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特表2022-524716調理時汚染物質の制御方法、装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】調理時汚染物質の制御方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/20 20060101AFI20220427BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220427BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20220427BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20220427BHJP
   F24F 8/95 20210101ALI20220427BHJP
   F24F 11/39 20180101ALI20220427BHJP
   B01D 53/38 20060101ALI20220427BHJP
   B01D 53/75 20060101ALI20220427BHJP
   B01D 53/82 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
F24C15/20 B
F24F7/007 B ZAB
F24F7/06 101
F24F8/192
F24F8/95
F24F11/39
F24C15/20 E
B01D53/38 110
B01D53/75
B01D53/82
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544931
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2020016738
(87)【国際公開番号】W WO2020163443
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/801,276
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/939,034
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】508058169
【氏名又は名称】オーワイ ハルトン グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】シュロック,デレク,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】リブチャック,アンドレイ,ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】パーヴィン,フアド,エイ.
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
3L260
4D002
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L056BD06
3L056BF02
3L058BJ06
3L058BK09
3L260AA03
3L260AB16
3L260BA09
3L260BA62
3L260CB83
3L260EA06
3L260FC23
3L260GA17
4D002AA40
4D002AB02
4D002AC10
4D002BA04
4D002BA09
4D002BA14
4D002CA07
4D002DA41
4D002DA45
4D002EA02
4D002GA02
4D002GA03
4D002GB02
4D002GB20
(57)【要約】
調理時の煙を軽減するシステムは、調理機器からの煙を捕らえるよう構成した排気フードであって、煙を粒子除去段階へと運ぶ排気フードを備え、その後、煙は臭気除去段階へと運ばれる。システムは更に、臭気除去段階の上流にある入口揮発性有機化合物(VOC)センサと、臭気除去段階の下流にある出口VOCセンサとを備える。臭気除去段階はカーボンフィルタまたは紫外線光源を含んでもよい。粒子除去段階はポケットフィルタまたは電気集塵フィルタを含んでもよい。システムは、入口VOCセンサおよび出口VOCセンサから信号を受信し、この信号を使用してカーボンフィルタの残寿命を示すデータを生成する制御装置をさらに備えてもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理時の煙を軽減するシステムであって、
調理機器からの煙を捕らえるよう構成し、
煙を粒子除去段階へと運ぶ排気フードであって、その後、煙は臭気除去段階へと運ばれる排気フードと、
前記臭気除去段階の上流にある入口揮発性有機化合物(VOC)センサと、前記臭気除去段階の下流にある出口VOCセンサと、を備えるシステム。
【請求項2】
前記臭気除去段階はカーボンフィルタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記臭気除去段階はさらに紫外線光源を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記粒子除去段階はポケットフィルタを含む、請求項1、2、または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記粒子除去段階は電気集塵フィルタを含む、請求項1、2、または3に記載のシステム。
【請求項6】
前記入口VOCセンサおよび前記出口VOCセンサから信号を受信し、前記信号を使用して前記カーボンフィルタの残寿命を示すデータを生成する制御装置をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
調理時の煙を軽減するシステムであって、
調理機器からの煙を粒子除去段階へと運ぶ排気路であって、その後、煙は臭気除去段階へと運ばれる排気路と、
前記臭気除去段階の上流にある入口揮発性有機化合物(VOC)センサと、前記臭気除去段階の下流にある出口VOCセンサと、を備えるシステム。
【請求項8】
