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特表2022-524391合成腫瘍溶解性LNPレプリコンRNAおよびがん免疫治療のための使用
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  • 特表-合成腫瘍溶解性LNPレプリコンRNAおよびがん免疫治療のための使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】合成腫瘍溶解性LNPレプリコンRNAおよびがん免疫治療のための使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/01 20060101AFI20220422BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220422BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20220422BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220422BHJP
   A61K 31/166 20060101ALI20220422BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20220422BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20220422BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220422BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20220422BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220422BHJP
   C12N 15/24 20060101ALN20220422BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
A61K48/00
A61K38/20
A61P35/00
A61K31/166
A61K9/127
A61K47/24
A61K47/34
A61K47/28
A61P43/00 121
C12N15/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553767
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 US2020013069
(87)【国際公開番号】W WO2020185293
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/815,611
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】514137997
【氏名又は名称】オハイオ・ステイト・イノベーション・ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】アーバイン,ダレル,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィトラップ,カール,デーン
(72)【発明者】
【氏名】ワイス,ロン
(72)【発明者】
【氏名】リー,インジョン
(72)【発明者】
【氏名】ムミン,ノア
(72)【発明者】
【氏名】ドン,イージョウ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B065AA93Y
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065BA05
4B065BD31
4B065CA24
4B065CA44
4C076AA19
4C076AA95
4C076BB11
4C076CC27
4C076DD63H
4C076DD70H
4C076EE23H
4C076FF21
4C084AA13
4C084BA44
4C084DA12
4C084MA65
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZC751
4C206GA11
4C206GA22
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA85
4C206NA13
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、1以上のタイプの脂質を含む脂質ナノ粒子および免疫調節性分子をコードする配列を含む自己増幅レプリコンRNAを含む合成腫瘍溶解性ウイルスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1以上のタイプの脂質を含む脂質ナノ粒子;および
(ii)インターロイキン(IL)-12分子をコードする配列を含む自己増幅(self-amplifying)レプリコンRNA
を含む、合成腫瘍溶解性ウイルスであって、
ここで、脂質ナノ粒子は、免疫原性細胞死を引き起こすことができ、および
ここで、IL-12分子は、自己増幅レプリコンRNAにより発現される、
前記合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項2】
1以上のタイプの脂質が、カチオン性脂質を含む、請求項1に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項3】
カチオン性脂質が、N1,N3,N5-トリス(3-(ジドデシルアミノ)プロピル)ベンゼン-1,3,5-トリカルボキサミド(TT3)である、請求項2に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項4】
脂質ナノ粒子が、TT3、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、コレステロール、およびC14-PEG2000を含む、請求項2に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項5】
自己増幅レプリコンRNAが、アルファウイルス、またはC型肝炎ウイルスに由来する、請求項1~4のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項6】
アルファウイルスが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、セムリキ森林ウイルス、またはシンドビスウイルスである、請求項5に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項7】
IL-12分子をコードする配列が、自己増幅レプリコンRNAのサブゲノム領域中に位置づけられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項8】
自己増幅レプリコンRNAが、配列番号1に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項9】
自己増幅レプリコンRNAが、配列番号1とは同一でなく、かつ配列番号1を含む自己増幅レプリコンRNAと比較してより高いレベルでIL-12分子を発現することができる、請求項8に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項10】
レプリコンRNAが、配列番号1のG3936Cおよび/またはA4758Gの点突然変異を含む、請求項9に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項11】
自己増幅レプリコンRNAが、血清アルブミンコード配列をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項12】
自己増幅レプリコンRNAが、ルミカンコード配列をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項13】
IL-12分子が、IL-12、IL-12サブユニット、または免疫調節性機能を保持する突然変異体IL-12分子からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項14】
IL-12分子が、IL-12αおよび/またはIL-12βサブユニットを含む、請求項13に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項15】
脂質ナノ粒子が、約100~120nmの直径を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項16】
脂質ナノ粒子が、約3~6mvのゼータ電位を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項17】
脂質および自己増幅レプリコンRNAが、約1:1の質量比を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルス。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルスおよび薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。
【請求項19】
腫瘍内注射のために処方されている、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載の合成腫瘍溶解性ウイルスまたは請求項18または19に記載の医薬組成物を対象へ投与することを含む、これを必要とする対象においてがんを処置するための方法。
【請求項21】
対象が、がんを有するかまたはがんを有すると疑われるヒト患者である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ヒト患者が、黒色腫、乳がんおよび結腸がんからなる群から選択されるがんを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
合成腫瘍溶解性ウイルスまたは医薬組成物が、単回用量において対象に投与される、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
合成腫瘍溶解性ウイルスまたは医薬組成物が、腫瘍内注射、筋肉内注射、皮下注射、または静脈内注射によって対象に投与される、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年3月8日に出願された、米国仮特許出願第62/815,611号の35U.S.C.§119(e)の下での優先権を主張し、その内容全体は、本明細書において参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
本開示は、1以上のタイプの脂質を含む脂質ナノ粒子および免疫調節性分子をコードする配列を含む自己増幅(self-amplifying)レプリコンRNAを含む合成腫瘍溶解性ウイルスに関する。
【発明の概要】
【0003】
概要
本開示は、合成腫瘍溶解性ウイルスが、腫瘍部位での注射の際に、成功裏に局所腫瘍の抗がん免疫応答を引き起こし、および末梢の腫瘍に対して全身性免疫を可能にするという、予想外の発見に、少なくとも一部において基づく。
結果的に、本開示の一側面は、1以上のタイプの脂質を含む脂質ナノ粒子およびインターロイキン(IL)-12分子をコードする配列を含む自己増幅レプリコンRNAを含む合成腫瘍溶解性ウイルスを提供する。脂質ナノ粒子は、免疫原性細胞死を引き起こすことができる。IL-12分子は、自己増幅レプリコンRNAによって発現される。
【0004】
合成腫瘍溶解性ウイルスは、脂質ナノ粒子を含む。脂質ナノ粒子は、1以上のタイプの脂質を含む。いくつかの態様において、1以上のタイプの脂質は、カチオン性脂質を含む。いくつかの態様において、カチオン性脂質は、N1,N3,N5-トリス(3-(ジドデシルアミノ)プロピル)ベンゼン-1,3,5-トリカルボキサミド(TT3)である。いくつかの態様において、脂質ナノ粒子は、TT3、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、コレステロール、およびC14-PEG2000を含む。
さらに、合成腫瘍溶解性ウイルスは、自己増幅レプリコンRNAを含む。いくつかの態様において、自己アンプリコンRNA(self-amplicon RNA)は、アルファウイルスまたは他のグループIVウイルス(C型肝炎ウイルス(HCV)などの正の一本鎖RNAウイルス)に由来する。いくつかの態様において、アルファウイルスは、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、セムリキ森林ウイルス、またはシンドビスウイルスであり得る。
【0005】
いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、IL-12分子をコードする配列を含む。いくつかの態様において、IL-12分子をコードする配列は、自己増幅レプリコンRNAのサブゲノム領域に位置付けられる。
いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、配列番号1の配列を有する野生型(WT)レプリコンRNAと少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、配列番号1と同一ではなく、かつ配列番号1を含む自己増幅レプリコンRNAを比較してより高いレベルでIL-12分子を発現することができる。いくつかの態様において、より高いレベルでIL-12分子を発現することができるレプリコンRNAは、配列番号1のG3936Cおよび/またはA4758Gの点突然変異を含む。
【0006】
いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、血清アルブミンコード配列をさらに含む。いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、ルミカンコード配列をさらに含む。
いくつかの側面において、自己増幅レプリコンRNAは、IL-12分子をコードする配列を含む。いくつかの態様において、IL-12分子は、IL-12、IL-12サブユニット、または免疫調節性機能を保持する突然変異体IL-12分子からなる群から選択される。いくつかのさらなる態様において、IL-12分子は、IL12αおよび/またはIL12βサブユニットを含む。
【0007】
いくつかの態様において、脂質ナノ粒子は、約100~120nmの直径を有する。いくつかの態様において、脂質ナノ粒子は、約3~6mvのゼータ電位を有する。
いくつかの態様において、脂質および自己増幅レプリコンRNAは、約1:2~2:1の質量比を有する。
【0008】
本開示は、少なくとも一部において、合成腫瘍溶解性ウイルスおよび薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物に関する。
いくつかの態様において、医薬組成物は、腫瘍内注射のために処方される。
【0009】
本開示は、少なくとも一部において、有効量のいずれかの合成腫瘍溶解性ウイルスまたは合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物を対象へ投与することを含む、これを必要とする対象においてがんを処置するための方法に関する。
いくつかの態様において、対象は、がんを有するかまたは有すると疑われるヒト患者である。例示の標的のがんは、これらに限定されないが、黒色腫、乳がんおよび結腸がんを包含する。
いくつかの態様において、医薬組成物は、単回用量で対象に投与される。いくつかの態様において、医薬組成物は、腫瘍内注射によって対象に投与される。
【0010】
本明細書に開示の標的の疾患のいずれか(例として、がん)の処置における使用のための本明細書に記載のいずれかの合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物、ならびにがんの処置のための医薬の製造における使用のための合成腫瘍溶解性オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物もまた、本開示の範囲内である。
本発明の1以上の態様の詳細は、以下の記載で表される。本発明の他の特色または利点は、以下の図面およびいくつかの態様の詳細な記載から、および添付の特許請求の範囲からもまた明白であるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面の簡単な記載
図1図1A~1Hは、DOTAP、リポフェクタミン(Lipo)、TT3ナノ粒子(TT3)、突然変異体レプリコンRNA(RNA)、突然変異体レプリコンRNAをカプセル封入したDOTAP、Lipo、およびTT3ナノ粒子(DOTAP-mtRep、Lipo-mtRep、およびTT3-mtRep)、電気穿孔(Electro)、および突然変異体レプリコンRNA(Electro-mtRep)を用いた電気穿孔、でトランスフェクトされたB16F10細胞の効果を示すチャートである。図1Aは、B16F10細胞のトランスフェクション3日後の生存率を示すグラフである。図1Bは、突然変異体または不活性型(dead)レプリコンRNA(deRep)を用いてカプセル封入した脂質ナノ粒子でトランスフェクトされたB16F10細胞におけるGFP発現を示すグラフである。図1Cは、PI+アネキシンV+トランスフェクトされた脂質ナノ粒子またはレプリコンRNAを用いてカプセル封入された脂質ナノ粒子でトランスフェクトされたB16F10死細胞のパーセンテージを示すグラフである。脂質ナノ粒子またはレプリコンRNAを用いてカプセル封入された脂質ナノ粒子によって誘導された免疫原性細胞死は、カルレティキュリン+(CRT+)細胞(図1D)、細胞外ATP(図1E)およびHMGB1放出(図1F)のパーセントによって示された。図1Gは、脂質ナノ粒子および突然変異体レプリコンRNAを積載した脂質ナノ粒子の直径を示す。図1Hは、脂質ナノ粒子および突然変異体レプリコンRNAを積載した脂質ナノ粒子のゼータ電位を示す。
【0012】
図2図2A~2Jは、mtRepおよびdeRepが、TLR3シグナル伝達を引き起こし、および壊死性細胞死へのISGF3複合体を誘導することを示すチャートである。LNP-レプリコンRNAは、TLR3シグナル伝達を引き起こし(図2Bおよび図2E)、およびインターフェロン刺激遺伝子Stat1、Stat2、IRF9、IRF3およびcGASの発現を活性化する(図2F-2J)が、TLR2(図2A)、TLR7(図2C)またはTLR9を活性化しない(図2D)。
【0013】
図3図3A~3Kは、TT3-mtRepが、免疫細胞をリクルートし、および腫瘍成長を消失させることを示すチャートである。図3Aは、mtRepが、注射後3日目により多くのLy6cloLy6G+顆粒球をリクルートすることを示す。図3Bは、TT3-mtRepを注射された腫瘍中の注射後3日目でのCD45+およびCD45-細胞におけるmCherry+細胞のパーセンテージを示す。図3Cは、TT3-mtRepの注射後1日目でのISGF3複合体(Stat1/Stat2/IRF9)ならびにIRF3およびcGASの発現を示す。図3D~3Fは、TT3-mtRepの注射後1日目(図3D)、および注射後3日目(図3E)、ならびに3回の逐次的な注射の注射後1日目(図3F)での腫瘍内への免疫細胞浸潤(顆粒球、M-MDSC、単球、マクロファージ、CD4 T、CD8 T、NK、NKT、従来型DC1(cDC1)、および従来型DC2(cDC2))を示す。図3G~3Hは、TT3-mtRepの3回の逐次的な注射の1日後で、TT3-mtRepが、より多くの細胞死(図3G)、より多くの免疫細胞浸潤(図3H)、低減された腫瘍重量(図3I)、腫瘍面積(図3J)および増大したCCL5の発現(図3K)を誘導することを示す。
【0014】
図4図4A~4Gは、IL12-MSAまたはIL12-MSA-ルミカンをコードするTT3-mtRepが、腫瘍微小環境および免疫細胞浸潤を有効に調節することを示すチャートである。図4Aおよび4Bは、TT3-mtRepの注射後1日目および3日目での腫瘍中(図4A)および血清中(図4B)のELISAによるIFNα2の定量化を示す。図4Cは、mtRep-IL12-MSAおよびmtRep-IL12-MSA-ルミカンでトランスフェクトされたB16F10細胞が、IL-12を産生し得ることを示す。図4Dは、TT3-mtRep、TT3-mtRep-IL12-MSA、またはTT3-mtRep-IL12-MSA-ルミカンの単回の注射1日後および3日後での腫瘍中のIL-12レベルを示す。図4E-4Fは、TT3-mtRep、TT3-mtRep-IL12-MSA、またはTT3-mtRep-IL12-MSA-ルミカンの単回の注射の注射後1日目(図4E)および3日目(図4F)での腫瘍における免疫細胞浸潤を示す。図4Gは、TT3-mtRep、TT3-mtRep-IL12-MSA、またはTT3-mtRep-IL12-MSA-ルミカンの単回の注射の注射後1日目および3日目での腫瘍排出リンパ節における従来型DC1(cDC1)の数を示す。
【0015】
図5図5A~5Eは、免疫調節性IL12およびTT3-mtRepにより誘導された免疫原性細胞死のin vivoでの相乗的な抗がん効果を示すチャートである。相乗的な抗がん効果は、体重の変化(図5A)、血清中のIFNr(図5B)、腫瘍面積(図5C)、および生存曲線(図5D)によって評価された。図5Eは、TT3-mtRep-IL12処置が、治療されたマウスにおける腫瘍の再発を予防し得ることを示す。
【0016】
詳細な記載
本開示は、少なくとも一部において、腫瘍部位での注射の際に、1以上のタイプの脂質を含む脂質ナノ粒子およびIL-12分子をコードする配列を含む自己増幅レプリコンRNAを含む合成腫瘍溶解性ウイルスが、局所腫瘍の抗がん免疫応答を成功裏に引き起こし、および末梢の腫瘍に対する全身性免疫を可能とするという予想外の発見に基づく。
【0017】
I.合成腫瘍溶解性ウイルス
本開示は、少なくとも一部において、合成腫瘍溶解性ウイルスに関する。本明細書に使用されるとき、用語「合成」は、非天然の、または改変された本明細書に開示のとおりの腫瘍溶解性ウイルスを指し、それは脂質ナノ粒子およびIL-12分子をコードする配列を含む自己増幅レプリコンRNAを包含する。
いくつかの側面において、本開示は、自身によって免疫原性細胞死を誘導することができる、脂質ナノ粒子(LNP)を利用し、腫瘍細胞内への生物学的に活性な剤(例として、IL-12分子をコードする自己増幅レプリコンRNA)の送達を促進することに関する。
【0018】
(i)脂質ナノ粒子
本開示は、少なくとも一部において、脂質ナノ粒子を使用した生物学的に活性な分子の細胞への送達に関する。具体的に言うと、本発明は、脂質ナノ粒子によってカプセル封入されたIL-12を発現する自己増幅レプリコンRNAを含む合成腫瘍溶解性ウイルス、その組成物、およびがんを有するかまたはがんを有すると疑われる対象を処置するために、合成腫瘍溶解性ウイルスおよびその組成物を使用する方法に関する。
本明細書に使用されるとき、脂質ナノ粒子(LNP)は、連続した脂質二重層を有する球状のベシクルなどのベシクルを指す。脂質ナノ粒子は、それによって医薬療法が、標的とされる場所へ送達される方法において使用され得る。LNPの非限定例は、リポソーム、双頭型両親媒性化合物、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質キャリア(NLC)、および単層膜構造(例として、アルケオソーム(archaeosome)およびミセル)を包含する。
【0019】
本明細書に使用されるとき、脂質ナノ粒子は、1以上のタイプの脂質を含む。本明細書に使用されるとき、脂質は、これらに限定されないが、脂肪酸のエステルを包含する一群の有機化合物を指し、およびいくつかの態様においては、水に不溶であるが、多くの有機溶媒に可溶であることよって特徴付けられている。それらは、大抵少なくとも3つのクラスに区分される:(1)脂肪および油ならびに蝋を包含する「単純な脂質」;(2)リン脂質および糖脂質を包含する「化合物脂質」;(3)ステロイドなどの「由来脂質」。脂質の非限定例は、トリグリセリド(例として、トリステアリン)、ジグリセリド(例として、グリセロールベヘネート(bahenate))、モノグリセリド(例として、グリセロールモノステアラート)、脂肪酸(例として、ステアリン酸)、ステロイド(例として、コレステロール)、および蝋(例として、パルミチン酸セチル)を包含する。いくつかの態様において、LNPにおける1以上のタイプの脂質は、カチオン性脂質を含む。
