(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(54)【発明の名称】家庭用経皮GFRモニタリングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
A61B10/00 U
A61B10/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540808
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 US2019048307
(87)【国際公開番号】W WO2020159578
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517175301
【氏名又は名称】メディビーコン,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドアショー、リチャード・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー、スティーブン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スターン、テレンス
(57)【要約】
本開示は、コンピュータ実行可能命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。本開示のコンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、モバイルコンピュータ装置をGFRセンサに通信可能に無線接続するようにユーザに指示する画面を表示するステップと、GFRセンサを患者の身体に装着するようにユーザに指示する画面を表示するステップと、患者の体内にGFR物質を投与するようにユーザに指示する画面を表示するステップと、GFRセンサに患者のGFRを計算するための吸光度データの収集を開始させるために、モバイルコンピュータ装置からGFRセンサに信号を送信するステップと、GFRセンサから吸光度データを受信するステップと、GFRセンサから受信した吸光度データを格納するステップと、を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記モバイルコンピュータ装置をGFRセンサに通信可能に無線接続するようにユーザに指示するペアリング指示画面を表示するステップと、
前記GFRセンサを患者の身体に装着するように前記ユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、
前記患者の体内にGFR物質を投与するように前記ユーザに指示する注入指示画面を表示するステップと、
前記GFRセンサに前記患者のGFRを計算するための吸光度データの収集を開始させるために、前記モバイルコンピュータ装置から前記GFRセンサに信号を送信するステップと、
前記GFRセンサから前記吸光度データを受信するステップと、
前記GFRセンサから受信した前記吸光度データを格納するステップと、
を実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記吸光度データを用いて前記患者の前記GFRを計算するステップをさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
請求項2に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記患者の前記GFRを医療提供者のコンピュータ装置に無線で送信するステップをさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記GFRセンサを前記患者の身体に合わせて較正するように前記ユーザに指示するカスタマイズ指示画面を表示するステップと、
前記GFRセンサの較正を開始するためのユーザ入力の受信に応答して、前記GFRセンサの較正を開始するために、前記モバイルコンピュータ装置から前記GFRセンサに信号を送信するステップと、
前記GFRセンサの較正の完了時に、前記GFRセンサから信号を受信するステップと、をさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記コンピュータ実行可能命令の実行中にエラーが発生した場合にエラーメッセージを表示するステップをさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
少なくとも1つのメモリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのユーザインターフェースとを備えるモバイルコンピュータ装置を使用して実施される、患者のGFRを測定するためのコンピュータ実施方法であって、
前記患者の身体にGFRセンサを装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、
前記患者の身体に装着した前記GFRセンサを前記モバイルコンピュータ装置に通信可能に接続する方法を前記ユーザに指示するペアリング指示画面を表示するステップと、
前記患者の体内にGFR物質を投与する方法及び場所を前記ユーザに指示する注入指示画面を表示するステップと、
前記GFRセンサによって吸光度データの収集を開始する方法を前記ユーザに指示する測定画面を表示するステップと、
前記GFRセンサが前記吸光度データを収集している間、所定時間待つように前記ユーザに指示するデータ収集画面を表示するステップと、
前記吸光度データを医療提供者のコンピュータ装置に送信する方法を前記ユーザに指示する送信指示画面を表示するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記吸光度データを収集する前に、前記GFRセンサをカスタマイズする方法を前記ユーザに指示するカスタマイズ指示画面を表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記吸光度データを用いて前記患者のGFRを計算するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記患者の前記計算されたGFRを表示する結果画面を表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
当該コンピュータ実施方法の前記各ステップの後に、前記各ステップが正常に完了したことを示す前記患者及び/または前記ユーザの入力を待つステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記モバイルコンピュータ装置から医療提供者のコンピュータ装置に、前記計算されたGFR、前記吸光度データ、またはその両方を送信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
当該コンピュータ実施方法の実行中にエラーが発生した場合に、前記ユーザ及び/または前記患者にフィードバックを提供するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
患者のGFRを測定するためのシステムであって、
ユーザが前記患者のGFRを測定するのを支援するためのコンピュータプログラムがインストールされたモバイルコンピュータ装置と、
前記モバイルコンピュータ装置に通信可能に無線接続されるように構成されたGFRセンサと、
GFR物質と、
前記GFR物質の注入装置と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
GFRを測定するためのキットであって、
GFR物質を患者の体内に投与するように構成された注入装置と、
前記患者の体に装着されるように構成されたGFRセンサと、
前記GFRセンサに通信可能に無線接続されるモバイルコンピュータ装置と、を含み、
前記GFR物質は、前記GFRセンサによって生成された電磁放射に応答して少なくとも1つの応答光を放射し、かつ、前記患者の腎臓による糸球体濾過によって除去されるように構成され、
前記GFRセンサは、前記患者の身体に向けて前記電磁放射を照射し、かつ、前記電磁放射に応答して前記患者の体内に存在する前記GFR物質から放射された前記応答光を検出するように構成され、
前記モバイルコンピュータ装置は、前記GFRセンサから前記応答光のデータを受信し、かつ、前記応答光のデータに基づいて前記患者のGFRを計算するようにプログラムされていることを特徴とするキット。
【請求項15】
請求項14に記載のキットであって、
前記患者のGFRを測定するために当該キットの構成要素を使用する方法を記載した使用説明書をさらに含むことを特徴とするキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年1月28日出願の米国特許仮出願第62/797、543号に基づく優先権を主張するものである。上記出願の開示内容の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示の分野は、一般的に、在宅医療を容易にするためのコンピュータプログラム及びシステムに関する。より詳細には、本開示は、モバイルコンピュータ装置及びそれを実行するためのシステムを使用して、臨床環境や病院以外で患者の糸球体濾過量(GFR)をモニタリングすることに関する。
【背景技術】
【0003】
臨床及び前臨床の分野では、例えば、臓器の機能に応じてそれに対応する治療または投薬が調節されるので、様々な臓器の機能を把握することが非常に重要である。
【0004】
糸球体濾過量(GFR)は、患者の腎機能レベルを評価するための重要な臨床パラメータである。下記の表1に示すように、慢性腎臓病(CKD)などの腎機能障害は、GFRが低いほど重症度が高くなる。GFRは、血液検査によって測定された血中クレアチニン濃度と、他の因子との組み合わせに基づいて推定することができる。GFRをより正確に推定する方法は、患者に外因性物質を注入し、その後、所定期間にわたって、血漿及び/または尿の濃度を注意深くモニタリングすることを必要とする。外因性物質としては、多くの場合、造影剤(CA)を使用されるが、造影剤(CA)の使用は、腎障害を引き起こす恐れがある。放射性同位体またはヨウ素化芳香環が、GFR測定に使用される造影剤(CA)の2つの一般的なカテゴリである。
【0005】
【0006】
