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特表2022-524660ホログラフィックプロジェクションのためのポータブル端末アクセサリデバイスおよびユーザインターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-09
(54)【発明の名称】ホログラフィックプロジェクションのためのポータブル端末アクセサリデバイスおよびユーザインターフェース
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/302 20180101AFI20220426BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220426BHJP
   G03B 21/30 20060101ALI20220426BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220426BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220426BHJP
   H04N 13/363 20180101ALI20220426BHJP
   G03H 1/22 20060101ALN20220426BHJP
【FI】
H04N13/302
G03B21/00 D
G03B21/30
G09F9/00 366A
G06F1/16 313Z
G09F9/00 357
H04N13/363
G03H1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578167
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 US2020022186
(87)【国際公開番号】W WO2020185963
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/816,811
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521406662
【氏名又は名称】アイキン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス, テイラー スコット
【テーマコード(参考)】
2K008
2K203
5C061
5G435
【Fターム(参考)】
2K008CC03
2K008EE04
2K008FF27
2K008HH18
2K008HH27
2K203FA30
2K203FA32
2K203FA62
2K203FA83
2K203FB02
2K203GB02
2K203GB09
2K203GB27
2K203GC22
2K203HA03
2K203HA97
2K203HB22
2K203HB28
2K203KA07
2K203KA19
2K203KA27
2K203KA85
2K203MA40
5C061AA06
5C061AB16
5G435AA00
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435DD09
5G435EE02
5G435EE12
5G435EE13
5G435EE16
5G435EE49
5G435EE50
5G435FF03
5G435GG46
5G435HH02
5G435LL07
(57)【要約】
ポータブル電子デバイスのためのホログラフィックディスプレイシステム。ディスプレイシステムは、ポータブル電子デバイスを受け取るように構成されているケースと、第一のヒンジ要素によってケースに結合されているプロジェクタとを含む。プロジェクタは、イメージを生成するためのプロジェクタスクリーンを含む。反射要素は、第二のヒンジ要素によってプロジェクタに結合されている。反射要素は、ポータブル電子デバイスのユーザにとって知覚可能なホログラフィックイメージを生み出すために、イメージからの光を反射するように方向付けられる。ケースは、イメージを定義する映像信号をポータブル電子デバイスから受け取るためのコネクタを含み得る。ホログラフィックディスプレイシステムは、第一のヒンジ要素に取り付けられた実質的に透明なタッチスクリーンをさらに含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル電子デバイスのためのホログラフィックディスプレイシステムであって、該ディスプレイシステムは、
該ポータブル電子デバイスを受け取るように構成されているケースと、
第一のヒンジ要素によって該ケースに結合されているプロジェクタであって、該プロジェクタは、イメージを生成するためのプロジェクタスクリーンを含む、プロジェクタと、
第二のヒンジ要素によって該プロジェクタに結合されている反射要素であって、該反射要素は、該ポータブル電子デバイスのユーザにとって知覚可能なホログラフィックイメージを生み出すために、該イメージからの光を反射するように方向付けられる、反射要素と
を備える、ホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項2】
前記ケースは、前記ポータブル電子デバイスから映像信号を受け取るためのコネクタを含み、該映像信号は、前記イメージを定義する、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項3】
前記第一のヒンジ要素に取り付けられた実質的に透明なタッチスクリーンをさらに含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項4】
前記実質的に透明なタッチスクリーンは、前記第一のヒンジ要素に結合されており、前記ホログラフィックイメージとの光学的配列にある拡張された状態と、前記プロジェクタスクリーンの面に実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能である、請求項3に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項5】
前記プロジェクタスクリーンは、前記ポータブル電子デバイスのディスプレイスクリーンに実質的に垂直な拡張された状態と、該ポータブル電子デバイスの裏面に実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能である、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項6】
前記反射要素は、前記プロジェクタスクリーンに対して鋭角にある拡張された状態と、該プロジェクタスクリーンに実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能である、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項7】
前記反射要素は、保護ケーシングによって裏付けられているホログラフィックホイルを含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項8】
前記反射要素は、実質的に透明である、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項9】
前記プロジェクタスクリーンは、液晶ディスプレイスクリーンおよび有機発光ダイオードディスプレイスクリーンうちの1つである、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項10】
