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特表2022-524726半導体部品用の電子ビーム検出デバイスおよび電子ビーム検出ユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】半導体部品用の電子ビーム検出デバイスおよび電子ビーム検出ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/28 20060101AFI20220427BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20220427BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20220427BHJP
   H01J 37/18 20060101ALI20220427BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/22 502L
H01J37/20 B
H01J37/20 D
H01J37/18
H01L21/66 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547564
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2019128760
(87)【国際公開番号】W WO2021103250
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201911179973.5
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358110
【氏名又は名称】チョンケ・ジンユァン・エレクトロン・リミテッド,ベイジン (シイエヌ)
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,ヤン
【テーマコード(参考)】
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106DB05
4M106DB20
4M106DH24
4M106DH33
4M106DJ04
4M106DJ07
5C101AA03
5C101CC01
5C101CC02
5C101CC14
5C101CC19
5C101FF02
5C101FF31
5C101FF32
5C101FF56
5C101GG04
5C101GG05
5C101GG44
5C101HH11
(57)【要約】
半導体部品用の電子ビーム検出デバイスおよび電子ビーム検出ユニットが開示される。電子ビーム検出デバイスは、前記半導体部品を上面で支持し、直交する2方向に並進移動可能であるステージと、前記半導体部品の画像を採集することによって、前記電子ビーム検出デバイスの座標系における前記半導体部品の位置を決定し、第1の視野及び第1の光軸を有するように構成されアライメント装置と、前記半導体部品に電子ビームを投射し、前記半導体部品から放出された電子ビームを検出し、第2の視野及び前記第1の光軸と重ならない第2の光軸を有するように構成される電子ビーム検出装置と、を備え、電子ビーム検出デバイスは、前記半導体部品の検出対象領域が前記反射装置によって反射されて前記アライメント装置内に結像されるように構成される反射装置を更に備え、前記第1の視野は、前記反射装置の反射を用いて前記上面の第1の可視領域に投影され、前記第2の視野は、前記電子ビームの光路に沿って前記上面の第2の可視領域に投影される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記半導体部品を上面で支持し、直交する2方向に並進移動可能であるステージと、
前記半導体部品の画像を採集することによって、前記電子ビーム検出デバイスの座標系における前記半導体部品の位置を決定し、第1の視野及び第1の光軸を有するように構成されアライメント装置と、
前記半導体部品に電子ビームを投射し、前記半導体部品から放出された電子ビームを検出し、第2の視野及び前記第1の光軸と重ならない第2の光軸を有するように構成される電子ビーム検出装置と、を備え、
前記電子ビーム検出デバイスは、前記半導体部品の検出対象領域が前記アライメント領域に向って反射され、前記半導体部品の検出対象領域を前記アライメント装置内に反射して結像するように構成される反射装置を更に備え、
前記第1の視野は、前記反射装置の反射を用いて前記上面の第1の可視領域に投影され、前記第2の視野は、前記電子ビームの光路に沿って前記上面の第2の可視領域に投影される
半導体部品用の電子ビーム検出デバイス。
【請求項2】
前記第1の光軸は、前記第2の光軸に対してゼロでない角度をなし、前記第1の可視領域と、前記第2の可視領域の中心とは、間隔を置いて、または同心に配置される
請求項1に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項3】
前記第1の可視領域と前記第2の可視領域とが同心に配置される場合に、前記反射装置は、第1の位置と第2の位置との間に切り替え可能であり、前記検出対象領域は、前記第1の位置における、前記反射装置によって反射して前記アライメント装置に結像する第1の視野内にあり、前記第2の位置は、前記電子ビームの光路から外れた
請求項2に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項4】
前記反射装置は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である
請求項3に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項5】
前記反射装置は、第1の位置と第2の位置との間で回動可能である
請求項3または4に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項6】
前記反射装置が前記第1の位置にあるとき、前記電子ビーム検出装置はオフとなり、前記検出対象領域は前記第1の可視領域にあり、あるいは、
前記反射装置が前記第2の位置にあるとき、前記電子ビーム検出装置がオンとなり、前記検出対象領域が前記第2の可視領域にある
請求項3に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項7】