腎機能障害を有する多くの患者は、他の様々な医療上の困難にも悩まされており、移動性(可動性)が制限されているか、または損なわれている可能性がある。場合によっては、患者は、在宅で、看護師などの在宅医療提供者から医療を受けている。このような患者にとっては、医学的評価のために病院や臨床現場に出向くことは困難である。正確で適時な評価を最も必要としている患者が、その評価を得ることが最も困難な場合がある。このため、患者が病院や臨床現場に出向くことなく、その患者のGFRを評価することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第16/171、689号明細書
【特許文献2】米国特許出願第62/577、951号明細書
【特許文献3】米国特許第8、155、000号明細書
【特許文献4】米国特許第8、664、392号明細書
【特許文献5】米国特許第8、697、033号明細書
【特許文献6】米国特許第8、722、685号明細書
【特許文献7】米国特許第8、778、309号明細書
【特許文献8】米国特許第9、005、581号明細書
【特許文献9】米国特許第9、114、160号明細書
【特許文献10】米国特許第9、283、288号明細書
【特許文献11】米国特許第9、376、399号明細書
【特許文献12】米国特許第9、480、687号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本開示は、コンピュータ実行可能命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。本開示のコンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、モバイルコンピュータ装置をGFRセンサに通信可能に無線接続するようにユーザに指示するペアリング指示画面を表示するステップと、GFRセンサを患者の身体に装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、患者の体内にGFR物質を投与するようにユーザに指示する注入指示画面を表示するステップと、GFRセンサに患者のGFRを計算するための吸光度データの収集を開始させるために、モバイルコンピュータ装置からGFRセンサに信号を送信するステップと、GFRセンサから吸光度データを受信するステップと、GFRセンサから受信した吸光度データを格納するステップと、を実行させる。
【0009】
別の態様では、本開示は、患者のGFRを測定(評価)するためのコンピュータ実施方法を提供する。本開示のコンピュータ実施方法は、少なくとも1つのメモリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのユーザインターフェースとを備えるモバイルコンピュータ装置を使用して実施される。本開示のコンピュータ実施方法は、患者の身体にGFRセンサを装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、患者の身体に装着したGFRセンサをモバイルコンピュータ装置に通信可能に接続する方法をユーザに指示するペアリング指示画面を表示するステップと、患者の体内にGFR物質を投与する方法及び場所をユーザに指示する注入指示画面を表示するステップと、GFRセンサによって吸光度データの収集を開始する方法をユーザに指示する測定画面を表示するステップと、GFRセンサが吸光度データを収集している間、所定時間待つようにユーザに指示するデータ収集画面を表示するステップと、吸光度データを医療提供者のコンピュータ装置に送信する方法をユーザに指示する送信指示画面を表示するステップと、を含む。
【0010】
さらに別の態様では、本開示は、患者のGFRを測定(評価)するためのシステムを提供する。本開示のシステムは、ユーザが患者のGFRを測定(評価)するのを支援するためのコンピュータプログラムがインストールされたモバイルコンピュータ装置と、モバイルコンピュータ装置に通信可能に無線接続されるように構成されたGFRセンサと、GFR物質と、GFR物質の注入装置と、を備える。
【0011】
さらに別の態様では、本開示は、GFRを測定(評価)するためのキットを提供する。本開示のキットは、GFR物質を患者の体内に投与するように構成された注入装置と、患者の体に装着されるように構成されたGFRセンサと、GFRセンサに通信可能に無線接続されるモバイルコンピュータ装置と、を含み、GFR物質は、GFRセンサによって生成された電磁放射に応答して少なくとも1つの応答光を放射し、かつ、患者の腎臓による糸球体濾過によって除去されるように構成され、GFRセンサは、患者の身体に向けて電磁放射を照射し、かつ、電磁放射に応答して患者の体内に存在するGFR物質から放射された少なくとも1つの応答光を検出するように構成され、モバイルコンピュータ装置は、GFRセンサから応答光のデータを受信し、かつ、応答光のデータに基づいて患者のGFRを計算するようにプログラムされている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に添付される図面は、本明細書に開示されるシステム及び方法の様々な態様を示す。各図は、開示されたシステム及び方法の特定の態様の実施形態を示しており、それの可能な実施形態と一致することを意図していることを理解されたい。
【0013】
【
図1】
図1は、本開示による患者のGFRの測定に使用されるソフトウェアアプリケーションのホーム画面のスクリーンショットの例である。
【
図2】
図2は、本開示によるモバイルコンピュータ装置をGFRセンサに通信可能に接続するように患者に指示する、ソフトウェアアプリケーションのBluetooth(登録商標)ペアリング画面のスクリーンショットの例である。
【
図3】
図3は、GFRセンサを身体に配置する位置をユーザに指示する、ソフトウェアアプリケーションのセンサ装着指示画面のスクリーンショットの例である。
【
図4】
図4は、患者の皮膚の色または他の身体的特徴に合わせてGFRセンサをカスタマイズするように患者に指示する、ソフトウェアアプリケーションのカスタマイズ指示画面のスクリーンショットの例である。
【
図5】
図5は、GFR物質を患者に注入するようにユーザに指示する、ソフトウェアアプリケーションの注入指示画面のスクリーンショットの例である。
【
図6】
図6は、GFR測定中に患者にフィードバックを提供する、ソフトウェアアプリケーションの測定画面のスクリーンショットの例である。
【
図7】
図7は、GFR測定の最終結果を表示するとともに、患者がGFR測定の最終結果を医療提供者に送信することを可能にする、ソフトウェアアプリケーションの結果画面のスクリーンショットの例である。
【
図8】
図8は、患者がソフトウェアアプリケーションを終了することを可能にする、ソフトウェアアプリケーションの終了画面のスクリーンショットの例である。
【
図9】
図9は、
図10に示すシステムで使用することができるコンピュータ装置の一実施形態のブロック図である。
【
図10】
図10は、家庭用経皮GFRモニタリングのためのシステムの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって使用される近似表現(近似を表す用語)は、それに関連する基本機能の変化をもたらすことなく許容範囲で変化することができる任意の定量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「約」、「おおよそ(ほぼ)」、「実質的に」などの用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似表現は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって、範囲の限定は、組み合わせること及び/または置き換えることが可能である。このような範囲は、文脈や言語が特に指定しない限り、その範囲内に含まれる全ての下位範囲(部分範囲)を含む。
【0015】
本明細書に記載されるコンピュータ実施方法は、本明細書の他の箇所に記載されているものを含む、追加の、より少ない、または代替の動作を含んでもよい。コンピュータ実施方法は、1つまたは複数のローカルまたはリモートのプロセッサ、トランシーバ、サーバ、及び/またはセンサを介して、あるいは、コンピュータ可読媒体(コンピュータ読み取り可能な媒体)に格納されたコンピュータ実行可能命令を介して実施することができる。
【0016】
加えて、本明細書に記載されるコンピュータシステムは、本明細書の他の箇所に記載されているものを含む、追加の、より少ない、または代替の機能を含んでもよい。本明細書に記載されるコンピュータシステムは、非一時的なコンピュータ可読媒体(非一過性のコンピュータ可読媒体)に格納されたコンピュータ実行可能命令を含むか、またはそれを介して実施することができる。
【0017】
本明細書に基づいて理解されるように、本明細書に記載される実施形態は、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせもしくはサブセットを含むコンピュータプログラミングまたはエンジニアリング技術を用いて実施することができる。このような結果が得られる、コンピュータ可読コード手段を有する任意のプログラムは、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体内で具現化するかまたは提供するこができ、これによって、本明細書に記載される実施形態によるコンピュータプログラム、例えば製品を製造することができる。コンピュータ可読媒体は、これに限定しないが、例えば、固定(ハード)ドライブ、ディスケット、光ディスク、磁気テープ、読み出し専用メモリ(ROM)などの半導体メモリ、及び/または、インターネットまたは他の通信ネットワーク若しくは通信リンクなどの任意の送受信媒体であり得る。
【0018】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、「アプリ」、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高レベルの手続き型及び/またはオブジェクト指向プログラミング言語、及び/またはアセンブリ/マシン言語で実現することができる。本明細書で使用するとき、「機械可読媒体」、「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、そのようなものには、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体が含まれる。ただし、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」には、一過性の信号は含まれない。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という用語は、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、及び、本明細書に記載された機能を実行することができる任意の他の回路またはプロセッサを使用するシステムを含む、任意のプログラム可能なシステムを指す。上記の例は単なる例であり、したがって、「プロセッサ」という用語の定義及び/または意味をいかなる形でも限定することを意図していない。
