(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】マイクロ流体デバイスのためのインタフェース
(51)【国際特許分類】
G01N 35/08 20060101AFI20220427BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20220427BHJP
B01J 19/00 20060101ALI20220427BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20220427BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
B01J19/00 321
B01J4/00 102
G01N1/00 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555008
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 GB2020050555
(87)【国際公開番号】W WO2020183142
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517079180
【氏名又は名称】クァンタムディーエックス グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QUANTUMDX GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス ベネット
(72)【発明者】
【氏名】ネイル リトン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード スミス
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ブランドン-ジョーンズ
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
4G068
4G075
【Fターム(参考)】
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052CA03
2G052CA04
2G052CA11
2G052CA39
2G052DA09
2G052DA22
2G052HA12
2G052HC02
2G052HC32
2G052JA05
2G052JA09
2G058CC19
2G058EA19
4G068AA01
4G068AB11
4G068AC13
4G068AC20
4G068AD50
4G068AF24
4G075AA39
4G075AA70
4G075BB05
4G075CA56
4G075EB21
4G075EB50
4G075ED20
4G075FA20
4G075FB13
4G075FC17
(57)【要約】
マイクロ流体カセットのようなマイクロ流体デバイスのためのインタフェースを開示する。インタフェースは、リザーバ内で加えられた力に応答して第1位置から第2位置に移動可能なシール部分を備える。リザーバ内におけるシール部分の移動はリザーバの容積を増大させる。インタフェースは、さらに、第1端部及び第2端部を有する中空ニードルを備え、第1端部はリザーバと流体連通するよう設置可能であり、また第2端部はリザーバの外部に位置付けられかつ穿刺するよう構成される。シール部分及びニードルは、シール部分が第1位置から第2位置に移動するとき、流体の所定量をニードルからリザーバ内に引き込むよう構成される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスのためのインタフェースであって、
リザーバ内で加えた力に応答して第1位置から第2位置に移動可能なシール部分であり、前記リザーバ内における前記シール部分の移動が前記リザーバの容積を増大させる、前記シール部分と、
第1端部及び第2端部を有する中空のニードルであり、前記第1端部は前記リザーバと流体連通するよう設置可能であり、また前記第2端部は前記リザーバの外部に位置付けられかつ穿刺するよう構成される、前記中空のニードルと、
を備え、
前記シール部分及び前記中空のニードルは、前記シール部分が前記第1位置から前記第2位置に移動するとき、流体の所定量を前記中空のニードルから前記リザーバ内に引き込むよう構成されている、インタフェース。
【請求項2】
請求項1記載のインタフェースにおいて、さらに、前記シール部分を前記リザーバ内で前記第1位置から前記第2位置に移動させるよう構成されているシール作動部材を備える、インタフェース。
【請求項3】
請求項2記載のインタフェースにおいて、前記シール作動部材は、流体容器によって前記シール作動部材に加えた力に応答してのみ前記シール部分を前記第1位置から前記第2位置に移動させるよう構成されている、インタフェース。
【請求項4】
請求項2又は3記載のインタフェースにおいて、前記中空のニードルは、前記中空のニードルが前記シール作動部材とともに移動するよう前記シール作動部材に固定される、インタフェース。
【請求項5】
請求項2~4のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、さらに、第1位置と第2位置との間で移動可能な少なくとも1つのアーム部分であり、前記第1位置では、前記アーム部分は、前記シール部分の前記第1位置から前記第2位置への移動を生じさせる方向への前記シール作動部材の移動を阻止する、前記アーム部分を備える、インタフェース。
【請求項6】
請求項5記載のインタフェースにおいて、前記第2位置では、前記アーム部分は、前記シール部分の前記第1位置から前記第2位置への移動を生じさせる方向への前記シール作動部材の移動を阻止しない、インタフェース。
【請求項7】
請求項5又は6記載のインタフェースにおいて、前記アーム部分は前記第1位置に向かう機械的バイアスを受けている、インタフェース。
【請求項8】
請求項5~7のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、前記アーム部分は、前記第1位置で前記シール作動部材の表面に相互作用するよう構成された少なくとも1つの衝合表面を有する、インタフェース。
【請求項9】
請求項5~8のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、前記アーム部分は、前記アーム部分を前記第1位置から前記第2位置に移動させる流体容器の表面と相互作用するように構成された少なくとも1つの表面を有する、インタフェース。
【請求項10】
