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特表2022-524270コンテンツ配信ネットワークのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】コンテンツ配信ネットワークのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/2885 20220101AFI20220422BHJP
【FI】
H04L67/2885
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540319
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-09-01
(86)【国際出願番号】 IN2019050219
(87)【国際公開番号】W WO2020144701
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】201921000982
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521304461
【氏名又は名称】マーゴ ネットワークス プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】パランジペ ロヒト
(72)【発明者】
【氏名】バラリア リプンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラディア デヴァン
(57)【要約】
新規のCDNアーキテクチャに基づくアクセスとより良いユーザ体験を提供するCDNシステム及び方法であって、各Edgeサーバは、インターネットデータセンターの外部に存在することができ、固定又はモバイルとすることができ、多層コンテンツ配信ネットワークに断続的に接続することができ、Wi-Fiを介してラストマイルに接続することができ、及び特定地点に物理的に配置することができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ配信システムであって、
第1層にオリジンサーバと、前記オリジンサーバに接続された、第2層に1又は2以上のミッドサーバと、前記1又は2以上のミッドサーバに接続された、第3層に複数のEdgeサーバと、を有する多層コンテンツ配信ネットワークと、
セルラーデータ接続及びWiFi接続を使用して前記多層コンテンツ配信ネットワークにリクエストを行う複数のコンピューティングデバイスと、
を備え、
前記各Edgeサーバは、インターネットデータセンターの外部に存在することができ、固定及びモバイルのうちの一方であり、前記多層コンテンツ配信ネットワークに断続的に接続することができ、特定のEdgeサーバが、特定地点に物理的に配置され、前記特定地点ては、該特定地点に関連付けられたユーザのデモグラフィック及びサービスアクセスパターンに基づいてコンテンツをキャッシュすることを可能にし、
前記多層コンテンツ配信ネットワークは、前記各Edgeサーバが、前記特定地点の前記多層コンテンツ配信ネットワークからコンテンツをプルして、前記各コンピューティングデバイスによってリクエストされたときに、前記コンテンツを当該コンピューティングデバイスにプッシュするハイブリッドプッシュアンドプルコンテンツモデルを実装することができる、
ことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項2】
前記複数のEdgeサーバは、Wi-Fiインターフェースと、前記1又は2以上のミッドサーバへの有線の高速接続とを有するStatic Edgeサーバを更に備えることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のEdgeサーバは、高速通信のためにWi-Fi SSIDを介してStatic Edgeサーバに接続し、またセルラーデータネットワーク又は他のワイヤレス手段を介した前記多層コンテンツ配信ネットワークのインフラストラクチャに接続するMobile Edgeサーバを更に備えることができる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記各Edgeサーバは、前記Edgeサーバによってホストされた前記コンテンツをローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記特定地点にあるユーザに配信するように構成された、前記特定地点をカバーする取り付けられたWiFi回路を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ラストマイルが前記Edgeサーバ上にキャッシュされたデータを前ジタルサービスに公開することができるので、前記各Edgeサーバは、前記多層コンテンツ配信ネットワークに接続することなく動作を継続することができる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記各Edgeサーバが、セキュリティキーの生成、ADタグの生成、及びAPI応答の生成の1又は2以上のプロセスを更に実行する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記各Edgeサーバは、前記コンピューティングデバイスから常に1ホップ離れており、これにより、より速いデータ配信を提供し、より良いユーザ体験を容易にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記多層コンテンツ配信ネットワークが、インターネット上で実行されている他のサービスと共有されない専用のラストマイルを使用し、これにより、より高速なデータ配信を提供し、より良いユーザ体験を促進する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記各Edgeサーバは、該Edgeサーバが前記多層コンテンツ配信ネットワークインフラストラクチャ接続されているときに、インターネットラストマイル(前記セルラーデータ又はWi-Fiのうちの1つ)にアクセスしていないユーザが、デジタルサービスの全機能を体験することを可能にする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記各Edgeサーバは、前記インターネットラストマイル(前記セルラーデータ又はWi-Fiのうちの1つ)にアクセスしていないユーザが、デジタルサービスを体験することを可能にするが、該Edgeサーバが前記多層コンテンツ配信ネットワークインフラストラクチャ接続されていないときには特定の機能に限定される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記各Edgeサーバから転送された前記データの各チャンクが、インターネットインフラストラクチャ又はインターネットラストマイルに負荷を追加せず、これにより既存の前記インターネットインフラストラクチャの帯域幅を確保する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
