(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(54)【発明の名称】低密度非晶質糖
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20220425BHJP
A23L 33/20 20160101ALI20220425BHJP
A23G 1/40 20060101ALI20220425BHJP
A21D 2/18 20060101ALI20220425BHJP
A23G 9/34 20060101ALI20220425BHJP
A23L 7/126 20160101ALI20220425BHJP
A23L 7/135 20160101ALI20220425BHJP
A23L 5/00 20160101ALN20220425BHJP
A23C 9/00 20060101ALN20220425BHJP
【FI】
A23L27/00 F
A23L27/00 101Z
A23L33/20
A23L27/00 E
A23L27/00 101A
A23G1/40
A21D2/18
A23G9/34
A23L7/126
A23L7/135
A23L5/00 D
A23C9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552804
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 SG2020050114
(87)【国際公開番号】W WO2020185156
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】10201902102Q
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519026205
【氏名又は名称】ニュートリション サイエンス デザイン ピーティーイー. エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カンナー デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ウー メング ワイ
(72)【発明者】
【氏名】サン ヨンメイ
【テーマコード(参考)】
4B001
4B014
4B018
4B025
4B032
4B035
4B047
【Fターム(参考)】
4B001AC02
4B001AC03
4B001AC05
4B001AC43
4B001AC99
4B001BC01
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(57)【要約】
本発明は、1つ又は複数の糖類又は代替甘味料と、密度低下剤とを含んでなる、低密度非晶質糖を提供する。糖の嵩密度は0.8g/cm3未満であり、好ましくは精製白糖よりも低い密度を有する。本発明は、噴霧乾燥などの急速乾燥によって非晶質糖を製造する方法、及び糖非晶糖を使用して食品及び飲料を製造する方法をさらに提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1つ又は複数の糖類及び/又は代替甘味料、及び(ii)1つ又は複数の食用の密度低下剤を含んでなる粒子を含んでなる、低密度非晶質甘味料。
【請求項2】
前記甘味料が、0.8g/cm
3未満、好ましくは0.6g/cm
3未満、より好ましくは0.5g/cm
3未満の嵩密度を有する、請求項1に記載の甘味料。
【請求項3】
前記密度低下剤が、0.8g/cm
3未満、好ましくは0.6g/cm
3未満、より好ましくは0.5g/cm
3未満の嵩密度を有する、請求項1~2のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項4】
前記甘味料が、0.3~0.7g/cm
3の密度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項5】
前記甘味料が、0.4~0.8g/cm
3の自由注入嵩密度及び/又は0.2~0.7g/cm
3のタップ嵩密度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項6】
前記甘味料が、伝統的な結晶性白糖(スクロース)と比較して10~70%の密度低下を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項7】
前記密度低下剤が、前記甘味料の30重量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項8】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、甘味料の50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項9】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、甘味料の70重量%~90重量%、又は75重量%~85重量%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項10】
前記甘味料が、空気混入粒子で構成された粉末である、請求項1~9のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項11】
前記密度低下剤が、ホエータンパク質単離物、ケーキ用小麦粉、シナモン粉末、ココア粉末、ココナツ粉末、バニラ粉末、エンドウ豆/大豆/オート麦/卵(卵白を含めた)/セロリ/米/ヒマワリタンパク質粉末、小麦胚芽、甜菜パルプ、バガス又はサトウキビパルプ粉末からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項12】
前記密度低下剤がタンパク質である、請求項1~11のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項13】
前記密度低下剤が、ホエータンパク質単離物、卵白タンパク質、エンドウ豆タンパク質単離物、玄米タンパク質単離物、ヒマワリタンパク質、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項14】
前記密度低下剤が、好ましくは乳ホエータンパク質単離物であるホエータンパク質単離物、卵白タンパク質、ソラマメタンパク質、大豆タンパク質単離物、イヌリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項15】
前記タンパク質が、ホエータンパク質単離物及び/又はココア粉末である、請求項1~14のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項16】
前記密度低下剤が、非晶質甘味料の固体重量の10重量%~30重量%又は15重量%~25重量%である、請求項1~15のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項17】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、乳糖、マルトース、グルコース、ガラクトース、リボース、キシロース、フルクトース、マルトース、乳糖、トレハロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の糖類である、請求項1~16のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項18】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、スクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、キシロース、フルクトース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の糖類である、請求項1~17のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項19】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、スクロース、グルコース、フルクトース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の糖類である、請求項1~18のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項20】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、スクロース、グルコース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の糖類である、請求項1~19のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項21】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料がスクロースである、請求項1~20のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項22】
前記非晶質甘味料が、40~95%w/wのスクロースである、請求項21に記載の非晶質甘味料。
【請求項23】
前記非晶質甘味料が、>70重量%~90重量%、75重量%~90重量%又は75重量%~85重量%のスクロースである、請求項21に記載の非晶質甘味料。
【請求項24】
前記スクロースが、サトウキビ汁、甜菜汁及び/又は糖蜜から供給される、請求項21~23のいずれか一項に記載の非晶質甘味料。
【請求項25】
前記スクロースが、精製白糖、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜又はそれらの組み合わせである、請求項21~23のいずれか一項に記載の非晶質甘味料。
【請求項26】
前記スクロースが、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜又はそれらの組み合わせである、請求項21~23のいずれか一項に記載の非晶質甘味料。
【請求項27】
前記スクロースが、精製白糖と粗糖の組み合わせ、精製白糖と黒糖の組み合わせ、又は粗糖と黒糖の組み合わせである、請求項21~23のいずれか一項に記載の非晶質甘味料。
【請求項28】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、重量で1:10~10:1(好ましくは1:5~5:1)の粗糖又は黒糖対白糖である、請求項21~23のいずれか一項に記載の非晶質甘味料。
【請求項29】
前記1つ又は複数の糖類又は代替甘味料が、米飴、ココナツ糖、ラカンカ、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項30】
前記甘味料が、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物をさらに含んでなる、請求項1~29のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項31】
前記甘味料が、最大1gのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項32】
前記非晶質糖が低GIを有し及び/又は10gの非晶質糖が低GLを有する、請求項1~31のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項33】
前記密度低下剤が、200g/mol~70kDaの分子量を有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項34】
前記非晶質甘味料が、良好な又は優れた粉末流動性を有する、請求項1~33のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項35】
前記非晶質甘味料が、周囲条件で12ヶ月間の貯蔵後に良好な又は優れた粉末流動性を有する、請求項1~34のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項36】
前記粒子の直径が1~100μmの間である、請求項1~35のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項37】
前記粒子が、60ミクロン未満のD90、30ミクロン未満のD90、又は30ミクロンを超えるD90(30を超え60ミクロン未満のD90など)を有する、請求項1~36のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項38】
前記粒子が、周囲条件(すなわち、室温及び50~60%の相対湿度)で密封された低密度プラスチック内で貯蔵された場合に、12ヶ月間、1年間、又は2年間にわたり安定している、請求項1~37のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項39】
前記粒子が、周囲条件(すなわち、室温及び50~60%の相対湿度)で密封された低密度プラスチック内で貯蔵された場合に、12ヶ月間、1年間、又は2年間にわたり、低密度及び/又は空気混入構造を保持し、及び/又は自由流動性粉末であり続ける、請求項1~38のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項40】
前記非晶質甘味料が、相当重量の精製白糖よりも約10%又は約15%少ないカロリーを含有する、請求項1~39のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項41】
前記非晶質甘味料が、相当体積の精製白糖よりも約20%、約30%、約40%又は約50%少ないカロリーを含有する、請求項1~40のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項42】
前記甘味料が、少なくとも結晶白糖と同程度に甘い、請求項1~41のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項43】
前記甘味料が、界面活性剤を含まない、請求項1~42のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項44】
前記甘味料が、0~0.3%w/wの水分含量を含んでなる、請求項1~43のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項45】
前記甘味料が、0.1~3.5%w/wの還元糖類を含んでなる、請求項1~44のいずれか一項に記載の甘味料。
【請求項46】
1つ又は複数の糖類又は代替甘味料及び任意選択的にポリフェノールを含有する液体と、少なくとも1つの密度低下剤とを組み合わせるステップと;前記混合物を急速乾燥させて非晶質糖を生成するステップとを含んでなる、請求項1~45のいずれか一項に記載の低密度非晶質甘味料を調製する方法。
【請求項47】
前記急速乾燥させるステップが噴霧乾燥による、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
噴霧乾燥機の入口空気温度が130℃~200℃である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記液体が、サトウキビ汁、ビーツ汁、及び/又は糖蜜を含んでなる、請求項46又は請求項48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記液体が、乾燥重量で5~30%の全固形分又は乾燥重量で30~40%の全固形分を含んでなる、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記急速乾燥するステップに先立って、前記組み合わせるステップが前記液体中に安定な気泡を生成しない、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記組み合わせるステップが、前記液体中に安定な気泡を生成するように混合するステップを伴う、請求項46~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
噴霧乾燥するステップに先立って、追加的な空気が前記液体にポンプで送られない、請求項46~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
噴霧乾燥の前に二酸化炭素が前記供給原料に添加される、請求項46~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
噴霧乾燥の前に前記液体が脱泡される、請求項46~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記方法が工業規模である、請求項46~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記甘味料が、毎時少なくとも40Lの前記液体供給原料を処理する速度で調製される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
食事の30分前、食事中、又は食事の30分後までの間に栄養補助食品を摂取することを含んでなる、食事のグルコース応答を低下させる方法であって、前記栄養補助食品が、請求項1~45のいずれか一項に記載の非晶質甘味料を含んでなる、方法。
【請求項59】
請求項1~45のいずれか一項に記載の非晶質甘味料を使用して製造される、又は請求項46~58のいずれか一項に記載の方法に従って製造される、食品又は飲料。
【請求項60】
前記食品がチョコレート、シリアル又はベイクド製品である、請求項59に記載の食品。
【請求項61】
前記低密度非晶質糖が、前記食品中でその体積を保持する、請求項60に記載の食品。
【請求項62】
前記食品又は飲料が、伝統的な白糖を使用して調製された同等の食品又は飲料と比較して、低減した添加された糖からのカロリーを有する、請求項59~61のいずれか一項に記載の食品又は飲料。
【請求項63】
前記非晶質甘味料が、前記食品中でその空気混入構造を保持する、請求項59~61のいずれか一項に記載の食品。
【請求項64】
前記非晶質甘味料が、前記食品中でその非晶質性を保持する、請求項59~62のいずれか一項に記載の食品。
【請求項65】
前記非晶質甘味料が、前記食品の通常の包装及び貯蔵条件で、少なくとも3ヶ月間、6ヶ月間、又は12ヶ月間にわたり、前記食品中でその空気混入構造を保持する、請求項59~61のいずれか一項に記載の食品。
【請求項66】
前記非晶質甘味料が、前記食品の通常の包装及び貯蔵条件で、少なくとも3ヶ月間、6ヶ月間、又は12ヶ月間にわたり、前記食品中でその非晶質性を保持する、請求項59~61のいずれか一項に記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖組成物、糖由来組成物、代替甘味料からなる組成物、及び前記組成物を調製するための工程に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、カロリー含有量が低減している及び/又は嵩密度が低下している糖組成物、糖由来組成物、及び代替甘味料組成物、並びにそれらを調製するための工程に関する。本発明は、本発明の糖、糖由来組成物及び/又は代替甘味料組成物を含有する及び/又はそれらを使用して調製される食品及び飲料にさらに関し、好ましくは糖及び飲料は糖含有量が低減している。
【背景技術】
【0002】
精製白糖は、糖尿病及び肥満症の発症に因果関係があることが懸念されている。その結果、例えば、カロリー摂取を低下させることなどによって、特に製品が健康上の利益を提供し、又は健康上のリスクを最小限に抑える可能性が高い場合、精製白糖製品の代替物が求められている。
【0003】
食品又は飲料に伝統的に存在するカロリーを最小限に抑えるために、食品及び飲料の糖分削減及び/又はカロリー低減に対する追加的なストラテジーが必要である。特に、例えば、スーパーマーケットでの商業的流通のために工業的に調製された食品及び/又は飲料の糖及び/又はカロリー低減のためのストラテジーが必要である。
【0004】
現行の砂糖としては、精製白糖、黒糖、及び「粗糖」が挙げられる。これらは全て、結晶糖である。精製白糖の調製に使用される精製工程は、ほとんどのビタミン、ミネラル、及び植物化学化合物を砂糖から除去し、「空の栄養」、すなわち、砂糖のエネルギー値を超える有意な栄養価のない食品が残される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
伝統的な砂糖の代替物に対する必要性がある。これらの代替物は、非伝統的糖及び/又は代替甘味料の形態を取り得て、製糖の無駄を最小限に抑え、製糖の効率を高め、及び/又は砂糖の摂取に関連する健康リスクを軽減する。伝統的な白糖と比較して、非伝統的糖又は代替甘味料が、重量比又は体積比でカロリーが低減していれば、有用である。
【0006】
非伝統的な糖又は代替甘味料が安価に製造され、及び/又は工業規模生産に適していれば、特に有用である。さらに、非伝統的な糖又は代替甘味料が、商業規模の食品及び/又は飲料の生産での使用に適していれば、有用である。非伝統的な糖又は代替甘味料が、金属的な後味又はオフフレーバー(off-favours)を回避し又は改善すれば、有用である。
【0007】
本明細書における先行技術への言及は、この先行技術が、いずれかの管轄における一般常識の一部を形成すること、又は当業者によって、この先行技術が理解され、関連性があると見なされ及び/又は先行技術のその他の部分と組み合わされることが合理的に予測され得ることの承認又は示唆ではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、伝統的な結晶糖の代替物を提供する。本発明の甘味料は、大部分が非晶質である。これは、サトウキビ又は甜菜汁を濃縮し、得られたシロップを結晶化し砂糖結晶を形成して、未結晶のシロップ(すなわち、糖蜜)を除去することによって調製されるために結晶性である、食品調製で使用される伝統的な砂糖とは異なる。そうでなく、本発明の非晶質糖/甘味料は、糖又は他の甘味料を含有する液体の噴霧乾燥などの急速乾燥によって調製され得る。本発明の甘味料は、1つ又は複数の糖、1つ又は複数の代替甘味料又はそれらの組み合わせを含んでなる。
【0009】
本発明の非晶質甘味料は、伝統的な白糖よりも密度が低い。これは、同じバルクを達成するために、伝統的な糖よりも少量の糖が必要であることを意味する。糖の重量あたりのこの追加的なバルクは、食品のカロリー含有量を下げるために使用され得る。本発明の低密度又は空気混入糖は、例えば、固形食品マトリックスへの組み込みによる、固形食品の調製において特に有用である。例としては、チョコレート、ケーキ、及びベイクド製品が挙げられる。アイスクリーム、乳製品ベースの飲料、乳製品ベース(diary-based)の粉末、ヨーグルト、スープ、粉末スープ、食用スプレッド;及び乳児用調製粉乳、プロテイン/減量/プレバイオティックシェイク、プロテイン/減量/プレバイオティック粉末シェイク、及びプロテイン/減量/プレバイオティックバーなどの栄養補助食品は、代替の例である。
【0010】
低密度は、甘味料が急速乾燥技術によって調製されるときに、甘味料を密度低下剤と組み合わせることによって達成される。したがって、本発明の密度低下剤は食用である。
【0011】
一態様では、本発明は、1つ又は複数の糖類又は代替甘味料と、食用の密度低下剤とを含んでなる、低密度非晶質甘味料を提供する。
【0012】
非晶質甘味料が、均質な(homogenous)粒子を含んでなり、各粒子が、密度低下剤と1つ又は複数の糖/代替甘味料との双方を含んでなることが好ましい。
【0013】
本発明の非晶質甘味料は、任意選択的に、粒子を含んでなる粉末の形態であり、粉末粒子は、(i)1つ又は複数の糖又は代替甘味料、及び(ii)1つ又は複数の密度低下剤を含んでなる。
【0014】
いくつかの実施形態では、低密度甘味料は、空気混入された粒子で構成される。空気混入は、非晶質粒子の非常に小さな空気ポケット又は孔であり、口中で(例えば、舌で)感じられない。これは、糖が非常に滑らかな口当たりを保つことを意味し、それは多くの固形食品にとって有利である。
【0015】
