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特表2022-5247693Dプリンター及び3Dプリンティング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】3Dプリンター及び3Dプリンティング方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/165 20170101AFI20220427BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220427BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220427BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220427BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220427BHJP
   B29C 64/227 20170101ALI20220427BHJP
   B22F 10/14 20210101ALI20220427BHJP
   B22F 10/31 20210101ALI20220427BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20220427BHJP
   B22F 12/80 20210101ALI20220427BHJP
【FI】
B29C64/165
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/393
B29C64/227
B22F10/14
B22F10/31
B22F12/90
B22F12/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553131
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2020082241
(87)【国際公開番号】W WO2020200183
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】201910255297.9
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519035045
【氏名又は名称】コーセル インテリジェント マシーナリ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOCEL INTELLIGENT MACHINERY LIMITED
【住所又は居所原語表記】298# Ningshuo Street Yinchuan,Ningxia 750021(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ジージュン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,イー
(72)【発明者】
【氏名】ポン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,バオ
(72)【発明者】
【氏名】フェァ,ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】モン,ナンファ
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AP06
4F213AQ01
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL73
4F213WL74
4F213WL75
4F213WL95
4K018CA44
4K018EA51
(57)【要約】
本出願に係る3Dプリンター及び3Dプリンティング方法は、3Dプリンティングの技術分野に属する。この3Dプリンターは、フレームを備え、前記フレーム内に作業領域が形成され、前記作業領域内に、粉末敷き装置、プリンティング装置及び運動装置が設置され、前記運動装置により、前記粉末敷き装置及び前記プリンティング装置が、異なる移動経路に沿って交差して移動するように同時に駆動されて、前記粉末敷き装置及び前記プリンティング装置により粉末敷き及びプリンティングが同時に実行される。これによって、従来技術において、粉末敷きとプリンティングがそれぞれのステップで順に実行され、待ち時間があるため、各層の粉末敷き、プリンティングの周期が比較的に長く、3D設備のプリンティング効率が大きく制限されていた技術問題を解決できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(100)を備え、前記フレーム(100)内に作業領域が形成され、
前記作業領域内に、粉末敷き装置(200)、プリンティング装置(300)及び運動装置(400)が設置され、
前記運動装置(400)により、前記粉末敷き装置(200)及び前記プリンティング装置(300)が、異なる移動経路に沿って交差して移動するように同時に駆動されて、前記粉末敷き装置(200)及び前記プリンティング装置(300)により粉末敷き及びプリンティングが同時に実行される
ことを特徴とする3Dプリンター。
【請求項2】
前記運動装置(400)は、ガイド機構(410)と、駆動機構(420)と、検出用センシング部材(430)とを含み、
前記駆動機構(420)が、前記ガイド機構(410)と伝動接続され、前記検出用センシング部材(430)が、前記ガイド機構(410)に設置され、前記粉末敷き装置(200)及び前記プリンティング装置(300)の位置を検出するように構成され、
前記プリンティング装置(300)及び前記粉末敷き装置(200)がいずれも前記ガイド機構(410)に設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンター。