デジタルデータにアクセスするための方法であって、
第1層にオリジンサーバと、前記オリジンサーバに接続された、第2層に1又は2以上のミッドサーバと、前記1又は2以上のミッドサーバに接続された、第3層に複数のEdgeサーバと、を有する多層コンテンツ配信ネットワークと、セルラーデータ接続及びWiFi接続を使用して前記多層コンテンツ配信ネットワークにリクエストを行う複数のコンピューティングデバイスと、を提供するステップであって、前記各Edgeサーバは、インターネットデータセンターの外部に存在することができ、固定及びモバイルのうちの一方であり、前記多層コンテンツ配信ネットワークに断続的に接続することができ、特定のEdgeサーバが、特定地点に物理的に配置され、前記特定地点ては、該特定地点に関連付けられたユーザのデモグラフィック及びサービスアクセスパターンに基づいてコンテンツをキャッシュすることを可能にする、ステップと、
前記各Edgeサーバによって、前記各Edgeサーバに関連付けられた前記特定地点の前記多層コンテンツ配信ネットワークのより高レベルの層から複数のコンテンツを取得するステップと、
前記各Edgeサーバが、前記特定地点の前記多層コンテンツ配信ネットワークからコンテンツをプルして、前記各コンピューティングデバイスによってリクエストされたときに、前記コンテンツを当該コンピューティングデバイスにプッシュするハイブリッドプッシュアンドプルコンテンツ配信モデルを実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記複数のEdgeサーバは、Wi-Fiインターフェースと、前記1又は2以上のミッドサーバへの有線の高速接続とを有するStatic Edgeサーバを更に備えることができる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のEdgeサーバは、高速通信のためにWi-Fi SSIDを介してStatic Edgeサーバに接続し、またセルラーデータネットワーク又は他のワイヤレス手段を介した多層コンテンツ配信ネットワークインフラストラクチャに接続するMobile Edgeサーバを更に備えることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
取り付けられたWiFi回路を有する前記各Edgeサーバにより、前記Edgeサーバによってホストされた前記コンテンツをローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記特定地点にあるユーザに配信するように構成された前記特定地点をカバーするステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ラストマイルが前記Edgeサーバ上にキャッシュされたデータをデジタルサービスに公開することができるので、前記各Edgeサーバは、前記多層コンテンツ配信ネットワークに接続されなくても動作を継続することができる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記各Edgeサーバが、セキュリティキーの生成、ADタグの生成、及びAPI応答の生成の1又は2以上のプロセスを更に実行する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記各Edgeサーバは、前記コンピューティングデバイスから常に1ホップ離れており、これにより、より速いデータ配信を提供し、より良いユーザ体験を容易にする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記多層コンテンツ配信ネットワークが、インターネット上で実行されている他のサービスと共有されない専用のラストマイルを使用し、これにより、より高速なデータ配信を提供し、より良いユーザ体験を促進する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記各Edgeサーバは、該Edgeサーバが前記多層コンテンツ配信ネットワークインフラストラクチャ接続されているときに、インターネットラストマイル(前記セルラーデータ又はWi-Fiのうちの1つ)にアクセスしていないユーザが、デジタルサービスの全機能を体験することを可能にする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記各Edgeサーバは、前記インターネットラストマイル(前記セルラーデータ又はWi-Fiのうちの1つ)にアクセスしていないユーザが、デジタルサービスを体験することを可能にするが、該Edgeサーバが前記多層コンテンツ配信ネットワークインフラストラクチャ接続されていないときには特定の機能に限定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記各Edgeサーバから転送された前記データの各チャンクが、インターネットインフラストラクチャ又は前記インターネットラストマイルに負荷を追加せず、これにより既存の前記インターネットインフラストラクチャの帯域幅を確保する、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、データを配信するためのシステム及び方法、並びにデジタルサービス(モバイルアプリ/ウェブサイト/ゲーム/ソフトウェアアプリケーション)が機能するために必要なラストマイルにわたってデータを配信するためのアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、消費者/消費者デバイスがデジタルサービスにアクセスするのに使用されるインターネット及び関連するネットワークは周知である。インターネットは、図1に示すスマートフォンのように、ラストマイルネットワークを使用して、デジタルサービスが動作するのに必要な様々な幾つかのコンテンツ/データをデバイスに配信することを可能にする。図1に示すインターネットは、世界中に分散して世界中の全ての情報を格納している全ての物理ユニットの組み合わせである。インターネットデータセンターは、冗長及びバックアップ構成要素、電源のインフラストラクチャ、データ通信接続、環境制御、及び様々なセキュリティデバイスを含む、全てのネットワーク及びコンピューティング機器を収容する一連の分散型物理ユニットである。CDNインフラストラクチャは、インターネットデータセンターに収容されて今日のインターネットコンテンツの大部分、特にWebオブジェクト(テキスト、グラフィックス、スクリプト)、ダウンロード可能なオブジェクト(メディアファイル、ソフトウェア、ドキュメント)、アプリケーション、ライブストリーミングメディア、オンデマンドストリーミングメディア及びソーシャルメディアを提供するサーバの地理的に分散されたネットワークであり、そのアーキテクチャは周知であり、その動作もまた既知である。