請求項1~9のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、さらに、第1位置と第2位置との間で移動可能なハウジングであり、前記第1位置で前記中空のニードルの前記第2端部は前記ハウジングによって包囲され、また前記第2位置で前記中空のニードルの前記第2端部は前記ハウジングから突出する、前記ハウジングを備える、インタフェース。
【請求項11】
請求項10記載のインタフェースにおいて、前記ハウジングは、ハウジングシール部分を有し、また前記第2位置で前記中空のニードルは前記ハウジングシール部分を貫通して前記ハウジングから突出する、インタフェース。
【請求項12】
請求項10又は11記載のインタフェースにおいて、前記ハウジングは、前記ハウジングの前記第1位置から前記第2位置への移動が阻止される第1形態と、及び前記ハウジングの前記第1位置から前記第2位置への移動が阻止されない第2形態と、を有する、インタフェース。
【請求項13】
請求項12記載のインタフェースにおいて、前記ハウジングは、前記第1形態になるように機械的バイアスを受けている、インタフェース。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、さらに、前記インタフェースを包囲する外側ハウジングを備える、インタフェース。
【請求項15】
請求項14記載のインタフェースにおいて、前記外側ハウジングは、前記シール作動部材の前記マイクロ流体デバイスから離れる方向への移動を制限し、また第1シュラウド位置から第2シュラウド位置に移動可能であり、前記第2シュラウド位置では前記シール作動部材の前記マイクロ流体デバイスから離れる方向への移動は、幾分の上方移動を可能にするが、開始位置への戻りを制限する、インタフェース。
【請求項16】
請求項3に従属するときの請求項15記載のインタフェースにおいて、前記外側ハウジングは、前記流体容器との接触の際に前記第1シュラウド位置から第2シュラウド位置に移動するよう構成されている、インタフェース。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、前記インタフェースは、マイクロ流体カセットのようなマイクロ流体デバイスに対して、固定可能とする又は一体に形成する、インタフェース。
【請求項18】
請求項1~17のうちいずれか1項記載のインタフェースにおいて、さらに、リザーバを備える、インタフェース。
【請求項19】
請求項1~18のうちいずれか1項記載のインタフェースを備える、マイクロ流体デバイス。
【請求項20】
請求項19記載のマイクロ流体デバイスにおいて、前記マイクロ流体デバイスはマイクロ流体カセットである、マイクロ流体デバイス。
【請求項21】
請求項1~18のうちいずれか1項記載のインタフェースと、及び前記シール部分に対して直接的又は間接的に力を加えるよう前記インタフェースと相互作用し得る流体容器と、を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体カセットのようなマイクロ流体デバイスのためのインタフェースに関する。本発明は、さらに、インタフェースを備えるマイクロ流体カセットにも関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体診断検査を生物試料で実施するとき、この試料は、検査用のマイクロ流体カセット内に移送される前に、一般的に1つ又はそれ以上の処理ステップを受ける。
【0003】
試料を処理するための、また試料をマイクロ流体カセット内に移送させるための現行技術はユーザーが手作業で実施する。先ず、ユーザーは生物試料を収集する(一般的には、流体として又は綿棒を介して)。次に、ユーザーは試料を試験管のような容器に投入し、また試料を1つ又はそれ以上の試料処理流体と混合させる。最後に、ユーザーは、ピペットのようなデバイスを用いて手作業で容器から流体量を抜き出し、またこの流体をマイクロ流体カセットの開口領域に移送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このタイプの技術に関連して様々な欠点がある。とくに、ユーザーがカセット内に導入された流体量を不正確に測定する又はカセットに2つの流体量を不慮に「重複ドーズ(投入)」するときユーザーエラーを受け易い。このことは、カセット内に導入される流体量における僅かな差異さえも流体で実施される診断検査の精度に大きな影響を及ぼすおそれがあるため、マイクロ流体検査には特別な問題があり得る。
【0005】
さらに、このような技術は、一般的に専門機器及び専門的に訓練を受けたユーザーにアクセスする必要があり、また正確なプロトコルに準拠するときでさえ、とくに、カセットが局所的環境に開放されているとき流体汚染の潜在性がある。
【0006】
これら欠点は、このような技術を、注意深いセッティングポイント、及びとくに、専門機器及び専門的に訓練を受けたユーザーに対して限定されたアクセスしかできない発展途上世界の一部分における注意深いセッティングポイントには潜在的にふさわしくないものにし、またこの場合、逆に、しばしば正確かつ低コストの診断検査を行う特別な必要性がある。
【0007】
本発明は、これら欠点の1つ又はそれ以上を回避又は軽減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、マイクロ流体カセットのようなマイクロ流体デバイスのためのインタフェースを提供する。このインタフェースは、リザーバ内で加えられた力に応答して第1位置から第2位置に移動可能なシール部分を備える。リザーバ内におけるシール部分の移動はリザーバの容積を増大させる。インタフェースは、さらに、第1端部及び第2端部を有する中空ニードルを備え、前記第1端部はリザーバと流体連通するよう位置付け可能であり、また前記第2端部は前記リザーバの外部に位置付けられかつ穿刺するよう構成される。前記シール部分及び前記ニードルは、前記シール部分が前記第1位置から前記第2位置に移動するとき、流体の所定量をニードルから前記リザーバ内に引き込むよう構成される。
【0009】
有利にも、この構成は、マイクロ流体カセットのようなマイクロ流体デバイス内に導入するよう流体を容器から引き込むための効果的、迅速かつ便利な手段を提供する。所定量の流体を正確かつ信頼性高く引き込むことができる。この構成は、ユーザーが手動で流体を測定するときに生ずる潜在的誤差を減少する。正確かつ信頼性高く流体量を引き込むことは、流体で実施する診断検査の精度を向上させることができる。このインタフェースは、とくに、専門家の機器又は訓練が不要であるため、遠隔ポイントケア用途に好適である。インタフェースは、このようなカセットの最小変更で既存のマイクロカセットに使用することができる。例えば、幾つかの実施形態において、インタフェースは、最小変更で既存のマイクロカセットに取り付けることができる別個のサブアセンブリとすることができる。他の実施形態において、カセットは、該カセットに一体化されたインタフェースを有することができる。
