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特表2022-524833指紋画像強調、指紋認識、アプリケーションプログラム起動方法、指紋検知システム、電子機器及び記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】指紋画像強調、指紋認識、アプリケーションプログラム起動方法、指紋検知システム、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220427BHJP
   G06T 7/194 20170101ALI20220427BHJP
   G06T 5/00 20060101ALI20220427BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220427BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20220427BHJP
【FI】
G06T7/00 530
G06T7/194
G06T5/00 705
G06T5/00 730
G06T1/00 340Z
G06T1/00 400G
G06F21/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555011
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 CN2020078648
(87)【国際公開番号】W WO2020187098
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】201910198302.7
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519262146
【氏名又は名称】アークソフト コーポレイション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ArcSoft Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】22 and 23F,Building A,Tiantang Software Park,3 Xidoumen Rd.Xihu Dist.,Hangzhou,Zhejiang,CN
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ホア
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジィアツァイ
(72)【発明者】
【氏名】メイ,リ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジン
【テーマコード(参考)】
5B043
5B047
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA02
5B043CA10
5B043DA05
5B043EA03
5B043EA04
5B043EA08
5B043EA09
5B043EA18
5B043FA03
5B043GA02
5B047AA25
5B047AB02
5B047AB04
5B047BA01
5B047BB04
5B047DB06
5B057AA20
5B057BA02
5B057BA29
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB02
5B057CB06
5B057CB12
5B057CB16
5B057CD12
5B057CE02
5B057CE03
5B057CE12
5B057DA12
5B057DB02
5B057DB05
5B057DB08
5B057DC36
5B057DC40
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA15
5L096CA14
5L096DA02
5L096EA05
5L096EA35
5L096EA43
5L096FA15
5L096FA23
5L096FA67
5L096GA51
5L096JA03
5L096KA04
5L096MA07
(57)【要約】
指紋画像強調、指紋認識及びアプリケーションプログラム起動方法であって、当該指紋画像強調方法は、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得するステップ(S101)と、前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得するステップ(S102)と、前記第1の前処理画像の有効領域を取得するステップ(S103)と、前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行うステップ(S104)と、方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得するステップ(S105)と、を含む。指紋収集回数を効果的に減らし、指紋画像の品質を向上させ、指紋収集の煩雑さを低減し、指紋によるロック解除の効率を向上させ、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得するステップと、
前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得するステップと、
前記第1の前処理画像の有効領域を取得するステップと、
前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行うステップと、
方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得するステップと、を含む指紋画像強調方法。
【請求項2】
前記背景テクスチャは、前記現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像の画素平均値であり、ここで、Nは正の整数である請求項1に記載の指紋画像強調方法。
【請求項3】
指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得する前記ステップは、
前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行って、前記純粋な指紋画像を取得するステップを含む請求項1に記載の指紋画像強調方法。
【請求項4】
現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去する前に、前記現フレームの指紋画像及び前記背景テクスチャに対して局所色転送を行う請求項1に記載の指紋画像強調方法。
【請求項5】
前記第1の前処理は、前記純粋な指紋画像に対してコントラスト強調及び/又はノイズ除去を行うことを含む請求項1に記載の指紋画像強調方法。
【請求項6】
前記第1の前処理画像の有効領域を取得する前記ステップは、所定の指紋前景分割アルゴリズムを用いる請求項1に記載の指紋画像強調方法。
【請求項7】
前記第2の前処理は、
前記有効領域に対してノイズを除去するステップと、
2値化画像を取得するステップと、
前記2値化画像における指紋の隆線を微細化し、前記指紋強調画像を取得するステップと、を含む請求項1に記載の指紋画像強調方法。
【請求項8】
収集された現フレームの指紋画像に対して強調処理を行い、指紋強調画像を取得するステップであって、前記強調処理は、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得するステップと、
前記指紋強調画像に対して特徴抽出を行い、特徴データを取得するステップと、
前記特徴データと指紋テンプレートの特徴データとの照合に基づいて指紋認識を完了させるステップと、を含む指紋認識方法。
【請求項9】
前記強調処理は、さらに、
前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得するステップと、
前記第1の前処理画像の有効領域を取得するステップと、
前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行うステップと、
方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得するステップと、を含む請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項10】
前記背景テクスチャは、前記現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像の画素平均値であり、ここで、Nは正の整数である請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項11】
指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得する前記ステップは、
前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行って、前記純粋な指紋画像を取得するステップを含む請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項12】
現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去する前に、前記現フレームの指紋画像及び前記背景テクスチャに対して局所色転送を行う請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項13】
前記指紋強調画像に対して特徴抽出を行う前に、さらに、
前記指紋強調画像に対して指紋歪み検出を行い、前記指紋強調画像が正常な指紋画像であるか、歪んだ指紋画像であるかを決定するステップと、
前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行うステップと、を含む請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項14】