インターネットは、インターネットデータセンター及びCDNインフラストラクチャと共に、総称してインターネットインフラストラクチャと呼ばれる。デジタルサービスプロバイダは、インターネットインフラストラクチャを使用して消費者にサービスを提供する全ての個人/企業/エンティティを含む。コンシューマープラットフォームは、モバイルアプリ/ウェブサイト/ユーザがデジタルサービスプロバイダのサービスにアクセスするためのインターフェースである。テレコムインフラは、インターネットへのアクセスのためにライセンスされたワイヤレス周波数(2G/3G/4G/LTE-総称してセルラーデータ接続)を使用するテレコム企業によるインフラストラクチャセットアップであり、Wi-Fiインフラは、インターネットにアクセスするためのブロードバンド/リース回線接続を提供するため、又はライセンスのない周波数を使用してワイヤレスでインターネットにアクセスするためにアクセスポイントを接続できるようにする、インターネットサービスプロバイダによるインフラストラクチャセットアップである。
【0003】
図1に示す従来のシステムを使用すると、図1に示すサービス(モバイルアプリ)は、次のように機能する。デジタルサービスプロバイダに利用される全ての情報は、デジタルサービスプロバイダがホストするサーバを介して、又はCDNを介して保存/提供される。データアクセスパターン(どのデータがどこで消費されているか)に基づいて、CDNインフラストラクチャは、地理的に分散した複数のサーバにわたる特定のデータ(全ての情報のサブセット)をキャッシュする。CDNEdgeサーバ(図1のEDGE1、…、EDGEn)は、グローバルに分散され、グローバルに分散されたサードパーティのインターネットデータセンター及びインターネットサービスプロバイダ及びテレコムサービスプロバイダが運営するデータセンター内に配置される。消費者がサービスにアクセスする必要がある場合、サービスは、消費者(例えば図1のスマートフォンデバイス)とインターネットインフラストラクチャ(インターネットサービスプロバイダ、テレコムサービスプロバイダ、又はその他の形式のインターネット接続オプションの何れかを介して)との間のデータ接続である「ラストマイル」を介して、デジタルサービスプロバイダ及びCDNによってホストされたサーバにアクセスする必要がある。サービスにアクセスする消費者の能力は、消費者へのラストマイルの可用性に依存し、サービスの消費者体験は、ラストマイルで利用可能な信頼性とスループットに依存する。更に重要なのは、ユーザ数及びユーザ当たりのデータ消費量が増えると、既存のインターネットインフラストラクチャへの負荷が指数関数的に増加し、密集したエリアでのユーザの体験に影響を与える。
【0004】
現在のコンベンションシステムを使用すると、サービスへのアクセスは次のように行われる。ユーザがデバイス(スマートフォンなど)上でデジタルサービスを開くと、デジタルサービスは、その時点でデバイスが利用できるラストマイル接続を使用してインターネットインフラストラクチャにアクセスしようとする。消費者のスマートフォンのオペレーティングシステム(OS)(図1を参照)は、セルラーデータ接続(図1に示す4G/LTEなど)又はWi-Fiを介した接続の可用性を検出する。1つの接続のみを使用して接続が利用可能な場合、OSは、利用可能な接続ルートを使用する。両方の接続オプションが使用可能な場合、OSは、どちらの接続がより安定し高速の帯域幅可用性を提供するかを検出し、その接続を使用してWi-Fiに優先順位を割り当てて、データパケットを処理する。上記のシナリオが何れかの時点で変化した場合、ユーザが2つの利用可能なオプションの何れかを手動で接続又は切断しない限り、OSは2つの間で自動的にシフトする。2つの接続のうちの1つが利用可能である限り、ユーザはサービスにアクセスすることができる。サービスを使用するユーザの体験は、これらの接続の安定性及び利用可能帯域幅に依存する。ユーザが両方の接続への接続を失った場合、ユーザデバイス上でキャッシュすることができる何れかの機能(ストリーミングサービスの場合はダウンロード)を除いて、サービスは、機能を停止する。
【0005】
図2は、従来のCDNがどのように動作するかを示している。図2に示すように、従来のCDNは一般に、ストレージ及びコンピューティングサーバの多層ネットワークを構成する。これは一般に、プルベースのCDNであり、ここではリクエスターによる一意のリクエストへの応答が、リクエスターに最も近いポイント、すなわち、CDNネットワークの最後の層であるCDN EDGEサーバにキャッシュされる。リクエスターが、ファイルに対して第1のリクエストを行うと、CDN Edge Serverは、ファイルをリクエスターに配信しながら、CDN Originサーバからファイルをキャッシュする(図2の上部)。次のリクエスターが同じリクエストを行ったときには、応答が発生したCDN Originサーバから提供するのではなく、キャッシュ(CDN Edgeサーバ)から提供され、これにより次のリクエスターへのリクエストの提供にかかる時間が短縮される。このアクションによりまた、オリジンサーバへの総負荷及びオリジンサーバのインターネット帯域幅要件が削減される。図2に示すように、CDNは通常、地理的に分散した複数のEdgeサーバを使用して、多数のリクエスターのリクエストに応える。CDN EDGEサーバの場所は通常、ISP又は通信インフラストラクチャデータセンターにある。キャッシュされたコンテンツを提供する場合、ISP又はテレコムのインターネット帯域幅の節減することにもなる。典型的なインフラストラクチャでは:
1.CDNオリジンはインターネットに接続されている。
2.Edgeサーバはインターネット経由でCDNOriginに接続されている。
3.CDN Edge Serverは、ISP/Telecomオペレーターのデータセンターに配置されているので、ISP/Telecomインフラストラクチャへの接続を有する。
4.リクエスター1が1つのコンテンツをリクエストすると、CDN EDGEサーバは、リクエスター1へのリクエストを処理している間、それ自体への応答をキャッシュする。
5.リクエスター2が同じ1つのコンテンツをリクエストすると、CDN EDGEサーバから直接提供される。
【0006】
従って、既存のシステムには、データ/サービスアクセスがラストマイルに完全に依存しているという技術的な問題があり、ラストマイルがなければ、CDN又はデジタルサービスプロバイダによってホストされるサーバは、サービス/リクエスターにデータを配信することができない。従って、エッジデバイスが各リクエスターに近く、自己完結し、異なる接続パスを使用してユーザにデータを配信する新規のCDNである技術ソリューションを提供することができ、これにより、ラストマイル接続へのユーザのアクセスとは独立してユーザへのより迅速なデータ配信をもたらすことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】インターネットインフラストラクチャがどのように機能するかを示す図である。
