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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-09
(54)【発明の名称】壁掛け式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/26 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
D06F37/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544233
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2020074380
(87)【国際公開番号】W WO2020164426
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】201910115815.7
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】田雲
(72)【発明者】
【氏名】王佑喜
(72)【発明者】
【氏名】張萌
(72)【発明者】
【氏名】劉暁春
(72)【発明者】
【氏名】朱凱
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA01
3B165AE02
3B165BA03
3B165BA12
3B165BA82
3B165BA84
3B165BA85
3B165BA88
3B165CA17
3B165CB02
3B165CB31
(57)【要約】
本発明は、壁掛け式洗濯機を開示する。当該壁掛け式洗濯機は、外槽と、外槽の前方に設置され、衣類の出し入れを可能とする衣類投入口を有する前プレートと、前プレートとの間に回転取付構造を有する前プレート装飾材、を含む。本発明では、前プレート装飾材と前プレートの間に回転取付構造を有しているため、前プレート装飾材を持ち上げて取り付けに協力する他人がいなくても、1人で前プレート装飾材の取り付け及び取り外しを完了できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽と、
前記外槽の前方に設置され、衣類の出し入れを可能とする衣類投入口を有する前プレートと、
前記前プレートとの間に回転取付構造を有する前プレート装飾材、を含むことを特徴とする壁掛け式洗濯機。
【請求項2】
前記回転取付構造は、前記前プレートに設置される第1組付部と、前記前プレート装飾材に設置される第2組付部を含み、前記第1組付部及び前記第2組付部は、回転により係止して組み合わせる方式で係接を行うことで、前記前プレートと前記前プレート装飾材を係接し、
好ましくは、前記第1組付部及び前記第2組付部は、1対1で対応するよう、前記前プレートと前記前プレート装飾材の隣り合う双方の端面に設置されることを特徴とする請求項1に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項3】
前記第1組付部は、突起又は係接孔のうちの少なくとも一方を含んでおり、前記第1組付部と前記第2組付部とが組み合わされ、前記第2組付部は、係接孔又は突起のうちの少なくとも一方を含んでおり、
好ましくは、前記前プレート装飾材の突起と前記前プレートの係接孔が組み合わされることを特徴とする請求項2に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項4】
前記係接孔は開口部と緊締部を含み、前記開口部と前記緊締部とが連通しており、前記突起は、前記開口部から前記緊締部内まで摺動して緊締及び係接され、
好ましくは、前記開口部は前記緊締部に向かってなだらかに連なっていることを特徴とする請求項3に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項5】
前記突起は係接部を含み、前記係接部は前記開口部よりも小さく前記緊締部よりも大きく、前記係接部は、前記開口部を貫通したあと前記緊締部の後方まで回転して係接を実現し、
好ましくは、前記係接部の上部には、前記開口部への貫通を容易とする斜面が備わっており、前記係接部の底部には、前記緊締部の後方に組み合わされて係接を実現するための係接面が備わっていることを特徴とする請求項4に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項6】
前記突起はくびれ部を更に含み、前記くびれ部は、一端が前プレート装飾材/前プレートに設置され、他端が前記係接部に接続されており、前記係接部が前記開口部を貫通したあと、前記くびれ部は前記緊締部内に回入して緊締されることを特徴とする請求項5に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項7】
