(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】眼科用撮像方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/107 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
A61B3/107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555587
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 AU2020000019
(87)【国際公開番号】W WO2020181315
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521420141
【氏名又は名称】メドモント インターナショナル プロプライアタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リヒテナウアー ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヘビーサイド ロバート
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316AA24
4C316FA14
4C316FY02
(57)【要約】
眼科用トポグラファーの導光部を開示する。導光部は、参照オブジェクトを備える導光部本体と、導光部本体と参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、照光された導光部本体は測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、導光部本体の近位端内に収容されており、導光部本体からの光を眼の角膜外形を横切るように誘導する、誘導光学系と、導光部本体の近位端に収容され、誘導光学系からの光であって角膜外形を横切った光を、反射して導光部本体に通す反射光学系と、を備える。また、導光部を備えた眼科用トポグラファーも開示する。また、トポグラフィーを求める方法も開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用トポグラファーの導光部であって、
参照オブジェクトを備える導光部本体と、
前記導光部本体及び前記参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、前記照光された導光部本体が測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、
前記導光部本体の近位端内に収容され、前記導光部本体からの光を前記眼の角膜外形を横切るように誘導する、誘導光学系と、
前記導光部本体の前記近位端に収容され、前記誘導光学系からの光であって前記角膜外形を横切った光を、反射して前記導光部本体に通す反射光学系と、を備える、導光部。
【請求項2】
前記照光された導光部本体は前記参照オブジェクトも前記眼表面上に誘導する、請求項1記載の導光部。
【請求項3】
眼科用トポグラファーであって、
参照オブジェクトを備える導光部本体と、
前記導光部本体と前記参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、前記照光された導光部本体が測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、
前記眼表面上に投影された前記参照オブジェクトを、前記導光部本体内にある中心路を通じて撮像する撮像システムと、を備える、眼科用トポグラファー。
【請求項4】
眼科用トポグラファーであって、
参照オブジェクトを備える導光部本体と、
前記導光部本体及び前記参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、前記照光された導光部本体は測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、
前記眼表面上に投影された前記参照オブジェクトを、前記導光部本体内にある中心路を通じて撮像する撮像システムと、
前記導光部本体の近位端内に収容されており、前記導光部本体からの光を前記眼の角膜外形を横切るように誘導する、誘導光学系と、
前記導光部本体の前記近位端に収容されており、前記誘導光学系から来て前記角膜外形を横切った光を、反射して前記導光部本体に通す反射光学系と、を備える、眼科用トポグラファー。
【請求項5】
前記反射光学系は、少なくとも1つの撮像センサ上で取り込むための光を反射する、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項6】
眼科用トポグラファーの導光部であって、
参照オブジェクトを備える導光部本体であって、前記導光部本体は光を前記参照オブジェクトに向かって誘導する、導光部本体を備える、眼科用トポグラファーの導光部。
【請求項7】
前記導光部本体と前記参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、前記照光された導光部本体は測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源をさらに備える、請求項6記載の導光部。
【請求項8】
前記導光部本体はさらに、略対称形状を備える、及び/または近位端において曲線形状を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項9】
前記誘導光学系の少なくとも一部及び前記反射光学系の少なくとも一部は、前記導光部本体の対向する側にそれぞれ配置されている、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項10】
1つ以上の取り込みシステムをさらに備える、請求項2から9のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項11】
前記眼を撮像するための1つ以上の光学系をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項12】
前記1つ以上の光学系が2つ以上の光学系を備える場合に、前記トポグラファーはさらに、前記2つ以上の光学系内に備わっている前記光学系の各々を前記光路内で選択的に位置決めする位置決め器を備え得る、請求項11記載の眼科用トポグラファー。
【請求項13】
前記トポグラファーは、前記トポグラフィー照光源及び外形光学照光源を備えた照明アレイを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項14】
前記導光部本体は、光伝搬の透過係数が空気とは異なる光学的媒質を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項15】
前記導光部本体は、前記照明アレイが発する光によって決まる選択的な色に照光される、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項16】
外形測定光路の一部は前記導光部本体内に備わっている、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項17】
前記トポグラフィー照光源からの光は、前記導光部本体を通過する2つ以上の光路に従う、先行する請求項のいずれか1項に記載の導光部または眼科用トポグラファー。
【請求項18】
前記トポグラファーは強膜測定装置をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項19】
1つ以上の強膜投影システムをさらに備える、請求項18記載の眼科用トポグラファー。
【請求項20】
前記1つ以上の強膜投影システムの各々は、強膜投影光源及び強膜参照オブジェクトを備える、請求項19記載の眼科用トポグラファー。
【請求項21】
強膜参照オブジェクトはそれぞれ、1つ以上の開口を備えた少なくとも1つのダイヤフラムを備える、請求項20記載の眼科用トポグラファー。
【請求項22】
前記眼または前記少なくとも1つの撮像センサ上に撮像する場合、前記強膜開口パターンは1つ以上の強膜位置決め器として撮像されてもよく、前記角膜開口パターンは角膜散乱像として撮像されてもよい、請求項21記載の眼科用トポグラファー。
【請求項23】
前記1つ以上の強膜投影システムは前記トポグラファー上に対称に実装されている、請求項18から22のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項24】
前記対称に実装されている強膜投影システムは、前記トポグラファーのいずれかの側に実装されている強膜投影システムを備える、請求項23記載の眼科用トポグラファー。
【請求項25】
前記強膜測定装置は1つ以上の強膜位置合わせ参照オブジェクト投影器をさらに備える、請求項18から24のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項26】
前記強膜基準光源から出て前記強膜位置合わせ参照オブジェクトを通過して前記眼表面で反射された光は、強膜像を生成する、請求項18から25のいずれか1項に記載の眼科用トポグラファー。
【請求項27】
前記強膜像をデジタル処理して、角膜高さ情報と強膜高さ情報を備えた強膜位置とを得る、請求項26記載の眼科用トポグラファー。
【請求項28】
前記処理された強膜像を用いて前記トポグラファーからの角膜高さ情報を前記強膜高さ情報と合成して、新たな強膜トポグラフィーマップを生成する、請求項27記載の眼科用トポグラファー。
【請求項29】