図2】従来のCDNがどのように動作するかを示す図である。
図3】従来のCDNが不可欠な部分であるインターネットインフラストラクチャを使用してデジタルサービスがどのように機能するかを示す図である。
図4】CDNサーバがインターネットインフラストラクチャの外部に展開され、ラストマイルがCDNサーバに接続されている新しいCDNシステムを示す図である。
図5】新規のCDNシステムのアーキテクチャ及び機能を示す図である。
図6図5と同様のシナリオにおいて新規のCDNシステムを使用してデジタルサービスがどのように機能するかを示す図である(CDNサーバ及びユーザデバイスの両方がインターネットに接続できる)。
図7】従来のCDNシステムでは機能しない場合に、新規のCDNシステムがどのように機能するかを示す図であり、ユーザデバイスがインターネットに接続されていないが、新規のCDNシステムサーバが接続している場合のものである。
図8】従来のCDNシステムでは機能しない場合に、新規のCDNシステムがどのように機能するかを示す図であり、CDNサーバがインターネットに接続していないが、ユーザデバイスが接続している場合のものである。
図9】従来のCDNシステムでは機能しない場合に、新規のCDNシステムがどのように機能するかを示す図であり、CDNサーバとユーザデバイスの両方がインターネットに接続できない場合のものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は特に、コンテンツ配信システム及び方法で使用される、図示されるコンピューティングデバイス(スマートフォン/タブレットPC/ラップトップ/デスクトップ/スマートウォッチなど)にインストールされたデジタルサービス(モバイルアプリ/ウェブサイト/ゲーム/ソフトウェアアプリケーション)に適用され、この文脈において、本開示が説明される。しかしながら、開示されたシステム及び方法は、デジタルサービスプロバイダからのコンテンツにアクセスするのに使用することができる様々な異なるコンピューティングデバイス上に実装されるなど、より大きな有用性を有することは理解されるであろう。加えて、例示的なCDNシステムはまた、他のシステムからのコンテンツ又はデータの配信を最適化するのに用いることができ、サービスの消費者のアクセス及び体験を最適化することが望ましいあらゆるシステムと共に使用できる。本開示において、消費者に提供される「サービス」とは、ブラウザ、モバイルアプリケーション、ソフトウェアアプリケーションなどを含む、何れかのインターフェースを介して消費者に配信される1つのコンテンツ(オーディオ、ビジュアル及び/又はテキスト)又は任意のデジタルデータとすることができる。
【0009】
図3は、新規のCDNシステム300のより詳細な事項を示している。システム300は更に、1又は2以上のSugarBoxハードウェア要素402、404、406を備えることができ、これは、インターネットデータセンターにてインターネットインフラストラクチャに接続することができ、また、アプリケーションリクエストごとに追加の通信パスを提供するワイドローカルエリアネットワーク(WLAN)を介してコンピューティングデバイス302の各々に結合することができる。SugarBox CDNサーバと呼ばれる各SugarBoxハードウェア要素は、以下の主要機能を提供する各CDN EdgeにてWi-Fiを介して専用のラストマイルを備えた1又は2以上のサーバコンピュータとして実装することができる。
●SugarBox CDNは、既存のインターネットインフラストラクチャに接続され、インターネットに対する相補的インフラストラクチャとして機能する。しかしながら、Wi-Fi経由の専用ラストマイルが取り付けられている場合、SugarBox CDNからのデータは、既存のインターネットインフラストラクチャ(LAN)の範囲外にあるラストマイルを使用して配信され、これにより:
○既存のインターネットインフラストラクチャ、特にインターネットサービスプロバイダ/通信事業者によって提供されるラストマイルの帯域幅を確保する
○アクセスしているユーザ数又はユーザ当たりの消費量の増加に伴い、既存のインターネットインフラストラクチャのラストマイルをロードしない
●SugarBox CDNにより、既存の接続オプション(インターネットサービスプロバイダ又は通信事業者)の何れかを使用してインターネットにアクセスできないユーザが、サービスの全部又は一部を体験することが可能となる。
●ラストマイルがCDN Edgeにキャッシュされたデータをサービスに公開する可能性があるため、CDNインフラストラクチャへのCDN Edgeサーバの接続が利用できない場合でも、SugarBox CDNが動作を継続でき、これにより、信頼性及び持続的な接続(トランスポート、リモートロケーションなど)のないエリアでサービスにアクセスすることができる。
●SugarBox CDN Edgeは、常に、従来のCDN Edgeよりもユーザから1ホップ離れているため(ローカルエリアネットワークを介してユーザが利用できるので)、より高速なデータ配信を提供し、ユーザ体験が向上する。
●SugarBox CDNは専用のラストマイルを使用するが、既存のインターネットインフラストラクチャのラストマイルは、CDN及びインターネット上で実行される他の全てのサービスに共有のラストマイルであるため、より高速なデータ配信を提供し、ユーザ体験が向上する。
●SugarBox CDNは、ライセンスのない帯域幅で動作するラストマイルで動作するので、ラストマイルのスケーラビリティが事実上無制限になり、これにより、サービスは、サービスの使用中に、可用性、信頼性、及び帯域幅可用性について消費者に保証を提供することができる。
●SugarBoxCDN Edgeは、特定地点(バス、電車、航空機、モール、商業センター、空港、カフェ、レストラン、バー、ホテル、教育機関、病院、クリニック、住宅団地、企業公園、公共公園、テーマパーク、公共の場所など)に配置することができ、デバイスの場所を使用することなく、特定地点へのユーザの近接度に基づいて、ユーザにコンテキストに応じた体験を提供するサービスを提供する。
【0010】
SugarBox CDNは、インターネットの動作方法を最適化し、大きな変化をもたらす。エコシステムは、ユーザ数又はユーザ当たりの消費量に関係なく、サービスが既存のインターネットインフラストラクチャに確実に負荷をかけないようにすることで、インターネットをより効率的にする。
【0011】
より詳細には、新規のCDNシステム300は、以下の要素を有することができる。
●インターネットデータセンター内に存在し、既存のインターネットインフラストラクチャの一部であるSugarBox Origin&Mid Servers402。これらのサーバは、典型的なCDNにおけるオリジンサーバと同様に動作する。
●物理的な高速接続(P2P/MPLS)を使用してSugarBox Originに接続され、取り付けられたWi-Fiセットアップがユーザに公開されているSugarBox Static Edge 404。