本発明の非晶質甘味料のいくつかはまた、伝統的な白糖より甘味が強く、これはまた、食品又は飲料に使用される糖の量の低減を可能にし、さらなるカロリー低減をもたらす。バルクの増加は、糖の最終的な量を低減させる一方で、味わうことができる表面積の比率を増加させると考えられている。これにより、より強い甘味がもたらされるが、カロリーは低くなる。
【0016】
本発明の非晶質甘味料の低密度及び/又は空気混入の性質はまた、迅速に溶解し、結晶性スクロース糖で生じるよりも迅速な甘味の発生をもたらす。
【0017】
本発明の甘味料のより小さな非晶質粒子はまた、溶融チョコレート又はベイクド製品ミックス(例えば、ケーキミックス)などのその他の食品と容易に混ざり合い、その結果、混合時間及び速度が減少し、ひいては、時間及びエネルギーコストが低下してもよい。これは、産業環境で特に有用である。
【0018】
好ましい実施形態では、低密度非晶質甘味料は、空気混入粒子を含んでなる。好ましくは、糖又は代替糖と、密度低下剤とは同じ粒子内にあり、粒子は低密度である。任意選択的に、糖粒子は、直径が1~100μmである(例えば、D90が100μm以下)。任意選択的に、糖粒子は、100μm以下のD50を有する。任意選択的に、粒子のD50は、80~160μm又は80~140μm又は約120ミクロンである。任意選択的に、D90は130~230μmである。小さな粒度が望ましいいくつかの実施形態では、糖粒子は60ミクロン未満のD90を有する。チョコレート製造における使用など、一部の用途では、D90が30ミクロン未満の粉末が好ましい(D90が10~30ミクロン未満又は20~30ミクロン未満など)。ベーキングにおける使用などのその他の用途では、D90が30ミクロンを超える粉末が好ましい(D90が30を超え60ミクロン未満、又はD90が30を超え100ミクロン未満など)。
【0019】
任意選択的に、D10は2~15ミクロンである。任意選択的に、D50は8~40ミクロンである。代案としては、D50は50~150ミクロン又は50~100ミクロンである。任意選択的に、D90は20~100ミクロンである。
【0020】
任意選択的に、粒度スパンは0.031~5.50の間である。好ましくは、粒度スパンは、0.05~5.50の間、0.10~5.50の間、0.20~5.50の間、0.50~5.50の間、1.00~5.50の間、1.50~5.50の間、2.00~5.50の間、2.50~5.50の間、3.00~5.50の間、3.50~5.50の間、4.00~5.50の間、又は4.50~5.50の間である。好ましくは、粒度スパンは、0.05~5.00の間、0.10~4.50の間、0.20~4.00の間、0.50~3.50の間、1.00~3.00の間、1.50~2.50の間、又は2.00~2.50の間である。好ましくは、粒度スパンは、0.05~3.00の間、0.10~2.50の間、0.20~2.00の間、0.50~1.50の間、又は1.00~1.50の間である。任意選択的に粒度スパンは5.24未満である。好ましくは、粒度スパンは、0.10未満、0.20未満、0.50未満、1.00未満、1.50未満、2.00未満、2.50未満、3.00未満、3.50未満、4.00未満、4.50未満、5.00未満である。
【0021】
いくつかの実施形態では、糖は、最大5%の空気非混入粒子、最大10%の空気非混入粒子、又は最大20%の空気非混入粒子を有する。
【0022】
空気混入粒子の比率がより高い、又は密度がより低い甘味料は、篩掛けしてより小さな空気非混入粒子を除去し、空気混入粒子を保持することによって、調製されてもよい。この方法を使用して、95%を超える空気混入粒子、99%の空気混入粒子又は約100%の空気混入粒子を有する、空気混入非晶質甘味料が調製されてもよい。粒子の分離はまた、サイズと重量に基づいて粒子を分割できる、サイクロン及び分類器を使用して達成されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明の非晶質甘味料は、非凝集粒子を有する。いくつかの実施形態では、本発明の空気混入甘味料は、開放的に空気混入されている(粒子の合理的な割合(例えば、少なくとも20、40、60、又は80%)が、完全に封入された粒子内の空気ポケットではなく、開放された外表面を有するという意味で)。その他の実施形態では、甘味料は、皮で封入された空気混入粒子で構成される(粒子の合理的な割合(例えば、少なくとも20、40、60、又は80%)が封入されているという意味で)。任意選択的に、約100%が封入されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、本発明の空気混入糖は非凝集であり、空気混入されている。
【0025】
非晶質甘味料は、任意選択的に、均質な(homogenous)成分の混合物である。より大型の密度低下剤が使用される場合、非晶質甘味料は、任意選択的に、そのコアが密度低下剤であり、密度低下剤は、スクロース及び/又は非晶質甘味料のその他のより小型の構成要素で被覆される。
【0026】
非晶質甘味料は、粒子で構成される。粒子は、一般に直径が1~100μmである。粒子は、任意選択的に、5~80μm、5~60μm及び5~40μmである。例えば、直径が10μm未満の粒子と、直径が10μmを超えるが50μm未満である粒子との混合物などの、小さな粒子と大きな粒子との配合物が一般的である。本発明の空気混入糖(下記参照)が、その調製直後にいくらかの空気非混入粒子を含むこともまた、一般的である。
【0027】
非晶質甘味料粒子を被覆することは可能であるものの、粒子は通常は被覆されない。
【0028】
任意選択的に、非晶質甘味料粒子は、例えば、グアーガムなどのガムをさらに含んでなる。セルロースガム、ガムプレミックス、キサンタンガムもまた好適である。ガムの添加は、特に、密度低下剤がデンプン又は繊維である場合に有用であることが認められた。
【0029】
嵩密度
本発明の非晶質甘味料の嵩密度は、任意選択的に、約0.25~0.7g/cm3、約0.3~0.7g/cm3、0.4~0.6g/cm3又は0.45~0.55g/cm3である。密度は、伝統的な結晶白糖(スクロース)と比較して、10~70%、20~60%、又は30~60%に減少している。
【0030】
代案としては、非晶質甘味料の嵩密度は、0.8g/cm3未満、0.6g/cm3未満、0.5g/cm3未満である。嵩密度は、タップ又は自由注入嵩密度として測定され得る。上記は、自由注入又は蒿密度測定値である。好ましくは、非晶質甘味料の自由注入嵩密度は0.4~0.8g/cm3であり、及び/又は非晶質甘味料のタップ嵩密度は0.2~0.7g/cm3である。好ましくは、非晶質甘味料の自由注入嵩密度は0.5~0.7g/cm3であり、及び/又は非晶質甘味料のタップ嵩密度は0.3~0.6g/cm3である。
【0031】
粒子密度は、任意選択的に、AccuPyc II1330シリーズピクノメーターによって測定される。結晶糖の粒子密度は1.58μmである。粒子密度は、任意選択的に約0.3~1.3μm又は0.3~1.0μmであってもよい。
【0032】
ポリフェノール
本発明の全ての実施形態において、甘味料は、任意選択的に、少なくとも約20mgのカテキン当量(CE)ポリフェノール/100gの炭水化物をさらに含んでなる。任意選択的に、甘味料は、50mgを超えるカテキン当量(CE)ポリフェノール/100gの炭水化物を含んでなる。任意選択的に、甘味料は、60mg以上のカテキン当量(CE)ポリフェノール/100g炭水化物を含んでなる。任意選択的に、甘味料は、1g未満又は200mg未満又は100mg未満のカテキン当量(CE)ポリフェノール/100g炭水化物を含んでなる。
【0033】
ポリフェノール含有量の測定には、複数の選択肢がある。1つの選択肢は、炭水化物の一定量当たりのミリグラムカテキン相当量(CE)を測定することである。代案は、炭水化物の一定量当たりの没食子酸相当量(GAE)を測定することである。mgのCE/100gの量は、0.81を乗じることによってmgのGAE/100gに変換され得て、すなわち、60mgのCE/100gは49mgのGAE/100gである。
【0034】
甘味料選択肢
任意選択的に、1つ又は複数の糖類は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、キシロース、乳糖、マルトース、米飴、ココナツ糖、ラカンカ、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。代案としては、1つ又は複数の糖類は、グルコース、ガラクトース、リボース、キシロース、乳糖、マルトース、米飴、ココナツ糖、ラカンカ、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。代案としては、糖は、グルコース及び/又はフルクトースである。
【0035】
本発明の全ての態様の非晶質甘味料は、任意選択的に、40%~95%w/w、50%~90%w/w又は50~80%w/wの甘味料である。
【0036】
いくつかの甘味料は、密度低下剤に望ましい、分子量、ガラス転移温度の上昇、及び低密度の特徴を有する(are have)。これらの甘味料は、その他の甘味料と組み合わせて密度低下剤として使用され得るが、甘味料及び嵩密度剤は同一成分でありえない。
【0037】
スクロース糖選択肢
スクロースは低分子量糖で、非晶質形態で調製するのは困難である。本発明の低密度スクロース糖類では(すなわち、非晶質甘味料が非晶質スクロース糖である場合)、密度低下剤は乾燥剤としても機能し、糖の密度を低下させ、噴霧乾燥などの急速乾燥による糖の調製によって、安定した乾燥流動性粉末が生じることをも確実にする。
【0038】
一実施形態では、本発明は、40%~95%w/wのスクロース、0%~4%w/wの還元糖類、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約1gのポリフェノールCE/100gの炭水化物、及び(低GI炭水化物及び/又はタンパク質から選択される)5%~60%w/wの低GI密度低下剤を含んでなる低密度非晶質甘味料を提供する。
【0039】
低GI密度低下剤は以下に説明され、ポリフェノール内容物についても同様である。
【0040】
以前の研究は、ポリフェノールを謳った糖が、グルコースなどの高GI糖類の量が少なければ、低グリセミックであることを示唆する。密度低下剤もまた低グリセミック又はゼロ血糖であれば、非晶質甘味料もまた低グリセミックになるであろう。本発明の低密度非晶質甘味料は、任意選択的に、低グリセミック及び/又は低グリセミック負荷である。
【0041】
本発明による低密度非晶質スクロース糖は、サトウキビ又は甜菜のいずれかから、又は精製白糖(すなわち、スクロース糖源)から調製され得る。甜菜糖はポリフェノールを含有せず、精製白糖もまた微量を超えるポリフェノールを含有しない。ポリフェノールを用いて本発明の糖を調製する場合(ポリフェノールを含まない実施形態とは対照的に)、ポリフェノールは添加され得て、又はサトウキビ汁又は糖蜜から供給され得る。あらゆる添加ポリフェノールが、粉末又は液体形態で糖に添加されてもよい。
【0042】
低密度非晶質スクロース糖は、任意選択的に、40%~95%w/w、50%~90%w/w又は50~80%w/wのスクロースを有する。代案としては、低密度非晶質糖は、>70%~90%、75%~90%又は75%~85%のスクロースである。本発明の好ましい糖類は、75%~80%w/wのスクロースである。任意選択的に、還元糖類は、低密度非晶質スクロース糖の0%~4%w/w、0.1%~3.5%w/w、0%~3%w/w、0%~2.5%w/w、0.1%~2%w/wである。低密度非晶質スクロース糖は、任意選択的に0.3%w/w未満の還元糖類を有する。これは、スクロースがサトウキビ又は甜菜汁又は糖蜜から供給される場合に、特に興味深い。
【0043】
いくつかの実施形態では、スクロースは、サトウキビ汁、甜菜汁及び/又は糖蜜から供給される。任意選択的に、スクロースは、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁及び/又は乾燥糖蜜である。代案としては、スクロースは、精製白糖、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜又はそれらの組み合わせである。代案としては、スクロースは、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、本発明のスクロース糖類中の甘味料は、精製白糖と粗糖、精製白糖と黒糖、又は粗糖と黒糖の組み合わせである。任意選択的に、本発明のスクロース糖類中の甘味料は、重量で1:10~10:1(好ましくは1:5~5:1)の粗糖又は黒糖対白糖である。これらの実施形態では、密度低下剤は、任意選択的にホエータンパク質単離物、卵白タンパク質、エンドウ豆タンパク質単離物及び/又はヒマワリタンパク質である。
【0044】
任意選択的に、スクロースは、サトウキビ汁、甜菜汁及び/又は糖蜜から供給され、密度低下剤は耐消化性炭水化物である。
【0045】
任意選択的に、スクロースは、サトウキビ汁、甜菜汁及び/又は糖蜜から供給され、密度低下剤はラカンカである。
【0046】
スクロースが甜菜汁から供給される場合、ポリフェノールを測定する必要がある。サトウキビ汁及び糖蜜は、本来十分なポリフェノールを含んでもよいが、必要であれば追加的なポリフェノールが添加され得る。
【0047】
別の実施形態では、本発明は、40%~95%w/wのスクロース、0%~4%w/wの還元糖類、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約1gのポリフェノールCE/100gの炭水化物、及び5%~60%w/wの低GI密度低下剤を含んでなる、非晶質糖を提供し、密度低下剤の分子量は約200g/mol~約70kDaである。
【0048】
別の実施形態では、本発明は、40%~95%w/wのスクロース、0%~4%w/wの還元糖類、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約1gのポリフェノールCE/100gの炭水化物、及び5%~60%w/wの低GI密度低下剤を含んでなる、非晶質糖を提供し、密度低下剤の分子量は約200g/mol~約70kDaであり、密度低下剤は、耐消化性炭水化物又はホエータンパク質単離物又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0049】
別の実施形態では、本発明は、40%~95%w/wのスクロース、0%~4%w/wの還元糖類、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約1gのポリフェノールCE/100gの炭水化物、及び5%~60%w/wの低GI密度低下剤を含んでなる、非晶質甘味料を提供し、密度低下剤の分子量は約200g/mol~約70kDaであり、本発明の10gの非晶質甘味料は10以下の血糖負荷を有し、又は非晶質甘味料は55未満のグルコースベース血糖指数を有する。
【0050】
スクロースを含んでなる本発明の全ての態様で、特に明記されない限り、スクロースは任意選択的に、サトウキビ及び/又は甜菜糖から供給される。
【0051】
ビーツ汁とサトウキビ汁は、任意選択的に約60ブリックスである。
【0052】
低分子量糖類
いくつかの実施形態では、低密度非晶質甘味料は、(i)グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、及びキシロースからなる群から選択される1つ又は複数の単糖、及び(ii)低GI密度低下剤を含んでなる低密度非晶質糖である。任意選択的に、単糖は、グルコース及び/又はフルクトースである。
【0053】
上述のように、低分子量糖(単糖をはじめとする)は、従来より、噴霧乾燥などの急速乾燥によって非晶質形態で調製するのが困難であった。低GI密度低下剤の開発により、低GIを維持しつつ、単糖などの低分子量糖から、乾燥流動性非晶質粉末を調製することが可能となった。
【0054】
一実施形態では、本発明は、1つ又は複数の低分子量糖類、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、及び低GI密度低下剤を含んでなる、低密度非晶質糖を提供する。
【0055】
代案としては、本発明は、1つ又は複数の低分子量糖類、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、及び1つ又は複数の食用高分子量低GI密度低下剤を含んでなる、低密度非晶質糖を提供する。
【0056】
低分子量糖は、任意選択的に、スクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、キシロース、フルクトース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の代替の第2の態様の低分子量糖は、任意選択的に、スクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、キシロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。糖は、任意選択的に、スクロース、グルコース及び/又はフルクトースである。いくつかの実施形態では、低分子量糖は、スクロース及び/又はグルコースである。
【0057】
当業者は、フルクトースの包含によって吸湿性が増加し、貯蔵寿命が短縮することを認識するであろう。このような製品は、長期保存よりもむしろ即時使用に最適である。代案としては、他の選択肢の中で、低湿度で保存することによって、それらの貯蔵寿命が改善され得る。
【0058】
低密度非晶質糖は、任意選択的に、40~95%w/w、50~90%w/w又は50~80%w/wの単糖又は低分子量糖を有する。
【0059】
フルクトースを含んでなる本発明の全ての態様で、特に明記されない限り、フルクトースは任意選択的に、高フルクトースコーンシロップである。
【0060】
非晶質糖類の選択肢
低密度非晶質糖は、比較的均質な(homogenous)粒子を含んでなり、各粒子は、密度低下剤及びスクロース/単糖/低分子量糖の双方を含んでなることが好ましい。
【0061】
本発明の非晶質糖類中の密度低下剤はまた、乾燥剤でもあることが好ましい。
【0062】
低密度非晶質糖は、任意選択的に、最大で1gのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有する。理論により拘束されることなく、乾燥剤は、迅速な乾燥のために液体の全体的なガラス転移温度を上昇させ、粘着性又はケーキングなしに、サトウキビ汁、糖蜜、又はそれらの組み合わせを乾燥させることができると考えられている。同様の効果は、純粋なスクロース(例えば、精製白糖)、グルコース、フルクトース、及びその他の単糖についても観察される。従来より噴霧乾燥に使用されている乾燥剤は、例えば、マルトデキストリンなど高GIであることから、この非晶質甘味料には新規乾燥剤が利用されている。新規な基質は、非晶質甘味料の血糖指数及び/又は一定量の非晶質甘味料の血糖負荷を低下させ、又は低下を維持することを目的としている。好ましい実施形態では、非晶質甘味料は、低GL及び/又は低GIを有する。任意選択的に、非晶質甘味料はヒト摂取に適した食品等級である。
【0063】
非晶質甘味料の使用の1つの利点は、非晶質甘味料が結晶糖よりも迅速な溶解速度を有することである。工業用食品の調製における非晶質甘味料の使用は、例えば、飲料に、糖を溶解するのにかかる時間を最小限に抑えるであろう。
【0064】
非晶質甘味料の別の利点は、低GI結晶糖に含まれるものよりも大量のポリフェノールが存在し得ることである。国際特許出願第PCT/AU2017/050782号明細書には、低GI結晶糖が記載されている。その結晶糖の調製は、糖加工のレベル(つまり、白下が洗浄される量)における「スイートスポット」の同定に基づいており、その中では、
1.還元糖含有量は糖が低吸湿性であるように低く、還元糖はスクロースのGIを上昇させず;
2.ポリフェノール含有量はスクロースのGIを低下させるように十分高いままである。
【0065】
より具体的には、結晶糖は、約0~0.5g/100gの還元糖、及び約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約45mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を含み、糖粒子は、55未満のグルコースベース血糖指数を有する。糖源が、糖蜜を除去した後に残る結晶化糖及び白下でなく、サトウキビ汁又は糖蜜である場合には、本発明の非晶質甘味料は、外来性のポリフェノールを添加する必要なしに、はるかにより高いポリフェノール含有量を含有し得る。糖源としての糖蜜の使用はまた、糖のキャラメル風味を高める。甜菜汁は糖源として使用することができるものの、固有のポリフェノールがないため、本発明の第1の態様、第1の代替の態様、及び第2の代替の態様に従って糖を調製するためには、ポリフェノールが添加されなくてはならない。
【0066】
任意選択的に、非晶質甘味料は、約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約1gのCEポリフェノール/100gの炭水化物、約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約800mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約500mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、約30mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約200mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、又は約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約100mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を含んでなる。
【0067】
代案としては、非晶質甘味料は、約50mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約100mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、50mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約80mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、50mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約70mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、55mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約65mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を含んでなる。いくつかの実施形態では、約60mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物がある。
【0068】
代案としては、非晶質甘味料は、約55mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約100mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、55mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約80mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物又は55mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~約70mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を含んでなる。
【0069】
好ましくは、ポリフェノールは、サトウキビに天然に存在するポリフェノールである(ただしそれらがサトウキビから供給される必要はない)。
【0070】
糖に添加されるポリフェノールは、サトウキビから供給されないとしても、サトウキビに存在するポリフェノールであることが好ましい。ポリフェノールは、例えば、製糖廃液流からなどサトウキビから供給され得て、サトウキビ抽出物の形態であってもよい。
【0071】
