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特表2022-524475可変サイズギャップを画定する内部支持構造体を介して互いに固定されたロータブレードセグメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(54)【発明の名称】可変サイズギャップを画定する内部支持構造体を介して互いに固定されたロータブレードセグメント
(51)【国際特許分類】
   F03D 1/06 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
F03D1/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534666
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 US2018066773
(87)【国際公開番号】W WO2020131066
(87)【国際公開日】2020-06-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ヒュース,スコット・ジェーコブ
(72)【発明者】
【氏名】ロッドウェル,アンドリュー・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】メルツハウザー,トマス
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB35
3H178CC03
(57)【要約】
風力タービン用のロータブレードは、翼弦方向接合部から反対方向に延在する第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、1つまたは複数のシェル部材と、内部支持構造体と、を含む。第1のブレードセグメントの内部支持構造体は、受け入れ端部と第2の端部との間に延在するビーム構造体を含む。第2のブレードセグメントの内部支持構造体は、第1のブレードセグメントのビーム構造体の受け入れ端部を受け入れる受け入れセクションを含む。ロータブレードは、第1および第2のブレードセグメントが互いに固定される1つまたは複数の接続位置をさらに含む。さらに、ビーム構造体が受け入れセクション内に受けられると、ロータブレードの翼幅方向において、ビーム構造体と受け入れセクションとの間に、変化する厚さを含むギャップが画定され維持される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(10)用のロータブレード(28)であって、
翼弦方向接合部(34)から反対方向に延在する第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)であって、前記第1および第2のブレードセグメント(30,32)の各々が1つまたは複数のシェル部材(31,33,37,39)ならびに内部支持構造体(36)を含み、前記第1のブレードセグメント(30)の前記内部支持構造体(36)が受け入れ端部(54)と第2の端部(90)との間に延在するビーム構造体(40)を含み、前記第2のブレードセグメント(32)の前記内部支持構造体(36)が、前記第1のブレードセグメント(30)の前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)を受け入れる受け入れセクション(60)を含む、第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とが互いに固定される1つまたは複数の接続位置(94)と、
を含み、
前記ビーム構造体(40)が前記受け入れセクション(60)内に受け入れられると、前記ロータブレード(28)の翼幅方向において、前記ビーム構造体(40)と前記受け入れセクション(60)との間に、変化する厚さ(98)を含むギャップ(92)が画定され維持される、ロータブレード(28)。
【請求項2】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小(100)である、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項3】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)にある1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と、前記ビーム構造体(40)に沿って前記第2の端部(90)に向かって配置された1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)と、を含む、請求項2に記載のロータブレード(28)。
【請求項4】
前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)は、翼幅方向に延在する少なくとも1つのピンジョイントを含み、前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)は、翼弦方向に延在するピンジョイントを含む、請求項3に記載のロータブレード(28)。
【請求項5】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)との間の点において最大(102)である、請求項3に記載のロータブレード(28)。
【請求項6】
前記変化する厚さ(98)は、前記最大の変化する厚さ(102)と前記最小の変化する厚さ(100)との間の線形遷移部または非線形遷移部のうちの少なくとも一方を画定する、請求項5に記載のロータブレード(28)。
【請求項7】
前記ビーム構造体(40)の断面は、前記ギャップ(92)の前記変化する厚さ(98)を画定するように変化する、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項8】
前記ビーム構造体(40)は、前記第1のブレードセグメント(30)の前記1つまたは複数のシェル部材(31,33)の内面(88)に結合された1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)を含み、前記1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)の厚さ(108)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小である、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項9】
前記受け入れセクション(60)の断面は、前記ギャップ(92)の前記変化する厚さ(98)を画定するように変化する、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項10】
前記受け入れセクション(60)の断面は、前記翼弦方向接合部(34)からその根元端部に向かって先細になっている、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項11】
前記ロータブレード(28)は、前記ビーム構造体(40)と前記受け入れセクション(60)との間の前記ギャップ(92)を少なくとも部分的に充填する充填材料(112)をさらに含む、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項12】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、ピンジョイント、ボルトジョイント、ねじ、リベット、溶接、または接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項13】
