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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】複数の複合構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220427BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G05B19/05 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553340
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2020058605
(87)【国際公開番号】W WO2020201029
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019108242.0
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】521402365
【氏名又は名称】ユニフレックス-ハイドロウリック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】バウムガルトナー,カールステン
(72)【発明者】
【氏名】ポート,フーベルト
【テーマコード(参考)】
3C100
5H220
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA29
3C100AA57
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC14
3C100DD05
3C100DD22
3C100DD25
3C100DD32
5H220AA04
5H220BB09
5H220CC09
5H220GG25
5H220JJ12
(57)【要約】
複合構造体を製造するために、いずれも少なくとも1個の対象構成部材をラジアルプレス機(R)内で可塑性にラジアル変形させ、そのラジアルプレス機(R)の制御ユニット(6)がいずれもPLC機械制御(5)とBTLE通信モジュール(7)を備え、その通信モジュールとの通信のために適したモバイル端末装置(8)が割り当てられる。前記モバイル端末装置(8)が、さらに別の敷設場所(D)に設置されプログラムメモリ(11)を備えた中央サーバ(10)とモバイルデータネットワークを介して通信するように構成される。前記モバイル端末装置(8)上にいずれも対応するラジアルプレス機(R)を設定するように作用する設定プログラムが記憶される。各ラジアルプレス機(R)が割り当てられたモバイル端末装置(8)を介して設定され、その際前記モバイル端末装置(8)によって前記中央サーバ(10)からロットに相関して呼び出されたプログラム固有のデータを考慮しながら固有のプレスプログラムを使用して前記PLC機械制御(5)の設定によって実行される。該当するロット内の各個別のラジアル変形工程がラジアルプレス機(R)自体に装備されたトリガ手段(13)によってトリガされる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれも少なくとも1個の対象構成部材を可塑性にラジアル変形させることによってラジアルプレス機(R)内で実行される少なくとも2つの構成部材の接合によって複数の複合構造体を製造する方法であって、その方法が異なった敷設場所(A,B,C)に設置された複数のラジアルプレス機(R)を含むシステムを使用して実行され、そのシステムにおいて、
ラジアルプレス機(R)がいずれもPLC機械制御(5)とBTLE通信モジュール(7)を有する制御ユニット(6)を備え、
各ラジアルプレス機(R)に対して該当するラジアルプレス機(R)のBTLE通信モジュール(7)との通信のために適したモバイル端末装置(8)が割り当てられ、
前記モバイル端末装置(8)が、さらに別の敷設場所(D)に設置されプログラムメモリ(11)を備えた中央サーバ(10)とモバイルデータネットワークを介して通信するように構成され、
前記モバイル端末装置(8)上にいずれも対応するラジアルプレス機(R)を設定するように作用する設定プログラムが記憶され、
各ラジアルプレス機(R)が、割り当てられたモバイル端末装置(8)を介して複数の類似するラジアル変形工程を含んだロットに対応して設定され、その際前記モバイル端末装置(8)によって前記中央サーバ(10)からロットに相関して呼び出されたプログラム固有のデータを考慮しながら固有のプレスプログラムを使用して前記PLC機械制御(5)の設定によって実行され、
