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特表2022-524762シリアルシンクロトロン結晶解析保持システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】シリアルシンクロトロン結晶解析保持システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/20025 20180101AFI20220427BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
G01N23/20025
G01N1/28 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553039
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020021458
(87)【国際公開番号】W WO2020181215
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/814,510
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521399984
【氏名又は名称】マイトジェン,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソーン、ロバート、イー.
(72)【発明者】
【氏名】クロス、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】アプケル、ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
2G001
2G052
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001AA13
2G001CA01
2G001JA14
2G001KA08
2G001QA02
2G052AB18
2G052AD32
2G052AD52
2G052DA33
2G052GA18
2G052JA08
(57)【要約】
シリアルシンクロトロン結晶解析のための固定された標的サンプルホルダーは、ゴニオメータ適合可能な基部と、キャリアと、該キャリア内に配置され得るサンプル保持インサートと、を備える。サンプル保持インサートは、基準マーク及び窓を備え、窓の各々は、それぞれにサンプルを受け入れるように構成される。窓は、穴と、各窓内のテクスチャとを有する。加えて、結晶をサンプルホルダー内に装填すると共にサンプルから余分な水の除去のためのサンプル装填ワークステーションは、湿度制御されたチャンバと、チャンバ内のサンプル支持部と、ゴニオメータ対応可能な基部を置くためのキャプチャと、チャンバ内に加湿された空気の流れを可能にさせチャンバと連通するチャネルとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアルシンクロトロン結晶解析のための、固定された標的サンプルのホルダーであって、
ゴニオメータに適合するように形作られると共に大きさが形成された基部と、
前記基部に取り付けられたキャリアであって、前記キャリアは少なくとも1つのアパーチャを形作る、キャリアと、
前記キャリアの前記アパーチャによって取り外し可能に受け入れられるように形作られると共に大きさが形成されたサンプル保持インサートであって、基準マーク及び窓を含み、また前記窓の各々がサンプルを受け入れるように構成されている、サンプル保持インサートと
を含む、ホルダー。
【請求項2】
前記基部に取り外し可能に取り付けられるように大きさが形成された蒸気封止チューブをさらに備え、
前記蒸気封止チューブが前記基部に取り付けられたときに、前記キャリアが取り囲まれる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記蒸気封止チューブは、水和溶液を含む吸収性プラグを有する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記キャリアが、8マイクロメートル未満の幅と、50~500マイクロメートルの厚さを有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記キャリアは、前記サンプル保持インサートを受け入れるように構成された凹み領域を前記アパーチャの辺りにさらに有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記サンプル保持インサートが、前記キャリアの前記幅に等しい又はそれ未満の幅を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記サンプル保持インサートが、1マイクロメートルと15マイクロメートルとの間の長さを有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記サンプル保持インサートが、前記サンプル保持インサートの外縁上に位置決めされたフレームをさらに含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記窓の各々は、1マイクロメートルと20マイクロメートルとの間の直径の少なくとも1つの孔を形作り、該孔を通して、前記サンプルを取り囲む余分な液体が引き出されることができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記窓は、表面テクスチャをさらに含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記表面テクスチャは、円筒状ポストのランダムアレイである、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記サンプルホルダーに結晶を装填するためのサンプル装填ワークステーションであって、
囲いを有する湿度制御されたチャンバであって、前記チャンバが前記チャンバへのアクセスのための窓及び開口を有する、チャンバと、
前記チャンバ内のサンプル支持体であって、前記サンプル支持体は、前記サンプル支持体の前記上面から余分な液体を除くように構成される、サンプル支持体と、
ゴニオメータに適合可能な基部を受け入れるように大きさが形成されたキャプチャであって、前記ゴニオメータに適合可能な基部が前記キャプチャ内に置かれたとき前記ゴニオメータに適合可能な基部に取り付けられたサンプルキャリアが前記サンプル支持体において封止されるであろう、キャプチャと、
前記チャンバと連通するチャネルであって、前記チャネルが、加湿された空気の前記流れを前記チャンバ内に可能にさせる、チャネルと、
を含む、ワークステーション。
【請求項13】
前記サンプル支持体と連通する真空チャンバをさらに含む、
請求項12に記載のワークステーション。
【請求項14】
前記真空チャンバは、吸引デバイスを受け入れることができるポートを有する、
請求項13に記載のワークステーション。
【請求項15】
前記サンプル保持インサートの下方に位置決めされたエリアをさらに含み、
前記エリアは、前記サンプル保持インサートがフィルターペーパーを受け入れるように構成されて、前記サンプル保持インサートが前記フィルターペーパーの上へ押されたとき、余分な液体が前記サンプルの周囲から引き出される、