前記臭気除去段階はカーボンフィルタを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記臭気除去段階はさらに紫外線光源を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記粒子除去段階はポケットフィルタを含む、請求項7、8、または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記粒子除去段階は電気集塵フィルタを含む、請求項7、8、または9に記載のシステム。
【請求項12】
前記入口VOCセンサおよび前記出口VOCセンサから信号を受信し、前記信号を使用して前記カーボンフィルタの推定残寿命を示すデータを生成する制御装置をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記臭気除去段階の効率に依存するパラメータを計算するよう構成する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御装置は、前記パラメータに応じて、フィルタの残寿命を推定するよう構成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御装置は、負の効率に依存するパラメータを計算可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御装置は、前記パラメータに応じて、中レベルおよび高レベルの警告を出力し、前記高レベルの警告は前記中レベルの警告よりも低い効率に対応する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
効率に関連する前記パラメータは、ピーク信号フォロワーまたはその日のパラメータ値の平均を用いて1日1回計算される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
効率に関連する前記パラメータは、ある時間間隔ごとに一回、ピーク信号フォロワーまたは前記時間間隔の間のパラメータ値の平均を用いて計算される、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
第1および第2のサンプリング口を有するサンプリング装置を備えた揮発性有機化合物(VOC)センサを有する臭気除去フィルタであって、前記臭気除去フィルタの上流および下流から前記VOCセンサに煙のサンプルを運ぶように構成した臭気除去フィルタを備える、臭気除去装置。
【請求項20】
前記サンプリング装置は、前記サンプルを断続的に単一のVOCセンサに搬送して、同じVOCセンサからの異なる場所において各信号を取得する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
フィルタの残寿命を推定する方法であって、
制御装置を使用して、フィルタの上流と下流でセンサ信号をサンプリングする工程と、
制御装置を使用して、ある時間間隔において前記センサ信号の最大値または平均を取り、前記フィルタの効率に関連するパラメータに応じて前記フィルタの残寿命を計算する工程と、を備え、
前記推定は、前記パラメータの閾値に基づくものであって、高効率であれば、低効率よりも長い残寿命に相当する方法。
【請求項22】
前記高効率は30%を超え、前記低効率は30%を下回る、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記フィルタは炭素吸着フィルタである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記フィルタは吸着床である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
調理時の煙を軽減する方法であって、
調理時の煙を軽減するシステムの排気路を介して調理機器から粒子除去段階へと煙を搬送する工程と、
前記粒子除去段階から臭気除去段階へと煙をさらに搬送する工程と、を備え、
前記さらに搬送する工程は、前記臭気除去段階の上流にある入口揮発性有機化合物(VOC)センサと、前記臭気除去段階の下流にある出口VOCセンサとに前記煙を通過させる工程を備える方法。
【請求項26】
前記臭気除去段階は、カーボンフィルタで吸着することによってVOCを除去する工程を備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記臭気除去段階は、紫外線光源を用いてVOCを除去する工程を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記粒子除去段階はポケットフィルタを含む、請求項25、26、または27に記載の方法。
【請求項29】
前記粒子除去段階は電気集塵フィルタを含む、請求項25、26、または27に記載の方法。
【請求項30】
前記入口VOCセンサおよび前記出口VOCセンサから信号を受信し、前記信号を使用して前記カーボンフィルタの推定残寿命を示すデータを生成する制御装置をさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記制御装置を使用して、前記臭気除去段階の効率に依存するパラメータを計算する工程をさらに備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記制御装置を使用して、前記パラメータに応じてフィルタの残寿命を推定するよう計算する工程をさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記制御装置を使用して、負の効率に依存するパラメータを複数の時刻において計算する工程をさらに備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記制御装置を使用して、前記パラメータに応じて、中レベルおよび高レベルの警告を出力する工程をさらに備え、前記高レベルの警告は前記中レベルの警告よりも低い効率に対応する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
効率に関連する前記パラメータは、ピーク信号フォロワーまたはその日のパラメータ値の平均を用いて1日1回計算される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
効率に関連する前記パラメータは、ある時間間隔ごとに一回、ピーク信号フォロワーまたは前記時間間隔の間のパラメータ値の平均を用いて計算される、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
