(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】個人に合わせた運動処方を配信するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20220422BHJP
A63B 71/00 20060101ALI20220422BHJP
A63B 24/00 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
A63B71/06 T
A63B71/00 Z
A63B24/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553325
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 AU2020050249
(87)【国際公開番号】W WO2020186297
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521402262
【氏名又は名称】フィットビート オーストラリア プライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FITBEAT AUSTRALIA PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100134647
【氏名又は名称】宮部 岳志
(72)【発明者】
【氏名】クニツ,ミカエル ヴァーノン
(57)【要約】
本開示の実施形態は、対象者に対し個人に合わせた運動処方を配信するためのシステムを提供し、対象者に関する情報を取得するための構成とされた演算処理装置を含んでいる。システムは更に、次の処理を実行するための構成とされたフィットネスプログラム決定装置を含む。
・対象者に関する情報の記憶保存。
・対象者の情報に基づいた対象者のための個人に合わせた運動処方の決定。
・運動用施設における一または複数の運動区画および実施時に対する、個人に合わせた運動処方の予定決め。
システムは更にまた、個人に合わせた運動処方に基づき、個人に合わせた指示を実施時に対象者へ提供するための指示装置を含む。個人に合わせた指示には、運動区画において活動を実施するための指示、運動区画において複数の活動が実施される順序、および、一連の身体鍛錬運動と運動区画における完了予定時間が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一または複数の対象者に関する情報を取得するための構成とされた演算処理装置と、
システムのデータベースから得た対象者の情報と予め記憶保存された運動内容に関する情報に基づき、一または複数の対象者の一人の対象者のための個人に合わせた運動処方を決定し、前記一または複数の対象者に関する情報を記憶保存し、一または複数の運動区画を含む運動用施設における前記一または複数の運動区画および実施時に対して、前記個人に合わせた運動処方の予定決めを実行するための構成とされたフィットネスプログラム決定装置と、
既定の前記個人に合わせた運動処方に基づき、フィットネスプログラム決定装置によって予定された時間の中の特定時に、一または複数の個人に合わせた指示を前記対象者に提供するために構成された指示装置と、
を含み、
前記一または複数の個人に合わせた指示には、一または複数の運動区画において一または複数の活動を実施するための少なくとも一つの指示、前記一または複数の運動区画において前記一または複数の活動が実施される順序、および、一連の身体鍛錬運動と前記一または複数の運動区画において前記個人に合わせた運動処方の前記対象者に対する配信が完了される時間が含まれている、
一または複数の対象者に対し個人に合わせた運動処方を配信するシステム。
【請求項2】
前記一または複数の対象者の各々についての情報に、年齢、性別、希望する全般的なフィットネス目標、前記運動処方に対し希望する身体鍛錬運動形式、前記運動処方に対し希望する目標範囲、希望時間、日付、前記運動処方の継続期間および/または前記運動処方の実施地、前記対象者に対し以前に配信された一または複数の運動処方の詳細、体重、心拍数、血圧、体脂肪率、BMI、血糖値、ECG、呼吸数、筋肉量、ステップ、エネルギー消費、エネルギー強度などからなる群から選択されるパラメータに関するデータ、のうちの少なくとも一つが含まれる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
フィットネスプログラム決定装置は、前記対象者の情報とデータベースから得られる事前に記憶保存されたスマートミールプランに関する情報とに基づいて、対象者に対し個人に合わせたスマートミールプランを決定するための構成とされている請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記対象者のための前記個人に合わせた運動処方には、前記一または複数の運動区画の各々において前記対象者によって行われるべき複数の運動が含まれる請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記対象者は、前記一または複数の対象者を含むグループの構成員である請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記フィットネスプログラム決定装置はさらに、前記一または複数の対象者の情報に基づいて、グループに合わせた運動処方を前記グループのために、および、前記グループの中の前記一または複数の対象者のそれぞれの個人に合わせた運動処方を決定するための構成とされている請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記演算処理装置は、
前記一または複数の対象者の追加情報を、各対象者について、各対象者によって前記個人に合わせた運動処方が実施されている間に取得し、
前記追加情報をフィットネスプログラム決定装置に送る、
ための構成とされ、フィットネスプログラム決定装置は前記付加情報を記憶保存する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィットネスプログラム決定装置はまた、前記個人に合わせた運動処方の実施中に得られた前記追加情報に対応して、各対象者に配信されている前記個人に合わせた運動処方を修正するための構成とされている請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記演算処理装置は、モバイル装置、通信可能環境にあるデスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートテレビ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、フィットネストラッカ、身体組成分析器、個人用計測装置、一または複数の運動区画内の機器に接続された運動量出力計測装置のうちの少なくとも一つを含むもので、前記演算処理装置は前記フィットネスプログラム決定装置との通信可能環境にある請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記フィットネスプログラム決定装置はサーバを含み。さらに、前記フィットネスプログラム決定装置は、前記指示装置および前記演算処理装置のうちの少なくとも1つと通信可能環境にある請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記指示装置は、前記一または複数の運動区画の近傍に配置されたオーディオ/ビデオ表示装置を含み、さらに、前記一または複数の運動区画のそれぞれは、前記一または複数の運動区画のそれぞれのための別個のオーディオ/ビデオ表示装置を含む別個の指示装置を含み、
前記指示装置は、前記フィットネスプログラム決定装置に接続されていない場合、オフラインモードで機能し、前記指示装置が特定の対象者個人に合わされたものとなっていない予め記憶保存されている複数の運動から、独自に選択した運動が表示される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記一または複数の運動区画の中の一運動区画は、活動を同時に行う前記一または複数の対象者の二人以上の対象者に場所を提供し、さらに、前記指示装置は、同じ運動区画内の前記二人以上の対象者に個人に合わせた指示を同時に提供し、前記二人以上の対象者が個人に合わせた運動処方に基づいて異なる活動を実施するための構成とされている請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
