(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】ベビーカーフレームおよびベビーカー
(51)【国際特許分類】
B62B 3/00 20060101AFI20220427BHJP
B62B 9/00 20060101ALI20220427BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20220427BHJP
B60K 7/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
B62B3/00 B
B62B9/00
B60K1/04 A
B60K7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555493
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2020056180
(87)【国際公開番号】W WO2020182715
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】202019101456.3
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホレイス、ラルフ
【テーマコード(参考)】
3D050
3D051
3D235
【Fターム(参考)】
3D050AA04
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050JJ08
3D050KK13
3D051AA02
3D051AA23
3D051BA03
3D051CE06
3D235AA21
3D235BB19
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3D235BB24
3D235BB25
3D235CC14
3D235CC42
3D235EE63
3D235FF35
3D235GB34
3D235HH61
(57)【要約】
好適にはベビーカーフレーム(10)を補助的に駆動するための少なくとも1つの電動モータ(18a、18b)と、少なくとも1つの車輪連結装置(13)、特に車輪軸、好適には後輪車軸と、車輪連結装置(13)に連結された、または連結可能であり、組み立てられた状態において、少なくとも部分的に車輪連結装置(13)の外側に配置され、少なくとも大部分が、特に完全に、車輪連結装置(13)の上端の高さより下に配置され、および/または少なくとも部分的に車輪連結装置(13)の下に配置される、少なくとも1つのバッテリモジュール(20)とを備えるベビーカーフレーム(10)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好適にはベビーカーフレーム(10)を補助的に駆動するための少なくとも1つの電動モータ(18a、18b)と、
少なくとも1つの車輪連結装置(13)、特に車輪軸、好適には後輪車軸と、
前記車輪連結装置(13)に連結された、または連結可能であり、組み立てられた状態において、少なくとも部分的に前記車輪連結装置(13)の外側に配置され、少なくとも大部分が、特に完全に、前記車輪連結装置(13)の上端の高さより下に配置され、および/または、少なくとも部分的に前記車輪連結装置(13)の下に配置された少なくとも1つのバッテリモジュール(20)と
を備えるベビーカーフレーム(10)。
【請求項2】
好適には前記ベビーカーフレーム(10)を補助的に駆動するための少なくとも1つの電動モータ(18a、18b)と、
少なくとも1つの車輪連結装置(13)、特に車輪軸、好適には後輪車軸と、
前記車輪連結装置(13)に連結された、または連結可能であり、前記組み立てられた状態において、少なくとも部分的に前記車輪連結装置(13)の外側に配置され、前記車輪連結装置(13)の高さまたは径の1.5倍以下、好適には1.0倍以下の大きさの高さおよび/または径を有する少なくとも1つのバッテリモジュール(20)と
を備える、特に請求項1に記載のベビーカーフレーム(10)。
【請求項3】
前記バッテリモジュール(20)は、前記組み立てられた状態において、少なくとも部分的に、特に大部分が、好適には完全に、
水平面に垂直かつ移動方向に垂直に延び、前記車輪連結装置の外端、好適には後端を有する第1の垂直面(22)の、前記ベビーカーフレームの中心も備える内側に配置され、
および/または、前記垂直面(22)への前記バッテリモジュール(20)の投影が、前記車輪連結装置(13)の前記垂直面(22)への投影と少なくとも部分的に、好適には大部分が、および/または不完全に重なるように配置される
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のベビーカーフレーム。
【請求項4】
前記バッテリモジュール(20)は、前記車輪連結装置によって連結された車輪の車輪間隔および/または前記車輪連結装置(13)の長さの半分以上にわたり延びる
