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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】調理器具及びその調理構造
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20220422BHJP
   A47J 27/04 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
A47J27/00 103H
A47J27/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552990
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2019114405
(87)【国際公開番号】W WO2020238003
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201920831836.4
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100213517
【弁理士】
【氏名又は名称】韓 明花
(72)【発明者】
【氏名】シン,シェンホア
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ファヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,シン
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055AA22
4B055BA62
4B055CA09
4B055CA10
4B055CB08
4B055CB09
(57)【要約】
調理器具(10)であって、内部に調理チャンバー(11)を有する本体部(1)と、調理チャンバー(11)内に設けられている収容部(2)と、媒体置換部(3)であって、調理チャンバー(11)内に設けられ、収容部(2)と媒体置換部(3)との間には選択的に開放又は遮断されることに適する連通路(60)が存在し、媒体置換部(3)は連通路(60)が遮断された場合に第1媒体(39)で媒体置換部(3)内に位置する液態の第2媒体(31)を入れ替えるように設けられ、連通路(60)が開放された場合に収容部(2)と媒体置換部(3)とが連通路(60)を介して連通する媒体置換部(3)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に調理チャンバーを有する本体部と、
前記調理チャンバー内に設けられ且つ前記調理チャンバーに連通する収容部と、
前記調理チャンバー内に設けられている媒体置換部であって、前記収容部と前記媒体置換部との間には選択的に開放又は遮断されることに適する連通路が存在し、前記媒体置換部は前記連通路が遮断された場合に第1媒体で前記媒体置換部内に位置する液態の第2媒体を入れ替えることにより、入れ替えられた前記第2媒体が前記媒体置換部から排出されることで前記調理チャンバー内の液位を変えるように設けられ、前記連通路が開放された場合に前記収容部と前記媒体置換部とが前記連通路を介して連通する、前記媒体置換部と、を含む、
ことを特徴とする調理器具。
【請求項2】
前記連通路を閉鎖又は開放させるための遮断部をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項3】
前記遮断部は回転して前記連通路を閉鎖又は開放させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項4】
前記収容部は収容部底壁を有し、前記収容部底壁には前記収容部底壁を貫通する前記連通路が形成され、前記遮断部は回転可能に前記収容部底壁に設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の調理器具。
【請求項5】
前記媒体置換部は前記収容部の底部に設けられ、前記遮断部は前記収容部底壁の底面に設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の調理器具。
【請求項6】
前記収容部底壁には複数列の連通路が設けられ、複数列の前記連通路は前記収容部の中心軸線の周りに分布し、前記遮断部は中間回転部と、バッフル板部とを含み、前記バッフル板部は前記中間回転部に接続され、前記バッフル板部は前記中間回転部を介して回転可能に前記収容部底壁に接続され、前記バッフル板部は複数あり且つ前記中間回転部を中心に分布する、
ことを特徴とする請求項4に記載の調理器具。
【請求項7】
第1板及び第2板をさらに含み、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記連通路に設けられ、前記第1板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は前記遮断状態にあり、前記第2板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は開放状態にある、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項8】
前記第1板は平板であり且つ前記連通路を覆って前記連通路を閉鎖させ、前記第2板は貫通穴を有する貫通穴板である、
ことを特徴とする請求項7に記載の調理器具。
【請求項9】
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部底壁には切り込みが形成され、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記切り込みに設けられ、前記切り込みは前記連通路として構成される、
ことを特徴とする請求項8に記載の調理器具。
【請求項10】
前記第1板、前記第2板の各々には止め具が設けられ、前記収容部底壁にはスロットが設けられ、前記止め具を前記スロットに滑り込んで係止させることができる、
ことを特徴とする請求項9に記載の調理器具。
【請求項11】
前記収容部底壁には受入れ溝が設けられ、前記受入れ溝は前記切り込みを取り囲み、前記受入れ溝は前記第1板又は前記第2板を配置するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の調理器具。
【請求項12】
前記受入れ溝に配置された時の前記第1板又は前記第2板の上面は前記収容部底壁の上面と面一である、
ことを特徴とする請求項11に記載の調理器具。
【請求項13】
前記収容部には収容部貫通穴が設けられ、前記収容部貫通穴は前記調理チャンバーと前記収容部の内部空間とを連通させるために用いられ、
さらに、前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は周壁貫通穴を含み、前記周壁貫通穴は前記収容部周壁に設けられ、及び/または
