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特表2022-524527育毛のための生分解性スキャフォールドおよびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(54)【発明の名称】育毛のための生分解性スキャフォールドおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/38 20060101AFI20220425BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20220425BHJP
   A61L 27/56 20060101ALI20220425BHJP
   A61L 27/58 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 35/36 20150101ALI20220425BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220425BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20220425BHJP
   C12N 5/071 20100101ALN20220425BHJP
   C12N 5/074 20100101ALN20220425BHJP
   C12N 5/0735 20100101ALN20220425BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20220425BHJP
   C12N 5/077 20100101ALN20220425BHJP
【FI】
A61L27/38 100
A61L27/18
A61L27/56
A61L27/58
A61K35/36
A61K9/00
A61K47/34
A61P17/14
C12N5/071
C12N5/074
C12N5/0735
C12N5/10
C12N5/077
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554391
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 US2020022770
(87)【国際公開番号】W WO2020186221
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/818,584
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517125100
【氏名又は名称】サンフォード バーンハム プレビス メディカル ディスカバリー インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】テルスキフ,アレクセイ ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ピント,アントネッラ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C081
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AB01
4B065AC12
4B065BA01
4B065BC41
4B065CA44
4C076AA51
4C076BB32
4C076CC18
4C076CC50
4C076EE23
4C076EE24
4C076EE49
4C076FF32
4C076FF68
4C081AB20
4C081BA16
4C081CA161
4C081CA171
4C081CA181
4C081CA201
4C081CA211
4C081CC02
4C081CD34
4C081DA01
4C081DB03
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087AA10
4C087BB48
4C087BB64
4C087CA04
4C087MA05
4C087MA11
4C087MA67
4C087NA10
4C087ZA92
(57)【要約】
【解決手段】本明細書には、細胞貯蔵器と、1つ以上の生分解性ポリマーから構築された細胞貯蔵器に取付けられるガイドと、濾胞形成細胞の集団と、を含む細胞スキャフォールドが記載される。この細胞スキャフォールドは育毛に有用である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞スキャフォールドであって、
(a)細胞貯蔵器と、
(b)1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、
(c)1つ以上の濾胞形成細胞と、を含む細胞スキャフォールド。
【請求項2】
前記ガイドは、皮膚の下に挿入される際、少なくとも前記ガイドの一部が皮膚の外部に延在するように構成される、請求項1に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項3】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、前記細胞貯蔵器と接触状態にある、請求項1に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項4】
前記細胞貯蔵器は、球状、楕円形状、円筒形状、チューブ形状、またはバッキーボール形状である、請求項1~3のいずれかに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項5】
前記細胞貯蔵器は、中空内部を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項6】
前記細胞貯蔵器は、多孔性内部を有する、請求項1~5のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項7】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)(ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項8】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項9】
前記細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項10】
前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む、請求項9に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項11】
前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項9に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項12】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーと前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、同じものである、請求項9~11のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項13】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーと前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは異なるものである、請求項9~11のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項14】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、前記1つ以上の第2生分解性ポリマーより分解速度が低い、請求項13に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項15】
前記細胞貯蔵器は、磁性材料によって誘導体化される、請求項1~14のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項16】
前記ガイドは、磁性材料によって誘導体化される、請求項1~15のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項17】
前記細胞貯蔵器は、直径が50~500μmである、請求項1~16のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項18】
前記細胞貯蔵器は、直径が250~400μm(例えば、直径が250~350μm、または直径が300~400μm)である、請求項1~17のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項19】
前記細胞貯蔵器は、直径が約200μmである、請求項17に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項20】
前記細胞貯蔵器は、直径が約300μmである、請求項17に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項21】
前記ガイドは中空である、請求項1~20のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項22】
前記ガイドは固体である、請求項1~21のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項23】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、幹細胞である、請求項1~22のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項24】
前記幹細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択される、請求項23に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項25】
前記人工多能性幹細胞(iPSC)は、線維芽細胞、腎上皮細胞および血液細胞からなる群から選択されるソースから生成される、請求項24に記載の細胞スキャフォールド。
