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特表2022-524523ビデオ符号化におけるイントラサブパーティション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(54)【発明の名称】ビデオ符号化におけるイントラサブパーティション
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/105 20140101AFI20220425BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20220425BHJP
   H04N 19/593 20140101ALI20220425BHJP
   H04N 19/136 20140101ALI20220425BHJP
【FI】
H04N19/105
H04N19/176
H04N19/593
H04N19/136
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553865
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-11-09
(86)【国際出願番号】 US2020022121
(87)【国際公開番号】W WO2020185910
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/816,548
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/860,122
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.3GPP
3.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】514041959
【氏名又は名称】ヴィド スケール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァナム、ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】フ、ユーウェン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159KK14
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA21
5C159MC11
5C159ME01
5C159RC12
5C159TA12
5C159TA31
5C159TB08
5C159TC26
5C159TC42
5C159TD12
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA16
(57)【要約】
イントラサブパーティション(ISP)は、例えば、ISPインディケーションに基づいて、カレントブロックに対して有効にされることがある。ブロックは、複数のサブパーティションに分割されることがあり、サブパーティションは、プレディクションユニット(PU)に属することがある。カレントブロックに対するサブパーティション幅と、最小予測ブロック幅とが、取得されることがある。カレントサブパーティションに対応するPUは、サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて決定されることがある。例えば、サブパーティション幅が最小予測ブロック幅未満であるとき、PUは、複数のサブパーティションを含むことがある。例にて、最小予測ブロック幅は、4サンプルであり得る。参照サンプルが、決定されることがあり、PUが、参照サンプルを用いて予測されることがある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントラサブパーティション(ISP)がカレントブロックに対して有効にされることを決定し、
前記カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定し、
前記カレントブロックにおけるサブパーティションに対して、前記サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて、対応する予測ブロックを決定し、
前記予測ブロックの参照サンプルを決定し、
前記参照サンプルを用いて前記予測ブロックを予測する
ように構成されたプロセッサー
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記最小予測ブロック幅は、4サンプルであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記予測ブロックは、カレントブロック幅が4サンプルであり、カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記予測ブロックは、カレントブロック幅が8サンプルであり、カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記予測ブロックは、前記カレントブロックが垂直に割られ、カレントブロック幅が4サンプルであり、カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記カレントブロックに隣接するサンプルを用いて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記予測ブロックは、前記カレントブロックに隣接するサンプルと、前記カレントブロックにおける再構成されているサブパーティションからのサンプルとを用いて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記予測ブロックは、カレントブロック幅が8サンプルであり、カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記カレントブロックに隣接するサンプルと、前記カレントブロックにおける再構成されているサブパーティションからのサンプルとを用いて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサーは、前記カレントブロックに対するISPインディケーションを受信するように構成され、前記ISPは、前記ISPインディケーションに基づいて、前記カレントブロックに対して有効にされると決定されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサーは、ISPのタイプが垂直スプリットまたは水平スプリットであるかどうかのインディケーションを受信するように構成され、前記予測ブロックは、ISPの前記タイプに基づいて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記カレントブロックに対する前記サブパーティション幅は、前記カレントブロックに対する前記ISPタイプが垂直スプリットまたは水平スプリットであるかどうかに少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記予測ブロックの前記参照サンプルは、前記予測ブロックに隣接するサンプルを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、画像の一部をデコードするためのデコードデバイス、または画像の一部をエンコードするためのエンコードデバイスの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
イントラサブパーティション(ISP)がカレントブロックに対して有効にされることを決定することと、
前記カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定することと、
前記カレントブロックにおけるサブパーティションに対して、前記サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて、対応する予測ブロックを決定することと、
参照サンプルを決定することと、
前記参照サンプルを用いて前記予測ブロックを予測することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記最小予測ブロック幅は、4サンプルであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記予測ブロックは、カレントブロック幅が4サンプルであり、カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記予測ブロックは、前記カレントブロックが垂直に割られ、カレントブロック幅が4サンプルであり、カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記カレントブロックに隣接するサンプルを用いて予測されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イントラサブパーティションに関し、より詳細には、ビデオ符号化におけるイントラサブパーティションに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ符号化システムは、デジタルビデオ信号を圧縮するのに広く使用されて、例えば、上記の信号に対して必要とされるストレージおよび/または伝送帯域幅を減らすことがある。ビデオ符号化システムは、ブロックベース、ウェーブレットベース、および/またはオブジェクトベースのシステムを含むことがある。システムは、ビデオ符号化手法、例えば、ある予測手法を利用することがある。
【発明の概要】
【0003】
イントラサブパーティション(Intra sub-partitions;ISP)は、イントラ符号化ツールであり得る。サブパーティションの予測が、以前の隣接するサブパーティションの再構成から部分的にまたは完全に独立であり得る、システム、方法、および手段が、提供されることがある。サブパーティションは、隣接するサブパーティションからの予測サンプルを用いて予測されることがある。サブパーティションは、予測されたサンプルと、以前の隣接するサブパーティションから再構成されたサンプルとを用いて、予測されることがある。
【0004】
複数のサブパーティションを基にした予測は、2つ以上のサブパーティションのイントラ予測が、関係のあるビデオブロック(例えば、参照サンプルに隣接する符号化単位(coding unit;CU))から同時に処理され得る場合に使用されることがある。複数のサブパーティションを含むプレディクションユニット(prediction unit;PU)は、PUに隣接する参照サンプルを用いて予測されることがある。
【0005】
ISPは、例えば、ISPインディケーションに基づいて、カレントブロックに対して有効にされることがある。サブパーティション幅は、カレントブロックに対して決定されることがある。サブパーティション幅は、イントラ予測に対してカレントブロックをサブパーティションするために使用されることがある。サブパーティションは、PUに属することがある。サブパーティションに対応するPUは、サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて決定されることがある。例にて、最小予測ブロック幅は、4サンプルであり得る。予測は、PUに基づいて行われることがある。例えば、参照サンプルが、決定されることがあり、PUが、参照サンプルを用いて予測されることがある。参照サンプルは、PUに隣接することがある。
【0006】
最小予測ブロック幅は、サブパーティションの予測に関連して使用されることがある。1つのPUは、垂直に割られたまたは水平に割られた2つ以上のサブパーティションを含むことがある。予測ブロック幅は、サブパーティション幅、またはサブパーティション幅の倍数であり得る。サブパーティション幅および最小予測ブロック幅は、予測ブロックを決定するのに使用されることがある。例えば、複数のサブパーティションを有する予測ブロックは、サブパーティション幅が最小予測ブロック幅未満であるとき、予測のために使用されることがある。例えば、最小予測ブロック幅が4サンプルであるのとき、4サンプルの幅がある予測ブロックは、サブパーティション幅が4サンプル未満のとき、予測のために用いられることがある。
【0007】
PUは、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことがある。例えば、4×8、4×N(例えば、N>8)、および8×NのサイズがあるCUに対して、それぞれのCUにおけるPUは、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことがある。
【0008】
CUのPUは、CUの隣接サンプル、および/または再構成されたサブパーティションからのサンプルを用いて予測されることがある。例えば、4×8および4×NのサイズがあるCUに対して、ビデオデコーダーまたはエンコーダーは、CUの隣接サンプルを用いてPUを予測することがある。8×NのサイズがあるCUに対して、ビデオデコーダーまたはエンコーダーは、CUの隣接サンプル、およびCUにおいて再構成されたサブパーティションからのサンプルを用いてPUを予測することがある。
【0009】
方法は、ISPがカレントブロックに対して有効にされることを決定することを含むことがある。方法は、カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定することを含むことがある。方法は、サブパーティション幅と、カレントブロックにおけるサブパーティションに対する最小予測ブロック幅とに基づいて、対応する予測ブロックを決定することを含むことがある。方法は、参照サンプルを決定することを含むことがある。方法は、参照サンプルを用いて予測ブロックを予測することを含むことがある。本明細書における方法は、デコーダーによって行われることがある。いくつかの例にて、本明細書における方法または対応する方法は、エンコーダーによって行われることがある。
【0010】
コンピューター読み取り可能な媒体は、1つまたは複数のプロセッサーに、本明細書に説明される方法(複数可)を行わせるための命令を含むことがある。
【0011】
プログラムが1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサーに本明細書に説明される方法(複数可)を実行させることがある命令を含むコンピュータープログラム製品である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】1つまたは複数の開示されている態様が実装されることがある例示的な通信システムのシステム図である。
図1B】一態様に係る図1Aに例示される通信システム内において用いられることがある例示的なワイヤレス送信/受信ユニット(wireless transmit/receive unit;WTRU)を例示するシステム図である。
図1C】一態様に係る図1Aに例示される通信システム内において用いられることがある例示的な無線アクセスネットワーク(radio access network;RAN)および例示的なコアネットワーク(core network;CN)を例示するシステム図である。
図1D】一態様に係る図1Aに例示される通信システム内において用いられることがあるさらなる例示的なRANおよびさらなる例示的なCNを例示するシステム図である。
図2】例示的なブロックベースのビデオエンコーダーの図である。
図3】例示的なビデオデコーダーの図である。
図4】種々の様相および例が実装されるシステムの例についてのブロック図を例示する。
図5】CU(例えば、4×8ピクセルのCUまたは8×4ピクセルのCU)に対して許され得る分割またはCUスプリットの例を例示する。
図6】CU(例えば、4×8ピクセルまたは8×4ピクセルよりも大きいCU)に対して許され得る分割の例を例示する。
図7】イントラサブパーティション(Intra sub-partitions;ISP)における例示的な予測の図(a)、(b)、および(c)を例示する。
図8】参照ラインゼロイントラ予測に対する最確モード(most probable mode;MPM)リスト構成のための例示的なフローチャートである。
図9】複数の参照ラインイントラ予測に対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートである。
図10a】ISPに対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートを例示する。
図10b】ISPに対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートを例示する。
図10c】ISPに対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートを例示する。
図11】一体化したMPMリスト構成のための例示的なフローチャートである。
図12】サブパーティションA、B、およびCの下部の行が、CUに接している上および左の参照ラインを用いて予測される場合の例示的なCUベース予測の図(a)および(b)を例示する。
図13】例示的なサブパーティションベース予測の図(a)および(b)を例示し、(a)の予測されているサブパーティションAの下部の行がBを予測するときに使用され、(b)のサブパーティションBの下部の行がサブパーティションCを予測するときに使用される。
図14(a)】ISPのためのパイプラインステージについての例の図である。
図14(b)】サブパーティションベース予測を用いたISPのためのパイプラインステージについての例の図である。
図14(c)】複数のサブパーティションベース予測またはマルチサブパーティションベース予測を用いたISPのためのパイプラインステージについての例の図である。
図15】サブパーティションが、隣接するサブパーティションからの再構成サンプルまたは予測サンプルを用いて予測され得る場合のハイブリッド予測の例の図である。
図16】例示的なハイブリッド予測の図(a)および(b)を例示する。
図17】複数のサブパーティションベース予測またはマルチサブパーティションベースイントラ予測(multi-sub-partition based intra-prediction)の例を例示する。
図18】水平スプリットのCUおよび垂直スプリットのCUのISPサブパーティションについての種々の例を例示する。
図19A図18に例示されるような1×N(N≧16)および2×N(N≧8)のサブパーティションが、取り除かれ4×Nのサブパーティションと置き換えられることがある場合の例を例示する。
図19B図18に例示されるようなN×2(N≧8)のサブパーティションが、取り除かれN×4のサブパーティションと置き換えられることがある場合の例を例示する。
図19C】PUが32サンプルを含み得る場合の例を例示する。
図19D図19A、19B、および19Cに例示される例が同時に適用されることがある場合の例を例示する。