一または複数の個人情報捕捉装置からの前記対象者に関する個人的統計情報を受信し、
個人的統計情報、身体鍛錬運動に関する情報、利用者入力情報、演算処理装置から入力された情報、対象者の身体検査から導出された統計値、前記個人に合わせた運動処方に沿った前記身体鍛錬運動中に測定され前記身体鍛錬運動前後の統計値と比較される統計値変化、および、前記対象者の長期フィットネス目標、に基づく、前記対象者の開始時分析に関連する対象者の分析の評価および/または解釈により、前記対象者のために洗練された報告を作成し、
前記対象者に対し前記演算処理装置上に表示される洗練された報告の提示するための構成とされている報告装置、
を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
演算処理装置により、一または複数の対象者に関する情報を取得し、
フィットネスプログラム決定装置により、前記演算処理装置から受けた対象者の情報と、データベースから受けた運動に関し予め記憶保存されている情報に基づき、一または複数の対象者の一人の対象者のための個人に合わせた運動処方を決定し、
前記フィットネスプログラム決定装置により、前記一または複数の対象者に関する情報を記憶保存し、
前記フィットネスプログラム決定装置により、一または複数の運動区画を含む運動施設における一または複数の運動区画と実施時に対して個人に合わせた運動処方の予定を決め、
指示装置により、既定の前記個人に合わせた運動処方に基づき、前記フィットネスプログラム決定装置によって予定された時間の中の特定時に、一または複数の個人に合わせた指示を前記対象者に提供し、
前記一または複数の個人に合わせた指示には、一または複数の運動区画の少なくとも一つの運動区画において一または複数の活動を実施するための指示、一または複数の運動区画において一または複数の活動が実施される順序、および、一連の身体鍛錬運動と前記一または複数の運動区画において前記個人に合わせた運動処方の前記対象者に対する配信が完了される時間が含まれている、
個人に合わせた運動処方を一または複数の対象者に配信するための方法。
【請求項15】
一または複数の対象者の各々についての情報は、年齢、性別、希望する全般的なフィットネス目標、前記運動処方に対し希望する身体鍛錬運動形式、前記運動処方に対し希望する目標範囲、希望時間、日付、前記運動処方の継続期間および/または前記運動処方の実施地、前記対象者の経歴情報、前記対象者に対し以前に配信された一または複数の運動処方の詳細、体重、心拍数、血圧、体脂肪率、BMI、血糖値、ECG、呼吸数、筋肉量、ステップ、エネルギー消費、エネルギー強度などからなる群から選択されるパラメータに関するデータ、のうちの少なくとも一つを含み、
前記対象者のための前記個人に合わせた運動処方には、前記一または複数の運動区画の各々において前記対象者によって行われるべき複数の運動の少なくとも一つが含まれる、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
フィットネスプログラム決定装置による、前記対象者の情報と前記データベースからのスマートミールプランに関し予め記憶保存されている情報に基づいた、前記対象者のための個人に合わせたスマートミールプランの決定を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記対象者は、前記一または複数の対象者を含むグループの構成員である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
フィットネスプログラム決定装置による、前記一または複数の対象者の情報に基づいた、前記グループのためのグループに合わせた運動処方と、前記グループに属する前記一または複数の対象者のそれぞれの個人に合わせた運動処方の決定を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
演算処理装置による、各対象者による前記個人に合わせた運動処方の実施中における前記一または複数の対象者の各対象者に対する追加情報の取得と、
フィットネスプログラム決定装置による、前記追加情報の記憶保存と、
フィットネスプログラム決定装置による、前記個人に合わせた運動処方の実施中に取得された前記追加情報に対応した、各対象者に対し配信される前記個人に合わせた運動処方の修正と、を含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記演算処理装置は、モバイル装置、通信可能環境にあるデスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートテレビ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、フィットネストラッカ、身体組成分析器、個人用計測装置、一または複数の運動区画内の機器に接続された運動量出力計測装置のうちの少なくとも一つを含むもので、前記演算処理装置は前記フィットネスプログラム決定装置との通信可能環境にあり、
前記フィットネスプログラム決定装置はサーバを含み。さらに、前記フィットネスプログラム決定装置は、前記指示装置および前記演算処理装置と通信可能環境にあり、
前記指示装置は、前記一または複数の運動区画の近傍に配置されたオーディオ/ビデオ表示装置を含み、さらに、前記一または複数の運動区画のそれぞれは、前記一または複数の運動区画のそれぞれのための別個のオーディオ/ビデオ表示装置を含む別個の指示装置を含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記一または複数の運動区画の中の一つの運動区画が、同時に活動を行う前記一または複数の対象者の二人以上に場所を提供する、請求項20に記載の方法
【請求項22】
前記指示装置による、同じ運動区画内の前記二人以上の対象者への、前記二人以上の対象者の個人に合わせた運動処方に基づく異なる活動を同時に実施するための、個人に合わせた複数の指示の提供を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
報告装置による、一または複数の個人情報取得装置からの対象者に関する個人的統計情報の受信と、
報告装置による、個人的統計情報、身体鍛錬運動に関する情報、利用者入力情報、演算処理装置から入力された情報、対象者の身体検査から導出された統計値、個人に合わせた運動処方に沿った身体鍛錬運動中に測定され身体鍛錬運動前後の統計値と比較される統計値変化、および、対象者の長期フィットネス目標、に基づく、対象者の開始時分析に関連する対象者の分析の評価および/または解釈による、対象者のための、洗練された報告の作成と、
報告装置による、対象者に対し演算処理装置上に表示される洗練された報告の提示と、
を含む請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個人に合わせた運動処方を対象者に配信するためのシステムに関する。特に、本開示は運動施設において個人専属トレーナーまたは個人専用端末装置を必要とせずに、1人以上の対象者に、個人に合わせた運動処方を配信するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の方法、装置、または文書へのいかなる言及も、それらが、普通の一般知識の一部を形成したこと、或いは形成していることの如何なる証拠又は自白を構成するものとして解釈されるべきではない。
【0003】
運動施設に通う者が専属トレーナーを手配することなくグループでの又は個人でのトレーニングを可能とすることは実用的かつ商業的に魅力はあるものの、彼らの必要事項や要望に特化した、個人に合わせた指導には、依然として利点がある。また、運動施設に通う者にとって、身体鍛錬運動中に自分自身の携帯端末に頼ることなく指導を確かめられることは有用であろう。
【0004】
現在、運動施設において個人専用運動体験を望む者に対する選択肢は、一般に、二つに限定されている。第一の選択肢は、運動施設に通う者の入力情報と成績に基づいて身体鍛錬運動の内容を決め、身体鍛錬運動中にそれらの者を支援することができる個人専属トレーナーに料金を支払うことである。これは高価であり、誰にも適したものとはなっていない。第二の選択肢は、個人に合わせた身体鍛錬運動の内容を提供するアプリケーションが実行されている携帯端末を身体鍛錬運動中に携行することであるが、この選択肢は、煩わしく、効率的ではない。それは、以下によるものである。