流路内のフィルタの残寿命を推定する方法であって、
前記フィルタ上流の前記流路に沿って第1検出位置を設ける工程と、
前記フィルタ下流の前記流路に沿って第2検出位置を設ける工程と、
前記第1検出位置で空気の質を検出する工程と、
前記第2検出位置で空気の質を検出する工程と、
前記第1検出位置から検出された空気の質を、前記第2検出位置から検出された空気の質と比較する工程と、
前記比較の結果に基づいて、前記フィルタの残寿命の測定値を出力する工程と、を備える方法。
【請求項38】
前記第1検出位置に第1揮発性有機化合物センサを設ける工程と、
前記第2検出位置に第2揮発性有機化合物センサを設ける工程と、をさらに備え、
前記第1検出位置で空気の質を検出する工程は、前記第1揮発性有機化合物センサからの第1の信号を出力する工程を備え、
前記第2検出位置で空気の質を検出する工程は、前記第2揮発性有機化合物センサからの第2の信号を出力する工程を備える、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
検出された空気の質を比較する前記工程が、前記第1の信号と前記第2の信号とを装置に提供する工程を備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記装置が、全加算器、半加算器、全減算器、半減算器、および演算増幅器を備えたアナログ回路うちの1つである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記装置がデジタル制御装置である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記装置は、前記フィルタの残寿命を表す出力信号を出力する、請求項40および41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記出力信号の電圧レベルが前記フィルタの残寿命を表す、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記出力信号が前記フィルタの残寿命をデジタル信号で表す、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年2月5日に出願された米国仮出願第62/801,276号および2019年11月22日に出願された米国仮出願第62/939,034号の利益を主張し、当該出願の内容は全て本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
排気口フードは、空調された空間にある空気汚染物質発生源近くの空気汚染物質を除去するために使用される。例えば、ある種の排気口フードであるキッチン用排気口フードによって、調理用レンジ、フライヤ、またはその他の空気汚染源の真上に吸引ゾーンを形成する。このような用途からの排気流には、大量の粒子、特に油滴などの炭化水素が含まれることが多い。
【0003】
さらに、さまざまな産業内の多くの製造プロセスによって蒸気または粒子状の有機物質が形成される可能性もある。例えば、ラッカーや塗料、穀物や飼料、金属やプラスチック、タールやアスファルト等の準備と使用、皮なめし工場、焼却プラント、バイオガスプラント、農業、および多くの食品調理プロセスによってこのような有機物質が発生する可能性がある。
【0004】
環境と労働者の健康を配慮して、空気流から有機物質を除去するための経済的に望ましい機構を見出すことが望まれる。空気の浄化は、汚染空気を油脂フィルタやカーボンフィルタ等でろ過することによって行われることが多い。ただし、機械式フィルタは、保守の工数や圧力損失が大きく、作業コストが高いという問題があった。また、これらのフィルタは高い衛生要件の実現を保証するものではない。
【0005】
排出流中の有機粒子を分解する技術としては、排出流にオゾンを加える方法がある。この方法は、紫外線を照射するか、コロナ放電を使用することで実現できる。コロナ放電の副作用は、窒素酸化物(NOx)が発生することである。
【発明の概要】
【0006】
調理時に発生する煙をフードで捕らえた後、多段のフィルタによって煙を受け入れる。最初に、煙は、慣性原理を使用してエアロゾル化された油脂を煙から除去する油脂フィルタを通過する。ポケットフィルタによって残りの粒子のほとんどを除去し、さらにミニプリーツ型HEPAフィルタへと煙を搬送して粒子をさらに除去する。任意で設置する紫外線処理段階は、ミニプリーツ型HEPAフィルタの出力を受け取り、その後、主に臭気除去のために、活性炭フィルタ(カーボンフィルタ)を煙は通過する。このカーボンフィルタの上流と下流に、揮発性有機化合物(VOC)センサを有してもよい。制御装置がこれらの上流および下流VOCセンサから信号を受信し、その信号を使用して活性炭フィルタの残寿命を評価する。なお、カーボンフィルタは、ゼオライトフィルタ、VOCフィルタ、および臭気フィルタを含む複数の段階を備え得る。
【0007】
本発明の実施形態の目的および利点は、以下の記載を参照し更に添付の図面と併せることによって、より容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、添付の図面を参照して幾つかの実施形態を詳細に説明するが、各図において同様の参照番号は同様の要素を表す。添付の図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。必要に応じて、下側の要素を分かりやすくするために一部の要素を記載しない場合がある。
【0009】