図20】一体化したMPMリスト生成/構成の例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ただちに、例示的な態様の詳細な説明が、種々の図面を参照して説明されよう。本説明が、可能性のある実装の詳細な例を与えるが、詳細が、典型的であることを意図し、本出願の範囲をまったく限定しないということは、特筆されるべきである。
【0014】
図1Aは、1つまたは複数の開示される態様が実装されることがある例示的な通信システム500を例示する図である。通信システム500は、例えば、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのようなコンテンツを、複数のワイヤレスユーザーに提供するマルチプルアクセスのシステムであってもよい。通信システム500は、複数のワイヤレスユーザーに、ワイヤレス帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、上記のコンテンツにアクセスできるようにすることがある。例えば、通信システム500は、例えば、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)、OFDMA(直交周波数分割多元接続)、SC-FDMA(シングルキャリアFDMA)、ZT UW DTS-s OFDM(zero-tail unique-word DFT-Spread OFDM)、UW-OFDM(unique word OFDM)、リソースブロックフィルターされた(resource block-filtered)OFDM、FBMC(filter bank multicarrier)などのような1つまたは複数のチャネルアクセスの方法を採用することがある。
【0015】
図1Aに示すように、通信システム500は、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)502a、502b、502c、502d、RAN504/513、CN506/515、公衆交換電話網(PSTN)508、インターネット510、および他のネットワーク512を含むことがあるが、開示される態様は、いくつものWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワークエレメントを予想すると理解されるであろう。WTRU502a、502b、502c、502dの各々は、ワイヤレス環境において動作するおよび/または通信するように構成されるどのタイプのデバイスであってもよい。例として、WTRU502a、502b、502c、502dは、いずれも、「局」および/または「STA」ということがあり、ワイヤレス信号を送信するおよび/または受信するように構成されることがあり、UE(ユーザー機器)、移動局、固定または移動の加入者ユニット、サブスクリプションベースのユニット、ページャー、セルラー電話、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピューター、ワイヤレスセンサー、ホットスポットまたはMi-Fiデバイス、IoT(モノのインターネット)デバイス、腕時計または他のウェアラブル、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、車両、ドローン、医療用のデバイスおよびアプリケーション(例えば、遠隔手術)、工業用のデバイスおよびアプリケーション(例えば、工業のおよび/または自動化された処理チェーンのコンテキストにおいて動作するロボットおよび/または他のワイヤレスデバイス)、家電デバイス、商業および/または工業のワイヤレスネットワーク上に動作するデバイスなどを含むことがある。どのWTRU502a、502b、502c、および502dをとっても、UEと交換可能にいうことがある。
【0016】
さらに、通信システム500は、基地局514aおよび/または基地局514bを含むこともある。基地局514a、514bの各々は、1つまたは複数の通信ネットワーク、例えば、CN506/515、インターネット510、および/またはその他のネットワーク512などへのアクセスを容易にするために、WTRU502a、502b、502c、502dのうちの少なくとも1つとワイヤレスにインターフェースするように構成されるどのタイプのデバイスであってもよい。例として、基地局514a、514bは、BTS(無線基地局装置)、Node-B、eNode B、ホームNode B、ホームeNode B、gNB、NR NodeB、サイトコントローラー、AP(アクセスポイント)、ワイヤレスルータなどであってもよい。基地局514a、514bは、各々、単一の要素として描かれる一方、基地局514a、514bは、相互接続された基地局および/またはネットワークエレメントをいくつでも含むことがあると理解されるであろう。
【0017】
基地局514aは、さらに、他の基地局および/または、例えば、BSC(基地局制御装置)、RNC(無線ネットワーク制御装置)、中継ノードなどのようなネットワークエレメント(図示せず)を含むこともあるRAN504/513の一部であってもよい。基地局514aおよび/または基地局514bは、1つまたは複数のキャリア周波数上にワイヤレス信号を送信するおよび/または受信するように構成されることがあり、セル(図示せず)ということがある。今述べた周波数は、許可されたスペクトル、許可されていないスペクトル、または許可されたスペクトルと、許可されていないスペクトルとの組合せであってもよい。セルは、相対的に固定されることがあり、またはやがて変化することがある特定の地理的なエリアに対して、カバレッジをワイヤレスサービスに提供することがある。さらに、セルは、セルのセクターに分割されることがある。例えば、基地局514aに関連付けられたセルは、3つのセクターに分割されることがある。したがって、一態様において、基地局514aは、3つのトランシーバーを、すなわち、セルの各セクターに対して1つを含むことがある。態様において、基地局514aは、MIMO(multiple-inPUt multiple outPUt)の技術を採用することがあり、セルの各セクターに対して複数のトランシーバーを利用することがある。例えば、ビームフォーミングは、望ましい空間方向に信号を送信するおよび/または受信するために用いられることがある。
【0018】
基地局514a、514bは、適切な、どんなワイヤレス通信リンク(例えば、RF(無線周波数)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、IR(赤外線)、UV(紫外線)、可視光など)であってもよいエアインターフェイス516を介して、WTRU502a、502b、502c、502dのうちの1つまたは複数と通信することがある。エアインターフェイス516は、適切な、どのRAT(無線アクセス技術)を用いても確立されることがある。
【0019】
より具体的には、上に述べたように、通信システム500は、マルチプルアクセスのシステムであってもよく、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどのような1つまたは複数のチャネルアクセススキームを採用することがある。例えば、RAN504/513における基地局514a、およびWTRU502a、502b、502cは、例えば、WCDMA(wideband CDMA)を用いて、エアインターフェイス515/516/517を確立することがあるUTRA(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実装することがある。WCDMAは、例えば、HSPA(High-Speed Packet Access)および/またはHSPA+(Evolved HSPA)などの通信プロトコルを含むことがある。HSPAは、HSDPA(High-Speed DL(Downlink) Packet Access)および/またはHSUPA(High-Speed UL Packet Access)を含むことがある。
【0020】
態様において、基地局514aおよびWTRU502a、502b、502cは、LTE(Long Term Evolution)および/またはLTE-A(LTE-Advanced)および/またはLTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)を用いて、エアインターフェイス516を確立することがある、例えばE-UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実装することがある。
【0021】
態様において、基地局514aおよびWTRU502a、502b、502cは、NR(New Radio)を用いてエアインターフェイス516を確立することがある、例えばNRの無線アクセスなどの無線技術を実装することがある。
【0022】
態様において、基地局514aおよびWTRU502a、502b、502cは、複数の無線アクセス技術を実装することがある。例えば、基地局514aおよびWTRU502a、502b、502cは、例えばDC(dual connectivity;デュアルコネクティビティ)の原理を用いて、LTEの無線アクセスおよびNR無線のアクセスをともに実装することがある。したがって、WTRU502a、502b、502cによって利用されるエアインターフェイスは、複数の種類の無線アクセス技術、および/または複数の種類の基地局(例えば、eNBおよびgNB)に/から送られる送信によって、特徴付けられることがある。
【0023】
他の態様において、基地局514aおよびWTRU502a、502b、502cは、例えば、IEEE802.11(すなわち、WiFi(Wireless Fidelity))、IEEE802.16(すなわち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV-DO、IS-2000(Interim Standard 2000)、IS-95(Interim Standard 95)、IS-856(Interim Standard 856)、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE)などのような無線技術を実装することがある。
【0024】
図1Aにおける基地局514bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームNode B、ホームeNode B、またはアクセスポイントであってもよく、例えば、事業所、家庭、車両、キャンパス、工業施設、空中回廊(例えば、ドローンによる使用のための)、車道などのような局所的なエリアにおいてワイヤレス接続を容易にするのに適したどんなRATでも利用してよい。一態様において、基地局514bおよびWTRU502c、502dは、WLAN(wireless local area network)を確立するために、例えばIEEE802.11などの無線技術を実装することがある。態様において、基地局514bおよびWTRU502c、502dは、WPAN(wireless personal area network)を確立するために、例えばIEEE802.15などの無線技術を実装することがある。さらに別の態様において、基地局514bおよびWTRU502c、502dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するために、セルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用することがある。図1Aに示すように、基地局514bは、インターネット510への直接接続を有することがある。したがって、基地局514bは、CN506/515を介してインターネット510にアクセスすることが要求されないことがある。
【0025】
RAN504/513は、CN506/515と通信状態であってもよく、音声、データ、アプリケーション、および/またはVoIP(voice over internet protocol)サービスを、WTRU502a、502b、502c、502dのうちの1つまたは複数に提供するように構成されるどのタイプのネットワークであってもよい。データは、例えば、異なるスループットの要件、待ち時間の要件、エラーの許容範囲の要件、信頼性の要件、データスループットの要件、モビリティの要件などのような様々なQoS(quality of service)の要件を有することがある。CN506/515は、コール制御、料金請求サービス、モバイルロケーションベースサービス(mobile location-based service)、プリペイドコーリング、インターネット接続、ビデオ配信などを提供すること、および/または例えばユーザー認証などのハイレベルなセキュリティー機能を実行することがある。図1Aに示さないが、RAN504/513および/またはCN506/515は、RAN504/513と同一のRATまたは異なるRATを採用する他のRANと直接または間接の通信状態にあってもよいと理解されるであろう。例えば、CN506/515は、NRの無線技術を利用していることがあるRAN504/513に接続されていることに加えて、さらに、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、またはWiFiの無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信状態にあることもある。
【0026】
さらに、CN506/515は、WTRU502a、502b、502c、502dがPSTN508、インターネット510、および/またはその他のネットワーク512にアクセスするためのゲートウェイとしての役割を果たすこともある。PSTN508は、POTS(plain old telephone service)を提供する回線交換の電話網を含むことがある。インターネット510は、一般的な通信プロトコル、例えば、TCP(transmission control protocol)/IP(internet protocol)のインターネットプロトコルスイートにおけるTCP、UDP(user datagram protocol)、および/またはIPなどを使用する相互接続されたコンピューターネットワークおよびデバイスからなるグローバルシステムを含むことがある。ネットワーク512は、他のサービスプロバイダによって所有されるおよび/または運営される有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークを含むことがある。例えば、ネットワーク512は、RAN504/513と同一のRATまたは異なるRATを採用することがある1つまたは複数のRANに接続される別のCNを含むことがある。
【0027】
通信システム500におけるWTRU502a、502b、502c、502dのうちのいくつかまたはすべては、マルチモードの性能を含むことがある(例えば、WTRU502a、502b、502c、502dは、別個のワイヤレスリンクを介して別個のワイヤレスネットワークと通信するために複数のトランシーバーを含むことがある)。例えば、図1Aに示すWTRU502cは、セルラーベースの無線技術を採用することがある基地局514aと、およびIEEE802の無線技術を採用することがある基地局514bと通信するように構成されることがある。
【0028】
図1Bは、例示的なWTRU502を例示するシステム図である。図1Bに示すように、WTRU502は、数ある中でも、プロセッサー518、トランシーバー520、送信/受信エレメント522、スピーカー/マイクロフォン524、キーパッド526、ディスプレイ/タッチパッド528、取り外しできないメモリー530、取り外し可能なメモリー532、電源534、GPS(全地球測位システム)のチップセット536、および/または他のペリフェラル538を含むことがある。WTRU502は、態様に矛盾しないまま、上述の要素のどんな部分的な組合せ(sub-combination)でも含むことがあると理解されるであろう。
【0029】
プロセッサー518は、汎用プロセッサー、専用プロセッサー、従来型プロセッサー、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサー、DSPコアとともに1つまたは複数のマイクロプロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他種類のIC(集積回路)のいずれか、ステートマシンなどであってもよい。プロセッサー518は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU502にワイヤレス環境において動作できるようにする他のどんな機能でも実行することがある。プロセッサー518は、送信/受信エレメント522に結合することがあるトランシーバー520に結合されることがある。図1Bは、プロセッサー518およびトランシーバー520を別々のコンポーネントとして描く一方、プロセッサー518およびトランシーバー520は、電子パッケージまたはチップにおいてともに統合されることがあると理解されるであろう。
【0030】
送信/受信エレメント522は、エアインターフェイス516を介して、基地局(例えば、基地局514a)に対して信号を送信するまたは受信するように構成されることがある。例えば、一態様においては、送信/受信エレメント522は、RF信号を送信するおよび/または受信するように構成されるアンテナであってもよい。態様において、送信/受信エレメント522は、例えば、IR信号、UV信号もしくは可視光信号を送信する、および/または受信するように構成されるエミッター/ディテクターであってもよい。さらに別の態様において、送信/受信エレメント522は、RFおよび光の信号の両方を送信するおよび/または受信するように構成されることがある。送信/受信エレメント522は、ワイヤレス信号のどんな組合せでも送信するおよび/または受信するように構成されることがあると理解されるであろう。
【0031】
送信/受信エレメント522は、図1Bにおいて単一の要素として描かれるが、WTRU502は、送信/受信エレメント522をいくつでも含むことがある。より具体的には、WTRU502は、MIMOの技術を採用することがある。したがって、一態様において、WTRU502は、エアインターフェイス516を介して、ワイヤレス信号を送信し受信するために、2つ以上の送信/受信エレメント522(例えば、複数のアンテナ)を含むことがある。
【0032】
トランシーバー520は、送信/受信エレメント522によって送信されることである信号を変調するように、および送信/受信エレメント522によって受信される信号を復調するように構成されることがある。上に述べたように、WTRU502は、マルチモードの性能を有することがある。したがって、例えば、トランシーバー520は、WTRU502に、例えばNRおよびIEEE802.11などの複数のRATによって通信できるようにするために、複数のトランシーバーを含むことがある。
【0033】