【0010】
随意的に、前記インタフェースは、さらに、前記シール部分を前記リザーバ内で前記第1位置から前記第2位置に移動させるよう構成されているシール作動部材を備える。
【0011】
有利には、シール部分を移動させる機械的力を加える効果的手段を設ける。シール作動部材はニードルガードとすることができる。
【0012】
随意的に、前記シール作動部材は、流体容器によって前記シール作動部材に加えた力に応答して前記シール部分を前記第1位置から前記第2位置に移動させるよう構成される。
【0013】
有利にも、流体容器をインタフェースに接触させる行為は、シール部分を作動させる(すなわち、移動させる)。この「自動」作動は、インタフェースの使い勝手を向上させ、またユーザーが実施するすべてのプロセスは単一動作で流体を分注する方向に駆動されるため、ユーザー誤差を生ずる可能性を減少する。
【0014】
随意的に、前記ニードルは、前記ニードルが前記シール作動部材とともに移動するよう前記シール作動部材に固定される。
随意的に、前記シール作動部材はニードルキャリヤに一体に形成する。
【0015】
随意的に、前記インタフェースは、さらに、第1位置と第2位置との間で移動可能な少なくとも1つのアーム部分であり、前記第1位置では、前記アーム部分は、前記シール部分の前記第1位置から前記第2位置への移動を生じさせる方向への前記シール作動部材の移動を阻止する、該アーム部分を備える。
【0016】
随意的に、前記第2位置では、前記アーム部分は、前記シール部分の前記第1位置から前記第2位置への移動を生じさせる方向への前記シール作動部材の移動を阻止しない。
【0017】
有利にも、このことは、シール部分がユーザーによって不慮に作動させられるのを防止することができる。
【0018】
随意的に、前記アーム部分は、前記第1位置に向かう機械的バイアスを受けている。
【0019】
随意的に、前記アーム部分は、前記第1位置で前記シール作動部材の表面に相互作用するよう構成された少なくとも1つの衝合表面を有する。
【0020】
随意的に、前記アーム部分は、前記アーム部分を前記第1位置から前記第2位置に移動させる流体容器の表面と相互作用するよう構成された少なくとも1つの表面を有する。
【0021】
有利にも、アーム部分は、流体容器のような適当な形状にされた物体と接触するまでシール作動部材を第1位置に保持することができる。
【0022】
随意的に、前記インタフェースは、さらに、第1位置と第2位置との間で移動可能なハウジングであり、前記第1位置で前記ニードルの前記第2端部は前記ハウジングによって包囲され、また前記第2位置で前記ニードルの前記第2端部は前記ハウジングから突出する、該ハウジングを備える。
【0023】
有利にも、このことは、第1位置でニードルをカバーし、またこれによりユーザーがニードルに接触するのを防止することによって、安全性を向上させることができる。
【0024】
随意的に、前記ハウジングは、ハウジングシール部分を有し、前記第1位置では前記ニードルがハウジングシール部分の内部又は下方にあり、また前記第2位置で前記ニードルは前記ハウジングシール部分を貫通して前記ハウジングから突出する。
【0025】
有利にも、このことは、ニードルをハウジング内で移動させる効果的な方法を提供する。シールは、ニードルが第1位置にあるとき流体がニードルから漏洩するのを阻止することができる。シールは、さらに、ニードルをシール内で移動させるとき、ニードルから幾分かの汚染物を除去することもできる。このことは、試料の質を向上させることができる。
【0026】
随意的に、前記ハウジングシール部分は再穿刺可能薄膜とする。
【0027】
随意的に、前記ハウジングは、前記ハウジングの前記第1位置から前記第2位置への移動が阻止される第1形態と、及び前記ハウジングの前記第1位置から前記第2位置への移動が阻止されない第2形態と、を有する。
【0028】
随意的に、前記ハウジングは、前記第1形態になるように機械的バイアスを受けている。
【0029】
有利にも、このことは、ユーザーがハウジングに対して押し下げる場合であっても、試料又は流体容器のような適当な形状に形成された物体がハウジングと相互作用するときのみニードルを露出させることによって安全性を向上させることができる。
【0030】
随意的に、前記ハウジングは、流体容器の表面と相互作用し、ハウジングを第1形態から第2形態に移行させるよう構成された少なくとも1つの表面を有する。
【0031】
最も好適には、前記少なくとも1つの表面は、前記流体容器の表面と同軸状に整列して、前記ハウジングを前記第1形態から前記第2形態に移行するよう構成される。
【0032】
随意的に、前記インタフェースは、さらに、インタフェースを包囲する外側ハウジングを備える。
【0033】
有利にも、このことは、インタフェースのコンポーネントを包囲かつ保護し、またユーザーがコンポーネントに干渉することを阻止する。
【0034】
随意的に、外側ハウジング又はシュラウドは、前記シール作動部材の前記マイクロ流体デバイスから離れる方向への移動を制限し、また第1シュラウド位置から第2シュラウド位置に移動可能であり、前記第2シュラウド位置では前記シール作動部材の前記マイクロ流体デバイスから離れる方向への移動は、幾分の上方移動を可能にするが、開始位置への戻りを制限する。
【0035】
有利には、外側ハウジング又はシュラウドは係止又は固着された状態となる第2位置にあるとき下方であるため、このことは、シール作動部材が上方の位置であって、ニードルを包囲する、又はシールより上方に突出しない位置に戻る移動を可能にし、ただしそのポイントよりも上方に大幅に移動できないようにすることができる。
【0036】
好適には、外側ハウジングが第2シュラウド位置にあるときシール作動部材がマイクロ流体デバイスから離れる方向に移動した後には、再び下方に移動することはできないようにする。
【0037】
有利にも、このことは、ユーザーが不慮に1回分より多い量の流体ドーズをカセット内に導入することを防止する。このことは、ニードルが再露出することも防止することができる。
【0038】
随意的に、前記外側ハウジングは、適当な表面、例えば、前記流体容器との接触の際に前記第1位置から第2位置に移動するよう構成する。
【0039】
随意的に、前記インタフェースは、マイクロ流体カセットに対して、固定可能とする又は一体に形成する。
【0040】
随意的に、前記インタフェースは、さらに、リザーバを備える。
【0041】
本発明の第2態様によれば、第1態様によるインタフェースを備える、マイクロ流体カセットを提供する。