請求項12に記載のワークステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/814,510号の優先権及び利益を主張し、該出願は「シリアルシンクロトロン結晶学のためのツール」とタイトル付けされ、また2019年3月6日に出願されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関する。より詳細には、本発明は、X線を用いる研究、特にシリアルシンクロトロン結晶解析学(結晶解析)において使用される研究のための結晶サンプルを配送する際に使用されるシステムの設計に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
生体分子の結晶解析は、分子生物学及びバイオテクノロジーにおける主要なツールである。分子生物学における進行中の革命は、生体分子及びそれらの錯体、錯イオンの原子分解能での構造を得る我々の能力によって支えられている。これらの構造は、機能に関する詳細な洞察と、米国経済に数十億ドルを貢献する幅広い製品設計の出発点とを提供する。
【0004】
X線結晶解析(解析学)は、生体分子構造を研究するための主要なツールであり続けるであろう。生体分子構造は、数十から数千万の原子の範囲の大きさの構造に関して全原子の、原子分解能での情報を提供する。いったん良質な結晶が得られて生体分子の構造が特定されると、結合した生物学的な若しくは合成のリガンドを持つ構造、又は遺伝的若しくは化学的に修飾された変異体の構造が、しばしば容易に特定されることができる。低温電子顕微鏡法とは異なり、X線結晶解析(結晶解析学)は、室温又は生体温度において生体分子構造を探る(probe)ことができ、そして、生物学的に関連する立体配座の集合体にアクセスできると共に会合が弱いときにリガンド結合を評価(assess)できる。X線結晶解析は、また、時間分解の立体配座変化及び生成物形成の研究を可能にして、該変化及び形成は、光学的励起、X線励起、温度ジャンプ、又は化学拡散が引き金となって引き起こされる。
【0005】
X線結晶解析は、バイオテクノロジー用酵素の最適化及び創薬において極めて重要である。いったん薬物標的の構造が特定されると、ドラッグ(薬物)フラグメントを含む結晶を用いて数百又は数千の付加的構造が特定され得る。薬物設計への構造に基づくアプローチの有望さを実現するために、現在の計画は、ビームライン当たり1日当たり解かれる1000個の構造のスループットを必要とする。これは、1998年に世界全体の全X線源を用いて特定されたおよそ2000個の構造に匹敵する。他の生体分子構造決定法は、今後20年間でこのスループットに近づく潜在力を有していない。
【0006】
生体分子結晶解析における主要なボトルネックは、長い間、高度に秩序化された大きな結晶を得てきた。初期の結晶化「ヒット(hits)」は、多くの小さな結晶を生み出す傾向にある。これらが十分に回折しない場合には、分子の修飾、精製、及び結晶化条件の調整を伴う時間のかかる最適化が、必要である。結晶は、X線によって損傷を受ける。室温では、データは、完全なデータセットを組み立てるために、多くの結晶から収集されなければならないことが多い。放射線損傷を減らすために、結晶は、典型的には、結晶保護物質に浸漬され、またT=100Kまで冷却され、しかし、これらのステップは、追加の秩序の乱れを導入する。これらの課題は、一般に、膜蛋白質に関して、またリボソームのような大きな生体分子錯体に関して、最も厳しく、該膜蛋白質は多くの重要な薬物標的を含んでいる。低温電子顕微鏡法の最近の進歩によって発生された励起は、結晶化を必要とせずに、原子に近い分解能での大型生体分子及び錯体の構造を特定する低温電子顕微鏡法の能力に部分的に基づいている。しかしながら、構造検証、詳細な力学的(mechanistic)理解、及び創薬は、高分解能のX線結晶解析を必要とし続けるであろう。
【0007】
結晶は、同定されると共に結晶化の培地から採取され、脱水から保護され(T=300K測定の場合)又は液体窒素(LN2)中で瞬間的な冷却にされ、X線源に輸送され、ビームラインのサンプル台(ステージ)に搭載され、次いで、X線ビームに対して整列されなければならない。~30から50マイクロメートルより大きい結晶については、同定及び取り扱いは、分かりやすく、わずかな数の(秩序化された)結晶体のみが、構造決定に十分であり、過去10年間の使用における「高スループット」結晶解析(crystallography)のための方法及びハードウェアは適切である。結晶サイズが小さくなるにつれて、構造決定に必要な結晶の数は極端に急増し、またサンプル1個あたりのX線データ収集時間は、サンプルを取り替える時間に比べてわずかである。小さな結晶を同定することは、特に蛋白質凝集体及び塩の結晶が存在する、又は結晶が例えば脂質立方相(LCP)に成長されている場合に、難しい。
【0008】
微結晶によって提起される課題は、シンクロトロンX線ビーム輝度が大きくなるにつれて、ビームサイズが1マイクロメートルに向かって縮小するにつれて、また高速フレーミングであって本質的にノイズフリーの検出器が以前より小さい結晶から有用な回折データが得られることを可能にするにつれて、より今日的な意味を帯びてきた。減衰されていない微小集束されたX線ビームに関しては、最先端の水準のビームラインにおける放射線損傷限界線の線量は、T=300Kでは~5から10ミリ秒、及び100Kでは~0.2から0.4秒で放たれる(照射される);これらは、結晶がサイズにおいてビームと同程度のとき結晶当たりの最大データ収集時間に対応し、また30~60秒の典型的なサンプル取り替え時間に比較されることができる。
【0009】
シリアルシンクロトロン結晶解析は、構造決定スループットを増加させる。X線自由電子レーザー(XFEL)源に関するサンプル取扱い及びデータ解析における進歩によって動機づけられて、シリアルシンクロトロンX線結晶解析(SSX)がこれらのボトルネックに対する一つの解決策として出現しつつある。SSXでは、数百又は数千の微結晶が、数分でX線ビームに「供給」されることができる。微結晶は、最適化の前の初期の結晶化試行:小分量の結晶化実験(例えば、希少な生体分子を用いる);弱い会合又は遅い表面配向/拡散動力学が遅い成長速度を与える場合;溶液中の生体分子が急速に劣化する場合;高い初期過飽和が高い核形成速度を駆動する場合;及び、マイクロシーディングを用いる場合、で得られる可能性がある。
【0010】
XFEL光源における「破壊前の回折」は、各結晶の有用な露光を単一の~100フェムト秒のX線パルスへ制限し、該パルスは、現在の微小集束されたシンクロトロンビームラインにおいて毎秒に照射されるものと同じぐらい多くの光子(~1012)を含む。結晶の向きは、固定されている(そして知られていない)ので、ほとんどの反射は部分的にしか記録されない。指標付け(インデキシング)及び構造因子の特定は、数万個の微結晶を必要とする。シンクロトロンでは、各(ミリ秒(ms)から秒(s))露光中に結晶が回転させられることができ、反射の部分性、並びに必要な回折フレーム及び結晶の数を減少させる。XFEL露光は、シンクロトロンを用いて(放射線損傷限界を所与として)実現可能なものよりも単位体積当たりより多くの回折光子を発生する一方で、ビーム外の結晶領域にはるかに大きな損傷を及ぼし、それで、単位結晶体積当たりの有用な回折におけるそれらの利点は、横方向の結晶サイズがビームサイズを超えて成長するにつれて、減少する。XFELビーム時間の利用可能性が限られていることと相まって、大部分のシリアル結晶解析データは、シンクロトロンで収集される可能性が高い。SSXの潜在的な効果は、微結晶に限定されない。多くの商業/工業の用途では、結晶サイズは問題ではなく、目標はスループットを最大化すること、また構造当たりのコストを最小化することである。
【0011】