前記くびれ部の厚みは、前プレート装飾材/前プレートから離れる方向に徐々に薄くなっていることを特徴とする請求項6に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項8】
前記くびれ部は、更に、自身の強度を補強する補強リブを含み、
好ましくは、前記補強リブの高さは、前プレート装飾材/前プレートから離れる方向に徐々に低くなっていることを特徴とする請求項6又は7に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項9】
前記前プレート装飾材の後壁面に、前記前プレートに向かって突出する突出リブと、前記前プレートに接続される係接部材が設けられており、前記係接部材と前記突出リブは、前記前プレート装飾材に一体的に射出成型され、前記係接部材に対応する前記前プレート上の位置には係接孔が設置されており、前記係接孔には、前記係接部材が前記前プレート装飾材とともに回転運動する際の軌跡に対応する摺動経路が設けられており、
好ましくは、前記突出リブは、前プレート装飾材の軸方向に延伸する環状突出リブと、径方向に延伸する複数の径方向突出リブを含み、前記係接部材は前記環状突出リブに設置されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項10】
前記前プレートと前プレート装飾材にはいずれも接続孔が設けられており、緊締部材が接続孔内に配置されることで前記前プレートと前記前プレート装飾材とが固定的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の壁掛け式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理機の分野に属し、具体的には、壁掛け式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、現在、人々の生活において最も一般的な家庭用電気製品であり、多種多様な構造形式を有している。壁掛け式洗濯機は、斬新且つ流行の外観や、室内スペースの節約といった特性から多くのユーザに好まれるようになっている。
【0003】
従来技術の壁掛け式洗濯機には外槽が設けられており、外槽の内部に回転洗浄槽が設けられている。回転可能な内槽とその他の構造を遮蔽するために、通常は、外槽口部の外側に前プレートが設けられている。更に、前プレートの前方には、前プレートに組み合わされて前プレート等の構造を装飾及び遮蔽する前プレート装飾材が設けられている。前プレートは、ネジ又はボルトによって取り外し可能に外槽口部に取り付けられる。また、前プレート装飾材と前プレートとの接続についても、通常はネジ又はボルトによって行われる。しかし、前プレート装飾材は一定の重量を有しており、且つ体積が大きいことから、少なくとも1人が前プレート装飾材を持ち上げて位置決めし、もう1人が取り付けを行う必要がある。そのため、取り付けが複雑で労力を要するほか、複数の取付人員の協力も必要とされる。つまり、取り付け及び取り外しがやや面倒であり、特に、前プレート装飾材を1人で着脱する過程で面倒が生じる。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、壁掛け式洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0007】
壁掛け式洗濯機は、外槽と、外槽の前方に設置され、衣類の出し入れを可能とする衣類投入口を有する前プレートと、前プレートとの間に回転取付構造を有する前プレート装飾材、を含む。
【0008】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記回転取付構造は、前プレートに設置される第1組付部と、前プレート装飾材に設置される第2組付部を含む。第1組付部と第2組付部は、回転により係止して組み合わせる方式で係接を行うことで、前プレートと前プレート装飾材を係接する。
【0009】
好ましくは、第1組付部と第2組付部は、1対1で対応するよう、前プレートと前プレート装飾材の隣り合う双方の端面に設置される。
【0010】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記第1組付部は、突起又は係接孔のうちの少なくとも一方を含んでおり、第1組付部と第2組付部が組み合わされる。また、第2組付部は、係接孔又は突起のうちの少なくとも一方を含んでいる。
【0011】
好ましくは、前プレート装飾材の突起と前プレートの係接孔が組み合わされる。
【0012】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記係接孔は開口部と緊締部を含み、開口部と緊締部が連通している。突起は、開口部から緊締部内まで摺動して緊締及び係接される。
【0013】
好ましくは、前記開口部は緊締部に向かってなだらかに連なっている。