任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、良好な又は優れた流動性を有する。任意選択的に、非晶質糖は0~0.3%w/wの水分含量を有する。代案としては、非晶質甘味料は、0~10%w/wの水分含量、0.1~8%w/wの水分含量又は0.1~5%w/wの水分含量を有する。任意選択的に、水分含量は、0.1~0.3%w/w又は0.2~0.25%w/wである。本発明の非糖非晶質甘味料についても、同様の水分含有量が予測される。
【0072】
任意選択的に、非晶質糖は水に可溶性であり、好ましくは、溶解度は、伝統的な結晶糖と同等又はそれを上回る。
【0073】
その他の甘味料
代替の態様では、本発明は、(i)乳糖、マルトース、トレハロース、米飴、ココナツ糖、ラカンカ(乾燥又はラカンカ汁から供給される、又は抽出物)、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の糖又は代替甘味料、並びに(ii)低GI密度低下剤を含んでなる、低密度非晶質甘味料を提供する。非晶質甘味料は、任意選択的に、1つ又は複数の単糖及び/又は二糖をさらに含んでなる。スクロースの安定した非晶質粉末を開発した後、本発明の発明者らは、その製品に伴う健康上の利点を観察し、食品産業に代替糖及び甘味料を提供することを意図して、乳糖及びラカンカなどの噴霧乾燥が可能なものをはじめとする、その他の糖/甘味料の同様の非晶質製品の開発に進んだ。
【0074】
代替の態様では、本発明は、(i)スクロース、乳糖、マルトース、トレハロース、米飴、ココナツ糖、ラカンカ(乾燥又はラカンカ汁から供給される、又は抽出物)、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の糖又は代替甘味料、並びに(ii)低GI密度低下剤を含んでなる、低密度非晶質甘味料を提供するが、ただし糖がスクロースであれば、密度低下剤はホエータンパク質単離物でない。
【0075】
代替の態様では、本発明は、(i)乳糖、マルトース、トレハロース、米飴、ココナツ糖、ラカンカ、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、任意選択的に、スクロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される糖又は代替甘味料、並びに1つ又は複数の食用高分子量低GI密度低下剤を含んでなる、低密度非晶質甘味料を提供するが、ただし糖がスクロースであれば、密度低下剤はホエータンパク質単離物でない。
【0076】
代替の態様では、本発明は、(i)乳糖、マルトース、トレハロース、米飴、ココナツ糖、ラカンカ、リュウゼツラン、ステビア、発酵ステビア、メープルシロップ、任意選択的に、スクロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される糖又は代替甘味料、並びに乳糖、タンパク質、低GI炭水化物、不溶性繊維、可溶性繊維、脂質、天然強力甘味料及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の食用高分子量低GI密度低下剤を含んでなる、低密度非晶質甘味料を提供するが、ただし糖がスクロースであれば、密度低下剤はホエータンパク質単離物でない。
【0077】
本発明の第3の態様及び代替の第3の態様では、非晶質甘味料が、比較的均質な粒子を含んでなり、各粒子が、密度低下剤及び1つ又は複数の糖/代替甘味料の双方を含んでなることが好ましい。
【0078】
非晶質甘味料は、任意選択的に、代替甘味料を含んでなる。代替甘味料は、任意選択的に、米飴、メープルシロップ、ココナツ糖及び/又はラカンカである。
【0079】
糖は、任意選択的に、グルコース、ガラクトース、リボース、キシロース、フルクトース、マルトース、乳糖、トレハロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0080】
非晶質甘味料は、任意選択的に、少なくとも約20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物、及び低GI密度低下剤をさらに含んでなる。ポリフェノールの性質及び量は、本発明の第1の態様及び第2の態様について上述したとおりであり得る。しかし、当業者が知っているように、1つ又は複数の甘味料が既に低GIである場合、ポリフェノールはそれらのGI低下効果のために必要とされないであろう。
【0081】
非晶質甘味料は、任意選択的に、40~95%w/w、50~90%w/w又は50~80%w/wの糖/代替甘味料を有する。非晶質甘味料は、任意選択的に、60%~80%w/w又は70%~80%w/wの糖/代替甘味料を有する。任意選択的に、非晶質甘味料は、75%~80%w/wの糖/代替甘味料である。任意選択的に、非晶質甘味料は、75%w/wの糖/代替甘味料である。任意選択的に、非晶質甘味料は、80%w/wの糖/代替甘味料である。
【0082】
粉末の水分含有量及び流動性は、本発明の非晶質糖類について記載された通りであり得る。
【0083】
密度低下剤は、上記及び下記の通りである。代替甘味料がラカンカの場合、密度低下剤はラカンカでない。
【0084】
密度低下剤
食用密度低下剤は、食用で低密度である。食用密度低下剤は、タンパク質、炭水化物、繊維(可溶性又は不溶性又は組み合わせ)、又は天然強力甘味料であり得る。
【0085】
本発明の密度低下剤の嵩密度は、任意選択的に、約0.25~0.7g/cm3、約0.3~0.7g/cm3、0.4~0.6g/cm3又は0.45~0.55g/cm3である。代案としては、密度低下剤の嵩密度は、0.8g/cm3未満、0.6g/cm3未満、0.5g/cm3未満である。
【0086】
任意選択的に、密度低下剤は、二酸化ケイ素、セルロースガム、バナナフレーク、大麦粉、ビーツ、玄米粉、玄米タンパク質分離物、褐色ホエー粉末、ケーキ用小麦粉、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、カルシウムシリコン、ヒメウイキョウ、カラゲニン、シナモン、ココア豆、ココア粉末、ココナツ、コーヒー(乾燥粉砕)、コーヒー(圧扁)、コーンミールパウダー、コーンスターチ、クリスピーライス、挽割麦芽大麦、挽割大豆、脱水バナナフレーク、乾燥ポテト、乾燥野菜、乾燥丸黒インゲンマメ、ダイカライト(diacalite)(珪藻土)、乾燥醸造者酵母、乾燥炭酸カルシウム、乾燥ニンジン、乾燥セロリ、乾燥ピーマン、乾燥玉ねぎ、乾燥全脂ホエー粉末、乾燥酵母、乾燥粉乳、卵タンパク質、卵白タンパク質、小麦粉、粉砕アーモンド、粉砕シナモン、粉砕トウモロコシ穂軸(cobb)、粉砕ポテトフレーク、粉砕シリカ、ヘーゼルナッツ、落花生、アーモンド、麻タンパク質、ヒドロキシエチルセルロース、石灰石(炭酸カルシウム)、マグネシウムフレーク、水酸化マグネシウム粉末、大麦麦芽、麦芽入り粉乳、微結晶セルロース、粉乳、天然バニラ、パセリ、エンドウ豆、エンドウ豆タンパク質、塩化カリウム、ソルビン酸カリウム、ジャガイモデンプン、ジャガイモデンプンフレーク、ジャガイモデンプン粉末、黒糖粉末、大豆レシチン粉末、クイックオーツ、ライスクリスピートリートシリアル、短粒米、圧片トウモロコシ、押しオート麦、ゴマ、シリカ、ケイ酸塩粉末、カゼイン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、大豆製粉(mill)、大豆粉、甜菜パルプ、ヒマワリ種子、ヒマワリタンパク質、バニラ、バニラビーン、ガラス様繊維、コムギふすま繊維、小麦胚芽、ホエー(タンパク質)粉末、白色脱穀ゴマ種子、全粒オート麦、黄色パン粉、ホエータンパク質単離物、又はそれらの組み合わせの可溶性又は粉末バージョンのいずれかである。
【0087】
任意選択的に、密度低下剤は、玄米粉、カフェイン入り粉コーヒー、ケーキ用小麦粉、チーズパウダー、チーズパウダーブレンド、栗エキス粉末、チョコレート、チョコレートプディングドライミックス、フォンダンオショコラベース、シナモン、コーヒー(脱カフェイン)、コーンミール、コーンスターチ、乾燥ポテト、乾燥スープ、乾燥野菜、乾燥ビール酵母、乾燥酵母、ドライミルク、乾燥粉乳(脱脂)、小麦粉、小麦粉(高グルテン)、小麦粉(パンケーキミックス)、小麦粉パン粉、小麦粉ミックス、食品等級デンプン、ヒュームドシリカ、粉砕アーモンド、粉砕シナモン、粉砕コーヒー、グアーガム、ガムプレミックス(グアーガム、ローカストビーンガム、κカラゲニン(Carragenan))、アイスクリームパウダー(チョコレート)、麦芽ミックス、麦芽入り粉乳、マルチトールNutrioseブレンド、マシュマロミックス、粉乳、粉乳ベース飼料、粉乳(全脂)、混合スパイス、マスタード粉、オニオンパウダー、パンケーキミックス、ペパローニスパイス、ジャガイモ粉、ポテトパンケーキミックス、ジャガイモデンプン、鶏肉グレイビー、鶏肉調味料、粉末キャンディ成分、粉末カラメル着色料、粉末デザート、プロテインドリンクミックス-ホエー、甘味料、栄養素、プロテインドリンクミックス(バニラ、チョコレート)、プロテインミックス(フレンチバニラ)、塩、塩と粉乳のミックス、塩と酢(Vinager)の調味料ミックス、海藻粉末、シリカ、ケイ酸塩粉末、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム(クエン酸)、大豆粉、ホエー(タンパク質)粉末、ホエー飼料補給剤、ホエー粉末、ホエータンパク質又はそれらの組み合わせの可溶性又は粉末バージョンのいずれかである。
【0088】
任意選択的に、密度低下剤は、ホエータンパク質単離物、ケーキ用小麦粉、シナモン粉末、ココア粉末、ココナツ粉末、バニラ粉末、エンドウ豆/大豆/オート麦/卵(卵白を含めた)/セロリ/米/ヒマワリタンパク質粉末、小麦胚芽、甜菜パルプ、バガス又はサトウキビパルプ粉末からなる群から選択される。
【0089】
任意選択的に、密度低下剤は、ケーキ用小麦粉、シナモン粉末、ココア粉末、ココナツ粉末、バニラ粉末、エンドウ豆/大豆/オート麦/卵(卵白を含めた)/セロリ/米/ヒマワリタンパク質粉末、小麦胚芽、甜菜パルプ、バガス又はサトウキビパルプ粉末からなる群から選択される。
【0090】
任意選択的に、密度低下剤は、ホエータンパク質単離物、ヒマワリタンパク質、エンドウ豆タンパク質、卵白タンパク質又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。代案としては、密度低下剤は、ヒマワリタンパク質、エンドウ豆タンパク質、卵白タンパク質又はそれらの組み合わせである。
【0091】
適切なタンパク質としては、ホエータンパク質単離物、好ましくは乳ホエータンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質、ヒマワリタンパク質、卵白タンパク質、麻タンパク質、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0092】
任意選択的に、密度低下剤は、ホエータンパク質単離物、好ましくは乳ホエータンパク質単離物、卵白タンパク質、ソラマメタンパク質、大豆タンパク質単離物、イヌリン、及びそれらの組み合わせである。
【0093】
好ましくは、低GI密度低下剤は耐消化性である。適切な耐消化性密度低下剤としては、ガラス様繊維、コムギふすま繊維、小麦胚芽、甜菜又はサトウキビパルプ、バガス又はそれらの組み合わせが挙げられる。耐消化性密度低下剤は、任意選択的に、3~17又は10~14グルコース単位のグルコースポリマーである。耐消化性低GI密度低下剤は、可溶性又は不溶性繊維又はそれらの組み合わせであってもよい。不溶性繊維を有する耐消化性低GI密度低下剤の1つの選択肢は、バガスである。
【0094】
いくつかの実施形態では、密度低下剤は、タンパク質及び低GI炭水化物の組み合わせである。
【0095】
いくつかの実施形態では、糖源(すなわち、甘味料)と密度低下剤との比は、固体重量で99:1~60:40である。いくつかの実施形態では、糖源と密度低下剤との比は、固体重量で95:5~60:40、又は固体重量で95:5~70:30、好ましくは90:10~80:20である。好ましい実施形態では、甘味料と密度低下剤との比は、固体重量で80:20~70:30である。代替の好ましい実施形態では、甘味料と密度低下剤との比は、固体重量で80:20~75:25である。
【0096】
十分な密度低下を達成するために、非晶質甘味料の固形分の少なくとも5%w/wが密度低下剤であることが好ましい。5%w/wによって達成される密度低下効果は、10%で改善され、30%でわずかに改善される(ホエータンパク質単離物の場合)。密度低下剤の量がより多くても、追加的な密度低下効果はほとんどなかった。より多くの密度低下剤を使用して製品が調製され得るが、より多くの量では、密度低下剤は糖の味覚プロファイルを過度に変化させる。
【0097】
任意選択的に、密度低下剤は、非晶質甘味料の1%~60%w/wである。任意選択的に、密度低下剤は、非晶質糖/甘味料の5%~60%w/w、10~50%w/w、又は20~50%w/wである。任意選択的に、密度低下剤は、5重量%~60重量%、5~40重量%、5~35重量%、又は10~40重量%である。いくつかの実施形態では、密度低下剤は、非晶質甘味料の5%~40%w/w未満である。いくつかの実施形態では、密度低下剤は、固体重量で非晶質甘味料の20%~30%である。任意選択的に、密度低下剤は、固体重量で非晶質糖の約25%である。任意選択的に、密度低下剤は、固体重量で非晶質甘味料の10%~30%又は15~25%である。
【0098】
密度低下剤は、任意選択的に、200g/mol~70kDa、300g/mol~70kDa、500g/mol~70kDa、800g/mol~70kDa、又は1kDa~70kDaの分子量を有する。任意選択的に、密度低下剤は、10kDa~60kDa、10kDa~50kDa、10kDa~40kDa、又は10kDa~30kDaである。糖が単糖である場合、非粘着性で流動性の粉末製品を確保するために、乾燥剤が必要とされてもよい。これらの分子量の密度低下剤は、適切な乾燥剤である。
【0099】
任意選択的に、密度低下剤は、200g/mol~1kDa、200g/mol~800g/mol、300g/mol~700g/mol、又は300g/mol~800g/molである。
【0100】
当業者は、非晶質単糖のガラス転移温度(Tg)を低下させるためには、比較的分子量の低い高分子量乾燥剤のより多くの量が必要であることを理解するであろう。当業者はまた、単糖のTgを低下させるためには、比較的分子量の高い高分子量乾燥剤のより少ない量が必要であることも理解するであろう。
【0101】
いくつかの実施形態では、密度低下剤は、本発明の甘味料の粒子全体にわたって不均一な分布で存在する。いくつかの実施形態では、密度低下剤は、粒子の内部領域と比較して、本発明の甘味料の粒子の表面領域上により高い濃度で存在する。いくつかの実施形態では、密度低下剤は、粒子の内部領域と比較して、本発明の甘味料の粒子の表面領域上により低い濃度で存在する。密度低下剤の位置は、いくつかある要因の中で特に、密度低下剤の分子量及び表面活性によって影響を受けると考えられている。
【0102】
プレバイオティック糖類
いくつかの実施形態では、密度低下剤は、プレバイオティック剤をさらに含んでなる、低密度耐消化性炭水化物及び/又は非晶質甘味料である。これらの実施形態では、プレバイオティック非晶質甘味料は、摂取されたときにプレバイオティック効果を有することが好ましい。プレバイオティクス剤は、任意選択的に、可溶性繊維及び/又は不溶性繊維である。
【0103】
適切なプレバイオティック剤としては、ハイメイズ、フルクトオリゴ糖又はイヌリン、バガス、キサンタンガム、耐消化性マルトデキストリン又はその誘導体、3~17又は10~14グルコース単位の耐消化性グルコースポリマーが挙げられる。
【0104】
プレバイオティック非晶質糖のプレバイオティック効果を試験する方法は、そのコピーが参照により本明細書の本文に援用される、“Compositions that reduce sugar bioavailability and/or have prebiotic effect”と題された、シンガポール特許出願第10201809224Y号明細書で説明される。
【0105】
密度低下剤が、耐消化性炭水化物などのプレバイオティック剤と組み合わされる場合、比率は任意選択的に、それぞれ20:1~5:1w/wである。
【0106】
強力甘味料
天然強力甘味料密度低下剤は、強力に甘味付けする植物抽出物又は植物汁液である。これらは、液体又は乾燥物のどちらかであり得る。液体及び乾燥形態の適切な抽出物及び汁液は、ステビア、ラカンカ、及びブラックベリーリーフについて市販されている。本発明者らによって調製されたラカンカ製品の観点から、本発明の糖/甘味料のステビア及びブラックベリーリーフバージョンは、成功することが予測される。
【0107】
任意選択的に、密度低下剤はラカンカである。
【0108】
いくつかの実施形態では、密度低下剤は、ステビア、ラカンカ、ブラックベリーリーフ、及びそれらの抽出物からなる群から選択される、1つ又は複数の天然強力甘味料であるが、ただし、低GI密度低下剤がラカンカ又はラカンカ抽出物である場合、糖/甘味料はラカンカ代替甘味料ではない。さらに、低GI密度低下剤がステビアである場合、糖/甘味料はステビアではない。任意選択的に、密度低下剤がステビアである場合、糖は、スクロース、好ましくはサトウキビ汁である。
【0109】
分子量、吸湿性、及び重量百分率などの密度低下剤のその他の特徴は、任意選択的に上記の通りである。
【0110】
一実施形態では、非晶質甘味料は天然強力甘味料密度低下剤(amorphous sweetener a natural intense sweetener)であり、糖はスクロースであり、サトウキビ汁、ビーツ汁又は糖蜜から供給される。実施形態では、サトウキビ汁又は糖蜜を用いて、糖源は、高甘味度甘味料の金属的な味をマスクし又は改善し、糖の味を改善し、及び/又は嗜好性を維持しながら高強度甘味料の量を増加できるようにする。高強度甘味料の使用量を増加させることによって、本発明の本実施形態を用いて調製された食品及び飲料における、糖の使用を低減させることができる。
【0111】
ガラス転移温度
任意選択的に、非晶質甘味料は、60℃を超えるガラス転移温度を有する。特に、スクロースを含有する本発明の非晶質糖類は、任意選択的に、60℃を超えるガラス転移温度を有する。好ましくは、少なくとも40重量%(任意選択的に、40~90重量%、40~80重量%又は50~80重量%)のスクロースを含有する本発明の非晶質糖類は、密度低下剤のガラス転移温度上昇効果のために、60℃を超えるガラス転移温度を有する。任意選択的に、これらの非晶質甘味料のガラス転移温度は、65~120℃、70~120℃、80~120℃、90~120℃、65~110℃、70~110℃、80~110℃、90~110℃、65~100℃、70~100℃、80~100℃、90~100℃、70~90℃又は80~90℃である。
【0112】
安定性
本発明の低密度非晶質甘味料は、12ヶ月間、1年間、又は2年間にわたり安定している。特に、本発明の低密度非晶質糖類(スクロース糖類を含む)は、12ヶ月間、1年間、又は2年間にわたり安定している。好ましくは、これらの非晶質甘味料は、周囲条件(室温及び50~60%の相対湿度)で密封された低密度プラスチック(例えば、ポリエチレン)内で貯蔵された場合に安定している。任意選択的に、安定した糖類は、それらの低密度及び/又は空気混入構造を保持し、及び/又は貯蔵時に自由流動性の粉末のままである(すなわち、良好な又は優れた粉末流動性を有する)。好ましくは、これらの甘味料/糖類としては、ホエータンパク質単離物から選択される低密度剤が挙げられる。
【0113】
任意選択的に、本発明の非晶質糖類は固結しない。サトウキビ汁を含む実施形態は、固結しない傾向がある。任意選択的に、固結防止剤が含まれる。適切な固結防止剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム及び/又はリン酸三カルシウムが挙げられる。これは、特に、精製白糖、粗糖、又は黒糖を含んでなる実施形態で役立ち得る。
【0114】
理論により拘束されることなく、密度低下剤は、非晶質甘味料を安定化させ、スクロースなどの成分を結晶化から保護すると考えられている。
【0115】
除外
任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、レンネットカゼイン又はレンネットカゼインアルカリ(alkai)塩を含まない。
【0116】
いくつかの実施形態では、本発明の非晶質甘味料は、白色精製スクロースを含まない。いくつかの実施形態では、本発明の非晶質甘味料は、全脂粉乳又はホエータンパク質単離物を含まない。
【0117】
その他の特徴
任意選択的に、本発明の全ての態様の非晶質甘味料は、例えば、50%の相対湿度で0~0.2%などの低吸湿性を有する。
【0118】
任意選択的に、デンプン、リン酸カルシウム及び/又はステアリン酸マグネシウムをはじめとするが、これに限定されるものではない、固結防止剤が添加される。
【0119】
任意選択的に、還元糖は、非晶質甘味料の0~4%w/w、0.1~3.5%w/w、0~3%w/w、0~2.5%w/w、0.1~2%w/wである。
【0120】
任意選択的に、本発明の全ての態様の非晶質甘味料は、0.6未満、0.4未満、又は約0.3の水分活性(aw)を有する。
【0121】
低GI/GL
いくつかの実施形態では、非晶質甘味料は、低血糖であるか又は非常に低血糖である。
【0122】
任意選択的に、本発明の10gの非晶質甘味料は、10以下、又は8以下、又は5以下の血糖負荷(GL)を有する。一定量の食品の血糖負荷の計算は、以下の詳細な説明で説明される。
【0123】
任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、54以下又は50以下のグルコースベースGIを有する。任意選択的に、非晶質甘味料は54以下のグルコースベースGIを有し、10gの非晶質甘味料は10以下のグルコースベースGLを有する。
【0124】
任意選択的に、非晶質甘味料は、流動性改良剤及び/又は乾燥剤をさらに含んでなる。流動性改良剤及び/又は乾燥剤は、還元糖が非晶質甘味料の2%w/wを超えるか又は3%w/wを超える場合に、特に役立つ。
【0125】
安定性
本発明の非晶質甘味料は、任意選択的に、周囲条件での6、12、18又は24ヶ月間の貯蔵後、自由流動性粉末のままである。
【0126】
味
糖がスクロースであり、それがサトウキビ汁、甜菜汁及び/又は糖蜜から供給される実施形態では、本発明の非晶質甘味料は、特に、精製白糖より甘味が強い及び/又は精製白糖よりもキャラメル風味が強いなどの望ましい官能プロフィールを有する。理論により拘束されることなく、これは、サトウキビ汁、甜菜汁、及び糖蜜から供給された糖が、本質的に純粋な砂糖より甘味が強いため、及び/又は糖の非晶質性が、非晶質甘味料中に存在する糖化合物の素早い味覚を可能にするため、及び/又は糖の空気混入サイズが、味蕾との接触を高めるように糖を配置して甘味の認識をより強めるために起こると考えられている。
【0127】
本発明の非晶質甘味料がホエータンパク質単離物を含む場合、糖は任意選択的に、精製白糖よりもミルキーな味を有する。
【0128】
非晶質糖がサトウキビ汁を含んでなる場合、非晶質糖は、ステビア、ラカンカ及び/又はブラックベリーリーフ(好ましくはステビア)などの高強度甘味料の摂食に関連する金属的な後味を任意選択的にマスクし又は改善する。
【0129】
好ましい実施形態
任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、70~80%の糖及び/又は代替甘味料と、20~30%の密度低下剤とを含んでなる粒子を含んでなる。任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、70~80%の糖及び/又は代替甘味料と、20~30%の密度低下剤とからなる粒子を含んでなる。各粒子は、密度低下剤と糖/代替甘味料との双方を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ又は複数の糖類と、1つ又は複数の食用密度低下剤とを含んでなる粒子を含んでなる、低密度非晶質糖を提供し、ここで1つ又は複数の糖類は、精製白糖、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;ここで密度低下剤は、ホエータンパク質単離物、卵白タンパク質、イヌリン、大豆タンパク質単離物、ソラマメタンパク質単離物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。任意選択的に、1つ又は複数の糖類は、非晶質糖の70~80重量%であり、及び/又は1つ又は複数の密度低下剤は、アモルファス糖非晶質糖の20~30重量%である。代案としては、1つ又は複数の糖類は、非晶質糖の約75重量%であり、及び/又は1つ又は複数の密度低下剤は、アモルファス糖非晶質糖の約25重量%である。任意選択的に、これらの非晶質糖のガラス転移温度は、65~120℃又は80~120℃である。任意選択的に、非晶質糖の粒子は、それらの低密度及び/又は空気混入構造を保持し、及び/又は良好な又は優れた粉末流動性を有し、好ましくは、これらの特徴は、周囲条件で密封された低密度プラスチック内で貯蔵された後も保持される。任意選択的に、還元糖類は、非晶質甘味料の0.1%~3.5%w/wである。任意選択的に、糖は、0~0.3%w/wの水分を含んでなる。任意選択的に、糖は、精製白糖よりも強力な甘味及び/又は精製白糖よりも強いキャラメル風味を有する。