前記合成は像の位置合わせを含む、請求項28記載の眼科用トポグラファー。
【請求項30】
眼科用トポグラフィーを求める方法であって、
参照オブジェクトを備える導光部本体を照光して参照オブジェクトを測定対象となる角膜の前部表面上に投影し、前記照光された導光部本体が前記角膜の照光のための光を投影し、
前記導光部本体の近位端内に収容されている誘導光学系を用いて、前記導光部本体からの光を前記角膜外形を横切るように誘導し、
前記導光部本体の前記近位端に収容されている反射光学系を用いて、前記誘導光学系から光であって前記角膜外形を横切った光を、反射して前記導光部本体に通し、
前記反射された光を、前記導光部本体の外部にある前記少なくとも1つの撮像センサで取り込み、
前記角膜表面上に投影された前記参照オブジェクトを、前記導光部本体内にある中心路を通じて取り込んで、角膜トポグラフィーを求める、方法。
【請求項31】
さらに、
1つ以上の投影レンズ系によって前記眼表面上に投影された開口パターンを撮像し、前記開口パターンは少なくとも1つの強膜参照オブジェクト及び少なくとも1つの角膜参照オブジェクトを投影し、
前記強膜高さ情報を前記求められた角膜高さ情報と合成する、請求項30記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は眼科用撮像方法、装置、及びシステムに関する。より詳細には、本発明は、多機能導光部と強膜測定システムを備える眼科用撮像方法、装置、及びシステムに関する。
[背景技術]
角膜トポグラファーとは、前眼部角膜表面の形状を測定するものである。その測定は、プラシドシステムとして知られている黒色不透明環形で隔てられた一連の同心照光環形が一般的である、1つ以上のマイヤーとして眼部に撮像されている既知の照光された標的パターンの角膜からの反射像を取り込み、既知である角膜頂点の位置から始まるこれらの情報を分析することによって行われる。撮像システムの既知の基準位置から測定対象の角膜の頂点までの距離を求めるためには、別途のシステムが必要とされる。
【0002】
既知の角膜トポグラファーは、角膜の外形を横切るように光を誘導し、1つ以上の鏡とレンズ系を介して、撮像センサ上でその外形の像を生成する。この外形撮像システムにより、標的反射の像が得られるのと同時に角膜の頂点の位置を測定することが可能となる。
【0003】
角膜や強膜のマッピングには、シャインプルーフのトポグラフィーや他の投影タイプのトポグラフィーシステム、最近はOCTが適用されてきた。シャインプルーフ法を用いると、網膜に用いられる高輝度光によって、典型的には強膜が曇る結果となる。シャインプルーフシステムの別の難点は、機器のコストが高いこと、そして取り込み時間が長いために精度が下がり、その結果複雑な位置合わせ方法を必要とすることである。光の強度の基準として角膜縁を用いて、低輝度光を強膜に、高輝度光を網膜に施すことも研究されてきた。投影システムやOCTは、重要である中心の角膜領域で精度に欠けるおそれがあり、この分野の多くの使用者にとって非経済的である。
【0004】
市場で高まりつつある要求に応えるために、角膜及び強膜のマッピングを行うとともにトポグラファーにさらなる診断機能を効率よく追加する角膜トポグラファー及び装置の代替や改良が必要である。
【0005】
本明細書におけるいかなる先行技術に対する言及も、この先行技術が共通の一般知識の一部をなすという認識でもいかなる形態の示唆でもないし、そのような認識や示唆としてみなすべきでもない。
[発明の概要]
本発明は眼科用撮像方法、装置、及びシステムを対象にしている。
【0006】
1つの広範な形態において、本発明は、多機能導光部を備えた眼科用撮像方法、装置、及びシステムを対象にしている。
【0007】
別の広範な形態において、本発明は、眼を照光する、眼科用トポグラフィーの導光部に関する。さらに別の広範な形態において、本発明は、眼を照光するとともに光を伝送して取り込む、眼科用トポグラフィーの導光部またはコーン部に関する。
【0008】
第1の態様において、これは唯一の形態である必要も、また実際に最も広範な形態である必要もないが、本発明は眼科用トポグラファーの導光部を提供する。導光部は、
-参照オブジェクトを備える導光部本体と、
導光部本体と参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、照光された導光部本体が測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、を備えている。
【0009】
第1の態様に係る照光された導光部本体はまた、参照オブジェクトを眼表面上に誘導してもよい。眼表面上に誘導された参照オブジェクトは、投影された参照オブジェクトまたはマイヤーを備えていてもよい。
【0010】
第1の態様の導光部はさらに、
導光部本体の近位端内に収容され、導光部本体からの光を眼の角膜外形を横切るように誘導する、誘導光学系と、
導光部本体の近位端に収容され、誘導光学系からの光であって角膜外形を横切った光を、反射して導光部本体に通す反射光学系と、を備えていてもよい。
【0011】
反射光学系は、少なくとも1つの撮像センサを備える1つ以上の取り込みシステムに光を誘導してもよい。1つ以上の取り込みシステム及び/または少なくとも1つの撮像センサは導光部本体の外部にあってもよい。
【0012】
第2の態様において、本発明は眼科用トポグラファーを提供する。眼科用トポグラファーは、
参照オブジェクトを備える導光部本体と、
導光部本体と参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、照光された導光部本体は測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、
眼表面上に投影された参照オブジェクトを、導光部本体内にある中心路を通じて撮像する撮像システムと、を備えている。
【0013】
第3の態様において、本発明は眼科用トポグラファーを提供する。眼科用トポグラファーは、
参照オブジェクトを備える導光部本体と、
導光部本体と参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、照光された導光部本体は測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源と、
眼表面上に投影された参照オブジェクトを、導光部本体内にある中心路を通じて撮像する撮像システムと、
導光部本体の近位端内に収容され、導光部本体からの光を眼の角膜外形を横切るように誘導する、誘導光学系と、
導光部本体の近位端に収容され、誘導光学系からの光であって角膜外形を横切った光を、反射して導光部本体に通す反射光学系と、を備えている。
【0014】
上述の態様のいずれか1つに係る撮像システムは1つ以上のレンズを備えていてもよい。撮像システムは1つ以上の取り込みシステム上に光を誘導してもよい。
【0015】
上述の実施形態のいずれか1つに係る反射光学系は、少なくとも1つの撮像センサ上で取り込むための光を反射してもよい。
【0016】
第4の態様において、本発明は眼科用トポグラファーの導光部に関する。導光部は、
参照オブジェクトを備える導光部本体であって、該導光部本体は光を参照オブジェクトに向かって誘導する、導光部本体を備える。
【0017】
第4の態様に係る導光部は、導光部本体と参照オブジェクトを照光するトポグラフィー照光源であって、照光された導光部本体は測定対象となる眼の照光のための光を誘導する、トポグラフィー照光源をさらに備えていてもよい。
【0018】
上述の態様のいずれか1つに係る導光部本体はさらに、略対称形状を備えていてもよく、かつ/または近位端において曲線形状を備えていてもよい。眼を参照オブジェクトに近くまで近接させることによって広い眼の分析範囲が得られるように、曲線形状は対称形であり対向している凸部と凹部を備えていてもよい。凸部は誘導光学系と反射光学系とを収容していてもよい。凸部及び/または凹部は、導光部本体上の近位端において対向する地点に位置していてもよい。凸部及び/または凹部はスカラップ端を構成していてもよい。
【0019】
上述の態様のいずれか1つによれば、誘導光学系の少なくとも一部と反射光学系の少なくとも一部は、導光部本体の対向する側にそれぞれ配置されていてもよい。一実施形態において、誘導光学系はオペレータに対して左側に位置しており、反射光学系はオペレータに対して右側に位置している。他の実施形態では、誘導光学系はオペレータに対して右側、上側、または下側に位置しており、それぞれの場合に反射光学系はオペレータに対して左側、下側、または上側に位置している。
【0020】
上述の態様のいずれか1つによれば、誘導光学系と反射光学系は光をほぼ直角に反射し、両者の伝搬方向ベクトルはそれぞれ中心路の軸と直角で交差する。
【0021】
上述の態様のいずれか1つによれば、導光部本体は誘導光学系のハウジングと反射光学系のハウジングを備えていてもよい。誘導光学系のハウジングと反射光学系のハウジングは、対向しているそれぞれの凸部内に位置していてもよい。
【0022】
上述の態様のいずれか1つに係るトポグラファーは、1つ以上の取り込みシステムをさらに備えていてもよい。1つ以上の取り込みシステムは、少なくとも1つの撮像センサ、例えばCCD(charge-coupled device)画像センサやCMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)画像センサ等を備えていてもよい。1つ以上の取り込みシステムは、トポグラフィー取り込みシステムと外形取り込みシステムを備えていてもよい。トポグラフィー取り込みシステムは、参照オブジェクトを利用するトポグラフィーにおいて用いられてもよい。外形取り込みシステムは、反射光学系によって誘導される光を利用する眼の外形形状解析において用いられてもよい。別の実施形態では、1つ以上の取り込みシステムは、トポグラフィーと眼の外形形状解析の両方を行う少なくとも1つの撮像センサを備えている。