【0020】
本明細書で使用するとき、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」という用語は互換的に使用され、プロセッサによって実行するためにメモリ、例えば、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリなど、に格納された任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリの種類は単なる例であり、したがって、コンピュータプログラムの格納に使用可能なメモリの種類を限定するものではない。
【0021】
一態様では、コンピュータプログラム(すなわち、ソフトウェアアプリケーション)が提供され、このコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上で具現化される。例示的な実施形態では、コンピュータプログラムは、サーバコンピュータへの接続を必要とせずに、単一のコンピュータシステム上で実行される。さらなる実施形態では、コンピュータシステムは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルコンピュータ装置である。コンピュータプログラムは、フレキシブルであり、主要な機能を損なうことなく様々なコンピュータ環境で実行することができるように設計されている。様々なコンピュータ環境の非限定的な例としては、iOSまたはAndroid(登録商標)オペレーティングシステムを実行するスマートフォンが挙げられる。
【0022】
コンピュータプログラム(すなわち、非一時的なコンピュータ可読媒体にインストールされたソフトウェアアプリケーション)及びコンピュータシステムは、以下では、実質的に腎機能モニタリングに関して説明する。しかし、原理的には、指標物質の時間的プロファイルを決定することによって特定の器官の機能を検出することができる他の用途も考えられる。
【0023】
本明細書で高いレベルで提供されるのは、コンピュータプログラムと、患者の皮膚に取り付けるように構成されたセンサとである。コンピュータプログラムは、モバイルコンピュータ装置上で動作するように設計されており、センサ(本明細書ではGFRセンサとも呼ばれる)は、コンピュータプログラムと(例えば、Bluetooth(登録商標)接続を介して)無線通信するように設計されている。患者は、センサを自分の身体、例えば皮膚上に取り付け、センサを較正し、患者の固有の皮膚の色及び身体的特徴に合わせてカスタマイズし、次いで、注入装置を使用してGFR物質を自分自身に注入する。GFR物質は、センサから放射された電磁放射線に応答して光(応答光)を放射するように構成されている。その後、センサに設けられた検出器は、GFR物質から放射された光を所定期間にわたって検出し、検出された光に関する情報を、コンピュータプログラムを実行しているモバイルコンピュータ装置に送信する。モバイルコンピュータ装置に送信される情報には、これに限定しないが、検出された光強度と時間とが含まれる。モバイルコンピュータ装置に送信された情報は、患者のGFRを測定(評価)するためにコンピュータプログラムによって使用される。そして、患者のGFRは、モバイルコンピュータ装置のインターフェース上に表示され、いくつかの態様では、患者のGFRは、モバイルコンピュータ装置から患者の医療提供者にさらに送信される。患者のGFRを測定するこのシステムは、病院や医療提供者のオフィスの外で使用することができるように設計されている。例えば、患者のGFRを測定するこのシステムは、患者が自宅で使用することができる。
【0024】
図1~8は、本開示の例示的な実施形態によるソフトウェアアプリケーション(コンピュータプログラム)のユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットを示す。これらのスクリーンショットは、ソフトウェアアプリケーションを実行するモバイルコンピュータ装置上に表示される。より具体的には、
図1は、モバイルコンピュータ装置上に表示されるホーム画面のスクリーンショットの例である。本実施形態では、ホーム画面は、モバイルコンピュータ装置上のソフトウェアアプリケーションにアクセスしたときにユーザに対して表示される最初の画面である。このホーム画面は、次のステップに進むようにユーザに指示する。このホーム画面、または、このソフトウェアアプリケーションの別の画面に、図示しない追加機能を組み込んでもよい。追加機能としては、これに限定しないが、例えば、患者ID、保険情報、患者またはその患者の医療提供者(HCP)の連絡先情報などの情報を表示する機能などが挙げられる。また、このホーム画面、または、このソフトウェアアプリケーションの別の画面に、患者にさらに指示したり、処置や処置結果に関する質問に答えたりするための「ヘルプ」機能を組み込んでもよい。
【0025】
例示的な実施形態では、患者(GFR測定値を取得する対象)が、モバイルコンピュータ装置上のソフトウェアアプリケーションにアクセスしてそのアプリケーションを使用する。あるいは、患者以外のユーザ(例えば、在宅ケア提供者)が、ソフトウェアアプリケーションにアクセスして、そのアプリケーションを使用して患者のGFR測定値を取得してもよい。
【0026】
図2は、ソフトウェアアプリケーションのBluetooth(登録商標)ペアリング画面のスクリーンショットの例である。
図2に示すように、Bluetooth(登録商標)ペアリング画面は、患者(または他のユーザ)に、モバイルコンピュータ装置をGFRセンサに「ペアリングする」、すなわち、通信可能に接続するように指示する。ペアリングは、例えば、Bluetooth(登録商標)、及び/または、モバイルコンピュータ装置とGFRセンサとの間の無線通信の任意の他の適切な形態を使用して行うことができる。ペアリングには、セキュリティ機能を組み込むことができる。セキュリティ機能は、例えば、ペアリングをイネーブルにするためには、ソフトウェアアプリケーション(例えば、モバイルコンピュータ装置の入力インターフェースを使用する)に固有のセンサ識別番号を入力するようにユーザに要求する。いくつかの態様では、そのような識別は行わず、その代わりに、Bluetooth(登録商標)技術の制限された通信距離、及び、GFRセンサのモバイルコンピュータ装置への近接に依存する。
【0027】
図3は、ソフトウェアアプリケーションのセンサ装着指示画面のスクリーンショットの例である。
図3に示すように、センサ装着指示画面は、GFRセンサを皮膚上に配置するよう患者に指示する。GFRセンサは、患者の身体上の任意の適切な位置に配置することができる。だが、いくつかの態様では、患者は、GFRセンサを特定の位置に配置するように指示される。追加の指示を、ソフトウェアアプリケーションのこの画面または別の画面に表示してもよい。この例では、患者は、GFRセンサを配置する皮膚上の位置を選択する方法と、GFRセンサの最適な取り付けを達成するために、GFRセンサの配置位置を準備(prepare)及び滅菌する方法に関しても指示される。さらに、この画面は、GFRセンサが皮膚上に適切に配置されたことを患者が確認するための選択可能なアイコン(例えばボタン)を含む。これにより、GFRセンサが適切に配置されるまで、ソフトウェアアプリケーションが次のステップに進むことを防止する。追加機能を、ソフトウェアアプリケーションのこの画面または別の画面に組み込んでもよい。いくつかの態様では、
図3に示した指示は、2以上の画面に分割して表示される。
【0028】
図4は、ソフトウェアアプリケーションのカスタマイズ指示画面のスクリーンショットの例である。
図4に示すように、カスタマイズ指示画面は、GFRセンサを、患者自身の皮膚の色及び/または他の身体的特徴に合わせてカスタマイズするように患者に指示する。この態様では、GFRセンサは、カスタマイズプロセスを開始するようにGFRセンサに指示する信号を、モバイルコンピュータ装置から受信する。カスタマイズプロセスは、患者の身体から自然に発せられる光の吸収のバックグラウンドレベルを収集することを含み得る。また、カスタマイズプロセスは、様々な患者の様々な膚の色を考慮して、GFRセンサの光強度や検出器の感度を調整することを含み得る。例えば、民族的背景の異なる患者間では肌の色が異なるため、GFRセンサは各患者の肌の色に合わせて調整される。いくつかの態様では、カスタマイズ指示画面は、カスタマイズが完了し、患者がソフトウェアアプリケーションの次のステップに進むことができるまでの時間を患者に知らせるカウントダウンタイマーを含む。
【0029】
図5は、ソフトウェアアプリケーションの注入指示画面のスクリーンショットの例である。
図5に示すように、注入指示画面は、注入装置を使用して、GFRセンサによって検出可能なGFR物質を患者自身に注入するように患者に指示する。いくつかの態様では、患者は、患者自身の身体におけるGFR物質を注入する位置を具体的に指示される。例えば、GFR物質を脚、腹部、または臀部に注入するように患者に指示することができる。注入装置は、注入システムと、1回分のGFR物質とを含む。1回分のGFR物質は、注入装置に予め装填してもよいし、または、1回分のGFR物質を注入装置に装填する方法を患者に指示してもよい。この態様では、GFRセンサが患者の体内にGFR物質の存在を検出すると、GFRセンサが振動することが、患者に説明される。これにより、GFRセンサによる測定が開始されたこと、及び、GFR物質が適切に注入されたことが、患者に通知される。
【0030】
図6は、ソフトウェアアプリケーションの測定画面(測定画面及びデータ収集画面)のスクリーンショットの例である。