【0014】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記突起は係接部を含んでいる。前記係接部は、開口部よりも小さく、緊締部よりも大きい。係接部は、開口部を貫通したあと緊締部の後方まで回転して係接を実現する。
【0015】
好ましくは、前記係接部の上部には、開口部への貫通を容易とする斜面が備わっており、係接部の底部には、緊締部の後方に組み合わされて係接を実現するための係接面が備わっている。
【0016】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記突起はくびれ部を更に含む。前記くびれ部は、一端が前プレート装飾材/前プレートに設置され、他端が係接部に接続されている。係接部が開口部を貫通したあと、くびれ部は緊締部内に回入して緊締される。
【0017】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記くびれ部の厚みは、前プレート装飾材/前プレートから離れる方向に徐々に薄くなっている。
【0018】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記くびれ部は、更に、自身の強度を補強する補強リブを含む。
【0019】
好ましくは、前記補強リブの高さは、前プレート装飾材/前プレートから離れる方向に徐々に低くなっている。
【0020】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記前プレート装飾材の後壁面に、前プレートに向かって突出する突出リブと、前プレートに接続される係接部材が設けられている。前記係接部材と突出リブは、前プレート装飾材に一体的に射出成型される。また、係接部材に対応する前プレート上の位置に係接孔が設置されている。係接孔には、係接部材が前プレート装飾材とともに回転運動する際の軌跡に対応する摺動経路が設けられている。
【0021】
好ましくは、前記突出リブは、前プレート装飾材の軸方向に延伸する環状突出リブと、径方向に延伸する複数の径方向突出リブを含む。前記係接部材は環状突出リブに設置される。
【0022】
本発明は、更に、次のように設けられる。即ち、前記前プレートと前プレート装飾材にはいずれも接続孔が設けられている。緊締部材が接続孔内に配置されることで前プレートと前プレート装飾材が固定的に接続される。
【発明の効果】
【0023】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0024】
1.本願では、前プレート装飾材と前プレートの間に回転取付構造を有しているため、前プレート装飾材を持ち上げて取り付けに協力する他人がいなくても、1人で前プレート装飾材の取り付け及び取り外しを完了できる。
【0025】
2.回転取付構造は第1組付部と第2組付部を含んでいるため、回転により係止して組み合わせる方式で前プレートと前プレート装飾材を係接するのに都合がよい。これにより、前プレート装飾材を持ち上げて取り付けに協力する他人がいなくても、1人で前プレート装飾材の取り付け及び取り外しを完了できる。且つ、着脱が簡単、便利である。前記第1組付部と第2組付部は、1対1で対応するように前プレートと前プレート装飾材の隣り合う双方の端面に設置される。よって、スペースの節約になるほか、第1組付部と第2組付部を隠しやすいため、衝突による破損が生じない。
【0026】
3.前記前プレートと前プレート装飾材の周壁には、前プレートと前プレート装飾材の相対的な回転を規制する接続機構が設けられている。これにより、回転させて係接した前プレートと前プレート装飾材が、ぐらつきや重力等の影響で回転して緩んだり、前プレート装飾材の係接を継続できなくなったりして抜け落ち、危険が生じるとの事態が防止される。
【0027】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0028】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明における壁掛け式洗濯機の前プレートと、前プレート装飾材の取付分解図である。
図2図2は、図1のA部分の拡大図である。
図3図3は、図1のB部分の拡大図である。
図4図4は、本発明における壁掛け式洗濯機の前プレートと、前プレート装飾材の取付分解図である。
図5図5は、本発明における壁掛け式洗濯機の前プレートと、前プレート装飾材の取付図である。
図6図6は、図5のC部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0031】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0032】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0033】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0034】
