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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】爪コーティングシステム
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20220427BHJP
   A61Q 3/02 20060101ALI20220427BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20220427BHJP
   A61K 8/65 20060101ALI20220427BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20220427BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20220427BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q3/02
A61K8/92
A61K8/65
A61K8/31
A61K8/67
A61K8/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524296
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019059134
(87)【国際公開番号】W WO2020092749
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/753,249
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521189237
【氏名又は名称】ゾヤ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ZOYA COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】イサ,レベッカ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC341
4C083AC342
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD431
4C083AD432
4C083AD441
4C083AD442
4C083AD511
4C083AD512
4C083AD661
4C083AD662
4C083BB11
4C083BB13
4C083CC28
4C083DD23
4C083EE11
4C083EE12
(57)【要約】
本技術は爪甲を改善するのに適した爪コーティングシステムを提供する。爪コーティングシステムは油性セラムとベース組成物を含む。爪コーティングシステムはさらにUV/LED組成物を含んでよい。使用時に、油性セラムは、最初に爪甲をアルコールおよび/またはアセトンで清浄化することなく、爪甲に対して直接塗布されてよい。油性セラムコーティングは爪甲にある裂け目を埋め、また爪甲に皮脂および水分を回復させてよい。油性セラム層が爪内に磨き入れられまたは乾燥された後に、ベース組成物が塗布されてよい。ベース組成物が乾燥した後に、UV/LED組成物が塗布および硬化されてよい。次に、ユーザーはマニキュア液および/またはトップコートをUV/LED組成物に対して塗布してよい。マニキュア液および/またはトップコート層は在来のマニキュア除光液で除去されてよく、一方で油性セラム、ベース組成物およびUV/LED組成物の当初のコーティングは保持される。その後に新たなマニキュア液および/またはトップコートがUV/LED組成物に対して塗布されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪コーティングシステムであって:
(a)油性セラム;
(b)ベース組成物;および
(c)UV/LED組成物を含む、爪コーティングシステム。
【請求項2】
ベース組成物は:酢酸エステル、酢酸ブチル、またはその誘導体からなる群より選択された材料を含む、請求項1の爪コーティングシステム。
【請求項3】
油性セラムコーティングがクリーンな爪甲に対して直接に塗布される、請求項1の爪コーティングシステム。
【請求項4】
油性セラムコーティングは皮脂および水分を爪甲に回復させる、請求項3の爪コーティングシステム。
【請求項5】
油性セラムは爪甲の裂け目を埋める、請求項4の爪コーティングシステム。
【請求項6】
ベース組成物コーティングが油性セラムコーティングに対して塗布される、請求項5の爪コーティングシステム。
【請求項7】
マニキュア液コーティングをさらに含む、請求項1の爪コーティングシステム。
【請求項8】
トップコートをさらに含む、請求項1の爪コーティングシステム。
【請求項9】
第2のUV/LED組成物をさらに含む、請求項1の爪コーティングシステム。
【請求項10】
爪コーティング組成物の使用方法であって:
(a)油性セラムコーティングを爪甲に対して塗布するステップ;
(b)油性セラムコーティングを爪甲内へと磨き入れるステップ;
(c)ベース組成物コーティングを油性セラムコーティングに対して塗布するステップ;および
(d)UV/LED組成物コーティングをベース組成物コーティングに対して塗布するステップを含む、方法。