前記指紋強調画像に対して指紋歪み検出を行うステップは、
前記指紋強調画像を分類器に入力して分類するステップであって、分類結果は正常な指紋画像及び歪んだ指紋画像を含むステップを含む請求項13に記載の指紋認識方法。
【請求項15】
前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行うステップは、
前記歪んだ指紋画像の方向場及びピリオドグラムを抽出するステップと、
前記方向場及びピリオドグラムに基づいてデータベースセットにおいて前記歪んだ指紋画像に最も類似の基準となる歪んだ指紋を検索するステップと、
前記基準となる歪んだ指紋に基づいて前記歪んだ指紋画像に対して逆変換補正を行うステップと、を含む請求項13に記載の指紋認識方法。
【請求項16】
前記特徴データは、指紋の隆線の詳細点の特徴及び/又は隆線の特徴を含む請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項17】
前記特徴データと指紋テンプレートの特徴データとの照合に基づいて指紋認識を完了させるステップは、
前記特徴データと前記指紋テンプレートの特徴データとの特徴類似度を計算するステップと、
前記特徴類似度が特徴類似度閾値以上である場合、指紋認識を完了させるステップと、を含む請求項8に記載の指紋認識方法。
【請求項18】
指紋画像を収集するステップと、
請求項8から17のいずれか1項に記載の指紋認識方法を用いて、前記指紋画像に対して指紋認識を行うステップと、
指紋認識に成功した場合に前記アプリケーションプログラムを起動するステップと、を含む指紋認識に基づくアプリケーションプログラム起動方法。
【請求項19】
前記指紋画像を収集する前に、タッチパネルにおける指のタッチ操作が指紋画像収集のステップを起動する所定の条件を満たすか否かを検出する請求項18に記載のアプリケーションプログラム起動方法。
【請求項20】
前記アプリケーションプログラムを起動すると同時に身分検証を完了させるステップをさらに含む請求項18に記載のアプリケーションプログラム起動方法。
【請求項21】
発光表示ユニットを含み、画面を表示するように設置されたディスプレイと、
少なくとも前記ディスプレイの下方の局所領域に設置され、指紋画像を収集するように設置された指紋収集モジュールと、
前記指紋画像を受信し、請求項8から17のいずれか1項に記載の指紋認識方法を用いて、前記指紋画像に対して指紋認識を行うように設置された指紋認識モジュールと、を含む指紋検知システム。
【請求項22】
前記指紋収集モジュールは、
レンズと、
前記レンズの下方に設置され、前記ディスプレイにおける指紋画像を直接取得するように設置されたイメージングユニットと、を含む請求項21に記載の指紋検知システム。
【請求項23】
前記指紋収集モジュールは、ディスプレイから出射し、指の表面で反射してディスプレイに戻る光線を検出することによって指紋画像を取得するために用いられる請求項21に記載の指紋検知システム。
【請求項24】
前記指紋収集モジュールは、指からディスプレイを透過する光線を検出することによって指紋画像を取得し、屈折角度が第1の閾値よりも大きい光線を検出した場合に、指紋の隆線として決定し、屈折角度が前記第1の閾値以下の光線を検出した場合に、指紋の谷線として決定し、前記指紋の隆線及び前記指紋の谷線に基づいて前記指紋画像を取得する請求項21に記載の指紋検知システム。
【請求項25】
前記第1の閾値は、前記指紋の谷線箇所の屈折角度である請求項24に記載の指紋検知システム。
【請求項26】
前記指紋収集モジュールは、屈折角度が前記第1の閾値よりも大きい光線を案内するように設置された光路案内モジュールをさらに含む請求項24に記載の指紋検知システム。
【請求項27】
前記指紋収集モジュールは、屈折角度が前記第1の閾値よりも大きい光線を検出した場合に、前記光線を指紋の隆線として決定し、屈折角度が前記第1の閾値以下の光線を検出した場合に、前記光線を指紋の谷線として決定することで、指紋パターンを取得するように設置された光電センサをさらに含む請求項24に記載の指紋検知システム。
【請求項28】
プロセッサと、
前記プロセッサの実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令を実行することによって請求項8から17のいずれか1項に記載の指紋認識方法を実行するように構成される電子機器。
【請求項29】
請求項20から27のいずれか1項に記載の指紋検知システムをさらに含む請求項28に記載の電子機器。
【請求項30】
記憶媒体であって、記憶されているプログラムを含み、前記プログラムが実行される際、前記記憶媒体が配置される機器が請求項8から17のいずれか1項に記載の指紋認識方法を実行するように制御する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年3月15日に中国の国家知的財産局に提出された、出願番号が201910198302.7であり、発明の名称が「指紋画像強調、指紋認識及びアプリケーションプログラム起動方法」である特許出願の優先権を主張し、その内容全体が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願の実施例は、画像処理及び端末応用の技術に関し、特に、指紋画像強調、指紋認識及びアプリケーションプログラム起動方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル端末(例えば携帯電話)がフィーチャーマシンからスマートマシンへ発展し転換することに伴い、モバイル端末のロック解除方式も絶えず変わり、最初のデジタルパスワードやパターンを主とするロック解除方式から、指紋、顔、虹彩などを主とする生体認識によるロック解除方式に転換している。技術の継続的なブレイクスルーとともに、ロック解除の利便性と安全性も大幅に向上した。
【0004】
現在、アンダースクリーン指紋ロック解除手段は、美しく、便利で、ロック解除速度が速く、ユーザの習慣に合致するなどの利点を有し、今の時期、携帯電話のロック解除の一つの主な方式となっている。しかし、現在、殆どのアンダースクリーン指紋ロック解除手段では、収集した指紋画像が不明瞭で、不完全で、又は変形しているなどの原因で、ユーザは登録時に指を指紋収集領域に繰り返して置いて、局所指紋を複数回収集する必要があり、煩雑であり、また、ロック解除時に指紋画像の品質問題でロック解除効率が低くなり、ユーザエクスペリエンスに深刻な影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、指紋収集回数を減らし、指紋収集の煩雑さを低減し、指紋画像の品質を向上させ、指紋によるロック解除の効率を向上させ、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる指紋画像強調、指紋認識及びアプリケーションプログラム起動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例の目的を達成するために、本願の実施例は、指紋画像強調方法を提供し、前記方法は、
現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得するステップと、
前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得するステップと、
前記第1の前処理画像の有効領域を取得するステップと、
前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行うステップと、
方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得するステップと、を含んでもよい。
【0007】
本願の例示的な実施例では、前記背景テクスチャは、前記現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像の画素平均値であり、ここで、Nは正の整数である。
【0008】
本願の例示的な実施例では、指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得する前記ステップは、
前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行って、前記純粋な指紋画像を取得するステップを含む。
【0009】
本願の例示的な実施例では、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去する前に、前記現フレームの指紋画像及び前記背景テクスチャに対して局所色転送を行う。
【0010】
本願の例示的な実施例では、第1の前処理は、前記純粋な指紋画像に対してコントラスト強調及び/又はノイズ除去を行うことを含む。
【0011】
本願の例示的な実施例では、前記第1の前処理画像の有効領域を取得する前記ステップは、所定の指紋前景分割アルゴリズムを用いる。
【0012】
本願の例示的な実施例では、前記第2の前処理は、
前記有効領域に対してノイズを除去するステップと、
2値化画像を取得するステップと、
前記2値化画像における指紋の隆線を微細化し、前記指紋強調画像を取得するステップと、を含む。
【0013】
本願の実施例は指紋認識方法をさらに提供し、前記方法は、
収集された現フレームの指紋画像に対して強調処理を行い、指紋強調画像を取得するステップであって、前記強調処理は、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得するステップと、
前記指紋強調画像に対して特徴抽出を行い、特徴データを取得するステップと、
前記特徴データと指紋テンプレートの特徴データとの照合に基づいて指紋認識を完了させるステップと、を含んでもよい。
【0014】
本願の例示的な実施例では、前記強調処理は、さらに、
前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得するステップと、
前記第1の前処理画像の有効領域を取得するステップと、