【0131】
いくつかの実施形態では、本発明は、(i)1つ又は複数の糖類又は代替甘味料、及び(ii)1つ又は複数の食用の密度低下剤を含んでなる粒子を含んでなる、低密度非晶質甘味料を提供し、ここで1つ又は複数の密度低下剤は、ホエータンパク質単離物及びココア(coco)粉末である。任意選択的に、ホエータンパク質単離物及びココア(coco)粉末は、1:2~2:1の重量比(好ましくは1:1の比率)で存在する。任意選択的に非晶質甘味料は、約70~80%のスクロース及び約20~30%のホエータンパク質単離物及びココア(coco)粉末(例えば、70%のスクロース、15%のホエータンパク質単離物及び15%のココア(coco)粉末)である。任意選択的に、これらの非晶質糖のガラス転移温度は、65~120℃又は80~120℃である。任意選択的に、非晶質糖の粒子は、それらの低密度及び/又は空気混入構造を保持し、及び/又は良好な又は優れた粉末流動性を有し、好ましくは、これらの特徴は、周囲条件で密封された低密度プラスチック内で貯蔵された後も保持される。
【0132】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ又は複数の糖類と、1つ又は複数の食用密度低下剤とを含んでなる粒子を含んでなる、低密度非晶質糖を提供し、ここで1つ又は複数の糖類は、スクロース(例えば、精製白糖、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜、及びそれらの組み合わせ)を含んでなり、1つ又は複数の密度低下剤は、ステビア及び/又はラカンカである。
【0133】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ又は複数の糖類と、1つ又は複数の食用密度低下剤とを含んでなる粒子を含んでなる、低密度非晶質糖を提供し、ここで1つ又は複数の糖類は、スクロース(例えば、精製白糖、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜、及びそれらの組み合わせ)を含んでなり、1つ又は複数の密度低下剤は、繊維及びタンパク質である。繊維は、キサンタン(xantham)ガム、難消化性マルトデキストリン(maltodexrin)、バガス(例えば、サトウキビバガス)又はそれらの組み合わせなど、可溶性、不溶性、又はその双方であってもよい。任意選択的に、繊維及びタンパク質は、重量で例えば、1:9の比率など、1:3~1:15の比率である。
【0134】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ又は複数の糖類と、1つ又は複数の食用密度低下剤とを含んでなる粒子を含んでなる、低密度非晶質糖を提供し、ここで1つ又は複数の糖類は、スクロース(例えば、精製白糖、粗糖、黒糖、乾燥サトウキビ汁、乾燥ビーツ汁、乾燥糖蜜、及びそれらの組み合わせ)を含んでなり、1つ又は複数の密度低下剤は、(i)繊維及び/又はタンパク質、(ii)及びガムである。繊維は、キサンタン(xantham)ガム、難消化性マルトデキストリン(maltodexrin)、バガス(例えば、サトウキビバガス)又はそれらの組み合わせなど、可溶性、不溶性、又はその双方であってもよい。タンパク質は、任意選択的にホエータンパク質単離物又はヒマワリタンパク質である。ガムは、任意選択的にグアーガムである。ガム及び繊維/タンパク質は、任意選択的に重量で例えば、1:10の比率など、1:20~1:5の比率である。
【0135】
甘味料の使用
低密度非晶質甘味料は、食品としての使用、及び/又は食品の調製に使用される成分としての使用が、意図される。使用される糖類、代替甘味料、及び密度低下剤は、常に、消費に適し(すなわち、食用)及び/又は食品等級である。
【0136】
消化に利用できる糖又はカロリーを低減し栄養を高める
本発明の非晶質甘味料は、その他の食品における成分として使用するのに、又は栄養補助食品として使用するのに、好適である。本発明の非晶質甘味料は、食品システムにおける伝統的な結晶糖の使用と比較して、食品システム中の糖を10%以上、20%以上、30%以上、又は40%以上、55%以上、又は最大約65%低減するために使用され得る(これは、システムに添加された糖を意味し、その他の成分に本来含まれる糖は意味しない)。任意選択的に、食品又は飲料中の糖は、10~50%又は20~40%低減される。すなわち、添加された糖は、10~50%又は20~40低減される。食品システムは、糖それ自体であり得る。これは、精製白糖よりも本発明の非晶質甘味料の方が、遊離糖が少ないために起こる。また、糖がスクロースであり、スクロースがサトウキビ汁、甜菜汁及び/又は糖蜜から供給される、本発明の実施形態の非晶質甘味料の甘味のために、1:1より少ない糖置換が必要であってもよい。詳細については、実施例12を参照されたい。
【0137】
非晶質甘味料の甘味の増加による1:1未満の置換可能性を考慮した場合、本発明の非晶質甘味料の総キロジュール/カロリー低減は、任意選択的に、5~40%又は10~30%である。これは、食品システムにおける糖からのカロリーの減少を指す。
【0138】
糖がスクロースであり、サトウキビ汁、糖蜜及び/又はビーツ汁から供給され、少なくとも20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物が存在する(ビーツ汁の場合、好ましくはサトウキビから供給されるポリフェノールが添加される)、本発明の様々な態様の実施形態では、非晶質甘味料は、伝統的な結晶白糖と比較して栄養プロファイルが改善されている。これらの実施形態では、非晶質甘味料は、任意選択的に、以下の1つ又は複数を有する:
●1日のナトリウム推奨量の5~9%(7%);
●1日の炭水化物推奨量の20~30%(23%);
●1日の繊維推奨量の3~10%(4%);
●1日のタンパク質推奨量の10~50%(48%);
●1日のカルシウム推奨量の50~100%(90%);
●1日の鉄推奨量の100~180%(160%);
●1日のカリウム推奨量の30~40%(35%);
●1日のマグネシウム推奨量の50~80%(70%);
●1日の亜鉛推奨量の25~35%(35%);
●1日の銅推奨量の50~65%(60%);及び/又は
●1日のマンガン推奨量の200~400%(350%)。
【0139】
低GI密度低下剤がホエータンパク質単離物であり、糖が任意選択的に、サトウキビ汁から供給される場合、本発明の非晶質甘味料は任意選択的に、上記の全てを有する。
【0140】
本発明の非晶質甘味料を調製する方法
別の態様では、本発明は、(i)スクロース及びポリフェノールを含有する液体と、少なくとも1つの密度低下剤とを組み合わせるステップと;(ii)混合物を急速乾燥させて非晶質甘味料を生成するステップとを含んでなる、非晶質甘味料を調製する方法を提供する。
【0141】
代案としては、本発明は、(i)1つ又は複数の低分子量糖類及びポリフェノールを含有する液体と、少なくとも1つの密度低下剤とを組み合わせるステップと;(ii)混合物を急速乾燥させて非晶質甘味料を生成するステップとを含んでなる、非晶質甘味料を調製する方法を提供する。
【0142】
代案としては、本発明は、(i)1つ又は複数の糖類又は代替甘味料及びポリフェノールを含有する液体と、少なくとも1つの密度低下剤とを組み合わせるステップと;(ii)混合物を急速乾燥させて非晶質甘味料を生成するステップとを含んでなる、非晶質甘味料を調製する方法を提供する。
【0143】
空気混入を達成するためには、空気を供給原料に導入しなくてはならないと予測されていたので、手動による非常に軽度の混合が効果的であるのは、驚くべきことである。
【0144】
一実施形態では、本発明による低密度糖はまた、(i)スクロース及びポリフェノールを含有する液体と、少なくとも1つの密度低下剤とを混合するステップと;(ii)混合物を急速乾燥させて非晶質甘味料を生成するステップとによっても調製され得て、急速乾燥するステップに先だって、追加的な空気は供給原料にポンプで送られない。
【0145】
別の実施形態では、本発明による低密度非晶質甘味料はまた、(i)スクロース及びポリフェノールを含有する液体と、少なくとも密度低下剤とを混合するステップと;(ii)混合物を急速乾燥させて空気混入非晶質甘味料を生成するステップとによっても調製され得て、急速乾燥するステップに先だって、混合は泡立った供給原料を生成しない。本発明の発明者らは、供給原料を泡立たせても、少なくともホエータンパク質単離物の空気混入を増強せず、又は密度を低下させないと判定した。
【0146】
代案の実施形態では、本発明に従った低密度非晶質甘味料は、(i)スクロース及びポリフェノールを含有する液体と、少なくとも1つの密度低下剤とを混合するステップと;(ii)混合物を急速乾燥させて非晶質甘味料を生成するステップとによって調製され得て、急速乾燥するステップに先だって、混合は泡立った原料を生成するが、急速乾燥するステップに先だって、追加的な空気は原料にポンプで送られない。
【0147】
任意選択的に、急速乾燥するステップは噴霧乾燥機を使用する。任意選択的に、噴霧乾燥機は向流噴霧乾燥機である。代案としては、噴霧乾燥機は並流噴霧乾燥機である。
【0148】
液体は、任意選択的に、サトウキビ汁、甜菜汁、及び糖蜜からなる群から選択される。液体は、好ましくは、サトウキビ汁及び/又は糖蜜である。任意選択的に、液体は、5~30%w/w、10~25%w/w、15~20%w/w、又は20%w/wの全固形分で調製される(又は、それまで希釈/濃縮される)。代案としては、20~50%又は30~40%w/wの全固形分が使用される。サトウキビ汁は、任意選択的に、少なくとも60ブリックス(すなわち、100gの溶液中に60gのスクロース)である。結果は、サトウキビの品種次第で変動する。
【0149】
液体及び密度低下剤は、どちらも任意選択的に、0.1ミクロンで濾過される。液体及び密度低下剤は、組み合わされる。液体及び密度低下剤は、20mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物~1gのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有する。ポリフェノール含有量は、乾燥に先だって、追加的なポリフェノールを添加する(又は希釈によってポリフェノールを低減する)ことによって、任意選択的に調整される。
【0150】
噴霧乾燥機の入口空気温度は、任意選択的に、140℃~200℃、160℃~200℃、140℃~180℃、140℃~160℃又は160℃~180℃である。噴霧乾燥機の入口空気温度は、任意選択的に、120℃~200℃、130℃~200℃、130℃~170℃、又は130℃~150℃である。好ましくは、入口空気温度は、約135℃である。好ましくは、入口空気温度は、約140℃である。好ましくは、入口空気温度は、約145℃である。好ましくは、入口空気温度は、約160℃である。好ましくは、入口空気温度は、約135~約160℃である。
【0151】
噴霧乾燥機の出口空気温度は、70℃~90℃、75℃~85℃又は75℃~80℃である。
【0152】
要すれば、乾燥前にグルコースオキシダーゼが液体に添加され、遊離グルコースが低減されてもよい。
【0153】
供給原料は、噴霧乾燥の前に、例えば、圧力を使用して形成された気泡を低減することによって、任意選択的に脱泡される。
【0154】
任意選択的に、密度低下剤は、供給原料への添加前に、125ミクロン未満の粒度にミル処理砕される。これは、密度低下剤が繊維である場合に、特に有用である。
【0155】
任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、工業規模で調製される。例えば、本発明の非晶質甘味料は、任意選択的に、少なくとも200L/時の供給原料を処理できる噴霧乾燥機内で調製される。任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、少なくとも40L/時の供給原料を処理する速度で調製される。任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、少なくとも60L/時の供給原料を処理する速度で調製される。
【0156】
噴霧乾燥によって糖を調製することの1つの利点は、処理が安価なことである。流動床乾燥、低温真空乾燥、及び環式乾燥をはじめとする、その他の低コストの乾燥方法もまた、有用なこともある。砂糖に自然に含まれるビタミン、ミネラル、及び植物化学化合物の一部が保持されるため、砂糖が栄養価を保持し、「空の栄養」ではないこともまた有益である。
【0157】
(スクロース源としてサトウキビ汁、甜菜汁又は糖蜜を使用する実施形態における)本発明の噴霧乾燥非晶質甘味料の1つの利点は、噴霧乾燥糖は、以前の砂糖廃液流である糖蜜を利用して、砂糖の生産量を増加させ、又は精製度の低い製品であるサトウキビ汁を利用して、伝統的な結晶糖の調製と比較して、生産量を増加させ効率を改善することである。
【0158】
食品/飲料
本発明はまた、任意の本発明の態様又は実施形態に従った1つ又は複数の非晶質甘味料を含んでなる、食品又は飲料にも関する。任意選択的に、食品は、菓子製品、乳製品、栄養補助食品、又はベイクド製品である。
【0159】
適切な菓子製品としては、添加糖が、本発明の非晶質甘味料(好ましくはスクロースを含有する本発明の非晶質甘味料)で全体的に又は部分的に置き換えられた、脂肪又は油ベースの菓子製品が挙げられる。
【0160】
いくつかの実施形態では、本発明は、チョコレート、ケーキ、及びベイクド製品からなる群から選択される食品を提供し、ここで食品は、本発明の非晶質甘味料を含んでなる。いくつかの実施形態では、本発明は、アイスクリーム、乳製品ベースの飲料、乳製品ベースの粉末、ヨーグルト、スープ、粉末スープ、食用スプレッド;及び乳児用調製粉乳、プロテイン/減量/プレバイオティックシェイク、プロテイン/減量/プレバイオティック粉末シェイク、及びプロテイン/減量/プレバイオティックバーなどの栄養補助食品からなる群から選択される食品を提供し、ここで食品は、本発明の非晶質甘味料を含んでなる。
【0161】
任意選択的に、食品の添加糖の全部又は一部が、本発明の非晶質糖で置換される。好ましくは、食品の添加糖の約20%超が本発明の非晶質糖に置換されており、より好ましくは約40%超、より好ましくは約60%超、より好ましくは約80%超である。置換は、任意選択的に、体積ベース又は重量ベースで計算される。
【0162】
例えば、本発明は、本発明の空気混入非晶質甘味料を含有するチョコレートを提供する。チョコレートは、チョコレートで被覆された空気混入非晶質甘味料粒子を被覆して、直径が最大約100μmの粒子を形成する。例えば、直径が30μm未満又は直径が20μm未満のより小さなサイズの粒子を有するチョコレートは、空気混入非晶質甘味料を篩掛けしてより大きな粒子を除去することによって、調製されてもよい。同様に、所望ならば、より小さな粒子が除去され得る。
【0163】
別の態様では、本発明は、本発明の空気混入非晶質甘味料を含有するベイクド製品を提供する。ベイクド製品は、任意選択的に、ビスケット、ケーキ又はマフィンである。
【0164】
別の態様では、本発明は、空気混入された本発明の非晶質甘味料を含んでなる、食用スプレッドを提供する。食用スプレッドは、任意選択的に、ジャム(ゼリー)、又はヘーゼルナッツベースのスプレッド、ピーナッツバター又はアーモンドバターなどのナッツベースのスプレッドである。
【0165】
別の態様では、本発明は、空気混入された本発明の非晶質甘味料を含んでなる、乳製品を提供する。乳製品は、任意選択的にアイスクリーム、飲料又はヨーグルトである。乳製品で使用される本発明の非晶質空気混入甘味料は、WPIを含んでなることが好ましい。任意選択的に、本発明の非晶質空気混入甘味料は添加糖を部分的にのみ置換し、乳製品はグラニュー糖などの別の甘味料を含む。好ましくは、乳製品はアイスクリームである。
【0166】
別の態様では、本発明は、本発明の任意の態様、代替の態様又は実施形態に従った非晶質甘味料又は代替甘味料を含有する、飲料を提供する。任意選択的に、代替甘味料はラカンカであり、又は低GI密度低下剤はラカンカなどの強力甘味料である。好ましくは、飲料は水ベースの飲料である。任意選択的に、飲料は乳ベース飲料である。
【0167】
本発明の非晶質糖を含有する飲料は、水中に、0~10%w/wのタンパク質(任意選択的に1~10%又は1~5%w/w)、1~10%w/wの脂肪(任意選択的に2~10%又は2~6%w/w)及び0~10%w/wの炭水化物(任意選択的に1~10%w/w又は3~7%w/w)を含んでなる。代案としては、本発明の非晶質糖を含有する飲料は、水中に、0~10%w/wのタンパク質(任意選択的に1~10%又は1~5%w/w)、0~10%w/wの脂肪(任意選択的に2~10%又は2~6%w/w)及び1~10%w/wの炭水化物(任意選択的に1~10%w/w又は3~7%w/w)を含んでなる。飲料は、例えば、0.01~0.06又は0.04~0.05%のナトリウム及び/又は0.05~0.15又は0.08~0.12%w/wのカルシウムなどの、ナトリウム及び/又はカルシウムをさらに含んでもよい。
【0168】
なおも別の態様では、本発明は、(i)本発明の任意の態様、代替の態様又は実施形態に従った非晶質甘味料又は非晶質代替甘味料、及び粉ミルク、コーヒー及び/又はチョコレートを含んでなる組成物を提供する。これらの組成物は、飲料の調製のために(すなわち、ミルク又は水と組み合わせて、コーヒー、チョコレート又はモカ飲料を調製するために)、又は例えば、ベイクド製品などの食品の成分として、好適である。任意選択的に、非晶質甘味料又は代替甘味料は、本発明に従ったプレバイオティック糖又は代替甘味料である。
【0169】
このセクションに記載される食品、チョコレート、ベイクド製品及び組成物では、糖の低密度が食品の調製全体を通じて保持され、その空気混入形態で食品中に存在することが好ましい。任意選択的に、非晶質甘味料の粒子の空気混入は、食品の調製全体を通じて保持される。これは、食品の追加的な嵩増しを可能にし、それは次に、食品における減糖を可能にし得る。理論により拘束されることなく、食品を摂取する対象者は、糖粒子の表面の糖を味わうだけなので、これは効果的であると考えられている。非晶質甘味料からの糖が容易に味わわれる一方で、結晶糖からの糖は、糖化合物が結晶構造から放出されるまでにかかる時間のために、より緩慢に味わわれる。粒子の中心にある糖は、味わわれることがない。したがって、糖粒子の中心の一部が、タンパク質又は繊維又は空気である場合、粒子の消費者は違いに気づかなくてもよいが、糖粒子の甘味は保持されてもよく又は改善されることすらあり得、糖の嵩増し効果もまた保持されてもよく又は改善されることすらあり得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、本発明の食品は、本発明の非晶質甘味料を安定して含有し、すなわち、本発明の非晶質甘味料は、(i)およその密度及び/又は粒度を保持し(例えば、10体積%内);(ii)食品中の空気混入構造を保持し、及び/又は(iii)食品中の非晶質性を保持する。本発明者らは、少なくともチョコレート及びアイスクリーム製品において、SEMを使用して空気混入構造の保持を確認した。
【0171】
任意選択的に、本発明の非晶質甘味料は、本発明の食品中で3ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、1年間又は2年間安定している。具体的には、本発明の非晶質甘味料は、(i)およその密度及び/又は粒度を保持し(例えば、10体積%内);(ii)食品中の空気混入構造を保持し、及び/又は(iii)食品の通常の包装及び貯蔵条件で、食品中の非晶質性を3ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、1年間又は2年間保持する。
【0172】
食品/飲料のGI/GLを低下させる
別の態様では、本発明は、本発明の低GI及び/又は低GL非晶質甘味料を使用して、食品/飲料を調製するステップを含んでなる、食品又は飲料のGR、GI及び/又はGLを低下させる方法を提供する。当業者には、本発明の非晶質甘味料が、一定量のスクロース(及びその他の糖)並びに一定量の低GI密度低下剤を含有する場合、糖と低GI密度低下剤の比率次第で、非晶質甘味料のGIが変動することは明らかであろう。GLは、摂取される糖の量によってさらに変動する。
【0173】
別の態様では、本発明は、食事の30分前まで、食事中、又は食事の30分後までの間に、本発明の非晶質甘味料を含んでなる栄養補助食品を摂取することを含んでなる、食事、特に炭水化物を含有する食事のGIを低下させる方法を提供する。
【0174】
食品を調製する方法
別の態様では、本発明は、本発明に従った糖によって、レシピ中の伝統的な砂糖が代用されている、チョコレート又はベイクド製品を調製する方法を提供し、(i)チョコレート又はベイクド製品の非糖成分が組み合わされて、(ii)非晶質甘味料及び非糖成分がベーキング/固化の直前に混合される。
【0175】
代案としては、本発明は、本発明に従った糖によって、レシピ中の伝統的な砂糖が代用されている、チョコレート又はベイクド製品を調製する方法を提供し、(i)伝統的な砂糖が添加されていたであろう時に、必要な全非晶質甘味料の半分が添加され、(ii)残りの非晶質甘味料は、ベーキング/固化の直前にその他の材料と混合される。
【0176】
代案としては、本発明は、チョコレート又はベイクド製品を調製する方法を提供し、その中ではレシピ中の伝統的な糖の一部が、本発明による非晶質甘味料によって置換されており、ここで(i)伝統的な糖は、伝統的な糖が伝統的に添加されたであろう時点で添加され、(ii)非晶質甘味料は、ベーキング/固化の直前にその他の成分と混合される。
【0177】
代案としては、本発明は、本発明の非晶質甘味料を含んでなるチョコレートを調製する方法を提供し、ここで本発明の非晶質甘味料は、チョコレートのコンチングに続いて添加される。本発明の非晶質空気混入甘味料は、チョコレート又はチョコレートを含んでなる食品の水相に添加されないことが好ましい。本発明の非晶質空気混入甘味料は、チョコレートの脂肪又は油、又は既に形成されたエマルションに添加されることが好ましい。本発明の非晶質空気混入甘味料を含んでなるチョコレート製品は、非晶質空気混入甘味料のガラス転移温度よりも低い温度に保持されることが好ましい。
【0178】
チョコレート又はベイクド製品は、任意選択的に直径30μm未満又は20μm未満の非晶質甘味料粒子を含んでなる。
【0179】
チョコレートに添加される本発明の非晶質空気混入甘味料のD50は、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、又は約20μm未満であることが好ましい。チョコレート及び/又は乳製品に添加される本発明の非晶質空気混入甘味料は、WPIを含んでなることが好ましい。
【0180】
別の態様では、本発明は、本発明の低密度非晶質甘味料を含んでなるアイスクリームを製造する方法を提供し、ここで非晶質甘味料は、アイスクリーム製造のチャーニング工程中にアイスクリーム成分に添加される。任意選択的に、チャーニング工程中でも冷却が行われる。好ましくは、非晶質甘味料の添加は、例えば、30%以上、又は50%以上又は70%以上など、チャーニングされる水のかなりの割合が凍結したときに行われる。この処理工程で非晶質甘味料を添加すると、非晶質甘味料がアイスクリーム中でその構造を保持するのを助ける。
【0181】