SSXサンプルの配送の方法は、標準的な結晶解析ループ/マウント、薄膜サンドイッチ、複数穴グリッド又はチップ、マイクロ流体チップ、高粘度インジェクター、並びに音響堆積及び音響レビテーションを含む。
【0012】
ループ/マウント。
微結晶は、ナイロンループ又は微細加工された結晶解析マウント上へ分注される又はこれらを用いて採集されることができる。ループは、その開口内に微結晶を浮かせるために液体を必要とし、大きなバックグラウンド散乱を発生させる。MiTeGen社のMicroMeshes(多くの人々が初めてのシリアル微結晶解析実験である考えているもののために2006年にSwiss Light Sourceにおいて使用されたもの)は、溶液から結晶を区分けし(メッシュに掛けて取り出し)、また余分な液体は、メッシュの背面を拭き取る(吸い取る、拭い取る)ことによって除去される。メッシュのような平坦なマウントの場合、板状及び棒状の結晶が好ましい配向に横たわることができ、そのため、大きな振れ幅の又は螺旋の走査(ラスタ走査と組み合わせた連続回転)が、逆空間(逆格子空間)を完全にカバーのために必要である。
【0013】
薄膜サンドイッチ。
結晶は、ガスケットによって分離された2つの光学的透過及びX線透過のポリマー膜の間において成長される(又はサンドイッチ状に挟まれる)ことができる。欠点には、結晶化溶液/ゲル(ほとんどの結晶よりはるかに厚い)及び該膜(SiNウエハと置き換えることができる)からの大きなバックグラウンド、優先的な結晶配向、並びに非力な低温冷却性能がある。しかしながら、成長後の結晶操作は除かれて、成長時の主要な利点は、例えば高粘性LCPを包含する。
【0014】
透明な窓のアレイ。
多くのXFEL実験は、SiN又はカーボン/PMMAで被覆されたSiウエハを使用してきており、ここでSiは、薄い窓のアレイを形成するために、エッチングで取り除かれる。結晶は、ウエハ上に「塗られ」ている。
【0015】
貫通孔アレイ。
結晶は、基板内のスルーホールのアレイに収容されることができる。これらは、硬質高分子シートにレーザドリルで穴開けされた孔であることができ、結晶は、それらの中にその場(in situ)検査のために成長されることができる。結晶化溶液からのバックグラウンドは著しく、高分子シートからの強い散乱は振動角度及び孔壁に隣接する結晶の探針を制約し、低温冷却(クライオクーリング)は、大きな熱質量によって妥協させられる。
【0016】
孔は、薄いシリコンウエハ内に微細加工されて作製されることができる。微結晶を含む溶液は、上面上に堆積され、結晶はウエハの裏面をブロッティングする(blot)ことによって孔の中に引き込まれ、その後に、X線データは、孔からのみ収集されて、走査時間を短縮する。Siは、ほとんど広がったバックグラウンド散乱を生じず(ただし、検出器はウエハの強いBragg散乱から保護されなければならない)、また、その大きな熱伝導率は、良好な低温冷却性能を与える。結晶のかなりの部分は、結局、孔の外に出てしまい、結晶が豊富でないならば深刻な欠点になる。
【0017】
別のアプローチは、頂部を切り取った反転したピラミッドの形状を有するKOHエッチングされたウエルを持つシリコンウエハを使用する。上部の開口幅は、繰り返し距離と同程度であり、底部の開口は、関心のある結晶(典型的には5マイクロメートル)よりもわずかに小さい。結晶含有の溶液は、ブロッティングによって、又は、より効果的に、多孔質プラットフォームを通してウエハの背面に吸引力を加えることによって、開口部を通して引き下ろされる。このアプローチは、開口部に結晶を集中させ、結晶ヒット率及びデータ収集効率を高める。NSLS‐II用のMiTeGenにより作製されたポリマーマイクロウエルのアレイは、同様の利点を有する。大部分のウエルが充填され、僅かな結晶がビーム経路の外側にあり、僅かなウエルがビーム経路に沿って複数の結晶を含むようにチップ装填を制御することは、自明ではなく、これは、結晶を集中させる利点を相殺する可能性がある。
【0018】
マイクロ流体チップ。
例は、X線検査のための特定の位置に微結晶を仕分けまた捕捉するマイクロ流体トラップアレイと、動的光散乱及びX線測定を可能にするマイクロ流体結晶化アレイとを包含する。
【0019】
音響ドロップ放出。
音響ドロップディスペンサは、結晶をマイクロメッシュ(MicroMeshes)上に、薄いX線透過性の「コンベヤベルト」上に投射するために、また結晶化トレイから結晶をX線ビーム中に直接放出するために使用されてきた。基板上へ直接に音響分注することは、例えば、フラグメントスクリーニングに関して有望であり、この場合、微結晶は、ある溶液から取り出されることができ、またそれら基板上に順次に排出されたフラグメント溶液のアレイから落ちる。
【0020】
液体及びゲルのインジェクター。
液体状又は高粘度の媒質(例えば、LCP)に含まれる結晶は、X線ビームを通して流れる狭い「流れ」に形作られる。注入はXFELsでポピュラーであり、なぜなら、単一のX線パルスが結晶を破壊し、大きな結晶流速は~120HzのX線パルスレートの効率的な使用を可能にするからである。キャピラリー及びLCPゲル注入器を通って流れる結晶スラリー、これらは共に、XFEL実験よりもはるかに小さい流量の状態であって、該結晶スラリーは、シンクロトロンにおいて成功裏に使用されてきた。不便なことは、ノズル詰まりを最小限に抑えるために必要な結晶サイズに対する流れの直径の大きな比率に起因して大きなバックグラウンド散乱、ゲル中に結晶を濃縮してまた埋め込むために必要な操作(その内部で結晶が成長させない場合)、キャリア媒体の浸透性の環境を成長したままの結晶に整合させるという困難、及び室温のみのデータ収集、であることを包含する。
【0021】
SSXサンプルの取り扱いに対する各実証されたアプローチには長所と短所があり、明確な勝者はいない。いくつかは、現在の結晶管理ワークフローからの実質的な逸脱と、高スループット結晶解析のための大規模な既存のインフラストラクチャに互換性のないハードウェアとを伴う。不適切な注意が、ホームラボにおける装填(ローディング)、及び同等に準備された高い同形の結晶のアレイの同期配送、を可能にするために必要なインフラストラクチャに払われてきた。
【発明の概要】
【0022】
本発明の実施の形態は、上記の原因(downfall)を解決する。ある実施の形態のシリアルシンクロトロン結晶解析サンプル保持システムは、SSXサンプルの配送及び撮像化のための、柔軟で、統合され、優れた費用対効果のシステムに関する。このシステムは、特別の目的のために作られたソリューションに対して性能犠牲を最小化しながら、SSX手法の採用を迅速化するために、可能な限りで既存のインフラストラクチャと統合することができる。本システムの実施の形態は、複数の異なるサンプルの装填及び保持モダリティ(modality、撮画手段)を可能にさせ、優れたX線及び光学的な撮像性能を提供し、環境制御がサンプルの脱水及び損傷を防止することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって、より十分に理解され、正当に評価されるであろう。添付の図面は、開示された主題の典型的な実施例のみを図示しており、従って、その範囲を限定するものとは考えられるべきではなく、それは、開示された主題は他の等しく有効な実施例を認めることができるからである。ここで、添付図面への参照が簡単に為される:
【0024】
図1図1は、図1A図1Gにおいて、シリアル結晶解析の従来技術のアプローチの提示を示す。
図2A図2Aは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムの一例の上面図である。