図1図6に示すように、本発明で説明する壁掛け式洗濯機は、洗浄水を満たすための外槽であって、外部と連通する口部を含むとともに、回転可能な内槽が内部に設けられた外槽と、外槽の前方に設置され、衣類の出し入れを可能とする衣類投入口13を有しており、回転可能な内槽とその他の構造を遮蔽するために設置される前プレート1と、前プレート1との間に回転取付構造を有しており、前プレート1の前方に設置され、前プレート1に組み合わされて前プレート1等の構造を装飾及び遮蔽するために用いられる前プレート装飾材2、を含む。壁掛け式洗濯機の取り付けは、通常、まず外槽と前プレート1を壁上に取り付けてから、前プレート装飾材2を前プレート1に接続する。しかし、前プレート装飾材2は一定の重量を有しており、且つ体積が大きいことから、少なくとも1人が前プレート装飾材2を持ち上げて位置決めし、もう1人が取り付けを行う必要がある。そのため、取り付けが複雑で労力を要するほか、複数の取付人員の協力も必要とされる。つまり、取り付け及び取り外しがやや面倒であり、特に、前プレート装飾材2を1人で着脱する過程で面倒が生じる。これに対し、本願では、前プレート装飾材2と前プレート1の間に回転取付構造を有しているため、前プレート装飾材2を持ち上げて取り付けに協力する他人がいなくても、1人で前プレート装飾材2の取り付け及び取り外しを完了できる。回転取付構造は、前プレート装飾材2と前プレート1を回転により螺接してもよいし、前プレート装飾材2と前プレート1を回転により係接してもよい。一般的には、前プレート装飾材2と前プレート1を回転により係接する方が実現及び実行が容易であり、且つ成型においても簡単、便利である。
【実施例1】
【0035】
本実施例において、前記回転取付構造は、前プレート1に設置される第1組付部と、前プレート装飾材2に設置される第2組付部を含む。第1組付部と第2組付部は、回転により係止して組み合わせる方式で係接を行うことで、前プレート1と前プレート装飾材2を係接する。回転取付構造は第1組付部と第2組付部を含んでいるため、回転により係止して組み合わせる方式で前プレート1と前プレート装飾材2を係接するのに都合がよい。これにより、前プレート装飾材2を持ち上げて取り付けに協力する他人がいなくても、1人で前プレート装飾材2の取り付け及び取り外しを完了できる。且つ、着脱が簡単、便利である。
【0036】
好ましくは、第1組付部と第2組付部は、1対1で対応するよう、前プレート1と前プレート装飾材2の隣り合う双方の端面に設置される。第1組付部と第2組付部が前プレート1と前プレート装飾材2の側面に設置される場合には、前プレート1と前プレート装飾材2のサイズが増大する。或いは、側面に設置される場合には、衝突による破損が生じやすい。第1組付部と第2組付部がその他の位置に設置される場合にも、上記の問題が同様に存在する。これに対し、本実施例では、前記第1組付部と第2組付部が、1対1で対応するように前プレート1と前プレート装飾材2の隣り合う双方の端面に設置されている。よって、スペースの節約になるほか、第1組付部と第2組付部を隠しやすいため、衝突による破損が生じない。
【0037】
更に、前記第1組付部は、突起21又は係接孔11のうちの少なくとも一方を含んでおり、第1組付部と第2組付部が組み合わされる。また、第2組付部は、係接孔11又は突起21のうちの少なくとも一方を含んでおり、突起21と係接孔11が組み合わされる。突起21が係接孔11内に挿入されることで、前プレート1と前プレート装飾材2が係接される。第1組付部の全てを突起21とし、これに対応して、第2組付部の全てを凹溝としてもよいし、第1組付部の全てを凹溝とし、これに対応して、第2組付部の全てを突起21としてもよい。或いは、第1組付部は少なくとも1つの突起21と少なくとも1つの凹溝を含み、第2組付部は、これに対応する個数の凹溝及び突起21を含む。即ち、第1組付部の突起21と第2組付部の凹溝が組み合わされ、第1組付部の凹溝と第2組付部の突起21が組み合わされる。好ましくは、前記第1組付部は少なくとも2つの突起21を含み、第2組付部は少なくとも2つの係接孔11を含む。或いは、第1組付部は少なくとも2つの係接孔11を含み、第2組付部は少なくとも2つの突起21を含む。好ましくは、前記第1組付部は少なくとも3つの突起21を含み、第2組付部は少なくとも3つの係接孔11を含む。前記第1組付部は少なくとも3つの突起21を含み、第2組付部は少なくとも3つの係接孔11を含む。三角形は形状が最も安定するため、係接後の前プレート1と前プレート装飾材2もいっそう安定的となる。突起21と係接孔11が多いほど、前プレート1と前プレート装飾材2との係接は安定する。
【0038】
好ましくは、前プレート装飾材2の突起21と前プレート1の係接孔11が組み合わされる。前プレート装飾材2に突起21を設置すれば、突起21を係接孔11に挿入したあとに突出部分が外側に露出することがない。突起21と係接孔11はいずれも前プレート装飾材2に遮蔽されるため、露出することがなく、外観の見栄えがよくなる。