前記第1の位置は、前記電子ビームの光路にある
請求項3に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項8】
前記第1の光軸と前記第2の光軸とは、ゼロでない角度で交差する
請求項1~7のいずれか一項に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項9】
前記第1の光軸と前記第2の光軸とは直交する
請求項8に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項10】
前記第1の光軸は前記上面と平行であり、前記第2の光軸は前記上面と垂直である
請求項9に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項11】
前記第1の位置において、前記反射装置の反射面の法線は、前記第1の光軸及び前記第2の光軸と同一平面にあり、前記第1の光軸と前記第2の光軸のそれぞれと45度の角度をなす
請求項9または10に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項12】
前記第1の光軸と前記第2の光軸とは斜めに交差する
請求項8に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項13】
前記アライメント装置は、光学顕微鏡である
請求項1に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項14】
前記電子ビーム検出装置は、
電子ビームを出入射する電子ビーム源と、
電子ビームを偏向させて半導体部品の検出対象表面に投射させるように構成された偏向器と、
入射電子ビームが前記検出対象表面に投射されることによって生成される出射電子を検出することによって、前記検出対象表面を結像するように構成された電子検出器とを備える
請求項1に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項15】
予め設定されたアライメント戦略に従って前記ステージの並進移動を制御することによって、前記半導体部品を前記第1の可視領域に移動させ、
前記アライメント装置によって採集された前記半導体部品の画像を処理することによって、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系における前記半導体部品の位置を決定し、
前記ステージを制御することによって、前記半導体部品の前記検出対象領域を前記第1の可視領域から前記第2の可視領域に移動させるように構成された制御回路をさらに備える
請求項1に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項16】
前記反射装置は、平面ミラー、曲面ミラー、反射プリズムのいずれか1つを含む
請求項1に記載の電子ビーム検出デバイス。
【請求項17】
内部が真空状態である第1のチャンバと、前記第1のチャンバに配置される請求項1~16のいずれか一項に記載の電子ビーム検出デバイスと、を含む検出モジュールと、
前記第1のチャンバに隣接して配置され、一側で第1のバルブを介して前記第1のチャンバと連通し、反対側で第2のバルブを介して大気雰囲気と連通する第2のチャンバと、前記第2のチャンバの外部に設けられ、前記半導体部品を大気雰囲気から前記第2のチャンバに移動させるように構成された第1のロボットアームと、前記第1のチャンバに設けられ、前記半導体部品を前記第2のチャンバから前記第1のチャンバに移動させ、さらに前記ステージの前記上面に移動させるように構成された第2のロボットアームとを備える伝送モジュールと、を備える
電子ビーム検出ユニット。
【請求項18】
前記第2のチャンバは、第1のバルブおよび第2のバルブが同時に閉鎖されている場合に真空にするように構成されている
請求項17に記載の電子ビーム検出ユニット。
【請求項19】
前記第2のチャンバの容積は、前記第1のチャンバの容積よりも小さい
請求項17に記載の電子ビーム検出ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の交差引用]
本開示は、2019年11月27日に中国専利局に提出され、出願番号が201911179973.5である中国出願の権利を主張し、当該出願を全て引用方式によって本文に援用する。
【0002】
本開示は、半導体検出技術分野に関し、特に、半導体部品に用いられる電子ビーム検出デバイス及び電子ビーム検出ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体シリコンウェハという半導体部品の製造工程において、例えば走査電子鏡という電子ビーム検出装置が半導体部品の製造工程中に発生する欠陥を検出すること(例えば、シリコンウェハのパターン検出を行うこと)に用いられる。前記欠陥は、シリコンウェハのリソグラフィープロセス欠陥、露光プロセス欠陥等を含むが、これらに限定されない。前記電子ビーム検出装置の主な動作原理は、高エネルギー電子ビームを利用して検出物体の表面に衝撃し、衝撃された領域に二次電子、後方散乱電子などを発生させ、これらの二次電子、後方散乱電子を採集することにより電気信号を生成し、これにより検出対象物体の各種物理的、化学的情報、例えば検出物体表面のトポグラフィ、成分などを体現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の前記問題点および欠陥の少なくとも一方を解決するために、本発明は、半導体部品用の電子ビーム検出デバイスおよび電子ビーム検出ユニットを提供している。
上記目的を達成するために、前記技術案は以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、半導体部品用の電子ビーム検出デバイスを提供しており、前記半導体部品を上面で支持し、直交する2方向に並進移動可能であるステージと、前記半導体部品の画像を採集することによって、前記電子ビーム検出デバイスの座標系における前記半導体部品の位置を決定し、第1の視野及び第1の光軸を有するように構成されアライメント装置と、前記半導体部品に電子ビームを投射し、前記半導体部品から放出された電子ビームを検出し、第2の視野及び前記第1の光軸と重ならない第2の光軸を有するように構成される電子ビーム検出装置と、を備え、前記電子ビーム検出デバイスは、前記半導体部品の検出対象領域が前記アライメント領域に向って反射され、前記半導体部品の検出対象領域を前記アライメント装置内に反射して結像するように構成される反射装置を更に備え、前記第1の視野は、前記反射装置の反射を用いて前記上面の第1の可視領域に投影され、前記第2の視野は、前記電子ビームの光路に沿って前記上面の第2の可視領域に投影される。