【請求項11】
さらに:
マニキュア液コーティングをUV/LED組成物コーティングに対して塗布することを含む、請求項10の方法。
【請求項12】
さらに:
トップコートコーティングをマニキュア液コーティングに対して塗布することを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
さらに:
第2のUV/LED組成物コーティングをトップコートコーティングに対して塗布することを含む、請求項12の方法。
【請求項14】
マニキュア液コーティングをマニキュア除光液で除去し、そしてUV/LED組成物コーティング、ベース組成物コーティング、および油性セラムコーティングを保持することをさらに含む、請求項11の方法。
【請求項15】
新たなマニキュア液コーティングをUV/LED組成物コーティングに対して塗布することをさらに含む、請求項14の方法。
【請求項16】
トップコートコーティングおよびマニキュア液コーティングをマニキュア除光液で除去し、そしてUV/LED組成物コーティング、ベース組成物コーティング、および油性セラムコーティングを保持することをさらに含む、請求項11の方法。
【請求項17】
新たなマニキュア液コーティングをUV/LED組成物コーティングに対して塗布することをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項18】
爪コーティング組成物の使用方法であって:
(a)油性セラムコーティングを裂け目を有する爪甲に対して塗布するステップ;
(b)爪甲の裂け目を油性セラムで埋めるステップ;
(c)ベース組成物コーティングを油性セラムコーティングに対して塗布するステップ;
(d)ベース組成物で油性セラムを爪甲内に押し込むステップ;および
(e)UV/LED組成物コーティングをベース組成物コーティングに対して塗布するステップを含む、方法。
【請求項19】
コーティングされた爪甲は回復された皮脂および水分レベルを有する、請求項18の方法。
【請求項20】
コーティングされた爪甲は改善された爪の健康状態を有する、請求項18の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2018年10月31日に出願された「爪コーティングシステム」と題する米国仮出願第62/753,249の優先権および利益を主張するものであり、この米国仮出願の開示は、ここでの参照によってその全体が本願に取り入れられる。
【0002】
本技術は、付着性が改善され、爪の改善された水和状態、爪の改善されたマニキュア装用、爪の改善された強度、爪の皮脂と水分レベルの再バランス、爪の柔軟性レベルを改善すること、爪の硬度レベルを改善すること、割れ(破損)、擦切れ、および欠け(脆さ)を含む爪のダメージの防止、並びにダメージを受けた爪甲(ネイルプレート)の復元などを含む、爪の一般的な状態の改善のための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自然の爪甲は、人の手指の爪および足指の爪にある爪甲を含めて、半透明のケラチンタンパク質の複数の層から構成されている。爪甲は爪甲の根本にある爪母内で生成され、指先または爪先に向けてゆっくりと送られ、全行程は手指の爪では通常4-6ヶ月を要し、そして足指の爪では1年までを要する。ケラチンは爪の繊維質の構造タンパク質であり、人の毛髪や皮膚においても見出される。ケラチンは爪甲に対して構造、堅牢性、耐久性および柔軟性を生来的に付与し、これが破損、欠損、割れおよび裂けに対する抵抗性を確保する。爪甲はまた皮脂および水分を含有しており、爪甲を保存および保護する。皮脂および水分は、爪甲の潤いを保ち、爪甲が乾燥しまた脆弱となることを防止する。
【0004】
残念ながら、爪甲は、刺激性または腐食性の化学物質、水分に対する過剰暴露、機械的損傷を通じて、または感染やある種の自己免疫疾患のような病気に起因して、毎日の活動においてダメージを受ける可能性がある。一部では爪甲はまた、種々の手指美爪および足指美爪の技術を通じて、例えば、爪に磨きをかける前に皮脂のような自然の油分および水分をアルコールやアセトンを用いて除去することを通じて、ダメージを受ける。さらに、爪甲は、人工爪、アクリル、ジェル、またはポリジェルマニキュアの塗布および除去手順のような、過度に侵襲的で不適切に行われた美爪術によって生成された機械的なダメージによっても損傷を受ける場合がある。人によってはまた本来的に、薄いまたは弱い爪甲を有しまたは発現することがあり、これは容易に裂け、破損し、または剥がれてしまう。爪甲の強度および耐久性はまた、通常は年齢を重ねると共に低下し、また遺伝、食生活、および環境に基づいて、人ごとに異なりうる。ダメージを受けた、または弱くなった爪甲は、感染、過剰の汚れや脱色、またはさらに引き続くダメージを受けやすくなる。また、爪甲は、通常の爪甲の長さに沿って走る種々の深さの溝を発現しうる。これらの溝は、しばしば隆起として誤って認識されるが、爪甲における弱点として作用し、またこれらの溝領域における爪甲の著しい薄化の結果として爪甲に発現しうる長手方向の割れ目またはクラックが開始される元として作用し、またはマニキュアに気泡やヒビ割れを生じて美爪術における弱点をもたらす。
【0005】