ポータブル電子デバイスのためのホログラフィックディスプレイシステムであって、該ディスプレイシステムは、
該ポータブル電子デバイスを受け取るように構成されているケースと、
該ケースに結合されている折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置であって、該折り畳み可能なプロジェクタ装置は、拡張された状態および折り畳まれた状態に置かれるように配置されている折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置と
を備え、
該折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、該拡張された状態に置かれるときには該ポータブル電子デバイスのユーザにとって知覚可能なホログラフィックイメージを生成し、該折り畳まれた状態に置かれるときには該ケースの裏面に実質的に平行な、概して平面的な形態をとるように構成されている、
ホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項11】
前記折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、
第一のヒンジ要素によって前記ケースに結合されているプロジェクタであって、該プロジェクタは、イメージを生成するためのプロジェクタスクリーンを含む、プロジェクタと、
第二のヒンジ要素によって該プロジェクタに結合されている反射要素であって、該反射要素は、前記ホログラフィックイメージを生み出すために、該イメージからの光を反射するように方向付けられる、反射要素と
を含む、請求項10に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項12】
前記第一のヒンジ要素に取り付けられた実質的に透明なタッチスクリーンをさらに含む、請求項11に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項13】
前記実質的に透明なタッチスクリーンは、前記第一のヒンジ要素に結合されており、前記ホログラフィックイメージとの光学的配列にある拡張された状態と、前記プロジェクタスクリーンの面に実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能である、請求項12に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項14】
前記プロジェクタスクリーンは、前記ポータブル電子デバイスのディスプレイスクリーンに実質的に垂直な拡張された状態と、該ポータブル電子デバイスの裏面に実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能である、請求項11に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項15】
前記反射要素は、前記プロジェクタスクリーンに対して鋭角にある拡張された状態と、該プロジェクタスクリーンに実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能である、請求項11に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項16】
前記第二のヒンジ要素は、遊動ヒンジと、該遊動ヒンジに接続されている延出片とを含み、該延出片は、摺動可能に前記プロジェクタスクリーンに接続されている、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項17】
ホログラフィックディスプレイシステムのホログラフィックディスプレイアセンブリを展開する方法であって、該ホログラフィックディスプレイアセンブリは、第一のヒンジ要素によってケースに結合されているプロジェクタスクリーンと、第二のヒンジ要素によって該プロジェクタに結合されている反射要素とを含み、該方法は、
該ケースの面に対して第一のあらかじめ定義された角度に該プロジェクタスクリーンを位置付けるように該第一のヒンジ要素を回転させることと、
該プロジェクタスクリーンに対して第二のあらかじめ定義された角度に該反射要素を設定するように該第二のヒンジ要素を回転させることと、
該ケースにヒンジで係合されている透明なタッチスクリーンを該プロジェクタスクリーンに対して第三のあらかじめ定義された角度に回転させることと
を備える、方法。
【請求項18】
前記透明なタッチスクリーンは、前記第一のヒンジ要素の中央分割部に結合されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第二のヒンジ要素は、遊動ヒンジと、該遊動ヒンジに接続されている延出片とを含み、前記方法は、該延出片を前記プロジェクタスクリーンの底部の下に配置されているスライドカバー内へと摺動させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第一のあらかじめ定義された角度は、90度であり、前記第二のあらかじめ定義された角度は、45度であり、前記第三のあらかじめ定義された角度は、90度である、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年3月11日に出願された、PORTABLE TERMINAL ACCESSORY DEVICE FOR HOLOGRAPHIC PROJECTION AND USER INTERFACEと題する米国仮特許出願第62/816,811号に対する、米国特許法第119条(e)下の優先権を主張し、米国仮特許出願第62/816,811号の内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(分野)
本発明は、ポータブル電子デバイスのためのディスプレイシステム、より特定すると、このようなデバイスと併せた使用のための補助ディスプレイシステムに関連する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
モバイルフォン、タブレット、ラップトップ/デスクトップコンピュータ、および他の電子デバイスは、主力の消費者向けデバイスとなっている。近年、拡張現実(AR)ソフトウェア開発の追加および実装は、開発者が没入型かつ対話型の環境を生み出すことを可能としてきた。しかしながら、一般的な電子機器の利用とARソフトウェアとの両方が、これらの環境を生み出すために2Dスクリーン技術およびカメラ制御に依存しており、そのため、開発者に対する困難および消費者に対する不満を生み出す。
【0004】
仮想現実(VR)ならびにARゴーグルもしくはヘッドセットシステムもまた、電子機器体験をさらに向上させる試みの中で生み出されてきた。しかしながら、例えばプログラミングの困難、高いCPU使用率、製造の困難、およびこれらに類することなどの、VRおよびARシステムの開発者にとっての多くの問題点が、生じる。ARおよびVRシステムの使用はまた、消費者にとっても否定的な帰結を有し得る。例えば、VRおよびAR装備の何人かのユーザは、眼精疲労、頭痛、片頭痛、吐き気を経験し、また、このような装備を使用するときに、単純に、概して不快であり得る。
【0005】
ARソフトウェアの洗練と、拡張された環境を楽しみたいという大衆ユーザの欲求との増進に伴って、ARプロジェクションおよび体験の機能的向上が、強化現実システムの成長をさらに向上させるために不可欠である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