【請求項26】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮幹細胞、またはその組み合わせである、請求項1~25のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項27】
毛包を成長させる方法であって、
(a)1つ以上の濾胞形成細胞を、
i.細胞貯蔵器、および
ii.1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、
(b)前記細胞スキャフォールドを皮膚組織へと移植させる工程と、を含む方法。
【請求項28】
前記ガイドの少なくとも一部は、被験体に移植される際、皮膚の外部と皮膚全体にわたって延在する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程は、前記1つ以上の濾胞形成細胞、および前記細胞スキャフォールドを、複数のマイクロウェル含むマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に置くことを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記マイクロウェルは、円錐形状またはU字形状である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記マイクロウェルプレートの各マイクロウェルは、1つ以上の濾胞形成細胞および1つの細胞スキャフォールドを含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器がマイクロウェルの底部に接近しており、ガイドがマイクロウェルの開口部に接近しているように、マイクロウェル内で配向される、請求項29~31のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程は、1つ以上の濾胞形成細胞および1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェル内に置いた後に、マイクロウェルプレートを遠心分離にかけることをさらに含む、請求項29~32のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程は、手動で実施される、請求項28~33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程は、ロボットで実施される、請求項28~33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
請求項1~26のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールドを、皮膚組織に移植させる工程を含む、毛包を成長させる方法。
【請求項37】
前記細胞スキャフォールドを移植させる前に皮膚組織に針を貫通させる工程をさらに含む、請求項27~36のいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
前記細胞貯蔵器、前記ガイド、または前記細胞貯蔵器および前記ガイド両方は、磁性材料によって誘導体化される、請求項27~37のいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
前記1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程は、前記細胞スキャフォールドに磁場を印加することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程は、細胞スキャフォールドに磁場を印加することをさらに含む、請求項38または39のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、前記細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程の幹細胞である、請求項27~40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
前記細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植した後に前記皮膚組織を包帯で覆う工程をさらに含む、請求項27~41のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、前記細胞貯蔵器と接触状態にある、請求項27~42のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
前記細胞貯蔵器は、球状、楕円形状、円筒形状、チューブ形状、またはバッキーボール形状である、請求項27~43のいずれか1つに記載の方法。
【請求項45】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む、請求項27~44のいずれか1つに記載の方法。
【請求項46】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項27~44のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
前記細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む、請求項27~46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーと前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、同じものである、請求項47~49のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーと前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは異なるものである、請求項47~49のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、前記1つ以上の第2生分解性ポリマーより分解速度が低い、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞貯蔵器は、磁性材料によって誘導体化される、請求項27~52のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
前記ガイドは、磁性材料によって誘導体化される、請求項27~53のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
前記細胞貯蔵器は、直径が50~500μm(例えば、直径が250~400μm、直径が250~350μm、または直径が300~400μm)である、請求項27~54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
前記細胞貯蔵器は、直径が約200μm、または直径が約300μmである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ガイドは中空である、請求項27~56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項58】
前記ガイドは固体である、請求項27~56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項59】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、幹細胞である、請求項27~58のいずれか1つに記載の方法。
【請求項60】
前記幹細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記人工多能性幹細胞(iPSC)は、線維芽細胞、腎上皮細胞および血液細胞からなる群から選択されるソースから生成される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮幹細胞、またはその組み合わせである、請求項27~61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
濾胞形成細胞を培養する方法であって、
(a)1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程であって、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、
i.細胞貯蔵器、および
ii.1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む、工程と、
(b)1つ以上の濾胞形成細胞をマイクロウェルプレートの複数のマイクロウェル上で分配させる工程と、
(c)マイクロウェルプレートをインキュベートする工程と、を含む方法。
【請求項64】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、前記細胞貯蔵器と接触状態にある、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記細胞貯蔵器は、球状、楕円形状、円筒形状、チューブ形状、またはバッキーボール形状である、請求項63または64に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞貯蔵器は、中空内部を有する、請求項63~65のいずれか1つに記載の方法。
【請求項67】
前記細胞貯蔵器は、多孔性内部を有する、請求項63~65のいずれか1つに記載の方法。
【請求項68】
前記マイクロウェルは、円錐形状またはU字形状である、請求項63~67のいずれか1つに記載の方法。
【請求項69】
1つ以上の濾胞形成細胞をマイクロウェルプレートの複数のマイクロウェル上で分配させた後にマイクロウェルプレートを遠心分離機にかける工程をさらに含む、請求項63~68のいずれか1つに記載の方法。
【請求項70】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む、請求項63~69に記載の方法。
【請求項71】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項63~70のいずれか1つに記載の方法。
【請求項72】
前記細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む、請求項63~71のいずれか1つに記載の方法。