本明細書で使用されるように、文脈が他を必要とする場合を除き、「含んでなる(comprise)」という用語及び、「含んでなる(comprising)」、「含んでなる(comprises)」、及び「含んでなる(comprised)」などの用語の変形は、さらなる添加剤、構成成分、整数又はステップを除外することは意図されない。
【0182】
本発明のさらなる態様及び先行する段落に記載の態様のさらなる実施形態は、例示のために与えられる以下の説明から、添付の図面を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【
図1】典型的な向流噴霧乾燥機(G=ガス/空気、F=供給、P=粉末、S=噴霧)の略図である。
【
図2】表6のサンプル2~4について、80:20のサトウキビ汁:ホエータンパク質単離物の水分含量対平均乾燥チャンバー温度を示す。
【
図3A】80:20のCJ:WPI%固形分非晶質糖の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、棒目盛は100μmに相当する。
【
図3B】70:30のCJ:WPI%固形分非晶質糖の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、棒目盛は100μmに相当する。
【
図4】実施例8からの90:10のCJ:WPI糖に対する生体外グリセミック指数速度試験(GIST)の結果をグラフ表示し、糖が低血糖であることを示す。
【
図5A】ポリフェノール含有量又はポリフェノール+還元糖含有量が、伝統的な精製白糖の形態のスクロースのGIに及ぼす影響についての研究結果をチャート化する。30、60、及び120mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物含有量が試験された。60mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有するスクロースのGIは、約15であることが示された。30mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有するスクロースに、0.6%w/wの還元糖(1:1のグルコース:フルクトース)を添加することで、GIは53から70に上昇した。60mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有するスクロースに、0.6%w/wの還元糖(1:1のグルコース:フルクトース)を添加することで、GIは15から29に上昇した。120mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有するスクロースに、1.2%w/wの還元糖(1:1のグルコース:フルクトース)を添加することで、GIは65から75に増加した。還元糖の存在は、GIを一貫して増加させた。
【
図5B】実施例9の表10からのいくつかのサンプルのGIをグラフ表示する。
【
図6】実施例8からの90:10、80:20、及び70:30のCJ:WPI%固形分非晶質糖の官能プロフィールを示す。90:10及び80:20の糖が精製白糖より甘味が強い一方で、70:30は同等の甘味である。90:10及び80:20の糖は、キャラメル味を有する。80:20及び70:30の糖は、ミルク様の味を有する。
図6A~Eは、実施例11の空気混入糖のSEM画像であり、
図6Aの棒目盛は20μmに相当し、
図6Bの棒目盛は20μmに相当し、
図6Cの棒目盛は10μmに相当し、
図6Dの棒目盛は10μmに相当し、
図6Eの棒目盛は20μmに相当する。
図6は、一般に、粒度が均一に分布していないことを示す。一部の粒子は約60μmであり、その他は10μm未満である。特に、欠けた粒子粉末から、多数の多孔質粒子が検出された。
【
図7】3gの結晶白糖、及びこの実施例11に従って調製された3gの空気混入非晶質糖の画像を示す。画像は嵩密度の違いを示す。結晶白糖のタップ嵩密度は、およそ0.88g/cm
3と計算された。この実施例11に従って調製された空気混入非晶質糖のタップ嵩密度は、およそ0.47g/cm
3であることが分かった。嵩密度は、実施例5に記載されるように計算された。
【
図8A-D】砂糖結晶を使用して調製された、実施例13のチョコレートを示すSEM画像である。サンプルは、触感のある砂糖結晶を有する固体チョコレートを示す。
【
図8E-H】空気混入非晶質糖を使用して調製された、実施例13のチョコレートを示すSEM画像であり、
図8Eの棒目盛は10μmに相当し、
図8Fの棒目盛は10μmに相当し、
図8Gの棒目盛は10μmに相当し、
図8Hの棒目盛は10μmに相当する。これらの画像は、空気混入糖粒子がチョコレート製品中で原形を保ち、食品調製中にそれらの空気混入が失われていないことを示す。糖を被覆する脂肪層のために、空気混入はあまり明白でないものの、粒子は、処理前のサイズ及び形状を保持しているため、空気混入されたままである。
【
図9A-C】表13からの製品1(米飴を含んでなる)のSEM画像であり、
図9Aの棒目盛は500μmに相当し、
図9Bの棒目盛は50μmに相当し、
図9Cの棒目盛は30μmに相当する。
図9A~Cは、一般に、粒子の大きさが合理的に均等に分布していることを示し、大多数の粒子のサイズは約25μm~約50μmの範囲である。多孔質性が観察された。
【
図9D-E】表13からの製品2(ココナツ糖を含んでなる)のSEM画像を示し、
図9Dの棒目盛は300μmに相当し、
図9Eの棒目盛は20μmに相当する。
図9D~Eは、一般に、粒子の大きさが合理的に均等に分布していることを示し、大多数の粒子のサイズは約20μm~約55μmの範囲である。多孔質性が観察された。
【
図9F-G】表13からの製品3(ラカンカを含んでなる)のSEM画像を示し、
図9Fの棒目盛は30μmに相当し、
図9Gの棒目盛は10μmに相当する。この製品は、スクロースより甘味が約8倍強い。
図9F~Gは、一般に、粒度が均一に分布していないことを示す。一部の粒子は約100μm、その他は約10μmである。多孔質性が観察された。
【
図9H-I】表13からの製品4(メープルシロップを含んでなる)のSEM画像を示し、
図9Hの棒目盛は300μmに相当し、
図9Iの棒目盛は20μmに相当する。
図9H~Iは、一般に、粒子の大きさが合理的に均等に分布していることを示し、大多数の粒子のサイズは約30μm~約60μmの範囲である。多孔質性が観察された。
【
図9J-K】表13からの製品6(バガスを含んでなる)のSEM画像を示し、
図9Jの棒目盛は100μmに相当し、
図9Kの棒目盛は10μmに相当する。
図9J~Kは、一般に、粒子の大きさが合理的に均等に分布していることを示し、大多数の粒子のサイズは約20μm~約30μmの範囲である。多孔質性が観察された。
【
図9L-M】表13からの製品7(ヒマワリタンパク質を含んでなる)のSEM画像を示し、
図9Lの棒目盛は200μmに相当し、
図9Mの棒目盛は50μmに相当する。
【
図10】実施例15に従って調製されたバタークッキーのSEM画像を示し、
図10Aの棒目盛は10μmに相当し、
図10Bの棒目盛は10μmに相当する。これらの画像は、空気混入糖粒子がクッキー製品中で原形を保ち、食品調製中にそれらの空気混入が失われていないことを示す。糖を被覆する脂肪層のために、空気混入はあまり明白でないものの、粒子は、処理前のサイズ及び形状を保持しているため、空気混入されたままである。
【
図11】実施例15に従って調製されたバニラマフィンのSEM画像を示し、
図11Aの棒目盛は20μmに相当し、
図11Bの棒目盛は10μmに相当する。これらの画像は、空気混入糖粒子がマフィン製品中で原形を保ち、食品調製中にそれらの空気混入が失われていないことを示す。糖を被覆する脂肪層のために、空気混入はあまり明白でないものの、粒子は空気混入されたままであり、処理前のサイズ及び形状を保持している。
【
図12A-D】表17の製品7(エンドウ豆タンパク単離物を含んでなる)のSEM画像を示し、ここで
図12Aの棒目盛は30μmに対応し、
図12Bの棒目盛は80μmに対応し、
図12Cの棒目盛は80μmに対応し、
図12Dの棒目盛は20μmに対応する。多孔性が観察された。
【
図13A-D】表17の製品6(卵白タンパク単離物を含んでなる)のSEM画像を示し、ここで
図13Aの棒目盛は100μmに対応し、
図13Bの棒目盛は10μmに対応し、
図13Cの棒目盛は10μmに対応し、
図13Dの棒目盛は50μmに対応する。薄い皮を被った中空の気泡が観察された。
【
図14A-G】表17の製品8(噴霧乾燥前の空気混入を含んでなる)のSEM画像を示し、ここで
図14Aの棒目盛は30μmに対応し、
図14Bの棒目盛は100μmに対応し、
図14Cの棒目盛は30μmに対応し、
図14Dの棒目盛は50μmに対応し、
図14Eの棒目盛は30μmに対応し、
図14Fの棒目盛は8μmに対応し、
図14Gの棒目盛は30μmに対応する。多孔性が観察された。
【
図15A】10%のヒマワリタンパク質、5%のレシチン、及び85%のサトウキビ汁から調製された製品のSEM画像を示し、ここで棒目盛は50μmである。
【
図15B】表14の製品7(10%のヒマワリタンパク質を含んでなる)のSEM画像を示し、棒目盛は50μmである。
図15Aと
図15BのSEM画像の粒子は、サイズと形態がどちらも類似しており、薄い皮を被った中空の気泡が観察される。
【
図16A-D】80%のサトウキビ汁、19%の耐消化性マルトデキストリン、及び1%の繊維(phytocel-バガス繊維及び可溶性繊維-キサンタンガム)を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示し;ここで
図16Aの棒目盛は80μmに対応し、
図16Bの棒目盛は20μmに対応し、
図16Cの棒目盛は20μmに対応し、
図16Dの棒目盛は30μmに対応する。繊維の存在は粒子の形態を変化させ、不均一な表面が観察された。
【
図17A-B】80%のサトウキビ汁と20%のヒマワリタンパク質を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。粒子に有意な多孔性は観察されなかった。
【
図18A-B】90%のサトウキビ汁と10%のラカンカ汁を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。薄い皮を被った中空の気泡と一致する形態を有する、丸い粒子が観察された。表面が粗い不均一な細長い粒子もまた観察された。
【
図19A-B】80%のサトウキビ汁、耐消化性マルトデキストリン(19%)、及び不溶性繊維(バガス)(1%)を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。薄い皮を被った中空の気泡と一致する形態を有する、丸い粒子が観察された。崩壊した粒子もまた観察された。
【
図20A-B】80%のサトウキビ汁、耐消化性マルトデキストリン(19%)、及び可溶性繊維(キサンタンガム)(1%)を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。非晶質粒子が観察された。ひも状の塊もまた観察された。
【
図21A-B】78%のサトウキビ汁を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。薄い皮を被った中空の気泡と一致する形態を有する、丸い粒子が観察された。崩壊した粒子もまた観察された。
【
図22A-B】80%のサトウキビ汁、19%のWPI、及び1%のプレバイオティック繊維(phytocel-バガス繊維及び可溶性繊維-キサンタンガム)を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示し;本質的に滑らかな中空の小結節と一致する形態が観察された。
【
図23A-B】80%のサトウキビ汁、19%の耐消化性マルトデキストリン、及び1%の繊維を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。丸い粒子と不均一な形状の粒子との混合物が観察された。
【
図24A-B】75%のサトウキビ汁、19%の耐消化性マルトデキストリン、5%のレシチン、及び1%の繊維を含んでなる、空気混入糖粒子のSEM画像を示す。丸い粒子とギザギザの縁がある表面との混合物が観察された。
【
図25A-F】精製白糖と様々な空気混入非晶質甘味料の官能プロファイルを次のように比較する:A)表17のエントリー4(80%のサトウキビ汁、20%のホエータンパク質を含んでなる);B)80%のサトウキビ汁、20%のヒマワリタンパク質を含んでなる;C)80%のサトウキビ汁、20%のラカンカを含んでなる;D)90%のサトウキビ汁、10%の不溶性繊維(バガス)を含んでなる;E)90%のサトウキビ汁、10%の可溶性繊維を含んでなる;及びF)低血糖粗糖(30mgのCEポリフェノール/100g)を含んでなる。 A、C、及びFは、精製白糖より甘味が強い。Eは同等に甘い。Aは食欲をそそり、カラメル及びミルク様の味を有する。Bはオフフレーバーとカラメル味を有する。Cは香りがあり、食欲をそそる。Dはカラメル味を有する。Eはミルク様でありカラメル味を有する。Fは香りがあり、食欲をそそる。これはまたカラメル味も有する。
【
図26A-F】次のように、精製白糖と表18からの様々な空気混入非晶質甘味料の官能プロファイルを比較する:A)エントリーA;血糖粗糖(30mgのCEポリフェノール/100g)を含んでなる;B)エントリーB;サトウキビ汁を含んでなる;C)エントリーC;ヒマワリタンパク質(20%)を含むサトウキビ汁を含んでなる;D)エントリーD;ラカンカ(10%)を含むサトウキビ汁を含んでなる;E)エントリーE;耐消化性マルトデキストリン(19%)、不溶性繊維(バガス)(1%)を含むサトウキビ汁を含んでなる;及びF)エントリーF;耐消化性マルトデキストリン(19%)、可溶性繊維(キサンタンガム)(1%)を含むサトウキビ汁を含んでなる。A、B、及びDは、精製白糖より甘味が強い。Fは同等に甘い。Aは香りがあり、食欲をそそり、カラメル味を有する。Bは香りがあり、食欲をそそり、カラメル及びミルク様の味を有する。Cはオフフレーバーがあり、Dは香りがあり、食欲をそそる。Eはカラメル味を有する。Fはミルク様の味を有する。Cの味覚プロファイルは、Cの風味をカバーする食品中で、又は必要な糖の量が低減されている食品中で、この製品がより有用であることを示唆する。
【発明を実施するための形態】
【0184】
ここで本発明の特定の実施形態を詳細に参照する。本発明を実施形態と併せて説明するが、本発明をそれらの実施形態に限定することは意図されないことが理解されよう。それと反対に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれてもよい全ての代替物、修正物、及び均等物を網羅することを意図している。
【0185】
本発明のさらなる態様及び先行する段落に記載の態様のさらなる実施形態は、例示のために与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【0186】
本明細書で言及される全ての特許及び刊行物は、それらの全体が参照により援用される。
【0187】
本明細書を解釈する目的では、単数形で使用される用語は複数形もまた含み、逆もまた同様である。
【0188】
当業者は、本発明の実施において使用され得る、本明細書に記載されたものと類似するか又は同等の多くの方法及び材料を認識するであろう。本発明は、記載された方法及び材料にどのようにも限定されるものではない。
【0189】
本発明の発明者らは、甘味料と密度低下剤とを含んでなる、低密度非晶質甘味料を開発した。糖は、伝統的なテーブルシュガーよりも甘味料の体積あたりのカロリーが少なく、食品の総カロリーの低減を求める場合に役立つ。
【0190】
低GIバージョンの甘味料はまた、食品のGR、GI、及び/又はGLを低減するために調製され得る。
【0191】
糖のプレバイオティックバージョンもまた、開発された。多くの人気のある食品、特に糖含有量の高い食品は、胃腸内マイクロバイオームに理想的とはほど遠い影響を与えることから、プレバイオティック糖の調製は非常に重要な進歩である。本発明のプレバイオティック糖は、糖のあまり望ましくない側面の1つを回避し、プレバイオティック糖を含んでなる食品の健康上の利点を高める、望ましいプレバイオティック効果を糖に導入する砂糖代替物を提供する。
【0192】
「空気混入」という用語は、空気を含むことを指す。特に、本発明の文脈において、空気混入粒子は、空気ポケット又は気泡を含み、すなわち、本質的に多孔質性である。
【0193】
「非晶質」という用語は、大部分が非晶質である、すなわち、大部分が結晶構造非含有の固体を指す。例えば、固体は、80%以上非晶質、90%以上非晶質、95%以上非晶質、又は約100%非晶質であり得る。
【0194】
「バガス」という用語は、サトウキビ又は甜菜どちらかからの糖繊維を指す。これは、糖汁が抽出された後に残る繊維状パルプである。バガス製品は市販されており、例えば、PhytocelはKFSUによって販売されるサトウキビバガス製品である。
【0195】
「乾燥剤」という用語は、スクロースを単独で乾燥させて得られる粘着性粉末とは対照的に、スクロースと共に急速乾燥させて乾燥粉末を得るのに適した薬剤を指す。
【0196】
「高分子量乾燥剤」という用語は、スクロースの分子量を超える、例えば、乳糖の分子量以上の分子量を有する乾燥剤を指す。
【0197】
「密度低下剤」という用語は、バルク白糖より嵩密度が低い食用製品を指す。好ましくは、密度は0.7g/m3未満である。好ましくは、製品は可溶性又は粉末形態である。
【0198】
「低血糖」という用語は、グルコースベースGIが55以下の食品を指す。
【0199】
「非常に低血糖」という用語は、グルコースベースGIが、低GIの上限値の半分未満の(すなわち、GIが低GI範囲の下半分にある)食品を指す。
【0200】
「糖」という用語は、1つ又は複数のグルコースなどの低分子量糖(単糖)又はスクロースなどの二糖を含有する固体を指す。本発明の文脈において、言及される糖は、食品の製造に使用される食用糖である。本発明の非晶質糖は、噴霧乾燥サトウキビ汁又は糖蜜であり得るが、噴霧乾燥果汁でもあり得る。
【0201】
「還元糖」という用語は、還元剤として作用できる任意の糖を指す。一般に、還元糖は、遊離アルデヒド基又は遊離ケトン基を有する。グルコース、ガラクトース、フルクトース、乳糖、及びマルトースは、還元糖である。スクロース及びは還元糖でない。
【0202】
「植物化学物質」という用語は、一般に、植物で自然に発生する生物学的に活性な化合物を指す。
【0203】
「ポリフェノール」という用語は、2つ以上のフェノール基を有する化合物を指す。多くの天然に存在するポリフェノールがあり、多くは植物化学物質である。フラボノイドは、ポリフェノールの一種である。フラボノイドをはじめとするポリフェノールは、サトウキビに天然に存在する。本発明の文脈では、サトウキビに天然に存在するポリフェノールが最も適切である。食品に含まれるポリフェノールは、それらが、がん、心血管疾患又は糖尿病などの変性疾患の予防において有すると現在考えられている役割のために、注目されている微量栄養素である。
【0204】
「精製白糖」という用語は、本質的にスクロースであり、還元糖含量が最小限であり、ポリフェノール又はフラボノイドなどの植物化学物質が最小限である、完全に加工された食品等級の白糖を指す。
【0205】
「白下」という用語は、砂糖シロップの母液中の砂糖結晶の高密度懸濁液を指す。これは、蒸発、砂糖の結晶化、及び糖蜜の除去によって糖汁をシロップに濃縮した後に残る、懸濁液である。白下は、遠心分離機内で洗浄されてバルクの砂糖結晶が調製される製品である。
【0206】
「糖汁」という用語は、サトウキビを破砕/圧搾した後に抽出された汁、又は甜菜の加工中に拡散機を出る液体など、糖分に富む植物原料から抽出されたシロップ又は液体を指す。
【0207】
「サトウキビ(cane)汁」又は「サトウキビ(sugar cane)汁」という用語は、圧搾及び/又は破砕された皮剥きサトウキビから抽出されたシロップを指す。理想的には、サトウキビ汁は少なくとも60ブリックスである。
【0208】
「甜菜汁」という用語は、甜菜根をコセットと称される細いストリップにスライスし、拡散機に移して糖分を水溶液中に抽出した後、拡散機を出る液体を指す。
【0209】
「有効な」又は「有効量」という用語は、生物学的に有効な量を指す。この文脈において、一例は、低GI糖、すなわち、インスリン応答が回避されるように、ひとたび摂取されると血糖値の低い上昇を引き起こす糖を達成するための、糖粒子中のポリフェノールの有効量である。
【0210】
「ハイメイズ」又は「高アミローストウモロコシデンプン」という用語は、難消化性デンプン、すなわち、消化に抵抗して繊維のように挙動する、高分子量炭水化物デンプンを指す。ハイメイズは、一般に高アミロースコーンから製造される。デンプンには、2つの主要な構造成分がある;アミロース:α-D-(1,4)-グリコシド結合を介して結合する、グルコース残基の線状ポリマー、並びにアミロペクチン:α-D-(1,4)結合グルコピラノース単位及びα-D-(1,6)グリコシド分岐点を含んでなる、高度に分岐した分子。分岐点は典型的には、20~25グルコース単位の鎖長間で発生し、グリコシド結合のおよそ5%を占める。通常のトウモロコシデンプンは、典型的には、およそ25~30%のアミロースと75~80%のアミロペクチンとからなる。高アミローストウモロコシデンプンは、55~90%を超えるアミロースを含有する。アミロースの構造は、次の通りである(平均重合度500)。
【化1】
【0211】
アミロペクチンの構造は、次の通りである(平均重合度200万)。
【化2】
【0212】
「イヌリン」という用語は、末端グルコシル部位、及びβ(2,1)結合によって連結された反復性のフルクトシル部分を有する、1つ又は複数の耐消化性高分子量多糖を指す。一般に、イヌリンは2~60の重合度を有する。分子量は変動するが、例えば、約400g/mol、約522g/mol、約3,800g/mol、約4,800g/mol又は約5,500g/molであり得る。重合度が10以下の場合、多糖はフラクトオリゴ糖と称されることがある。イヌリンという用語は、本明細書では全ての重合度について使用されている。イヌリンは、以下の構造を有する。
【化3】
【0213】
1つの選択肢は、522.453g/molの分子量のOraftiイヌリンを使用することである。
【0214】
「デキストリン」という用語は、α-1,4又はα-1,6グリコシド結合を有する、D-グルコースポリマーである食物繊維を指す。デキストリンは、環式、すなわち、シクロデキストリンであり得る。例としては、アミロデキストリン及びマルトデキストリンが挙げられる。マルトデキストリンは、典型的には、長さが3~17グルコース単位で変動する鎖の混合物である。分子量は、例えば、9,000~155,000g/molであり得る。
【0215】
「耐消化性デキストリン誘導体」という用語は、消化に抵抗するように修飾されたデキストリンを指す。例としては、ポリデキストロース、耐性グルカン、及び耐性マルトデキストリンが挙げられる。ファイバーソル-2は、Archer Daniels Midland Companyからの市販品で、耐消化性マルトデキストリンである。構造例は、次の通りである。
【化4】
【0216】
「ホエータンパク質単離物」という用語は、例えば、チーズ製造中の副産物として製造され得るホエーの、ミルクから単離されたタンパク質を指す。ホエータンパク質は、イオン交換体又は膜濾過によってホエーから単離されてもよい。ウシホエータンパク質単離物は、ホエータンパク質単離物の一般的な形態である。ホエータンパク質単離物は、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、血清アルブミン、及び免疫グロブリンの4つの主要構成成分を有する。β-ラクトグロブリンは、18.4kDaの分子量を有する。α-ラクトアルブミンは、14,178kDaの分子量を有する。血清アルブミンは、65kDaの分子量を有する。胎盤哺乳類における免疫グロブリン(Ig)は、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMである。典型的な免疫グロブリンは、150kDaの分子量を有する。
【0217】
「高強度甘味料」という用語は、天然又は人工どちらかの甘味料を指し、それは、重量比でスクロースより強い甘味を有し、すなわち、同様の甘味レベルを得るには、スクロースの量よりも少ない高強度甘味料が必要である。スクロースは、スクロース相対甘味度で1の甘味度を有する。例えば、ラカンカ抽出物はスクロースの約150~300倍甘味が強く、ブラックベリーリーフ抽出物はスクロースの約300倍甘味が強く、ステビアはスクロースの約200~300倍甘味が強い、甘味値を有する。ラカンカ抽出物、ブラックベリーリーフ抽出物、及びステビアは、抽出及び/又は精製によって植物から供給されることから、天然高強度甘味料の例である。