WTRU502のプロセッサー518は、スピーカー/マイクロフォン524、キーパッド526、および/またはディスプレイ/タッチパッド528(例えば、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイユニットもしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイユニット)により、結合されることがあり、およびユーザー入力データを受信することがある。さらに、プロセッサー518は、ユーザーデータを、スピーカー/マイクロフォン524、キーパッド526、および/またはディスプレイ/タッチパッド528に出力することもある。加えて、プロセッサー518は、適切な、どんなタイプのメモリーでも、例えば、取り外しできないメモリー530および/または取り外し可能なメモリー532などに対して、情報にアクセスしデータを格納することがある。取り外しできないメモリー530は、RAM(random-access memory)、ROM(読み出し専用メモリー)、ハードディスク、または他のどんなタイプのメモリーストレージデバイスでも含むことがある。取り外し可能なメモリー532は、SIM(subscriber identity module)カード、メモリースティック、SD(secure digital)メモリーカードなどを含むことがある。他の態様において、プロセッサー518は、WTRU502に物理的に配置されない、例えば、サーバーまたはホーコンピューター(図示せず)などのメモリーに対して、情報にアクセスしデータを格納することがある。
【0034】
プロセッサー518は、電源534から電力を受け取ることがあり、WTRU502におけるその他のコンポーネントへの電力を分配および/または制御するように構成されることがある。電源534は、WTRU502に電力を供給するのに適したどのデバイスでもあってもよい。例えば、電源534は、1つまたは複数の乾電池(例えば、NiCd(ニッケルカドミウム)、NiZn(ニッケル亜鉛)、NiMH(ニッケル水素)、Li-ion(リチウムイオン)など)、太陽電池、燃料電池などを含むことがある。
【0035】
さらに、プロセッサー518は、WTRU502の現在のロケーションに関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成されることがあるGPSチップセット536に結合されることもある。GPSチップセット536からの情報に加えてまたは代わりに、WTRU502は、基地局(例えば、基地局514a、514b)からエアインターフェイス516を介して位置情報を受信する、および/または2つ以上の近隣の基地局から受信されている信号のタイミングに基づいてそのロケーションを決定することがある。WTRU502は、態様に矛盾しないまま、適切な、どんな位置決定(location-determination)の方法を通じてでも位置情報を取得することがあるということが理解されるであろう。
【0036】
さらに、プロセッサー518は、追加の特徴、機能性、および/または有線接続もしくはワイヤレス接続を提供する1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことがある他のペリフェラル538に結合されることがある。例えば、ペリフェラル538は、加速度計、eコンパス、衛星トランシーバー、デジタルカメラ(写真および/またはビデオ用)、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、振動デバイス、テレビジョントランシーバー、ハンドフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(frequency modulated)ラジオユニット、デジタルミュージックプレーヤー、メディアプレーヤー、ビデオゲームプレーヤーモジュール、インターネットブラウザー、VR/AR(仮想現実および/または拡張現実)デバイス、アクティビティートラッカーなどを含むことがある。ペリフェラル538は、1つまたは複数のセンサーを含むことがあり、センサーは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサー、磁力計、方位センサー、近接センサー、温度センサー、時間センサー、ジオロケーションセンサー(geolocation sensor)、高度計、光センサー、タッチセンサー、磁力計、気圧計、ジェスチャーセンサー、生体認証センサー、および/または湿度センサーのうちの1つまたは複数であってもよい。
【0037】
WTRU502は、(例えば、UL(例えば、送信用)およびダウンリンク(例えば、受信用)の両方に関して特定のサブフレームに関連付けられた)信号のうちのいくつかまたはすべての送信および受信が並列および/または同時であってもよい全二重無線を含むことがある。全二重無線は、ハードウェア(例えば、チョーク)か、プロセッサー(例えば、別々のプロセッサー(図示せず)、またはプロセッサー518による)による信号処理かのいずれかによる自己干渉を減らすおよびまたは実質的になくすための干渉管理ユニットを含むことがある。態様において、WRTU502は、(例えば、UL(例えば、送信用)かダウンリンク(例えば、受信用)かのいずれかに関して特定のサブフレームに関連付けられた)信号のうちのいくつかまたはすべての送信および受信が半二重無線を含むことがある。
【0038】
図1Cは、態様によるRAN504およびCN506を例示するシステム図である。上に述べたように、RAN504は、エアインターフェイス516を介してWTRU502a、502b、502cと通信するためにE-UTRAの無線技術を採用することがある。さらに、RAN504は、CN506と通信状態にあることもある。
【0039】
RAN504は、eNode-B560a、560b、560cを含むことがあるが、RAN504は、態様に矛盾しないまま、eNode-Bをいくつでも含むことがあると理解されるであろう。eNode-B560a、560b、560cは、各々、エアインターフェイス516を介してWTRU502a、502b、502cと通信するために1つまたは複数のトランシーバーを含むことがある。一態様において、eNode-B560a、560b、560cは、MIMOの技術を実装することがある。したがって、例えば、eNode-B560aは、WTRU502aに対して、ワイヤレス信号を送信するおよび/またはワイヤレス信号を受信するために複数のアンテナを使用することがある。
【0040】
eNode-B560a、560b、560cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられることがあり、無線リソース管理の決定、ハンドオーバーの決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザーのスケジューリングなどを取り扱うように構成されることがある。図1Cに示すように、eNode-B560a、560b、560cは、X2インターフェースを介して互いに通信することがある。
【0041】
図1Cに示されるCN506は、MME(mobility management entity)562、SGW(サービングゲートウェイ)564、およびPDN(packet data network)ゲートウェイ(またはPGW)566を含むことがある。上述の要素の各々は、CN506の一部として描かれる一方、今述べた要素のうちのいずれかが、CNオペレーター以外のエンティティーによって所有されるおよび/または運営されることがあるということが理解されるであろう。
【0042】
MME562は、S1インターフェースを介して、RAN504におけるeNode-B562a、562b、562cの各々に接続されることがあり、制御ノードとしての役割を果たすことがある。例えば、MME562は、WTRU502a、502b、502cのユーザーを認証すること、ベアラのアクティベーション/非アクティベーション、WTRU502a、502b、502cの初期の接続中に特定のサービングゲートウェイを選択することなどに対して責任があってもよい。MME562は、RAN504と、例えば、GSMおよび/またはWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えに、制御プレーン機能を提供することがある。
【0043】
SGW564は、S1インターフェースを介して、RAN504におけるeNode B560a、560b、560cの各々に接続されることがある。一般に、SGW564は、ユーザーデータパケットを、WTRU502a、502b、502cに対して、ルーティングし転送することがある。SGW564は、例えば、eNode B間ハンドオーバーの間にユーザープレーンを固定すること、DLデータがWTRU502a、502b、502cに利用可能なときページングをトリガーすること、WTRU502a、502b、502cのコンテキストを管理し格納することなどのような他の機能を実行することがある。
【0044】
SGW564は、WTRU502a、502b、502cと、IP対応デバイスとの間における通信を容易にするために、パケット交換ネットワーク、例えばインターネット510などへのアクセスを、WTRU502a、502b、502cに提供することがあるPGW566に接続されることがある。
【0045】
CN506は、他のネットワークとの通信を容易にすることがある。例えば、CN506は、WTRU502a、502b、502cと、従来の地上通信線の通信デバイスとの間における通信を容易にするために、回線交換ネットワーク、例えばPSTN508などへのアクセスを、WTRU502a、502b、502cに提供することがある。例えば、CN506は、CN506とPSTN508との間におけるインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IMS(IPマルチメディアサブシステム)サーバー)を含むことがある、またはIPゲートウェイと通信することがある。加えて、CN506は、他のサービスプロバイダによって所有されるおよび/または運営される他の有線および/またはワイヤレスのネットワークを含むことがある他のネットワーク512へのアクセスを、WTRU502a、502b、502cに提供することがある。
【0046】
WTRUは、図1A図1Dにおいてワイヤレス端末として説明されるが、ある典型的な態様において、上記の端末は、通信ネットワークとの有線通信インターフェースを(例えば、一時的にまたは永久に)使用することがあると予想される。
【0047】
典型的な態様において、その他のネットワーク512は、WLANであってもよい。
【0048】
インフラストラクチャーのBSS(Basic Service Set)のモードにおけるWLANは、BSS用のAP(アクセスポイント)と、APに関連付けられた1つまたは複数のSTA(ステーション)とを有することがある。APは、DS(配信システム)、またはBSSに出入りするトラフィックを搬送する別のタイプの有線ネットワーク/ワイヤレスネットワークに対するアクセスまたはインターフェースを有することがある。BSSの外部から生じるSTAへのトラフィックは、APを通じて届くことがあり、STAへ配信されることがある。STAからBSSの外部の宛先へ生じるトラフィックは、APへ送られて、それぞれの宛先へ配信されることがある。BSS内のSTA間のトラフィックは、例えば、発信元のSTAがトラフィックをAPに送ることがあり、APがトラフィックを送信先のSTAに配信することがある場合に、APを通じて送られることがある。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアのトラフィックと考えられる、および/またはいわれることがある。ピアツーピアのトラフィックは、DLS(direct link setup)によって、発信元および送信先のSTA間に(例えば、の間でダイレクトに)送られることがある。ある典型的な態様において、DLSは、802.11eのDLSまたは802.11zのTDLS(tunneled DLS)を使用することがある。IBSS(Independent BSS)モードを用いるWLANは、APを有さないことがあり、IBSS内のまたはIBSSを用いるSTA(例えば、すべてのSTA)は、互いに直接通信することがある。通信のIBSSモードは、本明細書においは、時には、通信の「アドホック」モードということがある。
【0049】
動作の802.11acインフラストラクチャーモードまたは動作の同様のモードを用いるとき、APは、例えば、プライマリーチャネルなどの固定されたチャネル上にビーコンを送信することがある。プライマリーチャネルは、固定された幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)、またはシグナリングにより動的に設定される幅であってもよい。プライマリーチャネルは、BSSの動作チャネルであってもよく、APとの接続を確立するためにSTAによって用いられることがある。ある典型的な態様において、CSMA/CA(搬送波感知多重アクセス/衝突回避)は、例えば、802.11システムに実装されることがある。CSMA/CAに関し、APを含むSTA(例えば、あらゆるSTA)は、プライマリーチャネルを感知することがある。プライマリーチャネルが、特定のSTAによって、感知される/検出される、および/または、ビジーであると決定されるならば、特定のSTAは、バックオフをすることがある。1つのSTA(例えば、ただ1つのステーション)は、与えられたBSSにおいて、与えられたどんなときにでも送信することがある。
【0050】
HT(高スループット)のSTAは、例えば、40MHz幅のチャネルを構成するために、20MHzのプライマリーチャネルと、隣り合う(adjacent)または隣り合わない20MHzのチャネルとの組み合わせによって、通信用に40MHz幅のチャネルを使用することがある。
【0051】
VHT(Very High ThroughPUt)のSTAは、20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHzの幅のチャネルをサポートすることがある。40MHzおよび/または80MHzのチャネルは、連続的な(contiguous)20MHzを組み合わせることによって構成されることがある。160MHzのチャネルは、8つの連続的な20MHzのチャネルを組み合わせることによって、または80+80構成ということがある2つの非連続的な(non-contiguous)80MHzのチャネルを組み合わせることによって、構成されることがある。80+80構成に関し、データは、チャネルエンコーディングの後に、データを2つのストリームへと分割することがあるセグメントパーサー(segment parser)にすすむことがある。IFFT(逆高速フーリエ変換)処理、および時間領域処理は、別々に、各ストリーム上において行われることがある。ストリームは、2つの80MHzのチャネル上にマップされることがあり、データは、送信側のSTAによって送信されることがある。受信側のSTAのレシーバーにおいて、上に述べた80+80構成に対する動作は、反転されることがあり、組み合わされたデータは、MAC(メディアアクセス制御)に送られることがある。
【0052】
動作のサブの1GHzモードは、802.11afおよび802.11ahによってサポートされる。チャネルの動作帯域幅、およびキャリアは、802.11nおよび802.11acに用いられるのと比較して802.11afおよび802.11ahにおいて減らされる。802.11afは、TVWS(TVホワイトスペース)のスペクトルにおける5MHz、10MHz、および20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、TVWSでない(non-TVWS)スペクトルを用いる1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHzの帯域幅をサポートする。典型的な態様によれば、802.11ahは、メータタイプ制御(Meter Type Control)/マシンタイプ通信(Machine-Type Communication)を、例えば、マクロカバレッジエリアにおけるMTCデバイスなどをサポートすることがある。MTCデバイスは、ある程度の性能、例えば、ある程度のおよび/または制限された帯域幅用のサポート(例えば、サポートのみ)を含む制限された性能を有することがある。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリー寿命を維持するために)しきい値を超えるバッテリー寿命を有するバッテリーを含むことがある。
【0053】
複数のチャネル、およびチャネル帯域幅、例えば、802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなどをサポートすることがあるWLANシステムは、プライマリーチャネルとして指定されることがあるチャネルを含む。プライマリーチャネルは、BSSにおいて、すべてのSTAによってサポートされる最大の共通の動作帯域幅に等しい帯域幅を有することがある。プライマリーチャネルの帯域幅は、BSSにおいて動作しているすべてのSTAの中から、最小の帯域幅の動作モードをサポートするSTAによって設定および/または制限されることがある。802.11ahの例において、たとえAP、およびBSSにおける他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、および/または他のチャネル帯域幅の動作モードをサポートしても、プライマリーチャネルは、1MHzモードをサポートする(例えば、サポートするだけの)STA(例えば、MTCタイプデバイス)に対して1MHz幅であってもよい。キャリアセンシングおよび/またはNAV(Network Allocation Vector;ネットワーク割当てベクトル)設定は、プライマリーチャネルの状態に依存することがある。プライマリーチャネルが、例えば、APに送信している(1MHzの動作モードだけをサポートする)STAに起因してビジーであるならば、利用可能な全周波数帯域は、たとえ周波数帯域の大部分がアイドルのままであり利用可能であることがあっても、ビジーと考えられることがある。
【0054】
米国において、802.11ahによって用いられることがある利用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzまでである。韓国において、利用可能な周波数帯域は、917.5MHzから923.5MHzまでである。日本において、利用可能な周波数帯域は、916.5MHzから927.5MHzまでである。802.11ahに利用可能な合計の帯域幅は、国コードによって、6MHzから26MHzまでである。
【0055】
図1Dは、態様によるRAN513およびCN515を例示するシステム図である。上に述べたように、RAN513は、エアインターフェイス516を介してWTRU502a、502b、502cと通信するためにNRの無線技術を採用することがある。さらに、RAN513は、CN515と通信状態にあることもある。
【0056】