【請求項3】
造形平台(500)を更に備え、
前記粉末敷き装置(200)が前記造形平台(500)の幅以上の長さを有し、
前記駆動機構(420)が前記ガイド機構(410)を、前記造形平台(500)において移動するように駆動する
ことを特徴とする請求項2に記載の3Dプリンター。
【請求項4】
前記ガイド機構(410)は、第1ガイドブラケット(411)と第2ガイドブラケット(412)とを備え、
前記粉末敷き装置(200)が前記第1ガイドブラケット(411)に取り付けられ、前記プリンティング装置(300)が前記第2ガイドブラケット(412)に取り付けられ、
前記第1ガイドブラケット(411)及び前記第2ガイドブラケット(412)がいずれも第1方向に沿って往復移動可能である。
ことを特徴とする請求項3に記載の3Dプリンター。
【請求項5】
前記粉末敷き装置(200)が前記第1ガイドブラケット(411)に伴って前記造形平台(500)の前記第1方向に沿って往復移動可能であり、
前記プリンティング装置(300)が前記第2ガイドブラケット(412)に伴って前記造形平台(500)の前記第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第2方向に沿って往復移動可能であり、前記第1方向が前記第2方向に垂直な方向であり、
前記プリンティング装置(300)の前記第2方向に沿う移動の変位距離が前記粉末敷き装置(200)の長さよりも大きい
ことを特徴とする請求項4に記載の3Dプリンター。
【請求項6】
前記粉末敷き装置(200)が前記第1ガイドブラケット(411)に伴って前記造形平台(500)の前記第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第3方向に沿って往復移動可能であり、
前記プリンティング装置(300)が前記第2ガイドブラケット(412)に伴って前記造形平台(500)の前記第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第2方向及び第3方向に沿って往復移動可能であり、前記第1方向、第2方向及び前記第3方向が互いに垂直な方向であり、
前記プリンティング装置(300)の前記第2方向に沿う移動の変位距離が前記粉末敷き装置(200)の長さよりも大きく、又は、前記プリンティング装置(300)の第3方向に沿う移動距離が前記粉末敷き装置(200)の位置の高さよりも高い
ことを特徴とする請求項4に記載の3Dプリンター。
【請求項7】
前記造形平台(500)は、タンクを備え、前記タンクの底板が第3方向に沿って上下移動可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の3Dプリンター。
【請求項8】
前記造形平台(500)は、平板を備え、前記平板が上下移動が不可能であることを特徴とする請求項4又は6に記載の3Dプリンター。
【請求項9】
プリンティング用液体材料を提供する液体材料装置(600)を更に備え、前記液体材料装置(600)が、前記フレーム(100)の内部に設置され、又は、前記フレーム(100)と別体に設置される
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の3Dプリンター。
【請求項10】
前記粉末敷き装置(200)に粉末を提供する粉末処理システム(700)を更に備え、
前記粉末処理システム(700)が前記フレーム(100)と別体に設置される
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の3Dプリンター。
【請求項11】
搬送装置(800)を更に備え、
前記搬送装置(800)は、伝動アッセンブリにより前記造形平台(500)を、前記作業領域に対して入ったり出たりするように移動させる
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の3Dプリンター。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の3Dプリンターを利用して3Dプリンティングを実行する3Dプリンティング方法であって、
粉末敷き装置(200)によりプリンティング装置(300)の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置(300)が粉末敷き方向に垂直な方向に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を噴射することと、
プリンティング装置(300)が接着剤を噴射する過程において粉末敷き装置(200)が途切れなく粉末敷き作業を実行し、粉末敷き装置(200)により2つ目の、プリンティング装置(300)の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置(300)が粉末敷き方向に沿って1つのプリンティング装置(300)の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置(300)の移動方向と逆の方向に沿って二筋目の接着剤を噴射することと、
このように、粉末敷き装置(200)及びプリンティング装置(300)により第1層の全部の粉末敷き及びプリンティングの作業が完了するまで繰り返すことと、を含む
ことを特徴とする3Dプリンティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本出願は、2019年04月01日に中国専利局に提出された、出願番号がCN201910255297.9であり、名称が「3Dプリンター及び3Dプリンティング方法」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その全ての内容が、参照により本出願に組み込まれる。