(1)人が自分の携帯端末を携行し常にそれを見ていなければならない。
(2)運動施設の運動用機器は一般的な身体鍛錬運動用アプリケーションにおける一連の身体鍛錬運動に適した配置とされていない。
(3)これらのアプリケーションは、誰かがそこにいるときには、運動用機器が使用可能であることを保証できない。
【0005】
本発明の目的は、先行技術の上記の欠点を克服または改善すること、または少なくとも有用な代替手段を提供することである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、一または複数の対象者に対し個人に合わせた運動処方を配信するためのシステムを提供するもので、一または複数の対象者に関する情報を取得するための構成とされた演算処理装置を含んでいる。システムはさらに、次の処理を行うための構成とされたフィットネスプログラム決定装置を含む。
・一または複数の対象者に関する情報の記憶保存。
・システムのデータベースから得た対象者の情報と予め記憶保存された運動内容に関する情報に基づく、一または複数の対象者の一人の対象者のための個人に合わせた運動処方の決定。
・一または複数の運動区画を含む運動用施設における一または複数の運動区画および実施時に対する、個人に合わせた運動処方の予定決め。
システムはさらにまた、個人に合わせた運動処方に基づき、フィットネスプログラム決定装置によって予定された時間の中の特定時に、一または複数の個人に合わせた指示を対象者に提供するための構成とされた指示装置を含む。一または複数の個人に合わせた指示には、一または複数の運動区画において一または複数の活動を実施するための少なくとも一つの指示、一または複数の運動区画において一または複数の活動が実施される順序、および、一連の身体鍛錬運動と一または複数の運動区画において個人に合わせた運動処方の対象者に対する配信が完了される時間が含まれる。
【0007】
システムは個人に合わせた運動処方を決定し、対象者に提供することができる。なお「個人に合わせた」とは、運動処方が、対象者の要望、嗜好、現在の状態/負傷/フィットネスレベル、目標および/またはトレーニングプログラムなどによって決定される一組の基準を満たすように設計されることを意味する。
【0008】
本開示の一態様によれば、一または複数の対象者の各々についての情報に、年齢、性別、希望する全般的なフィットネス目標、前記運動処方に対し希望する身体鍛錬運動形式、前記運動処方に対し希望する目標範囲、希望時間、日付、前記運動処方の継続期間および/または前記運動処方の実施地、前記対象者に対し以前に配信された一または複数の運動処方の詳細、体重、心拍数、血圧、体脂肪率、BMI、血糖値、ECG、呼吸数、筋肉量、ステップ、エネルギー消費、エネルギー強度などからなる群から選択されるパラメータに関するデータ、のうちの少なくとも一つを含めてもよい。
【0009】
本開示の別の態様によれば、フィットネスプログラム決定装置は、更に、対象者の情報とデータベースから得られる事前に記憶保存されたスマートミールプランに関する情報とに基づいて、対象者に対し個人に合わせたスマートミールプランを決定するための構成とされている。スマートミールプランは、対象者の夫々における様々な詳細、ならびに、彼らの長期的フィットネス目標、嗜好などを考慮に入れて、各対象者のために調整されるものであってもよい。
【0010】
本開示の別の態様によれば、対象者のための個人に合わせた運動処方は、一または複数の運動区画の各々において対象者によって行われるべき複数の運動のうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。
【0011】
本開示の別の態様によれば、フィットネスプログラム決定装置は一または複数の運動区画を有する運動施設における一または複数の運動区画と実施時に対する、個人に合わせた運動処方の予定決めを、次の目的に沿う形で実行するための構成とされている。
・運動施設における対象者の個々の身体鍛錬運動の実施時と物理的位置の最適化。
・如何なる時間においても一つの運動区画に居る対象者が許容最大数以下となることを確実にすることによる、運動施設が過密となることの回避。
・運動施設の許容能力を最も効果的に利用して最大数の対象者が互いに邪魔にならずに任意の実施時でトレーニングすることを可能とする。
・付加的に、多数の対象者からの身体鍛錬運動の予定を同時に決定し、時間を合わせたジムクラスベースのグループトレーニング環境を作成することを可能とする。
【0012】
本開示の別の態様において、システムは、また、以下の処理のための構成とされている報告装置を含んでいる。
・一または複数の個人情報捕捉装置からの対象者に関する個人的統計情報の受信。
・個人的統計情報、身体鍛錬運動に関する情報、利用者入力情報、演算処理装置から入力された情報、対象者の身体検査から導出された統計値、個人に合わせた運動処方に沿った身体鍛錬運動中に測定され身体鍛錬運動前後の統計値と比較される統計値変化、および、対象者の長期フィットネス目標、に基づく、対象者の開始時分析に関連する対象者の分析の評価および/または解釈による、対象者のための、洗練された報告の作成。
・対象者に対し演算処理装置上に表示される洗練された報告の提示。
【0013】
本開示の別の態様によれば、対象者は、一または複数の対象者を含むグループの構成員であってもよい。
【0014】
一実施形態では、対象者は、グループの構成員であることにより、彼/彼女の個人に合わせた運動処方に従って、一または複数の運動区画の各々において一または複数の運動を行う者である。
【0015】
本開示の別の態様によれば、フィットネスプログラム決定装置はさらに、一または複数の対象者の情報に基づいて、グループに合わせた運動処方およびグループの中の一または複数の対象者のそれぞれの個人に合わせた運動処方を決定するための構成とされている。
【0016】
本開示の別の態様によれば、演算処理装置は、一または複数の対象者の追加情報を、各対象者について、各対象者によって個人に合わせた運動処方が実施されている間に取得するための構成とされている。さらに、演算処理装置は、追加情報をフィットネスプログラム決定装置に送る。フィットネスプログラム決定装置は、付加情報を記憶保存してもよい。
【0017】
本開示の別の態様によれば、フィットネスプログラム決定装置はまた、個人に合わせた運動処方の実施中に得られた追加情報に対応して、各対象者に配信されている個人に合わせた運動処方を修正するための構成とされていてもよい。
【0018】
演算処理装置の非限定的な例はモバイル装置、通信可能環境にあるデスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートテレビ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、フィットネストラッカ、身体組成分析器、個人用計測装置、一または複数の運動区画内の機器に接続された運動量出力計測装置のうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。演算処理装置は、フィットネスプログラム決定装置との通信可能環境にあってもよい。
【0019】
本開示の別の態様によれば、フィットネスプログラム決定装置は、サーバであってもよい。さらに、フィットネスプログラム決定装置は、指示装置および演算処理装置のうちの少なくとも1つとの通信可能環境にあってもよい。
【0020】
本開示の別の態様によれば、指示装置は、運動区画の近傍に配置されたオーディオ/ビデオ表示装置を含むものであってもよい。さらに、一または複数の運動区画のそれぞれは、一または複数の運動区画のそれぞれのための別個のオーディオ/ビデオ表示装置を備える別個の指示装置を含むものであってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、指示装置が特定の対象者個人に合わせたものとならない可能性がある複数の運動内容を記憶保存するものであってもよい。本開示の別の態様によれば、指示装置は、フィットネスプログラム決定装置に接続されていない場合、オフラインモードで機能するものであってもよい。このオフラインモードでは、指示装置が特定の対象者個人に合わされたものとなっていない予め記憶保存されている複数の運動から、独自に選択した運動を決定し表示することができる。
【0022】
