(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20220422BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220422BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20220422BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554595
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2020056227
(87)【国際公開番号】W WO2020182737
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サイエド, アシュレイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トールセン, ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイス(100)は、エアロゾル生成材料(110a)を含む物品(110)を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素(132)を備え、ヒーター構成要素は変動磁場による貫通によって加熱することができる。デバイスは、ヒーター構成要素を取り巻くインダクタコイル(124)をさらに備え、インダクタコイルは変動磁場を生成するように構成される。ヒーター構成要素は約5mmと約10mmの間の内径を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を含む物品を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素と、
前記ヒーター構成要素を取り巻くコイルであって、前記ヒーター構成要素を加熱するように構成される、コイルと
を備え、前記ヒーター構成要素が約5mmと約10mmの間の内径を有する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記内径が約5.4mmと約5.6mmの間である、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記ヒーター構成要素が約0.025mmと約0.075mmの間の壁厚を有する、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記壁厚が約0.04mmと約0.06mmの間である、請求項3に記載のヒーター構成要素。
【請求項5】
前記デバイスが、前記ヒーター構成要素の前記内径と実質的に同じ外径を有する物品を受け入れるような寸法を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
エアロゾル生成材料を含む物品と、
請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと
を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項7】
エアロゾル生成材料を含む物品と、
エアロゾル供給デバイスであって、
前記物品を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素であって、約5mmと約10mmの間の内径を有する、ヒーター構成要素と、
前記ヒーター構成要素を取り巻くコイルであって、前記インダクタコイルが、前記ヒーター構成要素を加熱するように構成される、コイルと
を備える、エアロゾル供給デバイスと
を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記ヒーター構成要素が約5.4mmと約5.6mmの間の内径を有する、請求項7に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
前記ヒーター構成要素が約0.025mmと約0.075mmの間の壁厚を有する、請求項7又は8に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記物品が約0.02mmと約0.06mmの間の厚さを有する外部層を有し、それにより、前記物品が前記ヒーター構成要素内に受け入れられると、前記エアロゾル生成材料の外部表面が、少なくとも前記外部層の前記厚さだけ前記ヒーター構成要素から離れて配置されるようになっている、請求項7~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記エアロゾル生成材料の前記外部表面が、前記物品が前記ヒーター構成要素内に受け入れられると、約0.02mmと約1mmの間の距離だけ前記ヒーター構成要素の内部表面から離れて配置される、請求項10に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
前記物品が前記ヒーター構成要素の前記内径と実質的に同じ外径を有する、請求項7~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
エアロゾル生成材料を含む物品と、
前記物品を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素と、
前記ヒーター構成要素を取り巻くコイルであって、前記ヒーター構成要素を加熱するように構成される、コイルと
を備え、前記物品が約0.02mmと約0.06mmの間の厚さを有する外部層を有し、それにより、前記エアロゾル生成材料の外部表面が、少なくとも前記外部層の前記厚さだけ前記ヒーター構成要素から離れて配置されるようになっている、エアロゾル供給システム。
【請求項14】
前記エアロゾル生成材料の前記外部表面が、約0.02mmと約0.3mmの間の距離だけ前記ヒーター構成要素の内部表面から離れて配置される、請求項13に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
前記物品が約5mmと約8mmの間の外径を有する、請求項13又は14に記載のエアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガー、等々の喫煙品は、使用中、タバコを燃やしてタバコ煙をもたらす。燃やすことなく化合物を放出する製品を創出することにより、タバコを燃やすこれらの喫煙品の代替を提供する試行がなされている。このような製品の例は、材料を燃やすのではなく、材料を加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、例えばタバコであっても、或いはニコチンを含有することも含有しないこともある他の非タバコ製品であってもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、
エアロゾル生成材料を含む物品を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素と、
ヒーター構成要素を取り巻くコイルであって、ヒーター構成要素を加熱するように構成される、コイルと
を備えるエアロゾル供給デバイスが提供され、ヒーター構成要素は約5mmと約10mmの間の内径を有する。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、
エアロゾル生成材料を含む物品と、
第1の態様によるエアロゾル供給デバイスと
を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、
エアロゾル生成材料を含む物品と、
エアロゾル供給デバイスであって、
物品を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素であって、約5mmと約10mmの間の内径を有する、管状のヒーター構成要素と、