前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行うステップと、
方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得するステップと、を含んでもよい。
【0015】
本願の例示的な実施例では、前記背景テクスチャは、前記現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像の画素平均値であり、ここで、Nは正の整数である。
【0016】
本願の例示的な実施例では、指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得する前記ステップは、
前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行って、前記純粋な指紋画像を取得するステップを含んでもよい。
【0017】
本願の例示的な実施例では、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去する前に、前記現フレームの指紋画像及び前記背景テクスチャに対して局所色転送を行う。
【0018】
本願の例示的な実施例では、前記指紋強調画像に対して特徴抽出を行う前に、さらに、
前記指紋強調画像に対して指紋歪み検出を行い、前記指紋強調画像が正常な指紋画像であるか、歪んだ指紋画像であるかを決定するステップと、
前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行うステップと、を含んでもよい。
【0019】
本願の例示的な実施例では、前記指紋強調画像に対して指紋歪み検出を行うステップは、
前記指紋強調画像を分類器に入力して分類するステップであって、分類結果は正常な指紋画像及び歪んだ指紋画像を含むステップを含んでもよい。
【0020】
本願の例示的な実施例では、前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行うステップは、
前記歪んだ指紋画像の方向場及びピリオドグラムを抽出するステップと、
前記方向場及びピリオドグラムに基づいてデータベースセットにおいて前記歪んだ指紋画像に最も類似の基準となる歪んだ指紋を検索するステップと、
前記基準となる歪んだ指紋に基づいて前記歪んだ指紋画像に対して逆変換補正を行うステップと、を含んでもよい。
【0021】
本願の例示的な実施例では、前記特徴データは、指紋の隆線の詳細点の特徴及び/又は隆線の特徴を含んでもよい。
【0022】
本願の例示的な実施例では、前記特徴データと指紋テンプレートの特徴データとの照合に基づいて指紋認識を完了させるステップは、
前記特徴データと前記指紋テンプレートの特徴データとの特徴類似度を計算するステップと、
前記特徴類似度が特徴類似度閾値以上である場合、指紋認識を完了させるステップと、を含んでもよい。
【0023】
本願の実施例は、指紋認識に基づくアプリケーションプログラム起動方法をさらに提供し、前記アプリケーションプログラム起動方法は、
指紋画像を収集するステップと、
上記の内容のうちいずれか1項に記載の指紋認識方法を用い、前記指紋画像に対して指紋認識を行うステップと、
指紋認識に成功した場合に前記アプリケーションプログラムを起動するステップと、を含んでもよい。
【0024】
本願の例示的な実施例では、指紋画像を収集する前記ステップの前に、前記アプリケーションプログラム起動方法は、タッチパネルにおける指のタッチ操作が指紋画像収集のステップを起動する所定の条件を満たすか否かを検出するステップをさらに含んでもよい。
【0025】
本願の例示的な実施例では、前記指紋認識に基づくアプリケーションプログラム起動方法は、前記アプリケーションプログラムを起動すると同時に身分検証を完了させるステップをさらに含んでもよい。
【0026】
本願の実施例は、さらに、
発光表示ユニットを含み、画面を表示するためのディスプレイと、
少なくとも前記ディスプレイの下方の局所領域に設置され、指紋画像を収集するための指紋収集モジュールと、
前記指紋画像を受信し、請求項8から17のいずれか1項に記載の指紋認識方法を用いて、前記指紋画像に対して指紋認識を行うための指紋認識モジュールと、を含んでもよい指紋検知システムを提供する。
【0027】
本願の例示的な実施例では、前記指紋収集モジュールは、
レンズと、
レンズの下方に設置され、ディスプレイにおける指紋画像を直接取得するためのイメージングユニットと、を含んでもよい。
【0028】
本願の例示的な実施例では、前記指紋収集モジュールは、ディスプレイから出射し、指の表面で反射してディスプレイに戻る光線を検出することによって指紋画像を取得するために用いられる。
【0029】
本願の例示的な実施例では、前記指紋収集モジュールは、指からディスプレイを透過する光線を検出することによって指紋画像を取得し、ここで、屈折角度が第1の閾値よりも大きい光線を検出した場合に、指紋の隆線として決定し、屈折角度が前記第1の閾値以下の光線を検出した場合に、指紋の谷線として決定し、前記指紋の隆線及び前記指紋の谷線に基づいて前記指紋画像を取得する。
【0030】
本願の例示的な実施例では、前記第1の閾値は、前記指紋の谷線箇所の屈折角度であってもよい。
【0031】
本願の例示的な実施例では、前記指紋収集モジュールは、屈折角度が前記第1の閾値よりも大きい光線を案内するための光路案内モジュールをさらに含んでもよい。
【0032】
本願の例示的な実施例では、前記指紋収集モジュールは、屈折角度が前記第1の閾値よりも大きい光線を検出した場合に、前記光線を指紋の隆線として決定し、屈折角度が前記第1の閾値以下の光線を検出した場合に、前記光線を指紋の谷線として決定することで、指紋パターンを取得するために用いることができる光電センサをさらに含んでもよい。
【0033】
本願の実施例は、さらに、
プロセッサと、
前記プロセッサの実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含んでもよく、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令を実行することによって上記のいずれか1項に記載の指紋認識方法を実行するように構成される電子機器を提供する。
【0034】
本願の例示的な実施例では、前記電子機器は、上記のいずれか1項に記載の指紋検知システムをさらに含んでもよい。
【0035】
本願の実施例は、さらに、記憶媒体であって、前記記憶媒体は記憶したプログラムを含んでもよく、前記プログラムが実行される時、前記記憶媒体が配置される機器が上記のいずれか1項に記載の指紋認識方法を実行するように制御する記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0036】
上記の本願の実施例の解決手段により、指紋収集回数を減らし、指紋収集の煩雑さを低減し、指紋画像の品質を向上させ、指紋によるロック解除の効率を向上させ、ユーザエクスペリエンスを向上させる。したがって、少なくとも以下の有益な効果を有する。
1、少ない回数の指紋収集だけで、身分登録を完了させることができ、便利且つ迅速である。
2、携帯電話の画面の任意の位置で指紋認識を行うことができ、柔軟且つ自由である。
3、アプリケーション設計上、指紋認識、アプリケーションプログラム起動、身分検証を一斉に実現することができる。
4、歪んで変形した指紋に対しても高い認識効果を有し、安定的且つ信頼可能である。
【0037】
本願の実施例の他の特徴及び利点は、以下の明細書において説明され、明細書から部分的に明らかになる、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面において特に指摘された構造によって実現及び獲得されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図面は、本願の技術的解決手段をよりよく理解できるようにするためのものであり、明細書の一部を構成し、本願の実施例とともに、本願の技術的解決手段を解釈するために用いられ、本願の技術的解決手段を制限するものではない。
【0039】
図1】本願の実施例の指紋画像強調方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例における方向場辞書の方法を用いて有効領域の初期方向場における誤った部分を直す方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例の第2の前処理方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例の指紋認識方法のフローチャートである。
図5】本願の実施例の前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャを除去することで純粋な指紋画像を取得した後の強調処理方法のフローチャートである。
図6】本願の実施例の方向場補正がされた有効領域に対して第2の前処理を行う具体的な方法のフローチャートである。
図7】本願の実施例の指紋強調画像に対して特徴抽出を行う前の方法のフローチャートである。
図8】本願の実施例の前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行う方法のフローチャートである。
図9-a】本願の実施例の隆線、詳細点、及びサブ隆線の第1の概略図である。
図9-b】本願の実施例の隆線、詳細点、及びサブ隆線の第2の概略図である。
図9-c】本出願の実施例のサブ隆線の番号関係の概略図である。
図10】本願の実施例の指紋認識に基づくアプリケーションプログラム起動方法のフローチャートである。
図11】本願の実施例の指紋検知システムの構成のブロック図である。
図12】本願の実施例の指紋検知システムにタッチパネルが含まれる場合の構造概略図である。
図13】本願の実施例のディスプレイから出射し、指の表面で反射してディスプレイに戻る光線を検出することによって指紋画像を取得する方法の概略図である。
図14】本願の実施例の指からディスプレイを透過する光線を検出することによって指紋画像を取得する方法の概略図である。