風力タービン(10)のセグメント化されたロータブレード(28)を製造する方法(200)であって、
第1のブレードセグメント(30)の受け入れ端部(54)から長手方向に延在するビーム構造体(40)を有する前記第1のブレードセグメント(30)を設けるステップ(202)と、
前記ビーム構造体(40)を受け入れるように構成された受け入れセクション(60)を有する第2のブレードセグメント(32)を設けるステップ(204)と、
前記受け入れセクション(60)の内面(96)または前記ビーム構造体(40)の外面(86)のうちの少なくとも一方を、変化する断面を有するように形成するステップ(206)と、
前記第1のブレードセグメント(30)の前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)を前記第2のブレードセグメント(32)の前記受け入れセクション(60)に挿入するステップ(208)であって、前記ビーム構造体(40)の前記外面(86)と前記受け入れセクション(60)の前記内面(96)とが、それらの間にギャップ(92)を画定し、前記ギャップ(92)が前記ロータブレード(28)の翼幅方向に変化する厚さ(98)を有する、ステップ(208)と、
前記ギャップ(92)の前記変化する厚さ(98)が維持されるように、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)を1つまたは複数の接続位置(94)で互いに固定するステップ(210)と、
を含む方法(200)。
【請求項14】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小(100)である、請求項13に記載の方法(200)。
【請求項15】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)にある1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と、前記ビーム構造体(40)に沿って第2の端部(90)に向かって配置された1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)と、を含む、請求項14に記載の方法(200)。
【請求項16】
前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)は、翼幅方向に延在する少なくとも1つのピンジョイントを含み、前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)は、翼弦方向に延在するピンジョイントを含む、請求項15に記載の方法(200)。
【請求項17】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)との間の点において最大(102)である、請求項15に記載の方法(200)。
【請求項18】
前記ビーム構造体(40)は、1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)を含み、前記1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)の厚さ(108)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小である、請求項13に記載の方法(200)。
【請求項19】
前記受け入れセクション(60)の断面は、前記受け入れセクション(60)とは反対側の前記第2のブレードセグメント(32)の根元端部に向かって先細になっている、請求項13に記載の方法(200)。
【請求項20】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、ピンジョイント、ボルトジョイント、ねじ、リベット、溶接、または接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、風力タービンに関し、より詳細には、間に可変サイズのギャップを画定する内部支持構造体を介して互いに固定されたブレードセグメントを有するロータブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
風力は、現在利用可能な最もクリーンで最も環境に優しいエネルギー源の1つと考えられ、風力タービンはこの点で注目を集めている。現代の風力タービンは、典型的には、タワー、発電機、ギヤボックス、ナセル、および1つもしくは複数のロータブレードを有する回転可能なハブを有するロータを含む。ロータブレードは、既知の翼形部原理を使用して風の運動エネルギーを取り込む。ロータブレードは、ロータブレードをギヤボックスに結合するシャフトを回転させるように、またはギヤボックスが使用されていない場合には、発電機に直接回転エネルギーの形態で運動エネルギーを伝達する。次いで、発電機は、機械的エネルギーを、送電網に供給することができる電気エネルギーに変換する。
【0003】
ロータブレードは、一般に、ブレードの前縁および後縁に沿った結合線で互いに結合されるモールドプロセスを使用して通常形成される負圧側シェルおよび正圧側シェルを含む。さらに、正圧側シェルおよび負圧側シェルは比較的軽量であり、動作中にロータブレードに加えられる曲げモーメントおよび他の荷重に耐えるように構成されていない構造特性(例えば、剛性、座屈抵抗、および強度)を有する。したがって、ロータブレードの剛性、座屈抵抗、および強度を高めるために、本体シェルは、典型的には、シェル半体の内側の正圧側面および負圧側面に係合する1つまたは複数の構造構成要素(例えば、それらの間に剪断ウェブが構成された対向するスパーキャップ)を使用して強化される。スパーキャップおよび/または剪断ウェブは、限定はしないが、ガラス繊維積層複合材および/または炭素繊維積層複合材を含む様々な材料で構築することができる。
【0004】
様々なロータブレードを2つ以上のセグメントに分割し、組み立てて完成したロータブレードを形成することができる。セグメント化されたロータブレードの各セグメントは、一般に、負圧側シェルおよび正圧側シェルと、1つまたは複数の構造構成要素と、を含む。そのようなセグメントおよびそれらのそれぞれの構成要素は、典型的には、セグメント間の接合部で組み立てられる。例えば、第1のブレードセグメントは、第2のブレードセグメントの受け入れセクションに挿入され得るビーム構造体を含んでもよい。そのようなロータブレードでは、ビーム構造体および受け入れセクションは、例えばピン、ボルト、接着剤、締結具などを介して、1つまたは複数の接続位置で互いに結合されてもよい。
【0005】
さらに、ビーム構造体および受け入れセクションは、一般に、ロータブレードが荷重を受けているときに2つの構造体の別個の変形をもたらし得る異なる剛性を有する。このように、ビーム構造体および受け入れセクションの異なる特性は、ビーム構造体と受け入れセクションとの直接接触を引き起こす可能性があり、それによって、特に接続位置において構成要素に不定の荷重をもたらす。
【0006】
したがって、本開示は、上述の問題に対処するために、ビーム構造体および受け入れセクションを介して互いに固定されたブレードセグメントを有し、それらの間に可変サイズのギャップを画定し維持する改良されたロータブレードに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/223796号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の態様および利点は、その一部分を以下の説明に記載しており、あるいはその説明から明らかになり、あるいは本発明の実施により学ぶことができる。