該当するロット内の各個別のラジアル変形工程がラジアルプレス機(R)自体に装備されたトリガ手段(13)によってトリガされる方法。
【請求項2】
ラジアルプレス機(R)の制御ユニット(6)が、複数のプレスプログラムの記憶に適したメモリユニットを備えないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
モバイル端末装置(8)上にいずれも追加的に別のラジアルプレス機(R)を設定するために適した設定プログラムが記憶されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
システムが多様な種類(R,R,R)のラジアルプレス機(R)を含み、その際全てのモバイル端末装置(8)の設定プログラムが同一であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
モバイル端末装置(8)がいずれも構成部材データメモリを備え、その構成部材データメモリに各設定プログラムがアクセス可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
構成部材がいずれもその構成部材を一義的に認識可能でかつ非接触式に読み取り可能なコーディングを備えるとともに、モバイル端末装置(8)がいずれも前記構成部材コーディング(9)を読み取ることができるセンサを備え、いずれも接合される構成部材の組み合わせの構成部材コーディング(9)が該当するモバイル端末装置(8)から中央サーバ(10)に伝送されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
非接触式に読み取り可能な構成部材コーディングがいずれも光学式に読み取り可能なコーディング(9)であるとともに、モバイル端末装置(8)のセンサがいずれもカメラ(K)であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
中央サーバ(10)が生産メモリ(14)を備え、その際各ラジアルプレス機(R)内で該当するロット内に実行されたラジアル変形工程のデータがBTLE通信接続を介して機械制御(5)からモバイル端末装置(8)へ、さらにモバイル端末装置からモバイルデータネットワークを介して中央サーバ(10)に伝送されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
生産メモリ(14)内に記録されたデータが従量制の使用料の自動計算に使用されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
モバイル端末装置によるデータ呼び出しに応答して中央サーバが発生する従量制の使用料を判定してモバイル端末装置に伝送し、その際中央サーバからモバイル端末装置へのラジアルプレス機設定データの伝達を、発生するコストがモバイル端末装置上で確認されたことに依存して行うことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
該当するラジアルプレス機(R)の設定のために割り当てられた中央サーバ(10)からのデータ呼び出しに際して、モバイル端末装置(8)が自身の位置データを中央サーバに伝送することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ラジアルプレス機(R)がタッチスクリーンを備えないことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
モバイル端末装置(8)によって呼び出し可能に記憶されたサービスインストラクションを含むサービスデータメモリ(15)を中央サーバ(10)が備えることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
いずれも少なくとも1個の対象構成部材をラジアルプレス機(R)内で可塑性にラジアル変形させることによっていずれも少なくとも2つの構成部材を接合して複合構造体を製造するための、異なった敷設場所(A,B,C)に設置された複数のラジアルプレス機(R)を含むシステムであって、
ラジアルプレス機(R)がいずれもPLC機械制御(5)とBTLE通信モジュール(7)を有する制御ユニット(6)を備え、
各ラジアルプレス機(R)に対して該当するラジアルプレス機(R)のBTLE通信モジュール(7)との通信のために適したモバイル端末装置(8)が割り当てられ、
前記モバイル端末装置(8)が、さらに別の敷設場所(D)に設置されプログラムメモリ(11)を備えた中央サーバ(10)とモバイルデータネットワークを介して通信するように構成され、