本開示のさらに別の態様によれば、一または複数の運動区画の中の一運動区画は、活動を同時に行う一または複数の対象者の二人以上の対象者に場所を提供する。さらに、指示装置は、同じ運動区画内の二人以上の対象者に個人に合わせた指示を同時に提供し、二人以上の対象者が個人に合わせた運動処方に基づいて異なる活動を実施するための構成とされていてもよい。
【0023】
本開示の別の実施形態は、個人に合わせた運動処方を一または複数の対象者に配信するための、次の処理を含む方法を提供する。
・演算処理装置による一または複数の対象者に関する情報の取得。
・フィットネスプログラム決定装置による演算処理装置から受けた対象者の情報に基づく一または複数の対象者の一人の対象者のための個人に合わせた運動処方の決定。
この方法はまた、フィットネスプログラム決定装置による一または複数の対象者に関する情報の記憶保存を含む。この方法は、更に、フィットネスプログラム決定装置による一または複数の運動区画を含む運動施設における一または複数の運動区画と実施時に対する、個人に合わせた運動処方の予定決め、を含む。この方法は、更に、フィットネスプログラム決定装置により予定決めされた既定実施時に、指示装置による対象者への、個人に合わせた運動処方に基づく一または複数の個人に合わせた指示の提供、を含む。一または複数の個人に合わせた指示は、一または複数の運動区画の少なくとも一つの運動区画において一または複数の活動を実施するための指示、一または複数の運動区画において一または複数の活動が実施される順序、および、一連の身体鍛錬運動と前記一または複数の運動区画において前記個人に合わせた運動処方の前記対象者に対する配信が完了される時間など、を含むものであってもよい。
【0024】
本開示の別の態様によれば、前記方法は、また、フィットネスプログラム決定装置による、対象者の情報に基づいた対象者のための個人に合わせたスマートミールプランの決定を含むものであってもよい。
【0025】
本開示の別の態様によれば、前記方法は、また、フィットネスプログラム決定装置による、一または複数の対象者の情報に基づいた、グループのためのグループに合わせた運動処方と、グループに属する一または複数の対象者のそれぞれの個人に合わせた運動処方の決定を含むものであってもよい。
【0026】
前記方法は、また、以下を含むものであってもよい。
・演算処理装置による、各対象者による個人に合わせた運動処方の実施中における一または複数の対象者の各対象者に対する追加情報の取得。
・フィットネスプログラム決定装置による、前記追加情報の記憶保存。
・フィットネスプログラム決定装置による、個人に合わせた運動処方の実施中に取得された前記追加情報に対応した、各対象者に対し配信される個人に合わせた運動処方の修正。
【0027】
いくつかの実施形態では、一または複数の運動区画の中の一つの運動区画が、同時に活動を行う一または複数の対象者の二人以上に場所を提供することができる。
【0028】
前記方法はまた、指示装置による、同じ運動区画内の二人以上の対象者への、二人以上の対象者の個人に合わせた運動処方に基づく異なる活動を同時に実施するための複数の指示の提供を含むものであってもよい。
【0029】
前記方法はまた、以下を含むものであってもよい。
・報告装置による、一または複数の個人情報取得装置からの対象者に関する個人的統計情報の受信。
・報告装置による、個人的統計情報、身体鍛錬運動に関する情報、利用者入力情報、演算処理装置から入力された情報、対象者の身体検査から導出された統計値、個人に合わせた運動処方に沿った身体鍛錬運動中に測定され身体鍛錬運動前後の統計値と比較される統計値変化、および、対象者の長期フィットネス目標、に基づく、対象者の開始時分析に関連する対象者の分析の評価および/または解釈による、対象者のための、洗練された報告の作成。
・報告装置による、対象者に対し演算処理装置上に表示される洗練された報告の提示。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の好ましい特徴、実施形態および変形態様は、当業者が本発明を実施するために十分な情報を提供する以下の詳細な説明から認識することができる。詳細な説明は、前述した本発明の概要の範囲の如何なる限定ともみなされるべきではない。
【0031】
本発明の特定の実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して記載され、
図1は本開示が機能すべき一実施形態に従った、一または複数の対象者に対し個人に合わせた運動処方を配信するための例示的なシステム100を示す。
【0032】
図示の通り、システム100は、主として、演算処理装置102と、フィットネスプログラム決定装置104と、一または複数の運動区画の各運動区画108に配置された指示装置106と、を含む。さらに、一または複数の運動区画の各運動区画108は、予め決められた一式の機器を含む。一または複数の運動区画の各々における機器一式はフィットネスプログラム決定装置104(すなわち、サーバ)によって自動的に決定される設定順序に基づいて予め決められたものでもよい。いくつかの実施形態では、フィットネスプログラム決定装置104が、システム100の管理者などの利用者からの入力に基づいて、設定順序を決定するものであってもよい。さらに、指示装置106は、一または複数の運動区画の各運動区画108に設置されてもよい。対象者110は演算処理装置102上のシステム100に入ることができる。対象者110は指示に従って運動することを希望する如何なる者であってもよく、システム100に必要な情報を提供するための手段を所有するか、またはその手段に接続する権利を有している。システム100は対象者110に対し個人に合わせた運動処方を決定し提供することができる。「個人に合わせた」とは、運動処方が、対象者の要望、嗜好、現在の状態/負傷/フィットネスレベル、目標および/またはトレーニングプログラムなどによって決定される一組の基準を満たすように設計されることを意味する。
【0033】
演算処理装置102は、対象者110などの一または複数の対象者に関連する情報を取得するための構成とされる。演算処理装置102の、限定とはならない例に、モバイル装置、通信可能環境にあるデスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートテレビ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、フィットネストラッカ、個人用計測装置、一または複数の運動区画内の機器に接続された運動量出力計測装置を含めることができる。演算処理装置102は、フィットネスプログラム決定装置104との通信可能環境にあってもよい。一または複数の対象者の各々についての情報は、限定されるものではないが、年齢、性別、希望する身体鍛錬運動形式、前記運動処方に対し希望する全般的なフィットネス目標、対象者110の履歴情報(対象者の過去の個人に合わせた運動処方、医療情報など)、前記運動処方に対し希望する目標範囲、希望時間、日付、前記運動処方の継続期間および/または前記運動処方の位置付け、対象者110に対し以前に配信された一または複数の運動処方の詳細、体重、心拍数、血圧、体脂肪率、BMI、血糖値、ECG、呼吸数、筋肉量、ステップ、エネルギー消費、エネルギー強度などからなる群から選択されるパラメータに関するデータ、などの少なくとも一つを含むものであってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、演算処理装置102は、対象者の年齢および性別のような、ただし限定されるものではない、情報を取得するものであってもよい。いくつかの実施形態では、取得される対象者110の情報(以下、対象者110の情報はその意味するものを変えることなく対象者情報と称されることがある)は、対象者が希望する身体鍛錬運動形式、希望する目標範囲、全般的なフィットネス目標をまた含むものであってもよい。全般的なフィットネス目標の非限定的な例としては、痩せること、筋肉をつけること、元気になること、および強くなることが挙げられ得る。希望する身体鍛錬運動形式の非限定的な例には、カーディオ(有酸素運動および/または無酸素運動)、レジスタンス(ウェイトトレーニングなど)、フレキシビリティ、減量、アクティブリカバリー、バランス、ボクシング、サーキット、高強度インターバルトレーニング、クロストレーニング、ストレッチ、リハビリテーション、テーパリング、エンデュランス、およびそれらの組み合わせが含まれてもよい。目標範囲は、特定の運動処方の実施中に重点的に取り組みたい対象者の身体のどの範囲であってもよい。例えば、典型的な目標範囲として、脚(上部、下部、ふくらはぎ、大腿、大腿内側など)、腕、背中(下部、上部)、腹筋(中心部)、握力、肩、胸、殿筋、およびそれらの組み合わせとすることができる。対象者110は、希望する結果に沿った複数の身体鍛錬運動形式および/または複数の目標範囲を指定することができる。あるいは、対象者110は特定の身体鍛錬運動形式または目標範囲を指定することなく、それらの全般的なシステム目標を指定するのみでもよい。
