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特表2022-524426チューブ状封止要素を生産するための方法および装置
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  • 特表-チューブ状封止要素を生産するための方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】チューブ状封止要素を生産するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/684 20060101AFI20220422BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20220422BHJP
   E04B 1/82 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
E04B1/684 B
E04B1/94 H
E04B1/82 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554630
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020055444
(87)【国際公開番号】W WO2020182520
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】16/353,975
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】オーベル, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】バムバッハ, ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンミュラー, ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】ジルデ, アナン
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001DE01
2E001DF01
2E001FA04
2E001FA09
2E001FA51
2E001GA65
2E001HD01
2E001HD03
2E001HD08
2E001HE02
(57)【要約】
チューブ状封止要素を生産するための方法および装置に関する。
カーテンウォール構築物のセーフィングスロットを封止するための方法、特に、騒音、煙、および火災に関して、ならびに該当する場合は水に関してスロットを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための方法、ならびにそのようなチューブ状封止要素を生産するための装置、ならびにカーテンウォール構築物内の周辺ジョイントを防火、防煙、防音、および防水封止するための、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の使用、を説明する。特に、異なるセーフィングスロット寸法に対して、チューブ状封止要素を連続的かつエンドレスに生産するための改善された方法を説明する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物ジョイントを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための方法であって、
a)コンベアベルト上に第1のフィルムを提供するステップと、
b)前記第1のフィルムの頂部側を流れることが可能な反応混合物を適用するステップと、
c)前記適用された反応混合物の上に、および前記第1のフィルムの第1および第2の側部縁部領域の上に第2のフィルムを提供するステップと、
d)前記第2のフィルムの第1の側部縁部領域と前記第1のフィルムの前記第1の側部縁部領域とを接続し、前記第2のフィルムの第2の側部縁部領域と前記第1のフィルムの前記第2の側部縁部領域とを接続して、第1および第2の接続領域を有する略円筒形のチューブ状封止要素を生産するステップであって、
前記反応状態において、生産される前記チューブ状封止要素の内部容積に対応するような様式で、適用するべき前記流動可能な反応混合物の体積が測定され、
前記第1のフィルムの一部および前記第2のフィルムの一部が、前記反応混合物を完全に取り囲む、生産するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
e)任意選択的に、前記チューブ状封止要素を穿孔するステップと、
f)前記流動可能な反応混合物が発泡することを可能にし、それによって、所望のプロファイルジオメトリを成形するステップと、
g)前記チューブ状封止要素を通気させるステップと、
h)前記チューブ状封止要素を所望の長さに切断するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
i)接着剤層を適用するステップと、
j)任意選択的に、水の移動のための開口部または穿孔を作成するステップと、
k)任意選択的に、前記接続領域の外側を溶接して、完全な水密性を達成するステップと、をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップd)が、熱溶接による接続プロセスを含む、請求項1~3のうちの1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のフィルムおよび/または前記第2のフィルムが、積層体からなる、請求項1~4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
前記流動可能な反応混合物が、ポリウレタンに基づく膨張性の連続気泡発泡体材料である、請求項1~5のうちの1項に記載の方法。
【請求項7】
接着剤層を適用することが、ホットメルト接着剤ガンなどの接着剤送給装置を使用して行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
水の移動のための開口部または穿孔を作成することが、レーザを適用することによって生じる、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記チューブ状封止要素が、遮断および封止するための耐熱性の可撓性発泡体材料を含み、前記チューブ状封止要素が、前記セーフィングスロット内に位置決めするためのものであり、前記チューブ状封止要素が、底部側カバーと、頂部側カバーと、前記チューブ状封止要素を前記カーテンウォール構築物の前記内壁表面に取り付けるための第1の接続領域と、前記チューブ状封止要素を前記床の前記外側縁部に取り付けるための第2の接続領域と、を含み、前記頂部側カバーが、互いから空間的に配置された2つの位置において前記底部側カバーに接続され、前記底部側カバーおよび前記頂部側カバーが、前記耐熱性の可撓性発泡体材料を取り囲む、請求項1~8のうちの1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、連続的かつエンドレスな方法である、請求項1~9のうちの1項に記載の方法。
【請求項11】