図6に示すように、GFRセンサによる患者のGFRの測定は、患者が追加の操作を行うことなく進行する。この態様では、患者は、患者のGFRの測定が完了するまで所定の時間が経過しなければならないことを知らされる。加えて、ソフトウェアアプリケーションは、患者のGFRの測定中に、モバイルコンピュータ装置がGFRセンサからデータを無線で受信するように構成される。いくつかの態様では、モバイルコンピュータ装置は、GFRセンサから吸光度データを受信し、受信した吸光度データを使用して、ソフトウェアアプリケーションに含まれる数学的アルゴリズムを用いて患者のGFRを計算する。そのようなアルゴリズムの1つは、特許文献1に記載されている(この特許文献の開示内容の全体は、参照により本明細書中に援用される)。患者のGFRの測定のために、患者の医療提供者(HCP)は、患者のGFRの測定中に、患者のどのような活動が許可されるか、または許可されないかについての追加の指示を提供することができる。例えば、患者のGFRの測定中のシャワー、入浴、または激しい運動は許可しないが、その他の日常活動は許可するよう患者に指示することがある。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、患者のGFRの測定の途中でモバイルコンピュータ装置の画面に表示される「初期」GFRを計算する。この初期GFRは、GFRセンサがデータを適切に収集していることを確認するとともに、長期間にわたって収集される吸光度データが患者のGFRのより正確な測定値であり得ることを認識するために使用することができる。
【0031】
図7は、ソフトウェアアプリケーションの結果画面(送信指示画面及び結果画面)のスクリーンショットの例である。
図7に示すように、GFR測定の最終結果は、モバイルコンピュータ装置の画面に表示される。いくつかの態様では、患者は、GFR測定の最終結果を、モバイルコンピュータ装置から医療提供者(HCP)のコンピュータ装置に送信するためのオプション(例えば、「送信」ボタンの選択)を与えられる。一方、他の態様では、ソフトウェアアプリケーションは、GFR測定の最終結果を、モバイルコンピュータ装置からHCPコンピュータ装置に自動的に送信する。GFR測定の最終結果の送信は、コンピュータ装置間でデータを送信するための当技術分野で公知の方法を用いてことができる。最も単純な例では、GFR測定の最終結果は、患者のモバイルコンピュータ装置からHCPのコンピュータ装置に電子メールで送信することができる。他の送信方法を使用してもよい。全ての態様において、GFR測定の最終結果は患者の医療情報であるため、患者のプライバシーに関する全ての法律の遵守がこの送信に組み込まれる。例えば、モバイルコンピュータ装置からHCPのコンピュータ装置へ送信する前に、データを暗号化してもよい。
【0032】
図8は、ソフトウェアアプリケーションの終了画面のスクリーンショットの例である。
図8に示すように、GFR測定の完了後、この終了画面は、患者に対してソフトウェアアプリケーションを閉じるように指示する。追加の指示は、この終了画面または別の画面に表示される。例えば、患者に対して、GFRセンサを患者の身体から取り外すように指示したり、GFRセンサの適切な廃棄方法を指示したりすることができる。いくつかの態様では、GFRセンサは再使用可能であり、その場合、患者に対して、再使用に備えてセンサを適切に取り外す及び洗浄する方法を指示する。追加の指示は、注入装置及び/またはGFR物質の1回分のカートリッジの最終的な廃棄を含み得る。
【0033】
図9は、本明細書に記載されたソフトウェアアプリケーションを動作させるモバイルコンピュータ装置を実現するために使用されるコンピュータ装置900の一実施形態のブロック図である。例えば、コンピュータ装置900は、上述した機能の少なくとも一部の実行を容易にすることができる。
【0034】
コンピュータ装置900は、少なくとも1つのメモリデバイス910と、メモリデバイス910に接続された、コンピュータ実行可能命令を実行するためのプロセッサ915とを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令は、メモリデバイス910に格納される。コンピュータ装置900は、プロセッサ915をプログラムすることによって、本明細書に記載された1以上の動作を実行する。例えば、プロセッサ915は、或る動作を1以上のコンピュータ実行可能命令としてエンコードし、そのコンピュータ実行可能命令をメモリデバイス910に提供することによってプログラムすることができる。
【0035】
プロセッサ915は、1以上の処理ユニット(例えば、マルチコア構成)を含み得る。さらに、プロセッサ915は、単一チップ上にメインプロセッサが補助プロセッサと共に存在する1以上の異種プロセッサシステムを使用して実現してもよい。別の例示的な例として、プロセッサ915は、同じタイプのプロセッサを複数含む対称型マルチプロセッサシステムであってもよい。さらに、プロセッサ915は、1以上のシステム及びマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び本明細書に記載した機能を実行することができる任意の他の回路を含む任意の適切なプログラマブル回路を使用して実現してもよい。
【0036】
メモリデバイス910は、コンピュータ実行可能命令及び/または他のデータなどの情報を格納及び検索することを可能にする1以上のデバイスである。メモリデバイス910の例としては、これに限定しないが、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ソリッドステートディスク、及び/またはハードディスクなどの、1以上のコンピュータ可読媒体(コンピュータ読み取り可能媒体)が挙げられる。メモリデバイス910は、これに限定しないが、アプリケーションソースコード、アプリケーションオブジェクトコード、対象となるソースコード部分、対象となるオブジェクトコード部分、コンフィギュレーションデータ、実行イベント、及び/または任意の他のタイプのデータを格納するように構成され得る。
【0037】
コンピュータ装置900は、プロセッサ915に接続された表示インターフェース920を備える。表示インターフェース920は、患者などのユーザ925に対して情報を表示する。表示インターフェース920としては、例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、及び/または「電子インク」ディスプレイなどのディスプレイ装置に接続されるディスプレイアダプタ(図示せず)などが挙げられる。いくつかの実施形態では、表示インターフェース920は、1以上の表示装置を含む。
【0038】
図9に示す実施形態では、コンピュータ装置900は、プロセッサ915に接続されたユーザ入力インターフェース935を備える。この実施形態では、ユーザ入力インターフェース935は、ユーザ925からの入力を受ける。ユーザ入力インターフェース935としては、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチセンサパネル(例えば、タッチパッドまたはタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、及び/またはユーザ音声入力インターフェースなどが挙げられる。タッチスクリーンなどの単一コンポーネントは、表示インターフェース920の表示装置と、ユーザ入力インターフェース935との両方として機能することができる。
【0039】
この実施形態では、コンピュータ装置900は、プロセッサ915に接続された通信インターフェース940を備える。通信インターフェース940は、1以上の遠隔装置と通信する。遠隔装置と通信するために、通信インターフェース940は、例えば、有線ネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、及び/または移動通信アダプタを含み得る。
【0040】
図10は、患者のGFRを測定(評価)するためのシステム1000のブロック図である。
図10に示すように、本開示のシステム1000は、一般的に、GFRセンサ1004に通信可能に接続されたモバイルコンピュータ装置1002(例えば、
図9に示したコンピュータ装置900)を備える。上述したように、モバイルコンピュータ装置1002は、ユーザがGFRセンサ1004を使用して患者のGFRを測定(評価)するのを支援するソフトウェアアプリケーションを実行する。いくつかの実施形態では、本開示は、コンピュータ実行可能命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体(非一過性のコンピュータ可読媒体)を提供する。本開示のコンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置1002の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、そのプロセッサに、モバイルコンピュータ装置をGFRセンサに無線通信可能に接続するようにユーザに指示するペアリング指示画面を表示するステップと、GFRセンサを患者の身体に装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、患者の体内にGFR物質を投与するようにユーザに指示する注入指示画面を表示するステップと、GFRセンサに患者のGFR(糸球体濾過量)を計算するための吸光度データの収集を開始させるために、モバイルコンピュータ装置からGFRセンサに信号を送信するステップと、GFRセンサから光吸収データを受信するステップと、GFRセンサから受信した吸光度データを格納するステップと、を実行させる。
【0041】
本開示のシステム1000は、任意選択で、追加の構成要素を含むことができる。例えば、患者のGFRを測定(評価)するためのシステム1000は、GFRセンサをさらに備える。いくつかの態様では、GFRセンサは、本明細書の別の箇所に記載した通りである。いくつかの態様では、システム1000は、GFR物質を注入するための注入装置をさらに備える。いくつかの態様では、注入装置及びGFR物質は、本明細書の別の箇所に記載した通りである。
【0042】