【0009】
一態様では、本開示は、風力タービン用のロータブレードに関する。ロータブレードは、翼弦方向接合部から反対方向に延在する第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、1つまたは複数のシェル部材と、内部支持構造体と、を含む。第1のブレードセグメントの内部支持構造体は、受け入れ端部と第2の端部との間に延在するビーム構造体を含む。第2のブレードセグメントの内部支持構造体は、第1のブレードセグメントのビーム構造体の受け入れ端部を受け入れる受け入れセクションを含む。ロータブレードは、第1および第2のブレードセグメントが互いに固定される1つまたは複数の接続位置をさらに含む。さらに、ビーム構造体が受け入れセクション内に受けられると、ロータブレードの翼幅方向において、ビーム構造体と受け入れセクションとの間に、変化する厚さを含むギャップが画定され維持される。
【0010】
一実施形態では、変化する厚さは、接続位置において最小であってもよい。そのような一実施形態では、接続位置は、ビーム構造体の受け入れ端部にある1つまたは複数の第1のピンジョイントと、ビーム構造体に沿って第2の端部に向かって配置された1つまたは複数の第2のピンジョイントと、を含んでもよい。さらに、第1のピンジョイントは、1つまたは複数の翼幅方向に延在するピンジョイントを含んでもよい。さらに、第2のピンジョイントは、翼弦方向に延在するピンジョイントを含んでもよい。さらなる実施形態では、変化する厚さは、第1のピンジョイントと第2のピンジョイントとの間の点において最大であってもよい。いくつかの実施形態では、接続位置は、ピンジョイント、ボルトジョイント、ねじ、リベット、溶接、または接着剤のうちの少なくとも1つを含んでもよい。さらなる実施形態では、変化する厚さは、最大の変化する厚さと最小の変化する厚さとの間の線形遷移部および/または非線形遷移部を画定してもよい。
【0011】
別の実施形態では、ビーム構造体の断面は、ギャップの変化する厚さを画定するように変化してもよい。さらなる実施形態では、ビーム構造体は、第1のブレードセグメントのシェル部材の内面に結合された1つまたは複数のスパーキャップを含んでもよい。したがって、スパーキャップの厚さは、接続位置において最小であってもよい。別の実施形態では、受け入れセクションの断面は、ギャップの変化する厚さを画定するように変化してもよい。一実施形態では、受け入れセクションの断面は、受け入れセクションとは反対側の第2のブレードセグメントの根元端部に向かって先細になっていてもよい。例えば、受け入れセクションは、翼弦方向接合部から受け入れセクションの根元端部に向かって先細になっていてもよい。いくつかの実施形態では、ロータブレードは、ビーム構造体と受け入れセクションとの間のギャップを少なくとも部分的に充填する充填材料をさらに含んでもよい。
【0012】
さらに別の態様では、本開示は、風力タービンのセグメント化されたロータブレードを製造する方法に関する。本方法は、受け入れ端部から長手方向に延在するビーム構造体を有する第1のブレードセグメントを設けるステップを含む。本方法の別のステップは、ビーム構造体を受け入れるように構成された受け入れセクションを有する第2のブレードセグメントを設けるステップを含む。1つのステップにおいて、本方法は、受け入れセクションの内面および/またはビーム構造体の外面を、変化する断面を有するように形成するステップを含む。さらなるステップは、第1のブレードセグメントのビーム構造体の受け入れ端部を第2のブレードセグメントの受け入れセクションに挿入するステップを含む。さらに、ビーム構造体の外面と受け入れセクションの内面とは、ロータブレードの翼幅方向に変化する厚さを有するそれらの間のギャップを画定する。本方法のさらなるステップは、ギャップの変化する厚さが維持されるように、第1および第2のブレードセグメントを1つまたは複数の接続位置で互いに固定するステップを含む。本方法は、本明細書に記載されるような追加の特徴のいずれかをさらに含み得ることを理解されたい。
【0013】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することによってよりよく理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部分を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0014】
本発明の完全かつ可能な開示は、その最良の形態を含み、当業者に向けられて、本明細書に記載されており、それは以下の添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示による風力タービンの一実施形態の斜視図である。
図2】本開示による第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを有するロータブレードの一実施形態の平面図である。
図3】本開示による第1のブレードセグメントの一部分の一実施形態の斜視図である。
図4】本開示による翼弦方向接合部における第2のブレードセグメントの一部分の一実施形態の斜視図である。
図5】本開示による、第2のブレードセグメントと接合された第1のブレードセグメントを有する風力タービンのロータブレードのアセンブリの一実施形態の斜視図である。
図6】本開示による風力タービンのロータブレードのアセンブリの複数の支持構造体の一実施形態の分解斜視図である。
図7】本開示による翼弦方向接合部におけるビーム構造体および受け入れセクションのアセンブリの一実施形態の断面図であり、特に、変化する厚さを有するビーム構造体と受け入れセクションとの間のギャップを示す。
図8】本開示によるロータブレードのアセンブリの一実施形態の翼弦方向断面図であり、特に、ビーム構造体と最大厚さを有する受け入れセクションとの間のギャップを示す。
図9】本開示によるロータブレードのアセンブリの別の実施形態の翼弦方向断面図であり、特に、ビーム構造体と最小の厚さを有する受け入れセクションとの間のギャップを示す。
図10】本開示による翼弦方向接合部におけるビーム構造体および受け入れセクションのアセンブリの別の実施形態の断面図であり、特に、ビーム構造体と受け入れセクションとの間の可変サイズのギャップを示す。
図11】本開示による風力タービンのセグメント化されたロータブレードを組み立てる方法の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、本発明の説明のために提示され、本発明を限定するためではない。実際には、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変更が行われてよいことが、当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部分として図示または記載された特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、別の実施形態において使用することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるそのような修正および変更を包含することを意図している。