【0218】
「ステビア」という用語は、ステビオール、ステビオールビオシド、ステビオシド、レバウジオシドA(RA)、レバウジオシドB(RB)、レバウジオシドC(RC)、レバウジオシドD(RD)、レバウジオシドE(RE)、レバウジオシドF(RF)、ルブソシド、及びズルコシドA(DA)などのステビオール配糖体をはじめとする、ステビア植物から調製された甘味料、又はFDAによって承認され、一般的に「ステビア」として市販される、高度に精製されたレバウジオシドA抽出物を含んでなる甘味料を指す。
【0219】
「プレバイオティック」という用語は、1つ又は複数の有益な胃腸内細菌の成長及び/又は活性を刺激する食品成分を指す。プレバイオティックスは、非消化性食品又は低消化性食品であってもよい。プレバイオティックは繊維であり得るが、全ての繊維がプレバイオティックとは限らない。重合度が低い、すなわち5以下のオリゴ糖は、重合度がより高いオリゴ糖よりも細菌濃度をより良く刺激すると考えられる。
【0220】
「水分活性」(aw)という用語は、物質中の水の蒸気分圧を標準状態の水の蒸気分圧で除した測定値である。水は、高いawの領域から、低いawの領域に移動する。水分活性を測定して、安定保存食品が判定される。このタイプの食品及び食品成分では、カビ及び細菌の増殖を阻害するために、0.6以下の水分活性が好ましい。
【0221】
粒度分布は、D値を使用して定義され得る。D90値は、粒子分布の90%がより小さな粒度を有し、10%がより大きな粒度を有する直径を表す。粒度は、質量ベース又は体積ベースのいずれかで判定され得る。体積ベースの測定が好ましい。
【0222】
体積ベースの中央値であるD50は、集団の半分がこの値を下回る直径として定義される。D50は、特定のISOガイドラインに従う場合、X50と記載される。
【0223】
任意選択的に、糖粒子の粒度は、乾式又は湿式で測定される。粒度乾燥を測定するための好ましい機器は、Malvern Sciroccoである。好ましくは、乾燥粒度を測定するための機器は、減圧下で、より好ましくは、0.5バールで操作される。湿潤粒度を測定するための好ましい機器は、Malvern Mastersizer Sである。好ましくは、湿式測定は、イソプロパノール中の懸濁液、より好ましくは、0.5gの基質対50mLのイソプロパノールの濃度で実施される。Malvern Scirocco及びMalvern Mastersizer Sの機器は、どちらも体積ベースで粒度分布を表す。例えば、これらの機器によって提供されるD50は、体積ベースの中央値である。
代案としては、粒度分布は、例えば、サイズに応じた粒子の質量による相対的な量の観点から、その他の用語で表され得る。質量中央径は、対数正規分布の質量中央径を提供し、質量による平均粒子径と見なされる。
【0224】
粒度分布はまた、粒度スパンによっても表され得る。粒度スパン=(D90-D10)/D50。これは、10%と90%のポイントがどれだけ離れているかを示し、中間点で正規化されている。
【0225】
血糖応答(GR)
GRは、炭水化物含有食品を摂取した後の血糖の変化を指す。食品のGI及び一定量の食品のGLはどちらも、食品が摂取されたときに予測される血糖応答の指標である。
【0226】
GI
血糖指数は、特定量の利用可能な炭水化物(通常は50g)を有する食品を摂取した後の2時間にわたる、ヒトにおける血糖値の相対的変化に従って、炭水化物含有食品を分類するシステムである。2時間血糖応答曲線(AUC)はグルコース標準物質のAUCで除され、標準物質及び試験食品はどちらも、等量の利用可能な炭水化物を含有しなくてはならない。平均GIは通常、10人の対象から収集されたデータから算出される。試験に先だって、対象は典型的には、12時間絶食する。血糖指数は、食品が体内の血糖値を上昇させる速度の尺度を提供する。それぞれの炭水化物含有食品は、GIを有する。摂取された食品の量は、GIには関係しない。より高いGIは、一般に、食品が血糖値をより迅速に増加させることを意味する。GIスケールは、1~100である。最も一般的に使用されるスケールのバージョンは、グルコースに基づく。100のグルコースGIスケールは、50グラムのグルコースの摂取によって引き起こされる血糖値の増加である。高GI製品は、70以上のGIを有する。中GI製品は、55~69のGIを有する。低GI製品は、54以下のGIを有する。これらは、血糖値の緩慢な上昇を引き起こす食品である。
【0227】
当業者は、例えば、国際的に認められたGI方法論(Joint FAO/WHO Reportを参照されたい)を用いて、GI試験を実施する方法を理解しており、これは、小規模な実験研究及び大規模な多施設研究試験から得られた結果によって、検証されている(Wolever et al 2003を参照されたい)。
【0228】
生体外GI検査も今や利用でき、実施例4を参照されたい。
【0229】
GL
血糖負荷は、一定量の食品が、摂取後にヒトの血糖値をどれだけ上昇させるかの推定値である。血糖指数が食品の種類毎に定義される一方で、血糖負荷は食品の量に対して計算される。血糖負荷は、血糖指数(血糖に対する効果の速度の推定値)及び摂取される炭水化物の量を考慮して、炭水化物摂取の影響を推定する。高GI食品は、低GLであり得る。例えば、スイカは高いGIを有するが、典型的なスイカの1食分は炭水化物をあまり含有していないので、それを食べることによる糖質負荷は低い。
【0230】
血糖負荷の1単位は、1グラムのグルコースを摂取した場合の効果に近似する。GLは、食品中の利用可能な炭水化物のグラム数に食品のGIを乗じて、100で除して計算される。1食分の食品で、20を超えるGLは高く、11~19のGLは中度であり、10以下のGLは低い。
【0231】
サトウキビ汁
サトウキビ汁は、圧搾及び/又は破砕された皮剥きサトウキビから抽出されたシロップ中に存在する、全ての天然の多量栄養素、微量栄養素、及び植物化学物質を含有し、それらは、99.9%がスクロースである精製白糖からは、通常、除去されている。
【0232】
糖蜜
結晶化糖から分離された、砂糖調製の粘稠な副産物である。糖蜜は、製糖のいくつかの段階で砂糖から分離されてもよい。糖蜜は、サトウキビ汁と同じ化合物を含有するが、植物化学物質のより高濃度の供給源である。
【0233】
噴霧乾燥及びその他の乾燥方法
噴霧乾燥は、乾燥させる製品を熱風の流れと密接に接触させることによって、液体供給から水分を除去する対流の原理で動作する。噴霧乾燥工程は、原料の噴霧、噴霧液と空気との混合(蒸発工程を含む)、及び空気からの乾燥製品の分離という、3つの主要段階に分類され得る。その他の適切な乾燥方法としては、流動床乾燥、環式乾燥、凍結乾燥、及び低温真空脱水が挙げられる。
【0234】
供給原料
噴霧乾燥供給物は、液体又は懸濁液である(好ましくは、甘味料及び密度低下剤が溶解している)。成分の組み合わせは、気泡をもたらし得る。供給原料を噴霧乾燥する前に発生する気泡を低減するのに必要であれば、噴霧乾燥機と共に使用できる消泡装置がある。これらは多くの場合、気泡を崩壊させるために圧力に依存する。
【0235】
噴霧乾燥前に供給原料の原料空気混入を増加させるために、(潜在的に圧力下で)原料に二酸化炭素(又はその他の)ガスを加えることも、当該技術分野で公知である。特定の成分を使用することで、このアプローチは、製造される粒子の密度を低下させ得る。
【0236】
噴霧
乾燥させる粒子が熱風と接触するのに利用できる最大表面積を有することを確実にするために、液体供給はしばしば噴霧されて非常に微細な液滴が生成され、最終的により効果的な乾燥がもたらされる。存在するいくつかの噴霧器の構成があり、最も一般的なのは、ホイールタイプ、空気圧式、及びノズル噴霧器である。
【0237】
空気圧式高圧ノズル噴霧器が、以下に記載される実験に使用された。
【0238】
蒸発及び分離
噴霧乾燥工程の第2段階は、乾燥させる粒子/液滴の表面の周りを流れる高温ガスの使用による、水分の蒸発を伴う。
【0239】
存在する気滴接触構成には、特に、並流式、向流式、及び混合流式の3つの異なるタイプがあり、これらは全て、乾燥させる製品次第で異なる用途を有する。
【0240】
熱に敏感な材料には、並流式及び向流式双方の乾燥チャンバーが使用され得るが、混合流乾燥チャンバーの使用は、高温に起因する品質劣化の影響を受けにくい材料の乾燥に限定される。
【0241】
典型的な向流乾燥機及び並流乾燥機のセットアップは、下の
図1に示される。
【0242】
噴霧乾燥工程の最終段階は、気流からの粉末の分離である。乾燥粉末は乾燥チャンバーの底部に収集されてから、排出されるか又は手動で収集される。
【0243】
ガラス転移温度
ガラス転移温度(Tg)は、非晶質物質において、固体のガラス状態から過冷却液体状態へ、又はその逆へと可逆的な変化が起こる、物質固有の温度範囲である。ガラス転移温度は、乾燥製品の製造にとって、特に、製造の加工及び貯蔵段階に関連して、非常に重要になる。粉末のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を通して判定され得る。
【0244】
ICUMSA
ICUMSAは、糖色の等級付けシステムである。ICUMSA値が低いほど、着色が少ない。ICUMSAは、ProFoss分析システムを備えたMetrohm NIRS XDS分光計などの分光光度計によって、420nmで測定される。現在、精製グラニュー糖、結晶糖、及び摂取可能な粗糖(すなわち、黒糖)をはじめとする、ヒト摂取に適すると見なされる糖は、45~5,000のICUMSAのスコアを有する。
【0245】
プレバイオティック試験
本発明の糖及び代替甘味料のプレバイオティック効果は、Triskelion TNO腸モデル2を使用して試験され得る。これは、プレバイオティックの摂取に続いて、プロバイオティックの増加が測定できるように、様々な細菌種の存在を備えたモデル結腸を含む胃腸管の生体外モデルである。
【0246】
高強度甘味料
天然の低カロリー甘味料であるステビアもまた開発され、多くの国々で使用が認められている。ステビアは高強度甘味料であり、これは1グラムが、1グラムの砂糖よりもはるかにより甘味が強いことを意味する。ステビアは、いくつかの市販の製品でスクロースと組み合わされて使用されている。しかし、消費者はステビアが望ましくない金属的な後味を有すると考えている。
【0247】
ラカンカ抽出物及びブラックベリーリーフ抽出物は、代案の天然高強度甘味料である。
【0248】
ラカンカ抽出物及びブラックベリーリーフ抽出物
ラカンカ抽出物は、血糖指数がゼロであり、カロリーが皆無であり、天然産物であることから注目されている。甘味は、ラカンカの約1%を占めるモグロシドに由来する。ラカンカ抽出物は、BioVittoriaによってニュージーランドで栽培されている。ラカンカ抽出物はまた、熱安定性で長い貯蔵寿命を有し、調理及び貯蔵に適している。
【0249】
ラカンカ抽出物は、ラカンカを破砕し、水中で汁を抽出することによって調製される。抽出物は濾過され、モグロシドと称されるトリテルペン配糖体が採取される。これは、液体及び粉末双方の形態で販売される。抽出物は、粉末形態の増量剤と組み合わされることが多い。
【0250】
ラカンカ抽出物は、ステビアよりもコストがかかるが、ステビアよりも強くない金属的な後味を有する。
【0251】
ラカンカ抽出物の甘味指数は最大300であり、すなわち、使用される特定の抽出物次第で、スクロースの最大300倍甘味が強い。
【0252】
ブラックベリーリーフ抽出物も、ブラックベリーの葉を抽出して同様に調製される。
【0253】
ステビアはステビア葉を抽出することによって調製され得るが、それはさらに精製されて、レバウジオシドAと、有益な風味プロファイルが少ないその他の成分との比率が、改善されることが多い。
【0254】
ラカンカ抽出物及びブラックベリー抽出物は、どちらもHunan NutraMax Inc,F25,Jiahege Building,217 Wanjiali Road,Changsha,China 410016,http://www.nutra-max.com/から入手できる。
【0255】
食品等級
食品等級食品は、ヒトが摂取しても安全な食品である。例えば、伝統的な糖が食品等級になるように、伝統的な糖中に存在する金属は(例えば、磁石を使用して)除去される。食品等級食用品は、鳥の糞のような許容可能なレベルの有機廃棄物を有し(例えば、サトウキビやビーツの粉砕後に鳥が近づかないようにすること、及び/又は洗浄又はその他の廃棄物除去プロセスによって達成される)、及び/又は許容可能なレベルの農薬、除草剤、重金属、及び/又はその他の毒素を有する。食品等級食用品は、ヒト用食品の規制/品質管理要件を満たしている。
【0256】
一般的な材料の嵩密度
嵩密度は、実施例5に記載されるように測定されてもよい。下の表は、本発明の適切な密度低下剤であるいくつかの一般的な材料の嵩密度を提供する。
【0257】
【0258】
【0259】
参考文献
International patent application no PCT/AU2017/050782.
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Wolever TMS et al.(2003)Determination of the glycemic index values of foods:an interlaboratory study.European Journal of Clinical Nutrition,57:475-482.
【0260】
これらのそれぞれのコピーは、参照により本明細書に援用される。
【実施例】
【0261】
実施例1-様々な低GIのHMWCを添加した噴霧乾燥サトウキビ汁及び糖蜜
表1に従って溶液を調製した。噴霧乾燥溶液は、糖蜜又はサトウキビ汁のどちらかの形態で、1gのHMWC対1gのスクロースの比率で作製した。次に、これらの溶液を全固形分濃度20%にし、400ml又は500mlの量で噴霧した。
【0262】
【0263】
使用したデキストリンは、耐消化性デキストリン誘導体であった。
【0264】
【0265】
対照溶液13及び14はHMWCを含んでおらず、HMWC添加剤なしでは、適切な粉末が調製され得ないことが示される。
【0266】
並流噴霧乾燥機を使用して溶液1及び2を噴霧乾燥し、液体製品を製造した。その後の並流乾燥機での実験は成功したが、より低い温度を使用した。
【0267】
向流噴霧乾燥機を使用して、溶液3~14を乾燥した。乾燥機は、Monash Universityのパイロット規模の装置であった。市販のモデルを使用した場合も、同様の結果が予測される。HMWCのイヌリン、ハイメイズ(コーンスターチ)、及び乳糖を使用して、実行可能な粉末を形成した。デキストリン粉末は、商業的使用には粘着性が高すぎた。しかし、乾燥剤が添加される場合、デキストリンが適切な密度低下剤であることが予測される。
【0268】
常温常湿での4週間貯蔵後に、イヌリン及びハイメイズを含有する粉末は、流動性粉末のままであった。おそらく乳糖の吸湿性のために乳糖粉末がケーキングしたが、乾燥剤の添加は、粉末の貯蔵寿命を改善する可能性が高い。
【0269】
興味深いことに、サトウキビ汁溶液及び糖蜜溶液から得られた結果の間に、有意差はなかった。2つの軽微な違いは、糖蜜入りハイメイズがサトウキビ糖入りハイメイズよりも粘着性の高い(しかし依然として許容可能な)粉末を形成し、糖蜜入りイヌリンがサトウキビ糖入りイヌリンよりも非粘着性粉末の収量が多かったことである。
【0270】
実施例2-非晶質糖、サトウキビ汁又は糖蜜中のポリフェノール含有量の分析
40gのサンプルを100mlメスフラスコ内に正確に量り入れた。およそ40mlの蒸留水を添加して、サンプルが完全に溶解するまでフラスコを撹拌した後、蒸留水で溶液を最終容積にした。ポリフェノール分析は、フォリン・シオカルトー法に基づいた。手短に述べると、適切に希釈した粗糖溶液の50μLのアリコートを試験管に入れ、650μLの蒸留水の添加がそれに続いた。フォリン・シオカルトー試薬の50μLのアリコートを混合物に添加し、振盪した。5分後に、500μLの7% Na2CO3溶液を混合しながら添加した。室温で90分後に、750nmでの吸光度を記録した。カテキンの標準溶液(0~250mg/L)を使用して、標準曲線を構築した。サンプル結果は、100gの生サンプル当たりのカテキン相当量(CE)のミリグラムとして表した。各サンプル糖の吸光度を測定し、その糖の中のポリフェノールの量を標準曲線から判定した。
【0271】
ポリフェノール含有量を分析する代案の方法は、近赤外分光法(NIR)を使用して、サンプル中のトリシンの量を測定することである。これらの状況(ポリフェノールがサトウキビから供給される)では、トリシンの量は総ポリフェノールに比例する。この方法のさらなる情報は、2016年7月27日に出願された「Process for sugar production」という標題のオーストラリア仮特許出願第2016902957号明細書で利用可能である。
【0272】
20~45mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物及び0~0.5g/100gの還元糖を有するスクロース糖は、低GIであることが知られている(国際特許出願第PCT/AU2017/050782号明細書を参照されたい)。46~100mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物及び0~1.5%w/wの還元糖(0.5%w/wのフルクトース及び1%w/wのグルコース以下)を有するスクロース糖もまた、低GIであることが知られている(シンガポール特許出願SG10201807121Q号明細書を参照されたい)。
【0273】
実施例3-非晶質糖、サトウキビ汁又は糖蜜中の還元糖含有量の分析
サンプル中の還元糖含有量を判定するために使用され得る、いくつかの定性的試験がある。クエン酸ナトリウム水溶液又は酒石酸ナトリウム水溶液のどちらかの中の銅(II)イオンが、サンプルと反応され得る。還元糖は銅(II)を銅(I)に変換し、定量化され得る酸化銅(I)沈殿物を形成する。
【0274】
代案の方法は、3,5-ジニトロサリチル酸をサンプルと反応させることである。還元糖はこの試薬と反応して、3-アミノ-5-ニトロサリチル酸を形成する。3-アミノ-5-ニトロサリチル酸の量は分光光度法で測定され得て、その結果を使用して、サンプル中に存在する還元糖の量が定量化される。
【0275】
実施例4-サトウキビ汁又は糖蜜に溶解している固形分量の判定
一定体積のサトウキビ汁又は糖蜜は、ストッキングを通してフラスコ内に濾過する。ペトリ皿を秤量し、数滴のサトウキビ汁をペトリ皿に載せ、迅速に再秤量して周囲空気へのいかなる水分損失も避ける。次に、乾燥剤ペレットを含有するオーブン内に、70℃で一晩ペトリ皿を放置し、翌日秤量する。サンプルを再秤量し、一貫した質量が観察されるまでオーブン内に放置する。この質量は水分を欠いており、サトウキビ汁の滴液から得られた固体の総量である。秤量後、質量を初期質量に対して計算し、さらなる希釈のために、サトウキビ汁中の全固形分の質量分率を求め得る。
【0276】
実施例5-試験した全固形分に対する乾燥剤の比率
ひとたび全固形分を試験したら、乾燥剤(ハイメイズ(HM)、レシチン、ホエータンパク質単離物(WPI)又はそれらの組み合わせのいずれか)を所定の質量比で添加する。次に、乾燥させる供給物の最終的な全固形分率まで様々な溶液を希釈して、磁気撹拌機を使用して徹底的に混合する。供給液は、全ての固形物が確実に溶解することを確実にする濃度で調製した。試験したサンプルの比率及びTS値は、表4に示される。
【0277】
【0278】
結果-収量
嵩密度
製造された粉末について、2つの嵩密度値、すなわち、自由注入粉末の嵩密度、及びタップ密度を測定した。密度は、好ましくは室温及び/又は50~60%の相対湿度で測定する。
【0279】
自由注入密度を判定するために、20gの質量の粉末を目盛り付き測定シリンダーに注ぎ入れ、シリンダーのマーキングから占有体積を読み取った。
【0280】
次に、測定シリンダー内の20gのサンプルを15cmの高さからゴムマットの上に20回落下させることによって、このサンプルのタップ嵩密度を判定する。一部の試験法は、100回のタップを伴う。
【0281】
嵩密度は、嵩密度=Wx/Vとして表され得て、式中、Wxは粉末の重量(g)、Vはシリンダー内の粉末が占める見かけの体積(cm3)である。
【0282】
流動性
噴霧乾燥工程で得られた粉末の流動性は、ハウスナー比を用いて判定し、流動性と関係づける。これらの流動性は、下の表5に示される。
【0283】
【0284】
ハウスナー比は、タップ粉末密度と自由注入密度の比率として計算する。これは以下の式で表される。
HR=ρT/ρF(式中、ρT及びρFは、それぞれタップ密度及び自由注入密度である)。
【0285】
水分含量
乾燥粉末の水分含量は、3~4グラム又は1~2グラムの粉末サンプルを採取し、粉末の質量が一定になるまで乾燥剤を備えた70℃のオーブンに入れて測定した。次に、元の粉末の質量に対する百分率として、水分含有量を判定する。
【0286】
ケーキングし易さ
噴霧乾燥工程で収集した粉末をジップロック(登録商標)バッグ又は真空密封バッグ内に保管し、周囲条件及び冷蔵条件のどちらかに放置した。粉末を定性的に分析し、粉末中に存在するケークのサイズ及び数、並びにケークの砕け易さ(すなわち、非常に容易に再び粉末に砕かれるか、又は非常に頑丈で顆粒化が困難か)に基づいて、ケーキングし易さを判定した。
【0287】
粉末溶解性
粉末の溶解性は、乾燥品のサンプルを水に溶解し、目視で懸濁固形分が存在するかどうかを調べることによって判定した。
【0288】
向流噴霧乾燥
各実験実行において、500gの溶液を噴霧乾燥した。供給液は、全ての固形物が確実に溶解することを確実にする濃度で調製した。供給圧は500kPaであった。供給はノズルタイプの噴霧器を通って、15mL/分の速度で流れる。結果は、下の表6に示される。
【0289】
【0290】
ホエータンパク質単離物は、サトウキビ汁の噴霧乾燥において、非常に効果的な添加剤であることが分かった。同じ供給液条件を維持しながら、入口空気温度を10℃刻みで2回上昇させたところ、貯蔵に続いて高い流動性と最小限のケーキングを示した最も乾燥した粉末は、5.03%の水分含量で入口空気温度200℃で製造されたことが分かった。
【0291】
当初、より高い温度で製造された粉末は、低温で製造された粉末より乾燥すると考えられたが、残留水分が最小限の粉末をもたらす最適温度が存在し、この温度よりも高い温度又は低い温度で稼働すると、残留水分が増加することが分かった。
図2は、乾燥チャンバーの温度と対比した水分含量を示す。
【0292】
理論により拘束されることなく、空気温度の上昇は、液滴から空気中への蒸発速度を加速させてより低い水分含量をもたらすが、蒸発があまりに迅速に起こると粒子表面に外皮が形成され、それが粒子からのさらなる蒸発を遅延させて水分含量の増加がもたらされると考えられた。同様の入口空気温度であるが10%のみの乾燥剤では、含水量が増加した。入口空気温度を220℃まで上昇させたところ、粉末の水分含量は6.27%まで低下した。20%のWPIを有する最良のサンプルは、貯蔵時にケーキングがなく完全に流動性のままであり(表6の3行目)、したがって調製された糖の中で最良である。
【0293】
サトウキビ汁とWPIの最適比は、全固形分濃度20%w/wで80:20のCJ:WPIであることが分かった。乾燥チャンバーの温度は、最終的には粉末中の残留水分含量の結果として、形成された粉末の安定性に重大な影響を及ぼすことが分かった。72.7℃の平均乾燥チャンバー温度に対応する200℃の入口空気温度は、80:20の粉末に5.03%の最低水分含量を与えることが分かった。これは、ケーキングを示さない、安定した流動性粉末をもたらした。
【0294】
レシチンを含んでなる噴霧乾燥組成物の結果は、以下の表7に示される。
【0295】
【0296】
品目11及び12もまた、貯蔵時にケーキングせず流動性のままであることが示された。
【0297】
レシチンの添加は、WPIのみの使用と比較して、水分含量を改善した。予測通り、流動性及び貯蔵安定性もまた改善された。乾燥剤中で3:1のレシチン:WPI比を使用して乾燥させた粉末は、わずか4.14%の水分含量であった。
【0298】
レシチンを添加することで、わずか95:5(CJ:全乾燥剤)で、貯蔵時にケーキングしない粉末を製造することが可能であった。
【0299】
