(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-09
(54)【発明の名称】歯科治療用の操作ライト
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
A61C19/00 H
A61C19/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554748
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 FI2020050158
(87)【国際公開番号】W WO2020183067
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036309
【氏名又は名称】プランメカ オイ
【氏名又は名称原語表記】Planmeca Oy
【住所又は居所原語表記】Asentajankatu 6, 00880 Helsinki, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ド ゴジンスキー クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ケットゥ アンッティ
(72)【発明者】
【氏名】フォルスベリ アリ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052LL04
(57)【要約】
本発明は、歯科操作ライト(8)の一部となるように、歯科操作ライト(8)に構造的および操作的に一体化されて配置された、プロジェクタ構成物(86)に関し、歯科操作ライト(8)は、表面上の第1の領域を照明し、一方、プロジェクタ構成物(86)は、第2の領域上に、前記表面上で前記歯科操作ライト(8)と本質的に同じ方向にグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影するように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム構造(2)と、
少なくとも1つの歯科器具(6)、歯科治療に関連する診断器具、および/または、歯科治療操作に関連して使用される少なくとも1つの器具を支持するための支持構造(5)と、
制御システムと、
ユーザインターフェース(12)と、
前記少なくとも1つの器具(6)に、それらの操作に必要とされる電力、制御信号、またはその両方を供給することができる配置と、
第1の領域を照明するために、所望の方向および操作ライト(8)から所望の距離で所望の種類のライトパターンを生成するように配置された照明システム(83、85)を含む歯科治療に関連して使用するように配置された操作ライト(8)と、
操作ライトの支持構造(7)と、を備え、
プロジェクタ構成物(86)が、表面上の前記所望の方向と実質的に同じ方向にグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影するように構成され、前記表面が、前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影される第2の領域を備え、前記プロジェクタ構成物(86)が、前記操作ライト(8)の一部であるように、前記操作ライト(8)に構造的および操作的に一体化されている、歯科治療ユニット。
【請求項2】
前記プロジェクタ構成物(86)は、前記所望の距離の近傍において、前記第2の領域が前記第1の領域の外側であるが前記第1の領域に近接するように、前記第2の領域において前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影するように構成される、請求項1に記載の歯科治療ユニット。
【請求項3】
前記プロジェクタ構成物(86)は、前記操作ライト(8)に構造的に一体化されたプロジェクタコントローラ(802)によって制御されるように構成されている、請求項1または2に記載の歯科治療ユニット。
【請求項4】
前記プロジェクタ構成物(86)は、前記所望の距離の近傍において、前記第2の領域が前記第1の領域よりも大きくなるように、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影することを可能にするように構成される、請求項3に記載の歯科治療ユニット。
【請求項5】
前記第1の領域より大きい前記第2の領域は、前記第1の領域を含む、請求項4に記載の歯科治療ユニット。
【請求項6】
前記プロジェクタコントローラ(802)は、前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを、デフォルトとしてまたは制御信号に対する応答として、前記第2の領域に投影することを可能にするように構成され、前記所望の距離の近傍において、前記第2の領域は、前記第1の領域の外側であるが前記第1の領域に近接している、請求項3に記載の歯科治療ユニット。
【請求項7】
前記プロジェクタコントローラ(802)は、前記第2の領域内の第1の部分に前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影し、同時に、前記第2の領域内の第2の部分に何も投影しないように構成される、請求項3~6のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項8】
