いで、トラフ状の底部20および容器12の側壁に対して偏向させて逆転させる。反対方向の流れで、外周容積(PV)を循環する。次に、流体の流れは渦に移行して、組織を混合し、中央容積(CV)を通して駆動し、細片化機構40を通って再び戻り、FTSGが継続的かつ繰り返し切断され、細片化される。
【0072】
当業者は、例えば、インペラベーンおよび/または内部容器形状および/または底部20の形態を代替的に構成して、容器12全体に細片化機構40を介して浮遊組織を有する流体の効果的な循環流を増強することができる。内部流れ特性は、例えば、ピッチを増減するか、さもなければインペラベーン110の形状を再形成することによって、または、半径方向推力110b用に構成されたベーンの一部のピッチに対して、軸線方向推力110a用に構成されたベーンの一部のピッチを増加または減少させることによって、または、軸線方向推力ベーン表面または半径方向推力ベーン表面のいずれかを排除することによって、強化することができる。
【0073】
図3および
図4を参照すると、FTSGおよび本明細書に記載の他の組織粒子などのTPが完全に細片化されると、駆動シャフト42を持ち上げて、インペラ108を容器内の着座位置から外すことができる。プレート106は、導管22および出口26との流体連通を確立する開口部17から外れている。細片化された組織は、以下に説明される方法で使用するために、出口26を通って重力駆動ドレインによって排出される。
【0074】
FTSGまたは他の組織移植片のTPへの細片化が完了すると、インペラ108の回転を停止することができ、水よりも大きい比重を有する本明細書で定義されるTPは、容器12の底部20に沈降する。当業者は、代替方法を使用して、処理装置10内の容器12の底部20から沈殿したTPを手動で引き出すことができることを認識するであろう。例えば、沈降したTPは、入口開口部18を通して容器12に挿入することができる細長いカニューレ先端部(図示せず)と組み合わせて、従来のシリンジに引き込むことができる。そのような方法で、プロセッサ10からTPを引き出すために使用されるのと同じシリンジを、次に、アプリケーション装置として使用することができる。入口開口部18を通してTPを手動で引き出すこの方法では、処理装置10は、ドレイン39または出口26を含む必要はない。
【0075】
細片化されたFTSGPの排出
ここで、細片化された組織粒子(TP)または例えば具体的にはFTSGPをアプリケータ300に放出することを、
図15A~
図15Eに関して説明することができる。
図15Aを参照すると、TPを収集および分配するために使用され得るアプリケータ300は、典型的には、制御された量を送達および計量するための周知の手段を提供するシリンジとして構成される。
【0076】
シリンジアプリケータ300はまた、TPから過剰な流体を分離するための装置として機能する。円筒形スクリーンフィルタ302は、アプリケータ本体303への挿入物として形成され、プランジャ304およびピストン306を受け入れるための内部アプリケータチャンバ308ルーメンを有する。周辺ドレインチャネル305は、細片化されたTP内の過剰な流体がフィルタ壁を自由に通過し、ドレインチャネル305を通過し、ドレイン出口310から出ることができるように、フィルタ302を取り囲むことができる。スクリーンフィルタは、
図15Aに示すように、アプリケータの360°またはその一部のみを包含して、窓307を通して内容物を見るのに十分な領域を残すことができる。フィルタ302は、例えば、TPを含みながら流体が通過することを可能にする50ミクロンの開口部を有する微細メッシュであってもよい。あるいは、フィルタ302は、利用されたフィルタ開口部よりも大きい湿潤粒子を選択的に含みながら、溶液でより小さな粒子を排出するように、例えば、レーザーカット、織りメッシュ、または特定のサイズのより大きな開口部を有する酸エッチングされた穴あきスクリーンから構成されてもよい。シリンジアプリケータ300はまた、TPから液体を分離し、TPを、例えば、取り付けられたシリンジに適用するための別個の装置または容器の上または中に分配するように構成することができる。
【0077】
図15Aはまた、処理装置10が、例えば、バヨネットマウント115を用いてプロセッサ44に取り付けられていることを示している。処理装置44は、コードレスであってもよく、含まれる充電式電池によって駆動される低電圧DCモータ114を含んでもよい。電池は、リモートACDC充電器に接続して再充電することが好ましい。低電圧DCモータは、リモート接続されたACDC電源を介して電力を供給することもできる。両方のそのような方法において、低電圧DC電力の使用は、水溶液の潜在的な存在下での処理装置10の安全な使用を可能にする。軸線方向に接続された駆動係合部46は、プロセッサ44のモータシャフトを中央シャフトアセンブリに接続する。TPの細片化時に、モータ114は、インペラの下の封止19を開くように自動的に減速または停止および上昇され得、細片化された組織混合物および溶液を、重力駆動ドレイン39を通して処理チャンバから出口26を通って排出させ、ポート320を介してアプリケータ300に入るようにする。
【0078】
アプリケータ300は、プランジャ304およびピストン306がその上昇位置にあり、キャップ318が所定の位置にあり、分配オリフィスを閉じる状態で示されている。TPおよび溶液がアプリケータ300に入ると、流体は、フィルタ壁302を自由に通過し、流れチャネル305を通ってアプリケータ300を出て、ドレイン出口310を通って流体廃棄物ドレイン容器317に入るので、流体がTPから排出される。その後に、プランジャ304は、ピストン306がポート320を閉じることを可能にするように、アプリケータチャンバ308内に十分に前進され得る。次に、アプリケータ300の入口ポート320を処理装置10の出口ポート26aから切り離すことにより、アプリケータ300を処理装置10から取り外すことができる。その後に、キャップ318をアプリケータ300から取り外し、選択されたアプリケータ先端部301を、以下でさらに詳細に説明する方法でTPを分配するために分配オリフィス309に取り付けることができる。