爪甲に固有の強度、柔軟性、および水和状態を増大または回復させることは、耐久性の増大をもたらし、それは爪甲が衝撃によりよく耐え、また毎日の応力、引っ張り、磨き、その他の形で外部から加えられる物理的な力に抵抗することを可能にする。強度、柔軟性、および耐久性の間には、達成されなければならないバランスが存在する。理想的な爪は、ダメージに抵抗するのに十分に強いが、脆かったり、過度に柔軟であったり等ということはない。さらに、爪の溝を滑らかにすることは、マニキュアの装用を改善することを可能にする。
【0006】
したがって、爪甲の強度、耐久性、および柔軟性を改善すると同時に、爪甲の皮脂および水分を回復させて、マニキュア液の付着および装用を改善することを可能にする爪甲改善システムを開発することが望ましい。また、塗布が容易であり、しかも、すでに脆く、弱く、割れており、またはこれまでにダメージを受けているような爪甲を含めて、どのようなタイプの爪甲に対しても長持ちする強度および耐久性をもたらすことのできる、爪改善組成物を開発することが望ましい。さらに、爪甲および爪甲の健康状態を是正および保護することができると同時に、爪甲に対して化粧品を塗布するための強いベースとしても作用する、爪コーティングシステムを生成することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本技術は、マニキュア液の付いていないクリーンな爪甲を準備した後に、アルコール、アセトン、および/またはホルムアルデヒドのような爪甲を剥離する化学物質を使用することなしに、爪甲の強度を改善し、爪甲の欠点を取り除き、爪甲の皮脂および水分を回復し、着色する手指美爪または足指美爪のためのネイルラッカーの付着性を改善し、そして結果的に高品質の爪トリートメントプロセスとすることのできる爪コーティングシステムを提供する。
【0008】
1つの態様において、本技術は、油性セラムおよびベース組成物を含む爪コーティングシステムを開示する。ベース組成物は、酢酸エステル、酢酸ブチル、またはこれらの誘導体からなる群より選択された材料を含んでいてよい。例えば、ベース組成物はイソ酪酸酢酸スクロースを含んでいてよい。さらに、油性セラムのコーティングは、クリーンな爪甲または油分と水分で覆われたで爪甲に対して直接に塗布されてよい。油性セラムのコーティングは、皮脂および水分を爪甲に回復させてよく、または油分と水分を爪甲に保全してよい。油性セラムはまた、爪甲にある裂け目を埋めてよい。ベース組成物のコーティングは、油性セラムのコーティングに対して塗布されてよい。この爪コーティングシステムはさらに、UV/LED組成物を含んでいてよい。UV/LED組成物は、ベース組成物に対して塗布されてよい。爪コーティングシステムはさらに、マニキュア液コーティングを含んでいてよい。ある実施形態においては、マニキュア液コーティングは、ベース組成物またはUV/LED組成物に対して塗布されてよい。爪コーティングシステムはさらに、トップコートを含んでいてよい。ある実施形態においては、トップコートは、ベース組成物、UV/LED組成物、またはマニキュア液コーティングに対して塗布されてよい。爪コーティングシステムはさらに、第2のUV/LED組成物を含んでいてよい。ある実施形態においては、第2のUV/LED組成物は、第1のUV/LED組成物、マニキュア液コーティング、またはトップコートに対して塗布されてよい。
【0009】
ある態様においては、本技術は、油性セラムコーティングを爪甲に塗布し、油性セラムコーティングを乾燥させまたは油性セラムコーティングを爪甲内へと磨き入れ、そしてベース組成物コーティングを油性セラムコーティングに対して塗布することを含む、爪コーティング組成物の使用方法を開示する。この方法はさらに、UV/LED組成物コーティングをベース組成物コーティングに対して塗布することを含んでいてよい。この方法はさらに、マニキュア液コーティングをベース組成物コーティングまたはUV/LED組成物コーティングに対して塗布することを含んでいてよい。ある実施形態においては、トップコートコーティングが、ベース組成物コーティング、UV/LED組成物、またはマニキュア液コーティングに対して塗布されてよい。この方法はさらに、第2のUV/LED組成物コーティングを第1のUV/LED組成物、マニキュア液コーティング、またはトップコートコーティングに対して塗布することを含んでいてよい。ある実施形態においては、マニキュア液コーティングはベース組成物コーティングに対して塗布されてよく、また続いてトップコートコーティングが塗布されてよい。
【0010】
ある実施形態においては、この方法はさらに、マニキュア液組成物コーティングをマニキュア除光液で除去し、そしてUV/LED組成物コーティング、ベース組成物コーティング、および油性セラムコーティングを保持することを含んでいてよい。ある実施形態においては、この方法はさらに、新たなマニキュア液コーティングまたはトップコートをさらにUV/LED組成物コーティングに対して塗布することを含んでいてよい。この方法はさらに、トップコートコーティングおよびマニキュア液組成物コーティングをマニキュア除光液で除去し、そしてUV/LED組成物コーティング、ベース組成物コーティング、および油性セラムコーティングを保持することを含んでいてよい。ある実施形態においては、この方法はさらに、新たなマニキュア液コーティングまたはトップコートをUV/LED組成物コーティングに対して塗布することを含んでいてよい。
【0011】