技術分野
本出願は、3Dプリンティングの技術分野に属し、殊に、3Dプリンター及び3Dプリンティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンティング(3D Printing)は、高速造形技術として、デジタルモデルに基づいて、粉末状の金属又はプラスチック等の接着可能な材料を利用して、層を次々と積み重ねてプリンティングする方式により物体をつくりだす技術である。
【0003】
関連技術に係る3Dプリンターの具体的なプリンティングプロセスは、まず平台に1層の粉末を均一に敷いて、プリントヘッドが走査して特定領域内に液体材料を噴射して噴射部位の粉末を接着させ、そして、平台を所定の層の厚さに相当する距離で降下させ、全ての層の粉末敷き、プリンティング作業が完了するまで上記のステップを繰り返す。上記の技術による粉末3Dプリンターは、粉末敷きとプリンティングとがそれぞれのステップで順に実行され、待ち時間があるため、各層の粉末敷き、プリンティングの周期が比較的長く、設備のプリンティング効率が大きく制限されていた。効率を向上させようとする場合、プリンティング面積を増大させ、粉末敷き及びプリンティングの速度を向上させ、プリントヘッドの幅を増大させる等の方法で実現するしかない。しかし、上記の方法において、プリンティング面積を増大すれば、設備全体の製造難易度も上がり、実現できない場合もある。また、粉末敷き及びプリンティングの速度は、限界があり、更に向上させることは困難である。プリントヘッドの幅を増大すれば、設備の製造、メンテナンスのコストが大幅に上がり、制御がより難しくなる。つまり、上記の方法は、設備のプリンティング効率をほんの少ししか向上させることができず、粉末を利用する3Dプリンティング技術の産業化普及、応用の要求に到底応えることができない。
【0004】
この背景技術の部分に開示された情報は、本出願の全体の背景技術に対する理解を深めるためのものにすぎず、この情報が、当業者であれば周知された従来技術であると認められたり、いかなる形式で暗示されたりするものではない。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、従来技術において、粉末敷きとプリンティングがそれぞれのステップで順に実行され、待ち時間があるため、各層の粉末敷き、プリンティングの周期が比較的長く、3D設備のプリンティング効率が大きく制限されていた技術問題を改善できる3Dプリンター及び3Dプリンティング方法を提供することを目的とする。
【0006】
第1局面において、本出願に係る3Dプリンターは、フレームを備え、前記フレーム内に作業領域が形成され、
前記作業領域内に、粉末敷き装置、プリンティング装置及び運動装置が設置され、
前記運動装置により、前記粉末敷き装置及び前記プリンティング装置が、異なる移動経路に沿って交差して移動するように同時に駆動されて、前記粉末敷き装置及び前記プリンティング装置により粉末敷き及びプリンティングが同時に実行される。
【0007】
さらに、前記運動装置は、ガイド機構と、駆動機構と、検出用センシング部材とを含み、
前記駆動機構が、前記ガイド機構と伝動接続され、前記検出用センシング部材が、前記ガイド機構に設置され、前記粉末敷き装置及び前記プリンティング装置の位置を検出するように構成され、
前記プリンティング装置及び前記粉末敷き装置がいずれも前記ガイド機構に設置される。
【0008】
さらに、前記3Dプリンターは、造形平台を更に備え、
前記粉末敷き装置が前記造形平台の幅以上の長さを有し、
前記駆動機構が前記ガイド機構を、前記造形平台において移動するように駆動する。
【0009】
さらに、前記ガイド機構は、第1ガイドブラケットと第2ガイドブラケットとを備え、
前記粉末敷き装置が前記第1ガイドブラケットに取り付けられ、前記プリンティング装置が前記第2ガイドブラケットに取り付けられ、
前記第1ガイドブラケット及び前記第2ガイドブラケットがいずれも第1方向に沿って往復移動可能である。
【0010】
さらに、前記粉末敷き装置が前記第1ガイドブラケットに伴って前記造形平台の前記第1方向に沿って往復移動可能であり、
前記プリンティング装置が前記第2ガイドブラケットに伴って前記造形平台の前記第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第2方向に沿って往復移動可能であり、前記第1方向が前記第2方向に垂直な方向であり、
前記プリンティング装置の前記第2方向に沿う移動の変位距離が前記粉末敷き装置の長さよりも大きい。
【0011】
さらに、前記粉末敷き装置が前記第1ガイドブラケットに伴って前記造形平台の前記第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第3方向に沿って往復移動可能であり、
前記プリンティング装置が前記第2ガイドブラケットに伴って前記造形平台の前記第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第2方向及び第3方向に沿って往復移動可能であり、前記第1方向、第2方向及び前記第3方向が互いに垂直な方向であり
前記プリンティング装置の前記第2方向に沿う移動の変位距離が前記粉末敷き装置の長さよりも大きく、又は、前記プリンティング装置の第3方向に沿う移動距離が前記粉末敷き装置の位置の高さよりも大きい。
【0012】
さらに、前記造形平台はタンクを備え、前記タンクの底板が前記第3方向に沿って上下移動可能である。
【0013】
さらに、前記造形平台は平板を備える。
【0014】
さらに、プリンティング用液体材料を提供する液体材料装置を更に備え、前記液体材料装置が、前記フレームの内部に設置され、又は、前記フレームと別体に設置される。
【0015】
さらに、前記粉末敷き装置に粉末を提供する粉末処理システムを更に備え、
前記粉末処理システムが前記フレームと別体に設置される。