前記プロジェクタコントローラ(802)は、歯科治療に関連する、または、歯科治療操作に関連して使用されてもよい、前記歯科器具(6)から、前記歯科器具自体の制御システムから、または歯科器具(6)の操作を制御するときに前記歯科治療ユニットから、前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影することに関する情報を受信するように構成される、請求項3~7のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項9】
前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオは、前記歯科治療ユニットのユーザインターフェースまたはその一部を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項10】
前記操作ライト(8)は、前記第2の領域を少なくとも部分的に撮影するように構成された少なくとも1つのカメラ(87)を有して、さらに配置される、請求項1~9のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項11】
前記操作ライト(8)は、前記少なくとも1つのカメラの視野内のジェスチャを認識するように構成された手段を含むか、またはそれと機能的に接続する、請求項10に記載の歯科治療ユニット。
【請求項12】
前記歯科治療ユニットの前記制御システムは、前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが前記プロジェクタ構成物によって投影されているときに前記ジェスチャが行われ、前記歯科治療ユニットのユーザインターフェース(12)の所与の特徴を備える場合、前記少なくとも1つのカメラによって撮影されたジェスチャを制御信号として認識するように構成される、請求項11に記載の歯科治療ユニット。
【請求項13】
前記歯科治療ユニットを含むシステムは、前記操作ライトに配置されたステレオカメラと、パターン認識のための手段およびパターン認識のために前記手段によって認識されるように構成された所与のパターンによってカバーされるか、またはそれを含む領域に前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影する手段と、および/または、パターン認識のために前記手段によって認識されるように構成された所与のパターンによってカバーされるか、またはそれを含む領域外の領域に前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影する手段と、を備える、請求項1~12のいずれかに記載の歯科治療ユニット。
【請求項14】
前記歯科治療ユニットを含むシステムは、前記操作ライトに配置されたステレオカメラと、パターン認識のための手段およびパターン認識のための前記手段によって認識された所与のパターンを含む前記ステレオカメラによって撮影された画像または画像の一部と共に、解剖学的構造に穿穴される穴の位置および配向を含む穿穴プランを前記第2の領域に投影する手段とを備え、前記所与のパターンは、歯科用穿穴器具に配置されたパターンである、請求項1~13のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項15】
操作に必要な、前記操作ライト(8)自体および前記プロジェクタ構成物(86)の両方の電子機器の少なくとも一部は、前記操作ライト(8)の構造の物理的部分として配置されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項16】
第1の領域を照射するため、望ましい方向および歯科操作ライトから所望の距離で望ましい種類のライトパターンを生成するために配置された、照明システム(83、85)と、アーム構造(7)の操作範囲内で歯科操作ライトを支持するための多関節でバランスのとれた支持アーム構造(7)と、を備える、歯科治療に関連して使用されるように配置された、歯科操作ライトであって、
プロジェクタ構成物(86)は、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを表面上の前記所望の方向と実質的に同じ方向に投影するように構成され、前記表面は、前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影される第2の領域を含み、前記プロジェクタ構成物(86)は、前記歯科操作ライト(8)の一部をなすために前記歯科操作ライト(8)に構造的および操作的に統合され、前記歯科操作ライト(8)は、少なくとも、機械的接続構造または歯科治療ユニットの対応する手段と互換性のあるシグナル手段のどちらかを含む、歯科操作ライト。
【請求項17】