【0039】
更に、前記係接孔11は、開口部111と緊締部112を含み、開口部111と緊締部112が連通している。係接孔11は、「L」型又は「T」型をなしている。突起21は、開口部111から緊締部112内まで摺動して緊締及び係接される。開口部111のサイズは大きめとなっており、突起21を係接孔11に進入可能とするために用いられる。緊締部112は、摺動する突起21を緊締及び係接するために用いられ、係接不備による緩みを防止する。
【0040】
好ましくは、前記開口部111は緊締部112に向かってなだらかに連なっている。これにより、鋭利に連なった辺縁が突起21を損傷又は破損させるとの事態が防止される。
【0041】
更に、前記突起21は係接部212を含んでいる。前記係接部212は、開口部111よりも小さく、緊締部112よりも大きい。係接部212は、開口部111を貫通したあと緊締部112の後方まで回転して係接を実現する。前記係接部212は開口部111よりも小さいため、前プレート1/前プレート装飾材2の前方から係接孔11に挿入されて、前プレート1/前プレート装飾材2の後方に到達するのに都合がよい。また、係接部212は緊締部112よりも大きい。係接部212を緊締部112の後方まで回転させたあと、係接部212を緊締部112の後方に規定することで、係接孔11からの離脱が防止される(本実施例において、後方とは相対的なものである。一般的には、係接部212が挿入を開始する方向を前方とみなし、係接部212が開口部111に挿入されたあと到達する位置を後方とみなす)。
【0042】
好ましくは、前記係接部212の上部には、開口部111への貫通を容易とする斜面が備わっており、係接部212の底部には、緊締部112の後方に組み合わされて係接を実現するための係接面が備わっている。係接部212は、前プレート1/前プレート装飾材2と比べて小さい。そのため、前プレート装飾材2を持ち上げて係接する際には、前プレート1と突き合わせて係接孔11を探し続ける必要があり、やや労力と時間を要する。そこで、本実施例では、斜面を設け、開口部111への係接部212の挿入を案内する役割を発揮させる。これにより、係接部212が開口部111をより貫通しやすくなり、前プレート装飾材2の取り付けがいっそう簡単且つ便利となる。また、係接面が緊締部112の後方に組み合わされて面係合を実現することで、点係合や線係合の場合よりも効果が良好となり、応力が均一に分散されるため、前プレート1/前プレート装飾材2に対する損傷も小さくなる。これにより、点係合や線係合のように、応力が集中して前プレート1/前プレート装飾材2を傷付けるとの事態が回避される。
【0043】
更に、前記突起21はくびれ部211を含んでいる。前記くびれ部211は、一端が前プレート装飾材2/前プレート1に設置され、他端が係接部212に接続されている。係接部212が開口部111を貫通したあと、くびれ部211は緊締部112内に回入して緊締される。くびれ部211は、係接部212と前プレート装飾材2/前プレート1を接続するために用いられる。本実施例において、くびれ部211は、係接部212と前プレート装飾材2を接続するために用いられる。且つ、くびれ部211はサイズが小さく、旋回しつつ緊締部112内に回入可能である。また、くびれ部211は係接部212に接続されており、係接部212を緊締部112の後方に回入して係接を実現する。
【0044】
更に、前記くびれ部211の厚みは、前プレート装飾材2/前プレート1から離れる方向に徐々に薄くなっている。厚みが徐々に変化するくびれ部211は緊締部112に良好に組み合わされるとともに、緊締が容易なため、ぐらつきや緩み等が発生しにくい。
【0045】
更に、前記くびれ部211は、自身の強度を補強する補強リブを含んでいる。くびれ部211は比較的薄いため、相対的に強度が高くはなく、断裂や湾曲等が生じやすい。そこで、補強リブを設置してくびれ部211の強度を補強することで、断裂や湾曲等の発生を防止する。
【0046】
好ましくは、補強リブの高さを、前プレート装飾材2/前プレート1から離れる方向に徐々に低くする。これにより、強度補強効果を達成可能としつつ、くびれ部211の厚みを徐々に薄くすることが可能となる。また、くびれ部211が緊締部112に良好に組み合わされるとともに、緊締が容易となり、ぐらつきや緩み等が発生しにくくなる。
【実施例2】
【0047】
実施例1をベースに、本実施例では、前記前プレート装飾材2の後壁面に、前プレート1に向かって突出する突出リブ22と、前プレート1に接続される係接部材が設けられている。前記係接部材と突出リブ22は、前プレート装飾材2に一体的に射出成型される。また、係接部材に対応する前プレート1上の位置に係接孔11が設置されている。係接孔11には、係接部材が前プレート装飾材2とともに回転運動する際の軌跡に対応する摺動経路が設けられている。突出リブ22を設置することで、前プレート装飾材2の強度が補強されるとともに、前プレート1と前プレート装飾材2との距離の差が補填される(前プレート1と前プレート装飾材2は異形構造をなしているため、両者の間には一定の隙間が存在する)。係接部材と突出リブ22を前プレート装飾材2に一体的に射出成型することで、成型が簡単且つ便利となり、コストも抑えられる。更には、前プレート装飾材2の強度も補強される。係接部材は、係接孔11の摺動経路内で回転して係止され、前プレート1と前プレート装飾材2を係接する。