【0023】
上述の態様のいずれか1つに係る眼科用トポグラファーは、
眼を撮像するための1つ以上の光学系をさらに備えていてもよい。
【0024】
1つ以上の光学系は、眼を撮像するための光路内に位置していてもよい。
【0025】
1つ以上の光学系が2つ以上の光学系を備える実施形態において、トポグラファーはさらに、2つ以上の光学系内に備わっている光学系の各々を光路内で選択的に位置決めする位置決め器を備えていてもよい。2つ以上の光学系の各々は、眼を撮像するための光路内に交換可能な光学系を備えていてもよい。
【0026】
位置決め器は、2つ以上の交換可能な光学系の各々が位置していてもよい回転盤を備えていてもよい。回転盤は、2つ以上の光学系の各々を精密に位置決めするための1つ以上の割り出し位置を備えていてもよい。位置決め器はバックラッシュのない位置決め器を備えていてもよい。位置決め器は1つ以上の歯を備えていてもよい。回転盤は歯車を備えていてもよい。位置決め器はモータ等の1つ以上のアクチュエータを備えていてもよい。
【0027】
回転盤は、中心トポグラフィー系のための1つ以上の開窓を備えていてもよい。
【0028】
上述の態様のいずれか1つの一実施形態において、トポグラファーは、トポグラフィー照光源と外形光学照光源を備えた照明アレイを備えている。トポグラファー照光源は分散型光源を備えていてもよい。分散型光源と外形光学照光源は分解可能または識別可能であってもよい。分散型光源と外形光学照光源は、それぞれの対応する撮像路内で干渉が起こらないように十分に異なる波長で光を発していてもよい。
【0029】
分散型光源は複数のLEDを備えていてもよい。分散型光源は広帯域の可視スペクトルを発していてもよい。複数のLEDの各々はRGB LEDを備えていてもよい。各RGB LEDは個別の狭周波数帯を備えていてもよい。複数のLEDの各々は白色光を生成してもよい。複数のLEDは、特定の実施形態において、LEDからなる2つ以上のリングとして構成されたアレイを備えていてもよい。2つ以上のLEDリングはプリント基板上に備わっていてもよい。
【0030】
外形光学照光源は赤外光を発してもよい。外形光学照光源は点光源を備えていてもよい。一実施形態において、外形光学照光源はLEDである。
【0031】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、分散型光源の光路の一部及び外形光学照光源の光路の一部は、眼表面を照光する。
【0032】
トポグラフィー照光源及び/または外形光学照光源は、導光部本体の遠位端に位置していてもよい。
【0033】
上述の態様のいずれか1つの一実施形態において、参照オブジェクトは複数の環形を備えている。参照オブジェクトは、複数の同心環形を備えるプラシドディスクを備えていてもよい。複数の同心環形は、透明環形と不透明環形とを交互に備えていてもよい。透明環形は照光されてもよい。透明環形は導光部本体と一体化していてもよい。同心環形は導光部本体の内面の長さに沿って位置していてもよい。参照オブジェクトは、不透明環形を備えたオーバーレイを備えていてもよい。不透明環形は、透明部分によって直線状に隔てられて配列されていてもよい。参照オブジェクトは、導光部本体上に描かれているか、または配置されていてもよい。描画または他の手法は、不透明環形のみを施すことで構成されていてもよい。
【0034】
上述の態様のいずれか1つの別の実施形態において、導光部本体は複数のセグメントを備え、各セグメントはそれぞれの透過係数を備えていてもよい。透過係数は、参照オブジェクトの長さに沿って均等に照光するように選定されてもよい。各セグメントは任意の数の透明環形と不透明環形とを備えていてもよい。各導光部セグメントは光分離外面またはカバーを備えていてもよい。一実施形態では、視覚標的を与えるために、1つのセグメントは着色されていてもよい。別の実施形態では、1つのセグメントまたは導光部本体は、視覚標的を与えるために、着色されたフィルタを備えている。着色されたセグメントまたは着色されたフィルタは緑色であってもよい。着色されたフィルタは光路内に高分子フィルムを備えていてもよい。視覚標的または標的セグメントは導光部本体の遠位端に位置していてもよい。視覚標的または標的セグメントは着色光を伝送してもよい。導光部本体は2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のセグメントを備えていてもよい。一実施形態において、導光部本体は3個のセグメントを備えている。セグメント数は適切な照光を行えるように選定されてもよい。
【0035】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、導光部本体は、光伝搬の透過係数が空気とは異なる光学的媒質を備えていてもよい。
【0036】
上述の態様のいずれか1つの別の実施形態において、導光部本体は略円錐形または円環形の形状を備えている。略円錐形状は切頭円錐形状を備えていてもよい。円錐形または円環形の形状は内部路を備えていてもよい。外面は湾曲形状または円環形状を備えていてもよく、内部路は略円錐形状を備えていてもよい。
【0037】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、導光部本体は、照明アレイが発する光によって決まる選択的な色に照光される。照明アレイが発する光は白色、赤色、緑色、青色、または赤外の光を備えていてもよい。モダリティの視覚表示は、選択された色に対する光パルス、または選択された色に対して異なる輝度または強度を備えていてもよい。光パルスは周波数、変調、または持続時間が変化してもよい。輝度または強度はモダリティに合わせて変化してもよい。
【0038】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、誘導光学系と反射光学系は、導光部本体のほぼ対向している地点に位置決めされている。
【0039】
誘導光学系は、光源と露出した眼との間に位置する1つ以上のプリズムを備えていてもよい。プリズムは拡散プリズムを備えていてもよい。
【0040】
反射光学系は1つ以上の鏡を備えていてもよい。
【0041】
別の実施形態において、誘導光学系は鏡を備えていてもよく、反射光学系はプリズムを備えていてもよい。
【0042】
上述の態様のいずれか1つの別の実施形態において、導光部本体は透明媒質を備えている。透明媒質は光学的に均質で透明な媒質をもう1つ備えていてもよい。媒質はポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂で構成されていてもよい。
【0043】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、反射光学系が導いた光は、導光部本体の遠位端に位置する外形撮像システムに入射する。
【0044】
上述の態様のいずれか1つの別の実施形態において、外形撮像システムは、焦点レンズ系及び外形光学照光源からの光のみを伝送する光学フィルタのうちの1つ以上を備えている。
【0045】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、外形撮像システムは、導かれた光を1つ以上の取り込みシステム上に合焦する。導かれて合焦した光は観察対象である眼の基準点からの距離の情報を備えている。
【0046】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、外形撮像システムは、眼の外形面を1つ以上の取り込みシステム上に合焦する。
【0047】
導光部本体の内面と外面は研磨されていてもよい。研磨により、光源の伝搬光の残存散乱と比較して、所望の反射を達成し得る。
【0048】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、外形測定光路の一部は導光部本体内に備わっている。外形測定光路は、そして内部の外形測定光路も、誘導光学系と反射光学系とを備えていてもよい。誘導光学系は光を、眼の外形を横切って反射光学系へ向かうように誘導する。反射光学系は光を、焦点光学系及び/または1つ以上の取り込みシステムに誘導する。
【0049】
上述の態様のいずれか1つの別の実施形態において、トポグラフィー照光源からの光は、導光部本体を通過する2つ以上の光路に従う。2つ以上の光路は、完全に導光部本体の外にアウトカップリングされた光線と、一部は導光部本体の外にアウトカップリングされ、一部は眼に入射する光線と、全てが眼に入射する光線のうちの2つ以上を備えていてもよい。導光部本体の外面が描画されているか、または被膜されている実施形態では、完全に導光部本体の外にアウトカップリングされた光線は存在しない可能性もある。眼に入射する光線はその後、中心路を横切って1つ以上の取り込みシステムに入射してもよい。
【0050】
上述の実施形態のいずれか1つによれば、眼の外形を撮像するための反射光学系と誘導光学系は、外形測定系内に備わっている。
【0051】
上記のいずれかの態様のさらに別の実施形態において、導光部本体は参照オブジェクトと外形測定系を備えていて、導光部本体は角膜表面のトポグラフィーを撮像するために必要な光入力を供給する。
【0052】
上述の態様のいずれか1つのさらに別の実施形態において、導光部本体は、導光部本体と、トポグラフィー照光源と、参照オブジェクトと、トポグラフィー撮像システムとを備えた中心トポグラフィー系の少なくとも一部を備えている。中心トポグラフィー系は1つ以上の取り込みシステムをさらに備えていてもよい。
【0053】
