(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A47J 42/44 20060101AFI20220422BHJP
B02C 11/04 20060101ALI20220422BHJP
B02C 25/00 20060101ALI20220422BHJP
A23F 5/08 20060101ALN20220422BHJP
【FI】
A47J42/44
B02C11/04
B02C25/00 B
A23F5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552752
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2020052201
(87)【国際公開番号】W WO2020177955
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】102019105427.3
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521395850
【氏名又は名称】モック、ヴォルフガング
【氏名又は名称原語表記】MOCK, Wolfgang
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モック、ヴォルフガング
【テーマコード(参考)】
4B027
4D067
【Fターム(参考)】
4B027FB21
4B027FC10
4B027FE02
4B027FQ04
4B027FR10
4B027FR14
4D067BB01
4D067BB19
4D067FF02
4D067GA14
4D067GA20
4D067GB05
(57)【要約】
本発明は、粉砕機又はいくつかの粉砕機の組合せを用いて、機械的なサイズ縮小を制御することによって、粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する方法及び装置に関する。実際の粉砕プロセスは、外部から供給されるデータによって制御される。データは、粉砕原料のパッケージにつながれているデータ・メモリ・ユニットに、すなわち直接保存される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕機又はいくつかの粉砕機の組合せを用いて、機械的なサイズ縮小を制御することによって、粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する方法であって、
該粉砕原料又は該粉砕原料混合物を正しく分割して包装するステップであって、該粉砕原料混合物が、レシピに従って構成されているステップと、
該粉砕原料の特性及び/又は該粉砕原料混合物の該レシピに従って粉砕プロセスを制御するための、第1のデータを保存するステップと、
該粉砕原料又は粉砕原料混合物の製造業者及び/又は流通業者に関する第2のデータばかりでなく、該粉砕原料又は該粉砕原料混合物に関する原産地、特性、及び/又は最短消費期間若しくは貯蔵寿命情報に関する第3のデータも保存するステップと、
データ・メモリ・ユニットをパッケージに添付するか、挿入するか、貼り付けるか、又はつなぐステップであって、該データ・メモリ・ユニットが、機械で読取り可能であり、具体的には、光学的に又は無線インタフェースを介して読取り可能であるステップと、
該パッケージが該粉砕機の近くに運ばれたときに、該それぞれのパッケージの該それぞれのデータ・メモリ・ユニットを読み取ることができる粉砕機制御ユニットを用いて、該粉砕機を自動的に起動するステップと、
該第1のデータを、該第3のデータによる情報の検証と共に用いながら、該粉砕原料又は該それぞれの粉砕原料混合物の、該機械的なサイズ縮小を実行するステップと、
完了メッセージと共に、該粉砕プロセスを自動的に完了するプロセスであって、該制御ユニットが、該第2のデータを用いながら、該それぞれの粉砕プロセスをランダム・アクセス・メモリに記録するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ランダム・アクセス・メモリにファイルされたデータが、インタフェースを介して読み出され、統計調査及び/又はライセンスベースの商業上の料金請求に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記読み出されたデータが、インターネット経由で中央サーバに転送されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パッケージを前記粉砕機に供給する際に、前記パッケージを自動開封するステップが実行され、そのために、時間単位当りに供給されるべき前記粉砕原料の量が判定され、開口のサイズが前記第1のデータを用いて予め規定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記粉砕機制御ユニットが、前記粉砕プロセスに手作業で影響を与える入力装置と相互通信することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
任意選択で、前記第1から第3のデータがディスプレイを用いて視覚化可能であり、前記粉砕プロセスの推移及びそれぞれの状態が、前記ディスプレイを通して示されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ディスプレイによって、障害、サービス指示、及び前記第3のデータに関する情報が、ユーザに対して表示されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記粉砕原料又は前記それぞれの粉砕原料混合物が、種子、豆類、穀物、スパイス,木の実など含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