ヒーター構成要素を取り巻くコイルであって、ヒーター構成要素を加熱するように構成される、コイルと
を備える、エアロゾル供給デバイスと
を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0006】
本開示の第4の態様によれば、
エアロゾル生成材料を含む物品と、
物品を受け入れるように構成される管状のヒーター構成要素と、
ヒーター構成要素を取り巻くコイルであって、ヒーター構成要素を加熱するように構成される、コイルと
を備えるエアロゾル供給システムが提供され、物品は約0.02mmと約0.06mmの間の厚さを有する外部層を有し、それにより、エアロゾル生成材料の外部表面が、少なくとも外部層の厚さだけヒーター構成要素から離れて配置されるようになっている。
【0007】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照してなされる、単なる一例として与えられる本発明の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの例の正面図である。
【
図2】外部カバーが取り外された
図1のエアロゾル供給デバイスの正面図である。
【
図3】
図1のエアロゾル供給デバイスの横断面図である。
【
図4】
図2のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
【
図5】
図5Aは、エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの横断面図であり、
図5Bは、
図5Aの加熱アセンブリの一部の拡大図である。
【
図6】エアロゾル供給デバイス内で使用するための例示的サセプタの正面図である。
【
図7】例示的サセプタ及び物品の断面の線図表現を示す図である。
【
図8】例示的サセプタの断面の線図表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において使用されるとき、「エアロゾル生成材料」という用語は、加熱すると揮発する、典型的にはエアロゾルの形態の成分を提供する材料を含む。エアロゾル生成材料は任意のタバコ含有材料を含み、また、例えばタバコ、タバコ誘導体、エキスパンデッドタバコ、再生タバコ又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含むことができる。エアロゾル生成材料は、製品に応じてニコチンを含有することも含有しないこともある他の非タバコ製品を含むことも同じく可能である。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス、等々の形態であってもよい。エアロゾル生成材料は、例えば材料の組合せ又は配合であってもよい。エアロゾル生成材料は、「喫煙材」としても知られている。
【0010】
エアロゾル生成材料を加熱して、典型的にはエアロゾル生成材料を燃やすことなく、即ち燃焼させることなく吸入することができるエアロゾルを形成する、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が知られている。このような装置は、時によっては「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」又は「タバコ加熱デバイス」或いは類するものとして説明される。同様に、典型的には、ニコチンを含有することも含有しないこともある液体の形態のエアロゾル生成材料を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスも存在している。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ又はカセット、等々の一部の形態であっても、或いは装置に挿入することができるロッド、カートリッジ、カセット、等々の一部として提供することも可能である。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させるためのヒーターは、装置の「恒久的」部品として提供することができる。
【0011】
エアロゾル供給デバイスは、加熱するためのエアロゾル生成材料を含む物品を受け入れることができる。この文脈における「物品」は、使用中、加熱されてエアロゾル生成材料を揮発させるエアロゾル生成材料を含む、即ち含有する構成要素であり、また、使用中、任意選択で他の構成要素である。ユーザは、加熱されて、次にユーザが吸入するエアロゾルを生成する前に、物品をエアロゾル供給デバイスに挿入することができる。物品は、例えばその物品を受け入れるようにサイズ化されたデバイスの加熱チャンバー内に置かれるように構成される所定のサイズ、又は特定のサイズの物品であってもよい。
【0012】
本開示の第1の態様は、エアロゾル生成材料を含む物品を受け入れる管状のヒーター構成要素を定義する。例えばヒーター構成要素は中空であってもよく、また、その中に物品を受け入れることができる。したがってヒーター構成要素は物品及びエアロゾル生成材料を取り囲む。いくつかの例では、ヒーター構成要素はサセプタである。本明細書においてより詳細に考察されるように、サセプタは電磁誘導によって加熱される導電対象である。サセプタは、インダクタコイルなどの少なくとも1つのコイルによってもたらされる変動磁場を使用してサセプタに浸透することによって加熱される。加熱されると、サセプタは、エアロゾルを解放するエアロゾル生成材料に熱を伝達する。
【0013】
一例では、物品はその性質が管状又は円筒状であり、場合によっては例えば「タバコスティック」として知られており、エアロゾル化することができる材料は、紙又は箔などの材料の1つ又は複数の層で外装される或いは包まれる、特定の形状に形成されたタバコを含むことができる。
【0014】
本開示の第1の態様では、ヒーター構成要素は約5mmと約10mmの間の内径を有する。この範囲内の内径は、ヒーター構成要素内に受け入れられたエアロゾル生成材料を有効に加熱することができることが分かっている。熱はエアロゾル生成材料を通って移動するため、ヒーター構成要素の最も近くに配置されたエアロゾル生成材料が最初に加熱され、一方、ヒーター構成要素の中心に配置されたエアロゾル生成材料は、より後に加熱されることになる。このサイズの寸法を有するヒーター構成要素によれば、ヒーター構成要素の最も近くに配置されたエアロゾル生成材料を過熱させることなく、エアロゾル生成材料の中心を十分な温度に加熱することができる。
【0015】
ヒーター構成要素は約5mmと約8mmの間の内径を有することが好ましい。一例では、内径は約5mmと約6mmの間である。例えば内径は約5.3mmと約5.8mmの間、約5.4mmと約5.7mmの間、又は約5.55mmなどの約5.5mmと約5.6mmの間である。
【0016】
別の例では、内径は約6mmと約7.5mmの間である。例えば内径は約6.5mmと約7.5mmの間、約6.6mmと約6.9mmの間、又は約6.85mmなどの約6.8mmと約6.9mmの間である。別の例では、内径は約6.8mmと約7.3mmの間、又は約7.1mmなどの約7mmと約7.2mmの間である。
【0017】
いくつかの例では、1つ又は複数のコイルは、使用中、ヒーター構成要素を約240°Cと約300°Cの間、又は約250°Cと約280°Cの間の温度に加熱するように構成される。
【0018】
ヒーター構成要素は、約0.025mmと約0.075mmの間の壁厚を有することができる。ヒーター構成要素の厚さは、ヒーター構成要素の内部表面と外部表面の間の平均距離である。この厚さは、ヒーター構成要素の縦方向の軸線に対して直角の方向に測定することができる。壁厚は約0.04mmと約0.06mmの間であってもよい。ヒーター構成要素が速やかに、且つ、最も有効に加熱されることを保証する(熱くする材料をより少なく有することにより)ためには、ヒーター構成要素を薄くすることが望ましい。しかしながらヒーター構成要素が薄すぎると、ヒーター構成要素が壊れやすくなり、また、製造が困難になる。壁厚が約0.025mmと約0.075mmの間であるヒーター構成要素は、これらの考慮事項の間の良好なバランスを提供することが分かっている。ヒーター構成要素は、速やかに加熱する頑丈なヒーター構成要素を提供することができる約0.05mmの壁厚を有することが好ましい。この寸法の壁厚及び上で言及した直径を有するヒーター構成要素は、管状のヒーター構成要素内に配置されるエアロゾル生成材料をとりわけ有効に加熱する。