流動可能な反応混合物を混合および適用するための鋳造システムを有する、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを封止するための、チューブ状封止要素を生産するための装置であって、
a)第1のフィルムを供給するための第1の送給装置と、
a)第2のフィルムを供給するための第2の送給装置と、
c)前記第1および第2のフィルムを平らに敷設し、それを運搬するための少なくとも1つの運搬手段と、
d)前記第1のフィルムを成形するための成形ショルダと、
e)流動可能な反応混合物を適用するための測定システムと、
f)前記第2のフィルムの第1の側部縁部領域と前記第1のフィルムの前記第1の側部縁部領域とを接続し、前記第2のフィルムの第2の側部縁部領域と前記第1のフィルムの前記第2の側部縁部領域とを接続するための熱溶接システムと、
g)前記流動可能な反応混合物が発泡することを可能にするための反応セグメントと、
h)フィルムの正確な案内のための運搬技術と、を備える、装置。
【請求項12】
g)前記流動可能な反応混合物が発泡することを可能にするための反応セグメントと、
h)前記フィルムの正確な案内のための運搬技術と、
i)該当する場合は、所望のプロファイルジオメトリを成形するための少なくとも1つのコンベアベルトまたはプロファイルと、
j)前記チューブ状封止要素を通気させるための穿孔ユニット、
k)前記接続要素を穿孔するための穿孔ユニットと、
l)該当する場合は、前記チューブ状封止要素を所望の長さに切断するための切断ユニットと、をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1および前記第2のフィルムを供給するための前記送給装置が、少なくとも1つのロールを備える、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記フィルムの正確な案内のための前記運搬技術が、案内要素を有するコンベアベルトを備える、請求項11~13のうちの1項に記載の装置。
【請求項15】
請求項1~10のうちの1項に記載の方法に従って、および/または請求項11~14のうちの1項に記載の装置によって生産される、チューブ状封止要素。
【請求項16】
カーテンウォール構築物内の周辺ジョイントの防火、防煙、防音、および防水封止のための、請求項15に記載のチューブ状封止要素の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを封止するための方法、特に、騒音、煙、および火災に関して、ならびに該当する場合は水に関してチューブ状封止要素を生産するための方法、そのようなチューブ状封止要素を生産するための装置、ならびにカーテンウォール構築物内の周辺ジョイントを防火、防煙、防音、および防水封止するための、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の使用に関する。特に、本発明は、異なるセーフィングスロット寸法に対して、チューブ状封止要素を連続的かつエンドレスに生産するための改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールは、一般に、現代の建物構築物に使用および適用され、また、外壁が非構造的である該構築物の外装であるが、単に、天気から保護し、居住者を保持するだけである。カーテンウォールは、通常、軽量材料で作製され、構築コストおよび重量を低減させる。ガラスをカーテンウォールとして使用する場合、大きな利点は、自然光が建物内により深く入り込むことができることである。
【0003】
カーテンウォールは、一般に、そこに入射する水平風荷重を、建物の床または支柱の接続部を通して主建築構造物に伝達する。カーテンウォールは、空気および水の浸入、建物に作用する風および地震によって誘発される揺れ、およびそれ自体の死荷重重量力に抵抗するように設計される。カーテンウォールは、それらが複数の階に架かるように、ならびに熱膨張および収縮、建物の揺れおよび運動、排水などの設計要件、ならびに建物内を費用効果的に暖房、冷房、および照明するための熱効率を考慮するように設計されているという点で、ストアフロントのシステムとは異なる。
【0004】
異なるタイプのカーテンウォール構造物、例えば、フォイル表面カーテンウォール遮断材、鋼製バックパン設計を含む、またはガラス、特に仕上げ床レベルより下側に延在するビジョンガラスを含む、一般的なカーテンウォール設計を有するカーテンウォール構造物が存在する。
【0005】
典型的なカーテンウォール構成は、垂直スタッド、いわゆる方立、および水平スタッド、いわゆる無目の輪郭形成されたフレームワークを備える。これらの輪郭の間の隙間は、窓領域内のガラスパネルまたは床の前方内のスパンドレルパネルのいずれかで満たされる。一般的なスパンドレル設計は、絶縁材料で満たされた、予め製造された金属パンを備える。スパンドレルと床との間の残存空隙は、火災、煙、および音に対して封止され、かつ特定の運動に耐えなければならない。
【0006】
モジュール式設計では、バックパン、またはカーテンウォールの内面にわたって延在する金属もしくは他の材料であり得る他の類似の構築物などの内部パネルを含む、カーテンウォール構造物が一般的である。カーテンウォールの内部パネルは、一般に、強烈な日光または火災事象などの際の熱などの、強風または高温に晒されたときに、容易に曲がること、歪むこと、または別様に変形することができる、金属または遮断材材料から作製される。これらの内部パネルが曲がること、歪むこと、または変形することは、嵐または火災中に床構築物の外側縁部と外部カーテンウォール構築物との間のセーフィングスロット内で完全な熱の遮断および封止を維持しようとする際に、重大な問題をもたらし得る。特に、熱、煙、および炎がある階から隣接する階に広がることを防止するために、火災中に常に完全な熱的遮断および封止を維持することが重要である。さらに、水の浸入を防止すること、ならびに建築構造物内の水の移動を阻止すること、およびセーフィングスロット封止システムの水密性を強化することが重要であり、すなわち、概して、セーフィングスロット内の遮断材および封止の止水特性を強化することが重要である。
【0007】
床とカーテンウォールの内壁表面との間の空隙は、セーフィングスロットを画定し、周辺スラブ縁部(空洞)または周辺ジョイントとも称され、カーテンウォール構築物の内壁表面と床の外側縁部との間に延在する。このセーフィングスロットは、階の間の火災および燃焼ガスの通過を遅れさせることが重要である。したがって、熱、煙、および炎が、ある階から隣接する階に広がらないようにするために、セーフィングスロットでの防火を向上させることが非常に重要である。周辺スラブ縁部での防火が、床スラブの耐火等級の継続とみなされることに留意することが重要である。
【0008】
建物内の火災および煙の拡散、ならびに建物へのまたは建物からの火災の拡散から保護するために隣接する空間の構造的な防火および分離に使用するための公認の材料、システム、およびアセンブリを得るために、国際建築基準法IBC2012は、新しいおよび既存の建物および構造物の居住者の公衆衛生、安全、および一般的な福祉を保護するための最小限の要件を提供する。国際建築基準法IBC2012第715.4節によれば、外部カーテンウォールアセンブリおよびそのような床アセンブリの交差部に生じる空洞は、耐火等級の床または床/天井アセンブリが必要とされる場所での火災の内部拡散を防止するための承認されたシステムによって封止されるものとされる。そのようなシステムは、ASTM E2307に従って確実に設置し、試験して、少なくとも床アセンブリの耐火等級に等しい期間にわたってF等級を提供するものとされる。