図15】本願の実施例の電子機器の構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本願の実施例について詳細に説明する。なお、本願の実施例及び実施例の特徴は、衝突がない場合、いずれも互いに組み合わせることができる。
【0041】
図面のフローチャートに示されるステップは、1セットのコンピュータ実行可能な命令のようなコンピュータシステムで実行することができる。また、フローチャートに論理的な順序が示されているが、場合によっては、示されている又は説明されているステップを、こことは異なる順序で実行することができる。
【0042】
本願の実施例の目的を達成するために、本願の実施例は、指紋画像強調方法を提供し、図1に示すように、前記方法は、S101-S105を含んでもよい。
【0043】
S101において、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得する。
【0044】
本願の例示的な実施例では、アンダースクリーン指紋ロック解除手段においては、アンダースクリーンで収集した光学指紋画像が弱いので、通常、ロック解除過程に指紋画像を複数回収集して検証する必要があるため、ユーザ操作の煩雑さを増加させ、ユーザエクスペリエンスを低下させる。この問題を解決するために、本願の実施例の解決手段は、まず収集した指紋画像に対して強調処理を行ってもよい。
【0045】
本願の例示的な実施例では、前記強調処理は、前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャを除去することで純粋な指紋画像を取得するステップを含んでもよい。
【0046】
本願の例示的な実施例では、通常、収集した画像には、指紋が含まれるだけでなく、指紋画像の背景テクスチャ(例えば、画面自体のテクスチャ、残留指紋画像など)も含まれるため、強調処理においてまず指紋と背景テクスチャを分離してもよい。
【0047】
本願の例示的な実施例では、指紋画像の背景テクスチャを除去し、純粋な指紋画像を取得する前記ステップは、
前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行って、前記純粋な指紋画像を取得するステップを含んでもよい。
【0048】
本願の例示的な実施例では、前記背景テクスチャは、前記現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像の画素平均値で特徴付けてもよく、ここで、Nは正の整数である。
【0049】
本願の例示的な実施例では、複数フレームの画像に対して画素平均値を求める方法を用いて背景テクスチャを取得してもよく、すなわち、現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像シーケンスを用いて画素平均値を計算し、得た結果が背景テクスチャに近いと考えられてもよい。これは、収集した指紋画像シーケンスにおいて、背景テクスチャが相対的に一定で強度が強い一方、指紋の変化が大きく強度が弱いため、複数フレームの画像の平均化によって、偶発的に現れる指紋をさらに弱化し、相対的に安定した背景テクスチャを保留することができる。背景テクスチャを得た後、現フレームの指紋画像及び背景テクスチャを用いて画素対応の削減を行って、背景テクスチャが除去された純粋な指紋画像を取得してもよい。
【0050】
本願の例示的な実施例では、前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行うステップは、現フレームの指紋画像の画素から、当該現フレームの指紋画像の前のNフレームの画素の平均値を減算し、得た結果に対して、特定のアルゴリズム(例えば、所定の係数を乗算し、そして所定の値を加算する)に基づいて、現フレームの指紋画像における背景テクスチャの削減を実現することを含んでもよい。
【0051】
本願の例示的な実施例では、前記指紋画像強調方法は、現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去する前に、前記現フレームの指紋画像及び前記背景テクスチャに対して局所色転送を行うことで、前記現フレーム指紋画像と前記背景テクスチャの輝度を一致させるステップをさらに含んでもよい。
【0052】
本願の例示的な実施例では、前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャ除去を行うと、現フレームの指紋画像と背景テクスチャの輝度が一致せず、直接減算すれば誤った結果が生じることとなる問題が発生するおそれがある。したがって、まず指紋画像及び背景テクスチャに対して局所色転送を行うことで、背景テクスチャと指紋画像の輝度を一致させ、続いて画素ごとに対応する削減を行って、相対的に純粋な指紋画像、すなわち、上記の純粋な指紋画像を取得してもよい。
【0053】
S102において、前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得する。
【0054】
本願の例示的な実施例では、前記第1の前処理は、前記純粋な指紋画像に対してコントラスト強調及び/又はノイズ除去を行うことを含んでもよい。
【0055】
本願の例示的な実施例では、前記純粋な指紋画像に対してコントラスト強調及びノイズ除去を行うことは、
前記純粋な指紋画像に対して局所コントラスト正規化又は局所自己適応ヒストグラム均等化処理を行うことで、前記純粋な指紋画像のコントラストを強調するステップと、
所定のノイズ除去アルゴリズムを用いて、コントラストが強調された純粋な指紋画像に対して第1のフィルタリングを行うステップと、を含んでもよい。
【0056】
本願の例示的な実施例では、指紋画像が弱いため、背景テクスチャを削減して得られた指紋画像は、通常、コントラストが低く、全体のコントラストが不均一である場合もある。したがって、背景テクスチャが削減された純粋な指紋画像に対して、局所コントラスト正規化(Local Contrast Normalization、LCN)又はローカル自己適応ヒストグラム均等化処理を用いて、画像のコントラストを強調し、画像全体のコントラストを相対的に均一にしてもよい。この過程で、画像の元のノイズはある程度で増大されるため、所定のノイズ除去アルゴリズムを用いて追加のノイズ除去処理を行って、コントラストが強調された指紋画像に対してノイズ抑制を行ってもよい。これで、相対的に明瞭な第1の前処理画像が得られる。
【0057】
本願の例示的な実施例では、前記所定のノイズ除去アルゴリズムは、高速非局所平均によるノイズ除去アルゴリズム(Fast Non-Local Means Denoising)を含んでもよい。
【0058】
本願の例示的な実施例では、多くの典型的なノイズ除去アルゴリズムは画像をぼやけさせるが、当該高速非局所平均によるノイズ除去アルゴリズムは、ノイズ除去とともに画像内のエッジ情報をよく保留することができる。また、本願の他の実施例では、高速非局所平均によるノイズ除去アルゴリズムの代わりに、バイラテラルフィルタ(Bilateral Filter)又は異方性拡散フィルタ(Anisotropic Filter)を採用してもよい。
【0059】
なお、当業者であれば、実際の応用の要求に応じてコントラスト強調とノイズ除去という2つのステップを採用してもよく、コントラスト強調又はノイズ除去のみを採用してもよい。
【0060】
S103において、前記第1の前処理画像の有効領域を取得する。
【0061】
本願の例示的な実施例では、先の第1の前処理により得られた指紋画像の品質が比較的良好であるが、さらなる処理を行ってもよい。
【0062】
本願の例示的な実施例では、前記第1のフィルタリングがされた純粋な指紋画像における有効領域を取得してもよく、前記有効領域は、所定の指紋前景分割アルゴリズムに基づいて、前記純粋な指紋画像に対して計算して得られるものである。
【0063】
本願の例示的な実施例では、通常、純粋な指紋画像における有効領域とは、指紋画像の中央部分であり、指紋画像の周辺領域は無効な背景部分であることが多く、無効部分を処理すると、時間の消費を増大させるだけでなく、余分な干渉をもたらす可能性がある。したがって、指紋画像を分割して有効な指紋前景を抽出し、無効な背景部分を除去してもよい。
【0064】
本願の例示的な実施例では、前記第1の前処理画像の有効領域を取得する前記ステップは、所定の指紋前景分割アルゴリズムを用いてもよい。
【0065】
本願の例示的な実施例では、所定の指紋前景分割アルゴリズムは、改良された勾配に基づく指紋画像分割アルゴリズム(Fingerprint Image Segmentation Based on Boundary Values)、又は画像ブロックのグレースケール平均値又はグレースケール分散に基づく分割方法を含んでもよい。所定の指紋前景分割アルゴリズムにより、後続の処理の性能を向上させるとともに、不要な干渉を排除することができる。指紋前景領域(すなわち、上記の有効領域)を得た後、当該領域に対して正規化処理を行うと、指紋収集時の押圧力の違いによる画像強度の差を除去することができる。
【0066】
S104において、前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行う。
【0067】
本願の例示的な実施例では、純粋な指紋画像における有効領域に対して方向場推定を行ってもよい。方向場は、指紋画像の固有の属性であり、局所領域内の指紋の隆線及び谷線の不変座標を定義する。
【0068】
本願の例示的な実施例では、前記方向場推定は、フーリエ変換、勾配法などの方法を用いて、指紋画像の初期方向場を推定してもよく、前記方向場補正は、方向場辞書の方法を用いて、前記有効領域の初期方向場における誤った部分を直し、より正確な方向場結果を得ることを含んでもよい。
【0069】
本願の例示的な実施例では、図2に示すように、方向場辞書の方法を用いて、前記有効領域の初期方向場における誤った部分を直すことは、S201-S203を含んでもよい。
【0070】
S201において、前記有効領域を複数のブロックに分割し、各ブロックにおける方向分布特性を計算する。
【0071】
S202において、各ブロックにおける方向分布特性を所定の方向場辞書と比較し、類似度パラメータを取得する。