図2B図2Bは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムの一例の側面図である。
図3図3は、シリアル結晶解析のサンプル保持システムの一例の斜視図である。
図4A図4Aは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのキャリアの分解平面図である。
図4B図4Bは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのキャリアの分解側面図である。
図5A図5Aは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの例の透視図である。
図5B図5Bは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの例の透視図である。
図5C図5Cは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの例の透視図である。
図5D図5Dは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの例の透視図である。
図6図6Aは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの代替例の平面図であり、図6Bは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの代替例の側面図である。
図7図7Aは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの代替例の平面図であり、図7Bは、シリアル結晶解析のサンプル保持システムのサンプル保持インサートの代替例の側面図である。
図8A図8Aは、サンプル装填(ローディング)ワークステーションの側面図である。
図8B図8Bは、サンプル装填ワークステーションの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、シリアル結晶解析のためのサンプルの取扱いアプローチの複数の先行技術の例を示す。図1Aには、標準的な結晶解析ループ内の液体中に浮かされた結晶が示されている。図1Bには、結晶化液滴を含む薄膜サンドイッチが示されており、薄膜サンドイッチは、カスタムステージ上(大型セルアレイの場合)又は3D印刷されたフレームを使用するゴニオメータ基部上に保持される。図1Cには、結晶化溶液のためにレーザドリルで穿孔された孔を持つポリカーボネートシートが示されており、このポリカーボネートシートは、ゴニオメータ基部上に搭載され、高スループット結晶解析において使用された「パック(puck)」に適合する。図1Dには、穴のアレイを持つシリコンウエハが示されている。図1Eには、底部に小さな孔を持つピラミッド形状のウエルのアレイを有するシリコンウエハが示されている。結晶は、液体がウエハを通って引き出されるとき、孔内へふるい分けられる(sieved)。カスタムステージは、X線ビーム内にウエハを保持する。図1Fには、ポリイミドマイクロウエルアレイが示されており、ポリイミドマイクロウエルアレイは、液体の除去及びふるい分けのための底部穴を持つ。図1Gでは、ゲル又は脂質立方相(LCP)に埋め込まれた結晶のX線ビームへの注入が示されている。
【0026】
本発明の一実施の形態は、設計概念の迅速なプロトタイピング及び試験を可能にする、シリアルシンクロトロンX線結晶解析のための柔軟であってモジュール式のサンプル取扱いシステムに指向されており;高スループット結晶解析のための既存のインフラストラクチャと最大限に適合しており;室温及びT=100Kの両方のデータ収集に適合しており;ホームラボにおけるサンプルの装填及びシンクロトロンへの発送を可能にし;全てのソースからのX線バックグラウンド散乱を最小にし;結晶同形性を最大限に保存するようにサンプル環境を制御し;光学的画像化及び結晶識別を簡単にする。
【0027】
図2には、大まかには参照番号10として参照された、シリアル結晶解析サンプル保持システムの平面図及び側面図が示されている。サンプル保持システム10は、ゴニオメータ対応の基部12と、基部12に取り付けられその軸を中心とするキャリア14と、サンプル保持インサート16と、蒸気(vapor、気化ガス)封止チューブ18とからなり、蒸気封止チューブ18は、基部12に対して封止すると共に吸収性プラグ20を収容しており、吸収性プラグ20は、内部空気の湿度をほぼ一定値に維持する適所において液体の体積を保持する。図1Cと同様に、基部12は、米国及び国際的なシンクロトロン光源における高スループット結晶解析に使用された磁気スチール金属のゴニオメータ基部に基づく。
【0028】
図3には、シリアル結晶解析サンプル保持システム10の代替バージョンが示されており、この例では、キャリア14は、2つのサンプル保持インサート16を有する。サンプルからのT=100Kデータ収集のために、サンプル保持インサート16の寸法は、サンプル低温冷却器によって発生された窒素ガス流の直径によって~5から8mmに制限される。300Kでのデータ収集のために、サンプル保持インサート16の長さは、~1mmから~15mmまでであり得て、又はキャリア14の長さの数mm以内であり得る。
【0029】
蒸気封止チューブ18は、室温保存、出荷及びデータ収集中におけるサンプル脱水を防止するために使用される。蒸気封止チューブ18は、サンプル及びキャリア14を覆うと共に基部12に対して封止するX線透明チューブであることができる。チューブ壁を通る水蒸気の透過を数日間埋め合わせるために、~20~40マイクロリットルの水和溶液を保持することができる吸収プラグ22が使用されることができる。蒸気封止チューブ18は、環状オレフィン共重合体、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、又はガラスといった当該技術分野における任意の適切な材料にあることができ、環状オレフィン共重合体は、非常に低い水蒸気透過率を有する。微結晶に関する測定のためには、水蒸気透過を防止するために十分な厚さの蒸気封止チューブ18からのバックグラウンド散乱が過剰であり、そのため、データ収集の前に蒸気封止チューブ18が除かれる必要があるかもしれない。いったん蒸気封止チューブ18が除去されると、サンプル湿度は、マイラー、PET、アクラー(aclar)、環状オレフィン共重合体(「COC」)、若しくは類似のもの、又は他のもの、の非常に薄いフィルムを用いて、キャリア14の上面及び下面をそのアパーチャ及びサンプルインサート16の辺りにおいて封止することによって維持されることができる。グラフェン被覆のバリアフィルムは、チューブエンクロジャーの必要無しに、平坦な、X線透過フィルムを用いてキャリア14を直接に封止することを可能にする。
【0030】