上述の実施形態のいずれか1つによれば、眼科用トポグラファーは角膜トポグラファーを備えていてもよい。本実施形態によれば、眼表面は角膜表面を備えており、眼の外形は角膜外形を備えており、眼の照光は角膜の照光を備えていてもよく、眼の分析範囲は角膜の分析範囲を備えていてもよい。
【0054】
上述の態様のいずれか1つによれば、トポグラファーは強膜測定装置をさらに備えていてもよい。強膜測定装置は1つ以上の強膜投影システムをさらに備えていてもよい。1つ以上の強膜投影システムの各々は、強膜投影光源と強膜参照オブジェクトを備えていてもよい。
【0055】
強膜参照オブジェクトはそれぞれ、1つ以上の開口を備えた少なくとも1つのダイヤフラムを備えていてもよい。1つ以上の開口は開口パターン内に位置していてもよい。1つ以上の開口は強膜開口パターンと、任意で角膜開口パターンを備えていてもよい。眼または少なくとも1つの撮像センサ上に撮像する場合、強膜開口パターンは1つ以上の強膜位置決め器として撮像されてもよく、角膜開口パターンは角膜散乱像として撮像されてもよい。
【0056】
1つ以上の強膜投影システムの各々は強膜投影撮像システムをさらに備えていてもよい。強膜投影撮像システムは1つ以上のレンズを備えていてもよい。
【0057】
1つ以上の強膜投影システムはトポグラファー上に対称に実装されていてもよい。対称に実装されている強膜投影システムは、トポグラファーのいずれかの側に実装されている強膜投影システムを備えていてもよい。一実施形態において、強膜投影システムは、導光部のいずれかの側、または両側に配置されている、つまり、対称に実装されている左側強膜投影システムと対称に実装されている右側強膜投影システムである。これにより、開口パターンを眼表面の様々な部分上に投影することが可能になる。
【0058】
強膜投影光源によって照光された強膜開口パターンは、投影撮像システム上と、眼表面の強膜部分上とで撮像されてもよい。投影光源によって照光された角膜開口パターンも、投影撮像システム上と、角膜上とで撮像されてもよい。
【0059】
強膜測定装置は1つ以上の強膜位置合わせ参照オブジェクト投影器をさらに備えていてもよい。強膜位置合わせ参照オブジェクト投影器は強膜基準光源と強膜位置合わせ参照オブジェクトとを備えていてもよい。強膜参照オブジェクトは位置合わせ参照オブジェクト導光部を備えていてもよく、参照オブジェクト導光部は任意で、2つ以上の同心輪の形で設けられていてもよく、第2プラシドディスクを備えていてもよい。
【0060】
強膜基準光源から出て強膜位置合わせ参照オブジェクトを通過した光は、眼表面で反射されて、撮像システムを通って1つ以上の像取り込みシステム上に撮像されてもよい。
【0061】
強膜基準光源から出て強膜位置合わせ参照オブジェクトを通過して眼表面で反射された光は、強膜像を生成してもよい。強膜像をデジタル処理して、角膜高さ情報と強膜高さ情報を備えた強膜位置とを得てもよい。
【0062】
処理された強膜像を用いてトポグラファーからの角膜高さ情報を強膜高さ情報と合成して、新たな強膜トポグラフィーマップを生成してもよい。合成は像の位置合わせを備えていてもよい。位置合わせは、強膜位置決め器と、角膜散乱像と、強膜位置合わせ基準像のうちから1つ以上を利用してもよい。
【0063】
少なくとも1つのダイヤフラムは、2つ以上の隣接する位置合わせ開口を備えてもよい。この開口を通過した強膜基準光源からの光は、伝搬して角膜上へと届くことが可能である。一実施形態において、2つ以上の隣接する位置合わせ開口はそれぞれが、1つまたは2つ以上の隣接する透明な円形ドットからなる組を備えている。別の実施形態では、隣接する位置合わせ開口は、一組の、または2つ以上の、隣接する透明と不透明が交互かつ中心路の軸と同心に並ぶリングを備えていて、第2プラシドディスクを形成している。特定の実施形態において、2つ以上の隣接する開口は3つの透明な円形リングを備えている。さらに別の実施形態では、3つの透明な円形リングは基準ダイヤフラムとして用いられてもよく、また、交互に並ぶ透明リングと不透明リングとともに用いることができる。
【0064】
眼表面上に投影された強膜開口パターンと位置合わせダイヤフラムとは、同じ像で1つ以上の取り込みシステム上に撮像されてもよい。位置合わせダイヤフラムにあるこのような2つの隣接する位置決め器またはドットから、反射している眼表面の曲率や高さ情報を導き出すことができる。
【0065】
1つ以上の強膜参照オブジェクト開口及び/または強膜位置合わせ開口は、撮像システムによって1つ以上の撮像センサ上に撮像されてもよい。
【0066】
強膜測定装置はさらに、アルゴリズムを適用して、強膜像の眼の基準軸を角膜像の眼の基準軸と比較することによって、強膜高さ情報の精度を高めてもよい。この基準軸は、中心路の軸に対する眼の回転情報、または眼と中心路との間の回転情報を含んでいてもよい。
【0067】
一実施形態において、導光部本体とトポグラフィー照光源とが角膜参照オブジェクトを構成していてもよい。好適な実施形態では、角膜参照オブジェクトは、導光部本体とトポグラフィー照光源が頂点に対して投影した角膜参照オブジェクトと、さらなる角膜基準情報のための角膜開口パターンの両方を備えている。
【0068】
さらに別の実施形態において、強膜像と角膜像の両方の中に瞳孔が取り込まれていてもよく、この場合、取り込んだ瞳孔情報は、さらなる角膜基準情報のための眼の基準軸の情報を提供してもよい。
【0069】
さらに別の実施形態において、他の一意的に識別できる強膜の特徴を使用して、角膜と強膜のそれぞれの高さ情報を合成してもよい。
【0070】
別の実施形態において、角膜と強膜のそれぞれの高さ情報を合成するための基準データを提供するために、中心路の軸に対する眼の瞳孔の中心位置を測定してもよい。
【0071】
第5の態様において、本発明は眼科用トポグラフィーを求める方法を提供する。本方法は、
参照オブジェクトを備える導光部本体を照光して参照オブジェクトを測定対象となる角膜の前部表面上に投影し、照光された導光部本体は角膜の照光のための光を投影し、
導光部本体の近位端内に収容されている誘導光学系を用いて、導光部本体からの光を角膜外形を横切るように誘導し、
導光部本体の近位端に収容されている反射光学系を用いて、誘導光学系から来て角膜外形を横切った光を、反射して導光部本体に通し、
反射された光を、導光部本体の外部にある少なくとも1つの撮像センサで取り込み、
角膜表面上に投影された参照オブジェクトを、導光部本体内にある中心路を通じて取り込んで、角膜トポグラフィーを求める。
【0072】
第5の態様の方法はさらに、
1つ以上の投影レンズ系によって眼表面上に投影された開口パターンを撮像し、開口パターンは少なくとも1つの強膜参照オブジェクトと少なくとも1つの角膜参照オブジェクトを投影し、
強膜高さ情報を求められた角膜高さ情報と合成してもよい。
【0073】
上述の態様のいずれか1つによれば、導光部は多機能導光部を備えていてもよい。この多機能は、光を眼に届けて眼を撮像することを備えた撮像機能と、眼の外形の輪郭を撮像することを備えた外形用光学機能とを備えていてもよい。多機能及び撮像機能はまた、眼のトポグラフィーを撮像することを備えたトポグラフィー用光学機能を備えていてもよい。
【0074】
上述の態様のいずれか1つによれば、導光部はトポグラフィーコーン部を備えていてもよい。
【0075】
上述の態様のいずれか1つによれば、トポグラファーはハウジングと底板のうちの1つ以上を備えている。トポグラファーはまた、顎当てと額当てのうちの1つ以上を備える観察対象支えを備えていてもよい。トポグラファーはさらに、顎当てを上下に移動させるために調整アームを備えていてもよい。観察対象支えはまた、トポグラファーを較正するために較正装置を取り付けてもよい較正装置取り付け部を備えていてもよい。また、トポグラファーは手動ポジショナー、例えばジョイスティックを備えていてもよい。手動位置決めでは、ベース部を二軸方向に、つまり左右方向と前後方向に動かしてもよい。トポグラファーは、例えばジョイスティックを回転させることで上下方向にも動かしてもよい。上下方向の動きは、導光部と他の構成要素、例えばトポグラフィー照光源、外形撮像システム、及びトポグラフィー撮像システム等とを実装している実装柱部によって行われてもよい。
【0076】
上述の態様のいずれか1つによれば、トポグラファーは、トポグラファーケーブルで接続箱に接続されていてもよい。接続箱は、コンピュータケーブルでコンピュータに、また電源装置に接続されていてもよい。
【0077】
上述の態様のいずれか1つによれば、トポグラファーはさらに、トポグラファーを制御し、かつ/またはコンピュータと通信するために使用されるプリント基板を備えていてもよい。プリント基板は実装柱部上に位置していてもよい。
【0078】
上述の態様のいずれか1つによれば、トポグラファーは外部照明器も備えていてもよい。外部照明器は、交換可能な光学系のために光を供給してもよい。外部照明器は対称に実装されている光源を備えていてもよい。対称に実装されている光源は、導光部の両側に位置していてもよい。つまり、対称に実装されている左側光源と対称に実装されている右側光源であってもよい。光源はLED等の任意の適切な光源であってもよい。
【0079】
ハウジングは、ベース部、縦型実装柱部、導光部本体の少なくとも一部、外部照明器、及び強膜測定装置の各部のうちの1つ以上を囲む保護筐体であってもよい。
【0080】
本発明のさらなる態様及び/または特徴は、下記の詳細な説明から明らかになる。
【0081】
本発明が容易に理解されて実際の効果を発揮するために、以下において本発明の各実施形態を添付図面を参照しながら参照していく。ここで同様の参照番号は同一の要素を言及している。各図面は例示としてのみに提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】