【0048】
好ましくは、前記突出リブ22は、前プレート装飾材2の軸方向に延伸する環状突出リブ22と、径方向に延伸する複数の径方向突出リブ22を含む。前記係接部材は環状突出リブ22に設置される。環状突出リブ22と径方向突出リブ22は、周方向と径方向の双方において前プレート装飾材2に対する補強効果を発揮するため、前プレート装飾材2がいっそう破損しにくくなり、構造が一段と安定する。また、係接部材は環状突出リブ22に設置されるため、回転により係止して組み合わせる方式で前プレート1と前プレート装飾材2を係接するのに都合がよく、且つ、係接部材と突出リブ22の双方に対して強度補強効果が奏される。
【実施例3】
【0049】
上記の実施例をベースに、本実施例では、前記前プレート1と前プレート装飾材2の周壁に、前プレート1と前プレート装飾材2の相対的な回転を規制する接続機構が設けられている。これにより、回転させて係接した前プレート1と前プレート装飾材2が、ぐらつきや重力等の影響で回転して緩んだり、前プレート装飾材2の係接を継続できなくなったりして抜け落ち、危険が生じるとの事態が防止される。
【0050】
好ましくは、接続機構は、前プレート1と前プレート装飾材2の周壁に設けられる接続孔と緊締部材を含み、緊締部材が接続孔内に配置されることで前プレート1と前プレート装飾材2を固定的に接続する。一般的に、緊締部材はネジ/ボルトである。
【実施例4】
【0051】
本実施例において、壁掛け式洗濯機は、洗浄水を満たすための外槽であって、外部と連通する口部を含むとともに、回転可能な内槽が内部に設けられた外槽と、外槽に接続されるとともに、外槽の口部を覆うことが可能なドア体と、一端が外槽に接続されるとともに、他端がドア体に接続されて、外槽とドア体との枢動可能な接続を実現するヒンジ、を含む。前記ヒンジには、ドア体を取り付ける際にドア体を位置規制及び支持して、ドア体とヒンジとの離脱を防止する位置規制支持構造が設けられている。ヒンジは、一端が外槽に接続されるとともに、他端がドア体に接続され、ヒンジによってドア体と外槽との接続関係が構築される。機器の位置決めや構造保持の大部分は外槽の支持能力によって決定されるため、壁掛け式洗濯機の外槽構造で保持することはその他の部材で保持するよりも有効である。そこで、ヒンジによってドア体と外槽の間に接続関係を構築すれば、ドア体の取り付けの安定性及び堅牢性が強化されるとともに、接続位置の使用寿命を伸ばすのに有利となる。本願では、予め外槽にヒンジを装着してから、ドア体をヒンジに取り付ける。また、位置規制支持構造を設置し、ドア体をヒンジに取り付ける過程でドア体を位置規制及び支持することで、ドア体とヒンジの離脱を防止する。これにより、ヒンジとドア体との基本的な位置決めを行うことで、次の固定及び取り付けが容易となる。具体的には、ネジ又はボルトを用いてヒンジとドア体を接続するが、少なくとも1人がドア体を持ち上げて支えたあと、もう1人がドア体を装着するといった必要はなく、1人で位置規制支持構造を利用してドア体を予め位置規制及び支持してから、ドア体を取り付ければよい。よって、労働力、物資、コストの節約となる。
【0052】
更に、前記洗濯機は、外槽の前方に設けられる前プレート1を含む。前記前プレート1には、ヒンジの一端を装着する退避口12が設けられている。また、前記洗濯機は前プレート装飾材2を含む。前記前プレート装飾材2は、ヒンジの大部分の構造を隠し、ドア体に接続されるヒンジの他端のみを露出させる。これにより、機器の見栄えが向上するとともに、ヒンジを極めて強力に保護可能となる。前プレート装飾材2には、ヒンジの他端が挿通される空隙部23が設けられている。ヒンジのその他の部分は、前プレート装飾材2によって前プレート装飾材2と外槽の間に隠される。本実施例では、前プレート装飾材2でヒンジを隠す設計により、ヒンジの作用範囲、活動範囲のうち外側に露出する部分を極めて大幅に減少させている。これにより、小さな物体がヒンジの可動部位に入り込むとの事態が回避されるほか、操作時に、ユーザが誤って指をヒンジとドア体の間に挟みこむとの事態も回避可能なため、機器の使用上の安全性が向上する。
【0053】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0054】
1 前プレート
11 係接孔
111 開口部
112 緊締部
12 退避口
13 衣類投入口
2 前プレート装飾材
21 突起
211 くびれ部
212 係接部
22 突出リブ
23 空隙部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】