キャリア14の分解図が、図4に示されている。キャリア14は、アパーチャを有し、そのアパーチャを覆ってサンプル保持インサート16及びサンプルが置かれる。キャリア14は、凹み(recess)領域を有することができ、凹み領域内には、サンプル保持インサート16が挿入される、又はインサートがキャリア14の上面に直接に付けられることができる。サンプル保持インサート16は、薄くまた可撓性であるので、別個のフレーム22が、取り扱いを簡単にするために、前もってサンプル保持インサート16に取り付けられることができる。フレーム22は、(サンプル保持インサートの微細加工プロセスの一部として、サンプル保持インサートの外面の辺りにSU-8又はPDMSといった材料の厚い層を堆積し及びパターン形成することによるといったこと)サンプル保持インサート16と一緒に製造されることができ;或いは、フレームは別に製造され、またキャリアへの取り付け前に、サンプル保持インサート16に取り付けられることができる。キャリア14は、サンプル保持インサート16に取り付けられたフレーム22のための凹んだ長方形のアパーチャ(開口部)を有することができる。キャリア14は、ある実施の形態に従って、~18mm(蛋白質結晶解析における現行の標準)の好ましい長さ及び2.5mmの好ましい幅を有することができ、キャピラリチューブ直径は~3mmである。なぜなら、これが、現在のサンプル自動搭載ロボットの基部の把持部内の内部空間であるからである。キャリア14の幅及びポリマー又は蒸気封止チューブ18の直径は、ゴニオメータ基部12の直径付近(~8mmまで)まで大きくされることができる。キャリア14は、COC又はポリカーボネートといった任意の堅くて配向していないポリマーでもよく、しかし、これに限定されない。キャリアの14の厚さは、剛性を最大にするために、サンプル保持インサート16のためのアパーチャの下の領域において、50~500マイクロメートルで、かなり大きいことがあり得る。データが、入射X線ビームの平面の近くに位置するサンプル保持インサート16の平面で収集されるべきである場合、そのときは、インサートアパーチャの領域におけるキャリア14の厚さは、キャリア14の平面がビームの平面の近くにおいて回転されるときの入射の及び回折されたX線の妨害を減少させるために、25~200マイクロメートルに減少されるべきである。配向されていないポリマーが、キャリア14の実施の形態において好ましく、なぜなら、弱く拡散したバックグラウンド散乱のみを与えるからである。金属、セラミック、及びシリコンが同様に使用されることができ、しかし、その場合には、X線データ収集中に、X線ビームがキャリアに当たることを避けること、又は他にはキャリアから散乱されたX線がX線検出器に損傷を与えることを避けること、のいずれかのために、準備が為される必要があることが好ましい場合がある。
【0031】
図4に示されるようなフレーム22は、多層リソグラフィパターン形成プロセスを介してサンプル保持インサート16と同時に製造されることができ、或いは、別に製造されてまた熱若しくは超音波ボンディング、接着ガスケット、又は接着剤(グルー)を用いて、サンプル保持インサート16に取り付けられることができる。フレーム22は、サンプル保持インサート16に直接に取り付けられる必要はなくて、それらの上部にキャリア14内において単に置かれ、次いで、フレーム22及びキャリア14の上部若しくは外側に塗布された接着剤(グルー)を用いて、又はフレーム22及びキャリア14の上を覆って置かれた接着性裏フィルムを用いて、キャリア14上の所定の位置に保持されることができる。フレームを使用しない場合、サンプル保持インサートが、接着剤(グルー)、接着性背面薄膜ガスケットを用いて又は超音波溶接によって、キャリアに直接に取り付けられることができる。
【0032】
控えめに、~400/mm(50マイクロメートル間隔)の最高微結晶密度を仮定すると、そのとき、各キャリア14は、~5000(100Kデータ収集の場合)から12000個までの結晶を保持することができ;実際の結晶密度は、どのように結晶が生成され、またどのように濃縮されるかに依存する。結晶当たり~40msのデータ収集時間の場合、2×6mmの活性エリアに関して少なくとも3分間の総収集時間は、サンプルホルダーの交換及び向き付け時間より大きいでしょう、それで、はるかに大きな面積のインサートに対する利益はほとんどない。
【0033】
サンプル保持インサート16の例を図5に示す。すべては、光学的及びX線走査のためのインサートの座標系を規定するための(図示せず)基準マーク(fiducial)を含み、基準は、光学的コントラストを最大にするために、より厚いフィルム領域又は異なる色を持つ余分な層を有することによって作られたフィルムの穴、線、及び印(マーキング)で作られる。図5Aには、取り扱い損傷及び変形を防止するためにより厚い「畝織り(ribbing)模様」を伴う(うねのある)、薄い連続窓24を有するサンプル保持インサート16が示されている。この例は、約0.5~3マイクロメートル厚の連続窓24のアレイを持つX線透明ポリマーの薄い(10~25マイクロメートル)シートから成る。図5Bには、余分な液体が引き抜かれまた対象とする結晶が大きすぎて通過できないような大きさの孔26を有する細い窓が示されている。排液孔26を持つ窓は、過剰な溶媒を除くために使用されることができ、或いは、密な孔のアレイを持つ「メッシュ」窓が使用されることができる。連続窓は、明瞭な結晶の撮像を提供し、超音波発生された微小な液滴中に結晶が分注(分配)される場合に理想的である。結晶含有の液滴が手動により堆積されるとき、孔26は、余分な液体が除去されること、及び結晶が表面に濃縮されることを可能にする。孔26は、対象とする結晶サイズよりもいくらか小さくすべきであり、液体の流れを過度に阻害するほど小さくすべきではなく;1~20マイクロメートルが良好なサイズ範囲である。余分な液体は、サンプル支持体における孔26を通して除去されるとき、微結晶は各孔に向かって流れて(stream)、そこに蓄積し、その結果、結晶及び/又はそれらの回折パターンが重なり合う。
【0034】
窓は、例えば、結晶が穴に向かって流れることを抑制するために円筒状ポスト28のランダムアレイを追加することによって、又は結晶が穴に向かって流れる際に結晶のためのトラップを形成する短い湾曲壁30のアレイを追加することによって、テクスチャ付けされることができる。これらのポスト及び壁は、微結晶の動きを、それらの経路を物理的に阻止することによって(ポスト及び壁が結晶よりも高いとき、並びに結晶が窓表面の近くまで堆積した場所で)妨げることができ、また、結晶(ポスト及び壁)の上方の余分な液体を薄くし、粘性抵抗を増加させまたそれらの近傍において液体及び結晶の流れの両方を遅くする。図5Cには、ポスト又は突起28のアレイを有するサンプル支持フィルムの表面を示しており、特に、結晶が、そうでなければ、孔26を介する液体除去中に液体の流れによって押し流されるかもしれない場合であり、ポスト又は突起28は、ポスト又は突起28に対して結晶を止め及びポスト又は突起28の近くに捕捉する傾向のある表面トポグラフィー(表面形状)を生成する。図5Dでは、短い壁のアレイによって囲まれている孔26が示されており、短い壁のアレイは、結晶トラップを形成し、これは、孔26を通して液体が引き出されるときに、結晶を特定の位置に優先的に配置させる。これらの特徴物の高さは、特徴物の光学的コントラストを最小化するために、結晶の厚さ、おそらく2~5マイクロメートル、よりも小さくてもよい。結晶は、底のある穴を持つ垂直ウエルの配列に捕捉されることもできる。
【0035】
サンプル保持インサート16は、ポリイミド又はシリコンといった、当該技術分野における任意の適切な材料で作製することができ、しかし、これらに限定されない。ポリイミドは、状況によっては、例えば、結晶の厚さが2マイクロメートル未満に低下すると、~2マイクロメートルの最小ポリイミド層の厚さからのバックグラウンド散乱が、重大になる可能性がある。強力な微小集束ビームによるポリイミド損傷が問題となる可能性がある。このような場合には、シリコンのコストは正当化される可能性がある。サンプル保持インサート16の設計は、図5のものと類似することができ、ここでは、窓がSiNで形成される。図1Fにおける設計に基づく全シリコンウエルマウントが、同様に使用されることができる。
【0036】