図1A及び1Bは、本発明に係る角膜トポグラファーの一実施形態を示す概略図である。
図1Aはトポグラファーの斜視図、
図1Bはコーン部及びコーン部ハウジングの拡大図である。
【
図2】
図2A及び2Bは本発明のトポグラファーの一実施形態の断面を示す概略図である。
【
図3】
図3A,3B,3C及び3Dは、レンズ系の位置決めを行う位置決め器の一実施形態を示す概略図である。
【
図4】
図4A及び4Bは、本発明の別の実施形態に係る位置決め器を示す概略図である。
【
図5】
図5は、角膜外形データを取り込む従来の装置の断面図と光路を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明のある実施形態に係る強膜データを取り込む装置の別の断面図と光路を示す概略図である。
【
図7】
図7A,7B,7C及び7Dは、外形像(左側)の一実施形態及び角膜像(右側)の一実施形態(
図7A)、参照オブジェクトの像を表示している眼の描写(
図7B)、外部照明器によって行われた照光で撮影した眼の描写(
図7C)、フルオレセインを用いて可視化された、コンタクトレンズ着用の眼の描写(
図7D)、及び、マイボーム腺を図示している眼の描写(
図7E)をそれぞれ示す図である。
【
図8】
図8A及び8Bは、本発明の一実施形態に係る角膜トポグラフィーの光路(
図8A)及び角膜外形撮像の光路(
図8B)を描写する断面図を示した概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る、追加の外部照光を有している角膜トポグラフィー及び角膜外形撮像の光路を描写する断面図を示した概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る角膜及び強膜トポグラフィーの光路を描写する断面図を示した別の概略図である。
【
図11】
図11A及び11Bは、本発明の一実施形態に係る像の位置合わせのための光路を示す概略図である。
【
図12】
図12A及び12Bは、本発明の一実施形態に係る像の位置合わせのために誘導される参照オブジェクトを示す概略図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係るトポグラファーの正面を示す概略図である。
【
図14】
図14A及び14Bは、本発明に係る導光部及びトポグラファーの商品化された実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0083】
[発明の詳細な説明]
当業の技術を有する受け手であれば、各図面の要素は簡潔かつ明確にするために図示されており、必ずしも一様の比率では描かれていないことを認識されよう。例えば、本発明の実施形態をより理解しやすくする一助となるように、各図面の要素の中には相対的な寸法を変形させているものもあり得る。
【0084】
本発明の各実施形態は、眼科用トポグラフィー用導光部の改良と、眼科用トポグラファーの改良に関する。当業者であれば、トポグラフィー用に使用されているような導光部は「コーン部(cone)」とも称されることを容易に理解されよう。このような導光部は一般的に円錐形状であるからである。本発明の導光部は、内側面は略円錐形状であるが、外側面は円錐形状ではない。この技術において使用されている慣習や用語を考慮して、本明細書ではこれら導光部やコーン部といった語を同義で用いてもよい。
【0085】
光を発する角膜トポグラフィー導光部内部に、参照オブジェクトを一体化して備えることによって、参照オブジェクトが導光部本体及び撮像システムの一部を構成し得ることを発明者が発見したことは、驚くばかりである。このことによって、導光部本体がより小型になり得るとともに、コスト的により優れていて、撮像モードの追加や角膜トポグラフィーの性能向上を可能にする導光部本体により導光機能を行うことができるので、これは意義ある効果である。本発明の一実施形態の別の効果は、導光部本体内に外形用光学部を設けることができることである。
【0086】
別の実施形態において、本発明は、バックラッシュのない交換可能なレンズ系を設けることによる多機能トポグラフィーを提供する。交換可能な光学系手段にそれぞれ個別のレンズを使用可能であるという特長が、各レンズ設計に対して発揮できるので、全体の品質を高めることができる。
【0087】
さらに、本発明の眼科用トポグラファーは、強膜トポグラフィーの機能及び方法を初めて提供する。これは、高品質の角膜トポグラフィーを維持しながら行われ、強膜トポグラフィーの追加データに合成可能である。この結果、コンタクトレンズのフィッティングが、より高品質に改善されて行うことができる。さらに、角膜や強膜のトポグラフィー情報を得るために、フルオレセインを使う必要がなくなり、このことは使用者にとって大きな利点であり、先行技術と比べた場合に観察対象の快適さにとって有益である。
【0088】
本明細書で用いられているように、「光学系」は、光の誘導、観察、分析、記録、及び/または取り込みを行う、1つ以上のレンズまたは他の像生成要素、鏡、プリズム、分光光学フィルタ、及び/または開口を意味する。特定の光学系は、1つ以上のレンズまたは他の像生成要素、鏡、プリズム、分光光学フィルタ、及び/または開口の様々な配置構造で構成されていてもよく、それで同じ機能を発揮してもよいことが理解されるべきである。例えば、特定の光学系が本明細書では1つ以上のプリズムを備えるものとして説明されている場合に、プリズムの代わりとして、1つ以上のレンズまたは他の像生成要素、鏡、プリズム、分光光学フィルタ、及び/または開口を備えた異なる構造を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0089】
本明細書で用いられているように、「撮像システム」は、物体の実像または虚像を生成する特定のタイプの光学系を意味している。
【0090】
本明細書で用いられているように、「マイヤー(mire)」とは参照オブジェクトのパターンであり、角膜のトポグラフィーの算出時に、角膜の曲面によって映し出されたそのパターンの像が用いられる。
【0091】
以下の説明から、本発明の導光部またはコーン部は多機能導光部またはコーン部であることが明らかになるであろう。本明細書で用いられているように、「多機能導光部またはコーン部」は、2つ以上の光学機能を行う導光部またはコーン部を言及するのに用いられている。一実施形態において、多機能導光部本体は、光とマイヤーを眼上に誘導して、眼に撮像されたマイヤーを撮像センサに撮像するものであり、さらに、眼の外形の輪郭を撮像する外形用光学系を備えている。
【0092】
広くは、本発明の一実施形態は、トポグラファー用の参照オブジェクトを備えるコーン部または導光部本体に関する。
【0093】
別の実施形態では、本発明は、参照オブジェクトと、眼の外形を撮像する外形用光学系と、照光された参照オブジェクト103がマイヤーとして眼上に撮像されている状態の角膜表面を、撮像センサに撮像するトポグラフィー光学系を備える、導光部またはコーン部に関する。
【0094】
以下に説明されているように、一実施形態において本発明は、交換可能な光学系を提供し、2つ以上の操作モダリティや撮像機能の実行を可能にする。
【0095】
本発明に係るトポグラファー100の一実施形態を
図1に示す。トポグラファー100は、ハウジング121内に収容されているトポグラフィー導光部またはコーン部101を備えている。底板120によって頑丈に支持されている。顎当て117と額当て118とを備えた観察対象支え122によって、安定した観察台が設けられている。顎当てを上下に移動させるために調整アーム119も設けられている。この上下方向の調整によって、様々なサイズの頭部を、眼106の高さがトポグラファー100の光軸と一直線になるように正確に位置合わせすることが可能になる。
【0096】
トポグラファー100は、トポグラファーケーブル214で接続箱160(図示せず)に接続されている。接続箱160は次に、USB(universal serial bus)ポートに差し込まれているコンピュータケーブル162(図示せず)で従来型のコンピュータ161(図示せず)に接続されており、電源ケーブル164(図示せず)で電源装置163(図示せず)に接続されている。
【0097】
観察対象支え122はまた、トポグラファー100を較正するために較正装置166(図示せず)を取り付け可能な較正装置取り付け部165(図示せず)を備えている。
【0098】
また、トポグラファー100は手動ポジショナー167を備えており、手動ポジショナー167は、ベース部169を二軸方向に、つまり左右方向と前後方向に動かすために使用可能なジョイスティック168を備えている。さらに、ジョイスティック168を回転させることで上下方向の動きが行える。これにより、トポグラファー100を観察対象の眼106に正確かつ簡便に位置合わせすることが可能になる。上下方向の動きは、導光部101と他の構成要素、例えば導光部照明アレイ155、外形撮像システム112、及びトポグラフィー撮像システム123等とを実装している実装柱部169によって行われる。
【0099】
以下にさらに詳細に説明されているように、トポグラファー100はまた、トポグラフィーや追加の眼部撮像機能のために更なる光を供給する外部照明器207を備えている。外部照明器207は、導光部101のどちらの側にも対称に実装されている光源208を備えている。光源208はLED等の任意の適切な光源であってもよい。
【0100】
以下でさらに説明するのは、トポグラファー100のいくつかの実施形態において、強膜測定装置400が任意で設けられていることである。強膜測定装置400は、