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は底壁貫通穴を含み、前記底壁貫通穴は前記収容部底壁に設けられ、さらに、前記底壁貫通穴は前記媒体置換部の半径方向の外側を取り囲む、
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項14】
前記媒体置換部は前記収容部に取り外し可能に接続され且つ前記収容部の底部に位置する、
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項15】
収容部であって、収容部貫通穴が設けられ、前記収容部を貫通する連通路が形成されている、前記収容部と、
気液置換部であって、前記収容部の底部に設けられ、前記連通路により前記気液置換部と前記収容部とが連通する、前記気液置換部と、
遮断部であって、可動的に前記収容部に設けられ且つ前記連通路を閉鎖又は開放させるために用いられる、前記遮断部と、を含む、
ことを特徴とする調理器具に用いる調理構造。
【請求項16】
前記収容部は収容部底壁を有し、前記遮断部は回転可能に又は摺動可能に前記収容部底壁に設けられ、及び/または
前記収容部底壁には複数列の連通路が設けられ、複数列の前記連通路は前記収容部の中心軸線の周りに分布し、前記遮断部は中間回転部と、バッフル板部とを含み、前記バッフル板部は前記中間回転部に接続され、前記バッフル板部は前記中間回転部を介して回転可能に前記収容部底壁に接続され、前記バッフル板部は複数あり且つ前記中間回転部を中心に分布し、及び/または
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は周壁貫通穴を含み、前記周壁貫通穴は前記収容部周壁に設けられ、及び/または
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は底壁貫通穴を含み、前記底壁貫通穴は前記収容部底壁に設けられ、及び/または
前記底壁貫通穴は前記媒体置換部の半径方向の外側を取り囲み、及び/または
前記媒体置換部は前記収容部に取り外し可能に接続され且つ前記収容部の底部に位置する、
ことを特徴とする請求項15に記載の調理器具に用いる調理構造。
【請求項17】
収容部であって、収容部貫通穴が設けられ、前記収容部底壁には前記収容部底壁を貫通する連通路が形成されている、前記収容部と、
気液置換部であって、前記収容部の底部に設けられ、前記連通路により前記気液置換部と前記収容部とが連通する、前記気液置換部と、
第1板及び第2板であって、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記連通路に設けられ、前記第1板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は前記遮断状態にあり、前記第2板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は開放状態にある、前記第1板及び第2板と、を含む、
ことを特徴とする調理器具に用いる調理構造。
【請求項18】
前記第1板は平板であり且つ前記連通路を覆って前記連通路を閉鎖させ、前記第2板は貫通穴を有する貫通穴板であり、及び/または
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部底壁には切り込みが形成され、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記切り込みに設けられ、前記切り込みは前記連通路として構成され、及び/または
前記第1板、前記第2板の各々には止め具が設けられ、前記収容部底壁にはスロットが設けられ、前記止め具を前記スロットに滑り込んで係止させることができ、及び/または
前記収容部底壁には受入れ溝が設けられ、前記受入れ溝は前記切り込みを取り囲み、前記受入れ溝は前記第1板又は前記第2板を配置するために用いられ、及び/または
前記受入れ溝に配置された時の前記第1板又は前記第2板の上面は前記収容部底壁の上面と面一であり、及び/または
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は周壁貫通穴を含み、前記周壁貫通穴は前記収容部周壁に設けられ、及び/または
前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は底壁貫通穴を含み、前記底壁貫通穴は前記収容部底壁に設けられ、及び/または
前記底壁貫通穴は前記媒体置換部の半径方向の外側を取り囲み、及び/または
前記媒体置換部は前記収容部に取り外し可能に接続され且つ前記収容部の底部に位置する、
ことを特徴とする請求項17に記載の調理器具に用いる調理構造。
【請求項19】
請求項15~18のいずれか1項に記載の調理器具に用いる調理構造を含む、
ことを特徴とする調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、佛山市順徳区美的電熱電器制造有限公司が2019年5月31日に提出した、名称が「調理器具及びその調理構造」である中国特許出願第201920831836.4号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、家電分野に関し、特に、調理器具及びその調理構造に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、調理器具で食材を調理する場合に、例えば、炊飯器で米飯を調理する場合には、炊飯器は収容部を有し、収容部を利用して瀝米飯(茹でた米を蒸して作ったご飯)を調理する。しかしユーザーが炊飯器で食材を蒸す場合に、蒸す過程では、食材が水に浸かって煮崩れてしまうリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の1つの目的は、媒体置換部が設けられて食材と水の分離が実現されるとともに、収容部と媒体置換部とによって蒸す機能が実現される調理器具を提供することである。
【0005】
本願はさらに、調理器具に用いる調理構造を提供する。
【0006】
本願はさらに、調理器具に用いる調理構造を提供する。
【0007】
本願はさらに、調理器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る調理器具は、本体部と、収容部と、媒体置換部とを含む。前記本体部内には調理チャンバーを有し、前記収容部は前記調理チャンバー内に設けられ且つ前記収容部は前記調理チャンバーに連通し、前記媒体置換部は前記調理チャンバー内に設けられ、前記収容部と前記媒体置換部との間には選択的に開放又は遮断される連通路が存在し、前記媒体置換部は前記連通路が遮断された場合に第1媒体で前記媒体置換部内に位置する液態の第2媒体を入れ替えることに適するように設けられ、入れ替えられた前記第2媒体が前記媒体置換部から排出されることで前記調理チャンバー内の液位を変え、前記連通路が開放された場合に前記収容部と前記媒体置換部とは前記連通路を介して連通する。