●ハードウェア及びソフトウェアスタックの観点からはSugarBoxStatic Edgeと同じであるが、SugarBox CDNインフラストラクチャに物理的に接続するのではなく、以下の2つのルートのうちの1つを使用してワイヤレスで接続されるSugarBox Mobile Edge 406。
○テレコムネットワークを介したMPLS/セルラーデータ接続の使用(断続的で高速でない場合がある)
○Wi-FiとSugarBoxEdgeからの対応する物理接続の使用(MobileEdgeがStaticEdgeのネットワークに加わり、高速である場合には常に断続的である)
【0012】
サービスが機能するには、次の6つの主要な要素にアクセスする必要がある。
●APIリクエスト/HTTPリクエスト
●Securityリクエスト-DRM/AES/SSL
●分析リクエスト
●コンテンツリクエスト-コンテンツ/ダウンロード可能なオブジェクト/Webオブジェクト
●広告リクエスト
●支払いリクエスト
【0013】
一般に、分析、支払い、及びセキュリティのリクエストは、サービスプロバイダが独自の/サードパーティのサーバを介して直接処理される。図4に示すように、他の全てのリクエストの前にはCDNがある。
【0014】
SugarBox CDNは、以下に詳述するような方法で機能する。
●SugarBox CDNがない場合、サービスは、ラストマイル接続(イーサネット又はWi-Fi、或いはセルラーデータサービスを介したインターネットサービスプロバイダ機能)を使用して、全てのリクエストにアクセスする
●ユーザがSugarBox CDN Edge ServerのWi-Fiネットワークの範囲内に入ったとき、
○サービスは、ユーザのセルラーデータ接続を使用して、サービスプロバイダによって直接提供される全てのリクエストを処理する
○SugarBox CDNは、従来のCDNに置き換わり、CDNが先行する全てのリクエストを処理する。
【0015】
SugarBox Edge Serverは、Edge Serverによってローカルで提供される、DRM、ローカル支払いなどの特定の機能をサポートすることができる。
【0016】
●SugarBoxオリジン&ミッド
○計算サーバ
○ストレージサーバ
○ネットワーク機器
●SugarBox Static & Mobile Edge
○コンピューティング+ストレージサーバ
○ネットワーク機器
○Wi-Fi機器
ソフトウェアスタックの概要:
●SugarBox Origin & Mid
○コンテンツ提供ソフトウェア
○DNS
○DHCP
○ロギング及びモニタリング
○データベース
●SugarBoxStatic & Mobile
○コンテンツ提供ソフトウェア
○DNS
○DHCP
○ロギング及びモニタリング
○データベース
【0017】
既存のインターネットインフラストラクチャを使用してサービスが機能する方法:
新規のCDN及びその要素の動作をより良く理解するために、既存のインターネットインフラストラクチャと従来のCDNを使用してサービスが今日どのように機能するかについて、図4を参照して説明する。サービスが機能するには、複数のタイプのリクエストに対する応答が必要である。これらのリクエストは、デバイスがインターネットに接続している場合にのみ行われる。リクエストの性質上、CDNによってキャッシュ可能であるか、又はキャッシュができない可能性がある。キャッシュ可能なリクエストは、CDNを介してキャッシュされ、IDC内のサーバの負荷が軽減され、リクエストがサブスクライバーに最も近いポイントから処理されるのが確保され、これにより、配信の速度とコストが最適化される。
【0018】
このサービスは、既存のインターネットインフラストラクチャを使用して、以下のように機能する。
1.ユーザデバイスからインターネットへのセルラーデータ接続(テレコムラストマイル)がある。
2.ユーザデバイスからインターネットへのWiFi接続(ISPラストマイル)がある。
3.CDN Edgeサーバはまた、インターネットに接続できる。
4.分析リクエストを受け入れるサーバには、インターネットへの接続も必要である。
5.支払いリクエストを受け入れるサーバには、インターネットへの接続も必要である。
6.コンテンツを復号化するためのキー(DRMキー)を提供するサーバにも、インターネットへの接続が必要である。
7.コンテンツ、テキスト、グラフィックスなどは、インターネットデータセンター(IDC)のサーバによって提供される。
これらのリクエストの処理は通常、特定の1つのコンテンツに適切なTime To Live(TTL)を有してCDNが前に置かれる。これは、コンテンツが上記のコンテンツの消費に近い状態で利用するのを確保するのに行われる。
8.IDC内のサーバからの広告の提供はまた、CDNの前に置かれ、広告コンテンツが消費される場所の近くで利用できるようにする。
9.「広告タグ」の提供は、タグの迅速な配信を保証するためにTTLを備えたCDNが前面に置かれる。
10.ユーザに固有ではないAPIリクエストへの応答は、APIサーバの負荷を軽減するためにTTLを使用してCDNにキャッシュされる。ユーザに固有のAPIリクエストは、ユーザデバイスにキャッシュされるか、又はAPIサーバを介して直接配信される。
【0019】
従来のCDNの場合、ユーザは、サービスがユーザ機能及びサービスへのアクセスを提供するために全てのリクエストにアクセスするインターネットにアクセスするためのラストマイル接続の可用性に依存している。また、ユーザ及びサービスは、ユーザのラストマイル接続で利用可能なスループットと、サービスのユーザ体験を決定する信頼性とに依存する。
【0020】
SugarBox CDNの機能:
図5は、新規のCDNシステムを使用したサービスの機能と新規のCDNの機能を示している。SugarBox CDNは、多層CDNアーキテクチャであり、SugarBox CDN Orign 402が第1の層を形成し、SugarBoke CDN Midサーバ402が第2の層を形成し、SugarBoke Edgieサーバ404が第3の層を形成する。
【0021】
SugarBox Edge Serverは、Static又はMobileの2つのタイプの何れかとすることができる。Static Edgeサーバは、SugarBox CDNインフラストラクチャへの有線高速接続を有する。Mobile Edgeサーバは、SugarBox CDNインフラストラクチャへの有線高速接続を有していない。代わりに、Mobile Edgeサーバは、各Static Edgeサーバにて専用WiFi SSIDを介してSugarBox CDNインフラストラクチャへの断続的な高速接続を取得し、また、通信プロバイダが提供するセルラーデータサービスを使用して、SugarBoxインフラストラクチャ(必ずしも高速である必要はない)への断続的な接続を取得する。
【0022】