【0072】
S203において、類似度パラメータが所定の類似性閾値よりも大きい方向場辞書におけるブロックを基準ブロックとし、基準ブロックにおける方向分布特性に基づいて、前記有効領域における対応するブロックの方向分布特性を補正する。
【0073】
ただし、前記所定の方向場辞書は、所定の品質の要件を満たすサンプル指紋画像によってトレーニングされ、サンプル指紋画像内の全てのブロックにおける方向分布特性を抽出してクラスタリングすることにより得られる。
【0074】
本願の例示的な実施例では、指紋画像を複数のブロックに分割し、各ブロックにおける方向分布特性を計算してもよく、このように、各ブロックは方向場辞書における1つの単語と呼ばれる。予め、品質の比較的良い指紋画像を用いてトレーニングし、全てのブロックにおける方向分布特性を抽出してクラスタリングすることで、完全な方向場辞書を得てもよく、辞書における各ブロックの方向分布が連続的且つ平滑である。現在の指紋画像の初期方向場に対しては、ブロックを同様の方法で分割し、トレーニングで得られた方向場辞書と比較し、方向場辞書における最も類似のブロックを用いて現在のブロックの方向分布を直すことで、現在の指紋画像の方向場をより正確にする。
【0075】
S105において、方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得する。
【0076】
本願の例示的な実施例では、図3に示すように、前記第2の前処理は、S301-S303を含んでもよい。
【0077】
S301において、前記有効領域に対してノイズ除去を行う。
【0078】
本願の例示的な実施例では、Gaborフィルタを用いて前記方向場補正がされた有効領域に対して第2のフィルタリングを行うことで、画像におけるノイズを除去し、正弦波状の隆線及び谷線を保留してもよい。
【0079】
S302において、2値化画像を取得する。
【0080】
本願の例示的な実施例では、自己適応画像2値化アルゴリズムを用いて、前記第2のフィルタリングがされた有効領域内の異なる領域に対して最適な閾値を計算し、前記有効領域内の指紋情報の完全な2値化画像を取得してもよい。
【0081】
S303において、前記2値化画像における指紋の隆線を微細化し、前記指紋強調画像を取得する。
【0082】
本願の例示的な実施例では、前記2値化画像における隆線を1画素の幅まで微細化し、追加のノイズを増加することなく、指紋の元のトポロジー構造を保留してもよい。
【0083】
本願の例示的な実施例では、より正確な方向場情報を得た後、Gaborフィルタを用いて指紋前景をフィルタリングすることで、画像内のノイズの一部を除去し、正弦波状の隆線及び谷線を保留してもよい。続いてフィルタリングがされた指紋画像に対して2値化操作を行い、その間、適切な閾値を選択することが重要であり、自己適応画像2値化アルゴリズムを用いて、異なる領域に対して最適な閾値を計算し、指紋情報の完全な2値化画像を取得してもよい。指紋画像前処理の最後のステップは微細化にしてもよく、このステップは、後続の特徴抽出を容易にするために、2値化画像における隆線を1画素の幅まで微細化するとともに、追加のノイズを増加することなく、指紋の元のトポロジー構造を保留することができる。
【0084】
本願の実施例の目的を達成するために、本願の実施例は指紋認識方法を提供し、図4に示すように、前記方法は、S401-S403を含んでもよい。
【0085】
S401において、収集した現フレームの指紋画像に対して強調処理を行い、前記強調処理は、前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャ除去を行うことで、純粋な指紋画像を取得することを含む。
【0086】
本願の例示的な実施例では、アンダースクリーン指紋ロック解除過程においては、アンダースクリーンで収集した光学指紋画像が弱いので、通常、ロック解除過程に指紋画像を複数回収集して検証する必要があることで、ユーザ操作の煩雑さを増加させ、ユーザエクスペリエンスを低下させる。この問題を解決するために、本願の実施例の解決手段は、まず収集した指紋画像に対して強調処理を行ってもよい。
【0087】
本願の例示的な実施例では、前記強調処理は、前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャを除去することで純粋な指紋画像を取得することを含んでもよい。
【0088】
本願の例示的な実施例では、通常、収集した画像には、指紋が含まれるだけでなく、指紋画像の背景テクスチャ(例えば、画面自体のテクスチャ、残留指紋画像など)も含まれるため、強調処理においてまず指紋と背景テクスチャを分離してもよい。
【0089】
本願の例示的な実施例では、前記現フレームの指紋画像の背景テクスチャを除去することで、純粋な指紋画像を取得することは、
前記現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像シーケンスを用いて画素平均値を計算し、計算結果を前記背景テクスチャとするステップであって、Nは正の整数であるステップと、
前記背景テクスチャに基づいて、前記現フレームの指紋画像において画素対応の削減を行うことで、前記純粋な指紋画像を取得するステップと、を含んでもよい。
【0090】
本願の例示的な実施例では、複数フレームの画像に対して画素平均値を求める方法を用いて背景テクスチャを取得してもよく、すなわち、現フレームの指紋画像の前のNフレームの指紋画像シーケンスを用いて画素平均値を計算し、得た結果が背景テクスチャに近いと考えられてもよい。これは、収集した指紋画像シーケンスにおいて、背景テクスチャが相対的に一定で強度が強い一方、指紋の変化が大きく強度が弱いため、複数フレームの画像の平均化によって、偶発的に現れる指紋をさらに弱化し、相対的に安定した背景テクスチャを保留することができる。背景テクスチャを得た後、現フレームの指紋画像及び背景テクスチャを用いて画素対応の削減を行って、背景テクスチャが除去された純粋な指紋画像を取得してもよい。
【0091】
本願の例示的な実施例では、前記現フレームの指紋画像において前記背景テクスチャに対して画素対応の削減を行うステップは、現フレームの指紋画像の画素から、当該現フレームの指紋画像の前のNフレームの画素の平均値を減算し、得た結果に対して、特定のアルゴリズム(例えば、所定の係数を乗算し、そして所定の値を加算する)に基づいて、現フレームの指紋画像における背景テクスチャの削減を実現することを含んでもよい。
【0092】
本願の例示的な実施例では、前記背景テクスチャに基づいて、前記現フレームの指紋画像において画素対応の削減を行う前に、前記方法は、
前記現フレームの指紋画像及び前記背景テクスチャに対して局所色転送を行うことで、前記現フレーム指紋画像と前記背景テクスチャの輝度を一致させるステップをさらに含んでもよい。
【0093】
本願の例示的な実施例では、前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャ除去を行うと、現フレームの指紋画像と背景テクスチャの輝度が一致せず、直接減算すれば誤った結果が生じることとなる問題が発生するおそれがある。したがって、まず指紋画像及び背景テクスチャに対して局所色転送を行うことで、背景テクスチャと指紋画像の輝度を一致させ、続いて画素ごとに対応する削減を行って、相対的に純粋な指紋画像、すなわち、上記の純粋な指紋画像を取得してもよい。
【0094】
本願の例示的な実施例では、図5に示すように、前記現フレームの指紋画像に対して背景テクスチャ除去を行うことで、純粋な指紋画像を取得した後、前記強調処理は、S501-S504をさらに含んでもよい。
【0095】
S501において、前記純粋な指紋画像に対して第1の前処理を行い、第1の前処理画像を取得する。
【0096】
本願の例示的な実施例では、前記第1の前処理は、
前記純粋な指紋画像に対して局所コントラスト正規化又は局所自己適応ヒストグラム均等化処理を行うことで、前記純粋な指紋画像のコントラストを強調するステップと、
所定のノイズ除去アルゴリズムを用いて、コントラストが強調された純粋な指紋画像に対して第1のフィルタリングを行うステップと、を含んでもよい。
【0097】
本願の例示的な実施例では、指紋画像が弱いため、背景テクスチャを削減して得られた指紋画像は、通常、コントラストが低く、全体のコントラストが不均一である場合もある。したがって、背景テクスチャが削減された純粋な指紋画像に対して、局所コントラスト正規化(Local Contrast Normalization、LCN)又はローカル自己適応ヒストグラム均等化処理を用いて、画像のコントラストを強調し、画像全体のコントラストを相対的に均一にしてもよい。この過程で、画像の元のノイズはある程度で増大されるため、所定のノイズ除去アルゴリズムを用いて追加のノイズ除去処理を行って、コントラストが強調された指紋画像に対してノイズ抑制を行ってもよい。これで、相対的に明瞭な第1の前処理画像が得られる。
【0098】
本願の例示的な実施例では、前記所定のノイズ除去アルゴリズムは、高速非局所平均によるノイズ除去アルゴリズム(Fast Non-Local Means Denoising)を含んでもよい。
【0099】
本願の例示的な実施例では、多くの典型的なノイズ除去アルゴリズムは画像をぼやけさせるが、当該高速非局所平均によるノイズ除去アルゴリズムは、ノイズ除去とともに画像内のエッジ情報をよく保留することができる。また、本願の他の実施例では、高速非局所平均によるノイズ除去アルゴリズムの代わりに、バイラテラルフィルタ(Bilateral Filter)又は異方性拡散フィルタ(Anisotropic Filter)を採用してもよい。
【0100】
S502において、前記第1の前処理画像の有効領域を取得する。
【0101】
本願の例示的な実施例では、先の第1の前処理により得られた指紋画像の品質が比較的良好であるが、さらなる処理を行ってもよく、例えば、前記第1のフィルタリングがされた純粋な指紋画像における有効領域を取得し、前記有効領域は、所定の指紋前景分割アルゴリズムに基づいて、前記純粋な指紋画像に対して計算して得られるものである。
【0102】