ある態様においては、本技術は、油性セラムコーティングを裂け目を有する爪甲に塗布して爪甲の裂け目を油性セラムで埋めることを含む、爪コーティング組成物の使用方法を開示する。この方法はさらに、油性セラムコーティングを乾燥させまたは油性セラムコーティングを爪甲内へと磨き入れることを含んでいてよい。ベース組成物が油性セラムコーティング上に塗布されてよく、そして油性セラムを爪甲内へと押し込んでよい。この方法はさらに、UV/LED組成物コーティングをベース組成物コーティングに対して塗布することを含んでいてよい。ある実施形態においては、コーティングされた爪甲は皮脂および水分レベルを回復している。ある実施形態においては、コーティングされた爪甲は爪の健康状態が改善されている。
【0012】
さらに、下側にある爪コーティングシステムの完全性および健康上の利益を変化させることなしに、または爪コーティングシステムを取り除く必要なしに、化粧(ネイルカラー)層の容易な除去および変更を可能にする爪コーティングシステムを生成することが望ましい。このことは本来的にエンドユーザーに対して、アセトン系および非アセトン系のマニキュア除光液を用いて、爪コーティングシステムを破壊することなしに、マニキュア液(在来の溶剤系または溶剤およびUS系のハイブリッド)を変えることを可能にする。これは使用の簡便性、柔軟性、耐久性および時間の節約のために、エンドユーザーにとって望ましい。これは完全にユニークで新規な適用可能性である。
【0013】
これらの、および他の態様並びに実施形態は、以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、爪表面上の爪コーティングシステムの断面図であり;
【0015】
図2図2は、爪表面上の爪コーティングシステムおよびマニキュア液コーティングの断面図であり;
【0016】
図3図3は、爪表面上の爪コーティングシステム、マニキュア液、およびトップコートの断面図であり;および
【0017】
図4図4は、爪表面上の爪コーティングシステム、マニキュア液、トップコート、および第2のUV/LEDコーティングの断面図である。
【0018】
図5図5は、爪コーティングシステムを使用するための種々の選択肢を詳細に示す流れ図である。
【0019】
図面は、特に断りがない限り、縮尺通りではない。図面は本技術の態様および実施形態を例示することを目的としており、本技術を図面に示された態様に制限することを意図したものではない。本技術の態様および実施形態は、以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解可能である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
さて本教示の実施形態について詳細に参照を行うと、その例は添付図面に説明されている。理解されるように、他の実施形態も用いられてよく、また本教示の範囲から逸脱することなしに、構成的および機能的な変更を行ってよい。さらにまた、実施形態の特徴は、本教示の範囲から逸脱することなしに、組み合わせ、交換し、または変更してよく、例えば、開示された実施形態の各々の特徴は、開示された他の実施形態の特徴と組み合わせ、交換し、または置き換えてよい。かくして、以下の記述は例示のために提示されたものであり、また例示された実施形態に対して行ってよい種々の代替および修正を制限するものではなく、依然として本技術の思想および範囲内に属するものである。
【0021】
本願で使用するところでは、「例」および「例示的」という用語は、場合、または実例を意味している。「例」または「例示的」という用語は、鍵となる、または好ましい態様または実施形態を示すものではない。「または」という用語は、文脈が別様に示唆するのでなければ、排他的ではなく包括的であることを意図している。例えば、「AはBまたはCを採用する」という表現は、任意の包括的な順列(例えば、AはBを採用する;AはCを採用する;またはAはBおよびCの両者を採用する)をふくんでいる。別の事項として、冠詞「ある」および「1つの」は一般に、文脈が別様に示唆するのでなければ、「1つまたはより多く」を意味することを意図している。
【0022】
開示されているのは、爪甲を改善するのに適した爪コーティングシステムである。爪コーティングシステムは油性セラムとベース組成物を含む。爪コーティングシステムはさらにUV/LED組成物を含んでよい。使用時に、油性セラムは、最初に爪甲をアルコールおよび/またはアセトンで清浄化することなく、爪甲に対して直接塗布されてよい。油性セラムコーティングは爪甲にある裂け目を埋め、また爪甲に皮脂および水分を回復させてよい。油性セラム層が爪内に磨き入れられまたは乾燥された後に、ベース組成物が塗布されてよい。ベース組成物が乾燥した後に、UV/LED組成物が塗布および硬化されてよい。次に、ユーザーはマニキュア液および/またはトップコートをUV/LED組成物に対して塗布してよい。マニキュア液および/またはトップコート層は在来のマニキュア除光液で除去されてよく、一方で油性セラム、ベース組成物およびUV/LED組成物の当初のコーティングは保持される。その後に新たなマニキュア液および/またはトップコートがUV/LED組成物に対して塗布されてよい。
【0023】
本技術は、アルコール、アセトン、および/またはホルムアルデヒドのような化学物質を使用することなしに、爪甲の強度を改善し、爪をダメージから保護し、爪甲の欠点を取り除き、爪甲の皮脂および水分を回復し、着色する手指美爪または足指美爪のためのネイルラッカーの付着性を改善し、そして結果的に高品質の爪トリートメントプロセスとすることのできる爪コーティングシステムを提供する。