【0079】
図16に示す本発明のさらなる実施形態は、プロセッサ44に機械的に結合された処理装置10を含むことに関して、
図15Aと同様である。駆動係合部46は、同様に上昇して封止19を開き、出口26を通して容器12を排出することができるが、
図16(および以前の様々な
図1、
図2、
図3)に示すように、駆動シャフト42は、例えば、駆動シャフト42上に一体的に成形されたフィンを備えたロータポンプ118を含んでもよい。ロータポンプ118は、軸線Aを介してモータ114によって駆動され、分離装置415を介して溶液を循環させる。
【0080】
図16は、処理装置10から出口26および入口29の導管を通って流体を循環させる異なる分離装置415を紹介している。TPの細片化が完了すると、モータ114は、駆動係合部46および駆動シャフト42と共に自動的に上昇し、インペラ108の下のチャンバ封止19を開き、流体およびTPを容器12から放出する。
【0081】
モータ速度は、必要に応じて変更され、溶液およびTPを出口チャネル26およびダイバータバルブ417を介してポンプ輸送して、円筒形フィルタチューブ402ライニングを含む円筒形分離チャンバ416に入る。フィルタチューブ402は、例えば、特に所望のサイズのTPを捕捉するために適切なサイズの開口部を備えた、織メッシュ、穴あきフィルム、または酸エッチングされたスクリーンであってもよい。粒子は、流体がフィルタチューブを通過し、円周方向のドレインチャネル405を通過するときに分離チャンバ416内に捕捉され、入口導管29を通って分離装置415を出て、処理装置10の容器12に戻る。いくつかの短いパス内で、TPが容器12から実質的に洗い流されて分離装置415に移されるので、モータ114は自動的に停止する。
【0082】
次に、ダイバータバルブ417は、自動または手動で切り替えられ、例えば、時計回りに90°回転されて、分離チャンバ416からアプリケータ400への流体経路を開くことができる。入口導管29は、容器12の充填ライン(F)の下に配置され、含まれる流体のヘッド圧力が、TPを分離チャンバ416からダイバータバルブ417を通って、アプリケータアタッチメント411を通って、取り外し可能なアプリケータ400のアプリケータチャンバ408内に実質的にフラッシュすることを可能にする。
【0083】
その後に、ダイバータバルブ415が閉じられ、アプリケータ400がアプリケータアタッチメント411から切り離され、ピストンを備えたプランジャ(例えば、前の
図15Bに示されている)が、アプリケータ400の管腔に手動で挿入される。キャップ418が取り外され(例えば、ルアータイプの接続で)、選択されたアプリケータ先端部と交換される(例えば、
図15Bで紹介されるように)。このようにして、アプリケータ400は、以下でさらに詳細に説明される方法で、TPを所望の自家移植照準に分配する準備ができている。
【0084】
処理装置10、分離装置415およびアプリケータ400は、一体型の滅菌アセンブリとしてパッケージ化されてもよい。あるいは、アプリケータ400は、別個に滅菌包装されてもよい。
【0085】
ここで
図17に目を向けると、プロセッサ44およびアプリケータ500を備えた処理装置10のさらなる実施形態が、異なるタイプの分離装置515に結合されてここに示されている。この実施形態では、ポンプ118は、同様に、細片化されたFTSGPが懸濁された溶液を、容器12から出口26を通って入口29を通って戻り、この構成では、サイクロン作用を使用して溶液からTPを分離する分離チャンバ515と流体連通する。このシステムは、遠心分離場での固体粒子の最終沈降速度の原理を使用している。処理装置10からの出口26は、分離装置515の分離チャンバ516に接線方向に入る。ハイドロサイクロン内の高速遠心分離場は、粒子を円錐形チャンバ516の外壁に急速に移動させ、バルブ517を通って、アプリケータアタッチメント511を通って、円錐形壁の内側を下向きにアプリケータ500内に強制的に移動させる。次に、バルブ517を閉じ、アプリケータ500をコレクタから切り離し、ピストンを備えたプランジャをアプリケータ500に挿入し、アプリケータキャップ518を選択した分配先端部と交換すると、アプリケータは、以下に説明する方法TPを分配する準備ができる。
【0086】
処理装置10がプロセッサ44に結合されている、さらに別の実施形態が
図18に示されている。
図18では、入口20および出口チャネル26は、ワールプール的作用を使用して、渦巻くTP粒子を中央ドレインに向けて収集し、それを通して濃縮されたTPがアプリケータ600内のアプリケータチャンバ608に堆積される、分離チャンバ616と流体接続して示されている。上記の実施形態と同様に、次に、バルブ617が閉じられ、アプリケータ600が切り離され、アプリケータキャップ618が選択された分配先端部と交換される。次に、アプリケータ600は、以下でさらに詳細に説明される方法で、TPを分配する準備ができている。
【0087】
さらに別の実施形態が
図19に示され、処理装置10は、
図16に示すように、出口26および入口29を介して分離装置716上に同様に結合される。また、
図16の実施形態と同様に、分離装置716は、フィルタチューブ702によって1つまたは複数のドレインチャネル705から分離された分離チャンバ716を含み、分離チャンバ716を通過した溶液が、フィルタチューブ702を通過してドレインチャネル705を通過し、入口29を通過して処理装置10を通って再循環されるようになっている。しかしながら、この実施形態では、出口26および入口29は、分離装置716が、取り外し可能な出口26および入口29の流路からの漏れからの流体を含みながら、処理装置10から取り外し可能であり得るように、密封可能な閉鎖可能なポート720(図示せず)を含んでもよい。このようにして、取り外された分離装置716は、プランジャ704およびピストン706ならびに取り外し可能なキャップ718を含むことができ、