【0016】
さらに、搬送装置を更に備え、
前記搬送装置は、伝動アッセンブリにより前記造形平台を、前記作業領域に対して入ったり出たりするように移動させる。
【0017】
第2局面において、本出願に係る3Dプリンティング方法は、第1局面におけるいずれか1種の3Dプリンターを利用して3Dプリンティングを実行し、
粉末敷き装置によりプリンティング装置の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置が粉末敷き方向に垂直な方向に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を噴射することと、
プリンティング装置が接着剤を噴射する過程において粉末敷き装置が途切れなく粉末敷き作業を実行し、粉末敷き装置により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置が粉末敷き方向に沿って1つのプリンティング装置の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置の移動方向と逆の方向に沿って二筋目の接着剤を噴射することと、
このように、粉末敷き装置及びプリンティング装置により第1層の全部の粉末敷き及びプリンティング作業が完了するまで繰り返すことと、を含む。
【0018】
本出願に係る3Dプリンター及び3Dプリンティング方法は、少なくとも下記の有益な効果を有する。
【0019】
本出願に係る3Dプリンターは、フレームを備え、フレーム内に作業領域が形成され、作業領域内に、粉末敷き装置、プリンティング装置及び運動装置が設置され、運動装置により、粉末敷き装置及びプリンティング装置が、異なる移動経路に沿って交差して移動するように同時に駆動されて、粉末敷き装置及びプリンティング装置により粉末敷き及びプリンティングが同時に実行される。
【0020】
1層の粉末材料を均一に敷いて、同時に1層の接着剤を噴射する方式により、層を次々と積み重ねて、3D物体の造形実現する。本出願に係る3Dプリンターは、少なくとも1つの粉末敷き装置及び少なくとも1組のプリンティング装置の同時作業が実現され、そして、同一組内の粉末敷き装置とプリンティング装置とが同時に作動できるため、作業過程における待ち時間を効果的になくし、途切れることのない粉末敷き及びプリンティングを実現することができる。これによって、プリンティング効率を大幅に向上させ、プリンティングのコストが抑えられ、粉末を利用する3Dプリンティングの各分野における産業化応用の推進に対する保障を提供することができる。
【0021】
一方、粉末敷き及びプリンティング作業が同時に進行することができ、待ち時間による時間の無駄が避けられ、プリンティング効率を顕著に向上させることができる。他方、複数の粉末敷き装置及び複数のプリンティング装置により作業領域内の異なる造形平台において同時にプリンティング作業を行うことができ、そして、各造形平台のそれぞれのプリンティングするモデル及びレイアウトニーズに応じて自在に設定することが可能である。
【0022】
本出願に係る3Dプリンティング方法は、第1局面におけるいずれか1種の上記の3Dプリンターを利用して3Dプリンティングを実行し、粉末敷き装置によりプリンティング装置の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置が粉末敷き方向に垂直な方向に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を噴射することと、プリンティング装置が接着剤を噴射する過程において粉末敷き装置が途切れなく粉末敷き作業を実行し、粉末敷き装置により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置が粉末敷き方向に沿って1つのプリンティング装置の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置の移動方向と逆の方向に沿って二筋目の接着剤を噴射することと、このように、粉末敷き装置及びプリンティング装置により第1層の全部の粉末敷き及びプリンティング作業が完了するまで繰り返すことと、を含む。
【0023】
粉末敷き装置及びプリンティング装置の途切れない協働作業の方法によれば、操作がより自在になり、プリンティング効率を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本出願の具体的な実施形態又は従来技術における技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態又は従来技術に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、説明する図面は、本出願のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとって、発明能力を用いなくても、これらの図面を基に他の図面を得ることが可能である。
図1】本出願における実施例による3Dプリンター全体の模式的構成図である。
図2】本出願における実施例による粉末処理システムの模式的斜視図である。
図3】本出願における実施例による液体材料装置の模式的斜視図である。
図4】本出願における実施例による運動装置の模式的斜視図である。
図5】本出願における実施例による粉末敷き装置及びプリンティング装置の一実施例の模式的構成図である。
図6】本出願における実施例による粉末敷き装置及びプリンティング装置のもう一実施例の模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本出願の技術案をより明瞭、完全に説明する。説明する実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例を基に、当業者が発明能力を用いることなく獲得する全ての他の実施例も、本出願の保護範囲に属する。