図1】本発明の実施形態による汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図2】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素を有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図3】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と臭気センサ要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図4】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第1の粒子モジュールの各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図5A】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第2の粒子モジュールの各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図5B】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第3の粒子モジュールの各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図6】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第4の粒子モジュールの各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図7】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第1の臭気除去段階の各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図8】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第2の臭気除去段階の各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図9】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第3の臭気除去段階の各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図10】本発明の実施形態による、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第4の臭気除去段階の各要素とを有する汚染物質制御システムの一般的な構造を示す。
図11】本発明の実施形態による、臭気除去段階を有さない実施形態を示す。
図12】別々のサンプリング口を備えたサンプリング装置を示す。
図13】本明細書に開示した任意の制御装置の各要素を具現化するコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、キッチン用汚染物質制御システム110Aの一実施形態は、排気フード104を介して調理機器102からの煙を受け入れる。油脂フィルタ106は、油脂粒子を捕捉する。油脂フィルタ106からの煙は、粒子除去段階108および臭気除去段階111へと流れる。本発明に係る粒子除去段階108および臭気除去段階111は、様々な詳細な実施形態を有し得る。最終的にはファン112が煙をシステム全体に引き込む。後述するように、臭気除去段階111は、臭気の強さや種類などの様々な基準に対応して構成してもよい。同様に、粒子除去段階108は、粒子負荷などの様々な基準に対応して構成してもよい。
【0011】
図2は、制御装置114、流量制御バイパス弁またはダンパ118、およびバイパスダクト116を備えた火災制御バイパス要素を有するキッチン用汚染物質制御システム110Bの一実施形態を示す。火災センサ131は、火災を示す信号を制御装置に加える。火災が発生した場合、バイパス弁またはダンパ118によって、バイパスダクト116を通過するよう煙の流れの方向を変え、燃焼ガスが粒子除去段階108および臭気除去段階111を通過して搬送されないようにする。バイパス弁またはダンパ118は、単一の装置として示されているが、象徴的に表したものである。当業者であれば、油脂フィルタ106からバイパスダクト116を介してファン吸気口に流れを迂回させる機能を実行するために様々な構成を設計することができる。一般的には、この機能について、一対の2方向迂回用ダンパの使用が効果的であり、バイパスダクトの両端に1つずつこの2方向迂回用ダンパを設置する。
【0012】
図3は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と臭気センサ要素とを有するキッチン用汚染物質制御システム110Cの一実施形態を示す。この臭気検知要素は、上流側のVOCセンサ122と下流側のVOCセンサ120の2つのVOCセンサを有する。上流VOCセンサ122と下流VOCセンサ120からの信号が制御装置114に加わる。上流と下流は、汚染物質制御システム内の煙の流れの方向に対応する。上流VOCセンサ122と下流VOCセンサ120とを別々に設けることで、臭気除去段階111に流れ込む煙のVOC濃度と臭気除去段階111から流れ出る煙のVOC濃度との比較が可能となる。このように比較することで、出口に一つのセンサを設けた場合よりも臭気除去段階111の状態がより明らかになる。例えば、臭気制御段階の有効期限が過ぎていた場合、臭気除去段階111に入るときよりも臭気除去段階111から出ていくときの方が高いVOC濃度を示す場合がある。
【0013】
VOCすなわち揮発性有機化合物は、通常の大気圧および温度下で蒸気圧が高い有機化学物質である。この結果、VOCは沸点が低く、容易に大気中で気化する。センサ120、122のようなVOCセンサは、VOCの存在を測定し、検出したVOCの量に比例した値を表す信号を出力する(100万分の1の量で測定されることもある)。
【0014】
煙中のVOCは、様々な原理や、有機化合物とセンサ部品との相互作用に基づいて検出される。VOCセンサ120、122は、光イオン化検出器(PID)であってもよい。光イオン化検出器は、明るい紫外線光源を使用してVOC分子から電子を放出させ、これらの電子を測定する。電子が流れると、VOC分子がセンサの場所に存在することを示す。VOC分子は合成物で、高エネルギーの光子によって容易に分解される。特定の種類のVOC分子にはそれぞれ、電子を解放するために必要なエネルギー量を表す「イオン化ポテンシャル」(IP)値があり、この値は「電子ボルト」すなわちeVで測定される。PIDセンサは、eVで測定される特定レベルのエネルギーを有し、一般に、センサのeV定格よりも小さいIP値を持つ化合物がイオン化されて検出される。例えば、10.6eVのVOCセンサでは、ベンゼン(IP=9.24eV)の存在が検出されるが、分子水蒸気(IP=12.6eV)は検出されない。