プルベースのキャッシングモデル上で動作する通常のCDNとは異なり、SugarBox CDNは、ハイブリッドプル及びプッシュベースのモデルで動作する。SugarBox Edgeサーバ(Static&Edge)は、特定のユーザのデモグラフィック及びサービスアクセスパターンによって特徴付けられる特定地点(POI)に配置することができる。
【0023】
上記に基づいて、SugarBox CDN内のEdgeサーバは、キャッシュする必要のあるコンテンツのリストを取得するように指示することができる。EdgeサーバがSugarBox CDNインフラストラクチャに高速接続を提供するたびに、Edgeサーバは、前の層からコンテンツのダウンロードを開始し、コンテンツがダウンロードされたことを示す内部データ構造を更新し、また、他の様々なテレメトリ情報も更新する。各Edgeサーバがユーザへのデータの提供を開始すると、消費データが機械学習アルゴリズムに送られ、Edgeサーバでのユーザのデモグラフィック及びサービスアクセスパターンに基づいてコンテンツリストを生成する。
【0024】
SugarBox Edgeサーバの各々はまた、POI全体をカバーするように構成されたWi-Fi経由のラストマイルを有し、POIは、Edgeサーバにキャッシュされているコンテンツをサブスクライバーに提供するのに使用される。SugarBox CDN Edgeサーバは、自己完結型のDNS及びDHCPサービスを使用してローカルネットワークを作成し、サブスクライバーのモバイルデバイスがSugarBoxに接続できるようにする。
1.SugarBox Originは、図5に示すようにISP/Telecomデータセンター内でホストされ、既存のインターネットインフラストラクチャに接続されている。
2.SugarBox Midsはまた、ISP/Telecomデータセンター内でもホストされており、既存のインターネットインフラストラクチャ及びSugarBox Originに接続されている。
3.各スタティックEdgeサーバは、SugarBox Midへの有線高速接続を有する。
4.各StaticEdgeサーバはまた、ユーザがサービスの使用中に接続するWi-Fi経由のラストマイル接続を提供する。
5.各Static Edgeサーバはまた、他のMobile EdgeサーバがStatic Edgeサーバに接続し、Static Edgeサーバで利用可能な高速接続を利用してSugarBox CDNインフラストラクチャと通信するために使用される専用のSSIDを有する。
6.各Mobile Edgeサーバはまた、通信事業者のセルラーデータ接続を使用してSugarBox CDNインフラストラクチャに接続することができる。しかしながら、この接続は断続的であり、高速ではない場合がある。
7.各Mobile Edgeサーバはまた、ユーザがサービスの使用中に接続するWi-Fi経由のラストマイル接続を提供する。
【0025】
サービスがSugarBox CDNとどのように連携するか:
サブスクライバーが、SugarBox CDNによってサポートされているサービスを起動し、Staticサーバ又はMID EdgeサーバがインストールされているPOIにて、次の4つのシナリオが存在する可能性がある。
シナリオ1-ユーザはセルラーデータを有し、SugarBox Edge Serverはまた、SugarBox CDNインフラストラクチャへの高速接続を有する(図6を参照)。
【0026】
EdgeサーバがSugarBoxインフラストラクチャに接続し、且つユーザがセルラーデータに接続している場合、ユーザのセルラーデータは、分析リクエスト及び支払いリクエストを処理するのに使用される。Edgeサーバはまた、ローカルDRMソリューションを実行している。セキュリティリクエストの場合、リクエストは、Edgeサーバにてローカルに提供されるか、又はユーザのセルラーデータ接続を使用して提供される。他の全てのリクエストは、Edgeサーバによって提供される。サブスクライバーが、Edgeサーバに存在しないコンテンツをリクエストした場合、そのリクエストは、従来のCDNのように提供され、コンテンツはEdgeサーバにてキャッシュされた後サブスクライバーに配信される。これにより、サブスクライバーは、体験するのが意図された通りに完全なサービスを体験できることが確保される。
【0027】
このサービスは、次のように機能することができる。
1.ユーザは、セルラーデータを介してインターネットに接続される。
2.ユーザは、Wi-Fi経由で提供されるラストマイルとSugarBox CDNによりサポートされるサービスのユーザに公開されるSSIDとを使用してEdgeサーバに同時に接続される。
3.Edgeサーバは、SugarBoxプライベートクラウドへの高速接続を有する。
4.SB CDN Origin/Midは、SugarBoxプライベートクラウドを介してEdgeサーバへの高速アクセスできる。
5.サービスプロバイダの分析サーバが、インターネットに接続される。
6.サービスプロバイダの支払いサーバが、インターネットに接続される。
7.サービスプロバイダのセキュリティサーバが、インターネットに接続される。
8.SugarBox CDN Originは、サービスプロバイダのコンテンツサーバからの全てのコンテンツをキャッシュする。
9.SugarBox CDN Originは、サービスプロバイダのADサーバからの全ての広告をキャッシュする。
10.SugarBox CDN Originは、サービスプロバイダのADサーバからの全ての広告タグをキャッシュする。
11.SugarBox CDN Originは、サービスプロバイダのAPIサーバからのユーザ固有ではない全てのAPIリクエストをキャッシュする。
全てのユーザ固有のAPIリクエストについて、SugarBox CDNインフラストラクチャは、サービスプロバイダのAPIサーバからユーザにデータを配信するためのパイプとしてのみ機能する。
【0028】
シナリオ2-ユーザは、セルラーデータを有していないが、SugarBox Edge Serverは、SugarBox CDNインフラストラクチャへの高速接続(図7を参照)を有する。
この場合、以下を除いて、全てが上記のシナリオ1と同じように機能する。
●SugarBox CDNインフラストラクチャは、サービスプロバイダの分析サーバからユーザにデータを配信するパイプとして機能し、この逆もまた同様である。
●SugarBox CDNインフラストラクチャは、サービスプロバイダのペイメントサーバからユーザにデータを配信するためのパイプとして機能し、この逆もまた同様である。
●Edgeサーバによってローカルに実行できない全てのセキュリティリクエストについて、SugarBox CDNインフラストラクチャは、サービスプロバイダのセキュリティサーバからユーザにデータを配信するためのパイプとして機能、この逆もまた同様である。
【0029】
シナリオ3-ユーザは、セルラーデータを有するが、SugarBox Edge Serverは、SugarBox CDNインフラストラクチャへの高速接続を有していない(図8)。
この場合、サービスは、以下を除いて、SugarBoxがない場合と全く同じように機能する。