図10及び11Aに示されている1つ以上の強膜投影システム401と強膜参照オブジェクト402を備えている。強膜測定装置はさらに、1つ以上の強膜位置合わせ参照オブジェクト投影器404を備えていてもよい。
【0101】
またに、以下にさらに詳細に説明されているように、撮像システム123はまた、撮像システムの光路内にある所定の位置合わせ位置へと回転盤302を回転させる1つ以上のアクチュエータ307(図示せず)、例えばモータ等を備えている。
【0102】
さらに実装柱部169に配置されているものとして、トポグラファー100を制御しコンピュータ161と通信するために使用されるプリント基板170(図示せず)がある。
図1A及び
図1Bに示されているように、内部にある構成要素は全てハウジング121内に格納されており、ハウジング121はベース部169と縦型実装柱部170とを囲む保護筐体を形成している。また、導光部本体102は部分的にハウジング121内部に格納されている。
【0103】
図1Bは、導光部100及び外形撮像システム112の一部を示している。導光部100は、参照オブジェクト103の少なくとも一部を備える導光部本体102を備えていて、導光部本体102を照光して、トポグラフィーの環形または輪形をマイヤー126として撮像する。
【0104】
導光部本体102は透明媒質104からなる。
図2に示されている実施形態において、透明媒質104はポリメタクリル酸メチル(PMMA)で構成されている。本明細書にある教示に基づき、当業者ならば他の任意の適切な透明媒質を容易に選択可能である。透明媒質104は光学的に均質で透明な媒質をもう1つ備えていてもよい。
【0105】
導光部本体102は、略円環形または円錐形外面142の形状と略円錐形内面141の形状で構成されている。各図面に示されている実施形態では、略円環形または円錐形状は、中心路124を備えた円環または切頭円錐形形状である。コーン部101の直径は、その長さに沿って遠位端115から近位端109に向かって小さくなっている。円環形または円錐形状とは、遠位端の直径は近位端の直径よりも大きく、導光部本体102の長さに沿って存在する同心の透明環形128と不透明環形は、その円周が遠位端115から近位端109に向かって小さくなっていることを意味する。
【0106】
導光部本体102は、人の顔型にぴったり合うようなちょうどいい寸法を有しており、中心路の開口直径は35mm未満、導光部本体102の外径は70mm未満、導光部本体10の長さは100mm未満である。トポグラファー100の奥行きは300mm未満、トポグラファー100の高さは450mm未満である。
【0107】
別の実施形態において、導光部本体102はほぼ対称形であり、近位端109に曲線形状125(図示せず)を備えている。曲線形状125は対称形で対向している凸部145(図示せず)と凹部146(図示せず)とで構成されている。凸部145は、誘導光学系108の少なくとも一部と反射光学系111の少なくとも一部とを収容している。凸部145は近位端109において対向する地点にそれぞれ位置している。凹部146も近位端109において対向する地点にそれぞれ位置している。凸部と凹部はスカラップ端を構成していてもよい。
【0108】
上述の態様のいずれか1つの別の実施形態において、誘導光学系の少なくとも一部と反射光学系の少なくとも一部は、導光部本体の近位端上に互いに対向して位置している。注目すべきは、誘導光学系は光軸と直角に光を誘導することである。
【0109】
導光部101は、実装用フランジ147(図示せず)を介してトポグラファー100に取り付けられている。中心路124を収容する導光部本体102が円環形または円錐形状であることにより、眼106を内面141上にある参照オブジェクト130に対して露出することが可能になる。
【0110】
図1Bはトポグラファー100の一部の正面斜視図を、導光部101を備えた領域の拡大図で中心路124を通じて参照オブジェクト103を見えるようにして示している。
【0111】
図1Bの斜視図及び
図2Aの断面図に示されているように、参照オブジェクト130は、複数の環形または輪形を、透明環形128と不透明環形129(
図2Aの断面図で破線として表されている)がそれぞれ交互にある形で備えている。示されている実施形態では、参照オブジェクト130は、内面141上に軸長に沿って位置している複数の透明環形128を、その両側でそれぞれ1つの不透明環形129に接するようにして備えている。末端の環形128,129は、末端ではない側にある対応する環形129,128にのみ接している。
【0112】
導光部101を照光すると、複数の透明環形128が照光されて、前眼部角膜表面148の曲率によって生成された同心輪の虚像を、マイヤー126として形成する。撮像システム123を用いて前眼部角膜表面148によって生成された、透明環形128から生じた同心輪マイヤー126を撮像し、撮像後の同心輪マイヤーを分析することによって、角膜107のトポグラフィーを求めてもよい。この点において、また本実施形態では、参照オブジェクト103はプラシドディスクと呼ばれてもよい。
【0113】
内面141は中心路124に対向している。導光部本体102の内面141と外面142は、反射または屈折光学表面の機能を有するように研磨されていてもよい。
【0114】
透明環形128は導光部本体102と一体になっている。示されている実施形態において、導光部本体102上には参照オブジェクト103、より正確には不透明環形129が描かれている、または施されている。別の実施形態では、描画または他の手法は、不透明環形129と透明環形128とを塗ることで構成されていてもよい。さらに別の実施形態では、参照オブジェクト103は、上に不透明環形134が備わっている透明シート151を備えるオーバーレイ149(図示せず)を備えていてもよい。本実施形態では、シート151上に不透明環形129が印刷されていてもよい。その結果、オーバーレイ149は、印刷された不透明環形129が路124の長さに沿って延在するように、中心路124内部に位置決めされている。
【0115】
図1A及び1Bに示されている実施形態において、参照オブジェクト103は30個の透明環形128を備えている。本明細書にある教示から、当業者ならば他の適切な参照オブジェクトや他の適切なマイヤー形成形状の数を容易に選定可能である。例えば、参照オブジェクト103は、5~50個、10~40個、または20~35個の透明輪形または他のマイヤー形成形状を備えていてもよい。
【0116】
図2A及び8Aはまた、輪形126の均等照光を供給するために、導光部本体102は複数の導光部セグメント130からなっていてもよいことを示している。
図2A及び8Aに示されている実施形態では、導光部本体102は3つのセグメント130i,130ii,130iiiで構成されている。各セグメント130は、各透明環形126を参照オブジェクト103の長さに沿って均等に照光するようにそれぞれ整合したカップリング効率を備えている。各セグメント130は任意の数の透明環形128と不透明環形129とを備えていてもよい。
【0117】
他の実施形態において、導光部本体102は1個、2個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個のセグメント、または11個以上のセグメント130を備えていてもよい。セグメント130の数は適切な照光を行えるように選定されてもよい。
【0118】
示されている実施形態において、各セグメント130は、少なくとも1つの撮像センサ1116上に、均等に照光された輪形の像を生成するためのカップリング効率を備えている。
【0119】
導光部本体102が、分散型照光源200及び外形光学照光源201を含むトポグラフィー照光源105の自由空間への照射よりも高いカップリング効率を備えることは重要である。
【0120】
図8Aに示されているように、各導光部セグメント130及び外面142の一部または全部は、他の導光部セグメントに光が漏れるのを防止するために、または導光部本体102の外に光がアウトカップリングされるのを防止または低減するために、光分離カバー131を備えていてもよい。
【0121】
セグメント130(i)は、路124を通じて見ている眼106が凝視するための標的を与えるために、着色されていてもよい、または視覚的な印を備えていてもよい、標的セグメントを備えている。示されている実施形態では、白黒図では表示できないが、標的セグメント130(i)は緑色に着色されている。標的セグメント130(i)は導光部本体102の遠位端にあるように示されている。他のセグメント130(i),(ii)は全て、同じ光透過材料であるが寸法とカップリング効率が130(i)とは異なっており、好ましくは透明であってもよい。
【0122】
図2Aは本発明の一実施形態に係る角膜トポグラフィーの構成要素を示しており、一方、
図2Bは本発明の一実施形態に係る外形撮像用構成要素を示している。さらなる説明は、中心トポグラフィー光学系150及び外形測定系172の光路をそれぞれ示す
図8A及び8Bによって得られる。
【0123】
図2A及び2Bの両方に示されているように、トポグラファー100の照光は、トポグラフィー照光源105(
図2A)と外形光学照光源201(
図2B)を備えた導光部照明アレイ155によって行われている。導光部本体102はトポグラフィー照光源105で照光されている。注目すべきは、トポグラフィー照光源105と外形光学照光源201は分解可能であることである。トポグラフィー照光源105と外形光学照光源201は、少なくとも1つの撮像センサ116上で像の干渉が起こらないように十分に異なる波長で光を発していてもよい。
【0124】
トポグラフィー照光源105は参照オブジェクト103、少なくとも透明環形128を照光する。つまり、トポグラフィー照光源105は導光部本体102を照光して、角膜107を照光するとともに参照オブジェクト103を前眼部角膜表面148上に投影する光を供給する。