RAN513は、gNB580a、580b、580cを含むことがあるが、RAN513は、態様に矛盾しないまま、gNBをいくつでも含むことがあるということが理解されるであろう。gNB580a、580b、580cは、各々、エアインターフェイス516を介してWTRU502a、502b、502cと通信するために1つまたは複数のトランシーバーを含むことがある。一態様において、gNB580a、580b、580cは、MIMOの技術を実装することがある。例えば、gNB580a、508bは、gNB580a、580b、580cに対して、信号を送信するおよび/または信号を受信するためにビームフォーミングを利用することがある。したがって、例えば、gNB580aは、WTRU502aに対して、ワイヤレス信号を送信するために、および/またはワイヤレス信号を受信するために、複数のアンテナを使用することがある。態様において、gNB580a、580b、580cは、キャリアアグリゲーションの技術を実装することがある。例えば、gNB580aは、複数のコンポーネントキャリアをWTRU502a(図示せず)に送信することがある。今述べたコンポーネントキャリアのサブセットは、残りのコンポーネントキャリアが、許可されたスペクトラム上にあってもよい間、許可されないスペクトラム上にあってもよい。態様において、gNB580a、580b、580cは、CoMP(Coordinated Multi-Point)の技術を実装することがある。例えば、WTRU502aは、gNB580aおよびgNB580b(および/またはgNB580c)から協調送信を受信することがある。
【0057】
WTRU502a、502b、502cは、スケーラブルなニューメロロジー(numerology)に関連付けられた送信を用いて、gNB580a、580b、580cと通信することがある。例えば、OFDMのシンボル間隔および/またはOFDMのサブキャリア間隔は、別個の送信、別個のセル、および/またはワイヤレス送信のスペクトルについての別個の部分に対して、変わることがある。WTRU502a、502b、502cは、種々のまたはスケーラブルな長さのサブフレームまたはTTI(送信時間間隔)(例えば、様々な数のOFDMシンボルおよび/または永続的な様々な長さの絶対時間を含む)を用いて、gNB580a、580b、580cと通信することがある。
【0058】
gNB580a、580b、580cは、スタンドアロンの構成および/またはスタンドアロンでない構成において、WTRU502a、502b、502cと通信するように構成されることがある。スタンドアロンの構成において、WTRU502a、502b、502cは、他のRAN(例えば、eNode-B560a、560b、560cなど)にアクセスすることもなく、gNB580a、580b、580cと通信することがある。スタンドアロンの構成において、WTRU502a、502b、502cは、gNB580a、580b、580cのうちの1つまたは複数を、モビリティアンカーポイント(mobility anchor point)として利用することがある。スタンドアロンの構成において、WTRU502a、502b、502cは、許可されない帯域における信号を用いて、gNB580a、580b、580cと通信することがある。スタンドアロンではない構成において、WTRU502a、502b、502cは、例えば、eNode-B560a、560b、560cなどの別のRANと通信している/接続している間にも、gNB580a、580b、580cと通信する/接続することがある。例えば、WTRU502a、502b、502cは、DCの原理を実装して、1つまたは複数のgNB580a、580b、580cおよび1つまたは複数のeNode-B560a、560b、560cと実質的に同時に通信することがある。スタンドアロンではない構成において、eNode-B560a、560b、560cは、WTRU502a、502b、502cのためのモビリティアンカーとして役割を果たすことがあり、gNB580a、580b、580cは、WTRU502a、502b、502cにサービスを提供することに、追加のカバレッジおよび/またはスループットを提供することがある。
【0059】
gNB580a、580b、580cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられることがあり、無線リソース管理の決定、ハンドオーバーの決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザーのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアルコネクティビティ、NRとE-UTRAとの間におけるインターワーキング、UPF(User Plane Function)584a、584bに対するユーザープレーンのデータのルーティング、AMF(Access and Mobility Management Function)582a、582bに対する制御プレーンの情報のルーティングなどを取り扱うように構成されることがある。図1Dに示すように、gNB580a、580b、580cは、Xnインターフェースを介して互いに通信することがある。
【0060】
図1Dに示されるCN515は、少なくとも1つのAMF582a、582b、少なくとも1つのUPF584a、584b、少なくとも1つのSMF(セッション管理機能)583a、583b、およびことによるとDN(データネットワーク)585a、585bを含むことがある。上述の要素の各々は、CN515の一部として描かれる一方、今述べた要素のうちのいずれかが、CNオペレーター以外のエンティティーによって所有されるおよび/または運営されることがあるということが理解されるであろう。
【0061】
AMF582a、582bは、N2インターフェースを介して、RAN513におけるgNB580a、580b、580cのうちの1つまたは複数に接続されることがあり、制御ノードとしての役割を果たすことがある。例えば、AMF582a、582bは、WTRU502a、502b、502cのユーザーを認証すること、ネットワークスライシングに対するサポート(例えば、別個の要件を有する別個のPDUのセッションを取り扱うこと)、特定のSMF583a、583bを選択すること、登録エリアの管理、NASシグナリングの終了、モビリティ管理などに対して責任があってもよい。ネットワークスライシングは、WTRU502a、502b、502cに利用されているサービスのタイプに基づいて、WTRU502a、502b、502c用のCNのサポートをカスタマイズするために、AMF582a、582bによって用いられることがある。例えば、別個のネットワークスライスは、例えば、超高信頼低遅延(URLLC)アクセスに依存するサービス、eMBB(enhanced massive mobile broadband)のアクセスに依存するサービス、MTC(マシンタイプ通信)のアクセスに関するサービスなどのような別個のユースケース(use case)に関して確立されることがある。AMF562は、制御プレーン機能を、RAN513と、例えばLTE、LTE-A、LTE-A Proなどの他の無線技術および/または例えばWiFiなどの非3GPPアクセス技術を採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えに、提供することがある。
【0062】
SMF583a、583bは、N11インターフェースを介して、CN515におけるAMF582a、582bに接続されることがある。さらに、SMF583a、583bは、N4インターフェースを介して、CN515におけるUPF584a、584bに接続されることもある。SMF583a、583bは、UPF584a、584bを選択し制御し、UPF584a、584bを通るトラフィックのルーティングを構成することがある。SMF583a、583bは、例えば、UEのIPアドレスを管理し割当てること、PDUのセッションを管理すること、ポリシーの実施(policy enforcement)およびQoSを制御すること、ダウンリンクデータ通知を提供することなどのような他の機能を実行することがある。PDUのセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネットベースなどであってもよい。
【0063】
UPF584a、584bは、N3インターフェースを介してRAN513におけるgNB580a、580b、580cのうちの1つまたは複数に接続されることがあり、WTRU502a、502b、502cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、WTRU502a、502b、502cに、例えば、インターネット510などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供することがある。UPF584、584bは、例えば、パケットをルーティングし転送すること、ユーザープレーンのポリシーを実施すること、マルチホームのPDUのセッションをサポートすること、ユーザープレーンのQoSを取り扱うこと、ダウンリンクのパケットをバッファリングすること、モビリティアンカリング(mobility anchoring)を提供することなどのような他の機能を実行することがある。
【0064】
CN515は、他のネットワークとの通信を容易にすることがある。例えば、CN515は、CN515とPSTN508との間におけるインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IMS(IPマルチメディアサブシステム)サーバー)を含むことがある、またはIPゲートウェイと通信することがある。加えて、CN515は、他のサービスプロバイダによって所有されるおよび/または運営される他の有線および/またはワイヤレスのネットワークを含むことがある他のネットワーク512へのアクセスを、WTRU502a、502b、502cに提供することがある。一態様において、WTRU502a、502b、502cは、UPF584a、584bへのN3インターフェース、およびUPF584a、584bとDN(データネットワーク)585a、585bとの間におけるN6インターフェースを介するUPF584a、584bを通じて、ローカルなDN585a、585bに接続されることがある。
【0065】
図1A~1D、および図1A~1Dに対応する説明の観点から、WTRU502a~d、基地局514a~b、eNode-B560a~c、MME562、SGW564、PGW566、gNB580a~c、AMF582a~b、UPF584a~b、SMF583a~b、DN585a~b、および/または本明細書において説明される他のどのデバイス(複数可)をとっても、1つまたは複数に関連して、本明細書において説明される機能のうちの1つもしくは複数またはすべては、1つまたは複数のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行されることがある。エミュレーションデバイスは、本明細書において説明される機能のうちの1つもしくは複数またはすべてをエミュレートするように構成される1つまたは複数のデバイスであってもよい。例えば、エミュレーションデバイスは、他のデバイスをテストするために、ならびに/またはネットワークおよび/もしくはWTRU機能をシミュレートするのに用いられることがある。
【0066】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境において、および/またはオペレーターのネットワーク環境において、他のデバイスの1つまたは複数のテストを実装するように設計されることがある。例えば、1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスをテストするために、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークの一部として全体的にもしくは部分的に実装されているおよび/または展開されている間、1つもしくは複数のまたはすべての機能を実行することがある。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークの一部として一時的に実装されている/展開されている間、1つもしくは複数のまたはすべての機能を実行することがある。エミュレーションデバイスは、テスティングの目的のために別のデバイスに直接結合されることがあり、および/またはOTA(over-the-air)のワイヤレス通信を用いてテスティングを実行することがある。
【0067】
1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークの一部として実装されていない/展開されていない間、すべてを含む、1つまたは複数の機能を実行することがある。例えば、エミュレーションデバイスは、1つまたは複数のコンポーネントのテスティングを実装するために、テスティングラボラトリーならびに/または展開されない(例えば、テスティングの)有線および/もしくはワイヤレスの通信ネットワークにおけるテスティングのシナリオにおいて利用されることがある。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、テスト機器であってもよい。ダイレクトなRFカップリング(direct RF coupling)、および/または(例えば、1つもしくは複数のアンテナを含むことがある)RF回路を介したワイヤレス通信は、データを送信するおよび/または受信するために、エミュレーションデバイスによって用いられることがある。
【0068】
本出願は、ツール、特徴、例、モデル、アプローチなどを含むいろいろな様相を説明する。今述べた様相の多くは、特殊性を有して説明され、少なくとも個々の特性を示すために、多くの場合、限定するような印象を与え得るやり方において説明される。しかしながら、今述べたことは、説明における明確さの目的のためであり、今述べた様相の適用または範囲を限定しない。確かに、異なった様相のすべては、組み合わされ、入れ替えられて、さらなる様相を提供することが可能である。さらにその上、態様は、同様に、より早い出願にて説明された様相と組み合わされ、入れ替えられることが可能である。
【0069】
本出願において説明されるおよび想定される様相は、多くの異なったかたちにおいて実装されることが可能である。本明細書に説明される図1~20は、いくつかの例を与えることがあるが、他の例が想定され、図1~20の解説は、実装の広さを限定しない。一般に、様相のうちの少なくとも1つは、ビデオエンコーディングおよびデコーディングに関し、一般に、少なくとも1つの他の態様は、生成されたまたはエンコードされたビットストリームを送信することに関する。今述べた様相および他の様相は、説明された方法のいずれかに従ってビデオデータをエンコードまたはデコードするために、方法、装置、命令を格納したコンピューター読み取り可能な記録媒体、および/または説明された方法のいずれかに従って生成されたビットストリームを格納したコンピューター読み取り可能な記録媒体として実装されることが可能である。
【0070】
本出願にて、用語「再構成されている」および「デコードされている」は、交換可能に使用されることがあり、用語「ピクセル」および「サンプル」は、交換可能に使用されることがあり、用語「画像」、「ピクチャ」、および「フレーム」は、交換可能に使用されることがある。通例、必ずしもではないが、「デコードされる」は、デコーダー側にて使用される。用語「再構成される」は、エンコーダー側にて、および/またはデコーダー側にて使用される。
【0071】
種々の方法が本明細書にて説明され、方法の各々は、説明されている方法を達成するために1つまたは複数のステップまたは動作を含む。ステップまたは動作の特定の順が方法の固有の操作に対して必要とされない限り、特定のステップおよび/または動作の順および/または使用は、修正される、または組み合わされることがある。さらに加えて、例えば「第1」、「第2」などの用語は、例えば、「第1のデコード」および「第2のデコード」など、エレメント、コンポーネント、ステップ、動作などを変更する種々の例において使用されることがある。そのような用語の使用は、特に必要とされない限り、変更された操作に対して順序付けることの意味を含まない。だから、今述べた例にて、第1のデコードは、第2のデコードの前に行われる必要がなく、例えば、第2のデコードの前に、第2のデコードの間に、または第2のデコードと重なる時間周期において生じてもよい。
【0072】
本出願にて説明される種々の方法および他の様相は、図2および図3に示されるようなビデオエンコーダー100およびデコーダー200のモジュール、例えばデコードモジュールを変更するのに使用されることが可能である。さらにその上、本様相は、VVCまたはHEVCに限定されず、例えば、以前から存在しようが将来開発されようが、他の規格および勧告に、ならびにどれかの上記の規格および勧告(VVCおよびHEVCを含む)の拡張に適用されることが可能である。特に示されない限り、または特に技術的に妨げられない限り、本出願にて説明された様相は、個々にまたは組み合わせにおいて使用されることが可能である。
【0073】
種々の数値は、本出願にて使用され、例えば、4×8、4×N、8×4、および8×NのCUサイズ、4サンプルである最小予測ブロック幅、32以上のサンプルを含むPUである。特定の値は、例示的な目的のためであり、説明された様相は、今述べた特定の値に限定されない。
【0074】
例えばVVCなどのブロックベースのビデオ符号化システムは、ブロックベースのハイブリッドビデオ符号化フレームワークを含むことがある。図2は、例示的なブロックベースのハイブリッドビデオエンコードシステム200のブロック図を例示する。エンコーダー200の変形が想定されるが、エンコーダー200は、すべての予期される変形を説明することなく、明確さの目的のために以下に説明される。入力ビデオ信号202は、ブロック(例えば、符号化単位(coding unit;CU))ずつ、処理されることがある。CUは、128x128ピクセルまでのCUサイズを含むことがある。CTU(coding tree unit)は、四分木/二分木/三分木に基づいて、変化する局所的な特性に適応させるCUに割られることがある。CUは、さらなる分割なしに予測および変換のための基本単位として使用され得る。マルチタイプの木構造の場合に、CTUは、四分木構造(quad-tree structure)によって分割され得る。四分木の葉ノード(たとえば、各四分木リードノード)は、二分木構造および三分木構造によってさらに分割されることがある。
【0075】
図2を参照して、入力ビデオブロック(たとえば、MB(マクロブロック)またはCU)に対して、空間予測260または動き予測262が、行われることがある。空間予測(たとえば、またはイントラ予測)は、カレントビデオブロックを予測する同一のビデオピクチャおよび/またはスライスにおいて既に符号化された隣接ブロックから、ピクセルを使用することがある。空間予測は、ビデオ信号に固有の空間的な冗長性を減らすことがある。時間予測(たとえば、インター予測、または動き補償される予測と言われる)は、カレントビデオブロックを予測する既に符号化されたビデオピクチャから、ピクセルを使用することがある。時間予測は、ビデオ信号に固有の時間的な冗長性を減らすことがある。CUに対する時間予測信号は、カレントCUとその時間参照との間の動きの量および方向を示すことがある1つまたは複数の動きベクトル(MV)によってシグナリングされることがある。複数の参照ピクチャがサポートされるならば、参照ピクチャインデックスは、デコーダーにシグナリングされることがある。参照インデックスは、時間予測信号が、参照ピクチャストア264におけるどの参照ピクチャから来ることがあるかを特定するのに使用されることがある。