【0017】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明による風力タービン10の一実施形態の斜視図を示す。図示する実施形態では、風力タービン10は水平軸風力タービンである。あるいは、風力タービン10は垂直軸風力タービンであってもよい。さらに、図示するように、風力タービン10は、支持面14から延在するタワー12、タワー12に取り付けられたナセル16、ナセル16内に配置された発電機18、発電機18に結合されたギヤボックス20、およびロータシャフト24によりギヤボックス20に回転可能に結合されたロータ22を含んでもよい。さらに、図示するように、ロータ22は、回転可能なハブ26と、回転可能なハブ26に結合され、そこから外側に延在する少なくとも1つのロータブレード28と、を含む。図示するように、ロータブレード28は、ブレード先端部17およびブレード根元部19を含む。
【0018】
ここで図2を参照すると、図1のロータブレード28のうちの1つの平面図が示されている。図示するように、ロータブレード28は、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32を含んでもよい。さらに、図示するように、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、翼弦方向接合部34から反対方向に各々延在してもよい。加えて、図示するように、ブレードセグメント30、32の各々は、1つまたは複数のシェル部材と、内部支持構造体36と、を含んでもよい。特定の実施形態では、第1のブレードセグメント30の1つまたは複数のシェル部材は、正圧側シェル部材31と、負圧側シェル部材33と、を含んでもよい。さらに、図示するように、第2のブレードセグメント32の1つまたは複数のシェル部材は、正圧側シェル部材37と負圧側シェル部材39とを含んでもよい。しかし、他の実施形態では、ブレードセグメント30、32の一方または両方は、正圧側および負圧側を有する1つのシェル部材を含んでもよい。したがって、本明細書に記載の正圧側シェル部材31、37および/または負圧側シェル部材33、39は、それぞれ単一のシェル部材の正圧側または負圧側であってもよい。第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、ブレードセグメント30、32の接合を容易にするために、両方のブレードセグメント30、32内に延在する第1のブレードセグメント30の内部支持構造体36の少なくとも内部ビーム構造体40によって接続されてもよい。矢印38は、図示する例のセグメント化されたロータブレード28が2つのブレードセグメント30、32を含み、これらのブレードセグメント30、32が内部ビーム構造体40を第2のブレードセグメント32に挿入することによって接合されることを示している。例えば、第1のブレードセグメント30のビーム構造体40は、第2のブレードセグメント32の支持構造体36に挿入されてもよい。加えて、図示するように、第2のブレードセグメント32の支持構造体36は、ロータブレード28のブレード根元セクション35および第1のブレードセグメント30のビーム構造体40と接続するために長手方向に延在してもよい(図5および図6により詳細に示されている)。
【0019】
ここで図3を参照すると、本開示による第1のブレードセグメント30の一部分の斜視図が示されている。図示するように、第1のブレードセグメント30は、内部支持構造体36の一部を形成し、かつ第2のブレードセグメント32と構造的に接続するために長手方向に延在するビーム構造体40を含む。さらに、図示するように、ビーム構造体40は、正圧側スパーキャップ46および負圧側スパーキャップ48と接続された剪断ウェブ44の少なくとも一部分を形成する。さらに、図示するように、ビーム構造体40は、シェル部材31、30内の内部セクションから突出する延長部を有する第1のブレードセグメント30の一部分を形成することができ、それによって延長スパーセクションを形成する。さらに、ビーム構造体40は、第1のブレードセグメント30の正圧側シェル部材31および/または負圧側シェル部材33の内面88に結合されてもよい。例えば、正圧側スパーキャップ46は、接着剤を使用して正圧側シェル部材31の内面88に結合されてもよい。同様に、負圧側スパーキャップ48は、接着剤を使用して負圧側シェル部材33の内面88に結合されてもよい。
【0020】
ここで図4を参照すると、本開示による第2のブレードセグメント32の一部分の斜視図が示されている。図示するように、第2のブレードセグメント32は、第1のブレードセグメント30のビーム構造体40を受け入れるために、第2のブレードセグメント32内で長手方向に延在する受け入れセクション60を有する。さらに、図示するように、受け入れセクション60は、正圧側スパーキャップ47、負圧側スパーキャップ49、および第1のブレードセグメント30のビーム構造体40と接続するためにそれらの間に延在する1つまたは複数の剪断ウェブ44を含んでもよい。さらに、図示するように、受け入れセクション60は、第2のブレードセグメント32の正圧側シェル部材37および/または負圧側シェル部材39の内面89に結合されてもよい。例えば、正圧側スパーキャップ47は、接着剤を使用して正圧側シェル部材37の内面89に結合されてもよい。同様に、負圧側スパーキャップ49は、接着剤を使用して負圧側シェル部材39の内面89に結合されてもよい。
【0021】
図3図6を全体的に参照すると、第1のブレードセグメント30は、1つまたは複数の接続位置94において第2のブレードセグメント32に接合されてもよい。より具体的には、特に図5に示すように、本開示による第2のブレードセグメント32と接合された第1のブレードセグメント30を有するロータブレード28のアセンブリ70が示されている。図示するように、アセンブリ70は、第2のブレードセグメント32と接合された第1のブレードセグメント30を有するロータブレード28の外側シェル部材の下の複数の支持構造体を示している。より具体的には、図示するように、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、1つまたは複数の接続位置94で互いに固定されてもよい。いくつかの実施形態では、接続位置94は、ピンジョイント、ボルトジョイント、ねじ、リベット、溶接、または接着剤を含んでもよい。
【0022】
より具体的には、図面に一般的に示すように、接続位置94は、1つまたは複数のピンジョイントを含んでもよい。接続位置94は、一般的に第1および第2のピンジョイント51、53として説明することができるが、他の実施形態では、接続位置94のうちの1つまたは複数は、接続位置94においてビーム構造体40および受け入れセクション60を互いに結合することができる前述またはさらなる構造体のいずれかを含んでもよいことを理解されたい。より具体的には、図示するように、1つまたは複数のピンジョイントは、例えばビーム構造体40の受け入れ端部54からの1つまたは複数の第1のピンジョイント51と、第1のピンジョイント51から離間した1つまたは複数の第2のピンジョイント53と、を含んでもよい。第1のピンジョイント51は、例えば翼弦方向部材72内で、受け入れセクション60のピンジョイントスロット56と緊密に締まり嵌めすることができる、ビーム構造体40の受け入れ端部54に配置された少なくとも1つのピンチューブ52を含んでもよい。したがって、図示するように、ピンチューブ52は、翼幅方向に、すなわちロータブレード28のブレード根元部からブレード先端部まで延在し、ピンジョイントスロット56を通って延在することができる軸線に沿って画定されるロータブレード28の翼幅または長さに沿って配向されてもよい。
【0023】
特に図5および図6を参照すると、第2のピンジョイント53は、ビーム構造体40のピンジョイントスロット50、受け入れセクション60のピンジョイントスロット58、および整列したピンジョイントスロット50、58を通って翼弦方向に、すなわちロータブレード28の前縁から後縁まで延びる軸線に沿って画定されるロータブレード28の翼弦に沿って延在する対応するピンチューブ62を介して形成されてもよい。