図15CおよびDに同様に記載されるように、一緒にアプリケータ700として使用され得る。
【0088】
図2および14に概略的に描かれた循環流(CF)経路は、流体の流れパターンの再循環の性質をより明確に示すために、乱流渦の渦を示さないことにより、大幅に簡略化されている。初期のプロトタイプは、インペラによって誘発された渦が、流体に懸濁されたTPを継続的に再循環および混合することが望ましい一方で、粒子が、細片化機構40を介して引き出される前に、必要以上に容器12の周りを遠回りすることも引き起こしたことを明らかにした。
【0089】
図20の軸線方向の図、および
図21の側面図は、TPをより適切に細片化するために、処理装置10に好ましい改善を導入している。ステム28から放射状に広がる垂直バッフルパネル140の配置は、単一の渦を効果的に遮断する。バッフルは、固定切断部材102上の収束するブレードエッジ122の各セットの頂点の近位に配置される。容器12内の渦巻く流体は、各バッフル140から跳ね返り、各バッフル140に隣接して別個のより小さな渦Vを生成する。より小さな渦Vは、細片化機構40の連続的に閉じるブリーチ124のそれぞれを通して、より適切にTPを運ぶ。
【0090】
図2および
図14に記載される処理装置10内の循環流(CF)経路は、好ましい実施形態を表す(そして、例として、他の複数の図にも含まれる)が、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。インペラ108は、細片化機構を繰り返し通過するように、容器12の中央容積(CV)を通して流体およびTPを連続的に再循環させるために使用されるが、流体およびTPは、戻るときに必ずしも周辺容積PVを通して再循環される必要はない。したがって、
図22は、流体および懸架されたTPが、別の例として、再循環導管150を通って容器12の外部に流れるように、他の方法で細片化機構40を通して再循環され得ることを教示している。
【0091】
さらに、
図22は、シャフト42に一体であり、軸線Aを中心に回転しているロータポンプ118を示しているが、当業者は、流体駆動ポンプが、代替として、処理装置10からの出口26と処理装置10への戻り入口29との間の再循環導管150に沿って他の場所に含まれ得ることを認識するであろう。さらに、そのようなものとして、循環ポンプ(図示せず)は、プロセッサ10を駆動するためにも使用されるモータによって駆動されるか、またはそれに関連付けられる必要はなく、例えば、別個に動作可能な流体ポンプであってもよい。さらに、さらに
図22を参照すると、そのような再循環導管150は、1つまたは複数のダイバータバルブ117を含むことができ、その結果、(細片化の完了時に)流体および懸架されたTPは、例えば、
図15A~
図15E、
図16、
図17、
図18または
図19で説明されるように、様々なタイプの分離装置のいずれかを通って循環するように迂回され得る。
【0092】
さらに、処理装置10の容器12の外部にある再循環導管150で構成されたシステムで使用される
図22のインペラ108は、半径方向推力110b用に構成されたベーンを有する必要はない。そのような実施形態では、軸線方向推力110aのみのために構成されたピッチを有するベーンは、組織支持溶液の循環が、軸線Aに沿って容器12から、出口チャネル26を通り、再循環導管150を通り、入口チャネル29通って、容器12内の細片化機構40により連続的に再循環されことを容易にするために、インペラ108上において十分であり得る。
【0093】
さらに別の実施形態が
図23に概略的に示されている。ここでは、従来のシリンジ(図示せず)を介して分配するために、本明細書で定義されるように、処理されたTPを効果的に分離および圧縮するために遠心タイプの分離装置919と組み合わせて使用される処理装置910が示されている。分離装置919は、保護カバー976内に覆われてもよい。処理装置910および分離装置919は、包囲シュラウド976と共に、好ましくは単一のユニットに統合され、単一の患者用として包装され、赤いバッグの医療廃棄物としての使い捨て装置として使用されるように事前滅菌され得る。装置は、個々の患者の処置内で複数回使用することができる。組み合わされた処理装置910および分離装置919は、軸線方向に整列され、例えばバヨネット係合960を用いて、無菌的に洗浄可能な再利用可能なプロセッサ944上に固定可能に結合されるように構成される。
【0094】
処理装置910内のTPの細片化が完了すると、TPは、容器912の底部920からのドレイン939を通して溶液中に放出される。ドレイン939は、好ましくは、処理装置910の中心軸線Aの周りに配置されるか、そうでなければ、遠心分離装置919の中央チャンバ972に流体的に連絡するように、容器912の底部920に適切に配置される。
【0095】
1つまたは複数の個別の収集チャンバ973は、中央チャンバ972から半径方向に突出し、各収集チャンバは、遠位出口オリフィス974を有する。遠位出口オリフィス974は、標準的なルアーキャップ975または標準的なルアー先端シリンジ(図示せず)の交換可能な取り付けのための標準的なねじ付き雌ルアー係合を有する。
【0096】
中央チャンバ972および半径方向に延在する収集チャンバ973は、中空射出ブロー成形部品として一体的に形成されてもよく、射出成形部品のアセンブリとして製造されてもよく、または例えば射出成形されたルアーフィッティングが射出ブロー成形されたユニボディコアに取り付けられた組み合わせとして製造されてもよい。
【0097】