組成物
【0024】
本技術の爪コーティングシステムは2つの成分、油性セラム成分およびベース成分を含んでいる。各々の成分は、単一の成分または幾つかの異なる成分を含んでいてよい。
【0025】
爪コーティングシステムは油性セラムを含んでいる。油性セラムは、任意の適切な種類の、液体またはゼラチン(ゲル)状の物質である。油性セラムは任意の適切な材料から構成されてよい。ある実施形態においては、油性セラムは、ホホバ、アルガン、ローズヒップ、アボカド、オリーブ、ホーステール、グレープシード、マルーラ、アーモンド、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ、ラベンダー、ティーツリー、ペパーミント、スイートオレンジ、またはその他のオイル、および/または、シアバター、ビタミンEゲル、ミツロウ、コラーゲン、ケラチン、ペトロラタム、ラノリン、ワセリン、アロエベラジェル、およびその他を含んでいてよい。材料の量は、バッチサイズおよび油性セラム内の他の成分の量に基づいて変化してよい。
【0026】
油性セラムは、その成分材料を任意の適切な仕方で、例えば順次に、全部を一度に、または種々の段階で組み合わせることによって調製されてよい。ある実施形態においては、それらの成分は現場で形成されてよい。別の実施形態では、成分は予め形成された材料であってよい。調製の後に、油性セラム成分は任意の適切な容器、例えば標準的なガラス製のマニキュア液容器に保存してよい。
【0027】
爪コーティングシステムはまた、ベース成分を含んでいる。ベース成分は液体成分である。ベース成分は任意の適切な材料から構成されてよく、それには限定するものではないが、酢酸エステル、酢酸ブチルおよび/またはこれらの誘導体が含まれる。ベース組成物はイソ酪酸酢酸スクロースを含んでいてよい。これらの材料の量は、バッチサイズおよびベース成分内の他の成分の量に基づいて変化してよい。ある実施形態においては、ベース成分は、酢酸エステル、酢酸ブチルおよび/またはこれらの誘導体を含有する、在来のマニキュア液処方であってよい。
【0028】
ベース成分の構成成分は、その成分材料を任意の適切な仕方で、例えば順次に、全部を一度に、または種々の段階で組み合わせることによって調製されてよい。ある実施形態においては、それらの成分は現場で形成されてよい。別の実施形態では、成分は予め形成された材料であってよい。調製の後に、ベース成分は任意の適切な容器、例えば標準的なガラス製のマニキュア液容器に保存してよい。
【0029】
爪コーティングシステムはまた、UV/LED成分を含んでいてよい。UV/LED成分は液体成分であり、そしてUV/LEDで活性化される透明な産物であってよい。UV/LED成分は任意の適切な材料で構成されてよく、それには限定するものではないが、アクリレート/メタクリレート含有組成物および/またはこれらの誘導体が含まれる。UV/LED成分処方は、反応性モノマー、オリゴマー、架橋剤、光開始剤、阻害剤、溶媒、そして着色層については顔料を含んでいてよい。これらの材料の量は、バッチサイズおよびUV/LED成分内の他の成分の量に基づいて変化してよい。ある実施形態においては、UV/LED成分は、在来のUV/LED放射線硬化性のマニキュア液であってよい。
【0030】
UV/LED成分の構成成分は、その成分材料を任意の適切な仕方で、例えば順次に、全部を一度に、または種々の段階で組み合わせることによって調製されてよい。ある実施形態においては、それらの成分は現場で形成されてよい。別の実施形態では、成分は予め形成された材料であってよい。調製の後に、UV/LED成分は任意の適切な容器、例えば標準的なガラス製のマニキュア液容器に保存してよい。
使用方法
【0031】
調製の後に、爪コーティングシステムは、限定するものではないが、ブラシによる方法、スポンジによる方法、ローラーによる方法、噴霧による方法、浸漬による方法、滴下による方法、その他を含む、任意の適切な方法を介して爪に塗布されてよい。ある実施形態においては、爪コーティングシステムは、マニキュア液の塗布において一般に使用されている標準的なブラシアプリケータによって塗布されてよい。
【0032】
本技術はまた、爪甲を爪コーティングシステム100でコーティングする方法を含んでいる。図1に示されているように、爪コーティング組成物は、手指または足指105の自然な爪に対して塗布されてよい。爪コーティングシステムの塗布前において、爪は事前にネイル用製品、ローション、および他の化粧品を使用していなくてよい。事前に塗布されたマニキュア液は任意の適切な手段によって爪から除去されるべきであり、それには限定するものではないが、アセトンまたは他のマニキュア除光液が含まれる。爪は、アセトンおよび/またはアルコールでさらに清浄化および/または乾燥される必要はない。爪コーティングシステム100を塗布する前に、手/足は爪を含めて石鹸と水で洗い、乾燥してよい。
【0033】