いくつかの態様では、コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、そのプロセッサに、吸光度データを用いて患者のGFRを計算するステップをさらに実行させる。いくつかの態様では、コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、そのプロセッサに、患者のGFRを医療提供者のコンピュータ装置に無線送信するステップをさらに実行させる。いくつかの態様では、コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、そのプロセッサに、GFRセンサを患者の身体に合わせて較正するようにユーザに指示するカスタマイズ指示画面を表示するステップと、GFRセンサの較正を開始するためのユーザ入力の受信に応答して、GFRセンサの較正を開始するために、モバイルコンピュータ装置からGFRセンサに信号を送信するステップと、GFRセンサの較正の完了時に、GFRセンサから信号を受信するステップと、さらに実行させる。いくつかの態様では、コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、そのプロセッサに、コンピュータ実行可能命令の実行中にエラーが発生した場合にエラーメッセージを表示するステップをさらに実行させる。
【0043】
さらに別の態様では、本開示は、患者のGFRを測定(評価)するためのコンピュータ実施方法を提供する。本開示の方法は、少なくとも1つのメモリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのユーザインターフェースとを備えるモバイルコンピュータ装置を使用して実施される。本開示の方法は、患者の身体にGFRセンサを装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、患者の身体に装着したGFRセンサをモバイルコンピュータ装置に通信可能に接続する方法をユーザに指示するペアリング指示画面を表示するステップと、患者の体内にGFR物質を投与する方法及び場所をユーザに指示する注入指示画面を表示するステップと、GFRセンサによって吸光度データの収集を開始する方法をユーザに指示する測定画面を表示するステップと、GFRセンサが吸光度データを収集している間、所定時間待つようにユーザに指示するデータ収集画面を表示するステップと、吸光度データを医療提供者のコンピュータ装置に送信する方法をユーザに指示する送信指示画面を表示するステップと、を含む。
【0044】
いくつかの態様では、本開示の方法は、吸光度データを収集する前に、GFRセンサをカスタマイズする方法をユーザに指示するカスタマイズ指示画面を表示するステップと、吸光度データを用いて患者のGFRを計算するステップと、患者の計算されたGFRを表示する結果画面を表示するステップと、コンピュータ実施方法の各ステップの後に、各ステップが正常に完了したことを示す患者/ユーザの入力を待つステップと、モバイルコンピュータ装置から医療提供者のコンピュータ装置に、計算されたGFR、吸光度データ、またはその両方を送信するステップと、コンピュータ実施方法の実行中にエラーが発生した場合に、ユーザ及び/または患者にフィードバックを提供するステップと、をさらに含む。
【0045】
さらに別の態様では、本開示は、GFRを測定(評価)するためのキットを提供する。本開示のキットは、一般的に、GFR物質を患者の体内に投与するように構成された注入装置と、患者の体に装着されるように構成されたGFRセンサと、GFRセンサに通信可能に無線接続されるモバイルコンピュータ装置と、を含む。GFR物質は、GFRセンサによって生成された電磁放射に応答して少なくとも1つの応答光を放射し、かつ、患者の腎臓による糸球体濾過によって除去されるように構成されている。GFRセンサは、患者の身体に向けて電磁放射を照射し、かつ、電磁放射に応答して患者の体内に存在するGFR物質から放射された少なくとも1つの応答光を検出するように構成されている。モバイルコンピュータ装置は、GFRセンサから応答光のデータを受信し、かつ、応答光のデータに基づいて患者のGFRを計算するようにプログラムされている。いくつかの態様では、GFR物質は、本明細書の別の箇所に記載した通りである。いくつかの態様では、GFRセンサは、本明細書の別の箇所に記載した通りである。いくつかの態様では、注入装置は、本明細書の別の箇所に記載した通りである。いくつかの態様では、モバイルコンピュータ装置は、本明細書の別の箇所に記載した通りである。
【0046】
いくつかの態様では、本開示のキットは、患者のGFRを測定(評価)するために本開示のキットの構成要素を使用する方法を記載した使用説明書をさらに含む。
【0047】
本明細書中で使用するとき、「患者」または「ユーザ」という用語は、同一の人物を指していてもよいし、そうでなくてもよい。いくつかの態様では、患者またはユーザは、同一の人物である。いくつかの態様では、患者またはユーザは、別の人物である。患者とユーザとが別の人物である場合、コンピュータプログラムのユーザは、患者のGFR測定を補助している。例えば、訪問看護師が、患者の自宅で患者のGFR測定を補助し、これにより、患者がGFR測定を行うために診療所や病院に行く困難さを助けることができる。患者は男性であっても女性であってもよく、本明細書で使用される性別の代名詞は、単に言語的便宜として使用されることを理解されたい。
【0048】
本開示の方法及び装置で使用するのに適したGFR物質(指標物質と呼ばれることもある)の例としては、これに限定しないが、特許文献2~12に開示されているものが挙げられる(これらの特許文献の開示内容の全体は、参照により本明細書中に援用される)。いくつかの態様では、指標物質は、糸球体濾過によって患者の体内から除去される。いくつかの態様では、指標物質は、糸球体濾過によってのみ患者の体内から除去される。
【0049】
いくつかの態様では、指標物質は、下記の化学式Iで表されるピラジン誘導体、またはその薬学的に許容される塩である。
【0050】
【0051】
式中、
X1及びX2は、互いに独立して、-CN、-CO2R1、-CONR1R2、-CO(AA)、-CO(PS)、及び、-CONH(PS)からなる群から選択され、
Y1及びY2は、互いに独立して、NR1R2、及び、
【0052】
【0053】
からなる群から選択され、
Z1は、単結合、-CR1R2-、-O-、-NR1-、-NCOR1-、-S-、-SO-、及び、-SO2-からなる群から選択され、
R1及びR2は、互いに独立して、H、-CH2(CHOH)aH、-CH2(CHOH)aCH3、-CH2(CHOH)aCO2H、-(CHCO2H)aCO2H、-(CH2CH2O)cH、-(CH2CH2O)cCH3、-(CH2)aSO3H、-(CH2)aSO3
-、-(CH2)aSO2H、-(CH2)aSO2
-、-(CH2)aNHSO3H、-(CH2)aNHSO3
-、-(CH2)aNHSO2H、-(CH2)aNHSO2
-、-(CH2)aPO4H3、-(CH2)aPO4H2
-、-(CH2)aPO4H2-、-(CH2)aPO4
3-、-(CH2)aPO3H2、-(CH2)aPO3H-、及び、-(CH2)aPO3
2-からなる群から選択され、
AAは、ペプチド結合またはアミド結合によって互いに結合された1以上の天然または非天然のアミノ酸を含むポリペプチド鎖であり、AAの各々は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、
PSは、グリコシド結合によって互いに結合された1以上の単糖単位を含む硫酸化多糖鎖または非硫酸化多糖鎖であり、
aは、0~10の範囲の数であり、
cは、1~100の範囲の数であり、
m及びnは、互いに独立して、1~3の範囲の数である。
【0054】
別の態様では、aは、1~10の範囲の数である。さらに別の態様では、aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0055】
(AA)は、ペプチドまたはアミド結合によって互いに結合された1以上の天然または非天然のアミノ酸を含むペプチド鎖である。ペプチド鎖(AA)は、単一のアミノ酸、ホモポリペプチド鎖、またはヘテロポリペプチド鎖であり得、任意の適切な長さを有し得る。いくつかの実施形態では、天然または非天然のアミノ酸は、α-アミノ酸である。さらに別の態様では、α-アミノ酸は、D-α-アミノ酸またはL-α-アミノ酸である。2以上のアミノ酸を含むポリペプチド鎖において、全ての態様において、各アミノ酸は、互いに独立して、これに限定しないが、側鎖構造及び立体化学構造から選択される。例えば、いくつかの実施形態では、ポリペプチド鎖は、1~100個のアミノ酸、1~90個のアミノ酸、1~80個のアミノ酸、1~70個のアミノ酸、1~60個のアミノ酸、1~50個のアミノ酸、1~40個のアミノ酸、1~30個のアミノ酸、1~20個のアミノ酸、または1~10個のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチド鎖は、1~100個のα-アミノ酸、1~90個のα-アミノ酸、1~80個のα-アミノ酸、1~70個のα-アミノ酸、1~60個のα-アミノ酸、1~50個のα-アミノ酸、1~40個のα-アミノ酸、1~30個のα-アミノ酸、1~20個のα-アミノ酸、または1~10個のα-アミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、D-アラニン、D-アルギニン、D-アスパラギン、D-アスパラギン酸、D-システイン、D-グルタミン酸、D-グルタミン、グリシン、D-ヒスチジン、D-ホモセリン、D-イソロイシン、D-ロイシン、D-リジン、D-メチオニン、D-フェニルアラニン、D-プロリン、D-セリン、D-トレオニン、D-トリプトファン、D-チロシン、及びD-バリンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリペプチド鎖(AA)のα-アミノ酸は、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ホモセリン、リジン、及びセリンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ポリペプチド鎖(AA)のα-アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモセリン、及びセリンからなる基から選択される。いくつかの実施形態では、ポリペプチド鎖(AA)は、単一のアミノ酸(例えば、D-アスパラギン酸またはD-セリン)を指す。
【0056】