【0006】
本開示の実施例によれば、前記第1の光軸は、前記第2の光軸に対してゼロでない角度をなし、前記第1の可視領域と、前記第2の可視領域の中心とは、間隔を置いて、または同心に配置される。
【0007】
本開示の実施例によれば、前記第1の可視領域と前記第2の可視領域とが同心に配置される場合に、前記反射装置は、第1の位置と第2の位置との間に切り替え可能であり、前記検出対象領域は、前記第1の位置における、前記反射装置によって反射して前記アライメント装置に結像する第1の視野内にあり、前記第2の位置は、前記電子ビームの光路から外れた。
【0008】
本開示の実施例によれば、前記反射装置は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。
【0009】
本開示の実施例によれば、前記反射装置は、第1の位置と第2の位置との間で回動可能である。
【0010】
本開示の実施例によれば、前記反射装置が前記第1の位置にあるとき、前記電子ビーム検出装置はオフとなり、前記検出対象領域は前記第1の可視領域にあり、あるいは、
前記反射装置が前記第2の位置にあるとき、前記電子ビーム検出装置がオンとなり、前記検出対象領域が前記第2の可視領域にある。
【0011】
本開示の実施例によれば、前記第1の位置は、前記電子ビームの光路にある。
【0012】
本開示の実施例によれば、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは、ゼロでない角度で交差する。
【0013】
本開示の実施例によれば、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは直交する。
【0014】
本開示の実施例によれば、前記第1の光軸は前記上面と平行であり、前記第2の光軸は前記上面と垂直である。
【0015】
本開示の実施例によれば、前記第1の位置において、前記反射装置の反射面の法線は、前記第1の光軸及び前記第2の光軸と同一平面にあり、前記第1の光軸と前記第2の光軸のそれぞれと45度の角度をなす。
【0016】
本開示の実施例によれば、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは斜めに交差する。
【0017】
本開示の実施例によれば、前記アライメント装置は、光学顕微鏡である。
【0018】
本開示の実施例によれば、前記電子ビーム検出装置は、電子ビームを出入射する電子ビーム源と、電子ビームを偏向させて半導体部品の検出対象表面に投射させるように構成された偏向器と、入射電子ビームが前記検出対象表面に投射されることによって生成される出射電子を検出することによって、前記検出対象表面を結像するように構成された電子検出器とを備える。
【0019】
本開示の実施例によれば、前記電子ビーム検出デバイスは、予め設定されたアライメント戦略に従って前記ステージの並進移動を制御することによって、前記半導体部品を前記第1の可視領域に移動させ、前記アライメント装置によって採集された前記半導体部品の画像を処理することによって、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系における前記半導体部品の位置を決定し、前記ステージを制御することによって、前記半導体部品の前記検出対象領域を前記第1の可視領域から前記第2の可視領域に移動させるように構成された制御回路をさらに備える。
【0020】
本開示の実施例によれば、前記反射装置は、平面ミラー、曲面ミラー、反射プリズムのいずれか1つを含む。
【0021】
また、本開示の別の態様によれば、内部が真空状態である第1のチャンバと、前記第1のチャンバに配置される前記電子ビーム検出デバイスと、を含む検出モジュールと、前記第1のチャンバに隣接して配置され、一側で第1のバルブを介して前記第1のチャンバと連通し、反対側で第2のバルブを介して大気雰囲気と連通する第2のチャンバと、前記第2のチャンバの外部に設けられ、前記半導体部品を大気雰囲気から前記第2のチャンバに移動させるように構成された第1のロボットアームと、前記第1のチャンバに設けられ、前記半導体部品を前記第2のチャンバから前記第1のチャンバに移動させ、さらに前記ステージの前記上面に移動させるように構成された第2のロボットアームとを備える伝送モジュールと、を備える電子ビーム検出ユニットを提供した。
【0022】
本開示の実施例によれば、第2のチャンバは、第1のバルブおよび第2のバルブが同時に閉鎖されている場合に真空にするように構成されている。
【0023】
本開示の実施例によれば、第2のチャンバの容積は、前記第1のチャンバの容積よりも小さい。
【0024】
ここで、添付の概略的な図面を参照して、例示的に本開示の実施例を説明し、図面における相応的な符号は、相応的な部品を示す。図面の簡潔な説明は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、アライメント装置と電子ビーム検出装置とを含む電子ビーム検出デバイスの例示的な構造模式図を示す。
図2図2は、図1に示される電子ビーム検出デバイスにおいて、電子ビーム検出デバイスのアライメント装置および電子ビーム検出装置のそれぞれの可視領域を上から見た図である。
図3図3は、図1に示す電子ビーム検出デバイスを含む電子ビーム検出ユニットの構造模式図を示す。
図4図4(a)~図4(c)は、本開示の実施例による電子ビーム検出デバイスの構造模式図を示し、ただし、アライメント装置の第1の光軸が電子ビーム検出装置の第2の光軸と直交し、図4(a)では、反射装置が第1の位置Aにあり、図4(b)では、反射装置が第2の位置Bに移動し、図4(c)では、反射装置が第2の位置B'に回転している。 図4(d)および図4(e)は、本開示の実施例による電子ビーム検出デバイスの構造模式図を示し、ただし、アライメント装置の第1の光軸および電子ビーム検出装置の第2の光軸は、鋭角または鈍角で斜めに交差するように配置されてよく、図4(d)では、反射装置は第1の位置A'にあり、図4(e)では、反射装置は第2の位置B'''に移動している。