【0009】
本願の調理器具によれば、本体部、収容部及び媒体置換部の組み合わせにより、調理器具に蒸すと茹でる二重機能を持たせることができ、食材を蒸す場合には、食材が浸かって煮崩れてしまうリスクを避けることができ、また媒体置換部を設けることにより、食材と水の効果的な分離を実現することができる。
【0010】
本願のいくつかの実施例によれば、前記的調理器具は、前記連通路を閉鎖又は開放させるための遮断部をさらに含む。
【0011】
本願のいくつかの実施例によれば、前記遮断部は回転して前記連通路を閉鎖又は開放させる。
【0012】
本願のいくつかの実施例によれば、前記収容部は収容部底壁を有し、前記収容部底壁には前記収容部底壁を貫通する前記連通路が形成され、前記遮断部は回転可能に前記収容部底壁に設けられる。
【0013】
本願のいくつかの実施例によれば、前記媒体置換部は前記収容部の底部に設けられ、且つ前記遮断部は前記収容部底壁の底面に設けられる。
【0014】
本願のいくつかの実施例によれば、前記収容部底壁には複数列の連通路が設けられ、複数列の前記連通路は前記収容部の中心軸線の周りに分布し、前記遮断部は中間回転部と、バッフル板部とを含み、前記バッフル板部は前記中間回転部に接続され、前記バッフル板部は前記中間回転部を介して回転可能に前記収容部底壁に接続され、前記バッフル板部は複数あり且つ前記中間回転部を中心に分布する。
【0015】
本願のいくつかの実施例によれば、前記調理器具は第1板及び第2板をさらに含み、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記連通路に設けられ、前記第1板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は前記遮断状態にあり、前記第2板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は開放状態にある。
【0016】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1板は平板であり且つ前記連通路を覆って前記連通路を閉鎖させ、前記第2板は貫通穴を有する貫通穴板である。
【0017】
本願のいくつかの実施例によれば、前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部底壁には切り込みが形成され、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記切り込みに設けられ、前記切り込みは前記連通路として構成される。
【0018】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1板、前記第2板の各々には止め具が設けられ、前記収容部底壁にはスロットが設けられ、前記止め具を前記スロットに滑り込んで係止させることができる。
【0019】
本願のいくつかの実施例によれば、前記収容部底壁には受入れ溝が設けられ、前記受入れ溝は前記切り込みを取り囲み、前記受入れ溝は前記第1板又は前記第2板を配置するために用いられる。
【0020】
本願のいくつかの実施例によれば、前記受入れ溝に配置された時の前記第1板又は前記第2板の上面は前記収容部底壁の上面と面一である。
【0021】
本願のいくつかの実施例によれば、前記収容部には収容部貫通穴が設けられ、前記収容部貫通穴は前記調理チャンバーと前記収容部の内部空間とを連通させるために用いられ、さらに、前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は周壁貫通穴を含み、前記周壁貫通穴は前記収容部周壁に設けられ、及び/または前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は底壁貫通穴を含み、前記底壁貫通穴は前記収容部底壁に設けられ、さらに、前記底壁貫通穴は前記媒体置換部の半径方向の外側を取り囲む。
【0022】
本願のいくつかの実施例によれば、前記媒体置換部は前記収容部に取り外し可能に接続され且つ前記収容部の底部に位置する。
【0023】
本願に係る調理器具に用いる調理構造は、収容部であって、収容部貫通穴が設けられ、前記収容部には前記収容部を貫通する連通路が形成されている前記収容部と、気液置換部であって、前記収容部の底部に設けられ、前記連通路により前記気液置換部と前記収容部とが連通する前記気液置換部と、遮断部であって、可動的に前記収容部に設けられ且つ前記連通路を閉鎖又は開放させるために用いられる前記遮断部とを含む。
【0024】
本願のいくつかの実施例によれば、前記収容部は収容部底壁を有し、前記遮断部は回転可能に又は摺動可能に前記収容部底壁に設けられ、及び/または前記収容部底壁には複数列の連通路が設けられ、複数列の前記連通路は前記収容部の中心軸線の周りに分布し、前記遮断部は中間回転部と、バッフル板部とを含み、前記バッフル板部は前記中間回転部に接続され、前記バッフル板部は前記中間回転部を介して回転可能に前記収容部底壁に接続され、前記バッフル板部は複数あり且つ前記中間回転部を中心に分布し、及び/または前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は周壁貫通穴を含み、前記周壁貫通穴は前記収容部周壁に設けられ、及び/または前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は底壁貫通穴を含み、前記底壁貫通穴は前記収容部底壁に設けられ、及び/または前記底壁貫通穴は前記媒体置換部の半径方向の外側を取り囲み、及び/または前記媒体置換部は前記収容部に取り外し可能に接続され且つ前記収容部の底部に位置する。
【0025】
本願に係る調理器具に用いる調理構造は収容部であって、収容部貫通穴が設けられ、前記収容部底壁には前記収容部底壁を貫通する連通路が形成されている前記収容部と、気液置換部であって、前記収容部の底部に設けられ、前記連通路により前記気液置換部と前記収容部とが連通する前記気液置換部と、第1板及び第2板であって、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記連通路に設けられ、前記第1板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は前記遮断状態にあり、前記第2板が前記連通路に位置する場合には前記連通路は開放状態にある前記第1板及び第2板とを含む。