遠心分離装置919は、処理装置910の軸線Aと好ましくは一致するか、または軸線方向に整列する軸線の周りで、精密ラジアルタイプのボールベアリング(図示せず)上で、高速、例えば最大300Gで回転するように構成される。スピンする分離装置919は、好ましくは、保護シュラウド976内に入れられる。処理装置910および遠心分離装置919が同じ軸線の周りを回転する場合、ボールベアリングの内側シャフト直径は、処理装置910内のインペラ908の回転に対して遠心分離装置919の独立した回転を可能にするのに十分な大きさであってもよい。
【0098】
わずか数分間遠心回転すると、溶液に懸濁したTPが分離し、放射状に延在する収集チャンバ内で圧縮される。次に、遠位に延在する雌ルアーコネクタ974上のルアーキャップ975は、ねじ山が外され、適切なサイズの標準的なシリンジと交換される。次に、圧縮されたTPをシリンジに引き込むと、充填されたシリンジが分離装置919から外され、選択されたルアーフィッティングアプリケータ先端部(例えば、
図15で前述した)が取り付けられ、これで自家TP適用の準備ができている。
【0099】
細片化された粒子
本明細書に記載の懸濁TPまたは特にFTSGPまたは他の組織粒子の溶液は、他のFDA承認添加剤、例えば、ハンドリング(すなわち、生理食塩水、緩衝液、またはBioLife Solution(商標)、または他の細胞育成/保存溶液など)と組み合わせて混合されてもよい。混合物は、渦循環を使用して処理装置10内で作成され、自然に接続された細胞および細胞外マトリックス材料から構成される細片の不均一な混合物を達成することができる。あるいは、TPのいくつかの懸濁液/分散液は均一であってもよい。生成される分散液または乳濁液が均一であるか不均一であるかは、他の要因の中でもとりわけ、組織のタイプ、それが懸濁される媒体、プロセスの速度および温度を含むがこれらに限定されない多くの要因に依存してもよい。本発明のTP懸濁液/分散液を作製する方法の重要な利点、ならびに結果として生じる懸濁液/分散液それ自体は、細片化を達成するための処理中および処理直後の高い細胞生存率に関係する。本明細書に記載されるように、そのような高い細胞生存率を維持しながら細片化するこの能力は、本発明に特有であり、従来の方法によっては達成されない。本明細書に記載の方法は、一般に患者のベッドサイドにおいてリアルタイムである、処理直後に少なくとも50%の生存率、または処理直後に少なくとも60%の生存率、または処理直後に少なくとも70%の生存率、または処理直後に少なくとも80%の生存率、または処理直後に少なくとも85%の生存率、または処理直後に少なくとも90%の生存率、または処理直後に少なくとも92%の生存率、または処理直後に少なくとも94%の生存率、または処理直後に少なくとも96%の生存率、または処理直後に少なくとも97%の生存率、または処理直後に少なくとも98%の生存率、または処理直後に少なくとも99%の生存率を有するTPを含む懸濁液または分散液を生成する。一般に、処理には約1時間かかる場合があるが、好ましくは1時間未満、例えば、45分以下、40分以下、30分以下、20分以下、または10分以下であり得る。
【0100】
TPを遠心分離して、組織粒子の密度、粘度、および一貫性を変化させることもできる。これは、代替的な外科的用途に望ましい場合がある。遠心分離の速度と遠心分離の時間を調整することで、結果として得られる出力組織粒子の形状をカスタマイズすることができ、例えば、一貫性と密度は、溶液、ペースト、またはクリームとして表示される。望ましくは、結果として生じる出力(Id.)は流動性があり、および/または拡散によって容易に適用される。得られた出力は、例えば、圧縮された組織形態としてさらに提示されてもよく、またはさらに回転されて、圧縮された細胞物質として提示されてもよい。
【0101】
本明細書で定義されるTPは、様々な流体分配装置、特にシリンジから最も効率的に送達され得、これらは、制御された量を容易に計量するのによく知られており、有用である。対象となる粒子サイズは、流体組成物として標準のルアーコネクタの内腔を自由に通過する。先端部は、例えば標準のルアースレッドを使用して、アプリケータに交換可能に取り付けることができる。様々な交換可能なアプリケータ先端部は、所与の処置のための外科医の選択で特定の用途に最も適切であるように選択するための分配キット内に含まれてもよい。クリーム、ペースト、または液体の形態では、TP、例えばFTSGPは、様々な選択されたチップタイプのアプリケータ先端部を介してシリンジから分配され得る。先端部は、広い領域に広がるために、狭い/長い扇形の出口オリフィスを有してもよい。そのような扇形の先端部は、可撓性の低デュロメータシリコーンまたは熱可塑性エラストマーから構成され得、そして薄い可撓性のエッジを有することができ、それにより、TPを大きくおよび/または不規則な創傷表面、例えば火傷に穏やかかつ均一に広げるのに有用である。
【0102】
高密度の形態では、本発明のTPは、例えばスパチュラを用いて、領域全体または隙間に広げられるか、または適用され得る。高密度の形態では、TP、例えば軟骨粒子(CP)は、例えば軟骨欠損のための充填材として使用され得る。したがって、本明細書で定義されるCPまたは他の組織粒子などのTPは、例えば結合剤として、フィブリン接着剤、自家多血小板血漿、成長因子または他のFDA承認材料と混合され得る。軟骨または器官のTPは、内視鏡シリンジのアタッチメントを介して送達することもできる。
【0103】
流体中で、クリームまたは溶液形態の部分的な厚さの皮膚植皮粒子は、代替的に、例えば美容上の欠陥を埋めるために、皮下適用のために、柔軟なカニューレまたは針を通してシリンジから分配され得る。説明したように様々なTPを送達するために、管腔は、例えば、22から18ゲージ、または最も顕著には22または21ゲージの範囲であってもよい。
【0104】