ことを特徴とする、請求項1~3の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項5】
前記バッテリモジュール(20)は、特に工具を用いて、および/または手動で、前記車輪連結装置(13)から取外し可能である
ことを特徴とする、請求項1~4の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項6】
前記バッテリモジュールは、前記ベビーカーフレームを少なくとも補助的に駆動するための電動モータを含まない
ことを特徴とする、請求項1~5の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項7】
前記バッテリモジュール(20)は、前記組み立てられた状態において、
少なくとも第1の角度から見た時、大部分が、特に完全に、前記車輪連結装置(13)によって覆われており、少なくとも第1の角度は、水平面に対して好適には0°より大きく、更に好適には20°より大きく、および/または90°より小さく、好適には60°より小さく、
および/または、少なくとも第2の角度から見た時、大部分が、特に完全に、前記車輪連結装置(13)によって覆われていない
ことを特徴とする、請求項1~6の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項8】
前記組み立てられた状態において前記バッテリモジュール(20)に当接しない前記車輪連結装置(13)の断面の縁部は、丸みを帯びており、特に少なくとも概ね弓形、好適には円形に形成され、
および/または、前記組み立てられた状態において前記車輪連結装置(13)に当接しない前記バッテリモジュール(20)の断面の縁部は、丸みを帯びており、特に、任意選択的に丸みを帯びた角領域を有し、または丸みを帯びた角領域を有さず、少なくとも概ね弓形に形成される
ことを特徴とする、請求項1~7の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項9】
前記組み立てられた状態において、前記車輪連結装置(13)の外側表面および前記バッテリモジュール(20)の外側表面は、少なくとも部分的に、少なくとも概ね合体する
ことを特徴とする、請求項1~8の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項10】
特に前記車輪連結装置の平坦側面、好適には前記平坦側面の縁部に、位置決め補助具、好適には少なくとも1つの止め具が設けられる
ことを特徴とする、請求項1~9の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項11】
好適には少なくとも部分的に前記車輪連結装置(13)上に、更に好適には前記車輪連結装置(13)上のみに配置され、および/または前記バッテリモジュール(20)上には配置されない、ブレーキ、特にパーキングブレーキのための、特に足で作動させる作動装置(2.1)
を特徴とする、請求項1~10の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項12】
前記車輪連結装置(13)および前記バッテリモジュール(20)を互いに連結するため、特にそれらを互いにラッチするための少なくとも1つのロック装置、特にラッチ装置
を特徴とする、請求項1~11の1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項13】
請求項1~12の1項に記載のベビーカーフレーム(10)を備えるベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ベビーカーフレームおよび対応するベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ベビーカーは、原理として知られている。これらは、モータ動力のみによって動くように構成され得る。また、ベビーカーを操作する人間の駆動力を支援するが、操作者によって力が加えられていない時は支援を提供しないモータアシストをベビーカーに装備することが原理として知られている。
EP2019016B1号から、電動モータおよび電動モータに給電するバッテリを有するベビーカーが知られる。1つの実施形態において、バッテリは、両端に車輪が取り付けられた車軸の外側に設けられる。他の実施形態において、バッテリは、車軸の空洞内に一体化される。車軸の外側に配置される場合、バッテリは比較的、保護性に乏しい。車軸内部に配置される場合、バッテリの保護性は高いが、特にバッテリの寸法設定、取付け、および取扱いに関する他の難点が生じる。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、単純かつ動作上の信頼性が高いベビーカーフレームならびに対応するベビーカーを提案することである。特に、電動モータのために必要なバッテリを、可能な限り簡単に、かつ複雑性なく使用可能にしなくてはならない。