前記歯科治療ユニットは、請求項1~15のいずれか一項に記載の歯科治療ユニットである、請求項16に記載の歯科操作ライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科操作ライトに関連して実施可能な配置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科学の分野では、「歯科治療ユニット」(しばしば単に「歯科ユニット」)という用語は、歯科治療に関連する診断器具または歯科治療作業に関連して使用される器具に電力を供給し、場合によっては信号を制御する装置または配置を指す。1つの典型的なソリューションは、歯科治療ユニットのフレーム構造から延びる支持アームによって支持される器具コンソール上にそのような器具を配置することである。
【0003】
歯科治療ユニットには、操作ライト用のアームも配置されることが多い。このような操作ライトには、特に患者の口腔領域を照明することに関連する規格があり、この規格は、操作ライトによって生成される光照射野の特性、例えば、そのサイズ、形状、半影領域などを定義する。歯科操作ライトはスタンドアロンの製品としても知られており、または、独立した用品として販売されているが、歯科治療ユニットに接続可能であるように構成されている。
【0004】
最新技術の歯科治療ユニットは、典型的には、歯科治療作業に関する様々な情報を提示するための配置を含む。この情報は、例えば、歯科治療ユニットに接続された器具の基本設定、器具の使用中の器具の操作に関するより詳細な情報、および他方で、例えば、歯科治療作業の誘導に関する他の種類の情報を含んでもよい。この種の情報は、例えば、歯科治療ユニットのユーザインターフェース上に、または歯科治療ユニットに接続されたモニタ上に表示されることが知られている。そのような情報を表示するための1つの位置は、歯科器具のための支持構造である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、口腔内での操作時に、歯科治療作業に関する情報を歯科医の視野に近づけることを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様として、一例として、情報は、現在進行中の操作そのもの、または器具の支持構造から使用するために現在ピックアップされている器具の使用に関するものであってもよい。
【0007】
本発明の一態様によれば、一例として、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影するライトビームは、基本的に、操作ライトが患者の口腔を照らすために所望の種類の光パターンを所望の方向および操作ライトから所望の距離で生成するように配置されるのと同じ方向で、歯科操作ライト内で生成されてもよい。
【0008】
本発明の一態様によれば、一例として、歯科操作ライトに配置されたプロジェクタ構成物は、歯科操作ライトから所望の距離にある所望のライトパターンによってカバーされる領域よりも広い領域に、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影することを可能にするように構成されてもよい。
【0009】
本発明の一態様によれば、一例として、操作ライトに配置されたプロジェクタは、デフォルトとして、または制御信号、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオに対する応答として、所望のライトパターンによってカバーされる領域の外側の領域において、所望のライトパターンによってカバーされる領域よりも大きい領域内に投影するように構成され得る制御システムを備える。
【0010】
本発明の一態様によれば、一例として、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影されるように配置される領域は、所望のライトパターンによってカバーされる領域よりも大きい領域内で、患者の額また患者の胴体の一部など、患者の口腔を照らす所望のライトパターンの上または下の領域である。
【0011】
本発明の一態様によれば、一例として、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影される領域は、患者の眼のプロテクタ、または患者の眼のプロテクタに接続されて配置された反射構造とすることができる。
【0012】
本発明の一態様によれば、一例として、特定の間隔(または残り時間のカウントダウン/アップ)でのフラッシュが生成され、所与の歯科操作中の経過時間について通知するように投影される。
【0013】
本発明の一態様によれば、一例として、色分けされたグラフィックスを生成し、例えば、器具ナビゲーションが起動されたときの処置中の器具の位置に関連付けて投影することができる。
【0014】
本発明の一態様によれば、一例として、器具の実際の位置または目標位置からの逸脱に関する情報を、器具ナビゲーション中に投影することができる。
【0015】
本発明の一態様によれば、一例として、患者がその終わりに近づく予約した時間についての敏感な情報を投影することができる。
【0016】
本発明の一態様によれば、一例として、器具にまたは歯科治療ユニットの機能に関連する本質的な情報を投影することができ、したがって、歯科治療ユニットの従来のユーザインターフェースを増強または置換することができる。
【0017】