非常に溶解性の高い形態では、TPは、そのような場合、本明細書に記載されるように、より少ない種類のものであってもよく、広い領域に噴霧され得る。火傷または開放創に使用するためのTPの場合、非粘着性の外科的創傷包帯を使用して、創傷部位を湿らせて感染から保護しながら、適用されたTPの移動を防ぐことができる。そのような市販の包帯には、例えば、市販のドローテックス、ソフソルブ、カルギネート、またはアクアソルブ包帯が含まれる。
【0105】
システム方法論
装置のシステムは、系統的な順序でプロセスを実行するために説明されている。動作中のシステムの進行を示す
図24に加えて、システムおよびプロセスは、1)処理装置950を使用して、溶液内の組織粒子に組織を導入および細片化することと、2)次に、分離装置を使用して、溶液中に懸濁された細片化された組織を優勢な溶液から分配するために分離することと、3)次に、アプリケータ装置952を使用して、収集された細片化された組織を外科的に分配および適用することと、を含む。これまで、所望の結果を達成するための3ステップのプロセスを達成するための非限定的な詳細を採用するいくつかの代替的に構成された装置および方法を説明してきた。
【0106】
プロセッサ装置は、様々なタイプの分離装置と組み合わせて使用できる。例えば、分離装置は、
図15A~
図15E、16および19に記載されるように、溶液が流れて組織粒子を分離するためのフィルタチューブを含む装置、または
図17に記載されているように、チャンバ内でサイクロン作用を利用して組織粒子を分離する分離装置、または
図18で説明されているように、チャンバ内でワールプール作用を使用する装置、または
図23に記載されている遠心分離機として機能する装置の形態をとることができ、または組織粒子が、スクリーン(図示せず)を通して溶液の優勢をふるいにかけることによって単純に分離され得る、または沈降した組織粒子が標準的なシリンジを使用して溶液から抽出され得る、または溶液中の組織粒子を溶液の優勢から分離するために、他の任意の数の方法が企図され得る。
【0107】
プロセッサ装置は、様々なタイプのアプリケータ装置と組み合わせて使用することもできる。例えば、アプリケータ装置は標準的なシリンジであってもよく、または
図15A~
図15Eまたは
図19に記載されているように、アプリケータとして使用するために分離装置がさらに展開されてもよく、または組織粒子を手動で適用するためにスパチュラが使用されてもよく、または懸濁液中の組織粒子が大きな創傷領域に噴霧されてもよく、または制御された方法で組織粒子を送達および適用するために、他の任意の数の方法が使用されてもよい。
【0108】
FTSGプロセス検証研究
ヒト腹壁形成術から採取された全層植皮(FTSG)は、本明細書に開示した方法に従って、本明細書に開示した装置およびシステムを使用して調製された。
【0109】
様々な注記サイズの採取サンプルFTSGを、バッフルなしの
図1~
図4およびバッフル付きの
図20~
図21で一般的に説明されているようにモデル化された、製造された実験試験装置にそれぞれ個別に配置した。処理装置は、氷片で事前に冷却された35mlの緩衝食塩水で満たされた。次に、FTSGは、サンプルを、分単位で段階的に漸増する持続時間にわたって約550rpmのスライス速度にさらすことにより、周囲の室温70°Fで細片化した。初期の試験では、各サンプルを処理する経過時間にわたって、冷却された緩衝食塩水の温度上昇がわずかであることが示された。
【0110】
細片化された組織サンプルは、細胞の生存率を決定するために定量的に評価された。溶液に懸濁された処理済みFTSGPは、シリンジを使用して0.5mlのアリコートに移された。アリコートは、欠けた氷の容器で冷やして維持した。サンプルを700RPMの遠心分離機で5分間遠心分離した後に、上澄みを除去した。定量的細胞生存率分析は、標準的なトリパンブルー試験プロトコルを使用して実行され、生細胞と紫色の破裂した死滅細胞を染色およびカウントした。
図25として含まれている表は、複数の例示的なサンプルロット、処理パラメータ、処理時間において、一貫して87%~98%の生存率を示した細胞生存率試験結果を示している。
【0111】
追加のMTT試験では、データの信頼性を一貫して確認するために、同様の定量的な結果が得られた。細片化した組織粒子も定性的に評価された。得られた細片化された組織粒子は、溶液に懸濁され、プロセッサからカニューレを通ってシリンジに引き込まれ、ペトリ皿に排出されて、メートルスケールの脇に浅いプールまたは水たまりを形成した。細片化されたFTSGPの写真がここに示され、各写真は試験サンプル番号によって識別され、相対的な細片のサイズと粒子の外観を視覚的および定性的に文書化する。画像で明らかなように、組織の粒子サイズは各サンプル内で比較的一貫している。最大粒子サイズは、処理時間の合計時間が長くなるにつれて次第に小さくなった。
【0112】
例示的な細片化研究では、それぞれ約12mm×6mm×4mmの厚さの全組織植皮(FTSG)の10個の部分が、ブレードが約550RPMで回転する35mlの緩衝液を含むバッフルのないプロセッサで細片化された。
図26A(試験1b)は、4分間の処理後にプロセッサから引き出された液体懸濁液中の細片化されたFTSGPのサンプルを示している。溶液中のFTSGPを移して、個々の粒子を視覚化するためにペトリ皿に浅いプールを形成した。個々の粒子の最大サイズは、通常、どの軸線でも約1.5~2.0mm以下であるように見える。粒子サイズの大部分は1mm未満に見える。
図26は、追加の3分後に、合計7分間抽出された後続のサンプルを示している。2番目のサンプルは、粒子がより密集しているように見え、通常の最大粒子サイズは、直径が1.5mm以下に減少しているように見える。
【0113】
次の例示的な細片化研究では、依然として同じ患者組織を使用して、処理チャンバは、3つのバッフルと4つ(対10)のFTSGの部分を含んでいた。サンプルは再び35mlのバッファーと550RPMで処理された。
図27に示すように、3分間処理した後に、得られた細片化したFTSGPは、4分後の前のサンプルと同様のサイズと粒子密度になった。