【0024】
ビーム構造体40の受け入れ端部54に位置するピンチューブ52は、ピンジョイントスロット50と最適距離Dだけ翼幅方向に分離されてもよいことに留意されたい。この最適距離Dは、翼弦方向接合部34が、翼弦方向接合部34に作用する剪断荷重に起因する実質的な曲げモーメントに耐えることができるような距離であってもよい。
【0025】
引き続き図5を参照すると、特定の実施形態では、ビーム構造体40の少なくとも一部は、受け入れ端部54と受け入れ端部54の反対側の第2の端部90との間で先細になっていてもよい。例えば、ビーム構造体40の内部セクションは、翼弦方向接合部34と第2の端部90との間で先細になっていてもよい。より詳細には、正圧側スパーキャップ46、負圧側スパーキャップ48、またはその両方は、翼弦方向接合部34と第2の端部90との間で先細になっていてもよい。ビーム構造体40は、ブレード先端部17に向かって第1のブレードセグメント30と共に先細になっていてもよいことを理解されたい。一実施形態では、ビーム構造体40の内部セクションは先細になっていてもよく、一方、延長部は均一な幅および/または高さを有してもよい。しかし、他の実施形態では、ビーム構造体40は、受け入れ端部54と第2の端部90との間の全長に沿って先細になっていてもよい。
【0026】
ここで図7を参照すると、本開示による、翼弦方向接合部34で受け入れセクション60内に受け入れられたビーム構造体40の一実施形態の断面図が示されている。さらに、図示するように、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間にギャップ92が設けられている。より具体的には、図示するように、ギャップ92は、ビーム構造体40の外面86と受け入れセクション60の内面96との間に画定され、ロータブレード28の翼幅方向に変化する厚さ98を有する。したがって、ビーム構造体40が受け入れセクション60内に挿入され、構成要素が互いに固定されると、可変サイズギャップ92は、ロータブレード28の翼幅方向にビーム構造体40と受け入れセクション60との間に維持される。
【0027】
引き続き図7を参照すると、変化する厚さ98は、接続位置94において最小であってもよい(符号100で示すように)。特定の実施形態では、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間の相対的な撓みは、接続位置94において最小、例えば約ゼロであってもよいことを理解されたい。このように、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間のギャップ92は、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間の相対的な撓みがそのような位置においてより小さいので、接続位置94においてより小さくてもよい。さらに、特定の実施形態では、変化する厚さ98は、第1のピンジョイント51および第2のピンジョイント53などの接続位置94においてほぼ同じであってもよい。例えば、第2のピンジョイント53における変化する厚さ98は、第1のピンジョイント51における変化する厚さ98の90%~110%であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、変化する厚さ98は、接続位置94で異なってもよいことを理解されたい。
【0028】
さらに図7を参照すると、変化する厚さ98は、接続位置94間、例えば第1のピンジョイント51と第2のピンジョイント53との間の位置で最大(符号102で示すように)であってもよい。したがって、変化する厚さ98は、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間の相対的な撓みに対応するために、接続位置94間でより大きくてもよい。例えば、特定の実施形態では、ギャップ92の最大厚さ102は、第1のピンジョイント51と第2のピンジョイント53との間の長さの25%~75%の間に配置されてもよい。例えば、最大厚さ102は、第1のピンジョイント51と第2のピンジョイント53との間のほぼ半分に位置してもよい(例えば、長さの45%~55%)。さらに、一実施形態では、最大厚さ102は、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間の最大相対撓みと一致するように配置されてもよいことを理解されたい。さらに、図示するように、ギャップ92の変化する厚さ98は、最大厚さ102と最小厚さ100との間の線形遷移部を少なくとも部分的に画定することができる。しかしながら、他の実施形態では、ギャップ92の変化する厚さ98は、最大厚さ102と最小厚さ100との間の非線形遷移部を少なくとも部分的に画定することができる(例えば、図10を参照)。
【0029】
さらに、図7に示すように、ビーム構造体40の厚さは、ギャップ92の変化する厚さ98を画定するように、その長さに沿って変化してもよい。例えば、図示するように、ビーム構造体40は、接続位置94において最大高さおよび/または最大幅を画定してもよい。特に、図示するように、ビーム構造体40の高さ91は、第1のピンジョイント51および/または第2のピンジョイント53の一方または両方で最大であってもよい。同様に、ビーム構造体40の幅93(例えば、図3を参照)は、第1のピンジョイント51および/または第2のピンジョイント53において最大であってもよい。ビーム構造体40は、接続位置94の間に配置されたギャップ92の最大厚さ102を画定するために、第1のピンジョイント51と第2のピンジョイント53との間の最小高さおよび/または最小幅を画定してもよいことを理解されたい。
【0030】
特定の実施形態では、ビーム構造体40のピーク応力は、第2のピンジョイント53などの接続位置94またはその付近、より具体的には、翼弦方向に延在するピンジョイント62、ピンジョイントスロット50、および/または翼弦方向ピンジョイントスロット58で発生し得ることを理解されたい。したがって、第2のピンジョイント53などの接続位置94でビーム構造体40の高さを増加させることによって、ビーム構造体40の慣性モーメントを維持することができる。例えば、慣性モーメントを減少させることなく、ビーム構造体40を形成するために必要な材料をより少なくすることができる。したがって、ビーム構造体40は、ギャップ92の最大厚さ102の位置に第1の高さ104を画定し、ギャップ92の最小厚さ100の位置に第2の高さ106を画定することができる。さらに、第2の高さ106は、第1の高さ104よりも大きくてもよい。ビーム構造体40の高さは、接続位置94の一方または両方で第1の高さ104と第2の高さ106との間を遷移してもよいことを理解されたい。
【0031】
ここで図8および図9を参照すると、本開示による、間にギャップ92を画定するように翼弦方向接合部34で受け入れセクション60内に受け入れられたビーム構造体40の複数の断面図が示されている。特に、図8は、ギャップ92の最大厚さ102におけるビーム構造体40および受け入れセクション60の翼弦に沿った断面図を示している(図7の切断線8-8を参照)。図9は、ギャップ92の最小厚さ100におけるビーム構造体40および受け入れセクション60の翼弦に沿った断面図を示している(図7の切断線9-9を参照)。
【0032】