粉砕機又はいくつかの粉砕機の組合せを用いて、機械的なサイズ縮小を制御することによって、粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する装置であって、
該少なくとも1つの粉砕機が、筐体内に配置されており、該筐体内に又は該筐体に、粉砕原料供給漏斗及び粉砕機制御ユニットが設けられており、該粉砕機制御ユニットが、外部データ・メモリから無線方式でデータを読み込むための第1のインタフェースを備え、さらに、サーバにデータを送信するためにWLAN、電気通信ネットワークなどと相互接続するための、第2のインタフェースが形成されていることを特徴とする、装置。
【請求項10】
データを手作業で入力するためばかりでなく、データ及び機能を表示するために、操作及び表示ユニットが設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記粉砕原料を単位時間ごとに供給するために、対象となる方式で開口を形成する手段が、前記粉砕原料漏斗に又は前記粉砕原料漏斗内に形成されていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
開口を形成する前記手段が、供給された粉砕原料のパッケージに開口を作ることができる、カッティング・ミル又は類似の手段を含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1又は9に記載の粉砕機又はいくつかの粉砕機の組合せを用いて、機械的なサイズ縮小を制御することによって、粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子状製品、たとえばコーヒーを収集ユニットに分配する自動配量ユニットが、米国特許第7,464,888(B2)号から既に知られており、配量ユニットは、製品を粉砕するのに効果的な粉砕装置、及び収集ユニットのサイズを識別する識別装置を備えている。
【0003】
米国特許第9,591,862(B2)号による抽出装置を用いて飲料を抽出する方法では、抽出レシピの選択に基づいて抽出レシピが読み取られ、ポンプ稼働継続時間は、抽出レシピに示されている目標流体量に基づいて計算される。抽出レシピは、特定された種類のコーヒー豆に固有のものであり、抽出レシピのローカル・メモリ、又は遠隔データベースから読み取られる。コーヒー豆の種類の識別は、パッケージに貼り付けられた識別子を用いて実行され得る。
【0004】
コンピュータ可読媒体に基づいてコーヒー飲料の抽出を制御する、コンピュータで実施される方法が、米国特許出願公開第2014/0263780(A1)号で示されている。
【0005】
温かい飲料を作り出す自動抽出方法についての最新技術に関しては、米国特許出願公開第2018/0000108(A1)号及びWO2018/053436A1にも注意を向ける必要がある。
【0006】
DE102016107834A1による、コーヒー豆を焙煎する可能性を有するコーヒー処理装置では、制御装置によって焙煎装置、粉砕装置、及び取出し装置(extraction device)を制御する可能性がある。これは、外部制御情報に基づいてもよい。外部制御情報は、コーヒー処理装置によって受信可能である。これまでのところ、RFID読取り装置を用いる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のことから、本発明の課題は、粉砕機又はいくつかの粉砕機の組合せを用いて、機械的なサイズ縮小を制御することによって、粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する方法及び関連する装置を提案することであり、これにより粉砕プロセスが、最適な方式で、すなわち、外部で予め規定されたデータ又は粉砕原料に関連するデータを使用して、確実に実行される。これにより、不正確な粒子サイズによる誤った粉砕原料処理だけでなく、許容できないほど高温での加熱、又は他の粉砕原料又は粉砕原料混合物の損傷を回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
粉砕原料は、具体的には、種子、豆類、穀物、又はスパイスなどの、乾燥した粒状粉砕原料である。ただし、本発明の教示は、基本的に、かかる粉砕原料に限定されるものではない。含油粒状原料に関する用途も同様に考えられ、この問題に関して、最新技術による対応する粉砕機が、適合又は選択される必要がある。
【0009】
本発明の課題の解決策は、請求項1に記載の教示による方法によって、また請求項9の特徴の組合せによる装置を用いて実行され、従属請求項は、少なくとも適切な構成及びさらなる開発を含んでいる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この方法又は提示される装置は、好ましくは、穀物などの粒状粉砕原料を、家庭用及びケータリング用途で、より少量を粉砕するよう機能する。
【0011】
粉砕用装置は、既知の粉砕機を用い、また無線方式でデータ記憶媒体、たとえばRFIDチップから、データを読み取ることができる。さらに、この装置は、WLAN無線ネットワーク、UMTS無線ネットワーク、又は別の無線ネットワークを用いて、粉砕プロセスに関連する固有のデータをクラウドに送信するだけでなく、クラウドから固有のデータをダウンロードする可能性も有している。
【0012】
付属のRFID読取りユニットは、包装され、購入された粉砕原料又は粉砕原料混合物を、識別する目的に適う。この点に関して、本発明の1つの構成では、粉砕原料のパッケージ、たとえば包装袋は、RFIDチップ又は同様の情報記憶媒体を備えることができる。
【0013】
RFIDチップは、粉砕原料及び粉砕原料の加工に関するデータを格納しているため、粉砕継続時間、粉砕の細かさなどに関して、装置の自動制御を実行することができる。粉砕作業に関連するデータだけでなく、粉砕作業自体のリリース、並びに粉砕原料の生産者及び/又は流通業者に関連するデータも、クラウドに送信可能である。取得され、読み取られたデータに基づいて、統計的評価だけでなく、購入され、粉砕され、対応する装置を用いて加工される粉砕原料に関連づけられた、ライセンスによる料金請求も可能である。