【0026】
本出願の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」及び「外」等の用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、本出願を簡単及び簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたりすることを明示又は暗示するものではないため、本出願を限定するものではないと理解すべきである。また、用語「第1」、「第2」及び「第3」は、説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではないと理解すべきである。
【0027】
本出願の説明において、別途の明確な定義や限定がない限り、用語「取付」、「連係」及び「接続」を、広義的に理解すべきである。例えば固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0028】
以下、図面を参照しながら本出願の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施形態は、本出願を説明、解釈するためのものにすぎず、本出願を限定するものではない。
【0029】
以下、図1図6を参照しながら本出願における実施例による3Dプリンター及び3Dプリンティング方法を詳細に説明する。
【0030】
第1局面において、本出願における実施例による3Dプリンターは、フレーム100を備え、フレーム100内に作業領域が形成される。作業領域内に、粉末敷き(粉体散布)装置200、プリンティング(印刷)装置300及び運動(移動)装置400が設置される。運動装置400により、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300が、異なる移動経路に沿って交差して移動するように同時に駆動されて、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300により粉末敷き及びプリンティングが同時に実行される。
【0031】
図1に示すように、1層の粉末材料を均一に敷いて、同時に1層の接着剤を噴射する方式により、層を次々と積み重ね(積層し)て、3D物体の造形を実現する。本出願に係る3Dプリンターは、少なくとも1つの粉末敷き装置200及び少なくとも1つのプリンティング装置300の同時作業が実現され、そして、同一組内の粉末敷き装置200とプリンティング装置300とが同時に作動できるため、作業過程における待ち時間を効果的になくし、途切れることのない粉末敷き及びプリンティングを実現することができ、プリンティング効率を大幅に向上させ、プリンティングのコストが抑えられる。これによって、粉末を利用する3Dプリンティングの各分野における産業化応用の推進に対する保障を提供することができる。
【0032】
また、粉末敷き及びプリンティング作業を同時に進行することができ、待ち時間による時間の無駄が避けられ、プリンティング効率を顕著に向上させることができる。さらに、複数の粉末敷き装置200及び複数のプリンティング装置300により、作業領域内の異なる造形平台500において同時にプリンティング作業を行うことができる。そして、各造形平台500のそれぞれのプリンティングするモデル及びレイアウトを必要に応じて自在に設定することが可能である。
【0033】
図4に示すように、運動装置400は、ガイド機構410と、駆動機構420と、検出用センシング部材430とを含む。
【0034】
駆動機構420は、ガイド機構410と伝動接続される。検出用センシング部材430は、ガイド機構410に設置され、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300の位置を検出するように構成される。
【0035】
プリンティング装置300及び粉末敷き装置200は、いずれもガイド機構410に設置される。
【0036】
さらに、3Dプリンターは、造形平台500を更に備える。
【0037】
粉末敷き装置200は、造形平台500の幅以上の長さを有する。
【0038】
駆動機構420は、ガイド機構410を、造形平台500において移動するように駆動する。
【0039】
具体的には、ニーズに応じて制御装置内にプログラムを予め設定する必要があり、制御装置の選択に関しては既存の技術である。主に、異なるニーズに応じて制御装置内のプログラムをプログラミング、デバッグすることにより、運動装置400で、造形平台500、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300を、それぞれ独立して所定の方向及び経路に沿って動作するように駆動する。これによって、運動装置400により粉末敷き装置200とプリンティング装置300との同時動作を実現させるとともに、特定の位置において、運動装置400により粉末敷き装置200とプリンティング装置300とを、互いに回避して衝突のないように粉末敷き及びプリンティング作業の往復動作を実行するように駆動させることができる。
【0040】
駆動機構420は、電動機により駆動される歯車・ラック、タイミングベルト及び/又はスクリュー等の方式で実現される。位置測定装置は、プリンティング装置300の位置を検出できる赤外線センサ又は位置センサ等を用いることができる。これによって、プリンティング装置300と粉末敷き装置200とのより良い共働に寄与できる。
【0041】
まず、以下で用いられる3つの方向を説明すると、図面におけるY方向が第1方向とされ、X方向が第2方向とされ、Z方向が第3方向とされている。
【0042】
ガイド機構410は、第1ガイドブラケット411と、第2ガイドブラケット412とを含む。
【0043】
粉末敷き装置200が第1ガイドブラケット411に取り付けられ、プリンティング装置300が第2ガイドブラケット412に取り付けられる。