【0035】
フィットネスプログラム決定装置104は、演算処理装置102から、一または複数の対象者に関する情報を受信するために構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、フィットネスプログラム決定装置104が一または複数の対象者に関する情報を記憶保存するものであってもよい。フィットネスプログラム決定装置104は、また、対象者110のような、一または複数の対象者のための個人に合わせた運動処方を、対象者110の情報とデータベースからの運動に関連する予め記憶保存された情報とに基づいて決定するために構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、データベースがフィットネスプログラム決定装置104に集積された部分であってもよい。あるいは、データベースが、フィットネスプログラム決定装置104と通信可能環境にある遠隔データベースであってもよい。さらに、フィットネスプログラム決定装置104は、また、一または複数の運動区画を有する運動施設における一または複数の運動区画と実施時に対する、個人に合わせた運動処方の予定決めを実行するための構成とされている。フィットネスプログラム決定装置104は、一または複数の運動区画と実施時に対し、運動施設における対象者の個々の身体鍛錬運動の実施時と物理的位置が効率的な身体鍛錬運動のために最適化された、個人に合わせた運動処方の予定決めを実行するために構成され、如何なる時間においても一つの運動区画に居る対象者が許容最大数以下となることを確実にすることによって運動施設が過密となることを回避し、運動施設の許容能力を最も効果的に利用して最大数の対象者が互いに邪魔にならずに任意の実施時でトレーニングすることを可能にし、付加的に、多数の対象者からの身体鍛錬運動の予定を同時に決定し、時間を合わせたジムクラスベースのグループトレーニング環境を作成することを可能にする。
【0036】
さらに、フィットネスプログラム決定装置104は、また、対象者110の情報と、データベースから得られる事前に記憶保存されたスマートミールプランに関する情報とに基づいて、個人に合わせたスマートミールプランを決定するために構成される。
【0037】
一実施形態では、フィットネスプログラム決定装置104がサーバであってもよい。さらに、フィットネスプログラム決定装置104は、体験者110を含む一または複数の対象者に関する情報(または付加情報)を記憶保存するためのデータベースを含むものであってもよい。さらに、フィットネスプログラム決定装置104は、指示装置106および演算処理装置102のうちの少なくとも一つとの通信可能環境にあってもよい。対象者110(または一または複数の対象者の各々)のための個人に合わせた運動処方は、一または複数の運動区画の各々において対象者110によって実施される複数の運動を含むものであってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、対象者110は一または複数の対象者を含むグループの構成員となっている。そのような実施形態では、フィットネスプログラム決定装置104は、さらに、前記グループの中の一または複数の対象者のそれぞれのために、グループに合わせた、および/または、個人に合わせた運動処方を、一または複数の対象者の情報に基づいて決定するための構成とされていてもよい。
【0039】
指示装置106は、一または複数の指示を、対象者110に対し、決定されている個人に合わせた運動処方(フィットネスプログラム決定装置104によって決定されている)に基づいて提供するための構成とされている。指示装置106は、表示画面のような指示提示装置であってもよく、対象者110の個人に合わせた運動処方を指示装置104から受け取り、対象者110に提示するための構成とされている。一または複数の個人に合わせた指示は、限定されるものではないが、一または複数の運動区画の中の少なくとも一つの運動区画、例えば運動区画108において一または複数の活動を実施するための指示、および、一または複数の活動と個人に合わせた運動処方の対象者110に対する配信が完了される一または複数の運動区画の順番に関連する指示などを含むものであってもよい。指示装置106は、一または複数の運動区画の近傍に位置するオーディオ/ビデオ表示装置を含むものであってもよい。さらに、一または複数の運動区画のそれぞれは、一または複数の運動区画のそれぞれのための別個のオーディオ/ビデオ表示装置を含む別個の指示装置106を含むものであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、指示装置106が特定の対象者個人に合わせたものとならない可能性がある複数の運動内容を記憶保存するものであってもよい。いくつかの実施形態では、指示装置106は、また、フィットネスプログラム決定装置104に接続されていないときに動作するための構成となっていてもよい。本開示の別の態様によれば、指示装置106は、フィットネスプログラム決定装置に接続されていない場合、オフラインモードで機能するものであってもよい。このオフラインモードでは、指示装置106が、特定の対象者個人に合わされたものとなっていない予め記憶保存された複数の運動内容から、独自に選択した運動内容が表示されるものであってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、指示装置106が演算処理装置102との通信可能環境にある。そのような実施形態では、指示装置106が対象となる情報を演算処理装置102から受け取るものであってもよい。さらに、フィットネスプログラム決定装置104の一または複数の機能は、指示装置104によって実行されるものであってもよい。いくつかの実施形態では、装置104が指示装置106に搭載されていてもよい。いくつかの実施形態では、演算処理装置102が装置104の一または複数の機能を実行するための構成になっていてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、演算処理装置102は、また、例えば対象者110のような対象者の各々の追加情報を、個人に合わせた運動処方が各対象者によって実施されている間に取得するための構成となっていてもよい。いくつかの実施形態では、フィットネスプログラム決定装置104は、また、個人に合わせた運動処方が実施されている間に得られた追加情報に対応し、各対象者に配信されている個人に合わせた運動処方を修正するための構成となっている。いくつかの実施形態では、フィットネスプログラム決定装置104が各対象についての追加情報を記憶保存するものであってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、一または複数の運動区画の中の一運動区画、例えば区画108は、活動を同時に行う一または複数の対象者の二人以上の対象者に場所を提供し、さらに、指示装置は、同じ運動区画内の二人以上の対象者に個人に合わせた指示を同時に提供し、二人以上の対象者が個人に合わせた運動処方に基づいて異なる活動を実施するための構成とされている。
【0044】
典型的な状況では、会員(または対象者110)が長期フィットネス目標を選択すると、その会員はシステム100を使用し予定表の時間枠を予約するのみで、フィットネスプログラム決定装置104(スマートPTと称されることがある)は、その会員のための身体鍛錬運動を算出し、その身体鍛錬運動は各会員(対象者110など)のための身体鍛錬運動プログラム全体の一部を形成するものとなる。従って、例えば、会員によって五個の予約が行われ、予約#2がキャンセルされた場合、予約#2で設定されている身体鍛錬運動は、装置104によって、自動的に予約#3に移される。いくつかの実施形態では、システム100は会員が自分の身体鍛錬運動プログラムを自己管理することを可能にしている。例えば、会員が身体鍛錬運動の予約を行うたびに、会員は設定されている身体鍛錬運動を単純に認可することも、或いは、会員が身体鍛錬運動の各設定を全て書き換えることもでき、それによって、会員は身体鍛錬運動プログラムの効果的な自己管理を行う。