(PS)は、グリコシド結合によって互いに結合された1以上の単糖単位を含む硫酸化多糖鎖または非硫酸化多糖鎖である。多糖鎖(PS)は、任意の適切な長さを有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、多糖鎖は、1~100個の単糖単位、1~90個の単糖単位、1~80個の単糖単位、1~70個の単糖単位、1~60個の単糖単位、1~50個の単糖単位、1~40個の単糖単位、1~30個の単糖単位、1~20個の単糖単位、または1~10個の単糖単位も含み得る。いくつかの実施形態では、多糖鎖(PS)は、ペントース単糖単位またはヘキソース単糖単位からなるホモ多糖鎖である。別の実施形態では、多糖鎖(PS)は、ペントース単糖単位及びヘキソース単糖単位の一方または両方からなるヘテロ多糖鎖である。いくつかの実施形態では、多糖鎖(PS)の単糖単位は、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロース、及びリボースからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、多糖鎖(PS)は、単一の単糖単位を指す(例えば、グルコースまたはフルクトース)。さらに別の態様では、多糖鎖は、その糖上の1以上のヒドロキシ基がアミン基で置換されたアミノ糖である。カルボニル基との結合は、アミンまたはヒドロキシ基を介して行うことができる。
【0057】
指標物質の具体的な例としては、これに限定しないが、例えば、3,6-ジアミノ-N2,N2,N5,N5-テトラキス(2-メトキシエチル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミド、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミド、(2S,2´S)-2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)、3,6-ビス(ビス(2-メトキシエチル)アミノ)-N2,N2,N5,N5-テトラキス(2-メトキシエチル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミドビス(TFA)塩、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス(2-アミノエチル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミドビス(TFA)塩、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス(D-アスパラギン酸)-ピラジン-2,5-ジカルボキサミド、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス(14-オキソ-2,5,8,11-テトラオキサ-15-アザヘプタデカン-17-イル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミド、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス(26-オキソ-2,5,8,11,14,17,20,23-オクタオキサ-27-アザノナコサン-29-イル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミド、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス(38-オキソ-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35-ドデカオキサ-39-アザフェンテトラコンタン-41-イル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミド、ビス(2-(PEG-5000)エチル)6-(2-(3,6-ジアミノ-5-(2-アミノエチルカルバモイル)ピラジン-2-カルボキサミド)エチルアミノ)-6-オキソヘキサン-1,5-ジイルジカルバメート、(R)-2-(6-(ビス(2-メトキシエチル)アミノ)-5-シアノ-3-モルホリノピラジン-2-カルボキサミド)コハク酸、(2R,2´R)-2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)、(2S,2´S)-2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)、(2R,2´R)-2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ジプロピオン酸、3,3´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ジプロピオン酸、2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))二酢酸、(2S,2´S)-2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ジプロピオン酸、2,2´-((3,6-ジアミノピラジン-2,5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(2-メチルプロパン酸)、及び、3,6-ジアミノ-N2,N5-ビス((1R,2S,3R,4R)-1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンチル)ピラジン-2,5-ジカルボキサミドなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、指標物質は、(2R、2´R)-2、2´-((3、6-ジアミノピラジン-2、5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(MB-102としても知られる)である。いくつかの実施形態では、指標物質は、(2S、2´S)-2、2´-((3、6-ジアミノピラジン-2、5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)である。
【0058】
いくつかの実施形態では、指標物質は、下記の化学式で表される化合物、すなわち、(2R、2´R)-2、2´-((3、6-ジアミノピラジン-2、5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(MB-102、または、3、6-ジアミノ-N2、N5-ビス(D-セリン)-ピラジン-2、5-ジカルボキサミドとしても知られる)、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0059】
【0060】
いくつかの実施形態では、指標物質は、下記の化学式で表される化合物、すなわち、(2S、2´S)-2、2´-((3、6-ジアミノピラジン-2、5-ジカルボニル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(3、6-ジアミノ-N2、N5-ビス(L-セリン)-ピラジン-2、5-ジカルボキサミドとしても知られる)、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0061】
【0062】
さらに別の態様では、指標物質は、アクリジン、アクリドン、アントラセン、アントラサイクリン、アントラキノン、アザアズレン、アゾアズレン、ベンゼン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾインドカルボシアニン、ベンゾインドール、ベンゾチオフェン、カルバゾール、クマリン、シアニン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジピロロ染料、フラボン、イミダゾール、インドカルボシアニン、インドシアニン、インドール、イソインドール、イソキノリン、ナフタセンジオン、ナフタレン、ナフトキノン、フェナントレン、フェナントリジン、フェナントリジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェニルキサンテン、ポリフルオロベンゼン、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリジン、ピリミドン、ピロール、キノリン、キノロン、ローダミン、スクアライン、テトラセン、チオフェン、トリフェニルメタン染料、キサンテン、キサントン、及びそれらの誘導体からなる群から選択される。さらに別の態様では、指標物質は、糸球体濾過によって患者の身体から除去される任意の化合物である。さらに別の態様では、指標物質は、電磁放射線に曝露されると蛍光エネルギーを放出し、かつ、糸球体濾過によって患者の身体から除去される任意の化合物である。
【0063】
指標物質は、いずれの態様においても、その1以上の原子を、代替的に、同一元素の同位体標識原子で置換してもよい。例えば、水素原子は、重水素またはトリチウムで同位体標識することができ、炭素原子は、13Cまたは14Cで同位体標識することができ、窒素原子は、14Nまたは15Nで同位体標識することができる。同位体標識は、安定同位体であってもよいし、不安定同位体(すなわち、放射性同位体)であってもよい。指標物質は、1以上の同位体標識を含み得る。同位体標識は、部分的であってもよいし、全体的であってもよい。例えば、指標物質を50%重水素で標識することによって、質量分析または他の技術によって容易にモニタリングすることができるシグネチャを指標物質に付与することができる。別の例として、指標物質をトリチウムで標識することによって、当技術分野で既知の技術を用いてインビボ及びエクスビボの両方でモニタリングすることができる放射性シグネチャを指標物質に付与することができる。
【0064】