したがって、図示するように、ビーム構造体40のスパーキャップ46、48は、図9に示すように、ギャップ92の最小厚さ100の位置に対応する、接続位置94で最小値を有する厚さ108(図7も参照)を画定する。例えば、接続位置94におけるビーム構造体40のより高い第2の高さ106は、接続位置94における慣性モーメントを維持しながら、より薄いスパーキャップ46、48を可能にすることができる。さらに、スパーキャップ46、48の厚さ108は、接続位置94の間で最大であってもよい。例えば、スパーキャップ46、48の厚さ108は、図8に示すように、ギャップ92の最小厚さ100の位置で最大であってもよい。例えば、最小厚さ100の位置でのビーム構造体のより短い第1の高さ104は、ギャップ92の最大厚さ102の位置で慣性モーメントを維持するために、より厚いスパーキャップ46、48を必要としてもよい。
【0033】
ビーム構造体40の対向するスパーキャップ46、48の厚さ108は、それぞれ図8および図9に同じものとして示されているが、スパーキャップ46、48の一方の厚さ108は翼幅に沿って一定であってもよく、他方のスパーキャップ46、48の厚さ108は翼幅に沿って変化することを認識されたい。接続位置94においてより薄い厚さ108を有するスパーキャップ46、48は、より軽量かつ/またはより費用効果の高いスパーキャップ46、48を可能にすることができることを理解されたい。
【0034】
引き続き図8および図9を参照すると、いくつかの実施形態では、ロータブレード28は、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間のギャップ92を少なくとも部分的に充填する充填材料112をさらに含んでもよい。さらに、充填材料112は、接着剤などを介して、ビーム構造体40の外面86および/または受け入れセクション60の内面96に固定されてもよい。充填材料112はまた、一般に、ビーム構造体40の外面86および/または受け入れセクション60の内面96の形状に合わせて輪郭付けられてもよいことも理解されたい。例えば、充填材料112の厚さは、一般に、前縁と後縁との間の翼弦に沿って変化してもよい。さらに、充填材料112の厚さは、一般に、翼弦方向接合部34の翼幅に沿って変化してもよい。
【0035】
ここで図10を参照すると、本開示によるビーム構造体40のアセンブリ70および翼弦方向接合部34における受け入れセクション60の別の実施形態が示されている。特に、図10は、ギャップ92の変化する厚さ98を画定するように受け入れセクション60の断面が変化する翼幅に沿ったアセンブリ70の断面を示しているが、ビーム構造体40の断面は、延長部に沿ってほぼ一定のままである。例えば、図示するように、受け入れセクション60は、接続位置94において最小内部高さおよび/または最小内部幅を画定してもよい。特に、図示するように、受け入れセクション60の内部高さ110は、第1のピンジョイント51および/または第2のピンジョイント53の一方または両方において最小であってもよい。同様に、ビーム構造体40の内部幅111(例えば、図4を参照されたい。)は、第1のピンジョイント51および/または第2のピンジョイント53において最小であってもよい。一実施形態では、受け入れセクション60は、第1のピンジョイント51および第2のピンジョイント53の両方で最小内部高さおよび/または最小内部幅を画定してもよい。したがって、ギャップ92の最小厚さ100は、最小内部高さおよび/または最小内部幅、例えば接続位置94に配置することができる。
【0036】
さらに、受け入れセクション60の内部高さ110および/または内部幅111は、接続位置94の間で最大であってもよい。例えば、受け入れセクション60の最大内部高さおよび/または最大内部幅は、ギャップ92の最大厚さ102の位置を画定してもよい。受け入れセクション60のスパーキャップ47、49の厚さは、図10ではほぼ一定として示されているが、追加的または代替的な実施形態では、スパーキャップ47、49の少なくとも一方の厚さ109は、ギャップ92の最大厚さ102の位置で最小であってもよい。さらに、スパーキャップ47、49の少なくとも一方の厚さ109は、ギャップ92の最小厚さ100を画定するために、接続位置94で最大であってもよい。
【0037】
特定の実施形態では、図10に示すように、受け入れセクション60の内部高さ110は、第1のピンジョイント51または第2のピンジョイント53などの接続位置94の一方でより大きくてもよい。例えば、受け入れセクション60の断面は、翼弦方向接合部34から受け入れセクション60のブレード根元セクション35(図2参照)に向かって概ね先細になっていてもよい。したがって、アセンブリ70は、第1のピンジョイント51における最小厚さ100よりも大きいが、ピンジョイント51、53間の最大厚さ102よりも小さい第2のピンジョイント53における第3の厚さ114を画定してもよい。翼弦方向接合部34からブレード根元セクション35に向かって先細になる受け入れセクション60は、ビーム構造体40を受け入れセクション60からより容易に挿入および/または取り外すことを可能にすることができることを理解されたい。受け入れセクション60の内部幅111は、代替的にまたは追加的に、受け入れセクション60の翼弦方向接合部34からブレード根元セクション35に向かって減少してもよいことを理解されたい。
【0038】
ビーム構造体40および受け入れセクション60の変化する断面は、図7および図10では別個の実施形態として示されているが、さらなる実施形態では、受け入れセクション60およびビーム構造体40の両方が、ギャップ92の変化する厚さ98を画定するために変化する断面を含んでもよいことを理解されたい。例えば、ビーム構造体40および受け入れセクション60の一方または両方は、様々な高さ91、110、幅92,111、および/またはスパーキャップ46、47、48、49の厚さ108,109を含んでもよい。
【0039】
一実施形態では、充填材料112は、少なくとも部分的に、発泡材料、木材材料、コルク材料、繊維材料、複合材料、プラスチック材料、ポリマー材料、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つから構築されてもよい。特定の実施形態では、充填材料112は、ビーム構造体40と受け入れセクション60との間の相対変位に対応するために、少なくとも部分的に圧縮可能であってもよい。
【0040】
さらなる実施形態では、シェル部材31、33、37、39、ビーム構造体40、および/または受け入れセクション60は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂で構築されてもよい。本明細書に記載の熱可塑性材料は、一般に、本質的に可逆性のプラスチック材料またはポリマーを包含してもよい。例えば、熱可塑性材料は、典型的には、特定の温度に加熱されると曲げることが可能またはモールド可能になり、冷却するとより剛性の高い状態に戻る。さらに、熱可塑性材料は、非晶質熱可塑性材料および/または半結晶性熱可塑性材料を含んでもよい。例えば、いくつかの非晶質熱可塑性材料は、一般に、限定はしないが、スチレン、ビニル、セルロース、ポリエステル、アクリル、ポリスルホン、および/またはイミドを含んでもよい。より具体的には、例示的な非晶質熱可塑性材料は、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、グリコール化ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、非晶質ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、または任意の他の適切な非晶質熱可塑性材料を含んでもよい。加えて、例示的な半結晶性熱可塑性材料は、一般に、限定はしないが、ポリオレフィン、ポリアミド、フルオロポリマー、エチルメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、および/またはアセタールを含んでもよい。より具体的には、例示的な半結晶性熱可塑性材料は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルケトン、または任意の他の適切な半結晶性熱可塑性材料を含んでもよい。