前記モバイル端末装置(8)上にいずれも対応するラジアルプレス機(R)を設定するように作用する設定プログラムが記憶され、
各ラジアルプレス機(R)が、割り当てられたモバイル端末装置(8)を介して複数の類似するラジアル変形工程を含んだロットに対応して設定可能であり、その際前記モバイル端末装置(8)によって前記中央サーバ(10)からロットに相関して呼び出されたプログラム固有のデータを考慮しながら固有のプレスプログラムを使用して前記PLC機械制御(5)の設定によって実行され、
該当するロット内の各個別のラジアル変形工程をトリガするために適したトリガ手段(13)がラジアルプレス機(R)に装備される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、いずれも少なくとも1個の対象構成部材を可塑性にラジアル変形させることによってラジアルプレス機内で実行される少なくとも2つの構成部材の接合によって複数の複合構造体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジアルプレス機内で実行される少なくなくとも1つの構成部材のラジアル変形によって、その構成部材を別の構成部材との複合構造体に接合することが知られている。それに関して極めて汎用化している一例は、ハイドロリック分野用の組み込み可能に形成されたホースラインの製造である。そのため、ホース部材の両端にラジアル変形を使用して接続補強部品を固定的に取り付けることが一般的である。その際前記の接続補強部品は、(2個の分離した構成部品としてあるいは既にいわゆる“一体型補強部品”として相互に結合された)ニップルとスリーブを備え、そこでニップルはホース部材の末端部内に挿入されまたスリーブはホース部材の外側を囲繞し、従ってそのホース部材の末端部がニップルとスリーブの間の環状空間内に存在する。ラジアルプレス機内でスリーブが内側に向かって可塑性に変形され、従ってホース部材の末端部がスリーブとニップルの間に固定的に圧接される。重要な先行技術が、例えば特許文献1によって開示されている。さらに、冒頭に述べた複合構造体の製造の枠内で適用可能なラジアルプレスに関連するものとして、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、および特許文献19等が挙げられる。
【0003】
ここで言及される製造方法を使用して、すなわち少なくとも1個の対象構成部材の可塑性のラジアル変形によって接合される複合構造体(例えばハイドロリックホースライン)において、接合プロセス後に通常少なくとも対象構成部材の一方が別の構成部材の内部に配置される(例えばホース内部のニップルおよびスリーブ内部のホース)という特殊性が存在する。そのため、いずれも形成された接合の光学的あるいは視覚的検査は通常不可能である。すなわち、特別な製造方法の特殊性のため、完全に接合された複合構造体において考えられる不良が比較的に高コストな検査方法(例えば個々のハイドロリックライン毎の個別圧力検査)によってのみ判定可能であることを意味する。加えて、上述の可塑性のラジアル変形の方法によって製造された複合構造体(例えば高圧ハイドロリックホースライン)の実用に際して、しばしば高度に、場合によっては強烈に危険性がある適用分野に使用される。上述した高コストな検査を省略すると、個別の適用分野によっては、冒頭に述べたように少なくとも1個の対象構成部材の可塑性のラジアルプレスによって製造された複合構造体から相当に大きな危険性が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ国特許第3611253号(C2)明細書
【特許文献2】ドイツ国実用新案第202016100660号(U1)明細書
【特許文献3】ドイツ国実用新案第202016008097号(U1)明細書
【特許文献4】ドイツ国特許出願公開第102016106650号(A1)明細書
【特許文献5】ドイツ国特許第102014014585号(B3)明細書
【特許文献6】ドイツ国特許第102014012485号(B3)明細書
【特許文献7】ドイツ国特許出願公開第102014008613号(A1)明細書
【特許文献8】ドイツ国特許出願公開第102011015770号(A1)明細書
【特許文献9】ドイツ国特許出願公開第102011015654号(A1)明細書
【特許文献10】ドイツ国特許出願公開第102009057726号(A1)明細書
【特許文献11】ドイツ国特許出願公開第102005041487号(A1)明細書
【特許文献12】ドイツ国特許第102005034260号(B3)明細書