【0042】
本発明の様々な他の特徴及び態様は特許請求の範囲で定義する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態を以下に単なる例として下記添付図面につき説明し、同様部分には対応する参照符号を付している。
【
図1a】本発明の若干の実施形態による第1形態にあるインタフェースの概略的断面図を提示する。
【
図1b】本発明の若干の実施形態による第2形態にある
図1aのインタフェースの概略的断面図を提示する。
【
図2A】本発明の若干の実施形態によるインタフェースの分解図を提示する。
【
図2B】本発明の若干の他の実施形態によるインタフェースの分解図を提示し、特徴は
図2Aのようなものであるが、この実施形態において、組付けはカセットの両側で行う必要はない。
【
図3a】第1形態にある
図2のインタフェースを示す。
【
図4】流体容器との相互作用中の異なる段階における
図2のインタフェースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1a及び1bは、本発明における若干の実施形態によるインタフェース100を示す。この実施形態において、多くの安全機構は示していない。
図1aにおいてインタフェース100のシール部分104は第1位置にあり、
図1bにおいてシール部分104は第2位置にある。
【0045】
インタフェース100はベース101を有する。ベース101はマイクロ流体カセット102の表面に固定する。ベース101は空間103を含む形状にする。他の実施形態において、ベース101はマイクロ流体カセットと一体に形成するものとし得ると理解されたい。さらに、インタフェースをマイクロ流体カセットに取り付ける場合、インタフェースの組付けは、安全機構がカセットのいずれの側面からも取り付けられるようにする、又はカセットの一方の側面のみから取り付けられることによって実施することができると理解されたい。
【0046】
インタフェース100はシール部分104を備える。このシール部分104は空間103内に位置付けられる。シール部分104は空間103内で流体密シールを形成する。シール部分104は、空間103のリザーバ105を画定する領域を封止する。
【0047】
シール部分104は、機械的な外部力がシール部分104に加わるとき、空間103内で第1位置と第2位置との間で移動可能である。この実施形態において、外部力はシール作動部材109又はニードルキャリヤを介して伝達される。しかし、外部力がニードルにと理解されたい。
【0048】
図1a及び1bに示すように、リザーバ105は、第1位置(
図1a)では第2位置(
図1b)におけるよりも小さい容積を有する。若干の実施形態において、リザーバ105は第1位置においてほぼゼロ容積に近似する、すなわち、リザーバ容積は、主にニードル及びニードル通路の容積のみである。
【0049】
インタフェース100は、さらに、中空のニードル106を備える。このニードル106は、第1端部107及び第2端部108を有する。流体連通通路がニードル内に形成され、これにより流体が第1端部107と第2端部108との間で移動できるよう、流体連通通路がニードル内に形成される。ニードル106は、第2端部108が対象物に穿刺するのに使用できるよう、ニードルガードが所定位置に保持された状態で機械的に弾性である。ニードルは、さらに、第1端部に開孔を有し、これによりニードルの流体連通通路自体がリザーバ105と流体連通している。
【0050】
ニードルの第1端部107はリザーバ105と流体連通するよう位置付けられる。ニードルの第2端部108はリザーバ105の外部に突出する。第2端部108は、流体(試料)容器のような被穿刺対象物と流体連通するよう構成される。
【0051】
インタフェース100はシール作動部材109を備える。このシール作動部材109は、シール部分104に固定される第1端部と、ニードル106の第2端部108に隣接してリザーバ105の外部に位置付けされる第2端部とがある本体を有する。
【0052】
シール作動部材109は、機械的力が加わるとき、シール部分104を作動させる(すなわち、移動させる)よう構成される。代表的には、ユーザーが流体容器をシール作動部材109(又はシール作動部材109が機械的に付随する他のコンポーネント)に接触させるとき、機械的力がシール作動部材109に加えられる。
【0053】
ニードル106は、ニードル106がシール作動部材109とともに移動するようシール作動部材109に固定する。ニードル106は、シール作動部材109によって部分的に包囲される。ニードルの第2端部108はシール作動部材109の外部に突出する。シール作動部材109は、本明細書においてニードルキャリヤとも称される。
【0054】
使用前に、シール部分104は第1位置(
図1aに示されるような)に位置付けられる。ユーザーは、流体容器110の穿刺可能表面を破線矢印111で示す方向にインタフェース100に向かわせる。若干の実施形態において、流体容器110の穿刺可能表面は、多数回穿刺されまた閉じることができるシール、すなわち、再穿刺可能シールを有する。
【0055】
好適な実施形態において、流体容器110は再穿刺可能部分を有する。この流体容器110は、ニードル106の第2端部108に接触し、またこの第2端部108によって穿刺される。穿刺後、ニードル106の第2端部108は、流体容器110の内側と流体連通する。
【0056】
ユーザーは、破線矢印111で示す方向に流体容器110を移動させ続ける。流体容器110はシール作動部材109の表面に接触し、またこのシール作動部材109を移動させ始める。シール作動部材109はシール部分104に固定するか又は一体に形成し、シール作動部材109の移動は、第1位置から第2位置への方向にシール部分104の対応移動をさせる。
【0057】
シール部分104が第1位置と第2位置との間で移動するとき、リザーバ105の容積は増加する。このことは、流体容器110の内側の流体をニードル106によりリザーバ105内に引き込ませる。
【0058】
ユーザーは、シール部分104が、シール部分104の更なる移動ができなくなる第2位置(
図1bに示す)に達するまで流体容器110を破線矢印111で示す方向に移動させ続ける。
【0059】
この点において、流体の所定量が流体容器110からニードル106によりリザーバ105内に引き込まれている。この所定量は、第1位置と第2位置との間におけるリザーバ105の容積の変化に対応する。
【0060】
空間103はリザーバ105が結果として適切に好ましいサイズとなるようサイズ決めすることができる。
【0061】
この後、ユーザーは、流体容器110を反対方向(すなわち、ベース101から離れる方向)の移動することによって、インタフェース100から流体容器110を取り外す。