【0020】
本明細書に使用されるとき、カチオン性脂質は、生理学的pHなどの選択されるpHで、正味の正電荷を運ぶ数多の脂質の種のいずれかを指す。このような脂質は、これらに限定されないが、N1,N3,N5-トリス(3-(ジドデシルアミノ)プロピル)ベンゼン-1,3,5-トリカルボキサミド(TT3)、N-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩化物(DOTAP);リポフェクタミン;1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジリノレンイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、ジオクタデシルジメチルアンモニウム(DODMA)、ジステアリルジメチルアンモニウム(DSDMA)、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物(DODAC);N-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩化物(DOTMA);N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウム臭化物(DDAB);3-(N-(N′,N′-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル)コレステロール(DC-Chol)およびN-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウム臭化物(DMRIE)を包含する。
【0021】
いくつかの態様において、カチオン性脂質は、TT3である。本明細書に使用されるとき、TT3は、様々な生物学的活性剤の細胞内への送達のための脂質ナノ粒子を形成することができる。加えて、本開示はまた、無積載のTT3-LNPが、in vivoおよびin vitroでがん細胞において免疫原性細胞死(ICD)を誘導し得ることを実証する。本明細書に記載のとおり、免疫原性細胞死は、樹状細胞(DC)の活性化およびその結果生じる特定のT細胞応答の活性化を通して有効な免疫応答を誘導し得る細胞死の形態を指す。いくつかの態様において、免疫原性細胞死(ICD)を受ける細胞は、腫瘍細胞である。免疫原性腫瘍細胞死は、有効な抗腫瘍免疫応答を引き起こし得る。いくつかの態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、レポーター遺伝子のみをコードする自己増幅レプリコン(TT3-LNP-レプリコンRNA)をカプセル封入するTT3-LNPを含む。自己増幅レプリコンRNAは、TT3-LNPと相乗的に働いて、TT3-LNP単独と比較して、腫瘍細胞におけるより高いレベルのICDを誘導し得る。他の態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、IL-12分子をコードする自己増幅レプリコンRNAをカプセル封入するTT3-LNPを含む。免疫調節性サイトカインであるIL-12は、局所腫瘍に対する強力な免疫応答を引き出す。その上、TT3-LNP、自己増幅レプリコンRNAおよびIL-12発現の組み合わせは、その場での腫瘍細胞の相乗的な阻害に有効であるだけでなく、全身性の抗腫瘍免疫応答をも引き出し、末梢の腫瘍細胞を殺傷し、および腫瘍の再発を予防する。
【0022】
いくつかの態様において、カチオン性脂質は、DOTAPである。本明細書に使用されるとき、DOTAPは、脂質ナノ粒子を形成することもまたできる。DOTAPは、一過的または安定した遺伝子発現のための酵母人工染色体(YAC)を包含するDNAの真核細胞内への高度に効率的なトランスフェクションのために使用され得、およびRNA、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、リボヌクレオ-タンパク質(RNP)複合体、およびタンパク質などの他の負に帯電した分子の哺乳動物の細胞の調査試料内への効率的な移動にもまた好適である。
【0023】
他の態様において、カチオン性脂質は、リポフェクタミンである。本明細書に使用されるとき、リポフェクタミンは、Invitrogenによって生産および販売されており、分子生物学および細胞生物学において使用される、一般的なトランスフェクション試薬である。それは、リポフェクションによって、RNA(mRNAおよびsiRNAを包含する)またはプラスミドDNAのin vitroでの細胞培養物内へのトランスフェクション効率の増加のために使用される。リポフェクタミンは、水性の環境において、トランスフェクションペイロード、例として、自己増幅レプリコンRNAを捕捉する、リポソームまたは脂質ナノ粒子を形成することのできる脂質サブユニットを含有する。RNAを含有するリポソーム(それらの表面は正に帯電している)は、細胞膜とリポソームの中性共脂質を媒介する融合に起因して、負に帯電した生細胞の原形質膜と融合することができる、核酸カーゴ分子が複製または発現のために細胞質内へと渡ることを可能とする。
【0024】
いくつかの態様において、LNPは、主にカチオン性脂質と共に他の脂質成分からなる。これらは、典型的には、これらに限定されないが、ホスファチジルコリン(PC)クラス(例として、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、ステロール(例として、コレステロール)およびポリエチレングリコール(PEG)-脂質抱合体(例として、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[フォレート(ポリエチレングリコール)-2000(DSPE-PEG2000)および1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000(C14-PEG2000)に属する他の脂質分子を包含する。表1は、を2つのLNP、TT3-LNPおよびDOTAP-LNPの製剤を示す。
【表1】
【0025】
脂質ナノ粒子の粒子サイズは、薬物の放出速度、体内分布、粘膜付着、水の細胞への取り込みおよびナノ粒子の内部へのバッファーの交換、ならびにタンパク質拡散に影響し得る。いくつかの態様において、LNPの直径は、30~150nmの範囲をとる。いくつかの態様において、LNPの直径は、100~120nmの範囲をとる。いくつかの態様において、LNPの直径は、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109nm、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119nm、または120nmであり得る。
【0026】
ゼータ電位は、脂質ナノ粒子の表面上の有効な電荷の尺度である。ゼータ電位の大きさは、粒子の安定性についての情報を提供する。いくつかの態様において、LNPのゼータ電位は、-10ミリボルト(mv)~25mvの範囲をとる。いくつかの態様において、LNPのゼータ電位は、3~6mvの範囲をとる。いくつかの態様において、LNPのゼータ電位は、3mv、3.1mv、3.2mv、3.3mv、3.4mv、3.5mv、3.6mv、3.7mv、3.8mv、3.9mv、4mv、4.1mv、4.2mv、4.3mv、4.4mv、4.5mv、4.6mv、4.7mv、4.8mv、4.9mv、5mv、5.1mv、5.2mv、5.3mv、5.4mv、5.5mv、5.6mv、5.7mv、5.8mv、5.9mv、および6mvであり得る。
【0027】
本開示は、少なくとも一部において、レプリコンRNAを脂質ナノ粒子でカプセル封入することに関する。いくつかの態様において、LNPとレプリコンRNAの間の質量比は、1:2~2:1の範囲をとる。いくつかの態様において、LNPとレプリコンRNAの間の質量比は、1:2、1:1.5、1:1.2、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1および2:1であり得る。いくつかの態様において、LNPとレプリコンRNAの間の質量比は、1:1であり得る。
【0028】
(ii)自己増幅レプリコンRNA
本開示において、ウイルス複製のために必要とされる構造タンパク質の代わりである、サブゲノムのプロモーター下のIL-12分子をコードする自己増幅レプリコンRNAは、がん免疫治療における実質的な目的である。本明細書に使用されるとき、用語「自己増幅レプリコンRNA」は、1つの複製起点から複製するRNAを含む自己増幅遺伝要素を指す。用語「レプリコンRNA」および「自己増幅レプリコンRNA」は、本明細書において互換的に使用される。いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、ウイルスのレプリコンである。
【0029】
ウイルスは、生きている宿主細胞(例として、原核生物のおよび真核細胞)の内部でのみ複製することのできる小さな病原体である。生細胞の外側では、ウイルスは、DNAまたはRNA(後者は、一本鎖または二本鎖であり得る)の形態における遺伝材料を含む、独立した粒子(例として、ウイルスの粒子またはビリオン)として存在する。DNAを有するウイルスは、DNAウイルスと称され、およびRNAを有するウイルスは、RNAウイルスと称される。いくつかのケースにおいて、ウイルスは、核酸関連タンパク質を含み、およびウイルスと核酸関連タンパク質との組み合わせは、ヌクレオタンパク質と称される。遺伝材料に加えて、ウイルスは、カプシドとしてもまた知られている、感染の間、生きている宿主細胞の受容体へのウイルスの付着を促進し酵素分解からウイルスの遺伝材料を保護する、単一または二重のタンパク質コートを有する。ヌクレオタンパク質とカプシドとの組み合わせは、ヌクレオカプシドと称される。いくつかのケースにおいて、ウイルスは、ウイルスにコードされた、グリコシル化された(トランス-)膜関連タンパク質が点在する、脂質二重層のエンベロープを有する。ウイルスは、いったん生きている宿主細胞に感染すると、ウイルスは、その複製、およびその後の増殖のための仕組みを供給することを生きている宿主細胞に依存する。ウイルスのゲノムは、いくつかの構造タンパク質および非構造調節性タンパク質についてコードする。
【0030】
本明細書に使用されるとき、用語「サブゲノム」または「サブゲノムの」は、全レプリコンゲノムのより小さな切片を指す。結果的に、本明細書に使用されるとき、サブゲノムの転写は、レプリコンゲノムを構成するすべての遺伝子ではなく、レプリコンゲノム中の1以上の遺伝子の転写を指す。一態様において、サブゲノムの転写は、本明細書の他に記載されている、実験的または治療的な目的の遺伝子の転写を指す。
本明細書におけるウイルスの文脈において使用されるような用語「構造タンパク質」は、成熟し、構築されたウイルス粒子またはビリオンの構造上の構成要素を構成するタンパク質を指す。このような構造タンパク質の非限定例は、ヌクレオカプシドコアタンパク質(例として、gagタンパク質)、ウイルス粒子内にパッケージングされた酵素(例として、polタンパク質)、および膜構成要素(例として、envタンパク質)を包含する。対照的に、本明細書におけるウイルスの文脈において使用されるような用語「非構造タンパク質」は、ウイルス粒子またはビリオンの構造上の構成要素を構成しないが、宿主細胞内で発現されるタンパク質を指す。非構造タンパク質の役割のいくつかは、これらに限定されないが、レプリコン形成、免疫調節、および構造タンパク質遺伝子のトランス活性化を包含する。
【0031】
いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、アルファウイルスに由来する。宿主mRNAとは性質が異なり、アルファウイルスレプリコンRNAは、ゲノム複製と、IL-12分子などの非ウイルス産物をコードする遺伝子を包含するよう改変されたときは、サブゲノムのプロモーター下でこのような非ウイルス産物の転写を提供することの両方を担当する、4つの非構造タンパク質(nsPs1~4)の一式をコードする。アルファウイルスは、グループIVトガウイルス科ファミリーのウイルスの一部であり、陽方向の、一本鎖RNAゲノムを所有し、および正二十面体のヌクレオカプシドによって特徴付けられる。他のグループIVウイルスの非限定例は、アストロウイルス科、カリシウイルス科、コロナウイルス科、フラビウイルス科、ピコルナウイルス科、アルテリウイルス科、およびトガウイルス科であり得る。アルファウイルス属は、真核生物に感染する26のエンベロープウイルスを包含する。アルファウイルスは、広い宿主の範囲を有し、および蚊および吸血性の節足動物によって送り届けられる。
【0032】
アルファウイルスの非限定例は、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)、セムリキ森林ウイルス(SF)、シンドビスウイルス(SIN)、東部ウマ脳炎ウイルス(EEE)、西部ウマ脳炎ウイルス(WEE)、エバーグレーズウイルス(Everglades virus)(EVE)、ムカンボウイルス(MUC)、ピクスナウイルス(PIX)、セムリキ森林ウイルス(SF)、ミデルブルグウイルス(Middelburg virus)(MID)、チクングニアウイルス(CHIK)、オニョンニョンウイルス(ONN)、ロスリバーウイルス(RR)、バーマフォレストウイルス(BF)、ゲタウイルス(GET)、サギヤマウイルス(Sagiyama virus)(SAG)、ベバルウイルス(BEB)、マヤロウイルス(MAY)、ウナウイルス(UNA)、アウラウイルス(AURA)、ババンキウイルス(Babanki virus)(BAB)、ハイランズJウイルス(HJ)、およびフォートモーガンウイルス(Fort Morgan virus)(FM)を包含する。
【0033】
本開示中、少なくとも一部において、アルファウイルスレプリコンは、VEEアルファウイルスレプリコンである。VEEウイルスは、主にウマ科の種においてVEEまたは脳脊髄炎を引き起こす蚊によって典型的に運ばれる、ウイルス病原体である。しかしながら、ヒトもまた、VEEにかかる可能性があり、および免疫系の弱まった人々は、VEEに感染した場合に、とくに重度の合併症をゆするリスクにある。VEEのビリオンは、球状であり、および外表面の周囲に広がった糖タンパク質の表面タンパク質を伴う脂質膜を所有する。典型的には、VEEは、5’末端キャップおよび3’末端ポリ(A)トラクトを除いておよそ11.45kbのゲノムを有し、4つの非構造タンパク質(nsPs)および5つの構造タンパク質を含む。非構造タンパク質は、nsP1、nsP2、nsP3、およびnsP4を包含し、一方で構造領域は、タンパク質C、E3、E2、6K、およびE1をコードする。いくつかの場合において、自己増幅レプリコンRNAは、VEEに由来するWTレプリコンRNAである。VEEウイルスWTレプリコンRNAの配列は、配列番号1で表される:
ATGGGCGGCGCATGAGAGAAGCCCAGACCAATTACCTACCCAAAATGGAGAAAGTTCACGTTGACATCGAGGAAGACAGCCCATTCCTCAGAGCTTTGCAGCGGAGCTTCCCGCAGTTTGAGGTAGAAGCCAAGCAGGTCACTGATAATGACCATGCTAATGCCAGAGCGTTTTCGCATCTGGCTTCAAAACTGATCGAAACGGAGGTGGACCCATCCGACACGATCCTTGACATTGGAAGTGCGCCCGCCCGCAGAATGTATTCTAAGCACAAGTATCATTGTATCTGTCCGATGAGATGTGCGGAAGATCCGGACAGATTGTATAAGTATGCAACTAAGCTGAAGAAAAACTGTAAGGAAATAACTGATAAGGAATTGGACAAGAAAATGAAGGAGCTGGCCGCCGTCATGAGCGACCCTGACCTGGAAACTGAGACTATGTGCCTCCACGACGACGAGTCGTGTCGCTACGAAGGGCAAGTCGCTGTTTACCAGGATGTATACGCGGTTGACGGACCGACAAGTCTCTATCACCAAGCCAATAAGGGAGTTAGAGTCGCCTACTGGATAGGCTTTGACACCACCCCTTTTATGTTTAAGAACTTGGCTGGAGCATATCCATCATACTCTACCAACTGGGCCGACGAAACCGTGTTAACGGCTCGTAACATAGGCCTATGCAGCTCTGACGTTATGGAGCGGTCACGTAGAGGGATGTCCATTCTTAGAAAGAAGTATTTGAAACCATCCAACAATGTTCTATTCTCTGTTGGCTCGACCATCTACCACGAGAAGAGGGACTTACTGAGGAGCTGGCACCTGCCGTCTGTATTTCACTTACGTGGCAAGCAAAATTACACATGTCGGTGTGAGACTATAGTTAGTTGCGACGGGTACGTCGTTAAAAGAATAGCTATCAGTCCAGGCCTGTATGGGAAGCCTTCAGGCTATGCTGCTACGATGCACCGCGAGGGATTCTTGTGCTGCAAAGTGACAGACACATTGAACGGGGAGAGGGTCTCTTTTCCCGTGTGCACGTATGTGCCAGCTACATTGTGTGACCAAATGACTGGCATACTGGCAACAGATGTCAGTGCGGACGACGCGCAAAAACTGCTGGTTGGGCTCAACCAGCGTATAGTCGTCAACGGTCGCACCCAGAGAAACACCAATACCATGAAAAATTACCTTTTGCCCGTAGTGGCCCAGGCATTTGCTAGGTGGGCAAAGGAATATAAGGAAGATCAAGAAGATGAAAGGCCACTAGGACTACGAGATAGACAGTTAGTCATGGGGTGTTGTTGGGCTTTTAGAAGGCACAAGATAACATCTATTTATAAGCGCCCGGATACCCAAACCATCATCAAAGTGAACAGCGATTTCCACTCATTCGTGCTGCCCAGGATAGGCAGTAACACATTGGAGATCGGGCTGAGAACAAGAATCAGGAAAATGTTAGAGGAGCACAAGGAGCCGTCACCTCTCATTACCGCCGAGGACGTACAAGAAGCTAAGTGCGCAGCCGATGAGGCTAAGGAGGTGCGTGAAGCCGAGGAGTTGCGCGCAGCTCTACCACCTTTGGCAGCTGATGTTGAGGAGCCCACTCTGGAGGCAGACGTCGACTTGATGTTACAAGAGGCTGGGGCCGGCTCAGTGGAGACACCTCGTGGCTTGATAAAGGTTACCAGCTACGATGGCGAGGACAAGATCGGCTCTTACGCTGTGCTTTCTCCGCAGGCTGTACTCAAGAGTGAAAAATTATCTTGCATCCACCCTCTCGCTGAACAAGTCATAGTGATAACACACTCTGGCCGAAAAGGGCGTTATGCCGTGGAACCATACCATGGTAAAGTAGTGGTGCCAGAGGGACATGCAATACCCGTCCAGGACTTTCAAGCTCTGAGTGAAAGTGCCACCATTGTGTACAACGAACGTGAGTTCGTAAACAGGTACCTGCACCATATTGCCACACATGGAGGAGCGCTGAACACTGATGAAGAATATTACAAAACTGTCAAGCCCAGCGAGCACGACGGCGAATACCTGTACGACATCGACAGGAAACAGTGCGTCAAGAAAGAACTAGTCACTGGGCTAGGGCTCACAGGCGAGCTGGTGGATCCTCCCTTCCATGAATTCGCCTACGAGAGTCTGAGAACACGACCAGCCGCTCCTTACCAAGTACCAACCATAGGGGTGTATGGCGTGCCAGGATCAGGCAAGTCTGGCATCATTAAAAGCGCAGTCACCAAAAAAGATCTAGTGGTGAGCGCCAAGAAAGAAAACTGTGCAGAAATTATAAGGGACGTCAAGAAAATGAAAGGGCTGGACGTCAATGCCAGAACTGTGGACTCAGTGCTCTTGAATGGATGCAAACACCCCGTAGAGACCCTGTATATTGACGAAGCTTTTGCTTGTCATGCAGGTACTCTCAGAGCGCTCATAGCCATTATAAGACCTAAAAAGGCAGTGCTCTGCGGGGATCCCAAACAGTGCGGTTTTTTTAACATGATGTGCCTGAAAGTGCATTTTAACCACGAGATTTGCACACAAGTCTTCCACAAAAGCATCTCTCGCCGTTGCACTAAATCTGTGACTTCGGTCGTCTCAACCTTGTTTTACGACAAAAAAATGAGAACGACGAATCCGAAAGAGACTAAGATTGTGATTGACACTACCGGCAGTACCAAACCTAAGCAGGACGATCTCATTCTCACTTGTTTCAGAGGGTGGGTGAAGCAGTTGCAAATAGATTACAAAGGCAACGAAATAATGACGGCAGCTGCCTCTCAAGGGCTGACCCGTAAAGGTGTGTATGCCGTTCGGTACAAGGTGAATGAAAATCCTCTGTACGCACCCACCTCAGAACATGTGAACGTCCTACTGACCCGCACGGAGGACCGCATCGTGTGGAAAACACTAGCCGGCGACCCATGGATAAAAACACTGACTGCCAAGTACCCTGGGAATTTCACTGCCACGATAGAGGAGTGGCAAGCAGAGCATGATGCCATCATGAGGCACATCTTGGAGAGACCGGACCCTACCGACGTCTTCCAGAATAAGGCAAACGTGTGTTGGGCCAAGGCTTTAGTGCCGGTGCTGAAGACCGCTGGCATAGACATGACCACTGAACAATGGAACACTGTGGATTATTTTGAAACGGACAAAGCTCACTCAGCAGAGATAGTATTGAACCAACTATGCGTGAGGTTCTTTGGACTCGATCTGGACTCCGGTCTATTTTCTGCACCCACTGTTCCGTTATCCATTAGGAATAATCACTGGGATAACTCCCCGTCGCCTAACATGTACGGGCTGAATAAAGAAGTGGTCCGTCAGCTCTCTCGCAGGTACCCACAACTGCCTCGGGCAGTTGCCACTGGAAGAGTCTATGACATGAACACTGGTACACTGCGCAATTATGATCCGCGCATAAACCTAGTACCTGTAAACAGAAGACTGCCTCATGCTTTAGTCCTCCACCATAATGAACACCCACAGAGTGACTTTTCTTCATTCGTCAGCAAATTGAAGGGCAGAACTGTCCTGGTGGTCGGGGAAAAGTTGTCCGTCCCAGGCAAAATGGTTGACTGGTTGTCAGACCGGCCTGAGGCTACCTTCAGAGCTCGGCTGGATTTAGGCATCCCAGGTGATGTGCCCAAATATGACATAATATTTGTTAATGTGAGGACCCCATATAAATACCATCACTATCAGCAGTGTGAAGACCATGCCATTAAGCTTAGCATGTTGACCAAGAAAGCTTGTCTGCATCTGAATCCCGGCGGAACCTGTGTCAGCATAGGTTATGGTTACGCTGACAGGGCCAGCGAAAGCATCATTGGTGCTATAGCGCGGCAGTTCAAGTTTTCCCGGGTATGCAAACCGAAATCCTCACTTGAAGAGACGGAAGTTCTGTTTGTATTCATTGGGTACGATCGCAAGGCCCGTACGCACAATTCTTACAAGCTTTCATCAACCTTGACCAACATTTATACAGGTTCCAGACTCCACGAAGCCGGATGTGCACCCTCATATCATGTGGTGCGAGGGGATATTGCCACGGCCACCGAAGGAGTGATTATAAATGCTGCTAACAGCAAAGGACAACCTGGCGGAGGGGTGTGCGGAGCGCTGTATAAGAAATTCCCGGAAAGCTTCGATTTACAGCCGATCGAAGTAGGAAAAGCGCGACTGGTCAAAGGTGCAGCTAAACATATCATTCATGCCGTAGGACCAAACTTCAACAAAGTTTCGGAGGTTGAAGGTGACAAACAGTTGGCAGAGGCTTATGAGTCCATCGCTAAGATTGTCAACGATAACAATTACAAGTCAGTAGCGATTCCACTGTTGTCCACCGGCATCTTTTCCGGGAACAAAGATCGACTAACCCAATCATTGAACCATTTGCTGACAGCTTTAGACACCACTGATGCAGATGTAGCCATATACTGCAGGGACAAGAAATGGGAAATGACTCTCAAGGAAGCAGTGGCTAGGAGAGAAGCAGTGGAGGAGATATGCATATCCGACGACTCTTCAGTGACAGAACCTGATGCAGAGCTGGTGAGGGTGCATCCGAAGAGTTCTTTGGCTGGAAGGAAGGGCTACAGCACAAGCGATGGCAAAACTTTCTCATATTTGGAAGGGACCAAGTTTCACCAGGCGGCCAAGGATATAGCAGAAATTAATGCCATGTGGCCCGTTGCAACGGAGGCCAATGAGCAGGTATGCATGTATATCCTCGGAGAAAGCATGAGCAGTATTAGGTCGAAATGCCCCGTCGAAGAGTCGGAAGCCTCCACACCACCTAGCACGCTGCCTTGCTTGTGCATCCATGCCATGACTCCAGAAAGAGTACAGCGCCTAAAAGCCTCACGTCCAGAACAAATTACTGTGTGCTCATCCTTTCCATTGCCGAAGTATAGAATCACTGGTGTGCAGAAGATCCAATGCTCCCAGCCTATATTGTTCTCACCGAAAGTGCCTGCGTATATTCATCCAAGGAAGTATCTCGTGGAAACACCACCGGTAGACGAGACTCCGGAGCCATCGGCAGAGAACCAATCCACAGAGGGGACACCTGAACAACCACCACTTATAACCGAGGATGAGACCAGGACTAGAACGCCTGAGCCGATCATCATCGAAGAGGAAGAAGAGGATAGCATAAGTTTGCTGTCAGATGGCCCGACCCACCAGGTGCTGCAAGTCGAGGCAGACATTCACGGGCCGCCCTCTGTATCTAGCTCATCCTGGTCCATTCCTCATGCATCCGACTTTGATGTGGACAGTTTATCCATACTTGACACCCTGGAGGGAGCTAGCGTGACCAGCGGGGCAACGTCAGCCGAGACTAACTCTTACTTCGCAAAGAGTATGGAGTTTCTGGCGCGACCGGTGCCTGCGCCTCGAACAGTATTCAGGAACCCTCCACATCCCGCTCCGCGCACAAGAACACCGTCACTTGCACCCAGCAGGGCCTGCTCGAGAACCAGCCTAGTTTCCACCCCGCCAGGCGTGAATAGGGTGATCACTAGAGAGGAGCTCGAGGCGCTTACCCCGTCACGCACTCCTAGCAGGTCGGTCTCGAGAACCAGCCTGGTCTCCAACCCGCCAGGCGTAAATAGGGTGATTACAAGAGAGGAGTTTGAGGCGTTCGTAGCACAACAACAATGACGGTTTGATGCGGGTGCATACATCTTTTCCTCCGACACCGGTCAAGGGCATTTACAACAAAAATCAGTAAGGCAAACGGTGCTATCCGAAGTGGTGTTGGAGAGGACCGAATTGGAGATTTCGTATGCCCCGCGCCTCGACCAAGAAAAAGAAGAATTACTACGCAAGAAATTACAGTTAAATCCCACACCTGCTAACAGAAGCAGATACCAGTCCAGGAAGGTGGAGAACATGAAAGCCATAACAGCTAGACGTATTCTGCAAGGCCTAGGGCATTATTTGAAGGCAGAAGGAAAAGTGGAGTGCTACCGAACCCTGCATCCTGTTCCTTTGTATTCATCTAGTGTGAACCGTGCCTTTTCAAGCCCCAAGGTCGCAGTGGAAGCCTGTAACGCCATGTTGAAAGAGAACTTTCCGACTGTGGCTTCTTACTGTATTATTCCAGAGTACGATGCCTATTTGGACATGGTTGACGGAGCTTCATGCTGCTTAGACACTGCCAGTTTTTGCCCTGCAAAGCTGCGCAGCTTTCCAAAGAAACACTCCTATTTGGAACCCACAATACGATCGGCAGTGCCTTCAGCGATCCAGAACACGCTCCAGAACGTCCTGGCAGCTGCCACAAAAAGAAATTGCAATGTCACGCAAATGAGAGAATTGCCCGTATTGGATTCGGCGGCCTTTAATGTGGAATGCTTCAAGAAATATGCGTGTAATAATGAATATTGGGAAACGTTTAAAGAAAACCCCATCAGGCTTACTGAAGAAAACGTGGTAAATTACATTACCAAATTAAAAGGACCAAAAGCTGCTGCTCTTTTTGCGAAGACACATAATTTGAATATGTTGCAGGACATACCAATGGACAGGTTTGTAATGGACTTAAAGAGAGACGTGAAAGTGACTCCAGGAACAAAACATACTGAAGAACGGCCCAAGGTACAGGTGATCCAGGCTGCCGATCCGCTAGCAACAGCGTATCTGTGCGGAATCCACCGAGAGCTGGTTAGGAGATTAAATGCGGTCCTGCTTCCGAACATTCATACACTGTTTGATATGTCGGCTGAAGACTTTGACGCTATTATAGCCGAGCACTTCCAGCCTGGGGATTGTGTTCTGGAAACTGACATCGCGTCGTTTGATAAAAGTGAGGACGACGCCATGGCTCTGACCGCGTTAATGATTCTGGAAGACTTAGGTGTGGACGCAGAGCTGTTGACGCTGATTGAGGCGGCTTTCGGCGAAATTTCATCAATACATTTGCCCACTAAAACTAAATTTAAATTCGGAGCCATGATGAAATCTGGAATGTTCCTCACACTGTTTGTGAACACAGTCATTAACATTGTAATCGCAAGCAGAGTGTTGAGAGAACGGCTAACCGGATCACCATGTGCAGCATTCATTGGAGATGACAATATCGTGAAAGGAGTCAAATCGGACAAATTAATGGCAGACAGGTGCGCCACCTGGTTGAATATGGAAGTCAAGATTATAGATGCTGTGGTGGGCGAGAAAGCGCCTTATTTCTGTGGAGGGTTTATTTTGTGTGACTCCGTGACCGGCACAGCGTGCCGTGTGGCAGACCCCCTAAAAAGGCTGTTTAAGCTTGGCAAACCTCTGGCAGCAGACGATGAACATGATGATGACAGGAGAAGGGCATTGCATGAAGAGTCAACACGCTGGAACCGAGTGGGTATTCTTTCAGAGCTGTGCAAGGCAGTAGAATCAAGGTATGAAACCGTAGGAACTTCCATCATAGTTATGGCCATGACTACTCTAGCTAGCAGTGTTAAATCATTCAGCTACCTGAGAGGGGCCCCTATAACTCTCTACGGCTAACCTGAATGGACTACGACATAGTCTAGTCCGCCAAGTCTAGCATATGGGCGCGCCCTCAGCATCGATTGAATTGGCCACCATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGGATAACATGGCCATCATCAAGGAGTTCATGCGCTTCAAGGTGCACATGGAGGGCTCCGTGAACGGCCACGAGTTCGAGATCGAGGGCGAGGGCGAGGGCCGCCCCTACGAGGGCACCCAGACCGCCAAGCTGAAGGTGACCAAGGGTGGCCCCCTGCCCTTCGCCTGGGACATCCTGTCCCCTCAGTTCATGTACGGCTCCAAGGCCTACGTGAAGCACCCCGCCGACATCCCCGACTACTTGAAGCTGTCCTTCCCCGAGGGCTTCAAGTGGGAGCGCGTGATGAACTTCGAGGACGGCGGCGTGGTGACCGTGACCCAGGACTCCTCCCTGCAGGACGGCGAGTTCATCTACAAGGTGAAGCTGCGCGGCACCAACTTCCCCTCCGACGGCCCCGTAATGCAGAAGAAGACCATGGGCTGGGAGGCCTCCTCCGAGCGGATGTACCCCGAGGACGGCGCCCTGAAGGGCGAGATCAAGCAGAGGCTGAAGCTGAAGGACGGCGGCCACTACGACGCTGAGGTCAAGACCACCTACAAGGCCAAGAAGCCCGTGCAGCTGCCCGGCGCCTACAACGTCAACATCAAGTTGGACATCACCTCCCACAACGAGGACTACACCATCGTGGAACAGTACGAACGCGCCGAGGGCCGCCACTCCACCGGCGGCATGGACGAGCTGTACAAGTAGGAATTGGCAAGCTGCTTACATAGAACTCGCGGCGATTGGCATGCCGCCTTAAAATTTTTATTTTATTTTTCTTTTCTTTTCCGAATCGGATTTTGTTTTTAATATTTCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACGCGTCGAGGGGAATTAATTCTTGAAGACGAAAGGGCCAGGTGGCACTTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTGTTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCATTGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAAC
GCCAGCAACGCGAGCTCTAATACGACTCACTATAG(配列番号1)
【0034】
本明細書に記載のとおりの、自己増幅レプリコンRNAは、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上配列番号1と同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、少なくとも90%配列番号1と同一である。
自己増幅RNA(レプリコン)は、遺伝子治療のための有望で新しいプラットフォームであるが、適用は、いくつかの細胞型における発現の短い存続および低レベルのin vivoでの導入遺伝子発現によっていまだ制限されている。合成レプリコンRNAのin vitroでの進化は、レプリコンの発現をin vitroおよびin vivoの両方で変更および増強するための潜在的に強力なストラテジーを提供する。in vitroでの進化の方法を使用して、突然変異は、ヒト細胞においてサブゲノムの発現を促進した、ベネズエラウマ脳炎(VEE)レプリコンのnsP2およびnsP3において同定された。
【0035】
いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、レプリコンRNAが、配列番号1を含むレプリコンRNAと比較して、より高いレベルでIL-12分子を発現することができるようにする突然変異を含む。いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、配列番号1のWTレプリコンの核酸位置3936および/または4758において少なくとも1つの点突然変異を含む。いくつかの態様において、自己増幅レプリコンRNAは、以下の点突然変異の少なくとも1つを含む:配列番号1のWTレプリコン配列の位置3936でのグアニン→シトシン(G3936C)および配列番号1のWTレプリコン配列の位置4758でアデニン→グアニン(A4758G)。G3936C突然変異は、アミノ酸残基1309でのグリシンからアルギニンへの変更(G1309R)をもたらすであろう。A4758G突然変異は、アミノ酸残基1583でのセリンからグリシンへの変更(S1583G)をもたらすであろう。いくつかの態様において、突然変異体自己増幅レプリコンRNA(mtレプリコンRNA)の配列は、配列番号2で表される(突然変異を強調した(太字、下線の文字)):
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【0036】
他の態様において、自己増幅レプリコンRNAは、C型肝炎ウイルス(HCV)に由来する。HCVは、グループIVフラビウイルス科ファミリーのウイルスの一部であり、長さ9.6~12.3キロベースの正極性の単節型、線状、一本鎖RNAゲノムを所有する。フラビウイルスの5’末端は、メチル化されたヌクレオチドキャップを有する一方で、このファミリーの他のメンバーは、キャップされておらず、および配列内リポソーム進入部位をコードする。
【0037】
他の態様において、アルファウイルスは、SFウイルスである。SFウイルスは、脳炎を引き起こす蚊によって典型的に運ばれるウイルス病原体である。セムリキ森林ウイルスは、9つのタンパク質をコードするおよそ13,000塩基対のゲノムを有するプラス鎖RNAウイルスである。ゲノムの5’側の3分の2は、RNA合成に関係する4つの非構造タンパク質をコードし、および構造タンパク質は、3’側の3分の1でコードされる。構造タンパク質のうち、Cタンパク質は、宿主細胞に由来する脂質二重層に包まれた正二十面体のカプシドを構成する。ウイルスの最も外側の表面は、外殻を形成する、相互に連結した三量体で並ぶ、糖タンパク質E1およびE2のヘテロ二量体によってほとんど全面的に覆われる。三量体は、ヌクレオカプシドと関連するE2細胞質ドメインによって膜に固定されている。
【0038】
他の態様において、アルファウイルスは、SINウイルスである。ウイルスは、蚊によって送り届けられる。SINウイルスは、ヒトにおいてシンドビス熱引き起こし、および症状は、関節痛、発疹および不快感を包含する。シンドビスウイルスは、正二十面体のカプシドを有する包まれた粒子である。そのゲノムは、およそ11.7kb長の一本鎖RNAである。それは、5’キャップおよび3’ポリアデニル化テールを有し、したがって宿主細胞内で直接メッセンジャーRNA(mRNA)として役立つ。ゲノムは、5’末端で4つの非構造タンパク質を、および3’末端でカプシドおよび2つのエンベロープタンパク質をコードする。このことは、すべてのトガウイルスの特徴である。複製は、細胞質内であり、および迅速である。ゲノムRNAは、部分的に5’末端で部分的に翻訳されて、次いでゲノム複製ならびに新しいゲノムRNAおよびより短いサブゲノムRNA鎖の産生に関わる、非構造タンパク質を産生する。このサブゲノム鎖は、構造タンパク質に翻訳される。ウイルスは、宿主細胞の表面で組み立てられ、および出芽を通してそれらのエンベロープを獲得する。ノンコーディングRNA要素は、シンドビスウイルスのゲノム複製のために不可欠であることが見出された。
【0039】
ウイルスのレプリコンRNAは、toll様受容体(TLR)を介して免疫応答を刺激することができるTLRs、TLR3、TLR7/8、およびTLR9のサブセットは、I型インターフェロン(IFN)などの抗ウイルス性サイトカインの産生を引き起こすことによって抗ウイルス応答に関わる。TLR3は、多くのウイルスについて複製の中間状態である二本鎖RNAに反応する。TLR7/8は、ウイルスの一本鎖RNAを認識する一方で、TLR9は、ウイルスのDNA内の非メチル化CpGモチーフを認識する。ウイルス認識に関わるTLRは、エンドソーム膜上に発現し、およびアダプタータンパク質MyD88についてそれらの要件に従って分離され得る:TLR3活性は、MyD88に依存しないが、TLR7/8/9は、MyD88に依存する。TLR3の活性化は、I型インターフェロン(IFN)の産生を導く。ISGF3(STAT1/STAT2/IRF9)複合体を通したI型インターフェロンのシグナル伝達は、持続したRip3の活性化およびネクロトーシスに必要である。
【0040】
いくつかの態様において、LNP-レプリコンRNAは、腫瘍細胞において腫瘍細胞の壊死性細胞死を導く、TLR3シグナル伝達を刺激することができる。いくつかの態様において、LNP-レプリコンRNAは、LNPによって誘導される免疫原性細胞死(ICD)を増強し得る。いくつかの態様において、TT3-LNP-レプリコンRNAは、腫瘍細胞において相乗的に誘導されたICDによって腫瘍阻害を発揮し、および抗腫瘍免疫応答(例として、顆粒球、単球、マクロファージ、骨髄由来抑制性細胞、樹状細胞、T細胞、およびNK細胞などの免疫細胞のリクルート)を引き起こし得る。いくつかの態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、TT3-LNP-mtレプリコンRNAを含む。
【0041】
いくつかの態様において、レプリコンRNAは、サブゲノム領域において検出可能な分子のためのコード配列を含む。いくつかの態様において、検出可能な分子は、核酸またはポリペプチドである。いくつかの態様において、ポリペプチドは、蛍光タンパク質である。蛍光タンパク質は、当該技術分野において知られており、およびフルオロフォアのサブクラスであって、それは励起の際に光を再放射する能力を有する蛍光化学化合物である。フルオロフォアは、第1の特定の波長の励起光エネルギーを吸収し、および次いで第2の、より長い特定の波長で光エネルギーを再放射するだろう。各タイプのフルオロフォアは、その化学的構造の性質および環境に応じて、異なる波長の光に反応し、および放出する。
【0042】
いくつかの態様において、蛍光タンパク質は、これらに限定されないが、wt-GFP、緑色蛍光タンパク質(例として、EGFP、Emerald、Superfolder GFP、Azami Green、mWasabi、TagGFP、TurboGFP、AcGFP、ZsGreen、T-Sapphire、等々)、青色蛍光タンパク質(例として、EBFP、EBFP2、Azurite、mTagBFP、等々)、青緑色蛍光タンパク質(例として、ECFP、mECFP、Cerulean、mTurquoise、CyPet、AmCyan1、Midori-Ishi Cyan、TagCFP、mTFP1(Teal)、等々)、黄色蛍光タンパク質(例として、EYFP、Topaz、Venus、mCitrine、YPet、TagYFP、PhiYFP、ZsYellow1、mBanana、等々)、オレンジ色蛍光タンパク質(例として、Kusabira Orange、Kusabira Orange2、mOrange、mOrange2、dTomato、dTomato-Tandem、TagRFP、TagRFP-T、DsRed、DsRed2、DsRed-Express(T1)、DsRed-Monomer、mTangerine、等々)、または赤色蛍光タンパク質(例として、mRuby、mApple、mStrawberry、AsRed2、mRFP1、JRed、mCherry、HcRed1、mRaspberry、dKeima-Tandem、HcRed-Tandem、mPlum、AQ143、等々)を包含する。
【0043】
いくつかの側面において、本明細書に記載のとおり、自己増幅レプリコンRNAは、サブゲノム領域内にIL-12の発現のためのコード配列を含む。IL-12のための例示のコード配列は、配列番号3で表される:
ATGAGGGTCCCCGCTCAGCTCCTGGGGCTCCTGCTGCTCTGGCTCCCAGGTGCACGATGTGCCATGTGGGAGCTGGAGAAAGACGTTTATGTTGTAGAGGTGGACTGGACTCCCGATGCCCCTGGAGAAACAGTGAACCTCACCTGTGACACGCCTGAAGAAGATGACATCACCTGGACCTCAGACCAGAGACATGGAGTCATAGGCTCTGGAAAGACCCTGACCATCACTGTCAAAGAGTTTCTAGATGCTGGCCAGTACACCTGCCACAAAGGAGGCGAGACTCTGAGCCACTCACATCTGCTGCTCCACAAGAAGGAAAATGGAATTTGGTCCACTGAAATTTTAAAAAATTTCAAAAACAAGACTTTCCTGAAGTGTGAAGCACCAAATTACTCCGGACGGTTCACGTGCTCATGGCTGGTGCAAAGAAACATGGACTTGAAGTTCAACATCAAGAGCAGTAGCAGTTCCCCTGACTCTCGGGCAGTGACATGTGGAATGGCGTCTCTGTCTGCAGAGAAGGTCACACTGGACCAAAGGGACTATGAGAAGTATTCAGTGTCCTGCCAGGAGGATGTCACCTGCCCAACTGCCGAGGAGACCCTGCCCATTGAACTGGCGTTGGAAGCACGGCAGCAGAATAAATATGAGAACTACAGCACCAGCTTCTTCATCAGGGACATCATCAAACCAGACCCGCCCAAGAACTTGCAGATGAAGCCTTTGAAGAACTCACAGGTGGAGGTCAGCTGGGAGTACCCTGACTCCTGGAGCACTCCCCATTCCTACTTCTCCCTCAAGTTCTTTGTTCGAATCCAGCGCAAGAAAGAAAAGATGAAGGAGACAGAGGAGGGGTGTAACCAGAAAGGTGCGTTCCTCGTAGAGAAGACATCTACCGAAGTCCAATGCAAAGGCGGGAATGTCTGCGTGCAAGCTCAGGATCGCTATTACAATTCCTCATGCAGCAAGTGGGCATGTGTTCCCTGCAGGGTCCGATCCGGAGGTTCCGGTGGTGGATCCGGAGGTGGCTCCGGCGGCGGATCCAGGGTCATTCCAGTCTCTGGACCTGCCAGGTGTCTTAGCCAGTCCCGAAACCTGCTGAAGACCACAGATGACATGGTGAAGACGGCCAGAGAAAAACTGAAACATTATTCCTGCACTGCTGAAGACATCGATCATGAAGACATCACACGGGACCAAACCAGCACATTGAAGACCTGTTTACCACTGGAACTACACAAGAACGAGAGTTGCCTGGCTACTAGAGAGACTTCTTCCACAACAAGAGGGAGCTGCCTGCCCCCACAGAAGACGTCTTTGATGATGACCCTGTGCCTTGGTAGCATCTATGAGGACTTGAAGATGTACCAGACAGAGTTCCAGGCCATCAACGCAGCACTTCAGAATCACAACCATCAGCAGATCATTCTAGACAAGGGCATGCTGGTGGCCATCGATGAGCTGATGCAGTCTCTGAATCATAATGGCGAGACTCTGCGCCAGAAACCTCCTGTGGGAGAAGCAGACCCTTACAGAGTGAAAATGAAGCTCTGCATCCTGCTTCACGCCTTCAGCACCCGCGTCGTGACCATCAACAGGGTGATGGGCTATCTGAGCTCCGCCTGA(配列番号3)
【0044】
構造的に、IL-12は、I型サイトカインに属し、および4つのαヘリックスバンドル(α-helical bundle)構造を有する。IL-12は、共有結合的に結びついた2つのp30およびp40サブユニットからなる、ヘテロ二量体タンパク質(IL-12-p70;IL-12-p30/p40)の形態で作用する。ヘテロ二量体形態とは逆に、IL-12-p40/p40ホモ二量体は、主にIL-12-p70作用の拮抗的抑制剤として作用する。IL-12は、多面的なサイトカイン、その作用は、自然免疫と適応免疫との間の相互接続を作り出す。IL-12は、PMA誘導EBV形質転換B細胞株から分泌された因子として最初に説明された。その作用に基づくと、IL-12は、当初は「細胞傷害性リンパ球成熟因子」および「ナチュラルキラー細胞刺激性因子」と呼ばれていた。自然免疫と適応免疫とを橋渡しすること、および強抗がん防御の自然の機構を整合させるサイトカインである、IFN-γの産生を強力に刺激することに起因して、IL-12は、ヒトにおける腫瘍免疫治療のための申し分のない候補と思われていた。しかしながら、臨床調査におけるIL-12の全身投与に関連する重度の副作用およびこのサイトカインの非常に狭い治療指数は、がん患者におけるこのサイトカインの使用について熱烈な興味を著しくやわらげた。