液滴中に結晶を保持するための代替サンプルホルダインサート構造(設計)の図6Aの上面図と図6Bの側面図とが示されており、液滴は、異なる組成を有すると共に、液滴が分離されてまた液滴が混合されることが防止される必要がある。サンプル保持インサート16のこの例は、微結晶に対するシリアル結晶解析に適しており、ここでは多数の結晶が必要とされる。図6は、例えば、高スループットのフラグメントスクリーニングのためのサンプル保持インサート16のセルを示す。ここで、結晶は、より大きくなることができ、各構造に必要なものはより少なくてすみ、また目標は、1時間当たりX線ビームに配送されることができる異なるフラグメントを含む結晶の数を最大にすることである。図6に示されるような構造(設計)は、孤立した「パッド」32のアレイを有し、その上に、異なるリガンドに浸漬された結晶を含む液滴が堆積される。パッドは、サンプル保持インサートの領域であって、サンプル保持インサートの領域は、1滴を保持すると共にフィルム38内のギャップによってフィルムの残り部分から隔離される。各パッドは、液滴を含む結晶が堆積される薄い部分を有する。また、パッドに液体を閉じ込めると共に広がることを避けることに役立つ厚いリングを有する。各パッドの中心領域は、図5Bから図5Dにあるような穴及び他の特徴物を持つX線透過性窓からなる。これを取り囲むことは、2つの同心円状であってずっと厚い(~5から25マイクロメートル)リング34であり、これらのリング34は、ギャップ36によって隔てられる。内側リングは、各液滴の接触線をピン止め(pin、固定)し、また窓の穴から液体が抜け出るまで適所に接触線を保持して、堆積した液体の体積(及び結晶の数)が最大にされることを可能にする。ギャップ36及び外側のガードリングは、隣りのパッドへ液体が広がることを防止する。追加のギャップ38は、この外側ガードリングを該インサートの残り部分から離し、また液体の拡散に対して追加の障害を提供する。
【0037】
図7には、その場(インスィトゥー)の結晶成長を可能にする代替サンプル保持インサートの構造(設計)の上面図及び側面図が示される。~40(10~100)マイクロメートルの壁厚を持ち高さ~200(50~500)マイクロメートル及び直径~500(200~750)マイクロメートルのシリンダー(円筒)40は、結晶化溶液を含み、薄い(0.5~5マイクロメートル)窓44及び潜在的には各シリンダーの下に小さな排水穴を持つ~25(10~50)マイクロメートルの層42上に支持される。これらのインサートは、リザーバ溶液で飽和された吸収性プラグ20を持つ(図2及び図3のように)蒸気封止チューブ18で覆われている。蒸気封止チューブは、室温のデータ収集及び結晶成長に有利である。また、蒸気封止チューブは、該滴が乾燥することを防ぐための代替的な方法によって達成されることができる。サンプルは、また、堆積後に、液体窒素中で直ちに凍結されることができ、この場合には、封止チューブは必要ない。薄肉のシリンダーは、速い冷却を可能にし、また壁の近くに位置する結晶からの回折吸収を減少させる。高アスペクト比の特徴物は、シート状に、入手可能な光露光性ポリマー、SUEXを用いて微細加工されることができる。
【0038】
膜蛋白質の結晶化は、しばしば、LCP「サンドイッチ」を用いて行われる。図1(B)の右下にあるように、個々のセルが切り出されることができ、またゴニオメータ基部に取り付けられることができる。現在のLCPプレートは、LCPのために~6mm直径のエリアを持つ9×9mmのセルを有し、それ故、基準ゴニオメータ基部上に収容されることができ、しかし大部分のサンプルオートマウンタの把持部に対しては広すぎる。我々は、より小さなセルサイズへの移行に際して実現可能性と市場の関心とを探求して、各サンプルホルダー上のより多くのセルと自動化ハンドリングとを可能にする。
【0039】
これらのサンプル保持インサート16は、所有の階段状多重厚アプローチを用いて、放射線耐性のX線透過ポリイミドから微細加工されることができる。フレーム22は、SU-8又は類似の材料からインサート上に直接に微細加工されことができ、或いはCOC又はポリカーボネートシートからレーザーにより切断されることができる。
【0040】
結晶化プレートからSSXサンプルホルダーへ結晶及び溶液を移送することは、困難であり得る。結晶解析のループ及びマウントは、いくつかの収集作業にとって柔軟性が過ぎ、ホルダーの濡れ(湿らせ)及びホルダーへの移送を達成することは、困難であり得る。SUEX及び金属を含む材料は、刃先を形成するために微細加工されることができ、可能な最大厚、剛性、表面濡れ、及び耐久性において利点を有し得る。ループは、鋸歯状の端部を有する小さなシリンダーで置き換えられることができ、鋸歯状の端部は、より多くの液体及び結晶を保持すると共に液体接触線を不安定化することができる。結晶が移送される窓は、小さな直径の、10~25マイクロメートルの高さの1又は複数のポストを有することができ、該ポストは、移送を誘導するために液体メニスカスを「刺す」。道具及びサンプルインサートの両方の濡れ特性を改善するための選択的エリア表面処理が、また、実現可能であり得る。
【0041】
図8には、サンプルホルダー内に結晶を装填するためのサンプル装填ワークステーションが示されており、このワークステーションは、余分な液体がサンプルホルダーから離れて引き込まれることを可能にすると共に、サンプルホルダーを高い湿度の雰囲気に維持してサンプルの脱水を防止する。ワークステーションは、サンプル保持インサート16において穴を通して余分な液体を除くことによって、又はサンプル支持窓から離してサンプル保持側をブロッティングすることによって集結を可能にする。不均一な液体除去による結晶脱水及び非同型化を防止するために、装填及び液体除去が、加湿された環境で、理想的には、結晶の水分活性に適合する相対湿度、それは通常97%r.h.及びそれより大きい相対湿度で、行われなければならない。加湿された空気は、チャネル46を通ってワークステーションに流入し、またサンプルキャリア14のいずれかの側上の通気孔48を通って上向きに流れてサンプル上のチャンバに入る。チャンバは、光学的検査のためにプラスチック又はガラス50の透明な覆い及び側面を有することができる。サンプルキャリア14は、チャネル58を介して吸引装置に接続されたチャンバ56の上をおおう穴アレイ54を持つプレートの上にわたって置かれる。サンプルホルダーの背面に適用された吸引は、次いで、サンプル保持インサートの孔を通して液体を吸引することができる。吸引は、例えば、機械式ポンプ又はベンチュリ式圧縮空気真空発生器によって提供されることができる。吸引量は、例えば、フットペダル弁を用いて制御されることができる。好ましい実施では、ダイカットされた(die cut)フィルターペーパー又は吸収材52の一片が、穴配列を持つプレートの上部に挿入されることができ、その結果、吸引がフィルターペーパーを通して適用される。吸収材による毛管作用と吸引との組み合わせは、粘性液体及び非粘性液体のために穏やかで効率的な液体除去を可能にする。垂直に向き付けされたフィルタ繊維と組み合わせられた吸引は、液体の横方向の広がりを減少させることができ、サンプルインサートの異なる領域間の交差汚染を最小限にし(これらの領域は、図6のインサートに関するように、例えば異なるリガンドを含む、例えば異なる溶液に浸漬された結晶を含むならば関連する)。ワークステーションは、ポリマーチューブのためのホルダー(例えば、ダイカットフィルタペーパー細長片(strip、ストライプ)を保持する同じ表面内のチャネルであって、該細長片に平行である、チャネル)と、サンプルホルダーを位置に(それが、例えば、チューブと同じチャネル内にその時に存在するために横方向に)並進移動させるための機構とを包含することができ、その結果、チューブ18は、加湿された環境(図示無しのホルダー)内においてゴニオメータ基部12上へ並進移動されることができる。サンプル装填ステーションは、また、ダイカットフィルタペーパーが置かれ得る固体支持体を包含してもよい。サンプルホルダーは、次いで、サンプル保持インサートがフィルターペーパーに接触するように並進移動されることができ、吸引なしで液体除去を可能にする。また、サンプル装填ステーションは、薄いX線透過性封止フィルムが置かれ得る1又は複数の固体支持体を包含してもよい。サンプルホルダーは、次いで、並進移動されることができ、またキャリアの領域は、サンプルを封止すると共にX線測定中の脱水を防止するように、封止フィルム上へ押し下げられたサンプル支持フィルムを取り囲む。