【0062】
好適な実施形態において、シール作動部材109は、インタフェース100を介する二次ドージングを制限するよう係止し得るようにする。
【0063】
図2Aは、本発明の若干の好適な実施形態によるインタフェース200の分解図を提示する。
図2Bは、特徴がほぼ同一である代替的実施形態を提示し、しかし、カセットの一方の側面に位置決めし、また残りのインタフェース特徴部を他方の側面から取り付けることを必要とする
図2Aのインタフェース200と比べると、この
図2Bのインタフェースは、全体アセンブリ200′上に配置することができる上側ケーシング518を設けているため、ベース201をマイクロ流体カセットの単一側面から組み立てることができる。
【0064】
インタフェース200は、ベース201、オーバーモールド202、本体203、シール部分204、ニードルキャリヤ205、中空ニードル206、ニードルガード207、ハウジングシール部分208、及びシュラウド209を備える。
【0065】
この実施形態において、ベース201、シール部分204、ニードルキャリヤ(
図1ではシール作動部材と称される)205、及びニードル206は、他に説明する場合を除いて、
図1a及び1bにつき説明した対応する部分のように、対応する構造的及び機能的特徴を有する。
【0066】
ベース201は、第1固定部分210を含む複数の固定部分を有する。若干の実施形態において、ベース201は3つの固定部分を有する。これら固定部分は、本体203をベース201に固定するよう本体203と相互作用する形状にする。
図1a及び1bにつき説明したように、ベース201は、さらに、内部空間を有し、この内部空間はシール部分204とともに、リザーバを画定する。マイクロ流体カセットの組み立て中に、ベースはカセットの下側面から導入し、また本体はカセットの他方の側面から取り付けることができる。しかし、他の実施形態において、インタフェースはすべて一方の側面から組み付けることができる。
【0067】
オーバーモールド202は円筒体を有し、この円筒体に部分的に延在する中心孔を含む。オーバーモールド202は、シール部分204とベース201との間でリザーバ内に位置付けられるよう構成される。この孔はニードルガード205の端部を収容する形状とする。オーバーモールド202は、ゴムのような弾性材料から成る。オーバーモールド202は、ニードルガード205とベースとの間における流体の平行移動中でさえもリザーバを封止するよう作用し、また正確に調量された量が確実に得られるよう流体の戻り又は漏洩を防止する。
【0068】
本体203はハウジング211を有する。ハウジング211は環状壁を有する。この環状壁の内面は、ベース201の固定部分210と相互作用して本体203をベース201に固定する形状とする。環状壁の外面は、以下により詳細に説明するように、シュラウド209と相互作用する形状とする。
【0069】
本体203は、複数のアーム部分であって、第1アーム部分212を含んでハウジング211の環状壁の部分をなす、該複数のアーム部分を有する。若干の実施形態において、本体203は3つのアーム部分を有する。本体203は、第1形態及び第2形態をとる。第1形態においては、例えば、アーム部分212は第1位置に位置付けられ、また第2形態においては、アーム部分は第2位置に位置付けられる。アーム部分は第1位置に向かうよう機械的バイアスを受けており、また第2位置に向かって移動可能である。
【0070】
図2に示される第1位置において、ベース201から最も遠いアーム部分の端部は、環状壁に対して内方に(すなわち、ハウジング211の縦方向軸線に向かって)突出する。
図4につきより詳細に説明する第2位置において、アーム部分は、ハウジング211の縦方向軸線から離れる方向に第1位置に対して変位し、これによりアーム部分はハウジングの環状壁の残りの部分に対してほぼ平行に延在する、又は環状壁から外方に突出する。
【0071】
アーム部分は、ベース201から最も遠い端部に隣接する衝合表面を有する。この衝合表面は、アーム部分が第1位置にあるときニードルキャリヤ205の表面に接触する(またしたがって、相互作用する)形状とする。
【0072】
アーム部分は、ベース201から最も遠い端部に隣接する他の表面を有する。この表面は、流体容器の表面に相互作用してアーム部分を第1位置から第2位置に移動するよう構成される。
【0073】
第1位置において、アーム部分は、シール部分204を第1位置から第2位置に移動させる方向でのニードルキャリヤ205の移動を阻止する。第2位置において、アーム部分は、シール部分204を第1位置から第2位置に移動させる方向でのニードルキャリヤ205の移動を阻止しない。
【0074】
ニードルキャリヤ205は、ニードル206が内部で固定される円筒体213を有する。円筒体213の部分は、シール部分204に対して固定可能(又は幾つかの実施形態においては一体)とし、これによりニードルキャリヤ205の移動は、シール部分204の対応移動を生じさせる。円筒体213は、その長さに沿う途中に円筒体213の残りの部分よりも直径が大きい領域214を有する。この領域214は、円筒体213のディスク状の領域214を画定する。この領域214は、アーム部分が第1位置にあるときアーム部分の衝合表面に接触する(またアーム部分が第2位置にあるときアーム部分の衝合表面に接触しない)形状にする。
【0075】
したがって、ニードルキャリヤ205におけるシール部分204の方向への移動(すなわち、シール部分を作動させること)は、適当な形状の対象物、例えば、適切な形状であり、穿刺可能なベースを有する流体キャリヤがアーム部分を第1位置から第2位置に移動させるまでは阻止される。
【0076】
ニードルガード207は、本体215であって、この本体215に貫通する中心の開孔を含む、該本体215を有する。この開孔はハウジングシール部分208を収容する形状とする。このハウジングシール部分208は、再封止可能なほぼ流体非浸透性シールである。ニードルガード207は、本明細書でハウジングとも称される。
【0077】
ニードルガード207は、さらに、中心開孔を包囲する環状壁を有する。この環状壁は、ベース201から最も遠いニードルキャリヤ205の端部が嵌合する形状とする。
【0078】