【0045】
ステップ1では、対象者110が、演算処理装置102上のシステムへの接続により、一または複数の対象者に対し個人に合わせた運動処方の配信が実行されるためのシステム100に入る。いくつかの実施形態では、対象者110(以下、利用者とも称されることがある)は、演算処理装置102上にインストールされた端末用アプリケーションを通してシステム100に入る。携帯電話を演算処理装置102とすることもできる。あるいは、対象者110は、ネットワークアドレス、リンク、または統一資源位置指定子(URL)を演算処理装置102のインターネットブラウザに入力しシステム100に入ってもよい。対象者110は、全般的なフィットネス目標、年齢、性別、嗜好、体重、身長などの、ただし限定はされない、情報を演算処理装置102に入力することとしてもよい。いくつかの実施形態では、対象者110は、個人に合わせた身体鍛錬運動(ここで、身体鍛錬運動とは「運動処方」である)の嗜好(レベル、筋肉群、性別が含まれるが限定されるものではない)を選択することができる。これを、全般的な嗜好などの中の単一の身体鍛錬運動、または単一の日に対するものとできる。
【0046】
ステップ2では、演算処理装置102がフィットネスプログラム決定装置104、すなわちサーバと通信し、対象者110から得られた情報に基づいて、運動施設で身体鍛錬運動の可能な場所を確認する。演算処理装置102はフィットネスプログラム決定装置104から利用可能時間予定を取り出すものであってもよく、対象者110は、次に、身体鍛錬運動ができる運動施設での場所、日付、時間、および継続時間を選択することによって、身体鍛錬運動を予約することができる。身体鍛錬運動は対象者110のための個人に合わせた運動処方に基づいたものであってもよく、そして、身体鍛錬運動は一または複数の運動区画の中の特定の区画の特定の時刻に対し予定された運動を含んでもよい。
【0047】
さらに、フィットネスプログラム決定装置104は、演算処理装置102から、対象者110の情報(或いは一または複数の対象者の情報)を受信し記憶保存するものであってもよい。さらに、フィットネスプログラム決定装置104は、運動施設の各運動区画の詳細な予定と、各時刻における各運動区画にいる一または複数の対象者の中の対象者名を記憶保存するものであってもよい。対象者が身体鍛錬運動又は予約の可否の照会希望を出したときに、フィットネスプログラム決定装置104は、身体鍛錬運動の全部を設定するための一連の連続する運動区画が利用可能であるかどうか、そして、対象者の身体鍛錬運動が他の対象者の身体鍛錬運動と競合することなく順番に運動区画を通って移動することができるかどうかを計算するものであってもよい。装置104は、使用可否/予定の計算中に、各運動区画が一以上の利用枠を持つことができ、潜在的に複数の対象者に対応できることを認識するものであってもよい。対象者が予約を入れるとき、その対象者の身体鍛錬運動(一連の時系列の連続した運動区画)は、装置104のスケジュールデータベースに収められ、身体鍛錬運動の予約が完了する。
【0048】
フィットネスプログラム決定装置104は得られた対象者情報の全てを、フィットネスプログラム決定装置104に記憶保存された運動施設に関する利用可能な情報と共に利用して、競合または身体鍛錬運動の重複を防止する細かな予定を計算し、実施するものであってもよい。この予定は、変化が生じたとき、例えば、対象者が運動処方を実施している間に自己の運動処方を変更するときなどに、リアルタイムで変更され、運動区画および/または活動の利用可否は、特定の時間に、別の対象者に対し開放、または、制限されてもよい。
【0049】
フィットネスプログラム決定装置104は、演算処理装置102から受け取った対象者110の情報に基づいて、対象者110のための個人に合わせた運動処方を提供するものであってもよい。
【0050】
ステップ3では、各運動区画の、オーディオ/ビデオ装置を含む指示装置106が、それは装置104に接続されたコンピュータを備えた表示器であるが、身体鍛錬運動の予定、個人に合わせた活動指示、対象者情報などを装置104から取り出し、正しい時間と場所において対象者110に提示してもよい。例えば、ボブおよびアリスとする対象者が運動区画108にいる場合、指示装置106は、ボブおよびアリスについて別々に一または複数の運動を表示する。これにより、ボブとアリスは共に運動を行っているものの、指示装置は、装置104によって決定された個人に合わせた運動処方に沿った実施のために、彼らに対し異なる運動を提示する。
【0051】
装置104、すなわち、サーバにおいては、指示装置106が予定を要求したときに、サーバは、その運動区画および時間について、適用可能な対象者情報および個人に合わせた活動指示を返す。このような処理は、サーバが活動のデータベースを維持し、対象者の嗜好、運動区画の装備、時間、およびその他の要因に基づく、最適な身体鍛錬運動活動を選択するアルゴリズムを実行することによって達成される。このアルゴリズムは、また、手動による変更にも対応している。
【0052】
対象者は予約された時間にアプリケーションを使用することなく、運動施設に入館し、身体鍛錬運動を始めることができる。そして、彼らは、最初に予定された運動区画の近くの視覚表示装置上に既に表示されている、自分たち個人に対する情報や身体鍛錬運動指示を、如何なる操作をすることなく、装置を携帯することなく、見つけることになる。それらは、一連の運動区画を通して、視覚表示装置により案内される。
【0053】
図1に見られるように、ステップ3の間、選択した運動区画を共同で使用する複数の対象者が存在し、視覚表示装置の指示に従うことによって個人に合わせた身体鍛錬運動を完了している。
【0054】
このステップ3の間、対象者は任意選択で、自己の個人用計測装置の識別詳細を使用し、演算処理装置102上のシステム100を介して個人用計測装置を登録するものであってもよく、そして/または、運動施設従業員が、特定の運動区画で使用される機器についてフィットネスプログラム決定装置104と通信可能環境にある運動量出力計測装置を登録するものであってもよい。
【0055】
ある実施形態では、演算処理装置102によって得られた対象者情報がストレージサーバのようなネットワーク装置に記憶保存される。ストレージサーバは、対象者110のための個人に合わせた運動処方の決定に使用されるフィットネスプログラム決定装置104と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。サーバまたはフィットネスプログラム決定装置104は利用の見込める会場の多数、利用可能な時間枠、利用可能な運動区画、機器および付随する活動の詳細、ならびに、各活動、運動区画、および/または取得された任意の対象者情報に関連する多数のパラメータに対して指標付けまたは点数付けされた機器の適切性に関する情報を記憶保存するものであってもよい。
【0056】
例えば、フィットネスプログラム決定装置104またはサーバは、個人に合わせた運動処方を以前に6回完了し、運動処方の実施中に特定の心拍数を維持できることを希望し、腹筋を対象とするバランス身体鍛錬運動を望む56歳の男性対象者に適した活動の多数を含むものであってもよい。
【0057】
演算処理装置102は、対象者の計量/測定値をリアルタイムで収集してもよく、それらはストレージサーバまたは装置104に記憶保存され、一または複数の運動区画の指示装置106上に提示されてもよい、
【0058】
システム100は、一または複数の対象者が、運動施設環境において、または指示を提供する適切な手段を有する任意の場所において、そして、予め規定された機器を有する少なくとも一つの運動区画において、個人に合わせた運動処方に従って運動することを可能とするものであってもよく、一方、対象者による、単独での運動かグループでの運動かの、柔軟な選択を可能にする。さらに、グループ内の各対象者は、各対象者の情報に基づいてフィットネスプログラム決定装置によって生成される個人に合わせた運動処方を保有していてもよい。
【0059】