【0042】
上記で使用された値は、ただの代表値であって、その他の値が、本開示の精神及び意図に沿ったものであることができることを理解されたい。
【0043】
いくつかの発明的な実施の形態が、特定の例示的な実施の形態を参照して説明されると共にここに例示されてきたが、当業者は、本明細書に記載された1若しくは複数の利点及び/又は結果を入手し及び/又は機能を実施するための様々な他の手段及び/又は構造を容易に思い描くことができ、そのような変形及び/又は修正の各々が、本明細書に記載される発明的な実施の形態の範囲内とみなされる(そして、記載された記述及び図面によって裏付けされることができる、請求項によって規定されるものとして、発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な詳細な変更がもたらされることができることは、当業者によって理解されるであろう)。より一般的には、当業者は、本明細書中で記載された全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味し、また実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成が、発明の教示が使用される具体的な単一の適用又は複数の適用に依存するであろうことを容易に認識するであろう。当業者は、ルーチン的実験を超えないものを用いて、本明細書中で記載された具体的な発明的な実施の形態に対する多くの同等物を確認することができ、又は認識するであろう。したがって、前述の実施の形態は、単なる例示としてのみ提示されること、及び、添付の特許請求の範囲及びその同等物の範囲内であること;発明的な実施の形態は、具体的に説明され及び特許請求の範囲に記載されたもの以外に実施されることができること、を理解されたい。更に、例示的な実施の形態が、ある数の要素を参照して記載される場合、例示的な実施の形態が、該ある数の要素より少ない要素又は多い要素のいずれかを利用して実施されることができることが理解されるであろう。
【0044】
本明細書に引用される、出版物、特許出願、及び特許を含む全ての参照文献は、各参照文献が個々にかつ具体的に参照によって組み込まれることが示されると共にその全体が本明細書に記載されているかの如くに、同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
本明細書で規定され及び使用されるものとしての全て定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれた文書における定義、及び/又は規定された用語の通常の意味にわたって照らし合わされることであると理解されるべきである。
【0046】
語句「a」及び「an」及び「the」及び「the」並びに本発明を説明する文脈における類似の指示対象の使用(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)は、本明細書中に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」という語句は、別段の指示がない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むがこれに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。「接続される(connected)」という用語は、介在するものが存在する場所に直接接続されていなくても、部分的に又は全体的に中に含まれる、取り付けられる、又は一緒に結び合わされる、として解釈されるべきである。
【0047】
明細書中及び請求の範囲中で使用されるように、1又は複数の要素のリストに言及する用語「少なくとも1つ」は、要素のリスト中の要素のうちの任意の1又は複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するものと理解されるべきであり、要素のリスト中に具体的に列挙された各要素及びいずれかの要素の少なくとも1つを含むことを必ずしも必要とせず、また要素のリスト中の複数の要素を排除しない。この定義は、また、以下のことを可能にする:要素が、任意選択的に、「少なくとも1つ」という語が参照する要素のリスト内において具体的に特定された要素以外に、具体的に特定されたそれらの要素に関連付けられても関係付けられていなくても、存在することができること。従って、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は、等価的に「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は等価的に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)が、一の実施の形態において、任意選択的に1つより多いものを含み、少なくとも1つのAを、Bが存在しない状態で(また、任意選択的に、B以外の要素を含む)参照し;別の実施の形態において、任意選択的に1つより多いものを含み、少なくとも1つのBを、Aが存在しない状態で(また、任意選択的に、A以外の要素を含む)参照し;更に別の実施の形態において、任意選択的に1つより多いものを含み、少なくとも1つのA、及び任意選択的に1つより多いものを含み、少なくとも1つのBを、(また、任意選択的に、他の要素を含む)参照する、等である。
【0048】
また、明確に反対のものに示されない限り、複数のステップ又は行為を含む本件において権利請求されるいずれの方法においても、方法のステップ又は行為の順序は、方法のステップ又は行為が記載された順序に必ずしも限定されないことを理解されたい。
【0049】
明細書及び特許請求の範囲全体を通してここに使用されているような近似言語は、それが関連付けられる基本機能における変更という結果をもたらすことなく、許容範囲内で変化することができる任意の定量的表現を変更するように適用されることができる。これに従って、「約」及び「実質的」のような単一の用語又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともある例では、近似言語は、その値を測定するための器具の精度に対応し得る。ここで、並びに明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲の限定は、組み合わせ及び/又は交換されることができ;そのような範囲は、識別され、またコンテキスト又は言語が別ものを示さない限り、その中に含まれる全てのサブ範囲を含む。
【0050】
本明細書における値の範囲の表記は、本明細書に特に指示がない限り、範囲内にある各別個の値を個々に言及する縮めた表現の方法としての役割を果たすことを意図しているに過ぎず、各別個の値は、本明細書において個別に表記されているかのように、明細書に組み込まれている。