【0026】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1板は平板であり且つ前記連通路を覆って前記連通路を閉鎖させ、前記第2板は貫通穴を有する貫通穴板であり、及び/または前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部底壁には切り込みが形成され、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記切り込みに設けられ、前記切り込みは前記連通路として構成され、及び/または前記第1板、前記第2板の各々には止め具が設けられ、前記収容部底壁にはスロットが設けられ、前記止め具を前記スロットに滑り込んで係止させることができ、及び/または前記収容部底壁には受入れ溝が設けられ、前記受入れ溝は前記切り込みを取り囲み、前記受入れ溝は前記第1板又は前記第2板を配置するために用いられ、及び/または前記受入れ溝に配置された時の前記第1板又は前記第2板の上面は前記収容部底壁の上面と面一であり、及び/または前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は周壁貫通穴を含み、前記周壁貫通穴は前記収容部周壁に設けられ、及び/または前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを含み、前記収容部貫通穴は底壁貫通穴を含み、前記底壁貫通穴は前記収容部底壁に設けられ、及び/または前記底壁貫通穴は前記媒体置換の半径方向の外側を取り囲む。
【0027】
本願の実施例に係る調理器具に用いる調理構造は、収容部であって、収容部周壁と、収容部底壁とを有し、前記収容部周壁には周壁貫通穴が設けられ、前記収容部底壁には前記収容部底壁を貫通する連通路が形成されている前記収容部と、遮断部であって、回転可能に前記収容部底壁に設けられ且つ回転して前記連通路を閉鎖又は開放させる前記遮断部と、気液置換部であって、前記収容部底壁の下面に設けられ、水蒸気が入り且つ前記気液置換部内の液体が排出されるように前記気液置換部の下端が開放されている前記気液置換部とを含む。
【0028】
本願の実施例に係る調理器具に用いる調理構造は、収容部であって、収容部周壁と、収容部底壁とを有し、前記収容部周壁には周壁貫通穴が設けられ、前記収容部底壁には前記収容部底壁を貫通する連通路が形成されている前記収容部と、第1板及び第2板であって、前記第1板と前記第2板は入れ替え可能に前記連通路に設けられ、前記第1板は平板であり且つ前記連通路を覆って前記連通路を閉鎖させることに適し、前記第2板は貫通穴を有する貫通穴板である前記第1板及び第2板と、気液置換部であって、前記収容部底壁の下面に設けられ、水蒸気が入り且つ前記気液置換部内の液体が排出されるように前記気液置換部の下端が開放されている前記気液置換部とを含む。
【0029】
本願に係る調理器具は、前記実施例の調理構造を有する。
【0030】
本願の他の態様及び利点は次の説明で記載され、その一部は次の説明から明らかになり、又は本願の実施で把握されるものだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本願の実施例に係る調理器具で瀝米飯を作る時の概略図である。
図2】本願の実施例に係る調理器具で食材を蒸す時の概略図である。
図3】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の側面図である。
図4】本願の実施例に係る調理器具のバッフル板部が連通路を遮蔽することの概略図である。
図5】本願の実施例に係る調理器具のバッフル板部が連通路を遮蔽していないことの概略図である。
図6】本願の実施例に係る調理器具に第2板が設けられることの概略図である。
図7】本願の実施例に係る調理器具に第1板が設けられることの概略図である。
図8】本願の実施例に係る調理器具に第1板が設けられた後の分解図である。
図9】本願の実施例に係る調理器具の第2板の概略図である。
図10】本願の実施例に係る調理器具の第1板の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本願の実施例を詳細に説明し、図面には前記実施例の例が示され、常に同じ又は類似の符号で同じもしくは類似の部品又は同じもしくは類似の機能を有する部品を表す。図面を参照して説明された実施例は例示的なもので、本願の解釈に供するもので、本願に対する制限と理解されるものではない。
【0033】
なお、本願の説明で、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などで指示した方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくもので、本願の説明及び説明の簡素化のためのものに過ぎず、対象の装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位で構造又は操作されなければならないことを示すものでもこれを示唆するものでもなく、したがって本願に対する制限とは理解されない。
【0034】
また、用語「第1」、「第2」は説明するためだけに用いられるもので、相対的な重要性を示しもしくはこれを示唆するものとしても、対象となる技術的特徴の数量を暗黙的に示すものとしても理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は1つ又は複数の当該特徴を明示的に含んでもよいし又は暗黙的に含んでもよい。本願の説明で、「複数」とは少なくとも2つを意味し、例えば2つ、3つなどであり、ただし他に明確で具体的な限定がなされる場合は除く。
【0035】
本願で、特に明確な規定又は限定がなされる場合を除き、「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義で理解されるべきであり、例えば、固定して接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、又は一体的であることであってもよく、機械的に接続されることであってもよいし、電気的に接続されることであってもよいし、又は互いに通信することであってもよく、直接的に接続されることであってもよいし、中間の介在物を介して間接的に接続されることであってもよく、2つの部品が内部で連通することであってもよいし、2つの部品の相互作用であってもよい。当業者であれば、状況に応じて前記用語の本願での意味を具体的に理解することができる。
【0036】
本願で、特に明確な規定又は限定がなされる場合を除き、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1特徴と第2特徴が直接的に接触することを含んでもよいし、第1特徴と第2特徴が直接的に接触するのではなくそれらの間にある別の特徴を介して接触することを含んでもよい。且つ、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」に位置するとは、第1特徴が第2特徴の真上にもしくは斜め上方に位置することを含み、又は第1特徴は第2特徴よりも水平面に対する高さが大きいことを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」に位置するとは、第1特徴が第2特徴の真下にもしくは斜め下方に位置することを含み、又は第1特徴は第2特徴よりも水平面に対する高さが小さいことを表してもよい。