【0015】
下流VOCセンサと上流VOCセンサとの違いを経時的に記録して、違いの傾向を作成する。この傾向を使用して、臭気除去段階111が容量の限界にいつ到達したかを決定する。例えば、活性炭フィルタの場合には、活性炭フィルタの吸着性の限界を検出できる。あるいは、この構成によって、VOC以外の物質が原因で、カーボンフィルタがガス放出(ガスがフィルタから放出されること)を開始し、捕集したVOCが気流に随伴されて(別名、再随伴として知られている)フィルタから放出されるようになるタイミングを検出できる。例えば、水がこのような物質の例である。
【0016】
VOCセンサからの時間に基づく傾向信号を分析する別の方法によれば、センサの変化率を評価して、変化率が増加しているか減少しているかを判断する。ある調理プロセスについて、この変化率はあらかじめ定義された特徴を有する。臭気除去段階の性能が変化すると、変化率も変化することが予想される。
【0017】
VOCフィルタ(例えば、カーボンフィルタ140)の残寿命を推定するために、制御装置114は、上流VOCセンサ122および下流VOCセンサ120からの信号に基づいて効率を示す効率パラメータを計算する。例えば、パラメータが第1閾値(例えば30%の効率)である場合または第1閾値以上の場合、フィルタの状態を示す第1の指標信号を出力する。例えば、ユーザインターフェースによって、第1指標信号を受けて緑色の光を表示してもよい。効率が第1の調整可能な閾値を下回ると、第2の警告信号を出力する。第2の警告信号は、黄色の光などの低いレベルの警告の形式であってよい。効率が第1閾値と第2閾値(例えば、10%の効率)との間にある場合、指標として第3の警告信号を出力する。第3の警告信号は、例えば、フィルタを交換する必要があることを示す赤色の光の形式であってよい。黄色の光によって、フィルタが間もなく期限切れになる可能性があることをユーザに示し、赤色の光によって、フィルタが期限切れであって、交換または洗浄する必要があることを示す。黄色の光は、フィルタを間もなく交換する必要があることを示してもよい。このように、2つのVOCセンサ120および122を使用して、カーボンフィルタの不具合を予測し、また、カーボンフィルタに不具合が生じたことを検出する。
【0018】
他の実施形態では、フィルタの残寿命をデジタル制御装置を用いずに推定する。例えば、各センサ120、122からの信号をアナログ信号として、電圧値が各検出位置で検出されたVOCの量の測定値を表すような信号を装置に提供する。この装置は、少なくとも1つの演算増幅器を備えた回路であってよい。このような装置は例えば、加算器(全加算器、半加算器)および減算器(全減算器、半減算器)である。その他のアナログ回路として、2つの信号間の電圧レベルを効果的に比較し、その差を表す信号を出力するよう設計することができる。この出力信号の電圧レベルを用いて、フィルタの残寿命を表すことができる。このレベルを較正し、さらに閾値と比較することで、残寿命を推定することができる。
【0019】
なお、任意の数または閾値をVOCフィルタの状態を示す任意の種類の出力とともに使用してもよい。例えば、フィルタの寿命を、交換が必要になるまでの残り時間(残りの月、週、日など)を示す数値として表示し、ユーザが交換に間に合うように必要な交換用フィルタを入手できるようにしてもよい。他の実施形態では、センサ120および122の出力に基づいて実行された計算に基づいて、フィルタの残寿命を示すものとして、100から0に減少するパーセンテージの値を表示してもよい。
【0020】
閾値パラメータは、所定の間隔、例えば、1日または1日より短いまたはより長い間隔における瞬間効率の平均であるか、またはそのような平均を示すものであってよい。あるいは、効率パラメータは、所定の間隔、例えば、1日または1日より短いまたはより長い間隔に渡って測定された効率の最大値を示すものであってよい。
【0021】
なお、効率パラメータは、フィルタを使用して調理機器からVOCを除去する記載した用途における一部の条件下で、負の効率を示す場合がある。なお、VOCフィルタ下流のVOC濃度のみを検出するシステムでは、効率を測定することはできず、さらに負の効率を検出することもできない。効率が負になるのは、フィルタがガス放出をしている場合で、フィルタの交換が必要な状態を示している。また、上流VOCセンサと下流VOCセンサとを使用することで、制御装置によって温度や湿度の影響を排除することができる。
【0022】
本発明の実施形態は、2つのVOCセンサや上流および下流のサンプリング位置を用いることにより、フィルタ破壊(breakdown)の過程を監視し、フィルタ故障がいつ発生するかを予測する能力を改善する。実施形態では、カーボンフィルタの黄色の状態を(予測されるフィルタの残寿命の)30%、赤色の状態とする10%とした閾値を例にして、システムがパラメータを算出する。これらの閾値は一例であって、限定的なものではない。
【0023】
本発明の実施形態によれば、実際の故障の前にフィルタの故障を予測することができる。フィルタの故障は例えば、フィルタの破れ(breakthrough)やカーボンフィルタの消耗である。
【0024】
図12を参照すると、別の実施形態では、VOCセンサ120、122対を、一対のサンプリング口を有する単一のVOCセンサ121を備えたサンプリング装置150によって置き換えることができる。このようにして、入口での煙をサンプリングして、単一のVOCセンサ121に交互に異なるタイミングで送ることができる。サンプリング時間は数秒またはそれ以上になることもある。この別の実施形態は、実施形態のいずれでも使用することができる。複数のサンプリング口を備えた単一のVOCセンサ121を使用する利点は、個々のセンサの応答の違いによるエラーを排除できることである。サンプリング装置150は、臭気除去段階111の前(すなわち、上流)の管172から単一のVOCセンサ121へ、および臭気除去ステージ111の後(すなわち、下流)の管171から空気を交互に搬送するために、フロースイッチおよび空気ポンプ(図示せず)を含んでもよい。
【0025】
別の実施形態では、図11に示すように、臭気除去段階111を使用しない。このような実施形態では、粒子除去段階108が、本明細書に開示した様々な詳細な実施形態のいずれかの形態をとってもよい。
【0026】