【特許文献13】ドイツ国特許第60121915号(T2)明細書
【特許文献14】ドイツ国実用新案第29824688号(U1)明細書
【特許文献15】ドイツ国特許第19944141号(C1)明細書
【特許文献16】ドイツ国特許第19940744号(B4)明細書
【特許文献17】ドイツ国特許出願公開第10149924号(A1)明細書
【特許文献18】ドイツ国特許出願公開第4135465号(A1)明細書
【特許文献19】ドイツ国特許出願公開第3513129号(A1)明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の観点から本発明の目的は、冒頭に述べた方法の産業への適用に際して安全性の改善を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題は、本発明に従って請求項1に定義された方法によって解決される。そのため、冒頭に述べた種類の方法は本発明に従って、異なった敷設場所に設置された複数のラジアルプレス機を含むシステムを使用して実行され、そのシステムにおいて、
【0007】
ラジアルプレス機がいずれもPLC機械制御とBTLE通信モジュールを有する制御ユニットを備え、
【0008】
各ラジアルプレス機に対して該当するラジアルプレス機のBTLE通信モジュールとの通信のために適したモバイル端末装置が割り当てられ、
【0009】
前記モバイル端末装置が、さらに別の敷設場所に設置されプログラムメモリを備えた中央サーバとモバイルデータネットワークを介して通信するように構成され、
【0010】
前記モバイル端末装置上にいずれも対応するラジアルプレス機を設定するように作用する設定プログラムが記憶され、
【0011】
各ラジアルプレス機が割り当てられたモバイル端末装置を介して複数の類似するラジアル変形工程を含んだロットに対応して設定され、その際前記モバイル端末装置によって前記中央サーバからロットに相関して呼び出されたプログラム固有のデータを考慮しながら固有のプレスプログラムを使用して前記PLC機械制御の設定によって実施され、
【0012】
該当するロット内の各個別のラジアル変形工程がラジアルプレス機自体に装備されたトリガ手段によってトリガされる。
【0013】
本発明に係る、相互にシナジー効果を有する多様な方法の実施特性によれば、(従来実現されていた技術と比べて)一部は極めて安全上重要である結果の多くの利点が達成可能になる。極めて好適な点は、(複数の類似のラジアル変形工程を含んだロットの実行前に行われる)モバイル端末装置を介した該当するラジアルプレス機の設定であり、前記モバイル端末装置が一方で(BTLE規格(ブルートゥースローエナジー)を介して)該当するラジアルプレス機の制御ユニットと、他方では(モバイルデータネットワークを介して)プログラムメモリを備えた中央サーバと通信する。従って、該当するラジアルプレス機の設定に際して、実際に実行すべきで特に接合される構成部材(例えば特殊なホース部材と特殊な接続バルブ)の個々の組み合わせによって定義されるプレス作業に対応して最新である、中央サーバから呼び出されたプレスプロセスに関連するデータおよび情報を考慮することができる。そのことは、プレス応力/圧力、プレス寸法、プレス速度等の実行すべきプレス工程に関連する狭義のプレスパラメータのみに該当するものではない。むしろ、特に他のシステムに接続されたラジアルプレス機あるいはその他の方式で取得された最新/有効な経験的検知にも基づいた警告指示を中央サーバによって作成することができ、例えば該当する組み合わせが実験あるいは産業的な実務において充分に信頼できないあるいは管理可能でないと証明された場合のような、相互に接合される特定の構成部材の長期不適合性等が該当する。
【0014】
その際本発明の実施において各ラジアルプレス機の安全技術上最適な設定は、該当するラジアルプレス機の障害可能性、劣化可能性あるいは不正プログラムの侵入の問題の危険に曝されない。その理由は、システムに結合されたラジアルプレス機が直接インターネットともまた事業所内の無線LANとも接続されず、接続可能でもないためである。すなわちラジアルプレス機はそれの設定のために直接的にインターネットあるいは事業所内の無線LANを介して制御可能ではなく、専らBTLEを介してラジアルプレス機と通信する、いずれも割り当てられたモバイル端末装置のみによって制御可能であるため、考えられる(意図的なあるいは偶然の)誤動作を伴った設定に対するいわゆる“ゲートウェイ”が遮断される。
【0015】