図5図5は、図4(a)から図4(d)の電子ビーム検出デバイスのアライメント装置及び電子ビーム検出装置のそれぞれの可視領域を上から見た図である。
図6図6(a)~図6(c)は、前記反射装置の例示的な具体的な形態を示している。
図7図7は、図4(a)から図4(d)に示した電子ビーム検出デバイスを備えた電子ビーム検出ユニットの構造模式図を示している。
図8図8は、電子ビーム検出デバイスの制御回路の模式的なプローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例によって、図面を組み合わせ、本開示の技術案をさらに詳細に説明する。明細書において、同一又は類似の符号及び文字は、同一又は類似の部品を示す。図面を参照して以下に本開示の実施例を説明することは、本開示の全体発明思想を説明し、本開示を制限するものではない。
【0027】
図面は、本開示の内容を説明するためのものである。図面における各部品の寸法および形状は、半導体部品の電子ビーム検出デバイス及び電子ビーム検出ユニットに用いられる部品の実際の縮尺を反映していない。
【0028】
通常、電子ビーム検出デバイスは、電子ビーム検出装置(例えば、走査電子鏡)、および二次元平面運動(さらに、二次元平面運動およびZ方向運動の三次元運動)を実行可能なステージを含む。
【0029】
例えばシリコンウェハパターンの欠陥検出に用いられる電子ビーム検出装置においては、その拡大倍率や解像度は比較的高いが、電子ビームはビーム径が比較的小さいため、実際に検出対象物(例えばシリコンウェハ)に照射されるビームスポットも比較的小さく、すなわち、前記電子ビーム検出装置の可視範囲、いわゆる視野サイズが比較的小さいと考えられる。
【0030】
そこで、例示的な実施例において、電子ビーム検出デバイスに対して、その検出過程において、ステージによって複数回移動して前記検出対象物の位置合わせを調整する必要がなく、検出対象物の特定領域の図形を前記電子ビーム検出装置の視野範囲に正確かつ迅速に送るために、例えば、前記電子ビーム検出デバイスに、検出対象物のプリアライメントおよび粗い位置合わせ機能を具備する光学アライメント装置を追加的に設けて、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系における前記検出対象物の位置を確定している。
【0031】
具体的には、図1は、アライメント装置および電子ビーム検出装置を含む電子ビーム検出デバイスの例示的な構成模式図を示し、図2は、図1に示される電子ビーム検出デバイスにおいて、電子ビーム検出デバイスのアライメント装置および電子ビーム検出装置のそれぞれの可視領域を上から見た図である。
【0032】
図1に示すように、例示的な実施例には、電子ビーム検出デバイス10は、電子ビーム検出装置11と、ステージ13と、および追加的に設けられたアライメント装置12とを備えている。具体的には、前記電子ビーム検出装置11は、例えば、図示された電子ビーム鏡筒の形態の走査電子鏡であり、電子ビームを生成して、検出対象物20(例えば、検出対象シリコンウェハ)の表面の特定領域に衝撃するとともに、検出対象物の前記特定領域が衝撃によって生じた二次電子、後方散乱電子などの信号を採集及び検出するように配置され、前記信号を増幅処理した後、検出対象物20(例えば、検出対象シリコンウェハ)の表面の前記特定領域のトポグラフィ的特徴を出力し、例えば、当該領域の図形に欠陥があるか否かを決定する。前記アライメント装置12は、例えば、光学顕微鏡であり、例えば検出対象部品20となる半導体部品の画像を採集することによって、前記電子ビーム検出デバイスの座標系における前記半導体部品の位置を特定するように配置されている。前記アライメント装置は第1の視野と第1の光軸を備え、前記電子ビーム検出装置は第2の視野と第2の光軸を備え、第1の光軸と第2の光軸とが重ならず、例えば、図示されるように、前記アライメント装置は、前記電子ビーム検出装置11と並列に配置され、より具体的には、その光軸が前記電子ビーム検出装置11の光軸と平行になるように(例えば、図面にはステージの上面に垂直するように)配置され、検出対象物(例えば、検出対象シリコンウェハ)に対して粗く位置合わせて、デバイス座標系における検出対象物20(例えば、検出対象シリコンウェハ)の図形の位置を決定するように配置されている。前記ステージ13は、例えば水平に配置され、検出対象物20(例えば、検出対象シリコンウェハ)を支持し、検出対象物の特定の領域(以下、単に検出対象領域という)Rを前記アライメント装置12及び前記電子ビーム検出装置11のそれぞれの可視範囲(以下、可視領域という)内に順次移動させるように二次元運動を行う(例えば直交するx-y両方向にそれぞれ並進移動する)ように配置されている。より具体的には、前記アライメント装置12の前記第1の視野は、例えば、追加の反射装置の反射を利用可能または利用しなく、前記上面の第1の可視領域に投影され、前記電子ビーム検出装置11の前記第2の視野は、前記電子ビームの光路に沿って、前記上面の第2の可視領域に投影され、第1の可視領域と第2の可視領域とのそれぞれの中心は、離間して配置されている。
【0033】
また、前記電子ビーム検出デバイス10は、真空雰囲気に動作し、例えば真空チャンバー内に設置され、電子ビームに対する大気の減衰を最小化することが好ましい。
【0034】
次に、上記の例示的な電子ビーム検出デバイス10の動作の流れを具体的に説明する。まず、検出対象物20が前記ステージ13上に置かれた場合、前記ステージ13はソフトウェア電気制御システムにより設定されたアライメント戦略に基づき平面二次元運動を実行して、検出対象物20(例えば、検出対象シリコンウェハ)を前記アライメント装置12の観察視野(すなわち、前記アライメント装置12の前記第1の視野(例えば反射を介しまたは反射を介さず)によって投影され、前記上面に形成される第1の可視領域に相当する)内に送る。続いて、前記アライメント装置12は、前記検出対象物体20を光学イメージング方式で画像採集し、そして、採集された光学画像を特定のアルゴリズムソフトウエアにより処理することで、検出対象物20に対してプリアライメント、粗い位置合わせを行い、これにより、前記電子ビーム検出デバイス10全体のデバイス座標系における前記検出対象物20の位置の具体的な座標を決定することができる。次に、前記ステージ13は、前記検出対象物20における検出対象領域Rを前記電子ビーム検出装置11の観察視野(すなわち、前記電子ビーム検出装置11の前記第2の視野が前記電子ビームの光路の投影に沿って前記上面に形成される第2の可視領域に相当する)内に送って精い位置合わせを行い、その後、高い解像率の電子ビームのパターン検出を行う。