【0125】
トポグラフィー照光源105は分散型照光源200を備えているので、よってトポグラフィー照光LED153の形で複数の別個の照光源を備えており、これらは多色光または白色光を発する。複数のLED153は、プリント基板(PCB)203上に備えられた、LED153からなる2つ以上の同心リング内に備わっている。対応する図面は用意されていないが、示されている実施形態において、トポグラフィー照光源105は外側リング105(a)と内側リング105(b)を備えている。
【0126】
図8Aは、LED153からなるトポグラフィー照光源105が発する光の3つの光路を示している。ある光はトポグラフィー光路206a等の光路を有しており、外面142から完全に導光部本体102の外にアウトカップリングされている。別の光は、一部が外面142から導光部本体102の外に光線がアウトカップリングされるトポグラフィー光路206bを進み、一部が外面142に反射して内面141に向かい、中心路124を横切る前に眼106に入った後に少なくとも1つの撮像センサ116に入射するトポグラフィー光路206cを進んでいる。つまり、導光部本体102内部の光は、外面142で分かれて、一部は屈折して周囲環境へと向かう可能性がある。光路206dは、外面142を通過せずに向きを変えて内面141へと向かう光線を示していて、この光線は中心路124を横切る前に眼106に入射して、中心撮像システム123に入射し、少なくとも1つの撮像センサ116に入射して角膜像204を生成する。つまり、撮像センサ116上にマイヤー126が撮像される。
【0127】
次に
図2Bを参照すると、外形光学照光源201は、1つのLEDの形態をした、赤外光を発する外形用点光源202を備えるように示されている。点光源202からの光は、導光部本体202を渡って、誘導光学系によって角膜外形110を横切るように誘導され、反射光学系111に受信されて撮像システム112に誘導され、取り込みシステム113と少なくとも1つの撮像センサ116へと誘導されて、ここで外形像205を生成して取り込む。
【0128】
誘導光学系108は鏡133を備えているように示され、反射光学系111はプリズム143を備えているように示されている。他の実施形態では、この構成が逆になっており、誘導光学系108がプリズムを、反射光学系111が鏡をそれぞれ備える構成となっている。
【0129】
外形撮像システム112は、光伝搬方向ベクトル134を取り込みシステム113に向けるように、鏡133と他の構成要素を備えているように示されている。
図2A及び2Bから、撮像は、少なくとも1つの撮像センサ116を備えているように示されている取り込みシステム113を用いて行っていることが分かる。他の実施形態では、取り込みシステム113は2つ以上の撮像センサを備えており、撮像センサはトポグラフィー撮像センサ173(図示せず)及び外形撮像センサ152(図示せず)の形で設けられていてもよい。
【0130】
図2Aはまた、導光部本体201と眼106との相対的な位置は例えばポジショナー167を用いて動かしてもよいことを示している。このことは、交換可能な光学系300内に構成されている光学系300a,300b,300c,300dの各々に対する眼106の位置決めを簡便に行うことができるので、効果的である。
図3A,3B,3C,及び3Dに示されている実施形態では、交換可能な光学系300は位置決め器301上に配置されており、位置決め器301は、両方向に回転させて、中心路にある光学系300a,300b,300c,300dの各々を正確に1つ以上の取り込みシステム113に位置合わせすることが可能な回転盤302の形態をしている。
【0131】
図3Aに示されているように、回転盤302は、中心トポグラフィー系150の中心路144の軸に対する開窓308を備えている。
【0132】
回転盤302は、
図3Aにある矢印が示すように、両方向、つまり時計回りと反時計回りに回転してもよい。
【0133】
回転盤302は、1つ以上の歯に係合する割り出し位置303を備えている。1つ以上の歯309は、
図3A,3B,3C,3Dに示す実施形態ではただ1つの歯で構成されているが、ばね304として働く旋回レバー305に位置していてもよい。
【0134】
回転盤302は、2つの光学系のそれぞれを精密に位置決めするための1つ以上の割り出し位置303を備えている。
図3A,3B,3C,3Dに示されている実施形態では、交換可能な光学系300は、4つの光学系300a,300b,300c,300dとそれぞれに対応する4つの割り出し位置303a,303b,303c,303dを備えている。該当する割り出し位置303a,303b,303c,303dを選択して1つ以上の歯309と係合させることによって、それぞれの光学系300a,300b,300c,300dを、眼106の撮像のために中心路124に対して正確に位置合わせしてもよい。
【0135】
図3Aは、1つ以上の歯309が回転盤302と係合しておらず、2つの割り出し位置303の間で切り替わろうとしている状態を示している。
図3Bは、回転盤302をさらに回転させた結果、旋回レバー305が跳ね戻って回転盤302と係合した時に1つ以上の歯309がちょうど係合した状態を示している。
【0136】
図3Dは位置決め器301の別の実施形態を示していて、ここでは旋回レバー305を用いる代わりに摺動要素306を用いている。
【0137】
図示してはいないが、位置決め器301はさらに、回転を実行するために、モータ421の形で1つ以上のアクチュエータ307を備えている。
【0138】
図4は位置決め器301の別の実施形態を示していて、位置決め器301は、伝達ベルト422を駆動して回転盤302の回転を実行するモータ421を備えている。別の実施形態では、回転盤302は歯車を備えている。
【0139】
図3Dに示されている実施形態において、交換可能な光学系300は6つの光学系を備えている。他の実施形態では、2個、3個、5個、7個、8個、9個、10個、または11個以上の光学系で構成されていてもよい。
【0140】
位置決め器301はバックラッシュのない位置決め器であり、これは、正確な位置を与えて、望まない動きを防止または少なくとも低減させて効果的である。
【0141】
導光部本体102は、照明アレイ155が発した光によって決まる様々な色に照光されることは効果的である。照明アレイ155が発した光は、中心トポグラフィー系150、外形測定系172、または交換可能な光学系300のうちの対応する1つといった使用中のモダリティを示す、様々な識別可能な色で構成されていてもよい。
【0142】
上述から当業者は、眼106を照光する光の伝搬に用いられる可視光分は、その外面上で分かれて導光部本体102の外にアウトカップリングされて周囲領域に入り、使用者や使用者や患者に見えるようになることが可能であることを理解されよう。眼106または眼106の周囲領域を画像化するために撮像するための他の照光手段に加えて、アウトカップリングされた光も眼106を照光することに用いてもよい。
【0143】
アウトカップリングされて使用者または検査を受けている観察対象に見える光は、トポグラファー100の動作状況の情報やそのほかの情報を含有可能である。この光の情報は、好適な実施形態のように、色の形で提示してもよいが、光パルスや輝度変更のような他の光変調を含有することも可能である。
【0144】
導光部本体102はまた、角膜外形110を照光するための光路の伝搬の一部を行い、少なくとも1つの撮像センサ116上への角膜像204の撮像を行う。
【0145】
図7Aは外形像205(左側)と角膜像204(右側)を示している。
図7Aはまた、外形データは外形の輪郭137と頂点位置138を備えていて効果的であることを示している。参照オブジェクト130または中心撮像システム123に対する眼106の位置を求めるために、基準位置139が与えられていてもよい。これらの像204,205は、1つ以上の取り込みシステム113から取り込まれたデータを用いて再構築可能である。
【0146】
図7B,7C,7D,7Eは、交換可能な光学系300を用いて得られる可能性のある情報及び像の例である。
図7Bは前眼部像を示している。
図7Cは角膜像を示している。
図7Dはコンタクトレンズを装着した像を示し、
図7Eはマイボーム腺像を示している。
図7B,7C,7D,7Eは例えばそれぞれ光学系300a,300b,300c,300dを用いて得られてもよい。
【0147】
交換可能な光学系300の別の意義ある効果は、各光学系300a,300b,300c,300d等は完成した系であり、他のどんな撮像要素も必要とせず、広くは、トポグラファー100とは分離した状態である、または各要素を交換可能な光学系300a,300b,300c,300d等の間で共有していることである。これにより、2つ以上の撮像機能を実行することが可能になる。
【0148】
図5は角膜外形を撮像する先行技術の装置の概略図を示している。本断面図は、先行技術の外形用光学機器とそれぞれの光路が導光部本体の外側に、またはそのほとんどが外側にあることを示している。
【0149】
このことは、
図8Bに示す、導光部本体102を横切る外形測定系172及び外形測定光路206とは対照的である。
【0150】
図8Bは、外形光学照光源201が発した光の外形測定光路206を示している。光は透明媒質104を通って、導光部本体102の近位端109の対向する地点に実装されている誘導光学系108と反射光学系111を通り抜ける。誘導光学系108は、透過光を、外形測定光路206のうち反射光学系111内に備わっている鏡143とプリズム143との間にある部分に沿って角膜外形110を横切るように誘導する鏡143を備えている。
【0151】