【0076】
空間予測および/または時間予測の後に、エンコーダーにおけるモード決定280は、例えば、レート歪み最適化メカニズムに基づいて予測モードを選択することがある。予測ブロックは、216にて、カレントビデオブロックから減じられ得る。予測残差は、変換モジュール204および量子化モジュール206を用いて非相関化されて、目標ビットレートを達成し得る。量子化された残差係数は、210にて逆量子化され、212にて逆変換されて、再構成された残差を形成し得る。再構成された残差は、226にて、予測ブロックに戻して加えられて、再構成されたビデオブロックを形成し得る。例えば、デブロッキングフィルタおよび/または適応的なループフィルタなどのループ内フィルターは、参照ピクチャストア264に入れられる前に、266にて、再構成されたビデオブロックに適応されることがある。参照ピクチャストア264における参照ピクチャは、将来のビデオブロックを符号化するのに使用され得る。出力ビデオビットストリーム220が形成され得る。符号化モード(たとえば、インターまたはイントラ)、予測モード情報、動き情報、および/または量子化された残差係数は、エントロピー符号化ユニット208へ送られて、ビットストリーム220を形成するために圧縮されパックされることがある。
【0077】
図3は、例示的なブロックベースのビデオデコーダー300の一般的なブロック図を例示する。ビデオビットストリーム302は、エントロピーデコードユニット308にて、受信され、アンパックされ、および/またはエントロピーデコードされることがある。符号化モードおよび/または予測情報は、空間予測ユニット360(たとえば、イントラ符号化されている場合)に、および/または時間予測ユニット362(たとえば、インター符号化されている場合)に送られて、予測ブロックを形成することがある。残差変換係数は、逆量子化ユニット310および逆変換ユニット312へ送られて、残差ブロックを再構成することがある。予測ブロックおよび残差ブロックは、326にて加えられることがある。再構成されたブロックは、ループ内フィルタリング366を通り抜けることがあり、参照ピクチャストア364に格納されることがある。参照ピクチャストア364における再構成されたビデオは、ディスプレイデバイスを駆動するのに、および/または将来のビデオブロックを予測するのに使用されることがある。例にて、デコーダー300は、ISPが、ビデオビットストリーム302を受信した、アンパックした、および/またはエントロピーデコードした後に、カレントブロックに対して有効にされることを決定することがある。符号化モード情報(例えば、イントラ符号化モード)は、空間予測ユニット360に送られて、予測ブロックを形成してもよい。デコーダー300は、アンパックされた、および/またはエントロピーデコードされたビデオビットストリーム302に基づいて、カレントブロックに対して、sサブパーティション幅を決定してもよい。カレントブロックにおけるサブパーティションに対して、デコーダーは、サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて、対応する予測ブロックを決定してもよい。最小予測ブロック幅は、予測ブロック幅について予め決められている値であってもよい。デコーダー300は、空間予測ユニット360にて参照サンプルを決定してもよい。デコーダー300は、参照サンプルを用いて予測ブロックを予測してもよい。
【0078】
図4は、種々の様相および例が実装されるシステムの例についてのブロック図を例示する。システム1000は、以下に説明される種々のコンポーネントを含むデバイスとして具体化されることが可能であり、本文書にて説明される1つまたは複数の様相を行うように構成される。上記のデバイスの例は、限定されないが、例えば、パーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター、スマートフォン、タブレットコンピューター、デジタルマルチメディアセットトップボックス、デジタルテレビ放送受信機、パーソナルビデオレコーディングシステム、連結される家庭用電気機器、およびサーバーなどの種々の電子デバイスを含む。システム1000のエレメントは、単独にまたは組み合わせにて、単一の集積回路(IC)、複数のIC、および/または個別のコンポーネントに具体化されることが可能である。例えば、少なくとも1つの例にて、システム1000の処理およびエンコーダー/デコーダーエレメントは、複数のICおよび/または個別のコンポーネントにわたって分散される。種々の例にて、システム1000は、例えば、通信バスを介して、または専用の入力および/もしくは出力ポートを介して、1つもしくは複数の他のシステム、または他の電子デバイスに通信接続される。種々の例にて、システム1000は、本文書に説明される1つまたは複数の様相を実装するように構成される。
【0079】
システム1000は、例えば、本文書に説明される種々の様相を実装するためにロードされる命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサー1010を含む。プロセッサー1010は、埋め込まれたメモリー、入出力インターフェース、および当技術分野にて知られている種々の他の回路を含むことが可能である。システム1000は、少なくとも1つのメモリー1020(たとえば、揮発性メモリーデバイス、および/または不揮発性メモリーデバイス)を含む。システム1000は、限定ではないが、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュ、磁気ディスクドライブ、および/または光ディスクドライブを含む不揮発性メモリーおよび/または揮発性メモリーを含むことが可能であるストレージデバイス1040を含む。ストレージデバイス1040は、非限定の例として、内部ストレージデバイス、付属のストレージデバイス(分離できるストレージデバイス、および分離できないストレージデバイスを含む)、および/またはネットワークアクセス可能なストレージデバイスを含むことが可能である。一例にて、1つまたは複数のプロセッサーを含む装置は、ISPがカレントブロックに対して有効にされることを決定することを行うように構成されることがある。1つまたは複数のプロセッサーは、カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定することを行うように構成されることがある。1つまたは複数のプロセッサーは、サブパーティション幅と、カレントブロックにおけるサブパーティションに対する最小予測ブロック幅とに基づいて、対応する予測ブロックを決定することを行うように構成されることがある。1つまたは複数のプロセッサーは、参照サンプルを決定することを行うように構成されることがある。1つまたは複数のプロセッサーは、参照サンプルを用いて予測ブロックを予測することを行うように構成されることがある。1つまたは複数のプロセッサーを含む装置は、デコーダーまたはエンコーダーであってもよい。
【0080】
信号は、装置に、本明細書における1つまたは複数のステップを行うことを可能にするのに送られることがある。例えば、装置は、装置に、本明細書における1つまたは複数のステップを行うことを可能にするデータにアクセスするように構成されたアクセスユニットと、データを送信するように構成されたトランスミッターとを含むことがある。方法は、装置に、本明細書における1つまたは複数のステップを行うことを可能にするデータにアクセスすることと、データを送信することとを含むことがある。コンピューター読み取り可能な媒体は、装置に、本明細書における1つまたは複数のステップを行うことを可能にするデータを含むことがある。
【0081】
システム1000は、例えば、エンコードされたビデオまたはデコードされたビデオを提供するデータを処理するように構成されたエンコーダー/デコーダーモジュール1030を含み、エンコーダー/デコーダーモジュール1030は、独自のプロセッサーおよびメモリーを含むことが可能である。エンコーダー/デコーダーモジュール1030は、エンコード機能および/またはデコード機能を行うデバイスに含まれることが可能であるモジュール(複数可)を表す。既知であるように、デバイスは、エンコードモジュールおよびデコードモジュールのうちの1つまたは両方を含むことが可能である。さらに加えて、エンコーダー/デコーダーモジュール1030は、システム1000の別個のエレメントとして実装されることが可能である、または当業者に知られているようにハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとしてプロセッサー1010内に組み入れられることが可能である。
【0082】
本文書に説明される種々の様相を行うプロセッサー1010またはエンコーダー/デコーダー1030上にロードされるプログラムコードは、ストレージデバイス1040に格納され、続いてプロセッサー1010による実行のためにメモリー1020上にロードされることが可能である。種々の例にしたがって、1つまたは複数のプロセッサー1010、メモリー1020、ストレージデバイス1040、およびエンコーダー/デコーダーモジュール1030は、本文書に説明されるプロセスの実行中に1つまたは複数の種々のアイテムを格納することが可能である。上記の格納されるアイテムは、限定しないが、入力ビデオ、デコードされたビデオ、またはデコードされたビデオの一部、ビットストリーム、行列、変数、ならびに等式、公式、演算、および操作ロジックの処理からの中間または最終の結果を含むことが可能である。
【0083】
いくつかの例にて、プロセッサー1010および/またはエンコーダー/デコーダーモジュール1030の内部のメモリーは、命令を記憶し、エンコードするまたはデコードする間に必要とされる処理にワーキングメモリーを提供するのに使用される。しかしながら、他の例にて、処理デバイス(例えば、処理デバイスは、プロセッサー1010またはエンコーダー/デコーダーモジュール1030のいずれかであることが可能である)の外部のメモリーは、1つまたは複数の今述べた機能ために使用される。外部メモリーは、メモリー1020および/またはストレージデバイス1040、例えば、ダイナミック型揮発性メモリーおよび/または不揮発性フラッシュメモリーであることが可能である。いくつかの例にて、外部不揮発性フラッシュメモリーを使用して、例えば、テレビのオペレーティングシステムを格納する。少なくとも1つの例にて、例えばRAMのような高速外部ダイナミック型揮発性メモリーは、ビデオ符号化およびデコード操作に対して、例えば、MPEG-2(MPEGは、Moving Picture Experts Groupを引用し、さらにMPEG-2は、ISO/IEC13818と呼ばれ、さらに13818-1は、H.222として知られ、さらに13818-2は、H.262として知られる)、HEVC(HEVCは、さらにH.265およびMPEG-H Part2としても知られるHigh Efficiency Video Codingを引用する)、またはVVC(Versatile Video Coding、JVET、the Joint Video Experts Teamによって開発されている規格)などに対してワーキングメモリーとして使用される。
【0084】
システム1000のエレメントへの入力は、ブロック1130に示されるように、種々の入力デバイスを介して提供されることが可能である。上記の入力デバイスは、限定されないが、(i)例えば、放送局によって電波を介して送信されるRF(radio frequency)信号を受信するRF部、(ii)COMP(Component)入力端子(またはCOMP入力端子のセット)、(iii)USB(Universal Serial Bus)入力端子、および/または(iv)HDMI(High Definition Multimedia Interface)入力端子を含む。図4にて示されない他の例は、コンポジット映像を含む。
【0085】
種々の例にて、ブロック1130の入力デバイスは、当技術分野にて知られているそれぞれの入力処理エレメントを関連付けている。例えば、RF部分は、(i)望まれる周波数を選択すること(信号を選択すること、または信号を周波数の帯域に帯域制限することとも言われる)と、(ii)選択された信号をダウンコンバートすることと、(iii)(例えば、)ある例にてチャネルと言われることが可能である単一の周波数帯域を選択する周波数のより狭い帯域に再び帯域制限することと、(iv)ダウンコンバートされ帯域制限された信号を復調することと、(v)誤り訂正を行うことと、(vi)逆多重してデータパケットについて望まれるストリームを選択することと、に適しているエレメントに関連付けられることが可能である。種々の例のRF部分は、今述べた機能を行う1つまたは複数のエレメント、例えば、周波数セレクター、信号セレクター、バンドリミッター、チャネルセレクター、フィルター、ダウンコンバーター、デモジュレーター、エラーコレクター、およびデマルチプレクサーを含む。RF部分は、例えば、受信信号を、より低い周波数(例えば、中間周波数もしくはベースバンドに近い周波数)に、またはベースバンドにダウンコンバートすることを含む、種々の機能を行うチューナーを含むことが可能である。1つのセットトップボックスの例にて、RF部分および関連する入力処理エレメントは、ワイヤード媒体(例えば、ケーブル)を介して送信されるRF信号を受信し、フィルタリングし、ダウンコンバートし、および望まれる周波数帯域に再びフィルタリングすることによって周波数選択を行う。種々の例は、上述した(および他の)要素の順序を再配置し、今述べた要素のいくつかを取り除き、および/または同様のまたは異なる機能を行う他の要素を加える。要素を加えることは、例えば、増幅器、およびアナログデジタル変換器を挿入することなど、既存の要素の間に要素を挿入することを含むことが可能である。種々の例にて、RF部分は、アンテナを含む。例にて、デバイスは、本明細書における装置と、(i)画像を表すデータを含む信号を受信するように構成されたアンテナ、(ii)受信した信号を、画像を表すデータを含む周波数の帯域に制限するように構成されたバンドリミッター(band limiter)、または(iii)画像を表示するように構成されたディスプレイのうちの少なくとも1つとを含んでもよい。本明細書における装置として成し遂げるように構成されたデバイスは、テレビ受像機、携帯電話、タブレット、またはSTB(セットトップボックス)を含むことがある。
【0086】
さらに加えて、USBおよび/またはHDMI端末は、システム1000を他の電子デバイスにUSBおよび/またはHDMIをわたって連結するために、それぞれのインターフェイスプロセッサーを含むことが可能である。入力処理の種々の様相、例えば、リードソロモン誤り訂正が、例えば、別個の入力処理IC内に、または必要に応じてプロセッサー1010内に実装されることが可能であることは、理解されることである。同様に、USBまたはHDMIインターフェース処理の様相は、別個の入力処理IC内に、または必要に応じてプロセッサー1010内に実装されることが可能である。復調された、誤り訂正された、および逆多重されたストリームは、例えば、プロセッサー1010と、メモリーおよびストレージエレメントと協働して動作して必要に応じて出力デバイスにおける提出のためにデータストリームを処理するエンコーダー/デコーダー1030とを含む種々の処理エレメントに提供される。
【0087】
システム1000の種々のエレメントは、統合エンドされているハウジング内に提供されることが可能であり、統合されているハウジング内において、種々のエレメントは、相互接続され、適切な連結配列1140、例えば、I2C(Inter-IC)バス、配線、およびプリント回路基板を含む当技術分野にて知られている内部バスを用いて、そこの間においてデータを送信することが可能である。
【0088】
システム1000は、他のデバイスとの通信を、通信チャネル1060を介して可能にする通信インターフェース1050を含む。通信インターフェース1050は、限定ではないが、データを通信チャネル1060を介して送信するようにおよび受信するように構成されたトランシーバーを含むことが可能である。通信インターフェース1050は、限定ではないが、モデムまたはネットワークカードを含むことが可能であり、通信チャネル1060は、例えば、ワイヤードおよび/またはワイヤレス媒体内に実装されることが可能である。
【0089】
データは、種々の例にて、例えば、Wi-Fiネットワーク、例えば、IEEE802.11(IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersを引用する)などのワイヤレスネットワークを用いて、システム1000にストリーミングされるまたは他の方法により提供される。今述べた例のWi-Fi信号は、Wi-Fi通信に合わせて変えられる通信チャネル1060および通信インターフェース1050を介して受信される。通常、今述べた例の通信チャネル1060は、ストリーミングアプリケーションおよび他のオーバーザトップ通信を可能にするために、インターネットを含む外部のネットワークへのアクセスを提供するアクセスポイントまたはルーターに連結される。他の例は、ストリーミングされたデータをシステム1000に、入力ブロック1130のHDMI接続を介してデータを配信するセットトップボックスを用いて提供する。依然として、他の例は、ストリーミングされたデータをシステム1000に、入力ブロック1130のRF接続を用いて提供する。上に示したように、種々の例は、ストリーミングではないやり方においてデータを提供する。さらに加えて、種々の例は、Wi-Fi以外のワイヤレスネットワーク、例えば、セルラーネットワークまたはBluetoothネットワークを使用する。
【0090】
システム1000は、出力信号を、ディスプレイ1100、スピーカー1110、および他の周辺デバイス1120を含む種々の出力デバイスに提供することが可能である。種々の例のディスプレイ1100は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、曲面ディスプレイ、および/または折り畳めるディスプレイのうちの1つまたは複数を含む。ディスプレイ1100は、テレビ、タブレット、ラップトップ、セルラーフォン(モバイルフォン)、または他のデバイス用であることが可能である。さらに、ディスプレイ1100は、(例えば、スマートフォンにおけるような)他のコンポーネントと統合される、または(例えば、ラップトップ用の外部モニターと)分離することも可能である。例についての種々の例にて、その他の周辺デバイス1120は、スタンドアロンのデジタルビデオディスク(またはデジタルバーサタイルディスク)(両方の用語に対して、DVR)、ディスクプレーヤー、ステレオシステム、および/または照明システムのうちの1つまたは複数を含む。種々の例は、システム1000の出力に基づいて機能を提供する1つまたは複数の周辺デバイス1120を使用する。例えば、ディスクプレーヤーは、システム1000の出力をプレイする役割を行う。