加えて、中央サーバから呼び出されたデータを考慮しながら、それぞれ割り当てられたモバイル端末装置を介して、適宜に現状のロットに基づいて実行されるシステム内に統合されたラジアルプレス機の設定によって、ラジアルプレス機内(適宜なメモリユニット上)に多様なプレスプログラムを記憶させ、そこから1つを使用者が選択することを省略することができる。そのことが誤操作の危険性を削減するように作用し、それが本発明によって達成される安全性のために重要な追加的な特徴を成す。加えて、各ラジアルプレス機を適宜に単純に構成することができるという経済的な利点が得られる。その理由は、ラジアルプレス機に設けられた制御ユニットを狭義に“スリム化”できるだけでなく、付属する入力および出力ユニットもスリム化できるためである。本発明の枠内において、ラジアルプレス機が最小限のディスプレイを備える。特にタッチスクリーンを省略することができる。
【0016】
本発明の枠内において、各ラジアルプレス機の設定とは異なって、該当する個別のラジアル変形工程のトリガはいずれも割り当てられたモバイル端末装置を介しては実行されない。むしろ、(特に利用者側の高い安全性の観点から)ラジアルプレス機自体に設置されたトリガ手段を介して実行される。それは、特に操作員によって手動で付勢可能な付勢手段(例えば、ハンドスイッチ、フットペダル等)とすることができる。すなわち、該当するラジアルプレス機が自動化された製造ラインの一部であったとしても、機械内部のトリガ手段が有用である。それには、特に機械に関連付けられた固有の入力信号に従った該当するラジアルプレス機上の個々のラジアル変形工程の(7)によるトリガも含まれ、前記入力信号は例えば該当するラジアルプレス機に接合すべき構成部材が適正かつ自動的に装填されたことを監視する、および/または安全性において重要であるセンサによって作成することができる。
【0017】
本発明の好適な追加構成によれば、システムに含まれるモバイル端末装置上にいずれも追加的に別のラジアルプレス機を設定するために適した設定プログラムが記憶される。それによって、1台のモバイル端末装置によって複数の(該当する事業所内に設置された)ラジアルプレス機を設定することができるため、前述した本発明によって達成可能な利点に極めて大きく寄与する。それによって可能になる、ラジアルプレス機の設定用として該当する事業所内に保有されるモバイル端末装置の数の抑制によって、ラジアルプレス機への不正な介入のリスクが最小化される。この点に関して、システムが多様な種類のラジアルプレス機を含むことが極めて好適であり、その際全てのモバイル端末装置の設定プログラムが同一である。唯一のモバイル端末装置を介しさらに唯一の設定プログラムを使用して多様なラジアルプレス機を設定する可能性も、誤操作の危険性の削減に寄与する。
【0018】
極めて好適には、システム固有のモバイル端末装置がいずれも割り当てられた設定プログラムによって制御可能な構成部材データメモリを備える。そのデータメモリに、システム内に統合されたラジアルプレス機によって加工される構成部材に関するデータが記録される。同様に、特定の構成部材の組み合わせに対して該当するプレスを特徴付けるデータあるいは方法パラメータ(例えばプレス応力/プレス圧力、プレス寸法、プレス速度等)を記録することができ、そのデータは必要に応じてデータ照会を通じて中央サーバによって認証するかあるいは変更することができる。
【0019】
その際、それぞれ該当するモバイル端末装置の構成部材データメモリ内への構成部材データの分散型の記録は、勿論決して不可欠なものではない。逆に:本発明の極めて好適な構成形態の1つによれば、構成部材データが中央サーバの記憶ユニット上に記録される。すなわちそのことは、本発明に係る方法内で加工される構成部材がいずれもその構成部材を一義的に認識可能でかつ読み取り可能なコーディング(例えばバーコードあるいはトランスポンダ)を備えるとともに、モバイル端末装置がいずれも前記構成部材のコーディングを読み取ることができるセンサあるいは読み取りインタフェース(例えばカメラあるいはRFIDアンテナ)を備える場合にも該当する。前記の接合される構成部材の組み合わせの構成部材コーディングが該当するモバイル端末装置から中央サーバに伝送され、従ってモバイル端末装置によってその中央サーバから呼び出されて該当するラジアルプレス機の設定に際して考慮されるプレスプログラム固有のデータを確実かつ正確に該当する構成部材の組み合わせに対応させることができる。この構成形態は、誤入力が排除されるため極めて高い安全基準に適合する。
【0020】