図4は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第1の粒子モジュールの各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Dの一実施形態を示す。本実施形態において、臭気除去段階111の任意の実施形態と共に使用することができる粒子除去段階108の実施形態は、ポケットフィルタ128とアブソリュートフィルタ130とを有する。ポケットフィルタは、実施形態に応じて、国際特許公開WO2017062926(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものであってよい。アブソリュートフィルタ130は、高性能(HEPA)フィルタと置き換えてもよい。別の実施形態によれば、ポケットフィルタ128は、大容量の深部荷重フィルタ(depth-loading filter)と置き換えてもよい。
【0027】
図5Aは、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、単一の電気集塵装置の各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム115Aの一実施形態を示す。このような実施形態は、例えば、鉄板(griddle)調理機器またはガス使用グリルに適している。この構成は、前述の実施形態のポケットフィルタ128とアブソリュートフィルタ130の各要素を保持している。
【0028】
図5Bは、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、前述の実施形態と同じであるが1つではなく2つの電気集塵装置135A、135Bを備えた粒子モジュールの各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム115Bの一実施形態を示す。2つの電気集塵装置を備えたこのような実施形態は、例えば、薪や木炭等の調理用の固体燃料を使用する調理機器のように粒子負荷が重い場合に適している。
【0029】
図6は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第4の粒子モジュールの各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Fの一実施形態を示す。本実施形態において、粒子除去段階108は、粒子制御のための電気集塵装置133のみを有する。
【0030】
図7は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第1臭気除去段階111の各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Gの一実施形態を示す。ここで、カーボンフィルタ140は、活性炭フィルタである。上述のように、上流VOCセンサ122と下流VOCセンサ120とを用いて、炭フィルタ(charcoal filter)140の容量を監視する。
【0031】
図8は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第2臭気除去段階111の各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Hの一実施形態を示す。ここでは、臭気スプレー142が臭気除去段階111に使用される。スプレーは、煙流に噴霧される臭気マスキング剤または臭気除去剤であってよい。
【0032】
図9は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第3臭気除去段階111の各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Jの一実施形態を示す。臭気除去段階111は、カーボンフィルタ140の前に、紫外線フィルタ146を有する。
【0033】
図10は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、第3臭気除去段階111の各要素とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Kの一実施形態を示す。ここでは、カーボンフィルタ140の前に、ゼオライトフィルタ148が配置されている。どちらのフィルタも臭気を除去する特性を有している。
【0034】
図11は、本発明の実施形態に係る、火災制御バイパス要素と、臭気センサ要素と、粒子除去段階108とを有するキッチン用の汚染物質制御システム110Lの一実施形態を示す。この実施形態は、臭気除去段階111を備えていない。例えば、実施形態の用途としては、臭気制御が特に重要ではない場合が考えられる。
【0035】
なお、粒子制御要素の任意の実施形態は、任意の臭気制御要素と組み合わせることができる。
【0036】
なお、厳しい臭気制御要件または強い臭気を伴う実施形態では、カーボンフィルタが、複数のフィルタ要素を含んでもよい。この複数のフィルタ要素は、最上流の要素を取り外して、その他の要素を上側に(上流方向に)移動させ、最下流の要素を交換するといったローテーションで交換する。
【0037】
実施形態によれば、本発明は、調理時の煙を緩和するシステムを含む。排気フードは、調理機器からの煙を捕らえるように構成する。排気フードは、煙を粒子除去段階へと運び、その後、煙は臭気除去段階へと運ばれる。入口VOCセンサ122は臭気除去段階の上流にあり、出口VOCセンサ120は臭気除去段階の下流にある。
【0038】
実施形態の変形例において、臭気除去段階はカーボンフィルタを含む。
【0039】
実施形態の変形例において、臭気除去段階はさらに紫外線光源を含む。
【0040】
実施形態の変形例において、粒子除去段階はポケットフィルタを含む。
【0041】
実施形態の変形例において、粒子除去段階は電気集塵フィルタを含む。
【0042】
変形例では、実施形態は、入口VOCセンサおよび出口VOCセンサから信号を受信し、その信号を使用してカーボンフィルタの残寿命の推定値を生成する制御装置を含む。
【0043】
実施形態によれば、本発明は、調理時の煙を緩和するシステムを含む。排気路は、調理機器からの煙を粒子除去段階へと運び、その後、煙は臭気除去段階へと運ばれる。入口VOCセンサ122は臭気除去段階の上流にあり、出口VOCセンサ120は臭気除去段階の下流にある。実施形態の変形例において、臭気除去段階はカーボンフィルタを含む。