本発明の一態様によれば、一例として、ジェスチャ認識特徴は、ユーザインターフェースを投影することに含まれてもよく、一方、ジェスチャは、例えば、操作ライトに追加的に含まれるカメラ配置によって観察されてもよい。ジェスチャは、投影されている歯科治療ユニットまたは歯科器具の特徴(例えば、ユーザインターフェースの特徴または投影され始めるユーザインターフェースの一部)に関連する制御信号として認識されるように構成されてもよい。
【0018】
本発明の一態様によれば、一例として、歯科治療ユニットは、パターン認識のための手段を含む本発明の一部であるように構成される。認識されるように構成されたパターンは、一例として、口、目、アイプロテクタを含んでもよい。
【0019】
本発明の一態様によれば、例えば、歯科治療ユニットに少なくとも機能的に接続可能な新規な種類の操作ライトがプロジェクタ構成物を含むように設計され、プロジェクタ構成物は、元々、操作ライトの構造の一体部分としてすでに設計されている。
【0020】
本発明の一態様によれば、例えば、歯科治療ユニットに機能的に接続可能な新規な種類の操作ライトが設計され、この操作ライトはカメラ配置をさらに含み、カメラ配置は、元々、操作ライトの構造の一体部分としてすでに設計されている。本発明の一態様によれば、例えば、カメラ配置は、ステレオカメラ、すなわち互いに離れたところに配置された2つのカメラを含む。このような配置は、例えば、歯科インプラントに必要な穴を穿穴することに関連して利用され、インプラント用に設計された穴に対するドリルの位置および位置に関する情報を生成することができる。
【0021】
本発明の本質的な特徴は、添付の独立請求項において定義される。
【0022】
本発明のいくつかの好ましい実施形態は、添付の従属請求項および以下の本発明のより詳細な説明において提示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、典型的な歯科治療ユニットの一例を示す。
【
図2】
図2は、歯科操作ライトへのプロジェクタの統合を実施するための1つの可能な配置のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、歯科操作ライトへのプロジェクタとステレオカメラの統合を実施するための1つの可能な配置のブロック図を示す。
【
図4】
図4は、歯科操作ライトへのプロジェクタとステレオカメラの統合を実施するための別の可能な配置のブロック図を示す。
【
図5】
図5は、歯科操作ライトの一部の、本発明による1つの配置の(部分的に)概略的な一例を示す。
【
図6】
図6は、歯科操作ライトの一部の、本発明による配置の別の例を示す。
【
図7a】
図7aは、操作ライトのプロジェクタによってグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影され得る第2の領域は、患者の口腔を照明するために、所望の方向および操作ライトから所望の距離にある所望の種類のライトパターンが生成される領域である第1の領域に対して配置されるようにどのように構成され得るかの一例を示す。
【
図7b】
図7bは、操作ライトのプロジェクタによってグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影され得る第2の領域は、患者の口腔を照明するために、所望の方向および操作ライトから所望の距離にある所望の種類のライトパターンが生成される領域である第1の領域に対して配置されるようにどのように構成され得るかの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、歯科治療に関連して使用するために設計された1つの典型的な歯科治療ユニット1の基本的構造を示し、したがって、本発明を実施するために使用するのに適用可能な歯科治療ユニットの一例である。しかしながら、
図1は、そのような歯科治療ユニットの単なる一例を示しており、本発明による歯科治療ユニットに含まれる必要のない構成要素がある。
【0025】
図1による歯科治療ユニット1は、フレーム構造2と、それに接続された患者椅子3とを備える。フレーム構造2からは、歯科器具6を支持するための第1の支持構造5を連結する垂直構造4が延びており、歯科器具6は例えば、歯科治療に関連する診断器具および/または歯科治療操作に関連して使用される器具であってもよい。また、垂直構造4には、操作ライト8のための第2の支持構造7と、ディスプレイ10のための第3の支持構造9とが接続されている。
【0026】
図1はまた、歯科助手によって典型的に使用される器具を支持するように設計され得る器具コンソール11と、歯科治療ユニット1および/またはそれに関連するかまたは接続される装置および構造の操作を制御することができるフットコントロール12と、を示す。
図1には示されていないが、歯科治療ユニット1は、その制御システムの一部として、タッチスクリーンなどの別の種類のユーザインターフェースを備えることもできる。さらに、
図1の歯科治療ユニット1は、データネットワークまたは個々のコンピュータ13と操作可能に接続されるように構成される。
【0027】
前述のように、
図1による歯科治療ユニットは、一例にすぎないことに留意されたい。本発明の範囲内で、歯科治療ユニットは、