本明細書内で開示されるものは、コンピューティングおよび/または通信デバイスと併せた使用のための折り畳み可能なホログラフィック対話型ディスプレイアクセサリデバイスである。開示される折り畳み可能なポータブル端末ディスプレイデバイスは、例えば、携帯電話、デジタルホン、PCまたはタブレットコンピュータなどのポータブル電子デバイスからのデータ入力を受け入れ得、受け取られた入力をホログラフィックディスプレイフィールドへと投影し得る。拡張現実(AR)ソフトウェアと組み合わされるとき、ホログラフィックARプロジェクションが、生み出される。これは、ユーザがホログラフィック環境、またはユーザのポータブルコンピューティングデバイスを取り囲む環境内に置かれる物体を知覚することを可能とする。対話型ディスプレイアクセサリデバイスは、例えばホログラフィックディスプレイフィールド内にまたはその近位に配置されたタッチスクリーンを通して、ユーザ入力を受け入れる性能を伴って構成される。これは、複数の高水準プログラミングおよびユーザ入力機能が対話型ディスプレイアクセサリによって受け取られ、取り付けられたコンピューティングデバイス(例えばユーザのデジタルホン)へと提供されることを可能とする。デバイスは、透明反射面を利用するホログラフィック視覚フィールドを含み、アクセサリのスクリーンは、ホログラフィック効果を生み出すように電子デバイスの視覚スペース上方に位置付けられ得る。アクセサリによって実装されるホログラフィックディスプレイシステムは、保護ケーシングスクリーン、ホイル、または、ビームスプリッタ、タッチスクリーンおよびプロジェクタなどの透明反射面を含み得る。プロジェクタは、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーン、有機発光ダイオード(OLED)スクリーン、イメージプロジェクタまたは他のタイプのイメージプロジェクションデバイスから構成され得る。好ましくは、対話型ディスプレイアクセサリデバイスは、折り畳み可能なヒンジを用いて設計され、それにより、ホログラフィック視覚フィールドが簡便性およびユーザ親和性のあるサイズに圧縮され、続いて再び開かれることを可能とする。
【0007】
アクセサリデバイスの実装形態は、小規模の変更を伴って適合可能であり、モバイルフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)、外部映像信号を送信することが可能な任意のコンピューテーションデバイスといった非常に多くのデバイスに応用されることが可能である。映像信号は、デバイスごとの標準的な電子信号入力ポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)、USB-C、ライトニングコネクタ、HDMI(登録商標)を介して送信され得、アクセサリによってホログラフィックディスプレイへと移され得る。
【0008】
アクセサリデバイスは、ゲーミング、メッセージング、ビデオ会議、ソフトウェア開発、ウェブページを視覚および開発すること、ソーシャルメディア交流などの任意の現行のモバイルフォン、タブレットまたはPC機能のための快適な視覚フィールドを提供するために用いられ得る。アクセサリは、単一のベースヒンジによって適所に保持される「遊動」タッチスクリーンを含み、遊動タッチスクリーンは、取り付けられたデバイスのオペレーティングシステムへと返信されるときに、ホログラフィックに投影される環境の制御を可能とするタッチコントロールをユーザへと提供する。
【0009】
ある実施形態では、アクセサリデバイスは、プロジェクションアクセサリと、アクセサリデバイスが接続される電子デバイスとの両方へと電力を供給するための内部バッテリーを含む。ホログラフィックディスプレイヒンジが、完全な視覚角度へと開かれるとき、これらはまた、電話機の機能を利用するときの普通のスクリーン視覚体験およびホログラフィック視覚体験の両方を向上させるための、モバイルフォンのための理想的なポジションスタンドとしても役立つ。
【0010】
一実施形態では、アクセサリのホログラフィックディスプレイアセンブリは、上軸点に湾曲部を伴う保護ポリマーシートによって裏付けられるホログラフィックプロジェクションホイルを含む。ある実施形態では、初めのホログラフィックホイルの後ろに第二のホログラフィックプロジェクションを生み出すために、高率の反射コーティングが、保護ポリマーへと追加され得、これにより、さらなる奥行きを、投影されるイメージへと追加し得る。別の実施形態では、投影されている全ての光を取り除き、システムを単一のイメージプロジェクションへと戻すために、反射防止層が、追加され得る。角度付けられたホイルおよびこれを裏付ける保護ポリマーが、第二のヒンジを介してイメージプロジェクタへと接続され、続いて、プロジェクタが、その反対側においてケーシングユニット自体に接続される。
【0011】
LCD、OLEDまたは他のディスプレイタイププロジェクタを利用するとき、ユーザが一次の源からのプロジェクションを視覚することを防ぐために、水平偏波ガラスが、スクリーン上方に置かれ得、これにより、ホログラムプロジェクションの総合的な体験を向上させ得る。
【0012】
ある実施形態では、ホログラフィックプロジェクションは、投影される光を表示するために、1つもしくは複数の拡大レンズを用いて投影されるか、または可変の角度において複数の反射スクリーン上に投影される。これにより、異なる視覚システムを生み出すために、より広い視野を生み出し、投影されるイメージを変更または操作する。
【0013】
折り畳まれたホログラフィックスペースが、折り畳まれた位置から開かれるとき、第二のヒンジは、OLEDまたはLCDプロジェクタパネルをホログラフィックホイルおよび保護ケーシングへと接続し、電話機は、視覚のために水平設定において置かれ得、または視覚を向上させるためにキックスタンド機能として垂直設定において置かれ得る。
【0014】
一局面では、本開示は、ポータブル電子デバイスのためのホログラフィックディスプレイシステムに関連する。ディスプレイシステムは、ポータブル電子デバイスを受け取るように構成されているケースと、第一のヒンジ要素によってケースに結合されているプロジェクタとを含む。プロジェクタは、イメージを生成するためのプロジェクタスクリーンを含む。反射要素は、第二のヒンジ要素によってプロジェクタに結合されている。反射要素は、ポータブル電子デバイスのユーザにとって知覚可能なホログラフィックイメージを生み出すために、イメージからの光を反射するように方向付けられる。ケースは、イメージを定義する映像信号をポータブル電子デバイスから受け取るためのコネクタを含み得る。
【0015】
ホログラフィックディスプレイシステムは、第一のヒンジ要素に取り付けられた実質的に透明なタッチスクリーンをさらに含み得る。実質的に透明なタッチスクリーンは、ホログラフィックイメージとの光学的配列にある拡張された状態と、プロジェクタスクリーンの面に実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能であり得る。プロジェクタスクリーンは、ポータブル電子デバイスのディスプレイスクリーンに実質的に垂直な拡張された状態と、ポータブル電子デバイスの裏面に実施的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能であり得る。反射要素は、プロジェクタスクリーンに対して鋭角にある拡張された状態と、プロジェクタスクリーンに実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能であり得る。反射要素は、実質的に透明であり得る。一実施形態では、反射要素は、保護ケーシングによって裏付けられているホログラフィックホイルを含み得る。