【0051】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特に指示がない限り、又はコンテキストによって明らかに矛盾していない限り、任意の適切な順序で実行されることができる。本明細書に提供された任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば「といった」)の使用は単に本発明の実施の形態をより良く理解するために、意図されるものであり、特に主張しない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。
【0052】
明細書中のいかなる言語も、請求項に記載されていない要素を、発明の実施に不可欠なものとして示すものと解釈すべきではない。
【0053】
特許請求の範囲及び上記明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「運搬する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「関与する(involving)」、「保持する(holding)」、「で構成される(composed of)」及び同類のものといった全ての移行語句は、オープンエンド型、つまり含むことを意味し、それに限定されない、であると理解されるべきである。「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行語句のみが、それぞれ、米国特許庁の特許審査手続マニュアル第2111.03セクションに記載されているように、クローズ型又はセミクローズ型の移行語句であるべきである。
【0054】
本発明に対して種々の修正及び変形が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、為されることができることは、当業者に明らかであろう。開示された特定の単一の形態又は複数の形態に限定する意図はないが、反対に、意図は、添付された特許請求の範囲に規定されているように、発明の精神及び範囲内の該当する全ての修正、代替の構造物、及び均等物をカバーすることである。これ故に、本発明は、本発明の変更及び変形が添付された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にある場合には、本発明の変更及び変形をカバーすることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温と低温との両方においてシリアルシンクロトロン結晶解析のための、固定された標的サンプルのホルダーであって、
ゴニオメーターに適合するように形作られると共に大きさが形成された磁性金属の基部と、
前記基部に取り付けられると共にその軸上に中心のある剛性の平坦なキャリアシートであって、前記キャリアシートは少なくとも1つのアパーチャを形成する、キャリアシートと、
少なくとも2つの厚さの領域のパターンを含むX線透過ポリマーのサンプル支持フィルムであって、該サンプル支持フィルムが前記キャリアシートの少なくとも1つのアパーチャに対して封止されると共に該アパーチャに架かる、サンプル支持フィルムと、
前記サンプル支持フィルムの上において座標系を規定するための前記サンプル支持フィルムの厚領域の上の基準マークのセットと、
サンプルを検査するための透明な窓として作用する、前記サンプル支持フィルムの薄領域のセットと、
を備え、
前記サンプル支持フィルムの上の前記薄領域の各々は、液体内に一又は複数の結晶体を含むサンプルを受け入れるように構成される、
ホルダー。
【請求項2】
前記キャリアシートは、8ミリメートル未満、好ましくは2.5ミリメートル未満の幅と、約18ミリメートルの長さを有する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項3】
前記キャリアシートは、25マイクロメートルと500マイクロメートルとの間の厚さを有する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項4】
前記キャリアシートは、前記アパーチャの下の領域において50~500マイクロメートルの厚さと、前記アパーチャの領域において25~200マイクロメートルの厚さとを有する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項5】
前記キャリアシートは、拡散X線散乱のみを生成すると共にシャープな回折ピークを生成しない、配向無しのポリマーを含む剛性の材料である、
請求項1に記載のホルダー
【請求項6】
前記サンプル支持フィルムが、前記キャリアシートの幅に等しい又はそれ未満の幅を有する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項7】
前記サンプル支持フィルムが、1ミリメートルと15ミリメートルとの間の長さを有する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項8】
前記サンプル支持フィルムが、10マイクロメートルから25マイクロメートルの最大厚さを有する
請求項1に記載のホルダー
【請求項9】
前記サンプル支持フィルムが、0.5マイクロメートルと3マイクロメートルとの間の厚さの窓を有する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項10】
前記サンプル支持フィルムの前記薄領域は、各々、1マイクロメートルと20マイクロメートルとの間の直径の少なくとも1つのスルーホールを形成し、該スルーホールを介して前記サンプル支持フィルムの上面の上に存在する液体が引き抜かれることができる、
請求項1に記載のホルダー
【請求項11】
前記サンプル支持フィルムの前記薄領域は、更に、表面テクスチャを含む
請求項に記載のホルダー
【請求項12】
前記表面テクスチャは、ポスト又は突起のアレイである、
請求項11に記載のホルダー
【請求項13】
前記サンプル支持フィルムの上の1又は複数の円形窓は、各々、1又は複数の厚い同心のリングによって囲まれており、該リングは、液体接触線をピン止めすることによって前記円形窓の各々の上に堆積されたサンプルが前記円形窓の隣の円形窓に広がることを防止するように作用する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項14】
前記サンプル支持フィルムの上の1又は複数の円形窓は、各々、1又は複数の同心のうねのある環状アパーチャによって囲まれており、該環状アパーチャは、前記円形窓の各々の上に堆積されたサンプルが前記円形窓の隣の円形窓に広がることを防止するように作用する、
請求項1に記載のホルダー
【請求項15】
前記サンプル支持フィルムは、接着材、接着性ガスケット、超音波ボンディング、又は前記キャリアシートに対して前記サンプル支持フィルムを押圧する別フレームを用いて前記キャリアシートに取り付けられる、
請求項1に記載のホルダー
【請求項16】
前記基部に取り外し可能に取り付けられるように大きさが形成された蒸気封止チューブを更に含んで、前記蒸気封止チューブが前記基部に取り付けられるときに、前記蒸気封止チューブは、前記キャリアシートを囲む、
請求項1に記載のホルダー
【請求項17】
前記蒸気封止チューブは、水和溶液を含む吸収性プラグを有する、
請求項16に記載のホルダー
【請求項18】
前記キャリアシートの上面及び前記サンプル支持フィルムの下面を封止できる接着性ガスケットを持つX線透過の薄い封止フィルムを更に含む、
請求項1に記載のホルダー
【国際調査報告】