WPI:レシチンの最適比は1:3と判定され、80:5:15のCJ:WPI:Lの比率を使用して、4.14%の水分含量が達成された。さらにレシチンの添加は、噴霧乾燥機内で粉末の壁への沈着を排除した。
【0300】
実施例7-入口温度及びタンパク質比率の影響
食品等級スクロース(CSR)及びホエータンパク質(Bulk Nurtrient)を使用して、以下の表8のスクロース-タンパク質モデル溶液を調製した。室温で蒸留水を使用して、磁気撹拌機によって、2Lガラスビーカー内でスクロース及びホエータンパク質を溶解した。実施例1及び5と同じ噴霧乾燥機を使用した。
【0301】
【0302】
非粘着性製品のためには、全固形分(WPI+スクロース)の10%のWPIが必要であり、5%では乾燥剤不足であった。適切な粉末は、14%未満の水分を有した。
【0303】
スクロース:タンパク質比が90:10である溶液中の10、20、及び40%の固形分は、160℃(10%)又は160℃及び180℃(20及び40%)の入口空気を使用して、流動性粉末をもたらした。
【0304】
最良の収率は、160℃、溶液中の固形分40%で、90:10の糖:WPIであった。しかし、得られた粉末は、固形分の量に対して温度がおそらく低すぎたために、粘着性であった。適切な%全固形分は噴霧乾燥機によって変動し、当業者は%全固形分を最適化できる。温度を180℃に高めると、粘着性が解消されて良好な収量が維持された。しかし、水分含量が低いほど、長い貯蔵寿命に帰結する可能性が高いと考えられた。
【0305】
したがって、予備研究は、90:10のスクロース:WPIを用いた160℃~180℃が、本発明の低GI糖のために最適化する価値のある設定であることを示唆した。
【0306】
実施例8-並流噴霧乾燥機を用いて調製された低GI糖
材料
サトウキビ汁。
Bulk NutrientsからのノンフレーバーWPI
噴霧乾燥のための供給液混合物は、40%w/wであった。使用した並流噴霧乾燥機は、高%の供給液を微粒化する能力を有した。90:10%のサトウキビ汁:WPI固形分溶液を調製した:1440gのサトウキビ汁及び160gのWPI(固形分ベースで20%w/w)と、2400gのMilli-Q濾過水とを混合して十分に撹拌した。
【0307】
機器
実験の噴霧乾燥機は、KODI Machinery co.LTD.によって製作され、モデルはLPG-5である。走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、粒子形態を分析した。SEMのモデルは、PhenomXL Benchtopである。試験サンプルは、分析に先だって、サンプルコーター(Quorum SC7620スパッタコースター)によって被覆した。
【0308】
方法
噴霧乾燥機を入口温度170℃及び出口温度62℃に設定し、供給原料を噴霧乾燥した。
【0309】
結果
流動性粉末が、1%の水分及び70%を超える収率で製造される。製品はケーキングせず、良好な安定性を有する。
【0310】
80:20及び70:30のCJ:WPI%固形分糖もまた調製した。
【0311】
80:20及び70:30のCJ:WPI%固形分糖のSEM画像は、それぞれ
図3及び4に示される。80:20糖には、いくらかの多孔質性がある。70:30糖は、より多くの「欠けた」又は「破損した」粒子を示す。多孔質粒子及び破損粒子の糖は、依然として商業的に関心が持たれる。
【0312】
実施例9-GI試験
パートA-実施例8からの90:10のCJ:WPI糖のGI試験
図4は、実施例8からの90:10のCJ:WPI糖に対する生体外グリセミック指数速度試験(GIST)の結果をグラフ表示する。試験は、糖の生体外消化と、Bruker BBFO 400MHz NMR分光法を使用した分析とを伴った。この試験は、Singapore Polytechnic Food Innovation & Resource Centreによって実施され、インビトロ法の結果と伝統的な生体内GI試験の結果の間の強力な相関関係が実証されている。90:10のサトウキビ汁:ホエータンパク質単離物%固形分非晶質糖は、低血糖である。
【0313】
90:10糖は低GIであるので、当業者は、より高タンパク質の80:20糖及び70:30糖もまた低GIであると予測するであろう。当業者はまた、乾燥剤がGIを有さない(タンパク質のように)か、又は低GIである限り、繊維などの異なる乾燥剤を有する非晶質糖についても同様の結果を予測するであろう。不溶性繊維はGIに対する影響がほとんどないので、不溶性繊維が乾燥剤である場合、非晶質糖のGIは低いままのはずである。可溶性繊維は血糖指数を低下させるので、可溶性繊維乾燥剤を有する非晶質糖は、試験されたタンパク質乾燥剤を有する糖よりも、さらに低いGIを有するであろう。ステビア又はラカンカ甘味料のような高強度甘味料は、ゼロGIを有する。したがって、乾燥剤として高強度甘味料を有する非晶質糖もまた低GIのままである。
【0314】
90:10のCJ:WPI%固形分非晶質糖のポリフェノール含有量は、Singapore Polytechnic Food Innovation & Resource Centreで、Agilent Cary 60 UV-Vis吸光分光光度計を使用して、フォリン・シオカルトーアッセイ(760nmでのUV検出)によって、ポリフェノール含有量について試験した。糖は、446.80mgのCEポリフェノール/100gの炭水化物を有する。
【0315】
パートB-非常に低いGIを有する糖の調製
糖のGIに対するポリフェノール含有量の影響を試験した。伝統的な白糖、すなわち本質的にスクロースを対照として使用した。伝統的な白糖に様々な量のポリフェノール含有量を添加して、様々なポリフェノール量を有する糖を調製した。
【0316】
表9は、調製された糖に対する生体外グリセミック指数速度試験(GIST)の試験結果を示す。方法は、生体外消化と、Bruker BBFO 400MHz NMR分光法を使用した分析とを伴った。この試験は、Singapore Polytechnic Food Innovation & Resource Centreによって実施され、インビトロ法の結果と伝統的な生体内GI試験の結果の間の強力な相関関係が実証されている。GIST試験の結果はまた、
図5Aにもグラフ表示される。
【0317】
【0318】
フルクトースのGIが19である一方で、グルコースのGIは100/100である。したがって、我々は、精製度の低い糖のグルコースが増加するにつれて、血糖応答も併行して増加すると予測する。
【0319】
いくらかの精製白糖+ポリフェノール糖に、還元糖(1:1のグルコース:フルクトース)を添加した第2の糖セットを調製した。これらの糖のGIもまた、GIST法を使用して試験し、結果は表10に示される。
【0320】
【0321】
表10のいくつかのサンプルのGIは、
図5Bにグラフ表示される。
【0322】
この試験では結晶糖を使用したものの、結果は、ゼロGIの乾燥剤(例えば、タンパク質、不溶性繊維、又は高強度甘味料)を有する非晶質糖にも当てはまると予測される。その他の乾燥剤(例えば、可溶性繊維)は、GIをさらに低下させてもよいが、GIを増加させることは予測されない。
【0323】
以前の低GI糖は、グルコースベース血糖指数が約50であった。以前の低血糖スクロース糖のGIの半分よりも顕著に低い、約15のGIを達成する非常に低血糖の糖を調製する能力は、非常に驚くべきことである。さらに、非常に低血糖の糖の口当たりが良いことは驚くべきことである。
【0324】
実施例10-実施例8からの糖の味覚プロファイル
実施例8の90:10、80:20、及び70:30の糖が、2名の有資格の官能分析者及び2名のプロジェクト研究者によって味覚試験された。官能プロフィールは、
図6に示される。
【0325】
90:10及び80:20の糖が精製白糖より甘味が強い一方で、70:30は同等の甘味である。90:10及び80:20の糖はキャラメル味を有する。理論により拘束されることなく、この味はサトウキビ汁に伴うと考えられている。80:20及び70:30の糖は、ミルク様の味を有する。理論により拘束されることなく、ミルク様の味はWPIに伴うと考えられている。
【0326】
80:20の糖は、甘味、ミルク様の味、及びキャラメル味の良好なバランスを有した。粒子の多孔質性は、味の問題を引き起こさなかった。
【0327】
この試験は、異なる用途に対して、低GI糖をどのように異なるフレーバーで調製し得るかを実証する。
【0328】
実施例11-低密度非晶質糖
材料:
1)サトウキビ汁。
2)BULK NUTRIENTSからのホエータンパク質単離物
3)供給液混合物(50%w/w):
1600gのサトウキビ汁(溶液の40%w/w)
400gのWPI(固形分ベースで20%w/w)(溶液の10%w/w)
2000gのMilli-Q水(50%w/w)。
【0329】
機器:
1)噴霧乾燥機:KODI Machinery co.LTD、モデル:LPG-5
2)走査型電子顕微鏡(SEM):Phenom Benchtop SEM:Phenom XL
3)サンプルコーター:Quorum SC7620スパッタコーター。
【0330】
試験手順:
1)供給液成分を組み合わせる。
2)噴霧前に供給液に空気混入し(撹拌棒を使用して手動で)、クリーム状/安定した気泡を生成する。乾燥中の撹拌は一貫していた。
2)乾燥機(入口170℃±1℃、出口62℃±2℃、ノズルサイズ50mm)内に溶液を噴霧し、空気混入非晶質糖粒子を調製する。
3)噴霧乾燥機から粉体を収集する。Quorum SC7620スパッタコーターでサンプルを被覆し、SEM分析のために準備する。
4)SEM分析。
【0331】
結果と考察
空気混入非晶質糖粒子が、成功裏に調製された。糖粉末のSEM画像は、
図6A~Eに示される。粒度は、10μM未満~約60μMまで様々である。粒子の空気混入/多孔質性は、欠けている又は不完全に包まれた粒子の画像で認識できる。
【0332】
糖は、低い嵩密度を有する。
図7は、3gの結晶白糖及びこの実施例に従って調製された3gの低密度空気混入非晶質糖の画像を示す。白糖の嵩密度は、約0.88g/cm
3である。空気混入非晶質糖の嵩密度は、約0.47g/cm
3である。
【0333】
実施例12-非晶質糖の減糖可能性
オーストラリアのFeedTest Laboratoryによる近赤外技術を使用して、実施例8で調製された糖の組成を分析した。分析の結果は、以下の表11に示される。
【0334】
【0335】
【0336】
粗繊維は不溶性炭水化物であり、NFE(窒素非含有抽出物)は可溶性炭水化物である。
【0337】
表11Aの非晶質糖は、精製白糖の100%遊離糖と比較して63%の遊離糖を有するが、糖の甘味はなおも同等である(実施例11及び
図6を参照されたい)。これは、1:1の比率(重量比)で、精製白糖を非晶質糖で代用すると、37%の減糖となる。しかし、増加した甘味に基づいて、0.85:1の置換を達成し得た。これは、遊離糖の43%の低減をもたらす。この比較は密度/体積ではなく重量に基づくので、糖の空気非混入バージョンの結果は同一であると予測される。表11Bの非晶質糖類は、精製糖の100%遊離糖類と比較して、75%の遊離糖を有するが、糖の甘味は同等である(実施例18及び
図25Bを参照されたい)。1:1の比率(重量比)で、精製白糖を非晶質糖で置換すると、これは25%の減糖となる。
【0338】
本発明の非晶質糖の糖源がサトウキビ汁(又はそれと同等の組成を有するもの)である場合、使用される乾燥剤とは独立して、(乾燥剤が遊離糖を含まない限り)遊離糖の低減は同等であると予測される。
【0339】
精製白糖は、1,700kJ/100gである。表11Aの非晶質糖は、約321cal/100gであり、これは約1343kJ/100gである。表11Bの非晶質糖は、約389cal/100gであり、これは約1630kJ/100gである。したがって、表11A及び表11Bの非晶質糖類は、精製白糖の総エネルギー/総カロリーのそれぞれ約79%及び約96%を含有する。換言すれば、非晶質糖の重量による総エネルギー/総カロリーは、精製白糖の相当重量と比較してそれぞれ、約20%及び5%低減する。これらの計算は、空気混入糖とタンパク質の配合物に基づく。包含されるタンパク質は、カロリーを有する。非消化性/耐消化性食品は、カロリーがより低いか又は皆無である。タンパク質の代わりに非消化性/耐消化性成分を有する糖は、カロリー低減を高める。
【0340】
この場合も、この比較は密度/体積ではなく重量に基づくので、糖の空気非混入バージョンの結果は同一であると予測される。
【0341】
当業者は、総エネルギーの低減が、使用される乾燥剤の性質及び量に応じて変動することを理解するであろう。例えば、乾燥剤が繊維である場合、乾燥剤がタンパク質である場合よりも、総エネルギーの大幅な低減が予測される。例えば、固体重量で30%などのより多量の乾燥剤が使用される場合、総エネルギーのより大きな低減が予測される。
【0342】
実施例8で調製された糖の組成に関する栄養情報は、以下の表12に示される。表の1日量(DV)の%は、1食分の栄養素が1日の食事にどれだけ貢献しているかを示す。1日当たり2,000カロリーは、一般的な栄養アドバイスで使用される。
【0343】
【0344】
この糖は、伝統的な結晶白糖よりも、有意により多くのミネラル含有量を有する。
【0345】
伝統的な結晶白糖は、100g当たり約400カロリーである。この20%固形分w/wホエータンパク質単離物及び80%w/w固形分サトウキビ汁非晶質糖は、伝統的な結晶白糖の相当質量のカロリー含有量の87.5%を有する。これは、12.5%のカロリーの低減である。この糖のタンパク質はカロリーを有し、非消化性炭水化物乾燥剤が使用されると、存在するカロリーが低減し、カロリーの低減はより大きくなるであろう。密度はこの測定に関係しないので、糖に空気混入されているかどうかにかかわらず、結果は同一であろう。
【0346】
前述したように、この非晶質糖は伝統的な砂糖より甘味が強いので、0.85:1の置換が達成され得たと考えられる。これは、重量で約25.6%のカロリー低減をもたらす。
【0347】
実施例13-空気混入非晶質糖を使用したチョコレートの調製
30gのLindt 70%ダークチョコレートを溶かし、対照としての30gの結晶白糖と混ぜ合わせた。30gのLindt 70%ダークチョコレートを水浴上で溶かし、15gの実施例8に従って調製された空気混入非晶質糖と混合し、凝固させた。実施例8に記載のSEMプロセスを用いてSEM画像を撮影し、糖結晶を有するチョコレートを示す
図8-A~Dに描写し;空気混入非晶質糖を有するチョコレートを示すE~Hに描写する。実施例22に記載されるように、非晶質糖粒子は、製造後のチョコレート中で安定している。
【0348】
図8A~Dは、触感のある糖結晶を有する固形チョコレートを示す。
図8E~Hは、チョコレートが空気混入非晶質糖粒子で被覆されていることを示す。チョコレートで被覆された非晶質粒子は25μm未満であり、さらに大きな粒子は検出されなかった。
【0349】
双方のサンプルを味覚試験した。
触感のある糖結晶を有する固形チョコレート:最初の味はカカオからの苦味である。甘味はかなり遅く後味で来る。高い糖含有量にもかかわらず、全体的な味は、チョコレート被覆された空気混入非晶質糖粒子よりも甘味が少ない。
【0350】
チョコレート被覆された空気混入非晶質糖粒子:最初の味は甘味である。クリーム状食感で香りが豊かである。後味は依然として甘い。全体的な味は白糖チョコレート配合物のほぼ2倍の甘さであるが、添加された糖含有量は50%w/wのみである。
【0351】
実施例14-様々な糖源を使用して調製された非晶質糖
この実施例では、可溶性繊維、不溶性繊維、又は厳格菜食主義者タンパク質をはじめとするタンパク質を有する、非晶質代替甘味料を調製するために、非晶質糖を調製するために開発された技術を応用した。
【0352】
材料
レシピ1
1)甘味料
米飴-Pure Harvest:有機米麹シロップ
ココナツ糖-CSR:未精製ココナツ糖
ラカンカ-Morlife:Nature’s Sweetenerラカンカ
メープルシロップ-Woolworths:100%純粋カナダ産メープルシロップ
2)BULK NUTRIENTSからのホエータンパク質単離物100%WPI。
【0353】
供給液混合物
360gの甘味料(a.米飴、b.ココナツ糖、c.ラカンカ(300グラム、以下の表中の供給液参照)又はd.メープルシロップ)
40gのWPI
600gのMilli-Q水。
【0354】
レシピ2
1)甘味料:サトウキビシロップ
2)ホエータンパク質単離物
3)可溶性繊維(Lotus:キサンタンガム)又は不溶性繊維(KFSU:Phytocel-100%天然サトウキビ粉末)。
【0355】
供給液混合物
3.1)不溶性繊維
360gのサトウキビシロップ
36gのWPI
4gの不溶性繊維
600gのMilli-Q水。
【0356】
3.2)可溶性繊維
500gのサトウキビシロップ
36gのWPI
4gの不溶性繊維
400gのMilli-Q水。
【0357】
レシピ3
1)甘味料:サトウキビシロップ
2)厳格菜食主義者タンパク質(Bio Technologies LLC、Sunprotein:ヒマワリタンパク質粉末)。
【0358】
供給液混合物
500gのサトウキビシロップ
40gの厳格菜食主義者タンパク質
300gのMilli-Q水。
【0359】
機器
1)噴霧乾燥機:LPG5、KODI Machinery co.LTD.
2)走査型電子顕微鏡(SEM):Phenom Benchtop SEM:Phenom XL
3)サンプルコーター:Quorum SC7620スパッタコーター。
4)真空包装装置。
【0360】
試験手順
1)噴霧の前に、供給液成分を組み合わせて混合し、安定した溶液(安定した気泡を有する溶液とは対照的に)を作製する。
2)溶液を乾燥機内に噴霧する(入口170℃±1℃、出口70℃±2℃、ノズルサイズ50mm)。
3)噴霧乾燥機から粉体を収集する。Quorum SC7620スパッタコーターでサンプルを被覆し、SEM分析のために準備する。
4)SEM分析。
【0361】
【0362】
結果
いずれの場合も(スパッタコーティングに先だって)流動性粉末が形成し、空気混入非晶質糖粒子が成功裏に調製された。粉末に空気混入したが、噴霧乾燥の前に手動撹拌棒を使用して勢いよく溶液に空気混入した実施例11で調製された粉末よりも、空気混入は少なかった。これらの粉末は、安定した気泡を得るためにより激しく混合するのでなく、噴霧乾燥のための均質な溶液を得るためにのみ普通に混合した。
【0363】
表12の製品1~4及び製品6~7のSEM画像は、
図9A~C(米飴)、D~E(ココナツ糖)、F~G(ラカンカ)、H~I(メープルシロップ)、J~K(バガス)、L~M(ヒマワリタンパク質)に示される。製品5(キサンタンガム)の画像はない。
【0364】
粒度は、10μm未満~約60μmまで様々である。粒子の空気混入/多孔質性は、欠けている又は不完全に包まれた粒子の画像で認識できる。
【0365】
粉末の嵩密度は、
図7の製品と同様に判定した。結果は、以下の表14に示される。
【0366】
【0367】
空気混入非晶質糖の嵩密度は、約0.47g/cm3である。これらの結果は、噴霧乾燥前の最小限の混合(すなわち、噴霧乾燥前に供給原料がクリーム状の気泡に撹拌されなかった)にもかかわらず、類似している。ヒマワリタンパク質は空気混入をもたらしたが、0.55%g/cm3のホエータンパク質単離物ほど効果的ではなく、伝統的な白糖と比較して37.5%減少した。
【0368】
米飴及びラカンカの結果は最も低密度であり、密度はほぼ60%減少した。密度はWPIの増加に伴って低下する可能性が高いので、密度の70%の減少が妥当と思われる。
【0369】
実施例15-本発明の非晶質糖を使用して調製されたベイクド製品
バタークッキー及びバニラカップケーキはどちらも、本発明の非晶質糖(具体的には、80:20%のサトウキビ汁:WPI固形分から調製された実施例8の糖)を使用して調製した。
【0370】
得られた製品は、
図10及び11に示されるようにSEMによって分析した。これらの画像は、空気混入糖粒子がマフィン及びクッキー製品の双方において無傷のままであり、食品調製中にそれらの空気混入を失っていなかったことを示す。糖を被覆する脂肪層のために、空気混入はあまり明白でないものの、粒子は、処理前のサイズ及び形状を保持しているため、空気混入されたままであった。
【0371】
クッキー及びカップケーキは、以下のように調製した。
【0372】
【0373】
実施例15のバタークッキーの調製
実施例8の非晶質糖の半量をバター及びバニラエッセンスに折り込んだ。卵を加え、混合するまで混合物を混合した。篩に掛けた小麦粉、ベーキングパウダー、重曹、及び塩を加え、混合物をさっくり混ぜ合わせた。実施例8の非晶質糖の残る半量を混合物に折り込み、得られた混合物のスプーン1杯分を油を塗ったベーキングトレーに載せ、150℃で20~25分間焼いた。
【0374】
【0375】
実施例15のバニラカップケーキの調製
実施例8の非晶質糖の半量を小麦粉に折り込んだ。小麦粉と糖の混合物に、ミルク、バター、卵、及びバニラエッセンスを加え、材料を混ぜ合わせた。実施例8の非晶質糖の残る半量を混合物に折り込み、得られた混合物を油を塗ったカップケーキ焼き型にスプーンで入れ、150℃で20~25分間焼いた。
【0376】
実施例16-水分活性
実施例8で調製された糖(サトウキビ汁及び20%固体重量ホエータンパク質単離物)の水分活性(又は蒸気分圧)は、0.31と判定された。水分活性を測定して、安定保存食品が判定される。このタイプの食品及び食品成分では、カビ及び細菌の増殖を阻害するために、0.6以下の水分活性が好ましい。
【0377】
本明細書で開示され定義された本発明は、言及されるか或いは本文又は図面から明らかな、2つ以上の個々の特徴の全ての代案の組み合わせに及ぶことが理解されよう。これらの異なる組み合わせは全て、本発明の様々な代替の態様を構成する。
【0378】
粉末の嵩密度は、
図7の製品と同様に判定した。製品は、実施例8のような噴霧条件を使用する、並流噴霧乾燥機を使用して調製した。生成物1~7の供給液は、実施例8と同様に、噴霧化の前に十分に撹拌した。製品8の供給液は、実施例11と同様に、噴霧化の前に空気混入した。結果は、下の表17にある。
【0379】
実施例17-様々な密度低下剤を使用して調製された非晶質糖類
この実施例では、非晶質糖類を調製するために開発された技術を適用して、厳格菜食主義者タンパク質、卵白タンパク質及びベーキングパウダーをはじめとする、追加的な基質又は密度低下剤を含む、非晶質甘味料を調製した。
【0380】
材料
レシピ1
1)甘味料
サトウキビ汁
2)基質又は密度低下剤:
i.単離エンドウ豆タンパク質粉末(Hillside Nutrition)
ii.ソルガム粉(Bob’s Red Mill)
iii.卵白(新鮮)(SunnyQueen Farm)
iv.WPI(Bulk Nutrients)
供給液混合物
レシピ1a用:
360gのサトウキビ汁
40gの基質
600gのMilli-Q水
レシピ1b用:
320gのサトウキビ汁
80gの基質
600gのMilli-Q水
レシピ1c用:
280gのサトウキビ汁
120gの基質
600gのMilli-Q水
レシピ1d用:
365gのサトウキビ汁(水分含量26%)~270gの固形サトウキビ
30gの基質
355gのMilli-Q水
レシピ1b*では、噴霧化の前に供給液に空気混入し、安定した気泡を作成した(実施例11に記載されるように)。その他のレシピでは、その他の粉体は、安定した気泡を達成するためにより激しく混合するのではなく、普通に混合したのみで噴霧乾燥するための均質な溶液を得る達成する。
【0381】
レシピ2
1)甘味料:サトウキビ汁
2)基質又は密度低下剤:
a.単離玄米タンパク質粉末(Eden Health Foods)
b.大豆粉(Lotus)
c.ソルガム粉(Bob’s Red Mill)
供給液混合物
325gのサトウキビ汁(水分含量26%)~240gの固形サトウキビ
60gの基質
365gのMilli-Q水
ノズルの詰まりを回避するために、サトウキビシロップと混合する前に、大豆粉とソルガム粉の溶液をNo.250μm篩に通過させる。
【0382】
レシピ3
1)甘味料:サトウキビシロップ
2)ベーキングパウダー(Lotus)
供給液混合物
レシピ3a用:
325gのサトウキビ汁(水分含量26%)~240g(80%)の固形サトウキビ
12gのベーキングパウダー
350gのMilli-Q水
レシピ3b用:
325gのサトウキビ汁(水分含量26%)~240g(80%)の固形サトウキビ
12gのベーキングパウダー
48gの小麦粉
350gのMilli-Q水
【0383】
機器
1)噴霧乾燥機:LPG5、KODI Machinery co.LTD.