爪コーティングシステムの塗布方法は、任意選択的に、油性セラム、ベース組成物、およびUV/LED成分製品を保持している容器を振盪させることを含んでいる。対象とする爪からは、アセトンまたは他の適切なマニキュア除光液の使用を含む任意の適切な手段によって、残存するマニキュア液が清浄化されるべきである。次いで、古いローション、埃、塵、その他を爪と周囲の皮膚から除去するように注意を払いながら、手および/または足を石鹸で洗浄して乾燥すべきである。手指美爪および/または足指美爪で通常行われるようにして、爪を美爪ハサミまたは爪切り(ネイルクリッパー)でトリミングし、甘皮その他の表皮を手入れしてよい。次いで、油性セラム112を爪甲110および周囲の皮膚に対して指関節まで直接に、甘皮および爪の先端の下側を含めて塗布してよい。このステップは直観に反している、というのは通常の手指美爪/足指美爪処理においては、爪甲は最初に皮脂の油を除去するためにアルコールで清浄化され、またアセトンで清浄化されて爪甲から水分が除去されるからである。自然の保護的な皮脂および水分を除去すると爪甲は乾燥し脆くなるため、このステップで爪は乾ききり、すなわちさらなるダメージに対して脆弱になる。
【0034】
この爪コーティングシステムでは、油性セラム112は自然の皮脂および水分を依然として含有している爪甲、すなわち以前のマニキュア液を除去する際に偶発的に生じてよいものを除いて、アルコール、アセトン、または任意の他の刺激の強い化学物質および/または乾燥剤で処理されていない爪甲に対して直接に塗布されるべきである。ここで、油性セラム112は爪甲110に対して直接に付着し、限定するものではないが、人工爪またはジェルマニキュア液の塗布および除去を含む、それまでの爪のトリートメントからのダメージ、または接触によるダメージ、あるいは病気や疾病に基づいて自然の爪の成長におけるパターンにより生じた何らかの自然の裂け目114を埋める。油性セラム112はこのとき滑らかな爪甲表面を生成し、ネイル製品の次の層の良好な付着を可能にする。油性セラム112は爪に吸収され、既存の皮脂および水分を閉じ込め、追加的な皮脂および水分の産生を促して、爪甲がその自然な健康状態を是正し回復するのを助ける。
【0035】
油性セラム112のコーティングは、ユーザーの爪甲110を覆って滑らかな被覆を生成するのに十分な、任意の適切な量で塗布されてよい。油性セラム112の乾燥時間は種々の要因によって変動しうるが、それには限定するものではないが、油性セラムのコーティング厚さ、爪コーティング組成物による処理を行う場所の状態および温度、その他が含まれる。次に、油性セラム112は、爪磨き(爪ヤスリ)のグリット(砥粒)の小さな側、または任意の他の適切な材料を用いて磨き入れられてよい。この磨き入れ処理(バフィング)は、遊離したケラチンの層を爪甲110から除去して滑らかにし、そして油性セラム112を爪甲内へと押し込む。全部の油性セラム112が爪甲110および周囲の皮膚に吸収されたならば、この第1の油性セラム112のコーティングが吸収された後に、ユーザーは油性セラム112の付加的なコーティングを塗布することを選択してよい。磨き入れ工程は、爪甲110が油性セラム112の吸収を停止するまで繰り返されるが、これはすなわち、適切な量の油性セラム112が塗布されたことのサインである。この時点において、ユーザーは自分の爪甲110をスムーザー(例えば、皮革または爪磨きの砥粒のない側)で磨き始める。この第2の磨き入れ工程は、靴を染料でバフ仕上げするのに類似した工程でもって、残りの油性セラム112を爪甲110内へとさらに押し込み、そして油性セラム112を均一に混合する。磨き入れに要する時間は、その人により、その人の爪の状態により、爪から除去されるケラチンの量により、また爪に塗布されるおよび/または残存される油性セラムの量により異なる。この場合にも、爪を磨き入れるこの工程は、磨き入れ処理は乾燥した爪甲に対して行われるという、通常の手指美爪/足指美爪処理の直観に反している。乾燥状態での磨き入れは、ケラチンの層を除去し、爪甲を引っ掻き、爪甲を薄くする等によって、爪甲にダメージを与えうる。ここでは、油性セラムでコーティングされた爪の磨き入れは、爪甲のダメージを防止し、そして実際に爪甲を改善し、遊離のケラチンを除去すると同時に、爪が油脂と水分の自然なバランスを回復するのを助ける。
【0036】
油性セラムコーティング(単数または複数)112が吸収された後に、ベース組成物116のコーティングが油性セラムコーティング112に対して直接に塗布されてよい。ベース組成物116は油性セラムを爪甲内へとさらに「押し込んで」よく、それによって爪甲110内およびその裂け目114内への付着をより強化する。裂け目の充填は、製品の次の層を塗布するための、滑らかな爪甲表面を可能にする。ベース組成物116のコーティングは、爪の上の油性セラムコーティングを完全に被覆するのに十分な、任意の適切な量で塗布されてよい。ベース組成物116の乾燥時間は種々の要因に基づいて変化してよく、それには限定するものではないが、ベース組成物コーティングの厚さ、爪コーティング組成物による処理の場所の状態および温度その他が含まれる。ベース組成物116は環境に暴露することによって乾燥されてよく、または指100を乾燥器中および/または加熱ランプ、例えばUV光中またはLED光中に置いて、乾燥時間を加速してよい。ユーザーは、第1のベース組成物コーティングが乾燥した後、例えばそれが均一にコーティングされていないと考える場合、第2のベース組成物コーティングを塗布することを選択してよい。
【0037】