【0016】
別の実施形態では、本開示は、ケースおよび折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置を含む、ポータブル電子デバイスのためのホログラフィックディスプレイシステムに関連する。ケースは、ポータブル電子デバイスを保持するように構成されており、折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、ケースに結合されている。折り畳み可能なプロジェクタ装置は、拡張された状態および折り畳まれた状態に置かれるように配置されている。ディスプレイシステムの動作中、折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置が拡張された状態に置かれるとき、ポータブル電子デバイスのユーザにとって知覚可能なホログラフィックイメージを生成するように構成されている。折り畳まれた状態に置かれるとき、折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、ケースの裏面に実質的に平行な、概して平面的な形態をとる。
【0017】
折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、第一のヒンジ要素によってケースに結合されているプロジェクタを含み得る。プロジェクタは、イメージを生成するためのプロジェクタスクリーンを含む。折り畳み可能なホログラフィックプロジェクション装置は、第二のヒンジ要素によってプロジェクタに結合されている反射要素をさらに含み得、反射要素は、ホログラフィックイメージを生み出すために、イメージからの光を反射するように方向付けられ得る。実質的に透明なタッチスクリーンは、第一のヒンジ要素に結合され得、ホログラフィックイメージとの光学的配列にある拡張された状態と、プロジェクタスクリーンの面に実質的に平行な折り畳まれた状態との間を移動可能であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
(図面の簡単な説明)
本発明の様々な実施形態の性質および目的のより良い理解のために、付属の図面と併せて、以下の詳細な説明の参照が、なされるべきである。
【0019】
図1図1は、電話機が挿嵌されているプロジェクタアクセサリの正面斜視図である。
【0020】
図2図2は、電話機または他のポータブル電子デバイスがディスプレイシステムのケース内にある、ホログラフィックディスプレイアセンブリが閉じた位置にあるホログラフィックディスプレイシステムの実施形態の斜視図である。
【0021】
図3図3は、システムがアクティブであるときのユーザの視点およびプロジェクションの角度を示している。
【0022】
図4図4A~4Dは、ホログラフィックディスプレイアセンブリが、完全に折り畳まれた状態から、部分的に展開された状態、そして完全に展開された状態へと移行されるホログラフィックディスプレイシステムの実施形態の一連の底面図を図示している。
【0023】
図5図5は、図2内の斜視図に示されているホログラフィックディスプレイシステムの実施形態の上面図を描写している。
【0024】
図6図6は、図2のホログラフィックディスプレイシステムの、折り畳まれたホログラフィックディスプレイアセンブリを開くことに伴う第一の動作の完了時の上面図を描写している。
【0025】
図7図7は、図2のホログラフィックディスプレイシステムの、折り畳まれたホログラフィックディスプレイアセンブリを開くことに伴う第二の動作の完了時の上面図を描写している。
【0026】
図8図8は、図2のホログラフィックディスプレイシステムの、折り畳まれたホログラフィックディスプレイアセンブリを開くことに伴う第三の動作の完了時の上面図を描写している。
【0027】
図9図9は、ホログラフィックディスプレイアセンブリが完全に開いた状態にある、図2のホログラフィックディスプレイシステムの上面図を描写している。
【0028】
図10図10は、本開示に従った、ポータブル電子デバイスのためのホログラフィックディスプレイシステムの実施形態に含まれる、例となる構成要素の組を図示したブロック図である。
【0029】
図11図11A~11Cは、ポータブル電子デバイスと併せた、本開示のホログラフィックディスプレイシステムの実施形態の、例となる展開および使用を図示している。
【0030】
図12図12A~12Dは、本開示に従った、ポータブル電子デバイスと併せた使用のためのホログラフィックディスプレイシステムの、例となるプロトタイプの実施形態を図示している。
【0031】
図13図13は、実施形態に従った、ホログラフィックディスプレイアセンブリを展開するための手続を図示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(詳細な説明)
様々な実施形態が本明細書に記載されるが、それらは例のみによって提示されており限定でないことが、理解されるべきである。それらは、網羅的であること、または、特許請求の範囲を開示される形態そのものに限定することを意図されていない。実際、多くの修正および変形が、本明細書の教示に照らして可能である。実施形態は、記載のシステムおよび方法の原理ならびにそれらの実践的応用を最良に説明するために選ばれ、記載されており、それにより、実施形態は、他の当業者が、予定される特定の使用に適するような様々な修正を伴う記載のシステムおよび方法ならびに様々な実施形態を最良に利用することを可能とする。
【0033】
本システムの実施形態は、図1~13を参照して下で検討される。図中の図示は、代表のみであり、縮尺通りに描かれておらず、それよりも、本発明の原理およびその開示された実施形態を明瞭に図示することに、重点が置かれていることに、留意されたい。当業者は、これらの図に関係する、本明細書中で提供される詳細な説明が説明目的のためであり、本発明がこれらの限定された実施形態を超えて広がることを理解し、認識するであろう。
【0034】
本明細書内で開示される実施形態は、ポータブル電子デバイスのための保護ケースを含むホログラフィックディスプレイシステムを提供する。ケースに取り付けられた折り畳み可能なホログラフィックプロジェクタアセンブリは、外部から取り付けられるディスプレイスクリーンまたはプロジェクタからの仮想(例えば、自由に遊動している)イメージを投影するための反射または部分反射スクリーンを含み得る。可変の反射度合いを伴うスクリーンの使用は、反射される光の度合いを増大させ、これにより、ユーザが知覚する知覚イメージの明度または強度を増大させることとなる。反射スクリーンはまた、ユーザ体験および機能を向上させるために、圧縮性および持ち運びやすさのための折り畳み可能なヒンジシステム内に格納される。さらなる恩恵のために、ホログラフィックディスプレイシステムが、電子デバイスのための保護カバー、装飾カバーまたは手触りの良いカバーを提供するためのケースを含むのみならず、システムのホログラフィックディスプレイ性能もまた、ユーザの鑑賞体験を拡張し、向上させ得る。開示されるシステムはまた、ホログラフィックディプレイ機能へと電力を供給し、かつ、取り付けられた電子デバイスに対する拡張バッテリーとしても役立つことが可能である、再充電可能な内部バッテリーを含む。開示されるシステムは、据え置きで電力を供給される電子デバイス(デスクトップコンピュータ)ならびに、より特定すると、ラップトップもしくはタブレットコンピュータ(PC、Mac、Linux(登録商標)、Chromebookなど)、ポータブルメディアプレーヤー、スマートフォン、タブレット-スマートフォンハイブリッド、およびポータブルゲームプレーヤーなどの、バッテリーから電力を供給されるハンドヘルドポータブル電子デバイスによく適する。