2)真空包装装置
【0384】
試験手順
1)噴霧化前に、供給液の成分を組み合わせて混合し、安定した溶液を作製する(安定した気泡のある溶液が生成されたレシピ1b*を除く)。
2)溶液を乾燥機内に噴霧する(入口170℃±1℃、出口70℃±2℃、ノズルサイズ50mm)。
3)粉末を噴霧乾燥機から収集する。
【0385】
結果
いずれの場合も、自由流動性粉末が形成され、空気混入非晶質糖粒子が成功裏に調製された。製品8を除いて、粉末は噴霧化の前に空気混入されなかった(実施例11に記載されているように)。その他の粉末は、安定した気泡を得るために激しく混合するのでなく、噴霧乾燥のための均質な溶液を得るためにのみ普通に混合した。
【0386】
表17の製品6~8のSEM画像は、
図12A~D(エンドウ豆タンパク質)、
図13A~D(卵白タンパク質)、及び図(14A~G(噴霧乾燥前の空気混入を含んでなる)にある。これらのサンプルでは、多孔性が観察された。製品1~5及び9~13のSEM画像はない。
【0387】
粉末の嵩密度は、実施例5に記載されるように、
図7の製品と同様に判定した。結果は、下の表17にある。
【0388】
【0389】
空気混入非晶質糖の嵩密度は、0.34g/cm3~0.76g/cm3の範囲である。これらの結果は、噴霧乾燥前の最小限の混合(すなわち、噴霧乾燥前に供給原料がクリーミーな気泡に撹拌されなかった)にもかかわらず、使用されたその他の基質に類似している。ソルガムと玄米タンパク質は空気混入をもたらしたが、0.44g/cm3のホエータンパク質単離物ほど効果的ではなく、それでもなお伝統的な白糖と比較して27~39%の有意な低減であった。
【0390】
大豆粉とベーキングパウダーを含んでなる配合物は、最も密度が低かった(0.34g/cm3)。30%のWPI(0.37g/cm3)を除いて、次に密度が低いのはベーキングパウダー(0.38g/cm3)であり、精製白糖と比較して密度が63%低下した。これはWPIに類似していたが、30%のWPI又はベーキングパウダーと大豆粉の組み合わせの24%に対し、4%の基質のみが使用された。
【0391】
普通に撹拌した場合、又は乾燥前に気泡に泡立てた場合の20%のWPIは、同一嵩密度/空隙率であった。
【0392】
また、20%のヒマワリタンパク質(レシチンあり又はなし)、19%の耐性マルトデキストリン、1%の可溶性/不溶性繊維(レシチンあり又はなし)は、同様の嵩密度を有し、界面活性剤が嵩密度を増加させないことを実証した。
【0393】
実施例18-空気混入非晶質甘味料の味覚プロファイル
様々な空気混入非晶質甘味料の味覚プロファイルを評価した。結果は
図26に示される。
【0394】
A、B、及びDは、精製白糖より甘味が強い。Fは同等に甘い。Aは香りがあり、食欲をそそり、カラメル味を有する。Bは香りがあり、食欲をそそり、カラメル及びミルク様の味を有する。Cはオフフレーバーがある。Dは香りがあり、食欲をそそりる。Eはカラメル味を有する。Fはミルク様の味を有する。
【0395】
この試験では、異なる用途のために、異なるフレーバーを有する異なる空気混入非晶質甘味料をどのように調製し得るかを実証する。Bの味覚プロファイルは、Bの風味をカバーする食品中で、又は必要な糖の量が低減されている食品中で、この製品がより有用であることを示唆する。
【0396】
【0397】
実施例19-空気混入非晶質糖を使用したチョコレートの調製
対照として、70gのDelphi 70%ダークチョコレート(60%カカオ固形分+10%カカオバター)を溶かし、30gの白色結晶性キャスターシュガー及び白糖と組み合わせた。70gの70%ダークチョコレートを水浴上で溶かし、15gの空気混入非晶質糖と混合し、テンパリングし次に成形した。空気混入非晶質糖のD90は、30ミクロン未満であった。
【0398】
非晶質糖は、手で最小限の混合後、滑らかなチョコレートを容易に生成した。5分間の混合後、チョコレート混合物は滑らかでクリーミーであった。伝統的な糖は、同じ混合条件下でチョコレートの中で粒状のままであった。この混合物を滑らかでクリーミーにするために、さらなるコンチングが必要であってもよい。非晶質糖は、混合がより簡単で短いという利点を有する。これにより、製造時間とコストが削減される可能性が高い。実施例22に記載されるように、非晶質糖粒子は、製造後のチョコレート中で安定している。
【0399】
これらの結果を達成するために、チョコレートの水相への非晶質糖の添加を避けることが有用であり、例えば、非晶質糖は、コンチング後に添加されるべきである。任意選択的に、コンチング及びミル処理後。任意選択的に、コンチング、ミル処理、及び精製後。チョコレート中で非晶質粒子の構造を保持するために、非晶質糖を含んでなる配合物の温度を非晶質糖のガラス転移温度より低く保持することが推奨される。
【0400】
実施例20-75%の白糖/25%のWPI、及び35.7%の白糖/35.7%の黒糖/12.5%のWPI/12.5%のFOS(フルクトオリゴ糖)非晶質糖の調製
異なる調合物及び調製物について、粒度分布、嵩密度、及び水分含量に対する調製方法の影響を調査した。結果は、下の表19に一覧表示される。
【0401】
試験条件
試験は、GEA SD-28噴霧乾燥機を使用して実施した。乾燥チャンバーは、2.76mの直径、1.95mの円筒高さ、及び60°の円錐を有する。乾燥ガスである周囲空気は、ガス焚き(プロパンガス)ヒーターによって間接的に加熱され、天井の空気分散器を通じて乾燥チャンバーに入った。
【0402】
供給物は、モノポンプによって空気分散器の中央に配置されたノズルに供給された。噴霧化された液滴は、熱風によって特定の粉末に乾燥された。製品は、サイクロンとバッグフィルターからロータリーバルブを介して分離収集した。
【0403】
屋外に排出される前に、排出される空気をさらに浄化するために、チャンバーからの出口ガスをサイクロンを通って導き、乾燥ガス、バッグフィルター、及び湿式スクラバーから微粒子を分離した。
【0404】
固形分は、Mettler HR73(T4/105℃)を用いて評価した。粉末分析用のサンプルはサイクロンで収集した。Malvern Mastersizer(0.5バールでの乾燥)を使用して、粒度を評価した。
【0405】
自由注入嵩密度は、実施例5と同様に判定した。タップ嵩密度は、サンプルを100回タップしたことを除いて、実施例5と同様に判定した。
【0406】
供給物調製
一般的な成分
ホエータンパク質単離物(WPI)(Arla Foods社製)、白糖、黒糖(フィジー産)、フルクトオリゴ糖(FOS)。
【0407】
一般的な調製
全ての供給物は、60%の乾物濃度で調製した。
【0408】
レシピの成分と準備
レシピ1及び2の成分:200kgの脱塩水、225kgの白糖、75kgのホエータンパク質単離物。
【0409】
レシピ1及び2の調製:水を約70℃に加熱し、次に糖及びホエータンパク質を添加した。噴霧乾燥前に、供給タンク内の温度を保持した。
【0410】
レシピ3の成分:100kgの脱塩水、112.5kgの白糖、37.5kgのホエータンパク質単離物。
【0411】
レシピ4の成分:100kgの脱塩水、54kgの白糖、54kgの黒糖、4.5kgのFOS、及び37.5kgのホエータンパク質単離物。
【0412】
供給物3及び4:水を約70℃に加熱し、次に糖、FOS、ホエータンパク質を添加した。ただし、ホエータンパク質を添加する前に、加熱を停止した。噴霧乾燥前の供給タンク内で、温度は約38~45℃に下がった。
【0413】
観察結果
試験1
粉末中の水分は1.24%であった。嵩密度(疎性/タップ)は0.58/0.66g/mlであった。平均粒度(D50)142μm。試験1の後に、粘着性粉末のためにいくらかの堆積物が存在した。
【0414】
試験2
粉末中の水分は2.15%であった。嵩密度(疎性/タップ)は0.60/0.69g/mlであった。平均粒度(D50)78μm。ノズル圧は、試験1(42バール)と比較して試験2(142バール)でより高かった。ノズル圧を上昇させると、粒子サイズが減少する。
【0415】
試験3
粉末中の水分は2.24%であった。
【0416】
試験4
粉末中の水分は1.97%であった。嵩密度(疎性/タップ)は0.36/0.44g/mlであった。平均粒度(D50)は、70μmであった。試験1及び試験2と比較して、粉末の嵩密度が低いのは、おそらく供給物中のいくらかの空気の結果であった。新鮮に生成された供給物の密度は、供給物中の空気取り込みのために、約0.9g/mlであった(供給物は乳白色であった)。しばらくすると、供給物中の気泡が表面に上昇し、供給物の密度は約1.2g/mlに増加したが、これは、供給物の正しい密度(空気なし)である。次に、供給物はより透明になり、色はわずかに黄色になった。
【0417】
試験5
粉末中の水分は2.28%であった。嵩密度(疎性/タップ)は0.36/0.44g/mlであった。平均粒度(D50)95μm。試験1及び試験2と比較して、粉末の嵩密度が低いのは、おそらく供給物中のいくらかの空気の結果であった。
【0418】
試験6
粉末中の水分は2.33%であった。嵩密度(疎性/タップ)は0.53/0.65g/mlであった。平均粒度(D50)55μm。
【0419】
試験7
粉末中の水分は2.45%であった。嵩密度(疎性/タップ)は0.47/0.57g/mlであった。平均粒度(D50)51μm。
【0420】
さらなる試験
これらの試験を入口温度140℃で繰り返したところ、安定した自由流動性粉末が得られ、収率も向上した。
【0421】
【0422】
【0423】
実施例21-レシピ供給原料及び調製レシピの影響
異なる調合物及び調製物について、粒度分布、嵩密度、収率、及び水分含量に対する調製方法の影響を調査した。
【0424】
噴霧乾燥は、GEA Mobile Minor噴霧乾燥機を使用して実施した。湿潤粒子のサイジングは、Malvern Mastersizer Sを使用して実行した。イソプロピルアルコールを使用して、粒子が癒着するのを止めた。乾燥粒子サイジングは、0.5バールの圧力でMalvern Sciroccoを使用して実施した。
【0425】
結果は、下の表20に一覧表示される。
【0426】
噴霧空気圧を上げるか、又は供給固形物の百分率を減らすと、D90の粒度が減少することが分かった(試験1、2、及び3;並びに試験8、9、及び10を比較されたい)。WPIを含んでなる調合物(試験1~3を参照されたい)では、噴霧空気圧を2バールに上げると(試験2)、供給固形分の百分率を50%に低下させる(試験1)よりも、D90粒度により大きな影響を与えることが分かった。対照的に、卵白タンパク質とイヌリンとを含んでなる調合物(試験8~10を参照されたい)では、供給固形分の百分率を50%に低下させると(試験10)、空気圧を1.5バールに上げる(試験9)よりもD90の粒子サイズにより大きな影響を与えることが分かった。当業者は、双方の技術を使用して、様々な密度低下剤に適した粒度を達成することができるであろう。
【0427】
18g/分の供給速度で、供給物中の固形分が40%の試験12及び13を実行しても、D10、D50、D90、又は嵩密度の値には影響しなかった。
【0428】
水と混合したときに気泡を形成する供給物の傾向は、存在するタンパク質の種類によって異なることが観察された。80%の白糖と20%のタンパク質を含んでなる同じ全固形分の異なる調合物を同じ条件下で水と混合し、一晩放置した。気泡の体積と対比して、翌日に存在するバルク液体混合物の体積を測定した。気泡の体積百分率は、ソラマメ調合物では約20%、WPI調合物では約4%、大豆タンパク質単離物調合物ではごくわずかであることが分かった。
【0429】
【0430】
【0431】
【0432】
実施例22-非晶質糖粒子の安定性
非晶質空気混入糖粒子の安定性を評価した。調合物中の空気混入非晶質糖粒子は、実施例21に記載されているものと同様の条件で、75%のスクロース及び25%のWPIから調製した。
【0433】
このチョコレート調合物は、密封された低密度ポリエチレンバッグ内で、25℃、50~60RHの周囲条件で12ヶ月間貯蔵した。この時間後に、粒子は自由流動性のままであった。密封された低密度プラスチック内及び周囲条件で12か月間貯蔵した後の糖粒子の形態を、SEM分光法を使用して評価した。Magellan 400 FEGSEM測定法を用いた。これは、モノクロメータを備えた超高分解能(XHR)機器であり、低加速電圧及び元素分析での分解能を向上させる。分析の前に、分析のためにイリジウムでコーティングする前に、粒子サンプルをステンレス鋼ディスクにマウントした。
【0434】
空気混入糖粒子は、周囲条件で密封された低密度プラスチックバッグに12か月間貯蔵された後に、それらの非晶質及び多孔質の形態を保持していることが、SEMによって発見され確認された。
【0435】
実施例23-空気混入非晶質糖を使用したアイスクリームの調製
70%の精製白糖、5%の粗糖、及び25%のWPI(固体重量で)から調製された非晶質糖(すなわち、溶解及び噴霧乾燥して非晶質糖粒子を作る)を使用して、アイスクリームを調製した。
【0436】
調製
牛乳と生クリームを片手鍋に入れて、約30℃まで加熱した。脱脂粉乳を混ぜ込み、粉乳が溶解した後、グラニュー糖/グルコースシロップを添加した。混合物を72℃に加熱し、この温度で20秒間保持した。焦げ付きを防ぐために、加熱中に混合物を撹拌した。低温殺菌されたアイスクリーム混合物をプラスチックパウチに移し入れ、密封した。プラスチックパウチを氷浴内に入れて、アイスクリーム混合物を冷却してから冷蔵庫で一晩貯蔵した。準備したアイスクリーム装置にアイスクリーム混合物を注ぎ入れ、45~50分間チャーニングした。70%の精製白糖、5%の粗糖、及び25%のWPIから作られた非晶質糖を添加するレシピでは、この構成要素は30分間チャーニングした後に添加した。これらのレシピでは、70%の精製白糖、5%の粗糖、及び25%のWPIから作られた非晶質糖を添加した後、混合物をさらに20分間チャーニングした。次にアイスクリームを容器に移し入れ、冷凍庫内で貯蔵する前に、-18℃でブラスト凍結した。
【0437】
異なるアイスクリーム調合物のレシピは、以下に一覧表示される。
【0438】
【0439】
【0440】
結果と考察
対照調合(N1.0及びN2.0)は、アイスクリームに見られる典型的な組成に基づいて調合した。
【0441】
本発明の非晶質糖は、アイスクリーム混合物中のほとんどの水が凍結したチャーニング工程のほぼ30分の時点で添加した。これは、本発明の非晶質糖類が脂肪マトリックス中で嵩密度を保持し、水性液体マトリックスに完全に溶解することが知られているためであった。
【0442】
減糖調合物では、全固形分として計算された糖の量が40%減少した(表21及び22)。グルコースシロップは固形分81%の液体として存在するため、アイスクリーム中の糖の総量は、甘味料からの全固形分で表すのが最適である。
【0443】
糖の種類によって甘味の強さが異なるため、理論上の甘味も計算した。一般にテーブルシュガーとして知られているスクロースが基準点として使用され、理論上の甘味1を有する。スクロースと比較して、グルコースは乾燥重量基準で0.8の理論上の甘味を有する。
【0444】
味覚試験
異なるアイスクリーム調合物の味は、有資格の味覚分析者によって評価された。N1.0と減糖対応物であるN1.2の甘味を比較したところ、どちらも好ましい甘味を与えることが分かった。N1.0が、一部の評価者によって甘すぎると知覚された一方で、N1.2の甘味は、一般に、評価者によってほぼ適切であると知覚された。また、N1.0に比べてN1.2では、より強いミルキーでクリーミーなフレーバーが検知された。この強化された乳製品ノートは、評価者によって望ましいと認められた。グラニュー糖を含んでなる調合物と、70%の精製白糖、5%の粗糖、及び25%のWPIから作られた本発明の非晶質糖を含んでなる調合物との間で、アイスクリーム調合物で知覚される甘味の強さに何らかの差があったかどうかを判定するために;N1.1を調合した。N1.1は、N1.2と同じ量の総固形糖類を有した(表23)。N1.1とN1.2の双方で知覚される甘味は同等であると認められ、N1.2はより強い乳製品ノートを有する。
【0445】
N2.0の甘味をその減糖対応物であるN2.2と比較すると、N2.2は、甘味料が40%減少し、理論上の甘味が32%減少したにもかかわらず、評価者によって、その対照のN2.0より甘味が強いと知覚された(表24)。さらに、使用した甘味料の量が同程度の場合、評価者によって、N2.2の方がN2.1よりもわずかにより甘味が強いと知覚された。これは、甘味の違いがほとんど感じられなかったN1.1とN1.2の結果とは対照的である。したがって、70%の精製白糖、5%の粗糖、及び25%のWPIから作られた本発明の非晶質糖は、グルコースシロップを含んでなる媒体中の甘味のレベルを高めることが認められた。
【0446】
【0447】
【0448】
オーバーラン
アイスクリームのオーバーランは、物理的及び感覚的特性並びに貯蔵安定性に影響するため、各アイスクリームのオーバーランもまた測定した。オーバーランは、アイスクリームの最終体積を決定する、ミックスに組み込まれた空気の量を示す尺度である。オーバーランは、規定容積の容器内のアイスクリームと、ミックスの重量とを次式に従って比較することで測定した:
On%=100(Wm-Wic)/Wic
式中、On(%)はオーバーラン百分率、Wm(g)は所与の容積の混合物の重量、及びWic(g)は同体積のアイスクリームの重量である。
【0449】
表25に見られるように、グラニュー糖(N1.0~N1.2)を使用したサンプル間で有意差はなく、アイスクリーム調合物に使用された本発明の非晶質糖がアイスクリームのオーバーランに悪影響を及ぼさなかったことが示唆される。非晶質糖はエマルション中で安定しており、アイスクリームミックスのチャーニング中にその多孔質構造を保持できた。
【0450】
ただし、N2.0のオーバーランは低かった。大量の高粘度グルコースシロップは、気泡性に影響してオーバーランを低下させることが知られている。
【0451】
【0452】
実施例24-非晶質粒子及び乳ベース飲料の調製における使用
75%のサトウキビ汁及び25%のステビア高強度甘味料を含んでなる、本発明の非晶質糖を調製した。糖は安定しており、自由流動性であった。
【0453】
表26の乳飲料は、サトウキビ汁とステビア非晶質糖を使用して調製し、またステビア含有対照である、ステビアと低強度甘味料のエリスリトールとを含有するJovia甘味料を使用して調製した。
【0454】
【0455】
試験1は対照Aと同様の甘味を有したが、対照Aで明らかだったステビアの金属的な後味はなかった。
【0456】
非晶質糖とは別のステビアを使用して、さらに乳飲料を調製した。調合は以下の表27にある。
【0457】
【0458】
全ての組成物の知覚された甘味は、対照Bのそれと一致した。試験3では、試験2の結晶白糖よりも少ない非晶質糖を有するが、これはサトウキビ汁ベースの非晶質糖が伝統的な白糖より甘味が強いためである。試験3の非晶質糖は、対照Bと試験2のどちらの成分よりも、ステビアの金属的な後味をより良好にマスクした。また試験3に存在するカラメル様フレーバーは、望ましいと考えられた。
【0459】
これらの実施例で使用された牛乳は、水中に、3.3gのタンパク質/100ml、4.1gの脂肪/100ml、11.5mgのコレステロール/100ml、5gの炭水化物/100ml、44.6mgのナトリウム/100ml、及び109mgのカルシウム/100mlを含んだ。
【0460】
実施例25-レシピ供給原料及び調製レシピの影響
異なる調合物及び調製物について、粒度分布、嵩密度、及び水分含量に対する調製方法及び供給原料の影響を調査した。結果は、下の表28に一覧表示される。
【0461】
成分
以下の成分を実施例25で用いた:
ホエータンパク質単離物(WPI-Bulk Nutrients Raw WPIバッチ番号21411001BB:11/1/2020)
サトウキビ汁(Mossman Central Mill-2018年10月に採集)(ブリックス66//75%全固形分)
単離エンドウ豆タンパク質(100%単離エンドウ豆タンパク質、Hillside Nutrition,Australia)
グアーガム(100%グアーガム粉末、3,000~3,500cps、Natural Colloids and Chemicals,Singapore)
バガス繊維(100%サトウキビ繊維Phytocel,KFSU Australia)
強力甘味料(エリスリトール、ステビア配糖体0.75%、天然フレーバー、WholeEarth,Czech Republic)
ヒマワリタンパク質(100%ヒマワリタンパク質、Sunprotein,Biotechnologies Russia)
【0462】
試験条件
試験は、GEA SD-28噴霧乾燥機を使用して、実施例20に記載される噴霧乾燥機及び操作と同様に実施した。入口空気湿度は、およそ10g/kgであった。
【0463】
試験8及び9は、50%の全固形分の供給原料濃度を使用して実施した。残りの試験は、60%の全固形分の供給原料濃度を使用して実施した。全ての試験の規模は、1267g~1600gのサトウキビ汁であった。全ての試験で、希釈剤として蒸留水を使用した。
【0464】
湿潤粒子のサイジングは、Malvern Mastersizer Sを使用して実行した。イソプロピルアルコールを用いて、50mLのイソプロパノールに対して0.5gの基質の濃度で粒子が癒着するのを止めた。
【0465】
観察結果
噴霧圧を上げると、粒度が大幅に減少することが観察された(試験1、3、及び5を参照されたい)。供給原料中のWPIの百分率を増加させることによって、大幅に高い収率が得られた(試験4~6対試験1~3を参照されたい)。理論により拘束されることなく、本発明者らは、収率の増加は、乾燥粒子が乾燥チャンバーに付着しにくくなるように粒子の粘着性を低下させた、製品のガラス転移温度の上昇によるものであると仮定する。
【0466】
WPIの濃度を20%から25%に増加させると、収率が増大した。
【0467】
試験7では、噴霧乾燥機のノズルが稼働中に詰まった。試験7で使用したphytocelバガス繊維は、100μm未満と規定されていた。しかし、引き続くEndecotts社製の振動篩を用いたphytocelバガス繊維の篩分析からは、11.5%を超える繊維が125μmを上回っていたことが判明した。phytocelバガス繊維を分画し、125mm未満の繊維を試験11で使用し、これは噴霧器を塞ぐことなく、良好な収率で進行した。この供給原料を使用した場合、入口及び出口温度を下げることで、収率が向上することが分かった(試験10及び試験11を参照されたい)。
【0468】
強力甘味料を含んでなる噴霧乾燥組成物は、より高濃度では困難であった(試験15を参照されたい)。強力甘味料を含有するサンプルの味覚試験では、10%の濃度であっても、強力甘味料の金属的な後味がマスクされることが判明した(試験15及び16を参照されたい)。
【0469】
試験5、6、12の残留水分は、105℃でのLODにより、それぞれ1.49%、1.43%、1.11%であることが判明した。
【0470】
【0471】
【0472】
【国際調査報告】