●SugarBox Edge Serverにキャッシュされる全てのコンテンツリクエストは、SugarBoxを介して提供される。
●SugarBox Edge Serverにキャッシュされる全てのAD及びADタグリクエストは、SugarBoxを介して提供される。
●SugarBoxにキャッシュされる全ての非ユーザ固有のAPIリクエストは、SugarBoxを介して提供される。
SugarBox Edge Serverにてローカルに生成することができる全てのDRM/セキュリティリクエストは、SugarBoxを介して提供される。
【0030】
シナリオ4-ユーザはセルラーデータを有しておらず、SugarBox Edge Serverもまた、SugarBox CDNインフラストラクチャへの高速接続を有していない(図9)。
【0031】
これは、サブスクライバーがサービスの全機能にアクセスできない唯一のケースである。しかしながら、このシナリオでも、SugarBox CDNは、ユーザがサービスを継続して使用できることを保証する。この場合、ユーザが直面する制限事項は次の通りである。
●ユーザデバイスにキャッシュされた又はSugarBoxにキャッシュされたAPIのみがユーザも利用可能となる。
●ユーザデバイスにキャッシュされた又はSugarBoxにキャッシュされたコンテンツのみがユーザに利用可能となる。
●SugarBoxにキャッシュされたADのみがユーザに利用可能となる。
●全てのAnalyticsリクエストは、ユーザデバイスのサービスによってバッファリングされる。これはユーザの機能には全く影響しない。
●オフライン支払いオプション(POIにて現金又はオフラインクレジットカード取引(サポートされている場合)を支払うことにより購入したプリペイドバウチャー)のみが、ユーザに利用可能となる。
【0032】
上記の例示的な議論は、網羅的ではなく、又は開示された厳密な形式に本開示を限定することを意図するものではない。上記の教示の観点から、多くの修正及び変形形態が実施可能である。本実施形態は、本開示の原理及び実施可能な用途を最も良く説明するようにまた企図される特定の用途に適するような様々な修正を含む様々な実施形態の開示を当業者が理解するのを可能にするように、選択し且つ説明してきた。
【0033】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、1つ又は複数の構成要素、システム、サーバ、アプライアンス、他のサブ構成要素を介して実装され、又はこのような要素間で分散することができる。システムとして実装される場合、このようなシステムは、とりわけ、汎用コンピュータに見られるソフトウェアモジュール、1又は複数のOSライブラリ、ファームウェアなどの構成要素を含む及び/又は包含することができる。本発明がサーバ上に存在する実施構成において、このようなサーバは、汎用コンピュータに見られるような、ソフトウェアモジュール、1又は複数のOSライブラリ、ファームウェアなどの構成要素を含む又は包含することができる。
【0034】
加えて、本明細書のシステム及び方法は、上記で記載されたものを超えて、異なる又は完全に異なるソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェア構成要素を用いた実装を介して達成することができる。本発明に関連する、又は本発明を具現化するこのような他の構成要素(例えば、ソフトウェア、処理構成要素など)及び/又はコンピュータ可読媒体に関して、例えば、本明細書の発明の態様は、多数の汎用又は専用のコンピューティングシステム又は構成により実装することができる。本明細書の発明と共に使用するのに好適とすることができる様々な例示的なコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成は、限定ではないが、パーソナルコンピュータ、ルーティング/接続構成要素などのサーバ又はサーバコンピューティングデバイス、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、消費者向け電子デバイス、ネットワークPC、他の既存のコンピュータプラットフォーム、上記のシステム又はデバイスの1又は2以上を含む分散コンピューティング環境、その他内の又はこれらで具現化されたソフトウェア又は他の構成要素を含むことができる。
【0035】
場合によっては、システム及び方法の態様は、例えば、このような構成要素又は回路に関連して実行される、プログラムモジュールを含む論理及び/又は論理命令を介して、又はこれらによって達成することができる。一般に、プログラムモジュールは、本明細書の特定のタスクを実行する、又は特定の命令を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含むことができる。本発明はまた、通信バス、回路又はリンクを介して回路が接続されている分散型ソフトウェア、コンピュータ、又は回路設定の関連で実施することができる。分散設定では、制御/命令は、メモリストレージデバイスを含むローカル及びリモートコンピュータストレージ媒体の両方から発生する場合がある。
【0036】
本明細書のソフトウェア、回路、及び構成要素はまた、コンピュータ可読媒体の1又は2以上のタイプを含む、及び/又は利用することができる。コンピュータ可読媒体は、このような回路及び/又はコンピューティング構成要素上に常駐し、これらと関連付けられ、又はこれらがアクセスできる何れかの利用可能な媒体とすることができる。一例として、限定ではなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体及び通信媒体を含むことができる。コンピュータストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報を保存するための任意の方法又は技術にて実装された、揮発性及び不揮発性のリムーバブル媒体及び固定媒体を含む。コンピュータストレージ媒体は、限定ではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学ストレージ、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は必要な情報を格納するのに使用できコンピューティング構成要素によってアクセスできる他の媒体を含む。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び/又は他の構成要素を含むことができる。更に、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体を含むことができるが、本明細書でのこのような何れかのタイプの媒体は一時的媒体を含まない。上記の何れかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0037】