【0009】
特にクラスIVの運動分類を有するASTM表記:E1399ー97(2005年再承認)による要件を満たすことが知られている、複雑なカーテンウォールシステムは極めて少ない。クラスIVは、熱、風、揺れ、および地震運動タイプの組み合わせである。これらは、水平および垂直両方の条件で、本発明に従って試験した。E1399「周期的運動のための標準試験方法と建築用ジョイントシステムの最小および最大ジョイント幅の測定」は、例えば地震などの地面の運動、さらには地震または高い風荷重または寿命負荷下での運動のシミュレーションに使用される。
【0010】
しかしながら、上記の基準を満たすカーテンウォール構造物に使用されることが知られている防火、防煙、防音、および防水システムは存在しない。追加的に、隔離する目的でミネラルウールだけを使用することが知られている、数多くの封止システムが存在する。しかしながら、ミネラルウール自体は、水密性ではなく、それをカーテンウォール構造物のセーフィングスロット内に用いる前にコーティングするか、または別様に含侵させて、浸水を防止するだけでなく、水の移送を阻止し、かつセーフィングスロット封止システムの水密性を強化しなければならない。したがって、上記のことに対処し、遮断材の止水特性およびセーフィングスロット内の封止を強化し、費用効果的で、連続的に生産することができる、代替的なセーフィングスロット充填システムに対する必要性が存在する。
【0011】
騒音および煙に関して建物ジョイント、特に接続ジョイントを封止するための、プロファイルストランドおよびジョイントコアなどのチューブ状封止要素を生産するための異なる方法は、最新技術から、例えばDE3038524A1およびUS2,898,634から知られている。DE102010008570A1は、防火ジョイントコードを生産するための方法を説明しており、該方法では、膨張性発泡体をチューブの中へ流し、そこに発泡体を生じさせる。DE102010008570A1の不利な点は、チューブの所定の直径、ならびに製造プロセス中に生じ得る材料塊の蓄積、または生産されるジョイントコード内の材料塊の不足である。
【0012】
最新技術のシステムは、乾式壁構築物内で使用するためのジョイント製品のためのプロセスに関するものであり、カーテンウォール構築物内のためのものではない。これらのプロセスには、例えば、システムの複雑な洗浄ステップによる、または複雑な改装による生産中の相当な時間の消費、高いコスト、複数の構成要素または複雑な構築物要素からなるジョイントコアまたはチューブ状封止要素の構造物、不十分な被切断能力、建物ジョイント、特に接続ジョイントに関する大きい重量または非常に不便な設置、などの、追加的な不利な点が存在する。
【0013】
したがって、本発明の目的は、少なくとも1つの垂直骨組み部材および少なくとも1つの水平骨組み部材、ならびにカーテンウォール構築物の内壁表面と床の外側縁部との間に延在するセーフィングスロットを画定するカーテンウォール構築物の内壁表面から空間的に配置された少なくとも1つの床を含む内壁表面によって画定されたカーテンウォール構築物を有する建物構築物内のセーフィングスロットを効果的に熱的遮断および封止するための、特にそれらを騒音、火災、および煙に関して、および該当する場合は水に関して封止するための、チューブ状封止要素を生産するための方法を提供することであり、この方法は、既知の方法の不利な点を回避する。特に、本発明の目的は、異なるセーフィングスロット寸法についてそのようなチューブ状封止要素を連続的かつエンドレスに生産するための改善された方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、そのようなチューブ状封止要素のコスト的に有利で、経済的で、連続的で、かつエンドレスな生産を可能にする装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、防音、防煙、防火、および/または防水封止のための、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の使用を提供することである。
【0016】
以下の本発明の説明から明らかになるこれらのおよび他の目的は、独立請求項に記載の本発明によって達成される。従属請求項は、好適な実施形態に関する。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、カーテンウォール構築物のセーフィングスロットを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための方法に関し、該方法は、
a)コンベアベルト上に第1のフィルムを提供するステップと、
b)第1のフィルムの頂部側を流れることが可能な反応混合物を適用するステップと、
c)適用された反応混合物の上に、および第1のフィルムの第1および第2の側部縁部領域の上に第2のフィルムを提供するステップと、
d)第2のフィルムの第1の側部縁部領域と第1のフィルムの第1の側部縁部領域とを接続し、第2のフィルムの第2の側部縁部領域と第1のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続して、第1および第2の接続領域を有する略円筒形のチューブ状封止要素を生産するステップであって、
反応状態において、生産されるチューブ状封止要素の内部容積に対応するような様式で、適用するべき流動可能な反応混合物の体積が測定され、
第1のフィルムの一部および第2のフィルムの一部が、反応混合物を完全に取り囲む、生産するステップと、を含む。
【0018】
本発明は、流動可能な反応混合物を混合および適用するための鋳造システムを有する、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを封止するための、チューブ状封止要素を生産するための装置にさらに関し、該装置は、
a)第1のフィルムを供給するための第1の送給装置と、
b)第2のフィルムを供給するための第2の送給装置と、
c)第1および第2のフィルムを平らに敷設し、それを運搬するための少なくとも1つの運搬手段と、
d)第1のフィルムを成形するための成形ショルダと、
e)流動可能な反応混合物を適用するための測定システムと、
f)第2のフィルムの第1の側部縁部領域と第1のフィルムの第1の側部縁部領域とを接続し、第2のフィルムの第2の側部縁部領域と第1のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続するための熱溶接システムと、
g)流動可能な反応混合物が発泡することを可能にするための反応セグメントと、
h)フィルムの正確な案内のための運搬技術と、を備える。
【0019】
さらに、本発明は、カーテンウォール構築物内の周辺ジョイントの防火、防煙、防音、および防水封止するための、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の使用に関する。
【0020】
本発明の他の目的および特性は、部分的に明らかであり、また、下で部分的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の主題を、以下の図を参照することによってより詳細にさらに説明する。