薬学的に許容可能な塩は、当技術分野で既知である。いずれの態様においても、化学式Iで表した化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態であり得る。非限定的な例として、薬学的に許容可能な塩としては、参照によりその教示内容の全体が本明細書に援用されるBergeらによる「J.Pharm.Sci.、66(1)、1(1977)」に記載されたものが挙げられる。薬学的に許容可能な塩は、カチオン性であってもよいし、アニオン性であってもよい。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩の対イオンは、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エステル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トリエチオダイド、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アミノサリチル酸、アンヒドロメチレンクエン酸塩、アレコリン、アスパラギン酸、重硫酸塩、臭化ブチル、カンホレート、ジグルコン酸塩、二臭化水素酸塩、二コハク酸塩、グリセロリン酸塩、ジェミ硫酸塩(jemisulfate)、ジュドロフッ化物(judrofluoride)、ジュドロヨウ化物(judroiodide)、メチレンビス(サリチル酸塩)、ナパジシル酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルエチルバルビツール酸塩、ピクリン酸塩、プロピオン酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、ベネタミン、クレミゾール、ジエチルアミン、ピペラジン、トロメタミン、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛ナトリウム、バリウム、及びビスマスからなる群から選択される。塩を形成することができる指標物質の官能基は、任意選択で、当技術分野で既知の方法を用いて形成することができる。非限定的な例として、塩酸アミン塩は、指標物質に塩酸を添加することによって形成することができる。リン酸塩は、指標物質にリン酸緩衝剤を添加することによって形成することができる。スルホン酸、カルボン酸、またはホスホン酸などの存在する任意の酸性官能基は、適切な塩基及び形成された塩で脱プロトン化することができる。あるいは、アミン基を適切な酸でプロトン化してアミン塩を形成してもよい。塩の形態は、単一に荷電されていてもよく、二重に荷電されていてもよく、または三重に荷電されていてもよく、2以上の対イオンが存在する場合、各対イオンは、他の対イオンの各々と同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0065】
本開示の注入装置は、患者が病院や臨床現場以外でGFR物質を自己投与することがきるように構成されている。例えば、患者は、在宅時にGFR物質を投与することができる。いくつかの態様では、本開示の注入装置は、GFR物質が既に装填された状態で提供される。いくつかの態様では、GFR物質は用量カートリッジまたは他の容器に収容されており、用量カートリッジまたは容器を注入装置に装填する方法についての指示が患者に与えられる。いくつかの態様では、本開示の注入装置は、患者が、GFR物質を、循環系、リンパ系、皮下空間、または皮下に直接的に自己投与することがきるように設計されている。いくつかの態様では、患者は、口腔内の血管を介してGFR物質を自己投与することができる。いくつかの態様では、GFR物質は、経口投与される。
【0066】
センサ(「GFRセンサ」とも称する)は、少なくとも1つの放射線源を備える。放射線源は、電磁スペクトル上の任意の場所に放射線を放射することができる任意の装置であると理解されたい。いくつかの態様では、電磁放射は、可視、赤外線、紫外線、及び/またはガンマスペクトル範囲にある。使用される放射線の種類を制限することなく、便宜上、以下では、電磁スペクトルの可視領域にあるかどうかにかかわらず、放射線を「光」と総称する。放射線源は、「光源」に関してより具体的に説明される。なお、いくつかの態様では、放射線源の他の構成も可能である。また、いくつかの態様では、異なる種類の放射線源を互いに組み合わせることも可能である。
【0067】
放射線源は、例えば、センサの層構造の観点から、例えば、センサと一体化された構成要素とすることができる。したがって、放射線源は、外部で問い合わせ光を発生させるのではなく、センサ内で直接、少なくとも1つの問い合わせ光を発生させるように構成される。個々の光源の代わりに、いくつかの態様では、複数の光源、例えば、互いに同一の波長を発生させる複数の光源、及び/または、互いに異なる波長を発生させる互いに異なる複数の光源を使用してもよい。一般的に、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの問い合わせ光を身体の表面に照射するように構成されている。
【0068】
問い合わせ光は、本明細書の他の個所に開示されているように、指標物質の検出に使用することができる光であり、この光は、患者の身体組織及び/または体液内に存在する指標物質を、例えば様々な浸透深さで刺激し、知覚可能な応答、より具体的には、光学的に知覚可能な応答を引き起こすものと理解されたい。この励起は、指標物質で発光、蛍光、及び/または燐光が開始されるように行われる。いくつかの態様では、他のタイプの励起により、例えば、同一の波長またはシフトされた波長での光の散乱が引き起こされる。一般的に、問い合わせ光に応答して指標物質によって、少なくとも1つの応答光が生成される。
【0069】
問い合わせ光は、指標物質を標的化した方法で所望の応答が引き起されるように設計される。したがって、これに限定しないが、例えば、問い合わせ光の波長及び/または波長範囲及び/または問い合わせ光の他の特性は、指標物質の同一性及び特性に基づいて適合させるかまたは調節することができる。これは、例えば、特定の波長及び/または特定の波長範囲を有する問い合わせ光を提供する放射線源によって、及び/または光源の一次光から所望の問い合わせ光をフィルタで除去するために使用される少なくとも1つの刺激フィルタを含めることによって、放射線源によって直接行うことができる。いくつかの態様では、センサは、指標物質の蛍光測定を実行する。したがって、問い合わせ光は、指標物質の蛍光の刺激範囲に適合させることができる。
【0070】
センサは、身体表面の方向から入射する少なくとも1つの応答光を検出するように構成された少なくとも1つの検出器をさらに備える。応答光は、上記で定義した光であり得る。また、検出器は、センサと一体化した構成となっている。したがって、検出器はセンサの一部であり、応答光はセンサ内で直接検出される。いくつかの態様では、検出器は、患者の体内のGFR物質から直接発せられていない光を、バックグラウンド補正によってフィルタ処理または補正することができるように、拡散反射補正用に構成される。
【0071】
いくつかの態様では、応答光は、問い合わせ光の入射に対する指標物質の光学的応答を表す。したがって、検出器及び/または少なくとも1つの応答フィルタと相互作用する検出器は、応答光のスペクトル範囲で標的化した方法によって検出するように構成される。いくつかの態様では、検出器及び/または少なくとも1つの応答フィルタと相互作用する検出器は、応答光のスペクトル範囲外の光を抑制するように構成される。いくつかの態様では、検出器及び/または少なくとも1つの応答フィルタと相互作用する検出器は、問い合わせ光を抑制するように構成される。さらに別の態様では、応答フィルタは、周囲光、特に、吸収される前に組織内を長距離移動することができる波長、例えば約700~1100nmのスペクトル範囲などの光の検出を抑制するように設計される。問い合わせ光及び応答光は、それらのスペクトル強度分布に関して、それらが互いにスペクトル的に異なるか、または、それらが互いにスペクトル的にシフトするように構成することができる。
【0072】
いくつかの態様では、応答光は、これに限定しないが、例えば、蛍光測定において一般的に発生する問い合わせ光と比較して、より長い波長にシフト(すなわち、ストークスシフト)する。別の例では、問い合わせ光のピーク波長に対する応答光のピーク波長のストークスシフトは、約10~200nmの範囲、より具体的には約100~150nmの範囲、特に約120nmである。検出器及び/または少なくとも1つの応答フィルタと相互作用する検出器は、このような応答光を検出するように構成される。ここでは、「約」は、±10nmを意味する。
【0073】
少なくとも1つの放射線源、より具体的には、少なくとも1つの光源、及び少なくとも1つの検出器は、身体表面に問い合わせ光を照射することで、身体表面の方向から入射する少なくとも1つの応答光を検出するように構成される。したがって、放射線源と検出器は、身体表面に光学的に接続されており、これにより、身体表面を介して、例えば経皮的に、問い合わせ光を患者の身体組織または体液に照射し、また、それと同様に、身体表面を通じて、例えば経皮的に、身体組織または体液からの応答光を検出器によって測定することができる。
【0074】
少なくとも1つの検出器及び少なくとも1つの放射線源に加えて、センサアセンブリは、さらなる要素を含んでいてもよい。いくつかの態様では、センサは、さらなる要素を備える。したがって、センサは、例えば、データ交換のための少なくとも1つのインターフェースを備えてもよい。データは、例えば、検出器によって検出された応答光の強度の測定結果であってもよい。また、部分的に処理済みのデータ、フィルタ処理されたデータ、あるいは、部分的または完全に測定(評価)されたデータを、モバイルコンピュータ上のコンピュータプログラムに無線送信してもよい。いくつかの態様では、例えば、当技術分野で知られているトランスポンダ技術を使用することによって、センサを用いて測定を開始したり、及び/またはセンサに対して測定データを問い合わせたりしてもよい。いくつかの態様では、例えば、RFID技術(無線周波数識別技術)で知られているような対応する無線周波数リーダを、この目的のために使用してもよい。いくつかの態様では、Bluetooth(登録商標)をこの目的のために使用してもよい。
【0075】
いくつかの態様では、両面接着剤が、センサの構成要素として用いられる。両面接着剤の皮膚に面する面は、汗などの湿気の存在下でさえ、長期間(例えば、24~48時間)皮膚に確実に付着するように選択される。いくつかの態様では、アクリレートベースの接着剤が、皮膚への接着のために使用される。さらに他の態様では、皮膚をバリア膜で事前処理する。これは例えば、乾燥時に「第2の皮膚」を形成する速乾性の液体フィルムの塗布により行う。このような態様では、バリア膜は、アクリレートベースの接着剤の皮膚への長期的な、かつ信頼性の高い接着を助けるとともに、皮膚表皮を破壊または除去することなくセンサの取り外しを可能にするという利点を有する。いくつかの態様では、バリア膜は、CAVILON(TM)(3M社製)である。両面接着剤のセンサに面する面は、センサの面に対して所望の強さで接着させることができるように選択される。このような態様では、センサの面は、MAKROLON(TM)などのポリマー材料から構成され、接着剤はゴムベースのものが用いられる。適切な両面接着剤の非限定的な例は、3M社の製品番号2477(プレミアムライナー付きのTPEシリコーンアクリレート医療用両面テープ)である。