図1による構造に示されるものとは異なる種類の構成要素および装置のための、より多くのまたはより少ない支持構造を備えることができる。また、例えば、歯科治療ユニットのフレームとは別個の構造として実施することができるので、患者椅子を歯科治療ユニット自体に有する必要もない。さらに、歯科治療ユニットのフレーム構造は、
図1で、構造がかなりの水平および垂直寸法を有するものとして示される方法の代わりに、その寸法の基本的な支持構造のみで、その支持構造から1つ以上の支持アームが延在してもよい。フレームはまた、床に取り付けられた患者椅子の構造に一体化されて配置されてもよい。
【0028】
しかしながら、歯科治療ユニットのフレーム構造は、典型的には、それを介して、歯科治療に関連して利用される器具および装置の使用に必要な電力および/または制御信号が供給するために構成されるように、実施されてきた。物理的には、その手段は、例えば、水、圧縮空気、電気、電気または他の制御信号のうちの少なくとも1つを供給する。したがって、本出願において歯科治療ユニットが言及される場合、それは、歯科治療ユニットまたは歯科治療に関連して利用される他の装置に関連して配置される歯科治療器具に、上記に列挙されたまたは同等のものうちの少なくともいくつかを供給するための配置を含む構造を指す。
【0029】
図2は、歯科操作ライトへのプロジェクタの統合を実施するための、1つの可能な配置のブロック図を示す。
図2による配置は、プロジェクタコントローラ802と操作接続するように構成されたプロジェクタユニット801を備える。また、図示のように、プロジェクタコントローラ802は、操作ライト8の制御システム804と操作可能に接続されて配置されてもよい。操作ライト8の制御システム804は、操作ライトのエミッタ803を制御し、また、それと通信するように配置されてもよい。
【0030】
図3による本発明の実施形態では、操作ライト8は、ステレオカメラ、すなわち2つのカメラユニット805とカメラコントローラ806をさらに含む。
図4による本発明の実施形態では、プロジェクタユニット801およびステレオカメラ805の(コントローラ802のような)リソースは、単一のコントローラ802に統合され、一方、本発明の一態様によれば、リソースは部分的に統合されるだけである。
【0031】
図5は、概略的な例として、(支持アーム構造を示さずに)歯科治療ユニットの歯科操作ライトのための本発明による1つの配置を示す。
図2の操作ライト8は、操作ライト8のいくつかの内部構成要素での視界を可能にするために、
図2に部分的にのみ示されているフレーム部分81とカバーガラス82とを備えている。
図2の例では、所望の方向でおよび操作ライトから所望の距離に所望の種類のライトパターンを生成するように設計された構造は、発光手段85によって生成された光を反射するように設計された反射構造83を含み、
図2では見えないが、支持構造84の下に位置し始める。プロジェクタ86は、
図5において、操作ライト8の中央に、支持構造84上に配置される。
図5は、操作ライト8の側面に近接して配置された2つの光学カメラ87も示す。
【0032】
図6では、操作ライト8の同じ基本構成要素のいくつかが
図5のように示されているが、プロジェクタ86の位置が異なるように配置されている。なお、この実施形態においても、プロジェクタ86の制御および他の機能は、例えば、
図2~4を説明する文脈において、さらに以下において、上述したのと同様に配置されてもよい。
【0033】
図7aおよび7bは、操作ライトのプロジェクタ86によってグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影され得る第2の領域が、患者の口腔を照明するために所望の方向および操作光から所望の距離に所望の種類のライトパターンが生成される領域である第1の領域に対して配置されるように構成され得る方法の例を示す。
【0034】
図7aに示されているのは、プロジェクタが投影するか、または、プロジェクタコントローラ802が、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影することを可能にするように構成されており、その結果、上記で言及した所望の距離の近傍で、第2の領域が第1の領域よりも大きくなる実施形態である。
【0035】
図7aの実施形態では、第2の領域が第1の領域自体よりも大きいだけでなく、第1の領域を包含する。
【0036】
図7bの実施形態では、プロジェクタが投影するか、または、プロジェクタコントローラ86が任意にデフォルトとして、または制御信号に対する応答として、第2の領域でグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影することを可能にするように構成され、所望の距離の近傍では、第2の領域が第1の領域の外側にあるが、近接している。
【0037】
本発明の別の態様によれば、プロジェクタが投影するか、または、プロジェクタコントローラ802が、操作ライト8に構造的に統合されてもよく、上述のように、第2の領域内の第1の部分にグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影し、同時に、第2の領域内の第2の部分に何も投影しないように構成される。