【請求項73】
前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーと前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは、同じものである、請求項72~74のいずれか1つに記載の方法。
【請求項76】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーと前記1つ以上の第2生分解性ポリマーは異なるものである、請求項72~74のいずれか1つに記載の方法。
【請求項77】
前記1つ以上の第1生分解性ポリマーは、前記1つ以上の第2生分解性ポリマーより分解速度が低い、請求項72~74のいずれか1つに記載の方法。
【請求項78】
前記細胞貯蔵器は、磁性材料によって誘導体化される、請求項63~77のいずれか1つに記載の方法。
【請求項79】
前記ガイドは、磁性材料によって誘導体化される、請求項63~78のいずれか1つに記載の方法。
【請求項80】
前記細胞貯蔵器は、直径が50~500μm(例えば、直径が250~400μm、直径が250~350μm、または直径が300~400μm)である、請求項63~79のいずれか1つに記載の方法。
【請求項81】
前記細胞貯蔵器は、直径が約200μm、または直径が約300μmである、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記ガイドは中空である、請求項63~81のいずれか1つに記載の方法。
【請求項83】
前記ガイドは固体である、請求項63~81のいずれか1つに記載の方法。
【請求項84】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、幹細胞である、請求項63~83のいずれか1つに記載の方法。
【請求項85】
前記幹細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記人工多能性幹細胞(iPSC)は、線維芽細胞、腎上皮細胞および血液細胞からなる群から選択されるソースから生成される、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記1つ以上の濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮幹細胞、またはその組み合わせである、請求項63~83のいずれか1つに記載の方法。
【請求項88】
細胞スキャフォールドを生成する方法であって、該方法は、
(a)細胞スキャフォールドを生成するために二光子重合を利用する工程を含み、該細胞スキャフォールドは、
i.細胞貯蔵器と、
ii.1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む前記細胞貯蔵器に取付けられるガイドと、を含む、方法。
【請求項89】
治療で使用するための、請求項1~26のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項90】
必要とする対象において脱毛および/または脱毛症、外胚葉性形成異常、連珠毛、ネザートン症候群、メンケス病、または先天性表皮水疱症から選択される疾病の処置で使用するための、請求項1~26のいずれか1つに記載の細胞スキャフォールド。
【請求項91】
請求項27~62のいずれか1つに記載の方法で使用するための、請求項89または90に記載の細胞スキャフォールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月14日に出願された米国仮特許出願第62/818,584号の利益を主張する。優先権は35U.S.C.119条に基づいて主張される。上記の特許出願は、あたかも本明細書に十分に記載されているかのように、引用により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
濾胞形成細胞に関連する治療は、脱毛および/または、脱毛症、外胚葉性形成異常、連珠毛、ネザートン症候群、メンケス病および先天性表皮水疱症を含む多くの疾患の処置のための利点を提供する場合がある。脱毛は、自尊心の低下、精神的苦痛、二次病的状態、鬱病エピソード、生活の質の低下に関連する。
【0003】
しかし、濾胞形成細胞の取り替えは、細胞の制御および方向付けを必要とする。さらに、真皮乳頭細胞をiPSCなどの幹細胞から由来させることは挑戦的である。したがって、濾胞形成細胞の移植および成長の有効な制御の必要性が残る。濾胞形成細胞を移植するための改善されたアプローチがさらに必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、本明細書に同定されたニーズの1つ以上を満たす、他の利点を提供する、または少なくとも、大衆に有用な選択を提供することを目標とする。ある実施形態は、細胞貯蔵器において1つ以上の濾胞形成細胞を含有し、かつ1つ以上の第1生分解性ポリマーを含むガイドをさらに含む細胞スキャフォールドを提供し、ここで、ガイドは貯蔵器に取付けられている。移植の後に、スキャフォールドは、1つ以上の濾胞形成細胞を配向させる、および/または、それらが機能する毛包に発展するように促進させるために機能することができる。貯蔵器および取付けられたガイドの組み合わせは、前のアプローチに対して改善された有効性を提供するかもしれない。
【0005】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞スキャフォールドであり、該細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイド、および1つ以上の濾胞形成細胞を含む。細胞スキャフォールドは、ヒト患者において皮膚下に移植可能に構成されてもよい。いくつかの態様では、細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器、およびそこから延在するガイドを含む。細胞スキャフォールドは、移植された時、細胞貯蔵器が皮膚の下にある一方、そこから延在するガイドが皮膚の外部に延在するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と接触状態にある1つ以上の濾胞形成細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、球状、楕円形状、円筒形状、チューブ形状、またはバッキーボール形状の細胞貯蔵器を含む。いくつかの態様では、細胞貯蔵器は、1つ以上の濾胞形成細胞を囲むまたは収容するように構成される。このように、そのような濾胞形成細胞は、細胞貯蔵器に内部の位置内に、かつ患者の皮膚の下で実質的に含有されている場合がある。いくつかの態様では、細胞貯蔵器は、通常球状の中央シェルの延在する1つ以上のアンカーまたはバーブを含む。そのようなアンカーまたはバーブは、濾胞形成細胞を、患者の皮膚下の安全な位置に収容し確保してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む1つ以上の生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、ポリカプロラクトンを含む1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、同じものである1つ以上の第1生分解性ポリマーと1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、異なるものである1つ以上の第1生分解性ポリマーと1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、1つ以上の第2生分解性ポリマーより分解速度が低い1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、磁性材料によって誘導体化された細胞貯蔵器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、磁性材料によって誘導体化されたガイドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、直径が50~500μmの細胞貯蔵器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、直径が250-350μm、または直径が300-400μmなどの直径が250-400μmの細胞貯蔵器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、直径が約300μmの細胞貯蔵器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、直径が約200μmの細胞貯蔵器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、中空ガイドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、固体ガイドを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、1つ以上の濾胞形成細胞を含み、および該1つ以上濾胞形成細胞は幹細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択された幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、線維芽細胞、腎上皮細胞および血液細胞からなる群から選択されるソースから生成される人工多能性幹細胞(iPSC)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、1つ以上の濾胞形成細胞を含み、および該1つ以上の濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮幹細胞、またその組み合わせである。
【0008】