【0045】
IL-12の発見に続いて、3つの他のメンバー(IL-23、IL-27、およびIL-35)が、IL-12ファミリーに加えられ、およびTh1細胞の機能において重大な役割を担うことが示された。IL-12は、IL-12R-β1およびIL-12R-β2の2つのアミノ酸鎖から構成される受容体のリガンドである。IL-12受容体は、NK細胞、T、およびBリンパ球を包含する様々な免疫細胞において、構成的(例として、B細胞におけるIL-12R-β1)または誘導的(IL-12R-β2)なやり方で発現される。リガンド結合IL-12R-β2は、チロシンにおいてリン酸化され、そのことは、JAK2およびTYK2の2つのキナーゼのための部位を内包することを提供する。STATファミリーの転写因子の中で、STAT4は、IL-12によって引き出される細胞応答の最も特異的なメディエーターであると考えられる。
【0046】
IL-12の作用の主な要素は、以下のとおりである:IL-12の作用の最も強力なメディエーターであるIFN-γのNKおよびT細胞からの産生を増加すること;活性化されたNK細胞であるCD8+およびCD4+T細胞の成長および細胞障害性を刺激し、Th1表現型に向けてCD4+Th0細胞の分化をシフトさせる;腫瘍細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)の増強;およびB細胞からのIgGの誘導およびIgE産生の抑制。ヒトにおけるIL-12の主な供給源は、樹状細胞、とくにCD1c+表現型のものなどの、ならびに造血食細胞(単球、マクロファージ、および好中球もまた)などの活性化された抗原提示細胞であるが、IL-12は、他の細胞型によってもまた産生され得る。IL-12は、様々な免疫細胞上で作用する一方で、IL-12についての全体的な生理学的役割は、ある病原体に対するTh1型免疫応答を統合することであると思われる。
【0047】
いくつかの側面において、本開示は、そのサブゲノム領域でIL-12をコードするウイルスのレプリコンRNAをカプセル封入したLNPによるIL-12の局所送達を説明する。LNP-レプリコンRNAによって誘導される相乗的な腫瘍細胞免疫原性細胞死(ICD)に加えて、いくつかの態様において、腫瘍微小環境におけるIL12の発現は、さらなる免疫賦活に繋がり、および抗腫瘍免疫応答の増強をもたらし得る。いくつかの態様において、腫瘍微小環境におけるLNP-レプリコンRNA-IL-12の組み合わせは、全身性の抗腫瘍免疫応答を誘導することができる。他の態様において、腫瘍微小環境におけるLNP-レプリコンRNA-IL-12の組み合わせは、腫瘍細胞を根絶し、および腫瘍の再発を予防することができる。いくつかの態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、TT3-LNP-mtレプリコンRNA-IL12を含む。
【0048】
いくつかの態様において、レプリコンRNA-IL12は、血清アルブミンのためのコード配列をさらに含む。ペプチドの半減期および生物学的環境(例として、血清、腫瘍微小環境)中のタンパク質(例として、サイトカイン)は、サイズ、電荷、タンパク質分解の感度、それらの生物学的性質、それらの結合するタンパク質の代謝回転速度、および他の因子を包含する様々な因子によって影響される。いくつかのケースにおいて、生物学的環境におけるタンパク質の半減期は、それらのサイズと大まかに相関し得る。およそ70kDaよりも小さなペプチドおよびタンパク質(例として、サイトカイン)は、腎臓濾過を介して除去され得、そのためそれらは一般に極めて短い半減期を所有する。しかしながら、より大きなタンパク質は、数日間存続するであろう。IgG、血清アルブミン、およびトランスフェリンの3つのタイプのタンパク質は、それらのサイズによって当然に予測されるよりもはるかに長い間存続する。いくつかの態様において、血清アルブミンは、ヒト血清アルブミンである。いくつかの態様において、血清アルブミンは、マウス血清アルブミン(MSA)である。
【0049】
レプリコンRNA-IL12-MSAのための例示のコード配列は、配列番号4で表される:
ATGGGCGGCGCATGAGAGAAGCCCAGACCAATTACCTACCCAAAATGGAGAAAGTTCACGTTGACATCGAGGAAGACAGCCCATTCCTCAGAGCTTTGCAGCGGAGCTTCCCGCAGTTTGAGGTAGAAGCCAAGCAGGTCACTGATAATGACCATGCTAATGCCAGAGCGTTTTCGCATCTGGCTTCAAAACTGATCGAAACGGAGGTGGACCCATCCGACACGATCCTTGACATTGGAAGTGCGCCCGCCCGCAGAATGTATTCTAAGCACAAGTATCATTGTATCTGTCCGATGAGATGTGCGGAAGATCCGGACAGATTGTATAAGTATGCAACTAAGCTGAAGAAAAACTGTAAGGAAATAACTGATAAGGAATTGGACAAGAAAATGAAGGAGCTGGCCGCCGTCATGAGCGACCCTGACCTGGAAACTGAGACTATGTGCCTCCACGACGACGAGTCGTGTCGCTACGAAGGGCAAGTCGCTGTTTACCAGGATGTATACGCGGTTGACGGACCGACAAGTCTCTATCACCAAGCCAATAAGGGAGTTAGAGTCGCCTACTGGATAGGCTTTGACACCACCCCTTTTATGTTTAAGAACTTGGCTGGAGCATATCCATCATACTCTACCAACTGGGCCGACGAAACCGTGTTAACGGCTCGTAACATAGGCCTATGCAGCTCTGACGTTATGGAGCGGTCACGTAGAGGGATGTCCATTCTTAGAAAGAAGTATTTGAAACCATCCAACAATGTTCTATTCTCTGTTGGCTCGACCATCTACCACGAGAAGAGGGACTTACTGAGGAGCTGGCACCTGCCGTCTGTATTTCACTTACGTGGCAAGCAAAATTACACATGTCGGTGTGAGACTATAGTTAGTTGCGACGGGTACGTCGTTAAAAGAATAGCTATCAGTCCAGGCCTGTATGGGAAGCCTTCAGGCTATGCTGCTACGATGCACCGCGAGGGATTCTTGTGCTGCAAAGTGACAGACACATTGAACGGGGAGAGGGTCTCTTTTCCCGTGTGCACGTATGTGCCAGCTACATTGTGTGACCAAATGACTGGCATACTGGCAACAGATGTCAGTGCGGACGACGCGCAAAAACTGCTGGTTGGGCTCAACCAGCGTATAGTCGTCAACGGTCGCACCCAGAGAAACACCAATACCATGAAAAATTACCTTTTGCCCGTAGTGGCCCAGGCATTTGCTAGGTGGGCAAAGGAATATAAGGAAGATCAAGAAGATGAAAGGCCACTAGGACTACGAGATAGACAGTTAGTCATGGGGTGTTGTTGGGCTTTTAGAAGGCACAAGATAACATCTATTTATAAGCGCCCGGATACCCAAACCATCATCAAAGTGAACAGCGATTTCCACTCATTCGTGCTGCCCAGGATAGGCAGTAACACATTGGAGATCGGGCTGAGAACAAGAATCAGGAAAATGTTAGAGGAGCACAAGGAGCCGTCACCTCTCATTACCGCCGAGGACGTACAAGAAGCTAAGTGCGCAGCCGATGAGGCTAAGGAGGTGCGTGAAGCCGAGGAGTTGCGCGCAGCTCTACCACCTTTGGCAGCTGATGTTGAGGAGCCCACTCTGGAAGCCGATGTCGACTTGATGTTACAAGAGGCTGGGGCCGGCTCAGTGGAGACACCTCGTGGCTTGATAAAGGTTACCAGCTACGATGGCGAGGACAAGATCGGCTCTTACGCTGTGCTTTCTCCGCAGGCTGTACTCAAGAGTGAAAAATTATCTTGCATCCACCCTCTCGCTGAACAAGTCATAGTGATAACACACTCTGGCCGAAAAGGGCGTTATGCCGTGGAACCATACCATGGTAAAGTAGTGGTGCCAGAGGGACATGCAATACCCGTCCAGGACTTTCAAGCTCTGAGTGAAAGTGCCACCATTGTGTACAACGAACGTGAGTTCGTAAACAGGTACCTGCACCATATTGCCACACATGGAGGAGCGCTGAACACTGATGAAGAATATTACAAAACTGTCAAGCCCAGCGAGCACGACGGCGAATACCTGTACGACATCGACAGGAAACAGTGCGTCAAGAAAGAACTAGTCACTGGGCTAGGGCTCACAGGCGAGCTGGTGGATCCTCCCTTCCATGAATTCGCCTACGAGAGTCTGAGAACACGACCAGCCGCTCCTTACCAAGTACCAACCATAGGGGTGTATGGCGTGCCAGGATCAGGCAAGTCTGGCATCATTAAAAGCGCAGTCACCAAAAAAGATCTAGTGGTGAGCGCCAAGAAAGAAAACTGTGCAGAAATTATAAGGGACGTCAAGAAAATGAAAGGGCTGGACGTCAATGCCAGAACTGTGGACTCAGTGCTCTTGAATGGATGCAAACACCCCGTAGAGACCCTGTATATTGACGAAGCTTTTGCTTGTCATGCAGGTACTCTCAGAGCGCTCATAGCCATTATAAGACCTAAAAAGGCAGTGCTCTGCGGGGATCCCAAACAGTGCGGTTTTTTTAACATGATGTGCCTGAAAGTGCATTTTAACCACGAGATTTGCACACAAGTCTTCCACAAAAGCATCTCTCGCCGTTGCACTAAATCTGTGACTTCGGTCGTCTCAACCTTGTTTTACGACAAAAAAATGAGAACGACGAATCCGAAAGAGACTAAGATTGTGATTGACACTACCGGCAGTACCAAACCTAAGCAGGACGATCTCATTCTCACTTGTTTCAGAGGGTGGGTGAAGCAGTTGCAAATAGATTACAAAGGCAACGAAATAATGACGGCAGCTGCCTCTCAAGGGCTGACCCGTAAAGGTGTGTATGCCGTTCGGTACAAGGTGAATGAAAATCCTCTGTACGCACCCACCTCAGAACATGTGAACGTCCTACTGACCCGCACGGAGGACCGCATCGTGTGGAAAACACTAGCCGGCGACCCATGGATAAAAACACTGACTGCCAAGTACCCTGGGAATTTCACTGCCACGATAGAGGAGTGGCAAGCAGAGCATGATGCCATCATGAGGCACATCTTGGAGAGACCGGACCCTACCGACGTCTTCCAGAATAAGGCAAACGTGTGTTGGGCCAAGGCTTTAGTGCCGGTGCTGAAGACCGCTGGCATAGACATGACCACTGAACAATGGAACACTGTGGATTATTTTGAAACGGACAAAGCTCACTCAGCAGAGATAGTATTGAACCAACTATGCGTGAGGTTCTTTGGACTCGATCTGGACTCCGGTCTATTTTCTGCACCCACTGTTCCGTTATCCATTAGGAATAATCACTGGGATAACTCCCCGTCGCCTAACATGTACGGGCTGAATAAAGAAGTGGTCCGTCAGCTCTCTCGCAGGTACCCACAACTGCCTCGGGCAGTTGCCACTGGAAGAGTCTATGACATGAACACTGGTACACTGCGCAATTATGATCCGCGCATAAACCTAGTACCTGTAAACAGAAGACTGCCTCATGCTTTAGTCCTCCACCATAATGAACACCCACAGAGTGACTTTTCTTCATTCGTCAGCAAATTGAAGGGCAGAACTGTCCTGGTGGTCGGGGAAAAGTTGTCCGTCCCAGGCAAAATGGTTGACTGGTTGTCAGACCGGCCTGAGGCTACCTTCAGAGCTCGGCTGGATTTAGGCATCCCAGGTGATGTGCCCAAATATGACATAATATTTGTTAATGTGAGGACCCCATATAAATACCATCACTATCAGCAGTGTGAAGACCATGCCATTAAGCTTAGCATGTTGACCAAGAAAGCTTGTCTGCATCTGAATCCCGGCGGAACCTGTGTCAGCATAGGTTATGGTTACGCTGACAGGGCCAGCGAAAGCATCATTGGTGCTATAGCGCGGCAGTTCAAGTTTTCCCGGGTATGCAAACCGAAATCCTCACTTGAAGAGACGGAAGTTCTGTTTGTATTCATTCGGTACGATCGCAAGGCCCGTACGCACAATTCTTACAAGCTTTCATCAACCTTGACCAACATTTATACAGGTTCCAGACTCCACGAAGCCGGATGTGCACCCTCATATCATGTGGTGCGAGGGGATATTGCCACGGCCACCGAAGGAGTGATTATAAATGCTGCTAACAGCAAAGGACAACCTGGCGGAGGGGTGTGCGGAGCGCTGTATAAGAAATTCCCGGAAAGCTTCGATTTACAGCCGATCGAAGTAGGAAAAGCGCGACTGGTCAAAGGTGCAGCTAAACATATCATTCATGCCGTAGGACCAAACTTCAACAAAGTTTCGGAGGTTGAAGGTGACAAACAGTTGGCAGAGGCTTATGAGTCCATCGCTAAGATTGTCAACGATAACAATTACAAGTCAGTAGCGATTCCACTGTTGTCCACCGGCATCTTTTCCGGGAACAAAGATCGACTAACCCAATCATTGAACCATTTGCTGACAGCTTTAGACACCACTGATGCAGATGTAGCCATATACTGCAGGGACAAGAAATGGGAAATGACTCTCAAGGAAGCAGTGGCTAGGAGAGAAGCAGTGGAGGAGATATGCATATCCGACGACTCTTCAGTGACAGAACCTGATGCAGAGCTGGTGAGGGTGCATCCGAAGAGTTCTTTGGCTGGAAGGAAGGGCTACAGCACAAGCGATGGCAAAACTTTCTCATATTTGGAAGGGACCAAGTTTCACCAGGCGGCCAAGGATATAGCAGAAATTAATGCCATGTGGCCCGTTGCAACGGAGGCCAATGAGCAGGTATGCATGTATATCCTCGGAGAAGGCATGAGCAGTATTAGGTCGAAATGCCCCGTCGAAGAGTCGGAAGCCTCCACACCACCTAGCACGCTGCCTTGCTTGTGCATCCATGCCATGACTCCAGAAAGAGTACAGCGCCTAAAAGCCTCACGTCCAGAACAAATTACTGTGTGCTCATCCTTTCCATTGCCGAAGTATAGAATCACTGGTGTGCAGAAGATCCAATGCTCCCAGCCTATATTGTTCTCACCGAAAGTGCCTGCGTAT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TGTATGAATATTCAAGAAGACACCCTGATTACTCTGTATCCCTGTTGCTGAGACTTGCTAAGAAATATGAAGCCACTCTGGAAAAGTGCTGCGCTGAAGCCAATCCTCCCGCATGCTACGGCACAGTGCTTGCTGAATTTCAGCCTCTTGTAGAAGAGCCTAAGAACTTGGTCAAAACCAACTGTGATCTTTACGAGAAGCTTGGAGAATATGGATTCCAAAATGCCATTCTAGTTCGCTACACCCAGAAAGCACCTCAGGTGTCAACCCCAACTCTCGTGGAGGCTGCAAGAAACCTAGGAAGAGTGGGCACCAAGTGTTGTACACTTCCTGAAGATCAGAGACTGCCTTGTGTGGAAGACTATCTGTCTGCAATCCTGAACCGTGTGTGTCTGCTGCATGAGAAGACCCCAGTGAGTGAGCATGTTACCAAGTGCTGTAGTGGATCCCTGGTGGAAAGGCGGCCATGCTTCTCTGCTCTGACAGTTGATGAAACATATGTCCCCAAAGAGTTTAAAGCTGAGACCTTCACCTTCCACTCTGATATCTGCACACTTCCAGAGAAGGAGAAGCAGATTAAGAAACAAACGGCTCTTGCTGAGCTGGTGAAGCACAAGCCCAAGGCTACAGCGGAGCAACTGAAGACTGTCATGGATGACTTTGCACAGTTCCTGGATACATGTTGCAAGGCTGCTGACAAGGACACCTGCTTCTCGACTGAGGGTCCAAACCTTGTCACTAGATGCAAAGACGCCTTAGCCTGAGCGATCGCTAAATACAGCAGCAATTGGCAAGCTGCTTACATAGAACTCGCGGCGATTGGCATGCCGCCTTAAAATTTTTATTTTATTTTTCTTTTCTTTTCCGAATCGGATTTTGTTTTTAATATTTCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACGCGTCGAGGGGAATTAATTCTTGAAGACGAAAGGGCCAGGTGGCACTTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTGTTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCATTGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGAGCTCTAATACGACTCACTATAG(配列番号4)
【0050】
いくつかの態様において、レプリコンRNA-IL-12は、血清アルブミンコード配列と融合している。いくつかの態様において、IL-12-アルブミン融合分子は、腫瘍微小環境においてより長い半減期を有する。いくつかの態様において、IL-12-アルブミン融合タンパク質は、腫瘍微小環境において少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、またはそれより長い間存続し得る。
いくつかの態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、LNP-レプリコンRNA-IL-12-血清アルブミンを含む。他の態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、TT3-LNP-レプリコンRNA-IL-12-血清アルブミンを含む。他の態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、TT3-LNP-mtレプリコンRNA-IL-12-血清アルブミンを含む。腫瘍微小環境におけるIL-12の持続した存在は、合成腫瘍溶解性ウイルスによって発揮される抗腫瘍免疫応答を延長するであろう。
【0051】
いくつかの態様において、レプリコンRNA-IL12-血清アルブミンは、ルミカンのためのコード配列をさらに含む。ルミカンは、皮膚、角膜実質、強膜、大動脈、筋肉、肺、腎臓、骨、軟骨および椎間板の間質性細胞外マトリックス(ECM)における主要な細胞外タンパク質の1つである。それは、シグナルペプチド、負に帯電したN末端ドメイン、高度に保存されたロイシンリッチ内部ドメインおよびカルボキシル末端ドメインを含む、30~50kDaのコアタンパク質を有する、小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)のファミリーの一員である。ルミカンのタンパク質のコアおよびグリカン鎖は、サイトカイン、成長因子および細胞表面受容体を包含する、様々な細胞のエフェクターと相互作用し、細胞接着、増殖および遊走を調節し得る。内在性のコラーゲン結合タンパク質として、腫瘍微小環境におけるルミカンの存在は、本明細書に記載されるとおり、IL-12の局所での保持を促進し、腫瘍免疫治療の有効性および安全性を増強するだろう。いくつかの態様において、レプリコンRNA-IL-12-MSAは、ルミカンのためのコード配列を含む。他の態様において、mtレプリコンRNA-IL-12-MSA(mtRep-IL12-MSA)は、ルミカンのためのコード配列を含む。
【0052】
mtレプリコンRNA-IL-12-MSA-ルミカン(mtRep-IL12-MSA-ルミカン)のための例示のコード配列は、配列番号5で表される:
ATGGGCGGCGCATGAGAGAAGCCCAGACCAATTACCTACCCAAAATGGAGAAAGTTCACGTTGACATCGAGGAAGACAGCCCATTCCTCAGAGCTTTGCAGCGGAGCTTCCCGCAGTTTGAGGTAGAAGCCAAGCAGGTCACTGATAATGACCATGCTAATGCCAGAGCGTTTTCGCATCTGGCTTCAAAACTGATCGAAACGGAGGTGGACCCATCCGACACGATCCTTGACATTGGAAGTGCGCCCGCCCGCAGAATGTATTCTAAGCACAAGTATCATTGTATCTGTCCGATGAGATGTGCGGAAGATCCGGACAGATTGTATAAGTATGCAACTAAGCTGAAGAAAAACTGTAAGGAAATAACTGATAAGGAATTGGACAAGAAAATGAAGGAGCTGGCCGCCGTCATGAGCGACCCTGACCTGGAAACTGAGACTATGTGCCTCCACGACGACGAGTCGTGTCGCTACGAAGGGCAAGTCGCTGTTTACCAGGATGTATACGCGGTTGACGGACCGACAAGTCTCTATCACCAAGCCAATAAGGGAGTTAGAGTCGCCTACTGGATAGGCTTTGACACCACCCCTTTTATGTTTAAGAACTTGGCTGGAGCATATCCATCATACTCTACCAACTGGGCCGACGAAACCGTGTTAACGGCTCGTAACATAGGCCTATGCAGCTCTGACGTTATGGAGCGGTCACGTAGAGGGATGTCCATTCTTAGAAAGAAGTATTTGAAACCATCCAACAATGTTCTATTCTCTGTTGGCTCGACCATCTACCACGAGAAGAGGGACTTACTGAGGAGCTGGCACCTGCCGTCTGTATTTCACTTACGTGGCAAGCAAAATTACACATGTCGGTGTGAGACTATAGTTAGTTGCGACGGGTACGTCGTTAAAAGAATAGCTATCAGTCCAGGCCTGTATGGGAAGCCTTCAGGCTATGCTGCTACGATGCACCGCGAGGGATTCTTGTGCTGCAAAGTGACAGACACATTGAACGGGGAGAGGGTCTCTTTTCCCGTGTGCACGTATGTGCCAGCTACATTGTGTGACCAAATGACTGGCATACTGGCAACAGATGTCAGTGCGGACGACGCGCAAAAACTGCTGGTTGGGCTCAACCAGCGTATAGTCGTCAACGGTCGCACCCAGAGAAACACCAATACCATGAAAAATTACCTTTTGCCCGTAGTGGCCCAGGCATTTGCTAGGTGGGCAAAGGAATATAAGGAAGATCAAGAAGATGAAAGGCCACTAGGACTACGAGATAGACAGTTAGTCATGGGGTGTTGTTGGGCTTTTAGAAGGCACAAGATAACATCTATTTATAAGCGCCCGGATACCCAAACCATCATCAAAGTGAACAGCGATTTCCACTCATTCGTGCTGCCCAGGATAGGCAGTAACACATTGGAGATCGGGCTGAGAACAAGAATCAGGAAAATGTTAGAGGAGCACAAGGAGCCGTCACCTCTCATTACCGCCGAGGACGTACAAGAAGCTAAGTGCGCAGCCGATGAGGCTAAGGAGGTGCGTGAAGCCGAGGAGTTGCGCGCAGCTCTACCACCTTTGGCAGCTGATGTTGAGGAGCCCACTCTGGAAGCCGATGTCGACTTGATGTTACAAGAGGCTGGGGCCGGCTCAGTGGAGACACCTCGTGGCTTGATAAAGGTTACCAGCTACGATGGCGAGGACAAGATCGGCTCTTACGCTGTGCTTTCTCCGCAGGCTGTACTCAAGAGTGAAAAATTATCTTGCATCCACCCTCTCGCTGAACAAGTCATAGTGATAACACACTCTGGCCGAAAAGGGCGTTATGCCGTGGAACCATACCATGGTAAAGTAGTGGTGCCAGAGGGACATGCAATACCCGTCCAGGACTTTCAAGCTCTGAGTGAAAGTGCCACCATTGTGTACAACGAACGTGAGTTCGTAAACAGGTACCTGCACCATATTGCCACACATGGAGGAGCGCTGAACACTGATGAAGAATATTACAAAACTGTCAAGCCCAGCGAGCACGACGGCGAATACCTGTACGACATCGACAGGAAACAGTGCGTCAAGAAAGAACTAGTCACTGGGCTAGGGCTCACAGGCGAGCTGGTGGATCCTCCCTTCCATGAATTCGCCTACGAGAGTCTGAGAACACGACCAGCCGCTCCTTACCAAGTACCAACCATAGGGGTGTATGGCGTGCCAGGATCAGGCAAGTCTGGCATCATTAAAAGCGCAGTCACCAAAAAAGATCTAGTGGTGAGCGCCAAGAAAGAAAACTGTGCAGAAATTATAAGGGACGTCAAGAAAATGAAAGGGCTGGACGTCAATGCCAGAACTGTGGACTCAGTGCTCTTGAATGGATGCAAACACCCCGTAGAGACCCTGTATATTGACGAAGCTTTTGCTTGTCATGCAGGTACTCTCAGAGCGCTCATAGCCATTATAAGACCTAAAAAGGCAGTGCTCTGCGGGGATCCCAAACAGTGCGGTTTTTTTAACATGATGTGCCTGAAAGTGCATTTTAACCACGAGATTTGCACACAAGTCTTCCACAAAAGCATCTCTCGCCGTTGCACTAAATCTGTGACTTCGGTCGTCTCAACCTTGTTTTACGACAAAAAAATGAGAACGACGAATCCGAAAGAGACTAAGATTGTGATTGACACTACCGGCAGTACCAAACCTAAGCAGGACGATCTCATTCTCACTTGTTTCAGAGGGTGGGTGAAGCAGTTGCAAATAGATTACAAAGGCAACGAAATAATGACGGCAGCTGCCTCTCAAGGGCTGACCCGTAAAGGTGTGTATGCCGTTCGGTACAAGGTGAATGAAAATCCTCTGTACGCACCCACCTCAGAACATGTGAACGTCCTACTGACCCGCACGGAGGACCGCATCGTGTGGAAAACACTAGCCGGCGACCCATGGATAAAAACACTGACTGCCAAGTACCCTGGGAATTTCACTGCCACGATAGAGGAGTGGCAAGCAGAGCATGATGCCATCATGAGGCACATCTTGGAGAGACCGGACCCTACCGACGTCTTCCAGAATAAGGCAAACGTGTGTTGGGCCAAGGCTTTAGTGCCGGTGCTGAAGACCGCTGGCATAGACATGACCACTGAACAATGGAACACTGTGGATTATTTTGAAACGGACAAAGCTCACTCAGCAGAGATAGTATTGAACCAACTATGCGTGAGGTTCTTTGGACTCGATCTGGACTCCGGTCTATTTTCTGCACCCACTGTTCCGTTATCCATTAGGAATAATCACTGGGATAACTCCCCGTCGCCTAACATGTACGGGCTGAATAAAGAAGTGGTCCGTCAGCTCTCTCGCAGGTACCCACAACTGCCTCGGGCAGTTGCCACTGGAAGAGTCTATGACATGAACACTGGTACACTGCGCAATTATGATCCGCGCATAAACCTAGTACCTGTAAACAGAAGACTGCCTCATGCTTTAGTCCTCCACCATAATGAACACCCACAGAGTGACTTTTCTTCATTCGTCAGCAAATTGAAGGGCAGAACTGTCCTGGTGGTCGGGGAAAAGTTGTCCGTCCCAGGCAAAATGGTTGACTGGTTGTCAGACCGGCCTGAGGCTACCTTCAGAGCTCGGCTGGATTTAGGCATCCCAGGTGATGTGCCCAAATATGACATAATATTTGTTAATGTGAGGACCCCATATAAATACCATCACTATCAGCAGTGTGAAGACCATGCCATTAAGCTTAGCATGTTGACCAAGAAAGCTTGTCTGCATCTGAATCCCGGCGGAACCTGTGTCAGCATAGGTTATGGTTACGCTGACAGGGCCAGCGAAAGCATCATTGGTGCTATAGCGCGGCAGTTCAAGTTTTCCCGGGTATGCAAACCGAAATCCTCACTTGAAGAGACGGAAGTTCTGTTTGTATTCATTCGGTACGATCGCAAGGCCCGTACGCACAATTCTTACAAGCTTTCATCAACCTTGACCAACATTTATACAGGTTCCAGACTCCACGAAGCCGGATGTGCACCCTCATATCATGTGGTGCGAGGGGATATTGCCACGGCCACCGAAGGAGTGATTATAAATGCTGCTAACAGCAAAGGACAACCTGGCGGAGGGGTGTGCGGAGCGCTGTATAAGAAATTCCCGGAAAGCTTCGATTTACAGCCGATCGAAGTAGGAAAAGCGCGACTGGTCAAAGGTGCAGCTAAACATATCATTCATGCCGTAGGACCAAACTTCAACAAAGTTTCGGAGGTTGAAGGTGACAAACAGTTGGCAGAGGCTTATGAGTCCATCGCTAAGATTGTCAACGATAACAATTACAAGTCAGTAGCGATTCCACTGTTGTCCACCGGCATCTTTTCCGGGAACAAAGATCGACTAACCCAATCATTGAACCATTTGCTGACAGCTTTAGACACCACTGATGCAGATGTAGCCATATACTGCAGGGACAAGAAATGGGAAATGACTCTCAAGGAAGCAGTGGCTAGGAGAGAAGCAGTGGAGGAGATATGCATATCCGACGACTCTTCAGTGACAGAACCTGATGCAGAGCTGGTGAGGGTGCATCCGAAGAGTTCTTTGGCTGGAAGGAAGGGCTACAGCACAAGCGATGGCAAAACTTTCTCATATTTGGAAGGGACCAAGTTTCACCAGGCGGCCAAGGATATAGCAGAAATTAATGCCATGTGGCCCGTTGCAACGGAGGCCAATGAGCAGGTATGCATGTATATCCTCGGAGAAGGCATGAGCAGTATTAGGTCGAAATGCCCCGTCGAAGAGTCGGAAGCCTCCACACCACCTAGCACGCTGCCTTGCTTGTGCATCCATGCCATGACTCCAGAAAGAGTACAGCGCCTAAAAGCCTCACGTCCAGAACAAATTACTGTGTGCTCATCCTTTCCATTGCCGAAGTATAGAATCACTGGTGTGCAGAAGATCCAATGCTCCCAGCCTATATTGTTCTCACCGAAAGTGCCTGCGTATATTCATCCAAGGAAGTATCTCGTGGAAACACCACCGGTAGACGAGACTCCGGAGCCATCGGCAGAGAACCAATCCACAGAGGGGACACCTGAACAACCACCACTTATAACCGAGGATGAGACCAGGACTAGAACGCCTGAGCCGATCATCATCGAAGAGGAAGAAGAGGATAGCATAAGTTTGCTGTCAGATGGCCCGACCCACCAGGTGCTGCAAGTCGAGGCAGACATTCACGGGCCGCCCTCTGTATCTAGCTCATCCTGGTCCATTCCTCATGCATCCGACTTTGATGTGGACAGTTTATCCATACTTGACACCCTGGAGGGAGCTAGCGTGACCAGCGGGGCAACGTCAGCCGAGACTAACTCTTACTTCGCAAAGAGTATGGAGTTTCTGGCGCGACCGGTGCCTGCGCCTCGAACAGTATTCAGGAACCCTCCACATCCCGCTCCGCGCACAAGAACACCGTCACTTGCACCCAGCAGGGCCTGCTCGAGAACCAGCCTAGTTTCCACCCCGCCAGGCGTGAATAGGGTGATCACTAGAGAGGAGCTCGAGGCGCTTACCCCGTCACGCACTCCTAGCAGGTCGGTCTCGAGAACCAGCCTGGTCTCCAACCCGCCAGGCGTAAATAGGGTGATTACAAGAGAGGAGTTTGAGGCGTTCGTAGCACAACAACAATGACGGTTTGATGCGGGTGCATACATCTTTTCCTCCGACACCGGTCAAGGGCATTTACAACAAAAATCAGTAAGGCAAACGGTGCTATCCGAAGTGGTGTTGGAGAGGACCGAATTGGAGATTTCGTATGCCCCGCGCCTCGACCAAGAAAAAGAAGAATTACTACGCAAGAAATTACAGTTAAATCCCACACCTGCTAACAGAAGCAGATACCAGTCCAGGAAGGTGGAGAACATGAAAGCCATAACAGCTAGACGTATTCTGCAAGGCCTAGGGCATTATTTGAAGGCAGAAGGAAAAGTGGAGTGCTACCGAACCCTGCATCCTGTTCCTTTGTATTCATCTAGTGTGAACCGTGCCTTTTCAAGCCCCAAGGTCGCAGTGGAAGCCTGTAACGCCATGTTGAAAGAGAACTTTCCGACTGTGGCTTCTTACTGTATTATTCCAGAGTACGATGCCTATTTGGACATGGTTGACGGAGCTTCATGCTGCTTAGACACTGCCAGTTTTTGCCCTGCAAAGCTGCGCAGCTTTCCAAAGAAACACTCCTATTTGGAACCCACAATACGATCGGCAGTGCCTTCAGCGATCCAGAACACGCTCCAGAACGTCCTGGCAGCTGCCACAAAAAGAAATTGCAATGTCACGCAAATGAGAGAATTGCCCGTATTGGATTCGGCGGCCTTTAATGTGGAATGCTTCAAGAAATATGCGTGTAATAATGAATATTGGGAAACGTTTAAAGAAAACCCCATCAGGCTTACTGAAGAAAACGTGGTAAATTACATTACCAAATTAAAAGGACCAAAAGCTGCTGCTCTTTTTGCGAAGACACATAATTTGAATATGTTGCAGGACATACCAATGGACAGGTTTGTAATGGACTTAAAGAGAGACGTGAAAGTGACTCCAGGAACAAAACATACTGAAGAACGGCCCAAGGTACAGGTGATCCAGGCTGCCGATCCGCTAGCAACAGCGTATCTGTGCGGAATCCACCGAGAGCTGGTTAGGAGATTAAATGCGGTCCTGCTTCCGAACATTCATACACTGTTTGATATGTCGGCTGAAGACTTTGACGCTATTATAGCCGAGCACTTCCAGCCTGGGGATTGTGTTCTGGAAACTGACATCGCGTCGTTTGATAAAAGTGAGGACGACGCCATGGCTCTGACCGCGTTAATGATTCTGGAAGACTTAGGTGTGGACGCAGAGCTGTTGACGCTGATTGAGGCGGCTTTCGGCGAAATTTCATCAATACATTTGCCCACTAAAACTAAATTTAAATTCGGAGCCATGATGAAATCTGGAATGTTCCTCACACTGTTTGTGAACACAGTCATTAACATTGTAATCGCAAGCAGAGTGTTGAGAGAACGGCTAACCGGATCACCATGTGCAGCATTCATTGGAGATGACAATATCGTGAAAGGAGTCAAATCGGACAAATTAATGGCAGACAGGTGCGCCACCTGGTTGAATATGGAAGTCAAGATTATAGATGCTGTGGTGGGCGAGAAAGCGCCTTATTTCTGTGGAGGGTTTATTTTGTGTGACTCCGTGACCGGCACAGCGTGCCGTGTGGCAGACCCCCTAAAAAGGCTGTTTAAGCTTGGCAAACCTCTGGCAGCAGACGATGAACATGATGATGACAGGAGAAGGGCATTGCATGAAGAGTCAACACGCTGGAACCGAGTGGGTATTCTTTCAGAGCTGTGCAAGGCAGTAGAATCAAGGTATGAAACCGTAGGAACTTCCATCATAGTTATGGCCATGACTACTCTAGCTAGCAGTGTTAAATCATTCAGCTACCTGAGAGGGGCCCCTATAACTCTCTACGGCTAACCTGAATGGACTACGACATAGTCTAGTCCGCCAAGTCTAGCATATGGGCGCGCCCTCAGCATCGATTTGAATTGGCCACCATGAGGGTCCCCGCTCAGCTCCTGGGGCTCCTGCTGCTCTGGCTCCCAGGTGCACGATGTGCCATGTGGGAGCTGGAGAAAGACGTTTATGTTGTAGAGGTGGACTGGACTCCCGATGCCCCTGGAGAAACAGTGAACCTCACCTGTGACACGCCTGAAGAAGATGACATCACCTGGACCTCAGACCAGAGACATGGAGTCATAGGCTCTGGAAAGACCCTGACCATCACTGTCAAAGAGTTTCTAGATGCTGGCCAGTACACCTGCCACAAAGGAGGCGAGACTCTGAGCCACTCACATCTGCTGCTCCACAAGAAGGAAAATGGAATTTGGTCCACTGAAATTTTAAAAAATTTCAAAAACAAGACTTTCCTGAAGTGTGAAGCACCAAATTACTCCGGACGGTTCACGTGCTCATGGCTGGTGCAAAGAAACATGGACTTGAAGTTCAACATCAAGAGCAGTAGCAGTTCCCCTGACTCTCGGGCAGTGACATGTGGAATGGCGTCTCTGTCTGCAGAGAAGGTCACACTGGACCAAAGGGACTATGAGAAGTATTCAGTGTCCTGCCAGGAGGATGTCACCTGCCCAACTGCCGAGGAGACCCTGCCCATTGAACTGGCGTTGGAAGCACGGCAGCAGAATAAATATGAGAACTACAGCACCAGCTTCTTCATCAGGGACATCATCAAACCAGACCCGCCCAAGAACTTGCAGATGAAGCCTTTGAAGAACTCACAGGTGGAGGTCAGCTGGGAGTACCCTGACTCCTGGAGCACTCCCCATTCCTACTTCTCCCTCAAGTTCTTTGTTCGAATCCAGCGCAAGAAAGAAAAGATGAAGGAGACAGAGGAGGGGTGTAACCAGAAAGGTGCGTTCCTCGTAGAGAAGACATCTACCGAAGTCCAATGCAAAGGCGGGAATGTCTGCGTGCAAGCTCAGGATCGCTATTACAATTCCTCATGCAGCAAGTGGGCATGTGTTCCCTGCAGGGTCCGATCCGGAGGTTCCGGTGGTGGATCCGGAGGTGGCTCCGGCGGCGGATCCAGGGTCATTCCAGTCTCTGGACCTGCCAGGTGTCTTAGCCAGTCCCGAAACCTGCTGAAGACCACAGATGACATGGTGAAGACGGCCAGAGAAAAACTGAAACATTATTCCTGCACTGCTGAAGACATCGATCATGAAGACATCACACGGGACCAAACCAGCACATTGAAGACCTGTTTACCACTGGAACTACACAAGAACGAGAGTTGCCTGGCTACTAGAGAGACTTCTTCCACAACAAGAGGGAGCTGCCTGCCCCCACAGAAGACGTCTTTGATGATGACCCTGTGCCTTGGTAGCATCTATGAGGACTTGAAGATGTACCAGACAGAGTTCCAGGCCATCAACGCAGCACTTCAGAATCACAACCATCAGCAGATCATTCTAGACAAGGGCATGCTGGTGGCCATCGATGAGCTGATGCAGTCTCTGAATCATAATGGCGAGACTCTGCGCCAGAAACCTCCTGTGGGAGAAGCAGACCCTTACAGAGTGAAAATGAAGCTCTGCATCCTGCTTCACGCCTTCAGCACCCGCGTCGTGACCATCAACAGGGTGATGGGCTATCTGAGCTCCGCCGGTTCCGGTGGCGGATCCGAAGCACACAAGAGTGAGATCGCCCATCGGTATAATGATTTGGGAGAACAACATTTCAAAGGCCTAGTCCTGATTGCCTTTTCCCAGTATCTCCAGAAATGCTCATACGATGAGCATGCCAAATTAGTGCAGGAAGTAACAGACTTTGCAAAGACGTGTGTTGCCGATGAGTCTGCCGCCAACTGTGACAAATCCCTTCACACTCTTTTTGGAGATAAGTTGTGTGCCATTCCAAACCTCCGTGAAAACTATGGTGAACTGGCTGACTGCTGTACAAAACAAGAGCCCGAAAGAAACGAATGTTTCCTGCAACACAAAGATGACAACCCCAGCCTGCCACCATTTGAAAGGCCAGAGGCTGAGGCCATGTGCACCTCCTTTAAGGAAAACCCAACCACCTTTATGGGACACTATTTGCATGAAGTTGCCAGAAGACATCCTTATTTCTATGCCCCAGAACTTCTTTACTATGCTGAGCAGTACAATGAGATTCTGACCCAGTGTTGTGCAGAGGCTGACAAGGAAAGCTGCCTGACCCCGAAGCTTGATGGTGTGAAGGAGAAAGCATTGGTCTCATCTGTCCGTCAGAGAATGAAGTGCTCCAGTATGCAGAAGTTTGGAGAGAGAGCTTTTAAAGCATGGGCAGTAGCTCGTCTGAGCCAGACATTCCCCAATGCTGACTTTGCAGAAATCACCAAATTGGCAACAGACCTGACCAAAGTCAACAAGGAGTGCTGCCATGGTGACCTGCTGGAATGCGCAGATGACAGGGCGGAACTTGCCAAGTACATGTGTGAAAACCAGGCGACTATCTCCAGCAAACTGCAGACTTGCTGCGATAAACCACTGTTGAAGAAAGCCCACTGTCTTAGTGAGGTGGAGCATGACACCATGCCTGCTGATCTGCCTGCCATTGCTGCTGATTTTGTTGAGGACCAGGAAGTGTGCAAGAACTATGCTGAGGCCAAGGATGTCTTCCTGGGCACGTTCT
TGTATGAATATTCAAGAAGACACCCTGATTACTCTGTATCCCTGTTGCTGAGACTTGCTAAGAAATATGAAGCCACTCTGGAAAAGTGCTGCGCTGAAGCCAATCCTCCCGCATGCTACGGCACAGTGCTTGCTGAATTTCAGCCTCTTGTAGAAGAGCCTAAGAACTTGGTCAAAACCAACTGTGATCTTTACGAGAAGCTTGGAGAATATGGATTCCAAAATGCCATTCTAGTTCGCTACACCCAGAAAGCACCTCAGGTGTCAACCCCAACTCTCGTGGAGGCTGCAAGAAACCTAGGAAGAGTGGGCACCAAGTGTTGTACACTTCCTGAAGATCAGAGACTGCCTTGTGTGGAAGACTATCTGTCTGCAATCCTGAACCGTGTGTGTCTGCTGCATGAGAAGACCCCAGTGAGTGAGCATGTTACCAAGTGCTGTAGTGGATCCCTGGTGGAAAGGCGGCCATGCTTCTCTGCTCTGACAGTTGATGAAACATATGTCCCCAAAGAGTTTAAAGCTGAGACCTTCACCTTCCACTCTGATATCTGCACACTTCCAGAGAAGGAGAAGCAGATTAAGAAACAAACGGCTCTTGCTGAGCTGGTGAAGCACAAGCCCAAGGCTACAGCGGAGCAACTGAAGACTGTCATGGATGACTTTGCACAGTTCCTGGATACATGTTGCAAGGCTGCTGACAAGGACACCTGCTTCTCGACTGAGGGTCCAAACCTTGTCACTAGATGCAAAGACGCCTTAGCCGGCGGAGGTTCCGGTGGCGGATCCCAATACTATGACTACGATATACCCCTGTTCATGTACGGGCAAATATCTCCAAACTGTGCACCAGAATGTAACTGCCCTCACTCATACCCCACTGCAATGTACTGTGACGACCTGAAGTTGAAATCCGTGCCAATGGTGCCTCCTGGGATTAAGTACCTGTACCTCCGCAACAATCAGATCGACCATATTGACGAGAAGGCTTTTGAAAACGTCACAGACCTCCAGTGGCTTATCCTGGACCATAACCTGCTTGAAAATAGTAAGATAAAGGGCAAAGTATTTTCCAAACTTAAACAGCTTAAAAAACTCCACATCAACTACAATAACCTTACTGAATCCGTGGGACCATTGCCAAAATCTCTCCAAGATTTGCAGTTGACTAACAACAAGATATCCAAACTCGGCTCCTTCGATGGGCTGGTTAATCTGACTTTCATCTACTTGCAACACAACCAATTGAAGGAGGATGCAGTTTCAGCTAGTCTTAAAGGTCTGAAAAGCCTTGAGTATCTTGATCTGTCATTTAATCAAATGTCCAAGCTCCCTGCTGGGCTCCCAACAAGTCTGCTGACACTCTATCTCGACAATAACAAGATAAGTAACATTCCCGATGAGTACTTTAAAAGATTTACCGGCCTCCAATACTTGCGGCTTTCTCACAACGAGTTGGCAGACTCTGGTGTACCCGGCAACTCCTTTAATATAAGTTCTCTTCTCGAGCTTGATTTGTCCTATAACAAACTGAAGAGTATCCCTACTGTCAATGAAAATTTGGAGAATTACTACCTCGAAGTCAATGAGCTTGAGAAGTTCGATGTTAAGTCTTTCTGTAAGATACTGGGTCCATTGTCATACAGCAAGATTAAACATCTTCGCTTGGATGGGAATCCCTTGACTCAAAGCTCACTTCCCCCCGACATGTACGAATGCCTGAGGGTAGCCAACGAAATCACAGTAAACGGAGGTGGCTCCTGAGCGATCGCTAAATACAGCAGCAATTGGCAAGCTGCTTACATAGAACTCGCGGCGATTGGCATGCCGCCTTAAAATTTTTATTTTATTTTTCTTTTCTTTTCCGAATCGGATTTTGTTTTTAATATTTCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACGCGTCGAGGGGAATTAATTCTTGAAGACGAAAGGGCCAGGTGGCACTTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTGTTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCATTGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGAGCTCTAATACGACTCACTATAG(配列番号5)