ニードルガード207は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。第1位置において、ニードルガード207はベース201から最も遠いニードル206の端部を完全に包囲する。この位置において、ユーザーはニードル206に物理的に接触できない。第2位置において(すなわち、ニードルガード207が第1位置からベース201に向かって変位したとき)、ニードル206の端部は、ニードルガード207の中心開孔から突出する(ハウジングシール部分208を通過して)。この位置において、ニードル206は露出し、また他の対象物を穿刺して、流体を他の対象物から抜き出すのに使用できる。しかし、好適な実施形態において、ユーザーがニードル206に曝されるのを防止し、また次に移動を作動させるのに使用された対象物、例えば流体容器が外れるのを防止するビード付きインタフェースがある。
【0079】
ニードルガード207は、第1アーム部分216を含んで本体215から外方に突出する複数のアーム部分を有する。若干の実施形態において、ニードルガード207は3つのアーム部分を有する。アーム部分は、フック付きの下側部分又は足を有することができる。
【0080】
ニードルガード207は第1形態及び第2形態をとる。第1形態においてアーム部分は第1位置に位置付けられ、第2形態においてアーム部分は第2位置に位置付けられる。アーム部分は第1位置に向けて機械的バイアスを受けており、また流体容器、例えば試料容器と相互接触するとき第2位置に向かって移動可能である。
【0081】
アーム部分は、第1位置において衝合表面に接触するような形状にする。若干の実施形態において、この衝合表面はハウジング211の環状壁の表面である。幾つかの実施形態において、ニードルガード207の少なくとも1つのアーム部分の端部は、本体203の下側にフック係合できるフック又は足のような形状とする。これらニードルガードの足は、シュラウド209と本体との間における「楔」として作用する。ニードルガードの縦方向溝は、使用中におけるニードルガードの回転を阻止するよう設けることができる。これら足は、さらに、インタフェースを作動させるのに使用された流体容器が取り外されるとき、ニードルがカバーされる位置にニードルガードを確実に復帰させる。
【0082】
インタフェースは、ニードルガードアームを移動させるために加えられるのが必要である初期力は、ニードル等を移動させるのに必要なその後の力よりも大きい。このことは、ユーザーが途中で止めることができない単一プッシュとしてプロセス全体を見てまた経験されるのを確実にし、このことは、正確なドージング及び信頼性を確約する。この距離が比較的小さい、例えば、シール部分の底部からカセットまでの行程長さが約5mmであるとき、ユーザーにとってニードルガードアームを移動させ、次にプロセス全体を完了させることなく十分な圧力を加えることは極めて困難である。
【0083】
アーム部分216は、第1領域及び段差付き領域によって分離された第2領域を有する。アーム部分216は、さらに、第2領域に隣接する衝合領域を有する。第1領域は、流体容器の表面と相互作用してアーム部分を第1位置から第2位置に移動させる形状とする。この実施形態において、第1領域はほぼ円筒形であり、また下方及び外方に傾斜するよう弾性的にバイアスを受けている。しかし、流体容器のスリーブ又は円筒形端部がその部分と相互作用するとき、この結果として、スリーブが第1領域の滑らかな傾斜した外表面と摺動相互作用しつつ、アーム216が内部に引き込まれる。衝合領域は、第1位置にあるときハウジング211の環状壁と相互作用する形状にする。
【0084】
第1位置において、アーム部分216の本体215(代表的には衝合領域)から最も遠い端部は、第2位置にあるときよりも本体215の縦方向軸線から一層離れるよう延在する。有効的には、第2位置においてアーム部分は第1位置に対して「絞り込まれる」又は本体の縦方向軸線に向かって半径方向内方に引き寄せられる。
【0085】
アーム部分が第1位置にあるとき、ニードルガード207のベース201方向の移動は、ニードルガードの傾斜したアームがハウジングの部分と確実に相互作用するときに阻止される。したがって、ニードル206をニードルガード207から外方に突出させる方向へのニードルガード207の移動は、適正形状の対象物の使用によりアーム部分を第1位置から第2位置に移動させるまで、阻止される。第2位置において、ニードルガードのアームは、もはやハウジングの部分と接触作用しないよう移動し、またニードルガードは下方に移動することができる。ニードルは、本体203の領域214が本体203の第2アーム部分に接触するような形状であるため、この時点では移動しない。
【0086】
シュラウド209(さらに、本明細書では外側ハウジングとしても称される)は、環状壁217を有する。環状壁217の内面は、本体203の環状壁と相互作用してシュラウド209を第1位置にある本体203に固定し、以下により詳細に説明するように第2位置に移動可能にする形状である。
【0087】
環状壁217はインタフェース200の他の部分の周りに延在して包囲する。
【0088】
シュラウド209は、シュラウド第1位置とシュラウド第2位置との間でベース201の方向に移動可能である。移動は、代表的には流体容器407の衝合表面410との接触の際に生ずる。しかし、シュラウド209はニードルガード207のアーム216に休止する内壁を有するため、ニードルガードのアーム216がそれらの二次的位置をとるようになった後にシュラウド自体のみが移動することができ、したがって、ニードルガード207のアーム216の引き込みを生ずるまでは移動できない。シュラウド第1位置において、シュラウドは、ニードルキャリヤ205又はニードルガード207のベース201に対するいかなる下方移動をも阻止する。シュラウドが第1位置にある間、本体203は、依然としてニードルキャリヤ205の移動を阻止する第1形態にある。しかし、アーム216を内方に引き込むことによってニードルガードが第1位置から移動した後には、ニードルガード207のベース201に向かう移動が、この段階ではいかなる移動もしていないニードル206をニードルガード207に接触させ、それに続くニードルガードの下方並進移動が、結果としてニードル206の端部をニードルガードシール208及び試料容器シール409を通過させ、該シール208及び409の移動に起因して試料リザーバ408内に移動させる。次に、本体203のアーム212は流体容器407によって外方に押圧され、これによりニードルキャリヤ205の移動は阻止されなくなる。シュラウド209及びニードルキャリヤ205は、リザーバ内におけるシール部分の移動を作動させるニードルキャリヤの運動で移動することができ、これによりリザーバの容積は増加し、またこれと同時にニードルにより流体をリザーバ内に引き込む。
【0089】