本明細書に開示されて、いくつかの実施形態では、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、細胞スキャフォールドを移植させる前に真皮組織に針を貫通させる工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および充填する工程は、1つ以上の濾胞形成細胞、および細胞スキャフォールドを、複数のマイクロウェルを含むマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に置くことを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および充填する工程は、1つ以上の濾胞形成細胞、および細胞スキャフォールドを、複数のマイクロウェル含むマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に置くことを含み、ここで、マイクロウェルプレートの各マイクロウェルは、1つ以上の濾胞形成細胞および細胞スキャフォールドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および充填する工程は、1つ以上の濾胞形成細胞、および細胞スキャフォールドを、複数のマイクロウェル含むマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に置くことを含み、および細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器がマイクロウェルの底部に接近しており、ガイドがマイクロウェルの開口部に接近しているように、マイクロウェル内で配向される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および充填する工程は、1つ以上の濾胞形成細胞、および細胞スキャフォールドを、複数のマイクロウェル含むマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に置くことを含み、および1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールド内に充填する工程は、手動で実施される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および充填する工程は、1つ以上の濾胞形成細胞、および細胞スキャフォールドを、複数のマイクロウェル含むマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に置くことを含み、および1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールド内に充填する工程は、ロボットで実施される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および細胞貯蔵器、ガイド、または細胞貯蔵器とガイドの両方は、磁性材料で誘導体化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を細胞スキャフォールドに充填する工程を含み、および充填する工程は、細胞スキャフォールドに磁場を印加することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される毛包を成長させる方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程は、細胞スキャフォールドに磁場を印加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程での幹細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植した後に皮膚組織を包帯で覆う工程と、をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、細胞貯蔵器と接触状態である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、球状、楕円形状、円筒形状、チューブ形状、またはバッキーボール形状である。細胞貯蔵器は、多孔性外部、および中空内部または多孔性内部を有してもよい。いくつかの実施形態では、細胞貯蔵器は中空である。いくつかの実施形態では、細胞貯蔵器は多孔性内部を有する。例えば、球状、円筒形状、または楕円形状の細胞貯蔵器は中空内部または多孔性内部を有してもよい。多孔性内部を有する細胞貯蔵器は、90%、95%、97%、98%、99%、または99.5%以上の多孔性率を有してもよい。多孔性率は、pを引いた100%として決定され、ここで、pは、細胞貯蔵器と同じ形状、サイズと組成の無孔固体の質量の割合である(したがって、99%の多孔性を有する貯蔵器は、細胞貯蔵器と同じ形状、サイズと組成の無孔固体の質量の1%を有する)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、ポリカプロラクトン(PCL)を含む1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第1生分解性ポリマーと1つ以上の第2生分解性ポリマーは、同じものである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第1生分解性ポリマーと1つ以上の第2生分解性ポリマーは、異なるものである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、1つ以上の第2生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第1生分解性ポリマーは、1つ以上の第2生分解性ポリマーより分解速度が低い。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、磁性材料によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、ガイドは、磁性材料によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、直径が50~500μmである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、直径が約200μmである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、ガイドは、中空である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、ガイドは、固体である。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は幹細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択される幹細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択される幹細胞であり、および人工多能性幹細胞(iPSC)は、線維芽細胞、腎上皮細胞および血液細胞からなる群から選択されるソースから生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、毛包を成長させる方法であり、該方法は、1つ以上の濾胞形成細胞を、細胞貯蔵器、および1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドを含む細胞スキャフォールドに充填する工程と、細胞スキャフォールドを皮膚組織に移植させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮幹細胞、またはその組み合わせである。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程であって、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含む、工程と、1つ以上の濾胞形成細胞をマイクロウェルプレートの複数のマイクロウェル上で分配させる工程と、マイクロウェルプレートをインキュベートする工程と、を含む。いくつかの実施形態では、マイクロウェルプレートは、1つ以上の濾胞形成細胞をマイクロウェルプレートの複数のマイクロウェル上で分配させた後に遠心分離にかけられる。そのような工程は、濾胞形成細胞を細胞貯蔵器と接触させること、および/または濾胞形成細胞が細胞貯蔵器に参入することを促進し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程であって、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含む、工程と、1つ以上の濾胞形成細胞をマイクロウェルプレートの複数のマイクロウェル上で分配させる工程と、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、細胞貯蔵器と接触状態にある。いくつかの実施形態では、複数のマイクロウェルは円錐形状またはU字形状である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程であって、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含む、工程と、1つ以上の濾胞形成細胞をマイクロウェルプレートの複数のマイクロウェル上で分配させる工程と、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、球状、楕円形状、円筒形状、チューブ形状、またはバッキーボール形状である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程であって、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含む、工程と、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程であって、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含む、工程と、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、細胞貯蔵器に取付けられた1つ以上の第1生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第2生分解性ポリマーを含むガイドと、を含み、ここで、1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール共)酸(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリホスファゼン、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、細胞貯蔵器に取付けられた1つ以上の第1生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第2生分解性ポリマーを含むガイドと、を含み、ここで、1つ以上の第2生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーと1つ以上の第2生分解性ポリマーは、同じものである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーと1つ以上の第2生分解性ポリマーは、異なるものである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含み、および1つ以上の第2生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の第1生分解性ポリマーは、1つ以上の第2生分解性ポリマーより分解速度が低い。