【0053】
いくつかの態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、LNP-レプリコンRNA-IL-12-血清アルブミン-ルミカンを含む。他の態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、TT3-LNP-レプリコンRNA-IL-12-血清アルブミン-ルミカンを含む。他の態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスは、TT3-LNP-mtレプリコンRNA-IL-12-血清アルブミン-ルミカンを含む。腫瘍微小環境におけるIL-12の保持は、合成腫瘍溶解性ウイルスの有効性および安全性を改善するであろう。
【0054】
いくつかの場合において、レプリコンRNAは、実験的または治療的に関心のある1以上の遺伝子(単数または複数)を含んでいてもよい。いくつかの態様において、実験的または治療的に関心のある遺伝子(単数または複数)は、サイトカイン、ケモカイン、またはIL-12以外の成長因子をコードする。サイトカインは、当該技術分野において知られており、および用語自体は、免疫系内のある細胞によって分泌され、および他の細胞に対して効果を有する、小さなタンパク質の一般化されたグループ分けを指す。サイトカインは、細胞の免疫応答を増強することが知られており、および本明細書に使用されるときは、これらに限定されないが、TNFα、IFN-γ、IFN-α、TGF-β、IL-1、IL-2、IL-4、IL-10、IL-13、IL-17、IL-18、およびケモカインを包含し得る。
【0055】
ケモカインは、他の適用の中でも、感染に対する応答、免疫応答、炎症、外傷、敗血症、がん、および生殖を調査する研究に有用である。ケモカインは、当該技術分野において知られており、および感染の部位のすぐ近くの応答細胞で、典型的には白血球の走化性を誘導するサイトカインの一種である。ケモカインの非限定例は、CCL14、CCL19、CCL20、CCL21、CCL25、CCL27、CXCL12、CXCL13、CXCL-8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、およびCXCL10を包含する。成長因子は、当該技術分野において知られており、および用語自体は、時折用語サイトカインと交換可能である。本明細書に使用されるとき、用語「成長因子」は、細胞間のシグナル伝達および細胞の増殖を刺激することのできる天然に存在する物質を指す。サイトカインは、成長因子であってもよい一方で、あるタイプのサイトカインはまた、細胞成長に対して阻害効果を有していてもよく、よって2つの用語を区別している。
【0056】
成長因子の非限定例は、アドレノメデュリン(AM)、アンジオポエチン(Ang)、自己分泌型細胞運動刺激因子、骨形成タンパク質(BMP)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、白血病阻止因子(LIF)、インターロイキン-6(IL-6)、マクロファージコロニー刺激因子(m-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、上皮成長因子(EGF)、エフリンA1、エフリンA2、エフリンA3、エフリンA4、エフリンA5、エフリンB1、エフリンB2、エフリンB3、エリスロポエチン(EPO)、線維芽細胞成長因子1(FGF1)、線維芽細胞成長因子2(FGF2)、線維芽細胞成長因子3(FGF3)、線維芽細胞成長因子4(FGF4)、線維芽細胞成長因子5(FGF5)、線維芽細胞成長因子6(FGF6)、線維芽細胞成長因子7(FGF7)、線維芽細胞成長因子8(FGF8)、線維芽細胞成長因子9(FGF9)、線維芽細胞成長因子10(FGF10)、線維芽細胞成長因子11(FGF11)、線維芽細胞成長因子12(FGF12)、線維芽細胞成長因子13(FGF13)、線維芽細胞成長因子14(FGF14)、線維芽細胞成長因子15(FGF15)、線維芽細胞成長因子16(FGF16)、線維芽細胞成長因子17(FGF17)、線維芽細胞成長因子18(FGF18)、線維芽細胞成長因子19(FGF19)、線維芽細胞成長因子20(FGF20)、線維芽細胞成長因子21(FGF21)、線維芽細胞成長因子22(FGF22)、線維芽細胞成長因子23(FGF23)、ウシ胎仔成長ホルモン(Fetal Bovine Somatotrophin)(FBS)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、パーセフィン、アルテミン、増殖分化因子-9(GDF9)、肝細胞成長因子(HGF)、肝がん由来成長因子(HDGF)、インスリン、インスリン様成長因子-1(IGF-1)、インスリン様成長因子-2(IGF-2)、インターロイキン-1(IL-1)、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、角化細胞成長因子(KGF)、遊走刺激因子(Migration-stimulating factor)(MSF)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、ミオスタチン(GDF-8)、ニューレグリン1(NRG1)、ニューレグリン2(NRG2)、ニューレグリン3(NRG3)、ニューレグリン4(NRG4)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)、ニューロトロフィン-4(NT-4)、胎盤成長因子(PGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、レナラーゼ(RNLS)、T細胞成長因子(TCGF)、トロンボポエチン(TPO)、形質転換成長因子アルファ(TGF-α)、形質転換成長因子ベータ(TGF-β)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、および血管内皮成長因子(VEGF)を包含する。
【0057】
II.医薬組成物
いくつかの側面において、本開示は、少なくとも一部において、本明細書に記載のとおりの合成腫瘍溶解性ウイルスを含む医薬組成物に関する。本明細書に記載の医薬組成物は、薬学的に許容し得る担体(賦形剤)をさらに含み、標的の疾患を処置する使用のための医薬組成物を形成してもよい。「許容し得る」は、担体が、組成物の活性成分に適合し(および好ましくは、活性成分を安定化させることができ)、および処置されるべき対象に有害であってはならないことを意味する。バッファーを包含する薬学的に許容し得る賦形剤(担体)、それは、当該技術分野において周知である。例として、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. (2000) Lippincott Williams and Wilkins, Ed. K. E. Hooverを参照されたい。
【0058】
in vivoでの投与のために使用される医薬組成物は、滅菌されなければならない。このことは、例えば、滅菌濾過膜を通した濾過によって、容易に成し遂げられる。合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって貫通することができる(pierceable)ストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアル内に置かれてもよい。
いくつかの態様において、本明細書に使用される医薬組成物は、腫瘍内注射のために処方され得る。本明細書に使用されるとき、腫瘍内注射は、抗腫瘍組成物(例として免疫賦活性合成腫瘍溶解性ウイルス)の腫瘍内への直接注射を指す。少量の薬物を使用しながら、高濃度の組成物は、in situで達成され得る。免疫療法の局所送達は、全身性の曝露およびオフターゲットの毒性を有意に予防しながら、複数の併用治療を可能にする。
【0059】
他の態様において、医薬組成物は、筋肉内注射、静脈内注射、または皮下注射のために処方され得る。
本方法において使用される医薬組成物は、凍結乾燥された製剤または水性溶液の形態で、薬学的に許容し得る担体、緩衝剤、賦形剤、塩、または安定剤を含み得る。例として、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. (2000) Lippincott Williams and Wilkins, Ed. K. E. Hooverを参照されたい。許容し得る担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、およびホスファート、シトラート、および他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸およびメチオニンを包含する抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩化物;ヘキサメトニウム塩化物;塩化ベンザルコニウム、ベンズエトニウム塩化物;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストランを包含する他の炭化水素;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属複合体(例として、Zn-タンパク質複合体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性の界面活性剤を含んでもよい。
【0060】
いくつかの例において、本明細書に記載の医薬組成物は、Epstein, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688 (1985);Hwang, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030 (1980);ならびに米国特許第4,485,045号および第4,544,545号に記載されているものなどの、当該技術分野において知られている方法によって調製され得る、脂質ナノ粒子を含む。増強された循環時間を有するリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示される。特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化されたホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物と共に、逆相蒸発法によって生成され得る。リポソームは、規定の孔径のフィルターを通して押し出され、所望される直径を有するリポソームが生産される。
【0061】
他の例において、本明細書に記載の医薬組成物は、持続放出の形式で処方され得る。持続放出調製物の好適な例は、合成腫瘍溶解性ウイルスを包含する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスであり、そのマトリックスは、成形された物品、例として、フィルム、またはマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリックスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリラート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸および7 エチル-L-グルタマートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーおよびリュープロリドアセタートから構成される注射可能なミクロスフィア)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、スクロースアセタートイソブチラート、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸を包含する。
【0062】
好適な表面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン(例として、TWEEN(商標)20、40、60、80または85)および他のソルビタン(例として、SPAN(商標)20、40、60、80または85)などの非イオン性の剤をとりわけ包含する。表面活性剤を有する組成物は、都合の良いことに0.05~5%の間の表面活性剤を含み、および0.1~2.5%の間であり得る。必要ならば、他の成分、例えば、マンニトールまたは他の薬学的に許容し得るビヒクルが添加されてもよいことが理解されるだろう。
本明細書に記載の医薬組成物は、錠剤、丸薬、カプセル、粉末、顆粒、溶液または懸濁液、または坐薬などの単位剤形において、経口、非経口または直腸投与、または吸入または吹送による投与のためのものであり得る。
【0063】
錠剤などの固体組成物を調製するために、第一の活性成分は、医薬担体、例として、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴムなどの従来の錠剤化成分、および他の医薬希釈剤、例として、水と混合され得、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固体の予備処方組成物、または非毒性のその薬学的に許容し得る塩を形成する。これらの予備処方組成物を均一であると呼ぶとき、組成物が、等しく有効である、錠剤、丸薬およびカプセルなどの単位剤形内に容易に小分けできるように、活性成分は、組成物のあらゆる場所で均等に分散されることを意味する。次いで、この固体の予備処方組成物は、0.1から約500mgまでの本発明の活性成分を含有する上に記載のタイプの単位剤形内に小分けされる。新規組成物の錠剤または丸薬は、コーティングされるかまたはさもなければ合成されて、持続的な作用の利点を与える剤形を提供し得る。例えば、錠剤または丸薬は、内側の投薬量および外側の投薬量の構成要素を含み得、後者はエンベロープの形態で前者を覆っている。2つの構成要素は、胃における崩壊に抵抗する役割を果たし、および内側の構成要素が、十二指腸内を無傷で通過するか、または放出を遅延させるのを可能にする、腸溶性の層によって分離され得る。様々な材料が、このような腸溶性の層またはコーティングのために使用され得、かかる材料は、数多のポリマー酸およびポリマー酸とシェラック、セチルアルコールおよびセルロースアセタートなどの材料との混合物を包含する。
【0064】
好適なエマルションは、INTRALIPID(商標)、LIPOSYN(商標)、INFONUTROL(商標)、LIPOFUNDIN(商標)およびLIPIPHYSAN(商標)などの市販の脂肪エマルションを使用して調製されてもよい。活性成分は、予め混合されたエマルション組成物に溶解するか、または代替的に油(例として、大豆油、紅花油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油または扁桃油)に溶解して、およびリン脂質(例として、タマゴリン脂質、大豆リン脂質または大豆レシチン)および水と混合してエマルションを形成するかのいずれかであってもよい。他の成分、例えば、グリセロールまたはグルコースを添加して、エマルションの張度を調整してもよいことが理解されるだろう。好適なエマルションは、典型的には、最大20%までの油、例えば、5~20%の間の油を含有するだろう。脂肪エマルションは、好適なサイズを有する脂肪液滴を含み得、および5.5~8.0の範囲にあるpHを有し得る。
【0065】
吸入または吹送のための医薬組成物は、溶液および薬学的に許容し得る、水性または有機溶媒中の懸濁液、またはそれらの混合物、および粉末を包含する。液体または固体組成物は、上に提示されるような好適な薬学的に許容し得る賦形剤を含有してもよい。いくつかの態様において、組成物は、局所または全身性効果のために経口または経鼻の呼吸ルートによって投与される。
好ましくは滅菌された薬学的に許容し得る溶媒中の組成物は、ガスの使用により噴霧されてもよい。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接的に呼吸されても、または噴霧デバイスがフェイスマスク、テント状のもの、または間欠的陽圧呼吸の機械に取り付けられてもよい。溶液、懸濁液または粉末組成物は、適切なやり方で製剤を送達するデバイスから、好ましくは、経口的にまたは経鼻的に投与されてもよい。
【0066】
III.治療への応用
合成腫瘍溶解性ウイルスを含む、本明細書に開示の医薬組成物は、がんの処置、例えば、がん免疫治療に使用され得る。
本明細書に開示の方法を実践するために、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの有効量が、静脈内投与、例として、ボーラスとして、またはある期間にわたる連続的な注入による、静脈内投与による、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内(intracerebrospinal)、皮下、関節内、滑液嚢内、髄腔内、経口、吸入または局所のルートによる、腫瘍内投与などの好適なルートを介して、処置を必要とする対象(例として、ヒト)に投与され得る。ジェット噴霧器および超音波噴霧器を包含する、液体製剤のための市販の噴霧器は、投与に有用である。液体製剤は、直接噴霧され得、および凍結乾燥された粉末は、再構成後に噴霧され得る。代替的に、合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物は、フッ化炭素製剤および定量吸入器を使用してエアロゾル化され得るか、または凍結乾燥されたおよび製粉された粉末として吸入され得る。いくつかの例において、本明細書に記載の医薬組成物は、腫瘍内注射のために処方される。特定の例において、医薬組成物は、局所ルート、例えば、腫瘍部位または感染部位などの局所部位へ注射することを介して、対象(例として、ヒト患者)に投与されてもよい。
【0067】
本明細書に使用されるとき、「有効量」は、単独で、または1以上の他の活性剤と組み合わせてのいずれかで、対象に治療効果を与えるに必要とされる各活性剤の量を指す。いくつかの態様において、治療効果は、低減した腫瘍負荷、がん細胞の低減、または増大した免疫活性化である。合成腫瘍溶解性ウイルスの量が、治療効果を達成したか否かの決定は、当業者にとって明らかであるだろう。有効量は、当業者に認識されるとおり、処置される具体的な疾病、疾病の重症度、年齢、体調、サイズ、性別および重量を包含する個々の患者のパラメータ、処置の期間、併用治療の性質(もしあれば)、特定の投与ルートおよび健康実践者の知識および専門的技術内の同様の因子に応じて変更される。これらの因子は、当業者に周知であり、およびただのルーチンにすぎない実験法で取り組まれ得る。それは、使用される個人の構成要素またはそれらの組み合わせの最大限の用量、すなわち、妥当な医学的判断に従った最も高い安全な用量であることが、一般に好ましい。
【0068】
半減期などの経験的考察は、一般に投薬量の決定に寄与するだろう。投与の頻度は、治療の最中にわたって決定および調節されてもよく、および一般に、標的の疾患/障害の処置および/または抑制および/または寛解および/または遅延に基づくが、必ずしもそうではない。代替的に、合成腫瘍溶解性ウイルスの持続的な連続放出製剤は、適切であるであろう。持続放出を達成するための様々な製剤およびデバイスは、当該技術分野において知られている。
いくつかの態様において、処置は、合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物の単回の注射である。いくつかの態様において、単回の注射は、これを必要とする対象に、腫瘍内に投与される。
【0069】
いくつかの例において、本明細書に記載のとおりの合成腫瘍溶解性ウイルスについての投薬量は、合成腫瘍溶解性の1以上の投与(単数または複数)を与えられる個体において経験的に決定されてもよい。個体は、合成腫瘍溶解性を含有する組成物の徐々に増加する投薬量を与えられる。合成腫瘍溶解性ウイルスの有効性を査定するために、疾患/障害の指針が、追及され得る。数日間またはそれより長くにわたる反復投与について、疾病に応じて、処置は、所望される症状の抑制が生じるか、または充分な治療レベルが達成されて、標的の疾患または障害、またはその症状を緩和するまで持続される。
【0070】
いくつかの態様において、投薬頻度は、週に1回、2週に1回、4週に1回、5週に1回、6週に1回、7週に1回、8週に1回、9週に1回、または10週に1回;または月に1回、2月に1回、または3月に1回、またはそれより長くに1回である。この治療の進捗は、従来の技法およびアッセイによって容易にモニターされる。使用される合成腫瘍溶解性ウイルスの投薬レジメンは、経時的に変更され得る。
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法は、処置を必要とする対象(例として、ヒト患者)に、1回または複数回用量の合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物を投与することを含む。
【0071】
本開示の目的について、本明細書に記載のとおりの合成腫瘍溶解性ウイルスの適切な投薬量は、特定の合成腫瘍溶解性ウイルス、疾患/障害のタイプおよび重症度、合成腫瘍溶解性ウイルスが、予防または治療目的のために投与されること、先の治療、患者の臨床歴および合成腫瘍溶解性ウイルスに対する応答、および主治医の裁量に依存するであろう。臨床医は、投薬量が、所望される結果を達成することに到達するまで、合成腫瘍溶解性ウイルスを投与してもよい。いくつかの態様において、所望される結果は、腫瘍負荷における減少、がん細胞における減少、または増大した免疫活性化である。投薬量が所望される結果をもたらしたか否かを決定する方法は、当業者にとって明らかだろう。1以上の合成腫瘍溶解性ウイルスの投与は、例えば、レシピエントの生理学的状態、投与の目的が、治療的であるかまたは予防的であるか、および技能を有する実践者に既知の他の因子に応じて、連続的または断続的であり得る。合成腫瘍溶解性ウイルスの投与は、本質的に、予め選択された期間にわたって連続的であってもよく、または例として、標的の疾患または障害の発生前、発生中、または発生後のいずれかでの、一連の間隔をあけた用量においてであってもよい。
【0072】
本明細書に使用されるとき、用語「処置する」は、標的の疾患または障害、疾患/障害の症状、または疾患/障害にかかりやすい体質を有する対象への、障害、疾患の症状、または疾患または障害にかかりやすい体質を治療する、治癒する、緩和する、軽減する、変更する、共生する、寛解させる、改善する、または影響を与えることを目的とした、1以上の活性剤を包含する組成物の適用または投与を指す。
【0073】
標的の疾患/障害を緩和することは、疾患の発症または進行を遅延させること、または疾患の重症度を低減することを包含する。疾患を緩和することは、必ずしも治療結果を必要とするわけではない。その中で使用されるように、標的の疾患または障害の発症を「遅延させること」は、疾患の進行を、先送りすること、妨げること、遅くすること、遅らせること、一定に保つこと、および/または延期することを意味する。この遅延は、疾患の歴史および/または治療されるべき個体に応じて、様々な時間の長さであり得る。疾患の発症を「遅延させる」または緩和する、もしくは疾患の発病を遅延させる方法は、方法を使用しないものと比較して、所与の時間枠内での疾患の1以上の症状を発症する確率を低減する、および/または所与の時間枠内での症状の広がりを低減する方法である。このような比較は、典型的には、統計的に有意な結果を与えるのに充分な数の対象を使用した、臨床研究に基づく。
【0074】
疾患の「発症」または「進行」は、疾患の最初の兆候および/または続いて起こる進行を意味する。疾患の発症は、検出可能であり、および当該技術分野において周知である標準的な臨床技術を使用して査定され得る。しかしながら、発症はまた、検出不可能であるだろう進行をも指す。本開示の目的について、発症または進行は、症状の生物学的経過を指す。「発症」は、発生、再発、および発病を包含する。本明細書に使用されるとき、標的の疾患または障害の「発病」または「発生」は、最初の発病および/または再発を包含する。
【0075】