反射光学系111は、誘導光学系108から誘導されて角膜外形110を横切った光を反射して、その光を導光部本体102を通過して外形撮像システム112に、そして1つ以上の取り込みシステム113上に送るように光を導く。
【0152】
誘導光学系108が取り込んだ光の少なくとも一部は、コーン100の遠位端110に隣接して位置する反射光学系111に入射する。外形像206は観察対象の眼190の基準点からの距離に関する情報を備えている。距離情報を角膜像に備わっている情報と一緒に用いて、角膜曲率情報が得られる。距離情報は、外形像205の外形の輪郭137を測定し、外形像205上の基準位置に対する頂点位置138を比較することによって導き出される。
【0153】
図2Bに示されているように、外形撮像システム112はまた、眼106の外形面を少なくとも1つの撮像センサ116上に合焦するための1つ以上の焦点レンズ135を備えている。外形撮像システム112は、導光部本体102を通過する光路長を補正するように設計されていてもよい。
【0154】
また、
図2Bにさらに示されているのは、外形撮像システム112はさらに、外形光学照光用光源201からの赤外光のみを通過させる、またはほぼ赤外光のみを通過させる、光学フィルタ254を備えていることである。
【0155】
眼の外形撮像の光の伝搬において用いられる導光部本体102の表面は、光伝搬方向ベクトル134とほぼ直角である。つまり、誘導光学系と反射光学系は光をほぼ直角に反射し、両者の伝搬方向ベクトルはそれぞれ中心路の軸と直角で交差する。
【0156】
追加光を中心トポグラフィー系105に供給することが望ましいこともある。
図6はトポグラファー100の断面の概略図を示しており、外部照明器207の導光部本体に対する相対的な位置を示している。
【0157】
外部照明器207は導光部本体102の面の外側にあり、一方、中心または内部に位置する照明アレイ155、トポグラフィー照光源、及び外形撮像照光源201は導光部本体102と同じ面内にあるので、これらとは位置的に区別がつく。
【0158】
外部照明器207は、
図6及び9に示されているような追加の照光を供給する光源208を備えている。示されている実施形態において、光源208はLEDで構成されている。
【0159】
次に
図10,11A,11Bに移り、トポグラファー100はさらに強膜測定装置400を備えていてもよい。強膜測定装置400は1つ以上の強膜投影システム401を備えており、強膜投影システム401は各々が強膜投影光源406と強膜参照オブジェクト402を備えている。
【0160】
強膜参照オブジェクト402は、1つ以上の開口415aを備えた少なくとも1つのダイヤフラム415を備えている。1つ以上の開口415aは強膜開口パターン405内に、及び任意で角膜開口パターン414内に配置されている。眼106または少なくとも1つの撮像センサ116上に撮像されると、強膜開口パターン405は1つ以上の強膜位置決め器418として撮像されてもよく、角膜開口パターン414は角膜散乱像419として撮像されてもよい。
図11Aに示されているように、角膜散乱像419は角膜を通過したものなので、測定値は体積散乱単位で眼を通過したものである。
【0161】
1つ以上の強膜投影システム401はさらに、1つ以上のレンズを備えるように図示されている強膜投影撮像システム403を備えている。
【0162】
図10に示されている実施形態において、1つ以上の強膜投影システム401は対称に位置する2つの強膜投影システム401で構成されており、トポグラファー100の各側にそれぞれ1つが実装されている。対称に実装されているこの強膜投影システム401は、トポグラファー100のいずれかの側にそれぞれ実装されている強膜投影システム401で構成されていてもよい。一実施形態では、強膜投影システム401は導光部本体102のいずれかの側、または両側に配置されている、つまり対称に実装されている左側強膜投影システム401と対称に実装されている右側強膜投影システム401である。これにより、開口パターン405,414を眼表面の様々な部分上に投影することが可能になる。
【0163】
強膜投影光源406によって照光された強膜開口パターン405は、強膜投影撮像システム403上と、眼表面の強膜部分上とで撮像されてもよい。投影光源406によって照光された角膜開口パターン414も、投影撮像システム403上と、角膜107上とで撮像されてもよい。
【0164】
強膜測定装置400はさらに、強膜基準光源408と強膜位置合わせ参照オブジェクト407を備えた1つ以上の強膜位置合わせ参照オブジェクト投影器404を備えている。強膜位置合わせ参照オブジェクト407は位置合わせ参照オブジェクト導光部409を備えていてもよく、参照オブジェクト導光部409は任意で、2つ以上の同心輪の形で設けられていてもよく、第2プラシドディスクを備えていてもよい。強膜基準光源408から出て強膜位置合わせ参照オブジェクト407を通過した光は、眼表面で反射されて、撮像システム123を通って1つ以上の像取り込みシステム113上で撮像されてもよい。
【0165】
強膜基準光源408から出て強膜位置合わせ参照オブジェクト407を通過した後に眼表面で反射した光は、強膜像410を生成する。強膜像410をデジタル処理して、角膜高さ情報と強膜高さ情報を備えた強膜位置とが得られる。角膜トポグラフィーに精通する読者であれば、眼106の高さ情報と曲率情報は共役な関係にあり、同じ情報を含んでいることが分かる。強膜高さ情報と強膜曲率情報は、一般に知られている数学的な手段を適用することによって、その情報を別の情報に変換してもよい。
【0166】
処理された強膜像410を用いて、トポグラファー100からの角膜高さ情報を強膜高さ情報と合成して、新たな強膜トポグラフィーマップを生成してもよい。この合成は像の位置合わせを備えていてもよい。位置合わせは、強膜位置決め器418、角膜散乱像419、及び強膜位置合わせ基準像420のうちの1つ以上を利用してもよい。
【0167】
位置合わせダイヤフラム423は、2つ以上の隣接する位置合わせ開口423aを備えており、この開口を通過した強膜基準光源408からの光は、伝搬して角膜107上へと届くことが可能である。示されている実施形態において、2つ以上の隣接する位置合わせ開口423aはそれぞれが、1つまたは2つ以上の隣接する透明な円形ドットからなる組を備えている。他の実施形態では、隣接する位置合わせ開口423aは、一組の、または2つ以上の、隣接する透明と不透明が交互かつ中心路124の軸と同心に並ぶリングを備えていて、その組が第2プラシドディスク416を形成している。
図13に示されているように、2つ以上の隣接する位置合わせ開口423aは3つの透明な円形リングを備えている。さらに別の実施形態では、円形リングは、基準ダイヤフラムとして用いられてもよく、また、交互に並ぶ円形リングとともに用いることができる。
【0168】
眼表面上に投影された強膜開口パターン405と位置合わせダイヤフラム423とは、同じ像で1つ以上の取り込みシステム113上に撮像されてもよい。位置合わせダイヤフラム423にあるこのような2つの隣接するリングまたはドットから、反射している眼表面の曲率や高さ情報を導き出すことができる。
【0169】
強膜測定装置400はさらに、アルゴリズムを適用して、強膜像410の眼の基準軸を角膜像204の眼の基準軸と比較することによって、強膜高さ情報の精度を高めてもよい。この基準軸は、中心路124の軸に対する眼106の回転情報、または眼106と中心路122との間の回転情報を含んでいてもよい。
【0170】
一実施形態において、導光部本体とトポグラフィー照光源とが角膜参照オブジェクトを構成していてもよい。好適な実施形態では、角膜参照オブジェクトは、導光部本体とトポグラフィー照光源が頂点に対して投影した角膜参照オブジェクトと、さらなる角膜基準情報のための角膜開口パターンの両方を備えている。
【0171】
強膜像410と角膜像204の両方の中に瞳孔413が取り込まれていてもよく、この場合、取り込んだ瞳孔情報は眼の基準軸の情報を提供してもよいことは効果的である。追加として、あるいは代替として、他の一意的に識別できる強膜の特徴を使用して、角膜と強膜のそれぞれの高さ情報を合成してもよい。
【0172】
また、角膜と強膜のそれぞれの高さ情報を合成するための基準データを提供するために、中心路124の軸に対する眼106の瞳孔の中心位置を測定してもよい。
【0173】
強膜測定装置400をトポグラファー100の一部として使用することで、強膜データを角膜トポグラフィーデータと合成することが可能になる。これは散乱像に依存せず、むしろ角膜からの反射を使用するので、効果的である。さらに、像の位置合わせのための基準データを提供するために、両眼の相対的な瞳孔位置を測定してもよい。
【0174】
本発明の効果は、照光は導光部本体102の外部では行われていないので、近位端113での直径を小さくすることができることである。これにより、角膜表面148を導光部本体102により近くまで近接させることができ、よってより広い角膜部分の分析が可能になる。
【0175】
本発明の別の効果は、照光が、光の分布に影響を与える影を生じさせないことである。本発明はまた、照光に必要な構成要素数や製造の複雑性を大幅に低減している。
【0176】
本明細書において、「備える(comprise、comprising)」という語、または同様の語は、含有が排他的ではないことを意味するものである。例えば、ある列挙された要素を備える(comprise)装置は、これらの要素のみを含有するのではなく、列挙されていない他の要素も含有していてもよい。
【0177】
本明細書全体を通じ、その目的は、本発明をいかなる実施形態、または特徴の集合体に限定することなく説明することであった。関連する技術に精通する者であれば、特定の実施形態から、やはり本発明の範囲の範疇にある変形を実現し得るであろう。
【国際調査報告】