本願の例示的な実施例では、通常、純粋な指紋画像における有効領域とは、指紋画像の中央部分であり、指紋画像の周辺領域は無効な背景部分であることが多く、無効部分を処理すると、時間の消費を増大させるだけでなく、余分な干渉をもたらす可能性がある。したがって、指紋画像を分割して有効な指紋前景を抽出し、無効な背景部分を除去してもよい。
【0103】
本願の例示的な実施例では、所定の指紋前景分割アルゴリズムは、改良された勾配に基づく指紋画像分割アルゴリズム(Fingerprint Image Segmentation Based on Boundary Values)、又は画像ブロックのグレースケール平均値又はグレースケール分散に基づく分割方法を含んでもよい。所定の指紋前景分割アルゴリズムにより、後続の処理の性能を向上させるとともに、不要な干渉を排除することができる。指紋前景領域(すなわち、上記の有効領域)を得た後、当該領域に対して正規化処理を行うと、指紋収集時の押圧力の違いによる画像強度の差を除去することができる。
【0104】
S503において、前記有効領域に対して方向場推定及び方向場補正を行う。
【0105】
本願の例示的な実施例では、純粋な指紋画像における有効領域に対して方向場推定を行ってもよい。方向場は、指紋画像の固有の属性であり、局所領域内の指紋の隆線及び谷線の不変座標を定義する。
【0106】
本願の例示的な実施例では、前記方向場推定は、フーリエ変換、勾配法などの方法を用いて、指紋画像の初期方向場を推定してもよく、前記方向場補正は、方向場辞書の方法を用いて、前記有効領域の初期方向場における誤った部分を直し、より正確な方向場結果を得ることを含んでもよい。
【0107】
本願の例示的な実施例では、方向場辞書の方法を用いて、前記有効領域の初期方向場における誤った部分を直すことは、
前記有効領域を複数のブロックに分割し、各ブロックにおける方向分布特性を計算するステップと、
各ブロックにおける方向分布特性を所定の方向場辞書と比較し、類似度パラメータを取得するステップと、
類似度パラメータが所定の類似性閾値よりも大きいブロックを基準ブロックとし、基準ブロックにおける方向分布特性に基づいて、前記有効領域における対応するブロックの方向分布特性を補正するステップと、を含んでもよい。
【0108】
ただし、前記所定の方向場辞書は、所定の品質の要件を満たすサンプル指紋画像をトレーニングし、前記サンプル指紋画像内の全てのブロックにおける方向分布特性を抽出してクラスタリングすることにより得られる。
【0109】
本願の例示的な実施例では、指紋画像を複数のブロックに分割し、各ブロックにおける方向分布特性を計算してもよく、このように、各ブロックは方向場辞書における1つの単語と呼ばれる。予め、品質の比較的良い指紋画像を用いてトレーニングし、全てのブロックにおける方向分布特性を抽出してクラスタリングすることで、完全な方向場辞書を得てもよく、辞書における各ブロックの方向分布が連続的且つ平滑である。現在の指紋画像の初期方向場に対しては、ブロックを同様の方法で分割し、トレーニングで得られた方向場辞書と比較し、方向場辞書における最も類似のブロックを用いて現在のブロックの方向分布を直すことで、現在の指紋画像の方向場をより正確にする。
【0110】
S504において、方向場補正がされた前記有効領域に対して第2の前処理を行い、指紋強調画像を取得する。
【0111】
本願の例示的な実施例では、前記第2の前処理は、第2のフィルタリングと、2値化処理と、微細化と、を含んでもよい。
【0112】
本願の例示的な実施例では、図6に示すように、前記方向場補正がされた有効領域に対して第2の前処理を行う前記ステップは、具体的には、S601-S603を含んでもよい。
【0113】
S601において、Gaborフィルタを用いて前記方向場補正がされた有効領域に対して前記第2のフィルタリングを行うことで、画像におけるノイズを除去し、正弦波状の隆線及び谷線を保留する。
【0114】
S602において、自己適応画像2値化アルゴリズムを用いて、前記第2のフィルタリングがされた有効領域内の異なる領域に対して最適な閾値を計算し、前記有効領域内の指紋情報の完全な2値化画像を取得する。
【0115】
S603において、前記2値化画像における隆線を1画素の幅まで微細化し、追加のノイズを増加することなく、指紋の元のトポロジー構造を保留する。
【0116】
本願の例示的な実施例では、より正確な方向場情報を得た後、Gaborフィルタを用いて指紋前景をフィルタリングすることで、画像内のノイズの一部を除去し、正弦波状の隆線及び谷線を保留してもよい。続いてフィルタリングがされた指紋画像に対して2値化操作を行い、その間、適切な閾値を選択することが重要であり、自己適応画像2値化アルゴリズムを用いて、異なる領域に対して最適な閾値を計算し、指紋情報の完全な2値化画像を取得してもよい。指紋画像前処理の最後のステップは微細化にしてもよく、このステップは、後続の特徴抽出を容易にするために、2値化画像における隆線を1画素の幅まで微細化するとともに、追加のノイズを増加することなく、指紋の元のトポロジー構造を保留することができる。
【0117】
本願の例示的な実施例では、図7に示すように、前記指紋強調画像に対して特徴抽出を行う前に、S701-S702をさらに含んでもよい。
【0118】
S701において、前記指紋強調画像に対して指紋歪み検出を行い、前記指紋強調画像が正常な指紋画像であるか、歪んだ指紋画像であるかを決定する。
【0119】
S702において、前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行う。
【0120】
本願の例示的な実施例では、指紋認識過程において、通常、指紋が歪んで変形するという問題があり、これは収集過程における指の押圧の力と方向が異なることによるものであり、これにより同一の指に異なる特徴データが発生することとなり、最後の認識結果に影響を与える。したがって、指紋歪み検出及び補正アルゴリズムを用いて、歪みが発生した指紋画像を歪んで変形しない状態に補正してもよく、それにより、最後に得られた特徴データの一致性を保証する。
【0121】
本願の例示的な実施例では、前記指紋強調画像に対して指紋歪み検出を行う前記ステップは、
前記指紋強調画像を分類器に入力して分類するステップであって、分類結果は正常な指紋画像及び歪んだ指紋画像を含むステップを含んでもよい。
【0122】
本願の例示的な実施例では、指紋の歪みと変形により、最終的に抽出された特徴データが正常な状態と異なることになり、照合スコアを大幅に低下させ、誤った認識結果を引き起こす。したがって、まず指紋画像に対して歪み検出を行ってもよく、歪んで変形することを検出すると、当該指紋画像を補正することで、指紋画像を正常な状態に戻す。このため、予め収集した大量の正常な指紋画像、及び歪んだ指紋画像を用いて分類器をトレーニングし得て、強調処理された指紋画像を当該トレーニングされた分類器に入力し、現在入力されている指紋画像を2つに分類し、分類結果が歪みの場合には、当該指紋画像に対して歪み補正を行う。
【0123】
本願の例示的な実施例では、図8に示すように、前記歪んだ指紋画像に対して歪み補正を行う前記ステップは、S801-S803を含んでもよい。
【0124】
S801において、前記歪んだ指紋画像の方向場及びピリオドグラムを抽出する。
【0125】
S802において、前記方向場及びピリオドグラムに基づいてデータベースセットにおいて前記歪んだ指紋画像に最も類似の基準となる歪んだ指紋を検索する。
【0126】
S803において、前記基準となる歪んだ指紋に基づいて前記歪んだ指紋画像に対して逆変換補正を行う。
【0127】
本願の例示的な実施例では、歪み補正は、歪んだ指紋画像の歪み場を推定し、それを逆変換させることにより完成してもよい。このため、様々な歪み指紋に対応する歪み場(歪み場とは、正常で歪みのない状態から歪みのある状態への指紋の変換関係を意味する)、方向場、ピリオドグラム(ピリオドグラムとは、指紋画像の各位置における隆線の周期又は周波数(隆線の密集度合いを表す)を含むデータベースセットを構築する。具体的な方法は、通常の正常な指紋と歪み指紋の画像ペアを収集することで、これらの画像ペアによって通常の歪み場の統計モデルを取得し、これらの統計モデルを用いて大量の歪み場を合成して正常な指紋画像に作用させ、正常な指紋画像に対応する歪んだ指紋画像、及びこれらの方向場とピリオドグラムのセットをさらに取得し、上記のデータベースセットとするステップを含んでもよい。
【0128】
本願の例示的な実施例では、指紋画像に対する歪み補正は、現在検出された歪んだ指紋画像に対して、まずその方向場とピリオドグラムを抽出し、続いてデータベースセットにおいて現在歪んだ指紋画像の特徴に最も類似の基準となる歪んだ指紋を検索し、当該歪み指紋に対応する歪み場に基づいて現在歪んだ指紋画像に対して逆変換補正を行うことで、現在歪んだ指紋画像を正常状態に戻すことを含んでもよい。
【0129】
S402において、前記指紋強調画像に対して特徴抽出を行い、特徴データを取得する。
【0130】
本願の例示的な実施例では、前記特徴データは、指紋の隆線の詳細点の特徴、隆線の特徴を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0131】
本願の例示的な実施例では、以上のステップにより指紋画像強調処理を完了させることができ、歪み指紋の補正を完了させることができ、それにより、高品質の指紋画像を取得する。当該高品質の指紋画像に対して、微細化された指紋の隆線の特徴を抽出することで、特徴データを取得することができる。
【0132】
本願の例示的な実施例では、隆線の端点及び分岐点などを含んでもよい詳細点の特徴を抽出してもよい。詳細点の特徴を所定の形式で符号化して記憶することで、現在の指紋画像の特徴データを得ることができる。
【0133】
S403において、前記特徴データと指紋テンプレートの特徴データとの照合に基づいて指紋認識を完了させる。本願の例示的な実施例では、前記特徴データと指紋テンプレートの特徴データとの照合に基づいて指紋認識を完了させる前記ステップは、
前記特徴データと前記指紋テンプレートの特徴データとの特徴類似度を計算するステップと、