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、磁性材料によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、ガイドは、磁性材料によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、直径が50~500μmである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、細胞貯蔵器は、直径が約200μmである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、ガイドは中空である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、ガイドは固体である。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、幹細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、幹細胞であり、および幹細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、幹細胞であり、および幹細胞は、胚性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)からなる群から選択され、ここで、人工多能性幹細胞(iPSC)は、線維芽細胞、腎上皮細胞および血液細胞からなる群から選択されるソースから生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、濾胞形成細胞を培養する方法であり、該方法は、1つの細胞スキャフォールドをマイクロウェルプレートの各マイクロウェルに充填する工程を含み、ここで、マイクロウェルプレートは複数のマイクロウェルを含み、および各細胞スキャフォールドは、細胞貯蔵器と、1つ以上の第1生分解性ポリマーを含む細胞貯蔵器に取付けられたガイドと、を含み、ここで、1つ以上の濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮幹細胞、またはその組み合わせである。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞スキャフォールドを生成する方法であり、該方法は、細胞貯蔵器、および細胞の貯蔵器に取付けられた1つ以上の第1生分解性ポリマーを含むガイドを含む細胞スキャフォールドを生成するために二光子重合を利用する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、細胞スキャフォールドを生成する方法であり、該方法は、細胞貯蔵器、および細胞の貯蔵器に取付けられた1つ以上の第1生分解性ポリマーを含むガイドを含む細胞スキャフォールドを生成するために計算された軸リソグラフィなどの体積測定法を利用する工程を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、必要とする対象において、例えば、脱毛および/または脱毛症、外胚葉性形成異常、連珠毛、ネザートン症候群、メンケス病、または先天性表皮水疱症から選択される疾病の処置、治療で使用するためである。そのような処置は、本明細書に記載された毛包を最長させる方法の工程を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本特許出願は、色で実行された少なくとも1つの図面を含んでいる。カラーの図面を有するこの特許または特許出願のコピーが、必要な料金の請求および支払い後に当該事務局によって提供される。
【0016】
本明細書で開示される組成物および方法の新規な特徴は添付の請求項で具体的にされる。本スキャフォールドおよびその利用方法の特徴および利点をより良く理解するには、本スキャフォールドおよび方法の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と添付図面とを参照されたい。
図1図1は、ロッリ-アップ(Lolli-up)マイクロスキャフォールドの作用機序を示す。Aは、皮膚の表皮に貫通するガイドを有する皮膚内の意図した位置を示す空のロッリ-アップの技術者の解釈を示す。Bは、皮膚の表皮に貫通するガイドによって皮膚内に移植された上皮細胞および真皮乳頭細胞が事前に充填されたロッリ-アップの技術者の解釈を示す。Cは、皮膚の表皮に貫通する、形成された真皮乳頭カプセル(マゼンタ)および上皮細胞(青)が事前に充填された分解しているロッリ-アップ(点線)を有する発生期の毛包の技術者の解釈を示す。Dは、実際のPCLロッリ-アップの実際の電子顕微検査の画像を示す。スケールバーは500μmである。
図2図2は、ロッリ-アップ充填用のカスタムプレートを生成するためのバイオ工学処理のツールを示す。Aは雌型の固体スタンプを示す。Bは雄型のシリコーンモルドを示す。Cはアガロースマイクロウェル皿を示す。
図3図3は、ロッリ-アップ充填用のカスタムプレートを生成するためのバイオ工学処理のツールの追加の図を示す。Aは、プレート全体の図を示す。Bは、ウェルへと分配された個々のロッリ-アップスキャフォールドを示すプレートの中心のステレオ画像を示す。
図4図4は、ヒトの人工多能性幹細胞(iPSC)由来の真皮乳頭細胞およびマウスE18.5の胚性上皮細胞によるロッリ-アップ充填を示す。これらは、真皮乳頭およびケラチノサイトが充填された後0日目、1日目、および3日目の個々のロッリ-アップスキャフォールドの双眼実体顕微鏡の画像である。
図5図5は、ヒトの人工多能性幹細胞由来の真皮乳頭細胞(iPSC-DP)+マウスE18.5上皮細胞が充填されたロッリ-アップスキャフォールドの移植後の経皮的な髪の成長の例を示す。これらは、マイクロスキャフォールドで工学処理された濾胞形成細胞の移植後に28日目、40日目、および50日目にヌードマウスに観察された毛幹の拡大写真である。毛幹の黒色は、C57BL6上皮細胞調製物中に存在のメラノサイトが一因である。
図6図6は、改善されたロッリアップユニットの設計の例を示す。示された設計は、生分解時間、機械的特性および低下した毒性について最適化された材料を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書は、本開示の例示的な実施形態および応用を記載する。しかしながら、本開示は、これらの例示的な実施形態および応用、または例示的な実施形態および応用が作動する、あるいは本明細書に記載される方法に限定されない。
【0018】
本明細書に提供されるスキャフォールドおよびその使用方法の実施形態は、被験体において髪の成長を誘導することに関する。いくつかの実施形態では、濾胞形成細胞の集団は、生成し細胞スキャフォールドと組み合わせられることができ、その後、それは被験体へと皮下に移植され、髪を生成させることができる。有利には、濾胞形成細胞の各集団は、各細胞スキャフォールドのために大きな細胞集団を提供するために増幅され得る。濾胞形成細胞と細胞スキャフォールドの組み合わせは、皮膚障害がある被験体と同様に、やけど、瘢痕、および/または脱毛がある被験体を処置するために使用され得る。
【0019】
特定の定義
本明細書で使用される用語は、特定の事例のみを記載することを目的としており、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明白に示していない限り、同様に複数形を含むように意図される。さらに、「含むこと(including)」、「含む(includes)」「有すること(having)」、「有する(has)」、「とともに(with)」の用語またはその変形が、詳細な記載および/または請求項のいずれかで使用される程度まで、そのような用語は、用語「含むこと(comprising)」に類似した方法で含まれるように意図される。用語「または」は、文脈が他を指示しない限り、包括的な意味、つまり「および/または」と同等で使用される。本明細書のセクションは、読む側の利便性のみのために分解され、議論された要素の組み合わせを制限しない。
【0020】
特に他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および物質に類似したまたは同等の方法および物質は、本開示の実施または試験に使用され得るが、適切な方法および物質が以下に記載される。本明細書で引用される全ての引用文献は、あたかも完全に明記されているかのように参照によって全体が組み込まれる。参照によって取り込まれた内容と本明細書に提供される明確に記載された内容との間にいずれかの矛盾または対立がある場合、明確に記載された内容が優先される。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3rd ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 2001);March,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 5th ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 2001);およびSambrook and Russel, olecular Cloning:A Laboratory Manual 3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press (Cold Spring Harbor,NY 2001)は、本出願で使用される用語の多くの一般的な指針を当業者に提供する。
【0021】
「約(about)」または「およそ(approximately)」との用語は、当業者によって決定されるような特定の値の許容可能な誤差範囲内であることを意味し、これは、その値がどのように測定または決定されるかに、例えば、測定システムの制約に部分的に依存している。例えば、「約」とは、任意の値での実践につき1または1を超える標準偏差を意味し得る。特定の値が本出願と請求項に記載されている場合、特段の定めのない限り、「約」との用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味するものであると仮定されなければならない。
【0022】
置換基の数を示す場合、用語「1つ以上」は、置換基を1つの置換基からできるだけ多くの置換、例えば、置換基によって最大1つの水素の置換からすべての水素の置換までの範囲を指す。
【0023】
「随意の」または「随意に」との用語は、後に記載される事象または状況が生じることもあれば、生じないこともあり、および、本記載が上記の事象または状況が生じる例とそれが生じない例を含んでいることを意味する。要素に対する「随意の」または「随意に」の用語は、後に記載される要素が存在することもあれば、存在しないこともあり、および、本記載が上記の要素が存在する実施形態、およびそれが存在しない実施形態を含むことを意味する。
【0024】
本明細書で使用されるような用語「濾胞形成細胞」は、一般的に、毛包を成長させるように機能する細胞の集団を指す。
【0025】
本明細書で使用されるような用語「真皮乳頭細胞」は、一般的に毛包形成および毛髪成長周期を調節する間葉細胞の特有の集団を指す。発育中に、ほとんどの真皮乳頭(DP)細胞は、中胚葉に由来するが、機能的に同等の頭部毛のDP細胞は神経堤(NC)から由来し得る。
【0026】
本明細書で使用されるような用語「細胞スキャフォールド」は、細胞を含有し得る固体材料(例えば、ポリメリック)を含む構造を指し、ここで「固体」は、物質の状態、例えば、液体とは対照的の意味で使用される;スキャフォールドは、本明細書の他のところに議論されるように、多孔性であってもよい。ヒドロゲル、例えば、コラーゲンヒドロゲル、またはアガロースヒドロゲルは、固体と考えられることなく、細胞スキャフォールドの固体材料として認められない。本明細書中に詳細に別記されるように、固体材料は生分解性ポリマーであってもよい。
【0027】
本明細書で使用されるような用語「取付けられた」、およびその文法的変異体は、第1要素が第2要素に接着される、接続される、または接合されることを示す。単なる接触であってそれ以上でないものは、取付けを構成しない。
【0028】
本明細書で使用されるような「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、「投与(administration)」などの用語は、場合によっては、スキャフォールドまたは組成物を生物学的作用の望ましい部位へ送達することを指す。適切な送達方法は、非経口経路(皮下(s.c.)、腹腔内的(i.p.)、および局所的(top.)投与を含む)を含むが、それらに限定されない。当業者は、本明細書に記載されるスキャフォールドおよび方法を用いて使用され得る投与技術に精通している。いくつかの実施形態では、スキャフォールドは皮下に投与される。
【0029】
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用されるように、一人の患者に対する選択された治療薬の投与を包含することを意味しており、同じあるいは異なる投与経路によって、または同じあるいは異なる時間に、薬剤が投与される治療レジメンを含むことを意図している。
【0030】
「有効な量」または「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の症状の1つ以上をある程度まで軽減する、例えば、疾患の1つ以上の徴候、症状、または原因を減少および/または緩和させる、あるいは生体系の他の所望の変化をもたらす、投与されている薬剤または組成物の十分な量を指す。例えば、治療上の使用のための「有効な量」は、疾患の1つ以上の症状の臨床的に有意な減少を提供する薬剤の量になり得る。適切な「有効な」量は、個々の症例において、用量漸増実験などの技術を使用して決定される場合がある。
【0031】
「被験体」または「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例は、哺乳動物のクラスの任意のメンバー:ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、および他の類人猿ならびにサル類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物、ラット、マウスおよびモルモットなどの、げっ歯類を含む実験動物を含むが、それらに限定されない。1つの態様では、哺乳動物はヒトである。本明細書で使用されるような「動物」の用語は、ヒトおよびヒト以外の動物を含む。1つの実施形態では、「ヒト以外の動物」は哺乳動物、例えば、ラットまたはマウスなどのげっ歯類である。
【0032】
「処置する」、「処置すること」、または「処置」という用語は、本明細書で使用されるように、疾患または疾病の少なくとも1つの症状を緩和するか、軽減するか、あるいは改善すること、追加の症状を防ぐこと、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の発症を抑えること、疾患または疾病を軽減すること、疾患または疾病の退行を引き起こすこと、疾患または疾病によって引き起こされた状態を軽減すること、あるいは疾患または疾病の症状を予防的におよび/または治療的に止めることを含む。
【0033】
疾患状態を「防ぐ」またはその「予防」は、その疾患状態にさらされる、またはかかりやすくなる可能性があるが、疾患状態の症状をまだ経験しない、または示さない被験体において疾患状態の臨床症状が進行しないことを示す。
【0034】
用語「薬学的に許容可能な」は、一般的に安全、無毒、および、生物学的にも他の面でも有害ではない、および獣医学と同様に、ヒトの医薬品使用に許容可能である医薬組成物を調製するために有用な材料の属性を示す。本明細書で使用されるような「薬学的に許容可能な」とは担体または希釈剤などの材料を指し、該材料は、化合物の生物学的活性または特性を抑制し、比較的無毒であり、つまり、該材料は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、または、それが含まれる組成物の成分のいずれかと有害に相互作用することもなく、個体に投与され得る。
【0035】
細胞移植および育毛を促進するための生物分解性マイクロスキャフォールド
本明細書に開示されるのは、生物分解性であり得る細胞スキャフォールドであり、該細胞スキャフォールドは、(バッキーボールおよび他の球状構造の形状の貯蔵器を含む)細胞貯蔵器、および細胞貯蔵器に取付けられた生物分解性ガイドを含む。いくつかの実施形態では、細胞貯蔵器またはガイドは、取扱いおよび操作を促進するために磁性材料によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、細胞貯蔵器およびガイドスキャフォールド(本明細書に「ロッリ-アップ」または「ロッリアップ」と参照される)は、濾胞形成細胞の皮膚内への移植を促進する役割を果たす。本明細書に開示されるロッリ-アップは、即座に移植可能、および単一の細胞型または複数の細胞型が充填される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップは、濾胞形成細胞が充填され、および濾胞形成細胞は、真皮乳頭、上皮細胞またはその組み合わせを所定の比率で含んでもよい。メラノサイト、内皮細胞、または神経/ニューロンの細胞などの追加の細胞型が、構築物に追加され得る。本明細書に開示される方法のうちのいくつかでは、細胞スキャフォールドは、細胞が事前に充填され、その後、皮膚内に移植される。いくつかの実施形態では、スキャフォールドの細胞貯蔵器は、真皮に位置する一方、ガイドは外部に、かつ表皮の厚さを通して貫通する。ガイドは、毛幹が、皮膚を通して、とりわけ皮膚表皮を通して、貫通することを促進する役割を果たしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ガイドは、毛幹が皮膚を通して貫通することを可能にするために表皮の一時的な開口部を維持することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、スキャフォールドをマイクロウェル(それはカスタムメイドであってもよい)内に堆積させることによって、細胞が充填され、それは、ガイドを上部に、細胞貯蔵器を底部に備えたロッリ-アップスキャフォールドの垂直のポジショニングを可能にする。いくつかの実施形態では、単個細胞浮遊液は、ロッリアップスキャフォールドを含んでいるマイクロウェルに添加され、およびその後、マイクロウェルを含むプレートまたはマニホルドは、ウェルの底部で、およびスキャフォールド内に細胞を採取するために回転される。いくつかの実施形態では、複数のロッリアップの並列充填は、例えば、カスタムプリントされ得るアガロースマルチウェル皿を使用して遂行される。複数のロッリアップの並列充填のシステムおよび方法は、自動化され得、容易にロボット装置によって操縦され得る。いくつかの態様では、複数のロッリアップは、追加支援を提供するために、1つ以上の交差部材によって互いに接続されてもよい。交差部材は生物分解性であってもよい。いくつかの態様では、相互接続されたロッリアップアレイが調製される。いくつかの態様では、ロッリアップは、新しい毛包が、より自然な外観を提供するために、皮膚の表面に対する角度で最終的に方向付けられ得るように、皮膚の外部表面に対しての角度で配置される。
【0037】
ある実施形態では、本開示の方法は、細胞貯蔵器およびガイド、および1つ以上の濾胞形成細胞を含むスキャフォールドを被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、髪の成長を含む治療を提供する。投与は、被験体の皮膚の任意の位置、例えば、頭皮、顔、上唇、あご、眉、まつ毛、腕、脚、背中、胴、手、足、また腹部などの被験体の皮膚の位置であってもよい。いくつかの実施形態では、被験体の皮膚の位置は瘢痕組織を含む。いくつかの実施形態では、被験体は脱毛症を患っている。いくつかの実施形態では、被験体はヒトなどの哺乳動物である。
【0038】