【0037】
次に、図1図10を参照して本願の実施例の調理器具10を説明する。
【0038】
図1図10に示すように、本願の実施例の調理器具10によれば、調理器具10は炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットであってもよく、本願では調理器具10が炊飯器であるのを例に説明するが、本願の保護範囲がこれに限定されない。当業者が本願の明細書を読み終え、本願の趣旨を把握すると、本願の調理器具10を電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどに用いることもできる。
【0039】
調理器具10は、本体部1と、収容部2と、媒体置換部3とを含む。本体部1内には調理チャンバー11を有し、収容部2は食材、例えば米や蒸しパンを収容するために用いられる。いくつかの実施例において、調理チャンバー11は本体部1の鍋体部12と上蓋部13とによって限定され形成された空洞部であってもよい。
【0040】
収容部2は調理チャンバー11内に設けられ、且つ収容部2は調理チャンバー11に連通し、調理チャンバー11内の液面が上昇すると、収容部2内の液位が変われる。媒体置換部3は調理チャンバー11内に設けられ、収容部2と媒体置換部3との間には選択的に開放又は遮断される連通路60が存在し、連通路60が遮断される場合には、媒体置換部3は第1媒体39(図1参照)で媒体置換部3内に位置する液態の第2媒体31を入れ替える(図1参照)ことで、入れ替えられた第2媒体31が媒体置換部3から排出され、第2媒体31が調理チャンバー11に流入することにより、調理チャンバー11内の液位を変えるように設けられ、且つ、収容部2は調理チャンバー11に連通でき、第2媒体31が調理チャンバー11に流入すると、収容部2内の液位が変われる。なお、第1媒体39は水蒸気で、第2媒体は水であってもよいが、本願はこれに限定されない。
【0041】
連通路60が開放される場合には、収容部2と媒体置換部3とは連通路60を介して連通し、この過程では、調理器具10は食材を蒸すために用いられてもよい。言い換えれば、連通路60が開放される場合には、収容部2と媒体置換部3とは連通路60を介して直接的に連通し、この場合に、媒体置換部3内の第1媒体39、例えば水蒸気(水蒸気を例に例示的に説明する)は直接的に連通路60を介して収容部2内に入ることができ、つまり、この時には連通路60が開放されることで、収容部2と媒体置換部3との間に比較的大きな連通面積が構成され、これにより媒体置換部3内の第1媒体39の大半あるいはその全てが直ちに連通路60を介して収容部2内に早く排出されることは可能であり、媒体置換部3内の圧力は他方の動作モード、即ち連通路60が遮断される動作モードと比べて大幅に低減し、排気が順調に行われるために、水が媒体置換部3内から排出されることはなく又は極めて少量の水だけが排出され、このように連通路60が連通させることで、主に媒体置換部3内からの順調な排気が実現され、最終的には「蒸す」ことが実現される。
【0042】
なお、調理器具10、例えば炊飯器の動作過程は主に沸騰段階と、米蒸し段階とを含み、沸騰段階において、炊飯器は主に周期的に加熱し、炊飯器の制御プログラムに周期Tが設定され、Tは関係式32秒≧T≧4秒を満たし、周期対電力調整比はaで、aは関係式1≧a≧1/8を満たし、沸騰段階の総持続時間はt1で、t1は関係式15分≧t1≧3分を満たす。沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムにより米のとぎ汁の温度がbに保持され、bは関係式110度≧b≧80度を満たし、米蒸し段階の総持続時間はt2で、t2は関係式30分≧t2≧3分を満たす。
【0043】
具体的には、連通路60が遮断される場合に、炊飯器の具体的な動作過程は以下のとおりである。炊飯器で調理する過程で、まず適量の水を調理チャンバー11に注ぎ、次に収容部2及び媒体置換部3を調理チャンバー11内に入れ、調理チャンバー11内の水位は媒体置換部3をほぼ没入させており(なお媒体置換部3より適宜高くてもよいし又は媒体置換部3より適宜低くてもよい)、さらに洗った米を収容部2内に入れ、図1に示すように、この時に米と水は分離してもよく、つまり米が上方に、水が下方に位置し、米は水に浸っていない。なお、別の選択可能の実施形態として、この場合に水は米の一部を没入させもよいし又は全ての米を没入させてもよい。
【0044】
図1に示すように、炊飯器が調理チャンバー11を加熱し始め、調理チャンバー11内の水が沸騰すると、調理チャンバー11内の水に大量の気泡(水蒸気)が発生し、一部の気泡が媒体置換部3に蓄積されるため、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に排出され、調理チャンバー11内の水面が上昇し、収容部2が調理チャンバー11に連通するため、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に流入した後、調理チャンバー11内の水は収容部2に流入し、この時に、収容部2内の水位は上昇して、米を没入し、図1に示すように、米を煮込むことを実現する。
【0045】
収容部2内の水位が一定の高さに達すると、時間センサ又は信号センサによる検知で又は他の周知の手段により、炊飯器が直ちに加熱を停止し、媒体置換部3内の水蒸気が早く冷却され液化すると、媒体置換部3内の圧力が低減し、そして調理チャンバー11内の水が媒体置換部3に逆流することで、収容部2内の水位が早く下降し、収容部2内の水位が下降するうちに、収容部2内の水が米を通り抜けて下落し、収容部2内の水が米を洗い流し、また、炊飯器が調理する過程では、炊飯器は米と水の分離を間欠的に実現してもよく、例えば、炊飯器が加熱等価電力などの制御プログラムを制御することで、炊飯器は調理チャンバー11を繰り返し加熱しては停止し、炊飯器が調理チャンバー11を繰り返し加熱する過程で、収容部2内の水が繰り返し上昇しては落下し、水が繰り返し上昇しては落下する過程で米が洗い流され、そして水は次第に米のとぎ汁になっていく。沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムにより米のとぎ汁の温度が80度以上に保持されることで、米飯は蒸され又は蒸し煮されて熟成する。
【0046】
なお、米を収容部2内に入れた後で、炊飯器が調理チャンバー11を加熱していない時は、収容部2内の米は水に浸っていないため、炊飯器で作った米飯は糖尿病患者でも食べることができ、これは従来の炊飯器と本質的に違う。従来の炊飯器は初期の段階から米が水に浸るため、本願と明らかに異なる。
【0047】
しかも、炊飯器の沸騰段階において、水が米を繰り返し洗い流すことで、米の糖含有量が一層低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0048】