図1】床の外側縁部とカーテンウォール構築物の内壁表面との間に配設され、最初にカーテンウォール構築物の水平骨組み部材(床レベル、すなわちゼロスパンドレルの無目)に設置および取り付けられたときの、ビジョンガラスが完成した床レベルより下側に延在する、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の一実施形態の側断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の範囲内で、以下の用語を使用した。
本発明に関する文脈で、「カーテンウォール構造物」または「カーテンウォール構築物」という用語は、1つ以上の骨組み部材およびカーテンウォール構築物の内壁表面から空間的に配置された少なくとも1つの床を含む内壁表面によって画定された壁構造体を指す。特に、これは、フォイル表面カーテンウォール遮断材、鋼製バックパン設計を含む、またはガラス、特に完成した床レベルより下側に延在するビジョンガラスを含む、一般的なカーテンウォール設計を有するカーテンウォール構造物を指す。
【0023】
本発明に関する文脈で、「セーフィングスロット」という用語は、上で定義したカーテンウォール構築物の床と内壁表面との間の空隙を指し、これはまた、カーテンウォール構築物の内壁表面と床の外側縁部との間に延在する、「周辺スラブ縁部」または「周辺ジョイント」とも称される。
【0024】
本発明に関する文脈で、「内壁表面」という用語は、上で定義したカーテンウォール構築物の内側対向面を指し、例えば、塞がれたビジョンガラスの内側対向面および骨組み部材の内側対向面を指す。
【0025】
本発明に関する文脈で、「接続領域」という用語は、「取り付け領域」ともみなされ、チューブ状封止要素の本体から外方に突出する可撓性の翼またはタブを指し、これらは、発泡体材料(本体)を取り囲む底部側カバーおよび頂部側カバー(翼状)の一部を構成する。接続領域は、好ましくは、底部側カバーが頂部側カバーに接続される領域内で本体の上隅部に位置決めされる。
【0026】
本発明に関する文脈で、「止水特性を強化する」という用語は、浸水の防止、ならびに建物構造物内の水の移動の阻止、およびセーフィングスロット封止システムの水密性の強化を指す。
【0027】
本発明の範囲内の「膨張」という用語は、これに関しては、例えば火災が生じた場合に、材料が熱の影響下で膨張し、難燃性材料からなる遮断層を形成すること、すなわちそれが膨張することを意味する。
【0028】
「有する(has/have)」「有している(having)」、および「有する(has/have)」という用語は、包括的であるとみなされ、言及した要素を除く他の要素も意図され得ることを意味する。
【0029】
本発明の範囲内で使用される単数形「a」および「an」はまた、文脈が異なる結論を明らかに許容しない限り、対応する複数形も含む。したがって、例えば、「a」という用語は、別途指示されない限り、「1つ以上」または「少なくとも1つ」を意味することを前提としている。
【0030】
一態様において、本発明は、カーテンウォール構築物のセーフィングスロットを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための方法に関し、該方法は、
a)コンベアベルト上に第1のフィルムを提供するステップと、
b)第1のフィルムの頂部側を流れることが可能な反応混合物を適用するステップと、
c)適用された反応混合物の上に、および第1のフィルムの第1および第2の側部縁部領域の上に第2のフィルムを提供するステップと、
d)第2のフィルムの第1の側部縁部領域と第1のフィルムの第1の側部縁部領域とを接続し、第2のフィルムの第2の側部縁部領域と第1のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続して、第1および第2の接続領域を有する略円筒形のチューブ状封止要素を生産するステップであって、
反応状態において、生産されるチューブ状封止要素の内部容積に対応するような様式で、適用するべき流動可能な反応混合物の体積が測定され、
第1のフィルムの一部および第2のフィルムの一部が、反応混合物を完全に取り囲む、生産するステップと、を含む。
【0031】
さらなる態様において、本発明は、流動可能な反応混合物を混合および適用するための鋳造システムを有する、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを封止するための、チューブ状封止要素を生産するための装置に関し、該装置は、
a)第1のフィルムを供給するための第1の送給装置と、
b)第2のフィルムを供給するための第2の送給装置と、
c)第1および第2のフィルムを平らに敷設し、それを運搬するための少なくとも1つの運搬手段と、
d)第1のフィルムを成形するための成形ショルダと、
e)流動可能な反応混合物を適用するための測定システムと、
f)第2のフィルムの第1の側部縁部領域と第1のフィルムの第1の側部縁部領域とを接続し、第2のフィルムの第2の側部縁部領域と第1のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続するための熱溶接システムと、
g)流動可能な反応混合物が発泡することを可能にするための反応セグメントと、
h)フィルムの正確な案内のための運搬技術と、を備える。
【0032】
さらに別の態様において、本発明は、カーテンウォール構築物内の周辺ジョイントの防火、防煙、防音、および防水封止するための、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の使用に関する。
【0033】
そのようなチューブ状封止要素は、米国特許出願第16/353,434号で詳細に説明されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0034】
本発明による方法は、特に、騒音、煙、および火災に関して、ならびに該当する場合は水に関して、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを確実に封止封止するために、簡単で、連続的で、経済的で、かつコスト的に有利な方法でチューブ状封止要素を生産するのに特に好適であることを見出した。特に、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素は、生産ラインの僅かな修正によって、異なるセーフィングスロット幅の適用に対して、断面形状に関して異なる幅で容易に生産することができる。
【0035】
したがって、本発明の目的は、カーテンウォール構築物のセーフィングスロットを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための方法を説明することである。さらに、本発明の目的は、カーテンウォール構築物のセーフィングスロットを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための装置を詳細に説明することである。さらに、本発明の目的は、カーテンウォール構築物内の周辺ジョイントの防火、防煙、防音、および防水封止のための、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の使用を説明することである。