【0041】
さらに、本明細書に記載の熱硬化性材料は、一般に、本質的に非可逆性のプラスチック材料またはポリマーを包含してもよい。例えば、熱硬化性材料は、一旦硬化すると、容易に再成形することも、液体状態に戻すこともできない。したがって、初期形成後に、熱硬化性材料は、一般に、熱、腐食、および/またはクリープに耐性がある。例示的な熱硬化性材料は、一般に、限定はしないが、いくつかのポリエステル、いくつかのポリウレタン、エステル、エポキシ、または任意の他の適切な熱硬化性材料を含んでもよい。本明細書に記載の熱硬化性材料および/または熱可塑性材料はまた、任意選択的に、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、木部繊維、竹繊維、セラミック繊維、ナノ繊維、金属繊維、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の繊維材料で強化されてもよい。加えて、繊維の方向または配向は、疑似等方性、多軸、一方向、二軸、三軸、もしくは任意の他の適切な方向および/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0042】
ここで図11を参照すると、本開示による風力タービンのセグメント化されたロータブレードを製造する方法の一実施形態のフローチャート200が示されている。一般に、方法200は、図2図10に示す第1および第2のブレードセグメント30、32、ビーム構造体40、および受け入れセクション60を参照して本明細書で説明される。しかし、開示された方法200は、任意の他の構成を有するセグメント化されたロータブレード28で実施することができることを理解されたい。さらに、図11は、例示および説明の目的のために特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書で説明される方法は、任意の特定の順序または配置に限定されない。当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、本明細書に開示する方法の様々なステップを、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法で省略、再構成、組み合わせ、および/または適合させることができることを理解するであろう。
【0043】
符号(202)に示すように、方法200は、その受け入れ端部54から長手方向に延在するビーム構造体40を有する第1のブレードセグメント30を設けるステップを含んでもよい。符号(204)に示すように、方法200は、ビーム構造体40を受け入れるように構成された受け入れセクション60を有する第2のブレードセグメント32を設けるステップを含んでもよい。符号(206)に示すように、方法200は、受け入れセクション60の内面96および/またはビーム構造体40の外面86を、変化する断面を有するように形成するステップを含んでもよい。符号(208)に示すように、方法200は、第1のブレードセグメント30のビーム構造体40の受け入れ端部54を第2のブレードセグメント32の受け入れセクション60に挿入するステップを含んでもよい。さらに、上述したように、ビーム構造体40の外面86および受け入れセクション60の内面96は、ロータブレード28の翼幅方向に変化する厚さ98を有するギャップ92をそれらの間に画定してもよい。符号(210)に示すように、方法200は、ギャップ92の変化する厚さ98が維持されるように、第1および第2のブレードセグメント30,32を1つまたは複数の接続位置94で互いに固定するステップを含んでもよい。
【0044】
当業者は、異なる実施形態の様々な特徴を相互に交換できることを認識するであろう。同様に、記載された様々な方法ステップおよび特徴、ならびにそのような各方法および特徴の他の既知の均等物は、本開示の原理に従って追加のシステムおよび技術を構築するために、当業者によって混合および適合させることができる。当然のことながら、上述のそのような目的または利点のすべてが、任意の特定の実施形態に従って必ずしも達成され得るとは限らないことを理解されたい。よって、例えば、当業者は、本明細書で説明するシステムおよび技術が、本明細書に教示されるような1つの利点または一群の利点を達成または最適化する方法で、本明細書に教示または示唆され得る他の目的または利点を必ずしも達成せずに、具体化または実行され得ることを認識するであろう。
【0045】
本発明の特定の特徴だけを本明細書において例示および説明してきたが、多くの修正および変更が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲に入る、そのようなすべての修正および変更を包含することを意図していることを理解すべきである。
【0046】
本明細書は、例を用いて、本発明を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの作製および使用ならびにあらゆる組み込まれた方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者であれば想到できる他の例を含んでもよい。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差異を有さない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図している。
【符号の説明】
【0047】
10 風力タービン
12 タワー
14 支持面
16 ナセル
17 ブレード先端部
18 発電機
19 ブレード根元部
20 ギヤボックス
22 ロータ
24 ロータシャフト
26 回転可能なハブ
28 ロータブレード
30 第1のブレードセグメント、シェル部材
31 正圧側シェル部材
32 第2のブレードセグメント
33 負圧側シェル部材
34 翼弦方向接合部
35 ブレード根元セクション
36 内部支持構造体
37 正圧側シェル部材
38 矢印
39 負圧側シェル部材
40 内部ビーム構造体
44 剪断ウェブ
46 正圧側スパーキャップ
47 正圧側スパーキャップ
48 負圧側スパーキャップ
49 負圧側スパーキャップ
50 ピンジョイントスロット
51 第1のピンジョイント
52 ピンチューブ
53 第2のピンジョイント
54 受け入れ端部
56 ピンジョイントスロット
58 翼弦方向ピンジョイントスロット
60 受け入れセクション
62 ピンチューブ、ピンジョイント
70 アセンブリ
72 翼弦方向部材
86 外面
88 内面
89 内面
90 第2の端部
91 高さ
92 ギャップ、可変サイズギャップ
93 幅
94 接続位置
96 内面
98 変化する厚さ
100 最小厚さ
102 最大厚さ
104 第1の高さ
106 第2の高さ
108 厚さ
109 厚さ
110 内部高さ
111 内部幅
112 充填材料
114 第3の厚さ
200 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(10)用のロータブレード(28)であって、