しかも、米蒸し段階において、炊飯器内では初期の水の蒸発と米の吸水により、水位が下降し、米と水の分離及び米飯を効果的に蒸すことを保証し、米飯が米のとぎ汁に浸ることを防ぐために、最終的に調理チャンバー11内の水位と最下層の米飯の距離は4mm以上とする。
【0049】
また、媒体置換部3の体積が変わらない場合には、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填することで、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を上げて、調理チャンバー11内の液位を上昇させてもよく、調理チャンバー11内の液位を下降させたい場合に、ガス充填放出装置で媒体置換部3内からガスを引き出し、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を下げることで、液位が下降する効果を得る。また、媒体置換部3の体積が変われる場合には、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填し又は媒体置換部3内のガスを引き出すことで、調理チャンバー11内の液位が上昇又は下降する機能を実現することもできる。
【0050】
例えば、本願の特定のいくつかの例において、調理する過程で、外部のガス充填機構によって媒体置換部3にガスを充填することで、収容部2内の液位の変化を実現でき、且つ、媒体置換部3の体積はガス充填量に従って変化できる。これにより、媒体置換を行う必要がない場合には、媒体置換部3の体積が小さく、調理チャンバー11の使用分が減らされ、且つ、ガスを充填する時に体積を増加させて、ガスの収容量を増やすと、液体の置換量が一層増えており、収容部2内の液面がより明らかに上昇することで、調理効果の向上につながる。
【0051】
また、連通路60が開放される場合に、炊飯器の具体的な動作過程は以下のとおりである。炊飯器で調理する過程で、まず適量の水を調理チャンバー11に注ぎ、次に収容部2及び媒体置換部3を調理チャンバー11内に入れ、調理チャンバー11内の水位は収容部2を没入させず、さらに蒸しパンを収容部2内に入れ、図2に示すように、この場合に蒸しパンと水とは分離しており、即ち蒸しパンが上方に、水が下方に位置する。
【0052】
図2に示すように、炊飯器が調理チャンバー11を加熱し始め、調理チャンバー11内の水が沸騰すると、連通路60が開放されるため、調理チャンバー11内の水位は上昇せず、調理チャンバー11内の水から大量の気泡(水蒸気)が発生するだけで、水蒸気が上昇する過程で蒸しパンが蒸される。調理器具10で食材を蒸す場合には、このような設置により食材が浸されすぎて腐ってしまうことが避けられ、調理器具10は食材を効果的に蒸す機能を備え、しかも調理器具10で瀝米飯を作る場合には、米飯を効果的に調理できるため、調理器具10は蒸すと茹でる両方の機能を有する。
【0053】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、調理器具10は蒸すと茹でる両方の機能を有し、食材を蒸す場合には、食材が浸されすぎて腐ってしまうリスクは避けられる。
【0054】
本願のいくつかの実施例において、図4及び図5に示すように、調理器具10は、連通路60を閉鎖又は開放させるための遮断部601をさらに含み、なお、調理器具10で食材を蒸す場合には、遮断部601を制御して連通路60を開放させることにより、調理チャンバー11内の水位が上昇しないことが保証され、これにより調理器具10で食材を蒸す機能が実現される。調理器具10で食材を茹でる場合には、遮断部601を制御して連通路60を閉鎖させ、調理チャンバー11内の水が沸騰すると、調理チャンバー11内の水位が上昇することが保証され、これにより調理器具10で食材を茹でる機能が実現される。
【0055】
本願のいくつかの実施例において、遮断部601が回転して連通路60を閉鎖又は開放させるということは、遮断部601を回転させるだけで連通路60を閉鎖又は開放させるという目的機能を実現できるように理解されてもよく、これにより連通路60を閉鎖又は開放させるステップは容易になり、操作の難度が下がる。
【0056】
本願のいくつかの実施例において、図4及び図5に示すように、収容部2は収容部底壁23を有し、収容部底壁23には収容部底壁23を貫通する連通路60が形成され、遮断部601は回転可能に収容部底壁23に設けられ、このような設置により遮断部601と連通路60との距離が短縮され、遮断部601で連通路60を閉鎖又は開放させることに役立ち、遮断部601の設置位置がより合理的である。なお、またいくつかの実施例において、遮断部601は摺動して収容部2に設けられてもよく、摺動で連通路60の開放又は遮断を実現する。
【0057】
要するに、本願の前記実施例の説明によれば、遮断部601は可動的に収容部2に設けられ、可動とは摺動でもよいし回転でもよい。
【0058】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は収容部2の底部に設けられ、且つ遮断部601は収容部底壁23の底面に設けられ、このような設置により遮断部601で媒体置換部3と収容部2とが連通するかどうかをより効果的に制御することができ、調理器具10は蒸すと茹でる両方の機能を有することが保証され、さらに調理器具10の動作の信頼性が保証され、調理器具10で食材を蒸す場合には、食材が水に浸らないことが保証される。
【0059】
本願のいくつかの実施例において、図5に示すように、収容部底壁23には複数列の連通路60が設けられてもよく、複数列の連通路60は収容部底壁23を中心に分布し、言い換えれば、複数列の連通路60は収容部2の中心軸線の周りに分布し、なお、調理器具10で食材を蒸す場合には、連通路60を開放させると、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくならないことが保証され、調理チャンバー11内の水位上昇が避けられ、これにより食材が水に浸ることが一層防がれる。
【0060】
且つ、図5に示すように、遮断部601は中間回転部602と、バッフル板部603とを含んでもよく、バッフル板部603は中間回転部602に接続され、バッフル板部603は中間回転部602を介して回転可能に収容部底壁23に接続され、バッフル板部603は複数あり且つ中間回転部602を中心に分布する。なお、中間回転部602が回転する過程では、バッフル板部603が連通路60を塞ぐことで、瀝米飯を調理する機能が実現され、中間回転部602が一定の角度だけ回転すると、バッフル板部603は連通路60を塞がらないようになり、収容部2と媒体置換部3とが連通し、媒体置換部3内に気圧が発生しないことで、蒸す機能が実現される。
【0061】