【0035】
図1~9は、本開示に従った、ポータブル電子デバイス10(例えばスマートフォン)のためのホログラフィックディスプレイシステム100を図示している。本明細書内で検討されるように、ホログラフィックディスプレイシステム100は、電子デバイス10およびホログラフィックディスプレイアセンブリ120を保持するためのケースボディ111を含む。ホログラフィックディスプレイアセンブリ120は、ディスプレイスクリーン203などの外部映像プロジェクタを反射または部分反射スクリーン200に対して位置付けるための折り畳み可能なヒンジシステムを含む。ケースボディ111は、ポータブル電子デバイス10にフィットしこれをしっかりと保持するように設計および構成されている。
【0036】
ここで、電子デバイス10に取り付けられたホログラフィックディスプレイシステム100の正面斜視描写である図1へと、特に注意が向けられる。図1では、ホログラフィックディスプレイアセンブリ120は、完全に展開され電力を供給されているオン状態にある。動作中、映像信号は、電力輸送を供与することと情報信号を送信/受信することとの両方を行い得るUSB、USB-C、ライトニングまたは一般に用いられる他のプラグインケーブルを介して、取り付けられた電子デバイス10の外部プラグインポートからホログラフィックディスプレイシステム100へと送信される。ある実施形態では、このケーブリングは、ディスプレイシステム100が製造時に適用されることとなる、デバイス10のケーブル/プラグインターフェース特性に基づいて適合される。折り畳まれるとき、ホログラフィックヒンジシステムは、簡便性およびユーザ親和性のためにケースデバイス100の背面に平らにフィットする。ホログラフィックディスプレイアセンブリ120の折り畳み可能なヒンジシステムは、取り付けられた、隆起したヒンジベース112aを介してケースボディ111に取り付けられ、ヒンジベース112aは、ケース素材自体の上に構築され、続いて、保護パネル201および反射スクリーン202が回転のために取り付けられている中央分割部113bを伴う第二の、遊動しているヒンジ113aにディスプレイパネル203を介して接続されている。
【0037】
図1に示されているように、完全に展開された状態では、ディスプレイスクリーン203の形態にある映像プロジェクタは、ケース111の取り付けられたヒンジ112aから90°の角度に留まっている。電子デバイス10からの映像信号に応答してビジュアルコンテンツ210がディスプレイスクリーン203上に表示されるとき、ディスプレイスクリーン203によって投影される光は、コンテンツ210に対応する仮想イメージ211(すなわちホログラム)を形成するように、反射または部分反射スクリーン202から前方に反射される。デバイス10のユーザは、仮想イメージ211が電子デバイス10上方に空中停止または遊動していることを知覚するであろう。一実施形態では、仮想イメージ211は、反射スクリーン202をディスプレイスクリーン203に対して大体45度の角度に方向付けることによって確立されるペッパーズゴーストホログラムを含む。好ましくは、スクリーン202は、実質的に透明であり、そのため、人間観察者にとって可視でない。
【0038】
図2は、ホログラフィックディスプレイアセンブリ120が閉位置にあるホログラフィックディスプレイシステム100の実施形態の斜視図であり、電話または他のポータブル電子デバイス10が、ディスプレイシステムのケースボディ111に挿嵌されている。デバイス10のいずれのカメラおよびセンサの使用も妨げないように、ケースボディ111の外部ケースハウジング114にある凹みは、カメラの完全な可視機能のために事足りるだけのスペースをカメラに設けるように位置付けられる。デバイス10のいずれのレンズまたはセンサ位置のためのスペースをとるのに十分に大きな切り欠きスペース116もまた、設けられる。当業者は、ケースハウジング114が、ポータブル電子デバイスの様々なタイプおよびモデルのカメラおよびセンサに適応するために、凹み、切り欠きおよびこれらに類するものを含むように適合され得ることを認識するであろう。ケース111の側面115は、電子デバイス10の周りの平らで滑らかなフィットのために、デバイス10のコーナーエッジにフィットするソフトシリコーンまたはラバー生地を用いることによって設計され得、寸法を決定され得る。
【0039】
図3は、反射または部分反射スクリーン202に対するデバイス10のユーザの位置Vを示している。反射スクリーン202および保護ケーシング201が45°の角度に保持された状態で、ホログラフィックディスプレイアセンブリ120および電子デバイス10が視覚者に対して正面を向いているときには、理想的な視覚角度は、110°と180°との間である。反射または部分反射スクリーン202は、ガラス、メッシュ、アクリル、布、グロスコート加工またはこれらに類似のものであり得る。複数の層もまた、用いられ得る(例えば、積層され得る)。いくつかの実施形態では、反射または部分反射スクリーン202を実装するために、鏡面加工のガラスまたは金属シート加工が、用いられ得る。一実施形態では、スクリーン202は、例えばプラスチック、ポリマー、アクリルレジンもしくは他のアクリル素材(ポリアミドアクリル、ポリマシーメタアクリレート(polymathy methacrylate)、ポリスチレン、ポリカーボネート、メチルメタアクリレートスチレン、スチレンアクリロニトリル、アクリロニトリルブタジエンスチレンなど)、またはこれらと類似のサブグループ内の他の化合物などの多様な光学的に透明な素材からなるビームスプリッタを用いて実装される。ある実施形態では、スクリーン202は、PLEXIGLASSまたはLEXANの商標の下に販売されているものなどのアクリルポリマーを含む。反射性ポリマーの反射率は、好ましくは1.3より上である。いくつかの実施形態では、光屈折を増大させるために、または視野へと投影される光の強度を増大させるために、高反射率のポリマーコーティングまたはグロスコーティングが、追加され得る。いくつかの実施形態では、光学的に透明な素材は、多様な光学コーティングを用いて適合およびまたはコーティングされ得る。
【0040】
図4A~4Dは、ホログラフィックディスプレイアセンブリ120が、完全に折り畳まれた状態から、部分的に展開された状態、そして完全に展開された状態へと移行されるホログラフィックディスプレイシステム100の一連の底面図を図示している。示されているように、図4Aおよび図5は、ホログラフィックディスプレイアセンブリ120が完全に折り畳まれた状態にあるホログラフィックディスプレイシステム100を描写している。
【0041】
ここで図4Bおよび図6に移ると、折り畳まれたホログラフィック視覚スペースを開くために、接続されたヒンジベース112aが、ケース111から90°の角度へと回転する。その際、ディスプレイパネル203の底部に固着されているスライドカバー204から延出している小さな延出片205によって接続されている第二のヒンジ113aは、遊動位置に設定される。
【0042】
図4Cおよび図7では、遊動ヒンジ113aは、続いて、保護スクリーン201および反射スクリーン202を調整して反射スクリーンをディスプレイスクリーン203に対して45°の角度に設定するように回転させられる。好ましくは、遊動ヒンジ113aは、反射スクリーンがディスプレイスクリーン203に対して0°から45°の角度の間のみ回動させられることを可能とする停止位置を含有する。