【0036】
そのようなチューブ状封止要素は、本発明に従って生産することができ、本発明では、好適な流動可能な反応混合物を第1のフィルムに適用し、続いて、その第1の側部縁部領域を、提供された第2のフィルムの第1の側部縁部領域と接続し、続いて、その第2の側部縁部領域を、提供された第2のフィルムの第2の側部縁部領域と接続して、略円筒形のチューブ状封止要素を生産し、変形可能な発泡材料が、フィルムと共に反応セグメントを通過し、そして、第1および第2の接続領域を有するチューブ状封止要素に形成される。
【0037】
このために、建物ジョイントを封止するためのチューブ状封止要素を生産するための本発明による方法は、
a)コンベアベルト上に第1のフィルムを提供するステップと、
b)第1のフィルムの頂部側を流れることが可能な反応混合物を適用するステップと、
c)適用された反応混合物の上に、および第1のフィルムの第1および第2の側部縁部領域の上に第2のフィルムを提供するステップと、
d)第2のフィルムの第1の側部縁部領域と第1のフィルムの第1の側部縁部領域とを接続し、第2のフィルムの第2の側部縁部領域と第1のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続して、第1および第2の接続領域を有する略円筒形のチューブ状封止要素を生産するステップであって、
反応状態において、生産されるチューブ状封止要素の内部容積に対応するような様式で、適用するべき流動可能な反応混合物の体積が測定され、
第1のフィルムの一部および第2のフィルムの一部が、反応混合物を完全に取り囲む、生産するステップと、を含む。
【0038】
さらに、本発明による方法は、
e)任意選択的に、チューブ状封止要素を穿孔するステップと、
f)流動可能な反応混合物が発泡することを可能にし、それによって、所望のプロファイルジオメトリを成形するステップと、
g)チューブ状封止要素を通気させるステップと、
h)チューブ状封止要素を所望の長さに切断するステップと、を含む。
【0039】
さらに、本発明による方法は、
i)接着剤層を適用するステップと、
j)任意選択的に、水の移動のための開口部または穿孔を作成するステップと、
k)任意選択的に、接続領域の外側を溶接して、完全な水密性を達成するステップと、を追加的に含む。
【0040】
本発明によれば、本方法の第1のステップにおいて、利用可能な第1のフィルムを作製することは、少なくとも1つのローラを備えることができる送給装置によって行い、それによって、第1のフィルムが回転ロールのフィルム供給部から供給される。このステップにおいて、通気させるためにフィルムを穿孔することは、任意選択である。
【0041】
これは、提供される第1のフィルムが、底部側積層体などの底部側カバーである場合に有用である。この積層体は、少なくとも2つの層を備えることができ、好ましくは3つの層を備える。特に、底部側積層体は、プラスチックフォイル層を備え、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、などを含み、メッシュ層は、プラスチックフォイル層の間に、最も好ましくは、2つのポリエチレンフォイル層の間に積層される。最も好ましい実施形態において、底部側積層体は、2つのポリエチレン層の間に積層ガラス繊維メッシュ層を有する積層体である。あるいは、底部側カバーはまた、織布材料からの層または強化層、織布、フォイル、強化繊維布、など、またはこれらの組み合わせの1つ以上の層または組み合わせからなり得る。フィルムの材料は、好ましくは、発泡体システムといかなる接着接続もしない積層体材料である。チューブ状封止要素を生産する場合、フィルムシース内でのフィルム材料の発泡はまた、発泡プロセス中に膨張するフィルムの外輪郭を決定する支持金型内でも行うことができる。
【0042】
本発明による方法の次のステップでは、フィルムを、運搬手段、好ましくはコンベアベルトまたはベルトコンベア上に敷設し、フィルムの側部縁部領域が僅かに直立して設定される成形ショルダの上を通過させ、よって、次のステップで、流動可能な反応混合物を適用することができる。
【0043】
本発明によれば、本方法では、変形可能で流動可能な反応混合物が使用される。これに関して、材料は、塑性的または弾性的に変形可能であり得る。好ましくは、変形可能で流動可能な反応混合物は、ポリエチレン混合物、ポリウレタン混合物、またはセルラーゴム混合物である。特に、完成したチューブ状封止要素は、発泡体材料、発泡ゴム、セルラーゴム、などの、圧縮後に復元可能である材料からなる。言及することができる可能な発泡体材料は、ポリエチレン発泡体材料およびポリウレタン発泡体材料などの通常の発泡体材料、またはセルラーゴムである。これに関して、発泡体材料は、超低空気通過抵抗を有する連続気泡発泡体材料、同様に、極めて低い空気通過値を有する独立気泡発泡体材料とすることができる。上述の2つの極端な場合の間にある空気通過値を有する発泡体材料もまた、本発明の範囲内で使用することができる。流動可能な反応混合物は、ポリウレタン混合物であることが特に好ましく、最も好ましくは、ポリウレタンに基づく膨張性の連続気泡発泡体材料である。
【0044】
本発明による方法に従って生産されるチューブ状封止要素は、フィルムで外装された、例えばセルラーゴムまたはポリウレタンフォームなどの緩燃性発泡体材料からなる場合に有利であることが分かった。緩燃性発泡体材料の場合、火災が発泡体材料を通して広がる可能性がない。開始材料として上述した発泡体材料の場合、独立点火は除外する。火災が生じた場合、ドリッピングも起こらないことが有利である。500℃~800℃の温度範囲において、緩燃性発泡体材料は、その初期容積の、それでも少なくとも20%、少なくとも25%、好ましくはそれでも少なくとも30%、20%~60%、20%~40%、好ましくは25%~30%を有するべきである。さらに、500℃~800℃の温度範囲において、緩燃性発泡体材料は、その初期質量の、それでも少なくとも10%、少なくとも20%、好ましくはそれでも30%、10%~40%、10%~30%、好ましくは15%~20%を有するべきである。
【0045】
さらに、変形可能で流動可能な反応混合物は、例えば膨張などの防火特性が所望される場合、対応する添加剤を含有することができる。熱の影響下で、火災が生じた場合、材料が膨張して、低い引火性を有する材料からなる遮断層を形成する。多量の遮断層、すなわちアッシュ層の形成は、熱の影響下で互いに反応する、互いに調整された対応する化合物からなる混合物の化学反応の結果として生じ得る。そのようなシステムは、化学膨張という用語の下で当業者に知られており、本発明に従って使用することができる。あるいは、多量の遮断層は、熱の影響下で2つの化合物の間に化学反応を行わせることなくガスを放出させる、単一の化合物の膨張によって形成することができる。そのようなシステムは、物理的な膨張という用語で当業者に知られており、また、本発明に従って使用することもできる。本発明によれば、各事例において、2つのシステムは、単独でまたは共に、組み合わせとして使用することができる。
【0046】
本発明の方法の最も好ましい実施形態において、流動可能な反応混合物は、向上した疎水性を有する防火添加剤を含む膨張性の連続気泡発泡体材料である。好ましくは、膨張性のオープンセル発泡体材料は、ポリウレタンに基づく発泡体材料である。耐熱性の可撓性発泡体材料は、非圧縮状態の90kg/mの密度を有することが好ましい。