【0038】
本発明の別の態様によれば、操作ライトは、上述したように、第2領域内の第2部分に何も投影しないように、プロジェクタコントローラ802以外の手段を備えている。
【0039】
したがって、一般に、本発明は、
-フレーム構造2と、
-少なくとも1つの歯科器具6、歯科治療に関連する診断器具、および/または、歯科治療操作に関連して使用される少なくとも1つの器具を支持するための支持構造5と、
-制御システムと、
-ユーザインターフェース12と、
-少なくとも1つの器具6に、それらの操作に必要とされる電力、制御信号、またはその両方を供給することができる配置と、
-第1の領域を照明するために、所望の方向および操作ライト8から所望の距離で所望の種類のライトパターンを生成するように配置された照明システム83、85を含む歯科治療に関連して使用するように配置された操作ライト8と、
-操作ライトの支持構造7と、を備え、
-プロジェクタ構成物86が、表面上の前記所望の方向と本質的に同じ方向にグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影するように構成され、前記表面が、前記グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影される第2の領域を備え、プロジェクタ構成物86が、操作ライト8の一部であるように、操作ライト8に構造的および操作的に一体化されている、歯科治療ユニット、であることによって特徴づけられてもよい。
【0040】
本発明のさらに別の態様によれば、プロジェクタコントローラ86は、歯科治療に関連する、または、歯科治療操作に関連して使用されてもよい、歯科器具から、歯科器具自体の制御システムから、または歯科器具の操作を制御するときに歯科治療ユニットから、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影することに関する情報を受信するように構成される。
【0041】
本発明のさらに別の態様によれば、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオは、歯科治療ユニットまたはその一部のユーザインターフェースを含む。
【0042】
本発明のさらに別の態様によれば、少なくとも1つのカメラ87を配置した操作ライトは、上述した第2の領域を少なくとも部分的に撮影するように構成される。
【0043】
さらに別の態様によれば、操作ライトは、操作ライトに配置されたカメラ87の視野内のジェスチャを認識するように構成された手段を含むか、またはそれと機能的に接続している。
【0044】
本発明のさらに別の態様によれば、歯科治療ユニットの制御システムは、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが前記プロジェクタによって投影されているときに前記ジェスチャが行われ、前記歯科治療ユニットのユーザインターフェース(12)の所与の特徴を備える場合、前記少なくとも1つのカメラによって撮影されたジェスチャを制御信号として認識するように構成される。
【0045】
さらに別の態様によれば、操作ライトおよびプロジェクタ86を有する歯科治療ユニットは、操作ライトに配置されたステレオカメラと、パターン認識のための手段およびパターン認識のために手段によって認識されるように構成された所与のパターンによってカバーされるか、またはそれを含む領域にグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影する手段と、および/または、パターン認識のために手段によって認識されるように構成された所与のパターンによってカバーされるか、またはそれを含む領域外の領域にグラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを投影する手段と、を備えるシステムの一部である。
【0046】
認識されるパターンは、例えば、眼または眼のプロテクタ、または歯科治療操作中に患者の胸部に保持されるように設計された所与の形状の反射面としてもよい。
【0047】
歯科治療ユニットを含むシステムは、操作ライトに配置されたステレオカメラと、パターン認識のための手段およびパターン認識のための手段によって認識された所与のパターンを含むステレオカメラによって撮影された画像または画像の一部と共に、解剖学的構造に穿穴される穴の位置および配向を含む穿穴プランを第2の領域に投影する手段とを備え、所与のパターンは、歯科用穿穴器具に配置されたパターンである。
【0048】
本発明のさらに別の態様によれば、操作に必要な、操作ライト8自体およびプロジェクタ86の両方の電子機器の少なくとも一部は、操作ライト8の構造の物理的部分として配置されている。
【0049】
図5に戻って、カバーガラス82が操作ライトのフレーム部分81に配置された構成要素を保護する操作ライト8を示す。本発明の思想から逸脱することなく、操作ライトは、カバーガラスを有さない構造として実施することもできる。プロジェクタ86は、操作ライトの一部として、構造的および操作的に統合されることが不可欠である。すなわち、プロジェクタの操作の制御は、操作ライトの一部である。
【0050】