【0091】
種々の例にて、制御信号は、システム1000と、ディスプレイ1100、スピーカー1110、または他の周辺デバイス1120との間において、例えば、AV.Link、CEC(Consumer Electronics Control)、またはユーザーの介入の有無にかかわらずデバイスツーデバイス制御を可能にする他の通信プロトコルのようなシグナリングを用いて通信される。出力デバイスは、それぞれのインターフェース1070、1080、および1090を通じて専用のコネクションを介してシステム1000に通信接続されることが可能である。代替として、出力デバイスは、システム1000に、通信チャネル1060を用いて通信インターフェース1050を介して連結されることが可能である。ディスプレイ1100およびスピーカー1110は、システム1000のその他のコンポーネントにより単一のユニットにおいて、例えば、テレビの要件電子デバイスにおいて統合されることが可能である。種々の例にて、ディスプレイインターフェイス1070は、例えば、タイミングコントローラ(T Con)チップのようなディスプレイドライバーを含む。
【0092】
代替として、ディスプレイ1100およびスピーカー1110は、例えば、入力1130のRF部分が別個のセットトップボックスの一部であるならば、1つまたは複数のその他のコンポーネントから分離されることが可能である。ディスプレイ1100およびスピーカー1110が外部コンポーネントである種々の例にて、出力信号は、例えば、HDMIポート、USBポート、またはCOMP出力を含む専用の出力コネクションを介して提出されることが可能である。
【0093】
例は、プロセッサー1010によって実装されるコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実行されることが可能である。非限定の例として、例は、1つまたは複数の集積回路によって実装されることが可能である。メモリー1020は、技術環境に適したどんなタイプのでもあることが可能であり、例えば、非限定の例として、光メモリーデバイス、磁気メモリーデバイス、半導体ベースのメモリーデバイス、固定メモリー、および取り外し可能なメモリーなどのどんな適したデータストレージ技術でも用いて実装されることが可能である。プロセッサー1010は、技術環境に適したどんなタイプのでもあることが可能であり、非限定の例として、マイクロプロセッサー、汎用コンピューター、専用コンピューター、およびマルチコアアーキテクチャに基づくプロセッサーのうちの1つまたは複数を含み込むことが可能である。
【0094】
種々の実装は、デコードすることを含む。本出願にて使用されている「デコードすること」は、例えば、ディスプレイに適している最終的な出力を生成するために、受信しているエンコードしているシーケンスに行われる処理のすべてまたは一部を含み込むことが可能である。種々の例にて、上記の処理は、デコーダーによって通常行われる処理、例えば、エントロピーデコーディング、逆量子化、逆変換、および差分デコーディングのうちの1つまたは複数を含む。種々の例にて、さらに、または代替えとして、上記の処理は、本出願にて説明された種々の実装のデコーダーによって行われる処理、例えば、サブパーティション幅と、カレントブロックにおけるサブパーティションに対する最小予測ブロック幅とに基づいて、対応する予測ブロックを決定することを含む。
【0095】
さらなる例として、一例にて「デコードすること」は、「エントロピーデコーディング」のみを引用し、別の例にて「デコードすること」は、差分デコーディングのみを引用し、別の例にて「デコードすること」は、エントロピーデコーディングおよび差分デコーディングの組み合わせを引用する。語句「デコード処理」が具体的に演算のサブセットを引用することが意図されようと一般的により広く引用することが意図されようと、デコード処理は、特定の説明の文脈に基づいて明らかになるだろう、および当業者によって十分に理解されると信じられる。
【0096】
種々の実装は、エンコードすることを含む。「デコードすること」についての上の解説に類似したやり方において、本出願にて使用されている「エンコードすること」は、例えば、エンコードされているビットストリームを生成するために、入力ビデオシーケンスに行われる処理のすべてまたは一部を含み込むことが可能である。種々の例にて、上記の処理は、エンコーダーによって通常行われる処理、例えば、分割、差分エンコーディング、変換、量子化、およびエントロピーエンコーディングのうちの1つまたは複数を含む。種々の例にて、さらに、または代替えとして、上記の処理は、本出願にて説明された種々の実装のエンコーダーによって行われる処理、例えば、サブパーティション幅と、カレントブロックにおけるサブパーティションに対する最小予測ブロック幅とに基づいて、対応する予測ブロックを決定することを含む。
【0097】
さらなる例として、一例にて「エンコードすること」は、「エントロピーデコーディング」のみを引用し、別の例にて「エンコードすること」は、差分デエンコードのみを引用し、別の例にて「エンコードすること」は、差分エンコーディングおよびエントロピーエンコーディングの組み合わせを引用する。語句「エンコード処理」が具体的に演算のサブセットを引用することが意図されようと一般的により広く引用することが意図されようと、エンコード処理は、特定の説明の文脈に基づいて明らかになるだろう、および当業者によって十分に理解されると信じられる。
【0098】
本明細書にて使用されているシンタックスエレメントは、記述的な用語であることに注意する。上記のような、それらは、他のシンタックスエレメント名の使用を排除しない。
【0099】
図がフロー図として与えられるとき、さらにそれは対応する装置のブロック図も提供することが理解されるべきである。同様に、図がブロック図として与えられるとき、さらにそれは対応する方法/処理のフロー図も提供することが理解されるべきである。
【0100】
種々の例は、レート歪み最適化を引用する。特に、エンコード処理の間、レートと歪みとの間のバランスまたはトレードオフが、通例、考慮され、多くの場合、計算に関する複雑の制約が与えられる。通例、レート歪み最適化は、レート歪み関数を最小化することとして定式化され、レートのおよび歪みの重みつき合計である。レート歪み最適化問題を解くための異なったアプローチがある。例えば、アプローチは、符号化およびデコードの後に再構成されている信号の符号化コストおよび関係している歪みについての完全な評価とともに、すべての考慮されるモードまたは符号化パラメーター値を含むすべてのエンコードオプションの広範囲なテストに基づくことがある。さらに、より高速なアプローチは、エンコードの複雑さを除くために、特に、再構成されている1つではなく予測または予測残差信号に基づいた近似されている歪みの計算とともに使用されることもある。今述べた2つのアプローチの混合は、例えば、可能性のあるエンコードオプションのいくつかだけに対して近似されている歪みと、他のエンコードオプションに対して完全な歪みと、を使用することによってなど、使用されることも可能である。他のアプローチは、可能性のあるエンコードオプションのサブセットを評価するだけである。より一般に、多くのアプローチは、最適化を行ういろいろな技法のいずれかを用いるが、最適化は、必ずしも符号化コストと関係している歪みとの両方の完全な評価であるとは限らない。
【0101】
本明細書に説明された実装および様相は、例えば、方法もしくは処理、装置、ソフトウェアプログラム、データストリーム、または信号において実装されることが可能である。実装の単一のかたちの文脈においてのみ述べられる(例えば、方法としてのみ述べられる)場合でさえ、さらに、述べられた特徴の実装は、他のかたち(例えば、装置またはプログラム)において実装されることも可能である。装置は、例えば、適切なハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアにおいて実装されることが可能である。方法は、例えば、コンピューター、マイクロプロセッサー、集積回路、またはプログラマブルロジックデバイスを含む、一般に処理デバイスを引用する、例えば、プロセッサーにおいて実装されることが可能である。さらに、プロセッサーは、例えば、コンピューター、携帯電話、ポータブル/パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、およびエンドユーザー間において情報の通信を容易にする他のデバイスなど、通信デバイスも含む。
【0102】
「一例」または「例」または「一実装」または「実装」への言及は、他の変形も同様に、例に関連して説明された特定の特徴、構造、特性などが、少なくとも1つの例に含まれることを意味する。ゆえに、本出願の至る所に種々の場所に現れている語句「一例にて」または「例にて」または「一実装にて」または「実装にて」の出現は、どんな他の変形でも同様に、必ずしも同一の例をすべて引用しているとは限らない。
【0103】
さらに加えて、本出願は、情報の種々の部分を「決定すること」を引用することがある。情報を決定することは、例えば、情報を推定すること、情報を計算すること、情報を予測すること、または情報をメモリーから検索することのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。取得することは、受信すること、決定すること、特定すること、および/または検索することを含むことがある。
【0104】
さらに、本出願は、情報の種々の部分に「アクセスすること」を引用することがある。情報にアクセスすることは、例えば、情報を受信すること、情報を(例えば、メモリーから)検索すること、情報を格納すること、情報を移動すること、情報をコピーすること、情報を計算すること、情報を決定すること、情報を予測すること、または情報を推定することのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0105】
さらに加えて、本出願は、情報の種々の部分を「受信すること」を引用することがある。受信することは、「アクセスすること」に関してのように、広い用語であることが意図される。情報を受信することは、例えば、情報にアクセスすること、または情報を(例えば、メモリーから)検索することのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。さらに、通常、「受信すること」は、何らかの仕方または別の仕方において、例えば、情報を格納すること、情報を処理すること、情報を送信すること、情報を移動すること、情報をコピーすること、情報を消去すること、情報を計算すること、情報を決定すること、情報を予測すること、または情報を推定することなどの動作の間に含まれる。
【0106】
次の「/」、「および/または」、および「のうちの少なくとも1つ」のいずれかの使用は、例えば、「A/B」、「Aおよび/またはB」、および「AおよびBの少なくとも1つ」の場合、第1の列挙されている選択肢(A)のみの選択、または第2の列挙されている選択肢(B)のみの選択、または両方の選択肢(AおよびB)の選択を含み込むことが意図されることは、理解されるべきである。さらなる例として、「A、B、および/またはC」および「A、B、およびCの少なくとも1つ」の場合、上記語句は、第1の列挙されている選択肢(A)のみの選択、または第2の列挙されている選択肢(B)のみの選択、または第3の列挙されている選択肢(C)のみの選択、または第1および第2の列挙されている選択肢(AおよびB)のみの選択、または第1のおよび第3の列挙されている選択肢(AおよびC)のみの選択、または第2および第3の列挙されている選択肢(BおよびC)、またはすべての3つの選択肢(AおよびBおよびC)の選択を含み込むことが意図される。今述べたことは、当業者および関連業者に明らかであるように、列挙されているだけの事項に対して拡張され得る。
【0107】
さらに、本明細書にて使用されている、単語「シグナリング」は、とりわけ、対応するデコーダーへ何かを示すことを引用する。例えば、ある例にて、エンコーダーは、サブパーティションを予測するために使用されるサンプルの選択を示す特定のインデックスをシグナリングする。このようにして、例にて、同一のパラメーターは、エンコーダー側およびデコーダー側の両方に使用される。ゆえに、例えば、エンコーダーは、特定のパラメーターをデコーダーに送信(明示的なシグナリング)することが可能であって、デコーダーは、同一の特定のパラメーターを使用することが可能である。反対に、デコーダーが特定のパラメーターを他も同様にすでに有しているならば、シグナリングは、デコーダーに特定のパラメーターを知り選択することを単に可能にするのに、送信することなく使用されること(暗黙的なシグナリング)が可能である。どの現実の関数でも送信を回避することによって、ビットの節約が種々の例にて実現される。シグナリングがいろいろなやり方において遂行されることが可能であることは、理解されることである。例えば、1つまたは複数のシンタックスエレメント、フラグなどは、種々の例にて、対応するデコーダーに情報をシグナリングするのに使用される。これまでのことは、単語「シグナリング」の動詞形に関するが、さらに、単語「シグナリング」は、本明細書にて名詞として使用されることも可能である。
【0108】
当業者には明らかであろうように、実装は、例えば、格納されるまたは送信されることが可能である情報を運ぶようにフォーマットされたいろいろな信号を生成することが可能である。例えば、情報は、方法を行うための命令、または説明されている実装のうちの1つによって生成されるデータを含むことが可能である。例えば、信号は、説明されている例のビットストリームを運ぶようにフォーマットされることが可能である。例えば、上記の信号は、電磁波として(例えば、スペクトルの無線周波部分を用いて)またはベースバンド信号としてフォーマットされることが可能である。例えば、フォーマッティングは、データストリームをエンコードすることと、エンコードされたデータストリームにより搬送波を変調することとを含むことが可能である。例えば、信号が運ぶ情報は、アナログまたはデジタル情報であることが可能である。信号は、知られているように、いろいろな別々のワイヤードまたはワイヤレスリンクを介して送信されることが可能である。信号は、プロセッサー読み取り可能な媒体において格納されることが可能である。
【0109】
我々は、多くの例を説明する。今述べた例の特徴は、種々のクレームカテゴリーおよびタイプにわたって、単独にてまたはどんな組み合わせにおいても提供されることが可能である。さらに、例は、次の特徴、デバイス、または様相のうちの1つまたは複数を、単独にてまたはどんな組み合わせにおいても、種々のクレームのカテゴリおよびタイプにわたって含むことが可能である。
【0110】
特徴および要素が特定の組み合わせにおいて上に述べられるが、当業者は、各特徴または要素が単独においてまたはその他の特徴および要素とのどの組み合わせにおいても用いられることが可能であることを理解するであろう。加えて、本明細書において説明される方法は、コンピュータープログラム、ソフトウェア、またはコンピューターまたはプロセッサーによる実行のためにコンピューター読み取り可能な媒体に組み入れられたファームウェアにおいて実装されることがある。コンピューター読み取り可能な媒体の例は、(ワイヤードまたはワイヤレス接続を通じて送信される)電気信号およびコンピューター読み取り可能な記録媒体を含む。コンピューター読み取り可能な記録媒体の例は、制限しないが、ROM(described)、RAM(random access memory)、レジスター、キャッシュメモリー、半導体メモリーデバイス、例えば、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能なディスクなどの磁気メディア、光磁気メディア、例えば、CD-ROMディスクおよびDVD(digital versatile disk)などの光メディアを含む。ソフトウェアに関連付けられたプロセッサーは、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、またはいずれかのホストコンピューターにおける使用のための無線周波数トランシーバーを実装するのに使用されることがある。
【0111】
イントラ符号化ツール、例えば、イントラサブパーティション(ISP)ツールが、使用されることがある。ISPツールは、輝度チャンネルに適用されることがある。ISPツールは、CUを複数のサブパーティション(例えば、2つまたは4つのサブパーティション)に分割してもよい。サブパーティションは、複数(例えば、少なくとも16個)のサンプルを含んでもよい。分割は、水平方向および/または垂直方向に行われることがある。CUスプリット(CU-split)は、水平方向および/または垂直方向に行われることがある。図5は、CU(例えば、4×8ピクセルのCUまたは8×4ピクセルのCU)に対して許され得る分割またはCUスプリットの例を例示する。図5に例示されるように、ISPツールは、CUを2つのサブパーティションに割ることがある。ISPスプリットタイプは、垂直または水平であり得る。図6は、CU(例えば、4×8ピクセルまたは8×4ピクセルよりも大きいCU)に対して許され得る分割の例を例示する。図6に例示されるように、相対的により大きいCU(例えば、4×8ピクセルまたは8×4ピクセルよりも大きいCU)に対して、ISPツールは、CUを4つのサブパーティションに割ることがある。イントラ予測モードは、サブパーティションに対して使用され得る。例えば、同一のイントラ予測モードは、CUにおけるサブパーティションに対して使用され得る。
【0112】
MPMフラグは、例えば、ISPに対して使用されるイントラモードがMPM(most probable mode)リストのメンバーであるときに設定される(例えば、1に設定される)ことがある。イントラ参照サンプルスムージングフィルターおよび/またはPDPC(position dependent intra prediction combination)は、ISPに対して無効にされることがある。参照ラインゼロ(reference line zero)は、ISPに対して使用されることがある。複数の参照ラインイントラ予測(reference line intra prediction)は、無効にされることがある。
【0113】