【0019】
特定の例では、デバイスは、ヒーター構成要素の内径と実質的に同じ外径を有する物品を受け入れるような寸法を有する。このような場合、物品の外部表面は、ヒーター構成要素内に配置されると、ヒーター構成要素の内部表面と接触する。これは、ヒーター構成要素と物品の間に絶縁エアーギャップが存在しないため、加熱が最も有効であることを保証する。物品は、ヒーター構成要素との接触によっても加熱され得る。
【0020】
特定の例では、物品は、約5.4mmなどの約5.3mmと約5.5mmの間の外径を有する。このような物品は、約5mmと約6mmの間の内径を有するヒーター構成要素に使用するのに適する可能性がある。
【0021】
別の例では、物品は、約6.7mmなどの約6.6mmと約6.8mmの間の外径を有する。このような物品は、約6mmと約7.5mmの間の内径を有するヒーター構成要素に使用するのに適する可能性がある。
【0022】
いくつかの例では、物品は、外部層によって取り囲まれたエアロゾル生成材料を含む。外部層は、例えば紙又は箔であってもよい。外部層は特定の厚さを有することができる。例えばこの厚さは約0.02mmと約0.06mmの間であってもよい。
【0023】
特定の例では、物品は、約0.02mmと約0.06mmの間の厚さを有する外部層を有することができ、それにより、物品がヒーター構成要素内に受け入れられると、エアロゾル生成材料の外部表面が、少なくとも外部層の厚さだけヒーター構成要素から離れて配置されるようになっている。したがって物品がヒーター構成要素の内径と実質的に同じ外径を有する例では、外部層はヒーター構成要素の内部表面と当接することができる。その場合、エアロゾル生成材料をヒーター構成要素から分離するのは外部層のみである。しかしながら他の例では、物品は、エアーギャップ及び外部層がエアロゾル生成材料をヒーター構成要素から分離するよう、ヒーター構成要素の内径より小さい外径を有することも可能である。この構成体は、エアロゾル生成材料の加熱に関しては有効性が劣り得るが、ヒーター構成要素へのユーザによる物品の挿入をより容易にすることができる。また、エアーギャップは外部層を部分的に絶縁することも可能であり、したがって外部層が焦げてエアロゾルの香りに影響を及ぼすことはあり得ない。さらに、エアーギャップは、ヒーター構成要素の内部表面に物品が粘着する可能性を小さくすることも可能である。エアロゾル及び水蒸気は、物品をヒーター構成要素に粘着させることがあり、エアーギャップはこの危険を低減することができる。エアーギャップは物品の周りに延在する。
【0024】
いくつかの例では、エアーギャップは、約0mmと約1mmの間又は約0mmと約0.3mmの間の幅を有する。例えばエアーギャップは約0.05mmと約0.3mmの間、約0.05mmと約0.3mmの間、約0.05mmと約0.2mmの間、約0.05mmと約0.15mmの間又は約0.05mmと約0.13mmの間であってもよい。これらの寸法を有するエアーギャップは、より容易な挿入の提供及び粘着の回避(エアーギャップをより広くすることによって)と、加熱効率の改善(エアーギャップをより狭くすることによって)との間の良好なバランスを提供する。
【0025】
したがってエアロゾル生成材料の外部表面は、物品がヒーター構成要素内に受け入れられると、約0.02mmと約1mmの間の距離だけヒーター構成要素の内部表面から離れて配置することができる。エアロゾル生成材料の外部表面は物品の外部層と接触している表面である。エアロゾル生成材料の外部表面は、物品がヒーター構成要素内に受け入れられると、約0.02mmと約0.3mmの間の距離だけヒーター構成要素の内部表面から離れて配置されることが好ましい。これは、適切に加熱されるよう、エアロゾル生成材料が十分近くに配置され、また、エアロゾル生成材料の加熱が停止し得るエアーギャップ間隔を狭くすることを保証する。いくつかの例では、エアロゾル生成材料の外部表面は、約0.1mmと約0.2mmの間、又は約0.12mmと約0.15mmの間、或いは約0.12mmと約0.14mmの間の距離だけヒーター構成要素の内部表面から離れて配置される。この間隔は、適切に加熱されるよう、エアロゾル生成材料が十分に近く、且つ、焦げを回避するだけ十分に離れていることを保証する。さらに、この間隔は物品のより容易な挿入を許容する。
【0026】
いくつかの例では、ヒーター構成要素は縦方向の軸線を画定し、ヒーター構成要素は、この縦方向の軸線に沿って測定される第1の長さを有する。ヒーター構成要素内に受け入れられるエアロゾル生成材料は、この縦方向の軸線に沿って測定される第2の長さを有する。いくつかの構成体では、第2の長さに対する第1の長さの比率は約1.03と1.1の間である。このような場合、エアロゾル生成材料を最も有効に加熱することができ、また、生成されるエアロゾルの温度をより良好に制御することができることが分かっている。ヒーター構成要素はエアロゾル生成材料より長いため、エアロゾルは、エアロゾルがユーザの口に向かって流れる際に、ヒーター構成要素によって加熱され続ける。さらに、ヒーター構成要素の追加の長さのため、ヒーター構成要素の端部に最も近いエアロゾル生成材料は一様に加熱される。エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料が完全に加熱されなくてもフィルターとして作用することができ、それは、ユーザの口に到達するエアロゾルの量を少なくし、且つ、温度を低くする。エアロゾルは、ヒーター構成要素がエアロゾル生成材料を越えて延びすぎると過熱し得る。例えば特定の構成体では、エアロゾル生成材料を含む物品は、エアロゾル生成材料と隣り合わせに配置される熱変位カラーなどの冷却構成要素を含むことができる。ヒーター構成要素は、ヒーター構成要素が長すぎるとこの冷却構成要素を加熱し、以てエアロゾルの温度を制御する際に、冷却構成要素の有効性を減じることになり得る。
【0027】
したがって第2の長さに対する第1の長さの比率が約1.03と1.1の間である場合、最も有効にエアロゾルを加熱することができる。例えば第2の長さに対する第1の長さの比率は、約1.04と1.07の間又は約1.05と1.06の間であってもよい。これらの範囲は、上で言及したいくつかの考慮事項の間の良好なバランスを提供する。
【0028】
上の例では、デバイス/ヒーター構成要素は、エアロゾル生成材料がヒーター構成要素内に受け入れられると、物品/エアロゾル生成材料の遠位端がヒーター構成要素の遠位端と同じ高さになるように構成される。したがってヒーター構成要素の近位端はエアロゾル生成材料の近位端を越えて延びる。近位端は、デバイスが使用中である場合に、ユーザの口に最も近い端部である。したがってエアロゾルは、ユーザがデバイスをふかすと、この近位端に向かって流れる。
【0029】
一例では、ヒーター構成要素の端部は、エアロゾル生成材料の端部を越えて、約5mm未満、約4mm未満、約3mm未満又は約2.5mm未満だけ延びる。また、ヒーター構成要素の端部は、ヒーター構成要素の端部を越えて、約1.5mmより長く、或いは約2mmより長く延びることも同じく可能である。例えばヒーター構成要素の端部は、エアロゾル生成材料の端部を越えて約2.5mmだけ延びることができる。
【0030】
特定の例では、第1の長さは約40mmと約50mmの間、約40mmと約45mmの間、又は約44.5mmなどの約44mmと約45mmの間である。
【0031】