この課題は、特に、請求項1に記載のベビーカーフレームによって解決される。
特に、この課題は、好適にはベビーカーフレームを補助的に駆動するための少なくとも1つの電動モータと、少なくとも1つの車輪連結装置、特に車輪連結ストラット、好適には車輪軸、更に好適には後輪車軸と、車輪連結装置に連結された、または連結可能であり、組み立てられた状態において、少なくとも部分的に車輪連結装置の外側に配置され、少なくとも部分的に、好適には大部分が、特に完全に、車輪連結装置の上端より下に配置された少なくとも1つのバッテリモジュールとを備えるベビーカーフレームによって解決される。
【0004】
本発明の第1の核心的態様は、バッテリモジュールが(少なくとも組み立てられた状態において)少なくとも部分的に車輪連結装置の外側に配置され、少なくとも部分的に、特に大部分が、好適には完全に、車輪連結装置の上部高さより下に配置される点にある。その結果、一方では、バッテリモジュールに比較的容易に手が届き、特に、バッテリモジュールを分解または交換することができる。比較的奥に配置することにより、バッテリモジュールは、好適には、任意の方法で設けられた車輪連結装置によって少なくとも部分的に保護される。加えて、比較的低重心であることにより、バッテリの安定した取付けまたはベビーカー(またはベビーカーフレーム)全体の安定した構成が実現される。特に簡単な方法で、たとえば充電のための取外しまたは充電後の取付けの際、簡単な方法でバッテリの簡単かつ信頼性の高い使用が可能である。
【0005】
特に、バッテリモジュールは、少なくとも大部分が車輪連結装置の上端の高さより下に配置される。特に、バッテリモジュールの重心および/または平均高さが、車輪連結装置の上端の高さより下に配置され、特に、車輪連結装置の(特にベビーカーの運転状態における、車輪連結装置の上端の高さと下端の高さとの間の距離、またはそれぞれの要素またはそれぞれの装置の(最大)垂直延長としての)高さ延長より0.5cm以上、好適には1cm以上、および/または10%以上、好適には20%以上、下に配置されることが理解される。平均高さとは、ここで、および以下の説明において、特に、それぞれの装置または構成要素の上端と下端との間の(垂直方向において)半分の位置にある高さを意味する。好適には、バッテリモジュールの重心は、車輪連結装置の重心の高さより下にある。
車輪連結装置の上端の高さとは、特に、車輪連結装置の上端を備える(水平)平面を意味する。これは、(運転状態における)車輪連結装置の最高点(複数も可)であると理解される。共通車輪軸の場合、これらの最高点は、一直線を成し得る。
【0006】
車輪連結装置の外側に少なくとも部分的に配置することとは、好適には、組み立てられた状態のバッテリモジュールに外側から手が届き、またはそれが部分的に可視である配置であると理解される。好適には、この意味で、(バッテリモジュールの分離した図における)バッテリモジュールの外側表面の10%以上、更に好適には50%以上が露出している。場合によっては、バッテリモジュールは、完全に、または重量で30%以上および/または体積で30%以上、または重量で80%以上および/または体積で80%以上、車輪連結装置の外側にあってよい。特に、バッテリモジュールは、車輪連結装置の内側、たとえばその対応する円筒形空洞内に(少なくとも完全に)位置してはならない。これにより、バッテリモジュールの使用が困難になる。
【0007】
車輪連結装置の上端の高さより下にある上記構成への追加または代替として、バッテリモジュールは、少なくとも部分的に車輪連結装置の下(または真下)に配置されなければならない。車輪連結装置を「傘」と見なし、車輪連結装置の下の領域を、水滴が垂直に落下する場合に傘によって保護される領域と見なす場合、バッテリモジュールは好適には、少なくとも部分的に、更に好適には大部分が、場合によっては完全に、または場合によっては完全にではなく、この保護領域内に位置する。少なくとも部分的に車輪連結装置の下に配置することにより、特に、バッテリモジュールの水平面への投影面の少なくとも一部が、車輪連結装置の(水平面への)対応する投影面と重なることが理解される。特に、バッテリモジュールの投影面の10%以上、好適には30%以上、および/または90%以下が、車輪連結装置の対応する投影面と重なるものとする。代替または追加として、バッテリモジュールの(重なり合う投影面を構成する)対応する部分は、バッテリモジュール全体の重量で10%以上および/または体積で10%以上、好適には重量で30%以上および/または体積で30%以上、および/または重量で90%以下および/または体積で90%以下を構成するものとする。特定の実施形態において、場合によっては、バッテリの少なくとも一部は、車輪連結装置の上端の高さより下に配置され得る(ただし必ずしも配置される必要はない)場合でも、この意味で、車輪連結装置の下に配置されてはいない。
【0008】