【0047】
流動可能な反応混合物は、上流の混合プロセスで、例えば鋳造システムなど流動可能な反応混合物を適用するのに好適なシステムで混合することができる。
【0048】
本発明によれば、流動可能な反応混合物の適用は、フィルムの頂部側に対して均一な直角測定によって行う。特に、本発明によるチューブ状封止要素の生産において、流動可能な反応混合物は、開口フィルムの頂部側に直角に均一に測定することが必要である。結果として、既に製造したチューブの材料質量に生じる生産プロセス中の蓄積、または生産されるジョイントコードの材料塊の不足が防止される。好ましくは、硬化後の状態において、生産されるチューブ状封止要素の内部容積に対応するような様式で、適用される流動可能な反応混合物の体積が測定される。
【0049】
本発明によれば、本方法の次のステップにおいて、利用可能な第2のフィルムを作製することは、少なくとも1つのローラを備えることができる送給装置によって行い、それによって、第2のフィルムが回転ロールのフィルム供給部から供給される。
【0050】
これは、提供される第2のフィルムが、頂部側積層体などの頂部側カバーである場合に有用である。この積層体は、少なくとも2つの層を備えることができ、好ましくは3つの層を備える。特に、頂部側積層体は、アルミニウム層、プラスチックフォイル層、およびメッシュ層を備え、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、などを含む。最も好ましくは、頂部側積層体は、ポリエチレンバックを有する強化アルミニウム層で構成される。あるいは、頂部側カバーはまた、織布材料からの層または強化層、織布、フォイル、強化繊維布、など、またはこれらの組み合わせの1つ以上の層または組み合わせからなり得る。
【0051】
底部側カバーおよび頂部側カバーは、材料特性および意図する機能に応じて、異なるまたは同じ材料とすることができる。しかしながら、底部側カバーおよび頂部側カバーは、異なる材料であることが好ましい。
【0052】
チューブ状封止要素の特定の好ましい実施形態において、底部側積層体のメッシュ層および/または頂部側積層体のメッシュ層は、ガラス繊維材料またはセラミック繊維材料で作製される。繊維メッシュは、発泡体材料を適所で保持し、システムの安定性を強化するために使用され、ならびに耐熱性の可撓性発泡体材料が火と接触したときに封止部を安定させる。底部側積層体のメッシュ層および/または頂部側積層体のメッシュ層は、例えば、2つの層の可燃性のフォイルの間に積層させることができる。さらに、メッシュ層は、固定すること、または固定しないことができる。好ましくは、頂部側積層体のメッシュ層のメッシュサイズは、底部側積層体のメッシュ層のメッシュサイズと異なる。好ましくは、メッシュサイズは、約2mm×2mm~約10mm×10mmの範囲、より好ましくは約5mm×5mmである。
【0053】
第2のフィルムは、適用された反応混合物の上に、および第1のフィルムの第1および第2の側部縁部領域の上に提供される。
【0054】
本方法の次のステップにおいて、フィルムの接続を行い、フィルムによって反応混合物を包み込む。特に、本方法は、第2のフィルムの第1の側部縁部領域と第1のフィルムの第1の側部縁部領域とを接続し、第2のフィルムの第2の側部縁部領域と第1のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続して、第1および第2の接続領域を有する略円筒形のチューブ状封止要素を生産するステップであって、反応状態において、生産されるチューブ状封止要素の内部容積に対応するような様式で、適用するべき流動可能な反応混合物の体積が測定され、第1のフィルムの一部および第2のフィルムの一部が、反応混合物を完全に取り囲む、生産するステップを含む。
【0055】
好ましくは、充填されたフィルムは、運搬技術を使用して溶接システムに渡され、そこでは、熱溶接によって接続を行い、フィッシュフィン溶接シームを形成する。これに関して、フィルムは、反応混合物を完全に取り囲むべきである。
【0056】
このようにして形成されるこのチューブ状封止要素は、続いて、運搬技術によって反応セグメントの上を通過させ、そのセグメントにおいて、流動可能な反応混合物の発泡を行う。好ましくは、流動可能な反応混合物の発泡は、15~90秒の期間にわたって行う。本発明の方法の特定の実施形態において、運搬技術は、コンベアベルトまたはフィルムの正確な案内のための誘導要素、例えばナッブまたは陥凹を有するベルト運搬装置を備える。
【0057】
該当する場合は、反応セグメントの上を案内する間に、所望のプロファイルジオメトリの成形を行うことができる。好ましくは、所望のプロファイルジオメトリは、少なくとも1つのコンベアベルトまたはプロファイルによって形成することができる。
【0058】
本方法によれば、チューブ状封止要素の断面形状は、一般に、長方形状、台形状、円形状、またはU字形状である。好ましくは、チューブ状封止要素の断面形状は、長方形状である。チューブ状封止要素は、カーテンウォール構築物内の異なるセーフィングスロット幅に適用するために、断面形状に関して異なる幅で容易に生産することができ、例えば、チューブ状封止要素は、運搬手段の適用によって、1.5インチ~3インチ(38.1mm~76.2mm)のセーフィングスロット幅に使用する約3.54インチ(約90mm)の幅、2インチ~4インチ(50.8mm~101.6mm)のセーフィングスロット幅に使用する約4.53インチ(約115mm)の幅、さらには3インチ~5インチ(76.2mm~127mm)のセーフィングスロット幅に使用する約5.55インチ(約141mm)の幅で生産することができる。これらの異なるサイズは、チューブ状封止要素をセーフィングスロットの中へ圧入する必要がないという点で、設置を容易にする。略台形の断面形状を有するチューブ状封止要素を有する代替の実施形態では、チューブ状封止要素の大きいほうの側をカーテンウォール側に位置決めすることができ、チューブ状封止要素の小さいほうの側を床側に位置決することができる。例えば、チューブ状封止要素は、カーテンウォール側に3.5インチの厚さ、および床側に2.375インチの厚さを有し、それによって、防火を強化することができる。また、台形状の任意の他の寸法も可能である。
【0059】
続いて、チューブ状封止要素の通気を行う。この通気は、反応ガスが漏出すること、および蓄積した圧力を逃がすことを可能にするために、穿孔ユニットによるフィルムの穿孔、または溶接前の接続領域を介した要素の通気のいずれかによって行うことができる。この通気は、フィルムマントルが発泡体から遊離し、膨張することを防止する。通気はまた、例えば針または針ロールを使用して、またはスリットパンチもしくはホールパンチによって、フィルムに小さい開口部を開けることによって行うこともできる。好ましくは、フィルムの穿孔は、針を適用した回転ロールにことによって行う。また、後の生産ステップで再度チューブ状封止要素を穿孔して、主にCOである結果として生じるガスの排出を増進することも可能である。この再度開口する結果として、第1のプロセスステップで通気させる役割を果たす小さい第1の穿孔を介して、発泡体を通して緩やかにガスを放出させる必要はないが、迅速に排出することができ、また、反応セグメントを出るときのフィルムの無制御の/意図しない膨張または脱離が回避される。これによって、プロセス時間が大幅に短縮する。チューブ状封止要素を通気させることは、フィルムチューブに取り囲まれた周囲空気および流動可能な反応混合物の発泡反応中に生じる反応ガスが漏出することを可能にし、それによって、チューブ状封止要素内に、またはフィルムの下に泡の形成を生じさせ得るガスの包含を防止する。穿孔によって、およびそれによるガスの漏出の可能性によって、均一な成形が確実になる。