水平スプリット(horizontal split)に対して、サブパーティションは、上部から下へ処理されることがある。垂直スプリット(vertical split)に対して、サブパーティションは、左から右へ処理されることがある。サブパーティションが予測されることがあり、残差が、予測されているサブパーティションに加えられて、例えば、再構成されたサブパーティションを生成してもよい。再構成されたサブパーティションからのサンプルは、次のサブパーティションを予測するのに使用されることがある。図7は、イントラサブパーティション(Intra sub-partitions;ISP)における例示的な予測の図を示す。図7(a)~(c)にて、水平に割られるサブパーティションが、処理されることがある。図7(a)は、4つのサブパーティションA、B、C、およびDを含むCUを例示する。図7(b)は、サブパーティションAが予測され再構成されてもよく、再構成されたサブパーティションAの下部の行における1つまたは複数のサンプルがサブパーティションBを予測するのに使用されることがあることを例示する。図7(c)は、サブパーティションBが予測され再構成されてもよく、再構成されたサブパーティションBの下部の行における1つまたは複数のサンプルがサブパーティションCを予測するのに使用されることがあることを例示する。図7(b)に例示されるように、サブパーティションA(例えば、最も上部のサブパーティション)は、CUの上および左の参照サンプルを用いて予測されることがある。サブパーティションAは、1つまたは複数のエントロピーデコード、逆量子化、および逆変換の後に取得される残差を加えることによって再構成されてもよい。再構成されたサブパーティションAの下部の行における1つまたは複数のサンプルは、サブパーティションBを予測するのに使用されることがあり、サブパーティションBの再構成があとに続く。予測および再構成は、次のサブパーティションに対して繰り返されることがある。
【0114】
それぞれのMPMリスト(例えば、サイズ6の別個のMPMリスト)は、参照ラインゼロイントラ予測(reference line zero intra prediction)、複数の参照ラインイントラ予測、およびISPに対して維持されることがある。MPMリストは、使用されるイントラモードを示す(例えば、シグナリングする)のに維持されることがある。参照ラインゼロイントラ予測、複数の参照ラインイントラ予測、およびISPに対して利用されるMPMリスト構成は、例えば、図8図9、および図10a~10cに例示されるように、区別されてもよい。図8は、参照ラインゼロイントラ予測に対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートである。図9は、複数の参照ラインイントラ予測に対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートである。図10a~10cは、ISPに対するMPMリスト構成のための例示的なフローチャートを例示する。MPMリスト構成(例えば、図8図9図10a~10cに例示されるような)は、リスト構成の間、隣接する左のCU(「A」により示される)のイントラモード、および/または、上のCU(「B」により示される)のイントラモードを考慮してもよい。複数の条件(例えば、4つの条件)は、例えば、イントラモード「A」および「B」を用いて試験されることがある。MPMリストは、条件が満たされるならば生成されることがある。例えば、各々満足する条件は、別個のMPMリストに帰着することがある。表1は、MPMリスト構成(例えば、図8図9図10a~10cに示されるような3つのMPMリスト構成)にて使用されることがある4つの条件と、対応する論理的条件(イントラモードAおよびBに関して)との例を例示する。
【0115】
【表1】
【0116】
図8図9、および/または図10a~10cに例示されるように、MPMリストは、インデックス(例えば、0から5まで)と、関連しているイントラモードとを含むことがある。零により近いインデックスは、MPMリストの上部により近いことがある。例えば、図8に例示されるように、デフォルトの条件は、0番目のエレメントとしてイントラモード「A」を含むMPMリストを生じることがある。「A」および「B」の最小および最大は、それぞれ、minABおよびmaxABにより示され、「%」は、モジュロ演算を示す。図10a~10cに例示されるように、例えばISPにて、スプリットの種類(例えば、水平スプリットまたは垂直スプリット)は、MPM構成において考慮されることがある。
【0117】
図11は、一体化したMPMリスト構成のための例示的なフローチャートである。図11は、複数のイントラ符号化ツール(例えば、参照ラインゼロイントラ予測、複数の参照ラインイントラ予測、およびISP)に対する一体化したMPMリスト構成を例示する。一体化したMPMリストは、複数の参照ラインイントラ予測およびISPのために変更されることがある。複数の参照ラインイントラ予測の場合に、DCモードおよびプラナーモード(planar mode)は、例えば、DCおよびプラナーモードが複数の参照ラインイントラ予測に対して使用されないので、一体化したMPMリストからスキップされることがある。ISPの場合に、DCモードは、例えば、DCモードがISPに対して使用されないので、一体化したMPMリストからスキップされる、または一体化したMPMリストにおいてアンギュラーモード(angular mode)によって置き換えることがある。
【0118】
ISPにて、サブパーティションは、ISPスプリットタイプに基づいて、上部から下部へ、または左から右へ予測され(例えば、連続的に予測され)、再構成されることがある。例えば、サブパーティションは、水平スプリットが使用されるとき、上部から下部へ予測され、再構成されることがある。サブパーティションは、垂直スプリットが使用されるとき、左から右へ予測され、再構成されることがある。サブパーティション(例えば、後続のサブパーティション)は、例えば、以前のサブパーティションが再構成されたとき、予測されることがある。いくつかの例にて、サブパーティションの予測は、隣接するサブパーティションまたは以前のサブパーティションの再構成とは無関係であり得る。待ち時間を、減らすことがある。
【0119】
MPMリスト構成処理(複数可)は、参照ラインゼロイントラ予測、マルチ参照ラインイントラ予測(multi reference line intra prediction)、およびISPに対応することがある。例にて、異なるイントラ符号化ツール(例えば、参照ラインゼロイントラ予測、マルチ参照ラインイントラ予測、およびISP)に対するそれぞれのMPMリスト構成処理が、一体化されることがある。一体化したMPMリストは、複数の条件に基づくことがある。それぞれの条件を満たすと、MPMリストが、変わることがある。例えば、各条件は、異なるMPMリストを生じることがある。一体化したMPMリストが、構成されることがある。
【0120】
システム、方法、および手段は、例えば、ISPにおける待ち時間を減らすこと、および/またはMPMリスト構成処理を簡素化することによってISPを実装するために開示される。いくつかの例にて、後続のサブパーティションは、以前の隣接するサブパーティションからの予測サンプルを用いて予測されることがある。いくつかの例にて、後続のサブパーティションは、以前の隣接するサブパーティションから予測されたサンプルまたは再構成されたサンプルを用いて予測されることがある。さらに、本明細書にて水平分割に関する1つまたは複数の例は、垂直分割に適用されることもある。垂直分割にて、関係のある行は、列と置き換えられてもよく、関係のある下部の行は、右の列と置き換えられてもよい。本明細書にて1つまたは複数の例は、待ち時間を減らすことがある。
【0121】
以前のサブパーティションの予測サンプルは、予測のための参照サンプルとして使用されることがある。ISPは、サブパーティションの予測および再構成を連続して行うことがある。いくつかの例にて、サブパーティションの予測は、隣接するサブパーティションから再構成されたサンプルに依存しないことがある。第1のサブパーティションは、CUに接している上の参照行(reference row)および左の参照列(reference column)を用いて予測されることがある。第1のサブパーティションは、水平スプリットに対して、最も上部のサブパーティションであってもよい。第1のサブパーティションは、垂直スプリットに対して、最も左のサブパーティションであってもよい。予測は、残っているサブパーティションに対して行うことがある。
【0122】
CUベース予測(CU-based prediction)は、例えば、サブパーティション、トランスフォームユニット(transform unit;TU)、またはプレディクションユニット(prediction unit;PU)を予測するのに行われることがある。例えば、NがCUにおけるサブパーティションの数を示すならば、CUベース予測(CU-based prediction)において、予測は、次のように行われることがある。第1のN-1個のサブパーティションの各々に対して、(例えば、水平スプリットに対する)下部の行または(例えば、垂直スプリットに対する)右の列が、予測されることがある。(a)および(b)を含む図12は、サブパーティションA、B、およびCの下部の行が、CUに接している上および左の参照ラインにおけるサンプルを用いて予測されることがある場合の例示的なCUベース予測を例示する。図12に例示されるように、CUは、4つのサブパーティションA、B、C、およびDに水平に割られることがある。例えば、第1の3つのサブパーティションA、B、およびCの各々の下部の行は、図12(a)および(b)に例示されるように予測されることがある。今述べた行(または垂直スプリットの場合に列)は、CUに接している上の参照行および左の参照列を用いて予測されることがある。今述べた行(または垂直スプリットの場合に列)は、CUのイントラモードと同じ予測モードにより予測されることがある。予測された行(または列)は、隣接するサブパーティションを予測するのに使用されることがある。例えば、図12(b)に例示されるように、サブパーティションBの予測された下部の行のサンプルは、サブパーティションCを予測するのに使用されることがある。CUのサブパーティション(例えば、N-1個のサブパーティション)の各々が、予測されることがある。
【0123】
再構成は、例えば、予測が完了すれば、サブパーティションベースに、またはCU全体に行われてもよい。再構成がサブパーティションベースに行われるならば、残差は、サブパーティションベースに逆量子化および逆変換を適用することによって生成されることがある。再構成処理が、CU(例えば、CU全体)に行われるならば、残差は、CU全体に対して生成されることがある。CUベース予測は、例えば、ISPに対して、待ち時間を減らすことがある。
【0124】
サブパーティションベース予測(sub-partition-based prediction)が行われることがある。サブパーティションの予測は、例えば、以前のサブパーティションからの予測サンプルを用いて連続的に行われることがある。図13は、サブパーティションベース予測(sub-partition-based prediction)の例を例示する。図13に例示されるように、CUは、4つのサブパーティションA、B、C、およびDに水平に割られることがある。図13に例示されるように、第1のサブパーティションは、CUに接している上の参照行および左の参照列を用いて予測されることがある。例にて、第1のサブパーティションは、最も上部のサブパーティションAであり得る。図13(a)に例示されるように、Aの下部の行からの予測サンプルは、左の参照列とともに、サブパーティションBを予測するのに使用されることがある。図13(b)を参照して、サブパーティションBの下部の行の予測サンプル(例えば、左の参照列といっしょに)は、サブパーティションCを予測するのに使用されることがある。処理は、最後のサブパーティションが予測されるまで、繰り返されることがある。図13に例示されるようなサブパーティションベース予測は、垂直に割られるサブパーティションに行われてもよい。
【0125】
再構成は、例えば、予測が完了すれば、サブパーティションベースに、またはCU全体に行われてもよい。再構成がサブパーティションベースに行われるならば、残差は、サブパーティションベースに逆量子化および逆変換を適用することによって生成されることがある。再構成処理が、CU(例えば、CU全体)に行われるならば、残差は、CU全体に対して生成されることがある。CUベース予測は、例えば、ISPに対して、待ち時間を減らすことがある。
【0126】
図14(a)~(c)は、(a)ISPと、サブパーティションベース予測を用いる(b)ISPと、複数のサブパーティションベース予測またはマルチサブパーティションベース予測を用いる(c)ISPと、に対するパイプラインステージの例についての図である。図14(a)および図14(b)は、サブパーティションAおよびBを有するCUを考慮するときに、ISPに対するパイプラインと、サブパーティションベース予測を利用することがあるISPに対するパイプラインとを例示する。図14(a)および図14(b)は、予測と、逆量子化および逆変換と、再構成とのパイプラインのステージを例示する。図14(c)は、マルチサブパーティションイントラ予測に基づくISP(例えば、最初のISPに対する)のパイプラインステージを例示する。サブパーティションBの予測は、サブパーティションAの再構成に依存しなくてもよい。待ち時間の減少は、例えば、図14(a)~(c)に例示されるように達成されることがある。
【0127】
ハイブリッド予測(hybrid prediction)は、例えば、サブパーティション、TU、またはPUを予測するのに行われることがある。サブパーティションは、隣接するサブパーティションから予測されたサンプル、または隣接するサブパーティションから再構成されたサンプルを利用して予測されることがある。予測されるサンプルに対して、CUベース予測またはサブパーティションベース予測が、利用されることがある。図15は、サブパーティションが、隣接するサブパーティションからの再構成サンプルまたは予測サンプルを用いて予測され得る場合のハイブリッド予測の例を例示する。図15に例示されるように、サブパーティションAの下部の行は、例えば、本明細書に説明されているCUベース予測を用いて予測されることがある。サブパーティションA、B、C、およびDの残差は、例えば、逆量子化および逆変換の操作を利用することによって決定されることがある。サブパーティションAおよびBは、例えば、残差が取得された後に予測されることがある。サブパーティションAは、CUに接している上の参照行および左の参照列を用いて予測されることがある。サブパーティションBは、サブパーティションAの下部の予測された行と、CUの左の参照列とを用いて予測されることがある。サブパーティションAおよびサブパーティションBが、再構成されることがある。サブパーティションBの下部の再構成された行と左の参照列とは、サブパーティションCを予測するのに使用されることがある。サブパーティションCの下部の予測された行と、左の参照列とは、例えば、本明細書に説明されているサブパーティションベース予測を用いて、サブパーティションDを予測するのに使用されることがある。
【0128】
最後のサブパーティションは、例えば、本明細書に説明されているように、接しているサブパーティションから再構成されたサンプルから予測されることがある。例えば、最後のサブパーティションは、参照ラインの1つから最も離れていてもよい。水平スプリットにて、下部のサブパーティションは、上の参照列から最も離れていてもよい。最後のサブパーティションの予測の正確度が、向上することがある。
【0129】
ハイブリッド予測は、CUを予測するために使用されてもよい。例えば、CUのいくつかのサブパーティション(複数可)は、別のサブパーティション(複数可)の再構成されたサンプルに基づいて予測されてもよく、CUのいくつかのサブパーティション(複数可)は、他のサブパーティション(複数可)の予測サンプルに基づいて予測されてもよい。図16は、ハイブリッド予測の例を例示する。図16にて、サブパーティションDは、サブパーティションCの下部の行の再構成されたサンプルから予測されることがある。サブパーティションベース予測および/またはCUベース予測が使用されることがある。図16(a)に例示されるように、サブパーティションCは、サブパーティションベース予測を利用することによって、サブパーティションBの下部の行の予測サンプルから予測されることがある。図16(b)に例示されるように、サブパーティションCは、CUベース予測を利用することによって、サブパーティションBの下部の行の予測サンプルから予測されることがある。
【0130】
予測タイプ(例えば、CUベース予測、サブパーティションベース予測、またはハイブリッド予測)は、CUサイズに基づいて選択されることがある。例えば、より大きいCU(例えば、16×16ピクセルよりも大きいサイズのCU)に対して、ハイブリッド予測が使用されることがある。より小さいCU(例えば、16×16ピクセルまでのサイズのCU)に対して、サブパーティションベース予測が使用されることがある。
【0131】
予測タイプは、イントラモード基づいて選択されることがある。イントラアンギュラーモード(intra angular mode)に対して、サブパーティションベース予測は、ノンアンギュラーモード(non-angular mode)に対して、CUベース予測が使用されることがある間、使用されることがある。
【0132】
本明細書に説明される1つまたは複数の予測タイプは、サブパーティションの予測および再構成が、連続して(例えば、上部から下部へ、または左から右へ)行われる通常のISP予測により使用されることがある。本明細書に説明されているサブパーティションベース予測は、相対的に小さいCU、例えば、8×4ピクセルまたは4×8ピクセルのサイズのCUに適用されてもよく、通常のISPは、より大きいCU(例えば、8×4ピクセルまたは4×8ピクセルよりも大きいサイズのCU)に対して使用されてもよい。ときには、サブパーティションベース予測は、異なるCUサイズ(例えば、小さいCUおよび大きいCU)に適用されることがある。例にて、通常のISPは、相対的に小さいCU、例えば、8×4ピクセルおよび4×8ピクセルのサイズのCUに対しては無効にされることがある一方、ISPは、より大きいCU(例えば、8×4ピクセルおよび4×8ピクセルよりも大きいサイズのCU)に適用されることある。
【0133】
例にて、サブパーティションを予測するために使用されるサンプルは、適応的に選択されることがある。例えば、選択されるサンプルは、再構成されたサンプル、CUベース予測から予測されたサンプル、サブパーティションベース予測から予測されたサンプルであり得る。インデックスは、ビットストリームにおいてビデオデコードデバイスにシグナリングされることがある。インデックスは、CUごとにシグナリングされることがある。インデックスは、ビデオエンコードデバイスによって使用されるサンプルの選択を示すことがある。表2は、例えば、4つのサブパーティションを有するCUを考慮するとき、アダプティブスキーム(adaptive scheme)にて利用可能な選択の例を例示する。表2に例示されるように、インデックス2は、サブパーティションBに対してCUベース予測、サブパーティションCに対してサブパーティションベース予測、およびサブパーティションDに対して再構成サンプルベースの予測(例えば、ISP)を使用する。表2に例示されるように、アダプティブスキームは、ISPを使用するサブパーティションAと、CUベース予測を使用するサブパーティションBとを制限することがある。表2にさらに例示されるように、アダプティブスキームにおける選択の数は、列挙されている選択のサブセットに制限されることがある。インデックスに対するシグナリングオーバーヘッドを、減らすことがある。例えば、選択の数は、表2に示されるように、インデックス0、1、2、および4に対応する4つの選択に制限されることがある。最後のサブパーティションDに対する予測の正確度は、今述べた制限された選択により向上することがある。