本発明の(場合によっては独立した、ただし特に上記および/または以下の態様の1または複数との組み合わせが可能な)更なる態様によると、特に上述したようなベビーカーフレームであって、好適にはベビーカーフレームを補助的に駆動するための少なくとも1つの電動モータと、少なくとも1つの車輪連結装置、特に車輪連結ストラット、好適には車輪軸、更に好適には後輪車軸と、車輪連結装置に連結された、または連結可能であり、組み立てられた状態において、少なくとも部分的に車輪連結装置の外側に配置され、車輪連結装置の高さおよび/または最大径の1.5倍以下、好適には1.0倍以下の大きさの高さおよび/または(車輪連結装置の長手方向軸に垂直な)最大径を有する少なくとも1つのバッテリモジュールとを備えるベビーカーフレームが提案される。対応する装置または要素の最大径とは、特に、(それぞれの)長手方向軸に垂直な全ての断面を考慮に入れて、互いの間に最大距離を有する一対の点間の距離であると理解される。全体として、簡単に使用可能であり、かつ信頼性の高い電源が可能になり得る。
【0009】
車輪連結装置は、特に、対になる2つの車輪を互いに(好適には直接)連結し、それらを保持または支持する装置として理解すべきである。そのような車輪連結装置は、好適には、(場合によっては少なくともベビーカーの運転状態において略水平方向に延びるストラットの形状で)、場合によっては筒状に(ただし、少なくとも必ずしも円筒状ではなく)配置される。そのような車輪連結装置の(軸)長さは、好適には、(軸長さに対し垂直な全ての断面における一対の点間の最大距離である)(最大)径の5倍以上の長さである。相互連結された車輪の少なくとも1つの状態において、車輪連結装置は、好適には、端面が車輪の外面によって形成された筒の中に全体がある。
【0010】
車輪連結装置は、好適には15cm未満、更に好適には7cm未満の(運転状態における)高さ延長を有する。たとえば作動装置および/またはモータまたはモータハウジングおよび/またはブレーキなどの機能的および/または構造的に独立したユニットおよび/または要素は、好適には、車輪連結装置の一部とは見なされない(ただし可能ではある)。車輪連結装置は、好適には、互いに連結される車輪間の距離の80%以上、特に90%以上、任意選択的に距離全体にわたり延びる。
【0011】
特定の実施形態において、車輪連結装置は、車輪ストラットまたは車輪軸、好適には後輪車軸(あるいは前輪車軸)を構成し、または備えてよい。あるいは、車輪連結装置は、シャフトとして形成され、またはシャフトを備えてよい。車輪連結装置に関連付けられた車輪は、好適には、少なくとも1つの電動モータ(たとえば共通の電動モータまたは各々1つの電動モータ)によって駆動される。
【0012】
バッテリモジュールとは、特に、少なくとも1つのバッテリを備える(構造的に区切られた、または区切ることが可能な)モジュールを意味する。この文脈において、バッテリは、1または複数のガルバニ電池を備えてよい。バッテリは、好適には蓄電池である。モジュールは、好適には、モジュールを外側から区切るハウジングによって画定される。実施形態において、このハウジングは、筒形である(ただし、円筒形は可能であるが、少なくとも必ずしも円筒形ではない)。バッテリモジュールは、100g以上、好適には400g以上、および/または3kg以下、好適には700g以下の重量を有してよい。(最大)容量は、10Wh(36Vで0.28Ah)以上、好適には40Wh(36Vで1.11Ah)以上、および/または400Wh(36Vで11.1)以下、任意選択的に150Wh(36Vで4.17Ah)以下、たとえば93.6Wh(36Vで2.6Ah)であってよい。好適には、少なくとも1つまたはその少なくとも1つのバッテリは(場合によっては提供されたいくつかまたは全てのバッテリの場合)、リチウムイオンバッテリおよび/または18650型バッテリおよび/または筒形電池、特に円筒形電池および/または角柱形電池および/またはパウチ状電池である。
【0013】
バッテリモジュールは、好適には15cm未満、更に好適には5cm未満、および/または1cm超過の(運転状態における)高さ延長部、および/または20cm未満、更に好適には7cm未満、および/または2cm超過の奥行延長部(運転状態における移動方向への延長部)を有する。バッテリモジュールは、好適には、互いに連結される車輪間の距離および/または車輪連結装置の長手方向延長部の50%以上、特に65%以上、および/または90%以下にわたり延びる。場合によっては、バッテリモジュールは、この距離の70%超過または90%超過にわたり延びてもよい。
【0014】
バッテリモジュールは、好適には、(組み立てられた状態またはベビーカー/ベビーカーフレームの運転状態において、長手方向延長部において)車輪連結装置によって連結される2つの車輪間を結ぶ直線と少なくとも略平行に、特に、連結される2つの車輪のそれぞれの中心間を結ぶ直線と平行に、および/または車輪連結装置の長手方向延長部と少なくとも略平行に、および/または略水平方向に延びる。
【0015】