他の例では、第2の長さは約35mmと約49mmの間又は約36mmと約44mmの間である。別の例では、第2の長さは、約42mmなどの約40mmと約44mmの間である。
【0032】
好ましい例では、第1の長さは約44.5mmであり、第2の長さは約42mmである。したがって第1の長さと第2の長さの間の比率は約1.06であり、ヒーター構成要素の近位端は、エアロゾル生成材料の近位端を越えて約2.5mmだけ延びる。
【0033】
ヒーター構成要素は円形の断面を有することができる。ヒーター構成要素は約5mmと約8mmの間の外径を有することができる。例えばヒーター構成要素は、約5.6mmなどの約5mmと約6mmの間の外径を有することができる。
【0034】
特定の構成体では、ヒーター構成要素の近位端は朝顔形に広がっている。つまりヒーター構成要素の端部部分は、ヒーター構成要素の主部分より大きい内径及び外径を有する。朝顔形に広がった領域では、ヒーター構成要素は、主部分におけるよりも物品の外部表面からさらに離れている。朝顔形に広がった端部により、物品をより容易にヒーター構成要素に挿入することができる。一例では、朝顔形に広がった部分は、縦方向の軸線に沿って約1mm未満の長さを有し、この長さは約0.5mmであることが好ましい。この朝顔形に広がった端部も同じく円形の断面を有することができ、外径は約5mmと約7mmの間である。例えばヒーター構成要素の朝顔形に広がった端部は、約6.5mmなどの約6mmと約7mmの間の外径を有する。
【0035】
一構成体では、物品は、約83mm又は約75mmなどの約70mmと90mmの間の全長を有する。物品は、エアロゾル生成材料と隣り合わせに配置される熱変位カラーを含むことができる。
【0036】
いくつかの例では、ヒーター構成要素は炭素鋼を含む。炭素鋼は、誘導磁場の結果としてのジュール加熱による熱、並びに磁気ヒステリシスによる追加熱を生成する強磁性体である。炭素鋼は、エアロゾル生成材料の有効な加熱を提供することが分かっている。
【0037】
一例では、ヒーター構成要素は軟鋼を含む。
【0038】
ヒーター構成要素は、1つ又は複数の他の材料によって少なくとも部分的にめっきすることも可能である。つまり炭素鋼の導電材料を1つ又は複数の他の材料でコーティングすることも可能である。めっき/コーティングは、電気めっき、物理蒸着、等々による方法などの任意の適切な方法で加えることができる。
【0039】
一例では、ヒーター構成要素は少なくとも部分的にニッケルでめっきされる。ニッケルは良好な腐食防止特性を有し、したがってヒーター構成要素の腐食を防止する。別法としては、ヒーター構成要素は、少なくも部分的にコバルトをめっきすることも可能である。コバルトも同じく良好な腐食防止特性を有する。さらに、ニッケル及びコバルトも同じく強磁性であり、したがって磁気ヒステリシスによって追加熱を生成する。
【0040】
ヒーター構成要素は約0.1未満の放射率を有することができる。一例では、ヒーター構成要素を例えばニッケル又はコバルトでめっき/コーティングすることによって低放射率を達成することができる。ヒーター構成要素が低放射率を有している場合、放射によってエネルギーが失われる割合が低減される。放射されるエネルギーが環境へ失われることになると、このような放射は、システムエネルギー効率を低減し得る。したがって放射率が約0.1未満のヒーター構成要素は、エアロゾル生成材料の加熱にはより有効である。
【0041】
物体の放射率は、よく知られている技法を使用して測定することができる。
【0042】
ヒーター構成要素は約0.06と約0.09の間の放射率を有することが好ましい。
【0043】
特定の例では、ヒーター構成要素は、少なくとも部分的にニッケルでめっきされる炭素鋼を含むことができる。このようなヒーター構成要素は約0.06と約0.09の間の放射率を有することができる。
【0044】
ニッケル又はコバルトのめっきは、ヒーター構成要素の内部表面及び外部表面などのヒーター構成要素全体を覆うことが好ましい。ヒーター構成要素の外側をコーティングすることにより、ヒーター構成要素の放射率を低くすることができ、以て放射によって失われる熱の量を少なくすることができる。
【0045】
別法としては、めっきはヒーター構成要素の内部表面のみを覆うことも可能であり、以て必要なニッケル/コバルトの量を少なくすることができる。
【0046】
一例では、ヒーター構成要素は、少なくとも99重量%の鉄を含む合金を含む。鉄の含有量が多い材料は強い強磁性特性を示し、誘導磁場の結果としてのジュール加熱による熱、並びに磁気ヒステリシスによる追加熱を生成する。したがって鉄の含有量が多いヒーター構成要素は、ヒーター構成要素を加熱するより有効な方法を提供する。合金は少なくとも99.1重量%の鉄を含むことが好ましい。より特定的には、合金は、約99.15重量%と約99.65重量%の間の鉄などの約99.0重量%と約99.7重量%の間の鉄を含むことができる。合金は、いくつかの例では炭素鋼であってもよい。
【0047】
合金は約99.18重量%と約99.62重量%の間の鉄を含むことが好ましい。したがっていくつかの例では、ヒーター構成要素はAISI 1010炭素鋼を含む。AISI 1010炭素鋼は、アメリカ鉄鋼研究所によって定義されている炭素鋼の特定の仕様である。
【0048】
言及したように、ヒーター構成要素は少なくとも部分的にニッケル又はコバルトでめっきすることも可能である。
【0049】
一例では、ヒーター構成要素は約0.25gと約1gの間の質量を有する。例えばヒーター構成要素は約0.25gより重い質量を有することができる。別法としては、ヒーター構成要素は約1g未満の質量を有することも可能である。
【0050】
この範囲内の質量を有するヒーター構成要素は、エアロゾル生成材料の加熱にとりわけ有効であることが分かっている。例えば低質量ヒーター構成要素は、ヒーター構成要素の速やかな加熱を許容し、また、ヒーター構成要素に蓄えられるエネルギーの量の低減を同じく許容し、延いてはエアロゾル生成材料に対するより高い熱伝達効率をもたらす。したがって質量が約1g未満のヒーター構成要素は、エアロゾル生成材料の加熱にうってつけである。さらに、デバイスの総質量を低減するためには、また、コストを低減するためには低質量であることが好ましい。それとは対照的に、重量が軽すぎるヒーター構成要素は、場合によっては容易に損傷し、また、製造が困難である。上記範囲内の質量は、これらの考慮事項の間の良好なバランスを提供する。
【0051】
ヒーター構成要素は約0.25gと約0.75gの間の質量、又は約0.4gと約0.6gの間の質量を有することが好ましい。ヒーター構成要素は約0.5gの質量を有することがより一層好ましい。
【0052】
一例では、ヒーター構成要素は第1の質量を有し、また、エアロゾル生成材料は第2の質量を有し、第2の質量に対する第1の質量の比率は約1.5と約2.5の間である。例えば比率は約1.8と約2.2の間又は約1.9と約2の間であってもよい。比率がこの範囲内である場合、ヒーター構成要素は、短い時間期間内で有効にエアロゾル生成材料を加熱することができることが分かっている。例えばエアロゾル生成材料は、ほぼ20秒で約250°Cに加熱することができる。
【0053】
第2の質量は約0.25gと約0.35gの間であってもよい。質量は、約0.26gなどの約0.25gと約0.27gの間であることが好ましい。
【0054】
特定の例では、第1の質量は、約0.5gなどの約0.4gと約0.6gの間であり、また、第2の質量は、約0.26gなどの約0.25gと約0.27gの間である。第1の質量が0.5gであり、また、第2の質量が0.26gである例では、第2の質量に対する第1の質量の比率は約1.9である。
【0055】
ヒーター構成要素は7g cm-3と9g cm-3の間の密度を有することができる。密度は、約7.8g cm-3と7.9g cm-3の間などの約7g cm-3と8g cm-3の間であることが好ましい。
【0056】
ヒーター構成要素は単体構造を有することができる。単体構造は、ヒーター構成要素が容易に製造することができ、また、破砕する可能性が低いことを意味し得る。