【0043】
図4Dおよび図8では、反射スクリーン202が、45°に角度付けられた位置へと開かれた後、ベースヒンジ112aの中央分割部112bに取り付けられたガラスまたは類似のタッチスクリーン(例えば静電容量方式タッチスクリーン)206が、ディスプレイスクリーン203に対して90°の角度にある開いた位置へと回転させられる。タッチスクリーン206は、オプションであり、他の実施形態は、タッチスクリーンを含まないことがある。タッチスクリーンが用いられないときの実施形態では、ホログラフィック反射スクリーン202は、支持バネ搭載のヒンジを介して最適な視覚角度へと到達し得、または手動で45°の係止位置に設定され得る。あるいは、他の実施形態は、赤外(IR)源を用いて実装されるガラスのないタッチフィールドなどの「ガラスのない」タッチスクリーンを含み得る。
【0044】
タッチスクリーン206が、開いた位置へと回転させられた後、遊動ヒンジ113aおよびこれに接続されている延出片205が、ディスプレイスクリーン203の底部の下に固着されているスライドカバー204の内側に嵌合するように内方向に押し込まれる。摺動動きは、全ての角度の位置を適所に固定するために、ディスプレイスクリーン207の側面上の留め具を用いて固定される。反射スクリーン202の保護スクリーン208との継合点と共に保護スクリーン201の上部にある湾曲部209は、タッチスクリーン206のための抱持点を生み出し、これにより、全ての不可欠な角度付けられた平面を所定位置に係止する。ディスプレイがもはや使用のために望まれないとき、ホログラフィックシステム200内の全ての平面は、電子デバイス10の後ろに折り畳まれた状態に戻るために、スクリーンの開く動きとは逆の順序で圧縮され得る。
【0045】
図9は、ホログラフィックディスプレイアセンブリが完全に開いた状態にある、図2のホログラフィックディスプレイシステムの上面図を描写している。ある実施形態では、ブラックスクリーンまたは暗くされた背景が、光反射の可視性を増大させるためにホログラム装置の後ろに置かれ、これによりホログラムを向上させる。このような実施形態では、暗くされた背景パネル(示されていない)は、遊動ヒンジ113aに取り付けられ得、反射スクリーン202の後ろに位置付けられ得る。すなわち、このような背景パネルは、ヒンジ113aによって、例えばディスプレイスクリーン203に対して大体90°(展開されたときに反射スクリーン202に対して大体45°)の角度へと回転させられ得る。
【0046】
図10は、本開示に従った、ポータブル電子デバイス510のためのホログラフィックディスプレイシステム500の実施形態に含まれる、例となる構成要素の組を図示したブロック図である。示されているように、ホログラフィックディスプレイシステム500は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ530およびタッチスクリーン540を含むホログラフィックディスプレイアセンブリ520を含む。図10の実施形態では、ホログラフィックディスプレイアセンブリ520の反射面および折り畳み可能なヒンジ配列は、電子的な構成要素でなく、そのため示されていない。ハブおよびディスプレイドライバ要素550は、従前通り、ポータブル電子デバイス510によって提供されるイメージまたは映像信号に従ってOLEDディスプレイ530を駆動する。代わりとなる実施形態では、ホログラフィックディスプレイシステム500は、OLDEDディスプレイ530へと提供されるイメージまたは映像データをキャッシュするためのメモリ(示されていない)を含み得る。ハブおよびディスプレイドライバ要素550はまた、タッチスクリーン540に作用可能に接続されているタッチコントローラ560からタッチ関連データを受信する。いくつかの実施形態では、ハブおよびディスプレイドライバ要素550は、このタッチ関連データを、例えば、ポータブル電子デバイス510がハブおよびディスプレイドライバ要素550へと提供するイメージまたは映像信号を調整または修正するように構成され得るポータブル電子デバイス510へと提供し得る。他の実施形態では、ハブおよびディスプレイドライバ要素550は、例えば映像信号のオーバーレイイメージをOLEDディスプレイ530へと提供することによって、タッチ関連の情報に応答してOLEDディスプレイ540によって作り出されるイメージを別様に変えるように構成され得る。一実施形態では、ホログラフィックディスプレイシステム500は、電力を電子的な構成要素へと提供するための外部バッテリー570をさらに含む。
【0047】
図11A~Cは、ポータブル電子デバイス610と併せた、本開示のホログラフィックディスプレイシステム600の実施形態の、例となる展開および使用を図示している。示されているように、ポータブル電子デバイスの底端616を、ケース611の下縁618に据え付けられるまで長手方向Lに沿って摺動することによって、ポータブル電子デバイス610は、ディスプレイシステム600の可撓ケース611に挿嵌され得る。一実施形態では、ディスプレイシステム600によって作り出されるホログラフィックイメージは、ポータブル電子デバイス610のディスプレイスクリーン640の面積と同程度の面積の二次元断面を有するホログラフィック視覚エリア630を占有し得る。図11Aおよび図11Bでは、使用可能なホログラムスクリーンスペースをディスプレイスクリーン640に対して相対的に示すために、ホログラフィック視覚エリア630の概略が、描写されている。
【0048】
図11Cは、イメージおよび/または選択可能なユーザインターフェース要素(例えばアプリアイコン)を提示するために、視覚エリア630がディスプレイスクリーン640と共に利用され得ることを図示している。例えば、ディスプレイスクリーン640によってレンダリングされるイメージは、視覚エリア630へと拡張され得る(そして、このようなイメージは、ディスプレイスクリーン640および視覚エリア630を通じて共同でレンダリングされる)。あるいは、ディスプレイスクリーン640が、あるイメージを表示し得る一方で、他のホログラフィックイメージは、視覚エリア630を通じて別個かつ独立にレンダリングされ得る。
【0049】
図12A~12Dは、本開示に従った、ポータブル電子デバイス710と併せた使用のためのホログラフィックディスプレイシステム700の、例となるプロトタイプの実施形態を図示している。ディスプレイシステムは、ケース714と、ディスプレイスクリーン730を有する折り畳み可能なホログラフィックディスプレイアセンブリ720と、反射体734と、実質的に透明なタッチスクリーン738とを含む。ケース714は、ポータブル電子デバイス710をしっかりと保持し、本明細書に記載のタイプの1つまたは複数のヒンジによって、折り畳み可能なホログラフィックディスプレイアセンブリ720に結合されている。図12Aは、開いている、すなわち折り畳まれていない状態に構成されているホログラフィックディスプレイアセンブリ720を伴うホログラフィックディスプレイシステム700およびポータブル電子デバイス710の正面図を提供する。図12Bは、折り畳まれている、閉じた状態に構成されているホログラフィックディスプレイアセンブリ720を伴うホログラフィックディスプレイシステム700およびポータブル電子デバイス710の正面図である。図12Cは、開いている、すなわち折り畳まれていない状態に構成されているホログラフィックディスプレイアセンブリ720を伴うホログラフィックディスプレイシステム700およびポータブル電子デバイス710の等角図を図示している。図12Dは、折り畳まれている、閉じた状態に構成されているホログラフィックディスプレイアセンブリ720を伴うホログラフィックディスプレイシステム700およびポータブル電子デバイス710の等角図を図示している。