【0044】
第1ガイドブラケット411及び第2ガイドブラケット412は、いずれも第1方向に沿って往復移動可能である。2つのガイドブラケットの具体的な形状は、第1方向に沿う往復移動が可能であり、駆動機構420によって駆動されるものであれば、限定されない。駆動機構420の具体的な構造は、シリンダ、油圧シリンダ、電動機により駆動される歯車・ラック、タイミングベルト、スクリュー等であってもよい。
【0045】
粉末敷き装置200とプリンティング装置300との取付方式は、多種の選択肢があり、具体的に、下記の案を選択できる。
【0046】
第1方式
粉末敷き装置200は、第1ガイドブラケット411に伴って造形平台500の第1方向に沿って往復移動可能である。
【0047】
プリンティング装置300は、第2ガイドブラケット412に伴って造形平台500の第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第2方向に沿って往復移動可能である。第1方向は、第2方向に垂直な方向である。
【0048】
プリンティング装置300の第2方向に沿う移動の変位距離が粉末敷き装置200の長さよりも大きい。
【0049】
具体的に、第1方向(Y方向)は、作業領域における造形平台500に位置するタンクの長手方向と平行である。プリンティング装置300を待たせずにプリンティング装置300と粉末敷き装置200とが共働して連続作業することに寄与するため、プリンティング装置300と粉末敷き装置200との速度比を調節する。例えばプリンティング装置300の速度は、粉末敷き装置200の速度の2~5倍、すなわち2倍、3倍、4倍又は5倍を選択することができる。具体的にプリンティング装置300の速度を粉末敷き装置200の速度の何倍に設定するかについては、タンクの大きさ及びプリンティング装置300、粉末敷き装置200の型番の選択に関わる。
【0050】
粉末敷き装置200の移動方向が水平の一方向である第1方向(Y方向)であり、プリンティング装置300の移動方向が水平の互いに垂直な2つの方向である第1方向及び第2方向(Y/X方向)である。粉末敷き装置200が単方向の粉末敷きを終えて復帰するとき、プリンティング装置300が、粉末敷き方向に垂直な方向である第2方向(X方向)に沿って粉末敷き装置200の長さ範囲外に移動することにより、粉末敷き装置200が復帰するときにプリンティング装置300との干渉又は衝突がないことを実現する。具体的な作業過程は、下記のとおりである。
【0051】
プリンティング作業が開始すると、搬送装置800が少なくとも1つの造形平台500を、それぞれ独立した少なくとも1つの作業領域内に進入するように移動させる。粉末敷き装置200が先に作業を開始し、第1方向の正方向(Y+方向)に沿って造形平台500の上に設定可能な厚さの粉末を1層均一に敷き、粉末敷き装置200により1つのプリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、粉末敷き装置200と同一作業領域に配置されたプリンティング装置300が、粉末敷き方向に垂直な方向である第2方向の正方向(X+方向)に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を均一に噴射し、プリンティング装置300が接着剤を噴射する過程において粉末敷き装置200が途切れなく正常に粉末敷き作業を実行する。さらに、粉末敷き装置200により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置300が先に粉末敷き方向である第1方向の正方向(Y+方向)に沿って1つのプリンティング装置300の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置300の移動方向と逆の方向である第2方向の逆方向(X-方向)に沿って二筋目の接着剤を噴射する。このように、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300により第1層の全部の粉末敷き及びプリンティングの作業が完了するまで繰り返す。このとき、プリンティング装置300が粉末敷き装置200の移動方向に垂直な方向に沿って、粉末敷き装置200の長さ範囲外の位置まで移動するため、粉末敷き装置200が、逆方向である第1方向の逆方向(Y-方向)に沿って粉末敷き作業を実行するとき、プリンティング装置300と衝突することがないように確保される。
【0052】
同様に、粉末敷き装置200により第1方向の逆方向(Y-方向)に沿って1つのプリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、粉末敷き装置200と同一作業領域に配置されたプリンティング装置300が、粉末敷き方向に垂直な方向である第2方向(X方向)に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を均一に噴射する。粉末敷き装置200により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置300が先に粉末敷き方向である第1方向の逆方向(Y-方向)に沿って1つのプリンティング装置300の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置300の移動方向とは逆の方向に沿って二筋目の接着剤を噴射する。このように、層を次々と積み重ねて後続の全ての層の粉末敷き及びプリンティングが完了するまで繰り返して、プリンティング作業が完了する。粉末敷き装置200とプリンティング装置300との回避方式は、水平方向での回避である。
【0053】
第2方式
粉末敷き装置200は、第1ガイドブラケット411に伴って造形平台500の第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第3方向に沿って往復移動可能である。