【0035】
これによれば、例示的な電子ビーム検出デバイス10に前記アライメント装置12を追加的に設けることにより、2段階の単一の移動(すなわち、前記ステージ13が所定のアライメント戦略に従って前記アライメント装置12の観察視野内に移動することにより実現されるプリアライメント、粗い位置合わせ、及び前記ステージ13が前記検出対象物20における検出対象領域Rを前記電子ビーム検出装置11の観察視野内に送ることにより行う精い位置合わせ)のみで、前記検出対象物における検出対象領域Rを前記電子ビーム検出装置の観察視野に正確に送ることができ、前記検出対象領域Rを前記電子ビーム検出装置の観察視野に位置合わせるために前記ステージを頻繁に移動してアライメントを行うことを回避することができる。
【0036】
また、一例として、電子ビーム検出装置によるシリコンウェハ(例えば、300mm径のシリコンウェハ、以下、300mmシリコンウェハと略称する)のパターン検出の際に、シリコンウェハにおける任意の領域のパターンを検出できるようにするには、前記アライメント装置12の観察視野がステージの移動によりシリコンウェハ全体をカバーできるようになっていることが必要である。300mmシリコンウェハの場合、前記ステージ13の行程は、少なくとも300mmでなければならないことを相応的に要求する。換言すれば、前記ステージ13の平面二次元方向のいずれかの方向における行程は、検出されるシリコンウェハの直径以上である必要がある。
【0037】
前記例示的な電子ビーム検出デバイス10において、図1に示す電子ビーム検出デバイス10におけるアライメント装置12および電子ビーム検出装置11のそれぞれの可視領域の配置方式は、図2に示すように、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系に示される。それぞれの光軸がステージの上面に垂直であるため、それぞれの可視領域は、前記上面におけるそれぞれの視野の投影として見ることができ、具体的には、アライメント装置12の可視領域Rfov1の直径は例えば1.5mmであり、電子ビーム検出装置11の可視領域Rfov2の直径は例えば約100μmであり、前者は後者よりもはるかに大きい。そして、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系において、アライメント装置12の可視領域Rfov1の中心は、図面に示すように、x軸の負方向にあり、電子ビーム検出装置11の可視領域Rfov2の中心は、図面に示すように、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系の元点Oにある。ここで、図2に示すように、検出対象物20となるシリコンウェハーの中心も、例えば図面に示すように、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系の元点Oにある。さらに、アライメント装置12の鏡筒の光軸の、前記デバイス座標系における投影点は、例えば図面に示すように、アライメント装置12の可視領域Rfov1の中心に一致しており、前記電子ビーム検出装置11の鏡筒の光軸の、前記デバイス座標系における投影点は、例えば図面に示すように、電子ビーム検出装置11の可視領域Rfov2の中心に一致している。図面に示すように、検出対象物20であるシリコンウェハーの直径は、D1に示され、前記電子ビーム検出装置11の鏡筒の直径は、D2であり、前記アライメント装置12の鏡筒の直径は、D3である。そして、シリコンウェハの周縁(すなわち、外円周)には、それぞれ-x,+ y,+ x,-yという4つの方向に位置する4つの最外側点a,b,c,dが存在する。
【0038】
前記アライメント装置12の光軸と前記電子ビーム検出装置11の光軸との距離L1は以下のようになる。
L1=D2/2+ D3/2 (1)
【0039】
y軸における互いに反対側の最外側点b、dについて、それらが前記アライメント装置12の可視領域Rfov1に入って観察されるように、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系の原点O(前記デバイス座標系における電子ビーム検出装置11の光軸の投影点でもある)を基準として、ステージは、y軸に沿ってそれぞれ-D1/2および+ D1/2に移動する必要がある。これにより、y軸におけるステージの総行程の大きさSは以下のようになる。
=|+ D1/2|+|-D1/2|=D1 (2)
【0040】
x軸の負方向における最外側点aについて、前記アライメント装置12の可視領域Rfov1に入るように、ステージはx軸に沿って+ D1/2だけ移動する必要があり、x軸の正方向における最外側点cについて、前記アライメント装置12の可視領域Rfov1に入るように、ステージはx軸に沿って-(D1/2+ L1)だけ移動する必要がある。これにより、x軸におけるステージの総行程Sは以下のようになる。
=|+ D1/2|+|- (D1/2+ L1)|=D1+ L1 (3)
【0041】
これは、上述の例示的な電子ビーム検出デバイス10において、前記アライメント装置12が追加的に設けられており、その光軸と前記電子ビーム検出装置11の光軸とが距離(両者の可視領域Rfov1、Rfov2の中心距離)L1だけ離隔しているため、それらの離隔方向(x軸方向として示される)におけるステージの行程をL1だけ増加させ、かつ、前記電子ビーム検出装置11の直径D2及び前記アライメント装置12の直径D3が大きいほど、x軸における行程Sが大きくなる。そして、シリコンウェハ検出のための上記例示的な電子ビーム検出デバイス10の動作流れに基づき、シリコンウェハにおける検出対象領域Rは、まずアライメント装置12の可視領域Rfov1に粗い位置合わせされ、その後、前記電子ビーム検出装置11の可視領域Rfov2に精い位置合わせされて検出され、粗い位置合わせと精い位置合わせという2段階の間に、前記ステージ13は、少なくともL1だけ移動して、前記アライメント装置12の可視領域Rfov1と前記電子ビーム検出装置11の可視領域Rfov2との間で前記シリコンウェハ上の検出対象領域Rを切り替える必要があることが分かる。
【0042】