【0134】
【表2】
【0135】
サブパーティションのイントラ予測は、カレントブロックに隣接する参照サンプル、例えば、CUの隣接する参照サンプルに基づくことがある。図17は、複数のサブパーティションベース予測またはマルチサブパーティションベースイントラ予測(multi-sub-partition based intra-prediction)の例を例示する。2つ以上のサブパーティションのイントラ予測が、並列に行われることがある。図17に例示されるように、2つ以上のサブパーティションのイントラ予測は、それぞれのサブパーティションに関連付けられた、CUの隣接する参照サンプルから、同時に(例えば、すべていっしょに)行われることがある。ISPサブパーティションの各々についての再構成の待ち時間を、減らすことがある。連続した複数のISPサブパーティションの再構成は、並列に行われることがある。図14(c)は、マルチサブパーティションイントラ予測に基づくISP(例えば、最初のISPに対する)のパイプラインステージを例示する。
【0136】
イントラ予測されるPUは、トランスフォームユニット(transform unit;TU)を含むことがある。PUおよびTUは、同一のサイズのであり得る。いくつかの例にて、1つのPUは、2つ以上のTUを含むことがある。TUは、サブパーティションを含むことがある。複数のTUをより大きいサイズのPU(例えば、個々のTUよりも大きい)にマージすることによって、複数のTUに対するPUイントラ予測は、同時に行われることがある。TUのデコード/再構成は、並列に行われることがある。TUに対するデコードおよび/または処理の待ち時間を、減らすことがある。
【0137】
デバイスは、CUベースのイントラ予測、サブパーティションベースのイントラ予測、複数のサブパーティションベースのイントラ予測のうちの1つまたは複数を行うことがある。図18は、水平スプリットのCUおよび垂直スプリットのCUのISPサブパーティションについての種々の例を例示する。図18に例示されるように、ISPは、種々のサイズのCUに適用されることがある。図18は、例えば、4×8、4×N、8×4、および8×Nの種々の垂直スプリットのCUおよび水平スプリットのCUの例を与える。デバイスは、サブパーティションの種類(例えば、ISPの種類)が水平スプリットか垂直スプリットかのいずれかであるインディケーションの指示を受信することがある。デバイスは、例えば、本明細書における例のうちの1つまたは複数に従って、垂直スプリットまたは水平スプリットに基づいて予測を行ってもよい。サブパーティションの種類が水平スプリットであるというインディケーションに基づいて、デバイスは、水平方向にサブパーティションを行うことがある。サブパーティションの種類が垂直スプリットであるというインディケーションに基づいて、デバイスは、垂直方向にサブパーティションを行うことがある。例にて、デバイスは、ISPのタイプに基づいて予測ブロックを予測することがある。
【0138】
符号化ブロックに対するPUは、予測ブロック幅を有してもよい。予測ブロック幅は、PUの1つの側からもう一方の側まで測定されたサンプルの個数を引用することがある。最小予測ブロック幅は、サブパーティションの予測に関連して使用されることがある。1つのPUは、図19Cおよび19Dに例示されるように、垂直に割られたまたは水平に割られた2つ以上のサブパーティション(例えば、TUサブパーティション)を含むことがある。予測ブロック幅は、例えば、図19Cおよび19Dに例示されるように、サブパーティション幅またはサブパーティション幅の倍数であり得る。サブパーティション幅および最小予測ブロック幅は、予測に対して、予測ブロックを決定するのに使用されることがある。例えば、サブパーティションの種類が垂直スプリットであるとき、複数のサブパーティションを有する予測ブロックは、サブパーティション幅が最小予測ブロック幅未満であるとき、予測のために使用されることがある。図19Cおよび19Dに例示されるように、最小予測ブロック幅は、4サンプルであってもよい。予測ブロック幅は、サブパーティション幅が4サンプル未満のとき、4サンプルであってもよい。サブパーティション幅が最小予測ブロック幅以上であるとき、サブパーティションを有する予測ブロックは、予測のために使用されることがある。予測ブロック幅は、サブパーティション幅であってもよい。
【0139】
図19Aは、図18に例示されるような1×N(N≧16)および2×N(N≧8)のサブパーティションが、取り除かれ4×N(例えば、N>8)のサブパーティションと置き換えられることがある場合の例を例示する。1×Nのサブパーティションは、1サンプルの幅およびNサンプルの高さのサブパーティションを表すことがある。2×Nのサブパーティションは、2サンプルの幅およびNサンプルの高さのサブパーティションを表すことがある。4×Nのサブパーティションは、4サンプルの幅およびNサンプルの高さのサブパーティションを表すことがある。
【0140】
4×Nのサブパーティションに対して、サブパーティション幅は、4サンプルである。4×Nのサブパーティションに対して、サブパーティション高は、Nサンプルである。サブパーティション幅および/またはサブパーティション高は、イントラ予測に対してカレントブロックをサブパーティションするために使用されることがある。カレントブロックに対するサブパーティション幅は、図18に示されるように、カレントブロックに対するISPタイプが垂直スプリットか水平スプリットかのいずれかであることに少なくとも部分的に基づいて決定されることがある。
【0141】
最小予測ブロック幅は、4サンプルであり得る。本明細書に説明されるように、PUは、1つまたは複数の水平にまたは垂直に割られたサブパーティションを含むことがある。PUは、例えば、1×N(N≧16)のサブパーティションおよび2×N(N≧8)のサブパーティションが4×Nのサブパーティションと置き換えられるので、1つまたは複数の4×Nのサブパーティションを含むことがある。複数のサブパーティションベースのイントラ予測を用いるISPは、図19Aに示される例に関連して行われることがある。最小予測ブロック幅は、それぞれのサブパーティションに対応するPUを決定するのに使用されることがある。
【0142】
予測ブロックの予測は、CUの隣接サンプル、および/または再構成されたサブパーティションに基づくことがある。図19Aに例示されるように、1×N(N≧16)のサブパーティションおよび/または2×N(N≧8)のサブパーティションを4×Nのサブパーティションと置き換えることは、4×8、4×N(N≧16)のCUに対して、垂直スプリットのISPがないことに帰着することがある。サブパーティションの予測は、4サンプル以上の幅であるプレディクションユニットに基づいてもよい。上記の4×8または4×N(N≧16)のCUにおける予測ブロックの予測は、CUの隣接サンプルに基づき、例えば、再構成されたサブパーティションに基づかないことがある。1×N(N≧16)のサブパーティションおよび2×N(N≧8)のサブパーティションを4×Nのサブパーティションと置き換えることは、肉太のおよび下線のある書体によって強調されている8×N(N≧8)のCUに対して2つの4×N垂直スプリットのサブパーティションに帰着することがある。上記の8×N(N≧8)のCUにおける予測ブロックの予測は、CUの隣接サンプルおよび再構成されたサブパーティションに基づくことがある。
【0143】
PUは、あるCUサイズに対して、複数のTUサブパーティションを含むことがある。4×8のCUは、4サンプルの幅および8サンプルの高さのCUまたは符号化ブロックを表すことがある。4×NのCUは、4サンプルの幅およびNサンプルの高さのCUまたは符号化ブロックを表すことがある。PUは、例えば、4×8、4×N、8×4、および8×NのCUサイズに対して、複数のTUサブパーティションを含むことがある。
【0144】
本明細書における1つまたは複数の例にて、CUおよび符号化ブロックが、交換可能に使用されることがあり、PUおよび予測ブロックが、交換可能に使用されることがあり、TUおよび変換ブロックが、交換可能に使用されることがある。
【0145】
例にて、デバイスは、ISPがカレントブロックに対して有効にされることを決定することがある。デバイスは、カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定することがある。カレントブロックにおけるサブパーティションに対して、デバイスは、サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて、対応する予測ブロックを決定してもよい。デバイスは、予測ブロックに隣接する参照サンプルを用いて、予測ブロックを予測してもよい。例えば、参照サンプルは、CUの隣接する参照サンプル、および/または再構成されたサブパーティションからのサンプルを含むことがある。
【0146】
参照サンプルは、CU、PU、またはTUに隣接することがある。例えば、PUに隣接する参照サンプルは、PUと隣り合う、またはPUから空間的に分離している参照サンプルを含むことがある。PUに隣接する参照サンプルは、隣接するサブパーティションにある参照サンプルを含むことがある。PUに隣接する参照サンプルは、隣接するCU、PU、またはTUにある参照サンプルを含むことがある。隣接するサブパーティションは、PUと隣り合う、またはPUから空間的に分離していることがある。
【0147】
N×2(N≧8)のサブパーティションが、取り除かれ、N×4のサブパーティションと置き換えられることがある。図19Bは、例えば、図19Aに例示されるような1×N(N≧16)のサブパーティションおよび2×N(N≧8)のサブパーティションを4×Nのサブパーティションと置き換えることに加えて、図18に例示されるようなN×2(N≧8)のサブパーティションが、取り除かれ、N×4のサブパーティションと置き換えられることがある例を例示する。図19Bに例示されるように、例えば、4×8、4×N(N≧16)のCUに対して垂直スプリットのISPがないことに加えて、8×4のCUに適用されることがある水平スプリットのISPがない。2つのN×4水平スプリットのサブパーティションは、肉太のおよび下線のある書体によって強調されているN×8(N≧8)のCUに対して適用されることがある。複数のサブパーティションベースのイントラ予測を用いるISPは、図19Bに示される例に関連して行われることがある。
【0148】
PUは、32以上のサンプルを含むことがある。図19Cは、例えば、図19Aに例示されるような1×N(N≧16)のサブパーティションおよび2×N(N≧8)のサブパーティションを4×Nのサブパーティションと置き換えることに加えて、PUが32のサンプルを含むことがある例を例示する。PUごとに16サンプルからPUごとに32サンプルへの今述べた変更は、例えば、イントラ予測の最小PUサイズを強制することによって達成されることがある。例にて、最小PUサイズは、図19Cにて肉太のおよび下線のある書体によって強調されている4×8または8×4のPUサイズを含むことがある。図19Cに示されるように、最小サイズのPU(例えば、4×8PUまたは8×4PU)は、1つの同一PUサイズのTUサブパーティション、または2つのハーフPUサイズ(例えば、4×4)のTUサブパーティションを含むことがある。複数のサブパーティションベースのイントラ予測を用いるISPは、図19Cに示される例に関連して行われることがある。本明細書に説明されているマルチサブパーティション予測(Multi-sub-partition prediction)は、例えば、PUが32以上のサンプルを含むことがあるときに行われることがある。
【0149】
図19Dは、図19A、19B、および19Cに例示される例が同時に適用されることがある場合の例を例示する。例にて、1×N、2×N、N×2のサブパーティションの除去は、例えば、PUサイクルごとに32サンプルのISPの最悪な場合のスループットといっしょに、4×8または8×4の最小PUサイズのエンフォースメントにより同時に適用されることがある。複数のサブパーティションベースのイントラ予測を用いるISPは、図19Dに示される例に関連して行われることがある。
【0150】
システム、方法、および手段は、MPMリスト構成のために提供されることがある。図20は、一体化したMPMリスト生成/構成の例を例示する。一体化したMPMリスト構成の例にて、複数の条件(例えば、表1に列挙された4つの条件)が試験されて、一体化したMPMリストを決定することがある。例えば、表1に列挙されている条件1および3は、単一の条件として組み合わされることがある。表3は、一体化したMPMリスト構成に対する条件の例を例示する。表3に例示されるように、単一の条件、例えば、条件(b)は、イントラモードAかイントラモードBかのいずれかがアンギュラーモードであるかどうかを検査するのに利用されることがある。
【0151】
【表3】
【0152】
例にて、表3に列挙されている条件(例えば、条件(b))を満たすと生成されるMPMリストは、図11に例示されるような、表1に列挙されている条件(例えば、条件3)を満たすと生成されるMPMリストと同じであってもよい。例示的な一体化したMPMリスト構成が、図20に例示される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12
図13
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
【手続補正書】
【提出日】2021-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントラサブパーティション(ISP)がカレントブロックに対して有効にされることを決定し、
前記カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定し、
前記カレントブロックにおけるサブパーティションに対して、前記サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて、対応する予測ブロックを決定し、
前記予測ブロックの参照サンプルを決定し、
前記参照サンプルを用いて前記予測ブロックを予測する
ように構成されたプロセッサー
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記最小予測ブロック幅は、4サンプルであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
カレントブロック幅が4サンプルでありカレントブロック高が8サンプル以上であるとき、または、前記カレントブロック幅が8サンプルであり前記カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記予測ブロックは、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カレントブロックが垂直に割られカレントブロック幅が4サンプルでありカレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記予測ブロックは、前記カレントブロックの隣接サンプルを用いて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記予測ブロックは、前記カレントブロックの隣接サンプルと、前記カレントブロックにおける再構成されているサブパーティションからのサンプルとを用いて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
カレントブロック幅が8サンプルでありカレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記予測ブロックは、前記カレントブロックの隣接サンプルと、前記カレントブロックにおける再構成されているサブパーティションからのサンプルとを用いて予測されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記カレントブロックに対する前記サブパーティション幅は、前記カレントブロックに対する前記ISPのタイプが垂直スプリットタイプまたは水平スプリットタイプであるかどうかに少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記予測ブロックは、伝送ブロックを含み、前記伝送ブロックは、前記サブパーティションを含み、前記伝送ブロックの幅は、前記サブパーティションの幅であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
イントラサブパーティション(ISP)がカレントブロックに対して有効にされることを決定することと、
前記カレントブロックに対してサブパーティション幅を決定することと、
前記カレントブロックにおけるサブパーティションに対して、前記サブパーティション幅および最小予測ブロック幅に基づいて、対応する予測ブロックを決定することと、
参照サンプルを決定することと、
前記参照サンプルを用いて前記予測ブロックを予測することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記最小予測ブロック幅は、4サンプルであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
カレントブロック幅が4サンプルでありカレントブロック高が8サンプル以上であるとき、または、前記カレントブロック幅が8サンプルであり前記カレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記予測ブロックは、複数の変換ブロックサブパーティションを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記カレントブロックが垂直に割られカレントブロック幅が4サンプルでありカレントブロック高が8サンプル以上であるとき、前記予測ブロックは、前記カレントブロックの隣接サンプルを用いて予測されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記装置は、画像の一部をデコードするためのデコードデバイス、または画像の一部をエンコードするためのエンコードデバイスの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記方法は、デコーダーまたはエンコーダーによって行われることを特徴とする請求項9ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
1つまたは複数のプロセッサーに、請求項9ないし12のいずれか一項に記載の方法を行わせるための命令を含むことを特徴とするコンピューター読取り可能媒体。
【請求項16】
請求項1ないし8のいずれか一項に係る装置と、
(i)信号を受信するように構成されたアンテナであって、前記信号は、画像を表すデータを含む、アンテナ、(ii)前記画像を表す前記データを含む周波数の帯域に、前記受信した信号を制限するように構成されたバンドリミッター、または(iii)前記画像を表示するように構成されたディスプレイのうちの少なくとも1つと
を備えたことを特徴とするデバイス。
【国際調査報告】