前記特徴類似度が特徴類似度閾値以上である場合、指紋認識を完了させるステップと、を含んでもよい。
【0134】
本願の例示的な実施例では、取得した現在の指紋画像の特徴データと指紋テンプレートからの異なる指紋の特徴データとを照合することで、異なる指紋の間の類似度を計算することができ、それにより当該類似度に基づいて指紋認識及び検証を完了させることができる。一般的には、現在の指紋画像の前記特徴データと所定の異なる指紋の特徴データのうちいずれか1つとの類似度が所定の類似度閾値以上である場合、両者がマッチングすると決定するとともに、検証に成功したと決定することができる。
【0135】
本願の例示的な実施例では、一般的には、指紋認識を行う最終段階において、指紋照合を行う場合、内部に記憶された指紋テンプレート(すなわち、所定の異なる指紋の特徴データ)は、現在入力された指紋の姿勢と異なり、マッチングを直接行うことができないため、まず、互いに照合する2つの指紋画像を位置合わせしてもよい。指紋の位置合わせは、通常、最も類似のサブ構造(例えば詳細点セットや隆線)を探すことによって完了され、ここで、用いられるサブ構造は、詳細点及び関連する複数の隆線であってもよく、具体的には、詳細点、詳細点が位置する隆線、及び当該隆線の両側に隣接する隆線からなるサブ構造である。当該サブ構造については、まず、詳細点(図9-a、図9-bにおける黒い点で示されるように、隆線の内部の端点又は分岐点は、詳細点を表す)を決定し、そして、詳細点により隆線に垂直な方向に沿って直線を引き、直線と隣接する隆線との2つの交点を投影点と呼び、詳細点及び投影点によりサブ構造における隆線を分割し、これらの相対位置及び方向に基づいて番号付けし、図9-a、図9-bに示すとおりである。図中の元の完全な黒い線は、隆線(図9-aにおける2+3、4+5、1、及び図9-bにおける4+5、3+1、3+2、6+7)を表し、隆線の内部の端点又は分岐点は、詳細点(図9-a、9-bにおける黒い点で示される)を表し、図中の白い点は、投影点であり、隆線が詳細点又は投影点で分割されて、サブ隆線(図9-aにおける2、3、1、4、5、及び図9-bにおける4、5、3、1、2、6、7で示される)が得られる。
【0136】
本願の例示的な実施例では、2つのサブ構造が以下の条件のうちいずれか1つ以上を満たすと、これらが互いにマッチングすると判定することができる。1.詳細点のタイプが同一で、対応するサブ隆線の番号が同一であり、2.詳細点のタイプが異なるが、サブ隆線の番号関係が2つの所定のもののうち1つ(図9-cに示される)であり、3.対応するサブ隆線の類似度が一定の類似度閾値よりも大きく、全てのサブ隆線の平均類似度が一定の類似度閾値よりも大きい。次に、全てのマッチングしたサブ構造から最もマッチングする上位のNペアを選択し、それらの間の全体のアフィン変換を最小二乗法で推定することで、2つの指紋画像の位置合わせを完了させる。
【0137】
本願の例示的な実施例では、理想的には、本来マッチングした詳細点ペア及びサブ構造ペアは、位置合わせ変換がされた後に完全に重なるはずであるが、実際には、詳細点抽出プロセスの誤差及び位置合わせ変換と実際の物理変換との誤差のために、詳細点ペアとサブ構造ペアが完全にマッチングすることができない。このため、より安定的なマッチング手段で指紋の間の類似度を計算してもよく、主に、以下の2つの面を考慮してもよい。1.詳細点ペアの面において、まず1つの基準詳細点を選択し、他の全ての詳細点を、基準詳細点を原点とする極座標に変換してもよく、続いて角度が昇順になる方式で、全ての詳細点を接続して特徴文字列を構成してもよく、最後に指紋テンプレートの特徴文字列と現在の指紋の特徴文字列との間の編集距離を計算し、編集距離に基づいて詳細点ペアの間のマッチングスコアを決定してもよい。2.構造ペアの面において、指紋の位置合わせ時に得られた最もマッチングする上位のNペアのサブ構造をトラバースしてもよく、各ペアのサブ構造における対応する隆線が初期のマッチングした隆線ペアを構成し、マッチングした隆線ペアに隣接する隆線ペアが新たなマッチングした隆線ペアを構成し、これにより、2つの指紋のマッチングした隆線ペアセットを得る。マッチングしたいずれかの隆線ペアについては、それらが位置するサブ構造ペアの変換又はそれらを生成する隆線ペアが位置するサブ構造ペアの変換によって位置合わせしてもよく、続いて動的計画により最適なマッチングシーケンスを計算し、マッチングした隆線ペアの間のマッチング点の数を得てもよい。これとともに、サブ構造ペアにおける詳細点については、これらが位置するマッチングした隆線ペアにおけるマッチング点からの距離が一定の距離閾値よりも小さく、且つ、詳細点の隣接する隆線間の周期が、対応する詳細点の隣接する隆線間の周期に比較的近い場合(例えば、所定の差分閾値よりも小さい場合)、詳細点ペアが互いにマッチングするとみなすことができる。最後に、マッチングした隆線ペアにおけるマッチング点の割合及びマッチングしたサブ構造ペアに占めるマッチングした詳細点の割合により、サブ構造ペアの間のマッチングスコアを得てもよい。詳細点ペアのマッチングスコアとサブ構造ペアのマッチングスコアとを統合して、2つの指紋画像の間の最終的な類似度を得てもよく、当該最終的な類似度と所定の類似度閾値とを比較することにより、現在の2つの指紋がマッチングに成功したか否かを確認することができる。
【0138】
本願の実施例の他の態様によれば、指紋認識に基づくアプリケーションプログラム起動方法をさらに提供し、図10に示すように、当該アプリケーションプログラム起動方法は、S1001-S1003をさらに含んでもよい。
【0139】
S1001において、指紋画像を収集する。
【0140】
S1002において、上記いずれか1項の指紋認識方法により、指紋画像を認識する。
【0141】
S1003において、指紋認識に成功した場合に、当該アプリケーションプログラムを起動する。
【0142】
本願の例示的な実施例では、アプリケーションプログラム起動方法は、指紋画像を収集する前記ステップの前に、タッチパネルにおける指のタッチ操作が指紋画像収集のステップを起動する所定の条件を満たすか否かを検出するステップをさらに含んでもよい。
【0143】
本願の例示的な実施例では、アプリケーションプログラムは、ユーザのプライバシー、個人情報、又は企業及び公的機関の機密情報を保護するために、許可された個人のみがアクセスできるコンピュータプログラムであってもよい。
【0144】
本願の例示的な実施例では、アプリケーションプログラム起動方法は、アプリケーションプログラムを起動すると同時に身分検証を完了させてもよい。
【0145】
本願の例示的な実施例では、指紋認識に成功して、アプリケーションプログラムを起動すると同時に、当該アプリケーションプログラム及び当該指紋に対応するユーザの身分情報を収集して、ビッグデータ分析に用いてもよい。例えば、ユーザがアプリケーションプログラムを利用した頻度や時点などの情報を収集することにより、ユーザの嗜好や習慣を分析してもよく、これにより、アプリケーションプログラム開発者が市場計画を立てることに役立つことができる。
【0146】
従来のアプリケーションプログラム起動方法では、まず指でクリック又はタッチすることによりアプリケーションプログラムを起動し、続いてアプリケーションが指紋検証を提示する時に、再度指で特定の指紋認識領域を押圧してこそ身分検証を完了させることができる。このように、従来の方法では、アプリケーションプログラムを起動し身分検証を完了するために少なくとも2つのステップが必要であり、操作が煩雑であり、時間がかかり、ユーザエクスペリエンスをある程度低下させる。本願の実施例では、上記のステップにより、指で画面をクリック、タッチ、又は、近接すれば、アプリケーションプログラムを起動すると同時に身分検証を完了させることで、ユーザがアプリケーションプログラムに対して対応する操作を行う権限を有することを確認し、アプリケーションプログラムに対する安全なアクセス(例えば、安全な金融取引)を提供することができる。
【0147】
本願の実施例の他の態様によれば、指紋検知システム1をさらに提供し、図11に示すように、前記指紋検知システムは、ディスプレイ11と、指紋収集モジュール12と、指紋認識モジュール13とを含んでもよい。
【0148】
ディスプレイ11は、発光表示ユニットを含み、画面を表示するために用いられる。
【0149】
本願の例示的な実施例では、発光表示ユニットは、例えば、発光ダイオード(Light-Emitting Diode、LED)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)又はマイクロ発光ダイオード(Micro-LED)などのような、自発光型表示ユニットであってもよい。他の変形例では、発光表示ユニットは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)などのような、受動発光型表示ユニットであってもよい。
【0150】
指紋収集モジュール12は、少なくとも前記ディスプレイの下方の局所領域に設置され、指紋画像を収集するために用いられる。
【0151】
本願の例示的な実施例では、ポータブル又はウェアラブル機器の空間が限られているので、表示領域を可能な限り大きくすることが一般的に望まれるため、表示領域への占有を減らすために、指紋収集モジュールを少なくともディスプレイの下方の局所領域に設置してもよい。
【0152】
指紋認識モジュール13は、前記現フレームの指紋画像を受信し、上記の指紋認識方法を用いて前記指紋画像に対して指紋認識を行うために用いられる。
【0153】
本願の例示的な実施例では、ディスプレイ11はタッチディスプレイであってもよく、画面を表示することができるだけでなく、ユーザの指の操作(例えば、ディスプレイをタッチ、押圧又は近接する)を検出することができ、それにより、マンマシンインタラクションのインタフェースをユーザに提供する。例えば、一実施例では、図12に示すように、指紋検知システムは、タッチパネル(Touch Panel、TP)をさらに含んでもよく、当該タッチパネルは、ディスプレイの表面に設けられてもよいし、一部又は全体がディスプレイに集積されてタッチディスプレイを構成してもよい。
【0154】