本願のいくつかの実施例において、図6及び図7に示すように、調理器具10は第1板604と、第2板605とを含んでもよく、第1板604と第2板605は入れ替え可能に連通路60に設けられ、第1板604が連通路60に位置する場合には、連通路60は遮断状態にあり、水が沸騰すると、媒体置換部3内に気圧が発生し、調理チャンバー11内の水位が上昇し、調理器具10で瀝米飯を調理することに適する。また第2板605が連通路60に位置する場合には、連通路60は開放状態にあり、収容部2と媒体置換部3とが連通し、媒体置換部3内に気圧が発生しないことで、調理チャンバー11内の水位が上昇しなくなり、調理器具10で食材を蒸すことに適する。
【0062】
本願のいくつかの実施例において、図6に示すように、第1板604は平板であり、且つ第1板604は連通路60を覆っており、又は第1板604は連通路60よりやや大きく且つ連通路60の片側を覆うことで、第1板604は連通路60を閉鎖させることができ、第1板604が連通路60に設けられると、第1板604が連通路60を塞ぐため、調理器具10でより効果的に瀝米飯を調理することができる。図7に示すように、第2板605は貫通穴を有する貫通穴板であり、第2板605が連通路60に設けられると、第2板605に貫通穴が設けられるため、貫通穴により連通路60が開放され、これにより収容部2と媒体置換部3とが連通し、さらに調理器具10でより効果的に食材を蒸すことができる。
【0063】
本願のいくつかの実施例において、図8に示すように、収容部2は収容部周壁21と、収容部底壁23とを含んでもよく、収容部底壁23には切り込みが形成され、第1板604と第2板605は入れ替え可能に切り込みに設けられ、切り込みは連通路60として構成され、このような設置により切り込みは収容部2に集積され、調理器具10を構成する部品の数量は減り、収容部2の製造の難度が下がるため、収容部2の生産コストを削減できる。
【0064】
本願のいくつかの実施例において、図6図10に示すように、第1板604、第2板605にはいずれも止め具606が設けられ、収容部底壁23にはスロット607が設けられ、止め具606をスロット607に滑り込んで係止させることができ、このような設置により第1板604と第2板605とを収容部底壁23に確実に組み立てることができ、第1板604及び第2板605が収容部底壁23から脱落することを防ぐことで、食材が調理チャンバー11に落ちることが避けられ、しかも第1板604及び第2板605の取り外しも取り付けもしやすくなるため、第1板604及び第2板605の取り外しと取り付けの効率が高められる。
【0065】
本願のいくつかの実施例において、収容部底壁23には受入れ溝が設けられてもよく、受入れ溝は切り込みを取り囲むように設置され、受入れ溝は第1板604又は第2板605を配置するために用いられ、このような設置により第1板604及び第2板605を収容部底壁23に確実に組み立てることができ、第1板604及び第2板605が収容部底壁23から脱落することが一層避けられる。しかも、受入れ溝はガイドとしての役割を有し、第1板604及び第2板605を収容部底壁23に組み立てることに役立つ。
【0066】
本願のいくつかの実施例において、受入れ溝に配置された時の第1板604又は第2板605の上面は収容部底壁23の上面と面一であり、このような設置により収容部2の底端はより平坦としており、食材が特定の領域に集まることが避けられ、食材は第1板604及び第2板605に均一に敷き詰められ、さらに食材は均一に受熱できる。
【0067】
本願のいくつかの実施例において、図1に示すように、収容部2には収容部貫通穴24が設けられ、収容部貫通穴24は調理チャンバー11と収容部2の内部空間とを連通させるために用いられ、瀝米飯を調理する場合には、調理チャンバー11内の水位が上昇すると、調理チャンバー11内の水は収容部貫通穴24から収容部2に流入でき、沸騰する水で米を茹で米を洗い流すことになり、且つ、水が沸騰していない場合に、調理チャンバー11内の水は収容部貫通穴24より収容部2から流出でき、水と米とは分離し、また、水が沸騰する時に大量の水蒸気が発生し、一部の水蒸気が収容部貫通穴24より調理チャンバー11から排出される。
【0068】
本願のいくつかの実施例において、図1に示すように、収容部貫通穴24は周壁貫通穴241を含み、周壁貫通穴241は収容部周壁21に設けられ、周壁貫通穴241は複数設けられてもよく、瀝米飯を調理する場合に、このような設置により水は早く収容部2に流入し又は流出することができ、米が水に浸る時間が短縮される。
【0069】
本願のいくつかの実施例において、図5に示すように、収容部貫通穴24は底壁貫通穴242を含んでもよく、底壁貫通穴242は収容部底壁23に設けられ、調理器具10が水を加熱していない場合は、このような設置により底壁貫通穴242の水面との距離が最小になり、水は底壁貫通穴242から収容部2に流入しやすく、また収容部2内の水が底壁貫通穴242より収容部2から流出するため、水が米を一層洗い流すことになる。
【0070】
要するに、本願の好ましい実施形態は以下のとおりである。周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242の両方が設置され、水は周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242より収容部2内に入ることができ、底壁貫通穴242の一部が米によって遮られる可能性があるため、水の大半は周壁貫通穴241から入り、下向きに行って米を洗い流し、最後に底壁貫通穴242を介して調理チャンバー11に逆流することで、食材、例えば米を洗い流し、攪拌することができる。
【0071】
本願のいくつかの実施例において、底壁貫通穴242は媒体置換部3の半径方向の外側を取り囲み、これは媒体置換部3の周方向において、複数の底壁貫通穴242が媒体置換部3の外側を取り囲むように理解されてもよく、このような設置により調理チャンバー11内の水は収容部2により早く流入でき、収容部2に流入した水の温度が維持され、水で米をより効果的に茹でることができる。
【0072】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は収容部2に対して取り外し可能に接続され、且つ媒体置換部3は収容部2の底部に位置し、このような設置により媒体置換部3と収容部2とを分離させやすくなり、媒体置換部3又は収容部2を単独で洗浄することに役立つ。また、収容部2が調理チャンバー11内に入れられた後、このような設置により水は媒体置換部3に流入しやすく、媒体置換部3内に水が貯蔵されることが保証され、これにより収容部2内の水位が上昇又は下降できることが保証され、さらには調理器具10の動作の信頼性が保証される。
【0073】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は媒体置換部周壁を含んでもよく、媒体置換部周壁の上部が収容部2の底面に密着することで、ある程度密封が構成され、水蒸気の散逸が防がれ、これは媒体置換部周壁の上部が収容部2の底面に接続されるように理解されてもよく、このような設置により収容部2の底面によって媒体置換部3の上端が閉鎖され、水蒸気が媒体置換部3に入った後は、水蒸気が媒体置換部3の上端より媒体置換部3から流出することが避けられ、水蒸気が媒体置換部3内に貯蔵されることが保証され、さらには媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に押し入れられることが保証される。