【0057】
ヒーター構成要素は、最初に材料(金属など)のシートをチューブに圧延し、且つ、シームに沿ってヒーター構成要素を密閉/溶接することによって形成することができる。いくつかの例では、シートの複数の端部は、それらが密閉される際に重畳する。他の例では、シートのこれらの端部は、それらが密閉される際に重畳しない。別の例では、ヒーター構成要素は、最初に深絞り技法によって形成される。この技法は、シームレスであるヒーター構成要素を提供することができる。しかしながら上で言及した第1の例は、より短い時間期間でヒーター構成要素を製造することができる。
【0058】
シームレスヒーター構成要素を形成する他の方法は、比較的薄い中空チューブを提供するために、比較的分厚い中空チューブの壁厚を薄くするステップを含む。壁厚は、比較的分厚い中空チューブを変形させることによって薄くすることができる。一例では、スエージ加工技法を使用して壁を変形させることができる。一例では、中空チューブの内部円周が大きくなるハイドロフォーミングによって壁を変形させることができる。高圧流体がチューブの内部表面に圧力を加えることができる。別の例では、アイアニングによって壁を変形させることができる。例えばヒーター構成要素チューブの壁を2つの表面の間で一体にプレスすることができる。
【0059】
デバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られるタバコ加熱デバイスであることが好ましい。
【0060】
上で簡単に言及したように、いくつかの例では、コイル(複数可)は、使用中、少なくとも1つの導電加熱構成要素からエアロゾル生成材料へ熱エネルギーを導くことができ、以てエアロゾル生成材料が加熱されるよう、少なくとも1つの導電加熱構成要素/素子(ヒーター構成要素/素子として同じく知られている)を加熱させるように構成される。
【0061】
いくつかの例では、コイル(複数可)は、使用中、少なくとも1つの加熱構成要素/素子に浸透するための変動磁場を生成し、以て少なくとも1つの加熱構成要素の誘導加熱及び/又は磁気ヒステリシス加熱をもたらすように構成される。このような構成体では、個々の加熱構成要素は「サセプタ」と呼ぶことができる。使用中、少なくとも1つの導電加熱構成要素に浸透するための変動磁場を生成し、以て少なくとも1つの導電加熱構成要素の誘導加熱をもたらすように構成されるコイルは、「誘導コイル」又は「インダクタコイル」と呼ぶことができる。
【0062】
デバイスは加熱構成要素(複数可)、例えば導電加熱構成要素(複数可)を含むことができ、また、加熱構成要素(複数可)は、加熱構成要素(複数可)のこのような加熱を可能にするために、コイル(複数可)に対して適切に配置することができ、或いは配置可能である。加熱構成要素(複数可)はコイル(複数可)に対して固定位置に置くことができる。別法としては、デバイス及びこのような物品の両方が少なくとも1つのそれぞれの加熱構成要素、例えば少なくとも1つの導電加熱構成要素を備えることができ、また、物品が加熱ゾーンに存在している場合に、コイル(複数可)にデバイス及び物品の各々の加熱構成要素(複数可)を加熱させることができる。
【0063】
いくつかの例では、コイル(複数可)は螺旋状である。いくつかの例では、コイル(複数可)は、エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されるデバイスの加熱ゾーンの少なくとも一部を取り囲む。いくつかの例では、コイル(複数可)は加熱ゾーンの少なくとも一部を取り囲む螺旋コイル(複数可)である。加熱ゾーンは、エアロゾル生成材料を受け入れるように形状化されたレセプタクルであってもよい。
【0064】
いくつかの例では、デバイスは、加熱ゾーンを少なくとも部分的に取り囲む導電加熱構成要素を備え、また、コイル(複数可)は、導電加熱構成要素の少なくとも一部を取り囲む螺旋コイル(複数可)である。いくつかの例では、導電加熱構成要素は管状である。いくつかの例では、コイルはインダクタコイルである。
【0065】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイス100の例を示したものである。おおざっぱに言えば、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換可能物品110を加熱して、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾル又は他の吸入可能媒体を生成するために使用することができる。
【0066】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲んで収納するハウジング102(外部カバーの形態の)を備えている。デバイス100は、加熱アセンブリによって加熱するために物品110を挿入することができる開口104を一方の端部に有している。使用中、物品110は、完全に、又は部分的に加熱アセンブリに挿入することができ、そこでヒーターアセンブリの1つ又は複数の構成要素によって物品110を加熱することができる。
【0067】
この例のデバイス100は第1の端部部材106を備えており、この第1の端部部材106は、物品110が所定の位置に位置していない場合、開口104を閉じるために第1の端部部材106に対して動かすことができる蓋108を備えている。
図1では、蓋108は開いた構成で示されているが、蓋108は閉じた構成に移動することができる。例えばユーザは、蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせることができる。
【0068】
デバイス100は、押されるとデバイス100を動作させるボタン又はスイッチなどの、ユーザが動作させることができる制御要素112を同じく含むことができる。例えばユーザは、スイッチ112を操作することによってデバイス100をターンオンさせることができる。
【0069】
また、デバイス100は、デバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを受け入れることができるソケット/ポート114などの電気構成要素を同じく備えることができる。例えばソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0070】
図2は、外部カバー102が取り外され、また、物品110が存在しない
図1のデバイス100を描写したものである。デバイス100は縦方向の軸線134を画定している。
【0071】
図2に示されているように、第1の端部部材106はデバイス100の一方の端部に配置され、また、第2の端部部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。第1の端部部材及び第2の端部部材106、116は、相俟って少なくとも部分的にデバイス100の端部表面を画定している。例えば第2の端部部材116の底部表面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部表面を画定している。外部カバー102の縁も同じく端部表面の一部を画定することができる。この例では蓋108は、デバイス100の頂部表面の一部を同じく画定している。
【0072】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用中、ユーザの口に最も近いため、この開口104に最も近いデバイス100の端部は、場合によってはデバイス100の近位端(又は口端部)として知られている。使用中、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を動作させてエアロゾル生成材料の加熱を開始し、また、デバイス中に生成されたエアロゾルをふかす。これによりエアロゾルがデバイス100を通って、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって流れる。