本願の例示的な実施例では、指紋検知システム1は、ディスプレイの保護のために、ディスプレイの上方に設置され、ユーザがタッチし画面を表示するインタフェースとするカバープレートをさらに含んでもよい。カバープレートはガラスやサファイアであってもよく、これらに限定されない。
【0155】
指紋収集モジュール12の構成と構造に関する本願の第1の例示的な実施例では、指紋収集モジュール12は、光学コリメータと光電検出器(Photo Detector)とを含んでもよい。光学コリメータにより、入射角が所定の角度よりも小さい光線のみが光電検出器に到達することができる。
【0156】
指紋収集モジュール12の構成と構造に関する本願の第2の例示的な実施例では、指紋収集モジュールは、レンズとイメージングユニットとを含んでもよく、そのうち、イメージングユニットは、レンズの下方に設けられてもよく、レンズのイメージング原理を利用してディスプレイにおける指紋画像を直接取得する。ただし、レンズは凸レンズを用いてもよい。実際の用途の要求に応じて、1つ以上のレンズ及びイメージングユニットをディスプレイの下方にそれぞれ設置してもよく、それにより、画面の局所領域、半画面又は全画面での指紋収集及び認識を実現する。レンズとイメージングユニットは、互いに独立した部材であっても、一体に集積された部材であってもよく、レンズとイメージングユニットが互いに独立した場合、両者の数は必ずしも1対1に対応しない。
【0157】
指紋収集モジュール12の構成と構造に関する本願の第3の例示的な実施例では、前記指紋収集モジュールは、ディスプレイから出射し、指の表面で反射してディスプレイに戻る光線を検出することによって指紋画像を取得するために用いられる。具体的には、指紋取得モジュールは、ディスプレイから出射し、指の表面で反射してディスプレイに戻る光線を検出することによって指紋画像を取得することができる、第1の光電センサを含んでもよい。図13に示すように、ディスプレイにおける点灯した発光表示ユニットから十分に離れた位置において、指紋の隆線箇所の屈折率が指紋の谷線箇所の屈折率よりも大きいため、指紋の谷線箇所では全反射し、指紋の隆線箇所では全反射せず、一部の光が指の内部を透過することにより、指紋の谷線箇所での反射光の強度が指紋の隆線箇所での反射光よりも大きくなり、反射してディスプレイに戻る光線の強弱を検出することにより、指紋の隆線及び指紋の谷線を決定することができ、それにより、指紋画像を取得する。しかし、この解決手段では、励起光が内蔵された発光表示ユニットであり、反射光の強弱を検出するには、環境光による効果への影響が大きいため、反射光の強弱の差が小さい場合、指紋画像の鮮明度を低下させることとなる。
【0158】
指紋収集モジュール12の構成と構造に関する本願の第4の例示的な実施例では、図14に示すように、前記指紋収集モジュール12は、指からディスプレイを透過する光線を検出することによって指紋画像を取得してもよく、ここで、屈折角度が第1の閾値よりも大きい光線を検出した場合に、当該光線を指紋の隆線として決定することができ、そうでなければ、当該光線を指紋の谷線として決定し、指紋の隆線及び指紋の谷線に基づいて前記指紋画像を取得する。前記第1の閾値は、前記指紋の谷線箇所の屈折角度であってもよい。好ましくは、指紋収集モジュール12は、屈折角度が第1の閾値よりも大きい光線を案内するための光路案内モジュールをさらに含んでもよい。前記指紋収集モジュール12は、屈折角度が第1の閾値よりも大きい光線を検出した場合に、指紋の隆線として決定し、そうでなければ、指紋の谷線として決定することで、指紋パターンを取得するために用いることができる光電センサ(第2の光電センサ)をさらに含んでもよい。第2の光電センサは、相補型金属酸化物半導体CMOSセンサ、薄膜トランジスタTFTセンサ、又は他のカスタムのセンサであってもよい。本実施例では、励起光自体が環境光であるため、指紋画像の取得が環境光からの影響を受けず、理論的には、環境光が強ければ強いほど収集効果が高い。また、環境光が不十分な場合には、指の周囲のディスプレイに内蔵された発光表示ユニットを点灯させる、又は外部光源を点灯させることで、光の強度を高めるようにしてもよい。
【0159】
上記の本願の例示的な実施例によれば、指紋検知システムがディスプレイの下方に位置するので、ディスプレイの表示領域は電子機器の表面全体まで広げることができる。また、指紋検知システムをディスプレイの下方の領域の一部又は全部に設置することで、局所領域、半画面又は全画面の指紋認識を実現することができる。従来技術では、指紋検知システムは、通常、ディスプレイ外の領域に設置され、且つ指との接触面が小さく、例えば、アップルiphone6が挙げられ、認識オブジェクト及び認識方式に対する制限が非常に大きく、大きなパターン(例えば、掌紋)を収集し認識することには適しておらず、複数の認識オブジェクトに対する認識と検証を同時に行うことにも適していない。本願の実施例の技術的解決手段を採用すると、ディスプレイの下方の局所領域、半画面領域又は全画面領域のそれぞれに1つ以上の独立又は一体の指紋検知システムを設置することができるので、大きなパターン(例えば、掌紋)に対する収集と認識を実現することで、利用場面を拡張することができ、また、複数の認識オブジェクトに対する認識と検証を同時に行うことを実現することで、アプリケーションプログラムのセキュリティを高めることができ、例えば、ある金融決済型アプリケーションプログラムが2人の指を同時に検証してこそ決済を完了させることができるように設定する場合、全画面の指紋認識を設定することで、2人の指がディスプレイの任意の領域を同時にタッチすることができる。
【0160】
本願の例示的な実施例では、本願の実施例の技術的解決手段は、例えばスマートフォン、ノート型パソコン、タブレット型パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、スマートバンド、スマートウォッチなどのポータブル又はウェアラブル電子機器、及び現金自動預け払い機(Automated Teller Machine、ATM)、情報管理システム、電子ドアロックなどの他の電子機器のような、ディスプレイを有する各種の電子機器に適用することができる。
【0161】
本願の例示的な実施例では、本願の実施例の技術的解決手段は、指紋以外の他の生体特徴認識を行うこともでき、本願の実施例は、これについて限定しない。
【0162】
本願の実施例の他の態様によれば、電子機器Aをさらに提供し、図15に示すように、当該電子機器は、
プロセッサ2と、
プロセッサ2の実行可能な命令を記憶するためのメモリ3を含んでもよく、
そのうち、前記プロセッサ2は、前記実行可能な命令を実行することにより、上記のいずれか1項に記載の指紋認識方法を実行するように構成される。
【0163】
本願の例示的な実施例では、図15に示すように、電子機器Aは、上記のいずれか1項に記載の指紋検知システム1をさらに含んでもよい。
【0164】
本願の実施例の他の態様によれば、記憶媒体をさらに提供し、前記記憶媒体は記憶したプログラムを含み、ここで、前記プログラムが実行される時、前記記憶媒体が配置される機器が上記の内容のうちいずれか1項に記載の指紋認識方法を実行するように制御する。
【0165】
本願の実施例は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
1、少ない回数の指紋収集だけで、身分登録を完了させることができ、便利且つ迅速である。
2、携帯電話の画面の任意の位置で指紋認識を行うことができ、柔軟且つ自由である。
3、アプリケーション設計上、指紋認識、アプリケーションプログラム起動、身分検証を一斉に実現することができる。
4、歪んで変形した指紋に対しても高い認識効果を有し、安定的且つ信頼可能である。
【産業上の利用可能性】
【0166】
当業者であれば、上記に開示された方法のステップの全部若しくは一部、システム、装置における機能モジュール/ユニットは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実施されてもよいことを理解することができる。ハードウェアの実施形態において、上記の説明で言及された機能モジュール/ユニットの間の分割は、必ずしも物理コンポーネントの分割に対応しなく、例えば、1つの物理コンポーネントは、複数の機能を有してもよく、又は1つの機能やステップは、いくつかの物理コンポーネントが協働して実行されてもよい。コンポーネントの一部又は全ては、デジタル信号プロセッサ又はマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして実施されてもよいし、ハードウェアとして実施されてもよいし、特定用途向け集積回路のような集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含んでもよいコンピュータ読み取り可能な媒体上に分散されてもよい。当業者によく知られているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光ディスクストレージ、カートリッジディスク、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージ装置、又は所望の情報を記憶するために用いることができ、またコンピュータによってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波若しくは他の搬送機構などの変調データ信号内の他のデータを含み、また、任意の情報配信媒体を含んでもよいことが当業者によく知られている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-a】
図9-b】
図9-c】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2021-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項29
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項29】
請求項21から27のいずれか1項に記載の指紋検知システムをさらに含む請求項28に記載の電子機器。
【国際調査報告】