ベース組成物116が乾燥した後、UV/LED組成物118のコーティングがベース組成物コーティング116に対して直接に塗布されてよい。UV/LED組成物118のコーティングは、爪甲110上のベース組成物コーティング116を完全に被覆するのに十分な、任意の適切な量で塗布されてよい。UV/LED組成物118の乾燥時間は、種々の要因に基づいて変化してよく、それには限定するものではないが、UV/LED組成物118のコーティングの厚さ、爪コーティング組成物による処理の場所の状態および温度その他が含まれる。UV/LED組成物コーティング118は、手指または足指100を乾燥器中および/または加熱ランプ、例えばUV光中またはLED光中に置き、乾燥時間を加速することによって乾燥してよい。UV光またはLED光はこの層を活性化し、それが硬化および乾燥することを可能にする。ユーザーは、第1のUV/LED組成物118のコーティングが乾燥した後、例えばそれが均一にコーティングされていないと考える場合、第2のUV/LED組成物118のコーティングを塗布することを選択してよい。
【0038】
爪コーティングシステムは、上述した工程またはステップに限定することができる。得られるコーティングされた爪甲は、幾つかの予期しない結果的な利益を有している。第1に、最終製品は高品質なコーティングされた爪甲である。この爪甲はその自然な皮脂および水分を回復しており、したがって改善された強度のような爪の改善された健康状態、および他の爪処理システムの場合よりも脆かったり乾燥したりしていない爪を結果的にもたらす。第2に、この爪コーティングシステムは、ホルムアルデヒド、アルコール、およびアセトンなどの爪甲を剥離する種々の化学物質を使用せず、手近にあるものとしてより健康的である。第3に、コーティングされた爪甲は滑らかな爪甲表面を示す。そうした滑らかなコーティングされた爪甲に塗布される任意の付加的な製品は、改善された付着性を有し、隆起や裂け目の周囲の弱化点において欠損および/または気泡を生じにくく、より長期的に長持ちするマニキュア液の装用が得られる。通常の手指美爪/足指美爪ルーチンは、付加的な化粧用ネイル製品のより良好な付着を行うために、爪甲から自然の皮脂および水分を除去することを含んでいることからすれば、こうした結果は予期しないことである。さらに、マニキュア液は本願の爪コーティングシステムの油性セラムのような油分で処理された爪甲には付着できないであろうことから、こうした結果は予期しないことである。第4に、本願の爪コーティングシステムによって処理された爪甲は良好に保護されていてよく、裸の爪のように破損やダメージを受け易くはない。第5に、本願の爪コーティングシステムによって処理された爪甲は、その改善された強度、柔軟性、水和状態、およびバランスの取れた皮脂および水分レベルに基づいて、よりダメージを受けにくく、例えばひび割れ、裂け、剥がれ等がより少ないことから、より速く伸びてよい。このことはまた、爪甲の強化/硬化、または爪に対する水分補給のいずれかが可能な、現今のシステムと比較して特徴的である。現今のシステムは、両方を同時に行うことはできない-どちらかと言えば、現今のシステムは爪甲の強化と水分補給の間を行きつ戻りつしている-その結果として爪甲は、任意の所与の時点において、本願の爪コーティングシステムの利点の少なくとも幾らかを欠如している。さらにまた、多くの現今のシステムは、マニキュア液または他の美爪システムと組み合わせることができない。
【0039】
図2に示されたある実施形態においては、爪甲210は、油性セラム212を塗布し、続いて磨き入れを行い追加の油性セラム212のコーティングを塗布し、爪甲の裂け目214を充填し(埋め)て遊離したケラチンのない滑らかな爪甲210表面を生成し、その皮脂と水分の自然のバランスを回復させることを通じて、爪コーティングシステム200で処理されてよい。ベース組成物216のコーティングが、油性セラム212コーティングの上部に塗布されてよい。ベース組成物コーティング216が乾燥した後に、UV/LED組成物218のコーティングがベース組成物216の上部に塗布されてよく、そして加熱ランプまたは加熱光の下に硬化されてよい。
【0040】
標準的なマニキュア液220、例えば着色されたネイルラッカー、テクスチャのあるネイルラッカーその他、または任意の他の在来の溶剤系のラッカーによる、任意選択的なコーティングが、乾燥されたベース組成物218のコーティングに対して塗布されてよい。このことは、手指または足指に対して色またはテクスチャのアクセントをもたらす。爪甲210の全部がマニキュア液220の同じ色または色分けを備えてよく、または1つの爪甲が別の爪甲とは異なる色または模様を特徴としていてよい。この実施形態においては、例えば爪が伸びた場合にユーザーが色を変更し、塗り直し、または除去したいときには、標準的なマニキュア液220のコーティングを除去するために、マニキュア除光液(図示せず)、例えばアセトンまたは非アセトン系の溶剤を使用してよい。この爪コーティングシステム200の予期しない利点は、マニキュア除光液が、UV/LED成分218、ベース成分コーティング216または油性セラム212を除去することなしに、標準的なマニキュア液コーティング220を除去可能なことである。したがって、マニキュア液のコーティングを除去するためにマニキュア除光液を使用できるという性能は、ベースの完全性を変化させることなしに、新たなコーティングを再度塗布することを可能にする。このことは、爪甲に対してトリートメントおよび保護を提供しているUV/LED成分コーティング、ベース成分コーティングおよび油性セラムコーティングの耐久性または持続性を損なうことなしにマニキュア液の色を切り替えるについて、ユーザーが柔軟性を獲得することを可能にする。爪コーティング組成物システムのこの実施形態は、これまで市場において行われたことはなく、またユーザーに対して予期しない効果および利点を提供する。