【0054】
プリンティング装置300は、第2ガイドブラケット412に伴って造形平台500の第1方向に沿って往復移動可能であるとともに第2方向及び第3方向に沿って往復移動可能である。第1方向、第2方向及び第3方向が互いに垂直な方向である。
【0055】
プリンティング装置300の第2方向に沿う移動の変位距離は粉末敷き装置200の長さよりも大きく、又は、プリンティング装置300の第3方向に沿う移動距離は粉末敷き装置200の位置の高さよりも高い。
【0056】
粉末敷き装置200の移動方向は水平方向における第1方向(Y方向)であるとともに粉体の噴射に寄与するために第3方向(Z方向)に沿って上下に移動が可能である。プリンティング装置300の移動方向は、水平の互いに垂直な2つの方向である第1方向、第2方向(Y/X方向)と縦方向(Z方向)である。粉末敷き装置200が1方向に沿う粉末敷きを終えて復帰するとき、プリンティング装置300が、第3方向(Z向)に沿って粉末敷き装置200の高さ範囲外に移動することにより、粉末敷き装置200が復帰するときにプリンティング装置300との衝突がないことを実現する。そして、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300のいずれも第3方向において上下移動可能であるため、造形平台500における底板として上下移動不能な平板を用いれば3Dプリンティングを実現することができる。
【0057】
具体的な作業過程は、下記のとおりである。プリンティング作業が開始すると、搬送装置800が少なくとも1つの造形平台500を、それぞれ独立した少なくとも1つの作業領域内に進入するように移動させ、粉末敷き装置200が先に作業を開始し、第1方向の正方向(Y+方向)に沿って造形平台500上に設定可能な厚さの粉末を1層均一に敷き、粉末敷き装置200により1つのプリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、粉末敷き装置200と同一作業領域に配置されたプリンティング装置300が、粉末敷き方向に垂直な方向である第2方向の正方向(X+方向)に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を均一に噴射し、プリンティング装置300が接着剤を噴射する過程において粉末敷き装置200が途切れなく正常に粉末敷き作業を実行する。さらに、粉末敷き装置200により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置300が先に粉末敷き方向である第1方向の正方向(Y+方向)に沿って1つのプリンティング装置300の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置300の移動方向と逆の方向である第2方向の逆方向(X-方向)に沿って二筋目の接着剤を噴射する。このように、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300により第1層の全部の粉末敷き及びプリンティングの作業が完了するまで繰り返す。このとき、プリンティング装置300が縦方向である第3方向(Z方向)に沿って、粉末敷き装置200の高さ範囲外の位置まで移動するため、粉末敷き装置200が、第1方向の逆方向(Y-方向)に沿って粉末敷き作業を実行するとき、プリンティング装置300と衝突することがないように確保される。
【0058】
同様に、粉末敷き装置200により第1方向の逆方向(Y-方向)に沿って1つのプリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、粉末敷き装置200と同一作業領域に配置されたプリンティング装置300が、粉末敷き方向に垂直な第1方向(Y向)に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を均一に噴射する。粉末敷き装置200により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、前記プリンティング装置300が先に粉末敷き方向である第1方向の逆方向(Y-方向)に沿って1つのプリンティング装置300の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置300の移動方向と逆の方向に沿って二筋目の接着剤を噴射する。このように、層を次々と積み重ねて後続の全ての層の粉末敷き及びプリンティングが完了するまで繰り返して、プリンティング作業が完了する。該実施例の特徴として、前記粉末敷き装置200と前記プリンティング装置300との回避方式が縦方向での回避である。
【0059】
ここで、造形平台500には、底板がタンクの深さ方向(第3方向、すなわちZ方向)に沿って上下移動可能なタンク又は上下移動が不可能な平板を用いることができ、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300に対応して選択すればよい。すなわち、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300が第3方向に沿って上下移動可能である場合、平板を用い、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300が第3方向に沿って上下移動が不可能である場合、タンクを用いる。これによって、3Dプリンティングにおいて粉末敷き装置200及びプリンティング設備が常に底板に近接することを保障できる。
【0060】
本出願における実施例による3Dプリンターは、プリンティング用液体材料を提供する液体材料装置600を更に備え、液体材料装置600が、フレーム100の内部に設置され、又は、フレーム100と別体に設置される。具体的に、液体材料装置600は、ボルト、ネジによりフレーム100と取外し可能に接続されてもよく、溶接、かしめにより直接フレーム100と固定接続されてもよい。