【0114】
ここに含まれていない他の研究では、同様に細片化されたFTSGPが22ゲージの針を通して注射可能であることが実証されている。本明細書で使用される注射可能という用語は、シリンジを介した分配を含むことを意味し、体内にのみ注射されることを意図するものではなく、創傷などの身体への分配も含む。
【0115】
次の例示的な細片化研究(試験4a)では、同じ患者組織と処理装置およびプロセスパラメータを使用して、約2cm×3cmの組織の複数の大きな部分をプロセッサに挿入し、4分間細片化した。
図28Aは、処理前のFTSGの一部の拡大図であり、一般的に白い真皮(真皮乳頭、幹細胞が豊富な毛包、汗腺、毛細血管、感覚神経線維、脂腺および他の皮膚成分を含む-すべてが豊富なコラーゲン線維および結合組織内に含まれる)のより厚い層の上の表皮組織の薄層(通常、色素性角質層、透明層、顆粒層、細胞が密集した有棘層、および基底層を含む)を明らかにする断面図である。
【0116】
図28B(これも試験4a)は、プロセッサチャンバ内に含まれる35mlの緩衝液に懸濁された細片化粒子の結果として生じる高密度混合物を示している。
図28Cは、ペトリ皿に提示された密集した組織粒子溶液の拡大図を示している。
図28Dは、処理されたFTSGPの拡大図を示し、混合物が、前処理された組織の断面図を見て予想されるように比例して変化する、異なる量の表皮(色素沈着)対真皮(一般により白い)を含むことを指摘するために注釈を付けた。また、表皮組織(細胞構造がより密集している)は、より繊維質の真皮組織と比較して、より鋭くスライスしているように見える。表皮および真皮組織粒子は、混合物全体にかなり一貫して分布しているように見える。
【0117】
図29Aは、
図28A~
図28Dと同じ装置および同じプロセスパラメータを使用して処理されたが、異なる日に、別の患者からの腹壁形成術由来の組織で処理された。一緒に、これらの研究は、定性的な外観と粒子サイズ、および一貫して高い定量的な細胞生存率と比較して、一貫したFTSGP出力を達成できる反復可能なプロセスを示している。
【0118】
図29A(別のサンプル試験1b)の写真をとる前に、FTSGの同様のサイズ(わずかに大きい)の単一部分(約2.5cm×4.5cm)を4分間細片化した。次に、
図29B(サンプル試験1c)をさらに3分間、合計7分間細片化した。そして、
図29C(サンプル1d)は、さらに3分間、合計10分間細片化された。個々の粒子サイズをよりよく視覚化するために、結果として得られるFTSGPの小さな浅い水たまりのみがこれらの画像のそれぞれに示されている。この研究で処理されたFTSGPの全体量は、
図28A~
図28Dの以前の研究と同じように密集しているように見えた。
【0119】
図25の表のデータは、
図26A~B、
図27、および29A~Eに含まれる例示的な試験サンプルについて文書化された各FTSGP混合物の相対的な一貫性と再現性のある細胞生存率の出力を示している。
【0120】
上記の
図29C(試験1d)および後続のサンプル(試験2b)に示されているFTSGPを、さらに1.5mlのアリコートで700RPMで4分間遠心分離した。
図29Dに示す、得られた組織形態は、
図29Eに示すように、シリンジを通して分配することができる微細なペースト様混合物を達成する能力を実証する。そのようなFTSGP組織形態は、例えば、拡張性の創傷表面上に容易に適用および分散させることができる。
【0121】
関節軟骨プロセス検証研究
関節軟骨は、2.5mmリングキュレットを使用してウシ膝顆の周縁部から採取され、次いで、本明細書に開示した方法に従って、および本明細書に開示した装置およびシステムを使用して細片化された。
【0122】
図30Aに示されている採取された軟骨部分(1/16/17の試験4a)は、おおよそのサイズが長さ約1.0~2.2cm、幅2~2.5mm、厚さ.75~1.2mmの範囲であった。軟骨の一部を、バッフルなしで
図1~
図4に前述した装置内で、細片化機構内でスライスブレードを約550RPMで回転させながら、35mlの緩衝食塩水に一度に3~4回挿入した。軟骨組織移植片は、室温で合計15分間細片化された。
【0123】
得られた軟骨小片を
図30Bに示し、装置内で、また本明細書に記載のプロセスによって関節軟骨を細かく細片化して、全層植皮組織を同様に処理する能力を示している。
【0124】
本発明のさらなる詳細は、
図31~
図38に関して以下に示され、説明される。これらの詳細には、技術の利点と構成要素、ニーズと利点、技術の処置、組織の種類と調製、プロセス、可変組織粒子サイズ、組織分配オプション、臨床適応症と開発状況が含まれる。
【0125】
本発明は、満たされていない重要なニーズを満たすことが企図されている。全層植皮は慢性創傷や火傷のゴールドスタンダードであるが、皮膚腫は治癒しないドナー部位を形成し、処置は通常手術室で行う必要があるため、使用されることはめったにない。
【0126】
本発明は、従来のドナー部位を治癒させることなく、全層植皮を迅速に生成することができる。
【0127】
本発明はまた、創傷の解剖学的構造に適合するように適用するようにカスタマイズすることができ、診察室処置として行うことができる。本発明の結果として生じるプロセスおよびそれによって生成される移植片は、処理が速く、侵襲性が低く、無菌であり、優れた生存率を提供し、創傷治癒のための費用効果の高い解決策である。本発明のシステム、機器およびプロセスは、細片化されたTPの調製および組織を維持するのを助けるためのpHを有する流体の形成、および創傷、美容整形もしくは形成外科領域、内臓領域などであり得る治療される領域へのTPの分配を含めて、ベッドサイドで実施することができる。
【0128】