いくつかの態様において、本明細書に記載のとおりの合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物は、腫瘍負荷またはがん細胞の成長をin vivoで、少なくとも5%(例として、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより大きく)低減させるのに充分な量で、処置を必要とする対象に投与される。他の態様において、本明細書に記載のとおりの合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物は、免疫活性を、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより大きく増大させるのに有効な量で投与され得る。
【0076】
本明細書に記載の方法によって処置されるべき対象は、ヒト、家畜、競技用動物(sport animals)、ペット、霊長目の動物、ウマ、イヌ、ネコ、マウスおよびラットなどの哺乳動物であり得る。一態様において、対象は、ヒトである。本明細書に記載のとおりの合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物は、処置の必要である対象において、免疫活性、例えば、T細胞活性を増強するために使用されてもよい。
いくつかの態様において、対象は、がんを有する、がんを有すると疑われる、またはがんのリスクのあるヒト患者であってもよい。がんの非限定例は、黒色腫、扁平上皮細胞がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌、肺の扁平上皮癌、腹膜のがん、肝細胞がん、胃腸がん、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝がん、乳がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝癌、胃がん、および扁平細胞頭頸部がん(squamous cell head and neck cancer)を包含する様々なタイプの頭頚部がんを包含する。いくつかの態様において、がんは、黒色腫、肺がん、大腸がん、腎細胞がん、尿路上皮癌、またはホジキンリンパ腫であり得る。
【0077】
標的の疾患または障害(例として、がん)を有する対象は、ルーチンの診察、例として、臨床検査、臓器機能検査、CTスキャン、または超音波によって同定され得る。このような標的の疾患/障害のいずれかを有すると疑われる対象は、疾患/障害の1以上の症状を示すであろう。疾患/障害のリスクのある対象は、その疾患/障害に関連する1以上のリスク因子を有する対象であり得る。このような対象はまた、ルーチンの医療行為によって同定され得る。
【0078】
いくつかの態様において、合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物は、別の好適な治療剤(例として、抗がん剤、抗ウイルス剤、または抗細菌剤)および/または合成腫瘍溶解性ウイルスの免疫賦活性効果を増強させる、および/または補完するのに役立つ他の剤と共に使用されてもよい。このような併用療法において、合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物および追加の治療剤(例として、抗がん治療剤または本明細書に記載の他のもの)は、逐次的なやり方(すなわち、各治療剤が異なる時間で投与される)で、処置を必要とする対象に投与されてもよい。代替的に、これらの治療剤、または剤のうち少なくとも2つは、実質的に同時であるやり方で対象に投与される。
【0079】
併用療法は、明細書に記載の剤(例として、合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物および抗がん剤)の投与を、他の生物学的に活性な成分(例として、種々の抗がん剤)および非薬物療法(例として、外科手術)とさらに併用することをもまた包含し得る。
【0080】
合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物および別の抗がん剤(例として、化学治療剤)のいずれかの組み合わせは、がんを処置するためのいずれかのシーケンスにおいて使用されてもよいと理解すべきである。本明細書に記載の組み合わせは、これらに限定されないが、腫瘍形成または腫瘍成長を低減すること、がん細胞を低減すること、免疫活性化を増大すること、および/またはがんに関連する少なくとも1つの症状を緩和することの有効性、または組み合わせの別の剤の副作用を軽減することについての有効性を包含する、数多の因子に基づいて選択されてもよい。例えば、本明細書に記載の併用療法は、組み合わせの個々のメンバー夫々に関連する副作用、例えば、抗がん剤に関連する副作用のいずれかを低減してもよい。
【0081】
いくつかの態様において、別の抗がん治療剤は、化学療法、放射線療法、外科療法および/または免疫療法である。化学療法剤の例は、これらに限定されないが、カルボプラチンまたはシスプラチン、ドセタキセル、ゲムシタビン、Nab-パクリタキセル、パクリタキセル、ペメトレキセド、およびビノレルビンを包含する。放射線療法の例は、これらに限定されないが、電離放射線、ガンマ放射線、中性子線放射線治療、電子線放射線治療、陽子線治療、小線源治療、全身性の放射性同位体(systemic radioactive isotopes)および放射線増感剤を包含する。外科療法の例は、これらに限定されないが、治癒的外科手術(例として、腫瘍除去外科手術)、予防的外科手術、腹腔鏡下外科手術、およびレーザー外科手術を包含する。免疫療法の例は、これらに限定されないが、養子細胞移植および治療的がんワクチンを包含する。
【0082】
化学療法の追加の例は、これらに限定されないが、以下を包含する;カルボプラチン、オキサリプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、サトラプラチン、ロバプラチン、トリプラチン、テトラニトラート、ピコプラチン、プロリンダック(Prolindac)、アロプラチンおよび他の誘導体などの白金製剤;カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン/SN38、ルビテカン、ベロテカン、および他の誘導体などのトポイソメラーゼIインヒビター;エトポシド(VP-16)、ダウノルビシン、ドキソルビシン製剤(例として、ドキソルビシン、ドキソルビシンHCl、ドキソルビシン類似体、またはリポソーム中のドキソルビシンおよびその塩または類似体)、ミトキサントロン、アクラルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アムルビシン、アムサクリン、ピラルビシン、バルルビシン、ゾルビシン、テニポシドおよび他の誘導体などのトポイソメラーゼIIインヒビター;葉酸ファミリー(Folic family)(メトトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、アミノプテリン、および類縁体)などの代謝拮抗薬;プリンアンタゴニスト(チオグアニン、フルダラビン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、ペントスタチン、クロファラビンおよび類縁体)およびピリミジンアンタゴニスト(シタラビン、フロクスウリジン、アザシチジン、テガフール、カルモフール、カペシタビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、5-フルオロウラシル(5FU)、および類縁体);ナイトロジェンマスタード(例として、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、メクロレタミン、イホスファミド、トロホスファミド、プレドニムスチン、ベンダムスチン、ウラムスチン、エストラムスチン、および類縁体)などのアルキル化剤;ニトロソ尿素(例として、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトゾシン、および類縁体);トリアゼン(例として、ダカルバジン、アルトレタミン、テモゾロミド、および類縁体);スルホン酸アルキル(例として、ブスルファン、マンノスルファン、トレオスルファン、および類縁体);プロカルバジン;ミトブロニトール、およびアジリジン(例として、カルボコン、トリアジコン、チオTEPA、トリエチレンメラミン、および類縁体);ヒドロキシ尿素、アントラサイクリン(例として、ドキソルビシン製剤、ダウノルビシン、エピルビシンおよび他の誘導体)などの抗生物質;アントラセンジオン(例として、ミトキサントロンおよび類縁体);ストレプトマイセスファミリー(例として、ブレオマイシン、マイトマイシンC、アクチノマイシン、プリカマイシン);および紫外線光。
【0083】
III.治療における使用のためのキット
本開示はまた、がん(例として、黒色腫、肺がん、大腸がん、または腎細胞がん)に対する免疫療法における使用のための、および/またはがんを処置するもしくはがんのリスクを低減するためのキットを提供する。このようなキットは合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する医薬組成物、例として、本明細書に記載のそれらのうちのいずれかを含む1以上の容器を包含し得る。
いくつかの態様において、キットは、本明細書に記載の方法のいずれかに従った使用のための指示を含み得る。例えば、包含される指示は、本明細書に記載のそれらのような標的の疾患の処置のための、発病を遅延させるための、または緩和するための合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物の投与の記載を含み得る。キットは、処置に好適な個体を、個体が標的の疾患を有するかどうかを同定することに基づき選択する記載をさらに含んでいてもよい。さらなる他の態様において、指示は、合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物を標的の疾患を有するリスクにある個体に投与する記載を含む。
【0084】
合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物の使用に関する指示は、一般には、意図される処置についての投薬量、投薬スケジュール、および投与のルートに関する情報を包含する。容器は、単位用量、大量包装(例として、複数回用量の包装)またはサブユニット用量であってもよい。本発明のキットに供給される指示は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例として、キット中に包含される紙シート)上に書かれた指示であるが、コンピュータで読み取ることのできる指示(例として、磁気または光学記憶ディスク上に保持された(carried)指示)もまた許容される。
ラベルまたは添付文書は、組成物が、本明細書に記載のそれらなどのがんに関連する疾患または障害を処置するため、発病を遅延させるため、および/または緩和するために使用されることを指し示す。指示は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するために提供されてもよい。
【0085】
本明細書に記載のとおりのキットは、好適なパッケージング中にある。好適なパッケージングは、これらに限定されないが、バイアル、瓶、広口瓶、可撓性パッケージング(例として、密封されたMylarまたはプラスチックバッグ)等を包含する。企図されるものはまた、吸入器、経鼻投与デバイス(例として、アトマイザー)またはミニポンプなどの注入デバイスなどの特定のデバイスと組み合わせた使用のための包装である。キットは、滅菌されたアクセスポート(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通することができるストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであってもよい)を有していてもよい。容器はまた、滅菌されたアクセスポート(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通することができるストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであってもよい)を有していてもよい。組成物中の少なくとも1の活性剤は、本明細書に記載のそれらのような合成腫瘍溶解性ウイルスを含有する組成物である。
キットは、任意にバッファーなどの追加の構成要素および判断情報を提供してもよい。通常キットは、容器および容器上のまたは容器に伴うラベルまたは添付文書(単数または複数)を含む。いくつかの態様において、本発明は、上に記載のキットの内容物を含む製造の物品を提供する。
【0086】
IV.一般的な技法
本発明の実施は、他に指し示されない限りは、分子生物学(組換え技法を包含する)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技法を用い、それらは、当該技術分野の技能の範囲内であるだろう。Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook, et al., 1989) Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984);Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J. E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P. E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J. B. Griffiths, and D. G. Newell, eds., 1993-8) J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Handbook of Experimental Immunology (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. M. Miller and M. P. Calos, eds., 1987); Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel, et al., eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis, et al., eds., 1994); Current Protocols in Immunology (J. E. Coligan et al., eds., 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999); Immunobiology (C. A. Janeway and P. Travers, 1997); Antibodies (P. Finch, 1997); Antibodies: a practical approach (D. Catty., ed., IRL Press, 1988-1989); Monoclonal antibodies: a practical approach (P. Shepherd and C. Dean, eds., Oxford University Press, 2000); Using antibodies: a laboratory manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999); The Antibodies (M. Zanetti and J. D. Capra, eds., Harwood Academic Publishers, 1995)。さらなる詳細化なしに、当業者が、上の記載に基づき、本発明をその最大限に利用することができるということが考えられる。したがって、以下の特定の態様は、単なる実例として解釈されるべきであり、および本開示の残りの部分を何であれ限定するものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物は、本明細書に言及される目的または主題のために参照により組み込まれる。
【0087】
さらなる詳細化なしに当業者が、上の記載に基づき、本発明をその最大限に利用することができるということが考えられる。したがって、以下の特定の態様は、単なる実例として解釈されるべきであり、および本開示の残りの部分を何であれ限定するものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物は、本明細書に言及される目的または主題のために参照により組み込まれる。
【0088】

材料および方法
細胞株および動物
細胞株B16F10(ATCC(登録商標)CRL-6475(商標))、HEK-blue-TLR2(Invivogen)、HEK-blue-TLR3(Invivogen)、HEK-blue-TLR7(Invivogen)、HEK-blue-TLR9(Invivogen)、およびRaw-Lucia ISG(Invivogen)を、業者の指示(37℃、5%CO)に従って培養した。6~8週齢のメスのC57BL/6J(JAX品番000664)マウスを購入し、マサチューセッツ工科大学(MIT)の動物施設において維持した。すべての動物研究および手順を、MITの動物保護の委員会(Committee of Animal Care)によるIACUC承認の動物プロトコル下の連邦、州、地域のガイドラインに従って実行した。
【0089】
抗体、染色、およびFACS分析
マウスLy6c(HK1.4)、CD11b(M1/70)、CD11c(N418)、F4/80(BM8)、MHC-II(M5/114.15.2)、CD45(30-F11)、CD3(17A2)、CD4(GK1.5)、CD8(53-6.7)、NK1.1(PK136)、CD45.2(104)、CD24(30-F1)、XCR1(ZET)、CD64(X54-5/7.1)に対する抗体は、Biolegendからのものであった。マウスLy6G(1A8)、CD16/32(2.4G2)およびCD103(M290)に対する抗体は、BD Biosciencesからのものであった。マウスカルレティキュリン(ab2907)に対する抗体は、Abcamからのものであった。live/dead色素(L34966)は、ThermoFisherからのものであった。
【0090】
B16F10黒色腫担癌マウスを、MITの動物保護の委員会によるIACUC承認の動物プロトコル下の連邦、州、地域のガイドラインに従って屠殺し、および剖検した。次いで、腫瘍排出リンパ節を細かく砕き、および腫瘍を薄く切り、ならびに単細胞懸濁液のためにコラゲナーゼIVによって(1mg/ml)1時間消化した。単細胞懸濁液を、70μmのナイロンコンストレイナー(nylon constrainer)により濾過し、および記載されるとおりに染色した10
染色した試料を、BD BiosciencesからのFACSアナライザー(LSR-IIまたはLSR-II-Fortessa)にて分析した。BD-LSRII Fortessaアナライザー上で分析した。すべてのフローサイトメトリーのデータを、FlowJo(Flowjo LLC)にて分析し、およびGraphPad Prismを使用してプロットを用意した。
【0091】
コンストラクト、In Vitro転写、レプリコンRNAについてのキャッピング/メチル化、およびNeonトランスフェクション
突然変異体レプリコンコンストラクトの主鎖は、先の研究(改訂中)におけるin vitroでの進展からのものであった。IL12-MSAおよびIL12-MSA-ルミカンを、Prof. Dane Wittrup Labからのプラスミドから増幅し、および突然変異体レプリコンのサブゲノム領域において改変した。
レプリコンRNAを、製造業者の指示に従ってMEGAscript(商標) T7 Transcription Kit(ThermoFisher)を使用して、上記の直線化されたVEEコンストラクトの鋳型からin vitroで転写した(IVT)。結果として得られたレプリコンRNAを、ScriptCap(商標) m7G Capping SystemおよびScriptCap(商標)2'-O-Methyltransferase Kit(Cellscript)を製造業者の指示に従って使用して、キャッピングおよびメチル化した。RNA純度を、ゲル電気泳動によって査定した。
In vitroトランスフェクションを、NEONエレクトロポレーションキット(ThermoFisher)のRバッファー100μl中500,000細胞あたり5μgのRNAを使用して、1200ボルト数、20ミリ秒、および1パルスの条件で実行した。
【0092】
脂質ナノ粒子の製剤化およびレプリコンRNAのカプセル封入
DOTAPナノ粒子内に10μgのレプリコンRNAをカプセル封入するために、40:10:48:2のモル比における16.9375μlのDOTAP(Avanti、Cat#890890、10mg/ml)、15.965μlのDSPC(Avanti、Cat#850365、3mg/ml)、18.7675μlのコレステロール(Sigma-Aldrich、Cat#C8667、6mg/ml)、13.6μlのDSPE-PEG2000(Avanti Cat#880128、2.5mg/ml)から構成される脂質混合物を、エタノール中で調製し、およびN下で初期の総体積の3分の1が残存するまで蒸発させた。次いで11.8μlの0.1Mクエン酸塩バッファー(PH6.0)中の10μgのレプリコンRNA(1mg/ml)を、ピペッティングで添加し、これに続きピペッティングで追加の22μlの0.1Mクエン酸塩バッファー(PH6.0)で第2の添加を行った。混合物を、1時間振とうし、および次いで3,500MWCO透析カセットにおいて25℃でさらに1時間PBSに対して透析した。
【0093】
リポフェクタミンナノ粒子内へのレプリコンRNAのカプセル封入は、Lipofectamine(商標) MessengerMAX(商標)トランスフェクション試薬(thermofisher.com/order/catalog/product/LMRNA008)の指示に従った。
TT3ナノ粒子内に10μgのレプリコンRNAをカプセル封入するために、20:30:40:0.75のモル比における10μlのTT3(10mg/ml)11、8.04μlのDOPE(Avanti、Cat#850725、10mg/ml)、5.572μlのコレステロール(Sigma-Aldrich、Cat#C8667、10mg/ml)、3.452μlのC14-PEG2000(Avanti Cat# 880150、2mg/ml)から構成される脂質混合物を、10.437μlのエタノール中で調製した。混合物に4.167μlのクエン酸塩バッファー(PH3.0、10mM)を添加した。次いで31.667μlのクエン酸塩バッファー(PH3.0、10mM)中の10μgのレプリコンRNA(1mg/ml)を、ピペッティングで添加した。混合物を、3,500MWCO透析カセットにおいて、25℃で80分間PBSに対して透析した。
その結果得られるレプリコンを積載した脂質ナノ粒子を、腫瘍内注射についての適切な投薬量(10μg/マウス)で、およびin vitroでのトランスフェクションのために(500μlの培地中で5μg/50万細胞)画分した。
【0094】
アネキシンV/PI染色、ATPアッセイ、およびElisa
アネキシンV/PI染色は、Biolegendからのキット(Cat#640932)の指示に従う。細胞外ATPを、ENLITEN(登録商標) ATP Assay System(Promega)によってアッセイした。HMGB1、CCL5、IFNα2、IL12、IFNγを、Chondrex (Cat#6010、HMGB1)、R & D System(Cat#DY478、CCL5)、Abcam (Cat#ab215409、IFNα2)、およびBiolegend(Cat#88-7121-88、IL12、Cat#88-7314-88、IFNγ)からのELISAキットによって測定し、およびそれらの取扱説明書に従った。
【0095】
RNA抽出および定量的PCR分析
RNA転写産物のレベルを定量するために、全RNAを、指し示されるようにLNP-レプリコンRNAでトランスフェクトした細胞又は腫瘍から抽出し、およびTaqMan(商標)Reverse Transcription Reagents Kit(ABI Catalog No. N8080234)によって逆転写し、Sybr Green Master Mix(Roche)およびStat1(Cat#MP215434)、Stat2(Cat#MP215434)、IRF9(Cat#MP206708)、IRF3(Cat#MP206702)、cGAS(Cat#MP214711)についての特異的プライマーを用いての増幅が続き、およびRoche LightCycler 480によって検出された。Ct値を、比較のためにハウスキープイング遺伝子マウスアクチンBを用いて正規化した。