組み立てられた状態とは、(たとえば電気スイッチなどの対応する装置が対応して作動する限り)電動モータに電力が供給され得るように、バッテリモジュールがベビーカーフレームに(特に、対応して設けられた方法で、またはそのために設けられたバッテリレセプタクルおよび/またはバッテリ取付け構造上に)取り付けられた状態として理解されることが意図される。
【0016】
好適には、車輪連結装置またはバッテリモジュールは、(特に5cm2以上、好適には10cm2以上、更に好適には50cm2以上の面積にわたり)互いに接触し、またはそれに応じて直接連結されており、または少なくとも互いに直接連結することが可能である。
車輪連結装置は、中空外形またはハウジングであってよく、またはそれらは少なくとも車輪連結装置に包含され得る。
【0017】
少なくとも1つの駆動装置、少なくとも1つの電動モータは、車輪連結装置上に、または車輪連結装置に隣接して配置され得る。
垂直面は、以下、(特に明記されない限り)水平方向に垂直に、かつ移動方向に垂直に延びる平面として理解される。第1の垂直面と称される垂直面は、好適には、車輪連結装置の外端、更に好適には後端に接する。この文脈において、車輪連結装置の外端は、対応する内端よりも、ベビーカーフレームまたはベビーカーの中心(重心)から遠くにある。後輪ストラットまたは後輪車軸の例において、外端は対応して後端(または移動方向と反対方向を向いた端部)であり、前輪ストラットまたは前輪車軸の例において、外端は対応して前端である。内端とは、好適には、対応する垂直面によって画定され、ベビーカーフレームまたはベビーカーの中心(重心)を受容する半空間を意味する。
【0018】
好適には、組み立てられた状態のバッテリモデルは、少なくとも部分的に、特に大部分が、好適には完全に、第1の垂直面の内側に配置される。代替または追加として、バッテリモジュールは、その第1の垂直面への投影が、車輪連結装置の垂直面への投影と、少なくとも部分的に、好適には大部分が、および/または不完全に重なるように配置される。大部分の配置または重なり合いとは、ここでも、特にバッテリモジュールの重量で50%または体積で50%以上、好適には重量で70%または体積で70%以上が、それぞれの条件を満たすことを意味することが意図される。一般に、バッテリモジュールの重心の第1の垂直面への投影が、車輪連結装置の垂直面への投影の内側に、または代替として外側にあることが可能である。そのような配置または構成のバッテリモジュールを用いる場合も、安全かつ信頼性の高い使用が可能である。
【0019】
好適には、バッテリモジュールは、車輪連結装置の(軸)長さおよび/または車輪連結装置によって連結された車輪の車輪間隔の半分以上、好適には80%以上、更に好適には95%にわたり延びる。その結果、バッテリモジュールは、特に、車輪連結装置によって比較的効果的に保護され、および/または比較的複雑でなく使用され得る。
【0020】
したがって、上記目的は更に(独立した態様または任意選択的に追加で形成される態様として、任意選択的に上記および/または以下の特徴を更に有し、および/または任意選択的にバッテリモジュールの高さ配置、および/または高さ方向および/または径におけるその寸法設定に関する特徴を有さず)、好適にはベビーカーフレームを補助的に駆動するための少なくとも1つの電動モータと、少なくとも1つの車輪連結装置、特に車輪ストラット、好適には車軸、更に好適には後輪車軸と、車輪連結装置に連結され、または連結可能であり、組み立てられた状態において、好適には少なくとも部分的に車輪連結装置の外側に配置された少なくとも1つのバッテリモジュールとを備えるベビーカーフレームであって、バッテリモジュールが、車輪連結装置によって連結された車輪の車輪間隔および/または車輪連結装置の(軸)長さまたは長手方向延長部の半分以上、好適には80%以上、更に好適には95%にわたり延びるベビーカーフレームによって解決される。
【0021】
バッテリモジュールまたはそのハウジングは、好適には、少なくとも部分的に車輪連結装置またはハウジングおよび/またはその外壁と(直接)物理的(および/または電気的)に接触する。
【0022】
実施形態によると、バッテリモジュールは、特に工具を用いて、および/または好適には手動で、車輪連結装置から取外し可能である。この目的のために、たとえば、特にボタン、ノブ、引き要素、および/またはレバーなどの少なくとも1つの手動作動装置が設けられ得る。これにより、バッテリモジュールの使用が更に簡単になる。
【0023】
実施形態によると、バッテリモジュールは、電動モータおよび/またはたとえば(ベビーカーフレームを少なくとも補助的に駆動するための)ギヤボックスなどの他の駆動要素を有さずに設計される。その結果、バッテリモジュールを比較的小さいサイズに設計することが可能であり、それによって使用が更に簡単になる。
【0024】