【0050】
実施形態に従った、ホログラフィックディスプレイアセンブリを展開するための手順を図示したフローチャートである図13へと、注意が向けられる。手順は、第一のヒンジ要素によってケースに結合されているプロジェクタスクリーンと、第二のヒンジ要素によってプロジェクタに結合されている反射要素と、ケースにヒンジで係合されている透明なタッチスクリーンとを有するホログラフィックディスプレイアセンブリを含むホログラフィックディスプレイシステムを提供することを含む(ステージ1302)。第一のヒンジ要素は、ケースの面に対して第一のあらかじめ定義された角度にプロジェクタスクリーンを位置付けるように回転させられる(ステージ1304)。手順は、プロジェクタスクリーンに対して第二のあらかじめ定義された角度に反射要素を設定するように第二のヒンジ要素を回転させることを含む(ステージ1308)。ケースにヒンジで係合されている透明なタッチスクリーンは、プロジェクタスクリーンに対して第三のあらかじめ定義された角度に回転させられる(ステージ1312)。手順は、遊動ヒンジおよび第二のヒンジ要素の延出片をプロジェクタスクリーンの底部の下に配置されているスライドカバー内へと摺動させることをさらに含む(ステージ1316)。
【0051】
上に記載の方法が、ある順序で起こるあるイベントを指示するとき、あるイベントの順序は、修正され得る。加えて、イベントのいくつかは、可能なときには並列プロセスにおいて同時に実施され得、上に記載されるように順次に実施され得る。異なるデバイス内の様々なモジュールは、デバイスのプロセッサ内に位置することが示されるが、それらはまた、デバイスのメモリ(例えばソフトウェアモジュール)内に位置し得/格納され得、プロセッサによってアクセスおよび実行され得る。従って、本明細書は、付属の特許請求の範囲の精神および範囲に該当する、開示される実施形態の全てのこのような修正および変形を包含することを意図されている。
【0052】
説明の目的のために、上記の記載は、主張されるシステムおよび方法の徹底的な理解を提供するために具体的な命名法を用いた。しかしながら、本明細書に記載のシステムおよび方法を実践するために具体的な詳細が要求されることがないことは、当業者にとって明白であろう。このように、記載のシステムおよび方法の具体的な実施形態の上記の記載は、図示および記載の目的のために提示されている。それらは、網羅的であることも、特許請求の範囲を開示される形態そのものに限定することも意図されておらず、明らかに、多くの修正および変形が、上の教示に照らして可能である。実施形態は、記載のシステムおよび方法の原理ならびにそれらの実践的応用を最良に説明するために選ばれ、記載され、それにより、実施形態は、他の当業者が、予定される特定の使用に適するような様々な修正を伴う記載のシステムおよび方法ならびに様々な実施形態を最良に利用することを可能とする。以下の特許請求の範囲およびその均等物が本明細書に記載のシステムおよび方法の範囲を定義することが、意図されている。
【0053】
本明細書に概略を記載される様々な方法またはプロセスは、多様なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちの任意の1つを採用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコーディングされ得る。加えて、このようなソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプティングツールのうちの任意のものを用いて記述され得、また、フレームワークまたは仮想機械上で実行される実行可能な機械言語コードまたは中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0054】
コンピュータコードの例は、コンパイラによって作り出されるようなマイクロコードもしくはマイクロ命令、機械命令、ウェブサービスを作り出すために用いられるコード、ならびに、インタプリタを用いてコンピュータによって実行されるより高水準の命令を含有するファイルを含み、ただしこれらに限定されない。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えばC、Fortranなど)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlangなど)、ロジカルプログラミング言語(例えばProlog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えばJava(登録商標)、C++など)、または他の適切なプログラミング言語および/もしくは開発ツールを用いて実装され得る。コンピュータコードのさらなる例は、制御信号、暗号化されたコードおよび圧縮されたコードを含み、ただしこれらに限定されない。
【0055】
この点において、1つもしくは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、上で検討された本発明の様々な実施形態を実装する方法を実施する1つまたは複数のプログラムを用いてエンコードされるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(または複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)(例えばコンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイスにおける回路構成、または他の非一時的な媒体もしくは有形のコンピュータ記憶媒体)として、様々な発明概念が、具体化され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体(単数または複数)は、その上に格納されるプログラム(単数または複数)が、上で検討されたような本開示の様々な局面を実装するために1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードされ得るように、移植可能であり得る。
【0056】
本明細書中では、「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、一般的な意味で用いられており、上で検討されたような実施形態の様々な局面を実装するようにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能な命令の組を指す。加えて、一局面によると、実行されるときに本発明の方法を実施する1つまたは複数のコンピュータは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に常駐する必要はなく、本発明の様々な局面を実装するために多数の異なるコンピュータまたはプロセッサ間でモジュール式に分散され得ることが、認識されるべきである。
【0057】
コンピュータ実行可能な命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの多くの形態にあり得る。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するかまたは特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において望まれるように組み合わされ得、または分散され得る。