シュラウドは、シュラウド第2位置に移動するとき、第2位置に移動した後には、この第2位置に留まるよう構成される。シュラウド209の外壁の底部における内面にはスナップ嵌合アーム形体を設け、このスナップ嵌合アーム形体は、本体におけるアンダーカットタイプの形体と相互作用する形状のリムを有する。このことは、シュラウド209を滑らかな外表面に沿って下方に移動させることができ、またこのとき、シュラウド209の外壁が弾性的にバイアスを受けているため、シュラウドの底部を本体203にスナップ嵌合させ、この時点後に上方移動を阻止する。このことは、流体容器407を最終的に取り外すときに、シュラウドが引き上げられないことを確実にする。流体容器を取り外すためには、ユーザーは単に上方に引っ張るだけでよい。流体容器407は、ビード又は雄/雌タイプの相互作用を介して、ニードルガード207の上側表面と相互作用する形状とする。この上向き力は、流体容器407が取り外されるとき、最終的にアームの傾斜位置に復帰するよう弾性バイアスを受けているニードルガードのアームがシュラウド209の内壁209Aの下側に接触するまでニードルガード207を上方に引き上げる。この時点において、ニードルガードはもはやそれより上方に移動できないが、ニードルがもはやニードルガードシール208より上方に突出しないほど十分に移動している。ユーザーによる更なる上方への引っ張りは、流体容器407をニードルガード207から離脱させ、これにより流体容器407を完全に取り外すことができる。好適な実施形態において、ニードルガードは、この後、ニードルを再露出させるよう押し下げ戻すことはできず、これはすなわち、アーム216が広がって傾斜するためであり、このことは、ベース201から延在する1つ又はそれ以上の直立部219の頂面に着座することを意味する。しかし、容器407は、同様に他のインタフェースにも使用することができ、例えば、同一サンプルの他のアリコートに対して他の検査を実施することができる。
【0090】
インタフェース200を使用形態に応じる準備が整うよう組み立てるため、ベース201は、マイクロ流体カセットに固定する(又は若干の実施形態において、一体に形成する)。シール部分204及びスペーサ202は、ベース201内に位置付けてリザーバを形成する。ニードル206はニードルキャリヤ205に固定し、またニードルキャリヤ205はシール部分204に固定する。本体203はベース201に固定する。シール208はニードルガード207の開孔内に位置付け、またニードルガード207はニードルキャリヤ205の上方に位置付ける。シュラウド209は、インタフェース200の残りの部分を包囲するよう本体203に固定する。
【0091】
図3aは、
図2につき説明したインタフェース200であって、使用形態に応じる準備が整うよう組み立てた該インタフェース200の側面図を示す。
図3bは、
図3aと同一のものの断面図を示す。
【0092】
図3bに示すように、使用形態に応じる準備が整った状態において、シール部分204はリザーバの端部に隣接する(第1位置にある)よう位置付けられる。ニードル206はリザーバに流体連通する。本体203は、本体203のアーム部分がニードルキャリヤ205のディスク状領域に接触する第1形態にある。ニードルガード207はニードル206を包囲する。ニードルガード207は、ニードルガード207のアーム部分(
図3bでは部分的にのみ示す)が本体203の表面に接触する第1形態にある。シュラウド209は、第1位置においてインタフェース200を包囲する。
【0093】
図4は、流体容器と相互作用する
図2につき説明したインタフェース200を示す。代表的には、
図4に示すように、流体容器は、インタフェース200と相互作用するよう設計された試料容器407である。試料容器407の下側端部は、穿刺可能部分、並びにニードルガードのアーム部分内に物理的に引き込まれる特別な形状とした下方部分を有する。試料容器407は、さらに、以下により説明するようにシュラウドに接触作用して押し下げる衝合表面を有する。分かり易くするため、ステップS402~S406に対して参照符号を付けなかった。
【0094】
試料容器407は試料リザーバ408を有する。このリザーバ408は、診断検査のためにマイクロ流体カセット内に導入する流体試料を収容する。リザーバ408は、穿刺可能シール409によって封止する。容器407の外面は衝合表面410を有する。この衝合表面407は、さらに、リザーバ408の部分を包囲する環状壁411を有する。この環状壁411は、以下に説明するようにインタフェース200と相互作用する形状にする。
【0095】
ステップS401において、インタフェース200は、
図3a及び3bにつき説明した使用形態に応じる準備が整っている。ニードルガード207及び本体203は双方とも第1形態にある。したがって、ニードルガード207及びニードルキャリヤ205のベース201に向かう移動は阻止され、これはすなわち、本体203のアーム212が内方へのバイアスを受けており、これによりアームがニードルガードの下方移動を物理的にブロックするからである。この結果として、適切な形状の接触作用デバイスのないインタフェース200の露出コンポーネントに対する力をユーザーが手で加える場合であっても、ニードル206はニードルガード207によって包囲された状態に留まり、またシール部分204は第1位置に留まる。したがって、ユーザーは、不慮にニードル206を露出させる又はシール部分204を作動させることから阻止される。
【0096】
ステップS402において、容器407はインタフェース200に向かって移動して接触を生じている。容器407の環状壁411はニードルガード207の表面に接触を生じており、またこの結果として、ニードルガード207は第2形態に移行しており、この第2形態において、アーム216は内方に引き込まれる。ニードルガード207は容器の環状壁411を正確に収容する形状とされ、これによりアーム216の不慮の引き込みは阻止され、これはすなわち、適切な形状とされたツール、例えば、ニードルガードに対して、ただしシュラウド内で嵌合する形状のスリーブを必要とするためである。第2形態において、ニードルガード207のベース201に向かう移動はもはや阻止されない。
【0097】
ステップS403において、容器407はベース201に向かってさらに移動している。容器407の移動は、さらに、ニードルガード207をベース201に向けて移動させている。本体203は依然として第1形態にあり、ニードルキャリヤ205の移動を阻止しているため、ニードルガード207のベース201に向かう移動は、ニードル206をニードルガード207から突出させ、ニードルガードシール208及び試料容器シール409を通過して、試料リザーバ408内に突入させる。ニードル206がシールを通過するとき、ニードル206の外表面における何らかのデブリを除去することができる。
【0098】
さらに、ステップS203において、容器407の衝合表面410は、シュラウドよりも広い周縁を有するカラーとして突出し、シュラウド209との接触を生じている。
【0099】