好適には、組み立てられた状態のバッテリモジュールは、少なくとも1つの角度から見た時、大部分が、特に完全に、車輪連結装置に覆われる。少なくとも1つの第1の角度または考えられるいくつかの(この条件を満たす)第1の角度の少なくとも1つは、水平面に対して好適には0°より大きく、更に好適には20°より大きく、および/または90°より小さく、好適には60°より小さい(ここでは特に、斜め下向きの視線方向が想定される)。代替または追加として、バッテリモジュールは、組み立てられた状態において、少なくとも第2の角度から見た時、大部分が車輪連結装置に覆われておらず、特に全く覆われていない。第2の角度は、第1の角度から180°回転したものに対応してよい(ただし、ここでは、特に斜め上向きの視線方向を想定する)。そのような解決策において、バッテリモジュールは、(通常の)外側からの視線で(特に、人が車両を押している場合に後ろから)斜め下向き方向に見た時、(部分的または完全に)見えなくなる。これにより、魅力的な外観が実現されると同時に、バッテリモジュールを外部の影響力(たとえば押している人の足)から保護することが可能である。特に、操作者の足は、たとえばブレーキを作動させ、または足を下におろすために、たびたび斜め上方から後輪ストラットまたは後輪車軸と接触することが認められている。
【0025】
車輪連結装置および/またはバッテリモジュールは、好適には、(各例において)たとえば5cm2以上、好適には10cm2以上、更に好適には50cm2以上、および/または500cm2以下にわたり延びる平坦(平らな)側面を有する。1つの実施形態において、車輪連結装置およびバッテリモジュールは、それらの平坦側面を介して互いに(直接)連結される。
【0026】
(組み立てられた状態において)バッテリモジュールに当接しない車輪連結装置の断面の縁部は、好適には丸みを帯びており(角がなく、または縁がなく)、特に少なくとも概ね弓形であり、好適には円形である。代替または追加として、(組み立てられた状態において)車輪連結装置に当接しないバッテリモジュールの断面の縁部は、好適には丸みを帯びており、特に少なくとも概ね弓形であり、任意選択的に丸みを帯びた角領域を有し、または丸みを帯びた角領域を有さない。ここで取り扱われる断面は、好適には、車輪連結装置またはバッテリモジュールの長手方向軸に対し垂直な断面である。バッテリモジュールの対応する断面は、概ね四角形、特に長方形または台形であってよく、車輪連結装置から外方に向いた領域に丸みを帯びた角があり、および/または車輪連結装置の方を向いた領域に丸みを帯びていない角ある。全体として、そのような丸みを帯びた角(場合によっては丸みを帯びた角領域)を有する設計により、損傷のリスクが低減され得る。加えて、これにより、ある程度目立たないバッテリを有する魅力的な外観が実現される。
【0027】
バッテリモジュールの車輪連結装置の外側表面は、好適には(組み立てられた状態において)少なくとも部分的に、少なくとも概ね(同一平面上に、または段差なく)互いに合体する。また、これにより、物体または身体の一部が挟まれることが防がれ、またはそれに伴うリスクが低減され得るので、バッテリモジュールは特に安全に収容される。
【0028】
実施形態において、バッテリモジュールは、組み立てられた状態から取り外すことができ、そのために、場合によっては(最初に)ロック装置を解除する必要があり得る。特に、バッテリモジュールの挿入時に正しい位置が直観的に分かるように、位置決め補助具、好適には少なくとも1つの止め具が(特に車輪連結装置の平坦側面、好適には平坦側面の縁部に)設けられ得る。
【0029】
ベビーカーフレームは、好適には少なくとも部分的に車輪連結装置上にあり、更に好適には車輪連結装置上のみにあり(車輪連結装置と接し)、および/または、バッテリモジュール上にはない(バッテリモジュールと接さない)、ブレーキ、特にパーキングブレーキのための、特に足によって作動する作動装置を備える。特に、そのような作動装置を有する車輪連結装置の場合、本発明に係るバッテリモジュールの配置は、バッテリモジュールが対応する「作動のキック」から保護されることにより、特に有利である。
【0030】
実施形態によると、ベビーカーフレームは、車輪連結装置およびバッテリモジュールを互いに連結するため、特にそれらを互いにラッチするための少なくとも1つのロック装置、特にラッチ装置を備える。
【0031】
上述した目的は、更に、上述した種類のベビーカーフレームを備えるベビーカー(たとえば子供用ベビーカー、バギー、または子供用の同様の乗り物)によって解決される。ベビーカーフレームに加えて、ベビーカーは、子供のための受容装置(たとえば運搬用バッグおよび/または座席ユニット)を更に備えてよい。この受入れ装置は、ベビーカーフレームから分離しており、または分離可能であってよく、または(場合によっては分離不可能に)ベビーカーフレームに連結され得る。
【0032】
更なる実施形態は、従属クレームから得られる。
以下で、本発明は、図面を参照して詳しく説明される典型的な実施形態を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明に係るベビーカーフレームの斜視図である。