図2に示すようなアライメント装置12と電子ビーム検出装置11のそれぞれの可視領域の配置方式の場合、前記ステージのx軸行程Sがy軸行程SよりL1だけ大きくなり、ステージの加工難さが相応的に増加するとともに、移動精度が低下し、検出精度に悪く影響し、システムの制御が難しくなる。また、前記電子ビーム検出デバイス10を収容する真空チャンバの大きさや重量が大きくなり、全体の設置面積や製造コストが増加し、真空排気の効率に悪く影響し、これにより前記電子ビーム検出デバイス10に関連付けて設けられる除振機の負荷が増加する。一方、シリコンウェハにおける各検出対象領域Rは、いずれも粗い位置合わせして精い位置合わせするため、シリコンウェハにおける各検出対象領域Rは、いずれも前記アライメント装置12の可視領域Rfov1から前記電子ビーム検出装置11の可視領域Rfov2に順次に切り替えられ、その間に、前記ステージの加速、定速、減速運動に時間を費やし、シリコンウェハ上の検出対象領域Rの数が多いほど、前記ステージの移動にかかる時間が長くなり、デバイス全体の検出効率に影響を与える。
【0043】
図3は、図1に示す電子ビーム検出デバイスを含む例示的な電子ビーム検出ユニット100の構造概略図を示す。前記例示的な電子ビーム検出ユニット100は、例えば、検出モジュールと、伝送モジュールとを含む。より具体的には、前記検出モジュールは、内部が真空状態である第1のチャンバC1と、前記第1のチャンバC1内に配置された前記例示的な電子ビーム検出デバイス10と、を備える。また、前記伝送モジュールは、前記第1のチャンバC1に隣接して設けられ、一側で第1のバルブを介して前記第1のチャンバC1と連通し、反対側で第2のバルブを介して大気雰囲気と連通する第2のチャンバC2と、前記第2のチャンバC2の外部(例えば、第3のチャンバC3内)に設けられ、前記半導体部品20を大気雰囲気から前記第2のチャンバC2に移動させるように構成された第1のロボットアームMA1と、前記第1のチャンバC1内に設けられ、前記半導体部品20を前記第2のチャンバC2から前記第1のチャンバC1に移動させ、さらに前記ステージ13の前記上面に移動させるように構成された第2のロボットアームMA2と、を含む。また、例えば、検出対象の半導体部品20(例えば、シリコンウェハ)は、通常、大気雰囲気におけるシリコンウェハカセットWBに収容され、検出開始時に第3のチャンバC3内の第1のロボットアームMA1によって第2のチャンバC2に移動される。また、例えば、第2のチャンバC2は、第1のバルブ及び第2のバルブが同時に閉鎖された状態で真空にするように配置される。
【0044】
前記例示的な電子ビーム検出ユニットは、前記例示的な電子ビーム検出デバイスを含み、アライメント装置12と電子ビーム検出装置11のそれぞれの可視領域間の中心間距離があるため、ステージ行程を増大させデバイス全体の検出効率を低下させ、ここでは贅言しない。
【0045】
図4(a)~図4(d)は、本開示の実施例による電子ビーム検出デバイスの構造概略図を示す。図5は、図4(a)~図4(d)の電子ビーム検出デバイスのアライメント装置及び電子ビーム検出装置のそれぞれの可視領域を上から見た図である。
【0046】
本開示の以下の実施例の全体技術思想は以下の通りである。アライメント装置12及び電子ビーム検出装置11について、それぞれのステージの上面における各可視領域が同心状に配置されるように再配置することによって、各可視領域間の中心距離L1を省略し、上述の例示的な実施例の電子ビーム検出デバイスを少なくとも部分的にさらに改善する。本開示の実施例の全体技術思想によれば、図4(a)~図4(d)に示されるように、本開示の実施例の一態様において、半導体部品40のための電子ビーム検出デバイス30が提案され、前記半導体部品40を上面で支持するとともに、直交する2方向に沿って並進移動可能なステージ33と、前記半導体部品の画像を採集することによって、前記電子ビーム検出デバイスの座標系における前記半導体部品の位置を決定するように配置され、第1の視野及び第1の光軸を有するアライメント装置32と、前記半導体部品に電子ビームを投射するとともに、前記半導体部品から出射された電子ビームを検出するように配置され、第2の視野及び第1の光軸と非ゼロの角度をなす第2の光軸を有する電子ビーム検出装置31と、を備え、前記電子ビーム検出デバイスは、前記半導体部品の検出対象領域を前記アライメント領域に反射してイメージング前記半導体部品の検出対象領域Rを前記アライメント装置内に反射して結像するように構成された反射装置34を更に備え、図4の電子ビーム検出デバイスのアライメント装置及び電子ビーム検出装置のそれぞれの可視領域を上から見た図5に、第1の視野が前記反射装置34の反射を用いて前記上面に投影される第1の可視領域Rfov1、前記第2の視野が前記電子ビームの光路に沿って前記上面に投影される、前記第1の可視領域と同心に配置された第2の可視領域Rfov2が示される。
【0047】
この配置方式、特に追加的に設けられた反射装置34によって、アライメント装置32の光路の偏向を実現し、前記アライメント装置32が前記電子ビーム検出装置31に可能な限り近づけて配置される場合、その光路全体にわたって第1の光軸が常に第2の光軸と重なって一致するわけではないように、前記ステージの上面において、それぞれの第1の可視領域Rfov1と第2の可視領域Rfov2との間のゼロ中心間距離(すなわち、第1の可視領域Rfov1と第2の可視領域Rfov2との同心配置)が実現され、この中心間距離の存在によるステージ行程の増大及びデバイス全体の検出効率の低下が回避される。
【0048】
そして、この配置方式により、前記アライメント装置32を前記電子ビーム検出装置31と直接同軸に位置合わせ又は入れ子にすることによって、第1の可視領域Rfov1と第2の可視領域Rfov2とのゼロ中心間距離を実現する必要もない(すなわち、前記アライメント装置32の光路全体において第1の光軸と第2の光軸とが常に重なって一致するように保持する必要もない)。これにより、簡単な光路と省スペースの部品配置で、前記上面における第1の可視領域Rfov1と第2の可視領域Rfov2とのゼロ中心間距離を実現し、光路の全域にわたって第1の光軸と第2の光軸とが常に重なって一致するように、前記アライメント装置32と前記電子ビーム検出装置31とを直接同軸に位置合わせ又は入れ子にする必要ない。これにより、前記アライメント装置32自体の部品が前記電子ビーム検出装置31の光路上に直接配置されることによって、前記電子ビーム検出装置31の内部の真空気密状況及び電子ビームの正常な伝送に影響を及ぼすことも回避される。