いくつかの実施形態では、スキャフォールドは、約1週間~約2週間、約2週間~約3週間、約3週間~約4週間、約4週間~約5週間、約6週間~約7週間、約7週間~約8週間、約8週間~約9週間、約9週間~約10週間、約10週間~約11週間、約11週間~約12週間、約12週間~約24週間、約24週間~約48週間、約48週間、または約52週間、あるいはより長い期間の間に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも24週間、少なくとも48週間、または少なくとも52週間、あるいはそれ以上の期間の間に投与される。いくつかの実施形態では、スキャフォールドは、毎日一度、毎日二度、週毎一度、2週間毎一度、3週間毎一度、4週間毎一度(または月に一度)、8週間毎一度(または2ヶ月毎一度)、12週間毎一度(または3ヶ月毎一度)、あるいは24週間毎一度(6ヶ月毎一度)投与される。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、二光子重合を介して生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、計算された軸リソグラフィを含む様々な体積測定法を使用して生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞スキャフォールドは、Kelly et al.,Volumetric additive manufacturing via tomographic reconstruction,SCIENCE 363(6431):1075-1079(2019)で議論された方法を含む、計算された軸リソグラフィを使用して生成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、個々のロッリ-アップスキャフォールド間の間隔が、正常な皮膚中の毛包間の間隔とほぼ同じであるように、被験体に複数のロッリ-アップスキャフォールドを皮膚での複数の部位内に同時に投与することを含む。このように投与されたロッリ-アップスキャフォールドから成長した髪は、自然、美容上で魅力的な外観になる。いくつかの実施形態では、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100の個々のロッリ-アップスキャフォールドが投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、または300の個々のロッリ-アップスキャフォールドが投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、または1000の個々のロッリ-アップスキャフォールドが投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900年、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、または5000の個々のロッリ-アップスキャフォールドが投与される。いくつかの実施形態では、個々のロッリ-アップスキャフォールドの各々は、他の個々のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられていない。いくつかの実施形態では、1つ以上の個々ロッリ-アップスキャフォールドは、1つ以上の追加の個々のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられている。いくつかの実施形態では、1つの個々のロッリ-アップスキャフォールドは、1つの他のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられている。いくつかの実施形態では、1つの個々のロッリ-アップスキャフォールドは、2つの他のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられている。いくつかの実施形態では、1つの個々のロッリ-アップスキャフォールドは、3つの他のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられている。いくつかの実施形態では、1つの個々のロッリ-アップスキャフォールドは、4つの他のロッリ-アップスキャフォールドに付けられている。いくつかの実施形態では、1つの個々のロッリ-アップスキャフォールドは、4つの他のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられており、および複数のロッリ-アップスキャフォールドは、グリッドパターンを形成する。いくつかの実施形態では、1つの個々のロッリ-アップスキャフォールドは、4つの他のロッリ-アップスキャフォールドに取付けられており、および複数のロッリ-アップスキャフォールドは、ロッリ-アップスキャフォールドのアレイを形成する。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドが被験体の皮膚と90°の角度を形成するように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドが被験体の皮膚と80°の角度を形成するように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドが被験体の皮膚と70°の角度を形成するように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドが被験体の皮膚と60°の角度を形成するように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドが被験体の皮膚と60°未満の、50°未満の、40°未満の、30°未満の、20°未満の、または10°未満の角度を形成するように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドを出る毛が被験体の皮膚と自然発生の角度を作るように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドを出る毛が被験体の皮膚中のロッリ-アップスキャフォールドに隣接している地毛の角度と一致するように、被験体に投与される。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、かつガイドは細胞貯蔵器内に延在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、かつガイドは細胞貯蔵器内に延在しない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、かつガイドは曲げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、かつガイドは亀裂に耐性がある。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、およびロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドが被験体の皮膚を通して延在し、かつ細胞貯蔵器が完全に被験体の皮膚の下に固定されるように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、およびロッリ-アップスキャフォールドは、ガイドの少なくとも一部が被験体の皮膚を通して外部に延在し、かつ細胞貯蔵器が完全に被験体の皮膚の下に固定されるように、被験体に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるロッリ-アップスキャフォールドは、細胞貯蔵器とガイドおよび1つ以上の濾胞形成細胞を含み、およびロッリ-アップスキャフォールドは、ガイド全体が被験体の皮膚を通して外部に延在し、かつ細胞貯蔵器が完全に被験体の皮膚の下に固定されるように、被験体に投与される。
【0043】
図面の詳細な記載
図1A図1Cは、1つの実施形態に係るロッリ-アップマイクロスキャフォールドの示唆された作用機序を示す例示的な概略図である。より具体的には、図1Aは、1つの、皮膚から延在するおよび皮膚の表皮を貫通するガイドを有する皮膚内に意図された位置を示す空のロッリアップの概略図を示す。図1Bは、皮膚から延在し、かつ皮膚の表皮を貫通するガイドを有する、上皮細胞および真皮乳頭細胞が事前に充填され、および皮膚内に移植されたロッリアップを示す概略図である。図1Cは、皮膚の表皮を貫通する、形成された真皮乳頭カプセル(マゼンタ)および上皮細胞(青)が事前に充填された分解しているロッリアップ(点線)を有する発生期の毛包を示す概略図である。図1Dは例示的なPCLロッリアップの電子顕微鏡検査画像である。スケールバーは500μmである。
【0044】
図2は、1つの実施形態に係るロッリ-アップ充填のためのカスタムプレートを生成するための生物工学処理されたツールを示す。(A)は雌型の固体スタンプ、(B)は雄型のシリコーンモルドである。(C)はアガロースマイクロウェル皿である。
【0045】
図3は、1つの実施形態に係るロッリ-アップ充填のためのカスタムプレートを生成するための生物工学処理されたツールを示す。ロッリアップスキャフォールドを保持するアガロースマイクロウェルは、各切除内に個々に置かれた。(A)はプレート全体の図、(B)は、ウェル内に分配された個々のロッリアップスキャフォールドを示すプレートの中心のステレオ画像である。
【0046】
図4は、1つの実施形態に係るヒトのiPSC由来の真皮乳頭細胞およびマウスE18.5の胚性上皮細胞が充填されるロッリ-アップを示す。これらは、真皮乳頭およびケラチノサイトが充填された後0日目、1日目、および3日目の個々のロッリ-アップスキャフォールドの双眼実体顕微鏡の画像である。3日目の画像の幹に沿った細胞移動に注目されたい。0日目および1日目の画像は、マイクロウェル内で撮られた。3日目の画像は、マイクロウェルから除去され、ヌードマウスへと移植させる前にペトリ皿の底に置かれた構築物とともに撮られた。ガイドに沿ってバッキーボールから離れて遊走する細胞に注目されたい(3日目、赤い矢印)。画像は双眼実体顕微鏡を使用して撮られた。スケールバーは、100μmである。
【0047】
図5は、1つの実施形態に係るヒトiPSC-DP+マウスE18.5上皮細胞が充填されたロッリ-アップスキャフォールドの移植後の経皮的な髪の成長の例を示す。これらは、マイクロスキャフォールドで工学処理された濾胞形成細胞の移植後の28目日、40日目、および50日目にヌードマウスで観察された毛幹の拡大画像である。毛幹の黒色は、C57BL6上皮細胞調製物中に存在するメラノサイトが一因である。
【0048】