【0060】
さらに、本方法はまた、所望に応じて、接着剤層をチューブ状封止要素に適用するステップも備えることができる。接着剤層の適用は、好ましくは、ホットメルト接着剤ガンなどの接着剤送給装置によって行われる。好ましい実施形態において、接着剤層は、第1の接続領域および/または第2の接続領域に位置決めされ、接着剤層は、接続領域の上側または下側に位置決めすることができる。最も好ましくは、接着剤層は、接続領域の下側に適用される。接着剤層は、ホットメルト接着剤、ブチルシーリング、両面接着剤、自己接着剤層であることが好ましい。好ましい実施形態では、接着剤の裏紙を含む、適用される接着剤層は、ホットメルト自己接着剤層である。最も好ましい実施形態において、接着剤のベーカーは、シリコーン紙である。
【0061】
さらに、本方法はまた、水の移動させるための開口部または穿孔を第2のフィルムに作成するステップも備えることができる。これらの開口部または穿孔の作成は、レーザの印加、針による穿孔、スリットパンチもしくはホールパンチ、切断、などによって、フィルムに小さい開口部を開けることによって行うことができる。好ましい実施形態において、チューブ状封止要素の底部側カバーは、水が建物構造物の中へ、したがって封止要素の中へ侵入した場合に、チューブ状封止要素の内側から外側へ水を移動させるための開口部または穿孔が作成され、一方で、頂部側カバーは、好ましくは、例えば雨による頂部側からの水の浸入を防止するために、穿孔または開口部を含まない。代替的な実施形態において、頂部側カバーの外面は、凸状である。
【0062】
さらに、本方法はまた、所望に応じて完全な水密性を達成するために、接続領域の外側部を溶接するステップも備えることができる。
【0063】
結論として、該当する場合は、完成したチューブ状封止要素が切断ユニットに渡され、連続生産が所望されない場合に、チューブ状封止要素を所望の長さに切断することが行われる。切断は、好ましくは、生産/ベルト速度と同期するカッタによって行われる。したがって、製品の変形および圧縮は、不要である。切断は、好ましくは、遊星ギヤに着座させた円盤ブレードによって行われる。切断および製品を同期して、好ましくは3つのローラによってベルトを偏向させることによって、移動する切り目が下層のベルトに作成される。これらの3つのローラは、場合により別個の軸も介して、カッタと機械的に最適に同期する。
【0064】
本発明による方法は、それによって、チューブ状封止要素のコスト的に有利で、経済的で、連続的で、かつエンドレスな生産を可能にする。本発明による方法は、好ましくは、そのようなチューブ状封止要素を生産するための装置によって実行される。
【0065】
そのような、流動可能な反応混合物を混合および適用するための鋳造システムを有する、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを封止するための、チューブ状封止要素を生産するための装置は、
a)第1のフィルムを供給するための第1の送給装置と、
b)第2のフィルムを供給するための第2の送給装置と、
c)第1および第2のフィルムを平らに敷設し、それを運搬するための少なくとも1つの運搬手段と、
d)第1のフィルムを成形するための成形ショルダと、
e)流動可能な反応混合物を適用するための測定システムと、
f)第1のフィルムの第1の側部縁部領域と第2のフィルムの第1の側部縁部領域とを溶接し、第1のフィルムの第2の側部縁部領域と第2のフィルムの第2の側部縁部領域とを接続するための熱溶接システムと、
g)流動可能な反応混合物が発泡することを可能にするための反応セグメントと、
h)フィルムの正確な案内のための運搬技術と、を備える。
【0066】
好ましくは、第1の送給装置は、第1のフィルムを供給するための少なくとも1つのローラを備える。さらに好ましくは、フィルムの正確な案内のための運搬技術は、コンベアベルトまたは誘導要素を有するベルトコンベアを備える。好ましくは、コンベアベルトまたは所望のプロファイルジオメトリを成形するためのプロファイルには、任意の所望の形状を与えることができ、または任意の所望の形状は、コンベアベルトまたはプロファイルによって生産することができ、それによって、チューブ状封止要素のプロファイルジオメトリを予め決定することができる。
【0067】
さらに、装置は、ローラの形態で第2のフィルムを供給するための第2の送給装置を備える。
【0068】
運搬技術は、所望のプロファイルジオメトリを成形するための少なくとも1つのコンベアベルトまたはプロファイル、ならびにローラ、ナッブ、などのフィルムの正確な案内のための手段を含む。
【0069】
本発明による装置は、
i)チューブ状封止要素を通気させるための少なくとも1つの穿孔ユニットと、
j)接着剤送給装置と、
k)任意選択的に、水を移動させるための開口部または穿孔を作成するためのユニットと、
l)任意選択的に、完全な水密性を達成するために接続領域の外側部を溶接することと、
m)チューブ状封止要素を所望の長さに切断するための切断ユニットと、をさらに備えることができる。
【0070】
本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の特定の実施形態は、遮断および封止するための耐熱性の可撓性発泡体材料を含み、チューブ状封止要素は、セーフィングスロット内に位置決めするためのものであり、チューブ状封止要素は、底部側カバーと、頂部側カバーと、を含み、頂部側カバーは、互いから空間的に配置された2つの位置において底部側カバーに接続され、底部側カバーおよび頂部側カバーは、耐熱性の可撓性発泡体材料を取り囲み、チューブ状封止要素をカーテンウォール構築物の内壁表面に取り付けるための第1の接続領域と、チューブ状封止要素を床の外側縁部に取り付けるための第2の接続領域と、を含む。好ましくは、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素は、カーテンウォール構築物内のセーフィングスロットを封止するために、特に、騒音、煙、および火災に関して、ならびに該当する場合は水に関してスロットを封止するために使用される。そのようなチューブ状封止要素は、米国特許出願第16/353,434号で詳細に説明されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0071】
本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の寸法およびプロファイルジオメトリならびに材料は、チューブ状封止要素の計画された使用に従って選択され、本発明による方法によって容易に実施することができる。
【0072】
本発明に従って生産されるチューブ状封止要素を1つ以上の構成要素上に位置決めすることは、1つのステップで行うことができる。本発明に従って生産されるチューブ状封止要素のカーテンウォール構築物内のそのような設置は、米国特許出願第16/353,856号で詳細に説明されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0073】