実施形態において、システム100(またはシステム100の演算処理装置)は、また、対象者が希望する時刻、日付、運動処方の継続時間、および/または運動処方のための場所に関する情報を取得し記憶保存するものであってもよく、そして、対象者毎の個人に合わせた運動処方を決定する手段は、これら情報を、対象者が何時何処で運動処方を完了すべきかの選択肢の決定に利用するものであってもよい。例えば、システム100は、運動処方および/または様々な身体鍛錬運動形式に対する様々な時刻/日付/継続時間について、および/または対象者110に類似する対象者の数について、様々な利用を見込むことができる多数の様々な商業用運動施設または運動教室に接続されてもよい。
【0060】
特定の対象者について取得され記憶保存され得る対象者情報の例は次のようなものになる。「男性、38、カーディオ身体鍛錬運動、脚、火曜日、午後7時、45分処方、ボンディ(Bondi)」。取得され記憶保存され得る別の例は次のようなものになる。「女性、21、減量およびリハビリテーション、腰、日曜日、シドニー」
【0061】
システム100または演算処理装置102は、また、フィットネスプログラム決定装置104またはストレージサーバのうちの少なくとも一つにおいて、特定の対象者に配信された以前のおよび後続する運動処方の追加情報を取得し記憶保存してもよい。この追加情報は、任意の運動処方の実施中における対象者110の成績に関する詳細を含むものであってもよい。過去の運動処方に関連して記憶保存および取得された追加情報は、その後の個人に合わせた運動処方を決定する際の参考となり得ること、また、自分の望む目標に照らして、対象者110にとっての進歩の追跡の助けになることが理解されるべきである。以前の運動処方の情報は、また、後続する運動処方の中での変化および/または一貫性(変化または一貫性に対する対象者の所望に依る)を確実にするために使用されてもよい。
【0062】
システム100は、また、体重、心拍数、血圧、体脂肪率、BMI、血糖値、ECG、呼吸数、筋肉量、ステップ、エネルギー消費、エネルギー強度などからなる群から選択されるパラメータに関する対象者情報を取得し、記憶保存するものであってもよく、システムは、対象者からこれらの情報を随時取得するものであってもよい。例えば、対象者110が年齢および性別を提供するときに、これらの情報を提供してもよく、または、これらの情報が、ある運動処方の実施中に対象者110から取得されるものであってもよく、または、これらの情報が、対象者110に対し利用可能になった状況で、例えば身体組成分析を通して、散発的に、対象者110から取得されるものであってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、対象者110から得られたこの情報が装置104によって利用され、対象者110の全体的な健康状態に基づき、彼らが希望する結果、および/または運動処方が実施されている間の対象者110の成績の関連で、運動処方が更に精緻化されるものであってもよい。取得された対象者110の追加情報は、また、対象者110が個人に合わせた運動処方を実施している間に、対象者110に対する個人に合わせた運動処方をリアルタイムで更に精緻化するために使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、システム100が、運動処方を実施している間の対象者の心拍数に関する情報を取得し、希望の/許容され得る心拍数との関連で、対象者110の心拍数を維持、減少または増加させるために、運動処方に関する指示をリアルタイムで修正する。
【0064】
演算処理装置102は、嗜好、状況の変化、または個人に合わせた運動処方の実施中に生じ得る問題などに基づき個人に合わせた運動処方を修正するために、対象者110が、個人に合わせた運動処方の実施中に、対象者情報を精緻化または更新することを許可するものであってもよい。例えば、対象者110が怪我をして個人に合わせた運動処方を早めに終わらせる必要がある状況、或いは、一または複数の運動区画において指示された活動を完了するために必要な個人用の道具/装備の一部不足が判明する状況があり得る。運動処方の実施中に対象者110から得られたこの情報は、個人に合わせた運動処方を決定する手段によって、運動処方をさらに精緻化し、怪我のある部位を避けた運動が実施される活動内容への修正、運動処方の継続時間削減、または、対象者110が持ち合わせていない個人用の道具/装備を必要としない活動への置換などを指示するものに修正するために利用されてもよい。
【0065】
システム100は、多くの方法で対象者110の情報を取得するものであってもよい。いくつかの実施形態において、対象者110は、情報を記憶保存するサーバと通信可能環境にある演算処理装置102に、すなわちモバイル装置またはデスクトップコンピュータに、入力情報を(音声またはテキストまたは身振り手振りの表示により)入力するものであってもよい。対象者110は、また、フィットネスおよび/または健康の評価または身体組成分析(BMI、体脂肪率、筋肉量など)から得られる情報を入力してもよく、これは、その対象者110について変わる都度、装置104(またはストレージサーバ)において更新されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、システム100が、取得した情報、予め記憶保存されている運動情報、および対象者110の履歴情報に基づいて、個人に合わせた運動処方を決定してもよい。
【0067】
他の実施形態では、対象者110(または複数の対象者)に関連する情報が、情報の記憶保存されている装置104またはストレージサーバと通信可能環境にある個人用計測装置を介して取得されるものであってもよい。本発明のシステムにおいて情報を得るために使用され得る個人用計測装置の非限定的な例には、血糖値モニタ、歩数計、および移動距離(これはまた、エネルギー消費に変換され得る)を測定する移動/GPS追跡機、心臓モニタ、移動心電図モニタ、無線血圧モニタ、および/または脳波センサーが含まれる。ある実施形態では、装置104とストレージサーバは相互に通信できる環境にある。
【0068】
いくつかの実施形態では、対象者110の情報は、また、情報が記憶保存されている装置104および/またはストレージサーバとの通信可能環境にある、運動区画内の運動器具の一部に接続された一または複数の運動量出力計測装置から取得されるものであってもよい。これらの運動量出力計測装置の例には、ボート漕ぎ具、定置式自転車、階段ミル、トレッドミル、エリプティカル、スキーエルグ及び/又はエアダインに接続されている装置が含まれる。このような装置に関連する運動量出力計測装置を使用して、対象者110に対する個人に合わせた運動処方を実施している間の対象者110の全体的な成績だけでなく、エネルギー消費およびエネルギー強度に関する情報を取得できることが理解されるのであろう。
【0069】
個人に合わせた運動処方の実施中に個人用計測装置および運動量出力計測装置から得られる情報は、フィットネスプログラム決定装置104により、対象者110のための次の運動処方の決定において使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、運動処方が、サーバとの通信可能環境にあり移動距離を測定する手段を持つ定置式自転車を備えた運動区画を含むものであり、自転車から得られた情報を使用し、向上を促すために次の運動処方において移動すべき距離を増大させるものであってもよい。
【0070】
個人用計測装置および運動量出力計測装置から得られた情報は、装置104により、運動処方の実施中に運動処方を修正するために使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、運動処方が、サーバと通信可能環境にあり移動距離および傾斜を測定する手段を持つトレッドミルを備えた運動区画を含むのであり、トレッドミルから得られる情報を使用し、身体鍛錬運動の強さを増減させるものであってもよい。本発明の他の実施形態では、システム100(または装置104)が運動処方の実施中に各活動を行うときの対象者の心拍数に関する情報を取得し、希望する心拍数および計算されたエネルギー消費量との関連で、対象者110のエネルギー消費量を維持、減少または増加させるための処方に関する指示を、リアルタイムで修正する。
【0071】
装置104との通信可能環境にある個人用計測装置および運動量出力計測装置から得られた情報、ならびに任意の他の手段によって対象者110から得られた任意の追加情報は、装置104に記憶保存され、対象者110が少なくともその年齢および性別の情報を提供するために対象者110が使用する手段と同じもの(すなわち、彼らのモバイル装置)を介して、いつでも、見直しや閲覧ができる。
【0072】
一実施形態において、システム100は、また、以下の処理のために構成された報告装置を有している。