本明細書において、構成要素、モジュール、デバイスなどの用語は、様々な方法で実装することができる何れかのタイプの論理的又は機能的ソフトウェア要素、回路、ブロック、及び/又はプロセスを意味することができる。例えば、様々な回路及び/又はブロックの機能を互いに組み合わせて、他の幾つかのモジュールにすることができる。各モジュールは、有形メモリ(ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、CD-ROMメモリ、ハードディスクドライブなど)に格納されたソフトウェアプログラムとして実装されて、中央処理装置によって読み取られて本明細書の発明の機能を実装することができる。又は、モジュールは、伝送搬送波を介して汎用コンピュータ又は処理/グラフィックスハードウェアに送信されるプログラミング命令を含むことができる。また、モジュールは、本明細書の発明に含まれる機能を実装するハードウェア論理回路として実装することができる。最後に、モジュールは、特殊用途命令(SIMD命令)、フィールドプログラマブル論理アレイ、又はこれらの任意の組み合わせを使用して実装でき、これにより必要なレベルのパフォーマンス及びコストを提供する。アプリケーションのNCOにおいて設定/ルール、コード、及び構成が実装される上記の実施構成に加えて、ネットワークレベルで設定/ルール、コード、構成を実装できるのは、上記のプロセスと同じプロセスを実行するネットワークレベル要素である。
【0038】
本明細書に開示されるように、本開示と適合する機能は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを介して実装することができる。例えば、本明細書に開示されるシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含む様々な形態で具体化することができる。更に、開示された実施構成の幾つかは、特定のハードウェア構成要素を説明しているが、本明細書の発明に適合するシステム及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの何れかの組み合わせで実装することができる。更に、上記の機能及び本明細書の発明の他の態様及び原理は、様々な環境で実装することができる。このような環境及び関連する応用は、本発明による様々なルーチン、プロセス及び/又は動作を実行するように特別に構成することができ、或いは、必要な機能を提供するためにコードによって選択的に作動又は再構成される汎用コンピュータ又はコンピューティングプラットフォームを含むことができる。本明細書で開示されるプロセスは、何れかの特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、又は他の装置に本質的に関連するものではなく、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの適切な組み合わせによって実装することができる。例えば、様々な汎用機械は、本発明の教示に従って記述されたプログラムと共に使用することができ、或いは、必要な方法及び技術を実行するための専用の装置又はシステムを構成することがより好都合とすることができる。
【0039】
論理などの本明細書に記載の方法及びシステムの態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラマブルアレイ論理(「PAL」)デバイスなどのプログラマブル論理デバイス(「PLD」)、電気的にプログラム可能な論理及びメモリデバイス、及び標準のセルベースのデバイス、並びにアプリケーション固有の集積回路を含む、様々な回路の何れかにプログラムされた機能として実装することもできる。態様を実装するための他の可能性は、メモリデバイス、メモリを備えたマイクロコントローラ(EEPROMなど)、組み込みマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどを含む。更に、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、ディスクリート論理(シーケンシャル及び組み合わせ)、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)論理、量子デバイス、及び上記のデバイスタイプの何れかの混成を有するマイクロプロセッサで具現化することができる。基盤となるデバイス技術は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)などの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合論理などのバイポーラ技術(「ECL」)、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー-金属構造)、アナログ及びデジタル混合、その他など、様々な構成要素タイプで提供することができる。
【0040】
また、本明細書に開示される様々な論理及び/又は機能は、それらの動作、レジスタ転送、論理構成要素、及び/又は他の特性の点で、ハードウェア、ファームウェアの任意の数の組み合わせを使用して、及び/又は様々な機械可読又はコンピュータ可読媒体で具現化されるデータ及び/又は命令として有効になることができる点に留意されたい。このようなフォーマットされたデータ及び/又は命令が具現化できるコンピュータ可読媒体は、限定ではないが、様々な形態の不揮発性ストレージ媒体(例えば、光学、磁気又は半導体ストレージ媒体)を含むが、ここでも一時的媒体は含まない。文脈上明確に別段の定めがない限り、本明細書全体を通して、「含む」、「備える」及び同様のものの用語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味で。単数形又は複数形を使用する用語はまた、それぞれ複数形又は単数形を含む。加えて、「ここに」、「以下に」、「上に」、「下に」という言葉、及び同様の重要な用語は、本明細書の全体を指し、本明細書の特定の部分を指すものではない。「又は」という用語が2又は3以上の項目のリストに関して使用される場合、当該用語は、リスト内の項目の何れか、リスト内の全ての項目、及び何れかの組み合わせという用語の解釈の全てをカバーする。
【0041】
本発明の現在好ましい特定の実施形態が本明細書において具体的に記載されているが、図示され本明細書で記載される様々な実施形態の変形及び修正形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行い得ることは、当業者には理解されるであろう。従って、本発明は、適用可能な法の適用によって要求される範囲にのみ限定されることが意図されている。
【0042】
上記は本開示の特定の実施形態を参照してきたが、本実施形態の変更は、その範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されている本開示の原理及び精神から逸脱することなく、行い得ることが当業者には理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】