翼弦方向接合部(34)から反対方向に延在する第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)であって、前記第1および第2のブレードセグメント(30,32)の各々が1つまたは複数のシェル部材(31,33,37,39)ならびに内部支持構造体(36)を含み、前記第1のブレードセグメント(30)の前記内部支持構造体(36)が受け入れ端部(54)と第2の端部(90)との間に延在するビーム構造体(40)を含み、前記第2のブレードセグメント(32)の前記内部支持構造体(36)が、前記第1のブレードセグメント(30)の前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)を受け入れる受け入れセクション(60)を含む、第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とが互いに固定される1つまたは複数の接続位置(94)と、
を含み、
前記ビーム構造体(40)が前記受け入れセクション(60)内に受け入れられると、前記ロータブレード(28)の翼幅方向において、前記ビーム構造体(40)と前記受け入れセクション(60)との間に、変化する厚さ(98)を含むギャップ(92)が画定され維持される、ロータブレード(28)。
【請求項2】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小(100)である、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項3】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)にある1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と、前記ビーム構造体(40)に沿って前記第2の端部(90)に向かって配置された1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)と、を含む、請求項1または2に記載のロータブレード(28)。
【請求項4】
前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)は、翼幅方向に延在する少なくとも1つのピンジョイントを含み、前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)は、翼弦方向に延在するピンジョイントを含む、請求項3に記載のロータブレード(28)。
【請求項5】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)との間の点において最大(102)である、請求項3または4に記載のロータブレード(28)。
【請求項6】
前記変化する厚さ(98)は、前記最大の変化する厚さ(102)と前記最小の変化する厚さ(100)との間の線形遷移部または非線形遷移部のうちの少なくとも一方を画定する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のロータブレード(28)。
【請求項7】
前記ビーム構造体(40)の断面は、前記ギャップ(92)の前記変化する厚さ(98)を画定するように変化する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のロータブレード(28)。
【請求項8】
前記ビーム構造体(40)は、前記第1のブレードセグメント(30)の前記1つまたは複数のシェル部材(31,33)の内面(88)に結合された1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)を含み、前記1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)の厚さ(108)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のロータブレード(28)。
【請求項9】
前記受け入れセクション(60)の断面は、前記ギャップ(92)の前記変化する厚さ(98)を画定するように変化する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のロータブレード(28)。
【請求項10】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、ピンジョイント、ボルトジョイント、ねじ、リベット、溶接、または接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のロータブレード(28)。
【請求項11】
風力タービン(10)のセグメント化されたロータブレード(28)を製造する方法(200)であって、
第1のブレードセグメント(30)の受け入れ端部(54)から長手方向に延在するビーム構造体(40)を有する前記第1のブレードセグメント(30)を設けるステップ(202)と、
前記ビーム構造体(40)を受け入れるように構成された受け入れセクション(60)を有する第2のブレードセグメント(32)を設けるステップ(204)と、
前記受け入れセクション(60)の内面(96)または前記ビーム構造体(40)の外面(86)のうちの少なくとも一方を、変化する断面を有するように形成するステップ(206)と、
前記第1のブレードセグメント(30)の前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)を前記第2のブレードセグメント(32)の前記受け入れセクション(60)に挿入するステップ(208)であって、前記ビーム構造体(40)の前記外面(86)と前記受け入れセクション(60)の前記内面(96)とが、それらの間にギャップ(92)を画定し、前記ギャップ(92)が前記ロータブレード(28)の翼幅方向に変化する厚さ(98)を有する、ステップ(208)と、
前記ギャップ(92)の前記変化する厚さ(98)が維持されるように、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)を1つまたは複数の接続位置(94)で互いに固定するステップ(210)と、
を含む方法(200)。
【請求項12】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小(100)である、請求項11に記載の方法(200)。
【請求項13】
前記1つまたは複数の接続位置(94)は、前記ビーム構造体(40)の前記受け入れ端部(54)にある1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と、前記ビーム構造体(40)に沿って第2の端部(90)に向かって配置された1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)と、を含む、請求項11または12に記載の方法(200)。
【請求項14】
前記変化する厚さ(98)は、前記1つまたは複数の第1のピンジョイント(51)と前記1つまたは複数の第2のピンジョイント(53)との間の点において最大(102)である、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法(200)。
【請求項15】
前記ビーム構造体(40)は、1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)を含み、前記1つまたは複数のスパーキャップ(46,48)の厚さ(108)は、前記1つまたは複数の接続位置(94)において最小である、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方法(200)。
【国際調査報告】