・一または複数の個人情報捕捉装置からの対象者に関する個人的統計情報の受信。
・対象者の開始時分析に関連する対象者の分析の、個人的統計情報、身体鍛錬運動に関する情報、利用者入力情報、演算処理装置から入力された情報、対象者の身体検査から導出された統計値、個人に合わせた運動処方に沿った身体鍛錬運動中に測定され身体鍛錬運動前後の統計値と比較される統計値変化、および、対象者の長期フィットネス目標、に基づく評価および/または解釈による、対象者のための、洗練された報告の作成。
・対象者に対し演算処理装置上に表示される洗練された報告の提示。
いくつかの実施形態では、報告装置の一または複数の機能が演算処理装置102によって実行されるものであってもよい。他の実施形態では、報告装置の洗練された報告の作成機能などの一または複数の機能が、フィットネスプログラム決定装置104によって実行されるものであってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、統計値は、対象者110が身体鍛錬運動とは別に走っていたときの身体の検査により得るものであてもよく、身体鍛錬運動中に測定された計測値、および身体鍛錬運動後に行われた計算、身体鍛錬運動に関する情報、ならびに対象者110の入力情報を含むものであってもよい。さらに、報告装置は、システム100の他の装置、外部演算処理装置および情報記憶保存装置と協働して、対象者110の個人的統計値を算出することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、システム100またはシステム100の報告装置は、会員の月毎の身体検査、心拍数計測報告、および他の洗練された報告を解釈するために、人工知能を使用するものであってもよい。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態では、報告装置が演算処理装置104と同一又は同等のもであってもよく、以前の身体鍛錬運動、スマートミールプラン、および成績統計値に関する情報を示すために構成されていてもよい。
【0076】
本開示のシステム100は、複数の対象者110による同時使用のために設計されていてもよく、この場合、各運動区画は、運動処方の実施中に複数の対象者110によって使用されることとしてもよい。あるいは、システム100は、一度に一人の対象者によって使用されるものであってもよい。
【0077】
本開示のシステム100は、単一の運動区画で実施される複数の活動の許容、または、複数の運動区画で実施される複数の活動の許容、または、複数の運動区画で実施される単一の活動の許容、および、それらの組み合わせを介して、個人に合わせた運動処方の配信のために利用されてもよい。ある運動処方は運動区画のすべてを利用するものである必要はなく、対象者110は任意の所与の運動区画における活動のすべてを実施する必要もないことが理解されるのであろう。
【0078】
さらに、一または複数の対象者は、提供された指示に従って、部分的に、特定された順番の中で選択した運動区画を特定された時間に抜かすことで、個人に合わせた運動処方を完了させてもよい。他の実施形態において、対象者は、提供された指示に従って、部分的に、一つの運動区画において、特定された順番の中で選択した活動を実施することにより、個人に合わせた運動処方を完了させてもよい。さらに別の実施形態において、対象者は、指示装置106を介して提供された指示に従って、部分的に、特定された順番の中で選択した運動区画を抜かして、一または複数の対象者のそれぞれが、一または複数の運動区画の中で特定された順番の中で選択した活動を実施し、一または複数の運動区画で単一の活動を実施して、個人に合わせた運動処方を完了させてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、運動区画は、二人以上の対象者に同時に場所を提供することができ、二人以上の対象者が特定の運動区画にいる場合、各対象者について得られた情報に応じて、同じ活動または異なる活動を、異なる継続時間または同じ継続時間にわたって、異なる強度または同じ強度で、などの実施の指示がされるものであってもよい。特定の機器を備える各運動区画について、各対象者の運動処方の一部を形成するために、サーバデータベースにおいて利用可能な複数の活動の存在することが理解されるのであろう。例えば、運動区画2では、キャリーとデイブが、指示装置106に表示されているように、二つの異なる活動(運動)を行う対象者である。
【0080】
本発明において、指示装置106は、各対象者に、少なくとも、彼らが活動を実施する運動区画、彼らが運動区画および/または活動を完了すべき順序に関して、指示を提供するものであってもよい。指示の提供は、対象者の情報を取得する手段とは別の手段によってなされ、指示を提供する手段は、通常、対象者110が必要とするまたは所有する物や装置とは独立しており、対象者110は指示を提供する手段と物理的に接する必要はない。このことは、演算処理装置102と指示装置106が異なる装置であることを意味する。例えば、対象者の情報がモバイル装置によって取得される場合、このモバイル装置は、指示の提供のために必要とされない。概して、指示を提供する手段は、運動処方が完了されるべき場所に常に設置された状態で提供される。
【0081】
指示の提供は、対象者から得られた、希望の時間、日時および/または会場情報に従って自動的に開始してもよく、或いは、指示の提供は、体験者110が存在することを確定する入館手続きや開始要因を必要とするものであってもよい。指示は、また、活動の継続時間、活動の強度、運動区画内の機器の使用方法、次の運動区画および/または活動へ移動する頃合い、休息の頃合いなどを決めるものであってもよい。また、指示は、運動処方の実施中にサーバと通信可能環境にある個人用測定装置および/または運動量出力測定装置を介して対象者110から取得された情報を表示するものであってもよく、同様に、運動処方に対する変更に関する情報を、その変更が行われたときに提供するものであってもよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、活動を実施する対象者それぞれのための指示装置106は、運動区画近傍のオーディオ/視覚表示装置(すなわち、指示装置106)であり、その手段はサーバとの通信可能環境にある。近傍とは、対象者110が、運動区画から、そして一般的には指示された活動が行われている間に、オーディオ/視覚表示装置を視認できることを意味する。装置104またはストレージサーバと通信可能環境にあるオーディオ/視覚表示装置は、各運動区画の近傍に無くてもよいが、本開示のいくつかの実施形態では、各運動区画に別個のオーディオ/視覚表示装置が有る。オーディオ/視覚表示装置によって提供される指示は、例えば、図画または略図、アバターまたは指示の記述、動画、切り出し音声、またはそれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0083】
システム100は、会員の行動から絶えず学習するための構成とされており、機械学習を使用して、個人の対象者の身体鍛錬運動だけでなく、対象者のグループのそれも絶えず改善することができる。
【0084】
法律に従って、本発明は、構造的または方法的特徴に多かれ少なかれ特異的な言語で説明されてきた。「含む(comprises)」という用語および「含む」の進行形(comprising)および「含む」の過去形(comprised)などのその変形は、全体を通して、包括的な意味で使用され、追加の特徴を排除するものではない。本発明はこれまでに示され、または説明された具体的な特徴に限定されるものではなく、これらの手段は本発明を実施するための好ましい形態を含むものにすぎないことを理解されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲が当業者によって適切に解釈され得る適切な範囲内のあらゆる形態または改良について特許請求されている。
【0085】
本発明の任意の実施形態は単なる例示に過ぎす、本発明の限定を意図するものではない。したがって、本発明の本質および観点から逸脱することなく、記載された任意の実施形態に対して様々な他の変更および改良を行うことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】一または複数の対象者に対し個人に合わせた運動処方を配信するための例示的なシステムを示す図である。
【国際調査報告】