【0076】
本明細書で使用するとき、単数形で記載され、単語「a」または「an」がその前に付く要素またはステップは、複数の要素またはステップを除外することが明示的に記載されていない限り、複数の要素またはステップを除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本開示の「例示的な実施形態」または「1つの実施形態」への言及は、記載された特徴を組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図しない。
【0077】
本明細書に添付された特許請求の範囲は、「~する手段」や「~するステップ」などの伝統的なミーンズプラスファンクション形式の表現が特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図していない。本明細書に記載された方法は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることなく、1または複数のステップを含むことができる。
【0078】
本明細書は、実施例を用いて、最良の実施の形態(ベストモード)を含む本発明の内容を開示し、かつ本発明を当業者が実施(任意の装置またはシステムの作製及び使用、並びに組み込まれた任意の方法の実施を含む)することを可能にしている。本発明の特許される技術範囲は、特許請求の範囲の請求項の記載によって定義され、当業者が想到可能な別の実施形態も含まれ得る。そのような別の実施形態は、各請求項の文言と相違しない構成要素を含む場合、または、各請求項の文言とは実質的に相違しない均等な構成要素を含む場合、その請求項の範囲内に含まれるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記モバイルコンピュータ装置をGFRセンサに通信可能に無線接続
するステップと、
前記GFRセンサを患者の身体に装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、
前記患者の体内にGFR物質を投与するように前記ユーザに指示
するステップと、
前記GFRセンサに前記患者のGFRを計算するための吸光度データの収集を開始させるために、前記モバイルコンピュータ装置から前記GFRセンサに信号を送信するステップと、
前記GFRセンサから前記吸光度データを受信するステップと、
前記GFRセンサから受信した前記吸光度データを格納するステップと、
を実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記吸光度データを用いて前記患者の前記GFRを計算するステップをさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
請求項2に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記患者の前記GFRを医療提供者のコンピュータ装置に無線で送信するステップをさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記GFRセンサを前記患者の身体に合わせて較正するように前記ユーザに指示するカスタマイズ指示画面を表示するステップと、
前記GFRセンサの較正を開始するためのユーザ入力の受信に応答して、前記GFRセンサの較正を開始するために、前記モバイルコンピュータ装置から前記GFRセンサに信号を送信するステップと、
前記GFRセンサの較正の完了時に、前記GFRセンサから信号を受信するステップと、をさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイルコンピュータ装置の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、
前記コンピュータ実行可能命令の実行中にエラーが発生した場合にエラーメッセージを表示するステップをさらに実行させることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
少なくとも1つのメモリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのユーザインターフェースとを備えるモバイルコンピュータ装置を使用して実施される、患者のGFRを測定するためのコンピュータ実施方法であって、
前記患者の身体にGFRセンサを装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示するステップと、
前記患者の身体に装着した前記GFRセンサを前記モバイルコンピュータ装置に通信可能に接続
するステップと、
前記患者の体内にGFR物質を投与する方法及び場所を前記ユーザに指示
するステップと、
前記GFRセンサによって吸光度データの収集を開始する方法を前記ユーザに指示する測定画面を表示するステップと、
前記GFRセンサに前記吸光度データの収集を開始させる信号を前記モバイルコンピュータ装置から前記GFRセンサに送信するステップと、
前記GFRセンサが前記吸光度データを収集している間、所定時間待つように前記ユーザに指示するデータ収集画面を表示するステップと
、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記吸光度データを収集する前に、前記GFRセンサをカスタマイズする方法を前記ユーザに指示するカスタマイズ指示画面を表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記吸光度データを用いて前記患者のGFRを計算するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記患者の前記計算されたGFRを表示する結果画面を表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
当該コンピュータ実施方法の前記各ステップの後に、前記各ステップが正常に完了したことを示す前記患者及び/または前記ユーザの入力を待つステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記モバイルコンピュータ装置から医療提供者のコンピュータ装置に、前記計算されたGFR、前記吸光度データ、またはその両方を送信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項6に記載のコンピュータ実施方法であって、
当該コンピュータ実施方法の実行中にエラーが発生した場合に、前記ユーザ及び/または前記患者にフィードバックを提供するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
患者のGFRを測定するためのシステムであって、
ユーザが前記患者のGFRを測定するのを支援するためのコンピュータプログラムがインストールされたモバイルコンピュータ装置
であって、少なくとも1つのメモリと通信する少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのユーザインターフェースを備える、該モバイルコンピュータ装置と
前記モバイルコンピュータ装置に通信可能に無線接続されるように構成されたGFRセンサと、
GFR物質と、
前記GFR物質の注入装置と、を備え
、
前記モバイルコンピュータ装置の前記プロセッサは、
前記モバイルコンピュータ装置を前記GFRセンサに通信可能に無線接続し、
前記患者の身体に前記GFRセンサを装着するように前記ユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示し、
前記患者の体内に前記GFR物質を投与するように前記ユーザに指示するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
GFRを測定するためのキットであって、
GFR物質を患者の体内に投与するように構成された注入装置と、
前記患者の体に装着されるように構成されたGFRセンサと、
少なくとも1つのメモリと通信する少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのユーザインターフェースを備え、前記GFRセンサに通信可能に無線接続される
ように構成されたモバイルコンピュータ装置と、を含み、
前記GFR物質は、前記GFRセンサによって生成された電磁放射に応答して少なくとも1つの応答光を発し、かつ、前記患者の腎臓による糸球体濾過によって除去されるように構成され、
前記GFRセンサは、前記患者の身体に向けて前記電磁放射を照射し、かつ、前記電磁放射に応答して前記患者の体内に存在する前記GFR物質から放射された前記応答光を検出するように構成され、
前記モバイルコンピュータ装置は、前記GFRセンサから前記応答光のデータを受信し、かつ、前記応答光のデータに基づいて前記患者のGFRを計算するようにプログラムされて
おり、
前記モバイルコンピュータ装置の前記プロセッサは、
前記モバイルコンピュータ装置を前記GFRセンサに通信可能に無線接続し、
前記患者の身体に前記GFRセンサを装着するようにユーザに指示するセンサ装着指示画面を表示し、
前記患者の体内に前記GFR物質を投与するように前記ユーザに指示するように構成されていることを特徴とするキット。
【請求項15】
請求項14に記載のキットであって、
前記患者のGFRを測定するために当該キットの構成要素を使用する方法を記載した使用説明書をさらに含むことを特徴とするキット。
【請求項16】
請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記患者の体内に前記GFR物質を投与するように前記ユーザに指示する前記ステップは、
前記コンピュータ実行可能命令により、前記プロセッサに、前記患者の体内に前記GFR物質を投与するように前記ユーザに指示する注入指示画面を表示さるステップを実行させることを含む、ことを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
請求項9に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記患者の前記計算されたGFRを医療提供者のコンピュータ装置に送信する方法を前記ユーザに指示する送信指示画面を表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【国際調査報告】