【
図2】バッテリが取り付けられた後車軸の図を示す、
図1に係る実施形態の一部である。
【
図4】バッテリが折り畳まれた状態の、
図2と同様の図である。
【
図5】バッテリが完全に取り外された状態の、
図2に係る部分の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明において、同じ部品および同様に作用する部品には同じ参照符号を使用する。
図1は、ベビーカーフレーム10と、保持装置12a、12bを介してベビーカーフレーム10に連結され、または連結可能な受容装置11(プレースホルダとして破線で概略的にしか示されない)とを備えるベビーカー(一部概略的)を示す。ベビーカーフレーム10は、後輪ストラットまたは後輪車軸13の形態である(第1の)車輪連結装置と、前輪ストラット14の形態である(第2の)車輪連結装置とを備える。例示のために、特に、後輪車軸13およびこの後輪車軸13に関連する部品が詳述される。この点に関して、対応する説明は、一般に任意の車輪連結装置に適用される(ただし、特に、2つの後輪を連結する要素としての後輪車軸13に適用される)。
具体的には、後輪車軸13は、後輪15a、15bを連結し、前輪ストラット14は、前輪16a、16bを連結する。
【0035】
後輪車軸13の端部17a、17bに、電動モータ18a、18bが配置される。これらは、それぞれ車輪15aおよび15bの1つを駆動する。また、端部17a、17bには(斜行する)ストラット19が配置され、これもまたベビーカーフレーム10の構成要素であるが、以下で詳しく説明されることはない。これらの(斜めに延びる)ストラットは、車輪連結装置の、具体的には後輪車軸13の部品ではない。
ベビーカーフレーム10の更なる構成要素は、特に、ベビーカーを押し引きするための把持ハンドル21を有するグラブレール20である。
【0036】
図1に見られるように、電動モータ18a、18bは、後輪車軸13の外側に配置される。特に、この概念は、(1つのみの電動モータまたはいくつかの電動モータの場合でも)特定の実施形態(たとえばクレームの1つの追加の実施形態)から切り離して理解すべきである。具体的には、電動モータ18a、18bの少なくとも1つは、車輪連結装置から独立したハウジング内に収容されてよく、および/または、車輪連結装置またはそのハウジングの周囲に(たとえば180°以上または270°以上の角度にわたり)少なくとも部分的に、特に完全に配置され得る。
【0037】
概念上、車輪連結装置(または具体的には後輪車軸13)は、一対の車輪を連結および保持するように構成された要素であることが意図される。したがって、たとえば電動モータ18a、18b(および/または後述するパーキングブレーキおよび/またはバッテリモジュールのための作動装置)などの追加の構成要素は、車輪連結装置に(場合によっては直接)配置された場合でも、必ずしも車輪連結装置または後輪車軸の一部と見なされるわけではない。
図1において、バッテリモジュール20は、ある程度までしか見えない。このバッテリモジュール20は、以下の図を参照して詳しく説明される。
【0038】
図2は、第1の垂直面の内側から(すなわち、この場合、前輪の方向から)見た後輪車軸の図で、
図1に係る実施形態の一部を示す。また、この図には、後輪18a、18bの少なくとも1つをロックするための(または一般にベビーカーをロックするための)パーキングブレーキ(詳しく図示せず)のための作動装置41が見られる(
図1も参照)。作動装置41は、後輪車軸13上のみに配置され、バッテリモジュール20上には配置されない。これにより、作動装置41がバッテリモジュール20の使用を困難にすることが防止される。
【0039】
バッテリモジュール20は、少なくとも概ね後輪車軸13の全長(軸長)にわたり、および/または、車輪間、たとえばこの場合は後輪間の車輪間隔の大部分(50%以上、好適には65%以上)にわたり延びる。
【0040】
バッテリモジュール20の位置を説明するために、
図3を参照して示される様々な平面を以下で参照する(
図3は、これらの平面を記号で表し、または描写することが意図された対応する直線を有する)。第1の垂直面は、
図3において、参照符号22で示される直線によって示される。第2の垂直面は、参照符号23を有する直線によって同様に示される。第1の水平面は、参照符号24を有する直線によって同様に示される。第2の水平面は、参照符号25で同様に示される。第1の垂直面22は、外側から、またはこの例において後側から、後輪車軸13に接する。第2の垂直面23は、内側から、またはこの例において外側から、同様に後輪車軸13に接する。第1の水平面24は、上方から後輪車軸13に接する。第2の水平面25は、下方から後輪車軸13に接する。この文脈において、ベビーカーフレームの運転状態が想定されている。
【0041】