【0073】
開口104から最も遠いデバイスのもう一方の端部は、使用中、ユーザの口から最も遠い端部であるため、この開口104から最も遠いデバイスのもう一方の端部は、場合によってはデバイス100の遠位端として知られている。デバイス中に生成されたエアロゾルをユーザがふかすと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れる方向に流れる。
【0074】
デバイス100は電力源118をさらに備えている。電力源118は、例えば充電式バッテリー又は非充電式バッテリーなどのバッテリーであってもよい。適切なバッテリーの例には、例えばリチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなど)及びアルカリバッテリーがある。バッテリーは、エアロゾル生成材料を加熱するために、要求されると、コントローラ(図示せず)の制御の下で電力を供給するべく加熱アセンブリに電気結合されている。この例ではバッテリーは、バッテリー118を所定の位置に維持する中央サポート120に接続されている。
【0075】
デバイスは少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備えている。電子モジュール122は、例えば印刷回路基板(PCB)を備えることができる。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ及びメモリを支持することができる。PCB122は、デバイス100の様々な電子構成要素を一体に電気接続するための1つ又は複数の電気トラックを同じく備えることができる。例えばバッテリー端子は、デバイス100全体に電力を分配することができるよう、PCB122に電気接続することができる。また、ソケット114も、電気トラックを介して同じくバッテリーに電気結合することができる。
【0076】
例示的デバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備えている。誘導加熱は、電磁誘導によって導電対象(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、例えば1つ又は複数のインダクタコイル、及び交流電流などの可変電流を誘導素子を通して流すためのデバイスを備えることができる。誘導素子中の可変電流は変動磁場をもたらす。変動磁場は、誘導素子に対して適切に配置されたサセプタに浸透し、サセプタの内部に渦電流を生成する。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有し、したがってこの抵抗に逆らう渦電流の流れにより、ジュール熱によってサセプタが加熱される。サセプタが鉄、ニッケル又はコバルトなどの強磁性体を含んでいる場合、サセプタ中の磁気ヒステリシス損、即ち変動磁場との磁気双極子の整列の結果として、磁気材料中の磁気双極子の可変配向によって同じく熱が生成され得る。例えば伝導による加熱と比較すると、誘導加熱では、熱はサセプタの内部に生成され、したがって速やかに加熱することができる。さらに、誘導ヒーターとサセプタとの間の何らかの物理的接触は不要であり、したがって構築及び用途の自由が促進される。
【0077】
例示的デバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書においては「サセプタ」と呼ばれている)、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126を備えている。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は導電材料からできている。この例では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、螺旋インダクタコイル124、126を提供するために螺旋状に巻かれるリッツ線/ケーブルからできている。リッツ線は、個々に絶縁され、且つ、まとめて撚られて単一の線に形成される複数の個別の線を備えている。リッツ線は、導体の表皮効果損を小さくするように設計されている。例示的デバイス100では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、長方形の断面を有する銅リッツ線からできている。他の例では、リッツ線は円などの他の形の断面を有することができる。
【0078】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成され、また、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成されている。この例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の縦方向の軸線134に沿った方向に第2のインダクタコイル126と隣り合わせになっている(即ち第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は重畳していない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタ又は2つ以上の個別のサセプタを備えることができる。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の端部130はPCB122に接続することができる。
【0079】
第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有することができることは認識されよう。例えば第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有することができる。より詳細には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有することができる。
図2では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124の方が第2のインダクタコイル126よりもサセプタ132の短いセクションにわたって巻かれるよう、長さが異なっている。したがって第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる数の回を備えることができる(個々の回同士の間の間隔は実質的に同じであることを仮定して)。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料で構築することも可能である。いくつかの例では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は実質的に全く同じであってもよい。
【0080】
この例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は逆方向に巻かれている。これは、インダクタコイルが異なる時間に駆動される場合に有用であり得る。例えば最初に第1のインダクタコイル124を駆動して物品110の第1のセクションを加熱することができ、後の時間に第2のインダクタコイル126を駆動して物品110の第2のセクションを加熱することができる。コイルを逆方向に巻くことにより、特定のタイプの制御回路と共に使用される場合、非駆動コイルに誘導される電流の低減が促進される。
図2では、第1のインダクタコイル124は右巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左巻き螺旋である。しかしながら別の実施形態では、インダクタコイル124、126は同じ方向に巻くことも可能であり、或いは第1のインダクタコイル124を左巻き螺旋にし、第2のインダクタコイル126を右巻き螺旋にすることも可能である。
【0081】