【0049】
図4(a)~図4(c)は、本開示の実施例による電子ビーム検出デバイスの構造概略図を示し、アライメント装置の第1の光軸は、電子ビーム検出装置の第2の光軸と直交し、図4(a)では、反射装置は第1の位置Aにあり、図4(b)では、反射装置は第2の位置Bに移動し、図4(c)では、反射装置は第2の位置B'に回転する。
【0050】
本開示のさらなる実施例では、例えば、前記反射装置34は、図4(a)に示す第1の位置Aと、図4(b)、4(c)に示す第2の位置B、B'との間で切り替え可能である。ただし、第1の位置Aは、反射装置34の作動位置であり、前記検出対象領域は、第1の位置Aにおける前記反射装置34によって反射されて前記アライメント装置に結像する第1の視野内に位置する。一例として、図4(a)に示すように、前記第1の位置Aは、例えば、前記電子ビームの光路内にある。第2の位置Bは、反射装置34の非作動/アイドル位置であり、前記第2の位置B、B'は、例えば作動状態にある前記電子ビーム検出装置31の光路を遮らないように、前記電子ビームの光路からオフセットされている。
【0051】
反射装置34のこのような位置切り替えにより、アライメント装置32と電子ビーム検出装置31とが同時に作動しなく、光路を互いに干渉しないことを確保することができる。
【0052】
より具体的には、例えば、前記反射装置34が前記第1の位置Aにあるとき、前記電子ビーム検出装置はオフになり、前記検出対象領域Rは、前記第1の可視領域Rfov1に位置する。前記反射装置34が前記第2の位置B、B'にあるとき、前記電子ビーム検出装置はオンになり、前記検出対象領域Rは、前記第2の可視領域Rfov2に位置する。これにより、反射装置34が第1の位置Aと第2の位置B、B'との間で切り替えられると、前記半導体部品(例えばシリコンウェハ)における検出対象領域Rが、前記アライメント装置32の前記第1の可視領域Rfov1と前記電子ビーム検出装置31の前記第2の可視領域Rfov2との間で切り替えられ、前記第1の可視領域Rfov1と前記第2の可視領域Rfov2とのゼロ中心間距離により、ステージが切換中にx軸及びy軸に沿う総行程が一定に保持される。
【0053】
反射装置34のこのような位置切り替えと、同時作動しない設定とにより、アライメント装置32と電子ビーム検出装置31とが光路を互いに干渉しないことをさらに確保することができる。
【0054】
より具体的な実施例では、例えば、図4(a)及び図4(b)に示すように、前記反射装置は、例えばモータの駆動により第1の位置Aと第2の位置Bとの間で移動して、2つの位置の間の切り替えを実現する。
【0055】
より具体的な代替的な実施例では、例えば図4(a)及び図4(c)に示すように、前記反射装置34も、例えばモータの駆動により第1の位置Aと第2の位置B'との間で旋回され、例えば反射装置34は、第1の位置Aにおいて、上面の第1の可視領域Rfov1からの光線を前記アライメント装置32に向かって反射し、その内部に鏡面画像を実現するとともに、例えば前記電子ビーム検出装置31の光路を遮断し、前記反射装置34が前記第2の位置B'に旋回されると、前記電子ビーム検出装置31の電子ビームの光路を遮断できなくなる。これにより、2つの位置の間の切り替えも実現される。
【0056】
本開示の実施例において、例えば、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは、ゼロでない角度で交差する。
【0057】
例示的な実施例では、例えば、図4(a)及び図4(b)に示すように、前記第1の可視領域Rfov1と前記第2の可視領域Rfov2との中心距離がゼロであり、すなわち同心に配置されるように、前記第1の光軸と前記第2の光軸とが直交している。
【0058】
さらに、例えば、図4(a)に示すように、前記第1の光軸は前記天面に平行であり、前記第2の光軸は前記天面に垂直である。より具体的には、図面に示すように、前記第1の位置Aにおいて、前記反射装置34の反射面の法線は、前記第1の光軸及び第2の光軸と同一平面にあり、前記第1の光軸が前記第2の光軸の各々に対して45度の角度をなす。これにより、検出対象領域Rから図示の鉛直方向に沿って反射装置34に入射する光線、例えば自然光が、反射装置34の反射面で反射されて前記アライメント装置32の第1の視野に入射され、反射結像を実現する。反射装置34による反射によって、検出対象領域Rからアライメント装置32内に結像される光線の光路が転向され、これにより、簡単な光路と省スペースの部品配置によって、測定対象半導体部品を支持する前記ステージの上面における前記第1の可視領域Rfov1と前記第2の可視領域Rfov2との中心間距離がゼロになることを実現し、前記アライメント装置32の光路全体にわたって第1の光軸と第2の光軸とが常に重なって一致することを保持する必要ない。
【0059】
図4(d)及び図4(e)は、本開示の実施例による電子ビーム検出デバイスの構造概略図を示し、アライメント装置の第1の光軸と電子ビーム検出装置の第2の光軸とは、鋭角又は鈍角で斜めに交差するように配置されてもよく、図4(d)では、反射装置が第1の位置にあり、図4(e)では、反射装置が第2の位置Bに移動される。
【0060】
代替的な例示的実施例では、例えば、図4(d)および図4(e)に示すように、前記第1の光軸と前記第2の光軸とは、前記第1の可視領域Rfov1と前記第2の可視領域Rfov2との中心距離がゼロであり、すなわち両者が同心に配置されるように、鋭角または鈍角で斜めに交差するように配置され得る。これにより、簡単な光路と省スペースの部品配置によって、検出対象半導体部品を支持する前記ステージの上面における前記第1の可視領域Rfov1と前記第2の可視領域Rfov2との中心間距離がゼロになることを実現し、前記アライメント装置32の光路全体にわたって第1の光軸と第2の光軸とが常に重なって一致することを保持する必要ない。
【0061】
本開示の実施例では、前記アライメント装置32は、例えば、光学顕微鏡である。
【0062】
本開示の実施例では、前記電子ビーム検出装置31は、例えば、より具体的には、電子ビームを出射および入射するように構成された電子ビーム源35と、電池ビームを偏向させて半導体部品の検出対象表面に投射されるように構成された偏向器36と、入射電子ビームが前記検出対象表面に投射されることによって生成される出射電子(例えば、二次電子、後方散乱電子)を検出することによって、前記検出対象表面を結像するように構成された電子検出器37とを備える。