図3に見られるように、バッテリモジュール20は、少なくとも大部分が、後輪車軸13の下(真下)に配置される(ただし、特に、後輪車軸13が傘と見なされ、後輪車軸13の下が、水滴が垂直に落下する場合に傘によって保護される領域と見なされる場合、バッテリモジュール20の一部は、後輪車軸13の下ではない位置にも配置される)。すなわち、バッテリモジュール20は、(重量で50%超過および/または体積で50%以上という意味で)大部分が、第1の垂直面22と第2の垂直面23との間に配置され、第2の垂直面23の内側には低い程度しか配置されない。
【0042】
また、バッテリモジュール20は、第1の水平面24の高さより完全に下にあり、部分的に、特に大部分が(ここでも50wt.%超過および/または50vol.%という意味で)、第2の水平面25の高さより下にある。
【0043】
図3において、バッテリモジュール20のハウジング27の内部に、バッテリ26a、26bも見える。バッテリモジュール20(またはそのハウジング27)は、バッテリモジュールの平坦側面28を有し、これは対応して、(組み立てられた状態において)車輪連結装置の平坦側面29に当接する。この接触によって、バッテリモジュール20および車輪連結装置(ここでは後輪車軸13)の簡単な方法での機械的接触または接合が実現され得る。また、
図3に見られるように、ここで示される断面における後輪車軸13は、少なくとも概ね半円形状であり、または、弓形(特に円形)に延びる自由壁30を有する。自由壁30は、角部または縁部を備えない。
【0044】
同様に、バッテリモジュール20の(組み立てられた状態における)自由壁31もまた、好適には、角部または縁部を備えない。具体的には、この自由壁31もまた、弓形の(場合によっては円形ではない)断面を形成してよい。弓形から逸脱する場合、または(丸みを帯びた)角部を形成する場合、複数のバッテリ26a、26bが特に効果的に挿入され得る。
【0045】
図4は、
図2と同様の図を示すが、バッテリモジュール20が説明のために折り畳まれた状態で示され、バッテリモジュール20と後輪車軸13との間に(くさび形の)開口部32が形成されている。この位置において、バッテリモジュールは、もはや保持されておらず(代替として可能であるが)、たとえば人がバッテリモジュールを保持しない限り、落下する。このように、後輪車軸13(一般に、車輪連結装置)へのバッテリモジュール20の(典型的な)取付けが示され得る。開口部32の内側(尖った)端部33において、バッテリモジュール20の特にフックを備える保持装置34は、後輪車軸13の対応する嵌合構造35(一般に、少なくとも1つの嵌合構造)と係合する。
図4に形成される開口部32の外縁部において、追加の係合要素36(一般に、少なくとも1つの係合要素36)がバッテリモジュール20に設けられる。これらの係合要素36を介して、バッテリモジュール20は、後輪車軸13との(ラッチ)係合状態にされ得る。この目的のために、バッテリモジュール20は、
図4に係る位置から後輪車軸13の方へ折り畳まれ得る。
【0046】
係合要素36のための後輪車軸13上の対応する嵌合構造(一般に、少なくとも1つの嵌合構造)は、
図4には詳しく示されないが、(たとえば)参照符号37に位置し得る。これらの嵌合構造37は、好適には、ばね装填式であり、および/または、(係合要素36を介して、特にその対応するランプを介して)バッテリモジュール20を固定するために位置を変えられ得る。また、嵌合構造37は、ロックが解除されるように、作動装置40によって係合要素36から解放され得る。作動装置40は、特にスライドとして(代替または追加として、たとえばプッシュボタンなどの押し要素、引き要素、および/またはレバーとして)設計され得る。
【0047】
図5および
図6に係る例において、係合要素36および保持装置(フック)34は、(
図4とは完全に異なる方向から)再び可視である。
【0048】
この時点で、留意すべき点として、それ自体で、および任意の組み合わせで上述した部品、特に図に示す細部は全て、本発明に不可欠であると主張されるものである。当業者は、その修正例を熟知している。特に、後輪車軸13に関する説明は全て、車輪連結装置に一般に適用されることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0049】
10 ベビーカーフレーム
11 受容装置
12a 保持装置
12b 保持装置
13 後輪ストラット、特に後輪車軸
14 前輪ストラット
15a 後輪
15b 後輪
16a 前輪
16b 前輪
17a 端部
17b 端部
18a 電動モータ
18b 電動モータ
19 ストラット
20 グラブレール
21 把持ハンドル
22 第1の垂直面
23 第2の垂直面
24 第1の水平面
25 第2の水平面
26a バッテリ
26b バッテリ
27 ハウジング
28 バッテリモジュールの平坦側面
29 車輪連結装置の平坦側面
30 自由壁
31 自由壁
32 開口部
33 端部
34 保持装置
35 嵌合構造
36 係合要素
37 カウンタ構造
40 作動装置
41 作動装置
【国際調査報告】