【0061】
ここで、液体材料装置600は、システムにプリンティング用硬化剤、接着剤及び洗浄剤等の液体材料を提供するための液体材料箱610、液体材料ポンプ620、濾過ユニット630、管路640及び制御弁650等を含む。液体材料ポンプ620により液体材料を液体材料箱610から吸い上げて管路640を経由して濾過ユニット630に流れ込ませ、濾過された液体材料が別の液体材料ポンプ620により吸い上げられて3Dプリンターに供給され、制御弁650により3Dプリンターからの信号に基づいて液体材料の供給を開始、停止させる。
【0062】
さらに、粉末敷き装置200に粉末を提供する粉末処理システム700を備え、粉末処理システム700がフレーム100と別体に設置される。
【0063】
ここで、粉末処理システム700は、重量量り、径均一パイプによる注射及び/又は定量筒等の方式により複数種材料の定量配合比の混合を実現することができる。複数種材料は、固体と液体との混合、固体と固体との混合又は液体と液体との混合であってもよく、メッシュの異なる砂、石膏、金属粉末又はナイロンなどのような同種類で粒度の異なる材料の混合であってもよく、上記の異なる材料の混合であってもよい。フレーム100の外部に独立して配置された粉末処理システム700は、1つ又は複数の粉末敷き装置200に安定な粉末供給を提供することができる。粉末処理システム700は、粉末供給装置710、粉末混合装置720、粉末搬送装置730、定量装置740及び振動落下装置750等のユニットを含む。粉末材料が粉末搬送装置730により粉末供給装置710に搬入され、搬入された粉末の量が定量装置740により自動的に測定され、所定の粉末量に達した時点で搬入が停止され、このとき、振動落下装置750が制御信号に基づいて振動を開始させ、対応の制御弁が開弁し、振動により粉末供給装置710における所定量の粉末を落下させて、粉末混合装置720に入れることができる。1回又は複数回の上記の操作により、粉末混合装置720に所定量の複数種材料が入れられ、粉末混合装置720をオンにし、複数種の材料を均一に混合させて、3Dプリンターに供給する。
【0064】
さらに、搬送装置800を備え、搬送装置800は、ロール搬送装置、ベルト搬送装置、チェーン搬送装置、AGV搬送車及び/又はRGV搬送車などであってもよい。
【0065】
搬送装置800は、伝動アッセンブリにより造形平台500を、作業領域に対して入ったり出たりするように移動させる。
【0066】
なお、ここで、伝動アッセンブリとしては、造形平台500の水平方向に沿う出入り動作を実現可能である、電動機により駆動されるロール、チェーン又はタイミングベルト等を用いることができる。
【0067】
搬送装置800は、固定された昇降ロール及び自動搬送台車等とつなぐことにより、1台又は複数台の本出願における実施例による3Dプリンターの物流上のつなぎ、及び本出願における実施例による3Dプリンターと粉末除去設備とのつなぎを実現させる。
【0068】
第2局面において、本出願に係る3Dプリンティング方法は、上記の第1局面におけるいずれか1種の3Dプリンターを利用して3Dプリンティングを実行し、
粉末敷き装置200によりプリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置300が粉末敷き方向に垂直な方向に沿って粉末層の上に一筋目の接着剤を噴射することと、
プリンティング装置300が接着剤を噴射する過程において粉末敷き装置200が途切れなく粉末敷き作業を実行し、粉末敷き装置200により2つ目(二筋目)の、プリンティング装置300の幅分の粉末敷きが完了したとき、プリンティング装置300が粉末敷き方向に沿って1つのプリンティング装置300の幅分だけ移動し、そして、一筋目の接着剤を噴射するときのプリンティング装置300の移動方向と逆の方向に沿って二筋目の接着剤を噴射することと、
このように、粉末敷き装置200及びプリンティング装置300により第1層の全部の粉末敷き及びプリンティングの作業が完了するまで繰り返すこととを含む。
【0069】
粉末敷き装置200及びプリンティング装置300の途切れない共働作業の方法によれば、操作がより自在になり、プリンティング効率を大幅に向上させる。
【0070】
上記において本出願に係る3Dプリンター及び3Dプリンティング方法を説明したが、本出願が上記の具体的な実施形態に限定されず、特許請求の範囲から逸脱しない限り、様々な変形又は変更を実施することができる。本出願は、特許請求の範囲内の各種の変形及び変更を含む。
【0071】
なお、上記の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものにすぎず、限定するものではない。上記の各実施例を用いて本出願を詳細に説明したが、当業者であれば、上記の各実施例に記載された技術案を変更し、あるいはその一部又は全部の技術的特徴に対して均等置換を行うことができる。これらの変更又は置換は、該当技術案の主旨を本出願の各実施例による技術案の範囲から逸脱させない。
【符号の説明】
【0072】
100 フレーム
200 粉末敷き装置
300 プリンティング装置
400 運動装置
410 ガイド機構
411 第1ガイドブラケット
412 第2ガイドブラケット
420 駆動機構
430 検出用センシング部材
500 造形平台
600 液体材料装置
610 液体材料箱
620 液体材料ポンプ
630 濾過ユニット
640 管路
650 制御弁
700 粉末処理システム
710 粉末供給装置
720 粉末混合装置
730 粉末搬送装置
740 定量装置
750 振動落下装置
800 搬送装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】