本発明のさらに別の好適な追加構成によれば、該当するラジアルプレス機の設定のために割り当てられた中央サーバからのデータ呼び出しに際して、モバイル端末装置が自身の位置データを中央サーバに伝送する。その位置データは中央サーバによって認証目的のために処理することができる。極めて好適な構成形態において、前記認証は、前記伝送されたモバイル端末装置の位置データをシステムに接続されたラジアルプレス機に対応して中央サーバのプレスメモリ内に記録された位置データと比較することによって実行される。モバイル端末装置の位置データが、モバイル端末装置によって設定されるラジアルプレス機に対応してプレスメモリ内に記録された位置データと相違することを前記比較が示す場合、それを不測自体(例えば機械の盗難)の指標として検知し、例えばラジアルプレス機の設定を拒否すること等によって適宜に対応することができる。
【0021】
本発明のさらに別の好適な追加構成は、中央サーバが生産メモリを備え、その際各ラジアルプレス機内で該当するロット内に実行されたラジアル変形工程のデータがBTLE通信接続を介して機械制御からモバイル端末装置へ、さらにモバイル端末装置からモバイルデータネットワークを介して中央サーバに伝送される。その方式によって中央サーバは、システムに従属するラジアルプレス機で実行されるプレス工程を自動的に全て記録する。そのことは、認定された品質基準を確保するために極めて重要な利点を提供する。中央サーバ上の機械使用歴の適宜な記録は、さらにサービスあるいはメンテナンス時期を守っていることの監視に利用することができる。すなわち、(常に厳選された高い安全基準に従って動作するラジアルプレス機を提供するために)規定されたサービスあるいはメンテナンスが実施されるまであるいは実施が確認されるまで、該当する機械の設定を拒否することができる。それによっても極めて有効な安全技術上の利点が得られる。
【0022】
上記の本発明の追加構成に関して、モバイル端末装置によって呼び出し可能に記憶されたサービスインストラクションを含むサービスデータメモリを中央サーバが備えることが特に好適である。その方式により、各機械に関して予定されるサービスおよびメンテナンス作業が、操作員に対してその人のモバイル端末装置上に極めて具体的かつ個別の支持として伝送可能である。それによって、(例えば別のラジアルプレス機に付属するハンドブックに従って実施される)不正なメンテナンスを防止することができる。ここでも、安全技術上の利点が極めて大きいものとなる。
【0023】
同様に、上述した中央サーバ上の機械使用歴の記録も、必要であれば各ラジアルプレス機の使用の多さに相関した従量制使用料の判定に利用することができる。その際特に好適には、その種の従量制の使用料を、モバイル端末装置による中央サーバからの(特定のロット量に関する)データ呼び出しに応答して予め中央サーバが判定してモバイル端末装置に伝送することができ、その場合中央サーバからモバイル端末装置へのラジアルプレス機設定データの伝達を、予想される発生コストがモバイル端末装置上で確認されたことに依存して行うことができる。
【0024】
上述した説明から、本発明の実施のためには、本発明に係る方法を実施するために使用されるシステムを特徴付ける構造的な側面も重要な役目を果たすことが明白である。そのため、(請求項13において)そのようなシステムの保護が請求される。前記システムの好適な追加構成は、上述した本発明に係る方法の説明から明らかである。
【0025】
次に、本発明の好適な追加構成につき、添付図面に示された好適な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る方法を実施するように構成されたシステムを概略的に示した説明図である。
図2図1のシステムの詳細設計を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1によれば、システムが異なった敷設場所A,B,Cに設置されたラジアルプレス機Rを含み、すなわち第1の敷設場所AにタイプRのラジアルプレス機、タイプRのラジアルプレス機、およびタイプRのラジアルプレス機、第2の敷設場所BにタイプRのラジアルプレス機およびタイプRのラジアルプレス機、そして第3の敷設場所CにタイプRのラジアルプレス機およびタイプRのラジアルプレス機を有する。前記の3つの敷設場所A,B,Cは、3か所の異なった、空間的に分離された生産施設として理解することができる。ラジアルプレス機R,RおよびRは、いずれも2個の(それぞれニップル1とスリーブ2を有する)接続バルブ3をホース部材4の端部に取り付けることによってハイドロリックホースラインを製造するために適合する(図2参照)。
【0028】