【0044】
実施形態の変形例において、臭気除去段階はさらに紫外線光源を含む。
【0045】
実施形態の変形例において、粒子除去段階はポケットフィルタを含む。
【0046】
実施形態の変形例において、粒子除去段階は電気集塵フィルタを含む。
【0047】
変形例では、実施形態は、入口VOCセンサおよび出口VOCセンサから信号を受信し、その信号を使用してカーボンフィルタの残寿命の推定値を生成する制御装置を含む。
【0048】
実施形態によれば、本発明は、臭気除去フィルタの上流および下流からVOCセンサに煙のサンプルを運ぶように構成した第1および第2のサンプリング口を有するサンプリング装置150を備えたVOCセンサを有する臭気除去フィルタを含む。
【0049】
実施形態の変形例では、サンプリング装置150は、サンプルを断続的に単一のVOCセンサに搬送して、同じVOCセンサからの排気経路上の異なる場所において各信号を取得する。
【0050】
実施形態の変形例は、入口VOCセンサおよび出口VOCセンサから信号を受信し、その信号を使用してカーボンフィルタの推定残寿命を示すデータを生成する制御装置を含む。
【0051】
実施形態の変形例において、制御装置は、臭気除去段階の効率に依存するパラメータを計算するよう構成する。
【0052】
実施形態の変形例において、制御装置は、このパラメータに応じて、フィルタの残寿命を推定するよう構成する。
【0053】
実施形態の変形例では、制御装置は、負の効率に依存するパラメータを計算し、このパラメータを用いて信号出力を制御するよう構成する。
【0054】
実施形態の変形例では、制御装置は、パラメータに応じて、中レベルおよび高レベルの警告を出力する。高レベルの警告は、中レベルの警告よりも低い効率に対応する。
【0055】
実施形態の変形例では、効率に関連するパラメータは、ピーク信号フォロワーまたはその日のパラメータ値の平均を用いて1日1回計算される。
【0056】
実施形態の変形例では、効率に関連するパラメータは、ある時間間隔ごとに一回、ピーク信号フォロワー(ピーク信号に続く値)またはその時間間隔の間のパラメータ値の平均を用いて計算される。
【0057】
臭気除去装置の実施形態は、臭気除去フィルタの上流および下流からVOCセンサに煙のサンプルを運ぶように構成した第1および第2のサンプリング口を有するサンプリング装置を備えたVOCセンサを有する臭気除去フィルタを含む。
【0058】
実施形態の変形例では、サンプリング装置は、サンプルを断続的に単一のVOCセンサに搬送して、同じVOCセンサからの異なる場所において各信号を取得する。
【0059】
実施形態は、フィルタの残寿命を推定する方法を含む。この方法は、制御装置を使用してフィルタの上流および下流でセンサ信号をサンプリングし、制御装置を使用してある時間間隔においてこれらセンサ信号の最大値または平均を取り、フィルタの効率に関連するパラメータに応じてこのフィルタの残寿命を計算する。推定は、このパラメータの閾値に基づくものであって、高効率であれば、低効率よりも長い残寿命に相当する。
【0060】
実施形態の変形例では、高効率は30%を超え、低効率は30%以下である。
【0061】
実施形態の変形例において、フィルタは炭素吸着フィルタである。
【0062】
実施形態の変形例において、フィルタは吸着床である。
【0063】
上記のモジュール、プロセス、システム、およびセクションは、ハードウェア、ソフトウェアによってプログラムされたハードウェア、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア命令、またはこれらの組み合わせで実施できることが理解されよう。例えば、調理の煙および臭気を制御するための方法は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された一連のプログラムされた命令を実行するよう構成したプロセッサを使用して実施することができる。例えば、プロセッサは、パーソナルコンピュータまたはワークステーション、またはプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラデバイスを備えるか、または、特定用途向け集積回路(ASIC)等の集積回路を含む制御ロジックで構成される演算システムを備えるが、これらに限定されない。命令は、Java、C++、C#.net等のプログラミング言語に従って提供されるソースコード命令からコンパイル可能である。命令はさらに、Visual BasicTM言語、LabVIEW、または別の構造化またはオブジェクト指向プログラミング言語に従って提供されるコードおよびデータオブジェクトを含むこともできる。プログラムされた命令およびそれに関連するデータのシーケンスは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクドライブ等であるがこれらに限定されない任意の適切なメモリ装置であり得るコンピュータメモリまたは記憶装置などの非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶することができる。
【0064】
さらに、モジュール、プロセス、システム、およびセクションは、単一のプロセッサまたは分散型のプロセッサとして実装できる。さらに、上述のステップは、単一または分散型のプロセッサ(シングルコアおよび/またはマルチコア)において実行してもよい。また、上記実施形態に関しておよび様々な図に記載したプロセス、モジュール、およびサブモジュールは、複数のコンピュータまたはシステムに分散しても、または単一のプロセッサまたはシステム内に配置してもよい。本明細書に記載のモジュール、セクション、システム、手段、またはプロセスを実施するのに適した例示的な構造の実施形態の代替案について以下に説明する。
【0065】
上記のモジュール、プロセッサまたはシステムは、プログラムされた汎用コンピュータ、マイクロコードでプログラムされた電子装置、ハードワイヤアナログ論理回路、コンピュータ可読媒体に記憶したソフトウェアまたは信号、光コンピュータ、電子および/または光学装置のネットワークシステム、専用計算装置、集積回路装置、半導体チップ、およびソフトウェアモジュールまたはコンピュータ可読媒体に記憶したオブジェクトまたは信号として実装できる。
【0066】