【0058】
また、データ構造は、任意の適切な形式において、コンピュータ読み取り可能な媒体内に格納され得る。図示の簡単のために、データ構造内のロケーションを通じて関連するフィールドを有するデータ構造が、示され得る。このような関連付けは、フィールド間の関連付けを伝達するコンピュータ読み取り可能な媒体内のロケーションを、フィールドに対するストレージに割り当てることによって同様に達成され得る。しかしながら、データ構造のフィールド内の情報間の関連付けを確立するために、任意の適切なメカニズムが、用いられ得る(データ要素間の関連付けを確立するポインタ、タグまたは他の機構の使用を通じて確立することを含む)。
【0059】
また、例が提供されている1つまたは複数の方法として、様々な発明概念が、具体化され得る。方法の一部として実施される行動は、任意の適切な手段において順序付けられ得る。従って、実施形態は例示的実施形態において一連の行動として示されているが、例示されるものと異なる順序で行動が実施される実施形態が、構築され得、実施形態は、いくつかの行動を同時に実施することを含み得る。
【0060】
本明細書中で定義され用いられる場合、全ての定義は、辞書の定義、参照によって援用される文献における定義、および/または定義される用語の通常の意味に優先するものと理解されるべきである。
【0061】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、不定冠詞「ある」(“a” and “an”)は、そうでないことを明瞭に指示しない限り「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
【0062】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、「および/または」というフレーズは、そのように等位接続された要素のうちの「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきであり、すなわち、ある場合には接続的に存在し他の場合には離接的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いてリストされる複数の要素は、同一の方式において解されるべきであり、すなわち、そのように等位接続された要素のうちの「1つまたは複数」と解されるべきである。「および/または」節によって特に識別される要素以外の他の要素が、特に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかに関係なく、随意に提示され得る。そのため、非限定的な例として、「備える」などのオープンエンドの語と併せて用いられるときの「Aおよび/またはB」への言及は、一実施形態では、Aのみ(B以外の要素を随意に含む)を指し得、別の実施形態では、Bのみ(A以外の要素を随意に含む)を指し得、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(他の要素を随意に含む)ことを指し得、等々である。
【0063】
本明細書におよび特許請求の範囲において用いられる場合、「または」は、上に定義された「および/または」と同一の意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムを分離するとき、「または」または「および/または」は、包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、多数のまたはリストの要素のうちの少なくとも1つを含むことだけでなく、随意に1つより多くを含み、追加のリストされていないアイテムを含むと解釈されるべきである。そうでないことを明瞭に示されている、「のうちの1つのみ」、または「のうちの厳密に1つ」または特許請求の範囲において用いられるときの「からなる」などの用語のみが、多数またはリストの要素のうちの厳密に1つを含むことを指す。一般的に、本明細書中で用いられるような「または」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」または「のうちの厳密に1つ」などの排他性の用語によって続けられるときには、排他的な選択肢を指示するもの(すなわち「一方または他方であるが、両方でない」)としてのみ解釈されるべきである。特許請求の範囲において用いられるときの「から本質的になる」は、特許法律分野において用いられるような通常の意味を有するべきである。
【0064】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、1つまたは複数の要素のリストに言及している「少なくとも1つ」というフレーズは、要素のリスト内の任意の1つまたは複数の要素から少なくとも1つの要素が選択されることであって、ただし、要素のリスト内に特にリストされている各々のまたは全ての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを必ずしも排除しないことを意味すると理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つ」というフレーズが言及している、要素のリスト内で特に識別される要素以外の要素が、特に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかに関係なく、随意に提示され得ることを可能とする。そのため、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または等しくは「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または等しくは「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つのA(随意に1つより多くのA)をBを伴わずに含む(かつB以外の要素を随意に含む)ことを指し得、別の実施形態では、少なくとも1つのB(随意に1つより多くのB)をAを伴わずに含む(かつA以外の要素を随意に含む)ことを指し得、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(随意に1つより多くのA)を含み、少なくとも1つのB(随意に1つより多くのB)を含む(かつ他の要素を随意に含む)ことを指し得、等々である。
【0065】
特許請求の範囲および上の明細書において、「を備える(comprising)」、「を含む(including)」、「を持つ(carrying)」、「を有する(having)」、「を含有する(containing)」、「を伴う(involving)」、「を保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」およびこれらに類するものなどの全ての移行句は、オープンエンドと理解されることとなり、すなわち、含み、ただし限定されないと理解されることとなる。米国特許庁特許審査手続便覧第2111.03項に記載されるように、「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ、クローズドまたはセミクローズドの移行句であるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A-11C】
図12
図13
【国際調査報告】