【0041】
図3に示されたある実施形態においては、爪甲310は、油性セラム312を塗布し、続いて磨き入れを行い追加の油性セラム312のコーティングを塗布し、爪甲の裂け目314を充填し(埋め)て遊離したケラチンのない滑らかな爪甲310表面を生成し、その皮脂と水分の自然のバランスを回復させることを通じて、爪コーティングシステム300で処理されてよい。ベース組成物316のコーティングが、油性セラム312コーティングの上部に塗布されてよい。ベース組成物コーティング316が乾燥した後に、UV/LED組成物318のコーティングがベース組成物316の上部に塗布されてよく、そして加熱ランプまたは加熱光の下に硬化されてよい。標準的なマニキュア液320、例えば着色されたネイルラッカー、テクスチャのあるネイルラッカーその他、または任意の他の在来の溶剤系のラッカーによる、任意選択的なコーティングが、乾燥されたベース組成物318のコーティングに対して塗布されてよい。このことは、手指または足指に対して色またはテクスチャのアクセントをもたらす。爪甲310の全部がマニキュア液320の同じ色または色分けを備えてよく、または1つの爪甲が別の爪甲とは異なる色または模様を特徴としていてよい。在来のトップコート322の任意選択的なコーティング、例えば透明なネイルラッカーが、乾燥された標準的なマニキュア液コーティング320に対して塗布されてよい。在来のトップコートの任意選択的なコーティングを塗布することは、爪コーティングシステムのさらなる封止を行うことを許容し、爪甲上に光沢のあるマニキュア仕上げをもたらす。爪コーティング組成物システムのこの実施形態は、これまで市場において行われたことはなく、またユーザーに対して予期しない効果および利点を提供する。
【0042】
この実施形態においては、例えば爪が伸びた場合にユーザーが色を変更し、塗り直し、または除去したいときには、在来のトップコート322および標準的なマニキュア液320のコーティングを除去するために、マニキュア除光液(図示せず)、例えばアセトンまたは非アセトン系の溶剤を使用してよい。この爪コーティングシステム300の予期しない利点は、マニキュア除光液が、UV/LED成分318、ベース成分コーティング316または油性セラム312を除去することなしに、標準的なマニキュア液コーティング320を除去可能なことである。したがって、マニキュア液のコーティングを除去するためにマニキュア除光液を使用できるという性能は、ベースの完全性を変化させることなしに、新たなコーティングを再度塗布することを可能にする。このことは、爪甲に対してトリートメントおよび保護を提供しているUV/LED成分コーティング、ベース成分コーティングおよび油性セラムコーティングの耐久性または持続性を損なうことなしにマニキュア液の色を切り替えるについて、ユーザーが柔軟性を獲得することを可能にする。
【0043】
図4に示されたある実施形態においては、爪甲410は、油性セラム412を塗布し、続いて磨き入れを行い追加の油性セラム412のコーティングを塗布し、爪甲の裂け目414を充填し(埋め)て遊離したケラチンのない滑らかな爪甲410表面を生成し、その皮脂と水分の自然のバランスを回復させることを通じて、爪コーティングシステム400で処理されてよい。ベース組成物416のコーティングが、油性セラム412コーティングの上部に塗布されてよい。ベース組成物コーティング416が乾燥した後に、UV/LED組成物418のコーティングがベース組成物416の上部に塗布されてよく、そして加熱ランプまたは加熱光の下に硬化されてよい。標準的なマニキュア液420、例えば着色されたネイルラッカー、テクスチャのあるネイルラッカーその他、または任意の他の在来の溶剤系のラッカーによる、任意選択的なコーティングが、乾燥されたベース組成物418のコーティングに対して塗布されてよい。このことは、手指または足指に対して色またはテクスチャのアクセントをもたらす。爪甲410の全部がマニキュア液420の同じ色または色分けを備えてよく、または1つの爪甲が別の爪甲とは異なる色または模様を特徴としていてよい。在来のトップコート422の任意選択的なコーティング、例えば透明なネイルラッカーが、乾燥された標準的なマニキュア液コーティング420に対して塗布されてよい。任意選択的な第2のUV/LED組成物のコーティング424が、乾燥された在来のトップコート422または乾燥された標準的なマニキュア液コーティング420に対して塗布されてよく、そして加熱ランプまたは加熱光の下に硬化されてよい。このことは、より長期の装用を可能にしてよい。第2のUV/LEDコーティング424の除去は爪コーティングシステムの全部の層の除去に結び付き得るから、任意選択的な第2のUV/LEDコーティング424を塗布することは、標準的なマニキュア液420の層および在来のトップコート422の層だけを除去するためにマニキュア除光液を使用するという機能を打ち消してよい。
【0044】
本技術は種々の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、理解されるように当業者には修正が想起されてよく、そして本願は本発明の思想内に含まれる本発明のそうした修正を包含することを意図している。

【図
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】