ステップS404において、試料容器407はベース201に向かってさらに移動している。試料容器407の環状壁211は、本体203のアーム部分との接触を生じており、またしたがって、本体203を第2形態に移行している。この結果として、ニードルキャリヤ205のベース201に向かう移動は、もはや本体203のアーム部分によって阻止されず、またニードルキャリヤ205もベース201に向かって移動している。
【0100】
ニードルキャリヤ205のベース201に向かう移動は、シール部分204を第2位置に移行させる。シール部分204が第1位置から第2位置にしたとき、リザーバの容積は増加している。このことは、結果として、リザーバ内の圧力低下を生じて流体を内部に引き込むよう作用する。流体は、試料容器407からニードルを通過してリザーバ内に引き込まれる。ステップS404において、所定量の流体がリザーバ内に引き込まれる。
【0101】
さらにステップS404において、衝合表面410のシュラウド209に対する移動は、シュラウド209をベース201に向かって第2位置に移行させ、この第2位置ではシュラウド209のそれ以上の移動はもはや不可能となる。
【0102】
ステップS405において、試料容器407はインタフェース200から離れる方向に移動している。整合接触の結果として、環状壁411におけるビード(図示せず)とニードルガード207における対応の入口(図示せず)との間に接触を生じ、試料容器407の上向き移動は、これに対応するニードルガード207の移動を生ぜしめる。このとき、ニードルガード207はニードル206を包囲する。シュラウド209は、本体203におけるアンダーカットと相互作用するスナップ嵌合部分に起因して、ベース201により近接する第2位置に留まる。シュラウド209がこの第2位置に保持される間に、試料容器407が取り外されるときにニードルガードがインタフェース200から引き抜き出されるのを防止する。
【0103】
ステップS406において、試料容器407はもはやインタフェース200に接触しない。インタフェース200は使用形態にあり、この使用形態においては、試料容器407との他の接触はシール部分204を作動させない。シュラウド209は、インタフェース200が使用されたことの視覚的表示を行うベース201により近接した第2位置に留まる。
【0104】
ステップS406後に、リザーバ内に収容された計量された流体量は、診断検査のような他の行為のためにマイクロ流体カセットのチャンネル内に導入することができる。
【0105】
本明細書(添付している特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示したすべての特徴、及び/又はそのように開示した任意な方法又はプロセスに対応すべてのステップは、このような特徴及び/又はステップのうち少なくとも幾つかが相互に排他的である組合せを除いて、任意な組合せとして組み合わせることができる。本明細書(添付している特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示した各特徴は、それ以外を明示しない限り、同一物、均等物又は同様の目的に供する代替的特徴に置換することができる。したがって、それ以外を明示しない限り、開示した各特徴は、均等物又は同様の目的における一連の汎用版の一例でしかない。本発明は、本明細書(添付している特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示した特徴の任意の新規な1つ、若しくは任意の新規な組合せ、又はそのように開示した任意な方法又はプロセスにおけるステップの任意の新規な1つ、若しくは任意の新規な組合せに及ぶ。
【0106】
本明細書における実質上の任意な複数形及び/又は単数形の用語使用に関して、当業者は、文脈及び/又は用途に適切であるとき、複数形から単数形に及び/又は単数形から複数形に変換することができる。種々の単数形/複数形置換は、簡明のために本明細書で明示することができる。
【0107】
当業者であれば、概して、本明細書、及びとくに特許請求の範囲で使用された用語は、全体的に「オープン」用語であることを意図する(例えば、用語「含んでいる(including)」は、「以下に限定しないが、含んでいる(including but not limited to)」と解すべきであり、用語「有している(having)」は、「少なくとも有している(having at least)」と解すべきであり、用語「含む(includes)」は、「以下に限定しないが、含む(includes but not limited to)」と解すべきである、等々)ものであると理解されるであろう。さらに、当業者であれば、紹介された特許請求の範囲における特定数の記載事項が意図される場合、このような意図は、特許請求の範囲で明示され、またこのような記載事項がない場合、このような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、添付した特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又はそれ以上の(one or more)」のような紹介語句が特許請求の範囲の列挙に紹介される使用を含むことができる。しかし、このような語句の使用は、特許請求の範囲記載事項に対する不定冠詞「a」又は「an」による紹介が、このような紹介のある特許請求の範囲記載事項を含む任意な特定請求項を1つのみのこのような記載事項を含む実施形態に限定すると解すべきでなく、このことは同一請求項が「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又はそれ以上の(one or more)」のような紹介語句及び「a」又は「an」のような不定冠詞を含む場合であっても、であり(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又はそれ以上の(one or more)」を意味すると解すべきである)、同じことは、紹介請求項記載事項に使用される定冠詞使用にも言える。加えて、紹介された特許請求の範囲における特定数の記載事項が明示される場合でも、当業者であれば、このような記載事項は少なくとも記載された数を意味する(例えば、他の修飾語がなくとも「2つの記載事項の」における素の記載は、少なくとも2つの記載事項、又は2つ若しくはそれ以上の記載事項を意味する)ことは理解するであろう。
【0108】
当然のことながら、本開示の様々な実施形態を説明目的のために記載してきものであり、また様々な変更を本開示の範囲を逸脱することなく行うことができる。したがって、本明細書に開示した様々な実施形態は限定を意図するものではなく、真の範囲は特許請求の範囲によって示される。
【国際調査報告】