【0063】
本開示の実施例において、前記電子ビーム検出デバイス30は、例えば、図7に示すように、制御回路38をさらに備える。図8は、電子ビーム検出デバイスの制御回路の例示的なプローチャートである。図8に示すように、前記制御回路38は、予め設定されたアライメント戦略に従って前記ステージの並進移動を制御することによって、前記半導体部品を前記第1の可視領域に移動させ、前記アライメント装置によって採集された前記半導体部品の画像を処理することによって、前記電子ビーム検出デバイスのデバイス座標系における前記半導体部品の位置を決定し、前記ステージを制御することによって、前記半導体部品の前記検出対象領域を前記第1の可視領域から前記第2の可視領域に移動させるように構成された。
【0064】
本開示の実施例において、図6(a)~図6(c)に示す前記反射装置34の例示的な具体的な形態のように、前記反射装置34は、例えば、平面ミラー、曲面ミラーまたは反射プリズムを含む。
【0065】
図7は、図4(a)~図4(d)に示す電子ビーム検出デバイスを備えた電子ビーム検出ユニットの構造概略図である。
【0066】
本開示の実施例の全体技術思想によれば、図7に示すように、本開示の実施例の別の態様において、上述のような電子ビーム検出デバイス30を備える電子ビーム検出ユニット300も開示され、検出モジュールと、伝送モジュールとを備える。より具体的には、前記検出モジュールは、内部が真空状態であって前記電子ビーム検出デバイス30により前記第1のチャンバC1’内に配置された第1のチャンバC1’、を備える。また、前記伝送モジュールは、前記第1のチャンバC1’に隣接して設けられ、一側で第1のバルブを介して前記第1のチャンバと連通し、反対側で第2のバルブを介して大気雰囲気と連通する第2のチャンバC2’と、前記第2のチャンバC2’の外部に配置され、前記半導体部品40を大気雰囲気から前記第2のチャンバC2’に移動させる第1のロボットアームMA1’と;前記第1のチャンバC1’に配置され、前記半導体部品40を前記第2のチャンバC2’から前記第1のチャンバC1’に移動させ、前記ステージ33の前記上面にさらに移動させる第2のロボットアームMA2’と、を備える。
【0067】
大気雰囲気と作動環境となる第1のチャンバC1'との間の遷移領域である第2のチャンバC2'を設けることにより、第2のチャンバC2’を真空にしながら第1のチャンバC1’における前記電子ビーム検出デバイスの検出作動を行い、半導体部品、例えばシリコンウェハの伝送及び検出を並列に行う連続検出過程を実現することができる。
【0068】
また、本開示の実施例では、例えば、第2のチャンバC2'は、第1のバルブ及び第2のバルブとが同時に閉じる場合に真空にするように配置される。電子ビーム検出デバイスが真空環境に動作することを確保し、環境による検出の干渉や、大気による電子ビームの減衰を避けることができる。
【0069】
なお、本開示の実施例では、第2のチャンバの容積は、前記第1のチャンバの容積よりも小さい。したがって、大気環境と動作環境となる第1のチャンバC1'との間の遷移領域である第2のチャンバC2'を設けることにより、第2のチャンバC2'の容積が前記第1のチャンバC1'の容積よりも小さいため、第2のチャンバC2'の方が第1のチャンバC1'よりも速く真空にする。シリコンウェハを大気から第1のチャンバC1'に伝送する必要がある場合、第2のチャンバC2'はまず大気状態に達し、第1のチャンバC1'が第1のバルブによって第2のチャンバC2'から分離されているため、第1のチャンバC1'は真空状態のままであり、シリコンウェハがまず第2のチャンバC2'に伝送され、その後、第2のチャンバC2'は真空にされ、その体積が小さいため、真空状態に急速にし、そして、第1のバルブが開放され、シリコンウェハがさらに第1のチャンバC1'に伝送される。これにより、デバイスの検出効率を大幅に向上させることができる。第2のチャンバC2'に2枚以上のシリコンウェハが設置される場合、シリコンウェハの伝送過程中に第1のチャンバC1'の正常検出を実現することもできる。
【0070】
本開示の実施例の電子ビーム検出ユニットは、上述の電子ビーム検出デバイスを備えるため、当該電子ビーム検出デバイスの具体的な構成及び相応的な技術効果は同様であり、ここでは贅言しない。
【0071】
本開示の実施例は、以下のような優れた技術効果を有する。
【0072】
本開示の実施例は、半導体部品のための電子ビーム検出デバイスおよび電子ビーム検出ユニットを提案する。電子ビーム検出デバイスには、二次元平面運動を実行可能なステージと、例えば走査電子鏡という電子ビーム検出装置とに加えて、アライメント装置と、前記半導体部品の検出対象領域を前記アライメント装置に反射して結像するように構成された反射装置とをさらに備え、前記反射装置により、前記アライメント装置の第1の視野が、前記反射装置の反射によって前記上面の第1の可視領域に投影され、前記電子ビーム検出装置の第2の視野が、前記電子ビームの光路に沿って、前記上面の前記第1の可視領域と同心に配置された第2の可視領域に投影され、その結果、アライメント装置12と電子ビーム検出装置11のそれぞれの可視領域の間の中心間距離がゼロとなり、すなわち、前記第1の可視領域と前記第2の可視領域とが同心に配置され、それにより、平面の二次元方向におけるステージの行程が均一であり、デバイスの動作中に、ステージが移動するのにかかる時間が減少し、デバイス全体の検出効率が向上する。
【0073】
また、上述した本開示の実施例によれば、2つ以上の任意の組合せを用いた任意の技術案も本開示の保護範囲に含まれることが理解される。
【0074】
本開示の実施例は、逐次的な方法で説明され、各実施例は、他の実施例との相違点を中心に説明され、実施例間で同様の部分は、相互に参照され得る。
【0075】
以上の説明は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神と原則内におけるあらゆる修正、均等物、改良等がいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図4(e)】
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】