この例のサセプタ132は中空であり、したがってエアロゾル生成材料が受け入れられるレセプタクルを画定している。例えば物品110はサセプタ132に挿入することができる。この例ではサセプタ120は管状であり、円形の断面を有している。
【0082】
図2のデバイス100は、概ね管状で、少なくとも部分的にサセプタ132を取り囲むことができる絶縁部材128をさらに備えている。絶縁部材128は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材料から構築することができる。この特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構築されている。絶縁部材128は、サセプタ132内に生成された熱からのデバイス100の様々な構成要素の絶縁を補助することができる。
【0083】
また、絶縁部材128は、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126を完全に、或いは部分的に支持することも可能である。例えば
図2に示されているように、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は絶縁部材128の周りに配置されており、また、絶縁部材128の半径方向に外側に向かっている表面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126と当接していない。例えば絶縁部材128の外部表面と、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の内部表面との間に小さいギャップが存在していてもよい。
【0084】
特定の例では、サセプタ132、絶縁部材128並びに第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、サセプタ132の縦方向の中心軸線の周りに同軸である。
【0085】
図3は、デバイス100の側面図を部分断面で示したものである。この例では外部カバー102が存在している。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の長方形の断面形状をより明確に見ることができる。
【0086】
デバイス100は、サセプタ132の一方の端部と係合してサセプタ132を所定の位置に維持するサポート136をさらに備えている。サポート136は第2の端部部材116に接続されている。
【0087】
デバイスは、制御要素112内で連携された第2の印刷回路基板138を同じく備えることができる。
【0088】
デバイス100は、デバイス100の遠位端に向かって配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備えている。ばね142によって第2の蓋140を開き、サセプタ132へのアクセスを提供することができる。ユーザは、第2の蓋140を開いてサセプタ132及び/又はサポート136をきれいにすることができる。
【0089】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から遠ざかる方向にデバイスの開口104に向かって延びている延長チャンバー144をさらに備えている。保持クリップ146は少なくとも部分的に延長チャンバー144内に配置されており、物品110がデバイス100内に受け入れられると、物品110と当接して維持する。延長チャンバー144は端部部材106に接続されている。
【0090】
図4は
図1のデバイス100の分解図であり、外部カバー102は省略されている。
【0091】
図5Aは、
図1のデバイス100の一部の断面を描写したものである。
図5Bは、
図5Aのある領域の拡大を描写したものである。
図5A及び
図5Bは、サセプタ132内に受け入れられた物品110を示している。この例では、例示的物品110は、物品110の外部表面がサセプタ132の内部表面と当接するような寸法を有する。これは、加熱が最も有効であることを保証する。他の例では、物品の外部表面とサセプタ132の内部表面の間にエアーギャップが存在していてもよい。この例の物品110はエアロゾル生成材料110aを含んでいる。エアロゾル生成材料110aはサセプタ132内に配置されている。物品110は、フィルター及び/又は冷却構造などの他の構成要素を含むことも同じく可能である。いくつかの例では、物品110は、紙及び/又は箔などの材料の外部層を有している。
【0092】
図5Bは、サセプタ132の外部表面が、サセプタ132の縦方向の軸線158に対して直角の方向に測定した距離150だけインダクタコイル124、126の内部表面から間隔を隔てられていることを示している。特定の一例では、距離150は約3mm~4mm、約3mm~3.5mm又は約3.25mmである。
【0093】
図5Bは、絶縁部材128の外部表面が、サセプタ132の縦方向の軸線158に対して直角の方向に測定した距離152だけインダクタコイル124、126の内部表面から間隔を隔てられていることをさらに示している。特定の一例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接して接触するよう、実質的に0mmである。
【0094】
一例では、サセプタ132は、約0.05mmなどの約0.025mmと約0.075mmの間の壁厚154を有している。
【0095】
一例では、サセプタ132は約40mmと約60mmの間、又は約44.5mmなどの約40mmと約45mmの間の長さを有している。
【0096】
一例では、絶縁部材128は約0.25mmと約2mmの間、又は約0.5mmなどの約0.25mmと約1mmの間の壁厚156を有している。
【0097】
図6はサセプタ132を描写したものであり、サセプタ132は、この例では単一片の材料から構築されており、したがって単体構造を有している。上で言及したように、サセプタ132は中空の管状であり、エアロゾル生成材料を含んだ物品を受け入れることができる。この例ではサセプタ132は実質的に円筒状であり、実質的に円形の断面を有しているが、他の例ではサセプタ132は、例えば長円形、楕円形、多角形、四辺形、長方形、正方形、三角形、星形又は不規則な断面を有することも可能である。
【0098】
エアロゾル生成材料をサセプタ内により容易に受け入れることができるようにするために、サセプタ132は朝顔形に広がった端部を有することができる。朝顔形に広がった端部は、エアロゾル生成材料を受け入れるサセプタ132の端部に向かって形成されている。この例では、朝顔形に広がった端部はサセプタ132の近位/口端部に配置されている。別の例では、朝顔形に広がった端部は、サセプタ132がその長さに沿って実質的に同じ大きさの断面を有するよう、省略することも可能である。
【0099】
図7は、サセプタ132及び例示的物品110の断面の線図表現を描写したものである。物品110はサセプタ132内に受け入れられている。
【0100】
示されているように、サセプタ132は、サセプタの縦方向の軸線158に対して直角の方向に測定した長さ202を有している。
図6に示されているように、サセプタ132は外径204を有しており、この外径は、サセプタ132の外縁同士の間で、軸線158に対して直角の方向に測定されている。外径204は約5mmと約7mmの間であってもよい。サセプタ132の内径は約5mmと約7mmの間であってもよい。内径は、サセプタ132の内部表面同士の間で、軸線158に対して直角の方向に測定されている。
【0101】
図5~
図8の例では、サセプタ132の内径は、約5.5mmなどの約5.4mmと約5.6mmの間である。外径204は、約5.6mmなどの約5.5mmと約5.7mmの間である。壁厚154は、例えば約0.05mmであってもよい。
【0102】
サセプタの朝顔形に広がった部分は、約6.5mmなどの約6mmと約7mmの間の外径206を有することができる。
【0103】
簡単に言及したように、物品110はエアロゾル生成材料110aを含んでおり、このエアロゾル生成材料110aはサセプタ132によって完全に取り囲まれている。