図31に示すように、処理装置950、アプリケータ952および再利用可能な機器954を含む本発明の装置の使用は、元の組織構造の保持、高い組織/細胞生存率(90~95%)、および組織粒子サイズを変える能力を可能にする。さらに、スプレッドペースト、スプレー、注射剤などの用途の広い分配方法を使用することができる。これらはすべて診察室処置に受け入れられ、約20分以内、できれば約10分以内に完了することができる。さらに、本発明は、皮膚、軟骨および器官などの複数の組織タイプの処理を可能にする。
【0129】
図32を参照すると、完全な合計処置は30分以内に完了する。調製955は、処置が迅速な治癒、低い痛みのレベル、迅速な採取と処理、および縫合糸で閉じたドナー部位をもたらすため、改善されている。細片化されたTPを形成するための処理956は、約10分以内で閉じた無菌システムで行われる。このプロセスは自動化されており、様々な粒子サイズに対応でき、高い細胞生存率(99%などの90%以上)を実現する。適用957は、不規則な表面上で、様々な傷のサイズで選択可能な先端部によって行うことができる。また、適用は注射可能であり得る。本発明の細片化されたTPは、それらが意図されたサイズに細片化された後に、生存率を維持するのに適したpHで調製されることが望ましい。細片化された生存率が高いTPを含む流体は、従来のシリンジを使用して、治療される領域の上または中に分配され得る。懸濁された細片化されたTPを含む流体は、創傷、または身体の関節、形成外科の適用もしくは美容の適用、または組織の健康および/または患者の全体的な外観と健康を増進するための他の使用領域などの、治療を必要とする身体の他の領域に適用され得る。
【0130】
ここで、
図33に目を向けると、そこに示されているように、全層植皮(FTSG)および軟骨移植片(CG)の両方を使用する調製プロセス。
【0131】
図34は、1mmシリンジから分配された溶液中の細片化された腹壁形成術組織に関する基本的な3ステップのプロセスを示している。これには、導入958、細片化(ドナー部位組織を粒子に切断する)959、および分配961が含まれる。
【0132】
図35は、本発明のプロセスによって、本明細書で論じられる装置およびシステムを使用して、細胞および細胞外成分を含む全層植皮粒子(FTSG)(細片とも呼ばれる)の可変組織粒子サイズを示す。
【0133】
図36は、ファンチップワイパ981を使用したスプレッド980、カニューレ983を使用したペースト982、ノズル985を使用したスプレー984、および針987を使用する注射可能986を含む様々な分配先端部オプションおよび装置を示し、すべて適切なアプリケータ装置952から来る。
【0134】
図37は、創傷治癒990、皮膚麻酔薬注射可能991、および適切な先端部選択を備えた注射装置を使用した軟骨修復992を含む臨床的適応の非限定的な例を示している。
【0135】
図38は、ウシ膝関節軟骨の細片化組織、ならびに本発明のプロセスを使用して形成された腹部形成物からの細片化組織を示している。これらの細片化された軟骨および皮膚の微粒子(粒子)は、本明細書に記載の分配装置のいずれかを使用して患者に分配され得る。これらの結果は、標準的なトリパンおよびMTT試験プロトコルを使用して、87~98%の細胞生存率があることが繰り返し実証されている。
【0136】
上記の説明および図は、例としてのみ意図されており、以下の特許請求の範囲に記載されている場合を除いて、いかなる方法でも本発明を限定することを意図していない。当業者は、上記の様々な例示的な実施形態の要素の様々な技術的態様を他の多くの方法で容易に組み合わせることができ、それらはすべて本発明の範囲内であると見なされることに特に留意されたい。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の生存率を維持するように器官組織を処理するための装置であって、
a)流体を収容し、前記器官組織を受け入れるための
滅菌容器と、
b)前記
滅菌容器内
で圧縮係合するように支持された固定切断装置
および可動切断装置であって、前記
可動切断装
置は、それらの間の器官組織を切断するため
に前記
固定切断装置に対して移動可能であ
り、前記固定切断装置は、スライス動作において前記組織を通過させて前記可動切断装置と協働して非外傷的に切断するためのブリーチを含む、固定切断装置
および可動切断装置と、
c)
前記滅菌容器内で支持され、前記滅菌容器内の前記
固定切断装置を介して前記流体および器官組織の反復
連続循環流を引き起こす攪拌装置であって、前記攪拌装置が、
前記組織の生存率を維持しながら、前記可動切断装
置と協調して移動し、前記器官組織を繰り返し非外傷的に切断するために前記流体および器官組織を前
記切断装置を介して
反復再循環させることができる、攪拌装置と、を含
み、
d)前記撹拌装置が、軸を中心とする回転方向に前記可動切断装置と共に移動可能なインペラを含み、前記インペラが、軸方向の推力を付与するために前記切断装置に隣接する先行部分と、前記切断装置を通る前記反復再循環を引き起こす半径方向の推力を付与するための末端部分とを含む形状である、装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記可動切断装置が、それと共に移動するために前記攪拌装置に取り付けられるか、または前記攪拌装置と統合される、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前
記切断装置の各々が、複数の離間した切断ブレードを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記攪拌装置が、前
記切断装置を介して前記流体および器官組織の循環流を引き起こす、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記攪拌装置が、前
記切断
装置を通して前記流体および前記器官組織の渦運動を繰り返し生成する、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記インペラが