【0096】
例1:がん免疫治療のための合成オールインワン(All in One)LNPレプリコンRNA
脂質およびRNA構成要素の夫々が、以下の複数の役割を果たす、レプリコンRNAをカプセル封入した合成多機能脂質ナノ粒子(LNP)によって、治療プロセスを単純化し、および治療効果を増幅し得る:RNAの細胞取り込み/細胞質ゾルの送達の両方を促進する一方で、免疫原性細胞死を直接引き起こすこともまたする脂質製剤。並行して、このLNPは、免疫調節性治療用タンパク質をコードし、および免疫賦活の増幅とこれに続く免疫応答を直接提供する自己増幅レプリコンRNAを送達する。機能的には、この合成LNPレプリコンRNAは、腫瘍における局所の免疫原性細胞死を誘導し、およびトランスフェクトされた細胞において免疫調節性もまた当然に発現させる。免疫原性細胞死は、免疫細胞による腫瘍浸潤を増強し、および交差提示されることで新たなT細胞応答を準備し得る腫瘍特異的抗原のリザーバを提供し得る。カチオン性脂質TT3を含有するLNP製剤は、これらの目標にとくに適しているものとして同定された:DOTAP、リポフェクタミン(Lipo)またはTT3の鍵となるカチオン性脂質を夫々含む、3つのカチオン性脂質ナノ粒子を比較した。RNAカーゴとして、構造タンパク質が、サブゲノムのプロモーター下に挿入された目的のカーゴ遺伝子によって置き換えられた、ベネズエラウマ脳炎ウイルスに由来するアルファウイルスレプリコンを用いた。この自己増幅レプリコンRNA(LNP-mtRep)と共に製剤化するとき、DOTAP、lipo、およびTT3脂質製剤は、夫々97、46、および105nmのナノ粒子の平均直径を有し、+22.9、-6.7、および+4.3mvのゼータ電位を有する粒子を形成した(図1G~1H)。
【0097】
「空の」対RNAを積載した(mtRep)LNPの毒性を、in vitroでの各製剤とB16F10黒色腫の腫瘍細胞をインキュベートすることによって査定した。このアッセイは、TT3 LNPで処置した細胞について生存率が有意に減少し、およびmtRepが、TT3に相乗効果を与え、トランスフェクション3日後にさらに腫瘍細胞を殺傷するのを促進することを明らかにした(図1A)。TT3 LNPは、腫瘍細胞死を促進することにおいて、DOTAPまたはLipoよりも効果的であった。注目すべきことに、レプリコンの腫瘍細胞内への直接的な電気穿孔は、相対的に非毒性であり、LNP送達によって細胞を殺傷することが促進されたことが指し示された。TT3 LNPで送達されたレプリコンが、細胞死に先立ちカーゴ遺伝子の発現を駆動し得るか否かを決定するために、我々はLNP(mtRep)処置に続く、レポーター遺伝子GFPの発現を評価した。TT3-mtRep処置は、約35.4%のB16F10細胞がトランスフェクションの12時間後にGFPを発現するのを導き、このことは電気穿孔(約90%)よりも低かったが、DOTAP-mtRep(約0.05%)またはLipo-mtRep(約7.6%)の処置よりも有意によかった(図1B)。図1Aと一致して、TT3ナノ粒子でトランスフェクトされた細胞は、アネキシンV+/PI+死細胞の大集団を示し、およびmtRepは再びこの細胞死に相乗効果を与えた(図1C)。
【0098】
TT3(mtRep)によって引き起こされる細胞死が、免疫原性細胞死(ICD)の一種であるかどうかを決定するために、一般に小胞体(ER)上にとどまり、およびICD1の間にイートミー(eat-me)シグナルとして細胞表面に輸送される、カルレティキュリン(CRT)を測定した。TT3およびmtRepは、相乗効果を与えて、CRTが細胞表面へ輸送されるのを促進した(図1D)。細胞外ATPは、NLRP3インフラマソーム2を活性化し、および細胞外HMGB1は、ICDの間の炎症3を媒介する。TT3、TT3-mtRep、およびTT3-deRepは、ATPおよびHMGB1の放出を効果的に誘導した。(図1Eおよび1F)。それをまとめると、TT3-mtRepRNAは、免疫原性細胞死を誘導しながら、レプリコンによってコードされるカーゴ遺伝子の一過的な発現もまた導き得る、有望な腫瘍溶解性製剤である。
【0099】
例2:レプリコンRNAは、TLR3シグナル伝達を引き起こし、および壊死性細胞死に関係するISGF3複合体を誘導する
レプリコンおよびTT3LNPによる細胞死の相乗作用に内在する機序を決定するために、レポーター遺伝子をコードするカプセル封入されたmtRepの有無にかかわらず(または機能的遺伝子の発現を欠く突然変異体「不活性型」レプリコン(deRep)をカプセル封入した)、DOTAP、Lipo、またはTT3ナノ粒子を、レポーター細胞HEK-TLR2、HEK-TLR3、HEK-TLR7、またはHEK-TLR9(invivogen.com)内にトランスフェクトした。mtRepまたはdeRepを保有するLipoおよびTT3の両方のLNPがTLR3シグナル伝達を活性化したが、他のいずれの試験されたTLRも刺激しなかった(図2A~D)。Raw-Lucia-ISGレポーター細胞(invivogen.com)上で試験したとき、インターフェロン刺激遺伝子(interferon stimulated gene)を、これらの同じLNP製剤によって有意に誘導した(図2E)。これらのデータは、TLR3が、レプリコンRNAを認識し、およびLNP媒介性送達に応じてインターフェロン応答を誘導することを示唆する。
【0100】
レプリコンRNAが、壊死性細胞死のためのISGF3(Stat1/Stat2/IRF9)複合体の活性化を導く、I型インターフェロン産生についてのTRIFを通してTLR3シグナル伝達を活性化するために、我々は、ISGF3複合体の構成要素である、Stat1、Stat2、およびIRF9、ならびにSTING経路遺伝子である、IRF3およびcGASのmRNA転写産物レベルをqPCRによりアッセイした。mtRepまたはdeRepをカプセル封入したTT3ナノ粒子は、非処置の対照に対して、Stat1、Stat2、IRF9のレベルを、夫々約6倍、約16倍、約3倍増大させた(図2F-H)。対照的に、IRF3またはcGASの転写に対しては効果を有さなかった(図2I-J)。DOTAPおよびLipo製剤は、おそらくはこれらのナノ粒子によるレプリコンRNAの低いトランスフェクション効率のために、ISGF3複合体を誘導し損なった(図1B)。これらのデータは、mtRepおよびdeRepがおそらくはTLR3シグナル伝達を活性化させ、およびISGF3複合体を誘導し、免疫原性細胞死の一種である、壊死性細胞死を促進することを示唆した。
【0101】
例3:TT3-mtRepは、免疫細胞をリクルートし、および確立した腫瘍を消失させる
TT3-mtRepが、免疫原性細胞死およびカーゴ遺伝子のin vivoでの発現に対する効果を有するか否かが目的となった。壊死性細胞死に対する応答に関連する、Ly6cloLy6G顆粒球の集団の絶対数を、野生型レプリコンRNA(wtRep)、別の突然変異体レプリコンRNA(mt2Rep)、および上で使用した突然変異体レプリコン(mtRep)をカプセル封入したTT3ナノ粒子の腫瘍内注射3日後の腫瘍において測定した。予想外のことに、mtRepは、この顆粒球の集団の腫瘍への有意に大きな動員(約2倍高く)(図3A)、およびサブゲノムのプロモーターによってコードされるよりよい発現(図3B)を示した。よって、TT3-mtRepは、適切なカーゴ遺伝子の発現と共に免疫原性細胞死をを誘導する。TT3-mtRepを使用したin vivoでの研究が、続いて実行された。
【0102】
レプリコンの腫瘍内LNP送達に続く、Stat1/Stat2/IRF9ならびにSTINGシグナル伝達遺伝子IRF3およびcGASのin vivoでの発現レベルを測定した。in vitroでの図2F~Jと一致して、TT3-mtRepを注入した腫瘍は、Stat1/Stat2/IRF9(ISGF3複合体)を有意に高く発現したが、IRF3およびcGASは同等のレベルの発現であり(図3C)、このことはTT3-mtRepの投与がまた、in vitroでの壊死性細胞死を開始したことを示唆した。
【0103】
腫瘍中の免疫組成物へのTT3-mtRepの効果をよりよく理解するために、顆粒球(CD45CD11bLy6cloLy6G)、M-MDSC(CD45CD11bLy6chiLy6G)、単球(D45CD11bLy6cloLy6G)、マクロファージ(CD45CD11bLy6cLy6GF4/80)、CD4 T(CD45CD3εCD4)、CD8 T(CD45CD3εCD8)、NK(CD45CD3εNK1.1)、NKT(CD45CD3εNK1.1)、従来型DC1(cDC1、CD45CD11cMHC-IICD24CD64CD103CD11bXCR1hi)、および従来型DC2(cDC2、CD45CD11cMHC-IICD24CD64CD103CD11bXCR1lo)などの免疫細胞をマッピングして、およびLNP-レプリコンRNAの1回の注射後1日目(図3D)および3日目(図3E)の、ならびに3回の逐次的な注射後1日目(図3F)の腫瘍において定量化した。腫瘍中の免疫組成物のこの動的分析において、顆粒球およびcDC1は、レプリコンRNAの注射後1日目に夫々急速にリクルートされ、減少し(図3C)、このことは顆粒球が、初期の事象であり、およびcDC1がLNP-レプリコンRNAに応じて腫瘍排出リンパ節への輸送をおそらく始めるであろうことを示唆した。レプリコンRNAの注射後3日目で、CD4 T、CD8 T、NK、およびNKT細胞をまた、リクルートした(図3D)。
【0104】
LNP-レプリコンRNAの3回の逐次的な注射を投与したとき、単球は増大し、およびマクロファージは減少したが、CD4 T、NK、およびNKT細胞などのリンパ球様細胞において有意な変化はそれほど観察されなかった(図3E)。これらの約3回の逐次的な注射の効果として、TT3-mtRep群の試料における、約10%多い細胞死(図3F)、約4倍高い腫瘍に浸潤する免疫細胞(図3G)、および腫瘍重量における2倍の低減(図3H)があり、腫瘍成長の有意な退行を結果としてもたらした(図3I)。NK、およびNKT細胞がTT3-mtRepの処置と連動して上昇するのと一致して、CCL5の発現が、有意に誘導され(図3I)、それは、主にNKによって分泌され、およびCD8 T細胞を活性化した(rstats.immgen.org/Skyline/skyline.html)。これらのデータは、TT3-mtRepが、図1および図2のin vitroにおいて観察されるように、カーゴ遺伝子の発現と共に腫瘍における免疫原性細胞死を誘導したことを指し示す。最も重要なことに、TT3-mtRepは、腫瘍微小環境を有意に調節し、およびCD8 T細胞およびNK細胞の腫瘍動員につながった。
【0105】
例4:IL12-MSAまたはIL12-MSA-ルミカンと共にコードするTT3-mtRepは、腫瘍微小環境および免疫組成を効果的に調節する
レポーター遺伝子をコードするTT3(mtRep)の腫瘍内注射は、腫瘍成長の遅延につながった一方で、レプリコン中に免疫調節性タンパク質をコードすることは、さらなる免疫賦活および抗腫瘍免疫の増強へつながり得る。魅力的な候補は、CD4 TヘルパーをTh1に分化させ、およびNKおよびCD8T細胞の細胞障害性効果を増強させ得る、IL-12である。IL12bまたはIL12p40としてもまた名付けられた、IL12のサブユニットの1つは、主に抗原提示細胞(CD8 DC)から分泌され(rstats.immgen.org/Skyline/skyline.html)、それはI型インターフェロンによって機能的に活性化され得る。しかしながら、I型インターフェロンの主な形態である、インターフェロンα2(IFNα2)は、TT3-mtRep注射後1日目および3日目で、血清中(図4A)または腫瘍中(図4B)のいずれかで低く、このことはDCによって分泌されたIL-12が、腫瘍微小環境(TME)中で低いままであるだろうことを示唆している。よって、IL12α(P30)、IL12β(P40)とマウス血清アルブミン(MSA)、またはMSAおよびルミカンを融合させた、IL12-MSAまたはIL12-MSA-ルミカンを設計した。ルミカンは、内在性のコラーゲン結合タンパク質であり、我々は、それについて発現したIL-12のTME中での保持を促進し、レプリコン療法の有効性および安全性を増強すると推論した。レプリコンコンストラクトを、in vitroでNEONトランスフェクションによってB16F10細胞内にトランスフェクトし、および我々は、これらのトランスフェクトされた細胞におけるIL-12の分泌を、ELISAによって確証した(図4C)。
【0106】
一貫して、IL12-MSA(TT3-mtRep-IL12-MSA)またはIL12-MSA-ルミカン(TT3-mtRep-IL12-MSA-ルミカン)をコードするTT3-mtRepで注射した腫瘍は、高いレベルのIL12をin vivoで発現し、腫瘍において40ng/mgに到達した(図4D)。注射1日後の腫瘍における免疫組成を比較して、顆粒球は、レポーター遺伝子mCherryでコードするTT3-mtRepで処置した群とは対照的に、IL12-MSAおよびIL12-MSA-ルミカンを発現するTT3-mtRepで処置した腫瘍において1.5~3倍増大した(図4E)。3日目に、IL12-MSAおよびIL12-MSA-ルミカン群は、無関係のレポーター遺伝子をコードするレプリコンと比較して、約2~3倍高い顆粒球、CD8 T細胞、およびcDC2細胞を腫瘍にリクルートした(図4F)。興味深いことに、レポーター遺伝子、IL12-MSA、またはIL12-MSA-ルミカンをコードするTT3-mtRepで処置された腫瘍すべてにおいて、非処置群と比較してcDC1細胞の減少を示した(図4E~4F)。cDC1が、TDLNに輸送されるかを決定するために、我々は、それにおけるcDC1細胞を数えて、およびたとえどのカーゴ遺伝子をエンコードしていても、TT3-mtRep処置後にリンパ節中のcDC1細胞が有意に増加したことを示した(図4G)。cDC1細胞の増加は、IL12-MSA群において継続した(図4G)。
【0107】
例5:TT3-mtRepによって誘導された免疫調節性IL12およびICDは、B16F10腫瘍を効果的に根絶する
IL12タンパク質を投与することが、臨床研究において、重度の副作用を有するために、レプリコンにコードされたIL-12で処置した腫瘍を有するマウスの体重変化を測定した。mtRep-IL12-MSA群は、一週間続いた約5%の身体の喪失を有した。対照的に、mtRepおよびmtRep-IL12-MSA-ルミカン群は、約2%の身体の喪失のみ有し、および数日中に回復した(図5A)。一貫して、我々は、mtRep-IL12-MSAまたはmtRep-IL12-MSA-ルミカンの注射後1日目または3日目の血清中のIL-6またはTNFαを測定しそこなった(データを示さず)。しかし、我々は、mtRep-IL12-MSAの群においては血清中のIFN-γの有意な増加を観察し(図5B)、図5Aにおける身体の喪失と一致した。興味深いことに、IL12-MSAまたはIL12-MSA-ルミカンを発現するレプリコンは、処置時のサイズで50mmある大きく確立した腫瘍であっても、劇的に腫瘍退縮を示した(図5C)。IL12-MSAおよびIL12-MSA-ルミカンをコードするTT3-mtRepで処置された腫瘍を有するマウスは、B16F10の注射後75日で、夫々60%および80%腫瘍がなくなった。これらの治療されたマウスが、B16F10腫瘍の再発を予防する全身性の免疫応答を引き出すかを決定するために、これらのマウスには、反対側の脇腹に10万個のB16F10細胞で免疫付与した。予想どおり、B16F10腫瘍を急速に発生させたナイーブマウスと比較して、治療されたマウスはすべて、B16F10腫瘍を拒絶した。これらのデータは、免疫調節性IL12とICD(免疫原性細胞死)との相乗作用が、B16F10腫瘍を効果的に根絶し、および全身性の免疫応答を誘導して、B16F10腫瘍の再発を予防し得ることを指し示す。
【0108】
参照文献:
【表2-1】
【表2-2】
【0109】
他の態様
本明細書に開示されているすべての特色は、任意の組み合わせにおいて組み合わされてもよい。本明細書に開示されている各特色は、同じ、同等の、または同様の目的を果たす代替の特色によって置き換えられてもよい。よって、特に明記しない限り、開示されている各特色は、同等または同様の特色の一般的なシリーズの例に過ぎない。
上記の説明からは、当業者は、本発明の不可欠な特徴を容易に確認することができ、およびその趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な使用法および条件に適合させるために、本発明の様々な変更および改変を行うことができる。よって、他の態様もまた、特許請求の範囲内にある。
【0110】
均等物
いくつかの発明の態様を本明細書において、説明し、例証したが、当業者は、本明細書において説明した機能を実施するための、および/または本明細書において説明した結果および/または1以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想起し、およびこのような変化および/または改変の各々は、本明細書に記載の発明の態様の範囲内にあるとみなされるであろう。より一般的に、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は、例示であることを意味し、および実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定の適用(単数または複数)に依存するだろうことを、当業者は容易に理解するだろう。当業者は、わずかルーチンの実験法を使用するだけで、本明細書に記載の特定の発明の態様に対する多くの均等物を認識し、または確認することができるだろう。したがって、上記の態様は、ほんの一例として提示されており、および添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、発明の態様は、具体的に記載され、および請求されたものとは別の方法で実践されてもよいことを理解されるべきである。本開示の発明の態様は、本明細書に記載の個々の特色、システム、物品、材料、キット、および/または方法のそれぞれに向けられている。加えて、2以上のこのような特色、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2以上のいずれかの組み合わせ、このような特色、システム、物品、材料、キット、および/または方法が、相互に矛盾しない場合は、本開示の発明の範囲内に包含される。
【0111】
本明細書において定義され、および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれる文書における定義、および/または定義される用語の通常の意味の上位として支配することを理解されるべきである。
本明細書に開示の全ての参照文献、特許および特許出願は、それぞれが引用されている主題に関して参照により組み込まれ、いくつかのケースにおいては、文書の全体が包含されていてもよい。
【0112】
本明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、不定冠詞「a」および「an」は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
本明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、句「and/or」は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」を意味する、すなわち、要素は、あるケースにおいては結合的に存在し、および他のケースにおいては離接的に存在することを理解されるべきである。「and/or」で列挙された複数の要素は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された要素の「1以上」と解釈されるべきである。他の要素として、「and/or」節によって具体的に特定された要素以外が、具体的に特定されたそれらの要素に関係するか、または無関係であるかに関わらず、任意に存在していてもよい。よって、非限定例として、「含む(comprising)」などのオープンエンド(open-ended)の語と併せて使用されるとき、「Aおよび/またはB」という言及は、一態様において、Aのみ(任意にB以外の要素を包含する)を;別の態様においては、Bのみ(任意にA以外の要素を包含する)を;さらに別の態様においては、AおよびBの両方(任意に他の要素を包含する);等々を指し得る。
【0113】
本明細書および特許請求の範囲に使用されるとき、「or」は、上に定義されるとおりの「and/or」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目が分けられているとき、「or」または「and/or」は、包括的である、すなわち、数またはリストの要素のうち、少なくとも1つの包含のみでなく、1より多くを包含し、および、任意に、追加のリストされていない項目も包含すると解釈されるべきである。「1つのみの(only one of)」または「正確に1つの(exactly one of)」または、特許請求の範囲で使用されるときに、「からなる(consisting of)」など、それとは反対を明確に指し示す用語のみが、数あまたはリストの要素のうち、正確に1つの要素を包含することを指すだろう。一般に、本明細書に使用される用語「or」は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ(only one of)」または「のうちの正確に1つ(exactly one of)」などの排他的な用語によって前置きされるときのみ、排他的な代替手段(すなわち、「一方または他方であり、両方ではない」)を指し示すと解釈されるべきである。特許請求の範囲において使用されるとき、「本質的にからなる(Consisting essentially of)」は、特許法の分野において使用される通常の意味を有するべきである。
【0114】
本明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、1以上の要素のリストと関連した句「少なくとも1つの(at least one)」は、リストの要素におけるいずれか1以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的に列挙されたそれぞれの、およびすべての要素の少なくとも1つを包含するのではなく、および要素のリスト中の要素のいずれかの組み合わせを除外するものではないことを理解されるべきである。この定義はまた、句「少なくとも1つ(at least one)」が指す、要素のリスト内に具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されたそれらの要素に関係するか、または無関係であるかに関わらず、任意に存在させることができる。よって、非限定例として、「AおよびBのうち少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうち少なくとも1つ」もしくは同等に、「Aおよび/またはBのうち少なくとも1つ」)は、一態様において、Bが存在せず、任意に1より多くのAを包含するうちの少なくとも1つ(および任意にB以外の要素を包含する);別の態様において、Aが存在せず、少なくとも1の、任意に1より多くのBを包含するうちの少なくとも1つ(および任意にA以外の要素を包含する);さらに別の態様において、任意に1より多くのAを包含するうちの少なくとも1つ、および任意に1より多くのBを包含するうちの少なくとも1つ(および任意に他の要素を包含する);等々を指し得る。
【0115】
明確に反対の指示がない限り、1より多いステップまたは行為を包含する、本明細書において請求されたいずれかの方法において、方法のステップまたは行為の順序は、必ずしも方法のステップまたは行為が、列挙される順序に限定されるものではないことを理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
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【国際調査報告】