図6は、ロッリ-アップマイクロスキャフォールドの別の例示的な実施形態を描く。示されるように、ロッリ-アップ(600)は、細胞貯蔵器(601)およびガイド(603)を含んでもよい。細胞貯蔵器(601)は、実質的に球状であってもよく、細胞貯蔵器(601)内に濾胞形成細胞を収容するように構成されてもよい。細胞貯蔵器(601)は、濾胞形成細胞が細胞貯蔵器(601)内に実質的に含有されてもよく、また経時的に細胞貯蔵器(601)の外部に遊走することができるように、多孔性であってもよい。細胞貯蔵器(601)は、経時的に生分解性であってもよい。ガイド(603)は、細胞貯蔵器(601)に取付けられてもよく、またはロッリ-アップ(600)を含む単一の構造の一部であってもよい。図6に示されるように、ガイド(603)の少なくとも一部は細胞貯蔵器(601)へと延在してもよい。いくつかの態様では、ガイド(603)は、細胞貯蔵器(601)の長さを通って延在してもよい。いくつかの態様では、ガイド(603)は、細胞貯蔵器(601)の上部および底部に固定されてもよい。細胞貯蔵器(601)を通ってガイド(603)が延在することは、ロッリ-アップ(600)の構造的完全性を改善し得る。
【0049】
ロッリ-アップ(600)は、ロッリ-アップ(600)が患者に移植されているとき、ガイド(603)が皮膚を通って延在するように、構成されてもよい。いくつかの態様では、ガイド(603)は、中空ではなく、多少固体部または糸状である。このように、ガイド(603)は、皮膚を通って延在し、皮膚は、皮膚が患者の身体内に有害な物質の侵入を防ぐその天性の機能を維持するように、実質的にガイド(603)を囲む。いくつかの態様では、ガイド(603)はナイロン糸を含む。いくつかの態様では、ガイドは、それが経時的に分解するように、生分解性材料で作られている。ガイド(603)においては、ポリカプロラクトン(PCL)などの生分解性ポリエステルで作られている。一般的に、ガイド(603)は、細胞を上方へガイドするように構成される。いくつかの態様では、ロッリ-アップ(600)の移植後、1つ以上の毛幹はその皮膚ガイド(603)のインターフェースで結合する場合がある。
【0050】
好ましい実施形態が本明細書に示され記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されていることは当業者には理解されるであろう。本明細書に記載される実施形態の様々な代替案が、本明細書に記載される組成物および方法を実行する際に利用され得ることを理解されたい。
【実施例
【0051】
以下の実施例は、請求された発明をより良く例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。特定の物質が言及される程度にまで、それは単なる例示目的のためのものであり、本発明を制限するようには意図されていない。当業者は、進歩性のある能力の行使なしに、かつ本発明の範囲から逸脱することなく、同等な手段又は反応物を開発するかもしれない。
【0052】
実施例1A.ロッリアップの原理および生産
【0053】
ロッリアップマイクロスキャフォールドを、皮膚内への濾胞形成細胞の移植を制御するために設計した。ロッリアップは、ガイド(幹)と結合されたバッキーボールからなる。バッキーボールは、所与の細胞数を収容し、ガイド/幹の処理によって容易に操作される。細胞の処理およびロッリアップスキャフォールド全体の促進に加えて、ガイド/幹は、髪の成長および髪の周期中に発生期の毛幹が貫通し存在するために、皮膚表皮中に空間を保持する役割を果たす。最後に、ロッリアップは、さらに皮膚内の毛包の初期の位置および髪の成長の方向をセットする。ロッリアップは、高細胞密度(バッキーボール内の)を達成する能力を、機械的安定性と指向性に組み合わせる。さらに、人工多能性幹細胞(iPSC)由来の真皮乳頭(DP)細胞および上皮細胞(iPSC由来の上皮細胞を含む)をロッリアップマイクロスキャフォールドに充填することは、移植時の真皮細胞と表皮細胞との間のクロストークを強化させる。
【0054】
スキャフォールドは、マウス(およびヒト)皮膚内に3D濾胞ユニットを移植することを促進する、かつ、図1に示されるように、毛包形成の生体事象を模倣して、皮膚を通して髪の成長をガイドするための、重要なツールを提供する。バッキーボール直径は、50~500μMに及ぶことができ、およびガイドの長さは、1~5mmに及ぶことができる。ロッリアップマイクロスキャフォールドを、ポリカプロラクトン(PCL)、縫合およびスティッチに使用されるのと同じ材料を使用して、二光子重合を使用して光学処理した。ヒトにおいてよく研究された生分解動態および安全性プロフィールを有する他のポリマーを使用し得る。バッキーボールおよびガイドは、様々な分解動態を有する様々なポリマーで作られ得る。
【0055】
実施例1B.アガロースマイクロウェル皿の生産
【0056】
固体スタンプを、30mmの円形上で9×9ウェルに一致するように設計した。Sylgard 184Silicone Elastomer and Curing Agent(Sigma-Aldrich/Merck KGaA,Darmstadt,Germanyから購入された)を受け取られたままで使用し、スタンプのシリコーン雌型を産生するために使用した。その後、この雌型をアガロースモルドに使用した。分子生物学グレード常水中の2%のアガロース(A9539-500GおよびSigma-Aldrich/Merck KGaA,Darmstadt,Germany)の溶液を材料が完全に溶解するまでマイクロウェーブを使用して加熱した。その後、液体のアガロースを35mmの培養皿に流した。シリコーン雄型を、アガロース溶液上に逆さまに置いた。10分後、スタンプをアガロースから取り除くことができた。結果は、図2に示されるような、63のV字形状のマイクロウェルを備えた培養皿である。その後、マイクロモルドされたアガロース培養皿は、インキュベータに移動させ、細胞培地を用いて一晩平衡化した。
【0057】
実施例1C.アガロースマイクロウェルへのロッリアップスキャフォールドの分配
【0058】
1つのマイクロウェル当たりに1つのスキャフォールドの存在を確保する、かつスフェロイドを構造内に形成させるために、ロッリアップを、各マイクロウェルに手動で転写した。ボール部分が底部に、ロッドが切除の上部に向けてロッリ-アップが正確に置かれるように制御するために、図3に示されるように、その転写を実体顕微鏡下で実施した。
【0059】
実施例2.ロッリアップに細胞を充填する工程
【0060】
hiPSCをDP様細胞に分化し、および単分子層に拡張した後、hiPSC-DP細胞を、トリプシンで収穫し、遠心分離機にかけ、および500μlで1x10細胞密度でAmnioMAXII培地(Gibco,Thermo Fischer Scientific,Waltham,Massachusetts,USA)中で再懸濁した。マウス胎児性(E18.5)上皮細胞(ケラチノサイト)を、Zheng et al,2005(Ying Zheng,Xiabing Du,Wei Wang,Marylene Boucher,Satish Parimoo,and Kurt S.Stenn,Organogenesis From Dissociated Cells:Generation of Mature Cycling Hair Follicles From Skin-Derived Cells.J Invest Dermatol 124:867-876,2005)に記載されているように取得した。簡潔に言えば、体幹の皮膚をE18.5 C57BL/6胎芽から取り除き、Ca2+およびMg2+遊離PBSですすいだ。表皮の真皮からの分離を可能にするために、皮膚を、4°Cで0.2%のジスパーゼで一晩インキュベートした。その後、表皮を、0.25%のトリプシン/EDTA(Sigma-Aldrich, St.Louis, USA)で37°Cで10分消化した一方、真皮を、0.2%のコラゲナーゼ(Sigma-Aldrich,St.Louis,USA)で37°Cで60分消化した。単一細胞懸濁液を、40μmのフィルターで濾し、1200rpmでペレットにした。1x10の単一の表皮細胞を、ケラチノサイト増殖培地(PromoCell GmbH,Heidelberg,Germany)の500μlの全容積中で再懸濁した一方、マウスの1x10の単一の皮膚細胞をAmnioMAXII培地で再懸濁した。8x10のヒトのiPSC由来の真皮乳頭細胞またはマウス皮膚細胞の単一細胞懸濁液を、8x10のマウスE18.5上皮細胞と混合し、および培地の最終量を1mlに調節した。細胞を、培養皿中のマイクロウェル上に均質に分配した。
【0061】
細胞ミックスを切除の底部に適切に定着させることを保証するために、培養皿を500rpmで3分間遠心分離機にかけた。この時点では、AmnioMAXTMIIおよびケラチノサイト増殖培地の等量で作られた1mlの新しい培地を、最大3日間37°Cでインキュベートされた培養皿に注意深く添加した。ヒトのiPSC由来の真皮乳頭細胞およびマウスE18.5胚性上皮細胞をロッリ-アップに充填する工程は、図4に示される。
【0062】
実施例3.マウスE18.5上皮細胞と組み合わせたヒトのiPSC由来のDP細胞が事前に充填されたロッリアップスキャフォールドの移植
【0063】
無胸腺ヌードマウスをEnvigo(Envigo,Placentia,USA)から取得した。すべての動物処置を、PHS Policy on Humane Care and Use of Laboratory Animalsに従って、およびSanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute IACUC Committeeの承認で実施した。
【0064】
マウスE18.5上皮細胞と組み合わせたヒトのiPSC由来のDP細胞が事前に充填されたロッリアップスキャフォールドを、ヌードマウスの背中の皮膚に移植した。麻酔(イソフルオラン)下で、皮膚表面とほとんど平行な浅い刺傷を、20-G眼用Vランスで付けた。スキャフォールドを、傷内に手動で転写し、傷は、回復を可能にするために約1週間包帯で覆われていた。麻酔からの回復後、マウスを、単独でかごに入れ、正常な家畜状況下で維持した。注入された細胞を受け入れた皮膚部位を、50日間モニタリングし、カメラで画像化した。図5に示されるように、育毛を、移植後、28日目および50日目に評価した。
【0065】
皮膚のその場分析は、新しく生成された毛包内にヒトiPSC-DPによって占められたDP細胞の予期された決まった位置を証明し、およびDP細胞は、ヒト細胞質特異抗体での免疫蛍光検査法によってヒト由来であることを確認した(データは示されず)。
【0066】
本明細書に記載される実施例と実施形態は説明目的のためのものに過ぎず、当業者に示唆される様々な修正や変化は、本明細書の精神と範囲、および添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】