本発明の保護の範囲を制限することなく、本発明を、図1を使用してより詳細に説明するが、該図は、床の外側縁部とカーテンウォール構築物の内壁表面との間に配設され、最初にカーテンウォール構築物の水平骨組み部材(床レベル、すなわちゼロスパンドレルの無目)に設置および取り付けられたときの、ビジョンガラスが完成した床レベルより下側に延在する、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の一実施形態の側断面図を示す。特に、動的な熱的遮断および封止システム100は、最初に、1つ以上の骨組み部材、すなわち、垂直骨組み部材-方立2-および床レベルに位置する水平骨組み部材-横木3-を含む内壁表面1、ならびにカーテンウォール構築物の内壁表面1と床4の外側縁部6との間に延在するセーフィングスロット5を画定するカーテンウォール構築物の内壁表面1から空間的に配置された少なくとも1つの床4によって画定された、ガラスカーテンウォール構築物のゼロスパンドレル領域の領域内に設置される。骨組み部材2および3は、完成した床レベルより下側に延在するビジョンガラス7で塞がれる。本発明の動的な熱的遮断および封止システム100は、耐熱性の可撓性発泡体材料11を共に取り囲む頂部側カバー9および底部側カバー10を備える、チューブ状封止要素8を有する。発泡体材料は、ある割合の防火添加剤材料、好ましくは発泡グラファイトを伴う、ポリウレタン基部上の膨張性の発泡体材料である。火災事象中に、膨張性材料は、防火機能を提供するアッシュクラストを作成する。発泡体の組成、すなわち密度、防火、フィラーの割合、などは、必要な防火機能がセーフィングスロットに提供されるように調整することができる。好ましくは、チューブ状封止要素8は、上面12と共にほぼ長方形の断面を有し、下面13は、互いにほぼ平行に配設され、第1の側面14および第2の側面15は、互いにほぼ平行に配設される。好ましくは、頂部側カバー9は、上面12を構築する頂部側積層体9であり、一方で、底部側カバー10は、好ましくは、下面13ならびに側面14および15を構築する底部側積層体10である。耐熱性の可撓性発泡体材料11は、頂部側カバー9および底部側カバー10によって取り囲まれ、耐熱性の可撓性発泡体材料11は、頂部側カバー9の内面および底部側カバー10の内面に接続される。載置されたとき、チューブ状封止要素8の第1の側面14は、床4の外側縁部6に隣接し、第2の側面15は、カーテンウォール構築物の内壁表面1に隣接し、好ましくはカーテンウォール構築物のゼロスパンドレル領域17内に位置決めされた遮断材に隣接する。載置されたチューブ状封止要素8の上面12は、床4の上面18と面一である。本実施形態において、チューブ状封止要素8は、床4よりも低い高さを有し、チューブ状封止要素8の高さは、好ましくは、床4の高さの約半分である。この図には、第1の接続領域および第2の接続領域、ならびに印加接着剤層は示していない。接着剤層は、チューブ状封止要素をカーテンウォール構築物の内壁表面に、および床の外側縁部に接着するために使用される。
【0074】
上で説明したことから明らかであるように、本発明による方法は、コスト的に有利で、経済的で、連続的で、かつエンドレスな方法で、カーテンウォール構築物内の周辺ジョイントの、チューブ状封止要素の防火、防煙、防水封止を生産するのに特に好適である。
【0075】
本発明による方法および本発明による装置は、最新技術のシステムと比較して特に以下の利点を特徴とする。
【0076】
フィルムの表面に対して測定して均一に直角であるため、発泡体だけがフィルムと接触し、装置のさらなる構成要素と接触しないので、可能なプロセス供給ラインのいかなる汚染も起こらない。さらに、本装置は、複雑な改装を伴うことなく、例えば、成形ショルダを交換すること、およびフィルム幅ならびにチューブ状封止要素の所望の長さを調整することによって、所望のチューブ状封止要素の他の寸法および直径への迅速な改装を可能にする。本発明による方法および装置は、異なるセーフィングスロット幅に対するチューブ状封止要素の生産を可能にし、例えば、チューブ状封止要素は、1.5インチ~3インチ(38.1mm~76.2mm)のセーフィングスロット幅に使用する約3.54インチ(約90mm)の幅、2インチ~4インチ(50.8mm~101.6mm)のセーフィングスロット幅に使用する約4.53インチ(約115mm)の幅、さらには3インチ~5インチ(76.2mm~127mm)のセーフィングスロット幅に使用する約5.55インチ(約141mm)の幅で生産することができる。本発明に従って生産されるチューブ状封止要素によって、製品は、異なるセーフィングスロットサイズおよび用途に対して利用可能となり、その製品は、生産ラインでさらにコスト有利に生産することができる。
【0077】
複数のコンベアベルトまたはプロファイルの柔軟な使用によって、所望の使用領域に応じて、プロファイルの自由な幾何学的構成を行うことができる。本発明に従って生産されるチューブ状封止要素の接続領域は、同時に、設置支援としての役割を果たす。これはさらに、チューブ状封止要素を迅速に設置することができる、およびフィルムを取り囲むことによって発泡体を水しぶきから、および設置中に保護する、という利点を有する。
【0078】
さらに、本発明による方法および装置は、生産プロセス中に、既に予め製造されたチューブ内の材料塊の蓄積、またはセーフィングスロット内の材料塊の不足が生じるのを防止する。さらに、発泡体の混合品質/均一性は、混合によっても成形によっても影響を及ぼされない。
【0079】
上で説明したことから明らかであるように、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素は、単純な様式で、カーテンウォール構築物のセーフィングスロットを確実に封止するのに、特に、騒音、煙、および火災に関して、ならびに該当する場合は水に関して封止するのに、特に好適である。
【0080】
さらに、任意の追加的な支援を伴うことなく、封止領域の良好な圧縮性が封止材料および/または幾何学的構成の選択によって保証されるので、本発明に従って生産されるチューブ状封止要素によって、優れたシーリングを達成することができることを示した。本発明に従って生産されるチューブ状封止要素はまた、封止材料および/または幾何学的構成の好適な選択によって、特に、対応するセーフィングスロットの正しいプロファイル寸法を選択することによって、上述した事前の圧縮を達成するために、追加的な支援を伴うことなく、床からカーテンウォール構造物までの正しい距離を設定することも可能にする。
【0081】
本発明に従って生産されるチューブ状封止要素によって、十分な材料が設置されて、最大限の膨張吸収および耐火性を有する優れたシーリングを保証すること、およびこれが封止材料および/または幾何学的構成の選択によって既に達成されることを確実にすることもできる。
【0082】
以上のことを考慮すると、本発明の目的が達成されることは明らかである。上で説明したような、本発明による方法、装置、生産されるチューブ状封止要素、およびその使用の様々な修正を、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができるので、上の説明に含まれる全ての目的は、例示的なものであり、限定的な意味ではないことを意図している。
図1
【国際調査報告】