【0104】
いくつかの例では、物品110は、熱変位カラーなどの冷却セグメント/構成要素110bをさらに備えている。一例では、冷却セグメント110bは、冷却セグメント110bがエアロゾル生成材料110a及びフィルターセグメント110cと当接関係になるよう、エアロゾル生成材料110aのボディーとフィルターセグメント110cの間に、エアロゾル生成材料110aのボディーと隣り合わせに配置されている。他の例では、エアロゾル生成材料110aのボディーと冷却セグメント110bの間、及び冷却セグメント110bとフィルターセグメント110cの間に分離が存在していてもよい。
【0105】
冷却セグメント110bは、エアロゾルが冷却セグメント110bを通って流れる際に、エアロゾルを冷却するように作用する。特定の例では、冷却セグメント110bは紙からできており、エアロゾルを約40°C冷却する。一例では、冷却セグメント110bの長さは少なくとも15mmである。例えば冷却セグメント110bの長さは、約25mmなどの20mmと30mmの間であってもよい。
【0106】
物品110はフィルターセグメント110cを同じく含むことができる。フィルターセグメント110cは、エアロゾル生成材料からの、加熱されて揮発した成分から、1つ又は複数の揮発した化合物を十分に除去する任意のフィルター材料で形成することができる。物品110には、より多い、又はより少ない構成要素が同じく存在し得る。
【0107】
示されている例では、物品110は外部層110dによって取り囲まれている。外部層110bは、例えば紙又は箔であってもよい。外部層110dは物品110の全長にわたって覆うことができ、或いは物品110の長さの一部のみを覆うことができる。エアロゾル生成材料110aは外部層110dによって取り囲まれることが好ましい。
【0108】
外部層110dは約0.02mmと約0.06mmの間の厚さ230を有することができる。他の例では、この厚さ230は約0.01mmと約0.1mmの間であってもよい。
【0109】
図7の例では、物品110を取り囲んでいるエアーギャップ332が存在している。したがって物品の外部表面は、物品がサセプタ132の中心に配置されると、距離234だけサセプタ132の内部表面から間隔を隔てる。
【0110】
したがって
図7の例では、エアロゾル生成材料の外部表面は、外部層110dの厚さ230及びエアーギャップ332の幅234だけサセプタの内部表面から離れて配置されている。エアロゾル生成材料110aの外部表面は、約0.02mmと約0.25mmの間の距離236だけサセプタ132の内部表面から離れて配置されることが好ましい。したがってエアーギャップ332の幅234は、例えば約0mmと約0.18mmの間であってもよい。示されている例では、エアロゾル生成材料110aの外部表面は、約0.15mmの距離236だけサセプタ132の内部表面から離れて配置されている。
【0111】
いくつかの例では、物品110の外部表面がサセプタ132の内部表面と当接するよう、エアーギャップは存在していない。したがってエアロゾル生成材料110aの外部表面は、外部層110dの厚さ230だけサセプタ132の内部表面から離れて配置される。このような場合、物品110の外径はサセプタ132の内径と実質的に同じになる。
【0112】
図7に示されているように、物品110はサセプタ132内に受け入れられており、サセプタ132の遠位端208はエアロゾル生成材料110aの遠位端と同じ高さであることが好ましい。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132の長さ202より短くてもよい長さ212を有している。サセプタ132の近位端214は、距離218だけエアロゾル生成材料110aの近位端216を越えて延びていることが好ましい。距離218は、例えば約1mmと約5mmの間であってもよい。
【0113】
サセプタ132の長さ202は約40mmと約50mmの間であってもよく、また、エアロゾル生成材料110aの長さ212は約35mmと約49mmの間であってもよい。長さ212に対する長さ202の比率は約1.03と約1.1の間であることが好ましい。
【0114】
この例では、長さ212に対する長さ202の比率が約1.06であるよう、サセプタ132の長さ202は約44.5mmであり、また、エアロゾル生成材料110aの長さ212は約42mmである。サセプタ132の近位端214は、約2.5mmの距離218だけエアロゾル生成材料110aの近位端216を越えて延びている。
【0115】
この例では、サセプタ132の朝顔形に広がった端部は、エアロゾル生成材料110aの近位端216が朝顔形に広がった部分から約2mm離れた距離222に位置するよう、約0.5mmの距離220だけサセプタ132に沿って延びている。
【0116】
いくつかの例では、サセプタは約0.25gと約1gの間の質量を有している。エアロゾル生成材料110aは約0.25gと約0.35gの間の質量を同じく有することができる。この例では、サセプタは約0.5gの質量を有しており、また、エアロゾル生成材料110aは約0.26gの質量を有している。
【0117】
図8は、
図6に示されている線A-Aに沿ったサセプタ132の断面を描写したものである。この例に示されているように、サセプタ132は、サセプタ132の断面の形が円になるよう、円筒状である。サセプタ132は内部表面132a及び外部表面132bを有している。内部表面132aは、外部表面132bよりも半径方向に縦方向の軸線158に近い。既に言及したように、サセプタ132は、縦方向の軸線158に対して直角の方向224に測定した、内部表面132aと外部表面132bの間の平均距離である厚さ154を有している。厚さ154は約0.025mmと0.075mmの間であってもよい。
【0118】
この例では厚さは約0.05mmであり、サセプタの外径204は約5.6mm、また、内径238は約5.5mmである。したがって壁厚154に対する外径204の比率は、約112などの約110と115の間であってもよい。
【0119】
サセプタ132は、炭素鋼などの導電材料からできており、この導電材料は、少なくとも部分的にニッケル又はコバルトでめっきすることができる。サセプタは、サセプタ132の少なくとも内部表面132aがめっきされることが好ましい。サセプタ132の厚さ154はめっきの厚さを含む。
【0120】
いくつかの例では、ニッケル又はコバルトのめっきは約10ミクロン(0.01mm)の厚さを有している。しかしながら他の実施形態では、めっきは、50ミクロン以下又は20ミクロン以下の厚さなどの異なる厚さを有することができる。例えばめっきは約15ミクロンの厚さを有することができる。
【0121】
特定の例ではサセプタ132は、少なくとも99重量%の鉄を含む合金を含む。例えば導電材料は少なくとも99重量%の鉄を含み、また、少なくとも部分的にニッケル又はコバルトでめっきされている。サセプタ132は約99.18重量%と99.62重量%の間の鉄を有する炭素鋼を含み、ニッケル又はコバルトのコーティングを有していることが好ましい。鉄の含有量が約99.18重量%鉄と99.62重量%鉄の間である炭素鋼は、場合によってはAISI 1010炭素鋼として知られている。
【0122】
上記実施形態は、本発明の例証例として理解されたい。本発明の他の実施形態が想定されている。任意の1つの実施形態に関連して説明されている特徴は、すべて、単独で、又は説明されている他の特徴と組み合わせて使用することができ、また、任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて、或いは任意の他の実施形態の任意の組合せで使用することも可能であることを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、上では説明されていない等価物及び修正を使用することも可能である。
【国際調査報告】