【0014】
その結果として、対応する粉砕原料又は対応する粉砕原料混合物の正しく分割された包装が実行され、粉砕原料混合物は、レシピに従って構成されている。さらに、粉砕原料の特性及び/又は粉砕原料混合物に関するレシピに従って粉砕プロセスを制御するための、第1のデータの保存が実行される。
【0015】
さらに、粉砕原料又は粉砕原料混合物の製造業者及び/又は流通業者に関する、第2のデータが保存される。補足的に、粉砕原料又は粉砕原料混合物に関する原産地、特性、及び/又は最短消費期間若しくは貯蔵寿命情報についての、第3のデータが保存される。
【0016】
データ・メモリ・ユニットは、パッケージに添付されるか、パッケージに挿入されるか、パッケージに貼り付けられるか、又はパッケージにつながれ、データ・メモリ・ユニットは、機械で読取り可能であり、具体的には、光学的に又は無線インタフェースを介して読取り可能である。
【0017】
これに続いて、パッケージが粉砕機又は粉砕機を装備した装置の近くに到達すると、それぞれのパッケージのそれぞれのデータ・メモリ・ユニットを読み取ることができる粉砕機制御ユニットによって、粉砕機が自動的に起動される。
【0018】
次いで、読み取ったデータに基づいて、機械的な粉砕原料のサイズ縮小が実行される。ここで、第1のデータが、第3のデータによる情報の検証と共に使用される。
【0019】
次いで、粉砕プロセスは自動的に完了する。この場合、完了メッセージが発行され、制御ユニットは、第2のデータを利用しながら、それぞれの粉砕プロセスをランダム・アクセス・メモリに記録する。
【0020】
実施される方式において、ランダム・アクセス・メモリにファイルされたデータは、インタフェースを介して読出し可能であり、統計調査及び/又は商業上の、具体的にはライセンスベースの料金請求に利用可能である。
【0021】
読み出されたデータは、インターネット経由で中央サーバに転送される。
【0022】
パッケージを粉砕機に供給する際に、パッケージの自動開封を実行する可能性があり、そのために、時間単位当りに供給されるべき粉砕原料の量が判定され、したがってパッケージの開口のサイズが、第1のデータを用いて予め規定される。
【0023】
本発明の1つの構成では、粉砕機制御ユニットは、粉砕プロセスに手作業で影響を与える入力装置と相互通信する。
【0024】
さらに、第1から第3のデータの視覚化は、ディスプレイを用いて実行され得、粉砕プロセスの推移及びそれぞれの状態も、ディスプレイを通して示すことができる。
【0025】
ユーザに対して、ディスプレイを通して、障害、サービス指示、及び第3のデータに関する情報も表示することができる。
【0026】
粉砕機又は粉砕機の組合せを用いて、機械的なサイズ縮小を制御することによって粒状粉砕原料又は粉砕原料混合物を処理する、本発明による装置は、少なくとも1つの粉砕機が筐体内に配置されていることを前提としており、筐体内に又は筐体に、粉砕原料供給容器及び粉砕機制御ユニットが設けられている。粉砕機制御ユニットは、外部データ・メモリから無線方式でデータを読み込むための、第1のインタフェースを備えている。
【0027】
さらに、外部サーバにデータを送信するために、WLAN、電気通信ネットワークなどと相互接続するための、第2のインタフェースが形成されている。
【0028】
この装置はまた、データを手作業で入力するためばかりでなく、データ及び/又は機能を表示するための、操作及び表示ユニットを備えている。
【0029】
前述のWLANインタフェースを介するだけでなく、移動通信装置へのブルートゥース(登録商標)接続も可能であり、粉砕プロセスの個別評価、レシピの収集、粉砕原料の評価などを、この装置にインストールされ得るアプリケーション・ソフトウェアを使って、行うことができる。
【0030】
本発明の好ましい構成では、対象となる方式で粉砕原料パッケージに開口を形成する手段が、粉砕原料供給漏斗に、又は粉砕原料供給漏斗内に形成されている。この開口は、レシピ固有又は粉砕原料固有のデータを用いて開口サイズを規定する、機械的切断ユニットであってもよく、それにより、単位時間ごとに加工することができる量の粉砕原料だけが、供給漏斗を通ってパッケージから粉砕機に、所望の品質で到達する。
【0031】
装置の代替の実施形態では、内容物を含む対応するパッケージ容器が、粉砕原料供給漏斗にすべて供給される。この実施形態では、因みに、粉砕原料の特性に応じて、粉砕原料又はそれぞれの粉砕原料混合物の流入を制御するために、関連する漏斗の出口側端部に、調整可能なシャッターのような開口部が存在する。
【0032】
本発明による装置は、提示されている方法と組み合わせて、粒状粉砕原料を砕く際に、特にユーザフレンドリな解決策をもたらし、粉砕に成功し、したがって処理された粉砕原料の品質が確保される。本発明によれば、動作エラーは、不適切な材料の処理や貯蔵寿命を超えた材料の処理と同様に、取り除かれる。
【0033】
粉砕機が電動で駆動される場合、本発明によれば、粉砕機モータのそれぞれの有効電力を取得することによって、粉砕プロセスを記録することができる。
【0034】
ここで、予め規定された設定値データからの逸脱、すなわち異常な電力ピークが記録されなければならないと判断された場合、異常な粉砕プロセスと判断することができる。したがって、たとえば、粉砕原料にサードパーティ製品が含まれている場合、又は粉砕機自体に障害がある場合に、認識することができる。たとえば、粉砕原料の供給及び包装中に、金属異物が粉砕原料に混入した場合、これは、有効電力測定データの評価を観察しながら認識することができ、より一層の利用、具体的には、砕かれた粉砕原料の消費を防ぐことができる。たとえば、砥石を備える粉砕機において、砥石の破片が砕かれた原料に混入した場合も同様である。
【国際調査報告】