方法およびシステム(またはそれらのサブ構成要素またはモジュール)の実施形態は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路要素、ASIC等の集積回路、デジタル信号プロセッサ、離散要素回路などのハードワイヤ電子回路または論理回路、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)デバイス等のようなプログラマブルロジック回路に実装してもよい。一般に、本明細書に記載した機能またはステップを実施できる任意のプロセスを用いて、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品(非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶したソフトウェアプログラム)の実施形態を実施できる。
【0067】
さらに、開示した方法、システム、およびコンピュータプログラム製品の実施形態は、例えば種々のコンピュータプラットフォームにおいて使用できるポータブルソースコードを提供するオブジェクト又はオブジェクト指向ソフトウェア開発環境を用いたソフトウェアにおいて完全に又は部分的に容易に実装され得る。あるいは、記載した方法、システム及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、例えば標準ロジック回路又は超大規模集積回路(VLSI)設計を用いたハードウェアにおいて部分的に又は完全に実装されうる。その他のハードウェアやソフトウェアを用いて、システムの速度及び/又は効率要件、特定の機能、及び/又は使用される特定のソフトウェア又はハードウエアシステム、マイクロプロセッサ、或いはマイクロコンピュータに依存した実施形態を実施できる。
【0068】
図13は、本発明の実施形態による例示的なコンピュータシステムのブロック図である。図13は、本明細書に開示した任意の制御装置の各要素を具現化したコンピュータシステムを開示している。様々な実施形態において、システム1000の全てまたは一部は、汚染物質処理装置/システムに含まれ得る。これらの実施形態において、システム1000の全てまたは一部は、装置またはシステムの制御装置の機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、システム1000の全てまたは一部は、例えば、クラウドベースのシステムのように分散型システムとして実装されてもよい。
【0069】
システム1000は、プロセッサ1006を含むパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の演算システムなどのコンピュータ1002を含む。ただし、代替の実施形態によって、2つ以上のプロセッサおよび/または1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ装置、またはASICなどの集積回路を含む制御ロジックを実装してもよい。
【0070】
コンピュータ1002は、コンピュータ1002の様々なモジュール間の通信機能を提供するバス1004をさらに含む。例えば、バス1004は、プロセッサ1006がメモリ1008から記憶データを検索し、および/またはメモリ1008に記憶した命令を実行し得るように、コンピュータ1002のプロセッサ1006とメモリ1008との間で情報/データを通信することを可能にしてもよい。一実施形態では、そのような命令は、Java、C++、C#,net、Visual BasicTM言語、LabVIEW、または他の構造化またはオブジェクト指向のプログラミング言語などのプログラミング言語に従って提供されるソースコード/オブジェクトからコンパイル可能である。一実施形態では、これらの命令は、プロセッサ1006によって実行されると、本明細書に開示した実施形態のいずれかによる調理汚染物質制御機能を提供するソフトウェアモジュールを含む。
【0071】
メモリ1008は、コンピュータ1002によって読み取ることができる任意の揮発性または不揮発性のコンピュータ可読メモリを含み得る。例えば、メモリ1008は、ROM、PROM、EEPROM、RAM、フラッシュメモリ、ディスクドライブ等のような非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。メモリ1008は、取り外し可能な媒体であっても、取り外し不可能な媒体であってもよい。
【0072】
バス1004はさらに、コンピュータ1002と、ディスプレイ1018、キーボード1020、マウス1022、およびスピーカ1024との間の通信を可能にしてもよく、それぞれが本明細書に開示した様々な実施形態に従ってそれぞれの機能を提供する。
【0073】
コンピュータ1002はまた、本明細書に開示した任意の機能、例えば、フィルタ要素が消耗しているか、消耗に近いことを警告する等の機能を提供するために、ネットワーク1012と通信するための通信インターフェース1010を実装してもよい。通信インターフェース1010は、ネットワークカードまたはモデム等の、無線および/または有線通信を提供するために当技術分野で知られている任意のそのようなインターフェースであってよい。
【0074】
バス1004はさらに、1つまたは複数のセンサ1014および1つまたは複数のアクチュエータ1016との通信を可能にしてもよく、それぞれが例えば、信号を測定するために、本明細書に開示した様々な実施形態に従ってそれぞれの機能を提供する。
【0075】
従って、本発明によれば、濾過システムが提供される。多くの代替、修正、および変形が本開示によってなされ得る。開示した実施形態の特徴は、本発明の範囲内で結合したり、再構成したり、省略したりして付加的な実施形態を作ることができる。さらに、特定の機能は、他の機能を使用することなく、有利に使用できる場合がある。したがって、出願人は、本発明の精神および範囲内にあるそのようなすべての代替、修正、同等物、および変形を包含することを意図する。さらに、開示した方法、システム、およびコンピュータプログラム製品の実施形態は、プログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実行されるソフトウェアで実装することができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】