、前記軸線に沿った曲面を有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記切断装置の
それぞれが、間に角度空間を有する放射状に配列された複数
のブレードを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記可動切断装置の前記ブレー
ド間の前記角度空間が、前記
他の切断装置の前記ブレードの前記角度空間とは異なる、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記容器が、前記流体および前記器官組織を受け入れるための開口部を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項10】
前記容器が、前記流体および前記切断された器官組織を排出するための出口を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記排出された流体および前記切断された器官組織を受け取るために、前記出口と流体連通する分配装置をさらに含む、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記分配装置がシリンジである、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
器官組織を処理するための装置であって、
a)流体を収容し、前記器官組織を受け入れるための滅菌容器と、
b)前記滅菌容器内で共通の剪断面に沿って圧縮的に物理的に接触して支持された固定切断装置および可動切断装置であって、前記可動切断装置は、それらの間の器官組織を切断するために前記固定切断装置に対して移動可能であり、前記固定切断装置は、スライス動作において前記組織を通過させて前記可動切断装置と協働して非外傷的に切断するためのブリーチを含む、固定切断装置および可動切断装置と、
c)前記滅菌容器内で支持され、前記滅菌容器内の前記固定切断装置を介して前記流体および器官組織の反復連続循環流を引き起こす攪拌装置であって、前記攪拌装置が、前記組織の生存率を維持しながら、前記可動切断装置と協調して移動し、前記器官組織を繰り返し非外傷的に切断するために前記流体および器官組織を前記切断装置を介して反復再循環させることができる、攪拌装置と、を含み、
d)前記撹拌装置が、軸を中心とする回転方向に前記可動切断装置と共に移動可能なインペラを含み、前記インペラが、軸方向の推力を付与するために前記切断装置に隣接する先行部分と、前記切断装置を通る前記反復再循環を引き起こす半径方向の推力を付与するための末端部分とを含む形状である、装置。
【請求項14】
前記インペラが、曲面を有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
器官組織を微粒子状に処理する方法であって
滅菌容器内で圧縮係合するように支持された固定切断装置および可動切断装置を提供するステップと、
液体および器官組織を前記容器に入れるステップと、
前記可動切断装置を前記固定切断装置に対して移動させて、前記固定切断装置に形成された裂け目を通して前記器官組織を切断し、前記可動切断装置と組み合わせて、前記組織を非外傷的にスライス動作で切断するステップと、
前記流体および前記器官組織を前記切断装置を通して連続的に再循環させて、前記器官組織を徐々に小さい微粒子に繰り返し体外的に切断するインペラを提供するステップであって、前記インペラは、軸方向スラストを与えるための前記切断装置に近接した先行部分と、前記器官組織の繰り返し切断のために前記装置を通して前記連続再循環を引き起こすための径方向スラストを与える前記切断装置に遠位した終点部分を含むよう形作られている、提供するステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記インペラが、曲面を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記可動切断装置に、前記インペラを取付け、または、前記インペラを一体化させ、前記可動切断装置と前記インペラとを一緒に移動させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記容器が出口を含み、
前記流体及び前記切断された器官組織を前記出口を通して排出するステップ
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記出口と流体連通する分注装置を提供するステップと、前記流体および前記切断された器官組織を前記分注装置に排出するステップと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
器官組織を微粒子状に処理する方法であって、
滅菌容器内に支持された共通の剪断平面に沿って圧縮接触している可動切断装置および固定切断装置を提供するステップと、
液体および器官組織を前記容器に入れるステップと、
前記可動切断装置を前記固定切断装置に対して移動させ、前記固定切断装置のブリーチを通して前記器官組織を非外傷的にスライス動作で切断するステップと、
前記流体および前記器官組織を前記切断装置を通して連続的に再循環させ、前記器官組織を徐々に小さい微粒子に繰り返し非外傷的に切断するインペラを提供するステップであって、前記インペラは、前記切断装置を通して前記連続再循環を引き起こすために、軸方向の推力を付与するための前記切断装置に近接した先行部分および半径方向の推力を付与するための前記切断装置に遠位した末端部分を含む形状にされる、提供するステップと、を含む方法。
【請求項21】
前記インペラが曲面を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記インペラは、前記可動切断装置に取り付けられるか、または前記可動切断装置と一体化して移動する、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】