加えて、任意選択的に、操作ライトおよびその信号ルートに配置されたステレオカメラ87の動作の制御を、操作ライトの一部として配置することができる。
【0051】
カメラ87は、主として、操作ライト8が配置されて上述の所望の種類のライトパターンを生成する領域で撮影するように、操作ライト8内に配置されることが好ましい。一方、カメラの光学系は、それらの視野(FOV)の調整を可能にするように配置することができる。また、カメラが撮影する方向を調整することができる。
【0052】
本発明による操作ライトは、すでに、プロジェクタ86を備えるように設計されており、本発明の種々の実施形態において、また、2つのカメラにおいて、その支持構造の機構の設計は、伝統的な操作ライトへの追加的なそれらの構成要素によって付加される余分な質量を考慮に入れることに基づいている。
【0053】
同様に、プロジェクタのための操作ライト、および任意選択でカメラのための追加のキャブリングを配置する必要がある限り、操作ライトを設計する際に、それらを操作ライトの支持構造を通過させる必要性も考慮に入れることができる。
【0054】
カメラユニット805に関して、それらは、一例として、それらの必要かつ可能な周辺構成要素を含む、レンズシステムおよび画像検出器を含んでもよい。これらの構成要素の操作は、例えば、検出された画像情報を処理すること、またはレンズシステムを制御することに関連し得る。
【0055】
レンズシステムは、検出器上に画像を形成するレンズである固定または調節可能な焦点距離を有するレンズを備えることができる。カメラユニット805から、画像情報をデジタル形式でカメラコントローラ806に転送することができる。例えば、検出器の欠陥画素を補償することによって、レンズによって引き起こされるアーチファクトを除去することによって、または、露光、感度、または色バランスを調整することによって、転送前にカメラユニット805において画像情報を前処理させることが可能である。
【0056】
カメラコントローラ806は、カメラユニット805からの信号および画像情報の受信に加えて、その操作が関連する構成要素を含むことができ、一方で、それらの転送は、画像情報の処理および記憶にも関連する。
【0057】
カメラコントローラ806は、プロジェクタコントローラ802と同様に、外部データシステムから情報および信号を受信するように構成することができる。
【0058】
したがって、カメラユニット805内に部分的にまたはカメラコントローラ806内で全体的に実装され得る上述の画像処理を実行することが可能である。処理に利用される構成要素は、例えば、ASICまたはFPGAベースのソリューションとして実装することができる。データの転送やデータの受信では、ケーブル接続の代替としてWLANやETHERNET接続などを使用することができる。
【0059】
図2~
図4による配置では、プロジェクタコントローラ802は、通信可能な操作ライトの制御システム804と操作可能な接続部に配置されており、特に、そこから電気を受け取るように配置されている。必要に応じて、プロジェクタコントローラ802に、それに供給されている電力を、プロジェクタコントローラ802の内部使用およびプロジェクタユニット801に対しても適当な電圧に変換する構成を配置することが可能である。
【0060】
カメラユニット805およびカメラコントローラ806についても同様である。
【0061】
操作ライトの制御システム804は、プロジェクタユニット801および操作ライトのライトエミッタ803と操作可能に接続され得る。操作ライト8のライトエミッタ803は、実際の発光構成要素として、例えば、LED配列、および1つ以上のレンズおよび/または反射面などのさらなる光学構成要素を備えることができる。
【0062】
それに加えてまたはその代わりに、本発明の文脈で使用するために一般的に適用可能な操作ライトは、所望の方向および操作ライトから所望の距離に所望の種類のライトパターンを生成するために、1つ以上の光源および/または1つ以上のレンズおよび/または他の種類の反射面などの他の種類の光学系を含むことができる。一般に、操作ライトから実質的にある距離に所望の特性を有する所望の種類のライトパターンは、歯科操作ライトによって生成され、次いで、このライトパターンは、患者の口腔の領域に配置され得、その結果、患者の口腔はライトが患者をまぶすことなく照明され得る。
【0063】
カメラを含む本発明の実施形態に関して、カメラコントローラ806は、デジタル形式でカメラユニット805から画像情報を受け取るように配置されてもよく、カメラコントローラ806およびカメラユニット805の両方は、受け取った情報を処理するように配置されてもよい。カメラコントローラ806は、検出され処理された画像情報を記憶することができる大容量メモリを備えることもできる。特に、操作ライトからケーブルを介して情報が転送されない実施形態では、転送前に画像情報を容易に転送可能かつ記憶可能なフォーマットに圧縮することができることが好ましい。
【0064】
カメラユニット805は、カメラシステム内で分析および処理することができる連続的な情報の流れとして画像情報を生成するように配置することができる。このような処理は、システムの外部からの制御またはカメラシステム自体で実行される分析に基づくことができる。情報処理は、例えば、情報を転送する前に、その意図された使用に関して無関係な情報を削除することができる。