【0074】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部周壁の上部に環状のフランジが設けられ、環状のフランジは収容部の底面に密着し、環状のフランジは収容部2の底面に対して取り外し可能に接続される。なお、媒体置換部3と収容部2が組み立てられると、環状のフランジが収容部2の底面に組み立てられ、環状のフランジと収容部2の接触面積は媒体置換部周壁と収容部2の接触面積より大きく、環状のフランジの設置により、媒体置換部3の収容部2への取付け面積が増え、媒体置換部3と収容部2がより確実に組み立てられ、これにより媒体置換部3と収容部2の全体的な構造強度が高められる。しかも、媒体置換部3と収容部2の接続部位の密封性が確保され、さらには水蒸気が媒体置換部3の上端より媒体置換部3から流出することが避けられる。また、水が沸騰する過程で大量の水蒸気が発生し、水蒸気が浮力を有するため、このよう設置により媒体置換部3の振動を防ぎ、炊飯器の動作時のノイズを低減させることができる。
【0075】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部周壁と収容部2とが一体的に成形され、このような設置により媒体置換部3と収容部2が一体成形部品として設けられ、媒体置換部3と収容部2の全体的な構造強度及び剛性が高められ、媒体置換部3と収容部2の分離を防ぐことができ、調理器具10の動作の信頼性を保証できる。例えば、媒体置換部周壁と収容部2は一体的に射出成形された部品である。
【0076】
いくつかの実施例において、媒体置換部周壁は収容部2に係止され、溶接され又はかしめ接続されてもよく、このような設置により媒体置換部3と収容部2が確実に組み立てられ、媒体置換部3と収容部2の分離が一層避けられ、しかも媒体置換部3と収容部2が組み立てやすくなり、媒体置換部3と収容部2の組立効率が一層高められる。
【0077】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は媒体置換部周壁を含んでもよく、媒体置換部周壁は収容部周壁21の下端より下向きに延伸し、このような設置により媒体置換部3及び収容部2の構造の一致性を向上させ、媒体置換部3と収容部2の全体的な美観性を向上させることができる。
【0078】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部周壁及び収容部周壁21はいずれも円環状に構成され、且つ媒体置換部周壁と収容部周壁21は直径が等しく、このような設置により媒体置換部3の断面積が収容部2の断面積に等しく、媒体置換部3及び収容部2の構造の一致性を一層向上させるとともに、媒体置換部3の置き換え可能な体積を増やすことができる。
【0079】
本願の実施例に係る調理器具10に用いる調理構造は、収容部2と、遮断部601と、気液置換部3とを含む。気液置換部3は前記実施例の媒体置換部3であり、収容部2は収容部周壁21と、収容部底壁23とを有し、収容部周壁21には周壁貫通穴241が設けられ、収容部底壁23には収容部底壁23を貫通する連通路60が形成され、遮断部601は回転可能に収容部底壁23に設けられ、且つ遮断部601は回転して連通路60を閉鎖又は開放させる。気液置換部3は収容部底壁23の下面に設けられ、水蒸気が入り且つ気液置換部3内の液体が排出されるように気液置換部3の下端が開放される。
【0080】
本願の実施例に係る調理構造によれば、収容部2、遮断部601と気液置換部3の組み合わせで、当該調理構造を有する調理器具10は蒸すと茹でる両方の機能を有し、食材を蒸す場合には、食材が浸されすぎて腐ってしまうリスクは避けられ、また気液置換部3を設けることにより、食材と水の効果的な分離が実現される。
【0081】
本願の実施例に係る調理器具10に用いる調理構造は収容部2と、第1板604と、第2板605と、気液置換部3とを含む。収容部2は収容部周壁21と、収容部底壁23とを有し、収容部周壁21には周壁貫通穴241が設けられ、収容部底壁23には収容部底壁23を貫通する連通路60が形成される。第1板604と第2板605は入れ替え可能に連通路60に設けられ、第1板604は平板であり、且つ第1板604は連通路60を覆って連通路60を閉鎖させることに適し、第2板605は貫通穴を有する貫通穴板である。気液置換部3は収容部底壁23の下面に設けられ、気液置換部3の下端が開放され、気液置換部3により水蒸気が入り且つ気液置換部3内の液体が排出されることが可能である。なお、本願の調理構造に関する実施例と、前記調理器具の実施例に係る収容部、媒体置換部、遮断部、第1板、第2板などの部品の実施例とが実質的に同じであるため、調理構造の実施例で収容部、媒体置換部(例えば、気液置換部)、遮断部、第1板、第2板などの構造はいずれも前記実施例と同じ構造を用いることができ、そのためにそれぞれの詳細な説明を省略する。
【0082】
本願の実施例の調理構造によれば、収容部2、第1板604、第2板605と気液置換部3の組み合わせで、当該調理構造を有する調理器具10は蒸すと茹でる両方の機能を有し、食材を蒸す場合には、食材が浸されすぎて腐ってしまうリスクは避けられ、また気液置換部3を設けることにより、食材と水の効果的な分離が実現される。
【0083】
本願の実施例に係る調理器具10は前記実施例の調理構造を含み、調理構造は調理器具10に取り付けられ、当該調理構造により、当該調理構造を有する調理器具10は蒸すと茹でる両方の機能を有し、食材を蒸す場合には、食材が浸されすぎて腐ってしまうリスクは避けられ、また気液置換部3を設けることにより、食材と水の効果的な分離が実現される。
【0084】
本明細書の説明で、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、「いくつかの例」などが用いられる場合には、当該実施例又は例で説明される特定の特徴、構造、材料又は利点が本願の少なくとも一実施例又は例に含まれることが意図される。本明細書で、前記用語に関する例示的な記述は必ずしも同じ実施例又は例が対象になるとは限らない。しかも、説明される特定の特徴、構造、材料又は利点は任意の1つ又は複数の実施例又は例で適切な形態で組み合わせられてもよい。また、当業者は本明細書で説明される異なる実施例又は例を組み合わせることができる。
【0085】
なお、本願の実施例を示す上で説明しているが、前記実施例は例示的なもので、本願に対する限定として理解されるものではなく、当業者は本願の範囲内で前記実施例に変化、補正、置き換え又は変形を行うことができる。
図1
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【国際調査報告】