ラジアルプレス機Rのそれぞれが、周知のようにPLC機械制御5を備えた制御ユニット6を有する(図2参照)。その制御ユニットがさらにいずれもBTLE通信モジュール7を備えていて、そのモジュールが「ブルートゥースローエナジー」(BTLE)規格を介して実行されるモバイル端末装置8、すなわち特にスマートフォンSあるいはタブレットTとの通信を可能にする。3つの敷設場所A,BおよびCのぞれぞれに、そのようなモバイル端末装置8が少なくとも1台存在する。そのモバイル端末装置に、いずれもそれぞれ該当する敷設場所A,BおよびCに設置された全てのラジアルプレス機Rを設定するために適した設定プログラムが記憶される。
【0029】
その際モバイル端末装置8は、いずれもカメラKを備える。そのカメラを使用して、ニップル1とスリーブ2とホース部材4上に存在していてその構成部材を一義的に識別可能な光学読み取り可能なコーディング9をモバイル端末装置8内に読み込むことができる。
【0030】
各ラジアルプレス機Rを(適宜なPLC制御装置5のプログラミングによって)自動的に設定するために、該当する割り当てられたモバイル端末装置8がさらに別の敷設場所Dに設置された中央サーバ10にアクセスする。その際、各モバイル端末装置8と中央サーバ10の間の通信は、例えばLTE等の既存規格のモバイルデータネットワーク(モバイル通信)を介して実行される。その際、該当するモバイル端末装置8は、それに記憶された設定プログラムの枠内で中央サーバ10から、すなわちその中央サーバのプログラムメモリ11から、要求作業固有の個別プレスプログラムを呼び出し、そのプレスプログラムを(BTLE通信を使用して)該当するラジアルプレス機Rにインストールし、すなわちラジアルプレス機のPLC機械制御5を中央サーバ10から伝送された設定データに従ってプログラミングする。その際モバイル端末装置8から中央サーバ10に対するプログラム呼び出しが、一方で現状でモバイル端末装置8と通信している当該ラジアルプレス機Rを識別する機械データと、他方でカメラKを介して読み込まれたニップル1、スリーブ2およびホース部材4を識別する構成部材コーディング9とに基づいて、適宜なプレスプログラムを該当するラジアルプレス機Rに設定すべきものである具体的な個別のプレス作業に特化する。確認目的のために、モバイル端末装置8がプログラム呼び出しの枠内でさらにそのモバイル端末装置の位置データを中央サーバ10に伝送する。
【0031】
中央サーバ10は、いずれもコーディング9によって識別可能な構成部材に関するデータを含んだ構成部材メモリ12を備える。中央サーバ10内において、特定のプログラム呼び出し(上述参照)に対応する妥当性検査を、特にいずれも相互に組み合わされるホース部材4、ニップル1、およびスリーブ2等の構成部材の適合性に関して実行する。良好な検査結果の場合は、前述したようにモバイル通信を介してモバイル端末装置8に、そのモバイル端末装置からBTLEを介して特定のラジアルプレス機Rにインストールすべきであるプレスプログラムが伝送される。他方、前記妥当性検査の結果が不良である場合は、中央サーバ10が該当するモバイル端末装置8に適宜な情報あるいは警告を発信する。
【0032】
インストールされたプレスプログラムに従ってスリーブ2を可塑性に変形することによっていずれも3つの構成部材を固定的かつ解除不可能に1個の複合体(ここではハイドロリックホースライン)に相互に接合するための該当する個々のラジアル変形工程のトリガは、(該当するロット内で)いずれもラジアルプレス機(R)自体に設置されたトリガ手段13によって実行される。そのトリガ手段は、この実施例の場合ラジアルプレス機Rの操作員によって手動で付勢されるボタンの形式の付勢手段として構成される。
【0033】
中央サーバ10はさらに生産メモリ14を備える。そのメモリ上に各ラジアルプレス機Rで実施される全てのラジアル変形工程のデータが記憶される。そのためそれらの生産データが、BTLE通信接続を介して機械制御5からモバイル端末装置8に、さらにそのモバイル端末装置からモバイルデータネットワークを介して中央サーバ10に伝送される。その際中央サーバ10に伝送されそこで生産メモリ14内に記録される生産データの一部は、特に別個のセンサによって各ワークピース上で検出された測定あるいは検査データとすることもできる。
【0034】
さらに、中央サーバ10がサービスデータメモリ15を備え、その中にシステムに付属し個別に登録された全てのラジアルプレス機Rのためのサービスインストラクションが記憶される。そのインストラクションは、いずれも割り当てられたモバイル端末装置8によって呼び出し可能であるか、あるいは(個々のラジアルプレス機Rに対して登録されたサービススケジュールを考慮しながら)能動的にそれぞれ割り当てられたモバイル端末装置8上に伝達される。
図1
図2
【国際調査報告】