【0065】
画像データの分析は、例えば、画像の異なる部分における空間周波数成分およびそれらの強度を識別すること、検出されるように予め定義されたパターンを識別すること、並びにそれらの二次元位置を識別すること、または連続する画像間の変化を計算することを含むことができる。
【0066】
画像情報の処理は、例えば、画像を、画像の空間周波数成分の一部が他のものよりも小さい数値精度で提示されるか、画像情報から領域が削除されるか、または画像情報が解析の結果によって部分的にまたは全体的に置き換えられる形式に処理することを再度含むことができる。
【0067】
一実施形態では、上述の情報のストリームは、高周波数で撮影された個々の画像(「フレーム」)を指す。本発明の好ましい一実施形態によれば、カメラコントローラ806は、これらの個々の画像を生成するカメラユニット805の制御を可能にするように構成され、実質的に同時に撮影された一対の画像を生成することができる。そして、カメラユニット805が生成する画像情報の高品質なステレオ画像を生成することができる。
【0068】
一実施形態では、画像の露出過多を防止するために、画像を撮影する時間の間、ライトがスイッチオフされるように、カメラおよび操作ライトの操作の制御が同期される。したがって、操作ライトが最適な周波数でフリッカーされるようにライブ画像を生成することが可能であり、この周波数は、実質的に画像撮影周波数に対応するように配置される。
【0069】
好ましい一実施形態では、画像検出器およびカメラユニットの光学構成要素は、操作ライトの同じ構造から、操作ライトの光場も放出される同じ表面の同じ方向から、および操作ライトのカバーの内側から、それらの視野が開くように、操作ライト構造内に配置される。
【0070】
例えば、ドリルのような歯科用治療器具を監視するために、カメラ構成を含む操作ライトを使用することが可能である。このような配置では、カメラが操作ライト画像に関連して配置される特徴、マーカが器具内の既知の位置にあるか、または追加される。操作ライトに関連して操作するコンピュータソフトウェアは、画像情報から、マーカ自体と、操作ライトによって生成された画像におけるマーカの位置および配向との両方を検出するように構成される。
【0071】
このような検出機能は、すでに操作ライト内で行われるように配置されることができる。検出された画像情報の代わりに、マーカの位置および配向に関する情報のみが転送される場合には、操作ライトから転送される情報の量を減少させることができる。
【0072】
穿穴の制御を可能にするために、器具の位置および配向の検出に加えて、器具に関連して配置されたマーカが、操作の標的である解剖学的構造に対してどのように配置されるかに関する情報も必要とされる。この情報は、例えば、異なるマーカを解剖学的構造の既知の点に配置することによって得ることができるが、カメラによって撮像された口腔内解剖学的構造を示す表面モデルを基準として利用することも妥当であり、この表面モデルは、生成され、操作ライト内に配置されたカメラ対によって生成された画像情報から更新することができる。
【0073】
上述の種類の方法は、例えば、歯科インプラント用の顎骨に穴をあけるために適用される場合、上述の方法で得られた器具の位置および配向の情報は、操作の標的である解剖学的構造のモデルと比較することができ、このモデルには、インプラント用に設計された穴もモデル化されている。すべてのこの情報が存在する場合、その利用のための様々な可能な配置が存在する。例えば、操作ライトに配置されたプロジェクタを使用して、器具があるべき点、他方、器具が現在ある点を視覚的に示すことが可能である。この種のシステムは、器具が穿穴プランに対応する位置および配向にあるとき、および/またはないときを示すように実装されてもよい。この情報は、穿穴を行うロボットの制御にも利用できる。
【0074】
歯科操作ライトはまた、実際の歯科治療ユニットとは別に製造され販売されるので、本発明の一態様によれば、本発明の一実施形態は、第1の領域を照射するため、望ましい方向および歯科操作ライトから所望の距離で望ましい種類のライトパターンを生成するために配置された、照明システム83、85と、操作ライトを支持するための多関節でバランスのとれた支持アーム構造7と、を備える、そのような照明システムは、アーム構造7の操作範囲内で、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオを表面上の前記所望の方向と実質的に同じ方向に投影するように構成されたプロジェクタ構成物86をさらに備え、表面は、グラフィックス、ピクチャ、および/またはビデオが投影される第2の領域を含み、プロジェクタ構成物86は、前記歯科操作ライト8の一部をなすために歯科操作ライト8に構造的および操作的に統合され、歯科操作ライト8は、少なくとも、機械的接続構造または歯科治療ユニットの対応する手段と互換性のあるシグナル手段のどちらかを含む。
【0075】
このような操作ライトは、歯科治療ユニットに物理的に接続されていない場合であっても、上述のような本発明の任意の特徴を含むことができる。
【国際調査報告】